80: 2013/11/03(日) 20:41:09.77 ID:VCdkvElw0
81: 2013/11/03(日) 20:42:19.23 ID:VCdkvElw0
時雨と11月
82: 2013/11/03(日) 20:42:56.87 ID:VCdkvElw0
時雨「────失礼します」
提督「おう、おはよう時雨」
時雨「おはよう、提督」
時雨「……コタツ、出したんだね」
提督「今日から十一月だしな」
提督「寒さも厳しくなってきたし丁度いいだろ?」
時雨「確かに良い判断だと思うけど……」
時雨「仕事したくなくなっちゃうんじゃないかな?」
提督「その時はその時だ」
提督「ほら、いつまでもそんなとこで立ってないで、時雨も来いよ」
時雨「それじゃあお言葉に甘えて……」
提督「あー、違う違う」
提督「時雨が来るのはここ」
時雨「……え?」
時雨(……提督の膝の間、か)
時雨「……本気で言ってる?」
提督「本気に決まってるだろ」
提督「俺も寒くなってきたから早く早く」
時雨「…………はぁ」
時雨「分かったよ、今行くから」
83: 2013/11/03(日) 20:44:16.82 ID:VCdkvElw0
提督「……どうだ時雨? 暖かいか?」
時雨「うん、とても暖かいよ」
時雨「……でもいいのかい?」
時雨「僕が間に入っている分、提督はコタツに入れてないみたいだけど……」
提督「時雨が寒くないならそれでいい」
提督「それに……」
時雨「んっ……」
提督「こうすれば俺も暖かいしな」
時雨「ふふ、そうだね……でも」
時雨「ちょっと苦しいかな……?」
提督「うおっ、すまんっ」
提督「強く抱き締めすぎたか?」
時雨「ううん、別に謝らなくてもいいよ」
時雨「提督を傍に感じられて嬉しかったしね」
提督「……っ!」
提督「ああもう、時雨は可愛いなぁ!」
時雨「ふふ、だから苦しいってば……」
84: 2013/11/03(日) 20:45:25.45 ID:VCdkvElw0
────────
──────
────
──
時雨「……今日はやけに積極的だったね」
時雨「何かいいことでもあったのかい?」
提督「いや、無いぞ?」
時雨「……じゃあどうして?」
提督「実は今日は『犬の日』といってな……」
提督「犬を可愛がる日だということで可愛いがってみた次第だ」
時雨「…………」
時雨「……僕が改二になってから、やたらと犬扱いするようになったよね」
提督「だって時雨って子犬みたいなんだもん」
時雨「……まぁ、提督なら良いけどさ」
提督「流石時雨。心が広いなぁ」
時雨「……一応言っておくけど」
85: 2013/11/03(日) 20:46:11.38 ID:VCdkvElw0
時雨「『提督だから』、良いんだよ?」
時雨「そこのところ……間違えないでね?」
90: 2013/11/04(月) 00:37:18.90 ID:LuGZCm1U0
時雨と12月
91: 2013/11/04(月) 00:38:16.95 ID:LuGZCm1U0
提督「────ここにいたのか……」
時雨「……提督?」
時雨「どうしたんだい? こんな寒い夜に外に出るなんて……」
提督「それはこっちの台詞だよ」
提督「時雨こそこんな夜更けに天体観測か?」
時雨「ふふ、ちょっと違うけど……」
時雨「もしかしたら見れるかも、って思ってさ」
提督「……何を?」
時雨「……ここにこのまま居たら、もしかすると一緒に見れるかもね」
提督「そうか……」
提督「隣、いいか?」
時雨「もちろん」
92: 2013/11/04(月) 00:38:59.89 ID:LuGZCm1U0
時雨「……それで、提督はどうしてここに?」
提督「ん? 俺か?」
提督「……実はお前にプレゼントする物があってな」
時雨「ああ、そうか……」
時雨「そう言えば今日は、クリスマス・イヴだったね」
時雨「すっかり忘れていたよ」
提督「ということは……アレか」
時雨「うん、ごめんね……」
時雨「僕からのプレゼントは……無いんだ」
時雨「本当に…………ごめん」
提督「謝らなくていいって」
提督「お前ら艦娘は俺と違って自由が利かないし」
提督「用意したくてもそう簡単に出来ないってことはちゃんと分かってるから」
提督「だから気にするな」
提督「……な?」
時雨「…………うん」
93: 2013/11/04(月) 00:40:03.60 ID:LuGZCm1U0
提督「────よし」
提督「それじゃ早速渡すぞ?」
提督「一日早い……クリスマスプレゼントだ」
提督「メリークリスマス、時雨」
時雨「ありがとう……提督」
時雨「……開けてみてもいいかい?」
提督「ああ、もちろんだ」
提督「……それに丁度いいしな」
時雨「……丁度いい?」
時雨「一体何が────あっ」
時雨「これ…………マフラー?」
提督「その通り」
時雨「確かにこれは……今の状況に丁度いいね」
提督「一応時雨に似合いそうなのを選んできたつもりなんだが……」
提督「……どうだ?」
時雨「……うん、とても気に入ったよ」
時雨「ただ……」
時雨「これは長過ぎないかな?」
提督「あー……すまん」
提督「時雨の背丈を考慮するべきだったな……」
提督「せっかくの────」
時雨「────待って提督」
時雨「……ほら、見てよ」
提督「あっ……」
時雨「やっぱり今日だったんだ」
提督「雪、か……」
94: 2013/11/04(月) 00:41:06.38 ID:LuGZCm1U0
時雨「どうやら今年はホワイトクリスマスになりそうだね」
提督「……綺麗だな」
時雨「ああ、とても……綺麗だ」
時雨「────そうだ」
時雨「提督、もうちょっと僕の方に寄ってくれるかい?」
提督「どうした? 寒いのか?」
時雨「うん、寒い」
時雨「だからこのマフラーを使って……」
