1: 2012/09/25(火) 18:56:25.55 ID:OnX4RiNh0
ゆるゆり♪♪が終わってしまった悲しみを糧に書いた
後悔はしてない

2: 2012/09/25(火) 18:57:15.59 ID:OnX4RiNh0

~ 七森中文化祭・開催2週間前 ~



綾乃「…本当、困ったわね……」フゥ…



千歳「なぁ、もう時間もないんやし、今年は体育館は使わんっちゅうことでええんやない?」

綾乃「そうは言っても、七森中の文化祭は毎年体育館での発表をトリに行ってきたから…その伝統を私達の代で壊すわけにはいかないわ…」

千歳「古谷さん大室さん、各部活やクラスは当たってくれたんやろ?」

向日葵「はい…私は七森中全部活動に体育館を使用しないか聞きましたが……どこも部室で間に合っているという答えばかりでした」

櫻子「私はクラスに聞き回りましたけど、やっぱりどこも体育館を使うようなことはしないって言ってましたよ~?」

ゆるゆり: 22【イラスト特典付】 (百合姫コミックス)
3: 2012/09/25(火) 18:58:00.53 ID:OnX4RiNh0

綾乃「はぁ…全滅ね……」

千歳「他に何か案がないか考えてみいひん?」

綾乃「うーん…他の案ねぇ……」



櫻子「あっ!じゃあ、私達が使っちゃうってのはどうですか?」

向日葵「何おバカなこと言ってますのよ…私達はただでさえ生徒会の仕事で忙しいのに、更に文化祭で出し物とか出来るわけないでしょう?」

櫻子「なんだよっ!じゃあ向日葵はなんかいいアイデアあるって言うのか!?」ムキーッ

向日葵「それは…ないですけど…」


4: 2012/09/25(火) 18:59:09.56 ID:OnX4RiNh0

綾乃「…こうなったら、大室さんの案が一番かもしれないわね」

向日葵「えっ!?」

櫻子「ほれ見ろ~、やっぱりおっOい魔神よか私の方がいい案出すんだよっ!」

千歳「でも何やるん?うちらには準備する時間とか余裕ないで?」

綾乃「うっ…」



りせ「……?」

綾乃「会長……」

千歳「何か言いたいんやろうけど、何言っとるかさっぱりやな」

向日葵「こんな時…西垣先生が居てくれたら…!」



ガラララッ



綾乃「先生…っ!?」バッ

5: 2012/09/25(火) 18:59:51.76 ID:OnX4RiNh0




京子「…ちわーっす、三河屋でーす……?」




6: 2012/09/25(火) 19:01:00.83 ID:OnX4RiNh0

綾乃「って、歳納京子…」ガクッ

京子「なんでそんなガッカリすんのっ!?」

綾乃「何しに来たのよ…またどうせプリンでもたかりに来たんでしょ…?ならとっとと帰りなさい」

千歳「綾乃ちゃんたら、そんな言い方せんでも…」

京子「ちぇーっ、なんだよなんだよ…せっかく西垣ちゃんから『文化祭について困ってるから助けに行ってやれ』って言われて来たのに…」



綾乃「…えぇっ!?」


8: 2012/09/25(火) 19:02:31.34 ID:OnX4RiNh0


千歳「ほんまにぃ~?それはすっごいありがたいわぁ~!な、綾乃ちゃん!」

綾乃「え、えぇ…そうね……困ってたのは事実だし…あ、ありが…///」モジモジ

向日葵「そういえば、ごらく部の方々には聞いてませんでしたわ」

櫻子「何してんだよ!この、ダメっぱい!!」



京子「…で、何に困ってんの?」



綾乃「実は…」カクカクシカジカ


9: 2012/09/25(火) 19:04:09.51 ID:OnX4RiNh0

……………………………
……………………
……………
……


京子「ふむふむ…なるほど、じゃあ私達ごらく部がありがたく使わせてもらうよ!」

千歳「えっ、ええの…?」

京子「そりゃもちろん!」

千歳「うわぁ~!歳納さん、ほんまありがとうなぁ~!よかったな、綾乃ちゃん!」

綾乃「…喜ぶのはまだ早いわよ、千歳……」

千歳「え?なんで?」

綾乃「ごらく部はちゃんとした部活動として認められていない『非公認部活』、そんなところに体育館の使用許可が下りると思う…?」

向日葵「し、しかし…このままだと体育館が使われないことに…」

櫻子「もう!どうすればいいんだよ~!?」

10: 2012/09/25(火) 19:05:24.76 ID:OnX4RiNh0


りせ「………!」

西垣「『名目上生徒会主催として、発表自体はごらく部のみんなにやってもらえばいいんじゃないの』だとさ」




綾乃「先生!」

向日葵「どこ行ってたんですか!」

西垣「どこって…松本が『ごらく部を呼んできて』って言うから、こうやって歳納を呼んできてやったんだろう?」



千歳「会長ナイス判断!」グッ

りせ「……!」グッ

12: 2012/09/25(火) 19:07:05.01 ID:OnX4RiNh0

綾乃「しかし…そんなことが本当に可能なんでしょうか…?」

りせ「…………」

西垣「『体育館の使用許可を生徒会名義で出せば、誰にも文句は言われないはずよ』だそうで…」

西垣「私からも一言言わせてもらえば、お前らも七森中の生徒の一人なんだから、少しくらい文化祭を楽しむ権利っつうか義務?みたいなものはあるんじゃないのか?」



千歳「せやったら、生徒会主催でごらく部には協力してもらうっていう感じでどうやろかぁ~?」

京子「ま、別に体育館で何か出来るんなら私は何でもかまわないよ?」


13: 2012/09/25(火) 19:10:08.29 ID:OnX4RiNh0

綾乃「それじゃあ…!!」パァー

りせ「………」コクリ

西垣「うむ、『やるとは決まったから、あとは何をするかね』……そこは皆で決めた方がいいだろうな」

京子「じゃあ、みんな呼んでくる~!」ダダダッ



綾乃「あっ…もう行っちゃった……」

千歳「どしたん?何か他に不安でもあるん?」

綾乃「そりゃ不安はあるあるアルハンブラよ?……でも、そうじゃなくて、歳納京子に『ありがとう』ってちゃんと言えなかったなって……///」

千歳「ふふふっ、そんなんいつでも言えるやん」クスッ

綾乃「そうだけど…やっぱり助けてくれたらその場で言いたかったなって…///」




14: 2012/09/25(火) 19:11:48.80 ID:OnX4RiNh0

……………………………
……………………
……………
……


ちなつ「はぁっ…はぁっ…き、京子先輩…訳わかんないこと言って急に走り出さないでくださいよ…」ゼェゼェ

あかり「ちなつちゃん…これがいつもの京子ちゃんだから…しょうがないよ…」グッタリ

結衣「何だか京子が大変なことに首を突っ込んだらしいんだけど…?」ハァハァ




カクカクシカジカ



15: 2012/09/25(火) 19:13:28.89 ID:OnX4RiNh0

結衣「文化祭で…体育館発表をごらく部が…?」

ちなつ「あと2週間しかないのに、そんな安請け合いして大丈夫なんですか!?」

あかり「でも、あかりはちょっと嬉しいなぁ…体育館を使えることなんてきっと滅多にないもん!」

綾乃「本当に急な話でごめんなさいね…」



結衣「…まぁ、いつも生徒会にはお世話になってるし、この機に恩返しするのも悪くないかもね」

あかり「うん!やっぱり困った時は助け合いだよぉ!」

千歳「ほんまありがとうなぁ」ニコニコ



向日葵「……で、肝心の出し物についてなんですが…」



一同「「………」」

16: 2012/09/25(火) 19:14:33.80 ID:OnX4RiNh0

櫻子「…じゃあ、みんなで歌を歌いましょうよ!私ボイスパーカッションで!」ズクブンズン!

