253: 2011/12/24(土) 00:15:43.47 ID:HHiTHOmto

252: 2011/12/24(土) 00:15:12.45 ID:HHiTHOmto
大学近くのアパート 夕方


兄(最近、ようやくここが自分の帰る家だと思えるようになった)

兄(最初は家具も何にもない部屋だったけど)

兄(最近では見違えるようにお洒落な部屋に)

兄(・・・・・・まあ、俺のセンスじゃないけどな)

兄(一人暮らしするまで母さんに大反対されたりとか、いろいろ大変だったけど)

兄(これで良かったのかもしれないな)

兄(・・・・・・そろそろ妹友ちゃんが来る時間かな。付き合い出して初めてのイブなのに)

兄(せっかくネットとかでお洒落なレストランとか調べたのにな)

兄(・・・・・・でも、最初のイブは俺の部屋で一緒にとか言われたら)

兄(プレゼント隠さなきゃ・・・・・・)

兄(デスクの引き出しに入れておこう)

兄(妹友ちゃんと付き合い出してから1月以上経つけど、まだキスもしてない)

兄(今日がその日なのかな? 一応、ゴムは新しく買ったけど)

兄(無理にする気はないけど、妹ちゃんがその気なら)ドキドキ

兄(今日は俺のバースデーになるかもしれん)


コンコン


兄(来た!)

254: 2011/12/24(土) 00:17:51.96 ID:HHiTHOmto
?「おい、早く開けろ。イケヤマがわざわざ沖縄から来てくれたんだぞ」

兄(え? 兄友。いったい何で今日俺の部屋に来る)

兄友「イブだっつうのにやっぱり家にいたか。酒とつまみ買ってきたから飲み会しようぜ」

兄「イケヤマいるの?」

イケヤマ「久しぶりだね、兄」


ガチャ


兄「おー。こないだ居酒屋で飲んだとき以来じゃんか。元気だったか」

イケヤマ「まあな。年末は実家で過ごそうと思って帰ってきたんだけどさ」

兄友「イブの日に帰ってくるところがおまえらしいよな。よく彼女も怒らなかったもんだ」

イケヤマ「まあ、いろいろあってな」

兄友「まあとにかくさ。イケヤマも帰ってきたことだし、兄んちで飲み会やろうぜ」

兄「・・・・・・ああ、悪い」

兄友「え?」

兄「今日はさ。そのダメなんだわ」

兄友「・・・・・・おまえまさか」

イケヤマ「彼女とイブのデートか?」

兄「デートとかじゃねえんだけどさ」

兄友「じゃ何だよ」

兄「今日は彼女がここに来るんでさ」

兄友「・・・・・・おい」

兄「うん?」

兄友「てめえ、いつのまに彼女とか作ってんだよこの野郎」

兄「いつの間にって・・・・・・ここに引っ越す直前だけどさ」

イケヤマ「おう~。やっと兄にも彼女ができたのか」

兄「何その上から目線。ま、まあそうなんだけどよ」

兄友「・・・・・・」

兄「兄友?」

兄友「てめえ、親友を裏切りやがって」

兄「裏切るって何だよ。おまえには最愛の妹がいるじゃねえか(妹・・・・・・)」ズキ

兄友「・・・・・・それがさ。今日は妹とと親密に過ごすはずだったのによ」

イケヤマ「何かあったのか」

兄友「・・・・・・あいつ、高校の同級生のパーティーがあるからって」

兄「ほう」

兄友「ほうじゃねえ! イブは妹と過ごす予定だったのに」

イケヤマ「ま、それじゃしょうがないな。兄も彼女と予定があるみたいだし、兄友と俺と二人寂しく居酒屋でも行くか」

兄「悪いな、せっかくイケヤマが来てくれたのによ」

イケヤマ「いや。こんな日に突然押しかける方が悪いしな。気にするな」


妹友「あ、あの」

兄「あ。妹友ちゃん」

255: 2011/12/24(土) 00:20:54.06 ID:HHiTHOmto
イケヤマ「ごめんね。え~と、妹友ちゃんだっけ」

妹友「あ、はい」

イケヤマ「兄のことだからどうぜイブはボッチだろうと思って押しかけちゃって」

妹友「い、いえ。こちらこそお友だちが集まってるところにごめんなさい」

イケヤマ「いやあ。じゃ、そろそろどっかに飲みに行くか。おい、兄友行くぞ」

兄友「はいはい。じゃ、兄。酒とつまみはカンパしてやるからな。店には持ち込めねえし」

兄「恩着せがましく言うなよ。連絡もなしにこんな日に来るほうが悪い」

兄友「てめえが彼女が出来たって言わねえからいけねえんだろ」

兄「俺のせいかよ」

イケヤマ「まあまあ。じゃ、兄、またな」

兄「おう。沖縄の彼女によろしくな」

イケヤマ「おう、言っておくよ・・・・・・兄友、行くぞ」

兄友ブツブツ


兄「何か悪いな。やっと二人きりになれたね」

妹友「いえ。初めてお兄さんのお友だちに会えたし、何か嬉しかったです」

兄「妹友ちゃん・・・・・・」

妹友「お兄さん」

兄ダキ

妹友「・・・・・・あ」ギュ

兄「・・・・・・本当にレストランとかじゃなくてよかったの?」

妹友「うん。初めてのイブだし、お洒落な店とかより本当に二人きりになれる場所の方がよかったから」

兄「妹友ちゃん」ダキ

妹友「あ・・・・・・だめです、お兄さん。お料理とかケーキとか支度しなきゃ」ジタバタ

兄「そか。悪い。手伝うよ」

妹友「・・・・・・それもダメ。お兄さんはそこに座っていてくださいね。すぐできますから」

兄「あのさ」

妹友「はい?」

兄「あのさ、いつまで俺のことお兄さんって呼ぶのかな」

妹友「ああ。やっぱり気になりますか」

兄「兄って名前で呼び捨ててくれた方がいいな」

妹友「じゃあ、あたしのことは?」

兄「え?」

妹友「いつまでちゃんを付けて呼ぶ気ですか」

兄「・・・・・・妹友」

妹友「・・・・・・兄」

兄「なんか恥ずかしいな」

妹友「ふふ。すぐ慣れますよ」

270: 2011/12/24(土) 20:26:28.53 ID:HHiTHOmto
兄(妹友ちゃん・・・・・いや。妹友が俺の部屋で料理の支度してる光景にも慣れてきた)

兄(今日はイヴ。多分だけど、今までお預けだった妹友ちゃんとのも・・・・・・)

兄(今日はできるんだろうな。俺、童Oなのに何でこんなに冷静なんだろ)

兄(原因は・・・・・・。わかってるけど考えちゃいけないことで)

兄(・・・・・・今日はイヴ)

兄(妹も彼氏と)

兄(・・・・・・また妹のこと思い出した。俺、妹友ちゃ、妹友と付き合い出してから彼女一筋なのに)

兄(・・・・・・)


回想

妹「これ以上は妹友ちゃんに悪いから」

兄「あ・・・・・・」

妹「だからもうおしまいなの」

回想終了


兄(妹・・・・・・)


回想

兄「俺、おまえへの気持ちに気がつく前に妹友ちゃんに告白されて、それで」

妹「・・・・・・付き合ってるんでしょ? 妹友ちゃんと」

兄「いや、付き合っているっていうか」

妹「妹友ちゃんは親友なの」

兄「だ、だから聞けって」

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

兄「妹・・・・・・」

妹「出かけてくるね。お母さんに言いつけたかったら言いつけてもいいから」

兄「・・・・・・」

回想終了


兄(あの日、本当に妹とは終っちゃったんだ)

兄(もう1月以上妹と会ってない)

兄(・・・・・・俺、一人暮らし始めて妹のこと吹っ切ろうと)

兄(でもいつも妹のことをうじうじと考えてて)


回想

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

回想終了


兄(本当いい加減あいつのことは忘れないと)

兄(妹友にも悪いしな)

271: 2011/12/24(土) 20:29:18.38 ID:HHiTHOmto
妹友「準備できましたよお兄さん」

兄「・・・・・・お兄さんって」

妹友「あ、間違えた。兄だった」

兄「俺、呼び方のことで変なこと言ちゃったけどさ。無理しなくてもいいよ、妹友」

妹友「・・・・・・無理じゃありません! ちょっと間違えただけじゃないですか」

兄「はいはい」

妹友「・・・・・・お兄さん、意地悪です」

兄「ほら、また」

妹友「あ、いけない」

兄「・・・・・・」

妹友「・・・・・・」

兄「・・・・・・ははは」

妹友「ふふふ」

兄「まあ、呼び方なんて自然に任せて少しづつ変えていけばいいのかもな」

妹友「そうですね・・・・・・お兄さん。あ、やっぱりこっちの方が自然だ」

兄「さっきのことは忘れて。お兄さんでいいよ」

妹友「あ、はい。でも」

兄「うん?」

妹友「せっかくだからお兄さんは、あたしのこと呼び捨てしてくださいね?」

兄「ええ~。俺だけ?」

妹友「はい。妹友って呼ばれた方が、本当にお兄さんのものになったみたいで安心します」

兄「安心って何だよ。まあ、別にいいけど」

妹友「はい」

兄「・・・・・・妹友」

妹友「あ・・・・・・」

兄「妹友? どうした(真っ赤になった。やべえ、楽しい」

妹友「な、何でもない」

兄「でも、妹友の顔、真っ赤だよ」

妹友「・・・・・・」

兄「妹友?」

妹友「お兄さんの意地悪。絶対面白がって呼んでるでしょ」

兄「・・・・・・可愛いよ、妹友」ギュ

妹友「あ・・・・・・・」

272: 2011/12/24(土) 20:31:14.24 ID:HHiTHOmto
兄・妹友「メリークリスマス! 乾杯」

兄「妹友、この豪華な料理ってどこで買ってきたの?」

妹友「途中でデパ地下とかで買ったのもありますけど」

兄「うん」

妹友「だいたいは、今朝から自宅で料理したのを持ってきました」

兄「え? すげえ。これ妹友が自分で作ったのか」

妹友「だから全部が自作じゃないし、ママとかお姉ちゃんにも手伝ってもらって」

兄「でも、すごいな」

妹友「・・・・・・最初のイヴだし」

兄「妹友?」

妹友「付き合いだして最初のイヴだし、お兄さんにはあたしの手作りの料理を食べてもらいたくて」

兄「でもさ、今までだってここで料理作ってくれたじゃん」

妹友「でも今日は特別な日だし」

兄「そうか・・・・・・そうだね。じゃあ、いただきます」

妹友「あたしが取ってあげますね」

兄「ありがとう。美味しそう」パク

妹友「・・・・・・どうですか」

兄「うんおいひいお」モグモグ

妹友「よかった」

兄「美味しい美味しい」パクパク

妹友クス

兄「あ、悪い。俺ってムードとかなくてごめんな」

妹友「いいえ。お兄さんに喜んでもらえて嬉しいです」

兄「妹友ちゃんは食べないの? 何か俺ばっかり食べてるじゃん」

妹友「じゃ、食べますね。あ・・・・・・口の端にチキンがついてますよ」ヒョイパク

兄「お、おい」

妹友「うん。我ながらいい出来♪」モグモグ

兄(幸せってこういうことを言うのか)

兄(・・・・・・まったりと心安らかに過ごすイヴ)

兄(何を考えているのかわからない妹を相手にいらいらしたり欲情したりした時とは、全く違うな)

兄(心底から落ち着くわ)

兄(俺なんかをよく好きになってくれたよな、妹友みたいな可愛い子が)

兄(・・・・・・大切にしなきゃ)


回想

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

回想終了


兄(そうだな)

兄(もう後戻りできないんだもんな・・・・・・)

279: 2011/12/24(土) 22:34:49.24 ID:HHiTHOmto
妹友「何それ? おかしい~」

兄「いや、本当だって。うちの大学って結構変なサークルあるんだよな」

妹友「でも、今時ナンパサークルってあり得ないでしょ」

兄「まあね。でさ、妹友はこれまでナンパとかされたことある?」

妹友「普通にありますよ。まあ、あたしは妹ちゃんのおまけみたいなものでしたけど」

兄「(妹が・・・・・・)あ、あるんだ。どうだった?」

妹友「どうって・・・・・・。そりゃ、悪い気はしないけど。ちょっと怖いし。あと、妹ちゃん可愛いから心配だし」

兄「うん」

妹友「だから、いつも逃げてました。それに彼氏先輩がいると誰も妹ちゃんには声かけられないですしね」

兄「・・・・・・そうか」

妹友「お兄さんはナンパとかしたことあるんですか?」

兄「ねえよ。そんな度胸ないし、自分に自信もねえし」

妹友「ですよね」クスクス

兄「・・・・・・俺のことからかってる?」

妹友「知りません」ツン

兄「(今がその瞬間だ)あ、あのさ」

妹友「はい」

兄「えとさ。ちょっと」ガサガサ

妹友「・・・・・・」

兄「これ。ダサいかもしれないけど、プレゼント」

妹友「あ・・・・・・嬉しいです」

兄「い、いや」

妹友「開けていいですか」

兄「うん。期待し過ぎないでね」

妹友ガサゴソ「あ。可愛い」

兄「そ、そう?」

妹友「すごく素敵なペンダント・・・・・・大切にしますね」グス

兄「いや、泣くほどの物じゃ」

妹友「お兄さん・・・・・・」ダキ

兄「妹友」ギュ

妹友「じゃあ、お兄さん。これも開けてください」

兄「ありがと」ガサガサ

妹友「・・・・・趣味じゃなかったらごめんなさい」

兄「すげえ。俺、今までキャラクターが描いてない筆箱ってもったことないや。これ、革でできてるじゃん」

妹友「お兄さんもいい大学にいるんだし、そろそろこうゆうの持っててもいいと思いますよ」クス

兄「ありがと。講義に持っていくね。でも、高かったでしょ? これ」

妹友「そんなこといいんです。お兄さんが喜んでくれて嬉しい」

兄「妹友・・・・・・」

280: 2011/12/24(土) 22:36:00.02 ID:HHiTHOmto
4時間後


妹友「もうこんな時間ですね」

兄「・・・・・・うん」ドキ

妹友「お兄さんと一緒にいると何ですぐに時間が経っちゃうんだろ」

兄「そうだな(やっぱり今日も帰っちゃうのかな)」

妹友「そろそろ帰らないと、終電無くなっちゃいますね」

兄「そうだね・・・・・・(駄目か。ちょっとだけお泊りを期待してたんだけど)