時雨「……二人で暖め合おう」
提督「……確かに、これは暖かい」
提督「でもこれじゃ時雨から離れられないな」
時雨「だったら……離れなければいい」
時雨「来年も、再来年も、またその次の年も……」
時雨「一緒に居ようよ」
時雨「冬になったらまたこうやって暖め合って、さ……」
提督「ああ……そうだな」
提督「時雨と俺は、ずーっと一緒だ」
95: 2013/11/04(月) 00:41:46.51 ID:LuGZCm1U0
時雨「……うん」
時雨「僕と提督は、ずーっと一緒だ」
108: 2013/11/04(月) 13:48:38.82 ID:LuGZCm1U0
時雨と1月
109: 2013/11/04(月) 13:49:45.65 ID:LuGZCm1U0
提督「──すまん、時雨」
提督「少し遅れた」
時雨「おはよう、提督」
時雨「まだ大丈夫だから安心して」
提督「そうか、良かった……」
提督「…………それにしても」
提督「結構皆居るな……」
時雨「僕も初日の出を見る人がこんなに居るなんて思わなかったよ」
時雨「……それで、どうする?」
提督「どうするって……何が?」
時雨「その…………マフラー……」
時雨「皆、見てるけど……」
提督「何言ってんだ」
提督「鎮守府の皆にはもうバレてるんだから今更恥ずかしがる必要もないだろ?」
提督「ほら、一緒に巻くぞ」
時雨「う、うん……」
110: 2013/11/04(月) 13:50:38.19 ID:LuGZCm1U0
「朝からラブラブですネー」
「熱いねぇ、痺れるねぇ」
「私達お邪魔っぽい?」
「時雨ちゃんの顔が真っ赤なのです」
「電、それは言わないのが情けクマー」
「あー……インタビューしたいですねぇ」
時雨「うぅ…………」
提督「顔真っ赤にしちゃって時雨は可愛いなぁ!(お前ら……あまりからかうんじゃない)」
時雨「あぅ」
時雨「…………そ、その、皆……」
時雨「も、もう勘弁してくれないかい……?」
時雨「お願いだから、さ……」
(((((……なにこの子可愛い)))))
111: 2013/11/04(月) 13:51:40.38 ID:LuGZCm1U0
提督「言っておくが時雨は俺のだ」
提督「お前らといえど手を出したら許さん!」
時雨「も、もうやめてってば!」
112: 2013/11/04(月) 13:52:14.19 ID:LuGZCm1U0
時雨と2月
113: 2013/11/04(月) 13:52:58.80 ID:LuGZCm1U0
提督「────時雨ー!」
提督「おはよう!」
時雨「おはよう、提督」
時雨「今日はやけに元気だね」
提督「だってほら今日は特別な日だし?」
提督「もう昨日から楽しみで楽しみで……!」
時雨「あはは、なんだかそこまで期待されると腰が引けちゃうね……」
時雨「……でも、嬉しいよ」
時雨「はい、チョコレート」
時雨「提督の口に合ってくれると嬉しいな」
提督「ありがとう時雨!」
提督「……早速開けてみてもいいか?」
時雨「うん、いいよ」
提督「ふふーん♪ 時雨の手作りチョコレート……♪」
提督「いざ、オープン!」
提督「────っ!」
提督「……………………」
提督「ハート型……だと……!」
時雨「……僕の気持ちをそのまま形にしてみたんだ」
時雨「……どうかな?」
114: 2013/11/04(月) 13:53:46.11 ID:LuGZCm1U0
提督「……凄い嬉しいよ」
提督「何だかんだ言って時雨の俺に対する愛情表現って遠回しだしな」
提督「ハートとかの直接的な表現は新鮮だ」
時雨「…………まさかと思って思い返してみたけど……」
時雨「確かに僕ってそういうのはしたことが無いや」
提督「だろ?」
提督「実は『好き』って言われたこともないんだぜ?」
時雨「…………」
時雨「提督、チョコレートを渡してくれないかい?」
提督「……えっ?」
提督「か、回収するのか……?」
時雨「違う違う」
時雨「いいから早く」
提督「あ、ああ……」
時雨「…………ふぅ」
時雨「────よしっ」
時雨「提督」
提督「な、何だ?」
115: 2013/11/04(月) 13:54:31.21 ID:LuGZCm1U0
時雨「────大好き」
時雨「僕の気持ち……受け取ってくれる……?」
116: 2013/11/04(月) 13:55:40.12 ID:LuGZCm1U0
────────
──────
────
──
提督「もう……氏んでもいい……」
時雨「いつまで言ってるのさ……」
提督「あぁもう、録音しとけば良かったぁ……」
時雨「やめてよ、青葉さんに渡ったらどうするんだい?」
時雨「…………そ、それに」
提督「それに?」
時雨「ふ、二人きりの時なら、何度だって言ってあげるから……」
時雨「……それで良いだろう?」
提督「…………し、時雨ー!」
時雨「わぷっ!?」
提督「俺も大好きだぞー!」
時雨「…………ふふっ、提督ってば……」
時雨「恥ずかしいから程々に頼むよ?」
280: 2013/11/09(土) 23:28:07.25 ID:Ltq4uTkc0
時雨と3月
281: 2013/11/09(土) 23:28:49.71 ID:Ltq4uTkc0
提督「────時雨、今日も一日お疲れ様!」
時雨「提督こそお疲れ様」
時雨「この後は何かある?」
提督「えーと……何もないな」
提督「今日はもうあがっていいぞ?」
時雨「分かった」
時雨「それじゃあまた明日だね」
提督「ああ、おやすみ」
時雨「おやすみ、提督」
提督「────って、ちょっと待ってくれ!」
時雨「ひっ!?」
時雨「い、いきなり大きな声を出さないでおくれよ……」
時雨「心臓に悪いじゃないか……」
提督「す、すまん」
提督「でも急に思い出してな……」