向日葵「出来もしないことを言うんじゃありませんわよ…」

櫻子「ぶーっ!練習すれば出来るようになるし!それに、全然案が出ないよりはどんなんでも出してった方がいいでしょ!?」



綾乃「……」シュン

千歳「そ、そやなっ!じゃあ皆で思い付く限り案を出していってみよか!」



17: 2012/09/25(火) 19:16:13.33 ID:OnX4RiNh0

~10分後~


綾乃「…だいたい出尽くしたわね」フゥ…

結衣「ま、案を出してたのはほとんど京子と大室さんだったけどね…」



ちなつ「それにしても…どれも現実的に考えて『ない』ですよねぇ…」

あかり「そ、そうかなぁ!?あかり、この『生徒会マジックショー』なんて凄くいい案だと思うよっ!」アセッ

京子「だろ~?」

綾乃「マジックって、例えば何をするのよ?」

京子「例えば~、箱の中のあかりを一瞬にして消してみせます!とか…」

あかり「それってあかりの存在感が消えたとかそんなオチじゃないよねぇ!?」

京子「あとは…千歳の赤い噴水とか?」



結衣「…却下だな」

ちなつ「ですね」

19: 2012/09/25(火) 19:18:04.87 ID:OnX4RiNh0

結衣「…そういえばさ、文化祭で毎年体育館発表してたのってどこだっけ?」

向日葵「ここ数年、演劇部のみですね」

あかり「え?じゃあ今年も演劇部にお願いすれば…」

京子「そういやぁ今年から演劇部は廃部だったっけ?」

千歳「そやで~、去年も部員は2人しかおらんかったしなぁ~」

あかり「そ、そうなんだぁ…」ションボリ



櫻子「そうそう、そういえば…」ガサゴソ

向日葵「ちょっと、話し合いをサボって何遊んでますの?」

櫻子「あった!じゃじゃ~ん!!」

綾乃「ああ、それは…」

20: 2012/09/25(火) 19:19:39.28 ID:OnX4RiNh0

京子「何何~?その段ボール」

千歳「これはな~、その廃部した演劇部の衣装や小物をひとまとめにしたもんやで~」

向日葵「まだ片付けてなかったんですのね…」

京子「うわ!メイド服とかあるじゃん!結衣、ちょっと着てみてよ!」

結衣「い、嫌に決まってんだろ!///」

ちなつ「結衣先輩のメイド姿…!!」ハァハァ



あかり「けど、こんなにあるなら何かに使えないかなぁ?」

京子「というかさ、演劇部がないから体育館が使われなくなったんでしょ?」

綾乃「え?えぇ…」

京子「じゃあ、伝統的な意味でもここは『演劇』をやるべきだろっ!!」



一同「「ええーっ!?!?」」



21: 2012/09/25(火) 19:21:20.52 ID:OnX4RiNh0

結衣「いや、よく考えたら無理ってわかるだろ…」

綾乃「そうよ!もう時間だって限られてるのに…」

京子「けど、小物とか衣装とかはこの箱からどうにか見繕ってさ」

京子「あと、内容も皆が知ってるような題材ならそこまで練習が必要ってこともないじゃん?」



千歳「ん~…そやね、その案には一理あるわ」

綾乃「ちょ、ちょっと千歳…」



あかり「あかりも、他にいい案が出ないならそれがいいと思うなぁ!」

結衣「…こいつは言い出したら聞かないからな……」

ちなつ「私と結衣先輩が主役なら!!」

綾乃「ちょっと…あなたたちまで…」

23: 2012/09/25(火) 19:22:26.94 ID:OnX4RiNh0

向日葵「もう悩んでる時間もありませんしね…」

櫻子「私は冥土さん役で!」

綾乃「うぅ……」



りせ「……」

西垣「『多数決で決まったようね』だそうだ……あ、ちなみに私も松本も賛成な」

綾乃「会長まで……」



京子「綾乃、どうする?」

綾乃「うぅ……い、いいわよ…じゃあ、出し物は『演劇』でっ!!」

京子「いよぉーっし!」

綾乃「あ、あんまり恥ずかしい役は嫌なんだからねっ…///」

千歳「歳納さんと一緒に主役が出来るとええなぁ」ニコニコ

綾乃「ちょっ、だから主役とか無理無理ムリなんだからねーっ!!!///」

24: 2012/09/25(火) 19:25:02.87 ID:OnX4RiNh0


~次の日~



綾乃「…で、出し物が劇に決まったまではいいんだけど…」

千歳「何をやるか…やなぁ」

向日葵「昨日、歳納先輩は『皆が知ってるようなな題材』とおっしゃってましたけど…」



京子「その件については安心したまえ!諸君!」

結衣「お前がそう自信満々に話し始めると、何か裏がありそうで怖いんだが…」

京子「なんもねぇよ!」

ちなつ「で、何が安心なんですか?」

25: 2012/09/25(火) 19:26:13.10 ID:OnX4RiNh0

京子「昨日、家に帰ってから考えたんだよ…この2週間でどんな劇が出来るかを…」

あかり「京子ちゃんが珍しく真面目な顔してる…」

綾乃「歳納京子のレア顔…!///」

千歳「綾乃ちゃん、今は真面目に聞こうな?」



京子「そしたらお風呂入ってる時に、きゅぴーん!ってきたんだよ!」

ちなつ「もう!勿体振らずに早く言ってくださいよ!」

京子「わかった…私達がやるべき題材は…!」

綾乃「……!」ゴクリ




京子「『白雪姫』でーっす!」


27: 2012/09/25(火) 19:27:45.41 ID:OnX4RiNh0

綾乃「白雪…姫…?」

千歳「まぁ、知らん人はおらんなぁ」

結衣「京子にしてはえらくまともな案だな…」

綾乃「ど、どうして『白雪姫』がきゅぴーん!ってきたのよ!?」



京子「ん?あぁ、なんかお風呂入る前にテレビ観てたら、CMで白雪姫の映画の宣伝やっててさ~」

千歳「あ、うちも知っとるで~!あの有名な女優さんが出るやつやろ~?」

京子「そうそう!それで配役とか考えてみたらピッタリだなって思って、もうこれしかない!と…」

ちなつ「えっ!?もう配役まで考えたんですか!?もちろん私が白雪姫なのはわかってますけど…王子は…///」モジモジ

綾乃「配役がどんなのか気になるんだけど…」



京子「えーっと…」カキカキ

28: 2012/09/25(火) 19:28:26.39 ID:OnX4RiNh0


白雪姫……あ・た・ち☆

七人の小人……結衣、ちなつちゃん、綾乃、千歳、ひまっちゃん、ちっぱいちゃん

悪の女王……西垣ちゃん(最年長だし)

