42: 2008/02/23(土) 00:00:08.10 ID:dfDA2EUkO
古泉「参りました」

今日も古泉をコテンパンにした所で、一息ついた。

古泉「やはりあなたはお強いですね」

キョン「お前が弱いだけだろ」

古泉「いやはや手厳しい」

そういいながらも、こいつの表情はいつも通りのニヤケ面だ。
たまには違う顔も見てみたいもんだがな。
そんな事を考えていると、先ほどまで使っていたトランプが目に入ってきた。
……そうだな。こいつでも使って驚かせてみるか。
涼宮ハルヒの憂鬱 Ⅱ
43: 2008/02/23(土) 00:03:58.51 ID:dfDA2EUkO
キョン「よし、古泉。ちょっといいか?」

古泉「何でしょうか」

キョン「このトランプから一枚、好きなのを取って覚えてくれ」

古泉「ははあ、なるほど。それではこれで」

キョン「覚えたら元のように戻してくれ」

古泉「はい、分かりました」

さて、ここまではうまくいったが、何分久々だかならな。
失敗しないようにやらんと。

47: 2008/02/23(土) 00:10:09.72 ID:dfDA2EUkO
俺はカードの束をシャッフルし、机の上に並べた。

キョン「お前の選んだカードは……こいつか?」
俺は一枚抜き出し、古泉の前に置いた。

古泉「……その通りです。流石ですね」

古泉は一瞬驚いた後、少し目を輝かせてこちらを見てきた。

キョン「はは、久々にやったけどうまくいってよかったよ」

たとえ一瞬とはいえ、古泉に驚いた表情させて気分はいいな。
昔妹にせがまれて覚えたかいもあったってもんだ。

51: 2008/02/23(土) 00:14:46.72 ID:dfDA2EUkO
俺が軽く満足していると横から声をかけられた。

みくる「ふえー、キョン君しゅごいでしゅねえ」

キョン「朝比奈さん。いえ、そんな事はありませんよ」

ハルヒ「そうよみくるちゃん! そんな手品、今時小学生でも出来るわよ!」

みくる「しょうなんでしゅか?」

うるさいぞハルヒ。
てかお前も見てたのかよ。

長門「………………もう一度」

はいはい、分かりましたよ長門さん。

53: 2008/02/23(土) 00:21:17.05 ID:dfDA2EUkO
長門のリクエストに答えるためカードをシャッフルし準備をしていると、ハルヒがカードを横取りしていった。

ハルヒ「見てなさいみくるちゃん! 私がキョンなんかよりも凄い手品を見せてあげるわ!」

みくる「ひゃ、ひゃい」

キョン「おいハルヒ」

ハルヒ「いいからあんたも座ってなさい!」

長門「………………」

長門は手品が見られればそれでいいらしい。
今は目を輝かせてハルヒを見つめている。

古泉「手品も出来るとは、流石涼宮さんですねえ」

古泉、いくらなんでも顔を近づけすぎだ。離れろ。

古泉「これは失敬」

56: 2008/02/23(土) 00:25:26.59 ID:dfDA2EUkO
さて、ハルヒはと言うと、一体どんなところに置いておいたのか、おかしなシルクハットを持っていた。

ハルヒ「さあ、みくるちゃん。一枚えらんで」

みくる「じゃあ……これにしましゅ」

ハルヒ「それを束に戻したらこの帽子に入れてもらえるかしら?」

みくる「ひゃい」

なんだ、いやに本格的だな。

ハルヒ「それじゃいくわよ……ワン、ツー、スリー!」

61: 2008/02/23(土) 00:30:22.35 ID:dfDA2EUkO
ハルヒがカウントしたら、帽子からトランプが一枚飛び出てきた。
スカッと音がして横を見たら、飛び出てきたトランプが古泉の頭に刺さっている所だった。

