607: 2008/09/14(日) 21:52:10 ID:y2fUGulE

―――ミヤフジ・・また・・サーニャを・・・・
「サーニャちゃんってほんっと肌白いよねぇ・・・・どうやったらそんなに肌が綺麗になるの?」
朝食を摂りながら宮藤はサーニャの肌を見つめている。
その顔からは涎が垂れているが、それは目の前に食事が置かれているからという訳ではない。
その顔は乱れ切っている。

「サーニャをそんな目で見るナ!そんな顔で見るナ!!」
気が付いたら妖しい目つきを向けてサーニャを見る芳佳に一喝していた。
その隣ではリーネが真剣な眼差しで頷いている。・・が取り敢えずこっちは無視しておこう。
いまはそれどころじゃない。
後先考えず皆の前で熱り立ってしまったので、注目を浴びてしまった。

 そんな私に宮藤は素っ気ない顔で語りかけてくる。
「なんでですか?」
――え??
困惑する私に畳みかけるように追撃する。

「どうして私はサーニャちゃんを見ちゃいけないんですか!?」
「なんで私はダメでエイラさんは良いんですか!?」
――・・私はそんな目でサーニャを見てたのカ?

「エイラさんはなんでそんなにサーニャちゃんのことを庇うんですか!?」
「サーニャちゃんはエイラさんの何なんですか!!」

「答えてください!エイラさん!!」
そして宮藤はテーブルに拳を叩きつける。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――――――ボフッ!!!!
「!?」

突然の衝撃にエイラは飛び起きる。
エイラが見回すと、ベッドにはサーニャが眠りこくっている。
夜間哨戒を終えてそのままここに来たのだろう。
「――またカ・・。」
などと言ってもエイラの顔はニヤついている。

「キョ、キョウダケダカ・・・・・・」
そこまで言いかけてエイラは先ほどまで見ていた夢を思い出した。

――――う・・・・
途端に恥ずかしくなり、いつものような態度が取れなくなる。

「キョ、今日はユックリ寝かせてやるからナ!!」
エイラは体中が熱くなるのを感じながらまだ日の昇ったばかりの外囲へと出て行った。

608: 2008/09/14(日) 21:53:38 ID:y2fUGulE



「どうしたの?エイラさん。顔色が悪いわよ?」
朝食時、エイラの様子がおかしいことに気付いたミーナ。
「分かってるわ。とりあえず話だけでも聞いてあげるから後で私の部屋に来なさい。」
エイラは、やはりこの人は頼れる人だと改めて思いなおした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・それから妙にサーニャのことを意識しちゃってナ・・中佐、私はどうしたらいいんダ?」
エイラはミーナに助けを求めた。

―――――うーん、困ったわねぇ・・・・下手なことを言って風紀を乱してしまう訳にはいかないし・・でも・・・・
  かと言って無理に引き離してみても隊の空気や任務に支障がでてはならないし・・・・ 
「そうね・・少し、私にも考えさせてくれないかしら?」
自分一人では判断できないと踏んだミーナは、美緒に助けを求めることにした。


先程のことを相談しようと美緒の部屋を訪れたミーナ。
「・・・・ふむ。分かった、何とかしよう。」
ミーナは事のあらましを話すと、美緒は自信ありげにそう断言した。
「それじゃあ頼んだわよ。」
美緒にすべてを託し、ミーナは部屋を後にした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「エイラ、ちょっといいか?」
訓練を終えた夕刻、美緒はエイラに呼びかける。
ペリーヌがその傍で衝撃を受けているが美緒は全く気付いていないようだ。


「話がある。」
そう切り出すや否や、美緒はエイラを人気のない茂みへと連れて行く。
人目の付かないところまで来ると、美緒はエイラに前置きもなしに訊ねる。
「お前はサーニャのことをどう思っているんだ?」
突然の質問に、エイラの思考は追い付いていかない。

「ふむ・・では言いなおそう。お前はサーニャが好きか?」
尚も反応できないエイラに続ける。
「・・聞いたぞ?サーニャのことで悩んでいるとな。」
――ミーナ中佐・・喋っちゃったのカ・・・・

美緒は目の前で項垂れているエイラを意に介さず話を押し進める。
「ま、何事も自分の気持ちに素直になるのが一番だ!」
美緒は簡潔にそれだけを言い残し、わっはっはー!と笑いながらその場を去っていった。


―――自分のキモチか・・


美緒が去った後、エイラはすっきりとした顔をして、その場を後にした。

609: 2008/09/14(日) 21:55:01 ID:y2fUGulE


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「エイラさん、なにか吹っ切れたような顔をしていたけどアナタ、何をしたの?」
夕食時にエイラの顔つきが変わっていることに気付いたミーナは、美緒が一人になったところを見計らって訊いてみた。

「ふっ、なぁに、自分に素直になれと言ってやっただけさ。」
「じゃあ、まさか・・・・」
絶句するミーナだったが、美緒は淡々とつづける。
「何も私は強制してなどいないさ。飽くまで決めるのはエイラ自身だ。ただ・・な、」
「ただ・・何?」
「上司としてエイラの身を案じるならばこうするのが最善だと判断しただけだ。」
「どういうこと?」

眼を見開かせ、訳の判らない、という顔をしているミーナの手に美緒は己の手を重ね、その問いに答える。
「想いが魔力を強めることがあるならば、その逆も然りということだ。宮藤なんかは前者の典型だろう。」
「確かに、宮藤さんは訓練はいまいちでも本番では物凄い力を発揮することも多いわね。」

「・・だから迷わずまっすぐ進んで欲しかったんだ。」
――後悔しない為に・・・・。明日にはどうなってしまうか判らないウィッチという立場だからこそ――


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今日は久しぶりにサーニャとの夜間任務、二人きりだ。
―――自分の気持ちに素直ニ・・
今日こそ。今日こそ自分の想いを告げよう。

そう決心してサーニャの手を取り、漆黒の空へと昇っていった。

611: 2008/09/14(日) 22:13:56 ID:EAqgvVQQ
>>610GJ!
エイラーニャ可愛いよエイラーニャ

引用: ストライクウィッチーズ