1: 2008/12/10(水) 15:14:37.49 ID:9eH8d6ar0
喪黒「私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん。
   ただのセールスマンじゃございません。
   私の取り扱う品物は心、人間の心でございます。ホーホッホッ……」

喪黒「この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり。
   そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。
   いいえ、お金は一銭もいただきません。
   お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。
   さて、今日のお客様は……」


柊かがみ(17才) 現役女子高生
らき☆すた(1) 【前編】 らき☆すた 【分割版】 (カドカワデジタルコミックス)
5: 2008/12/10(水) 15:19:29.42 ID:9eH8d6ar0



          『ツンデレ』



6: 2008/12/10(水) 15:20:20.99 ID:9eH8d6ar0
柊家

つかさ「お姉ちゃん、お待たせー。準備できたよー」

かがみ「よし。じゃあ早く学校行くわよ。新学期から遅刻するわけいかなしね」

つかさ「うん!」

かがみ「それじゃ、お母さん。いってきまーす」

つかさ「いってきまーす!」

みき「はい、いってらっしゃい」

ガチャ、バタン!

8: 2008/12/10(水) 15:21:45.43 ID:9eH8d6ar0
つかさ「えへへ。クラス替えドキドキするね~」

かがみ「そうね」

つかさ「また、こなちゃんとゆきちゃんと同じクラスになれるかなー」

かがみ「さーて三度も都合よくいくかしら?」

つかさ「あと今度こそはお姉ちゃんとも一緒になれたらいいねぇ」

かがみ「え、ええ……。みんなで一緒になれたらいいわね」

かがみ(まあ、どうせ……)

10: 2008/12/10(水) 15:24:12.00 ID:9eH8d6ar0
学校・廊下

かがみ「おーっす、こなた」

つかさ「おはよー、こなちゃん」

こなた「あ、かがみ、つかさ。おはよーう。もうそれぞれの教室にクラス割り張ってあるよー」

かがみ「そっか……」

こなた「それとつかさ。私たちまた同じクラスだよー! ほらぁ~」

つかさ「本当だ! やったー!」

かがみ「え……!」

11: 2008/12/10(水) 15:26:46.32 ID:9eH8d6ar0
つかさ「あ、見てこなちゃん。ゆきちゃんも私達と同じB組だよ!」

かがみ「……!」

こなた「おおー! やったね、みゆきさん!」

みゆき「はい。今学期もどうかよろしくお願いします」

こなた「こちらこそ~」

つかさ「また3人とも同じクラスなんて奇跡かもぉー」

みゆき「そうですね」

こなた「あはは!」

かがみ「……」

12: 2008/12/10(水) 15:29:58.97 ID:9eH8d6ar0
かがみ「えーっと……。私は、私は……」

自分の名前を捜そうとかがみは必氏にB組のクラス割りの張り紙を凝視する。

かがみ(柊かがみ……、柊かがみ……、柊かがみぃ……!)

かがみ(……)

かがみ(ガーン……! ない。ということはまた別のクラス……)

かがみ「あぁ……ぁぁ……」

こなた「かがみは……、また違うクラスみたいだね……」

14: 2008/12/10(水) 15:33:28.34 ID:9eH8d6ar0
かがみ「あぁ……ぁぁ……ぁぁ……」

こなた「あ、あのーかがみん……。口が開いたままになってるけど……」

つかさ「お姉ちゃん……」

みゆき「かがみさん……」

かがみ「……」

かがみ「あ……。やーね、そんな哀れむような目で見ないでよ」

かがみ「別になんとも思ってないから……」

16: 2008/12/10(水) 15:36:08.69 ID:9eH8d6ar0
かがみ「それにただで顔を合わせる機会が多いのに
    クラスぐらい別になってくれなきゃ私が疲れるわ」

みゆき「はあ。でも本当に残念です……」

かがみ「だから全然平気だってば。どうせお互い教室なんてすぐ近くなんだから」

かがみ「それにこなたあたり、宿題写させてだのでうるさそうだしねー?」

こなた「あはは、さすがお見通しだねぇ」

17: 2008/12/10(水) 15:38:31.23 ID:9eH8d6ar0
つかさ「あっ。そろそろホームルーム始まっちゃう」

こなた「いけない、急がなくちゃ。それじゃあかがみ、また後でね~」

みゆき「それでは失礼しますね」

かがみ「おーう」

スタスタスタ

かがみ「……」

かがみ「ハァー……。結局また私だけ……」

18: 2008/12/10(水) 15:40:58.95 ID:9eH8d6ar0
かがみ「ハァ……」

ポン!

みさお「よぉー、ひいらぎ! また同じクラスじゃーん」

あやの「またよろしくね、柊ちゃん」

かがみ「……え、そうだったの?」

みさお「おいおい、気付いてなかったのかよー」

かがみ「どれどれ……あっ、本当だ」

みさお「ちぇ、所詮私らは背景だぜ」

あやの「まあまあ」

かがみ「いや、そんなつもりは……」

19: 2008/12/10(水) 15:44:27.85 ID:9eH8d6ar0
かがみ「とりあえず今学期もよろしくね峰岸、日下部」

あやの「うん」

みさお「よろしくなー」

かがみ「じゃあ私は席に戻ってるから……」

タッタッタ

みさお「……」

みさお「なんだ? ひいらぎのヤツ。新学期なのに全然元気ねーな」

あやの「そうみたい」

21: 2008/12/10(水) 15:49:15.30 ID:9eH8d6ar0
――放課後

かがみ「ハァー……」

みさお「おい、ひいらぎ。一緒に帰ろうぜー」

かがみ「ごめん、日下部。今日は約束があって……」

みさお「それを言うなら『今日も』だろぉ? またチビッ子かー」

かがみ「え、まあー……」

みさお「相変わらず付き合いわりぃーな」

あやの「まあまあ、みさちゃん。先約だから仕方ないよ」

かがみ「ゴメンね二人とも! また今度。それじゃあねー」

ガラガラ、バタンッ

22: 2008/12/10(水) 15:52:17.02 ID:9eH8d6ar0
帰り道

つかさ「それでねー、黒井先生ったら新学期から遅刻してきちゃってねー」

こなた「そうそう。あの慌てようったらなかったよ」

かがみ「へぇ、それは傑作ね!」

つかさ「それからね、お姉ちゃん! まだ続きがあって……」

かがみ「うんうん! もっと聞かせてよ」

かがみ「……」

かがみ(本当に楽しそうね……。あんたたちは……)

