61: 2012/05/12(土) 13:32:05.72 ID:swf6hR5g0


前回:P「彼女欲しいなぁ」雪歩「!?」ガタッ

今回は呼び方間違えないように気をつけます。…もし、間違ったら脳内変換してください。

ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)
ここは765プロ。アイドルになるため日夜努力する少女たちが集う場所。

ここに彼女も所属している。

「プロデューサー、新曲の歌詞の確認を一緒にしてもらえますか?」

765プロの歌姫、如月千早である。

62: 2012/05/12(土) 13:43:33.42 ID:swf6hR5g0
~千早の場合~

如月千早。2月25日生まれのうお座。

彼女の魅力はその他のアイドルにはない歌唱力。歌姫という称号に負けない力を持っている。

デビューしたての時は、クールな外見から受ける冷たい印象がファンの間で受けなかった。

しかし、そんな風評など気にすることなく彼女は歌い続けた。

その結果が今の人気につながっている。彼女の力に疑いを持つものはいないだろう。

今後、さらなる躍進を遂げてくれると期待している。

63: 2012/05/12(土) 14:01:00.55 ID:swf6hR5g0
千早「プロデューサー、何の記事を読んでいるんですか?」

P「ああ、社長の知り合いの記者さんがいただろう?その人が千早の記事を書いてくれたんだよ」

千早「それ、私にも読ませてください」

P「いいぞ」

千早「すごく持ち上げてくれてますね」

P「いや、俺もこの記事と同じことを考えてる。千早には力があるよ」

千早「でも、私だけだったら歌えなかったですから」

千早「みんなとプロデューサーがいたから今の私がいるんです」

P「千早…」

千早「それよりも早く歌詞の確認をしましょう」

P「ああ、そうだな」

64: 2012/05/12(土) 14:11:11.80 ID:swf6hR5g0
ここ765プロでは先日の一件。小鳥女史のある嘘からアイドル達の間に共通の考えが生まれている。

「プロデューサーの彼女になるのは早い者勝ち」

アイドル達が積極的に行動する中で彼女、如月千早はあまりアプローチができていない。

千早(私みたいな女らしくない子にプロデューサーは興味ないでしょうね)

その胸に秘める思いが実らなくとも彼女はプロデューサーと変わらぬ日々を過ごせるだけで幸せなのだ。

P「ここの歌詞はこういうイメージで書かれてるんじゃないか?」

そんな彼女たちの気持ちを知らず、当事者は仕事熱心なのであった。

65: 2012/05/12(土) 14:18:54.11 ID:swf6hR5g0
千早「なるほど、そういう見方もできますね」

千早「こういう考えはどうですか?」

P「ああ!それの方がしっくりくるな」

P「さすが千早だな。ちゃんと曲のイメージをつかんでる」

千早「いえ、プロデューサーとこうして話し合うことでイメージが固まっていくんです」

千早「いつもありがとうございます」

P「はは、役に立ててるかは微妙だけどな」

P「見てほしいところは今ので全部だな?」

千早「はい」

P「じゃあ、帰るか。遅くなったから今日は送るよ」

千早「いつもすみません」

P「気にしなくて良いよ。戸締りしてくるからちょっと待っててくれ」

千早「わかりました」

66: 2012/05/12(土) 14:47:52.48 ID:swf6hR5g0
P「お待たせ。じゃあ、行くか」

千早「はい」

P「そうだ。ついでにどこかで飯でも食っていくか?」

千早「え?」

P「今から家に帰って飯の支度するのも大変だろう?」

P「あんまり高いのは無理だけど、どこがいい?」

千早(まさかこんな展開になるなんて思ってもみなかったわ)

千早(でも、これはチャンスじゃないかしら)

千早(普段のお礼もかねて)

千早「…私の家に来ませんか?」

P「え、千早の家にか?」

千早「はい、明日はプロデューサーも私もオフですよね」

千早「だから、日ごろのお礼もかねて家にご飯食べに来てください」

P「でも、準備とか大変じゃないか?別に、無理しなくても…」

千早「たまには私から何かしたいんです」シンケン

P「あ、ああ、じゃあお邪魔しようかな」

千早「はい、それじゃあ行きましょう」



68: 2012/05/12(土) 20:12:34.46 ID:swf6hR5g0


ー千早の家ー

千早「何もありませんが、リビングでくつろいでてもらえますか」

P「悪いな、料理できたら手伝うんだが…」

千早「ふふ、プロデューサーが料理できないのはみんな知ってますよ」

P「う、俺だって何にも出来ない訳じゃないぞ」

千早「カップ麺は料理じゃありませんよ」

P「すみません、何もできないです」

千早「まあ、プロデューサーは気にする必要ないですよ」

千早「すぐに料理作ってくれる彼女ができますよ」

P「俺にか?」

千早「ええ」

P「はは、当分できないよ」

P「今はお前たちのプロデュースで忙しいからな」

千早(鈍感って罪にならないのかしら)

