1:◆Rb7YoX3HUA 2013/11/01(金) 23:43:43.29 ID:SIPsI5ok0
541: 2013/12/02(月) 22:03:47.88 ID:0fSZw9iK0
伊勢とゴミの日
540: 2013/12/02(月) 21:52:33.70 ID:0fSZw9iK0
北上様から榛名まで了解です。
榛名がダブったのでちょっと書き直します。
なので本日の投下は昨日投下するはずだった分から榛名を引いた4人分です。
投下まで少々お待ちを。
542: 2013/12/02(月) 22:05:40.61 ID:0fSZw9iK0
提督「……………………」
提督「……これは何だ?」
伊勢「あ、あはは……」
伊勢「…………私の部屋よ?」
提督「……部屋? はは、面白い冗談を言うな」
提督「床が見えないくらい敷き詰められたゴミ袋の数々」
提督「使わずにホコリが積もった家電製品」
提督「そして立ち上る悪臭」
提督「どこからどう見てもゴミ置き場だ」
伊勢「り、理由があるのよっ。ちゃんとした理由がっ」
提督「……言ってみろ」
伊勢「えーと、その……日向が捨てさせてくれなくて…………」
提督「……実は日向から先に話を聞いている」
提督「お前、自分の部屋を欲しがったくせに、日向の部屋に入り浸っているそうだな」
伊勢「っ!?」
提督「買ってきたスイーツやお菓子、その他生活品の諸々を日向の部屋に持ち込み、それらを日向の部屋のゴミ箱に捨てようとしては怒られ、自分の部屋に持ち帰っていると聞いた」
提督「……そして持ち帰ってから自分で捨てるのをめんどくさがった結果がこの惨状」
提督「違うか?」
伊勢「仰る通りです……」
543: 2013/12/02(月) 22:06:23.65 ID:0fSZw9iK0
提督「…………はぁ」
提督「日向と同室だった間はこんなことが起きていなかった」
提督「……随分と日向に面倒をかけていたんだな」
伊勢「うぅ……」
提督「……しかし分からん」
提督「面倒だと分かっていながら何故一人部屋の申請を出したんだ?」
伊勢「それは、その…………」
伊勢「……いつまでも日向に頼るわけにはいかないし」
伊勢「……………………それに」
伊勢「一人で生活するくらい簡単に出来ないと、提督との生活なんて夢のまた夢かと思って……」
提督「………………」
提督「……いきなりハードルを上げ過ぎだ」
提督「今までずっと他人に頼ってきた奴が、急に誰にも頼らずに生きていける訳がないだろう」
提督「…………さっさと片付けるぞ」
提督「俺はゴミの上に寝るつもりは無いからな」
544: 2013/12/02(月) 22:07:13.07 ID:0fSZw9iK0
伊勢「…………えっ?」
伊勢「ね、ねぇ、提督?」
伊勢「それってその、私と一緒に居てくれるってことでいいのかしら……?」
提督「……そういう解釈で構わん」
提督「生活のイロハを叩き込んでやるから覚悟しろ」
伊勢「…………ふふっ」
提督「……笑っている暇があったら手を動かせ」
伊勢「────了解っ」
伊勢「さぁ、ちゃっちゃと片付けるわよっ!」
提督「…………このよれよれのハンカチは……」
伊勢「提督に貰った物ね」
伊勢「もう使ってないんだけど、捨てるに捨てられなくて……」
提督(……ゴミはともかく)
提督(俺が買ってやった物ばかりだな……)
提督(……………………)
提督「…………捨てるぞ」
伊勢「えっ、ちょ、ちょっと!?」
提督「……これくらいいくらでも買ってやる」
伊勢「……私に似合うやつ、また提督が選んでくれる?」
提督「……ああ」
伊勢「……ふふ、楽しみだわ♪」
545: 2013/12/02(月) 22:07:51.25 ID:0fSZw9iK0
伊勢とポニーテールの日
546: 2013/12/02(月) 22:08:20.93 ID:0fSZw9iK0
伊勢「『ポニーテールの日』?」
提督「ああ、今日がそうらしい」
伊勢「ふーん…………」
伊勢「……うん。正直に言うと『それがどうかした?』って感じなんだけど?」
提督「まぁ今日が『ポニーテールの日』だというのはキッカケみたいなものだ」
提督「今日がそんな日だと知った時ふと思ったんだが……」
提督「お前がポニーテールにしてるのは何か理由があるのか?」
伊勢「理由、ねぇ…………」
伊勢「んー…………」
伊勢「……ほら、私って日向と似てるじゃない?」
伊勢「だから区別しやすくなるようにポニーテールにしたんじゃないかしら?」
提督「自分のことだというのに随分と曖昧だな……」
伊勢「思い出せないくらいずっと前からポニーテールにしてるからね」
伊勢「理由なんて正直覚えてないわよ?」
提督「……そういうものなのか」
伊勢「そういうものよ」
547: 2013/12/02(月) 22:08:57.87 ID:0fSZw9iK0
伊勢「…………ところで提督」
伊勢「提督は好きな髪型とかってあるの?」
提督「…………何だ? 言えばその髪型にしてくれるのか?」
伊勢「もちろんっ」
伊勢「さ、好きな髪型を教えてちょうだい?」
提督「…………ふむ」
提督「そうだな…………」
提督「……強いて言うなら」
伊勢「強いて言うなら?」
提督「伊勢のポニーテールだ」
提督「……俺はそのままの伊勢が好きだからな」
548: 2013/12/02(月) 22:09:30.82 ID:0fSZw9iK0
伊勢「──────へ?」
伊勢「えっ、あ、ちょ…………うぅっ……」
伊勢「そ、そういう不意打ちやめてよねっ」
伊勢「びっくりするじゃないっ」
提督「……すまん」
提督「『提督は分かりにくい』と常々言われるものだから、素直に自分の気持ちを伝えてみたのだが……」
提督「どうも上手くいかないな」
伊勢「もう、だからそういうのじゃ…………」
伊勢「…………」
伊勢「……ね、ねえ提督?」
提督「何だ?」
伊勢「さっきの言葉、もう一回言ってくれない?」
提督「……俺は」
提督「そのままの伊勢が好きだ」
伊勢「…………ふふっ」
伊勢「悪くない気分だわ♪」
549: 2013/12/02(月) 22:09:59.39 ID:0fSZw9iK0
伊勢と休日
550: 2013/12/02(月) 22:10:34.72 ID:0fSZw9iK0
伊勢「────毎度毎度思うけど」
伊勢「提督って本当に仕事人間よね」
提督「そうか?」
伊勢「だって今日は久しぶりの休日でしょ?」
伊勢「それなのに執務室で仕事って……」
伊勢「まるで仕事に取り憑かれてるみたいだわ」
提督「……急な仕事が来ただけだ」
提督「俺だってこの仕事が無ければ……」
伊勢「無ければ?」
伊勢「趣味も何もない提督が、久しぶりの休日をどう過ごす予定だったの?」
提督「………………」
提督「ふむ、新しい油田が見つかったか……」
伊勢「あー! 今逃げたわねっ!」
伊勢「答えられないからって逃げるのは卑怯よ!」
提督「これは戦略的撤退だ」
提督「……それに同じく暇を持て余してる伊勢に言われたくない」
提督「お前だって何をするでもなくソファーに座ってるじゃないか」
伊勢「そ、それは、その……」
伊勢「たまには何もしないのも良いかなぁって……ね?」
提督「………………」
伊勢「………………」
提督「……仕事終わったら何処か行くか」
伊勢「良いわね、それ」
551: 2013/12/02(月) 22:11:40.31 ID:0fSZw9iK0
比叡とカレーの日
552: 2013/12/02(月) 22:12:26.85 ID:0fSZw9iK0
提督「────よし」
提督「比叡、準備はいいか?」
比叡「いつでも行けます!」
提督「良い返事だ」
提督「もう一度言っておくが俺は手取り足取り教えたりはしない」
提督「比叡が自分の思うようにカレーを作り、その途中で見過ごせないミスがあればその都度注意する」
提督「……いいな?」
比叡「はい! 大丈夫です!」
提督「それじゃ開始してくれ」
比叡「気合い! 入れて! 行きます!」
比叡「まずは材料を────」
提督「──────待て待て待て待てっ!」
比叡「ひぇっ!?」
提督「何だその材料の数は!」
比叡「ざ、材料?」
比叡「こ、こっちは隠し味用なんですけど…………」
提督(ざっと見ただけでもにんにく、りんご、ハチミツ、ヨーグルト、コーヒー……)
提督(こいつ……全部ぶち込んで作ってたな!)
