601: 2008/09/04(木) 00:25:01 ID:c7ciiT6y
[宮藤少女の華麗なる事件簿]
「クリス!!今日はこの前言っていた宮藤を連れて来たぞー!」
ゲルトルート・バルクホルンは病院だというのに騒々しい。その顔には満面の笑み。
芳佳は申し訳なさそうに苦笑いしながら、バルクホルンの後ろからひょっこりと顔を出す。
「いらっしゃい、宮藤さん、お姉ちゃん。」
ベッドでクリスが微笑む。
―――なっ・・・・宮藤が先に呼ばれるだとっ・・!
「クリス!何でお姉ちゃんを先に呼んでくれないんだ!!」
バルクホルンは病室に入るなり、猪のようにクリスに駆け寄り、詰問する。
いつもの態度と違うバルクホルンに、芳佳は驚きを隠せない。
あまりの衝撃にクリスに挨拶するのと土産を渡すのも忘れ、クリスに尋ねる。
「あの・・クリスちゃん、バルクホルンさんってクリスちゃんと話すときはいつもこんな感じなの・・?」
「あ・・あははは・・・・」
クリスの笑顔が引き攣っている。当のバルクホルンは、芳佳の発言など全く意に介していない――というかいっぱいいっぱいのようだ。
「いや、ね?お見舞いに来てっ下さったとはいえ、初めて会うお客様だからね?」
「そ、そうか・・・。」
芳佳はバルクホルンの変貌ぶりに吹き出しそうになるのを涙目になって堪えながら、
やっとの思いでクリスに挨拶する。
「初めまして、宮藤芳佳です!芳佳って呼んでね!」
「う、うん。よろしくね、芳佳ちゃん!」
挨拶を終えたところで、芳佳は後ろから激しいプレッシャーが放たれるのを感じる。
恐る恐る振り返ると、バルクホルンが物凄い形相で睨んでくる。
―――近づき過ぎだ!馴れ馴れしくし過ぎだ!!
そう言わんばかりの態度が少し恐ろしくなった芳佳は
「あ、お土産にお花買ってきたの!花瓶にお水いれてくるね!」
と逃げ出すように病室を出る。
「クリス!!今日はこの前言っていた宮藤を連れて来たぞー!」
ゲルトルート・バルクホルンは病院だというのに騒々しい。その顔には満面の笑み。
芳佳は申し訳なさそうに苦笑いしながら、バルクホルンの後ろからひょっこりと顔を出す。
「いらっしゃい、宮藤さん、お姉ちゃん。」
ベッドでクリスが微笑む。
―――なっ・・・・宮藤が先に呼ばれるだとっ・・!
「クリス!何でお姉ちゃんを先に呼んでくれないんだ!!」
バルクホルンは病室に入るなり、猪のようにクリスに駆け寄り、詰問する。
いつもの態度と違うバルクホルンに、芳佳は驚きを隠せない。
あまりの衝撃にクリスに挨拶するのと土産を渡すのも忘れ、クリスに尋ねる。
「あの・・クリスちゃん、バルクホルンさんってクリスちゃんと話すときはいつもこんな感じなの・・?」
「あ・・あははは・・・・」
クリスの笑顔が引き攣っている。当のバルクホルンは、芳佳の発言など全く意に介していない――というかいっぱいいっぱいのようだ。
「いや、ね?お見舞いに来てっ下さったとはいえ、初めて会うお客様だからね?」
「そ、そうか・・・。」
芳佳はバルクホルンの変貌ぶりに吹き出しそうになるのを涙目になって堪えながら、
やっとの思いでクリスに挨拶する。
「初めまして、宮藤芳佳です!芳佳って呼んでね!」
「う、うん。よろしくね、芳佳ちゃん!」
挨拶を終えたところで、芳佳は後ろから激しいプレッシャーが放たれるのを感じる。
恐る恐る振り返ると、バルクホルンが物凄い形相で睨んでくる。
―――近づき過ぎだ!馴れ馴れしくし過ぎだ!!