妹友「・・・・・・もっとお兄さんと一緒にいたいな」

兄「俺も」

妹友「早く受験したいなあ。それで、お兄さんと一緒に、同じ大学のキャンパスで過ごしたいです」

兄「うん。あ、俺さ。今日は酒飲んでないから車で送って行くよ(今日は諦めるか。妹友は俺の彼女なんだからそんなに焦ることねえしな)」

妹友「・・・・・・嬉しいですけど。でも」

兄「どしたの?」

妹友「・・・・・・ここで朝までお兄さんと一緒にいられればいいのに」ポツ

兄「・・・・・・うん(な、何て言やいいのかわかんねえ)」

妹友「・・・・・・お兄さん」

兄「な、何? 妹友」

妹友「あたし、今日ここに泊まったら駄目ですか?」

兄「(!!!!!)い、いや。駄目じゃねえけどさ。親とかどうすんだよ」

妹友「・・・・・・そうですよね」

兄「・・・・・・そうだよ」

妹友「これは最後の手段だと思っていたんですけど」

兄「(な、何だ)う、うん」

妹友「妹ちゃんに頼っちゃってもいいですか」

兄「(え)頼るって」

妹友「・・・・・・うちの両親には妹ちゃん、すごく信用されてますから」

兄「うん」

妹友「本当に今日、ここに泊まってもいいですか?」

兄「うん、もちろんだけど・・・・・・。でも親とか平気なの?」

妹友「ちょっと電話しますね」

兄「え?」

281: 2011/12/24(土) 22:38:15.88 ID:HHiTHOmto
妹友「あ、ごめんね。イヴで楽しんでる最中に。あたし、妹友だよ」

妹友「そうか。先輩と仲良くやってるんだ・・・・・・」

妹友「あ、うん。お兄さんの部屋に二人でいるとこ。でさ」

妹友「・・・・・・妹ちゃん?」

妹友「妹ちゃん、どうした? 急に黙っちゃって」

妹友「・・・・・・大丈夫? うん、そか。よかった」

妹友「すごく言いづらいんだけど、口裏合わせてもらえないかな?」

妹友「だから、今説明するって」

妹友「そのさ。ちょっと頼みづらいんだけど」

妹友「今日は、妹ちゃんの家でお泊りパーティーしてたことにしてくれないかな」

妹友「あ、うん。うちの親って必ず先方のお家にお礼言わないとって名目で確認するから」

妹友「え? ああ」

妹友「・・・・・・妹ちゃん、何でそんなこと聞くの?」

妹友「うん・・・・・・本当にお兄さんのこと大好きだよ。だから今日はお兄さんのアパートに泊まりたいの」

妹友「・・・・・・だめ?」

妹友「ありがと! 妹ちゃん」

妹友「うん。お兄さん、隣で電話聞いてるけど・・・・・・電話替わる?」

兄(え? 妹と話するのか)ドキ

妹友「いいの? 本当にいいの? じゃあ、悪いけどお願い」

妹友「あたし、これから家に電話するから」

妹友「本当にありがとね、妹ちゃん」

妹友「うん、うん。じゃあね」

282: 2011/12/24(土) 22:40:59.01 ID:HHiTHOmto
妹友「・・・・・・」ピポパポ

兄「・・・・・・今の電話って、もしかして妹にかけたの?」

妹友「ちょっと黙っていてください、お兄さん」

兄「・・・・・・はい」


妹友「お母さん? あたし。今日さ、みんなで妹ちゃんのところにお泊りでパーティーしようってことになって」

妹友「だから、急にそういう話になったの! 前もって言わなかったのは悪いけど」

妹友「うん。迷惑じゃないって。女の子だけだしね」

妹友「うん、そうして。明日妹ちゃんの家に電話してお礼を言っておいてね」

妹友「じゃあ、妹ちゃんちに今日は泊まるから」

妹友「じゃあね」

妹友「今日、泊まってもいいって。お母さんが」

兄「そら、妹のとこに泊まってもいいって意味でしょ」

妹友「大丈夫。妹ちゃん、お母さんから電話があっても話を合わせてくれるって言ってました」

兄「・・・・・・あのさ」

妹友「はい」

兄「その、妹は俺たちのこと何か言ってた?」

妹友「妹ちゃん、あたしがお兄さんのアパートに泊まるの気に入らないのかなあ」

兄「妹が何か言ったのか?」ドキドキ

妹友「言ったというか、あたしがお兄さんのアパートにいるって言ったら急に黙ゃって」

妹友「それで、あんた本当にお兄ちゃんのこと裏切らないでしょうね? って聞かれて」

兄(何だそれ)

妹友「だから、お兄さんのこと本当に大好きって言ったんですね」

兄「あ、ああ」

妹友「そしたら、それなら協力してあげるって」

兄「そうか」

妹友「妹ちゃんと先輩の邪魔しちゃいましたけど」

兄「うん」ムカ

妹友「お兄さんと一緒にいるためなら後悔してません」ヨリソイ

兄「・・・・・・え」ドキ

妹友「お兄さん、抱いて」ダキツキ

兄「妹友・・・・・・(え、え。思ってたとおりの展開になるの?)」ギュ

妹友「お兄さん、好きです」

兄「・・・・・・いいの?」

妹友コク

287: 2011/12/25(日) 19:25:00.44 ID:k8SczpS7o
翌朝


兄(・・・・・・俺の横にいる柔らかい可愛い生き物は)

兄(こういうリア充的な朝を迎えるのは2度目だけど、今回は妹じゃなくて妹友・・・・・・)

兄(俺の彼女。妹友なんだよな)

兄(よく寝てるな)

兄(そういや、妹と一緒に朝を迎えた時は、あいつ寝た振りしてたんだよな)

兄(・・・・・・何でここで妹を思い出すんだ、俺は)

兄(昨日は童Oを捨てた記念日か。童Oの俺でも無事に妹友を女にできた)

兄(昨日の妹友の反応、可愛かったなあ。それに声も大きいし積極的だし、普段のきちんとした妹友とは別人みたいだった)

兄(控えめな小さな声を時たま漏らすだけで、身動もきしない妹とは大違いだ)

兄(・・・・・・まあ、どっちが好みかというとそれは)

兄(って何を比べてるんだ俺は)

兄ジー

兄(・・・・・・やっぱり可愛いな、妹友)

兄(妹と違って出るところは出てるし)

兄(締まるとことは締まってるし、ある意味女の子の理想的な体型だな)

兄(・・・・・・妹はひたすら細い体だったけど、よく言えばスレンダーっていうか)

兄(・・・・・・まあ、どっちが好みかというと)

兄(だから、いい加減に妹と妹友を比べるのは止めろって)

兄(つうかもう妹とはそういうことをすることはないんだから)

兄(そう考えるとあの時の記憶は貴重かも。忘れないようにしないと)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・だからそうじゃねえだろ、俺)

兄(冷静に考えればあんなの黒歴史確定ものの出来事じゃねえか)

兄(まあ、妹には無事振られたことだし、これからは妹友一筋で)

兄ジー

兄(うん。何回見ても可愛い。しかも・・・・・・)

兄(妹友って、優しくて思いやりがあって礼儀正しくて)

兄(・・・・・・よくこんな子が俺のこと好きになってくれたよな)

兄(ついこないだまでは、一生童Oで過ごす覚悟を決めようとまでしていたのに)

兄(よく考えれば妹友と知り合えたのも妹つながりでだもんな)

兄(俺の身の回りって、最近急展開すぎるよな。いくらなんでもそろそろ落ち着かなきゃな)

288: 2011/12/25(日) 19:27:42.59 ID:k8SczpS7o
妹友「うーん」ノビ

兄「おはよ」

妹友「あ」ニコ

兄「よく寝てたね」

妹友「おはようございます、お兄さん」チュ

兄「不意打ち過ぎるじゃんか」ドキドキ

妹友「嫌でした?」

兄「そんなわけないじゃん。妹友のこと好きだし」

妹友「あたしも、って。あ」

兄「どしたの?」

妹友「・・・・・・あたしたち、あの後そのまま寝ちゃったんですね」

兄「う、うん。ごめん」

妹友「何で謝ってるの?」

兄「い、いやその。そんなには妹友の裸見てないから」

妹友「今更、何言ってるんですか。お兄さんになら全然気にならないですよ」クス

兄「う、うん」

妹友「それに昨日は・・・・・・」

289: 2011/12/25(日) 19:28:12.37 ID:k8SczpS7o
妹友「・・・・・・」カァ

兄「(顔真っ赤だ。可愛い)ごめん。俺初めてだったから、下手だったでしょ」

妹友「あたしだって初めてだし。上手とか下手とかわからないです」

兄「それはそうだね」

妹友「はい。でも・・・・・・」

兄「うん」

妹友「思ってたより痛くなくて」

兄「うん」

妹友「とっても素敵でした。お兄さん?」

兄「うん」

妹友「愛してます。ずっと一緒にいてね」スリスリ

兄「もちろん。愛してるよ」ダキ

妹友「妹ちゃんに感謝しなきゃ」

兄「え」

妹友「正確に言うと妹ちゃんのブラコンに、かな」

兄「な、何でだよ」

妹友「だって、妹ちゃんが毎日学校でお兄さんの話ばかりしてて」

兄「・・・・・・そう言ってたね」

妹友「はい。それでその話を聞いているうちに、何となくお兄さんのことが気になるようになったわけですし」

兄「そうか」

妹友「それに昨日だってアリバイ工作を引き受けてくれたし。昨日お兄さんと結ばれたのは妹ちゃんのおかげです」

兄「・・・・・・」

妹友「妹ちゃんにお礼言わないとね。お兄さんからもですよ」

兄「え? 俺が?」

妹友「はい」

兄「・・・・・・うん(それ絶対無理)」

290: 2011/12/25(日) 19:40:26.32 ID:k8SczpS7o
兄「さて、天気もいいしイヴは部屋で過ごしちゃったから、これからどっかに遊びに行かない?」

妹友「うーん。どうしようかなあ」

兄「え?(外出するの気が進まないのかな)」

妹友「何か今日は人がいるところに出かけるより、二人きりでいろいろなお話をしていたい気分」

兄「(か、可愛過ぎだろ)じゃあ、今日も部屋にいる?」

妹友「そうですねえ・・・・・・あ、そうだ」

兄「うん」

妹友「お兄さんさえよかったら、車出してもらえませんか」

兄「俺の軽でよければ」

妹友「ドライブしませんか。前に妹ちゃんがお兄さんにドライブに連れって行ってもらたって言ってましたけど」

兄「ああ」

妹友「その話聞いた時、あたしすごくうらやましくて。妹ちゃんに何度もいいなあって言っちゃって」

兄「そんなにうらやましかったの? 江の島とか行って飯食って帰ってきただけだよ」

妹友「だって妹ちゃんの話、ロマンティックでしたよ。海辺で大好きなお兄ちゃんに黙って寄り添う妹ちゃん」

兄「はい?(そんなことされたっけ? 車中で俺に寄りかかってはきたけど、黙ってっていつもどおり無口だっただけじゃん)」

妹友「突然の海風で手元から飛ばされた妹ちゃんのハンカチ。それを慌てて追いかけるお兄さん」

兄「何の話だ」

妹友「吹き飛ばされたハンカチを追って砂浜を駆けるお兄さんを、微笑んで見守る妹ちゃん。ああ~、いいなあ」

兄「・・・・・・俺、記憶障害でもあるのかな」

妹友「行きましょ? お兄さん」

兄「・・・・・・うん」

妹友「あたしも江の島に行きたいなあ。展望タワーがライトアップしてるんですって」

兄「じゃ、でかけるか」

291: 2011/12/25(日) 19:49:46.43 ID:k8SczpS7o
兄「アパートの鍵閉めてっと。あ、そうだ」

妹友「どうしました?」

兄「はい。これ・・・・・・よかったら持っててよ」

妹友「これって・・・・・・」

兄「この部屋の予備の鍵。もし嫌じゃなかったら」

妹友「・・・・・・」

兄「妹友?」

妹友「お兄さん・・・・・・大好き」ギュ

兄「うん(手を繋いでくれた)」

妹友「じゃ、でかけましょう♪」

兄「うん」


ドライブ中


兄「今日は天気いいな」

妹友「本当。晴れてると景色が綺麗に見えますね」

兄「途中で高速降りて海辺の国道に入ると、もっといいい景色になるよ」

妹友「楽しみだなあ。あたし男の人と二人でドライブするの初めてです」

兄「お父さんとかは?」

妹友「ああ、それならあるけど。でも、お父さんは家族だし。ドライブとかじゃなくて用事があって車に乗ってるだけだし」

兄「まあそうだよね。俺も家族以外の女の人と二人でドライブするの初めてだよ」

妹友「つい最近、妹ちゃんとドライブデートしたくせに」ツン

兄「だからら家族以外でって言ったじゃん」

妹友「あ、そうか。妹ちゃんってお兄さんの妹でしたね」

兄「・・・・・・何わけのわからないこと言ってるの」

妹友「わけわからなくないですよ。あたしね」

兄「うん」

妹友「お兄さんと妹ちゃんを理想のカップルだって考えていたんですね。妹ちゃんがお兄さんの悪口ばっかり言ってた頃から」

兄「はあ?」

妹友「だから、自分が妹ちゃんの席に座れるなんて思ってもいなかった」

兄「そんな大げさな。つうか、妹友が今座ってるのは妹の席じゃねえよ」

妹友「・・・・・・うん」

兄「妹の席は俺の妹っていう家族の席だけど、妹友の席は俺の彼女の席だし」

妹友「ありがとうお兄さん。嬉しい」

兄「うん」

妹友「そうですよね。あたし、妹ちゃんをお兄さんから引き剥がしたんじゃなくて、新しい席を作ってもらってそこに座ったんですよね」

兄「引き剥がすって・・・・・・何の話?」

妹友「少し気が楽になりました。お兄さんと付き合いだしてから、いつも妹ちゃんに対して微妙に罪悪感を感じてたので」

兄「ごめん。よくわからない」

妹友「さて。昨日のお礼と報告しとこうかな。ちょっと、妹ちゃんにメールしますね」

兄「・・・・・・うん」

295: 2011/12/25(日) 22:02:58.57 ID:k8SczpS7o

兄(やけに長いメール打ってるな。妹友、さっきからずっと携帯とにらめっこしてる)

