260: 2013/05/10(金) 06:04:20 ID:MHhFLgxM
~無人島周辺・海~

上陸三日目・朝ーー

銀次郎「なぁ、幼馴染み」

銀次郎「お前、何匹連れた?」

銀次郎「俺、まだ一匹も連れてないんだけど」

銀次郎「何で、今日もお前だけはそんなに大漁なんだ?」

幼馴染み「さぁ、分からんな」

銀次郎「お前、一体何使ってる?」

銀次郎「MREレーション一つやるから、教えてくれよ」

幼馴染み「さぁ、俺は何も知らんな」

銀次郎「……」

少年「お兄ちゃん。まだ釣れないの?」

少年「僕達、もう五匹は釣ってるんだけど」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「おおっ、本当だ」
ふらいんぐうぃっち(12) (週刊少年マガジンコミックス)

261: 2013/05/10(金) 06:04:40 ID:MHhFLgxM
少年「お兄ちゃん。もしかして釣り下手?」

少年「あまり、外で友達と遊ぶ機会とかなかったでしょ?」

銀次郎「……」ビクッ

少年「ダメだよ。ちゃんと外で遊ばないと」

少年「お兄ちゃんの場合、ずっと家でゲームしてた」

少年「自然と、皆で遊ぶ事すら減っていって、気がついた時には友達すら全くいなかったって感じだよね?」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」チラッ

銀次郎「……」ガクッ

少年「……やっぱり、そうなんだ」

銀次郎「……」ウルッ

幼馴染み「……」

少年「……」

ズン、クイクイッ……

少年「あっ、引いてるよ!」

262: 2013/05/10(金) 06:05:11 ID:MHhFLgxM
幼馴染み「銀次郎。早く竿引け!」

幼馴染み「餌食われるぞ!」

銀次郎「!?」ハッ

グイッ、グイッ……

スッ、ガシッ……

銀次郎「!?」

銀次郎「なんて、重さだ!?」

少年「お兄ちゃん?」

幼馴染み「!?」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

銀次郎「くっ……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

幼馴染み「銀次郎。手伝ってやる!」

幼馴染み「おい、少年。網用意しとけ!」

少年「うん!」

263: 2013/05/10(金) 06:05:23 ID:MHhFLgxM
スッ、ストン……

ムクッ、クルッ、ガシッ……

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

グイッグイッ、グイッグイッ……

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

グイッグイッ、グイッグイッ……

幼馴染み「これ、大物だな……」

銀次郎「ああ、そうみたいだ……」

少年「……」

幼馴染み「ん? 影が見えてきた」

幼馴染み「なんか、この形見た事ある様な?」

少年「……?」

銀次郎「ああ、俺もだ……」

銀次郎「いや、絶対にそうと思いたくない……」

少年「……あ」

264: 2013/05/10(金) 06:05:35 ID:MHhFLgxM
ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

幼馴染み「……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

銀次郎「……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

少年「……」

ジリジリジリジリッ、ジリジリジリジリッ……

幼馴染み「おい。早く巻けよ」

幼馴染み「あいつ、早く引き上げてやれ」

幼馴染み「つうか、あいつ何やってんだ?」

少年「うん。そうだね」

銀次郎「……」

幼馴染み「銀次郎。早く巻いてやれ」

幼馴染み「もしくは、糸切ってやれ」

銀次郎「え?」

265: 2013/05/10(金) 06:05:46 ID:MHhFLgxM
少年「お兄ちゃん。なんか、マンボウ浮かんできたよ」

少年「自力で、ここまで浮き上がってきたんだけど」

銀次郎「!?」

幼馴染み「なんだと!?」

少年「あっ、もうすぐ出てくる」

少年「あのマンボウ、やけにもがいてしまっているね」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

ザバァッ、プカプカッ……

半魚人「はぁ、はぁ、はぁ……」

半魚人「はぁ、はぁ、はぁ……」

半魚人「……」スッ、ブチッ

半魚人「……」ブチッ、ブチッ

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

266: 2013/05/10(金) 06:08:42 ID:MHhFLgxM
少年「ねぇ、マンボウのお兄ちゃん」

少年「何で、ここにいるの?」

少年「お兄ちゃんは確か、違う所で漁してなかった?」

銀次郎「……」

半魚人「ああ、ちょっと、大物を追っかけてな……」

半魚人「気がついたら、銀次郎の竿に掛かってしまってた……」プカプカッ

幼馴染み「……」

少年「それで、何か連れた?」

少年「僕、今日五匹も釣ったんだけど」

半魚人「ん? どれどれ」プカプカッ

スッ、バシャッ……

ポトポトッ、ポトポトッ……

半魚人「おおっ、大漁だな」プカプカッ

少年「うん。僕凄いでしょ」

半魚人「ああ、そうだな」プカプカッ

267: 2013/05/10(金) 06:09:13 ID:MHhFLgxM
幼馴染み「なぁ、そこの少年」

幼馴染み「船の中に、水捨てるな」

幼馴染み「もし見せるんなら、バケツだけ渡せ」

幼馴染み「せっかく釣った魚が、すぐに衰弱氏するぞ」

銀次郎「……」

少年「ああ。ごめんなさい」

少年「僕、何も考えずにやっちゃった?」

少年「今から、水に入れたら何とかなる?」

少年「それとも、もうダメになっちゃったのかな?」

銀次郎「……」

ピチピチッ、ピチピチッ……

半魚人「少年。そう悔やむな」

半魚人「こいつらは、後でしっかりと捌いてやる」

半魚人「お前は、こいつらをしっかり残さず食べろ」

半魚人「今日の昼飯、こいつらの刺身にしてやるからな」スッ、ジャバッ

268: 2013/05/10(金) 06:09:25 ID:MHhFLgxM
少年「うん。分かった」

少年「お兄ちゃん達、ごめんね」

少年「せっかく、釣った魚を無理にしなせちゃって」ペコッ

銀次郎「……」

少年「思えば、僕達もこの魚と同じなんだよね?」

少年「この島と言うバケツから、外に全く出る事が出来ない」

少年「そこを出たら、この魚達みたいにすぐ氏んじゃう」

少年「今の僕達も、この魚達とは全く同じなんだよね?」

幼馴染み「……」

銀次郎「……」

少年「……」

半魚人「……」ポタポタッ

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

269: 2013/05/10(金) 06:09:36 ID:MHhFLgxM
無線「銀次郎達。今どこにいる?」

無線「すぐに、島に戻ってきなさい!」

無線「それ以上進んだら、軍に撃たれるわよ!」

無線「軍の警備艇が、今そっちに向かったみたいだから!」

銀次郎「!?」

ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。了解した!」

半魚人「今の我々に、脱走の意思はない!」

半魚人「これより、島に帰還する!」ポタポタッ

幼馴染み「……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。了解したわ!」

無線「早く、あんた達は帰ってきなさい!」

無線「軍は、GPSであんた達の位置を特定してる!」

無線「次からは、絶対に気を付けなさい!」

270: 2013/05/10(金) 06:09:51 ID:MHhFLgxM
ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。了解した!」

半魚人「軍にも、そう伝えといてくれ!」

半魚人「繰り返すようだが、今の我々に脱走の意思はない!」

半魚人「我々の故郷は、あの島のみだ!」ポタポタッ

少年「……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。了解した!」

無線「早く、島に戻ってきなさい!」

無線「それ以上行ったら、確実に軍に撃たれるわよ!」

無線「さっさと、早く引き返してきなさい!」

ザザッ……

半魚人「ああ、了解した!」ポタポタッ

スッ、カチッ……

半魚人「ふぅ……」ポタポタッ

271: 2013/05/10(金) 06:10:01 ID:MHhFLgxM
半魚人「おい、お前ら。今すぐ撤退するぞ!」

半魚人「このままだと、確実に危ない!」スッ、フキフキ

銀次郎「……」ハッ

半魚人「銀次郎達、早く漕げ!」

半魚人「いつ軍が来るか、全く分からないんだぞ!」フキフキ、フキフキ

銀次郎「おっ、おう……」

スッ、ストストン……

スッ、ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「……」キョロキョロ

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「……」キョロキョロ

ババババッ、ババババッ……

半魚人「!?」

ババババッ、ババババッ……

半魚人「なっ、ヘリが……」ガーーン

272: 2013/05/10(金) 06:12:06 ID:MHhFLgxM
銀次郎「おい、ヘリが来たぞ!」

銀次郎「あれ、陸軍のUH-1じゃねぇか!」

幼馴染み「!?」

少年「お兄ちゃん。早く急いで!」

少年「ヘリが来た、ヘリが来た!」

半魚人「くっ……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

スッ、カチッ……

ザザッ、ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。エルフ応答せよ!」

半魚人「あのヘリは何だ!?」

半魚人「もう、軍が撃ち頃しに来たのか?」

273: 2013/05/10(金) 06:12:18 ID:MHhFLgxM
ザザッ……

無線「ああ、もう見えた?」

無線「あのヘリ、銀次郎に返す物資+新たなニート達を乗せたヘリ」

無線「なんか、予定より早くニート達が着くみたいでね」

無線「銀次郎に返す食料と一緒に、そのまま連れて来て貰っちゃった」

ザザッ……

半魚人「こちら、半魚人。了解した」

半魚人「あれは、俺達を撃つヘリじゃないんだな?」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ザザッ……

無線「ええ、それについては問題ないわ」

無線「あのヘリには、あんた達を撃つ動機がない」

無線「警備艇も、確認の為に数隻出てる」

無線「クラスは、大体200tレベル」

無線「でも、76mmの速射砲を備えているから、十分気を付けてよね」

274: 2013/05/10(金) 06:12:29 ID:MHhFLgxM
ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ババババッ、ババババッ……

半魚人「……」

少年「あっ、通り過ぎた」

少年「あのヘリ、島の方に行っちゃったけど」

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

275: 2013/05/10(金) 06:12:41 ID:MHhFLgxM
半魚人「銀次郎。早く急げ!」

半魚人「エルフが言うには、こっちに軍の警備艇が数隻来る!」

半魚人「その警備艇には、76mmの速射砲が装備されている!」

半魚人「それに撃たれたら、確実に俺達の命がない!」

銀次郎「!?」ピタッ

幼馴染み「おい。今のどう言う事だ?」

幼馴染み「俺達は、そのまま撃ち殺されてしまうのか?」ピタッ

少年「……」

半魚人「いや、大丈夫だ!」

半魚人「だが、俺達の監視の為に数隻がこっちに来る!」

半魚人「今回は、偶々だったから良かったが、次は確実にない!」

半魚人「お前も、次からは十分気を付けてくれ!」

銀次郎「あっ、ああ……」

幼馴染み「……了解した」

少年「は~~い」

276: 2013/05/10(金) 06:12:52 ID:MHhFLgxM
ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