69: 2012/05/12(土) 20:18:08.35 ID:swf6hR5g0
P「しかし、千早も料理は苦手と思ってたんだけどな」

千早「最近まではあまりやってませんでしたね」

千早「でも、春香にお願いして勉強してるんです」

千早「不健康な食生活をしていたら喉に悪いみたいですし」

P「えらいなあ、千早は。俺も自炊しないとな…」

千早「いつでも私が作ってあげますよ」ボソッ

P「うん?何か言ったか?」

千早「いえ、何でもありません。」

千早「じゃあ、プロデューサーはゆっくりしていてください」

P「ああ、わかった」

70: 2012/05/12(土) 20:31:37.11 ID:swf6hR5g0
「何を作ろうかしら」

彼女は悩む。何を作れば彼が喜んでくれるのだろうかと。

「あまり時間がかかってしまうのはだめね」

「チャンス」この言葉が彼を誘った瞬間になかったと言えば嘘になる。

しかし、今日の目的は彼への感謝の気持ちを伝えること。

「そうね、プロデューサーも男の人だから丼物とかいいかもしれない」

「比較的簡単にできるしね」

「そうなると今の食材でできるのは…」

自分の気持ちが悟られないように、一生懸命に気持ちを隠しながら彼女は料理に取り掛かる。

71: 2012/05/12(土) 20:47:23.10 ID:swf6hR5g0
「女の子の部屋は落ち着かないな」

交際経験の少ない彼にとって自分の担当するアイドルの部屋とはいえ女性の住む部屋は異質なものだった。

「しかし、千早の部屋は物がないな」

「もっと女の子が好きそうなものがあってもいいと思うんだが…」

さっぱりしている部屋の中を見回しながら彼はつぶやく。

「うん?」

目に留まったのは一枚の写真。

「これは、弟さんの写真か?」

写真に写るのは笑顔の少年。如月千早の弟だ。

「…少しは受け入れることができたのか」

彼の中に安堵の気持ちが広がる。

「よかった」

それは誰に対しての言葉か。彼女に対してでもあり、自分に対してでもあったかもしれない。

「あまりじろじろ見るのはマナー違反だな」

彼は写真をそっと戻して、料理ができあがるのを待つことにした。




72: 2012/05/12(土) 21:00:11.00 ID:swf6hR5g0
千早「お待たせしました」

P「いや、たいして待ってないよ。すぐ、出来たんだな」

千早「早くできるものを選びましたからね」

千早「冷めないうちにどうぞ」

P「お、親子丼か。おいしそうだな」

P「では、遠慮なくいただきます」

千早「召し上がれ」

P「…うまい」

千早「本当ですか?」

P「ああ、かなりうまいよ。味付けがちょうどいいな」

千早「ふふ、ゆっくり食べてくださいね」

P「いや、これは箸がとまらないな」

千早「あ、ちょっと動かないでください」

P「?」

千早「口元にご飯粒が…」ヒョイパク

P「あ…」

千早「え、あ…///」

千早「いや、その、別にどうということはないというか、何というか」

P「そ、そうだな。どってことないよな、これくらい」

千早「それより早く食べてください」

P「お、おう」

二人(はずかしい///)


75: 2012/05/12(土) 21:49:55.27 ID:swf6hR5g0
P「ふう、ごちそうさまでした」

千早「お粗末さまでした」

P「ありがとな、千早。本当にうまかったよ」

千早「そう言ってもらえるとうれしいです」

P「しかし、そろそろお邪魔しないと帰れなくなるな」

千早「…そのことなんですけど、今晩は泊まっていってください」

P「!」

P「ばか、そんなことできるわけないだろ」

千早「でも、プロデューサー。この時間で帰る手段あるんですか?」

P「え?…いつの間にこんな時間になったんだ」

千早「だから、今晩は泊まっていってください」

P「そうは言っても…」

千早「泊まっていってください」

P「ありがたく泊まらせていただきます」

千早「よろしい」

P「何か今日は千早に押し切られてばかりだな」

P「千早がお姉さんになったみたいだ」

76: 2012/05/12(土) 22:07:27.26 ID:swf6hR5g0
千早「え?」

P「あ」

P(まずい口が滑った)