兄(妹への罪悪感・・・・・・か。わかるようなわからないような)

兄(妹は妹友の俺への気持ちを応援してたらしいから)

兄(そう考えると罪悪感なんて感じる必要ねえよな)

兄(だけど、もし。もしもだけど、妹が俺のことを男として好きで)

兄(親友の妹友に遠慮して俺のこと諦めたとしたら。そして妹のそういう気持ちを妹友が察していたとしたら、それなら妹友が罪悪感を感じるのもわかる)

兄(客観的にみれば俺は妹に振られた状態だよな。つまり妹が自分から俺を振った。それなら妹友が罪悪感を感じる理由はないとも言える)

兄(ああ、面倒くせえ。何だかわからなくなってきた」

兄(妹のことは忘れなきゃいけないんだけど、俺と妹友の共通の知人って妹だけだし、何より妹と妹友は親友だし)

兄(妹友と付き合う限り妹の話題からは逃げられないってことだよな)

兄(・・・・・・妹友、まだメールしてるよ)

兄(あの携帯の向こう側に妹がいるのか。もう2月近く妹に会ってねえな)

兄(・・・・・・まあ、前の無関心な状態に戻っただけと思えば寂しくないさ)

兄(それに前とは違って俺には彼女がいるんだし)

兄(あ、メール打ち終わったみたいだ)

妹友「・・・・・・送信っと」ピ

妹友「ごめんなさい、お兄さんを放っておいて」

兄「いいって」

妹友「でも、妹ちゃんにはいろいろ話しておきたくて」

兄「いろいろって・・・・・・・あの、夜のこととかも?」

妹友「はい。妹ちゃんには隠し事したくないので。ダメでしたか?」

兄「そんなことはないけど・・・・・・(ますます妹と距離が広がったか。でもそれでいいんだよな)」

妹友「お兄さん?」

兄「いや。もうすぐ海が見えるよ。いいタイミングだったね」

妹友「はい。海見るのって久しぶりで」ピロリ~ン

妹友「妹ちゃんから。返信はやっ」カチ

妹友「・・・・・・」

兄「どうした? 妹何だって?」

妹友「いえ・・・・・・、一言だけ『よかったね。そんなにあたしに気を遣わなくていいから』って」

兄「・・・・・・そんだけ?」

妹友「はい・・・・・・」

兄「何考えてるんだあいつ。妹友がせっかく長いメール送ったのに」

妹友「忙しかったんですかね」

兄「う、うん。きっとそうだよ。どうせ彼氏と一緒にいるんだろうし」

妹友「・・・・・・そうですよね。タイミング悪かったかな。今日クリスマスだし、妹ちゃんもあたし達と同じで昨日から」

兄「え?」

妹友「あ、海が見えました、お兄さん。キラキラ輝いててきれい」

兄「・・・・・・うん(妹、昨日は彼氏と)」

296: 2011/12/25(日) 22:08:02.20 ID:k8SczpS7o
江の島


妹友「海のそばだけあって寒いですね」

兄「そうだね。そろそろお昼だけど、何食べたい?」

妹友「そうだなあ、どうしようかな」

兄「ここじゃ、クリスマスっぽいお洒落な店はないと思うけど」

妹友「そういうのは昨日食べたからもういいです。あ、そうだ。妹ちゃんと来た時は何食べたんでしたっけ」

兄「たしか。えーと、シラス丼だったかな」

妹友「あ、そういうの食べたい」

兄「妹の時と同じじゃ何かつまらないな。あ、そうだ」

妹友「はい」

兄「ただのシラス丼じゃなくて生シラス丼ってあるみたいだけど、食べてみない?」

妹友「どう違うんですか」

兄「釜揚げのシラスじゃなくて生のシラスを使ってるんだって。取れたては全然生臭さがなくて美味しいらしいよ」

妹友「あ、食べてみたい」

兄「じゃあ、お店探そうか」

妹友「うん」

297: 2011/12/25(日) 22:08:33.26 ID:k8SczpS7o
店内


兄「生シラス丼のほかにもいろいろあるけど、どれにする?(結構高級そうなお店に入っちゃったな。シラス丼ごときで2,500円とかどうなんだろ」

妹友「・・・・・・結構高いですよ、ここ」

兄「気にするなって。クリスマスだし、これくらい大丈夫だから好きな料理頼んでよ」

妹友「う~ん」

兄「俺は生シラス丼にしよっと」

妹友「前のデートの時は妹ちゃんは何を食べたんですか?」

兄「だから、デートじゃないって。って、何だっけ?」

兄「たしか、シラスだけじゃ飽きるからって」


回想

妹「あたしはお刺身定食にしよ」

兄「おまえ、シラスが食いたかったんじゃねえの」

妹「うん。でも、シラスだけじゃ飽きちゃうし」

回想終了


兄「って言ってたよ」

妹友「えええ、シラス丼食べに来た意味ないじゃないですか」

兄「まあ、俺のシラス丼勝手に食ってたし」

妹友「・・・・・・」

兄「どしたの?」

妹友「・・・・・・じゃあ、あたしもお刺身定食」

兄「え? シラス食べてみたかったんじゃないの」

妹友「二人で分け合いましょう」ニコ

兄「そ、そうか。そうしようか」

妹友「少なくとも妹ちゃんは生シラスは食べてないんですよね?」

兄「うん。前は釜揚げシラスだった」

妹友「・・・・・・よし!」

兄(何なんだ・・・・・・」

298: 2011/12/25(日) 22:09:05.30 ID:k8SczpS7o
妹友の家


兄「(相変わらずでかい家。うちの実家とは偉い違いだ)じゃあ、今日はこれで」

妹友「あ、今日はありがとうございました」

兄「・・・・・・何でそこでお礼を言うかな(まあ、優しくて思いやりがあって礼儀正しい妹友だから好きになったんだけどね)」

妹友「そうですね・・・・・・。妹ちゃんならここでお礼なんか言わないだろうなあ」

兄「な、何言ってるの」

妹友「じゃあ、お礼は言いませんけど」チュ

兄「・・・・・・あ」

妹友「昨日からはとても楽しかった・・・・・・大好きだよ、お兄さん」

兄「・・・・・・うん。俺も妹友のこと好きだ。愛してるよ」チュ

妹友「じゃあ。またメールか電話してね」

兄「お、おう。おやすみ」

妹友「おやすみなさい、お兄さん」

兄(・・・・・・家に駆け込んじゃった。何か胸が切ない)

兄(これが恋するってことなのかな)

兄(何恥ずかしいこと言ってるんだ俺。それよりここまで来ちゃうと、実家の方が近いんだけど)

兄(大学は休みに入っているし)

兄(今日は親は帰ってるのかな。母さんがいるなら実家に帰った方が楽なんだけど)

兄(・・・・・・妹しかいない実家には帰りたくないな)

兄(どうしようかな。家に電話して妹が出ても気まずいし)

兄(・・・・・・そうか。母さんに電話すればいいんだ)

兄(・・・・・・)

299: 2011/12/25(日) 22:12:50.10 ID:k8SczpS7o
兄「あ、母さん? 俺だけど」

兄「俺俺詐欺? 何言ってんだよ。自分の息子の声もわかんねんのかよ」

兄「何? その乱暴な口の聞き方は確かにあたしの息子だ? いい加減冗談はやめて、真面目に聞けって」

兄「いやさ、今実家の近くまで用があって車で来てるんだけどさ、母さんは今家にいるの?」

兄「何でって、いちいちうるせえよ。答えてくれたっていいじゃんか」

兄「はぁ? 俺がマザコン? ふざけんなって」

兄「うん。うん、何だ、まだ職場かよ。で? 今日は家に帰るの?」

兄「だからマザコンじゃねえっつうの! 妹しかいない実家に帰りたくないだけだって」

兄「うん、年末は帰ろうかと思ってたんだけどさ。父さんも母さんもさすがに家にいるだろうし」

兄「うん。そうか、今日は二人とも家に帰れないのか。じゃあ、俺もこのまま車でアパートに帰るわ」

兄「え? やだよ。妹しかいないんでしょ。夕飯だってないだろうし」

兄「妹の雑炊? ぜってーやだ。それに」

兄「妹だって家にいるかわかんねえじゃん(彼氏と一緒かもしれないしな・・・・・・)」ズキ

兄「何? 俺が実家に泊まるなら無理してでも今日は家に帰るって? 本当だろうな・・・・・・」

兄「うん、母さんがそこまで言うなら実家に帰るよ。早く帰ってこいよ?」

兄「あ、あとさ。何か食い物買って来て。この際カップラーメンでもいいからさ」

兄「だから! 妹の雑炊は絶対断る」

兄「うん。じゃあ、後でね」

兄「・・・・・・母さん?」

兄「本当に仕事無理してないんだろうな」

兄「わかった。悪かったよ。じゃあ、家に帰ってるからね」

兄(久しぶりの実家か。妹は今日も夜遊びしてるのかな)

兄(母さんにあえるだけでも実家に帰る意味はあるかな)



ガチャ


兄「・・・・・・ただいま」ボソ

妹「・・・・・・あ」

兄「(妹! いたのかよ)・・・・・・た、ただいま」

妹「・・・・・・」

兄「今日泊まって行くから」

妹「うん・・・・・・おかえり、お兄ちゃん」

307: 2011/12/26(月) 21:32:05.65 ID:961dWEdAo
兄「・・・・・・おまえ、家にいたんだ」

妹「うん」

兄「毎晩彼氏といちゃいちゃしてたんじゃなかったのかよ(俺、久しぶりに会った妹に何でこんなこと言ってるんだろ)」

妹「最近は夜は出かけてないよ。先輩も受験勉強始めたし」

兄「始めたって、もう年明けには受験じゃねえか」

妹「・・・・・・先輩の志望校、偏差値すごく低いとこだし」

兄「(何か普通に話してくれるのな。俺の女にはなれないけど普通の妹にはなってくれるってことか)って、あれ?」

妹「・・・・・・」

兄「じゃあ、おまえ親いない日はずっと一人なのか?」

妹「12月になってお仕事が年末進行なんだって」

兄「・・・・・・それじゃ」

妹「うん。ここ半月くらいお母さんとお父さんに会ってない」

兄「え。おまえ・・・・・・」

妹「うん」

兄「寂しくないのかよ」

妹「・・・・・・」

兄(寂しそうな顔。それはそうだよな)


回想

兄「おまえ、寂しくないの?」

妹「別に。寂しくないよ。お兄ちゃんもいるし」

兄「え」

妹「・・・・・・いるんだよね? 大学終わったらすぐ帰ってきてくれるんでしょ?」

兄(何でそんなに不安そうに俺を見る。そんなんだから誤解しちゃうんじゃねえか)

兄「まあ、今はバイトもしてないし、帰りは遅くはならないけど」

妹「うん・・・・・・よかった」

兄「・・・・・・」

回想終了


兄(・・・・・・半月も家で一人きりだったのかよ、こいつ)

兄(俺も一人暮らししてたけど、妹友が来てくれたりしたし兄友もよく押しかけてきたし、寂しいとかなかったけど)

兄(こいつは彼氏にも会えずに一人でこの寂しい家にいたんだ)

妹「・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「あ、あのさ。俺大学休みになったから、今日から新学期までここで暮らすから」

妹「え・・・・・・本当?」パァ

兄「ああ、本当だよ(今は妹に振られたとか言ってる場合じゃないな。兄としてこいつのこと考えてやらなきゃ)」

妹「・・・・・・うん」

兄(何でそこでそんなに嬉しそうな顔するんだよ)

308: 2011/12/26(月) 21:38:21.07 ID:961dWEdAo
兄「おまえ、親いない時夕飯とかどうしてたの?」

妹「冷凍食品とかコンビニとか。でも、何か最近あまり食欲なくて」

兄「下宿してる俺と変んねえのな。今日はもう食べたのか」

妹「まだ」

兄「あのさ。おまえさえよかったらだけど、一緒にファミレスに行く?(俺と二人では出かけてくれないかな・・・・・・)」

妹「うん、行きたい」ニコ

兄「じゃ、じゃあ、すぐ出られるか?」ドキ

妹「・・・・・・着替えないと」

兄「じゃ、待ってるから着替えてくれば」

妹「うん・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「うん?」

妹「・・・・・・ありがとう」ニコ

兄「・・・・・・」

兄(何で礼なんか言うんだよ)


回想

妹友「あ、今日はありがとうございました」

兄「・・・・・・何でそこでお礼を言うかな(まあ、優しくて思いやりがあって礼儀正しい妹友だから好きになったんだけどね)」

妹友「そうですね・・・・・・。妹ちゃんならここでお礼なんか言わないだろうなあ」

回想終了


兄(妹が俺にありがとうって言ったことに、何か意味があるのかな)

兄(俺と恋人同士みたいな雰囲気になってた時には礼なんか言ったことなかったし)

兄(もう普通の兄妹の関係だから、わざわざありがとうなんて言うのかな)

兄(・・・・・・普通の兄妹になれるだけでもありがたいと思わなきゃな)

兄(つうか、俺にはもう妹友がいるんだし、妹と仲良くなりすぎるわけにもいかないから)

兄(・・・・・・こういうのが一番いい結果なんだよな)

兄(それにしても高2の女の子を家に放置するとかってどんな親だよ。いくら仕事が命にしたって限度があるだろ)

兄(金さえ置いとけばいいってもんじゃねえだろ)

兄(俺は、妹と仲良くなる前はこんなことすら考えてやったことがなかったんだ)

兄(・・・・・・これからはいい兄貴、いや普通の兄貴になろう。妹のことも心配してやろう)

兄(今日思いついて実家に帰って本当によかったな)

309: 2011/12/26(月) 21:52:03.82 ID:961dWEdAo
近所のファミレス


兄「またそういうデザートみたいのを食う。おまえ、最近食欲ないんじゃなかったのかよ」

妹「何かおなかすいてきちゃって」クス

兄「・・・・・・だったらだな。普通に料理っぽいのとか食べたら」

妹「でも、パフェみたいのって久しぶりだし」

兄「俺も人のことは言えねえけどさ。おまえ、そんな食生活してて体壊さねえのか」

妹「朝はパン食べてるし、お昼ご飯は学食で普通に食べてるから」

兄「でもさ。おまえ少し痩せたんじゃね?」

妹「そうかな? 最近体重図ってないんだけど」

兄「どれ」ジー

妹「・・・・・・あ」

兄(何でそこで襟を手で隠す? 別に胸元を覗いた訳じゃねえっつうの)