銀次郎「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

幼馴染み「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

少年「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

半魚人「ん? もう降りたのか……」

277: 2013/05/10(金) 06:13:03 ID:MHhFLgxM
半魚人「ああ、銀次郎」

半魚人「さっき言い忘れてたが、お前の分の食料があのヘリに積まれてる」

半魚人「戻ったら、エルフがすぐに引き渡してくれる様だ」

半魚人「後、また数人程新入りが増えるみたいだぞ」

銀次郎「……」

半魚人「とりあえず、軍に追い付かれる前に撤退するぞ!」

半魚人「あいつら、見つかったらすぐに容赦なく撃ってくる!」

半魚人「それが原因で、俺の仲間が何人か撃たれてな!」

半魚人「それが嫌なら、早く漕いだ方が良い!」

銀次郎「あいよ!」

幼馴染み「……」

少年「……」

半魚人「……」

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

278: 2013/05/10(金) 12:34:53 ID:MHhFLgxM
~無人島・砂浜~

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ギゴギゴッ、ギゴギゴッ……

ザザーーン、ザザーーン……

少女「あっ、お帰り」

少女「今日は、何匹連れた?」

半魚人「……」

スッ、ジャバッ……

ガシッ、ググググッ……

ジャバジャバジャバ、ググググッ……

ジャバジャバジャバ、ググググッ……

スッ、ザザッ……

半魚人「ほれ、降りろ」

銀次郎達「……」

スッ、シャタッ、シャタッ……

279: 2013/05/10(金) 12:35:05 ID:MHhFLgxM
幼馴染み「銀次郎。釣り竿は、そこに置いといてくれ」

幼馴染み「また、昼飯食ったら釣りに行く」

幼馴染み「だから、少年もそこに置いておけ」

銀次郎「ん? 良いのか?」

幼馴染み「ああ、まあな」

少女「……」

少年「お姉ちゃん。見て」

少年「僕、今日は五匹連れた」

少年「これ、後でマンボウのお兄ちゃんに捌いて貰うんだ」ニッコリ

少女「へぇ、凄いじゃない」ニッコリ

半魚人「……」

少年「それと、さっきこの島にヘリが沢山来てたんだけど、何かあったの?」

少年「もしかして、僕達殺されちゃうの?」

銀次郎「……」スッ、シュルシュル

シュルシュル、カシャン……

280: 2013/05/10(金) 12:35:17 ID:MHhFLgxM
少女「ううん。大丈夫だけど」

少女「あれ、銀次郎お兄ちゃん用の積み荷を運んでただけ」

少女「それと、今日から三人新しい人が増えるみたいでね」

少女「三人とも、なんかお兄ちゃん達より上の男の人だった」

少女「まだ、三人とも眠っちゃったままみたいでね」

少女「今、巨大猫さんが三人を監視してるみたい」

銀次郎「……」

幼馴染み「へぇ、新しい住民か」

幼馴染み「ちゃんと、この島で生きていけるんだろうか」

半魚人「ああ、そうだな」

幼馴染み「それで、そいつらの荷物は?」

幼馴染み「そいつら、何か持っていたか?」

少女「ううん。全然」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

281: 2013/05/10(金) 12:35:29 ID:MHhFLgxM
銀次郎「幼馴染み。釣道具、船の中に置いとくぞ」

銀次郎「これで、良いんだよな?」

幼馴染み「ああ、そうだ」

半魚人「銀次郎達、釣道具回収しとけ」

半魚人「じゃないと、それ取られるぞ」

半魚人「新しい奴等、それ使って今後はここで生活する事になる」

銀次郎「え?」

幼馴染み「……ああ、そうか」

少年「……?」

少女「どう言う意味?」

銀次郎「半魚人。ご忠告、感謝する」

銀次郎「幼馴染み。この船は誰のだ?」

銀次郎「ひょっとして、お前のか?」

幼馴染み「ああ、そうだ」

半魚人「……」

282: 2013/05/10(金) 12:35:40 ID:MHhFLgxM
銀次郎「なら、これも回収しとかないとな」

銀次郎「お前のテントまで、こいつ持ってってやる」

幼馴染み「ああ、すまん」

半魚人「なら、俺も手伝ってやるよ」

半魚人「子供達は、魚達の監視を頼む」

半魚人「銀次郎達、船動かすぞ」

半魚人「お前ら、力あるか?」

半魚人「もしないのなら、俺一人で行くが?」

幼馴染み「ああ、大丈夫だ?」

銀次郎「お気遣いなく」

半魚人「……」

スッ、ガシッ……

ググググッ、ググググッ……

銀次郎「!?」

幼馴染み「なんて力だ……」

283: 2013/05/10(金) 12:35:52 ID:MHhFLgxM
半魚人「やっぱり、お前らは自分の釣道具だけ運んどけ」

半魚人「こいつは、ちゃんとお前らのテントの前に置いといてやる」

半魚人「見た所、お前ら力あんま無いだろ?」

半魚人「実際は、あまり外で遊んでた経験とか少ないんじゃないのか?」

銀次郎「……」ビクッ

幼馴染み「……何の事だ?」ビクッ

少年「……」

半魚人「とりあえず、お前らは俺に任せて釣道具だけ運んでろ」

半魚人「大丈夫。俺は、お前の船を奪ったりはしない」

半魚人「そんな事しなくても、自分でスイスイ泳げる」

半魚人「しかも、深海近くまでな」

銀次郎「ああ、了解した……」

幼馴染み「宜しく頼む……」

少年「……」

少女「……」

284: 2013/05/10(金) 12:36:07 ID:MHhFLgxM
ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

少年「わぁ、凄い」

少女「マンボウのお兄ちゃん。力持ち」

銀次郎「……」

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

ヒタッ、ヒタッ、ヒタッ、ググググッ……

幼馴染み「とりあえず、各自自分の釣道具は持って帰るか」

幼馴染み「銀次郎。後で、トイレ貸してくれ」

銀次郎「ああ、良いぞ」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

銀次郎「ん?」ハッ

幼馴染み「何だ? あんたら」

285: 2013/05/10(金) 12:36:18 ID:MHhFLgxM
金太郎「失礼。日本陸軍の者だ」

金太郎「君達か? さっき島から、脱走しかけたと言うのは?」

銀次郎「……」クルッ

幼馴染み「ああ、そうですが……」

銀次郎「何か、問題でも?……」

少年「……」

金太郎「おおっ、銀次郎」

金太郎「お前、まだ生きてたのか?」

金太郎「ついこの間、関係各所にお前の訃報を知らせたばっかだったぞ」

金太郎「葉菜美からは、もう氏んだと聞かされていた」

銀次郎「……」ビキッ

幼馴染み「知り合いか?」

少女「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

286: 2013/05/10(金) 12:36:29 ID:MHhFLgxM
銀次郎「ああ、知り合いだとも……」

銀次郎「俺の元兄貴だ……」

銀次郎「その横にいるのが、俺の元姉貴……」

銀次郎「俺が、この島に送られる事となった全ての元凶だ……」

幼馴染み「!?」

少年「え?」

少女「この綺麗なお姉さんが?」

葉菜美「……」

銀次郎「姉さん達、今更何の様だ?」

銀次郎「まさか、この場で俺の事を始末しに来たのか?」

葉菜美「うん。そうだけど」ニッコリ

銀次郎「!?」

幼馴染み「なん……だと……!?」

少年「……」

少女「お兄ちゃん……」

287: 2013/05/10(金) 12:39:01 ID:MHhFLgxM
葉菜美「まぁ、冗談は置いといて」

葉菜美「私が貸したキャンピングカー、使い心地どう?」

葉菜美「あれ、いつ返してくれる?」ニコニコ

銀次郎「……」

葉菜美「出来れば、早く氏んでほしいんだよね」

葉菜美「今の弟君には生きる価値なんてない」

葉菜美「じゃなきゃ、この島なんかには絶対に送ってなんかいないかな」ニコニコ

幼馴染み「……」

金太郎「まぁ、そう言う事だ」

金太郎「俺達は、お前の顔を見に来ただけだ」

銀次郎「……」

金太郎「さて、どう致しますか? 少尉殿」

金太郎「事情聴取、もう始めときますか?」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

288: 2013/05/10(金) 12:39:13 ID:MHhFLgxM
葉菜美「ええ、お願いするわ」

葉菜美「ついでに、子供達の健康のチェックもしとく」

葉菜美「だから、伍長はこの二人の事情聴取をお願い」

葉菜美「それが終わったら、小隊長の指示に従って」ニコニコ

金太郎「はっ!」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

葉菜美「さて、そこの子供達」

葉菜美「今から、私に着いてきてくれる?」

葉菜美「ちょっと、あの車の中で君達の体を見せて貰うから」ニコニコ

少年「……」コクン

少女「はい。分かりました」ギュッ

金太郎「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

289: 2013/05/10(金) 12:39:43 ID:MHhFLgxM
金太郎「さて、俺達もさっさと済ませるぞ」

金太郎「今のお前ら、ただの囚人だ」

金太郎「いや、国に捨てられた亡霊と言った方が正しいかもな」

銀次郎「……」

金太郎「それで、何故この島から出ようとした?」

金太郎「今のお前らは、この島からは出る事が出来ないのは、知っているだろう?」

銀次郎「……」

幼馴染み「偶々、船に乗って釣りをしていたら、知らず知らずの内に出かけてしまいました!」

幼馴染み「今の俺達に、この島を出る意思はありません!」

幼馴染み「それに関しては、絶対に勘違いをしないで下さい!」

金太郎「……ほう?」

幼馴染み「……」

銀次郎「そんなに、意外だったのか?」

銀次郎「俺達が釣りしていたら、何か問題でもあるのか?」ギリッ

幼馴染み「……」

290: 2013/05/10(金) 12:39:55 ID:MHhFLgxM
金太郎「じゃあ聞くが、何がそんなにお前は不満なんだ?」

金太郎「今まで、ずっとろくに働かずにぐうたらしてた!」

金太郎「そんなお前に、俺は不満を言われる覚えは全くない!」

銀次郎「……」ギリギリッ

金太郎「それと、お前がここに来てくれたおかげで母さん達が随分楽になったぞ!」

金太郎「母さん。少し体悪くしてたんだ!」

金太郎「それに掛かる治療費、お前のおかげですぐに出す事が出来た!」

銀次郎「!?」

幼馴染み「……」

金太郎「だから、お前がこの俺や葉菜美達を恨むのは筋違いだ!」

金太郎「元々、お前はそんな奴じゃなかった!」

金太郎「お前さえ、真面目に働きさえしていれば、母さん達にも迷惑を掛けずに済んでいたんだ!」

金太郎「そんなお前が、今の俺に不満を漏らすなんて百年早い!」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

291: 2013/05/10(金) 12:40:07 ID:MHhFLgxM
金太郎「では、話に戻るぞ」

金太郎「今のお前らは、釣りをしていて島を出てしまったんだな?」

金太郎「本当に、今のお前らには脱走をする意思はないんだな?」

幼馴染み「はい!」

銀次郎「……」

金太郎「じゃあ、何も問題はないな」

金太郎「偶々、今回は釣りをしていて気づかずに指定範囲を越え掛けていただけみたいだから」

銀次郎「……」

金太郎「だが、次からはちゃんと気を付けろよ」

金太郎「今のお前ら、下手したら本当に氏んでたぞ」

銀次郎「……」

幼馴染み「ええ、分かりました!」

幼馴染み「以後、気を付けさせて頂きます!」

幼馴染み「もう、お話は以上でしょうか?」

幼馴染み「そろそろ、昼食の準備に取り掛かりたいんですが」

292: 2013/05/10(金) 12:40:19 ID:MHhFLgxM
金太郎「ああ、そうだな」

金太郎「お前ら、もう行って良いぞ」

金太郎「それと、銀次郎」

金太郎「お前が、表向きには氏んでくれて清々した!」

金太郎「実は、もう時期結婚する予定でな!」

金太郎「お前みたいな奴が身内にいたら、かなり迷惑だった!」

銀次郎「……」ギリッ

幼馴染み「……」

金太郎「そんじゃ、お前らはもう行って良いぞ!」

金太郎「精々、ここで余生を楽しんでおけ!」

金太郎「後、お前が集めたゲームとかももう既に処分済みだ!」

金太郎「良い歳して、ろくに女も抱いた事ないみたいだし!」

金太郎「部屋の中に有った物が全部気持ち悪過ぎて、あの後全部燃えるゴミに出してやったからな!」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

293: 2013/05/10(金) 12:40:30 ID:MHhFLgxM
金太郎「そんじゃあ、俺は失礼する!」

金太郎「銀次郎。お前も達者に暮らせ!」

金太郎「ウチの親だけでなく、親戚全員喜んでた!」

金太郎「向こうも、お前みたいな奴がいたらいい迷惑だった!」

金太郎「おかげで、縁談も綺麗に纏まって皆喜んでたからな!」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

294: 2013/05/10(金) 12:40:41 ID:MHhFLgxM
幼馴染み「……銀次郎。大丈夫か?」

幼馴染み「お前、めっちゃ顔赤いぞ……」

銀次郎「……」ギリギリッ

幼馴染み「お前の身内、結構酷いな……」

幼馴染み「俺んとこも人の事を言えないが、あれはあれで結構酷いぞ……」

銀次郎「ああ、そうだな……」ギリギリッ

幼馴染み「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「それで、どうする?」

幼馴染み「お前は、もう良いのか?」

幼馴染み「このまま、お前もずっとここにいとくのか?」

銀次郎「……ああ、まあな」ギリギリッ

幼馴染み「とりあえず、俺達も昼飯の用意をしよう」

幼馴染み「今日は、軍の兵士が多数来てるみたいだし」

幼馴染み「また、変な疑いを掛けられるのは、絶対に嫌だからな」

295: 2013/05/10(金) 12:40:53 ID:MHhFLgxM
スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

エルフ「あんた達、早く戻ってきなさい!」

エルフ「銀次郎の荷物、今さっき届いたばかりなんだから!」

半魚人「……」

エルフ「銀次郎。早く運んどきなさい!」

エルフ「じゃないと、またあんた誰かに奪われるわよ!」

エルフ「昨日まで、あんただけがひもじい思いを沢山していたんだし!」

エルフ「さっさと、早く自分の車の中に運んどいてよね!」

銀次郎「ああ、了解した……」

幼馴染み「手伝ってやる」

銀次郎「すまん……」

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

298: 2013/05/11(土) 06:32:35 ID:BCl.AkuY
~無人島・キャンピングカー前~

その日の昼ーー

巨大猫「うむ。良い焼き具合じゃ」

巨大猫「銀次郎。そなたは、食わんのか?」

銀次郎「ああ。まあな」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「そなた、今日はどうした?」

巨大猫「やけに、不機嫌の様じゃが?」

半魚人「……」モグモグッ

幼馴染み「巨大猫。今日は、その話題は止めてやれ」

幼馴染み「今のこいつ、めっちゃピリピリしてやがる」

幼馴染み「特に、あいつらの所為でな」クイクイッ

兵士達「……」

巨大猫「うむ。了解した」

巨大猫「今日は、やけに多いな」

299: 2013/05/11(土) 06:32:49 ID:BCl.AkuY
銀次郎「巨大猫。NGO達は、どうした?」

銀次郎「あいつら、どっか出掛けてるのか?」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「うむ。そうじゃよ」

巨大猫「あ奴等、今そこにいる兵士達と共に島を回っておる」

巨大猫「どうやら、エルフと共に新たなニート達に関する手続きをしておってな」

巨大猫「記者に関しては、その取材じゃそうじゃ」

半魚人「……」モグモグッ

銀次郎「ふぅん。そうなのか」

銀次郎「あの記者も、ちゃんと仕事してるんだな」

銀次郎「今回、来た奴等はどんな感じだ?」

銀次郎「俺達より、なんか年上だったみたいだが」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「うむ。そうじゃな」

