1: 2010/08/29(日) 15:02:06.57 ID:/OaFVZRn0
紬「調子乗ってるわよね」

澪「実は私、梓って苦手なんだ・・・」

律「あいつ入部させたの失敗だったな」

映画「けいおん!」【TBSオンデマンド】
7: 2010/08/29(日) 15:15:50.84 ID:sXM0rKMC0
梓「どもです」

律「よお梓」

澪「梓今日は早いね」

梓「早く練習したいから急いで部室に来まs――」

紬「さあみなさん、今日は芋ようかんですよー」

唯「わあ~~!早くみんなで食べようよ!」

律「私右から二番目な!」

唯「りっちゃん!それ私が先に目をつけてたから私の!」

澪「こらこら、二人ともどれも大きさ一緒じゃないか」

律「じゃあ澪はこの一番左の小さいやつな」

澪「え、私はこの左から二番目のだよ その一番左側のは梓のだろ」

唯「そうだね!あずにゃんは一番小さいのでいいよね!一番小さいし!後輩だし!」

律「てことで梓はこれで決定なー」

紬「今日ティーカップ割ってしまったので、カップが一個足りないんです 梓ちゃんは缶コーヒーでいいよね」

9: 2010/08/29(日) 15:24:04.85 ID:sXM0rKMC0
梓(芋ようかんに缶コーヒーなんて…最悪です)むしゃりむしゃり

唯「あずにゃん、これに名前書いて」

梓「なんですかこれ?」

律「いいから!」

梓「何で名前欄以外全部隠れているんですか」

紬「気にしないで名前書いてね」

澪「梓、早く書かないと練習できないぞ」

梓「は、はあ……」

 かきかき

梓「これでいいですか」

律「いいよー!」

唯「じゃぁーーん!実はこれ、退部届けなんです!」

12: 2010/08/29(日) 15:30:13.08 ID:sXM0rKMC0
梓「――え?」

紬「あらあら、梓ちゃん退部になっちゃったね」

澪「仕方ないな だって自分で名前書いたんだもん」

唯「あずにゃんが退部かー悲しいねりっちゃん!」

律「唯!私も悲しいぞ!悲しいから、今日は飲むぞ!」

唯「りっちゃん私付きあうよ!」

律「ムギー!お茶おかわり!」

唯「ムギちゃんわたしもおかわり!」

梓「こんな冗談笑えないです! 早く練習しましょう!」

紬「はーい二人ともおかわりどうぞ」

梓「紬先輩!」

澪「ということで梓」

梓「澪…先輩…」

澪「今日で、梓は退部だ あとは好きにすればいいよ」

14: 2010/08/29(日) 15:37:30.09 ID:sXM0rKMC0
澪「さようなら、梓」

梓「澪先輩まで…何の冗談ですか…?」

澪「冗談なんて言っていない――律、そっちの腕持って」

律「ったく食べてる最中なんだけどなー 退部なんだから仕方ないな」  ぐいっ

梓「痛い!な、律先輩!痛いです!」

律「うっさいなー もう退部したんだから居る必要ないんだからな ほら澪しっかり持ってないと重いぞ」

澪「ああ悪かった」 ぐいっ

梓「い、痛い…!澪せん…ぱい…」

唯「あずにゃーん、バイバーイ」

紬「バイバーイ」

律&澪「ほら、出てけ よいしょっと」 ドンッ 

梓「ひゃっ――!?」

澪「一年間ありがとうな さよなら中野さん」 バダム!

梓「………………」

16: 2010/08/29(日) 15:49:24.01 ID:sXM0rKMC0
――ダンダンッ!!ダンダンッ!!! ガチャガチャガチャガチャ

梓「せ、先輩!いきなりわけわかんないです!!ここの扉開けてください!!」

梓「澪先輩!唯先輩!紬先輩!!律先輩!!!」

ダンダンダンダンダンッ!!! ガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

梓「開けてください!!開けて下さい!!部室に、私を入らせてください!!!」

ダンダンダンダンダンッ!!!

『ムギ、今日の芋ようかん最高だよ』
『ふふふ 京都の叔父さんのお土産なんですよ』

梓「開けてください!!開けてくださいよ!!!」

『わあ~さすがムギちゃんのおじさん!美味しい物沢山知ってるんだね!』
『あ、そのようかんわたしもーらい!』

ダンダンッ!!ダンダンッ!!!