妹「・・・・・・お兄ちゃんは少し太ったかな」

兄「変んないと思うよ。まあ、カップ麺ばっか食ってるけどさ」

妹「だって・・・・・・。妹友ちゃんが食事作ってくれてるんでしょ」

兄「はい?」

妹「妹友ちゃんのメールで、『最近よくお兄さんに手料理を作ってるよ』って」

兄「確かに作ってもらったことあるけど、よくってことはないなあ(普通に妹友のこと話せた)」

妹「そうなんだ」

兄「結局一番多いのは一人でカップラーメン食うパターンで、次が兄友、ああ、兄友って大学の友だちなんだけどさ」

妹「うん」

兄「そいつが部屋に押しかけてきて飲み会になるって感じだな」

妹「そうか・・・・・・。妹友ちゃん、毎日お兄ちゃんの部屋に来てるわけじゃないんだ」

兄「ねえよ。週末に来るか来ないかって感じだな」

妹「そう・・・・・・」

兄「何だよ?」

妹「何でもない。お兄ちゃん?」

兄「うん」

妹「それ美味しい?」

兄「いや、普通のハンバーグだけど」

妹「ちょっとちょうだい」

兄「・・・・・・あ(俺の食べかけのとこ口に運んだ)」

妹「本当にまあまあだね」

兄「食いたいなら追加でオーダーしたら?」

妹「ううん。そんなに食べられないし」

兄「そうか」

310: 2011/12/26(月) 21:57:02.04 ID:961dWEdAo
ブルルル


兄「メールだ(妹友かな)」パカ

兄「・・・・・・あのくそばばあ」イラ

妹「どうしたの」

兄「母さんから。今日帰って来るって言ってたのに、やっぱり仕事終んないんで帰れないって」

妹クス

兄「・・・・・・おまえも久しぶりに母さんに会いたかっただろ?」

妹「そうだけど・・・・・・。今日は一人じゃないし」

兄「・・・・・・そか」

妹「ねえ」

兄「うん?」

妹「いつまで家にいるの?」

兄「来年学校が始るまで」

妹「そうか。よかった」

兄「・・・・・・」

妹「大晦日とかお正月とか一人で家にいなくていいんだ」

兄「ああ・・・・・・。初詣とか一緒に行くか?」

妹「それはいい」

兄「え?」

妹「・・・・・・多分、お兄ちゃんは妹友ちゃんに誘われると思うから」

兄「あ。うん・・・・・・」


自宅


妹「お風呂沸かすから先に入っちゃって」

兄「ああ」

妹「その間に乾燥機でお兄ちゃんの布団を暖めておくから」

兄「・・・・・・いいよ、そんなの」

妹「2月以上使ってないからそうしないと」

兄「悪い」

妹「お兄ちゃん、着替えとかアパートから持ってきたの?」

兄「ああ、そういや何も持ってきてないな。明日にでもアパートに行っていろいろ持って来ないとな」

妹「今日は家に置いて行った服とか探しておくから」

兄「あ、ああ」

妹「洗面所に予備の歯ブラシ出しておくから」

兄「・・・・・・うん」

311: 2011/12/26(月) 22:20:04.73 ID:961dWEdAo
風呂

兄(いったい何なんだこの甲斐甲斐しさは。まるで新婚の夫婦みたいじゃないか)

兄(・・・・・・そんだけ一人でいるのが寂しかったってことか?)

兄(久しぶりに家族と一緒ではしゃいで世話焼いてるのか)

兄(よく考えれば俺が家にいた時だって、ろくに顔を合わせなかったし)

兄(妹が夜遊びしてたんだって、家にいると寂しいからっていうのもあったんだろうな)

兄(妹友を彼女として大事にしなきゃいけないのは当たり前だけど)

兄(・・・・・・妹のことも大切にしてやらなきゃいけないんだ。妹に性的な関心を持ってたって今考えれば最悪の兄だった)

兄(普段親と会えないで夜一人きりなんて、高2の女の子が過ごす環境じゃねえよ。これからは、俺が親代わりをしてやらなきゃいけないんだ」

兄(妹に振られて一人暮らし始めちゃったけど、妹には可愛そうなことしたのかもな)

兄(俺の一人暮らしに両親が反対した訳がようやくわかったよ)

兄(今更、一人暮らしは止められないけど。できるだけ親がいない時は実家にいるようにしよう)

妹「お兄ちゃん?」

兄「うん」

妹「着替えとかタオルとか置いとくからね」

兄「ああ。ありがと」

妹「・・・・・・うん」

兄「もう風呂から出るからな。おまえもすぐ入れよ」

妹「・・・・・・わかった」


リビング

妹「ああ、お風呂上りは暑いね」

兄(・・・・・・こいつ、またそんな格好で)ドキ

妹「でも温まった」トス

兄「(何で俺の隣に密着して座る? 座る場所は他にもあるのに)最近、夜は冷え込むからな」

妹「うん。リビングのエアコンちゃんと動いてよかった」

兄「え? おまえ普段エアコンつけねえの」

妹「だって、普段は寂しいからリビングになんていないし」

兄「そうか。自分の部屋にこもってるんだ」

妹「一人でいるとリビングは広すぎるし」

兄「・・・・・・そうかもな」

妹「でも、今日はなんか狭く感じるね」クス

兄「何で?」

妹「お兄ちゃんと一緒だからかな」

兄「・・・・・・うん」

妹「お兄ちゃん?」

兄「ああ」

妹「・・・・・・久しぶりに今日もお兄ちゃんの部屋で一緒に寝てもいい?」

兄「(!!!!!!)え」

妹「・・・・・・それともやっぱり妹友ちゃんに悪いかな」

兄「い、いや(何なんだよ一体)」

319: 2011/12/27(火) 21:16:58.26 ID:3qU7yV8Vo
兄の部屋


兄(あいつ、着替えたら俺の部屋に行くって言ってたけど。本当に寂しかったんだな)

兄(・・・・・・無理ないか。16歳の女の子がずっと一人きりだったんだもんな。久しぶりに帰ってきた家族の側にいたいと考えても全然おかしくない)

兄(それに。よく考えたら、あいつ母さんに代わって掃除とか洗濯とか家事を一人でしてたってことだよな)

兄(リビングも風呂もトイレも・・・・・・俺の部屋だって全然汚れてないし。母さんが半月もいなかったんだから、家ももっと荒れてても不思議はねえのにな)

兄(あいつ。料理こそ下手だけど、そのほかの家事はできるんだ)

兄(寂しくてもやることはきちんとやる・・・・・・か。俺、妹のこと意識したり俺の女になれなってあいつを口説いたりしたけどさ)

兄(あいつのこと、本当は何にもわかってなかったんだ・・・・・・)

兄(自分の気持ちを完全に割り切れたって訳じゃねえけど、今は妹に甘えさせてやるべきなんだろうな)

兄(今まで家族が不在で寂しい思いをさせた妹を、兄が全力で慰める)

兄(そういう関係なら妹友にも話せるし、彼女もきっとわかってくれるだろ。何しろ妹と妹友は親友なんだし)

兄(だけど)

兄(・・・・・・これって妹のためだよな?)

兄(俺が妹と関わりを持ちたいからじゃねえよな)

兄(もう自分の気持ちすらよくわからんけど)

兄(さっきの妹の寂しそうな顔に胸を打たれて、慰めたい笑顔にしたいと考えたことだけは、不純な思いからじゃないはずだ)

兄(・・・・・・もうごちゃごちゃ考えるな。妹の好きなようにさせてやろう)


ガチャ


妹「お兄ちゃん、入るよ」

兄「ああ、どうぞ(上下スウェットに着替えたのか。あと毛布とか枕とか抱えてるな)」

妹「重かった。床に敷いていい?」

兄「・・・・・・うん(そりゃ、同じベッドで寝るわけないか。もう終わりだと宣言されてるんだし)」

妹「どうしたの? お兄ちゃん」

兄「いや。床に布団敷くならそこのテーブル動かした方がいいな」

妹「うん」

兄「俺がテーブルどけるから、おまえそこに布団敷けよ」

妹「うん・・・・・・ありがと」

兄「いいよ(またありがとって言った)」

320: 2011/12/27(火) 21:34:49.37 ID:3qU7yV8Vo
妹「できた。あたし今日は床で寝るからね」

兄「おまえの好きなようにしなよ」

妹「・・・・・・え?」

兄「どした?」

妹「何でもない。まだ、寝るには早いね」

兄「うん。テレビでも付けるか?」

妹「お兄ちゃん、何か見たい番組ある?」

兄「ない。つうか俺、普段から全然テレビとか見ないし」

妹「そうだった。お兄ちゃんって昔から本当にテレビ見ないよね」

兄「(・・・・・・俺はこいつのこと何にも知らないのに、こいつは俺がテレビ見ないこととか知ってるんだな)まあな。おまえはテレビとかよく見るの?」

妹「うん。誰もいない時はリビングにいたくないんだけど、あたしの部屋ってテレビないから」

兄「そうだっけ? じゃあ俺の部屋のテレビをおまえの部屋に持って行ってやるよ。大学始ったらここにはいないし、帰ってる時でもほとんどテレビ見ないしな」

妹「ありがと」

兄「今からやるか? おまえの部屋にもアンテナ端子あるはずだし」

妹「ううん。まだいい」

兄「へ? 何で。すぐにできるぜ」

妹「年末年始にお兄ちゃんがいる間は、お兄ちゃんの部屋でテレビみたいから」

兄「・・・・・・そうか。そうだな」

妹「それにお正月はお父さんもお母さんも家に帰ってくるし」

兄「ああ」

妹「そしたらみんなでリビングでテレビ見るし」

兄「(さすがにあいつらも正月くらいはい家に帰るのか。そら、そうだ)よかったな、妹」

妹「うん。電話でお母さんからそれ聞いた時は嬉しくて、少し泣いちゃったくらい」

兄「・・・・・・うん」

妹「でも、お兄ちゃんが帰ってくれたから」

兄「うん?」

妹「ずっと家にいてくれるし、もしお母さんたちがいなくても寂しくない」

兄「そうか。ごめんな、今まで一人で家のこととかさせちゃって」

妹「ううん。あたしこそごめんなさい」

兄「え?」

321: 2011/12/27(火) 21:59:25.01 ID:3qU7yV8Vo
妹「最後にお兄ちゃんと話した時、あたし少し動揺してたから」

兄「・・・・・・別に。おまえが言ってたことは正しいよ。俺は」

妹「・・・・・・」

兄「俺は・・・・・・。妹友の告白にOKしたのに、おまえにあんなことを」

妹「・・・・・・呼び捨てで呼んでるんだ。妹友ちゃんのこと」

兄「(あ)・・・・・・うん」

妹「そうだよね。恋人だもんね」

兄「・・・・・・まあな」

妹「とにかくごめん」

兄「だから何で謝る。理由を話してくれよ」

妹「言い方。大好きなお兄ちゃんを傷つけるような言い方だったから」

兄「大好きって」

妹「それは前にも言ったでしょ。彼よりお兄ちゃんの方が好きだって」

兄「・・・・・・」

妹「だから、妹友ちゃんのメール見た時、すごく慌てちゃって。妹友ちゃんのことは応援しようと思ってたのに」

妹「それで」


回想

妹「これ以上は妹友ちゃんに悪いから」

兄「あ・・・・・・」

妹「だからもうおしまいなの」

兄「ちょっと待ってくれ。話を聞いてくれよ」

妹「聞かない」

兄「俺、おまえへの気持ちに気がつく前に妹友ちゃんに告白されて、それで」

妹「・・・・・・付き合ってるんでしょ? 妹友ちゃんと」

兄「いや、付き合っているっていうか」

妹「妹友ちゃんは親友なの」

兄「だ、だから聞けって」

妹「聞かない。あと、妹友ちゃんを傷つけたらお兄ちゃんのこと許さない」

兄「妹・・・・・・」

妹「出かけてくるね。お母さんに言いつけたかったら言いつけてもいいから」

兄「・・・・・・」

回想終了

328: 2011/12/27(火) 22:39:04.42 ID:3qU7yV8Vo

妹「あの時の気持ちは変わってないけど」

兄「・・・・・・うん」

妹「でも、お兄ちゃんの気持ちを傷つけた。ごめん」

兄(やっぱ、わかんねえ。こいつが何考えているのか)

妹「・・・・・・あたし、妹友ちゃんのこと好きだから」

兄「それはわかってる」

妹「お兄ちゃんは妹友ちゃんのこと、まだ本当には理解できてないと思うけど」

兄「何でだよ」

妹「・・・・・・妹友ちゃん、お兄ちゃんのアパートに泊まったんでしょ」

兄「・・・・・・(ここで嘘はつけねえ)ああ」

妹「そうか」

兄「あのさあ」

妹「お兄ちゃん?」

兄「・・・・・・うん?」

妹「テレビ付けていい?」

兄「はあ?(何なんだよ、いったい)」

322: 2011/12/27(火) 22:03:05.86 ID:3qU7yV8Vo
妹「・・・・・・」

兄(こいつ、本当にテレビ見るの好きなのかな?)