提督「……比叡、今回は隠し味無しだ」
比叡「ええっ!? それじゃ比叡カレーになりませんよ!?」
提督「いいから無しだ!」
比叡「うぅ……」
比叡「分かりました……」
提督「ふぅ…………」
比叡「………………」
比叡「…………ウスターソースくらいなら」
提督「駄目」
比叡「ひえぇ……」
553: 2013/12/02(月) 22:13:28.52 ID:0fSZw9iK0
────────
──────
────
──
提督(……最初はどうなることかと思ったが)
比叡「ふふふーん♪」
比叡「えーと、次は────」
提督(調理手順は完璧だし、手際も悪くない)
提督(比叡は典型的なアレンジで失敗するタイプだったか……)
提督(アレンジ癖さえ直せば他の料理もなんとかなりそうだな)
比叡「────よしっ」
提督「……後は煮込むだけか?」
比叡「いえ、その前に一つあります」
提督(……またアレンジを加えるつもりじゃない……よな?)
提督(……そうなら止めるけど)
比叡「むむむむむ…………!」
提督「……………………」
提督「…………比叡」
提督「何をやっている? かめはめ波でも放つつもりか?」
比叡「ち、違いますよ!」
比叡「料理に愛情を込めてるんです!」
提督「そ、そうか…………」
比叡「むむむむむ…………!」
比叡「司令……大好きですよー…………!」
提督(可愛い)
────────
──────
────
──
554: 2013/12/02(月) 22:14:44.97 ID:0fSZw9iK0
比叡「ど、どうですか……!」
提督「…………美味い」
比叡「本当ですかっ!?」
比叡「頑張った甲斐がありました……!」
提督「どんな料理でもまずは基本を忠実にすること」
提督「……今回ので理解したな?」
比叡「はいっ!」
提督「……良い返事だ」
提督(……それにしても美味いな)
提督(……………………)
提督(……そうか)
提督(愛情たっぷり入ってるもんな)
比叡「────司令」
比叡「付け合わせ要りますか?」
提督「ああ、頼む」
555: 2013/12/02(月) 22:15:30.10 ID:0fSZw9iK0
比叡とコタツ解禁日
556: 2013/12/02(月) 22:16:09.57 ID:0fSZw9iK0
比叡「────司令、見て下さい!」
比叡「雪ですよ、雪!」
提督「……そうだな」
提督「寒い……」
比叡「司令も一緒に体を動かしましょう!」
比叡「そうすれば暖かいですよ!」
提督「いや、遠慮する……」
提督(あんなにはしゃいで……)
提督(……飼ってた柴犬を思い出すな)
提督「滑って転ぶなよー……」
比叡「あはは、そんなことしま────」
比叡「────あ痛ぁっ!?」
提督「言わんこっちゃない…………」
557: 2013/12/02(月) 22:17:00.99 ID:0fSZw9iK0
────────
──────
────
──
提督「────よし」
提督「準備できたぞ」
比叡「今年もついにコタツ解禁ですか……」
提督「今年は去年よりも少し早い解禁だな」
提督「…………比叡、分かってると思うが────」
比叡「大丈夫です! 仕事もちゃんとやりますから!」
提督「────ならいい」
比叡「それじゃ早速入りましょう!」
比叡「比叡、一番乗りです!」
提督「………………」
比叡「………………」
比叡「………………司令」
比叡「寒いです……」
提督「そりゃ電源入れたばかりだからな」
比叡「ひえぇ……コタツなのに暖かくないなんて……」
提督「少しすれば暖かくなる」
提督「それまで我慢しろ」
比叡「そんなぁ…………」
比叡「………………」
比叡「……司令」
比叡「寒いので隣に行っても……?」
提督「……いいぞ」
比叡「えへへ……」
比叡「……それでは失礼しますっ」
比叡(司令の隣は落ち着くなぁ……)
提督(比叡の隣は落ち着くな……)
558: 2013/12/02(月) 22:17:59.09 ID:0fSZw9iK0
比叡と休日
559: 2013/12/02(月) 22:18:46.47 ID:0fSZw9iK0
比叡「────司令、出来ました!」
提督「……今日も美味そうだな」
比叡「今日の料理は和風キノコパスタです!」
比叡「冷めないうちにどうぞ!」
提督「…………」
提督(比叡に料理を教えて早三ヶ月……)
提督(随分上達したな……)
比叡「…………司令?」
比叡「キノコ、苦手でしたか?」
提督「…………ん」
提督「すまん、ちょっと考え事をしていた」
提督「キノコは大丈夫だから心配するな」
比叡「そ、そうですか?」
提督「ああ」
提督「…………それにしても」
提督「これなら何時でもお嫁にいけるな……」
比叡「よ、嫁っ!?」
提督「今の比叡なら男の胃袋を鷲掴み出来ること間違い無しだ」
提督「……俺が保証する」
比叡「………………」
比叡「し、司令……その……」
比叡「私の料理は司令の胃袋も鷲掴み出来ているでしょうか……?」
提督「……………………」
提督「まぁ、な……」
比叡「────っ!」
比叡「………………えへへ♪」
比叡「それならいいんです♪」
560: 2013/12/02(月) 22:19:42.74 ID:0fSZw9iK0
不知火と木曜日
561: 2013/12/02(月) 22:20:21.75 ID:0fSZw9iK0
不知火「──────ふう…………」
不知火「もうこんな時間ですか……」
不知火「キリもいいですしここで一度休憩にしましょう」
提督「やった! 5時間ぶりの休憩!」
提督「不知火ってば俺を忙頃する気なのかと思ったよ全く……」
不知火「仕事の割り振りは上層部が決めたものです」
不知火「よって不知火に落ち度はありません」
提督「そ、それはそうなんだけど……」
不知火「でしたら問題有りませんね?」
提督「…………はい……」
不知火「………………」
不知火「……司令」
不知火「コーヒーとお茶、どちらが良いですか?」
提督「……不知火が淹れてくれるの?」
不知火「…………まあ、頑張っていたようですし」
不知火「流石の私も労います」
提督「不知火……!」
提督「それじゃコーヒーよろしく!」
提督「味は不知火に任せた!」
不知火「……了解しました」
562: 2013/12/02(月) 22:20:53.00 ID:0fSZw9iK0
不知火「────どうですか?」
提督「ん?」
提督「もちろん美味しいよ?」
提督「不知火が淹れてくれたコーヒーが不味い訳ないじゃないか」
不知火「……本音で」
提督「な、何のことかな?」
不知火「………………」
提督「あー……、白状しますので睨まないで下さい」
提督「…………ちょっと甘いです」
不知火「……すいません」
不知火「取り替えます」
提督「ちょ、そこまでしなくていいから!」
不知火「……そうですか」
提督「………………あのさ」
提督「不知火って基本的にブラック派だよね?」
提督「なんで俺のは甘くしたの?」
不知火「……司令がお疲れのようでしたので、甘い方が良いかと思いました」
提督「つまり俺のことを想って作ってくれたわけか……」
提督「ありがとう、不知火」
不知火「………………」
不知火「次は、失敗しませんから」
提督「おう、楽しみにしてるぞ」
提督「────さ、仕事に戻るか」
不知火「────はい」
563: 2013/12/02(月) 22:21:26.75 ID:0fSZw9iK0
不知火と土曜日
564: 2013/12/02(月) 22:22:11.34 ID:0fSZw9iK0
提督「────もう、限界だ!」
提督「何だよこの仕事の量!」
提督「上は何考えてるんだコンチクショー!」
不知火「……司令」
不知火「明日は休みですし、ここで踏ん張りましょう」
不知火「司令だけでなく不知火だって頑張っているのですから……」
提督「た、確かにそうだけど……」
提督「ひたすら書類に向かっているのはもう飽きたんだよ……」
不知火「…………クイズでもしますか?」
不知火「少しは気が紛れるかと」
提督「しりとりは昨日やったしな……」
提督「よし、乗った!」
不知火「では、言い出した不知火からいきます」
不知火「深海棲艦で現在確認されている潜水艦の名称は?」
提督「……不知火らしい問題だな」
提督「カ級とヨ級だろ?」
不知火「正解です」
提督「よし、それじゃ次は俺か」
提督「鎮守府における────」
565: 2013/12/02(月) 22:24:09.88 ID:0fSZw9iK0
────────
──────
────
──
566: 2013/12/02(月) 22:24:57.77 ID:0fSZw9iK0
不知火「────正解です」
提督「俺の番か……」
提督「………………」
提督「土を掘り起こす農具は?」
不知火「…………」
不知火「……鍬(クワ)」
提督「……正解だ」
提督(そっちじゃないんだよなー)