提督「危うく渡し損ねるところだった」
時雨「渡し損ねる……?」
時雨「……ああ、なるほど」
時雨「僕もすっかり忘れていたよ」
提督「ということでこんな遅くなっちゃったけど……はい、これ」
提督「バレンタインのお返しだ」
時雨「ふふ……ありがとう、提督」
282: 2013/11/09(土) 23:29:40.20 ID:Ltq4uTkc0
時雨「無粋だけど、中身は何かな?」
提督「ああ、クッキーだ」
時雨「へぇ……」
時雨「もしかして、誰かに手伝ってもらった?」
提督「まあな。知り合いにクッキー作るのが趣味の人が居たから、その人に手伝ってもらった」
時雨「………………」
時雨「…………女性?」
提督「気の良い婆さんだけどな」
提督「…………嫉妬した?」
時雨「ち、違うよっ」
時雨「気になっただけだってばっ」
提督「ふぅん……そうかー」
提督「そうかそうかー」
時雨「うぅ……」
時雨「い、イジワル……」
提督(真っ赤になっちゃって……)
提督(可愛いなぁ……)
時雨「し、嫉妬なんかじゃ……うぅ……」
283: 2013/11/09(土) 23:31:43.56 ID:Ltq4uTkc0
────────
──────
────
──
時雨「────あ、美味しい」
提督「本当か?」
時雨「うん」
提督「いやー、時雨の口に合ったようで良かったよ」
提督「吐き出されたら立ち直れない自信があるからな」
時雨「そんなこと絶対しないけどね……」
時雨「ところでチョコを使ってないみたいだけど、何か理由があるの?」
提督「ん? 犬にチョコは駄目だろ?」
時雨「そうやってすぐ犬扱いする……」
提督「時雨が可愛いからだよ」
時雨「もう……」
時雨「いつか手痛いしっぺ返しが来ても知らないからね?」
提督「はいはい」
時雨「……覚悟してね、提督」
284: 2013/11/09(土) 23:32:16.84 ID:Ltq4uTkc0
時雨と4月
285: 2013/11/09(土) 23:33:48.21 ID:Ltq4uTkc0
提督「そういえば今日は『忠犬ハチ公の日』だな、時雨」
時雨「あたかも僕が知っていて当然かのように言わないでおくれよ……」
時雨「……でも、そうだったんだ」
提督「ちなみにハチ公が亡くなったのは3月で、この記念日自体は銅像が建てられた日なんだぞ」
時雨「へぇ……」
提督「時雨はハチ公のことは知ってるよな?」
時雨「飼い主が亡くなった後も、駅で主人の帰りを待ち続けた犬だろう?」
時雨「すごいよね……感動するよ……」
提督「ああ、本当すごいよな……」
提督「………………」
提督「ちなみに時雨はそんなことする必要はないぞ?」
時雨「……えっ?」
提督「仮に俺が何らかの病気にかかったり不意の事故に逢ったりして氏んでも、時雨は俺の氏に縛られる必要は皆無だ」
提督「普通の女の子に戻るもよし、他の提督を見つけて艦娘を続けるもよし」
提督「時雨の自由にして良いからな?」
時雨「………………」
提督「ああ、でもたまに線香くらいは────」
時雨「────嫌だ」
提督「────え?」
提督「し、時雨? どうした?」
286: 2013/11/09(土) 23:35:26.63 ID:Ltq4uTkc0
時雨「…………提督」
時雨「嘘だとしても……冗談だとしても……」
時雨「例え話でも……もしもの話でも……!」
時雨「氏ぬだなんて言わないでくれ……!」
時雨「僕を……僕を独りにするつもりかい……?」
時雨「そんなの…………嫌だよ……」
時雨「約束、したじゃないか……」
287: 2013/11/09(土) 23:36:11.25 ID:Ltq4uTkc0
提督「時雨……」
提督「ごめん、心配させるようなこと言って……」
時雨「……本当だよ」
時雨「僕、悲しかったんだからね……?」
提督「ごめん……」
提督「……前に約束した通り、俺と時雨はずっと一緒だ」
提督「絶対に氏んだりなんてしない」
提督「時雨を悲しませるようなこと、絶対しないから……」
時雨「………………約束、だからね」
提督「ああ、約束する」
時雨「提督……」
提督「時雨……」
288: 2013/11/09(土) 23:37:15.61 ID:Ltq4uTkc0
────────
──────
────
──
提督「………………」
時雨「………………」
提督「……落ち着いたか?」
時雨「……うん」
時雨「……冷静になったんだけどさ」
時雨「僕達朝から何やってるんだろうね、これから皆と出撃したり演習したりするのに」
提督「俺もそう思った……」
時雨「感情が爆発するとこうなるんだってよく分かった。今度からは気を付けるよ」
提督「俺も発言に気を付けるよ」
提督「……で、どうする?」
提督「もう少し抱き合ってるか?」
時雨「………………」
時雨「そうしてくれると助かるかな……」
289: 2013/11/09(土) 23:37:48.51 ID:Ltq4uTkc0
時雨「今の僕の顔は、提督にはちょっと見られたくないから……」
303: 2013/11/11(月) 19:10:05.90 ID:yQT62Qaj0
時雨と5月
304: 2013/11/11(月) 19:10:46.35 ID:yQT62Qaj0
提督「ハッピーバースデートゥーユー♪」
「「「「ハッピーバースデートゥーユー♪」」」」
提督「ハッピーバースデー、ディア時雨ー♪」
提督「ハッピーバースデー……」
「「「「トゥーユー♪」」」」
提督「時雨、誕生日おめでとー!」
「おめでとうデース!」
「おめでとうなのです!」
「ひゃっはぁー! 酒だ酒ー!」
「うむ、今宵は宴じゃな!」
時雨「皆……」
時雨「僕なんかのために、ありがとう……」
時雨「すごく嬉しいよ……」
提督「ほら時雨! ローソク消して!」