巨大猫「皆、全て男じゃった」

300: 2013/05/11(土) 06:33:27 ID:BCl.AkuY
巨大猫「じゃが、皆、癖のある人物でのぅ」

巨大猫「今さっき目を覚ましたのじゃが、皆、早々と根をあげよった」

巨大猫「おまけに、速攻で一部の兵士達に捕らわれてな」

巨大猫「今も、兵士達に捕らわれおる」

半魚人「……」モグモグッ

銀次郎「じゃあ、子供達は?」

銀次郎「あいつらは、どうなったんだ?」

半魚人「……」モグモグッ

巨大猫「うむ。それについては、何も心配入らない」

巨大猫「あ奴等も、もう時期こっちに来る」

巨大猫「あ奴等は、エルフ達の方で見ておってな」

巨大猫「わざわざ、ここに来た看護師達による検診が終わったら、すぐこっちに来る様じゃ」

半魚人「……」モグモグッ

幼馴染み「おい、半魚人……」

幼馴染み「お前、さっきから魚食い過ぎだ……」

301: 2013/05/11(土) 06:33:38 ID:BCl.AkuY
半魚人「……ん? そうだったか?」ピタッ

半魚人「すまんすまん。ついうっかり、今焼けてた分全て食っちまったよ」フキフキ

幼馴染み「……」

半魚人「その代わり、俺が取ってきた貝とかやる」

半魚人「だから、機嫌直せ」

幼馴染み「ああ、分かった」

銀次郎「……良いのかよ」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ、ピタッ……

エルフ「ふぅ、お待たせ」

エルフ「子供達の検診、もう終わったわよ」

巨大猫「うむ。そうか」

半魚人「……」スッ、コトッ

302: 2013/05/11(土) 06:33:51 ID:BCl.AkuY
エルフ「銀次郎達。ちょっと、暫くの間は軍がここに展開するわよ」

エルフ「なんか、まだまだここに新たなニート達を多数運んでくるみたい」

エルフ「だから、銀次郎達は暫くの間は船で海に出るのは止めて」

エルフ「また、銀次郎達が撃たれたらこっちが困るし」

エルフ「今回来た新たなニートは、軍による演習の的になるみたいだから」

銀次郎「……」

幼馴染み「ああ、了解した」

半魚人「努力する」

巨大猫「妾達までそれに巻き込まれたら、人溜まりもないからな」

エルフ「ええ、そうね」

少年「……」

少女「……」

スッ、コトコトッ……

コトコトコトッ、コトコトコトッ……

スッ、カチャ、ゴォーーーーッ……

303: 2013/05/11(土) 06:34:02 ID:BCl.AkuY
ゴォーーーーッ、ゴォーーーーッ……

ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ゴォーーーーッ……

ジュワジュワジュワッ……

半魚人「……」

エルフ「良い匂いね」

幼馴染み「ああ、そうだな」

銀次郎「……」

エルフ「さて、私は向こうに戻るわ」

エルフ「私は、まだ向こうでする事があるから」

銀次郎「ん? そうなのか?」

エルフ「子供達。ここで大人しくしといて」

エルフ「銀次郎達は、この子達の事をしっかりと頼むわよ」

エルフ「もう既に、自分の分は運んだ?」

エルフ「もう全部、運んだのよね?」

304: 2013/05/11(土) 06:36:00 ID:BCl.AkuY
銀次郎「ああ、大丈夫だ」

銀次郎「全部、幼馴染みと運んどいた」

銀次郎「それで、軍はいつ戻る?」

銀次郎「まだ、ここにいとくのか?」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

エルフ「ええ、まだ暫くの間はここにいるわ」

エルフ「最低でも、一週間はここで演習をするみたい」

銀次郎「……」

エルフ「でも、私達は撃たれる心配はないわ」

エルフ「ニート以外を撃ったら、確実に罪に問われるから」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

エルフ「巨大猫。こいつら、動かない様にちゃんと見張っといて」

エルフ「半魚人も、こいつら二人の監視をちゃんと宜しく」

エルフ「それ終わったら、いつもみたいに皆は雑務をお願い」

エルフ「また、昨日みたいな事を皆にして貰うから」

305: 2013/05/11(土) 06:36:11 ID:BCl.AkuY
半魚人「ああ、了解した」

半魚人「それに関しては、こっちに任せといてくれ」

半魚人「今度の奴等にも、幼馴染み達は全く同じ事を頼む」

半魚人「銀次郎は、昨日俺らがしてた通りにあいつらにもしろ」

半魚人「俺達の役目は、新たな奴等に対するヒント出しだ」

半魚人「後は、適当に新たに来た奴等に対してキツイ事を言え」

半魚人「それが、俺達の役目の一つなんだ」

銀次郎「……」

幼馴染み「ああ、了解した」

巨大猫「うむ、承知」

少年「……」チラッ

少女「……」コクン

少年「……」コクン

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

306: 2013/05/11(土) 06:36:23 ID:BCl.AkuY
エルフ「それじゃあ、皆頼むわね」

エルフ「今後は、バカみたいに食料を分け与えちゃダメよ」

エルフ「今後の奴等、何人かヤバい奴が含まれているから」

エルフ「そいつら、何故か何も持ち込んでいなくてね」

エルフ「いつ、あんた達の車や食料等が奪われるかが、全く分からないからね」

銀次郎「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

半魚人「……」スッ、スッ

半魚人「……」スッ、スッ

幼馴染み「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

307: 2013/05/11(土) 06:36:34 ID:BCl.AkuY
幼馴染み「銀次郎。お前、車の鍵閉めといたか?」

幼馴染み「必要なら、一緒に見に行くぞ」

銀次郎「ああ、頼む」

幼馴染み「俺ら、少し車の中を見てくるわ」

幼馴染み「そんじゃ、ちょっと先に子供達の分を分けといてくれ」

半魚人「ああ、了解した」

巨大猫「気を付けてな」

銀次郎「ああ」

ムクッ、シュタッ……

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、シュタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ガラララッ、ダン……

