248: 2012/04/11(水) 01:27:34.65 ID:yGMD2glVO


前回:P「響を徹底的に無視する」

貴音「おはようございます」ガチャ

P(たまには貴音が動揺するところを見てみたいな……貴音にも試してみるか)

貴音「あなた様だけのようですね」

P「……」シーン

貴音「……」

P「……」

貴音「……」

P「……」

貴音「……」

P(いや、何か話せよ!話してくれよ!)
ぷちます!(14) (電撃コミックスEX)
252: 2012/04/11(水) 01:34:28.56 ID:yGMD2glVO
カチコチ

P(時計の音が虚しい……)

貴音「……」

P(もう昼か、腹減ったな)

貴音「……」スクッ

P「!」ビクッ

貴音「……」スタスタ

P(出ていった……貴音でもこの空気はダメか、俺が悪いんだけど)

P(俺も昼飯食いに行くかな)

貴音「……」ヌッ

P「うっわ!!」

253: 2012/04/11(水) 01:39:06.52 ID:yGMD2glVO
貴音「お待たせいたしました」スッ

P(弁当とお茶……あぁ、買ってきてくれたのかな?)

P(ありがたいけど、ここはまだ我慢だ無視だ頑張れ俺)

P「……」スタスタ

貴音「……」ポツーン

貴音「……」

貴音「…………」

貴音「……ふむ」

256: 2012/04/11(水) 01:45:11.98 ID:yGMD2glVO
すき家

P「おぉう、今頃貴音が一人で弁当食ってると思うと罪悪感が」

P「しかし口数少ないだけで、普段の貴音とそう大差ないんだよな」

P「いつもと違う表情が見たいのに」ブツブツ

P「それにしても牛丼は旨いな、響の前で食う豚丼も旨かった」

P「さぁ午後も頑張って貴音を無視するか」

257: 2012/04/11(水) 01:50:05.18 ID:yGMD2glVO
P(ただいまーっと)シーハー

貴音「……」ペコリ

P(出迎えのつもりだろうか)

貴音「……」

P(二人分あった弁当が見事綺麗に消えている……いやまぁ音無さんが食べた可能性も)

貴音「……」

P(くっそ、無視を仕掛けてる俺の方が心乱されてる気がするぞ!)

貴音「……」

P「……」

貴音「……」

P(黙って澄ましてたら氏ぬほど美人だな)

258: 2012/04/11(水) 01:51:49.81 ID:XxK6oCXB0
勝てる気がしない

260: 2012/04/11(水) 01:58:42.46 ID:yGMD2glVO
貴音「……」

P(恵まれた容姿に恵まれたスタイル、それでいて和も洋も似合う独特の雰囲気)

貴音「……」

P(アイドルより女優のが向いて……いやいや、将来はともかく今はアイドルに全力投球だ)

P(それがプロデューサーである俺の役目でもある)ウンウン

貴音「……」スッ

P(えっ?何?何で近づくの!?怒った?怖い!止めて!)

貴音「あなた様、口元に汚れが……」フキフキ

P(そ、そんなことかよ!言えよ!口で!)ドキドキ

貴音「……」

P(顔近いよ!)ドキドキ

262: 2012/04/11(水) 02:05:02.79 ID:yGMD2glVO
貴音「……」ジッ

P(うおわぁ……)バクンバクン

貴音「……ふぅ」スタスタ

P(戻った……何の溜め息?)

貴音「……」

P(そしてまた沈黙か……そろそろ俺も辛くなってきたな)

響「はいさーい!皆のアイドル我那覇響ちゃんだぞー!」ガチャ

P(おっ!いいところに!)

264: 2012/04/11(水) 02:17:44.49 ID:yGMD2glVO
響「ん?プロデューサーと貴音だけか?」

P「そうだよ」

貴音「……」

響「そっかー」

P「……」

貴音「……」

響「何だこの空気は、ふ、二人とも喧嘩でもしたのか?」

P「いいや」

響「じゃあ何だよー暗いなぁもー。ま、まさか自分が何か悪いことしたか?」

P「いや別に、響は何も悪くないから気にしないでいいぞ」アタマポンポン

響「うぅ~この空気やだ」

貴音「響」

響「んっ?」

P(おっ?)