兄(テレビ見てるというよりは、テレビの向こう側を透かして眺めてる感じじゃんか)

兄(バラエティなのに笑わねえし)

兄(それよりも、何で俺のベッドで俺の隣に座る)

兄(しかも密着して。妹友のことが大切なんじゃねえのか)

兄(・・・・・・いろいろ、こいつなりのルールがあるんだろうな)

兄(ここまではOK、ここから先はNGみたいな。そういうルールがこいつの中ではあるんだろうけど)

兄(問題はそのルールは明示されてないから、俺にはよくわからないってことだ。推理して発見してかなきゃいけないだもんな)

兄(自分の妹ながら何て面倒な女なんだろ。こいつの彼氏も振り回されてるんだろうなあ)

兄(こいつが俺の大学に入学してきたら、コミュニケーションの講義を選択させよう)

兄(絶対こいつには必要なスキルだよな)

妹「お兄ちゃん?」

兄「おう」

妹「・・・・・・明日の予定は?」

兄「特にねえんだけどさ。とりあえず車でアパートに戻って着替えとか取って来るわ」

妹「・・・・・・妹友ちゃんとは?」

兄「・・・・・・明日は会う約束はねえけど」

妹「そか」

兄「うん」

妹「一緒に行ってもいい?」

兄「え」

妹「お兄ちゃんのアパートまで付いて行っていい?」

兄「おまえは予定ねえの?」

妹「うん」

兄「着替えとか取りに行くだけだぞ」

妹「お兄ちゃんの部屋、見たことないし」

兄「そうか。別にいいけど」

妹「じゃあ、行く」

兄「うん」

329: 2011/12/27(火) 22:51:58.02 ID:3qU7yV8Vo


1時間後


兄「おまえの見てた番組も終ったか」

妹「うん。面白かった」

兄「(本当かよ)そろそろ寝るか」

妹「うん」

兄(やっぱり床の布団に移動した。それはそうだ、一緒に寝るわけねえし)

兄「じゃあ、おやすみ」

妹「あ、お兄ちゃん」

兄「何だよ」

妹「朝ごはんどうする? あたしはいつもはパンくらいしか食べないんだけど」

兄「ああ、そう言ってたな」

妹「お兄ちゃんがちゃんと食べたいなら何か作るけど」

兄「ああ。俺、朝飯食わねえからいいや(こいつの料理は食いたくないし)」

妹「いいの?」

兄「うん、いらねえ」

妹「わかった」

兄「じゃ、電気消すぞ」

妹「うん」

323: 2011/12/27(火) 22:23:52.09 ID:3qU7yV8Vo
深夜


兄(うーん、目が覚めたけど今何時だ?)

兄(3時か。トイレ行ってまた寝直そう・・・・・・あれ)

兄(・・・・・・こいつ寝ぼけたのか?)

兄(何で妹が俺のベッドで俺に抱きついてるんだ?)

兄(ドキドキするけど、とりあえずそれよかトイレだ・・・・・・とにかくこいつの腕を外して)

兄(・・・・・・しっとりとした肌の感触。何かこいつを触った時のこと思い出しちゃった)

兄(そんなこと考えてる場合か。とにかくトイレに・・・・・・よし、これで)



兄(トイレから帰ったのはいいものの)

兄(俺のベッドには妹が寝てるし・・・・・・)

兄(とりあえず、いい兄としては妹と同じベッドには入れないよな)

兄(床の布団で寝よう)

兄(・・・・・・いろいろあるけど、やっぱりこいつのことは気にかけてやらなきゃ)

兄(そのためには俺が妹友を彼女としてしっかり認識して、こいつのことを平常心で妹として可愛がれるようにならなきゃいけないんだ)

兄(・・・・・・もう寝よう)







兄(もう7時か。もう少し寝ててもいいかもな)

兄(って。な、何だ?)

兄(何で妹がベッドじゃなくて俺と一緒の布団で寝てるんだよ)

兄(こいつわざとやってるのか)

兄(人がせっかくいい兄貴になろうとしてるのに)

兄(まさか。こいつも俺に未練があるんじゃねえだろうな)ドキ

兄(いや、こいつは妹友の親友だし。あり得ねえけど)

兄(無意識に寝ぼけて俺の側に寄って来てるのかな)

兄(・・・・・・ま、いいか)

兄(家族と一緒にいれなくて寂しいんだろうな、妹も)

兄(いい兄貴として毅然と振舞おう。妹は妹として可愛がって甘やかすけど)

兄(そこに異性としての感情を持たないように)

妹「もう起きてたの?」

兄「・・・・・・ああ。おはよう」

妹「おはよ、お兄ちゃん」チュ

兄「!!!!!!!」

334: 2011/12/28(水) 21:40:14.44 ID:ewE8K4kao
兄「お、おい」

妹「・・・・・・あ」

兄「キスって。お、おまえ。何で」

妹「・・・・・・やだ」

兄「俺とはもう終わりだって言ってたじゃん。それに妹友を泣かせたら許さないって」

妹「ごめんなさい」

兄「そ、それに何でおまえが俺の布団に入って来てるんだよ」

妹「これ、あたしの布団だから。お兄ちゃんがあたしの側に来ちゃったんでしょ。寝ぼけてた?」

兄「・・・・・・あのさあ」

妹「うん」

兄「おまえ、夜のこと全然覚えてないの?」

妹「え?」

兄「もともと、おまえが俺のベッドに潜り込んできたんだぜ?」

妹「・・・・・・嘘」

兄「ほんと。しかたないから俺の方が床の布団に避難したんだけどさ」

妹「・・・・・・うん」

兄「起きたらまたおまえが俺の横に潜り込んで抱きついてた」

妹「・・・・・・ごめん、お兄ちゃん」

兄「俺は別にいいけどさ」

妹「・・・・・妹友ちゃんに悪いことしちゃった」

兄「まあ、わざとじゃないんだし。黙ってればわかんねえんじゃね」

妹「・・・・・・うん。ごめん」

兄「何度も謝るなよ。それよか、道が混む前にアパートに荷物取りに行きたいんだけど。おまえ、どうする?」

妹「・・・・・・お兄ちゃんが嫌じゃなかったら」

兄「何?」

妹「ついていってもいい?」

兄「別にいいよ」

妹「ごめん」

兄「・・・・・・だからもう謝るなって」

妹「うん。ごめん」

兄「・・・・・・」

335: 2011/12/28(水) 21:46:18.64 ID:ewE8K4kao
車内


兄(さっきから妹はずっと黙っている・・・・・・)

兄(いや。こいつが無口なのはデフォだし、今に始ったことじゃないけど)

兄(それにしても、こいつ。今日は景色すら見ないでうつむいてるし)

兄(昨日は久しぶりに家族と過ごせてはしゃいでるくらいだったのにな)

兄(・・・・・・何か)

兄(何か、これじゃだめだ。兄貴としていろいろだめだ)

兄(・・・・・・)

兄「なあ」

妹「・・・・・・うん」

兄「俺さ。前におまえを俺のものにしたいとかキモイこと言って、おまえを困らせたじゃん?」

妹「・・・・・・お兄ちゃん、何言ってるの」

兄「あれ、正直な気持ちだったんだけどさ」

妹「・・・・・・」

兄「でも、その後でおまえに振られて、正直ショックだったけど」

妹「・・・・・・そのことは謝ったでしょ」

兄「いや、違うよ。何ていうか、もうおまえの男にはなれないかもしれないけどさ」

妹「・・・・・・うん」

兄「・・・・・・あ。兄貴からこういう話されるの気持ち悪かったらそう言えよ? すぐに止めてもう二度と言わないから」

妹「・・・・・・別に」

兄「うん?」

妹「別に気持ち悪くない」

兄「そうか。でさ」

妹「うん」

兄「しばらくおまえの顔見たくなくて、実家に帰らないようにしてたんだけどさ」

妹「・・・・・・ごめん」

兄「謝るなって。そうじゃなくて」

妹「・・・・・・」

兄「何というかさ。恋人でも恋人じゃなくても俺たちって家族で兄妹じゃん」

妹「うん」

兄「だからさ、俺の方こそ悪かったよ。親がいない家におまえを一人で放置してさ」

妹「お兄ちゃん」

兄「もうおまえには迫らない。おまえの彼氏に嫉妬して夜外出させないいとかしない。でも、兄貴としてはおまえのことを守りたい」

妹「お兄ちゃん」

兄「それすらダメか?」

336: 2011/12/28(水) 21:46:49.94 ID:ewE8K4kao
妹「・・・・・・お兄ちゃん」

兄「以上、気持ちの悪い兄貴の話はおしまい・・・・・・って、泣くなよ」

妹「わかった。ありがと、お兄ちゃん」ニコ

兄(ようやく笑ってくれた。てか、やっぱり可愛い)

妹「お兄ちゃん?」

兄「うん」

妹「何かおなか好いちゃった。朝に食欲あるのって久しぶり」ニコ

兄「途中で何か食ってくか。朝マックでもする?」

妹「うん」ニコ

337: 2011/12/28(水) 21:50:23.95 ID:ewE8K4kao
マクドナルド


妹「お兄ちゃん、こっちの禁煙席が空いてるよ」

兄「おう、注文しておくから先に席について待っててくれよ」

妹「うん」

兄「おまえは何食べる?」

妹「グリドルのセット」

兄「了解。席で待ってな(何か吹っ切れたのかな妹も。昨日の夜みたいにはしゃいでる)」



兄「お待たせ」

妹「こんなに朝食が待ち遠しかったのってすごく久しぶり」

兄「待たせて悪かったな。結構混んでてよ」

妹「あ、お母さんが置いていったお金があるから」

兄「おまえが持っとけ。俺と一緒の時は俺がおごるから」

妹「いいの?」

兄「兄貴にそれくら見栄張らせろよ」

妹「・・・・・・うん。いただきます」

兄「おまえがそういうの食うって珍しいな」

妹「何で?」

兄「おまえとファーストフードとかファミレス行くといつもデザートしか食わないのにな」

妹「グリドルって甘いんだよ。メープルシロップがかかってて。はい」

兄(え?)

妹「味見してみて」

兄「う、うん(妹が食べたところに口つけるの?)」パク

妹「どう?」

兄「うん、美味しいな(味なんかわかるかボケ!)」ドキドキ

妹「これだけね。あたしの分がなくなっちゃうから」パク

兄「別に欲しいなんて言ってねえだろ」

妹「はいはい」パク

兄「・・・・・・おまえ今日はよく食うのな」

妹「・・・・・・お兄ちゃんのせいかな」

兄「何でだよ? おまえの食欲に関与した覚えはねえぞ」

妹「何でも。お兄ちゃん口にパンがついてるよ」ヒョイパク

兄「お、おまえ何してるんだ」ドキドキドキ

妹「お兄ちゃんのも結構美味しいね」

兄「・・・・・・」

338: 2011/12/28(水) 22:11:09.41 ID:ewE8K4kao
兄のアパート


妹「お邪魔しまーす」

兄「兄貴の家に来るのにお邪魔しますって言わなくてもいいじゃね?」

妹「そうかな」

兄「いや、よくわかんねえけど」

妹「結構広いんだね。何となくワンルームとかって思ってた」

兄「まあ、築年数が古いんで安いんだけどな」

妹「ふ~ん。ねえ?」

兄「おう」

妹「ここってお兄ちゃんの大学から近いの?」

兄「すげえ近い。それで選んだようなものだし」

妹「歩いて行ける?」

兄「さすがに歩きだと結構あるけど。バスに乗れば15分くらいだ」

妹「今度、お兄ちゃんの大学、案内してくれる?」

兄「別ににいいけど。いったい何で?(・・・・・・こいつ俺と同じ大学に行きたいんだっけ)」


回想

兄「はい? 妹って・・・・・・そういやあいつは志望校決めてるのかなあ」

妹友「はぁ? 何言ってるんですか」

兄「え」

妹友「去年、ここに入学した頃から妹ちゃんの目標はお兄さんと同じ大学ですよ」

兄「そうなの?(知らなかった・・・・・・)」

妹友「妹ちゃんもあたしと同じくらいの成績だから、このままじゃ厳しいですけどね。でも、二人で頑張ります」

兄「(俺と同じ大学? 何でだろ)ま、まあ。頑張ってよ。まだ1年以上あるしさ」

回想終了

339: 2011/12/28(水) 22:11:40.27 ID:ewE8K4kao
妹「だって・・・・・・。妹友ちゃんがお兄ちゃんの大学志望してるし」

兄「・・・・・・」

妹「だからどんなとこか見てみたいし」

兄「・・・・・・おまえは?」

妹「え」

兄「おまえはどこを志望してるんだ」

妹「え、えと。その」

兄「・・・・・・おまえ、俺に遠慮するな」

妹「・・・・・・何言ってるの」

兄「おまえ、俺の大学志望してるんだろ?」

妹「何で・・・・・・妹友ちゃんから聞いたの?」

兄「兄貴と同じ大学志望したって恥ずかしいことねえよ」

妹「・・・・・・・」

兄「キャンパスならいくらでも案内してやる」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」

兄「偏差値が届かないなら勉強だって見てやるよ」

妹「・・・・・・うん」

兄「兄貴をもっと頼れよ。俺だっておまえにしてやれることがある方が嬉しいんだぜ」

妹「わかった。キャンパス今度案内してくれる?」ニコ

兄「おう」

妹「勉強もみてもらっていい? 年明けに模試あるし」

兄「おう・・・・・・まあ、俺が覚えてる範囲でな」

妹「ありがと、お兄ちゃん」

兄「いいよ、別に。一々礼なんか言うなよ」

妹「うん。ちょっと、この部屋掃除していい?」

兄「おう、って何で?」

妹「妹友ちゃん、普段は来てないんだね。散らかりすぎ」

兄「まあね」

妹「じゃ、お兄ちゃんが着替えとか用意してる間に掃除しちゃうね」


ブルルルル


妹「・・・・・・」

兄「妹友ちゃんからメールだ・・・・・・」

妹「うん・・・・・・」

兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・メールみてあげて」

兄「うん・・・・・・」

妹「・・・・・・」

347: 2011/12/29(木) 19:28:52.49 ID:ibCqfIx9o
from :妹友
sub  :無題
『妹友です。昨日はありがとうございました。本当は昨日の夜お兄さんからメールが来るかなってちょっと期待してたんですけど。でもお兄さんもずっと運転して疲れていたんでしょうね。
お兄さん、お正月は実家に戻りますよね? もしお兄さんさえよければいっしょに初詣に行きませんか。すごく混んでると思うけど鎌倉に初詣に行きたいな。あ、あと。お兄さんは知っているかわ
かりませんが、彼氏先輩も受験目前なんで『妹断ち』をしてるみたいですよ。こないだ偶然先輩に会ったら寂びしそうに話してました。妹ちゃんもご両親が滅多に家に帰ってこないし、先輩とも会えないし寂しいんじゃないかなあ。お兄さんさえよかったら初詣に妹友ちゃんも誘っていいですか? お兄さんと二人ですごしたい気持ちもありますけど、やはり妹ちゃんは親友だし気になりますから。
じゃあ、お兄さん。今度こそお返事してね(はあと)』