古泉「流石涼宮さんですね」

キョン「いや、お前が平気ならそれでいいんだが」

ハルヒ「みくるちゃんの選んだカードはそれね!?」

みくる「ひゃ、ひゃあ! どうしゅて分かったんでしゅかー?」

ハルヒ「ふふん、私に分からないものなんてないわ!」

みくる「しゅごいでしゅー」

あの、せめて古泉の心配くらいしてやって下さい。

65: 2008/02/23(土) 00:34:24.49 ID:dfDA2EUkO
ハルヒが問答無用で古泉からカードを抜き取った所で本日の活動が終了した。

ハルヒ「それじゃまた明日ね!」

みくる「お疲れ様でしゅた」

古泉「それでは」

古泉……せめてハンカチくらい当てておけ。
流血が酷いぞ。

古泉「これはまたすいません」

キョン「さて、俺も帰るか」

長門「待って」

66: 2008/02/23(土) 00:37:57.13 ID:dfDA2EUkO
キョン「ん? どうした、長門」

長門「先ほどのあなた達の手品を見て、私もやってみたくなった」

キョン「ほう」

長門「これから家で教えて欲しい」

キョン「ふむ……まあ、いいぞ」

と言うわけで長門の家へと向かった。
手品を覚えたいなんて、長門も人間らしくなってきたな。

67: 2008/02/23(土) 00:42:29.13 ID:dfDA2EUkO
長門「それじゃ少し待ってて」

キョン「分かった」

さて、どんな手品から教えようか。
そんな事を考えていると長門が戻ってきた。

キョン「な、長門?」

長門「まずは格好から入ってみた」

おいおい、一体どこにそんな衣装を……。

長門「ついでに助手も」

朝倉「あ、あはは……」

キョン「な……」

驚いたね。そこにはバニー姿の朝倉までいた。

70: 2008/02/23(土) 00:48:09.36 ID:dfDA2EUkO
長門「さ、早く教えて」

キョン「お、おう」

そんなこんなで取りあえず簡単なカードマジックを教えた。
流石に長門は飲み込みが早く、あっという間に覚えてしまった。

朝倉「ね、ねえ長門さん? こんな手品なら助手とかいらないんじゃ……」

長門「うるさい。気分の問題」

朝倉「え、えー?」

長門「あんまりうるさいとタネも仕掛けもない人体切断をする事になる」

朝倉「ふえーん」

朝倉も大変だな……そう思いながらも、俺は精一杯朝倉のバニー姿を脳に焼き付けていた。
僕も健全な男子高校生だからね!

72: 2008/02/23(土) 00:52:27.94 ID:dfDA2EUkO
キョン「さ、それじゃ俺もそろそろ帰るよ」

長門と朝倉の素晴らしい格好を脳に焼き付けた俺は、部屋を出ようとした。

長門「ちょっと待って」

キョン「へ?」

長門「これからマジックショーをする」

何言ってるんですか、長門さん。
あなた今手品覚えたばっかりじゃないですか。

長門「大丈夫。助手もいる」

朝倉「え、私手品とか出来な……」

73: 2008/02/23(土) 00:56:14.17 ID:dfDA2EUkO
長門「助手、こっちに」

朝倉「はーい」

長門「助手にタネも仕掛けもない事を証明する」

そう言った長門は朝倉の体をまさぐり始めた。

朝倉「もう……そんなところ触らないでよ」

長門「手品の為」

朝倉「そんな……んんっ!」

正直たまりません。

75: 2008/02/23(土) 00:59:34.59 ID:dfDA2EUkO
一通り朝倉の体をまさぐった後、長門は朝倉を箱の中に押し込んだ。

朝倉「ちょ、ちょっと、何するの長門さん!」

長門「いいからいいからー」

そう言うと長門は、箱に次々と刀を突き刺していく。

朝倉「え、きゃっ!」

キョン「お、おい長門!?」

長門「大丈夫。これは手品」

77: 2008/02/23(土) 01:02:50.81 ID:dfDA2EUkO
朝倉「ちょっと長門さん! 無理! もう無理!」

キョン「おい長門!」

長門「助手がうるさい……音声遮断フィールド展開」

朝倉「――――!――――」

長門「さて、それでは箱にカバーを被せる」

長門「ワン、ツー、スリー」



長門「あれ?」

78: 2008/02/23(土) 01:06:23.10 ID:dfDA2EUkO
長門は少し青ざめた表情で箱を見る。
さっきまで揺れていた箱は微動だにしなくなっていたが、出て来るはずの朝倉が出て来ない。