貴音「良ければ昼食に付き合い願いたいのですが」

266: 2012/04/11(水) 02:22:41.13 ID:yGMD2glVO
P(さっき食ったじゃん!)

響「いいぞーまだ食べてないし、プロデューサーも行くか?」

P「俺はいいよ、もう食べたし」

響「つれないなー、アイドルのお誘いだぞ!両手に華だぞ」

P「華より団子派なんでな」

響「じゃあやっぱり食べに行くさー」グイグイ

P「あーもう」

貴音「響、行きますよ」

響「ほーい、変態プロデューサー、お土産買ってきてあげないからな」

P「いらねーやい」

P「……」

P「……一人になってしまった」ポツーン

268: 2012/04/11(水) 02:30:50.72 ID:yGMD2glVO
P「……」

P「…………」

P「………………」

P「………………仕事しよう、うん」

P「新しい営業戦略でも考えるか」ガサゴソ

P「律子とももっと打ち合わせしないとな」

P「うーん真はいっそ王子様どころか俺様王様キャラで売るか……」ブツブツ

P「貴音も本当に女優業に本腰入れてみるか」ブツブツ

P「まーた春香にスポーツイベントオファーか、毎回毎回こけないっての、多分」ブツブツ

貴音「……」コソコソ

272: 2012/04/11(水) 02:38:37.42 ID:yGMD2glVO
二時間後

P「おっ、仕事してると早いなぁ」

P「んー!ちょっとだけ休憩するかな」ノビー

P「熱いお茶がほしい」コキコキ

小鳥「失礼しまーす、お茶でもどうぞ」ガチャ

P「あれ、凄い良いタイミングですね、丁度欲しかったところでした」

小鳥「あらら」

P「ありがとうございます、いただきます」ズズー

P「美味い!」テッテレー

小鳥「貴音ちゃんの言った通りですねぇ」

P「はい?」

小鳥「そろそろ休憩する頃だろうから、お茶持っていってくれって頼まれたんですよ」

273: 2012/04/11(水) 02:43:37.71 ID:yGMD2glVO
P「……」

小鳥「お茶だって貴音ちゃんが自分で淹れたんですよ」

P「……」

小鳥「自分で持って行かないの?って訊いたら、邪魔しては駄目だからって」

P「……」

小鳥「私なら邪魔にならないんですかね……って聞いてます?」

P「え、あ、はい、どうも」

小鳥「まぁそんな訳なんで、お礼なら貴音ちゃんに言ってあげてくださいね」

P「……はい」

小鳥「あと響ちゃんが『変態プロデューサーにはハーゲンダッツあげないからな』だそうです」

P「後で泣かします」

276: 2012/04/11(水) 02:54:14.86 ID:yGMD2glVO


P「……」

貴音「……」

P(結局一日中無視してしまった……どっちかと言えば会話が無いだけなんだが)

亜美「ヘイヘイ!そこの二人暗いぜ!」

響「お昼からずっとだぞ」

真美「日本の未来より暗いぜ!」

P「そりゃ相当ヤバいな、真っ暗闇にならない内に帰った帰った」

春香「お疲れ様でしたー!」

真美「でしたー!」

亜美「元気な兄ちゃんを見るのがこの時までとはまだ誰も知らなかった……」

P「ひいぃ……アホか、気をつけてなー」

貴音「……」

277: 2012/04/11(水) 02:59:51.56 ID:yGMD2glVO
響「あれ、貴音は帰らないのか?」

貴音「えぇ、少々用事が」

響「ふーん、変態プロデューサーに注意するんだぞ」

P「誰が変態だ誰が」

響「レッスン中に変なとこ触るし……」

P「ぶほぉっ!?」

響「ばーかばーか、じゃあねー」ケラケラ

P(あいつは明日おしりペンペンだな)

P(さてと)

貴音「……」

P(どうしたもんか)

281: 2012/04/11(水) 03:07:15.43 ID:yGMD2glVO
カチコチ

貴音「……」

P「……」

チクタク

貴音「……」

P「……」

貴音「……」

P(帰るに帰れない……)

貴音「……」

P(普通に考えたらお茶のお礼を言うべきだよな)

貴音「……」

P(ぐおぉ、この空気……無視しようとかすんじゃなかった)

P(俺が動揺してるじゃないか!)

