300: 2008/08/22(金) 17:37:04 ID:scKLDbMA


それはある日突然起こった。

「…宮藤」
「どっ、どうしたんですか、バルクホルンさん」

私が晩ご飯の用意をしていたら、バルクホルンさんが私の後ろから話しかけて来た。ボソッと話しかけるから、ビックリしちゃったよ。

「実はな私はかなりの寂しがり屋なんだ。一人で寝ると汗が滴り落ちるくらい怖いんだ。そこでだ宮藤。今晩は一緒に寝てくれないか?いや、何もしないと約束する。私がお前にそんな事をすると思うか?思わないだろ?というわけで今晩私の部屋に来てくれ。約束だぞ?宮藤」

…バルクホルンさんは私に反論する隙も与えないくらいに早口でまくし立てた。

「…あの、バルクホルンさん…」

私がバルクホルンさんに断りを入れようとすると、横から白い影が私達の間にスッと割って入った。

「ゲルト」
「坂本さん!」
「…なんですか、坂本少佐」
「私の宮藤を軽々しく誘わないで欲しいな」


…『私の』宮藤…?
あの、坂本さん、言葉変じゃないですか…?


「…宮藤が坂本少佐のモノだって言う確証はあるんですか?」
「確証?ハッハッハッ、そんなの愛し合っていれば必要ないだろう、なあ、宮藤?」

…私、坂本さんとそんな関係になった事はないです…。ああ、それよりも焼き魚が焦げるぅ…。

「私はただ夜一人だと寂しいから、宮藤と一緒に寝たいと言っているだけです。坂本少佐のように疚しい気持ちで言っているわけではありません」
「いやいや、(眼帯を外して)お前からは宮藤に×××な事や〇〇〇な事をしたいと思う欲望のオーラが見えるぞ」

…その魔眼、人のオーラも見えるんですか…?
ああ、これは本格的にマズい…。いわゆる“修羅場”ってやつなのかな…。

ストライクウィッチーズ 秘め声CD1
302: 2008/08/22(金) 17:38:36 ID:scKLDbMA

「坂本少佐、どうしたんですか?」
「ああ、ペリーヌか、私とゲルト、宮藤の恋人としてどっちが相応しいと思う?」
「…っ…………」

あ、ペリーヌちゃんが石になった。と思ったら私につかみかかってきて。

「みみみみ宮藤さんっ!貴女っ…坂本少佐と…そんな関係だったんですのっ!?」
「ええええっ!?違う違うっ!あれは坂本さんが勝手に言ってるだけでっ…!」
「許しませんわよっ…!坂本少佐とそんな淫らな行為に耽るなんてっ…!……はっ…でも……///」
「ペリーヌちゃん…?」
「…宮藤さん、私といたしませんことっ!?…宮藤さんと淫らな行為をすれば間接的に坂本少佐に抱かれた事になりますわよねっ!?」
「ならないっ!絶対ならないっ!っていうか私坂本さんに抱かれてないから!」
「ではまず口づけから…///」
「ちょっ…ちょっとペリーヌちゃんっ…」

こっ…これはマズいっ…! こうなったら…!

「リーネちゃぁぁぁぁぁん!!」

程なくしてリーネちゃんがヒョコッと現れた。

「なに?芳佳ちゃん」

私はリーネちゃんの手を引いて

「皆さん聞いて下さいっ!実は私……リーネちゃんと恋人同士なんですっ!」

固まる人。
一気に顔色が良くなる人。
私の視界にはいろいろ映ったけど、今はこの場稼ぎの嘘しかない!

「宮藤…それは本当なのか…?」
「本当ですっ!もうリーネちゃんとは〇〇〇な事をしたり、×××な事をする関係なんですっ!」

あ、坂本さんが砂になった。

「ふふ、やっぱりそうでしたのね、貴女みたいな豆狸と私の坂本少佐がそんな関係のハズありませんもの。あーあ、心配して損しましたわ」

…一番テンパってたのはペリーヌちゃんだけど。
ってペリーヌちゃん、坂本さんをどこに連れて行こうとしてるの…?


303: 2008/08/22(金) 17:40:14 ID:scKLDbMA
「…みんなで何しているのかしら…?」

騒ぎを聞きつけたミーナ隊長がやってきた。笑顔だけどアレは絶対怒ってる。
そして急に慌て出すバルクホルンさん。

「あっ、いや…コレはっ…」
「話に聞く所によると、もともとの原因は貴女らしいじゃない?ゲルトルート・バルクホルン大尉?」
「………はい……」
「…そんな悪い子にはお仕置きが必要ね。…こっち来なさい」

ミーナ隊長はバルクホルンさんの服の襟を掴んで自分の部屋へと入っていった。
数秒後、悲鳴とも喘ぎ声ともつかない声が聞こえたけど、気にしない気にしない。

さて、いろいろあったけど、全て片づいたし(焼き魚は真っ黒だけど)、晩ご飯を作り直さなくちゃ。

ガシッ

私の腕に物凄い強い力を感じた。

「リーネちゃん…?」
「…芳佳ちゃん…意外と大胆だね。こんな所で告白だなんて」
「あっ…いや、アレはあの空気を沈静化させるための嘘で…」
「嘘でも一度言った事には責任を取らなくちゃ、芳佳ちゃん」
「リ、リーネちゃん…?」

ア、アレ、これヤバい?
さすがの私にも分かる。私、もしかしたらリーネちゃんの押しちゃいけないスイッチ、オンしちゃった?

「芳佳ちゃぁん!」
「うっ…痛っ…リーネちゃん…っ…!いやアレは嘘なんだってばっ…」

私はリーネちゃんに押し倒された。その弾みで私は床に頭をぶつけた…ってリーネちゃん服を脱ぎ始めてるんですけど――――!?

「あ、あのねリーネちゃん、私晩ご飯作らなくちゃいけないから、放してくれない…?」
「…晩ご飯はいらないよ。そのかわり」
「…そのかわり…?」
「芳佳ちゃんをいただきます」
「えっ……リーネちゃん…?リッ…リーネちゃぁぁぁぁぁ……!」






304: 2008/08/22(金) 17:43:33 ID:scKLDbMA
~オマケ~

「シャーリー、お腹すいたー」
「おっかしいなぁ…ご飯の時間なのに誰もいないなんて。確か今日の当番は芳佳だったっけか。呼びに行くか」


「おーい、芳佳ぁー。いないのかぁー?おーい、よ…しか……」
「芳佳いたー?…ってなんで私の目隠すのー?」
「…ルッキーニにはまだ早いよ…。まあ簡単に言うと、芳佳は……リーネとお楽しみ中だ……」
「お楽しみちゅー?どーゆー事?ねえシャーリー、教えてよー!」


~オマケのオマケ~

「…ご飯はどうしたんダ?」
「…眠い…」
「っていうかもう夜の12時だよ…? もう寝よ…」
「…サーニャ、私と一緒に寝るか…?」
「…エイラは激しすぎるから…今日はイヤ…」
「………」




こうしてウィッチ達の長い夜は更けていく…。


END




以上です。本当は甘々なやつが書きたかったけどそれはまた別の日にでも。
しかしあんな綺麗なSSのあとにこんな欲望丸出しなSSを投下してスマン…。

さて、爺はここいらでお暇させてもらうのかのう…

引用: ストライクウィッチーズpart2