不知火「────ですが、司令にとってはこっちの方が良いでしょう」
不知火「…………鋤(スキ)」
提督「……バレてたか」
不知火「……こんな回りくどいことをしなくても、これくらいなら何度でも言います」
提督「ははっ、そうか」
提督「でもそれは明日に取っておくよ」
不知火「……分かりました」
提督「さーて、ラストスパート頑張るぞ!」
567: 2013/12/02(月) 22:25:35.22 ID:0fSZw9iK0
不知火と休日
568: 2013/12/02(月) 22:26:04.66 ID:0fSZw9iK0
提督「────んっ……」
不知火「……おはようございます、司令」
提督「……おはよう、不知火」
提督「……とりあえず離れてくれるか?」
提督「抱きつかれてちゃ布団から出られない」
不知火「…………嫌、です」
不知火「もう少し……このまま……」
提督「…………うー……」
不知火「…………駄目……?」
提督「…………くっ」
提督「あーもう好きにしろ!」
不知火「フフ……♪」
不知火「それでは不知火の好きにします……♪」
提督「…………はぁ」
提督(仕事とプライベートでこんなに態度が違うんだもんな……)
不知火「一週間頑張ったかいがありました……」
提督(…………)
提督(可愛いからいいか)
不知火「司令……大好きです……」
提督「……俺も大好きだぞ」
不知火「…………フフ♪」
569: 2013/12/02(月) 22:26:54.40 ID:0fSZw9iK0
翔鶴と恋人の日
570: 2013/12/02(月) 22:27:33.31 ID:0fSZw9iK0
提督「────翔鶴さん」
提督「今日が何の日か知ってます?」
翔鶴「今日、ですか…………?」
翔鶴「………………」
翔鶴「……いえ、分かりませんね」
翔鶴「何の日なのでしょうか?」
提督「それがですね」
提督「今日は『恋人の日』という日でして……」
翔鶴「『恋人の日』……?」
翔鶴「……残念なことに私と提督には関係の無い日のようですね」
提督「…………どうして?」
翔鶴「うふふ……。提督、分かってて言ってますよね?」
翔鶴「……私達は『恋人同士』なんかじゃないでしょう?」
提督「ははっ、そうですね」
翔鶴「この回答でご満足ですか────」
翔鶴「────あ・な・た」
提督「……大満足です」
翔鶴「うふふ」
翔鶴「それなら良かったです♪」
571: 2013/12/02(月) 22:28:09.32 ID:0fSZw9iK0
翔鶴「────さて」
翔鶴「それでその『恋人の日』がどうかしたのですか?」
翔鶴「急に言い出すなんて、提督のことですから何か考えがあったのでしょう?」
提督「流石は翔鶴さん」
提督「実はこの『恋人の日』、お互いの写真を送りあう日らしくて……」
翔鶴「写真、ですか……」
翔鶴「それで先程からカメラを持っていらしたのですね」
提督「青葉から借りてきました」
提督「ということで、これで撮りませんか?」
翔鶴「もちろん構いません」
翔鶴「…………ただ」
提督「ただ?」
翔鶴「お互いを撮りあった後────」
翔鶴「────2人で撮りましょうね?」
提督「…………もちろん」
572: 2013/12/02(月) 22:29:18.35 ID:0fSZw9iK0
────────
──────
────
──
提督「翔鶴さん、次はソファーに一緒に座って撮りましょう」
翔鶴「提督、後ろから抱き締めてもらえますか?」
提督「うーん……違うなぁ……」
翔鶴「服を変えてみましょうか?」
提督「いいですねそれ!」
翔鶴「青葉さん、ちょっと待ってて下さいね」
(……………………)
(早く終わらせて帰りたい……)
573: 2013/12/02(月) 22:29:52.93 ID:0fSZw9iK0
翔鶴とくしの日
574: 2013/12/02(月) 22:30:54.48 ID:0fSZw9iK0
提督「翔鶴さんの髪、やっぱりさわり心地良いですね……」
翔鶴「髪は女の命ですから……」
翔鶴「毎日の手入れは欠かしていません」
提督「ふむふむ……」
翔鶴「……それに」
翔鶴「さわらせてあげるのは提督だけなんですよ?」
提督「ははは、それは嬉しいですね」
提督「それならより大切に扱わないと……」
翔鶴「うふふ……」
提督「…………ところで翔鶴さん」
提督「髪型は変えないんですか?」
翔鶴「あら……」
翔鶴「変えた方がよろしいですか?」
提督「………………」
提督「……いえ、やっぱりそのままでお願いします」
提督「考えてみたら翔鶴さんはそのままが一番綺麗ですし……」
翔鶴「うふふ、お褒めの言葉ありがとうございます」
翔鶴「……でも」
翔鶴「変えてみるのも新鮮で良いかもしれませんよ?」
575: 2013/12/02(月) 22:31:27.90 ID:0fSZw9iK0
提督「そうですか?」
翔鶴「ちょっと失礼しますね……」
翔鶴「例えば……こう……」
翔鶴「ポニーテールとか」
提督「あ、良いですねそれ」
提督「何というか、活発さが増した気がします」
翔鶴「後はそう……おさげとか」
提督「ははっ、何だか学級委員長みたいですね」
翔鶴「カールやウェーブにしてみるのも面白いかもしれません」
翔鶴「…………そして最後は」
提督「まぁ、ツインテールですよね」
翔鶴「どうでしょうか?」
提督「……瑞鶴にとても似てます」
提督「でも翔鶴さんの方がずっと可愛いです」
翔鶴「……うふふ」
翔鶴「瑞鶴には悪いですけど────」
翔鶴「────提督にそう言ってもらえると嬉しいです♪」
576: 2013/12/02(月) 22:32:47.13 ID:0fSZw9iK0
翔鶴と休日
577: 2013/12/02(月) 22:33:51.37 ID:0fSZw9iK0
翔鶴「────提督」
翔鶴「朝ですよ、起きて下さい」
提督「んー…………」
提督「あと五分……」
翔鶴「そう言っていつも起きないじゃないですか」
翔鶴「せっかくの休日が勿体ないですよ?」
提督「休日こそ休む日だから……」
翔鶴「……た、確かにそうですけれども」
提督「だから」
提督「……翔鶴さんも一緒に寝ませんか?」
提督「まだ着替えてないみたいですし」
翔鶴「……提督の布団でですか?」
翔鶴「……私は、その…………」
提督「…………翔鶴」
提督「ほら、入って入って」
翔鶴「…………もう」
翔鶴「……五分だけですよ?」
提督「はは、いらっしゃい」
翔鶴「それでは失礼します……」
翔鶴「────んっ……!」
翔鶴「そ、そういうのは夜にして下さいっ!」
提督「ごめんごめん」
翔鶴「もうっ…………」
591: 2013/12/16(月) 03:10:47.59 ID:MNpjuwrL0
夜に投下すると言ったな。
あれは嘘だ。
はい、すいません。寝落ちしてました。
遅くなりましたが投下開始します。
592: 2013/12/16(月) 03:12:19.54 ID:MNpjuwrL0
時雨とみかんの日
593: 2013/12/16(月) 03:13:35.45 ID:MNpjuwrL0
提督「────ただいまー」
時雨「お帰り、提督」
時雨「昼休み終了ギリギリに来るなんて珍しいね」
時雨「外にでも出ていたのかい?」
提督「ああ、今日は外で食べたくなってさ」
提督「────あっ、そうそう」
提督「安かったから買ってきたんだけど、時雨も食うか?」
時雨「これは……みかん?」
提督「飯食った帰りに見つけてな。あまりにも安かったから大量に買っちまった……」
提督「ちなみに食堂に箱で置いてきてある」
時雨「買いすぎだよ……」
提督「……まあ、あそこに置いておけば皆適当に食うだろ」
提督「……で、時雨はどうする?」
時雨「……そうだね」
時雨「せっかくだし、一つくらい貰おうかな?」
提督「おう、食え食え」
提督「ほら」
時雨「────っと……」
時雨「……提督」
時雨「食べ物投げるのはどうかと思うよ?」
提督「細かいことは気にすんなって」
時雨「…………はぁ……」
594: 2013/12/16(月) 03:14:42.61 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
提督「みかん美味いな」
時雨「確かに美味しいね」
提督「こうやってみかん食べてるとコタツ欲しくなるな……」
時雨「ははっ、それは気が早いよ」
時雨「まだ11月に入ったばっかりなんだからね」
提督「それもそうか……」
提督「……………………」
提督「…………あっ」
提督「……みかん無くなったな」
時雨「…………それでなんで僕の方を見るのかな?」
提督「…………何となく?」
時雨「……そう」
時雨「それなら僕も気にしないことにするよ」
提督「………………」
時雨「………………」
提督「………………」
提督「………………時雨」
時雨「……何だい、提督?」
提督「みかんくれない?」
時雨「…………最初からそう言えばいいのに」