魔法の鏡……会長



29: 2012/09/25(火) 19:30:37.43 ID:OnX4RiNh0

西垣「『最年長』っていうのはいらないだろ……というか、私出ることになってるのか」

あかり「ちょっと!あかりの名前がナチュラルに無いんだけどぉ!!」プンプン

結衣「あ…ほんとだ…」

あかり「結衣ちゃんまで今気付いたみたいに言わないでぇ!!」



京子「あぁ、あかり書き忘れてたけど小人役ね」

あかり「京子ちゃん適当すぎるよぅ…」

千歳「けど…この配役やと、重要な役が足りん気がするんやけど」

ちなつ「というか何で白雪姫役が京子先輩なんですかぁっ!!納得いきません!!」

京子「まぁまぁ、そこは先輩を立てるってことで……で、やっぱり千歳そこ気付いちゃう?」



綾乃「誰だって気付くわよ…準主役級の『王子』がいないわね」

32: 2012/09/25(火) 19:32:42.72 ID:OnX4RiNh0

京子「そこなんだよ~!いや、私が白雪姫だからさ、王子はちなつちゃんがいいな~なんて思ってたんだけどさぁ」

ちなつ「氏んでも嫌です」キッパリ

京子「ですよね~」

向日葵「誰か他に出演してくれる人を探さないといけませんわね…」



結衣「私は別に誰か兼役でやってもいいと思うけどな」

京子「うん!結衣ならそう言ってくれると思ってたよ!」カキカキ




王子様……結衣



35: 2012/09/25(火) 19:34:05.35 ID:OnX4RiNh0

結衣「おいこら…誰も『王子やります』とは一言も言ってないだろうが…!」グイグイ

京子「ひたひひたひ!ほっへひっはふのやえへ~!!」



京子「ま、もう書いちゃったしこれでいいんじゃね?」ケロッ

結衣「この野郎…!!」

ちなつ「わ、私も王子様役なら結衣先輩しかいないと思います!!」

結衣「ちなつちゃんまで…」

あかり「あかりも、とっても似合うと思うなぁ!」



結衣「……わかったよ、兼役な」

京子「結衣…!」


36: 2012/09/25(火) 19:34:38.59 ID:OnX4RiNh0


千歳「綾乃ちゃんよかったん?船見さんが王子様役で」コソコソ

綾乃「べ、別にいいんじゃない?船見さんかっこいいし」

千歳「けど…白雪姫言うたらやっぱり王子様とのキスシーンがあるやん?」クスクス

綾乃「ななな、何言ってるのよ!!そんな恥ずかしいこと、文化祭でしたら罰金バッキンガムなんだからっ!!///」



37: 2012/09/25(火) 19:36:24.59 ID:OnX4RiNh0

向日葵「えっと…じゃあ題材は『白雪姫』で、配役もだいたい決まったということでいいですね」

綾乃「え、えぇ、いいわよ?」

千歳「あ、ちょっとごめん!すっかり忘れとったんやけど、この劇に千鶴も混ぜてやってええかなぁ?」

結衣「千鶴さん?じゃあ王子役をお願いして…」

千歳「いや、多分目立つ役は嫌がると思うから…まだ出てない『狩人役』とかでええかな?」



京子「あれ、狩人なんて出てくるっけ?」

千歳「そやで~?白雪姫を頃すように女王に言われるんやけど、森に見逃してあげる重要な役なんよ」

結衣「私の兼役は…」ガックリ

京子「ま、じゃあ千鶴は狩人役で!」

39: 2012/09/25(火) 19:37:50.30 ID:OnX4RiNh0

綾乃「さてと…題材と配役は決まったし、あとは準備と練習だけね」



櫻子「せんぱーい!演劇部の段ボールの中にこんなんがあったんですけど~?」

向日葵「あなた…また話し合いに参加せずにサボってましたわね?」

京子「おぉー!その衣装はまさに…悪の女王!!」

櫻子「あと、なんか小人っぽい服が7着とお姫様っぽいやつと王子様っぽいやつと…あと狩人っぽいやつがありました~!」

ちなつ「櫻子ちゃんグッジョブ!」



向日葵「……ま、櫻子にしては良くやりましたわね///」


40: 2012/09/25(火) 19:39:10.06 ID:OnX4RiNh0


………………………


西垣「松本、お前魔法の鏡役でよかったのか?」

りせ「………///」

西垣「…ま、それは無理だろうな…私が王子役なんて…」

りせ「……」シュン

西垣「そうしょげるなよ!私がお前にピッタリなスペシャルな鏡を作ってやるから、な?」

りせ「……」コクリ


41: 2012/09/25(火) 19:41:21.48 ID:OnX4RiNh0


~ 題材&配役決定から数日後、教室 ~


綾乃「あっ……と、歳納京子っ!」

京子「ん~、どったの綾乃?」

綾乃「あの…その…、白雪姫のことなんだけど…」

京子「ああ、その件についてはバッチリやってるよ!とくに美術系とかめちゃくちゃ力入れてるから!」

綾乃「本当にごめんなさい…私達が無理に頼んだのに、完全に丸投げになっちゃってて…」

京子「いいっていいって!綾乃達は生徒会でもっともーっと忙しいって知ってるしね!」

綾乃「でも…」

京子「それより綾乃、忙しいからって疲れてるのを我慢しちゃダメだよ?倒れたりしたら私…心配しちゃうしね」

綾乃「えっ…///」



綾乃「そ、そんなこと……けど、心配してくれてありがと…///」

京子「へへっ…///」

42: 2012/09/25(火) 19:42:59.71 ID:OnX4RiNh0



千歳「ほんまええわぁ…」ダクダク

結衣「千歳!鼻血!鼻血でてるから!!」

千歳「鼻血ぃ?今はあの『空気』を全身に感じるので一杯一杯で、鼻血なんて気にならへんわぁ…」ダクダク

結衣「氏んじゃうって!氏んじゃうレベルで出てるから!」

43: 2012/09/25(火) 19:44:09.33 ID:OnX4RiNh0


~ 更に数日後、ごらく部 ~


京子「やっとこさ台本出来たよ~!」

ちなつ「え、京子先輩台本書いてたんですか!?」

結衣「誰もやるって言ってなかったからな…」

あかり「わぁー!表紙の絵もかわいいよぉ!」

結衣「ん…?なんかこれ、タイトルが違うような……」




『魔女っこミラクるん!~白雪姫パニック!~』



44: 2012/09/25(火) 19:45:20.08 ID:OnX4RiNh0

ちなつ「ちょっ、これ『ミラクるん』になってるじゃないですか!!」

結衣「おい、お前もしかして…」

京子「だってさ~、ただの白雪姫じゃインパクト無いじゃ~ん?」

結衣「今すぐ丸々書き直してこいっ!」

京子「えーっ!?すっごく時間懸けた渾身の一作なのに~」

結衣「『皆が知ってるような題材』だってお前が言い出したんだろうが…」

京子「ぶー…ミラクるんは老若男女構わず…」

結衣「書き直してこい…!!」ゴゴゴ…

京子「ひ、ひゃい!」



あかり「あかりは別にこれでもいいんだけどなぁ…」

46: 2012/09/25(火) 19:47:27.99 ID:OnX4RiNh0


~ 七森中文化祭・開催1週間前、ステージ ~


綾乃「文化祭準備週間に入ったから、ようやく少しだけ時間が取れるようになったわ!」

千歳「みんな~、今まで頑張ってくれてありがとうなぁ」



京子「はっはっはっ!我がごらく部美術班の渾身の舞台美術を見よっ!!」



向日葵「うわぁ…すごいですわね…まさか小屋のセットまで組み立てるなんて」

結衣「一応、私のイメージで『小人の家』を作ってみたんだけど…」

千歳「船見さん、同人のアシやったりアニメ作ったりセット作ったり…凄いなぁ…」

京子「背景は私とあかりで描いたんだぞ!」

綾乃「ありがとうね、赤座さん」

あかり「そんな、あかりなんてちょっと色塗ったりしただけですから…///」

京子「おーい!私も褒めろー!!」

47: 2012/09/25(火) 19:48:34.27 ID:OnX4RiNh0


ギュイイイイン… ガンッガンッガンッ…




綾乃「…で、さっきから舞台裏で不穏な作業音が聞こえてくるのだけど…何の音かしら…?」

京子「あぁ、西垣ちゃんに舞台装置作ってもらってるんだよ」

結衣「なんか…私達にも何作ってるか詳しく教えてくれないんだよ…」

綾乃「本当に不穏ね…」

48: 2012/09/25(火) 19:49:36.72 ID:OnX4RiNh0

京子「そして!これがようやく出来上がった渾身の台本だぁ~っ!!」



あかり「わぁ~!また表紙がかわいい絵になってるよぉ~!」

綾乃「また…?」

櫻子「あのーすいません、もうすでに私の名前が書き込まれてるんすけど…」

京子「あぁ、今回は各人違う内容の台本になってるから」

結衣「はぁっ!?どういうことだよ!?」

京子「読んでみればわかるよ~」ニヤニヤ




綾乃「私の台詞以外、書かれてない…?」

結衣「これ、自分の台詞以外はト書きしか無いじゃないか」

京子「ま、白雪姫なんてかっちりした台本なくたって出来るでしょ?」

千歳「うちの台本に書いてある『ナレ』ってなんなん~?」

京子「それはナレーションで、勝手に千歳と西垣ちゃんに振り分けさせてもらったから」

49: 2012/09/25(火) 19:50:55.74 ID:OnX4RiNh0

向日葵「あの…これ、ラスト3ページが真っさらなんですが…」

結衣「私のも…王子役のシーンがないぞ?」

京子「ラストのキスシーンはアドリブで」キリッ

結衣「ほぼ全編アドリブじゃねえか…」

綾乃「全然台本になってないじゃない…」



京子「ま、なんとかなるでしょ!」ニコッ





あかり「ちょっとぉ!あかりの台本、全部真っ白なんだけどぉ!!」プンプン

52: 2012/09/25(火) 19:52:29.02 ID:OnX4RiNh0


~ 七森中文化祭・開催5日前、ステージ ~



京子「ふぅ…だいたいの背景とセットは組み終わったな…」

結衣「…けどさ、本当に大丈夫なのか?通し練習とかしなくて」

京子「ま、なんとかなるって!それに、みんな各々で色々と忙しいしさ」

結衣「そういえば生徒会は朝から走り回ってたな」

京子「ほんと綾乃達には頭が上がらないよ」

結衣「その分、私達も一生懸命頑張んないとな」フフッ

京子「おうよっ!」

53: 2012/09/25(火) 19:53:54.15 ID:OnX4RiNh0

京子「そうだ、今ちょうど私と結衣しかいないから、ラストのキスシーンの練習いっとく?」ウッフン

結衣「やらんわ」

京子「え~…」



結衣「…なぁ、前々から気になってたんだけどさ」

京子「ん?」

結衣「これさ、オチっていうか締めみたいなのって本当どうなってんの…?台本真っ白でアドリブって言われて、それでどう劇が終わるんだよ?」

京子「あぁ、その辺は西垣ちゃんと一緒にバッチシ考えてあるから!」グッ

結衣「もう嫌な予感しか浮かばないんだが…」

54: 2012/09/25(火) 19:54:40.70 ID:OnX4RiNh0


~ 同刻、生徒会室 ~


綾乃「……」イライラ

千歳「…綾乃ちゃん、仕事が忙しいのはわかるんやけど、イライラを顔に出すんはようないよ?」

綾乃「あっ…か、顔に出てたかしら?///」

千歳「歳納さんにはよ会いたいわ~って、顔にそう書いてあるで?」クスクス

綾乃「そっ…そんなことあるわけないでしょ!!///」



千歳「けど…ほんま歳納さんらには申し訳ないなぁ…」

綾乃「そうね…」シュン

綾乃「…だからこそ!私達が早く仕事を片付けて、急いで歳納京子のところに行かないとねっ!!」

千歳「おっ、綾乃ちゃんやる気出てきたなぁ!」

55: 2012/09/25(火) 19:55:30.70 ID:OnX4RiNh0

千歳「そや、こうやって仕事しながらうちらで読み合わせでもする?」

綾乃「それいいわね!…って、私達が読み合わせできるシーンなんてあったかしら…?」

千歳「うちも綾乃ちゃんも台詞少ない小人役やもんね…」

綾乃「じ、じゃあ!千歳のナレーションを私が聞いてあげるわ!」

千歳「ええの?」

綾乃「ビシビシ指導してあげるんだからっ!」

千歳「ほな、お手柔らかになぁ」ニコニコ

57: 2012/09/25(火) 19:57:36.09 ID:OnX4RiNh0


~ 七森中文化祭・開催4日前、舞台裏 ~



ギュイイイイン… ガキン!ガキン!


西垣「これはギリギリ間に合うかどうか……」ガンッガンッ

りせ「……」

西垣「おぉ松本、生徒会の方は終わったのか?」

りせ「……」コクリ

西垣「そうかそうか…あぁそうだ、お前の役の衣装、作っておいたからな」

りせ「……」

西垣「ん?練習しなくていいのかって?ははっ、したいのは山々なんだがな…ちょっとこっちの機械が間に合うかどうか…」

りせ「……」ジーッ

西垣「わかったわかった!じゃあ…ちょっとだけだからな?あと、終わったらこれ作るの手伝ってくれよ?」

りせ「……」コクリ

59: 2012/09/25(火) 20:09:26.96 ID:5ya+zdrnO


りせ『これ…鏡…?』

西垣「見ればわかるだろう?鏡だよ」

りせ『私、こんなの付けて舞台に上がるの…?』

西垣「『こんなの』とは失礼な…これでもお前が付けやすいように改良に改良を重ねてだな…」

りせ『あ、ほんとだ、思ってたより軽い…』

西垣「こうやって顔を穴から出して…そうそう、それで手をここに…」



りせ『けどこれ…顔しか出てない…』

西垣「しょうがないさ、鏡だからな」

りせ『……』

りせ『身体の方は制服で出ればいいの…?』

西垣「そこも考えて、より鏡っぽくなるように…ほら、全身タイツを用意しといたから」

りせ『ぜ、全身タイツ…!?』


60: 2012/09/25(火) 20:11:22.35 ID:5ya+zdrnO


~ 七森中文化祭・開催3日前、ステージ ~



綾乃「みんな、お待たせーっ!!」



京子「おぉ!綾乃!来てくれたんだ~!」

千歳「うちらもようやく時間取れるようになったで~!」



向日葵「練習に来れなくて本当にすみませんでした…」

京子「いいっていいって!こっちもまともに練習してなかったし」

結衣「おいこら」


61: 2012/09/25(火) 20:12:34.88 ID:5ya+zdrnO

綾乃「じゃあ…皆で衣装を着て、場面ごとに動きを合わせてみましょうか」

櫻子「私、台詞バッチリですよ~!」

向日葵「あなた大して台詞ないじゃありませんの…」

櫻子「うっさい!向日葵もそれは一緒だろ!?」

京子「あぁ、台詞は大体でいいし、面白いと思ったら話を大きく変えない程度なら何でもやっていいからね~?」

ちなつ「もはやそれって『演劇』とは言わないんじゃ…」




千歳「…あああああああああっ!!??」



63: 2012/09/25(火) 20:13:47.82 ID:5ya+zdrnO

綾乃「急にどうしたのよっ!?千歳!?」

千歳「どうしよう~!?うち、すっかり忘れとったわぁ…!!」

あかり「えっ!?一体何を忘れてたんですか!?」



千歳「…千鶴に劇のこと言うの、忘れとったわぁ……」



結衣「って、まだ言ってなかったの!?」

千歳「よかれ思うて千鶴を混ぜてもらったのに、うちが話してなかったら意味ないやんかぁ…!!」

綾乃「ちょ、今すぐ呼んできなさいよっ!」

千歳「…うん!」

京子「あ、千鶴ならさっき図書館に居たよ~?」

千歳「ほんまかっ!?ありがとうな、歳納さん!!」ダダダッ


64: 2012/09/25(火) 20:16:15.22 ID:5ya+zdrnO

綾乃「…というかあなた、なんで千鶴さんの居場所なんて知っていたのよ?」

京子「なんかさ~、最近綾乃と絡んでなかったからツンデレ分が足りないと思ってさ、暇そうだった千鶴に構ってもらってたんだよ」

綾乃「んなっ…それじゃあ、その時にあなたが千鶴さんに説明してたら…!!」

京子「ごめん、私もすっかり」

綾乃「んなーっ!!!」



結衣「もし千歳がこの場にいたら、きっと血の海だったな…」


66: 2012/09/25(火) 20:19:15.02 ID:5ya+zdrnO

………………………
………………
………



千鶴「……で、今さっき姉さんから聞いたばかりなんだが…」

京子「ほらっ!千鶴!この衣装着てみてよ~っ!!」キラキラ

千鶴「歳納…!!お前がなんでここにいるんだよっ!!」イラッ

結衣「つうか京子、その衣装は明らかに狩人のやつじゃねえな…」

ちなつ「ライバるんのコス…なんで持ってきてるんですか…」



京子「ちぇっ、何も知らない千鶴にコスさせるチャンスだったのに…」


67: 2012/09/25(火) 20:20:43.79 ID:5ya+zdrnO

千鶴「それで姉さん、私も劇に出ることになってるらしいけど…」

千歳「そうなんやぁ…突然そんなこと言うてごめんなぁ…?」オロオロ

千鶴「ううん、姉さんや杉浦さんのためなら…それで私の役は?」

綾乃「狩人よ」

千鶴「狩…人…?」

千歳「大丈夫やで、出るシーンは少ないし、台詞はあるけどそれも少ないと思うから」

千鶴「狩人って、一体何をすればいいの…?」

京子「白雪姫のあたちを森に逃がしてくれる、優し~い役なんだよ~?」キラッ

千鶴「」イラッ



結衣「…ちなみに『本当は白雪姫を頃すって命令を受けてる』設定だから」ボソッ

千鶴「ほほぅ…!!」ニヤリ

京子「ちょっと結衣!余計なこと言うなよ~!」


68: 2012/09/25(火) 20:22:38.98 ID:5ya+zdrnO

……………………
……………
………



千鶴「…衣装着てみた」

千歳「かわいいで~千鶴」ニコニコ

千鶴「姉さんこそ、その衣装かわいい…///」

千歳「ほんまかぁ?ありがとうな~///」



綾乃「じゃあ、千鶴さんの衣装も合わせ終わったし、狩人のシーンを合わせてみましょうか」

千鶴「えっ…今さっき話を聞いたばかりなのに…」

西垣「あ、狩人役の小物はまだ作っている最中だからな…その辺にあるほうきで代用しといてくれ」

千鶴「小物…?」


69: 2012/09/25(火) 20:24:29.11 ID:5ya+zdrnO

京子「ちょっ、西垣ちゃん!あれマジで作ってんの!?」アセッ

西垣「鋭意制作中だ…楽しみにしていろよ!」キリッ

京子「冗談で言ってたのに…マジ氏んじゃうって…」ショボーン



綾乃「……?」

あかり「ねぇ京子ちゃん、先生は何を作ってるの~?」


70: 2012/09/25(火) 20:25:56.17 ID:5ya+zdrnO

京子「…猟銃だよ」ボソッ



向日葵「銃!?」

櫻子「おぉー!かっけー!!」キラキラ

結衣「銃を西垣先生に作らせてるって…」

千鶴「ほほぅ…なるほど…!」ニヤニヤ

京子「目が怖いっすわ…千鶴さん…」ガクブル



71: 2012/09/25(火) 20:27:51.69 ID:5ya+zdrnO

…………………
……………
………



京子「…じゃあ次は小人が出てくるシーン!よ~い…はいっ!!」パンッ



