679: 2008/09/04(木) 22:13:40 ID:F1WMg6+Q


扶桑昔話~最後の"キョウダケダカンナ"~

(1/5)

テーマソング
 さ~にゃ~ よいこだ ねんねしな~(略)

ナレーター(CV:市原悦子)

むかーしむかし、ブリタニアには、エイラとサーニャと言う、
大層仲の良い二人の女の子がおったそうじゃ。

サーニャは毎日、夜間哨戒が終わって帰ってくると、エイラの部屋に
忍び込んでは服を脱ぎ散らかして、そのままベッドイン!しておった。

ある日のこと。

毎日毎日忍び込んでくるサーニャに、いつもエイラは「キョウダケダカンナー」
と言っておったのじゃが、その日、エイラがそう言うとサーニャが、
「じゃぁ…自分の部屋に戻るね…」
と言ってエイラの部屋から出て行ってしまいおった。

これにはエイラも目玉が飛び出るほど驚き、慌ててサーニャを追いかけたんじゃ。

「ま、まってくれサーニャ!今のは言葉のあやでダロ~!」

そう声をかけてももう遅かったんじゃ。
サーニャは基地を抜け出し、夜空に消えてしまいおった。
エイラはあわててハンガーへ駆け込むと、「すとらいかぁゆにっと」を
装備するのももどかしく、サーニャをおったのじゃ。

680: 2008/09/04(木) 22:14:34 ID:F1WMg6+Q
(2/5)

「サーニャ~!サーニャ~!」

月夜は静かで、森も道も町も、みぃ~んな寝静まっておった。

「どうしよう…そうだ、草原ネズミどんに聞いてみよう」

エイラは草原に着陸すると、冬支度をしている草原ネズミに尋ねた。

「草原ネズミどん、草原ネズミどん、サーニャをみかけなかっカナ」

草原ネズミは首を傾げながら答えた。
リーネ「サーニャ?サーニャってどんな空なんですか?」

「サーニャと言うのは、月のように美しくて、太陽のように暖かくて、
星のようにきらめく女の子の名前なんだ」

エイラがそう答えると、草原ネズミは合点が言ったようにこう、答えた。

「ああ、それなら東の方、スオムスの方に飛んで行ったよ」
「ああ、草原ネズミさんありがとう。このご恩は一生忘れません」

エイラはそう言い残すと、第一戦速で草原を後にして東へと向かったんじゃ。

「ああ、スオムスは森と湖ばかりでサーニャの居場所がわからないなぁ。
そうだ、森の長寿フクロウどんに聞いてみよう、フクロウどんなら何かを
知っているに違いない」

681: 2008/09/04(木) 22:15:30 ID:F1WMg6+Q
(3/5)

森の長寿フクロウどんは、大きな北欧杉の洞で眠そうにしておった。

ミーナ「サーニャ?サーニャってどんな鳥かしら?」

エイラは気持ちを込めてこう言った。

「サーニャは隼のように機敏で、インコのように可憐で、オウムのように
かしこく、夜鷹のように凛々しいのです」

ミーナ「ああ、それなら知ってるわ。もっと南の方に飛んで行ったよ」

「ありがとう長寿フクロウどん、このご恩は一生忘れません」

エイラは南へ飛んだ。スオムスよりずっと南、オラーシャまでの。

「ああ、オローシャは夏でも寒いなぁ、ウラル山脈は崖ばかりで
サーニャの居場所がわからないよ。そうだ、山岳オオカミさんに
聞いてみよう」

エイラは山に降りると山岳オオカミさんにサーニャの居場所を尋ねたんじゃ。

「オオカミさんオオカミさん、サーニャを見ませんでしたカ?」

坂本「サーニャ?サーニャとはどんな生き物なんだ?」

「サーニャは蝶のように可憐で、猫のように軽やかで、鈴虫のように歌声が
美しく、犬のように優しい、そんな女の子の名前なんダ」

坂本「それなら、この杉道をまっすぐ行った所にいたぞ」

「ああ、オオカミさん!このご恩は一生忘れません。さようなら」

682: 2008/09/04(木) 22:16:13 ID:F1WMg6+Q
(4/5)

エイラは「すとらいかぁゆにっと」を投げ捨てると、道を走った走った走った。
何度も転んで息が上がって、涙が流れて汗が目に入って、だけどエイラは
走って走って走ったんじゃ。

「サーニャァァーー!!!」

道が途切れたそこは、森の中の小さな広場になっておった。
あたり一面に白百合が咲いておった。月の光に照らされて、まるで幻想の
風景のように見えたんじゃ。

「サ、サーニャ…」

サーニャは白百合に囲まれて、広場の真ん中に立っておった。

「エイラ…」
「サーニャ!ごめんなさい!わたしは、わたしは!サーニャがいなきゃ
だめなンダ!どこにも行かないでくれ!頼む帰ってきてクレ!」

エイラは涙と汗を一緒に流しながら、サーニャに言ったんじゃ。

その時、キラリと光るものが見えた。
それはサーニャの涙、だった。

683: 2008/09/04(木) 22:16:45 ID:F1WMg6+Q
(5/5)

「サーニャ…」

エイラがゆっくりとサーニャに近づく。
サーニャもエイラに近づく。

「うん…かえろう。ごめんね、心配させちゃった…」
「さ、サーニャの為ならこれくらいなんでもないンダナ…」
「ありがとう、すごくうれしいよ…」

こうして、二人はオオカミさんとフクロウどんと森ネズミどんに挨拶を
しながら帰ったのじゃった。

そしてエイラとサーニャはず~っと仲良く暮らしましたとさ。

めでたし、めでたし。

テーマソング
 くまのこみていたかくれんぼ~パンツを出した子いっとーしょー(略)

685: 2008/09/04(木) 22:18:03 ID:F1WMg6+Q
あとがき。

人はエイラーニャに始まり、そしてエイラーニャに還るのです。
以上です!サー!

684: 2008/09/04(木) 22:17:51 ID:2CpxXjZc
ゆーやけこやけでまたあしたーまーたあーしーたー
なんかすげえ和んだw
GJ!

引用: ストライクウィッチーズpart3