そう言わんばかりの態度が少し恐ろしくなった芳佳は
「あ、お土産にお花買ってきたの!花瓶にお水いれてくるね!」
と逃げ出すように病室を出る。
602: 2008/09/04(木) 00:26:19 ID:c7ciiT6y
「おねえちゃん、芳佳ちゃんのことが嫌いなの?せっかくお見舞いに来てくれたのに。」
芳佳を心配して、クリスはバルクホルンに問いただす。
「いや・・だってクリス宮藤にばっかり話すし・・・その・・・・」
一呼吸おき、意を決して続ける。
「寂しかったんだよ・・・・・」
急にしおらしくなるバルクホルン。
「護れなくて、クリスを失うんじゃないかって、ずっと・・・・」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私がいるのはお姉ちゃんのお蔭なんだよ?」
瞳を潤ませながらクリスは姉への心からの感謝を伝える。
「ねお姉ちゃんのお願いを何でも一つ聞いてあげるから」
トゥルーデには効果覿面だったらしく、頬を真っ赤に染め上げる。
ややあって、トゥルーデがクリスに懇願する。
「・・・・キス・・してくれないか?」
頬どころか顔を真っ赤にしてクリスに迫る。
「そ、そうしてくれればまたお姉ちゃんは頑張れるから。」
しどろもどろになり、苦し紛れの言い訳をする。
「まったく、おねえちゃんはしょうがないなぁ。」
それを合図に、トゥルーデはクリスの唇を近付ける・・・・・・・・。
芳佳を心配して、クリスはバルクホルンに問いただす。
「いや・・だってクリス宮藤にばっかり話すし・・・その・・・・」
一呼吸おき、意を決して続ける。
「寂しかったんだよ・・・・・」
急にしおらしくなるバルクホルン。
「護れなくて、クリスを失うんじゃないかって、ずっと・・・・」
「大丈夫だよ、お姉ちゃん。私がいるのはお姉ちゃんのお蔭なんだよ?」
瞳を潤ませながらクリスは姉への心からの感謝を伝える。
「ねお姉ちゃんのお願いを何でも一つ聞いてあげるから」
トゥルーデには効果覿面だったらしく、頬を真っ赤に染め上げる。
ややあって、トゥルーデがクリスに懇願する。
「・・・・キス・・してくれないか?」
頬どころか顔を真っ赤にしてクリスに迫る。
「そ、そうしてくれればまたお姉ちゃんは頑張れるから。」
しどろもどろになり、苦し紛れの言い訳をする。
「まったく、おねえちゃんはしょうがないなぁ。」
それを合図に、トゥルーデはクリスの唇を近付ける・・・・・・・・。
603: 2008/09/04(木) 00:27:50 ID:c7ciiT6y
――――――パシャッ!!
「!?」
奇妙な音がしたと思ったトゥルーデが振り返った視線の先には――芳佳。
「えへへへ、撮っちゃいましたー」
悪戯に成功した児童のような笑みを浮かべる芳佳の手にはカメラ。
「随分と仲が宜しいんですねぇ。」
―くっ、マズイ!ここは何とか切り抜けて姉の威厳を保たなければ・・
クリスに対しては既に威厳はないことに気付いてないのだろうか。
慌てるトゥルーデをよそに悪びれた様子もなく
「そうなんですよ、いつもこうなんですよー」
と笑顔のクリス。
「私も混ぜてくれますか~?まぁ、嫌なら嫌で写真を現像してみんなにバラまいちゃううだけですけどね~」
―鬼かコイツは。
しかし予想外の人物から許可が下りる。
「いいよ!じゃあ芳佳ちゃんはおっOい、お願いね!」
姉の立場、皆無。妹からは口、義妹(トゥルーデが勝手に思っている)からは胸を責められる。
「むはっ、はぁ‥‥バルクホルンさんって、本当にシスコンなんですね・・・」
「すぐべったりくっついてきて、・・ふぅ、どっちが妹だかわからなくなるんですよ。」
妹たちは言いたい放題,
姉は自分の不甲斐無さに涙をにじませながら歯を食いしばっている。
「!?」
奇妙な音がしたと思ったトゥルーデが振り返った視線の先には――芳佳。
「えへへへ、撮っちゃいましたー」
悪戯に成功した児童のような笑みを浮かべる芳佳の手にはカメラ。
「随分と仲が宜しいんですねぇ。」
―くっ、マズイ!ここは何とか切り抜けて姉の威厳を保たなければ・・
クリスに対しては既に威厳はないことに気付いてないのだろうか。
慌てるトゥルーデをよそに悪びれた様子もなく
「そうなんですよ、いつもこうなんですよー」
と笑顔のクリス。
「私も混ぜてくれますか~?まぁ、嫌なら嫌で写真を現像してみんなにバラまいちゃううだけですけどね~」
―鬼かコイツは。
しかし予想外の人物から許可が下りる。
「いいよ!じゃあ芳佳ちゃんはおっOい、お願いね!」
姉の立場、皆無。妹からは口、義妹(トゥルーデが勝手に思っている)からは胸を責められる。
「むはっ、はぁ‥‥バルクホルンさんって、本当にシスコンなんですね・・・」
「すぐべったりくっついてきて、・・ふぅ、どっちが妹だかわからなくなるんですよ。」
妹たちは言いたい放題,
姉は自分の不甲斐無さに涙をにじませながら歯を食いしばっている。
604: 2008/09/04(木) 00:30:50 ID:c7ciiT6y
「おねえちゃんはほんっと妹離れできないんだから。」
「だからこんな簡単な罠にも引っかかっちゃうんですよ。」
―罠・・だと?
呆気にとられるトゥルーデを無視してクリスは続ける。
「そ、おねえちゃんがいつまでたっても情けないから、この前ハルトマンさんに相談したの!そしたらね、」
「そこで私に話が回ってきたんですよ、バルクホルンさんのヘタレっぷりを皆にばらしちゃおうって!
だからわざわざカメラを持って見張ってたんですよ。嫉妬させたあと二人きりにさせたら絶対甘えるだろうから、って。」
芳佳はにへらにへらとししている。
「じゃあこの事は・・」
「はい!最初から何があったのか隊のみんなに教える予定だったんですよ。クリスちゃんとも実は一度連絡取っていましたし。」
芳佳の言葉で狼狽するトゥルーデにクリスは、冷ややかな顔で更に言い放つ。
「だからもっとしゃんとしてね、お姉ちゃん?」
それから暫くの間、バルクホルンは隊の誰からも、何と美緒からも「お姉ちゃん」と呼ばれ続けた。
ペリーヌだけは上品に、いや、嫌味たらしく「お姉様」と呼んでいるらしい。
「だからこんな簡単な罠にも引っかかっちゃうんですよ。」
―罠・・だと?
呆気にとられるトゥルーデを無視してクリスは続ける。
「そ、おねえちゃんがいつまでたっても情けないから、この前ハルトマンさんに相談したの!そしたらね、」
「そこで私に話が回ってきたんですよ、バルクホルンさんのヘタレっぷりを皆にばらしちゃおうって!
だからわざわざカメラを持って見張ってたんですよ。嫉妬させたあと二人きりにさせたら絶対甘えるだろうから、って。」
芳佳はにへらにへらとししている。
「じゃあこの事は・・」
「はい!最初から何があったのか隊のみんなに教える予定だったんですよ。クリスちゃんとも実は一度連絡取っていましたし。」
芳佳の言葉で狼狽するトゥルーデにクリスは、冷ややかな顔で更に言い放つ。
「だからもっとしゃんとしてね、お姉ちゃん?」
それから暫くの間、バルクホルンは隊の誰からも、何と美緒からも「お姉ちゃん」と呼ばれ続けた。
ペリーヌだけは上品に、いや、嫌味たらしく「お姉様」と呼んでいるらしい。
606: 2008/09/04(木) 00:41:40 ID:TbL+lcgR
ペリーヌがお姉様と呼ぶ姿がありありと想像できるw
そしてもっさんがお姉ちゃんと呼ぶ様が是非みたいwwww
毎度のことながらオチが秀逸。乙&GJでした!
そしてもっさんがお姉ちゃんと呼ぶ様が是非みたいwwww
毎度のことながらオチが秀逸。乙&GJでした!
引用: ストライクウィッチーズpart3
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