小人「「やっほっほー…やっほっほー…」」ノロノロ



京子「かーっと!!ちょっとぉ!みんなやる気あんのかぁー!?」

ちなつ「やる気って…こんな変な掛け声じゃやる気出ませんし」

結衣「別にこんな感じでいいじゃん…」


72: 2012/09/25(火) 20:29:05.17 ID:5ya+zdrnO

京子「そうだ!インパクト付けるためにみんな踊りながら出てきてよ!」

綾乃「お、踊り!?///」

櫻子「先輩!こんなのですか~?」グニャリグニャリ

京子「あーっはっはっは!そうそう!そんなのだよー!」ゲラゲラ

向日葵「ちょっと!こんな踊り、出来るわけないじゃないですか!」

櫻子「向日葵は身体が固いからなぁ~」グニャグニャ

京子「ひーっ!!わ、笑い氏ぬ~っ!!」ハッハッハッ



結衣「ふざけてる2人は置いておいて…それじゃ私達はもうちょっと小人っぽく、楽しい感じでやってみようか」

綾乃「そうね、そうしましょうか」

小人「「はーい!」」

櫻子「楽しいって、こんな感じですかぁ~?」グニャッグニャッ

向日葵「櫻子…それ以上ふざけてると先生の猟銃でドタマぶち抜きますわよ……?」

櫻子「ひいっ!!」


73: 2012/09/25(火) 20:30:47.23 ID:5ya+zdrnO


~ 七森中文化祭・開催2日前、教室 ~



結衣「なぁ京子…本当に今日は自由練習でよかったのか?」

京子「昨日大体通しは出来たし、大丈夫っしょ~」

結衣「でもなぁ…やっぱりラストのシーンを練習出来てないのはどうかと思うんだが」

京子「あぁ、それなら心配ないよ~!もう、バシーン!って観客の心に衝撃を与えるようなラストに仕上がってるからさ!」

結衣「そんなこと言うからますます不安なんだろ…」


74: 2012/09/25(火) 20:32:22.92 ID:5ya+zdrnO

京子「それにさ、私達もそうだけど…綾乃と千歳にも、クラスのみんなと準備する時間も必要かなぁ…ってね」



結衣「……そうだな…私達、クラス展示の方を蔑ろにしてたな」

京子「でしょ~?あの2人もそこを気にしてたし、あかり達のクラスでもやっぱりなんかあるだろうし…1日くらいわね」

結衣「お前…何も考えてないフリして、たまに気が利くんだよな…そういうところ」

京子「へへっ、もっと褒めていいんだよ~?」ニヤニヤ

結衣「調子のんな…『たまには』なんだからな?」

京子「ちぇっ、結衣ったら照れちゃって…『たまには』素直に褒めてくれたって、罰あたんないよー?」

結衣「…うっさい///」


76: 2012/09/25(火) 20:34:06.22 ID:5ya+zdrnO


~ 同日、ステージ ~



向日葵「…やっぱり、皆さん来ていないようですわね」

櫻子「みんなクラスの方で忙しいんだよ…きっと」

櫻子「でもさ、私たちはクラスの準備抜けて来てよかったのかなぁ?」

向日葵「私はクラスも大事ですけど、やっぱり生徒会の仕事も大事なんですわ…だから皆さんが忙しくしている時こそ、私達がしっかりこちらを支えないと!」

櫻子「ふ~ん…ま、何だっていいけどさ」


77: 2012/09/25(火) 20:35:42.84 ID:5ya+zdrnO

櫻子「で、私たちは何しに来たんだっけ?」

向日葵「もう…さっき説明したじゃありませんの!」

向日葵「前日になってハプニングが起きてしまっては対処に困りますから、私達で今のうちから最終チェックをして、明日…そして明後日の本番に望むんですわよ」

櫻子「へぇ~…じゃ、頑張って!」

向日葵「ちょっと、あなたも一緒にやるんですわよ!?」

櫻子「めんどくさそうだから、西垣先生がいる舞台裏行ってくる~」タタタッ



向日葵「もう…ま、こういう重要で地味な仕事を不言実行できる、私こそが次期副会長に相応しいということですわね、きっと!」


78: 2012/09/25(火) 20:37:37.03 ID:5ya+zdrnO

櫻子「…今、聞き捨てならない台詞が聞こえてきたぞ…!!」

向日葵「あら、次期副会長になれない櫻子さん、あなたは遊びに行くんではなくて?」ニヤニヤ

櫻子「次期副会長は私だし!!」

向日葵「そう?じゃあ…副会長は無理だと思いますけど…小道具の最終チェックをお願いしますわ」

櫻子「ボソッと『無理』とか言うなっ!!」キーッ

向日葵「はいはい、口を動かす前に手を動かしてくださらない?」

櫻子「それはお前もだろーっ!!」


79: 2012/09/25(火) 20:40:22.59 ID:5ya+zdrnO

…………………
……………
………



向日葵「衣装はあらかた大丈夫でしたわね…ねぇ、そっちはどう?」

櫻子「ん~…大丈夫……だけど…」

向日葵「だけど?」

櫻子「この段ボールの花のやつに、歯型っぽい跡が付いてんだけど…」

向日葵「歯型…?」



向日葵「これは立派な歯型ですわね…」

櫻子「ちょっと色が欠けてるとこ、補修しとくね!」

向日葵「えぇ、お願いしますわ…」

向日葵「でも一体誰がこんな歯型を…?」


80: 2012/09/25(火) 20:41:59.28 ID:5ya+zdrnO

櫻子「……」ヌリヌリ

向日葵「あなた、本当に図画工作だけは得意ですのね…」

櫻子「へへっ、そうだろそうだろ~?」ヌリヌリ

向日葵「……」ジー

櫻子「……ちょっと、そんな見つめられると上手く出来ないから」

向日葵「あっ、ご、ごめんなさい!///」



櫻子「…ねー、向日葵ー」

向日葵「な、なんですの?」


81: 2012/09/25(火) 20:43:35.50 ID:5ya+zdrnO

櫻子「さっき『副会長がうんたら』って言ってたじゃん?」

向日葵「えぇ、こういった仕事を進んで出来る人が次期副会長に相応しいと…」

櫻子「じゃあさ、なんで私連れてきたわけ?」ヌリヌリ

向日葵「えっ…?」

櫻子「だって、私と向日葵は次期副会長に立候補しあってるライバル同士なわけじゃん?なら…別に1人で黙って抜けてくればよかったじゃん」

向日葵「そっ…それは…///」

櫻子「…よしっ、修復終わり!で、どうなのよ?」

向日葵「……///」


82: 2012/09/25(火) 20:45:35.15 ID:5ya+zdrnO

向日葵「それは…べ、別に深い意味はありませんのよっ!!///」

櫻子「…ふーん」

向日葵「抜け駆けで1人で来てもよかったですけど…あとであなたにギャアギャア言われるのは嫌でしたし…///」

櫻子「……」

向日葵「別に1人でも何の問題もありませんでしたけどねっ!///」



櫻子「…ま、つまり1人は寂しかったから私を呼んだと」

向日葵「そ、そんなわけあるわけないでしょ!?///」