P「いや、今のは深い意味はなくてだな」

千早「プロデューサー」

P「…はい」

千早「写真、見ましたか?」

P「たぶん、見ました」

千早「そうですか…」

P(やっぱりまだだめなのか…)

千早「最近、夢を見るんです」

P「?」

千早「あの子が、優が出てくる夢」

P「!」

P「…その夢で千早と弟さんはどうなんだ?」

千早「あの子が私に歌を歌ってほしいってねだってくるんです」

千早「前はそんな夢、見れたことなかったのに」

千早「たぶん、私の中で受け入れることができてきてるんだと思います」

千早「だから、今のプロデューサーの言葉うれしかったです」

千早「また、お姉ちゃんの私になれてるんだって思えたから」

千早「だから、変な取り繕い方しなくて良いですよ」

P(自然な笑顔…)

P「今の千早はきれいだな」

千早「え、と、突然何を言い出すんですか///」

P「思ったことを言っただけだよ」

P「自然に笑った千早はきれいだよ」

千早「///」

P「さて、泊まらせてもらうとすると俺はどこで寝るかな」

千早「あ、それなら…」

77: 2012/05/12(土) 22:20:36.66 ID:swf6hR5g0
P「千早、お風呂ありがとうな」

千早「湯加減はどうでしたか?」

P「ちょうどだったよ」

千早「それはよかった」

千早「…じゃあ、寝ましょうか///」

P「千早、やっぱりやめないか?」

P「一緒に寝るなんて」

P「俺は別に毛布さえ貸してくれればどこででもいいんだが」

千早「それはだめです。プロデューサーを変なところで寝かせるわけにはいきません///」

P「でもな…」

千早「プロデューサーは私と一緒に寝るんです///」

P「何か拒めないんだよな…」

78: 2012/05/12(土) 22:25:45.16 ID:swf6hR5g0
P「じゃあ、電気消すぞ」

千早「は、はい///」

千早(ど、どうしよう)

千早(さっき気持ちを出さないようにって考えてたばっかりなのにこんなことして)

千早(でも、今何かしないとこの先何もできないわよね)

千早(これくらいなら許されるわよね)

P「入るぞ」

千早「ど、どうぞ///」

千早(プロデューサーの体がすぐそばに)

千早(やっぱり大きいな…)

千早「あったかい」


79: 2012/05/12(土) 22:30:21.16 ID:swf6hR5g0
P「じゃあ、電気消すぞ」

千早「は、はい」

P(大丈夫なのか、本当に)

P(千早から言ってきたわけだけど、本当は嫌なんじゃないのか?)

P(でも、ここまで来て断るのも絶対失礼だよな)

P(覚悟を決めるしかないか)

P「入るぞ///」

千早「ど、どうぞ」

P(千早ってこんなに体小さいんだな)

P(でも、女の子の体って)

P「あったかい」

80: 2012/05/12(土) 22:37:10.63 ID:swf6hR5g0
二人の声が揃う。

「え?」

今、起きたことを確認するために二人とも黙りこむ。

訪れる沈黙。

それから、どちらともなく

「ははははは…」

笑いがあふれる。

「プロデューサー」

「何だ?」

「私…」

二人の夜は更けていく。

82: 2012/05/12(土) 22:50:46.09 ID:swf6hR5g0
それは一つの夢。

妻は元アイドル。旦那はそれを支え続けたプロデューサー。

二人の間には元気な男の子。

彼女は母として子供を育てる。彼との間に生まれた大事な子供を。

それはいつの日か叶う夢。

終わり

83: 2012/05/12(土) 22:55:22.53 ID:swf6hR5g0
これで千早は終わりとなります。

今回はおかしなところはなかったかな?…ないと信じたい。

前の二つの話とは書き方を変えてみましたが、もしかして読みにくくなっただけ?

戻した方が読みやすくなるだろうな…

みなさんの反応しだいということで今日はここまで。

読んでくださった方、ありがとうございます。次はどうするか…

86: 2012/05/12(土) 23:17:14.38 ID:jHqwC7sPo
おっつおっつ
いい感じだと思うぞ


次回:P「彼女欲しいなぁ」美希「!?」ガタッ



引用: P「彼女欲しいなぁ」