時雨「……うん!」
時雨「すぅ……」
時雨「ふぅー……!」
「「「「「いぇーいっ!!」」」」」
────────
──────
────
──
305: 2013/11/11(月) 19:11:33.53 ID:yQT62Qaj0
提督「────よっ、時雨」
提督「楽しんでるか?」
時雨「……楽しいよ」
時雨「楽しすぎて、夢みたいだ」
提督「ははっ、そうか」
提督「でも夢じゃないんだなー、これが」
時雨「ふふっ、そうだね……その通りだ……」
時雨「………………夢なんかじゃ、ない」
提督「………………」
時雨「…………ねぇ、提督?」
提督「……どうした?」
時雨「この幸せが、ずっと続けばいいと思わない?」
提督「……時雨」
提督「『続けばいい』じゃない」
提督「『続ける』んだ」
時雨「…………」
時雨「……提督ならそう言うと思った」
時雨「僕、頑張るよ」
時雨「だからまた、来年もこうやって皆で祝ってくれる?」
提督「……ああ、もちろんだ」
提督「誰も沈ませたりなんかしない」
提督「また皆で祝ってやる」
提督「そんでもって来年はもっと盛大にしてやるから覚悟しておけよ?」
時雨「……うんっ」
306: 2013/11/11(月) 19:12:19.47 ID:yQT62Qaj0
提督「さーて、湿っぽい話はこれで終わりだ」
提督「時雨、何食べる?」
時雨「もう沢山食べたんだけどね……」
時雨「あっ、デザートってもう出来てる?」
提督「さっき間宮さんが持ってきてたな……」
提督「ちょっと取ってくる」
時雨「お願いするね」
提督「おう、任せとけ」
時雨「……あれ?」
時雨「僕のコップってどっちだったっけ?」
時雨「………………」
時雨「……入ってるのは同じみたいだし、どっちでもいいかな?」
時雨「…………んっ」
時雨「──────っ!?」
時雨「けほっけほっ……」
時雨「これってまさか……」
時雨「……初めて飲んだけど結構美味しいんだね」
時雨「もうちょっとだけ……」
307: 2013/11/11(月) 19:13:23.02 ID:yQT62Qaj0
────────
──────
────
──
提督「────すまん、時雨」
提督「空母組と戦艦組が全部食べたらしい」
提督「今、間宮さんが追加で作ってるらしいから、出来るまで待ってて────」
提督「────時雨?」
時雨「ふふふ、どうしたんだい提督?」
時雨「僕がどうかした?」
提督「……い、いや、何も」
時雨「そうかい? 変な提督だなぁ……」
時雨「まぁいいや」
時雨「僕の隣、座って?」
提督「あ、ああ……」
提督(な、何だこの感じ……)
提督(時雨の目が……何というか『トロン』としてる)
提督(それは見ようによっては眠たそうにも見えるけど……)
提督(その実全く隙がない……!)
提督(むしろ隙を見せたらこっちが食われそうな雰囲気すらあるぞこれ!)
提督(…………もしかして)
308: 2013/11/11(月) 19:14:25.80 ID:yQT62Qaj0
提督「な、なぁ時雨?」
時雨「何?」
提督「あのさ……酔ってる?」
時雨「────ははっ」
時雨「分かるかい?」
提督「誰だ飲み物に酒混ぜた奴……!」
時雨「……それにしても、嬉しいなぁ」
提督「な、何が?」
提督(ち、近い近い!)
提督(酒のせいか体も凄い熱いし、これ以上はちょっと……!)
時雨「提督はさ、僕が酔ってること……すぐに分かったでしょ?」
時雨「それってつまり……僕のことをしっかり見てるってことだよね?」
提督「ま、まあな」
提督「時雨のことなんて丸分かりだ」
時雨「……そう?」
時雨「じゃあさ────」
提督「──────っ!?」
提督(し、時雨の両手が俺の両頬に!?)
提督(それに何だこの力!? 全く動けない!?)
時雨「────僕が今一番欲しいもの……分かる?」
提督「え、えーと……」
「Wow! 時雨ってば大胆ネー!」
「み、見ない方が良いっぽい?」
「はわ、はわわわ……!」
「あ、あら、あらあら……」
提督(見てないで助けろよっ!!)
309: 2013/11/11(月) 19:15:26.97 ID:yQT62Qaj0
提督「そ、そうだなあ…………」
提督「で、デザート……?」
時雨「………………」
提督「た、誕生日プレゼントとか……」
時雨「………………」
提督「あー、そのー、えーっと……」
時雨「────残念、時間切れ」
時雨「僕が一番欲しいものは────」
時雨「────提督」
時雨「んっ────」
提督「────っ!?」
「Oh……、な、何だか私までドキドキしマース……」
「ひゅー♪ 時雨も結構やるねぇ……」
「ふ、深いのです、長いのです……!」
「小さい子は見ちゃ駄目クマー」
「い、何時まで続くのね……?」
「やれやれ、場所くらい弁えて欲しいものじゃな」
310: 2013/11/11(月) 19:16:10.64 ID:yQT62Qaj0
時雨「──────ぷはっ」
時雨「……ふふふっ」
時雨「提督────」
311: 2013/11/11(月) 19:16:48.27 ID:yQT62Qaj0
時雨「────ごちそうさま♪」
312: 2013/11/11(月) 19:17:30.08 ID:yQT62Qaj0
時雨と6月
313: 2013/11/11(月) 19:18:13.55 ID:yQT62Qaj0
提督「────お、時雨か?」
提督「工廠に居るなんて珍しいな」
時雨「て、提督?」
時雨「何でここに……」
提督「新しい装備が開発できたらしくてさ、それを見に来てたんだよ」
提督「時雨こそどうした?」
時雨「ぼ、僕はちょっと用事があってね……」
時雨(まさか提督が居るなんて……)
時雨(夕立……僕を騙したな……!)