櫻子「向日葵は寂しがり屋さんだからなぁ~」ニヤニヤ

向日葵「だから違うって…!///」



櫻子「…私は、向日葵に呼んでもらえてすっごく嬉しかったけどね」


83: 2012/09/25(火) 20:46:38.54 ID:5ya+zdrnO

向日葵「…え?」

櫻子「…1回しか言わないからなっ!!///」




向日葵「…なんで急に素直になるのよ…///」

櫻子「ううう…うっさい!///」



84: 2012/09/25(火) 20:47:44.78 ID:5ya+zdrnO


~ 七森中文化祭・開催前日、ステージ ~





京子「…はい、じゃあみんな集合~!!」パンパンッ



85: 2012/09/25(火) 20:49:02.97 ID:5ya+zdrnO

京子「えーと…これで今日の練習は終わりってことで、解散!!」

結衣「えっ、もう終わり!?」

ちなつ「まだ始めて2時間くらいですけど…」

京子「いや~、さっき綾乃と相談して、みんなこれまで色々な準備で忙しかっただろうし、前日くらいはゆっくり休んで、本番しっかり望もうってことにしたんだよ」

千鶴「結局最後の最後は1回もやらず仕舞いだな…」

京子「まぁ、そこは神のみぞ知るってことで」クスクス

向日葵「本当にいいんですの…先輩?」

綾乃「えぇ、もうこれ以上練習したってどうしようもない台本だしね」チラッ



京子「そこ、チラッとこっち見るな!」

綾乃「ふふっ…ごめんなさい」ニコニコ


86: 2012/09/25(火) 20:50:19.07 ID:5ya+zdrnO

あかり「うわぁ…あかり、今から凄く緊張してるよぉ…」ドキドキ

京子「明日は絶対テンパるだろうけど、余裕を持って臨めば絶対上手くいくから…大丈夫!!」

櫻子「そうですそうです!」

向日葵「なんであなた…そんなに自信満々ですのよ…?」


87: 2012/09/25(火) 20:51:24.95 ID:5ya+zdrnO

綾乃「そういえば…古谷さん」

向日葵「はい、なんでしょう?」

綾乃「昨日、大室さんと残って道具の最終チェックしてくれたんでしょう?」

千歳「えっ、ほんまぁ?」

向日葵「な、なんでそれを…?」

綾乃「さっき大室さんから聞いたのよ」ニコッ

向日葵「あの子ったら…!///」

櫻子「へへっ…///」



綾乃「あなた達2人だけだったのに、よく頑張ってくれたわ…本当にありがとう」

向日葵「そんな…私達は出来ることをやったまでですから…///」

千歳「まぁまぁ、そんな照れることないやん~?」ニコニコ


89: 2012/09/25(火) 20:54:40.10 ID:5ya+zdrnO

…………………
……………
………



ちなつ「それじゃ、お先でーす!」

結衣「京子、本当に1人で大丈夫か…?」

京子「大丈夫大丈夫!ちゃちゃっと背景手直ししたら、すぐ皆に追い付くから!」

千歳「ほな、また明日な~」

千鶴「…じゃあな」

向日葵「お疲れ様でした」

櫻子「明日はバッチリ頑張りましょうね~!」

綾乃「……」フイッ



京子「おう!明日頑張ろーな!!じゃあまた明日!!」


90: 2012/09/25(火) 20:56:04.54 ID:5ya+zdrnO

バタン…



京子「……」

京子「…明日……か」フフッ


西垣「……どうした歳納、そんな哀愁に暮れたような顔して」

京子「ってうわあああ!?まだ西垣ちゃんいたのかよ!?」

西垣「いたのかよ!?って…私はここ数日、家に帰らずここで作業していたわけだが…」

京子「あー…まじビックリした…」

西垣「それより歳納、文化祭前日とは思えない雰囲気なんだが…何かあったか?」

京子「え…いや、特になにも…?」

西垣「……」


92: 2012/09/25(火) 20:58:21.18 ID:5ya+zdrnO

西垣「まぁいいか…私はちょっと出て来るから、帰るならちゃんと鍵を閉めて帰れよ?」

京子「うぃ~…」

西垣「あと…ちゃんと帰れよ?」ニヤリ

京子「うっ…わ、わかってるよ!!///」




京子「西垣ちゃんも行ったか…」

京子「ふぅ……もう、明日なんだな…」

京子「……」



京子「…終わりたくないなぁ……」ボソッ



京子「……あーっ!ダメだ!こんなの私っぽくない!!さっさと背景手直しして…」

綾乃「……誰が歳納京子らしくないって?」クスリ


94: 2012/09/25(火) 21:00:03.75 ID:5ya+zdrnO

京子「えっ…あ、綾乃!?帰ったんじゃなかったの!?」

綾乃「ちょっと忘れ物取りに…それに、なんだかあなたの感じがちょっとおかしかったから…」

京子「……」




京子「…あー」バタン

綾乃「止めなさいよ…もう、行儀が悪いんだから」

京子「ちょっと疲れたからステージに寝転がっただけだよー…」

京子「なんか、久しぶりに力が抜けた気がする…」



綾乃「……あの、さ…」

京子「ん?」


95: 2012/09/25(火) 21:02:23.12 ID:5ya+zdrnO

綾乃「その…あ、ありがとね…」



京子「ん?何が?」

綾乃「あ、い、今までのこと全部含めてってことにしといて///」

京子「あぁ」

綾乃「あなた…1人ですっごく頑張ってたもの」

京子「1人じゃないよ…みんなが一生懸命やってくれたから、ここまでこれたんだよ…」

綾乃「そう…ね」


96: 2012/09/25(火) 21:03:46.46 ID:5ya+zdrnO

京子「…なんかさー、本番は明日だってわかってるのに、なんだか…しんみりしちゃってさ…」

綾乃「…わかるわ」

京子「皆でわいわい準備して、明日本番頑張って、明後日から片付けして…なんか寂しい気持ちでいっぱいなんだよ」

綾乃「うん…」

京子「こんな気持ち初めてでさ…コムケとかの時の方が盛り上がりも準備の大変さも段違いに凄いのに、なんで…文化祭でこんな気持ちにならなきゃいけないのかな…」

綾乃「……」

京子「あー…明日…明日なんて来るなよなーマジで…」

綾乃「無理よ…」

京子「わかってるよ…けど、今この時に時間が止まってくれたらな~って本気で考えてるんだよ」

綾乃「……」


97: 2012/09/25(火) 21:05:34.26 ID:5ya+zdrnO

綾乃「ふふっ…いつも能天気なあなたでも、そんな感傷に浸る時もあるのね」

京子「…いつもノー天気で悪かったな……///」



綾乃「けど、もし本当に明日が来なかったら…私は泣いて悲しむと思うわ」

綾乃「準備の期間は本当に忙しいし楽しいけれど…私や千歳、千鶴さんに1年生、会長に先生…それに、あなたの頑張りが一生無駄になってしまうのなら…それは凄く悲しいことだもの」

京子「……」

綾乃「だから寂しいけど、明日を真っ正面から迎えて…その次、その次の次へと、しっかりと向かって行くのよ」



京子「やっぱり副会長の言葉には重みがあるな…」ウンウン

綾乃「なっ…///」

京子「けど、サンキュー綾乃…元気出た!」ニコッ

綾乃「……///」ドキッ


99: 2012/09/25(火) 21:07:01.96 ID:5ya+zdrnO

綾乃「そ、そう?それはよかったじゃない!じゃあ、早く帰るわよ!///」

京子「うーん…元気出たけど、今日はもうこのまま寝ちゃいたい~…」ゴロゴロ

綾乃「何言ってんのよっ!こんなとこで制服のまんま寝たら、明日風邪引いちゃうわよ!?」

京子「センチメンタルジャーニーで起き上がる気力がぁ~…」グッタリ

綾乃「もう、しょうがないわね…///」



綾乃「ほらっ、手出しなさいよっ!///」

京子「ん?」

綾乃「私が引っ張ってでも起こしてあげるから!///」


100: 2012/09/25(火) 21:08:45.22 ID:5ya+zdrnO

京子「ん~…」ノバシー


グッ



綾乃「ふっ…んぬぬぬぅ~っ…」ググッ

京子「んっふっふ…」ニヤリ

綾乃「ほらぁっ…立ちなさいよぉ~っ!」ググクッ

京子「う~ん……うわー、立ち上がるのに勢い余ってこけちゃったー(棒)」グラッ

綾乃「えっ…!?」



ダキッ



綾乃「ええええっ!?!?///」

102: 2012/09/25(火) 21:11:50.16 ID:5ya+zdrnO

綾乃「えっ…えっ…ええっ!?!?///」カァー

京子「綾乃…綾乃もありがとね…」ギュー

綾乃「qあwせdrftgyふじこlp…///」プシュー

京子「明日頑張ろうねっ!!!」ギュッ




京子「いよーっし!!元気出たし帰るかぁー!!…って綾乃、何座りこんでんだよ?ほら、帰るよ?」

綾乃「あ…あ…///」

綾乃「あなたが…急に抱き着いたりするから…!///」

京子「するから?」

綾乃「びっくりして…腰が抜けちゃったわよ…///」カァー


104: 2012/09/25(火) 21:13:06.11 ID:5ya+zdrnO

京子「くふふふっ…ふふっ…ふはははははっ!!」

綾乃「な、何よっ!笑うことないでしょっ!!…あなたのせいなんだからねっ!!///」プルプル

京子「あはははっ…いや、ごめんごめん!まさか腰が抜けるまで…ぷくくく…!」

綾乃「もう……!///」




京子「ほら、手貸してあげるから早く立って」

綾乃「うん…///」

綾乃「もうさっきみたいなことはしないでよね…///」

京子「しないから…ほらっ」

綾乃「んっ」グッ


107: 2012/09/25(火) 21:14:30.28 ID:5ya+zdrnO

京子「じゃあ綾乃も立ったことだし、このまま手繋いで帰りますか」

綾乃「ええっ!?///」

京子「だって綾乃、腰抜けちゃったばかりだし、誰か支えてないと危ないじゃん」

綾乃「だ、だからって手を繋ぐとか…///」

京子「…やっぱ嫌だった?」

綾乃「……嫌じゃ…ないけど…///」カァー

京子「じゃあ帰ろ~っと!」ルンルーン


109: 2012/09/25(火) 21:16:53.55 ID:5ya+zdrnO

…………………
……………
………



京子「鍵も返して…さて、帰るか」

綾乃「手…つないで職員室…恥ずかしすぎて氏んじゃいそう…///」

京子「ふんふふーんと……あれ?」





結衣「…おいこら、ちょっとだけ手直しとか言って何分待たせるつもりなんだ?」クスッ

ちなつ「わ、私は結衣先輩が待つって言ったから待ってただけですから!///」



京子「あれ、みんな…」ウルッ


116: 2012/09/25(火) 21:50:44.51 ID:5ya+zdrnO
さるさんくらた…

118: 2012/09/25(火) 21:53:25.01 ID:5ya+zdrnO

向日葵「今回の劇の立役者を1人で帰すわけにもいきませんものね」

櫻子「打ち上げ行きましょうよ!打ち上げ!」

向日葵「…まだ終わってませんわよ、馬鹿娘」



綾乃「みんな、待っててくれたのね…」



りせ「……」コクリ

西垣「ま、たまにはみんなでワイワイ帰るのも悪くないだろう?」



千歳「ななな、なんで手ぇ繋いどるんやぁーっ!!!眼福すぎるわぁ!!!」ブシャーッ…バタリ

千鶴「姉さん!しっかり!!」ワタワタ


122: 2012/09/25(火) 21:55:24.57 ID:5ya+zdrnO




あかり「杉浦先輩!京子ちゃん!一緒に帰ろっ!!」ニコッ






おわり


123: 2012/09/25(火) 21:58:32.89 ID:5ya+zdrnO
支援ありがとうございました


久々のSS、久々の京綾、初めてのさるさんと色々ありましたが、なんとか書き終えてよかったです

2期最終回Bパートを観て、いてもたってもいられず勢いで書いたので、矛盾ありまくりですみませんでした

タイトルはガガガSPの『祭りの準備』から


124: 2012/09/25(火) 22:00:13.01 ID:5ya+zdrnO


~ 七森中文化祭・開催前日の夜中、ステージ ~




カチャン…


???「ふふふっ…やっぱり、この体育館の鍵は簡単に開けられるようになってるのね…」



???「これまで京子先輩に邪魔されて家でしか作業出来なかったけど…本番前日に背景を張替えれば、誰にも邪魔はされずに…」ペタペタッ



???「これで…劇のラストは…私と結衣先輩の物よっ!!!おーっほっほっほっ!!」



126: 2012/09/25(火) 22:01:56.78 ID:5ya+zdrnO

西垣「誰だっ!そこにいるのは!」パチンッ

???「まずい…照明が…!」

西垣「お前は……」




ちなつ「見つかっちゃいましたか…」ガックリ

西垣「なんだ、吉川か」ホッ

ちなつ「なんで西垣先生がこんな時間に…?」

西垣「いや、私と松本は舞台装置の準備がギリギリだったもんで、こうやって寝袋まで用意して泊まりこんでたんだ」

ちなつ「はぁ…まさか前日まで泊まりこみをしてるなんて…誤算でした…」

西垣「そういうお前は何を…うっ!?」ビクッ


127: 2012/09/25(火) 22:03:18.67 ID:5ya+zdrnO

西垣「な、なんだ…この絵は……!?」

ちなつ「…今まで京子先輩に邪魔されて、真のエンディング用の背景が作れなかったから…こっそり夜中に…」

西垣「真のエンディングって…」

ちなつ「ほら、京子先輩も『面白いと思ったら何やってもいい』って言ってたじゃないですか」

西垣「それは…話の筋を大きく変えない限りだろう?」

ちなつ「大丈夫ですよ…だって、真のエンディングは呪いによって小人にされていた本物の白雪姫が、王子とのキスで呪いが解ける…ってやつですから!」

西垣「小人になる呪いって…じゃあ歳納の白雪姫はなんなんだ?」

ちなつ「あれは影武者です!」キリッ


128: 2012/09/25(火) 22:05:22.32 ID:5ya+zdrnO

西垣「しかし…なんというか爆発的な背景だな…」

ちなつ「あらっ、もしかしてこの絵の良さがわかっちゃいます~?わかっちゃいますよね~!さすが先生!」

西垣「いや、良さと言うか…まぁ『爆発』というイメージにはピッタリで、まさに私のためにあるような絵だなっ!」

ちなつ「先生ったら、そんなに褒めても何も出ませんよぉ~?」ニコニコ



西垣「そうだ!お前に一つ、頼み事があるんだが…」


129: 2012/09/25(火) 22:07:16.70 ID:5ya+zdrnO

ちなつ「『顔を描いてくれ』…ですか?」

西垣「そうなんだ…やはり劇に出るんだから、少しは見栄えも必要かなと思ってな」

ちなつ「一体誰用の顔なんですか…?」

西垣「まぁまぁ、それは明日になってのお楽しみだ!」

ちなつ「で、どんな顔を書けば…」

西垣「うーん、せっかく題材が『白雪姫』なんだし、出来ればかわいい顔を描いてほしいな」

ちなつ「かわいい…」

西垣「まぁ、かわいければどんな物だって構わないぞ?」



ちなつ「私が一番可愛く描ける顔って言ったら…やっぱりアレよねっ!」カキカキッ


…………………
……………
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130: 2012/09/25(火) 22:08:26.65 ID:5ya+zdrnO



~七森中文化祭・当日未明、ステージ~



カチャリ…


???「ふふふっ…やっぱり体育館の鍵は私達の頃から変わってないのね…」




131: 2012/09/25(火) 22:09:58.32 ID:5ya+zdrnO

???「さぁて、早いところ準備を終わらせないと…」




???「あかりが可愛く映るところは…えーっと、ここ辺りかしら…?」ガサゴソ

???「うん、ここならどんなに前から見切れていても、あかりがばっちり映るわ…!」

???「だいたい4、5台ほどでいいかしら…」




???「よし、カメラも付け終わったし…あとは明日の本番で私の目にしっかり焼き付けるだけね…」

???「うふふふっ…楽しみだわ…」







ほんとにおわり!



133: 2012/09/25(火) 22:14:08.76 ID:YN8uXuxa0
おつおつ

引用: 綾乃「祭の準備が始まり」