25: 2008/12/10(水) 15:55:34.90 ID:9eH8d6ar0
こなた「そうだ、お二人さん! これからゲマに寄ってかな~い?」

つかさ「わあーおもしろそー。いくいくぅー」

かがみ「……」

かがみ「私はパス」

こなた「えぇ~、どうしてさ?」

かがみ「悪いわねー、今日はちょっと疲れ気味でそういうテンションじゃないのよ」

27: 2008/12/10(水) 15:58:20.24 ID:9eH8d6ar0
つかさ「大丈夫お姉ちゃん?」

かがみ「うん。だから二人で行ってきなさいって」

かがみ「私は先に帰って休んでるからさ」

こなた「それじゃ仕方ないねぇ。お大事にね、かがみーん」

かがみ「おう。お前らも寄り道はほどほどにしとけよー」

こなた「ほーい。んじゃ行こっかつかさ」

つかさ「バイバーイ、お姉ちゃん!」

スタスタスタ

かがみ「ふぅ……」

28: 2008/12/10(水) 16:01:23.13 ID:9eH8d6ar0

ガタンゴトン

       ガタンゴトン

                ガタンゴトン

30: 2008/12/10(水) 16:02:44.82 ID:9eH8d6ar0
トボトボ……

かがみ「ハァー……。今日で何度目だろう、ため息……」

かがみ「たかがこなたたちとクラスが違っただけでこんなに」

かがみ「……」

かがみ「私やっぱり黒井先生に嫌われてるのかな……」

『いしや~きいもぉ~!』

かがみ「あ、焼き芋屋だ。……ええい、こうなったらやけ食いしてやる!」

かがみ「すみませーん、焼き芋3つください」

36: 2008/12/10(水) 16:08:35.04 ID:9eH8d6ar0
かがみ「パクパクパクパク……! ムシャムシャムシャ……!」


喪黒「ホーッホッホ! いい食べっぷりですな~」


かがみ「ムシャ……ん?」

喪黒「……」ニヤー

かがみ「……」

スタスタスタ……

喪黒「もしもし、あなた……」

かがみ「え、私?」

喪黒「はい、そうです。無視して行ないでくださぁい」

38: 2008/12/10(水) 16:14:04.59 ID:9eH8d6ar0
かがみ「……」

かがみ(何よこの黒服の男……)

かがみ「それで、何か用ですか?」

喪黒「はい。実はあなたにこれを渡したくて……」

かがみ「こ、これって焼き芋じゃない!?」

喪黒「あまりにもおいしそうに召し上がってらしたので、私の分もさしあげます」

かがみ「そんな……。訳もなくもらえないわ……っていうかおじさん何?」

喪黒「これはこれは申し遅れました。実は私こういう者です。名刺をどうぞ……」

かがみ「え、はあ……。『ココロのスキマ、お埋めします 喪黒福造』?」

喪黒「はい、セールスマンをやってます」

42: 2008/12/10(水) 16:20:52.65 ID:9eH8d6ar0
かがみ「セールスマン……!!」

かがみ「まさかアンタ、食べ物で釣って高校生相手に何か売りつけるつもりじゃないでしょうね!?」

喪黒「とぉんでもございません」

喪黒「セールスマンといっても私のは一種のボランティアみたいなものですから」

喪黒「それに先程からお見受けしたところだと、どうやらあなたにもココロのスキマ風が通っているようで」

かがみ「え……! 別に私にそんなモノなんて……」

喪黒「ホーッホッホ! 果たして本当にそうですかねぇ?」

かがみ「むぅ……」

45: 2008/12/10(水) 16:27:26.67 ID:9eH8d6ar0
喪黒「とりあえず召し上がってください」

喪黒「大丈夫です、さっきあなたが買った焼き芋屋の焼き芋ですから毒なんて入ってませんよぉ?」

かがみ「で、でも」

喪黒「私のことは気にしないで構いませんから。ささ、冷めない内にどうぞぉ~」

かがみ「……それじゃあ、もらっちゃおうかな。ありがとうございます、ええと……喪黒さん!」

喪黒「ホーッホッホ!」

48: 2008/12/10(水) 16:31:28.79 ID:9eH8d6ar0
かがみ「ふぅ、どうもごちそうさまでした」

喪黒「ホーッホッホ! すごい食欲ですねぇ、もうたいらげてしまうとはー」

かがみ「べ、別にいつもはこんなに食べないんですよ!?///」

かがみ「今日はたまたまで……」

喪黒「そうですか。それは失礼いたしました」

喪黒「ではお食事も終わったところで、そろそろお話してくれませんか?」

かがみ「話って何を?」

喪黒「ですからあなたが今抱えている悩みです」

51: 2008/12/10(水) 16:45:12.40 ID:9eH8d6ar0
かがみ「だ、だから言ってるじゃないですか! 私に心の隙間なんてないって……」

喪黒「ココロのスキマのない方は、公園のベンチで一人黄昏れながら焼き芋をあんなにパァクパァク食べたりしませぇん」

喪黒「そうではありませんか、柊かがみさん?」

かがみ「な……!? どうして私の名前を知ってるの?」

喪黒「ホーッホッホッ! 私は何でもお見通しですよォー」

52: 2008/12/10(水) 16:49:26.35 ID:9eH8d6ar0
かがみ「へぇー。……じゃあ、私の悩み事も当ててみてよ」

喪黒「……ということは、やはり心当たりがあるわけですねぇ?」

かがみ「あ」

喪黒「ホーッホッホッ!」

かがみ「はは、参ったわね……」

喪黒「さあ素直に全部私に話してみてください。もしかするとお力になれるかも知れませんよ?」

かがみ「……」

53: 2008/12/10(水) 16:56:06.86 ID:9eH8d6ar0




喪黒「なるほど、今日は学校のクラス替えがあったんですね」

かがみ「ええ。丁度、新学期の始業式だったので」

喪黒「それで結果はどうでしたか? 良さそうなクラスになれましたか?」

かがみ「……」

喪黒「おやぁ~、その様子からだとあまり芳しくなかったようですな?」

かがみ「……実は私には同じ学校に通ってる双子の妹が居まして」

かがみ「だから私は一年生のときから、休み時間は妹のクラスによく遊びに行っていたんです」

かがみ「それを通じて妹のクラスの友達とも仲良くなることができました」

喪黒「いいことじゃないですかー」

54: 2008/12/10(水) 17:02:43.08 ID:9eH8d6ar0
かがみ「でも二年生に進級した時のクラス替えの時も、そのクラスの友達とは一人も一緒になることができなくて」

かがみ「そして今年、最後の高校生活のクラス替えこそはと期待していたんですが、また見事に私だけ……」

喪黒「同じクラスになれなかったというわけですね」

かがみ「ええ……」

喪黒「しかし、別にあなたのクラスにご友人が居ないという訳ではないのでしょう?」

かがみ「確かにそうですけど……。でも、最後くらいはせめて一人でもいいから一緒になりたかったなー……なんて///」

喪黒「なるほどぉ」

56: 2008/12/10(水) 17:16:57.41 ID:9eH8d6ar0
かがみ「まあ、前みたいにちょくちょく隣のクラスに行けばいいだけの話だから」

かがみ「あまり気にしてないんですけどね……」

喪黒「……」

喪黒「私が察するにあなたの内面はかなり繊細でナイーブなモノであるようですねぇ」

喪黒「きっとあなたは妹さんやそのご友人と一緒にいることに幸せを感じている反面、」

喪黒「心の奥底で疎外感を感じているのでしょう」

かがみ「う……」

喪黒「しかもあなたは自分の心の内を中々素直に出せないタイプともみえます」

喪黒「なので一方的にストレスを溜め込んでしまうのです」

かがみ「……」

57: 2008/12/10(水) 17:22:52.26 ID:9eH8d6ar0
喪黒「かがみさん、あなたは来年受験という大事な時期を控えてます」

喪黒「日々の些細なストレスでお身体や勉学等に差し支えて、」

喪黒「最悪な場合来年が危うくなってしまうかもしれませんよォー?」

かがみ「お、驚かさないでくださいよ……!」

喪黒「こういった悩みは早めに解消しておくのがベストだと言っているのです」

かがみ「そうは言っても、もうどうしようもないことじゃない……」

喪黒「よろしい! ここは一つ私にお任せくださぁい」

かがみ「え?」

59: 2008/12/10(水) 17:27:23.40 ID:9eH8d6ar0
喪黒「かがみさんがもっと楽しい学校生活を満喫できるように」

喪黒「是非とも私がその望みを現実のモノにしてみせましょう」

喪黒「明日の学校を楽しみにしていてくださいねー。ホーッホッホッ!」

喪黒「では私はこれで……」

スタスタスタ……

かがみ「あ、ちょっと喪黒さん……。行っちゃった……」

かがみ「……」

かがみ「なんだったのかしら、あの人……」

かがみ「まあいいや、私ももう帰ろう」

63: 2008/12/10(水) 17:33:42.46 ID:9eH8d6ar0
――明朝
玄関前

かがみ「つかさー! まだぁ~!?」

つかさ『ゴメーン、お姉ちゃん。もう少し待っててー』

かがみ「……まったく。毎朝支度が遅いんだから」


喪黒「かがみさん」ニヤー


かがみ「え? うわあああ……! も、喪黒さん!?」

喪黒「どうもおはようございますぅ」

かがみ「ふぅ……。いきなり現れたらビックリするじゃない」

64: 2008/12/10(水) 17:40:24.55 ID:9eH8d6ar0
喪黒「ホーッホッホッ! 朝から大変そうですなー」

かがみ「まあ毎朝こんな感じだから……。それより喪黒さんは何でここに?」

喪黒「おやぁ~、昨日のことお忘れですか?」

喪黒「私申しましたよ。あなたのココロのスキマをお埋めすると……」

かがみ「え……」

喪黒「どうやら信じていなかったようですねぇ」

66: 2008/12/10(水) 17:46:37.52 ID:9eH8d6ar0
喪黒「しかし安心してください、かがみさん」

喪黒「きっとあなたを妹さんと同じクラスにしてみせましょう」

喪黒「なのでちょっと私について来くれませんか?」

かがみ「悪いんですけどこれから学校があるんです! そんな暇ありませんっ!!」

喪黒「お時間は取らせません。すぐに終わります」

喪黒「それに妹さんの準備もまだかかりそうですし、いいではありませんかぁ?」

かがみ「だ、だけど……」

喪黒「ささ、すぐ近くですから。さぁ~」

グィッ!

かがみ「ちょ、ま……! 喪黒さん!!」

68: 2008/12/10(水) 17:55:51.16 ID:9eH8d6ar0
鷲宮神社

喪黒「はい、もう着きましたよぉー」

かがみ「って、ちょっと! どこかと思えば私の家の神社じゃない!」

かがみ「どういうつもり!?」

喪黒「まあまあ落ち着いて」

喪黒「それではかがみさん。これを受け取ってくださぁい……」

かがみ「これは……絵馬?」

71: 2008/12/10(水) 18:00:45.26 ID:9eH8d6ar0
喪黒「はい。この絵馬は大願成就の絵馬」

喪黒「これに願い事を書いて奉納し、必氏に祈願すれば大抵のことは何でも叶いますぅ」

かがみ「へぇ~、この絵馬がね……」

喪黒「かがみさん。今この絵馬に、『妹さんのクラスになりたい』と書いてここの神社に奉納するのです」

かがみ「ええ? いやよ! そんなの恥ずかしいし……」

73: 2008/12/10(水) 18:04:36.07 ID:9eH8d6ar0
かがみ「それにそんな高価な絵馬だったら、なおさら受け取れないわ」

かがみ「昨日から何でもかんでももらいっぱなしじゃ悪いですよ……」

喪黒「とぉんでもない。この絵馬はかがみさんの為に昨日、即急で取り寄せたものですから」

喪黒「それにこれはボランティアでしていることなのでお金は一銭も頂きません」

喪黒「ですからどうかお気になさらずに」

かがみ「……」

75: 2008/12/10(水) 18:12:26.15 ID:9eH8d6ar0
カキカキカキ……

かがみ「本当にこんなことでクラスが替わったりするのかしら……」ブツブツ……

喪黒「案ずることはありませんよォ。きっとすぐにあなたに幸せが訪れます、ホーッホッホッ!」

喪黒「あっ、言い忘れてことがました……」

かがみ「何ですか?」

喪黒「もしあなたが無事クラスを移ったのなら、それ以降他のクラスの教室には決して出入りしてはいけません」

かがみ「な、何よそれ……? 無理に決まってるじゃない。授業によっては教室移動とかあるんだから!」

喪黒「いえいえ、あくまで休み時間など休憩の際でのことです」

喪黒「それなら差し支えありませんよねぇ?」

かがみ「まあ、それなら平気かもしれないけど……」

78: 2008/12/10(水) 18:22:20.70 ID:9eH8d6ar0
かがみ「でも、どうしてそんなことを?」

喪黒「この絵馬は、願い事に相当する断ちモノを決めなければ効果がありません」

喪黒「つまり今回のような願い事だと、他クラスへの入室を断つことが妥当なのです」

かがみ「一種の願掛けみたいなものね」

喪黒「いいですか? ゼッタイに他の教室へ入ってはいけませんよぉ!?」

かがみ「はい、わかりました……」

80: 2008/12/10(水) 18:28:31.50 ID:9eH8d6ar0
喪黒「ならいいのです。さあ書き終わったら、早速その絵馬を絵馬掛に吊るして祈願するのです」

かがみ「ええ……。でも何だか抵抗が……」

喪黒「大丈夫」

喪黒「この神社は相当繁盛しているみたいなので絵馬の数も多いですから」

喪黒「たった一つの絵馬なんて全然目立ちませんよォー。ホーッホッホッ!」

かがみ「そんなものかしら。でもまあせっかく書いたんだし、吊るすか……」

カラン

82: 2008/12/10(水) 18:32:43.25 ID:9eH8d6ar0
喪黒「それでは目を閉じて手を合わせ、その絵馬に向けて必氏に願うのです……」

喪黒「『同じクラスになりたい……』『同じクラスになりたい……』と……!!」

かがみ「……」

かがみ(……同じクラスになりたい……同じクラスになりたい……)

かがみ(つかさたちと同じクラスになりたい……!)




83: 2008/12/10(水) 18:37:21.45 ID:9eH8d6ar0
かがみ「……」

かがみ「ふぅ。こんな感じでいいんですか?」

かがみ「……? あれ、喪黒さん?」

かがみが目を開けた時にはもう喪黒の姿は消えていた。

かがみ「またいつの間に消えてる……。何よもうっ!」

かがみ「……あっ、いけない! 私も学校があるんだった!」

かがみ「もうつかさ支度終わってるかな。とにかく急がなくちゃ」

タッタッタッタ!



喪黒「……」

85: 2008/12/10(水) 18:42:59.97 ID:9eH8d6ar0
玄関前

つかさ「あ、お姉ちゃん。どこ行ってたの?」

かがみ「ごめーん! ちょっと用があって境内の方に行ってて」

つかさ「ふぅん。玄関にいないから先に学校行っちゃったかと思ったよー。良かったー!」

かがみ「そんなことする訳ないでしょ。安心しなさい」

かがみ「さあ、早く学校行かなくちゃね」

つかさ「うん」

86: 2008/12/10(水) 18:49:27.46 ID:9eH8d6ar0
学校・廊下

かがみ「おーっす、こなた」

つかさ「おはよー、こなちゃん」

こなた「あ、かがみ、つかさ。おはよー。調子はもう良くなったぁ?」

かがみ「当たり前よ。あれくらい一日もすればすぐ治るわ」

かがみ「アンタこそ春休みボケはもう治ったのか?」

こなた「いやぁ~、実はまだ完治してないみたいなんだよねー、それが~」

かがみ「今日から授業なんだからそこのところしっかり切り替えなさいよね」

こなた「ほーい!」

88: 2008/12/10(水) 18:55:08.33 ID:9eH8d6ar0
かがみ「それじゃあ、またお昼にねー」

こなた「あれ、かがみ? どこ行くの?」

かがみ「え? どこって……私のクラスに決まってるじゃない」

こなた「何言ってるのかがみ? そっちはC組じゃん」

つかさ「お姉ちゃんのクラスは私たちと同じB組だよ?」

かがみ「……えぇ!?」

96: 2008/12/10(水) 20:06:06.15 ID:9eH8d6ar0
戻りました保守ありがとうございます
では続きを

97: 2008/12/10(水) 20:07:34.41 ID:9eH8d6ar0
かがみ「ちょっと嘘でしょ? やめてよ二人してそんな冗談は……!」

こなた「かがみこそやめてよー。ボケるにはまだ早いよ」

ななこ「おい、お前ら。何こんな所で突っ立てるんや? はよー、教室に入らんと遅刻するで」

こなた「あっ、黒井先生! かがみのクラスもB組ですよねぇ?」

ななこ「当然やないか。柊もウチのクラスやんけ。昨日ちゃんと出席してたやろ」

かがみ「そんなバカな……! 先生、まさかつかさと間違えてません!?」

ななこ「そんな訳あるかい! ウチのクラスで柊っつうたらお前ら姉妹しかおらんやろ」

かがみ「ええ! 私も!?」

ななこ「いい加減寝ボケとらんで、とっとと教室に入らんか!!」

かがみ
つかさ「はいーっ!」
こなた

98: 2008/12/10(水) 20:11:20.18 ID:9eH8d6ar0
かがみ「……」

かがみ(どういうことかしらこれは……)

かがみ(あ、待って……。まさかこれって今朝のあの絵馬の力なんじゃ……)

かがみ(っということは……私は本当にB組に……!?)

かがみ「やったー!!」

つかさ「どうしたの、お姉ちゃん? いきなり飛び上がって」

こなた「ヘンなかがみぃ……」

99: 2008/12/10(水) 20:15:57.02 ID:9eH8d6ar0
――放課後
帰り道

こなた「それにしても今日は学校で一段とハツラツだったね~、かがみは」

つかさ「そだねぇー。お姉ちゃんいつもよりずっと元気一杯だったよ」

かがみ「そう?」

こなた「だって、はしゃぎすぎて黒井先生にゲンコツもらってたくらいじゃーん」

かがみ「ちょ! それはあんたが世界史の授業中にしつこく話しかけてきたらじゃない!!」

こなた「わぁ~、怒ったー!」

100: 2008/12/10(水) 20:22:47.76 ID:9eH8d6ar0
つかさ「そういえば今日もセバスチャン臭かったよねー」

こなた「あの匂いたまらないよねー!」

かがみ「まったくよね、あはは!」

かがみ「……」

かがみ(まさか本当に叶うなんて思わなかったわ)

かがみ(今でも信じられないぐらい!)

101: 2008/12/10(水) 20:24:45.99 ID:9eH8d6ar0
かがみ「そうだ。喪黒さんにお礼言わなくちゃ」

かがみ「もらった名刺に連絡先とか載ってないかしら」

かがみ「え~っと……」

かがみ「あれ、裏に何か書いてある……。『魔の巣』?」

106: 2008/12/10(水) 20:57:19.51 ID:9eH8d6ar0
――数日後
Bar『魔の巣』

マスター「……」キュッキュッ

喪黒「遠方からよくいらしてくれましたぁ……」

かがみ「丁度東京の友人の家に遊びに来てたので、ついでなんですけどね」

喪黒「どうですぅ? あれからお望みのクラスになれましたかァ?」

かがみ「ええ! おかげさまで!」

かがみ「でもまさかあの絵馬に願っただけで、本当にクラスを替えてくれるなんて思ってもみなかったわ」

喪黒「ホーッホッホッ!」

108: 2008/12/10(水) 21:00:49.11 ID:9eH8d6ar0
かがみ「今までみたいにわざわざ隣のクラスに足を運ばなくてもいいし」

かがみ「何せ自分のクラスだから予鈴とか気にせず友達とおしゃべりできるから」

かがみ「最近じゃ休み時間が楽しみでしょうがないくらいで///」

喪黒「そうですか、それは良かったですねぇ~。ホーッホッホッ!」

かがみ「本当にありがとうございます。これも全部喪黒さんのおかげです!」

かがみ「何かお礼をしたいぐらいだわ」

113: 2008/12/10(水) 21:10:23.08 ID:9eH8d6ar0
喪黒「お礼なんていりません。私はあなたのココロのスキマが埋まればそれで満足なのです」

喪黒「し・か・し!!」ニュ~

かがみ「ひっ……!」ビクッ!

喪黒「先日も忠告したとおり、絶対他のクラスの教室に出入りしてはいけませんよぉ!」

喪黒「許されるのは授業時間のみ。その決まりを破ると大変なことになりますからねぇ~……??」

かがみ「わ、わかってますよ……」

喪黒「それならいいのです。ではこれからも充実した学校生活を送ってくださぁい」

かがみ「はい。色々ありがとうございました」ペコリ

117: 2008/12/10(水) 21:22:54.67 ID:9eH8d6ar0
――数日後
学校

こなた「ねえ、かがみ」

かがみ「何よ?」

こなた「二百メートル走のタイム競わない?」

かがみ「望むところよ。負けないわよー?」

つかさ「じゃあ、二人とも。位置について、よーいドン!」

ダダダダダダダダダ!




118: 2008/12/10(水) 21:24:19.79 ID:9eH8d6ar0
つかさ「あっ、いっけなーい」

つかさ「お姉ちゃん……。教科書忘れちゃったから机くっつけて一緒に見せてくれないかな……」

かがみ「まったく、あんたは……。仕方ないわねー、ほら」

つかさ「えへへ、ごめんねお姉ちゃん」

かがみ「今度からは忘れるなよ?」




119: 2008/12/10(水) 21:26:13.01 ID:9eH8d6ar0
かがみ「みゆきー、授業のここのトコロわかる?」

みゆき「あ、ここですか。ここはですねー」

みゆき「あーして、こーして、そーすると、答えが求まりますよ」

かがみ「なるほど、さすがね!」

かがみ「やっぱり困った時にはみゆきね」

みゆき「お役に立てて光栄です」




121: 2008/12/10(水) 21:31:19.32 ID:9eH8d6ar0
――休み時間

かがみ(私も大分このクラスに馴染んできたわね……)