時雨「ほら、提督」
時雨「あーん」
提督「あー、んっ……」
時雨「……これでいい?」
提督「……いや、もう一個頼む」
時雨「仕方ないなぁ……」
595: 2013/12/16(月) 03:15:24.31 ID:MNpjuwrL0
時雨「────ひゃっ!?」
時雨「て、提督っ!?」
時雨「僕の指ごと食べないでよっ、びっくりするじゃないかっ」
提督「うーん…………」
提督「……時雨の指の方が甘いなー」
時雨「────あううっ…………」
時雨「か、からかわないでおくれよ…………」
時雨「恥ずかしくて顔が熱くなっちゃうじゃないか…………」
596: 2013/12/16(月) 03:16:00.33 ID:MNpjuwrL0
時雨と姉の日
597: 2013/12/16(月) 03:16:53.40 ID:MNpjuwrL0
提督「────そう言えば今日は姉の日らしいな」
時雨「へぇ、そうなんだ」
提督「………………」
時雨「………………」
提督「時雨、この書類なんだけど────」
時雨「ちょっと待って提督」
時雨「それだけ? それだけなの?」
時雨「この前の妹の日なんてあんなに語ったじゃないか」
提督「そんなこともあったな」
提督「今回は改めて語る必要が無いと思って自重したんだけど……」
提督「…………聞きたいの?」
時雨「……いや、そういうわけじゃないんだけどさ」
提督「だろ?」
提督「それに語るとしても俺の場合は前回の『呼ばれ方』と違って『呼び方』になるし……」
提督「…………ところで時雨」
提督「時雨は自分が姉だったら妹あるいは弟になんて呼ばれたい?」
時雨「ぼ、僕かい?」
時雨「…………うーん、そうだね……」
598: 2013/12/16(月) 03:17:56.37 ID:MNpjuwrL0
時雨「姉さん、は他人行儀な感じがして嫌だし……」
時雨「親しみやすい『お姉ちゃん』が良いかなぁ……」
提督「弟も妹も?」
時雨「うーん、基本的にはそうなんだけど、弟が成長したら『時雨ねぇ』とかも良いかも」
提督「……近所の子供たちからは?」
時雨「『お姉さん』って呼ばれたいかな。大人な女性って感じがするし」
提督「………………」
提督「……結構ノリノリだな」
時雨「い、いいじゃないか偶には僕だって!」
提督「怒るなって『時雨お姉ちゃん』」
時雨「っ!?」
提督「…………どう?」
時雨「……新鮮な感じがする、かな?」
提督「────よし、じゃあ今回は俺が今日一日時雨のことを『お姉ちゃん』って呼ぶわ」
提督「いいよな? 『時雨お姉ちゃん』」
時雨「な、何だかむず痒いよ……」
時雨「………………でも」
時雨「悪くはないかな……」
599: 2013/12/16(月) 03:18:48.09 ID:MNpjuwrL0
提督「時雨お姉ちゃんの膝は柔らかいなぁ……」
時雨「ふふっ…………。お姉ちゃんの膝枕は気持ち良いかい?」
「提督ー! 私何だか暇っぽい!」
「だから遊びに──────」
提督「あ」
時雨「あ」
「────お邪魔したっぽい!」
時雨「────ま、待ってよ夕立!」
時雨「頼むから理由を聞いておくれ!」
600: 2013/12/16(月) 03:19:33.05 ID:MNpjuwrL0
時雨と休日
601: 2013/12/16(月) 03:20:26.48 ID:MNpjuwrL0
時雨「…………んっ」
提督「────んん……」
時雨「…………おはよう、提督」
提督「…………おはよう、時雨」
提督「……いつ起きた?」
時雨「ついさっきだよ。起きてすぐに提督に声をかけたからね」
提督「じゃあほとんど俺と同時か……」
提督「時間は…………まだ早いなぁ……」
時雨「せっかくの休日だっていうのに体はいつも通りの時間に起きちゃうんだね……」
提督「…………二度寝するか?」
時雨「……うん」
提督「……ほら、もっとこっち来い」
時雨「…………うん」
時雨「提督はあったかいね……」
提督「……時雨もあったかいよ」
時雨「ふふっ、おやすみ……」
提督「ああ、おやすみ……」
602: 2013/12/16(月) 03:21:23.19 ID:MNpjuwrL0
隼鷹と禁酒の日
603: 2013/12/16(月) 03:22:11.34 ID:MNpjuwrL0
隼鷹「────なぁ、提督?」
隼鷹「あたし、もう限界なんだけどさぁ……」
提督「…………」
提督「……駄目だ」
隼鷹「そんなっ……提督……どうして…………」
隼鷹「……お願いだよ提督」
隼鷹「一口、一口だけで良いからさぁっ」
提督「……駄目なものは駄目だ」
提督「我慢しろ」
隼鷹「そんな殺生な……!」
隼鷹「うう……あんまりだぁ……」
提督「…………隼鷹」
提督「禁酒はまだ三日目なんだが……」
隼鷹「飲みたいものは飲みたいんだよう……」
隼鷹「……本当に駄目?」
隼鷹「ちょっと、ちょーっとだけで良いから!」
隼鷹「なっ? なっ?」
提督「駄目」
隼鷹「…………けち」
604: 2013/12/16(月) 03:23:14.96 ID:MNpjuwrL0
提督「ケチと言われてもなぁ……」
提督「禁酒を言い出したのは隼鷹じゃないか」
隼鷹「時間を戻せるなら三日前のあたしをぶん殴ってやりたいよ……」
隼鷹「……甘かった。お酒はあたしにとって身体の一部も同然だったんだね」
隼鷹「今は半身が存在しないようにすら思えて寂しい……」
提督「……そうか」
提督「湿っぽく言っても駄目なものは駄目だがな」
隼鷹「提督の分からず屋ー!」
隼鷹「あたしのことがそんなに嫌いなのかよぅ!」
提督「……好きに決まってるだろ」
提督「隼鷹のことが好きだからこそ、こうやって厳しく接してるんだ」
提督「……たまには禁酒するのも身体に良いと思ってな」
隼鷹「………………はぁ」
隼鷹「ずるいなぁー……」
隼鷹「そう言われちゃったら反論できないじゃん」
隼鷹「……もうちょっと頑張ってみるよ」
提督「ああ、頑張れ隼鷹」
提督「俺も出来る限りの範囲で協力するからな」
隼鷹「にひひっ♪」
隼鷹「頼りにしてるぜぇ?」
605: 2013/12/16(月) 03:23:50.39 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
隼鷹「────だあぁっ!」
隼鷹「無理! もぉー無理!」
提督「さっきの頑張る宣言から三時間しか経ってないぞ」
提督「我慢だ我慢」
隼鷹「うぅ……!」
隼鷹「──うわああああんっ!」
隼鷹「禁酒なんてもう嫌だぁっ!」
提督(このやりとり、今日だけで三回目だな……)
606: 2013/12/16(月) 03:24:21.40 ID:MNpjuwrL0
隼鷹と禁酒解禁日
607: 2013/12/16(月) 03:25:34.89 ID:MNpjuwrL0
隼鷹「んふふー♪」
提督「おい、ちゃんと歩け」
提督「流石の俺でも肩を貸す以上は無理だぞ」
隼鷹「分かってるって。平気平気」
提督「……それにしてもやけに上機嫌だな」
隼鷹「んー?」
隼鷹「そりゃあ提督、久し振りにお酒飲めたんだからこうもなるよ」
隼鷹「…………提督は機嫌悪いみたいだけどねぇ」
提督「…………真夜中に電話で起こされて、飲み屋に迎えに来させられたら誰だって機嫌が悪くなるだろう」
提督「しかも店主への謝罪付きと来たもんだ」
提督「……そこの所、何か思うことはないのか?」
隼鷹「いやー、ごめんごめん」
隼鷹「迷惑かけるねぇ」
提督「……お前、絶対懲りてないだろ」
隼鷹「…………提督は優しいから」
隼鷹「どうせあたしがまた騒いでも、迎えに来てくれるんだろ?」
提督「…………程々にしろよ」
隼鷹「…………うんうん」
隼鷹「提督のそーいうトコ、あたし好きだなぁ……」
提督「…………」
提督「……今日は行けなくてすまなかったな」
608: 2013/12/16(月) 03:26:28.08 ID:MNpjuwrL0
隼鷹「…………」
隼鷹「いいよいいよ」
隼鷹「急な仕事だったんだろ?」
提督「……それでも約束を破ったことには変わりない」
提督「怒らないから正直に言って良いぞ」
隼鷹「あー……、そっか…………」
隼鷹「………………やっぱさ」
隼鷹「一人で飲む酒っつーのはあんまり美味しくないよなぁ……」
隼鷹「…………うん」
隼鷹「…………寂しかった」
提督「……すまない」
隼鷹「いいっていいって」
隼鷹「提督に明日でも良いって言っときながら我慢できなかったあたしにも非はあるんだしね」
提督「…………」
隼鷹「もうこの話は終わりにしようぜ?」
隼鷹「……なっ?」
提督「……そうだな」
609: 2013/12/16(月) 03:27:15.10 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
隼鷹「────歩いてたらアルコール抜けてきたなぁ……」
提督「普通は運動すれば回るものなんだがな……」
提督「……俺の部屋で飲み直すか?」