『りっちゃんずるい!!あずn…・・中野さんの分それ私が食べようと思っていたのに!』
『だめだ!早いもの勝ちだ!』
『二人とも静かに食べろよ!!お茶が溢れる!!』

梓「せんぱ…い……っく…あけ…ひっく…て……っく…ひっく……」

19: 2010/08/29(日) 16:10:17.66 ID:sXM0rKMC0
――

『……さん ……あずささん』

梓「ん……」

さわ子「梓さん、こんなところで寝ていたら駄目じゃない もう下校の時間とっくに過ぎてるわよ」

梓「先生――あ!せ、先輩たちは」

さわ子「もう帰ったんじゃないの? 音楽室、誰も居ないみたいだし」

梓「そ、そうですか……」

さわ子「……梓さん、今日はみんなと一緒じゃなかったの?」

梓「私………」

梓「わたし……部活……部活を………退部させられちゃったんです………」

さわ子「え?退部…?」

梓「はい……それで…音楽室から、外に出されて……中に、入れてもらえなくて……」

さわ子「……ここに、ずっといたの?」

梓「はい……」

22: 2010/08/29(日) 16:23:35.03 ID:sXM0rKMC0
さわ子「あの子たちの事だから、何かの冗談とか……」

梓「……でも、あんなに真剣な目の先輩たちは初めて見ました――あ!そ、そうです!電話!これで……」
  
  (でも……電話に出てくれないかもしれない)  ピッ…ピッ…ピッ

  (澪先輩なら……出てくれるかな……)   ……プルルルル プルルル プルルル プル

『……もしもし』

梓「あ、み、澪先輩!」

『澪ちゃん、だれー?彼氏?』
『いや、あz…中野さん』

梓「先輩!今日は何で――」

『え!!? み、澪!何出てるんだよ!貸せ!』

梓「み…お先輩……」

 ツー・・・ ツー・・・ ツー・・・

さわ子「………」

梓「電話、切られちゃいました……」

さわ子「……私が明日の朝、みんなに聞いてみるわ」

26: 2010/08/29(日) 16:35:41.90 ID:sXM0rKMC0
――翌日

さわ子「梓さん、ちょっといいかしら」

純「梓、先生から呼び出しとか何かしたの?」

梓「別になにも…ちょっと用事があって……」


さわ子「休み時間中にごめんね お友達と話していたみたいだけど大丈夫?」

梓「大丈夫です」

さわ子「憂ちゃ……コホン 憂さんいないみたいだけど……」

梓「朝、先生が今日は体調不良で休みって言ってました」

さわ子「そう……それでね、昨日のことを4人に聞いてみたんだけど これ」

梓「…何ですか?これ」

さわ子「琴吹さんから、梓さんの退部届と一緒に渡されたわ 中に500万円入っているそうよ」

梓「ごひゃ…!?」

さわ子「……………どうしても辞めてほしいんですって あなたに、部活を」

28: 2010/08/29(日) 16:47:30.63 ID:sXM0rKMC0
梓「っ……!!!」

ダッ!!!

さわ子「梓さん!」

梓「なんで………なんでなんですか……!!!」

タッタッタッタッタッタッタッタ

梓「なんで……私が……何をしたって言うんですか……!!!」

タッタッタッタッタッタッタッタ

梓「先輩……私が……何を……!!!!」

タッタッタッタッタッタッタッタ

梓「……うううっ!!!!!」

タッタッタッタッタッタッタッタ・・・ ガラッ!

梓「澪先輩!律先輩!紬先輩!唯先輩ッ!!!!」


律「……………んあ? ってああ中野さんじゃん 何?3年の教室まで来て何か用?」

梓「律先輩……昨日の、昨日のあれは何なんですか!!!!」

32: 2010/08/29(日) 16:59:14.28 ID:sXM0rKMC0
律「何、って退部届のことか? 安心しろ、しっかりさわちゃんに渡しておいたから」

梓「そうじゃないです!私、退部するつもりはありませ――」

紬「あら? 中野さん何でここに居るの?」

梓「紬先輩!昨日はどうして……」

紬「さわちゃんから話聞かなかった?」

梓「聞きましたよ!………お金で…お金まで渡して、いきなりすぎてわけわかんないです!!」

紬「話、聞いていないのね?」

梓「だから!!」

紬「辞める意外にも、私たちの教室に来ないこと、私たちに話しかけないこと、もう二度と部室に来ないこと――」

紬「さわちゃんに言っておいてって頼んだのだけれど、聞いていなかったみたいね」

梓「そんな…!!何で、なんで…!!!なんで!!!???」

唯「だって中野さん」

梓「ゆ、唯先輩!いつも、私のことあずにゃんて抱きしめてくれてたじゃないですか!!」

唯「ああそんな事もあったね でもね中野さん、私たちはもう退部してほしいんだよ」

紬「500万円じゃ足りなかった? あ…転校費用として800万くらいあったほうがよかった? 今用意するから――」

34: 2010/08/29(日) 17:14:57.46 ID:sXM0rKMC0
梓「お金の問題じゃありません!!!!」

紬「はい、プラス300万 これで十分よね」

梓「っ……!!!」

 バシィッ!