スッ、スタッ、スタスタッ……

308: 2013/05/11(土) 06:36:44 ID:BCl.AkuY
その数分後ーー

ガラララッ、ダン……

ガチャ、スッ、ポツン……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スッ、ストンストン……

銀次郎「ふぅ……」

幼馴染み「何もなかったわ……」

巨大猫「……」

半魚人「ほれ、焼けたぞ」

半魚人「次、今日取れた魚を焼いていく」

半魚人「銀次郎。次、お前も焼いてけ」

半魚人「お前ら、まだ食ってないだろ?」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

309: 2013/05/11(土) 06:36:56 ID:BCl.AkuY
幼馴染み「その割りには、何だそのカップヌードルは?」

幼馴染み「と言うか、何故人数分ある?」

巨大猫「……」

銀次郎「まぁ、気にするなや」

銀次郎「俺なりの皆に対する歓迎の印だ」

銀次郎「残念ながら、半魚人や巨大猫の食えそうな物がない」

銀次郎「だから、その辺についてはどうか勘弁をしてくれ」

幼馴染み「銀次郎」

半魚人「お気遣いなく」

巨大猫「妾もじゃ」

銀次郎「……」

半魚人「さて、次は何を焼く?」

半魚人「貝はもうないが、魚なら沢山ある」

半魚人「お前ら、早く自分の分の魚出せ」

半魚人「次、焼かないとガスが勿体ないぞ」

310: 2013/05/11(土) 06:38:41 ID:BCl.AkuY
銀次郎「なら、俺も湯沸かしてくる」

銀次郎「昨日使ったやかん。どこにあったっけ?」

半魚人「幼馴染みのテントの中だ」

幼馴染み「……」スッ、ストストッ

銀次郎「幼馴染み。やかん借りるな」

銀次郎「お前らも、カップヌードル食うか?」

幼馴染み「ああ、頼む」

少年「なら、僕達の分もお願い」

少年「また、貴重な食料を分けてくれて、ありがとう。お兄ちゃん」

銀次郎「どう致しまして」

少女「お兄ちゃん。後で、シャワー借りて良い?」

少女「私、ちょっとアレが来ちゃったみたいだから」

銀次郎「ああ、良いよ」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

311: 2013/05/11(土) 06:38:53 ID:BCl.AkuY
幼馴染み「銀次郎。また、俺もついていってやる」

幼馴染み「なるべく、一緒に行動しといた方が良い」

銀次郎「ああ、頼む」

幼馴染み「後、昨日食ってたMREレーションは上手かったか?」

幼馴染み「あれ、何かパンも付いてただろ?」

少年「え? そうなの?」

銀次郎「ああ、別売りでだったけど」

少年「そうなんだ」

銀次郎「あれ、やっぱお前もいるのか?」

銀次郎「カップヌードルの代わりに、あれと交換するぞ」

少年「……」ゴクリ

幼馴染み「ああ、すまんすまん」

幼馴染み「なんか、久し振りに魚以外な物が食いたくなったからな」

幼馴染み「つい数日前、俺達カレー食ってただろ?」

幼馴染み「カレーすら食ったの、かなり久し振りだったからな」

312: 2013/05/11(土) 06:39:05 ID:BCl.AkuY
銀次郎「なら、カレーも一緒に付けてやる」

銀次郎「いつ、俺達も殺されるかが全く分からないからな」

幼馴染み「……」

半魚人「銀次郎。あまり、他人に食料をばらまくま」

半魚人「自分の食料は、自分でしっかりと全部食え」

半魚人「そうじゃなきゃ、今のお前も氏ぬ事になる」

半魚人「昨日以上の地獄が、確実にお前の前に襲い掛かってくる」

幼馴染み「……」

銀次郎「ああ、分かった分かった」

銀次郎「以後、気を付けさせて貰う」

銀次郎「じゃあ、これは後で回収しとくな」

銀次郎「悪いな。皆、色々と期待させてしまって」

幼馴染み「ああ、まあな」

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

ゴォーーーーッ、ジュワジュワジュワッ……

313: 2013/05/11(土) 06:39:18 ID:BCl.AkuY
幼馴染み「おい、半魚人」

幼馴染み「そろそろ、焼けたんじゃないのか?」

幼馴染み「皆、良い具合に焼けてきた様だ」

半魚人「ん? 本当だ」

スッ、ストッ……

スッ、ストストストッ……

幼馴染み「……」

半魚人「……」

銀次郎「うん。良い焼け具合だ」

銀次郎「皆、焼けてきたみたいだぞ」

半魚人「うむ。そうか」

幼馴染み「……」

少年「お兄ちゃん。ちょっと僕、トイレ行きたい」

少年「なんか、すぐ出そう」

銀次郎「ん?」

314: 2013/05/11(土) 06:39:29 ID:BCl.AkuY
幼馴染み「銀次郎。今の聞いてたか?」

幼馴染み「子供達、トイレに行きたいんだと」

銀次郎「ああ、分かった」

少年「……」

幼馴染み「それと、自分の分以外は回収しとけ」

幼馴染み「その方が、お前の為にも良い」

銀次郎「ああ」

スッ、ゴゾゴソゴソッ……

ムクッ、シュタッ……

スッ、シュタッ、シュタッ……

銀次郎「……」

少年「……」

少女「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

315: 2013/05/11(土) 06:39:40 ID:BCl.AkuY
スッ、ガチャ……

ガラララッ、ダン……

銀次郎「はい。開いたよ」

銀次郎「君達も、早く入って」

少年「は~~い」

少女「……」

スッ、スタッ……

銀次郎「ん? 君は行かないの?」

銀次郎「それとも、外で待っているのかな?」

少女「うん」

銀次郎「幼馴染み。子供達の分、焼けたら取っていてやってくれ」

銀次郎「まだ、ガス残ってるか?」

銀次郎「まだ、ガスが残ってるなら頼む」

幼馴染み「ああ、大丈夫だ」

半魚人「お気遣いなく」

317: 2013/05/12(日) 06:56:13 ID:n0WwKsq2
~無人島・陸軍キャンプ~

その頃ーー

中尉「少尉。国籍不明者達の具合は?」

中尉「もう、薬で眠らせているのか?」

葉菜美「ええ、その通りです」

中尉「全く、これだから国籍不明者は困るのだ」

中尉「元は日本人だったとは言え、あまりにも身勝手過ぎる」

葉菜美「……」

中尉「一曹。後何人来る?」

中尉「それについては、何か聞いているか?」

一曹「いえ、全く」

中尉「そうか。まだ、正確な数は分からないのか」

中尉「大体、何でウチの隊がこんな目に」

中尉「一体、ウチの隊が何をしたと言うのだ?」

葉菜美「……」

318: 2013/05/12(日) 06:56:26 ID:n0WwKsq2
一曹「中尉。この三人はどう致しますか?」

一曹「このまま、海に沈めましょうか?」

ニート達「ZZZ……」

中尉「いや、まだ良い」

中尉「後の連中が来たらまとめて処分する」

中尉「それまでは、まだこいつらを生かしてはおけ」

中尉「次、何名来るかはまだ分からないのだからな」

一曹「はっ!」

ニート達「ZZZ……」

通信兵「中尉。中隊本部より通信です!」

通信兵「1400に、第二陣が到着!」

通信兵「ターゲットは、全部で20名!」

通信兵「CH-47による輸送が行われる様です!」

中尉「うむ。了解した」

ニート達「ZZZ……」

319: 2013/05/12(日) 06:56:48 ID:n0WwKsq2
中尉「XX伍長。そこにおるか?」

中尉「もしくは、今昼飯の最中か?」

金太郎「はっ!」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

金太郎「お呼びですか? 中尉」

金太郎「一体、何のご用でしょうか?」

一曹「……」

中尉「XX伍長。君は、人を撃った事はあるか?」

中尉「もしないのなら、この場で申告をして貰いたい」

葉菜美「……」

金太郎「いえ、まだ一度もありません!」

金太郎「唯一、撃った事があるのは鹿くらい!」

金太郎「それ以外には、まだ一度も撃った事がありません!」

中尉「うむ。そうか」

320: 2013/05/12(日) 06:56:59 ID:n0WwKsq2
中尉「XX伍長。1400に第二陣が来る!」

中尉「その際に、今ここにいるXX少尉はこの島を離脱!」

中尉「今回は、君にも国籍不明者達の処分を実行して貰う!」

中尉「君が嫌なら、代えの隊員を充てる事にするのだが」

中尉「撃てる自信はあるか?」

一曹「……」

金太郎「はっ! 了解致しました!」

金太郎「自分に全てお任せ下さい!」

葉菜美「……」

中尉「うむ。良い返事だ!」

中尉「さすがは、お父上同様に兵士だっただけの事はある!」

中尉「少尉。実に勇敢な兄を持ったな!」

中尉「君のお父上には、昔世話になった!」

中尉「元々、親同士がライバルであり、よく君達と昔から比べられていた程だ!」

葉菜美「……」

321: 2013/05/12(日) 06:57:30 ID:n0WwKsq2
中尉「伍長。国籍不明者達の処分、しっかりと頼んだぞ!」

中尉「ここに今日来るのは、全部で23名!」

中尉「全員、君の指揮の元で処分!」

中尉「その辺についてを、しっかりと頼んだぞ!」

金太郎「はっ!」

葉菜美「……」

中尉「一曹。早速、準備に取りかかれ!」

中尉「まずは、手始めにこの三人を処分する!」

中尉「伍長。君の手でこの三人を殺せ!」

中尉「今のこの者達は、国籍不明者!」

中尉「だから、遠慮なく撃て!」

金太郎「はっ!」

葉菜美「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

322: 2013/05/12(日) 06:57:42 ID:n0WwKsq2
エルフ「失礼。管理者のエルフです」

エルフ「少し、お時間の方を宜しいでしょうか?」

一曹「ん? 何か?」

中尉「……」

エルフ「実は、隣島にいるスタッフ達と連絡が取れないんです」

エルフ「向こうは、主に外人向け」

エルフ「少し、向こうの様子を見に行っても宜しいでしょうか?」

一曹「……中尉」

中尉「ああ、構いませんが」

中尉「念の為、部下を何名か同行させましょうか?」

一曹「……」

エルフ「ええ、お願い致します」

エルフ「出来れば、そちらの少尉さんを少しお借りしたいのですが」

葉菜美「え?」

一曹「……」

323: 2013/05/12(日) 06:59:49 ID:n0WwKsq2
支援ありがとうございます。

324: 2013/05/12(日) 07:00:24 ID:n0WwKsq2
中尉「少尉。彼女に着いてやってくれ!」

中尉「伍長。君も同行をしろ!」

中尉「多分、向こうも手が離せないんだろう!」

中尉「隣の島にも、多数の国籍不明者達がいる!」

中尉「一応、念の為に伍長は自身の組を率いて、少し様子を見てきてやってくれ!」

中尉「何かあったら、すぐに知らせるんだ!」

金太郎「はっ!」

葉菜美「了解致しました!」

エルフ「ありがとうございます」ペコッ

一曹「……」

金太郎「では、早速行って参ります!」

金太郎「行きましょう! 少尉!」

葉菜美「ええ、そうね!」

一曹「……」

スッ、クルッ……

325: 2013/05/12(日) 07:00:35 ID:n0WwKsq2
一曹「待て。伍長!」

一曹「私も、君と一緒に同行をする!」

一曹「エルフ殿。一体、今度は何を企んでいる?」

一曹「また、以前みたいに私の部下を全て消し去るつもりなのか?」

一曹「残念ながら、エルフ殿の好きな様にさせるつもりはない!」

中尉「……?」

エルフ「……」

一曹「中尉。どうか同行の許可を!」

一曹「エルフ殿は、また何かを企んでおいでです!」

一曹「中尉もご存じでしょう?」

一曹「例の一個中隊失踪事件!」

一曹「あれは、偶々隣島に演習に来ていた別の中隊でした!」

一曹「つい最近には、隣島にいるはずの子供達が次々と失踪!」

一曹「全て、これらはエルフ殿の周りで起こっている事なのです!」

エルフ「……」

326: 2013/05/12(日) 07:01:06 ID:n0WwKsq2
中尉「一曹。それは出来ぬ!」

中尉「君は、ここに残って国籍不明者達の処分の準備をしろ!」

一曹「しかし!」

中尉「一曹。私の命令が聞けないのか?」

中尉「あれは、もう以前から憲兵隊が捜査を開始しているのだ!」

中尉「伍長。何かあった時はすぐ知らせろ!」

中尉「一曹は、何かあった場合にはすぐ隣島に行け!」

中尉「良いな?」

一曹「はっ!」ビシッ

伍長「……」ビシッ

葉菜美「……」

エルフ「……」

中尉「エルフ殿。くれぐれも下手な真似はしない様に!」

中尉「私の部下に何かあった場合は、ただでは済まないぞ!」

中尉「例の消えた中尉に関しても、今の君の疑いは全く晴れてはいないのだからな!」

327: 2013/05/12(日) 07:01:17 ID:n0WwKsq2
エルフ「ええ。分かっております!」

エルフ「大丈夫ですよ。そんな警戒をしなくても!」ニッコリ

一曹「……」

エルフ「あれについては、全くもって私は関与しておりません!」

エルフ「確か、彼らも同じ日本陸軍でしたよね?」

エルフ「あの時、私はこの島にいましたし!」

エルフ「衛星写真でも、それに関してはしっかりと証明済みのはずですが」ニコニコ

一曹「……」

中尉「だが、君の疑いはまだ晴れていない」

中尉「確か、君はここに来る前は、元米陸軍の兵士だったかね?」

中尉「以前、隣島で消えたのも我々と同じ日本陸軍!」

中尉「君の言う通り、その時の衛星写真によれば確かに君はこの島にいた!」

中尉「それに関しては、統幕も確認済み!」

中尉「だが、いくつもの大きな謎が残ったままなのだ!」

一曹「……」

328: 2013/05/12(日) 07:01:28 ID:n0WwKsq2
金太郎「中尉。さっきから何の話をされておられるのですか?」

金太郎「こちらにいらっしゃるエルフ殿は、そんなに危険なのですか?」

エルフ「……」ニコニコ

中尉「ああ、かなり危険だ!」

中尉「君の妹並みに、結構危険な人物だったりもする!」

金太郎「!?」

葉菜美「あの、今のどう言う意味ですか?」

葉菜美「それに関する説明を、今すぐ求めたいのですが?」

中尉「……」

葉菜美「まさか、まだあの時の事を根に持っておいでで?」

葉菜美「私、普段はあんな感じじゃありませんよ!」

葉菜美「エルフさんと比べたら、まだ結構優しい方だとは思いますが!」イラッ

金太郎「……」

中尉「いや、そんな事ないだろ?」

中尉「あれ、かなり本気だったじゃないか!」

329: 2013/05/12(日) 07:01:38 ID:n0WwKsq2
葉菜美「中尉。もう行っても宜しいですか?」

葉菜美「隣島には、私とエルフさんだけで行きます!」

葉菜美「それで、中尉は満足して頂けますか?」

葉菜美「無駄に部下を氏なす事なく、私一人が犠牲になるので良いと思いますが?」ニッコリ

中尉「!?」

一曹「……」

エルフ「……葉菜美さん?」

葉菜美「……」

金太郎「葉菜美。お前、正気か?」

金太郎「下手したら、帰ってこれなくなるぞ」

中尉「……」

葉菜美「ええ、別に良いのよ!」

葉菜美「たとえ、私が氏んだとしても、悲しんでくれる人は妹ちゃんくらいしかいないんだもの!」ニコニコ

金太郎「……」

エルフ「……」

330: 2013/05/12(日) 07:03:43 ID:n0WwKsq2
一曹「中尉。どうするんですか?」

一曹「貴方の元カノ、完全に拗ねちゃってますけど」

中尉「え? ああ……」

一曹「少尉。そんな自暴自棄にならなくても」

一曹「中尉に、悪気があった訳ではありません」

中尉「……」

葉菜美「一曹。別に良いんです!」

葉菜美「私みたいながさつな暴力女は、無人島で一人勝手に氏にさらせば良いんです!」

中尉「……」

一曹「でも、それは絶対に出来ない相談です!」

一曹「少尉に何かあったら、貴女のお父上に殺されるのは確実に私なんです!」

一曹「お父上、ずっと泣いてましたよ!」

一曹「ここ最近、少尉が自分に冷たいって!」

一曹「たかが、おやつのきな粉ねじりを一袋食べられたぐらいで、お父上に冷たく当たらないで下さい!」

葉菜美「……」

331: 2013/05/12(日) 07:03:53 ID:n0WwKsq2
中尉「……」

一曹「……」

葉菜美「……」

金太郎「……」

通信兵「……」

エルフ「……」

ニート達「ZZZ……」

中尉「少尉。さっさと行け!」

中尉「なるべく、君が氏なない様にはする!」

中尉「一曹。エルフ殿に同行しろ!」

中尉「伍長も、そのまま付いていけ!」

金太郎「はっ!」

一曹「了解致しました!」

葉菜美「……」

エルフ「……」

332: 2013/05/12(日) 07:04:05 ID:n0WwKsq2
クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「ZZZ……」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「ZZZ……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

中尉「……?」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

中尉「なっ、何だ? あの猫は?……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ、ストン……

巨大猫「少し、良いかな?」

333: 2013/05/12(日) 07:04:16 ID:n0WwKsq2
中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「ZZZ……」

巨大猫「そなた、昔、猫を捨てなかったか?」

巨大猫「今の妾は、そなたの体に憑り付く無数の猫達の姿が見える」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「ZZZ……」

巨大猫「やはり、そなたは猫を捨てておったか」

巨大猫「本当に、どうして何の罪のない猫達が捨てられたのか」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「ZZZ……」

巨大猫「さて、早速本題に入ろう」

巨大猫「これは、かなり重要な事じゃ」

334: 2013/05/12(日) 07:04:26 ID:n0WwKsq2
中尉「お前、一体何者だ?……」

中尉「どうして、お前の様な巨大な猫がここにいるんだ?……」

通信兵「……」

中尉「それに、何故お前は日本語を話せる?……」

中尉「お前は、本当に何者なんだ?……」

ニート達「ZZZ……」

巨大猫「妾は、この島に捨てられた猫達の成れの果てじゃ」

巨大猫「ここには、何年も前から住んでおる」

巨大猫「じゃから、自然と日本語も話せる」

巨大猫「妾の今からする話とは、例の消えた中隊の事じゃ」

中尉「!?」

巨大猫「そなた達は、それを聞く権利はある」

巨大猫「この島に来たのも、何かの巡り合わせ」

巨大猫「妾は、今まで大勢の兵達を見てきた」

巨大猫「皆、こことはまた違う場所まで行ってしもうたのじゃ!」

335: 2013/05/12(日) 07:04:37 ID:n0WwKsq2
巨大猫「じゃから、これから妾が言う事をしかとよく聞け!」

巨大猫「あのエルフは、そなたらが思っている程悪い女ではない!」

巨大猫「あのエルフは、ずっとこれまで苦労し続けてきた!」

巨大猫「そなたらが思っている程、かなり酷い目に遭っていたのじゃからな!」

中尉「……」

通信兵「……」

ニート達「ZZZ……」

巨大猫「中尉。少し場所を移すぞ」

巨大猫「そなたは、妾に付いて参れ」

中尉「……」

スッ、ムクッ、シュタッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

中尉「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

338: 2013/05/13(月) 06:02:13 ID:arkp4Yzw
~無人島・キャンピングカー内~

その日の夜ーー

幼馴染み「なぁ、知ってるか?」

幼馴染み「早速、氏んだ奴がいるみたいだぞ」

幼馴染み「しかも、もう五人も来て早々軍に撃たれた」

幼馴染み「これ、下手したら俺達もやべえよな?」

少年「……」

銀次郎「だが、俺達はまだ大丈夫だろ?」

銀次郎「俺達はまだ、軍に殺される理由はない」

銀次郎「今回の事は、偶々だ」

銀次郎「俺達を頃すつもりなら、あの時エルフが見捨てていたさ」

少女「……」

幼馴染み「でも、お前の兄は軍にいるんだろ?」

幼馴染み「兄だけでなく、姉までいたみたいだが」

銀次郎「……」

339: 2013/05/13(月) 06:02:27 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「お前、何で黙ってた?」

幼馴染み「俺が聞いた話だと、お前に姉はいなかったはずなんだが」

少年「……」

幼馴染み「まさか、言いたくなかったのか?」

幼馴染み「あの姉さん。お前達となんかあったのか?」

少女「……」

銀次郎「ああ、そのまさかさ」

銀次郎「姉さんは、昔から俺や兄さんの事を嫌ってた」

幼馴染み「え?」

銀次郎「それに加え、姉さんは未だに俺達の事を恨んでる」

銀次郎「実際、あの姉さんと出会ったのは、俺の祖父が氏ぬ数日前の時だった」

銀次郎「当時、姉さんは中3で俺は中1」

銀次郎「元々、俺の親父が姉さんの実の母を独身と偽って騙してて」

銀次郎「それがバレたのが、姉さんを産んですぐの後」

銀次郎「ろくに親父からは養育費すら貰えず、姉さんはずっと実の母と暮らしてたらしい」

340: 2013/05/13(月) 06:02:40 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「なら、何でお前の姉さんはここに来たんだ?」

幼馴染み「お前の兄とも、全く同じ職場みたいだが」

少年「……」

銀次郎「それについては、姉さんが軍に所属している看護師だからだ」

銀次郎「俺が姉さんの存在を知った時、姉さんはその亡くなる前の祖父と何度も面会」

銀次郎「今まで、親父はろくに養育費すら払っていなかった」

銀次郎「それを知った俺の祖父母や親戚達が大激怒」

銀次郎「すぐに、親父を殴り飛ばして親戚中を駆け回り、姉さん達に対して今まで未払いだった分の養育費+慰謝料等をすぐに支払わす」

銀次郎「偶々、姉さんが受かった高校が近所の進学校+実の母すら他界した後だったんでな」

銀次郎「名字も偶々同じだったし、俺の祖父母や親戚達が渋る親父の代わりに、今まで未払いだった養育費等出しあってを全て姉さん達に支払ったらしい」

少女「……」

幼馴染み「……それ、マジなんか?」

幼馴染み「お前の親父、最低過ぎるだろ……」

銀次郎「ああ、全くだよ……」ガクッ

幼馴染み「……」

341: 2013/05/13(月) 06:02:51 ID:arkp4Yzw
少女「でも、よく実のお父さんと一緒に暮らす決断をしたよね?」

少女「普通なら、絶対嫌がられると思うのに」

幼馴染み「……」

少女「それで、何でお兄ちゃんまで恨まれてるの?」

少女「お兄ちゃんも、何かしてしまったの?」

銀次郎「……」

幼馴染み「その様子だと、何かしてたみたいだな」

幼馴染み「そりゃあ、あの姉さんに恨まれていても仕方ない事だろう」

少年「……」

銀次郎「でも、そんな俺や兄さん達とは大きく違って、母さんと妹は常に優しく接してたんだ」

銀次郎「しかも、俺の親戚全員が何故か姉さんの味方」

銀次郎「それと同時期に、兄さんが父親違いだった事が何故か判明」

銀次郎「俺の母さん、親父以外と昔不倫してたみたいでな」

銀次郎「結局、それを知って開き直った親父が母さん達に対して、すぐさま反撃を開始」

銀次郎「それが原因で、姉さんは高校生になってすぐ、相次いで母方の祖父母すら一気に亡くしてしまったんだ」

342: 2013/05/13(月) 06:03:02 ID:arkp4Yzw
銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「……」