兄「・・・・・・見る?」

妹「いい。お兄ちゃんの彼女からのメールなんだし」

兄「そうだな。初詣に誘われたんだけど」

妹「そう」

兄「おまえと3人で行きたいって」

妹「え? 何であたしも」

兄「彼氏と会えないし親もいないんで寂しいんじゃないかって」

妹「・・・・・・お正月はお母さんたち帰って来るんじゃないかな」

兄「え? 帰るって言ってるんじゃねえの」

妹「はっきり言われてはいない。多分お仕事が忙しすぎてまだ帰れるかわからないんだと思う」

兄「じゃ、おまえも一緒に来い。妹友が気を遣ってくれてんだから」

妹「・・・・・・お兄ちゃんはそれでいいの?」

兄「ああ。っていうかおまえが来てくれた方が嬉しいよ」

妹「・・・・・・ありがと」

兄「礼を言うなって。だいたいおまえみたいな子を夜とかに一人で放っておく方が心配だし」

妹「あたしみたいなってどういう意味?」

兄「あ、うん。おまえ、その、か、可愛いし。何かあったらと思うと」

妹「・・・・・・うん」

兄「(顔を真っ赤にしてうつむいちゃった)じゃあ、決まりな。あとで妹友からお誘いがあると思うよ」

妹「うん」

兄「じゃ、おれちょっとメールに返信するから」

妹「あたしはお部屋片付けるね」

兄「おう」

348: 2011/12/29(木) 19:30:11.30 ID:ibCqfIx9o
自宅 夜


妹「お兄ちゃん、お風呂空いた」

兄「うん」

妹「出る時にお湯抜いてスイッチ切っておいて」

兄「浴槽洗っとこうか」

妹「明日あたしがするからいい」

兄「掃除とか全部おまえにさせちゃってるよな、まあ、前からだけど。悪いな」

妹「・・・・・・お兄ちゃんがそんなこと言うの初めてだね」

兄「まあ、そもそもおまえとはろくに話ししなかったしな」

妹「何か変な感じ」クス

兄「まあな・・・・・・風呂入ってくるわ」

妹「うん」


ガチャ


兄「(やっぱこいつ俺の部屋に来てたか)何見てるの?」

妹「バラエティ」

兄「面白いの? それ」

妹「面白いよ」

兄「(じゃあ、笑えよ)隣座っていいか」

妹「うん・・・・・・お兄ちゃんのベッドじゃん」

兄「そういう意味じゃねえよ」

妹「わかってるよ」

兄(何なんだ)

349: 2011/12/29(木) 19:31:58.02 ID:ibCqfIx9o
妹「さっき妹友ちゃんから電話あった」

兄「そうか。何だって?」

妹「大晦日の夜中から初日の出と初詣に一緒に行こうだって」

兄「え? 元旦からじゃなくて31日の夜からでかけるのか」

妹「妹友ちゃんが二人で計画立てちゃおうっていうから。勝手に決めちゃったけど」

兄「ああ。別にいいよ(こいつと妹友が俺を挟んで仲良くっしてくれるならそれに越したことはないからな)」

妹「紅白と行く年来る年が終ったら出かけようって」

兄「いいよ。電車で行くの?」

妹「お兄ちゃん、車出してくれる?」

兄「いいけど、混むぞ」

妹「妹友ちゃんは混んだ方がそれっぽくていいって」

兄「ふ~ん。鎌倉は正月中は市内に車で入れないから、どっかに車停めておくようだな」

妹「そうなんだ」

兄「・・・・・・おまえさ。俺と妹友と3人で出かけるのって、気まずいとかそういう感じする?」

妹「最初はそう感じてたけど。でも電話で妹友ちゃんと普通にお兄ちゃんの話もできたし」

兄「そうか。よかったな」

妹「お兄ちゃんは?」

兄「え」

妹「お兄ちゃんは、あたしと妹友ちゃんと一緒に出かけることどう思ってるの」

兄「・・・・・・正直ちょっとツライ気持ちもある」

妹「ごめん」

兄「だから謝るなって」

妹「あたし、家に居ようか」

兄「そうじゃねえよ。俺がツライって言ったのはだな」

妹「・・・・・・うん」

兄「別に妹友と二人きりになれないからとかじゃなくて」

妹「・・・・・・え?」

兄「俺、ついこないだまでおまえのことを自分の彼女にしたかったからさ」

妹「・・・・・・」

兄「だから。今の彼女とおまえと並んだ時に、自分がどう考えるかなとか思うと」

妹「そか」

兄「うまく言えねえけど、そんなとこ。それでもおまえを一人で家に居させたくねえから。だから、おまえも一緒に来い」

妹「うん・・・・・・。わかった」

兄「・・・・・・(やっぱり気が重いけど。妹を一人にできないしな)」

350: 2011/12/29(木) 19:32:55.06 ID:ibCqfIx9o
3レス投下。今日はまた後で投下します

次レスから初日の出と初詣のシーンに入ります

355: 2011/12/29(木) 21:40:04.01 ID:ibCqfIx9o
12月31日 夜 リビング


妹「お兄ちゃん」

兄「あいよ」

妹「紅白もう終った?」

兄「さあ? テレビ見てなかった」

妹「リビングで何してたの?」

兄「リビングのパソでVIP見てた」

妹「ヴィップ? よくわかんないけど、ネットしてたってこと?」

兄「まあ、そんなとこ」カチ

妹「お蕎麦できたんだけど、食べる?」

兄「うん」

妹「じゃあ、ちょと待ってて」

兄「うん(・・・・・・妹の料理能力の弱さには定評があるわけだが)」

兄(蕎麦って、今日一緒に近所の手打ちそば屋に買いに行ったやつだし)

兄(茹でるだけだからさすがに失敗しないと思うけど)

兄(そば汁も付いてるやつだしな)

兄(おせち料理も母さんが予約してたのが勝手に届いてたみたいだし)

兄(とりあえず明日から餓氏する心配はなくなった)

兄(でも・・・・・・。二人っきりの家で甲斐甲斐しく飯の支度する妹か)

兄(・・・・・・ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ幸せを感じる)

兄(ここ数日、妹はやけにまめに俺の世話を焼きたがったし)

兄(今まで寂しかった反動だとしても。それを心地よく感じて楽しんでいる俺がいる)

兄(・・・・・・深く考えるのはよせ。妹は大切だけど、俺の彼女は妹友だ)

兄(笑い話にしちまえ・・・・・・VIPにスレでも立てるか)

兄(『家に二人きりでいる妹がやけに俺の世話を焼きたがる件』)カチカチ

356: 2011/12/29(木) 21:41:21.09 ID:ibCqfIx9o
兄(よし、立った)カチ

兄(・・・・・・)

兄(レス付いたかな?)カチ

兄(・・・・・・『妄想乙』『レス乞食きめえよ』『妹うp』『釣銭マダア?』『爆発のAAはよ』『どうせ超絶ブスな妹なんだろワロスワロス』)

兄(うちの妹を超絶ブスとかふざけんな。うpしたらお前ら手のひらを返すくせに)

兄(まあ、うpとか絶対しないけどな)

兄(それにしても一人くらいkwskとか書き込めよ)

兄(もういいや。このスレは放置だ)

妹「お兄ちゃん、ちょっとテーブルのお皿どけて」

兄「あ、ああ」

妹「二人分をひとつのお皿に盛っちゃったけどいいよね」

兄「おまえがよけりゃ別に」

妹「うん、あたし一人分食べられないと思うし」

兄「まあ、俺は蕎麦は大好きだし」

妹「あたしは暖かいおそばのほうが好きかな」

兄「じゃあ、そうすればよかったのに」

妹「お兄ちゃんはざる蕎麦とか盛り蕎麦とかの方が好きだから」

兄「え」

妹「これがそば汁ね。あとネギとわさび」

兄「うん(こいつ俺の好みなんていつのまに)」

妹「じゃ、いただきます」

兄「いただきます(本当にこいつ、ろくに口も聞かなかった昔から俺のこと気にしてたのかな)」ズルズル

妹「・・・・・・やっぱり手打ちって美味しいね。おそばの香りがする」

兄「う、うん(何だこれ? 茹ですぎで腰が全くないっていうか、ぐにゃっとした食感が気持ち悪い)」

妹「うん、おいしい♪」

兄「そうだな(せっかくの手打ち蕎麦が。これ絶対遺伝だろ。母さんがお湯入れるカップラーメンもぐにゃぐにゃだし)」

妹「ふう。ごちそうさま」

兄「え? もう食べないの」

妹「うん。最近、お兄ちゃんと一緒に三食ちゃんと食べてるから」

兄「うん」

妹「普段より食べ過ぎてるせいか、あまりお腹空かなくて」

兄「そうか・・・・・・」

妹「残り、全部食べておいてね。せっかくの手打ち蕎麦なんだし」

兄「うん(せっかくの手打ち蕎麦が。お店の人ごめんなさい)」

357: 2011/12/29(木) 21:42:05.91 ID:ibCqfIx9o
兄「じゃ、そろそろ出かけるか」

妹「うん。あ、今日は3人だからお兄ちゃんの車じゃなくてお父さんの車で行こう」

兄「あ、そうか。じゃ、父さんの車のキー取ってこなきゃ」

妹「うん。その間に妹友ちゃんに電話しとくね」

兄「火は全部消したか」

妹「大丈夫だよ。あとは鍵を閉めれば」ピポパ

妹『妹友ちゃん? これから家を出るからね。うん、20分くらい?』

妹『え? 妹友ちゃん、着物着てるの? 自分だけずるーい。あたしにも言っておいてくれたらよかったのに』

妹『・・・・・・冗談だよ。あたしは別に、着物着ても彼氏先輩に見せられるわけじゃないし』

妹『お兄ちゃん? お兄ちゃんが見たいのは妹友ちゃんの晴れ着姿でしょ』クスクス

妹『うん、お兄ちゃんには話してある。鎌倉ってお正月は車で市内に入れないんだって』

妹『そうそう。だからどっかで駐車場に入れて』

妹『そうだね。じゃあ、後でね』ピ

妹「じゃあ、行こうか。お兄ちゃん」

兄「ああ。父さんの車のキー持ってきたけど」

妹「どうしたの」

兄「ガソリン入ってるといいな。この車でかいだけにすごく燃費悪いんだよな」

妹「・・・・・・最近、お父さん車に乗ってないから、ガソリン入ってないかも」

兄「まあ、いいや。乗れよ」

妹「うん」

兄(え?)

妹「どうかした? お兄ちゃん」

兄「いや・・・・・・やっぱガソリン入れねえと駄目だな、こりゃ(おい。こいつ自然に助手席に座ったけど)」

妹「お兄ちゃん、お母さんから預かってるお金があるからガソリン入れるのにこれ遣って」

兄「いや、おまえも一人暮らししてるうなもんだし、金は持っとけ。ガスは俺が入れるから(妹友は後部座席になるよな?)」

妹「うん。ありがと」

兄「じゃ、行くぞ(本当にそれでいいのかな。でも、妹友がいるから後部座席に乗ればとは言いづらい」」ブルーン

358: 2011/12/29(木) 21:42:36.84 ID:ibCqfIx9o
ドライブ中


兄「おまえさ」

妹「うん」

兄「生活費とか小遣いとかどうなってんの」

妹「前は電話のところに現金が置いてあったんだけど」

兄「そうだったな。今は違うのか」

妹「ほとんど家に帰って来れなくなってからは」

兄「うん(一人きりとか。こいつには本当に寂しい思いをさせたんだな)」

妹「お兄ちゃんが家を出て一人暮らし始めた時に」

兄「うん(今となっては一人暮らし始めたことに罪悪感しか感じねえ)」

妹「お兄ちゃんの銀行口座とかカードとか作ったでしょ」

兄「仕送り用のやつか」

妹「その時あたしの口座も作ってくれて」

兄「そうっだったのか」

妹「電話のとこのお金無くなったらその口座からおろしなさいって」

兄「うん(これって高校生の女の子を一人暮らしをさせてるのと同じだよな。考えれば考えるほどこいつのことが可愛そうになってくる)」

妹「だから、今日の費用とかお兄ちゃんが厳しかったらあたしに言ってね?」

兄「・・・・・・」

妹「あたしのお小遣いもこの口座に振り込まれてるって。あまりお金使わないから、結構貯まってるし」

兄「妹・・・・・・(何かたまらないほどこいつのことがいとおしい)」ギュ

妹「・・・・・・お兄ちゃん?」

兄「あ、悪い」

妹「片手ハンドルって危なくないの?」

兄「・・・・・・そうだな(やっぱだめか)」ホドキ

妹「・・・・・・そのままで」ギュ

兄「え」

妹「お兄ちゃん、そのままもう少し手を握っていて・・・・・・妹ちゃんの家に着くまででいいから」

兄「・・・・・・うん」ギュー

359: 2011/12/29(木) 21:45:49.58 ID:ibCqfIx9o
妹友の家


兄「着いたけど」

妹「うん」

兄「どうしようか」

妹「どうするって?」

兄「いや。メールで呼び出そうか」

妹「何で? 普通に迎えに行けば?」

兄「いやいや」

妹「え?」

兄「まだ妹友の家族に会ったことねえし。いきなり夜中にチャイム押すとかハードル高すぎだろ」

妹「妹友ちゃんの家族を気にしてるの? お兄ちゃんなら平気じゃない?」

兄「どういう意味?」

妹「お兄ちゃんって、あたしの彼氏みたいに親に紹介しづらい人じゃないし」

兄「へ? 何の話だよ」

妹「何でもない。じゃあ、あたしが迎えに行って来るね」

兄「すまん。恩に着るよ」

妹「別にいいよ。これくらい」ガチャ



妹友「あ、やっぱり来てた」

妹「妹友ちゃん。今から呼びに行こうとしてたとこ」

妹友「車の音が聞こえたから。妹ちゃん、来てくれてありがと」

妹「・・・・・・妹友ちゃん、きれい」

妹友「着物のせいだよ。お兄さん、こんばんは」

兄「ああ、こんばんは。きれいな着物だね」

妹友「本当にそう思ってます?」クス

兄(あ)