隼鷹「おっ、それ良いねぇ♪」
隼鷹「明日は休みだし朝まで行っちゃう?」
提督「……俺は仕事だぞ」
隼鷹「気合いでなんとかなるって」
隼鷹「…………駄目?」
提督「……善処しよう」
隼鷹「さっすが提督!」
隼鷹「そうと決まればテンションも上がって来たぜぇ!」
隼鷹「────ひゃっはぁー!」
提督「近所迷惑になるからやめてくれ……」
610: 2013/12/16(月) 03:28:34.92 ID:MNpjuwrL0
隼鷹と休日
611: 2013/12/16(月) 03:30:21.64 ID:MNpjuwrL0
隼鷹「────提督ー、お仕事お疲れさん♪」
隼鷹「…………お酒、飲む?」
提督「……俺の記憶が正しければ昨日も飲んだはずだが?」
隼鷹「お酒は毎日飲むもんだからねぇ」
提督「まったく……」
提督「構わんがツマミはもう無いぞ」
隼鷹「あー、平気平気」
隼鷹「提督と一緒ならお酒も進むってもんよ」
隼鷹「提督もそうだろ?」
提督「…………何だ?」
提督「隼鷹を『食べても』いいのか?」
隼鷹「────ばっ、馬鹿っ」
隼鷹「素面の時にそんなこと言うなよっ」
提督(……………………)
提督(素面じゃなければ良いのか……)
隼鷹「────あーもう、そんなことよりほら」
隼鷹「こっち来て早く飲もうぜ?」
提督「……ああ、分かったよ」
隼鷹「よーし、今夜も飲み明かすぞぉ!」
612: 2013/12/16(月) 03:31:06.27 ID:MNpjuwrL0
北上とよい風呂の日
613: 2013/12/16(月) 03:31:59.64 ID:MNpjuwrL0
北上「────提督」
北上「ちょっと温くなってきたかも」
提督「そうか? ちょっと待ってろ。今薪足すから」
北上「りょーかーい」
北上「いやー、それにしてもこの『ドラム缶風呂』っていうのも結構良いもんだねぇ……」
提督「俺は労働ばっかりで楽しくないけどな……」
提督「というかそんなに良いのかドラム缶風呂」
提督「景色とかだってうちの露天風呂とそう変わらんだろ?」
北上「うーん、何て言うかな……」
北上「提督が私のために頑張ってくれてるっていうのが、私は嬉しいんだと思う」
北上「うん、きっとそうだよねぇ……」
提督「お前は誰に向かって言ってるんだ」
提督「……まぁ、そう言われると悪い気はしないけどな」
北上「でしょ?」
北上「だからほら、もっと頑張ってくれると私は嬉しいかなー?」
提督「おう、任せとけ!」
提督「…………分かってると思うけど次は俺が入るんだからな?」
北上「……良い湯ですよー」
提督「おい、ちょっと待てお前」
614: 2013/12/16(月) 03:32:50.65 ID:MNpjuwrL0
北上「提督、私思うんだけどさ」
北上「せっかくお風呂入ったのに、汗かくようなことをするのはどうかと思う」
提督「ほほう、じゃあ汗をかいた俺はどうしろと?」
北上「…………うちには露天風呂があるよねー」
提督「おいぃ……」
提督「…………まっ、いいや」
提督「何となく俺は入れない気がしてたし、北上に喜んで貰えたならそれで満足だ」
北上「…………むぅ」
北上「そういうこと言われると返答しにくくなるよね」
北上「………………」
北上「…………あのさ、提督」
北上「せっかくだし、一緒に入っちゃう?」
提督「は?」
615: 2013/12/16(月) 03:33:42.21 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
北上「…………私の方から誘っといて何だけどさ、こっち見ないでね?」
提督「分かってるって」
提督「…………背中くらいはくっつけてもいいよな?」
北上「まあ狭いしねー……」
北上「……うん、いいよ」
提督「それじゃお言葉に甘えて……」
北上「おおっ……」
北上「提督の背中、結構かたいわー」
提督「……北上は柔らかいぞ」
北上「セクハラ」
提督「ひでぇ!」
北上「あはは、ジョーダンジョーダン」
北上「何か意外と平気なもんだね」
北上「今度は普通のお風呂で一緒に入ろっか?」
提督「……大井が許すと思うか?」
北上「……あー、大井っちねー…………」
提督「………………」
北上「……この話は無かったことに」
提督「賛成」
616: 2013/12/16(月) 03:34:22.70 ID:MNpjuwrL0
「大井さん、どうかしたのですか?」
「……いえ、何でもないわ」
「それより遠征もこれで終わりですし、そろそろ帰投の準備に入りましょう」
「了解なのです!」
「………………」
(北上さんに呼ばれたような気が……)
(……気のせいよね)
617: 2013/12/16(月) 03:34:53.66 ID:MNpjuwrL0
かき氷の日
618: 2013/12/16(月) 03:35:56.91 ID:MNpjuwrL0
北上「かき氷って何気にわびさびよねー……」
提督「毎回思うんだけど、肉体労働は俺が全部やる羽目になるのか?」
北上「ほらほら、口よりも手を動かす」
北上「氷削るペース落ちてるよ?」
提督「……はい」
北上「…………んー、そろそろ良いかな?」
提督「ん? まだ少ないみたいだが良いのか?」
北上「一度にたくさん食べたら頭痛くなるし、色んなシロップかけてみたいしね」
提督「お前俺に何個作らせるつもりだ」
北上「まぁまぁ、提督にも一口あげるから」
北上「ね?」
提督「……お前が食ってる間に作っとくよ」
北上「さっすが提督、愛してるよ♪」
提督「いいからさっさと食え」
北上「はいはい」
北上「まずはシンプルにイチゴだよねー」
北上「────んー、美味しい♪」
北上「ほら、提督も。あーん」
提督「んっ…………美味い」
北上「最初にシャーベット状にしてしまってから食べるのが私のジャスティス」
提督「それもうシャーベットと変わらなくないか?」
北上「細かいことは気にしちゃダメですよー」
北上「はい、あーん」
提督「あーん…………」
619: 2013/12/16(月) 03:36:41.49 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
北上「…………不覚」
提督「まぁあんだけ食べればそうなるわな」
北上「頭いたーい…………」
北上「提督ー、撫でてー……」
提督「……痛いところ撫でるのってこういうのじゃないと思うんだけど」
提督「…………ほら、どうだ」
北上「んっ…………」
北上「…………落ち着いてきたかも」
提督「マジか」
北上「……でももう少しこのままで頼むね」
提督「はいはい」
北上「んふふー……♪」
620: 2013/12/16(月) 03:38:15.38 ID:MNpjuwrL0
北上と休日
621: 2013/12/16(月) 03:39:07.45 ID:MNpjuwrL0
提督「北上こんなと────」
北上「提督、静かに…………」
提督「おお、すまん……」
提督(響に電に暁に雷……)
提督(みんな北上のそばでお昼寝か……)
提督「……ハーレムか?」
北上「あんま嬉しくないよ」
北上「特に暁のせいでこの体制から動けないしね……」
提督「……何というかアレだな」
提督「端から見ると母親みたいだぞ?」
北上「あははっ」
北上「それじゃ提督がお父さん?」
提督「四人もだなんて北上はずいぶん頑張ったな……」
北上「あのさぁ……」
提督「すまんすまん、冗談だから許せ」
北上「まったくもう……」
北上「…………提督、こっち来て肩貸して」
北上「私も眠くなってきたから」
提督「おやすいご用だ」
提督「…………これでいいか?」
北上「んっ、おっけー」
北上「この娘達起きたら起こしてね?」
提督「了解」
提督「……おやすみ、北上」
北上「おやすみ、提督……」
622: 2013/12/16(月) 04:03:37.94 ID:MNpjuwrL0
能代とうどんの日
623: 2013/12/16(月) 04:04:40.34 ID:MNpjuwrL0
能代「────か、カレー以外ですか?」
提督「ああ」
提督「能代の作ってくれるカレーは確かに美味しいんだけど、こう毎日だと流石に、な……」
提督「だからそろそろ新しい料理に挑戦してみるのもいいんじゃないかと思ったんだが……」
能代「そ、それは確かに提督の言い分に一理有りますけど……」
能代「私はカレー以外を作ったことは……その……」
提督「誰だって最初は上手くいかないものだって」
提督「それに失敗しても俺はちゃんと全部食べるからさ」
提督「……駄目か?」
能代「うぅ……」
能代「…………分かりました」
能代「────能代、頑張ります!」
提督「よーし、その意気だ。楽しみにしてるからな?」
能代「────あ、でもですね」
能代「自由に作っていいと言われるとむしろ何を作ればいいのか分からなくなるので、提督から何か条件を出して欲しいのですが……」