キョン「おい……長門……」

長門「…………何」

キョン「箱の中、確認したらどうだ?」

長門「………………うん」





長門「うわ」

80: 2008/02/23(土) 01:11:48.70 ID:dfDA2EUkO
翌日の放課後。
俺は古泉が覚えたという手品を見ていた。

ハルヒ「古泉君!? しょーもない手品だったら容赦しないわよ!」

古泉「ははは、これは手厳しい」

そう言うと古泉は手にスプーンを五本持った。

古泉「さあ、それではこれからこのスプーンを曲げてご覧にいれましょう」

みくる「しゅぷーんを曲げりゅなんてしゅごいでしゅ」

長門「………………」

83: 2008/02/23(土) 01:16:21.31 ID:dfDA2EUkO
古泉「さあ、みなさんよく見ていて下さい」

そう言うと古泉は両手でスプーンを持った。

古泉「それではいきますよ……マッガーレ!」

ブヂィ! そんな音がして古泉の持ったスプーン達はねじ切れた。

ハルヒ「凄いわ、古泉君! まるで超能力者ね!」

古泉「喜んでもらえて幸いです」

みくる「ふえー……」

おいおい、どう見ても力尽くじゃねえかよ。
しかしそんな事もハルヒを見ていると言えない訳で。

85: 2008/02/23(土) 01:21:33.34 ID:dfDA2EUkO
さて、それじゃあ昨日の事を話すとしよう。

長門は箱の中を見るなり慌てだした。
急いで喜緑さんに携帯で連絡をとり、刀を箱から抜いていた。

喜緑「もう、一体何してるんですか」

いや、あなたも裸エプロンなんて格好で何してたんですか。

喜緑「禁則事項です」

まったく、脳の容量がいくらあっても足りないぜ。

91: 2008/02/23(土) 01:38:45.31 ID:dfDA2EUkO
準備が整ったらしく、二人がかりの呪文詠唱が始まった。

長門「ヒダマリスケッチサンカンニガツニジュウシチニチハツバイ」

喜緑「ヒダマリラジオノカオスブリハショウジキイジョウ、イイエケフィアデス」

キョン「ごくり」

呪文が終わると箱の中で動く気配がした。

朝倉「……う……ぅうん……」

無事で良かったね、朝倉!

喜緑「まったく……こういう事はもうしないで下さい」

長門「ついカッとなってやった。今は反省している」

95: 2008/02/23(土) 01:43:26.44 ID:dfDA2EUkO
長門は喜緑さんに搾られたらしく、大人しくなっていた。

朝倉「いやぁ……無理よぉ……そんな太いのぉ……」

キョン「ごくり」

いや、あれだ。セリフだけ聞けば勘違いする奴もいるかもしれん。
だが朝倉が言っているのはさっきの刀の事だ。
うん。多分。きっと。



そんなこんなで長門は手品への興味を失ったらしい。
古泉のスプーン曲げも全く見ていなかったからな。

97: 2008/02/23(土) 01:48:46.29 ID:dfDA2EUkO
ハルヒ「そうよキョン!」

ハルヒ「古泉君もこんなに凄い手品が出来るんだし、今度人を集めてマジックショーやりましょうよ!」

キョン「おいおい、ショーなんて大した事出来るわけないだろ」

ハルヒ「今から練習すればいいのよ! ……そうね、有希は人体切断なんかどうかしら! チェーンソーとかで!」



俺はその時、長門の眼が光ったのを確かに見た。
おいおい、昨日の事でこりたんじゃなかったのかよ。
俺はため息をつくと、朝倉に降りかかる次の災難を想像して頭を痛めた。


終わり

99: 2008/02/23(土) 01:51:20.99 ID:1xw3MhMuO
終わっwwwwwたwwwwwwwwwwwwwww

100: 2008/02/23(土) 01:53:30.36 ID:dfDA2EUkO
はい、パイナポゥですよ

正直今回のはあれだね、スレタイからネタがなんも思いつかんかった
キョンに触らせるのはムカつくから、なんとか女に触らせようとしたらこんな事に……
あれ? 朝倉を酷い目に合わせる気はなかったんだけどな……


時間も時間だし勉強する気ないしもうだめだね


それでは最後に

朝倉は俺の嫁

引用: 朝倉「もう…そんなとこ触らないでよ」