紬「痛っ……」

澪「ひぃっ!!た、叩いた!中野さんがムギを…!痛そう痛そう痛そう痛そう痛そう…!!」

梓「…っ!! ……っく……! お金なんて……っ!お金なんてぇっ…! おかねなんていらない!!!!!」

 バシイッ!! ガスッ!!

紬「いやっ…!な、何するの…? 痛い…」

梓「っっく…!!私はっ……!!私は先輩達と一緒にっ…っく…一緒にっ…!!!一緒にっ!!」

律「……私たちは嫌なんだ――よッ!!!」

 ゴスッ!!

梓「っかはっ!!! っ…り、律…先輩…」

澪「血、血、血が出てる…!ムギ、ムギと梓から血が血が血が血が血が血が血が血が血がぁ!!!!」 ガクガクブルブル

37: 2010/08/29(日) 17:30:22.78 ID:sXM0rKMC0
律「ったく…素直にお金貰って辞めればいいんだよ ほら、早くその金拾って教室へ帰れよな」

梓「…っく…っひっく……・私は……私は……」

唯「ねえ中野さん、そろそろ授業はじまるから ほら300万だよ」

梓「違う…違う…違う違う違う違う違う違うちがうちがうちがうちがうちがう!!!!!!」

律「違わなくない もう中野さんは私たちとは関係無いんだから 早く出てけ」

梓「先輩の………っ、っぅっく…・先輩のバカあああああああ!!!!!!!!」

唯「あ、それ私のギー太――」

律「ん?な!?やめ、危な――


  ゴシュッ


澪「ひひあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!」

唯「――ギー太!じゃなくてりっちゃん!!!!!????」

39: 2010/08/29(日) 17:43:25.27 ID:sXM0rKMC0


 ――その後の事はよく覚えていません


 ……後で聞いた話によると、律先輩の怪我は軽傷で、おでこに少し痣が残っただけだそうです


 それからは痣を隠すためなのか、カチューシャを付けなくなった、と……


 私――中野梓は、その後すぐ手続きを取り、桜高校から転校することになりました


 警察沙汰にならず、転校だけで済んだのは紬先輩の配慮だそうです


 時々、あの桜高校で過ごした日々の、何が夢で何が現実だったのかわからなくなる時があります


 あの頃使っていたギターに触れる度に、楽しかった時だけが現実だったらいいな、なんて思います――


44: 2010/08/29(日) 18:06:06.62 ID:sXM0rKMC0
――

榎本「でさ、ここの『世界の闇の中でさえ』ってとこなんだけど……って梓聞いてる?」

梓「へ?あ、はい そのフレーズ私も好きです」

財前「梓、時々魂がどこか旅に出てる時あるよね」

梓「そんなことないです!」

岡島「演奏中にいきなり魂が何処かに行かないといいけど」

榎本「今度の北高祭は絶対成功させたいからね 梓も入部してすぐになるけど練習頑張ろうね」

中岡「急に頼んで悪いね、私以上にギター頑張ってくれよ?」

梓「はい!」

榎本「よっし!それじゃあ北高祭本番に向けてがんばるぞー! …っけほっ!けほっ…!!」




 ――でも、今は今で楽しいです

 またどこかで、桜高校の先輩達の演奏を聴けるといいな

                                           fin.

45: 2010/08/29(日) 18:11:13.40 ID:QeDj1H+d0
乙ー 
楽しかったよーwww

46: 2010/08/29(日) 18:11:24.46 ID:Lqd7RXo7O
転校ってそっちに行ったのか

48: 2010/08/29(日) 18:57:09.01 ID:DWA/mGix0
中岡じゃねぇ
榎本 中西 岡島 財前でENOZだ
二度と間違えんな

49: 2010/08/29(日) 19:39:16.19 ID:X8pCK59H0
まあ梓の性格的に、先輩があの4人でよかったとは思う

引用: 唯「あずにゃんってキモくない?」