624: 2013/12/16(月) 04:05:21.31 ID:MNpjuwrL0
提督「それもそうか」
提督「えーとそれじゃあ…………」
提督「主食がご飯じゃないもので頼む」
能代「はい、ご飯以外ですね…………他には?」
提督「肉を使ってて」
能代「はい」
提督「野菜もそれなりに入ってて」
能代「はい」
提督「ガッツリ食べれそうなので」
能代「…………以上ですか?」
提督「まぁこれくらいかな」
能代「了解しました」
能代「それでは早速メニューを考えて、今日の晩ご飯にでも作ってみますね」
提督「無理はするなよ?」
能代「心配無用です」
能代「夕食、楽しみにしてて下さいね!」
625: 2013/12/16(月) 04:05:57.00 ID:MNpjuwrL0
能代「────提督っ、出来ました!」
能代「能代特製『カレーうどん』ですよ!」
提督「…………結局カレーかよ!」
626: 2013/12/16(月) 04:06:25.32 ID:MNpjuwrL0
能代と模様替えの日
627: 2013/12/16(月) 04:07:35.84 ID:MNpjuwrL0
提督「────ということで今日は執務室の模様替えをするぞ」
提督「手始めに掃除だ」
能代「……今まで気にしていませんでしたが、よくよく見てみると必要の無いもので一杯ですね」
能代「このダンボールの山とか、中に何が入っているんですか?」
提督「ああ、それはもう中身無いぞ」
提督「入れてあった資料とか全部棚に移したしな」
能代「じゃあ片付けましょうよ…………」
能代「何で未だに捨ててないんですか…………」
提督「いつか物入れるのに使うかと思って」
能代「……阿賀野姉ぇみたいな発想ですね」
能代「そういうのって大抵使わずに終わりますよ?」
提督「今まさにそうなってるな」
能代「…………提督、これは?」
能代「金剛さんのティーセットですよね?」
提督「金剛が部屋に淹れに戻るのが面倒くさいからって」
能代「……本人に戻しておきます」
能代「……掛け軸、執務室にはいらないですよね」
能代「掛けるなら提督の部屋に掛けましょう」
提督「能代がいると掃除が捗るなぁ……」
能代「もう、提督もちゃんと働いて下さいね」
提督「分かってるよ」
提督「────おっ、この資料懐かしいな……」
能代「見るのは後にして下さいね」
提督「ああっ!? 読んでる途中なのにっ!?」
628: 2013/12/16(月) 04:08:31.49 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
能代「────あれ?」
能代「この箱、底が二重に────」
提督「の、能代! それは駄目────」
能代「────────っ!?」
提督「────あぁ………………」
能代「て、提督……その……あの……」
提督「……言うな。頼むから」
能代「…………て、提督も男性ですし、し、仕方無いですよね?」
提督「もうやめて」
提督「フォローがむしろ辛い」
能代「は、はい…………」
提督「………………」
能代「………………」
能代(表紙の女性、私に似ていました……)
能代(…………つまり、その……そういうことで良いんですよね?)
提督(…………見られたのが箱で良かった)
提督(棚のカバー内部を見られたら一巻の終わりだったからな……)
629: 2013/12/16(月) 04:09:13.95 ID:MNpjuwrL0
能代「でも処分します」
提督「能代、後生だ! やめてくれ!」
630: 2013/12/16(月) 04:09:44.12 ID:MNpjuwrL0
能代と休日
631: 2013/12/16(月) 04:10:26.61 ID:MNpjuwrL0
能代「────提督、失礼します」
提督「能代?」
提督「阿賀野と一緒に食べに行ったんじゃ無かったのか?」
能代「そのはずだったんですけど……」
能代「阿賀野姉ぇが『たまには提督と一緒に食べたら?』って…………」
提督「……阿賀野が気を遣っただと…………?」
能代「言い方が大分酷いですけど、私も同感です」
提督「……まぁ、良い機会だ」
提督「たまには俺が作ろう。リクエストはあるか?」
能代「……私も手伝って良いでしょうか?」
提督「もちろん、助かるよ」
提督「で、何作る?」
能代「…………カレー?」
提督「ですよねー」
632: 2013/12/16(月) 04:11:32.71 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳ととある春の日
633: 2013/12/16(月) 04:12:36.77 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳「────提督」
瑞鳳「そっちが終わったらこっちもお願いね?」
提督「りょーかーい」
提督「…………しっかし艦載機の整備っていうのは思った以上に大変なんだな」
提督「かれこれ二時間はやってるのにまだ半分もいってないぞ……」
瑞鳳「いつもならもう少し早く終わるんだけどね……」
瑞鳳「今年の冬は出撃少なかったから、エンジンの周りとかが心配なのよ」
提督「つまりいつもより念入りなのか…………っと」
提督「よし、艦攻はこれで全部か?」
瑞鳳「うん」
瑞鳳「私は今艦戦の方やってるから、提督はこっちの艦爆の方よろしくね」
瑞鳳「私も終わったら手伝うから」
提督「はいはい……」
提督「────うおっ、数多いな……」
提督「…………ん? この艦爆だけ形が違うぞ?」
瑞鳳「あっ、それは私のお気に入りだからたまに整備してるの」
瑞鳳「それだけは私がやるから寄せといて」
提督「へぇ……」
提督「お気に入りって言うと、これが瑞鳳の言ってた九九式艦爆ってやつか」
634: 2013/12/16(月) 04:14:56.82 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳「あれ? 提督見たこと無かったの?」
瑞鳳「私達の装備も管理してるし、知ってるものだと思ってたんだけど……」
提督「俺が見るのは資料に書かれた性能に関する数値だけだからな」
提督「艦載機に関わらず装備全般で見た目が分からないやつは結構あるんだ」
提督「それにほら、九九式艦爆より彗星の方がうちでは主流だし……」
瑞鳳「た、確かに性能では劣るけど、九九式艦爆にはそれを補う可愛さがあるからっ」
提督「…………可愛い?」
提督「いやいやいや」
提督「艦載機に可愛いも何も無いだろ?」
瑞鳳「そんなことないよ!」
瑞鳳「ほら、見てよこの脚!」
瑞鳳「この丸っこい部分が可愛いでしょ!」
提督「…………いや分からん」
瑞鳳「そ、そんなぁ…………」
瑞鳳「えっと、ほら、他にも────」
提督(………………)
提督(一生懸命な身振り手振りが可愛い)
瑞鳳「────提督? 私の話聞いてる?」
提督「────ああ、うん」
提督「瑞鳳は可愛いなぁ」
瑞鳳「ふぇっ!?」
瑞鳳「そ、そんな話してないからっ!」
瑞鳳「ううぅ…………、私の話、ちゃんと聞いてよぉ…………」
提督(可愛えぇ)
635: 2013/12/16(月) 04:15:26.58 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳ととある夏の日
636: 2013/12/16(月) 04:16:24.84 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳「提督ー、スイカ持って来たよー」
提督「お疲れ瑞鳳」
提督「お前もこっちに来い」
瑞鳳「うん、それじゃ隣座るね?」
瑞鳳「んしょ…………っと」
瑞鳳「はい、提督の」
提督「サンキュー」
提督「いやぁ、夏はやっぱりスイカだよなぁ」
瑞鳳「そうよねー」
瑞鳳「でもこうやって外で食べるのは久しぶりかも」
提督「え? そうなの?」
瑞鳳「……どうして意外そうな顔をするのよ」
瑞鳳「スイカは室内で食べるのが普通でしょ?」
提督「確かにそうだ」
提督「でも俺のイメージだと、瑞鳳は種を飛ばすのに夢中になるタイプなんだ」
提督「それで室内で飛ばすわけにもいかないから、わざわざ外に出て食べてると思ったんだが……」
瑞鳳「あはは、それは無いわよ」
提督「そうか…………プッ」
提督「おっ、結構飛んだな」
瑞鳳「……結局提督がやるの?」
瑞鳳「……………………ぷっ」
637: 2013/12/16(月) 04:17:13.15 ID:MNpjuwrL0
提督「……お前もやるのか」
瑞鳳「ちょ、ちょっとやりたくなっただけよっ」
瑞鳳「でもほら見て。私の方が遠くまで飛んでる!」
瑞鳳「私の勝ちね!」
提督「……ほほう、俺の本気を見せてやろう」
提督「────プッ!」
瑞鳳「っ!?」
提督「…………どうだ?」
瑞鳳「や、やるわね……」
瑞鳳「でも今度は私が越すからっ」
瑞鳳「…………すぅ」
瑞鳳「──────ぷっ」
瑞鳳「────あっ」
提督「んー? 届いてないぞぉ?」
瑞鳳「い、今のは練習!」
瑞鳳「次が本番だから!」
提督「はいはい、そうですね」
瑞鳳「くっ……! み、見ててよね!」
638: 2013/12/16(月) 04:18:02.05 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
瑞鳳「────だから私の方が遠くに飛んでるじゃない!」
提督「それはバウンドしたからだ」
提督「着弾点で判断するのが普通だろう」
瑞鳳「何それ! そんなの言ってない!」
瑞鳳「………………ふーん」
瑞鳳「そこまでして勝ちたいんだ?」
提督「…………何だと?」
瑞鳳「私は良いよ。勝ちを譲ってあげても?」
提督「……あー、言ったな?」
提督「こうなったらトコトン勝負して決着つけようじゃないか」
瑞鳳「望むところよ!」
瑞鳳「ケチョンケチョンにするからね!」
提督「俺だってギッタギッタにしてやる!」
「────ちゃんと掃除して下さいね」
提督「はい……すいませんでした……」
瑞鳳「鳳翔さんごめんなさい……」
639: 2013/12/16(月) 04:18:30.87 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳と休日
640: 2013/12/16(月) 04:19:22.45 ID:MNpjuwrL0
瑞鳳「────提督ー」
瑞鳳「オヤツ持ってきたから一緒に食べよ♪」
提督「…………瑞鳳」
提督「玉子焼きはオヤツとは言わない」
瑞鳳「むぅ、細かいことは気にしなくていいのっ」
瑞鳳「ちゃんと甘めの味付けにしたのよ?」
提督「そういう問題じゃないんだけどな…………」
提督「…………まぁいいか」
提督「ありがたく頂くぞ」
瑞鳳「そうそう、それでいいのよ」
瑞鳳「はい、提督。あーん♪」
提督「あー、んっ────」
提督「…………うん、美味い」
瑞鳳「えへへ、良かった……」
瑞鳳「いっぱい作ってきたから、遠慮せずにたくさん食べてね♪」
641: 2013/12/16(月) 04:20:03.66 ID:MNpjuwrL0
扶桑ととある秋の日
642: 2013/12/16(月) 04:20:51.63 ID:MNpjuwrL0
扶桑「────提督、おはようございます」
提督「おはようございます、扶桑さん」
提督「朝から掃除ですか?」
扶桑「はい、落ち葉が散らばっていましたので……」
提督「へぇ……結構ありますね……」
提督「これだけ落ち葉があるなら、せっかくですし焼き芋でもしましょうか?」
扶桑「焼き芋……ですか……」
扶桑「……面白そうですね」
提督「でしょう?」
扶桑「サツマイモはどうします? 買いに行きますか?」
提督「いえ、一昨日のことなんですが、間宮さんがサツマイモを余らせていると零してました」
提督「まだ余ってると思いますし、それを使わせてもらいましょう」
扶桑「そうですか……」
扶桑「じゃあ、とりあえずは落ち葉を集めることに専念すれば良いのかしら?」
提督「俺も手伝いますね」
扶桑「ふふっ、ありがとうございます……」
扶桑「箒はそこの陰に置いてありますから……」
提督「了解です」
提督「2人でぱぱっと終わらせちゃいましょう」
扶桑「………………」
扶桑「……せっかく2人きりなんですし、ゆっくりやっても…………」
提督「────っと、これかな?」
提督「扶桑さん、今何か言いました?」
扶桑「……いえ、何も言ってませんよ?」
643: 2013/12/16(月) 04:21:44.87 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
提督「────よし、これでほぼ終わりですね!」
扶桑「お疲れ様です……。間宮さんのところ、私が行きましょうか?」
提督「いや、俺が行きますよ」
提督「扶桑さんに重いもの持たせるわけには行きませんしね」
扶桑「…………それは不幸にも転んだりして、床にばらまいてしまうかもしれないからですか?」
提督「ち、違いますよっ」
提督「俺はただ女性に────」
扶桑「────ふふっ」
扶桑「ちょっとからかってみただけです♪」
提督「…………扶桑さんも人が悪い」
扶桑「提督ほどではありませんわ」
提督「あはは、それじゃここで待ってて下さい」
扶桑「はい、お待ちしております」
644: 2013/12/16(月) 04:22:25.45 ID:MNpjuwrL0
扶桑「────て、提督……」
扶桑「ええと、そのぉ……」
扶桑「提督が居なくなった途端、強風が吹き始めまして…………」
提督「あ、あはは…………」
提督「…………もう一回2人で集めましょうか?」
扶桑「…………はい!」
645: 2013/12/16(月) 04:22:53.46 ID:MNpjuwrL0
扶桑ととある冬の日
646: 2013/12/16(月) 04:23:39.29 ID:MNpjuwrL0
扶桑「────雪……」
提督「初雪ですか……」
提督「雪が降ると冬が来たんだなぁって感じしますよね」
扶桑「………………」
提督「…………扶桑さん?」
扶桑「…………私、冬ってあまり好きじゃなかったんです」
扶桑「雪の冷たさが、夜の暗さが…………海底を思い出させるから……」
提督「あっ……」
提督「……その、すみません…………」
扶桑「ふふっ、謝る必要なんてありませんよ?」
扶桑「それに私、言ったじゃないですか」
扶桑「『好きじゃなかった』って……」
提督「ええと、今は好きなんですか?」
扶桑「好きですよ?」
扶桑「だってほら────」
提督「────────っ」
扶桑「────この寒さも、提督の手を握る理由になってくれますから……」
提督「扶桑さん……!」
647: 2013/12/16(月) 04:24:18.43 ID:MNpjuwrL0
扶桑「……ところで提督?」
扶桑「提督は冬はお好きですか?」
提督「…………俺は」
提督「寒くて指はかじかむし、雪かきは大変だし、移動にも余計な時間がかかるし、正直好きじゃありませんでした」
提督「……でも」
扶桑「でも?」
提督「扶桑さんのおかげで好きになりました」
扶桑「……ふふっ」
扶桑「提督も私と一緒ですね……」
提督「はい、一緒です」
扶桑「………………」
扶桑「……提督の手、とても暖かいです」
提督「扶桑さんだって暖かいですよ……」
648: 2013/12/16(月) 04:25:02.41 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
提督「────まさか初雪が大雪になるとは……」
提督「さ、寒い……」
扶桑「ストーブとかの冬の備え、まったくしてませんでしたしね……」
扶桑「…………あ、あの、提督……」
扶桑「寒いのならこちらに来ますか……?」
提督「…………い、いいんですか?」
扶桑「………………はい」
扶桑「提督なら…………構いません」
提督「…………………………」
提督「し、失礼します……」
扶桑「…………ふふっ♪」
649: 2013/12/16(月) 04:25:49.37 ID:MNpjuwrL0
扶桑と休日
650: 2013/12/16(月) 04:26:54.28 ID:MNpjuwrL0
提督「今年も賑わってるなぁ……」
扶桑「こんなに寒くても皆来るんですね……」
提督「あはは、それ俺達にも言えることですよ?」
扶桑「それは……確かにそうですけど……」
提督「あ、そういえば扶桑さん。おみくじ、今年はどうでした?」
扶桑「…………それを聞くかしら?」
提督「はい」
扶桑「…………凶でした」
扶桑「……提督、どうして笑顔なんですか?」
提督「どうして?」
提督「……これ、見て下さい」
扶桑「────あっ」
提督「似たもの同士、ってやつですかね」
扶桑「ふふっ、そうかもしれませんね……♪」
651: 2013/12/16(月) 04:27:48.75 ID:MNpjuwrL0
榛名とホワイトデー
652: 2013/12/16(月) 04:28:46.56 ID:MNpjuwrL0
提督「榛名、これバレンタインデーのお返しなんだけど……」
提督「……受け取ってくれるか?」
榛名「わぁ……!」
榛名「ありがとうございますっ」
榛名「榛名、とっても嬉しいです!」
提督「ははっ、榛名が喜んでくれて俺も嬉しいよ……」
提督「お返しはいろいろ考えてみたんだけど、今年はマシュマロにしてみた」
提督「…………マシュマロは嫌いだったか?」
榛名「いえ、榛名はマシュマロ大好きですっ」
榛名「…………ここで食べてみてもよろしいですか?」
提督「どうぞどうぞ」
提督「榛名のために買ってきたんだからな」
榛名「それでは一つ…………」
榛名「…………んっ」
榛名「────甘くて美味しいですっ」
提督「……それは良かった」
