717: 2008/09/05(金) 01:44:03 ID:VUpxl2zd
【芳佳の日記】
今日は基地のみんなに扶桑の料理をごちそうすることにした。
カールスラントはジャガイモの料理が充実していてとても美味しいのだけど、流石に毎日は飽きてしまう。
栄養にもかたよりが出てしまうので、野菜をたくさん使った料理をと思ったのだ。
幸い、坂本さんが都合していた醤油もあったので肉じゃがときんぴらごぼうに決めた。これで倉庫のジャガイモ
も処理できるし、なにより野菜も使える。
できあがった料理は概ね好評だった。
スオムスやカールスラントではごぼうが珍しいらしく、バルクホルンさんに「これはなんだ?」と訊ねられた。
ちょっと先生になったような気分だ。
納豆が嫌いでいつも文句を言うペリーヌさんも、今回ばかりは何も言わずに食べていた。得意になってしまう。
久しぶりの扶桑の料理に、坂本さんも嬉しそうだった。
あれからみんなが優しい。バルクホルンさんはなぜか飴玉をくれるようになった。
特技があるのはいいことだと思った。

718: 2008/09/05(金) 01:44:35 ID:VUpxl2zd

【リーネの日記】
今日はヨシカちゃんがフソウの料理を作ってくれた。
「ニクジャガ」と「キンピラゴボウ」と言う料理らしく、どれも珍しい味でとても美味しかった。
しかし。
「キンピラゴボウ」というのは食べなれないものだった。バルクホルンさんも気になったようで、素材について
ヨシカちゃんに聞いていた。彼女の説明は以下の通りだ。

「ごぼう」というのはですね。植物の根っこです。

719: 2008/09/05(金) 01:57:34 ID:P2pKy4/d

根っこ……。
それを聞いた基地のみんなが黙ってしまったのは言うまでもない。
私も実家に仕送りをしている立場で、バルクホルンさんも妹さんの治療費を負担している。貴族のペリーヌさん
ほど裕福ではないが、それでも木の根を食べるほど困窮したことは、なかった。
バルクホルンさんは目頭を熱くしていた。
いつも文句を言うペリーヌさんも、これはこたえたらしい。気丈に明るく振舞うヨシカちゃんがいっそう健気に見えた。
「きっとたくさんの苦労があったのね」というのは、食事のあとのミーナ中佐の言だ。
ヨシカちゃんには美味しいものをいっぱい食べさせてあげよう。
そう強く思った。
料理は本当に美味しかった。
おわり

引用: ストライクウィッチーズpart3