時雨「もう用事も済んだから、今帰るところだよ」
提督「おっ、そうか?」
提督「じゃあさ、俺も丁度帰るとこだし、一緒に帰らないか?」
時雨「えーと、その……」
提督「それに見たところ……」
提督「傘、持ってないだろ?」
時雨「え?」
提督「外だ外。気付かなかったのか?」
時雨「────あ……」
時雨(雨……)
314: 2013/11/11(月) 19:19:05.39 ID:yQT62Qaj0
────────
──────
────
──
提督「────雲行きが怪しかったからな。念を入れて持ってきて正解だったよ」
時雨「う、うん……」
提督「そういえば今日は『傘の日』らしいぞ?」
提督「そんな日に雨降らすなんて神様も分かってるよなー」
時雨「そうだね……」
提督「…………はぁ」
提督「時雨、まだあの事気にしてるのか?」
時雨「………………」
提督「あれは不慮の事故みたいなものだから気にするなって、何度も言っただろ?」
時雨「で、でも、あんなことしちゃって……」
提督「……俺はむしろ嬉しかったけどな」
提督「積極的な時雨はアリかナシかでいえば断然アリだね」
時雨「…………その」
時雨「……幻滅とか、してない?」
時雨「はしたない奴だとか、思ってない?」
提督「してないし思ってない」
提督「……ただアレだ」
提督「あの姿見せるのは俺の前でだけな?」
提督「それと出来れば二人きりの時で」
時雨「…………変態」
提督「男は誰しも変態だ」
時雨「ははっ……」
時雨「……うん、僕ってば難しく考え過ぎていたみたいだね」
時雨「今までの自分が急に馬鹿馬鹿しくなってきたよ」
提督「心の整理は着いたか?」
提督「出来たならもっと寄ってくれ」
提督「俺の左半身がそろそろヤバい」
時雨「ず、ずぶ濡れじゃないか!」
時雨「そういうことは早く言ってよっ!」
315: 2013/11/11(月) 19:19:48.10 ID:yQT62Qaj0
提督「夏前だからまだまだ雨は冷たいな……」
時雨「ご、ごめん……」
時雨「僕に気を遣わせちゃったせいでこんなことになって……」
提督「……謝らなくていい」
提督「ただ暖めて欲しいなー……」
時雨「………………」
時雨「それだけ言えるなら大丈夫みたいだね」
提督「…………時雨のいけず……」
時雨「はいはい」
時雨「風邪ひいちゃうからさっさと歩く」
316: 2013/11/11(月) 19:20:21.66 ID:yQT62Qaj0
時雨「部屋に着いたらちゃんと暖めてあげるから…………」
436: 2013/11/22(金) 23:15:00.17 ID:ATp/L+wI0
時雨と7月
437: 2013/11/22(金) 23:15:39.56 ID:ATp/L+wI0
提督「────どうした時雨?」
提督「もうお腹一杯か?」
時雨「……提督」
時雨「これでも僕、結構食べたんだけど……」
提督「うーん、そうか?」
提督「……せっかくのお祭りなんだ。俺に遠慮なんかしなくていいからな?」
時雨「あはは、気持ちだけ受け取っておくよ」
時雨「……それにほら、今日のメインがもうそろそろだし、食べてる暇なんて無いんじゃないかな?」
提督「…………確かにそうだな」
時雨「ね?」
『──これより花火の打ち上げを開始します──』
『──御来場の皆様、どうぞお楽しみ下さい──』
提督「……始まるな」
時雨「……うん」
438: 2013/11/22(金) 23:16:15.06 ID:ATp/L+wI0
提督「────おおー……」
提督「やっぱり大玉花火は豪快だなぁ……」
時雨「鎮守府で皆とやる小さい花火も確かにいいけど、大きい花火は見応えがあるね……」
提督「…………うーん」
提督「……砲塔を上手いこと改造して打ち上げ出来ないかな?」
時雨「あはは、それが出来たら面白いと思うよ?」
提督「おっ、そうか?」
提督「それじゃ試作品が出来たら、時雨が打ち上げやってくれる?」
時雨「………………それは」
時雨「嫌、かな……」
時雨「だってほら、僕が打ち上げをやったら────」
時雨「────提督と一緒に見れないじゃないか」
提督「なっ────」
時雨「…………ふふっ」
時雨「顔が赤いけど、大丈夫かい?」
提督「へ、平気だから気にすんな」
提督(何だか最近、時雨が積極的になったな……)
提督(それは喜ばしいことだ…………でも)
提督(からかわれてるだけじゃ男が廃る!)
439: 2013/11/22(金) 23:16:56.62 ID:ATp/L+wI0
提督「────なぁ、時雨」
時雨「何だい提督?」
時雨「急に改まっちゃって……」
提督「確かに花火は綺麗だ」
提督「多種多様の模様を空に描き、夜の闇を様々な色彩で飾り照らす」
提督「その輝きに、見た者の心が奪われ、魅了されてしまうのも無理はない」
提督「……でも」
提督「俺にとっては時雨の方が────」
提督「────ずっと綺麗で、ずっと魅力的だぜ?」
時雨「………………」
時雨「……ねぇ、提督」
時雨「その台詞……恥ずかしいよ?」
提督「俺が一番分かってるよ……!」
440: 2013/11/22(金) 23:17:51.23 ID:ATp/L+wI0
時雨「大の大人があんなこと言うなんて……」
提督「うん、さっきの俺はどうかしてた」
提督「発言は全部忘れてくれ、頼むから」
時雨「言ってる間も花火見てばっかりだし、僕の方を見て言えないくらい恥ずかしいって、途中で気付いてたよね?」
時雨「……何で止めなかったの?」
提督「……男には退いちゃいけない場面があるんだよ」
提督「そういうことにしといてくれ」
時雨「…………あのね」
提督「────ぬおっ!?」
時雨「────こうやって僕の方をちゃんと見て、眼も合わせて……」
時雨「それで『綺麗だ』って言ってくれた方が……僕は嬉しい」
時雨「………………どう?」
提督「………………き」
提督「綺麗だ……」
時雨「…………ふふふっ」
441: 2013/11/22(金) 23:18:43.94 ID:ATp/L+wI0
時雨「ありがとう、提督……」
442: 2013/11/22(金) 23:19:29.44 ID:ATp/L+wI0
提督「…………なぁ、時雨」
提督「周りの皆がキャーキャー言ってるの……気付いてる?」
時雨「…………うん」
時雨「流石にちょっと…………恥ずかしいかも……」
時雨「僕の顔……赤いでしょ?」
提督「……気にするな。俺もだから」
時雨「……あはは」
時雨「それじゃあ僕……」
時雨「…………提督とお揃いだね」
提督(………………)
提督(もうなんか抱きしめたい)
443: 2013/11/22(金) 23:20:13.62 ID:ATp/L+wI0
時雨と8月
444: 2013/11/22(金) 23:20:51.85 ID:ATp/L+wI0
提督「────お疲れ様、時雨」
時雨「提督、お疲れ様」
時雨「…………それって麻雀卓だよね?」
時雨「急にどうしたの?」
提督「……今日は何日だ?」
時雨「えーと、8月1日だけど……」
時雨「それがどうかした?」
提督「8月1日、つまり8(パ)1(イ)の日ということで、今日は『麻雀の日』という記念日らしい」
提督「ニュースでそれを見て懐かしくなって、昔使ってたこれを引っ張り出してきたってわけだよ」
時雨「へぇ…………」
時雨「提督、麻雀出来るの?」
提督「それなりにな」
提督「……時雨はどうだ?」
時雨「さっぱりだよ」
時雨「…………でも、そうだな……」
時雨「せっかくの機会だし、教えてくれないかい?」
提督「おお、いいぞ!」
提督「それじゃちょっとこっち来て────」
445: 2013/11/22(金) 23:21:26.95 ID:ATp/L+wI0
────────
──────
────
──
提督「────というのが大体のルールだけど……」
提督「どうだ? 分かったか?」
時雨「うーん……、大丈夫……だと思う」
提督「そうか」
提督「それじゃちょっとやってみない?」
時雨「あはは……」
時雨「お手柔らかに頼むよ……?」
提督「大丈夫大丈夫」
提督「俺も手加減するから、な?」
446: 2013/11/22(金) 23:22:29.08 ID:ATp/L+wI0
提督(……これだ)
時雨「えーと、ロン……だったかな?」
時雨「提督の教えてくれた通り、3つずつ揃えてみたけど……」
時雨「どうだい?」
提督「…………す、凄いな」
提督(四暗刻単騎待ち……だと……!)
提督(い、いや、これはまぐれに違いない)
提督(次だ次!)
447: 2013/11/22(金) 23:23:16.41 ID:ATp/L+wI0
時雨「………………」
提督「どうした? 時雨の番だぞ?」
時雨「……うん、やっぱり揃ってる」
時雨「ツモ、でいいんだよね?」
提督「…………ふぇぇ」
時雨「提督っ!? どうしたのっ!?」
提督(清一・二盃口・断ヤオ・面前・赤1・ドラ2……とか漫画の世界だよぉ……)
448: 2013/11/22(金) 23:23:45.46 ID:ATp/L+wI0
時雨「提督、最初から揃ってるんだけど……」
提督「よしっ、もうやめにしよう!」
449: 2013/11/22(金) 23:24:20.91 ID:ATp/L+wI0
提督「………………はあぁ……」
時雨「……げ、元気出してよっ」
時雨「今回はたまたま運が良かっただけだって!」
提督「………………」
時雨「…………うぅ……」
時雨「ごめんね提督……」
時雨「僕のせいで提督は全然楽しめなかったよね……」
提督「…………そんなことはない」
提督「時雨がアガった時の嬉しそうな顔、それが見れただけで俺は満足だ」
時雨「提督……」
提督「……すまない、時雨」
提督「ショックで放心していたがもう大丈夫だ」
提督「…………時雨さえ良ければ、もう一度打たないか?」
時雨「うん……!」
提督「よし、じゃあ今度は4人で打とう」
提督「そうだな……。この部屋に入ってきた先着2人を加えるってのはどうだ?」
時雨「僕は構わないよ」
時雨「……誰が来るか楽しみだね」
450: 2013/11/22(金) 23:24:58.76 ID:ATp/L+wI0
「司令、雪風ただ今戻りました!」
「てーとく、遊びに来たでち!」
時雨「あ、あはは…………」
提督「アカン」
451: 2013/11/22(金) 23:26:08.90 ID:ATp/L+wI0
時雨と9月
452: 2013/11/22(金) 23:27:18.62 ID:ATp/L+wI0
提督「『妹』というのは『姉』とは大きな違いを持っている」
提督「その最たるものが『呼ばれ方』だ」
提督「考えてみれば容易に分かることだが、『姉』からの『呼ばれ方』はバリエーションに乏しい」
提督「それに対してどうだ?」
提督「『妹』からの『呼ばれ方』は『お兄ちゃん』『にぃに』『兄さん』『兄様』『兄上』『おにぃ』などなど多種多様!」
提督「即ち『妹』は『姉』よりも優位な存在なんだよ!」
時雨「ふーん……」
時雨「でも『姉』なら『お姉ちゃん』とか『おねぇ』とか『アネキ』とか呼べるよね?」
提督「それも実際捨てがたいけどな!」
453: 2013/11/22(金) 23:28:00.25 ID:ATp/L+wI0
時雨「……はぁ」
時雨「たまにこうやって暴走するけどさ……」
時雨「相手が僕だから良いものの、相手が相手なら大変な事になるんだよ────」
時雨「────『兄様』?」
提督「────はうっ!」
時雨「そもそも『妹の日』って本当にあるの?」
提督「き、今日がその日だというのは本当だ……」
時雨「…………うーん」
時雨「まぁ、『にぃに』が言うことなら信じるけど……」
提督「────おぅふっ!」
時雨「…………あのさ」
時雨「ちゃんと僕の話聞いてる?」
時雨「────『お兄ちゃん』」
提督「────ごはぁっ!」
時雨「……………………」
時雨「どれが一番良い?」
提督「…………」
提督「『にぃに』です」
時雨「じゃあ今日は一日それで呼ぶよ」
時雨「『にぃに』、嬉しい?」
提督「ありがとうございます! ありがとうございます!」
454: 2013/11/22(金) 23:28:38.92 ID:ATp/L+wI0
────────
──────
────
──
時雨「────それにしても、呼び方ってたくさんあるんだね……」
提督「あだ名とかはともかく、特定の地位や身分を指す人の呼び方は本当に多いぞ?」
提督「家族に限定しても『オトン』『オカン』『ジジ』『ババ』……」
提督「もちろん他にもあるが、地方独特のものを合わせるとキリがないだろうな……」
時雨「家族、か…………」
時雨(提督が『兄』なら『にぃに』……)
時雨(……じゃあもし僕が『姉』なら?)
時雨(し、『時雨お姉ちゃん』とか……?)
時雨(…………いや、それも確かに良いけど)
時雨(やっぱり────)
時雨(────『お前』『あなた』で呼び合うのが良いなぁ……)
提督「時雨ー? どうしたー?」
提督「顔が赤いぞー?」
時雨「な、何でもないよっ!!」
455: 2013/11/22(金) 23:29:16.02 ID:ATp/L+wI0
時雨と10月
456: 2013/11/22(金) 23:29:52.97 ID:ATp/L+wI0
提督「────時雨ー!」
時雨「────提督ー!」
『トリック・オア・トリート!』
457: 2013/11/22(金) 23:30:41.99 ID:ATp/L+wI0
────────
──────
────
──
時雨「────それにしても鎮守府総出のハロウィンパーティーとか、よく考えたよね」
提督「たまにはこういうのも息抜きになっていいだろ?」
時雨「ふふっ、確かに……」
時雨「……提督はミイラ男で合ってる?」
提督「おう! ……まぁ、悪ノリしたやつが包帯をキツく巻いたせいで少々動きにくいけどな!」
提督「そういう時雨は狼人間か?」
時雨「まぁね」
時雨「……どう?」
提督「可愛いぞ」
提督「……ただ、新鮮味は無いけどな」
時雨「……うん、それは皆に言われたよ」
時雨「いや、確かに狼も犬科の動物だけどさ……」
時雨「犬扱いはひどくないかな?」
提督「……いや、仕方ないだろう」
提督「時雨のイメージって『忠犬』だし」
時雨「…………はぁ……」
458: 2013/11/22(金) 23:31:28.67 ID:ATp/L+wI0
提督「はははっ」
提督「溜め息を吐くと幸せが逃げるぞ?」
時雨「………………」
時雨「……それは、大丈夫だよ」
提督「へぇ、どうして?」
時雨「ふふ、だって今の僕は、こんな小さな溜め息じゃ吐き出しきれないくらい、幸せだからね……」
時雨「……もちろん提督のおかげだよ?」
提督「…………何だよ、照れるじゃないか」
時雨「……でも、これが僕の本音なんだ」
時雨「今までの僕ならここからずるずると暗い空気にしちゃうけど、今日はそんな日じゃないし、そんな空気にするつもりもないから、短く纏めるよ?」
時雨「……提督」
時雨「……今までありがとう」
時雨「こんな僕で良ければ、これからもよろしくお願いします」
提督「……もちろん!」
提督「俺の方こそよろしくなっ!」
時雨「……うん!」
提督「…………よっしゃ時雨! 間宮さんのとこにお菓子ねだりに行くぞ!」
提督「付いて来い!」
時雨「わっ、ちょっ、提督!」
時雨「待ってってば!」
459: 2013/11/22(金) 23:31:56.70 ID:ATp/L+wI0
────────
──────
────
──
460: 2013/11/22(金) 23:32:54.47 ID:ATp/L+wI0
提督「────うぅ……頭痛い……」
時雨「お帰り、提督」
時雨「こんな遅くまで何処行ってたの?」
提督「お、時雨か……」
提督「いや、実は……年配組に捕まって酒飲まされてな……」
提督「あいつら加減ってものを知らないから……」
時雨「それは災難だったね……」
時雨「でも、提督も同じ目に遭うなんて、やっぱり僕達ってば似たもの同士なのかな?」
時雨「……ふふ、提督と一緒は嬉しいなぁ……」
提督「…………時雨?」
提督「酒……飲んだのか……?」
時雨「んー…………」
提督「お、おい……何でこっちに歩いて────うおっ!?」
提督(し、しまった! 包帯が絡まって────)
時雨「ねえ提督? そうだとしたら────」
時雨「────どうする?」
提督(ま、マウントポジション……!)
提督「……よし、時雨」
提督「とりあえずそこから避けないか?」
提督「……な?」
時雨「……………………」
時雨「トリック・オア・トリート?」
提督「…………お、お菓子ならそこに……」
時雨「……欲しいのは提督だけだよ」
提督「…………あー……」
提督「その、何だ……?」
提督「俺が言う台詞じゃないんだけどさ……」
提督「……優しく、頼む」
時雨「………………」
時雨「今日は無理かも」
461: 2013/11/22(金) 23:33:27.63 ID:ATp/L+wI0
時雨「────いただきます♪」
462: 2013/11/22(金) 23:34:14.17 ID:ATp/L+wI0
提督「時雨ー、そろそろ部屋から出て来いよー」
時雨「あ、合わせる顔がないよ……」
463: 2013/11/22(金) 23:35:09.39 ID:ATp/L+wI0
時雨編終了。
次からリクエストの方やります。
それではまた。
464: 2013/11/22(金) 23:38:26.50 ID:jkAZHAuj0
乙。時雨かわいすぎて俺のハートが大破
改2にして放置してるが運用するか
改2にして放置してるが運用するか
465: 2013/11/23(土) 00:38:01.16 ID:TbFteuObo
時雨ちゃんってこんなに可愛かったっけ…?
よし、育てよう
よし、育てよう
161: 2013/11/04(月) 22:36:21.52 ID:LuGZCm1U0
長門と鈴谷と時雨
162: 2013/11/04(月) 22:37:24.82 ID:LuGZCm1U0
長門「────ん?」
時雨「────あっ」
長門「おお、誰かと思ったら時雨じゃないか」
長門「久しぶりだな、いつ以来だ?」
時雨「お久しぶりです、長門さん」
時雨「多分去年の夏以来かと……」
長門「半年も前か」
長門「ふむ、それにしても……」
時雨「えっと、どうかしました?」
長門「いや、随分と様変わりしたものだと思ってな」
長門「それが最近噂の『改二』とやらか」
時雨「はい」
時雨「つい先日改造して貰いました」
時雨「……僕、結構変わりましたよね?」
長門「……正直に言ってもいいか?」
時雨「……どうぞ」
長門「犬っぽい」
時雨「……やっぱりそう見えます?」
時雨「実は提督にもそう言われたんですよね……」
長門「……まぁ、そう気を落とすな」
長門「それはそれで可愛らしいぞ?」
鈴谷「────あれ?」
鈴谷「長門さんに時雨じゃん」
鈴谷「こんなとこで何やってんの?」
163: 2013/11/04(月) 22:39:32.01 ID:LuGZCm1U0
長門「鈴谷か」
長門「お前も久しぶりだな」
時雨「お久しぶりです、鈴谷さん」
鈴谷「久しぶりー♪」
鈴谷「二人も提督の会議待ち?」
長門「ああ、そうだ」
時雨「そうですけど……ということは鈴谷さんも?」
鈴谷「うん、私も提督待ち」
鈴谷「もうそろそろ終わる頃合いだと思うけどねー」
長門「む……確かにそうだな」
長門「そろそろ部屋に戻るとしようか」
鈴谷「えー? もうちょっとお話しようよー」
鈴谷「……良いネタあるんだよ?」
長門「……何だそれは」
鈴谷「聞きたい? それじゃ耳貸して」
長門「……どうせつまらないことだろうがな」
鈴谷「あははっ、あのさ────」
164: 2013/11/04(月) 22:40:15.90 ID:LuGZCm1U0
鈴谷「────────」
長門「────はっ?」
長門「ま、待て!? 何故それをお前が知っている!?」
鈴谷「さぁ? 何でだろねー?」
鈴谷「いやー、女のネットワークって怖いよねー?」
長門「ぐぬぬ……」
長門「……他言するなよっ」
時雨「長門さんが顔真っ赤になるなんて……」
時雨「一体何を言ったの?」
鈴谷「んー?」
鈴谷「こうゆう系のネタだよ?」
鈴谷「時雨の場合は────」
鈴谷「────────」
時雨「────ふぇ?」
時雨「ちょ、ちょっと待ってよ!」
時雨「何でそれを知ってるのさ!」
鈴谷「だから、女のネットワークだって」
時雨「あうぅ……」
時雨「……誰にも言わないでおくれよ?」
鈴谷「ちなみに他の子のもあるよー」
鈴谷「──────とか、──────とか」
鈴谷「ああ、あと────────とかね♪」
長門「……ほ、ほんとか?」
時雨「うわぁ……うわぁ……」
鈴谷「そうそう、そう言えば──────」
165: 2013/11/04(月) 22:40:57.57 ID:LuGZCm1U0
────────
──────
────
──
166: 2013/11/04(月) 22:41:42.47 ID:LuGZCm1U0
提督「ただいま、長門」
提督「……どうした? 顔が真っ赤だぞ?」
長門「……平気だ」
提督「いや、でも────」
長門「う、うるさいっ! 詮索するなっ!」
長門「早く帰るぞっ!」
提督「お、おう……」
提督(一体どうしたんだ……?)
167: 2013/11/04(月) 22:42:37.65 ID:LuGZCm1U0
提督「ただいま時雨!」
提督「────って、どうしたっ?! 熱でもあるのかっ?!」
時雨「だ、大丈夫だよ……これくらい平気さ……」
時雨「…………ねえ、提督」
時雨「僕、提督がどんな性癖でも受け入れるからね……」
提督「本当にどうしたっ?!」
168: 2013/11/04(月) 22:44:01.10 ID:LuGZCm1U0
鈴谷「────提督ー……」
鈴谷「お腹すいたー……」
提督「……仕方無い」
提督「たまには外食するか……」
鈴谷「やたっ♪」
鈴谷「私カレーね!」
提督「……そう言うと思った」
鈴谷「ホント?」
鈴谷「それじゃあこれって以心伝心ってやつじゃん?」
提督「……ああ、そうかもな」
鈴谷「……あはっ」
鈴谷「提督といしんでんしーん♪」
169: 2013/11/04(月) 22:44:53.16 ID:LuGZCm1U0
本日の投下終了です。
それではまた。
680: 2013/12/16(月) 21:36:04.82 ID:djA0WlI+o
乙
引用: 提督「艦娘との一年」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります