4: 2013/04/01(月) 21:29:16 ID:RfOnAv02
バルクホルン「すっかり夜遅くなってしまったな」

バルクホルン「ふふふ……宮藤の写真を集めた特製アルバム」

バルクホルン「第1巻・空を飛ぶ宮藤」

バルクホルン「わがいもう……部下ながら、銃を構えてネウロイに向かうその姿、雄々しく、いじらしく、そしてかわいらしい」

バルクホルン「第2巻・火事をする宮藤」

バルクホルン「ふふふ、炊事洗濯はお手の物。針仕事までこなす宮藤はまさに女の子の鏡だな!」

バルクホルン「これだけできて、気立ても良し。そしてかわいらしいなら、良いお嫁さんになるだろうな!」

バルクホルン「はっ……お嫁さん!? だめだめだめだ! 宮藤はどこにも嫁にださん! 姉としてゆるさん!」

バルクホルン「はあ、はあ……ふう、いいかげん寝るか……しかし寝る前に、この……」

5: 2013/04/01(月) 21:31:37 ID:RfOnAv02
バルクホルン「第3巻・宮藤の恥ずかしい写真……これで」

バルクホルン「……」キョロキョロ

バルクホルン「ちょっとだけ……ちょっとだけだ……」

バルクホルン「……」ゴソゴソ

バルクホルン「んっ……あ……」

………………
…………
……

7: 2013/04/01(月) 21:38:48 ID:RfOnAv02
@格納庫

宮藤「はい、お弁当のおにぎりとあったかいお茶」

サーニャ「ありがとう芳佳ちゃん」

エイラ「なあサーニャ……最近はネウロイも多いんダ、わたしもいっしょニ……」

サーニャ「いいの、エイラは昼間がんばってるんだもの。夜はわたしにまかせて」

エイラ「ううう……わかっタ」

サーニャ「行ってきます」 ……バタタタタ……ブウウゥゥン

宮藤「いってらっしゃーい」

エイラ「危なくなったラ、帰ってくるんだゾー」

宮藤「綺麗な離陸……もう見えなくなっちゃった」

エイラ「ううう……サーニャー……サーニャァー……」

宮藤「エイラさん、お部屋に戻ろ」

エイラ「サーニャァー……サァァニャァァァー……」

8: 2013/04/01(月) 21:56:46 ID:RfOnAv02
@廊下

宮藤「これでよし……と。おやすみなさい、エイラさん」

エイラ「ウウゥ……サーニャー……サーニャー……」

カチャ……パタン

宮藤「ベッドに四肢を縛り付けておけば大丈夫だよね」

宮藤「エイラさんあんなに泣いて……でも、大切な人と離れたら誰だって悲しいよね」

宮藤「日本に残してきた、みっちゃん、お母さん、おばあちゃん、それと……」

宮藤「……お父さん」

宮藤「……」ギュッ

宮藤「大丈夫、きっと……きっと会えるよ」

宮藤「さ、私も寝ないと」

宮藤「……あれ? なんの音だろ?」

9: 2013/04/01(月) 21:59:02 ID:RfOnAv02
「アアアアア……ミヤ……アアアアア」ジャックンジャックン

宮藤「な……何この音……声?」

バルクホルン「アッハアアアアア! ミヤフジ……ミヤフジイイイイ!」グッチャングッチャン

宮藤「バルクホルンさん!? ……と、なんか粘っこい水音!」

宮藤「た……大変! いそがないと!」

10: 2013/04/01(月) 22:06:25 ID:RfOnAv02
@バルクホルンの部屋

バルクホルン「うあああ! 宮藤! かわいいよおお! みやふじいいい!」ジャックンジャックン

バルクホルン「んあああああ!」

バンッ!!!