少女「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「……」

少女「……」

幼馴染み「なぁ、銀次郎……」

幼馴染み「お前んとこ、それどこの昼ドラだ?……」

幼馴染み「何なんだ? その昼ドラ成分満載なドロドロ具合は?……」

銀次郎「……」

幼馴染み「お前、本当に何やった?」

幼馴染み「あの姉さん。普通にただの被害者だろ」

銀次郎「……」

343: 2013/05/13(月) 06:03:13 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「お前、まさかあの姉さんにずっと恨まれてたから、ここに送られたのか?」

幼馴染み「お前の姉さん、そりゃ完全に恨むだろ!」

幼馴染み「ただでさえ、生まれた時からハードな人生を歩んでいたのに!」

幼馴染み「お前んとこ、本当に最低過ぎるだろ?」

銀次郎「……」

少女「じゃあ、今まであまり会う機会とかなかったの?」

少女「どうして、また最近になって会い始めたの?」

少年「……」

銀次郎「ただ単に、俺の親父が呼び寄せたんだ」

銀次郎「俺の親父、姉さんが軍所属の看護師になった途端に、何故か掌を返してな」

銀次郎「そんで、今更ながらも家族ごっこがしたいと、皆に対して図々しく宣言」

銀次郎「親戚中が完全に呆れ果て、それでも親父はそうするって言って聞かなかったんだ」

幼馴染み「……」

銀次郎「だから、俺は今こうしてここにいるんだろうな?」

銀次郎「あの時、親父が余計な事さえしなけりゃ、俺はここにいなかったんだ」

344: 2013/05/13(月) 06:06:26 ID:arkp4Yzw
少女「でも、それはもう仕方のない事なんだよ!」

少女「今の私達、もう二度とここから出れないんだよ!」

少年「……」

少女「お兄ちゃん。あのお姉ちゃんに一度でも謝罪した?」

少女「まさかとは思うけど、一度も今までしてなかったとか?」

銀次郎「……」

少女「どうやら、あのお姉ちゃんに一度も謝罪した事がないみたいだね!」

少女「今のお兄ちゃん、本当に最低だよ!」

少女「どうして、そんな事をあのお姉ちゃんにしたの?」ギロッ

銀次郎「……」

少女「私、ちょっと幻滅しちゃったかな?」

少女「てっきり、とても親切で優しいなお兄ちゃんかと思ってたけど……」

少女「これは、私の単なる思い違いだったみたいだね!」ムカムカッ

幼馴染み「ああ、そうだな!」ムカムカッ

銀次郎「……」

345: 2013/05/13(月) 06:06:39 ID:arkp4Yzw
少女「まさか、お兄ちゃんレ〇プした?」

少女「もう一人のお兄ちゃんと一緒に、あのお姉ちゃんの事をレ〇プしちゃったとか?」ムカムカッ

銀次郎「え?」ムクッ

少女「……」ジーーッ

銀次郎「……」キョトン

幼馴染み「どうやら、そこまではしてなかったみたいだな」

幼馴染み「一体、お前はあの姉さんに対して何をしでかしたんだ?」ムカムカッ

少女「……」ジーーッ

銀次郎「ただ単に、姉さんが傷つく様な悪口等を、ほぼ毎日の様に言ってた」

銀次郎「その度に、姉さんは肩を震わせずっと泣いててな」

銀次郎「それと同時に、姉さんの元に押し掛けて姉さんの所持金を何度も何度も没収」

銀次郎「昔は、兄さんと連るんでよく姉さんの事を泣かしてた」

銀次郎「たとえ、姉さんが独り暮らしを続けた後もずっとそんな感じ」

銀次郎「その度に、よく俺達二人はその奪った金額の倍+慰謝料を、母さんによって無理矢理支払わされていたんだけどな」

少女「……は!?」ギロッ

346: 2013/05/13(月) 06:06:50 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「お前、結構最低な事するな……」

幼馴染み「そりゃあ、そんな事してたら、ここに送られるのも無理ないわ……」ムカムカッ

銀次郎「……」

幼馴染み「それで、姉さんは姿を消したのか?」

幼馴染み「その後、軍所属の看護師になった後、姉さんはお前に対して復讐をしに来たんだな」ムカムカッ

銀次郎「……ああ、多分な」

幼馴染み「……」ムカムカッ

少女「お兄ちゃん。一度くらい、あのお姉ちゃんに謝ってきたら?」

少女「それくらいしないと、今のお兄ちゃんはとことん苦しめられちゃうよ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

幼馴染み「銀次郎。お前、明日あの姉さんに謝罪して来い!」

幼馴染み「そんで、少しはあの姉さんから許して貰ってこい!」ムカムカッ

少女「……」ムカムカッ

銀次郎「でも、それは無理みたいだな」

銀次郎「兄さんが言うには、今日の昼間に姉さんはここを出てしまったんだ」

347: 2013/05/13(月) 06:07:02 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「だったら、無線か電話を使って姉さんと話をさせて貰え!」

幼馴染み「今のお前、本当によく生きてるよな?」

幼馴染み「普通なら、真っ先にお前が殺されてる!」

幼馴染み「あの姉さんの目、完全にお前達に対する復讐の炎を、ずっと燃やし続けていたぞ!」

幼馴染み「あの姉さんの目、絶対にお前の事を頃してやると言う目をしていたんだぞ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少女「お兄ちゃん。早く謝罪しといた方が良いよ!」

少女「じゃないと、お兄ちゃん無惨な氏に方するよ!」ムカムカッ

銀次郎「!?」

少女「今ここに、誰が来てるの?」

少女「軍の兵士達がここに来てるんだから、いつ殺されてもおかしくはないんだよ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少女「だから、お兄ちゃんは早くあのお姉ちゃんに謝りに行って!」

少女「そして、あのお姉ちゃんの抱く恨みを消して貰ってきて!」ムカムカッ

銀次郎「で、でもな……」

348: 2013/05/13(月) 06:07:14 ID:arkp4Yzw
少女「でも、何?」

少女「お兄ちゃん。少しは反省とかしたら?」

少女「ここに来たら、絶対に私達はもう二度と出る事が出来ない!」

少女「今まで、私は散々沢山の人達が氏んでいく姿を見てきたんだよ!」ムカムカッ

銀次郎「……」

少年「ねぇ、お兄ちゃん」

少年「出来るだけ、早くにあのお姉ちゃんには謝っといた方が良いよ!」

少年「僕、あのお姉ちゃんが怖かった!」

少年「あの時のお姉ちゃんの目、いつか必ずお兄ちゃんの事を頃してあげると言う目をしちゃってたんだよ!」

銀次郎「……」

少年「だから、お兄ちゃんは早く謝りに行って!」

少年「じゃないと、いつか僕達まで完全に巻き込まれてしまう!」

少年「このまま行くと、お兄ちゃんに待つのは氏あるのみ!……」

少年「もうこれ以上、誰かか目の前で氏ぬのはもう見たくないかな!……」

銀次郎「……」

349: 2013/05/13(月) 06:07:24 ID:arkp4Yzw
「なら、私が今度連絡を取ってあげるわ」

「それで、もうこの話は終わりにしても良いんじゃない?」

スッ、ガチャ……

銀次郎「!?」

少女「おっ、お姉ちゃん!?」

少年「いつからそこに!?」

幼馴染み「!?」

エルフ「……」

スッ、バタン……

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

少年「……」

少女「……」

エルフ「……」

エルフ「……」ニッコリ

350: 2013/05/13(月) 06:09:20 ID:arkp4Yzw
銀次郎「エルフ。いつ来た?……」

銀次郎「今の俺達の話、聞いていたのか?……」

エルフ「ええ。そうよ」

幼馴染み「なら、早速連絡を取ってくれませんか?」

幼馴染み「下手したら、こいつらの兄弟喧嘩に巻き込まれそうな感じがしてしまってますから」

銀次郎「……」

エルフ「ごめん。もう既に巻き込まれてるわ」

エルフ「そうじゃなきゃ、私はあの時あんた達の事をすぐさま呼び戻そうとなんかしなかった」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「なっ!?」ガーーン

少年「そんな!?」ガーーン

少女「酷い!?」ガーーン

エルフ「……皆、ごめん」

エルフ「これについては、完全に私の力不足だったわ……」ペコッ

少女「お……お姉ちゃん……」ウルウルッ

351: 2013/05/13(月) 06:09:31 ID:arkp4Yzw
銀次郎「エルフ。今のどう言う事だ?……」

銀次郎「何で、俺の事を助けたんだ?……」

幼馴染み「……」

銀次郎「あんた、俺の事が嫌いなんだろ?……」

銀次郎「俺が今使ってる車、やけに欲しがっていたじゃないか……」

少年「……」ウルウルッ

エルフ「あの時は、偶々子供達がいたからよ」

エルフ「半魚人も近くにいたし、すぐに無線が通じる距離にいた」

エルフ「だから、私はあんたの事を助けた」

エルフ「ただそれだけの事よ」

少女「……」ウルウルッ

銀次郎「なら、あの船に乗っていたのが俺だけだったら?」

銀次郎「お前は、そのまま俺の事を氏なせてたのか?」

エルフ「……」コクン

銀次郎「……」

352: 2013/05/13(月) 06:09:46 ID:arkp4Yzw
エルフ「それと、あんたの姉さん、やけにあんたの事を恨んでたわね!」

エルフ「昨日の夜も、何故か私にあんたが氏んだかどうかについてを、わざわざ問い合わせてきた程だから!」

銀次郎「!?」ガーーン

エルフ「だから、あんたはいずれ殺されるわ!」

エルフ「あんたの事、また罠に嵌めて始末しちゃうかも!」

エルフ「でも、これだけは言わせて!」

エルフ「ここにいる子供達だけは、絶対に巻き込まないで!」

銀次郎「……」

エルフ「今のあんた、かなり最低だわ!」

エルフ「私も、事前にあの人と何度も会っていたけど、その度にあんたに対する恨み節を言い続けていた!」

銀次郎「……」

エルフ「おまけに、わざわざこんなにお金掛けてまで、あんたの事を罠に嵌めてね!」

エルフ「本当なら、無一文の状態で放り出せば良かった!」

エルフ「わざわざ、こんな高価なキャンピングカーと一緒に、ここに送る必要なんかない!」

エルフ「私は、最初そうアドバイスだけはしといたんだけど!」

353: 2013/05/13(月) 06:09:57 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「じゃあ、何でこいつはこの車と一緒に?」

幼馴染み「本当に、無一文で放り出せば良かったと思いますが……」

銀次郎「……」

エルフ「ええ、そうなのよね」

エルフ「私が聞いた限りでは、他の家族にまで違和感を持たれるから、あえてわざわざこうしたんだって」

銀次郎「……」

少年「ねぇ、エルフのお姉ちゃん……」

少年「僕達は、大丈夫なんだよね?……」

少年「僕達まで、撃たれたりはしないんだよね?……」ウルウルッ

少女「……」ウルウルッ

少年「僕達、あのお姉ちゃんには何もしてないよ……」

少年「今の僕達、物凄く怖いんだけど……」ウルウルッ

少女「……」ウルウルッ

エルフ「ええ、それについては大丈夫よ」

エルフ「今のあんた達は、私がそうさせない様にしてもあるから」ニッコリ

354: 2013/05/13(月) 06:10:08 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「なら、俺達は問題ないんですね?」

幼馴染み「俺達、このまま生きてて良いんですよね?」

少年「……」ウルウルッ

エルフ「ええ、良いわよ」

エルフ「命の保障は、絶対にとは出来ないけど」ニコニコ

少女「……」ウルウルッ

幼馴染み「なら、俺はこいつと一緒にいる!」

幼馴染み「こんな奴でも、俺の幼馴染みだ!」

幼馴染み「そう簡単に、こいつを見放せるわけがねぇ!」

銀次郎「!?」チラッ

幼馴染み「……」

エルフ「後、あの人が次ここに来るのは、確か一週間後よ」

エルフ「ただ単に、今日も昨日も仕事でここに来ていただけ」

エルフ「大体、次ここに来るまで一週間は掛かるみたいなのよ」

エルフ「それまで、あんたちゃんと生き残れる?」

355: 2013/05/13(月) 06:10:20 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「なら、その時まで謝罪の言葉を考えとかないとな!」

幼馴染み「そうじゃなきゃ、絶対に後で後悔する事になるぞ!」

銀次郎「……」

幼馴染み「銀次郎。もう腹をくくれ!」

幼馴染み「もうここまで来たら、逃げてても全く意味がない!」

銀次郎「……」

エルフ「とりあえず、子供達は順番にシャワーを浴びて寝なさい!」

エルフ「私は、もう隣島に戻る!」

エルフ「向こうにも、沢山の子供達がいるからね!」

エルフ「こっちにいる子供達のお守り、あんた達はしっかりと頼むわね!」

幼馴染み「はっ!」ビシッ

少年「お休みなさい……」フキフキ

少女「また、明日ね……」フキフキ

エルフ「うん。それじゃあね」ニッコリ、スッ

シューーーーッ、シュン……

356: 2013/05/13(月) 07:20:50 ID:arkp4Yzw
数時間後ーー

少年「ZZZ……」

少女「ZZZ……」

銀次郎「……」

少年「ZZZ……」

少女「ZZZ……」

銀次郎「……」

ムクッ、スッ、パチッ……

少年「ZZZ……」

少女「ZZZ……」

銀次郎「……」ジーーッ

スッ、ブチッ……

銀次郎「まだ、十一時なのか……」

銀次郎「案外、まだそんな時間が経っていないんだな……」

銀次郎「はぁ……」

357: 2013/05/13(月) 07:21:03 ID:arkp4Yzw
ザザッ、ザザッ……

銀次郎「……?」

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

銀次郎「はい……」

無線「銀次郎。まだ起きてたのか?」

無線「明日も早いんだから、早くお前も寝といた方が良いぞ」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「銀次郎。聞こえてるか?」

無線「俺だ。半魚人だ」

銀次郎「……何の用だ?」

ザザッ……

無線「ただ単に、お前んとこの明かりが見えたから、確認をしたんだ」

無線「幼馴染みが、お前の事をやけに心配していたぞ」

358: 2013/05/13(月) 07:21:18 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「お前、あの看護師の女と昔なんかあったらしいな」

無線「あの女、かなりヤバイ感じがする!」

無線「見た目に反して、あのエルフ同様に結構ヤバイ!」

無線「あの女、何人かこの島に来たばかりの新入り達の始末に、何故か関わってやがった!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「おい、銀次郎。聞いているか?」

無線「もしくは、もう寝ちまったのか?」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「おい、まさか、マジで寝ちまったか?」

無線「生憎、巨大猫は留守なんでな」

無線「そんで、話し相手がお前ぐらいしかいねぇんだわ」

銀次郎「……」

359: 2013/05/13(月) 07:21:30 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

銀次郎「いや、まだ起きてるよ」

銀次郎「ちょっと、別のベッドで寝てる子供達の様子を見ていただけだ」

少年「ZZZ……」

少女「ZZZ……」

ザザッ……

無線「そうか」

無線「子供達は、もう寝てるのか?」

無線「幼馴染みは、今そこにいるのか?」

少年「ZZZ……」

少女「ZZZ……」

ザザッ……

銀次郎「いや、いねえよ」

銀次郎「あいつ、今自分のテントにいるはずじゃないのか?」

銀次郎「まさか、あいつテントの中にいないのか?」

360: 2013/05/13(月) 07:22:05 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「ああ、そのまさかだよ……」

無線「あいつ、一人でどっか行方眩ましやがった……」

銀次郎「!?」

ザザッ……

無線「今さっき、他の新入り達の方も見てきた……」

無線「巨大猫も、あいつの事を今探してる……」

無線「あいつ、何故か無線の呼び掛けにも出なくってな……」

無線「そんで今、エルフ達と共に探してんだわ……」

銀次郎「……」

ザザッ……

銀次郎「まさか、あいつが脱走?……」

銀次郎「もしくは、もう消されちまったとか?……」

ザザッ……

無線「さぁ、分からんな……」

361: 2013/05/13(月) 07:22:17 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「こちら、エルフ。ターゲット発見!」

無線「あいつ、ただ単に夜釣りに行っていたわ!」

無線「今、私が現在地を確認!」

無線「本当に、人騒がせな奴だったわ!」

銀次郎「……は?」

ザザッ……

無線「こちら、半魚人。どう言う事だ?」

無線「夜間外出は、もう以前から禁じられていたはずだが?」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「さぁ、あのバカに文句言って!」

無線「あのバカ、無線の電池すら切らしてるみたいなのよ!」

無線「今、巨大猫をあのバカの所に向かわせた!」

無線「しかも、呑気に大物を釣り上げていたわ!」

362: 2013/05/13(月) 07:24:02 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「こちら、半魚人。了解した!」

無線「早速、現地に向かう!」

無線「今現在のあいつの位置は?」

無線「早く、この俺にも伝えてくれ!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「こちら、エルフ。それちょっと無理」

無線「この無線、軍の奴等にも聞かれてると思う」

無線「だから、正確な位置は教えられない」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「銀次郎。お前、まだ起きてんのか?」

無線「さっさと、寝やがれよ」

無線「せっかく、今日は夜釣りを楽しんでいたのに!」

363: 2013/05/13(月) 07:24:13 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「お前、本当に知らなかったのか?」

無線「今日の件で、お前も俺も夜間外出禁止になってるんだが」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「いや、知らねえよ……」

無線「夜間外出禁止なんて、今さっき初めて聞いたんだが……」

無線「あれ、銀次郎だけじゃねぇの?」

無線「俺は、そんな風にエルフさんからは聞いてたんだが」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「あんた、ちゃんと話聞いてた?」

無線「食事前にそう言っといたでしょ!」

無線「あんた達、軍が出るまでの一週間の間は夜間外出禁止!」

無線「それくらい、ちゃんと覚えときなさい!」

364: 2013/05/13(月) 07:24:25 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「はいはい、すいませんでした!」

無線「至急、そっちに戻りますよ!」

無線「後、釣った魚とかは没収しないで下さいね!」

無線「これ、俺がせっかく苦労して釣った魚なんですから!」

無線「誰かに奪われるなんて、真っ平ごめんですからね!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「ああ、もう分かった分かった!」

無線「さっさと、あんたは早く戻ってきなさい!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「ええ、分かってますよ!」

無線「今から片付けて、そっちに戻りますよ!」

無線「それで、文句ないですか?」

365: 2013/05/13(月) 07:24:36 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「ええ、それで良いわ!」

無線「あんたは、早く戻ってきなさい!」

無線「半魚人、あんたは銀次郎とこの警備!」

無線「いつ、また軍が発砲してくるか分からないから、銀次郎のとこの回りを警備しといて!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「了解した」

無線「銀次郎。良いな?」

ザザッ……

銀次郎「ああ、良いぜ」

銀次郎「なるべく、静かにな」

ザザッ……

無線「ああ、了解した」

無線「ついでに、あいつのテントも警備しといてやる」

366: 2013/05/13(月) 07:24:47 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「銀次郎。後で魚冷やさせてくれ」

無線「魚、何故か大量に釣れちまった」

無線「だから、後で冷蔵庫貸してくれ」

ザザッ……

銀次郎「ああ、構わないぞ」

銀次郎「お前のさっさと早く戻ってこい」

ザザッ……

無線「おう。了解した」

無線「少し時間が掛かるから、まだ起きといてくれ」

ザザッ……

銀次郎「了解」

銀次郎「早く、戻ってこいよ」

ザザッ……

無線「ああ、分かってるさ」

367: 2013/05/13(月) 07:24:58 ID:arkp4Yzw
ザザッ……

無線「銀次郎。明日から新入りの試練やるから、ちゃんとやってね」

無線「それやんなきゃ、あんた氏ぬわよ」

無線「まだ、生きていたいんでしょ?」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「あんた、まだ日本に帰る事を諦めてないみたいだけど、それ絶対に無理」

無線「今来てる奴等が出払った後、今度は定期的に違う奴等が巡回をする」

無線「明日から、NGOと記者は日本に戻るから」

無線「なんか、あの二人は定期的に日本に戻らなくちゃいけないみたいでね」

無線「たとえ、NGO達がいなくなっても、あんた達の待遇には変わりない!」

無線「それだけは、絶対に覚えといてよね!」

銀次郎「……」

ザザッ……

無線「ああ、了解した」

368: 2013/05/13(月) 07:27:20 ID:arkp4Yzw
数十分後ーー

幼馴染み「いやぁ、悪い悪い」

幼馴染み「何分、急に魚が食いたくなってな」

幼馴染み「そんで、巨大猫と一緒に帰ってる途中に、お前の兄さんとばったり会った」

幼馴染み「お前の兄さん、今日は不寝番らしくってな」

幼馴染み「それで、ついでにここまで送ってきて貰ったんだわ」

巨大猫「……」

銀次郎「そうか。そりゃあ良かったな」

銀次郎「釣った魚、どれだけある?」

銀次郎「この冷蔵庫に、ちゃんと入りきれるのか?」

半魚人「……」

幼馴染み「ああ、多分大丈夫だ」

幼馴染み「ちょっと、魚が20匹いるだけだ」

銀次郎「!?」

金太郎「……」

369: 2013/05/13(月) 07:27:32 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「そんで、お前何食ってんだ?」

幼馴染み「こんな時間に、カ口リーメイト食ってんのか?」

銀次郎「ああ、まあな」

幼馴染み「……」

銀次郎「お前、魚入れた後、カ口リーメイト持ってけ」

銀次郎「今のお前、半魚人化してきてる」

銀次郎「このまま行くと、魚づくしになるぞ」

銀次郎「もしくは、MREでも構わない」

銀次郎「ちゃんと、魚介類以外を食え」

幼馴染み「!?」

半魚人「ああ、そうだな」

半魚人「まさか、ここに来てすぐこうなっちまうとは」

半魚人「今まで、その症状が出るのは8日目から」

半魚人「今回の場合は、少し早かったな」チラッ

巨大猫「うむ」コクン

370: 2013/05/13(月) 07:27:52 ID:arkp4Yzw
幼馴染み「じゃあ、何か?」

幼馴染み「この俺も、いずれ今そこにいる半魚人みたいになってしまうのか!?」

幼馴染み「そんなの俺、絶対に嫌だぞ!」

幼馴染み「軍の奴等に、生きた的として撃たれるのなんて、絶対に嫌なんだぞ!」

金太郎「……」

半魚人「だが、まだ救いはある」

半魚人「今のお前は、ちゃんと魚以外なものを食え」

半魚人「そうすれば、次第に半魚人化が緩やかになる」

半魚人「ちゃんと、魚介類以外のものを食っておけば、今の俺みたいには絶対になりはしない」

幼馴染み「……」

銀次郎「幼馴染み。明日の朝、MREをいくつかやる」

銀次郎「それ食って、元気出せ」

銀次郎「今のお前、半魚人なんかには絶対になりたくはないんだろ?」

幼馴染み「ああ、そうだ」

半魚人「……」

371: 2013/05/13(月) 07:28:03 ID:arkp4Yzw
銀次郎「お前、MREレーションいくついる?」

銀次郎「ついでに、カレーも付けとくか?」

幼馴染み「ああ、すまん」

半魚人「……」

銀次郎「後、カ口リーメイトに乾パン、お前好きか?」

銀次郎「今度の配給の日、いつか知らないがワクチンをついでに支給して貰え」

幼馴染み「……」

金太郎「銀次郎。俺は、もう行くな」

金太郎「他の奴等の監視も、何故かしなくちゃいけなくなっちまったからな」

銀次郎「ん? そうなのか?」

金太郎「ああ、そうなんだよ」

金太郎「どっかのバカが、この島をマジで出ようとしてたんだよ」

金太郎「おかげで、皆、起きちまった」

金太郎「増援が来るまで、完全に徹夜だよ」

銀次郎「……」

372: 2013/05/13(月) 07:28:23 ID:arkp4Yzw
金太郎「とりあえず、俺は行くな」

金太郎「ここにいたら、お邪魔みたいだから」

金太郎「後、お前、葉菜美には十分気を付けな」

金太郎「あいつ、他にも何か仕掛けてる」

金太郎「だから、お前も夜道には気を付けろ」

金太郎「あのエルフとか言う管理者同様、ウチの上曹が言うにはかなり色々とヤバイらしいからな」

銀次郎「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

半魚人「じゃあ、俺も戻る」

半魚人「お前ら、気を付けてな」

銀次郎「ああ、すまん」

幼馴染み「世話になった」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

373: 2013/05/13(月) 07:28:35 ID:arkp4Yzw
巨大猫「銀次郎。今宵は、ここの前で寝泊まりをする」

巨大猫「何かあったら、すぐに知らせよ」

銀次郎「ああ、了解した」

巨大猫「それと、あの葉菜美とか言う女は悪い奴ではない」

巨大猫「妾からしてみたら、よく妾に貢ぎ物を持参してくる者の一人」

巨大猫「じゃから、何も心配するでない」

銀次郎「ああ、了解した」

巨大猫「良い夢を」

銀次郎「ああ、お休む」

ガラガラガラッ、バタン……

ガチャ、シャーーーーッ……

銀次郎「とりあえず、今から寝直すか」

銀次郎「明日もはやいみたいだし」

少年「ZZZ……」

少女「ZZZ……」

374: 2013/05/13(月) 07:28:46 ID:arkp4Yzw
~備蓄食料~

・MREレーション(米軍個人携行食)×23→22
・MRE補助増加食(パン)×23→22
・カップヌードル×0→18
・カ口リーメイト×0→18
・レトルトカレー×0→29
・白米(200g)×0→29
・乾パン×0→8
・天然水2L×0→24