みさお「おーい、ひいらぎぃー……」

かがみ「あ、日下部。久しぶりね! 元気してた?」

みさお「元気してた?……っじゃねーよぉ」

みさお「最近全然顔出してくれないじゃんか!」

みさお「たまにはこっちのクラスにも来てくれよなー」

かがみ「え……。そ、そう言われても、私の方も訳ありで行けないのよ……」

122: 2008/12/10(水) 21:34:54.80 ID:9eH8d6ar0
みさお「どんな訳だよー!」

みさお「……そっか。ひいらぎはもう私やあやののことなんて嫌いになっちまったんだな……」

かがみ「ちょ、そんなことないわよ! 誤解しないでよ……!!」

みさお「じゃあ来てくれよ!」

かがみ「だからそれは……」

かがみ「……」

125: 2008/12/10(水) 21:40:46.41 ID:9eH8d6ar0
みさお「よぅし! こうなったら、これもーらい!」バッ!

かがみ「あっ……!! 何するのよ!?」

かがみ「私の教科書返しなさい!!」

みさお「返して欲しかったら捕まえてみろー、ひいらぎぃ~」

スタタタタタタタ……

かがみ「コラァ、待てー!!」

ダダダダダダダダ!

128: 2008/12/10(水) 21:48:44.10 ID:9eH8d6ar0
スタタタタタタタ……

みさお「へへーん、こっちだぜー」

かがみ「あっ、あいつめ……。自分のクラスに逃げ込んだな!」

かがみ「日下部!! いい加減にしないと……!!」

ダダダダダダダダ!

かがみ「あっ……」

この時かがみに、以前忠告された喪黒の言葉が脳裏をよぎった。

そう休み時間は決して他のクラスルームに入室してはいけないのだ。

そして今かがみは我を忘れてC組の入り口の一歩手前まで踏み込んでいる……。

130: 2008/12/10(水) 21:53:14.43 ID:9eH8d6ar0
かがみ(そうだ、喪黒さんに絶対入っちゃダメって言われてた……)

かがみ(でも困ったわね……。あの教科書は次の授業で使うし……)

かがみ(日下部の言うとおり、クラス替わってからロクにあいつらと会ってなかった……)

かがみ(反省しなきゃ……。日下部や峰岸も私の昔からの友達なんだもんね)

かがみ「……」

かがみ「大変なことってなんだろう……」

かがみ「で、でも一回や二回くらい入るだけなら……へ、平気よね……?」

コツコツ……


こうしてついにかがみは禁断の領域に足を踏み入れてしまった。

3年C組のクラスルームに……。

133: 2008/12/10(水) 21:59:20.59 ID:9eH8d6ar0
かがみ「……」ゴクッ……

かがみ(ふぅ、良かった。何にも起こらないじゃないの……)

かがみ「さあ日下部! 捕まえたわよー!」

ポカッ!

みさお「イッテェー! うえーん、あやの~! ひいらぎがぶった……」 

あやの「柊ちゃんの教科書盗ったみさちゃんが悪いんでしょ」

みさお「だって、ひいらぎが……最近冷たいんだもん……」

かがみ「だってもくそもあるか! 人の物盗んでおいて!」

134: 2008/12/10(水) 22:02:00.71 ID:9eH8d6ar0
かがみ「……でもまあ、せっかくC組に来たことだし」

かがみ「最近そっちのクラスで面白いことあったら何か教えてよ……」

みさお「!」

みさお「おぉーひいらぎ、よく訊いてくれたな! いっぱいあるんだぜぇ!」

あやの「まあまあ。みさちゃんったら柊ちゃんが来たら急に元気になっちゃって。うふふ」





喪黒「……」

この時のかがみは夢にも思っていなかったであろう。

こんな些細な約束違反が自分を破滅へと導くことになろうとは……。

138: 2008/12/10(水) 22:13:42.89 ID:9eH8d6ar0
――翌日
学校・廊下

かがみ「おーっす、こなた」

つかさ「おはよー、こなちゃん」

こなた「あ、かがみ、つかさ。おはよーう」

かがみ「それじゃ、黒井先生が来ちゃう前に早いとこB組に向かいましょ」

こなた「へ?」

つかさ「え?」

かがみ「……ん? 私何か変なこと言った?」

144: 2008/12/10(水) 22:26:22.75 ID:9eH8d6ar0
こなた「何言ってるのさぁ。かがみのクラスはB組じゃないよ」

かがみ「えっ……!?」

かがみ「な、何よいきなり……。おどかしっこなしよ……!」

こなた「そう言われても本当のことだし……」

かがみ「バ、バカなこと言わないでよ!」

かがみ「始業式から今まで私達一緒のクラスでやってきたじゃない!?」

つかさ「それ何のことお姉ちゃん?」

かがみ「……」

かがみ(どういうことよこれは……!?)

148: 2008/12/10(水) 22:34:03.83 ID:9eH8d6ar0
ななこ「おい、お前ら。何こんな所で突っ立てるんや? はよー、教室に入らんと遅刻するで」

かがみ「あっ、黒井先生!! 私のクラスもB組ですよね!?」

ななこ「どないした柊? B組はお前のクラスとちゃうやろ?」

かがみ「そんな……!? ちゃんと出席簿確かめてください」

ななこ「朝からおかしなやっちゃな~。ほれぇ、どこにも『柊かがみ』なんて載っておらんやろ?」

パラパラパラ……

かがみ「……」

かがみ「本当だ……ない……」

かがみ「そんな……こんなことって……!?」

152: 2008/12/10(水) 22:39:21.60 ID:9eH8d6ar0
かがみ「でも私はちゃんと昨日までB組のあの席で授業受けてましたよ!」

ななこ「柊、どこ指さしとるんや?」

かがみ「え?」

ななこ「あそこは白石の席やで」

かがみ「なっ……!!」

ななこ「もう一度ちゃんと顔洗って来い。ほんならなー」

かがみ「……」

かがみ「ど、どうして……」

155: 2008/12/10(水) 22:44:55.09 ID:9eH8d6ar0
かがみ「そ、それじゃあ私のクラスはどこなのよ!?」

こなた「え~っと、確かかがみんのクラスは……えーと」

こなた「どこだったっけ、つかさ?」

つかさ「う~ん……。お姉ちゃんのクラス……お姉ちゃんのクラス……」

つかさ「……」

つかさ「忘れちゃった~、てへへ!」

かがみ「ちょ、おま! アンタらそれはないでしょーっ……!?」

160: 2008/12/10(水) 22:52:26.36 ID:9eH8d6ar0
こなた「そもそも自分のクラスなんだから、かがみ覚えてないの?」

つかさ「そうだよお姉ちゃん」

かがみ「そう言われても……私にも全然訳が……」

キーンコーンカーンコーン!

つかさ「ああ、ホームルーム始まっちゃう!!」

こなた「そんじゃ、かがみ。じゃーねー!」

スタタタタタタタ~!

かがみ「ちょ、ちょっとぉ……!!」

かがみ「……」

164: 2008/12/10(水) 23:04:15.84 ID:9eH8d6ar0
C組

かがみ「ねえ日下部、峰岸……」

みさお「おお、どうしたひいらぎ?」

あやの「もう朝のホームルーム始まっちゃうよ? ひいらぎちゃん」

かがみ「っていうことは私のクラスはC組じゃないってことよね?」

みさお「当たり前じゃねーか。今頃何言ってるんだオメェ」

かがみ「やっぱり……」

166: 2008/12/10(水) 23:07:39.43 ID:9eH8d6ar0
かがみ「……もしかしてアンタら私がどのクラスに居たかわかったりする?」

みさお「わかるに決まってんじゃねーか!」

かがみ「本当!? じゃあ早く教えてよ!!」

みさお「おうよ。ズバリひいらぎのクラスはだな~……」

かがみ「うんうん!」

みさお「……」

みさお「やっぱ知らねー」

かがみ「って、おい!!」

171: 2008/12/10(水) 23:17:58.82 ID:9eH8d6ar0
かがみ「み、峰岸はわからない……!?」

あやの「柊ちゃんのクラスよね……。どこだったかしら……」

かがみ「お願いだから思い出して!」

みさお「だらしねーぞ、ひいらぎ。自分のクラスも忘れちまうなんてよー!」

かがみ「うるさいっ!! 私だって忘れたくて忘れたんじゃないんだから!!」

ひかる「おい、柊!」

かがみ「あ……、桜庭先生!?」

ひかる「お前のクラスはC組じゃないだろ。ホームルーム始まるから早く自分のクラスへ戻れ!」

かがみ「ス、スミマセーン!!」

ダダダダダダダダダ……!

176: 2008/12/10(水) 23:26:27.39 ID:9eH8d6ar0
ダダダダダダダダダ……!

ダダダ……ダッ……ダッ……

タッ

ハァハァハァハァハァ

かがみ「……」

ハァハァハァハァハァ

かがみ「なんなのよこれは……」

ハァハァハァハァハァ

かがみ「まったく意味がわからないわ……」

ハァハァハァハァハァ

かがみ「私は……私は一体どこのクラスなのよォォォ―――――!!!!」

177: 2008/12/10(水) 23:28:36.62 ID:9eH8d6ar0

ガタンゴトン

       ガタンゴトン

                ガタンゴトン

185: 2008/12/10(水) 23:34:26.88 ID:9eH8d6ar0
トボトボ……

かがみ「……」

かがみ「ハァー……」


喪黒「か・が・み・さ・ん」


かがみ「!!」

かがみ「も、喪黒さん……!?」

喪黒「こんな時間ご帰宅とは、学校はどうしたんですかぁ~?? ホーッホッホッ!」

かがみ「そ、そ、それは……」

200: 2008/12/10(水) 23:54:34.27 ID:9eH8d6ar0
喪黒「ははあ、さてはかがみさん。私の忠告を無視しましたね!?」

かがみ「うぅ……!」

喪黒「あれほど他のクラスに入るなと申し上げましたのにぃ……」

かがみ「じゃあ、やっぱり私のクラスが見つからないのは……!」

喪黒「きっと、約束を破ったのであの絵馬がかがみさんに罰を下したのでしょう。ホーッホッホ!」

かがみ「す、すみません喪黒さん!! まさかこんなことになるなんて思わなかったから……」

喪黒「それは言い訳です」

喪黒「こうなってしまった以上どうしようもありません」

かがみ「そんなぁ……!!」

204: 2008/12/10(水) 23:58:59.20 ID:9eH8d6ar0
明日が近いんで酉を

215: 2008/12/11(木) 00:11:05.96 ID:dO8NMgKx0
かがみ「そこを何とかお願い、喪黒さん!!」

かがみ「このままじゃ私……」

喪黒「仕方ありませんなぁー。それではいい方法を一つだけ教えましょう」

かがみ「本当ですか……!!」

喪黒「はい」

かがみ「ど、どんな方法ですか!?」

喪黒「簡単な話です。他人の席を奪えばいいのです」

かがみ「え?」

223: 2008/12/11(木) 00:19:19.03 ID:dO8NMgKx0
かがみ「どういうことよ、それ……」

喪黒「ですから、他の生徒の席を奪うのです」

喪黒「そうすればかがみさんはその席におさまりクラスに復帰できるはずですよぉ」

かがみ「ちょ、ちょっと待ってよ……!!」

かがみ「何も奪うなんてそんな乱暴なこと……」

喪黒「でなければあなたはこれからずっと学校に通えないでしょう……」

かがみ「そ、そんなのイヤよッ!!」

喪黒「か・が・み・さ・ん!!!!」ビッ

かがみ「ひっ……!?」

233: 2008/12/11(木) 00:30:59.01 ID:dO8NMgKx0
喪黒「都合のいいことばかり言っていられません!」

喪黒「社会は所詮、生存競争です!」

喪黒「他人を蹴落としたり排除していかなければ生きてゆけませんよぉ!」

喪黒「あなたも本心ではどんなことをしてでも学校に行きたいはずです!」

喪黒「さあ……自らの手で、どんな手段を使ってでも、」

喪黒「他人の席を奪うのです!! 奪うのです!!」

かがみ「ぁぁ……」

喪黒「奪・う・の・で・す!!!!!!!!」

235: 2008/12/11(木) 00:32:32.12 ID:dO8NMgKx0
no title

240: 2008/12/11(木) 00:35:55.90 ID:dO8NMgKx0
no title

244: 2008/12/11(木) 00:38:19.90 ID:chngpeVe0
ワロタwwwwwwwwww

245: 2008/12/11(木) 00:38:24.07 ID:OCv9CAGrO
かがみんAAがかわいくてなんか違う気がしたが期待

249: 2008/12/11(木) 00:45:50.54 ID:dO8NMgKx0
――同日・真夜中
つかさの部屋

つかさ「すぅーすぅー」ZZZ……


ガチャ バタン


つかさ「すぅー……むにゃ、ん?」

つかさ「ふぁあー、今の音何だろ……」

つかさ「……」

トタトタトタ……

つかさ「あれ、お姉ちゃんの部屋の扉が開いてる……」

つかさ「お姉ちゃんも居ないや……」

つかさ「こんな夜に一体どこに言ったんだろう?」

255: 2008/12/11(木) 00:52:00.78 ID:dO8NMgKx0
ギシギシ……ギシギシ……

ガチャ バタン!


つかさ「!」

つかさ「今度は玄関からだ……」

トタトタ……

つかさ「やっぱり玄関のドアの鍵が開いてるや」

つかさ「お姉ちゃん外に出たんだ……」

つかさ「気になるなぁー。よぅし、つけてみよう」

ガチャ バタン!

260: 2008/12/11(木) 01:00:38.06 ID:dO8NMgKx0
鷲宮神社

タッタッタッタッタ!

つかさ「こっちの方から物音がしたよね、確か」


  コーン……

           コーン……

                    コーン……

つかさ「!」

つかさ「あ、何だろこの音?」

つかさ「境内の奥の方からだ」

262: 2008/12/11(木) 01:09:32.14 ID:dO8NMgKx0
  コーン……

           コーン……

                    コーン……


タッタッタッタッタ!

つかさ「段々音が近づいてくる」

つかさ「きっとこっちにお姉ちゃんが……」



           コーン……


タッ!

つかさ「あっ、居た! お~い、お姉ちゃ……ん……」

つかさ「……!!」

つかさ「お、おね、おね……お姉ちゃああんっ!??」

269: 2008/12/11(木) 01:24:16.01 ID:dO8NMgKx0
  コーン!  コーン!  コーン!


かがみ「エヘ……エヘ……エヘ……デヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘヘェェェェ!!」

つかさ「お、お、姉ちゃん……!」

つかさの目に映ったのは巫女服をまとい、目はウツロ、口からはヨダレを垂らしながら

つかさそっくりのワラ人形に釘を金槌で懸命に打つ姉の姿だった……。

かがみ「……?」

かがみ「つーかーさぁぁー……ミーターナァァァァァァァァ!!?」

つかさ「ふ、ふぇええええええ……!!」

281: 2008/12/11(木) 01:37:43.54 ID:dO8NMgKx0
かがみ「デヘデヘデヘェェ……つかさ……ちょうだい……」

つかさ「あわわわわわわわ、お姉ちゃん怖いよぉ!! カナヅチしまってぇー!!」 

かがみ「お願い……ちょうだい……」

つかさ「やめてええええええ、お姉ちゃん!! 来ないでぇー!!!!」

かがみ「ちょうだいよ……」


かがみ「私の席……チョーダイヨォォォォォ―――――!!!!」 ブオォォン!


つかさ「きゃああああああああああああ……!!」



            ドカッ!




喪黒「……」

289: 2008/12/11(木) 01:54:54.46 ID:dO8NMgKx0
喪黒「とうとう殺ってしまったようです……」


喪黒「鬼になった結果が丑の刻参りとは。女性とはつくづくコワい生き物ですなぁ~。
   しかし良かったですねぇ。これで妹さんの席はかがみさんのモノになりましたよォ。
   きっと彼女にとっては他とない格別な席となることでしょぉー! ホーッホッホッ!」


END

290: 2008/12/11(木) 01:55:44.03 ID:bePAu4ptO

293: 2008/12/11(木) 01:56:39.33 ID:Z6ip9gvc0

303: 2008/12/11(木) 02:09:32.43 ID:dO8NMgKx0
支援してくださった皆さんどうもありがとう
おかげで完結できました
ではいい夢見てください。おやすみなさい

312: 2008/12/11(木) 02:53:01.84 ID:dO8NMgKx0
訂正

>>75 4行目
喪黒「あっ、言い忘れてことがました……」
         ↓
喪黒「あっ、言い忘れてことがありました……」

316: 2008/12/11(木) 03:11:26.19 ID:dO8NMgKx0
相当寝ぼけてるみたい
申し訳ないもう一回訂正

>>75 4行目
喪黒「あっ、言い忘れてことがました……」
         ↓
喪黒「あっ、言い忘れてたことがありました……」

今度こそおやすみなさい

引用: 喪黒「もしもし、あなた……」かがみ「え、私?」