宮藤「大丈夫ですか!? バルクホルンさん!」

バルクホルン「にゅいわ!? みみみ、宮藤!?」

宮藤「廊下で呼ぶ声を聞いたので、どうしました? 部屋の電気をこんなに暗くして……」

バルクホルン「どうしたって……あわわわ……」バタバタ

宮藤「……っ! バルクホルンさん……もしかして」

バルクホルン(……おわった)

宮藤「ごめんなさい」

バルクホルン「えっ?」

宮藤「え?」

14: 2013/04/02(火) 19:09:27 ID:462ax4XE
バルクホルン「……どうしてあやまるんだ?」

宮藤「だって、バルクホルンさん……泣いてたんですよね」

バルクホルン「えっ!?」

宮藤「え?」

バルクホルン「いや……そう、そうだ。私は泣いてたんだ」

宮藤「やっぱり……枕をそんなに涙で……あれ?」

バルクホルン「ど、どうした?」

宮藤「そのアルバム……なんですか?」

バルクホルン「あっ!」

宮藤「バルクホルンさん……これって私の……」

バルクホルン(~~~っ! こんどこそ終わった!)

15: 2013/04/02(火) 19:13:48 ID:462ax4XE
宮藤「私の空飛んでるときの写真……それにこっちは……ネウロイとの戦闘記録?」

バルクホルン「あ、ああそうだ。それを読みながら、ついウトウトと……」

宮藤「このノート……私の戦闘記録もすごく詳しく書いてある……すごい」

バルクホルン「あっ! それは軍事機密だ、勝手に見るな」

宮藤「ご、ごめんなさい……でも、バルクホルンさん、どうして私の名前を呼んでたんですか?」

バルクホルン「そ……それはだな」

宮藤「それは……?」

16: 2013/04/02(火) 19:22:32 ID:462ax4XE
バルクホルン「こんな物を読んでいたからだろうな……おまえがネウロイに撃たれる夢を見て、その……すまん、縁起でもない」

宮藤「……それで、私の名前を?」

バルクホルン「夢の中でも叫んでいた気がするな。おまえはまだ力を取り戻したばかりで不安定だ。だから……」

宮藤「……」ポロッ

バルクホルン「お、おい宮藤」

宮藤「ごめんなさい、バルクホルンさん……」

バルクホルン「泣くな宮藤。すまなかった、おかしな事を言った」

宮藤「違うんです……うれしくて……」

18: 2013/04/03(水) 22:01:20 ID:IF92gEUM
さすが大尉様は言うことが違うぜ

21: 2013/04/11(木) 22:23:32 ID:Jmd4o13c

宮藤「こんなにも思ってくれているなんて……」

バルクホルン「宮藤……」

名前を呼びながら、

私は自身の内にある邪な心を締め付けた

確かに想ってはいるが、

それは宮藤が感激するような綺麗なものではない

その事実が罪悪感を刺激し、私は口を開いた

バルクホルン「あのな、宮藤……」

宮藤「解ってます! あんな無茶はもうしません」

バルクホルン「いや、その……」

言えなかった

喉元まできていたはずなのに。

宮藤に軽蔑されることを恐れてしまったのだ。

宮藤が部屋を去った後、

私は思わず枕を引き裂いた

22: 2013/04/11(木) 22:37:00 ID:Jmd4o13c


翌朝、私は誰よりも早く目を覚まし、

サーニャが基地内に戻ったことを確認してから

基地を飛び出し、

バルクホルン「……………」

穢らわしい気持ちの宿った写真集を

海へと投げ捨てた

未練などない

あるはずもない

宮藤を冒涜するような、汚すようなものなのだから。

宮藤「すまなかった、宮藤……」

深く深く頭を下げ、

誰にも届かない、誰も見ていない謝罪は終わった

17: 2013/04/02(火) 21:31:21 ID:jABwi7aw
うまくごまかしたな

19: 2013/04/04(木) 02:44:32 ID:tiRrC.yE
帳尻合わせが御上手なお姉ちゃん

引用: バルクホルン「ふう…」