P(もういいや、さっさとお礼言って)

貴音「……」スタッ

282: 2012/04/11(水) 03:10:57.28 ID:yGMD2glVO
貴音「お疲れ様でした」スタスタ

P「……」ポカン

P「……」

P「え、あれ?おいおいおい」

P「帰っちゃった……?」

P「いや待て待て待て」ガタガタ

P「追いかけなきゃ!」

284: 2012/04/11(水) 03:15:49.12 ID:yGMD2glVO


P「あぁもう!なぜこんなことに!」ドタドタ

P「貴音はどこだ?そう遠くには……」キョロキョロ

貴音「……」スタスタ

P「いた!おーい!貴……いや人が集まっちゃまずい」

貴音「……」スタスタ

P「なんだあの早歩き」

貴音「……」スタスタ

P「どこに向かってるんだ……?公園?」

285: 2012/04/11(水) 03:21:45.32 ID:yGMD2glVO
公園

貴音「……」

P(どう見ても歩いてるのになぜ早い……やっと追いついた)ハァハァ

貴音「……」クルッ

P「わっ」ビクッ

貴音「……」

P「……」ハァハァ

貴音「……」

P(夜桜に月明かりに貴音……絵になりすぎだろ)ハァハァ

貴音「あなた様はいけずです」

P「へ?」

289: 2012/04/11(水) 03:27:22.69 ID:yGMD2glVO
貴音「あの様な仕打ちを何故……」

P(解ってたのか?)

貴音「私にとってあなた様に掛けてもらう言葉が、あなた様とする他愛もない会話がどれほど大切か知っていながら」

P「……」

貴音「私に落ち度があったのなら謝ります、ですが……理由も解らずにこんなのは……辛い……」

P「……」

P「すまん!!」

P「貴音が動揺する姿が見たくてつい、こんな子ども染みた真似を……本当にすまん!!」

貴音「……」

P(そりゃ怒るよなぁ)

貴音「……ぷっ」

292: 2012/04/11(水) 03:32:30.59 ID:yGMD2glVO
貴音「ぷっ……くすくす」

P「ん?」

貴音「申し訳ありません、私もいけずでした」

貴音「慌てるあなた様が子犬の様に可愛くて、つい」

P「……?」

貴音「私は怒ってなどいません」

P「そ、そうなのか?」

貴音「えぇ、ですが少々仕返しはさせていただきました、これでお相子です」

P「……」ポカーン

貴音「事務所を飛び出して私を追いかけるあなた様……なかなか見物でした」クスクス

P「……泣いていい?」

貴音「いけません」

295: 2012/04/11(水) 03:41:25.57 ID:yGMD2glVO
P「結局貴音の手のひらで踊ってたというわけか」ガックシ

貴音「そうでもありませんよ」

P「?」

貴音「あなた様が以前言っていたではありませんか」

貴音「結婚するならたとえ会話が無くとも解り合える関係が理想だと」

P「言ったっけ?」

貴音「ですからその……私は、言葉が無くとも、あなた様の意思を察しようと」

P(あぁだから貴音も黙ってたのか……)

貴音「でも駄目ですね。私はまだまだ、その境地には至っておりませんでした」

P「いやいや恐ろしいくらい読んでたよ、心が読めるのかってくらい」

貴音「いつも見ていますから」クスクス

P(はい負け、負けました!)

300: 2012/04/11(水) 03:49:01.65 ID:yGMD2glVO
P「まぁその、何にせよ、ごめんな」

貴音「はい、こちらこそ」

グゥ~

P「緊張解けたらお腹空いたな……お詫びにラーメン奢るよ」

貴音「では遠慮無く」

P「……少しだけ遠慮してもらいたい」

貴音「あなた様」

P「はい」

貴音「あなた様は花より団子と仰いましたが、私は花も団子も、です」

P「?」

貴音「いつの日にか本当に……あなた様と静かな時を過ごせる事を願っております」ニッコリ

おわる

301: 2012/04/11(水) 03:49:42.24 ID:JIhlRFjD0
素敵でした

302: 2012/04/11(水) 03:50:02.70 ID:LdEiw8QJ0
乙!!素晴らしい!!

どこで読んだ感じのあるきがする


次回:P「千早を徹底的に無視する」


引用: P「アイドル達を徹底的に無視する」