妹友「あ・・・・・・」カァ

360: 2011/12/29(木) 21:46:19.90 ID:ibCqfIx9o
回想


兄「ごめん。俺初めてだったから、下手だったでしょ」

妹友「あたしだって初めてだし。上手とか下手とかわからないです」

兄「それはそうだね」

妹友「はい。でも・・・・・・」

兄「うん」

妹友「思ってたより痛くなくて」

兄「うん」

妹友「とっても素敵でした。お兄さん?」

兄「うん」

妹友「愛してます。ずっと一緒にいてね」スリスリ

兄「もちろん。愛してるよ」ダキ

回想終了


妹「・・・・・・」

兄「あ、あのさ」

妹友「は、はい!」

兄「外寒いだろ? とりあえず乗れば?」

妹友「うん」

妹「・・・・・・あ」

兄「どうした、妹」

妹友「どうしたの? 妹ちゃん」

妹「・・・・・・ごめん」

兄・妹友「え?」

妹「ごめんね。深く考えないでお兄ちゃんの隣に座っちゃった」

妹友「何言ってるの。そんなこと、あんまり気にしないでよ」クス

妹「今、後ろに移るから。妹友ちゃん、助手席に座って」

妹友「いいよ。あたしは後ろの席に座るから、妹ちゃんはそのまま座ってて」

妹「・・・・・・でも」

妹友「はい、もうこの話はおしまい。お兄さん、渋滞すると思いますから早く行きましょう」

兄「お、おう」

379: 2011/12/30(金) 17:41:58.05 ID:6vGNWC+eo
車内


兄「やっぱ混んでるよな。これ、初日の出に間に合うのかな」

妹友「思ってたより渋滞してますねえ。前はここまで渋滞してなかったような」

妹「・・・・・・」

兄「そうなんだ。前にも来たことあるんだね」

妹友「・・・・・・あ。え、ええ。まあ」

兄「?」

妹「・・・・・・お兄ちゃん、前の車動いたよ」

兄「お」

妹「妹友ちゃん、着付けってどうしたの」

妹友「うん。お母さんが行っている美容院でしてもらった」

妹「時間かかったでしょ?」

妹友「そうなのよ。早起きして着付けしてもらったから眠いよ」フワ

妹「着物って大変だよね。でも、すごく似合ってる」

妹友「ありがと」チラ

兄「・・・・・・」

妹「お兄ちゃん」

兄「うん? どうした」

妹「似合ってるよね」

兄「(あ、そうか)うん。最初見た時から思ってたけど、すげえ綺麗だ。妹友って普段からお洒落だけどこういうのも似合うのな」

妹友「もう・・・・・・無理して誉めなくてもいいですよ」

兄「無理なんてしてないって」

妹友「でも、ありがと。嬉しいです」

兄「い、いや」

380: 2011/12/30(金) 17:42:37.24 ID:6vGNWC+eo
妹友「でも本当に動かないですねえ。これは初日の出は無理かな」

兄「まあ、着いたとしてもこの分じゃ駐車場に入れるだけで1時間かそこらは並びそうだよな」

妹友「何かごめんなさい。無理な計画立てちゃって」

兄「いや。別に初詣するだけでもいいじゃん」

妹友「・・・・・・はい。お兄さんって本当に優しいですね。妹ちゃんがブラコンになっちゃう気持ちもわかるなあ」

兄「何言ってるの」ドキ

妹友「ねえ、妹ちゃん。お兄さんって普段からこういう感じなの?」

妹「こういう感じって?」

妹友「やさしいとこ」

妹「・・・・・・それはもう妹友ちゃんの方が詳しく知ってるんじゃない?」

妹友「やだ、そんなことないよ。まだ、お付き合い始めたばかりだし」

妹「・・・・・・普段からあたしには優しいよ、お兄ちゃんは」

兄「・・・・・・(こいつ、妹友の前で何言ってんだよ。まるで惚気てるみたいじゃねえか)」

妹友「・・・・・・え」

妹「お兄ちゃんとちゃんと話せるようになったのは最近だけどね」

妹友「ふふ。やっぱり学校のみんなが言ってるとおりだね」

妹「何が?」

妹友「ブラコン」

妹「・・・・・・そうかもね」

妹友「話し変るけどさ。来年の模試って」

兄(ようやく話が変った・・・・・・)

兄(何、この微妙な緊張感・・・・・・。家に帰るまで俺のライフは持つのかな)

381: 2011/12/30(金) 17:47:16.50 ID:6vGNWC+eo
鶴岡八幡宮


妹友「結局、初日の出は車の中でしたね」

兄「せめて海岸線の国道までたどり着いてればよかったんだけどな」

妹友「ふふ。ビルの間から日の出ですもんね」

兄「まあ、それでも駐車場に入れたし」

妹友「でも、ここも行列ですね」

兄「ああ。結構並びそうだけど、妹友ちゃん、その格好でずっと立ってるのつらくない?」

妹友「あ、大丈夫です。でも、疲れたらお兄さんに寄りかかってもいいですか」

兄「おう。遠慮すんな」

妹友「冗談ですよ。着物って意外と楽なんですよ、姿勢もよくなるし」

兄「そうなんだ。でも、本気で時間かかりそうだぜ」

妹友「3人でお話していればすぐですよ。ねえ、妹ちゃん」

妹「そうだね」

兄(仲いいんだよな? こいつら)


1時間後


妹友「あ、ようやくお賽銭箱が見えてきたよ。妹ちゃん」

妹「もうすぐだね」


1時間半後


兄「見えてからが意外と長かったな」

妹友「やっとお参りできましたね」

兄「おみくじ買う?」

妹友「はい・・・・・・でもまた並ぶんですね」

兄「まあ、しゃーないね。ほら諦めて並ぼう」

妹友「はい。妹ちゃん、おみくじ買おうよ」

妹「・・・・・・」ジー

妹友「妹ちゃんどうしたの」

妹「あれ、委員長ちゃんじゃないかな」

382: 2011/12/30(金) 17:48:47.51 ID:6vGNWC+eo
妹友「あ、本当だ。委員長ちゃんも来てたのか」

妹「え」

妹「・・・・・・先輩?」

兄「何かあいつら手繋いでるんじゃ・・・・・・」

妹「・・・・・・先輩と委員長ちゃんが」

兄(やばいとこ見かけちゃったな。こいつショックだろうな)オロオロ

妹「・・・・・・」

兄(ど、どうすりゃいいんだ)

妹「・・・・・・行こう」

兄「行こうって、あいつに声かけなくていいのか」

妹「・・・・・・いい。おみくじももういい。帰ろ」

兄「・・・・・・まあ、おまえがそれでいいなら。妹友もいい?」

兄(え? な、何だ)

妹友「・・・・・・」

兄(妹友、怖い顔して固まってる・・・・・・つうか泣いてるじゃん)

妹「・・・・・・妹友ちゃん?」

兄(妹が泣くならわかるけど、何で妹友が泣くんだ?)

兄「妹友どうした?」

妹友「・・・・・・」

兄「妹友? 大丈夫か」

妹友「・・・・・・るさ・・・・・・」

兄「え?」

妹友「うるさい! あたしのことは放っておいてよ!」

386: 2011/12/30(金) 19:26:35.15 ID:6vGNWC+eo
兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・」

妹友「あ・・・・・・。ごめんなさい」

兄「い、いや」

妹友「大きな声を出して本当にごめんなさい、お兄さん」

妹「・・・・・・妹友ちゃん、大丈夫?」

妹友「ごめんね妹ちゃん。あたし、一人で電車で帰るから」

兄「・・・・・・どうして」

妹友「ごめん。妹ちゃん、あんな先輩を見てショックだったでしょ」

妹「・・・・・・」

妹友「お兄さん、妹ちゃんをしっかり慰めてあげてくださいね。じゃあ、これで」

兄「おい・・・・・・」



帰りの車内


兄(何が何だかわからねえ)チラ

妹「・・・・・・」

兄(うつむいて何か考えているのみたいだ)

兄(こいつも自分の彼氏の浮気現場に遭遇しちゃったんだから相当ショックだろうけど)

兄(・・・・・・それよりわからないのは、さっきの妹友の態度だ)

兄(何かにショックを受けたんだろうけど。だからと言ってうるさいなんて怒鳴る子じゃないのに)

兄(うん? そういや)


回想

妹「うん。お兄ちゃん、妹友ちゃんのことどう思う?」

兄「どうって・・・・・・別に。知り合ったばっかだし」

妹「優しくて思いやりがあって礼儀正しくてお兄ちゃんに好意を持ってるとかって思っていない?」

兄「俺に好意を持ってるかどうかは知らないけど、それ以外はそのとおりだと思ってる」

妹「それ全然逆」

回想終了


兄(・・・・・・)

兄(そういや・・・・・・この間も)


回想

妹「・・・・・・あたし、妹友ちゃんのこと好きだから」

兄「それはわかってる」

妹「お兄ちゃんは妹友ちゃんのこと、まだ本当には理解できてないと思うけど」

兄「何でだよ」

回想終了

387: 2011/12/30(金) 19:27:45.00 ID:6vGNWC+eo
兄(優しくて礼儀正しくて思いやりがあって)

兄(・・・・・・もしかして、俺すげえ勘違いしてるのかも)

兄(何かこれ以上は考えるのが怖い)

兄(・・・・・・次に妹友に会えば何か話してくれるだろうし、思考停止しとこうか)

兄(・・・・・・)

兄(・・・・・・だめだ、妹友のこと考えるのを止められねえ)

兄(妹友は本当に俺のことが好きなんだろうか)

兄(・・・・・・自分では妹友にベタ惚れされてるって自惚れてたけど)

兄(本当は全く俺のことなんか好きじゃなかったのかもな)

兄(でも、じゃあ。一体あれは何だったんだ)


回想

妹友「お兄さんと一緒にいるためなら後悔してません」ヨリソイ

兄「・・・・・・え」ドキ

妹友「お兄さん、抱いて」ダキツキ

兄「妹友・・・・・・(え、え。思ってたとおりの展開になるの?)」ギュ

妹友「お兄さん、好きです」

回想終了


兄(とか)


回想

妹友「それに昨日は・・・・・・」

妹友「・・・・・・」カァ

兄「(顔真っ赤だ。可愛い)ごめん。俺初めてだったから、下手だったでしょ」

妹友「あたしだって初めてだし。上手とか下手とかわからないです」

兄「それはそうだね」

妹友「はい。でも・・・・・・」

兄「うん」

妹友「思ってたより痛くなくて」

兄「うん」

妹友「とっても素敵でした。お兄さん?」

兄「うん」

妹友「愛してます。ずっと一緒にいてね」スリスリ

回想終了

388: 2011/12/30(金) 19:30:06.11 ID:6vGNWC+eo
兄(好きじゃない男に抱かれるわけがないじゃないか。それに妹友は初めてだったんだぞ)

兄(そうだよ。錯覚じゃない、妹友は俺のこと好きなんだ)

兄(・・・・・・でも、本当にそう言えるのか)

兄(さっき、うるさいって怒鳴った妹友には俺への愛情のかけらも感じられなかった)

兄(妹友と付き合い出した頃から何かひっかかってたこと)

兄(積極的な行動、剥き出しの好意、礼儀正しい言葉遣い)

兄(理想的な彼女だよな。でも)

兄(この年になるまで女と付き合ったことがない俺にいきなりそんな完璧な恋人ができるわけないじゃねえか)

兄(演技してたのか? 俺のことが大好きなふりをしてたのか)

兄(・・・・・・じゃあ、何で俺に抱かれた?)

兄(そこまでして何で俺に近づいたんだ)

兄(・・・・・・)

兄(だめだ。思考がループしてる。そんなことより妹のことを第一に考えよう)

兄(妹だって俺以上につらいはず)

兄(・・・・・・手を)ギュ

妹「・・・・・・あ」ギュー

兄「(手を強く握り返してきた)おまえ、大丈夫か」

妹「うん。よくあることだし、先輩、もてるから」

兄「へ?」

妹「今までもあたしに隠れて他の女の子と遊ぶことなんてよくあったもん」

兄「おまえなあ。堂々と彼氏に浮気されて黙ってるんじゃねえよ」

妹「・・・・・・あたしも」

兄「うん?」

妹「あたしも先輩のこと非難できる立場じゃないし」

兄「(あ)それって」

妹「そう。あたしもお兄ちゃんと浮気してたようなものだし」

兄「・・・・・・そうか」

妹「うん」

兄「おまえ、彼氏と付き合い続けるの?」

妹「わかんない」

兄「わかんないって、おまえ」

妹「今回は相手が委員長ちゃんだったし。あ、委員長ちゃんって先輩の幼馴染なのね」

兄「うん」

妹「だから、今回は浮気じゃなくて本気かもしれないね」

兄「・・・・・・おまえ、他人事みたいに」

妹「ねえ、お兄ちゃん」

兄「ああ」

妹「今日、何も食べてないからおなか空いちゃった」

兄「そういや、もう3時近いな。どっかで飯食ってくか」

妹「うん」ニコ

兄(こんな時によく笑えるな、こいつ)

389: 2011/12/30(金) 19:41:00.48 ID:6vGNWC+eo
ファミレス


妹「あたし、オムライスと食後にいちごパフェ食べよ」

兄「(食欲ねえなあ)俺は、コーヒーでいいや」

妹「何か食べなきゃ駄目だよ。今日何も食べてないんだから」

兄「だって、食欲ねえし」ハァ

妹「・・・・・・お兄ちゃん」

兄「うん」

妹「・・・・・・さっきの妹友ちゃんの態度、驚いたでしょ」

兄「・・・・・・うん」

妹「多分、お兄ちゃんの考えているとおりだと思う」

兄「え?(何それ恐い)」

妹「妹友ちゃんって見かけどおりの子じゃないし」

兄「お、おまえは」

妹「なあに?」

兄「おまえは、何か知ってるのか」

妹「うん・・・・・・。でもお兄ちゃんに言う方がいいのかどうかはわからない」

兄「なあ、頼むよ。おまえが彼氏と大変な時にこんなこと頼んで悪いけど」

妹「・・・・・・それは別にいいよ」

兄「生まれて初めて付き合った子なんだ・・・・・・。それは俺だっておまえを好きになって妹友を裏切ったのかもしれねえけど」

妹「・・・・・・」

兄「でも、妹友のことを好きだって思った気持ちには嘘はねえんだよ」

妹「・・・・・・そうか」

兄「・・・・・・」

390: 2011/12/30(金) 19:43:30.38 ID:6vGNWC+eo
妹「妹友ちゃんはね、入学した時からずっと彼氏先輩に憧れていたの」

兄「やっぱりそうか・・・・・・」

妹「でも・・・・・・、先輩は、あたしのことがずっと気になっていて」

兄「・・・・・・うん」

妹「あたしもその頃一番寂しかった時期で」

兄(あ)

