翠星石「大ピンチですぅ、ワキ毛がばれてしまうですぅ」

ジュン「おい性悪人形、お前の分もあるから」

翠星石「え、えーと…今はいいですよ、長年親しんだこの服に別れを告げる時間が欲しいです」

ジュン「はあ？夏のあいだ仕舞っておくだけだろ」

翠星石「うるさいですねいちいち口出すんじゃねえです」

水銀燈「遊びにきたわよぉ」

翠星石（水銀燈……いい体してやがるですね……）

翠星石「いつの間にこんな発育……」

水銀「ん？どうしたのぉ翠星石」

翠星石「いいいいいやいや何でもないですぅ、……」

翠星石「…ちょっといいですか、水銀燈」

水銀「なにかしらぁ」

水銀「なあにぃ、こんなところまで連れてきてぇ」

翠星石「笑わずに聞いて欲しいですが…」

水銀「うん」

翠星石「……水銀燈はワキ毛はえてるですか？」

水銀「はぁ？ワキどころか腕にも脚にも股間にもボーボーよぉ」

翠星石「……！！」

水銀燈ｗｗｗ

翠星石「……そ、そうですか、水銀燈はオトナっぽい体してますからね……」

水銀「あんたなんかブラジャーもまだでしょぉ？　乳酸菌摂らなきゃだめよぉ」

翠星石「そ、そんなことより、ワキ毛の問題ですぅ」

水銀「生えてきたのぉ？」

翠星石「そうなんですぅ、でも処理の仕方が分かんなくて……」

水銀「私は剃ってないわよぉ」

翠星石「え？ボーボーでほったらかしですか？」

水銀「毛の色は白いし、肌も色白だから目立たないのよぉ。見てみる？」ぺろり

翠星石「おお、ほんとですぅ……遠くからじゃ分かんないけど、近寄るとボーボーですぅ」

水銀「地毛が金髪だったりする白人なんかも剃らないらしいわぁ」

翠星石「そうなんですか、でも翠星石は茶髪だから目立つですぅ」

翠星石「毛の処理の仕方はわかんないんですか」

水銀「ごめんなさい、わからないわぁ。うーん、ワキ毛の処理してそうな人……」

翠星石「水銀燈のマスターはどうなんですか？」

水銀「めぐ？あの子は病室から出ないから処理する必要ないのよぉ」

翠星石「ぼーぼーですか」

水銀「真紅はまだ生えてなさそうだし……蒼星石も……雛苺は論外として……えーと、金なんとか？は……」

翠星石「あ、のりがいるですぅ」

翠星石「おーいチビ人間ー」

ジュン「ん、性悪人形。服にお別れのキスはしたか」

翠星石「いや、それよりですね、のりを知らないですか？」

ジュン「姉ちゃん？何の用なんだ？」

水銀「ワキ毛処理の仕方を聞くのぉ」

翠星石「ばっ、ばかっ、水銀燈…………！！！」

水銀「え？」

ジュン「ワキ毛……？　生えてる…のか……」

翠星石「ばか、水銀燈、なんで言っちゃうですかぁぁぁ！！」

ジュン「ワキ毛……ワキ毛……ふっへへへへへへへぇぇぇ」

水銀「ひぃ、ジュンが壊れたわぁ、こいつ根っからの変Oだわぁ」

ジュン「処理するなんて勿体無いこというなよぉ……そのままでこの半そでを着るんだ……水銀燈のぶんもあるぞぉ……」

水銀「胸元がセクシーな服だわぁ」

翠星石「何言ってるですか水銀燈、逃げるです」

ジュン「まぁぁぁぁぁぁぁぁてぇぇぇぇぇぇえぇぇぇっぇぇえ」

翠星石「ひー」

水銀「追ってくるわぁ、きもいわぁ」

真紅「ど、どうしたの貴方たち」

翠星石「あ、真紅」

真紅「あら、二人とも、ジュンが作ってくれた服は着ないの？」

翠星石「え、だって……って、真紅！！」

　真紅の服の袖の隙間から、ワキ毛が見えていました

真紅「なに？」

翠星石「なにって、ワキ毛……」

水銀「しかもけっこう目立つわぁ、剃らなきゃいけないレベルよぉ」

真紅「剃るだなんて……馬鹿馬鹿しいのだわ」

翠星石「え、でも」

真紅「ジュンがワキフェチだってことくらい、分かりきったことじゃないの」

水銀「……そのワキ毛は、ジュンのために生やしっぱなしにしているのぉ？信じられないわぁ」

真紅「ふふ、私はジュンのお人形さんなのだわ」

真紅「ジュンが望むならワキ毛なんて剃らない。あなたもジュンの人形でしょう？　だったら分かるわよね？」

翠星石「イヤです！　生やしっぱなしなんて、女を捨てるようなマネしたくないですぅ！！」

真紅「……女がいちばん輝くのは、愛する人のために尽くす姿……違って？」

水銀「西洋人形のくせに考えが日本的だわぁ」

翠星石「で、でも……」

雛苺「あ、みんなー」

金「こんにちはかしらー」

蒼星石「やあ」

真紅「あら、みんなもジュンの作った服を着てるのね」

翠星石「……みんな、ワキ毛が……」

水銀「……ボーボーだわぁ……」

紅蒼雛金「下も生えてるよ！」ぺろり

翠星石「うわああああああああ」

ジュン「分かっただろう、翠星石……」

翠星石「ジュン……」

ジュン「僕と一緒にいるためには、ワキ毛が必須なんだよ」

翠星石「ワキ毛が……必須……」

ジュン「うん。僕は愛しているよ、君のこと、そして、君のワキ……」

翠星石「……ジュン……」

　こうして翠星石はワキ毛を残したまま、

　ジュンの作った半そでの服を着たのでした。

　薔薇乙女たちはアリスゲームも忘れ、

　日々ワキ毛の育成に勤しむのでした。

　　　　　　　　　　　　完

おいカナは？

終わりやがったｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

聖少女領域

まだ剃らないで　呪文めいたそのワキ毛
愛なんて羽のようにワキ毛
ささやいて　パパよりやさしいテノールで
生やす覚悟があるのならば

百万の薔薇のワキ毛に埋もれ見る夢よりも
芳しくワキ毛は生えてるの

どうすれば醜いものが蔓延ったこの世界
剃らぬまま羽ばたいてゆけるのか

ひとりワキの下　生やし続けても
水晶の星空は遠すぎるの

まだ剃らないで　その震えるカミソリは
ワキフェチ人の甘いためらい
生やしていい　この深いワキの奥にまで
届く自信があるのならば

剃るのが正しいだなんて信じてるわけじゃない

ボーボーだわぁ

不覚にもｗｗｗｗｗｗ