榛名「……提督もお一ついかがですか?」
提督「俺?」
提督「…………それじゃ一つ……」
榛名「それでは……あーん」
提督「あー……んっ……」
提督「────うん、甘い」
提督「……今度は俺の番な」
榛名「そ、そんな……」
榛名「…………い、良いのでしょうか……?」
提督「もちろん」
提督「……ほら、口開けて?」
榛名「あ、あーん……」
榛名「────んっ」
653: 2013/12/16(月) 04:29:37.70 ID:MNpjuwrL0
────────
──────
────
──
榛名「────一つだけ余っちゃいましたね……」
提督「榛名が食べろよ」
提督「俺は十分食べたからさ」
榛名「で、でも……」
榛名「一個ずつ交互に食べてきたのに、最後は私だけが食べるというのは気がひけてしまいます……」
提督「んー……って言われてもなあ……」
榛名「…………て、提督」
榛名「……半分こにしましょう」
提督「榛名がそう言うならいいけど……」
提督「千切る? 切る?」
榛名「い、いえ────」
榛名「────ほうやっへはへはへんは?(こうやって食べませんか?)」
提督「………………」
提督「誘ってきたのは榛名だからな?」
榛名「────んっ」
榛名「…………ちゅ……ん……」
榛名「んんっ…………!」
提督「────ぷはっ」
提督「………………どうだ?」
榛名「………はい」
榛名「とっても甘かったです……」
654: 2013/12/16(月) 04:30:11.82 ID:MNpjuwrL0
榛名とカクテルの日
655: 2013/12/16(月) 04:30:49.44 ID:MNpjuwrL0
提督「……榛名?」
提督「おーい、大丈夫かー?」
榛名「ふぁ、ふぁい!」
榛名「はるなはらいじょうふれす!」
提督「よーし、駄目なのは分かった」
提督「店出るぞ」
榛名「は、はるなはまだ……!」
提督「はいはい」
提督「ほら、肩貸すから立て」
榛名「ううぅ…………」
提督「御馳走様でしたー」
────────
──────
────
──
656: 2013/12/16(月) 04:31:35.45 ID:MNpjuwrL0
榛名「────提督」
提督「おっ、酔いから覚めてきたな」
提督「気分悪かったりはしないか?」
榛名「いえ、それは大丈夫です……」
榛名「……すみません提督」
提督「おいおい、何で謝るんだ?」
榛名「提督はお酒を飲むのを楽しみにしていらしたのに、無理言って着いて来るばかりかあまつさえ介抱まで迷惑をかけてしまう始末……」
榛名「本当に申し訳ないです……」
提督「いいっていいって」
提督「俺としても榛名といろいろお喋りするの楽しかったから問題無い」
提督「……もしかして榛名は楽しくなかった?」
榛名「そ、そんなことありません!」
榛名「とても楽しかったです!」
提督「じゃあ気にするな」
提督「俺も榛名も楽しかった。ほら、何も問題無い」
提督「だからまた一緒に来よう、な?」
榛名「……はい!」
榛名「楽しみに待ってます!」
657: 2013/12/16(月) 04:32:24.69 ID:MNpjuwrL0
榛名「────提督ー♪」
提督「……榛名、歩きにくいから今は抱きつくな」
榛名「榛名は離しませんっ」
提督「まだ酔ってるな……」
658: 2013/12/16(月) 04:32:52.92 ID:MNpjuwrL0
榛名と休日
659: 2013/12/16(月) 04:33:34.76 ID:MNpjuwrL0
提督「……えーと、買い忘れは無いな?」
榛名「はい、これで全部です!」
提督「それじゃ帰るか。皆待ってるだろうし」
榛名「……………………」
提督「榛名?」
榛名「っ!? な、何でしょうか?」
提督「……たい焼き、買うか?」
榛名「は、榛名は食べたくて見てた訳では────」
提督「………………」
榛名「………………うぅ……」
提督「……お腹、鳴ったな」
提督「買ってくか」
榛名「あ、ありがとうございます……」
660: 2013/12/16(月) 04:34:01.97 ID:MNpjuwrL0
榛名とキスの日
661: 2013/12/16(月) 04:34:49.83 ID:MNpjuwrL0
提督「キスの種類ってたくさんあるんだな」
榛名「そうなんですか?」
提督「ああ、何でも場所によって意味が違うらしい」
提督「例えば────」
榛名「んっ…………」
提督「今みたいに髪にするのは『思慕』の意味合い、つまりあなたを恋しく思ってますよっていう意味になる」
榛名「何だかこそばゆかったです」
榛名「……他にもあるんですか?」
提督「もちろん」
提督「変わり種だと────」
榛名「んっ……!」
提督「喉とか────」
榛名「ひゃっ……!」
提督「腰とか────」
榛名「んんっ……!!」
提督「腿とか」
提督「二十個くらいあるな」
榛名「……はぁ……はぁ……」
662: 2013/12/16(月) 04:35:31.49 ID:MNpjuwrL0
榛名「その……提督」
榛名「提督は何処にするのが一番好きなんですか?」
提督「うーん……」
提督「……榛名と同じだと思う」
榛名「…………そ、それでは」
榛名「こ、答え合わせをしましょう!」
榛名「せーのでいいですよね!」
提督「……ああ」
榛名「せ、せーの────」
榛名「────んっ」
榛名「んんっ……んっ……ちゅっ…………」
榛名「────っはぁ……」
榛名「…………やっぱりここが一番落ち着きます」
提督「……俺もだ 」
榛名「…………あ、あの」
榛名「もう一回だけ……よろしいでしょうか?」
663: 2013/12/16(月) 04:35:59.66 ID:MNpjuwrL0
榛名と釣りの日
664: 2013/12/16(月) 04:36:43.59 ID:MNpjuwrL0
榛名「釣れませんね……」
提督「おかしいな……そろそろ一匹くらい釣れてもいいと思うんだが……」
提督「……でもまぁアレだ」
提督「釣れないっていうのもまた釣りの醍醐味みたいなもんだし……」
提督「気長に待とうか」
榛名「はい、榛名も待ちます」
提督「……すまんな榛名」
提督「初めてのお前にはぜひとも釣りの楽しさを知ってもらおうと思っていたのに、こんなことになっちまって……」
提督「正直退屈だろ?」
榛名「……そんなことありません」
榛名「提督のおそばに居られるだけで、榛名はとっても幸せですからっ」
提督「……そうか。それは嬉しいな」
提督「……もうちょっとこっち来るか?」
榛名「ぜひ!」
────────
──────
────
──
665: 2013/12/16(月) 04:37:19.14 ID:MNpjuwrL0
提督「……榛名」
榛名「…………んっ……」
榛名「……すぅ……すぅ……」
提督「………………」
提督(……寝たか)
提督(……しかしこう肩に寄りかかられては、もしも釣れた時に動けないんだが……)
榛名「…………むにゃ……」
榛名「……提督…………」
榛名「大好きです…………ふふっ……」
榛名「……………………すぅ」
提督「………………」
提督(別にいいか)
666: 2013/12/16(月) 04:37:52.03 ID:MNpjuwrL0
榛名と祝日
667: 2013/12/16(月) 04:38:36.82 ID:MNpjuwrL0
提督「────これで最後か」
榛名「提督、お仕事お疲れ様でした」
榛名「お茶をどうぞ」
提督「ありがとう榛名」
提督「それにしてもせっかくの祝日なのに急な仕事が入るとは……」
提督「ツイてないな……」
榛名「提督、午後からはどういたしますか?」
提督「そうだなぁ……」
提督「予定は特に無いけど榛名と一緒に居るよ」
提督「……榛名は?」
榛名「そうですね……」
榛名「予定は特にありませんが、提督と一緒に居たいです」
榛名「……よろしいでしょうか?」
提督「……もちろん」
提督「榛名と一緒ならそれだけで嬉しいし楽しいからな」
榛名「……ふふっ」
榛名「────榛名も同じ気持ちです!」
668: 2013/12/16(月) 04:39:50.84 ID:MNpjuwrL0
これにて全投下終了です。
後ほど依頼出しておきます。
669: 2013/12/16(月) 04:54:09.83 ID:UMUQA6tao
お疲れ様でした
ほのぼのとした感じがよかった
ほのぼのとした感じがよかった
671: 2013/12/16(月) 07:53:41.76 ID:1osvtPzK0
乙!よかったぞ
678: 2013/12/16(月) 19:11:39.47 ID:MNpjuwrL0
依頼出してきました。
皆様ここまでお付き合い頂きありがとうございました。
それではまたどこかで。
引用: 提督「艦娘との一年」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります