3: 2013/01/03(木) 19:42:02 ID:Q0onExhcO

今日は軽音部のみんなで初詣。
年が明けて見る街は本当に新鮮だ。
なんだか、空気が丸くなった気がする。
年が明けて見る律もきっとかわいいに違いない。
律の部屋にあったパンツをハンカチのように折りたたみ、口元にあてながらそんなことを考える。
いい匂い…。もはやアロマと言っても過言ではないだろう。
けいおん!college (まんがタイムKRコミックス)

4: 2013/01/03(木) 19:42:46 ID:Q0onExhcO
もうすぐ神社。名残惜しいけど…少し…お別れ。
ちょっと待っててねパンツ。
ホカホカのパンツをもうすぐ拝めるんだけどね。
「みーおー」
いた。今年もかわいい。ブルーのパーカーに白のセーター。かわいい。
しかも、下はホットパンツと黒のタイツ。黒タイツ…。神様お年玉をありがとう。ついでにタイツも下さい。
…やっぱり後で直に嗅ぐからいいかな。
私と律は恋人同士なんだし雛始めなんて言葉があるんだから、初詣が終わった後は…。

5: 2013/01/03(木) 19:43:54 ID:Q0onExhcO
「私が一番のりだぜー!エッヘン」
威張る律かわいい。エッヘンとか自分で言っちゃってマジかわいい。
「こら!新年のあいさつが先だろ?明けましておめでとう。今年もよろしくな」
「あはー。ごめんごめん。今年もよろしくぅ♪」
「澪先輩!律先輩!明けましておめでとうございます!」
「おおー!梓!今年もちっちゃいな~」
「おめでとう梓」
「律先輩も人のこと言えませんよね?」
「中野ぉー!」
「きゃー!」グリグリ
「うふふふふふ」
「ムギ?!」ズザッ
「明けましておめでとう。新年から素敵なお年玉ありがとう。」
「明けましておめでとうございます。ムギ先輩」
「あ、私に構わず続けて」
「おい」
「の、残るは唯先輩だけですね」
「唯ならもうすぐ来るだろ。さっきメールで「お~は~よ~ー」
「ほらな」
「えへへー。みんな明けましておめでとー」
「唯先輩遅いです!何してたんですか?!」
「あーん。あずにゃんごめーん。」ギュー
「もう…。人前ですよ」
「ほっほぅ。人前じゃなければいいのかにゃ?梓ちゃんは~?」
「違います!」
「うふふふふふふふふふオゥフふふ」
「とーにーかーく!唯先輩は何してたんですか?」
「んとねー。窓が曇ってたから絵を書いてたら夢中になっちゃって~」
「子供か!」

6: 2013/01/03(木) 19:45:10 ID:Q0onExhcO


「おみくじやろうぜおみくじ!」
「私大凶出すのが夢だったの~」
「どんな夢ですか…」
「私は頑張って大吉出すよ」フンス
「お参りが先だろ…」
「「「あ…」」」


「今年は奮発して500円いれるよ!」
「あら?そんなにお願い事があるの?」
「さわちゃんの分もだよ~」
「おーい!順番来たぞ」


真剣にお願いする律を横目で見る。
タイツいいな…。律のスレンダーな足にピッタリだ。足に顔をうずめて深呼吸したい。律のはき出す息を吸い込みたい。涙ペロペロしたい。真っ赤な耳ハムハムしたい。後で全部やるけど。
…黒タイツは今度律の家から拝借しよう。


「今年はギター上手くなるようお願いしました!」
「叶うといいわね~」
「なら練習あるのみです」
「まあまあ、あずにゃん。そう言わずに」
「私は梓のためにお願いしたけどな~」
 な に ? !
「何ですか?律先輩らしくない」
「かわいい後輩のためさ!なんてったって部長なのだから!」
「りっちゃん隊員…!」
「唯…!なにも言うな!」
「りっちゃんステキね」
「よせやい!ムギ」
梓のため?梓のため?
 あ ず さ の た め ?
「梓にかわいい後輩ができるようにお願いしたのだよ!」フフーン
「あ?」
「澪ちゃんが怖い」

7: 2013/01/03(木) 19:46:49 ID:Q0onExhcO
「律先輩…」ジーン
「よかったじゃないか梓」
梓の肩に私はそっと手をのせた
「澪せんぱ…」
ギリギリギリギリギリギリ
「!痛い痛い痛い!肩が!もげる!もげる!」
「よかったな~。律にわざわざお願いしてもらえて」
「もげます!もげます澪先輩!」

「澪なにしてんだよ!」
「チッ…」
「ううう…」
「大丈夫?あずにゃん」
「澪ちゃんってば嫉妬深いのね~」
「問題そこか?」

8: 2013/01/03(木) 19:48:35 ID:Q0onExhcO

「うぅーまーいーぞぉー!」
「なんですかそれ?」
「さわちゃんの家にあった漫画なんだ~。あずにゃん知らない?」
「焼きそばもうまいぞ~!」
「ムギ先輩まで?!」
「あたし次リンゴ飴買おーっと♪」
(皆さん自由すぎる!)
嗚呼…
リンゴ飴食べる律の唇ペロペロしたい。むしろ律の全身ペロペロしたい。今トイレに連れ込んだら怪しまれるかな?そこら辺の草むらでもry「うわっと!」
肩に衝撃。律の背中。ふわり。律の香り。
「ごっめん澪!大丈夫か?」
小さな律は人ゴミに押されたのだろう。
「気をつけろよ」
そう言いつつ、律に悟られないよう律の髪に顔を近づけ息を吸い込む。


「あずにゃんサイコメ〇ラーエイジって知ってる?」
「なんですか?急に」
「だって澪ちゃんが〇イコメトラーエイジの黒い人になってるんだもん」
「それ面白いの?」
「今度ムギちゃんに貸してあげるね」
「やったぁ~。ありがとう」
すぅううう!はぁああ…すぅううううう!いい匂いいい匂いいい匂いいイイイイ匂イイイ!
(?なんか頭スースーするような…)
「人間の舌ってあんなに伸びるんですね」
「あの顔サイコメトラーエイ〇で見たことあるよ~」
「サイコメトラー〇イジって黒くて変な顔する人ばかりなの?」

9: 2013/01/03(木) 19:55:15 ID:Q0onExhcO
帰り道!
「なあ律。カラオケ行かないか?」
「へー。めずらしいじゃん。澪がカラオケなんてさ」
「それはほら…新年だし…その…な…あれから1週間もたつし…」
「?…は!かか帰る!」
「まあまあ」グッ
「行かないっつーの!」ズルズル
「まあまあまあまあ」
「聞けー!」ズルズル

カラオケ!
「予約してた秋山です!」キリッ
「秋山さーっすねーVIPルームになりゃーすがよろしいかっすかー?」
「はい!」
「予約してたのかよ…//」
「あざー!ご案内いたしゃー」


ドア「今からお楽しみですね」バタン
「/////」
「…」
「やっぱり帰る!」
「私、明かり、消す、防音、大丈夫」
「なんでカタコトなんだよ」
「6時間で終わるから!」
「長いわ!」
「こっちは律のタイツ嗅ぎたくてずっと我慢してたのに!?」
「変態か!」
「ホテルの方がよかった?!」
「そーゆー問題じゃ…ひゃぁあ!」
「ああああ律ぅ律ぅ」スーハースーハー
「ちょ!足くすぐった!やめ!わっ」グラッ
ドサッ
「はぁはぁはぁ」
「澪!落ちつけ!早まるな!」
「タイツタイツタイツ」スーハースーハー
「だから聞け!」
「律ぅううう」クンカクンカクンカクンカクンクン
「おい!澪!なんか黒くなってる!サイコな犯人みたいな顔になってる!」
「うん!律は最高だもんな!」
「…もう駄目だこの澪…早くなんとかしないと…」
「ところで今日タイツ洗っちゃうのか?」
「なんだいきなり」
「律のタイツ(アロマ付き)貰っていいかな?うん、いいよ。そうか!ありがとう!」
「何も言ってねぇよ!」


終劇

10: 2013/01/03(木) 19:57:50 ID:Q0onExhcO
おまけ

「わかった!わかったからちょっと待て!」
「焦らしプレイか?散々焦らしたくせに焦らしプレイか?!」
「トイレだよトイレ!さっきジュース飲んじゃったからさ…」
「 」
「別にもう逃げないって…////」
「律…」
「…いや…どけよ」
「それはお年玉だよね?いや、ご褒美かな」ニッコリ
「はい?」


今度こそ終劇

15: 2013/01/03(木) 21:46:38 ID:Q0onExhcO
「ヴぁあー…」
奇妙な自分の寝言で目が覚める。ゆうべは飲みすぎたかしら?
どのテレビも新年を迎えるバカップルばかりを見せるもんだから、イライラしちゃったのよね…。
こちとら生徒との禁断の関係だっつーのに、人目をはばからずイチャイチャしやがって!
おっと…いけないぞ!さわ子!私はおしとやかな女性なんだから。
それに今日は、唯ちゃんが遊びに来てくれるんだし。
「どの服がいいかしら…」
せっかく唯ちゃんとの遠出だしね。
楽しみにしてて悪い?
~♪~♪
唯ちゃんかしら?
「えーっと、なになに。
『めずらしいアイスがあるよ』」
…この季節に何してんのよ…。
~♪~♪~♪
『りっちゃんに見てるほうが寒いって言われちゃった』
唯ちゃん、それ当たり前だから。
そんなこと考えてても、アイスを頬ばる彼女の顔が容易く想像できちゃって顔が綻ぶ。
こんな時間が嫌いじゃない。
「時間に遅れないでね、と。ふふふ」
返事を待つ間、何気なくテレビのリモコンに手をのばす。
テレビ『今年もぉ~二人でぇ~チョ~ラブラブしたいでぇ~す。
いぇ~い』
あぁん?今から顔面にギターめり込ませてやろうか!?
~♪~♪
『了解!おでかけ楽しみ~』
可愛らしく飾ったメールが彼女らしい。
私も楽しみよ、と短い返事。
唯ちゃんと違って、あまり飾り気なんかないメール。
「その方がさわちゃんらしいよ!」と、言ってくれたけどキラキラしてカラフルなメールを見ていると心配になっちゃうのよね。
テレビ『では!カメラの前で、お二人のあつ~い新年初キスをお願いしまーす!』
余計な頼みごとするんじゃねぇ!お前らまとめて真冬の海で鱚とご対面させてやろうか?!
私だって唯ちゃんとキスくらい…あれ?
「ほっぺにしか…したことない…?」
《愕然》
今の私の気持ちをその言葉意外で表せない。
いや、よく考えたらおデコにもしたことあったじゃない!よかった~。
「って!よくないわよ!」え?もう付き合って1年近くなるのに?え?え?
~♪~♪
「きゃあ!」
唯ちゃん…。なんてタイミング悪い子…。
『初詣終わったよ~』
「あ、もうそんな時間になるのね…。」
いそいそとテレビを消し、洗顔をすませる。
メイクは薄めで、服も目立たない程度でいいわね。
行くわよ!さわ子!

17: 2013/01/03(木) 21:56:52 ID:Q0onExhcO

「お待たせ。唯ちゃん」
「ん~ん。今来たとこだよ~」
この会話カップルみたいでいいわ~。
まあ、カップルなんだけど。
「寒かったでしょ?早く乗りなさい」
「でへへ~。お邪魔します」
「家じゃないんだから」
「お~!あったかあったか」
「じゃあ行きましょうか」
「出発しんこー!」
「ずいぶんテンション高いじゃない」
「だって~、さわちゃんに会うの楽しみだったんだもん」
天然ジゴロめ!
「それにね、運転してる時のさわちゃん大人っぽくて好きなんだ~」
天然ジゴロ恐るべし!
にやけてくる口を必氏で抑えなきゃいけなくなるんだもの。
「初詣はどうだったの?」
「楽しかったよ!りっちゃんがたこ焼きであちちってなっちゃって、
あずにゃんがイカ焼きくれて、
ムギちゃんが焼きそば見て喜んでたし、
澪ちゃんは~、んとね~、なんか黒くなってた」
「澪ちゃんまたなの?」
「ほえ?」
「澪ちゃん、
こないだもりっちゃんの靴箱に顔突っ込んで黒い人になってたわよ?」
「あはは~。変な澪ちゃん」
あれを変で済ませていいのかしら?


「でね!でね!おみくじで~」
本当に楽しそうに話す唯ちゃん。
この子が軽音部に入ってくれてよかった。
軽音部の顧問になってよかった。
まさかこんな素敵な出会いがあるなんて、人生ってすごい。
「あ~。次の信号引っかかっちゃうよ?」
「いいじゃない。急ぐわけじゃないんだし。今日は泊まって行くんでしょ?」

21: 2013/01/03(木) 21:59:07 ID:Q0onExhcO
「早くさわちゃんとお参りしたいんだもん!」ブーブー
「初詣はもう済ませたでしょ…」
「さわちゃんとの初詣はまだだよ!
さわちゃんとは初めていくもん!」
この子の可愛らしさはわざと?
「信号待ちでもいいじゃない。
こうしてれば」
車を止めて唯ちゃんの手を握る。
伝わってくる温もりが嬉しくて仕方ない。
「…うん。そだね」
照れる唯ちゃんのほっぺにソッと口をつけてみる。
「あぅううう///」プシュ-
可愛らしい反応を見ていたら、すっかり満足。
これから先に進むには時間はかかりそうだけど、今はこの距離が心地いい。


end

24: 2013/01/03(木) 22:13:20 ID:Q0onExhcO
スレ立てして下さった
>>1さんには本当に感謝です。
また機会があれば、鉄のメンタルを装備してきます。
ありがとうございました。

25: 2013/01/03(木) 23:10:11 ID:K0TSJJWAO
純紬は俺得
乙!

引用: 「初詣」