妹「家にはお母さんもお父さんもいないし」

兄「・・・・・・」

妹「大学に入ったばかりのお兄ちゃんも滅多に家にいないし、いても自分の部屋でゲームとかしてるし」

兄「(当時の俺をぶん殴ってやりてえ。こいつをそんなに寂しいまま放置してたなんて)悪かった」

妹「もういいの。それに今はあたしの話じゃないし」

兄「うん」

妹「それで、先輩って人気もあったし。告白された時に思わずはいって返事しちゃって」

兄「・・・・・」

妹「妹友ちゃんの気持ちも知ってたのに・・・・・・悪いことしちゃったの」

兄「そうだったのか」

妹「それでも妹友ちゃんは自分の気持ちを隠して祝福してくれた」

妹「妹友ちゃんは完璧な人間じゃないよ。嫉妬もするしずるいこともするし人のことを傷付けもする」

兄「ああ」

妹「でも、あの時はあたしに気を遣ってくれて、よかったねって言ってくれた」

妹「だから、あたしは妹友ちゃんの親友なの」

兄「うん」

妹「雨の日にお兄ちゃんが学校まで迎えに来てくれたでしょ?」

兄「ああ、妹友に初めてあった日ね」

妹「そう。その時、それまで先輩以外に関心を示さなかった妹友ちゃんが、初めてお兄ちゃんのメアドを教えてって」

兄「そうだったな」

妹「本当はお兄ちゃんが女の子と付き合うの嫌だった。でも、妹友ちゃんがあの日以来初めて自分から行動を起こそうとしていたし」

兄「・・・・・・」

妹「あたしは、応援するしかなかったの」

兄「・・・・・・(こいつも辛かったのか)」

391: 2011/12/30(金) 19:54:50.73 ID:6vGNWC+eo
妹「お兄ちゃんと妹友ちゃんが付き合い出して、お泊りもする仲になったし」

兄「・・・・・・」

妹「だから、もう大丈夫だと思った・・・・・・寂しかったけど、妹友ちゃんからメールを貰った時、もうお兄ちゃんとああいうことをするのは止めようと思った」

兄「・・・・・・うん」

妹「でも、またわからなくなちゃった」

兄「俺にもわからねえよ。今の話だと妹友は俺のこと好きになったってことだろ?」

妹「うん」

兄「さっき、おまえの彼氏のほうを睨んでいた表情とか、俺にうるさいって叫んだ声とか」

妹「・・・・・・」

兄「絶対好きな男に対する態度じゃねえよ。女性経験なんて無いに等しい俺でもそれくらいはわかるよ」

妹「そうだね」

兄「妹友はまだおまえの彼氏に未練がある?」

妹「・・・・・・多分」

兄「おまえは親友だしおまえなら許せたけど、委員長って子と付き合うのは我慢できなかった?」

妹「違うと思う」

兄「何で? おまえと彼氏のことは祝福してくれたんだろ?」

妹「今日ね、妹友ちゃんを見て、きっと、あたしのことも本当に許してないんだと思った」

兄「え?」

妹「お兄ちゃんごめんね」

兄「何でおまえが謝る」

妹「妹友ちゃんがお兄ちゃんと付き合ったのは、あたしへの復讐だったんじゃないかって思う」

兄「!」

妹「あたしが一番大切にしている人が誰か、妹友ちゃんは知ってたし。大切な人を奪って行ったあたしに、同じ想いをさせたかったのかも」

兄「じゃ、じゃあ」

妹「多分、妹友ちゃんが好きなのはお兄ちゃんじゃなく」

兄「・・・・・・」

妹「妹友ちゃんは今でも先輩のことしか好きじゃない」

403: 2011/12/30(金) 23:39:24.98 ID:6vGNWC+eo
兄「・・・・・・そうか」

妹「ごめんね、お兄ちゃん。こんなことに巻き込んじゃって」

兄「何度も謝るなよ。どっちかって言うとおまえも被害者なんだから」

妹「・・・・・・ありがと」

兄「それによ」

妹「うん」

兄「これを言うとおまえに嫌われそうだけどさ」

妹「・・・・・・うん」

兄「妹友の本当の気持ちを知ってショックだったけど。俺、少しだけほっとしているかも」

妹「え? 何で」

兄「俺さ、妹友の告白にOKしたその日におまえと、その」

妹「・・・・・・あたしとペッティングしたこと?」

兄「そうはっきり言うなよ」

妹「ああ、ごめん」

兄「それって結構罪悪感感じててさ。妹友と一緒にいてもいつも重く心にのしかかってて」

妹「そう・・・・・・」

兄「でも、妹友が俺を利用しているだけだとしたら、そんなに罪悪感感じなくてもいいからさ」

妹「・・・・・・うん」

兄(辛いはずなのにほっとしている、か。これから俺たちってどうなるんだろうなあ)

兄(って、あれ)

兄(・・・・・・何か変だな)

兄「あのさ」

妹「うん」

兄「妹友が俺に近づいた目的は多分おまえへの嫌がらせだったとしても」

妹「うん」

兄「効率悪すぎね?」

妹「効率って? どういうこと??」

兄「効率じゃねえかな。何ていうかさ、妹友っておまえに嫌な思いをさせるだけの目的だけのために、俺に抱かれたりとかするかな? 高校生の女の子がさ(出血もしたし処Oだったのは間違いな
いしな)」

妹「・・・・・・そう言われればそうだね」

兄「何か他にも目的とかあるんじゃねえか?」

妹「お兄ちゃんに少しでも気があったってこと?」

兄「ち、違うよ。そうじゃなくて他にも何か狙いがあったんじゃねえかって」

妹「うーん。何だろ?」

兄「わかんねえけど」

妹「・・・・・・」

404: 2011/12/30(金) 23:40:11.48 ID:6vGNWC+eo
兄「まあ、妹友の目的が何にせよ、俺の人生初の恋人は最初から俺のことを好きにじゃなかったってことだな」

妹「お兄ちゃん」ギュ

兄「だからそこで手を握るとか優しくするなよ・・・・・・また勘違いしちゃうだろ」

妹「別に勘違いじゃないんだけど」ボソ

兄「え? 悪い、聞こえなかった」

妹「お兄ちゃん、妹友ちゃんと別れるの?」

兄「別れるって・・・・・・。もう連絡も来ないだろ」

妹「それはわからないよ。ここで話してることって妹友ちゃんは知らないわけだし」

兄「え」

妹「普通に昨日はごめんなさいって言われたらどうするの?」

兄「・・・・・・わかんねえ」

妹「やっぱり妹友ちゃんに未練ある?」

兄「・・・・・・おまえは?」

妹「え?」

兄「おまえ、さっきわかんないって言ってたけどよ」

妹「・・・・・・うん」

兄「今日目撃されてることって、妹友が話さなきゃあいつら気づいてないじゃん」

妹「そうだね」

兄「何も無かったようにあいつと付き合うの?」

妹「・・・・・・・」

兄「それとも、あいつの浮気を咎める?」

妹「・・・・・・わかんない」

兄「・・・・・・」

妹クス

兄ハハ

兄「そうだよな。考えたって仕方ないか」

妹「うん・・・・・・。お兄ちゃん?」

兄「うん」

妹「あたし、やっぱり」

兄(え?)

妹「・・・・・・お兄ちゃんのことが好き」

405: 2011/12/30(金) 23:40:55.87 ID:6vGNWC+eo
自宅


妹「お兄ちゃん、お風呂入っちゃって」

兄「おう(あんなことがあったのに。こいつ本当に普段とと態度変んねえな)」

兄(妹は、寂しくて彼氏と付き合い出したみたいなこと言ってたけど)

兄(でも、学園祭の日には普通に彼氏とキスしてたし)

兄(少なくともキスする位にはあいつのこと好きだってことだよなあ)

兄(・・・・・・)

兄(少しは彼氏に浮気されて悩まねえのかなあ)

兄(俺のことが好き・・・・・・って)

兄(好きって言うのはいいけどよ。問題はどの程度好きってことなんだけど)

兄(・・・・・・俺って人間として欠陥があるのかな。妹友に裏切られ利用されたっていうのに、妹に好きって言われただけで)

兄(もうあまり妹友のこと気にならなくなっちゃった。今、話したらすぐに許せるくらいに)

兄(やっぱり。俺が本当に気になっているのは・・・・・・)


ブルルル


兄(・・・・・・メール)パカ

兄(やっぱり妹友から)ドキ

兄(・・・・・・・)カチ

406: 2011/12/30(金) 23:43:00.34 ID:6vGNWC+eo
from :妹友
sub :今日はありがとうございました
『遅い時間にごめんなさい。今日は初詣に付き合ってもらってありがとうございました。最後に、ちょっと気持ち悪くなっちゃってお兄さんに失礼な態度をとってしまってごめんなさい。お兄さん
にそういう自分を見せたくなかったので、先に帰らせてもらいました。気を悪くしましたよね? 本当にごめんね。妹ちゃんにも謝っておいてくださいね。それで、明日会えませんか? 今日は中
途半端になっちゃったのでまたお兄さんに会いたいです。できれば妹ちゃん抜きで二人で。ではあまり体調もよくないのでもう寝ます。メールくださいね。おやすみお兄さん。愛してます(はあと
)』


兄(・・・・・・愛してます(はあと)じゃねえよ、ビXチが。まだこの糞ゲームを続ける気かよ)イラ

兄(いったい俺のこと何だと思ってるんだよ。ゲームの駒か? おもちゃか?)

兄(人の純情と童Oを弄びやがって)

兄(・・・・・・・)

兄(・・・・・・どうしようか)

兄(こういう時、俺ってダメダメだな。こんなことされてもまだ)

兄(断ったら妹友が傷つくかもなんて考えるなんて)

兄(・・・・・・・まあ、俺も実の妹に浮気してたわけだし、一方的に妹友を責められる立場ってわけでもないんだけど)

兄(妹に相談するか。情けないけど)

407: 2011/12/30(金) 23:43:37.96 ID:6vGNWC+eo
ガチャ


妹「お兄ちゃん、いい加減にお風呂に入ってよ。掃除できないじゃん」

兄「いいところに来たな。おまえ、ちょっと部屋に入れよ」

妹「え? あ、あの」

兄「うん? どした」

妹「お兄ちゃんのこと、その、好きって言ったけど」カァ

兄「(顔赤くして何言ってるんだこいつ)うん」

妹「お互いにいろいろ整理がつくまでは、前みたいなことしない方がいいと思う・・・・・・それは、あたしだってああいうの嫌いってわけじゃないけど」

兄「・・・・・・お、おまえ何言ってるんだよ?」

妹「え」

兄「何か勘違いしてねえか」

妹「・・・・・・」

兄「・・・・・・」

妹「・・・・・・!」

妹「・・・・・・やだ。恥ずかしい」

兄「(こっちが恥ずかしくて氏にそうだっつうの)いや、それよりこのメール見てくれよ」

妹「あ・・・・・・妹友ちゃん」

兄「おまえが俺へのメール見たくないのは知ってるけど、これだけは見てくれ。それで相談させてくれよ」

妹「うん・・・・・・わかった」

妹「・・・・・・」

兄「見たか」

妹「・・・・・・」

妹「・・・・・・妹友ちゃん、ひどい」ブルブル

兄「・・・・・・・」

妹「あたしの、あたしの」

兄「おい」

妹「・・・・・・あたしのお兄ちゃんを何だと思ってるの」ブルブル

兄「おい、落ち着け」

妹「あたしに復讐したいなら、あたしにひどいことすればいい。何でお兄ちゃんを巻き込むのよ」

兄「・・・・・・」

妹「こんなメール無視していいよ、お兄ちゃんは」

兄「え?」

妹「お兄ちゃんがこれ以上困ることはないよ」

兄「だ、だってよ」

妹「あたしが妹友に会うから」

兄「(呼び捨てにした)え?」

妹「あたしが憎いんだったらあたしに言えばいい」

兄「ちょっと落ちつけ、妹」

妹「妹友のこと・・・・・・絶対に許さない」

兄「おい・・・・・・」

408: 2011/12/30(金) 23:45:06.87 ID:6vGNWC+eo
兄「風呂あがったぞ」

妹「・・・・・・うん」

兄「なあ?」

妹「うん」

兄「少しは落ち着いたか?」

妹「うん・・・・・・」

兄「俺やっぱり明日妹友に会うわ」

妹「・・・・・・お兄ちゃんはもうこんなくだらないことに巻き込まれることないよ」

兄「おい」

妹「あたしのせいで・・・・・・ごめん」

兄「まあ、聞けって」

妹「・・・・・・うん」

兄「俺、おまえのトラブルになら、巻き込まれても本望だぜ」

妹「え?」

兄「おまえが困ってて、俺が犠牲になればおまえが助かるならいくらでもトラブルに巻き込んでくれ」

妹「・・・・・・お兄ちゃん」

兄「おまえの気持ちはすげえ嬉しいけど」

妹「・・・・・・・」

兄「妹友とちゃんと話してくるよ」

妹「・・・・・・・」

兄「一応、あいつ俺の初の彼女だしさ」

妹「・・・・・・うん」

兄「ちゃんと話聞いて、けじめをつけてきたいんだ」

妹「お兄ちゃん・・・・・・」

兄「・・・・・・俺、やっぱりおまえのこと好きみたいだ」

妹「・・・・・・」

兄「キモイ兄だけどさ。やっぱり俺、おまえを俺のものにしたい。誰にも渡したくない」

妹「・・・・・・うん」

兄「だから。妹友とちゃんとけじめつけられたら」

妹「・・・・・・」

兄「おまえも彼氏と別れて俺の女になってくれ」

妹「・・・・・・」

兄「だめか?」ドキドキ

妹「・・・・・・」

兄ドキドキ

妹「・・・・・・うん。それでいいよ」

兄「・・・・・・妹」

妹「あたしもそれでいい」

兄「・・・・・・メールに返信するな」

妹「うん」

妹の手を握るまで 第2部おしまい

410: 2011/12/30(金) 23:48:37.05 ID:6vGNWC+eo
何か予定より書けたので投下しました。キリがよかったので

明日から第3部です

妹の手を握るまで【その3】

引用: 妹の手を握るまで