※エルフ達に没収された食料は、全て銀次郎の元に返還される。

375: 2013/05/14(火) 07:09:35 ID:8OzTo5So
~無人島・崖~

上陸四日目・昼ーー

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

半魚人「……」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

巨大猫「おおっ、ここだったか」

巨大猫「そなた、もう昼時じゃぞ」

半魚人「……」

376: 2013/05/14(火) 07:10:09 ID:8OzTo5So
巨大猫「そなた、妾の声が聞こえとるか?」

巨大猫「もしくは、もう言葉すら分からぬのか?」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

巨大猫「まぁ、良い」

巨大猫「もしそうなった場合は、妾がこの手で食ってやる」

巨大猫「じゃから、そなたもどうか安心致せ」

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

半魚人「ん? 巨大猫か?」

半魚人「もう、昼の時間なのか?」

巨大猫「ああ、そうじゃ」

トコトコトコッ、ピタッ……

半魚人「悪い、少し考え事をしていた」

半魚人「まぁ、遥か昔の事でもあるんだがな」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

377: 2013/05/14(火) 07:10:42 ID:8OzTo5So
巨大猫「して、考え事とは?」

巨大猫「まさか、昨夜の事を気にしとるのか?」

半魚人「……」

巨大猫「あ奴等の言う事、あまり真に受けるな」

巨大猫「そなたは、もう立派な半魚人なのじゃぞ」

スッ、ストン……

半魚人「だが、俺は元は人間だった!」

半魚人「俺と一緒にいた仲間達は、元は俺と同じ人間だ!」

巨大猫「……」

半魚人「未だに、俺はどうしてあんな実験に参加したのかが、全く分からない!」

半魚人「あの時、俺と一緒にいた仲間達は、皆、俺を残して氏んでいった!」

半魚人「更には、消えた中尉に消えた中隊?……」

半魚人「実際は、そいつらもただの人体実験の所為で、全て消失!」

半魚人「それがどうして、全部エルフの所為にされてるんだ!?」

巨大猫「……」

378: 2013/05/14(火) 07:11:02 ID:8OzTo5So
巨大猫「そなた、ずっと悩んでいたのか?」

巨大猫「そなたは、この島を出たかったのか?」

半魚人「ああ、そうだ!」

巨大猫「じゃが、それは無理な相談じゃぞ」

巨大猫「今のそなたは、絶対にこの島からは出れん」

半魚人「……」

巨大猫「じゃから、そなたもあ奴等に嫉妬するな」

巨大猫「嫉妬すればする程、そなたが虚しくなるだけじゃ」

巨大猫「それに、エルフが無実なのはそなたも知っておるはず」

巨大猫「あの女は、昔から周囲に敵を作るのに長けた女」

巨大猫「それについては、もうどうしようもない」

巨大猫「今のそなたがどんだけ足掻こうが、もうどうしようもないのじゃ」

半魚人「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

379: 2013/05/14(火) 07:11:34 ID:8OzTo5So
半魚人「だが、俺は本当にどうすれば良いのかが、全く分からない!」

半魚人「あいつらを見れば見る程、人間に戻りたくなる!」

巨大猫「……」

半魚人「俺は、軍人として祖国の為に戦う覚悟だった!」

半魚人「祖国の為に、最後の一兵となっても戦い続ける!」

半魚人「俺は、軍人となった時にそう誓った!」

半魚人「内外の敵から、祖国を守るとそう誓っていたのに!」

巨大猫「……」

半魚人「だが、この今の俺の有り様は一体何だ!?」

半魚人「何で、俺の体はここまで変化してしまったのか!?」

巨大猫「……」

半魚人「おまけに、真実を知らぬ同僚達が次々と半魚人化した仲間を、すぐに何故か射殺!」

半魚人「結局、最後まで生き残ったのは、この俺のみ!」

半魚人「俺達が祖国の為に尽くした意味が、全くないじゃないか!」

半魚人「何の為に、俺達は半魚人にまでされたんだ!?」

380: 2013/05/14(火) 07:11:46 ID:8OzTo5So
巨大猫「そなた、少し声が大きい」

巨大猫「そなたが叫べば叫ぶ程、そなたの正体がバレる」

巨大猫「今のそなたは、半魚人なのじゃぞ」

巨大猫「もう二度と、せなたは人間には戻れないのじゃ」

半魚人「……」ガクッ

巨大猫「……」

半魚人「……」

巨大猫「もし、そなたが……」

巨大猫「人間に戻れたら何をしたい?」

巨大猫「やはり、祖国に帰りたいのか?」

巨大猫「今のそなたも、祖国に帰りたいとそう願ってるのか?」

半魚人「ああ、まあな」

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

381: 2013/05/14(火) 07:15:06 ID:8OzTo5So
半魚人「なぁ、巨大猫」

半魚人「お前は、祖国に帰りたいと思った事はあったか?」

半魚人「お前も、一度くらいは生まれ故郷に戻りたいと、そう願ってたんじゃないのか?」

巨大猫「……」

半魚人「お前、生まれ故郷に身内は?」

半魚人「もしくは、もういないみたいだな」

巨大猫「ああ、そうじゃな」

半魚人「お前はお前で、かなり苦労してるんだな」

半魚人「なんか、昔実家で飼ってた猫に慰められている様な気分なんだわ」

巨大猫「……」

半魚人「でも、どうして祖国は俺達の現状を知らせてない?」

半魚人「まさか、何も知らせずにそうしてるのか?」

半魚人「俺達が、元は人間だったとは、完全に色々と伏せてるみたいだな」

巨大猫「……」

パキッ……

382: 2013/05/14(火) 07:15:33 ID:8OzTo5So
半魚人「それで、俺はどうすれば良い?」

半魚人「このまま、半魚人として一生を終えるか?」

半魚人「それとも、人間に戻るのか?」

巨大猫「……」クルッ

中尉「……」ヌッ

半魚人「けど、そう簡単には人に言えないだろ」

半魚人「お前も俺も、昔から色々と苦労してきた」

半魚人「まさか、あの時の生き残りがまだいるとは、祖国も知らない」

半魚人「今この場で知っているのは、俺達三人以外には全く知らないんだからな」クルッ

中尉「!?」

巨大猫「……」

半魚人「……」

中尉「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

383: 2013/05/14(火) 07:15:47 ID:8OzTo5So
半魚人「お前、いつから聞いてた?」

半魚人「まさか、最初から聞いてたんじゃねぇだろうな?」

中尉「……」

半魚人「お前、覚悟は出来てんのか?」

半魚人「俺達の秘密知られたからには、生きて返す事は出来ない」

中尉「……」

スッ、ムクッ……

中尉「……」

スッ、パツン、ギュッ……

巨大猫「止めんか! 二人共!」

巨大猫「今ここで、頃しあっても意味がない!」

半魚人「……」

中尉「……」

巨大猫「……」

カチャ、スッ……

384: 2013/05/14(火) 07:16:07 ID:8OzTo5So
中尉「おい、お前ら!」

中尉「それ以上、近づいたら撃つ!」

中尉「俺は、本気だぞ!」

半魚人「……」

中尉「お前、本当にあの時の生き残りなのか?」

中尉「それなら、何故そんな醜い姿になっている?」

巨大猫「……」

半魚人「お前、俺が撃てるか?」

半魚人「消えた中隊の行方、知りたくはないのか?」

中尉「……」

半魚人「今なら、撃つ前に全部話してやるぞ!」

半魚人「だから、それが終わった後にこの俺の事を殺せ!」

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

385: 2013/05/14(火) 07:16:25 ID:8OzTo5So
半魚人「ん? どうした?」

半魚人「俺の話、今のお前は聞きたくないのか?」

中尉「……」

半魚人「なら、仕方ないな」

半魚人「このまま、お前に殺されるとしよう」

半魚人「せっかく、消えた中隊の行方を教えてやろうと思ったのに」

半魚人「俺の仲間達は、向こうで元気しているのやら」

巨大猫「……」

スッ、カチャ……

シュッ、パツン……

半魚人「……」

巨大猫「……」

中尉「……」スッ

一曹「……」ガサッ

兵士達「……」ガサッ

386: 2013/05/14(火) 07:16:44 ID:8OzTo5So
半魚人「ほう?」

半魚人「武装した一個小隊がお出ましか?」

半魚人「今は、全て89式を使ってるんだな」

兵士達「……」カチャ

半魚人「それで、俺の事をどうする?」

半魚人「このまま、射頃するか?」

半魚人「それとも、ここで拘束してしまうのか?」

巨大猫「……」

半魚人「まぁ、今の俺はどっちでも構わん」

半魚人「もうここらで、この俺の人生に幕を閉じたい」

半魚人「それが出来るのなら、もうどうなっても良い!」

半魚人「最後は、お前達の生きた的として、望み通りにすぐさま氏んでやるよ!」

兵士達「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

387: 2013/05/14(火) 07:18:53 ID:8OzTo5So
一曹「中尉。どう致しますか?」

一曹「この半魚人、この場で処分致しますか?」

半魚人「……」

中尉「いや、その必要はない!」

中尉「彼には、色々と聞きたい事がある!」

中尉「一曹、彼を拘束しろ!」

中尉「そこの化け猫は、そのまま放置しておけ!」

一曹「はっ!」

半魚人「……」

巨大猫「半魚人」

半魚人「……」コクン

巨大猫「……」コクン

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、カチャ……

兵士達「……」カチャ

388: 2013/05/14(火) 07:19:08 ID:8OzTo5So
一曹「XXX元中尉。貴方を拘束します!」

一曹「腕を後ろにして、反対を向けて下さい!」

半魚人「……」

クルッ、スッ……

スッ、カチャ、カチャ……

一曹「中尉。拘束完了致しました!」

一曹「次は、どう致しますか?」

半魚人「……」

中尉「XXX元中尉。暫くの間、貴方を拘束させて頂く!」

中尉「貴方には、まだ色々と聞きたい事がある!」

中尉「一曹、彼を本部に!」

中尉「それが済んだら、彼の事を解放してやれ!」

一曹「はっ!」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

389: 2013/05/14(火) 07:19:23 ID:8OzTo5So
一曹「巨大猫。少し、彼を借りる」

一曹「安心しろ。彼は殺さない」

一曹「今の彼は、頃してはならない決まりとなっているのだからな」

半魚人「……」

巨大猫「して、いつ程縄を解くのじゃ?」

巨大猫「出来れば、早めにあ奴の縄を解いて貰いたい」

半魚人「……」

中尉「安心しろ。話さえ聞ければ、すぐに解放する!」

中尉「一曹、彼を連れて行け!」

中尉「そう、エルフにもすぐに連絡をしろ!」

一曹「はっ!」

半魚人「……」

巨大猫「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

390: 2013/05/14(火) 07:19:35 ID:8OzTo5So
一曹「さぁ、歩け」

一曹「我々は、貴方を頃すつもりはない」

一曹「だから、早く歩くんだ」

半魚人「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「……」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「では、失礼する」

巨大猫「ご苦労じゃった」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

一曹「……」ペコッ

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

391: 2013/05/14(火) 07:19:51 ID:8OzTo5So
スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

ムクッ、スッ、ノビィーーーーッ……

シュタッ、シュタッ……

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

クルッ、トコトコトコッ……

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ……

392: 2013/05/14(火) 07:20:06 ID:8OzTo5So
巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「……」

巨大猫「さて、妾も戻るとするか」

巨大猫「あ奴は、予定通りに行きおったし」

巨大猫「波はいつも通りで、海鳥は泣く」

巨大猫「これはこれで、結果オーライじゃな」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

カァ、カァ、カァ……

393: 2013/05/15(水) 07:28:33 ID:YRgzoCbo
~無人島・キャンピングカー前~

その頃ーー

エルフ「あんた達、それ食べてて飽きない?」

エルフ「もう既に、四箱目だと思うけど」

銀次郎「……」ポリポリ

幼馴染み「……」ポリポリ

エルフ「と言うか、何で今日は二人してカ口リーメイトをかじってるの?」

エルフ「そんなに、それ美味しいの?」

銀次郎「……」ポリポリ

幼馴染み「……」ポリポリ

エルフ「まさか、あんた達何か言われたの?」

エルフ「まさかとは思うけど、半魚人化し掛けてきたから、無理に食べてるとか?」

銀次郎「……」ピタッ

幼馴染み「……」ピタッ

エルフ「……」

394: 2013/05/15(水) 07:28:46 ID:YRgzoCbo
エルフ「まさか、本当に半魚人に?」

エルフ「それで、二人して朝からそう必氏なんだ」

銀次郎「……」ポリポリ

幼馴染み「……」ポリポリ

エルフ「でも、それを無理に食べるくらいなら、ワクチンをすぐに打ったら?」

エルフ「ワクチンを打ったら、すぐに半魚人化が止まる」

エルフ「場合によっては、あんた達の半魚人化止めてあげても良いわよ」

エルフ「だから、一旦食べるのを止めて私の話を聞きなさい」

銀次郎「!?」ピタッ

幼馴染み「!?」ピタッ

エルフ「……」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「……」ニッコリ

スッ、ストン……

395: 2013/05/15(水) 07:29:05 ID:YRgzoCbo
銀次郎「それで、話って言うのは?」

銀次郎「どうしたら、俺達の半魚人化を止めれるんだ?」

幼馴染み「……」

銀次郎「あんた、何企んでる?」

銀次郎「今度は、一体俺達に何をさせるつもりなんだ?」

幼馴染み「……」

エルフ「ただ単に、あんた達の股間を見せて貰うだけよ」

エルフ「まずは、股間から半魚人化がすぐに進んでしまうの」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「そんな!?」ガーーン

エルフ「……話、続けて良い?」

エルフ「別に嫌なら、あんたの姉が来る日に診て貰うけど」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「……」

396: 2013/05/15(水) 07:29:17 ID:YRgzoCbo
エルフ「やっぱり、私みたいな悪女は嫌みたいね」

エルフ「私みたいな年増、この場で汚す価値すらないんだ」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「以前、ここにいた奴等も皆半魚人になったわ」

エルフ「この私にすぐに股間を見せずに、皆がそのまま放置」

エルフ「最短でも一ヶ月で、そいつらは半魚人と化した」

エルフ「ここであんた達を止めなきゃ、子供達まで被害に遭うんだけどなぁ」

銀次郎「……」チラッ

幼馴染み「……」チラッ

銀次郎「……」チラッ

幼馴染み「……」チラッ

エルフ「早く、言って頂戴」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

397: 2013/05/15(水) 07:29:28 ID:YRgzoCbo
エルフ「それで、見せてくれるの?」

エルフ「今のあんた達、このまま半魚人になりたいの?」

銀次郎「……」ブンブン

エルフ「別に、このままあんた達が半魚人になりたいのなら、私は止めないわよ」

エルフ「今のあんた達、本当に生きる価値すらない」

エルフ「別に、子供達を守れるんだったら、あんた達の事をすぐ始末しても良い」

エルフ「嫌なら、私自らこの手で始末してあげれるけど」

幼馴染み「……」ブンブン

エルフ「なら、早くあんた達股間見せなさい」

エルフ「子供達は、隣島で検診を受けているわ」

エルフ「なんか、今日は朝から調子が悪いらしくってね」

エルフ「向こうで、診察をして貰ってるのよ」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

スッ、ムクッ……

398: 2013/05/15(水) 07:29:49 ID:YRgzoCbo
ジーーッ、ポロン……

銀次郎「……」

ジーーッ、ポロン……

幼馴染み「……」

エルフ「あんた達、そのままじっとしてなさい」

エルフ「今から、私が診てあげるから」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

スッ、シュタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、クルッ……

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

399: 2013/05/15(水) 07:31:34 ID:YRgzoCbo
エルフ「キモッ!」

エルフ「これ完全に、もう手遅れじゃない!」

エルフ「何で、もっと早くに言わなかったの?」

エルフ「これじゃあ、確実に手の施しようがないわ!」

銀次郎「!?」ガーーン

幼馴染み「!?」ガーーン

エルフ「……」

カァ、カァ、カァ……

エルフ「これ、いつからなっていたの?」

エルフ「あんた達、何で早くに言わなかったの?」

銀次郎「……」

幼馴染み「……」

エルフ「まさか、射殺されるのが怖かったとか?」

エルフ「それが原因で、あんた達は今まで隠してた?」

エルフ「それで、良いのよね?」ギロッ

400: 2013/05/15(水) 07:31:46 ID:YRgzoCbo
銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

エルフ「……」ジーーッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

エルフ「……」ジーーッ

ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

エルフ「こちら、エルフ」

エルフ「何かあったの?」

ザザッ……

無線「こちら、日本陸軍。管理者のエルフで間違いないな」

ザザッ……

エルフ「ええ、そうだけど」

エルフ「何か、問題でも?」

401: 2013/05/15(水) 07:31:57 ID:YRgzoCbo
ザザッ……

無線「少し、そちらの半魚人の身柄を預からせて貰う」

無線「彼には、色々と聞きたい事がある」

無線「何故なら、彼はこの島の事にはやけに詳しい」

無線「いつどこで、また再び脱走者が出るかわからないので、彼にはそれについてで協力をして貰う」

銀次郎「……」ウルウルッ

ザザッ……

エルフ「こちら、エルフ。了解した」

エルフ「話は、それだけ?」

エルフ「至急、医療班を寄越して頂戴!」

エルフ「子供達二人に続いて、感染者二名が増えちゃったわ!」

幼馴染み「……」ウルウルッ

ザザッ……

無線「こちら、日本陸軍。どう言う事だ?」

無線「彼らも、半魚人化しだしているのか?」

402: 2013/05/15(水) 07:32:09 ID:YRgzoCbo
ザザッ……

エルフ「ええ、そのまさかよ!」

エルフ「つい先程、あいつらの生殖器から感染を確認!」

エルフ「これ、やけにスピードが早いわ!」

エルフ「もう既に、生殖器全体が赤の鱗模様に変化してきてる!」

エルフ「あの子供達同様に、かなり事態が深刻化してきてるわよ!」

銀次郎「……」ウルウルッ

ザザッ……

無線「こちら、日本陸軍。了解した」

無線「至急、部下を向かわせる」

無線「エルフ殿自身に、感染の様子は?」

無線「エルフ殿は、感染してるのか?」

幼馴染み「……」ウルウルッ

ザザッ……

エルフ「いいえ」

403: 2013/05/15(水) 07:32:19 ID:YRgzoCbo
ザザッ……

無線「なら、エルフ殿はこの島をすぐに離れて下さい!」

無線「ここは、私達が対処致します!」

ザザッ……

エルフ「了解!」

銀次郎「!?」ウルウルッ、ガーーン

幼馴染み「!?」ウルウルッ、ガーーン

エルフ「……」

スッ、カチッ……

クルッ、スタスタスタッ……

銀次郎「あんた、俺達の事を見捨てるのか?」

銀次郎「これ、どうやったら直るんだ?」ウルウルッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「頼む、俺達の事を見捨てないでくれ!」

銀次郎「今の俺達、マジで半魚人になんかなりたくない!」ウルウルッ

404: 2013/05/15(水) 07:32:30 ID:YRgzoCbo
スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「頼む、頼むよ!」

銀次郎「あんただけは、俺達の事を見捨てないでくれ!」ウルウルッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

銀次郎「頼む、助けてくれ!」

銀次郎「頼むから、俺達を今すぐ助けてくれ!」ウルウルッ

ピタッ、クルッ……

エルフ「……」ニッコリ

シューーーーッ、シュン……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

405: 2013/05/15(水) 07:34:03 ID:YRgzoCbo
銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

トコトコトコッ、トコトコトコッ……

ピタッ、キョロキョロ……

巨大猫「そなた達、エルフを知らぬか?」

巨大猫「何故、股間を露出したまま立っておる?」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

406: 2013/05/15(水) 07:34:34 ID:YRgzoCbo
巨大猫「そなた達、その股間の色はどうしたのじゃ?」

巨大猫「その症状、一体いつからそうなったのじゃ?」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「ほれ、泣いてばかりじゃ何も分からん」

巨大猫「ささっ、早くもうしてみよ」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

巨大猫「む?」ハッ

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

巨大猫「……」

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

巨大猫「……」

ダダダダダダッ、ダダダダダダッ……

407: 2013/05/15(水) 07:34:45 ID:YRgzoCbo
ピタッ、ピタタタッ……

カチャカチャカチャ、カチャカチャカチャ……

一曹「全員動くな!」

一曹「両手を頭の上に! 早く置け!」

兵士達「……」

巨大猫「……」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「早くしろ!」

スッ、ササッ、ササッ……

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、ピタッ……

408: 2013/05/15(水) 07:34:57 ID:YRgzoCbo
一曹「失礼。日本陸軍の者だ!」

一曹「感染者二人とは、この二人なのか?」

銀次郎「……」ウルウルッ

巨大猫「ああ、その様じゃな」

巨大猫「そなた達は、こ奴等をの事をどうするつもりなのじゃ?」

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「これから、この者達を隔離する!」

一曹「もう二度と、彼らはこの島から出る事は出来ない!」

巨大猫「……」

一曹「おい、お前、エルフを見なかったか?」

一曹「エルフは、もう既に脱出した後か?」

銀次郎「……」ウルウルッ、コクン

一曹「そうか、それは良かった!」

一曹「これで、この二人は隔離されたも同然と言う事だ!」

幼馴染み「……」ウルウルッ

409: 2013/05/15(水) 07:35:09 ID:YRgzoCbo
一曹「巨大猫。今から我々と共に島を脱出せよ!」

一曹「向かう先は、隣島だ!」

一曹「お前もすぐに、ここを立ち去るが良い!」

銀次郎「……」ウルウルッ

巨大猫「む? 妾もか?」

巨大猫「妾も、隣島に移れと言うのか?」

一曹「ああ、そうだ!」

幼馴染み「……」ウルウルッ

巨大猫「うむ。しかと承った」

巨大猫「妾も、ここを移動する事にしよう」

巨大猫「先に、妾は隣島に向かっておる」

巨大猫「では、隣島で待っておるぞ」

一曹「ああ、了解した」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

410: 2013/05/15(水) 07:35:28 ID:YRgzoCbo
一曹「総員、撤退だ!」

一曹「感染者二人は、そのまま放置しろ!」

一曹「我々は、再びキャンプにまで撤退!」

一曹「速やかに、撤退をしろ!」

兵士達「はっ!」

銀次郎「……」ウルウルッ

幼馴染み「……」ウルウルッ

一曹「全隊、回れ右!」

クルッ、ビシッ、ビシッ……

一曹「前へ!」

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

巨大猫「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

411: 2013/05/16(木) 06:57:06 ID:6.BCdslw
~隣島・エルフのキャンピングカー前~

その日の夜ーー

スタッフ「エルフさん。食事の準備が出来ました(英語)」

スタッフ「子供達に、順番に配っていきますね(英語)」

エルフ「ええ、お願い(英語)」

スタッフ「所で、あの巨大な猫は何なんですか?(英語)」

スタッフ「何故か、エルフさんのキャンピングカーの前から離れていないのですが(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「ああ、あの子?(英語)」

エルフ「あの子は、別に良いのよ(英語)」

エルフ「私と同じで、流されてきた者(英語)」

エルフ「だから、今日からウチで引き取る事にしたわ(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「それで、今日のメニューは?(英語)」

エルフ「また、MREレーション?(英語)」

412: 2013/05/16(木) 06:57:31 ID:6.BCdslw
スタッフ「ええ、そうです(英語)」

スタッフ「あの子達には、MREレーションを与え続けています(英語)」

スタッフ「ですが、本当に宜しかったのですか?(英語)」

スタッフ「メニューが違うとは言え、MREレーションばかり食べさせていますが(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「ええ、構わないわ(英語)」

エルフ「彼らは、親に捨てられた挙げ句に国にまで捨てられた(英語)」

エルフ「今のあの子達には、戸籍なんてない(英語)」

エルフ「だから、ウチで訓練をして立派な傭兵になって貰うのよ(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ「ですが、捜査当局が動き始めました(英語)」

スタッフ「いずれ、ここがバレるのも時間の問題です(英語)」

スタッフ「つい先程、この辺上空を無人機が通過(英語)」

スタッフ「いつ、捜査当局が踏み込んでくるかが全く分からない状態です(英語)」

巨大猫「……」

413: 2013/05/16(木) 06:57:52 ID:6.BCdslw
エルフ「その時は、あの子達をあそこに送れば済む話だわ(英語)」

エルフ「今のあの子達、本当に可哀想(英語)」

エルフ「だから、私が住む場所をあげた(英語)」

エルフ「それが、一体何の問題があるのかしら?(英語)」

スタッフ「……」

巨大猫「エルフ。そなた、何を企んどる?(英語)」

巨大猫「まさか、あ奴等の事も後で消し去るのか?(英語)」

巨大猫「今のそなた、何を企んでおる?(英語)」

スタッフ「!?」

エルフ「別に、あの子達を今後どうするかについては、この私の勝手でしょ?(英語)」

エルフ「彼らは、この私には手出し出来ない(英語)」

エルフ「それは、彼らの方も分かっているはず(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「今更、捜査当局が何?(英語)」

エルフ「一体、彼らに何が出来ると言うの?(英語)」

414: 2013/05/16(木) 06:58:09 ID:6.BCdslw
巨大猫「エルフ。その時は、妾も共に送れ(英語)」

巨大猫「むしろ、島ごと消し去ってみるのはどうじゃ?(英語)」

スタッフ「……」

巨大猫「まぁ、それをするのは妾達が追い詰められた時に限る(英語)」

巨大猫「いずれ、ここにも追っ手が向かってこよう(英語)」

巨大猫「じゃから、それまでの間に体制を整えておくのじゃ(英語)」

エルフ「ええ、そうね(英語)」

スタッフ「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ビシッ……

スタッフ2「エルフさん。食事の用意が整いました(英語)」

スタッフ2「これより、子供達に配り始めます(英語)」

エルフ「ええ、お願い(英語)」

スタッフ2「あの、エルフさん。その猫は?(英語)」

スタッフ2「何なんですか? 一体?(英語)」

415: 2013/05/16(木) 06:58:39 ID:6.BCdslw
エルフ「ああ、これ?(英語)」

エルフ「今日から、私が飼う事になった猫よ(英語)」

エルフ「この子、半魚人達の巣窟に一人で住んでいてね(英語)」

エルフ「それで、私がここに連れてきた訳(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ2「そ、そうなんですか……(英語)」

スタッフ2「その割りには、ライオンクラスの大きさでは?……(英語)」

スタッフ「……」

エルフ「別に、人を襲う事なんてないから、何も心配はなくない(英語)」

エルフ「この子、こう見えて結構な歳よ(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「おまけに、子供達には大分受けてた(英語)」

エルフ「ここの子供達にも、結構人気がある(英語)」

エルフ「それに、この子は基本魚しか食べないし(英語)」

エルフ「だから、何も問題はないわよ(英語)」

416: 2013/05/16(木) 06:58:57 ID:6.BCdslw
巨大猫「とりあえず、そなた達は早く子供達に食事を(英語)」

巨大猫「そのついでに、妾の分の食事を持ってきてくれ(英語)」

スタッフ2「!?」

エルフ「巨大猫。あんた、何食べれる?(英語)」

エルフ「マグロ一本、そのまま生で食べれる?(英語)」

スタッフ「……」

巨大猫「いや、さすがにそれは無理じゃ(英語)」

巨大猫「どっちかと言うと、カツオ一本ならいける(英語)」

スタッフ2「……」

エルフ「そう、ならカツオ一本出してあげるわ(英語)」

エルフ「貴方達二人は、早く子供達に食事を配ってきなさい(英語)」

エルフ「もう、そろそろ皆集まって来る頃だから(英語)」

スタッフ達「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

417: 2013/05/16(木) 07:01:30 ID:6.BCdslw
巨大猫「エルフ。世話を掛けるな(英語)」

巨大猫「妾も、とうとう飼い猫か(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「今まで、妾はずっと一人じゃった(英語)」

巨大猫「誰かに飼われると言うのは、初めての事じゃ(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「じゃが、そなたのする事には、今後も妾は干渉させて貰うぞ(英語)」

巨大猫「それで、そなたは何を企んでいる?(英語)」

巨大猫「どこで一体、今後は何をするつもりなのじゃ?(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

巨大猫「……」

418: 2013/05/16(木) 07:01:46 ID:6.BCdslw
巨大猫「そなた、何も申さぬのか?(英語)」

巨大猫「やはり、妾はそなたにとっては邪魔者と言う訳か?(英語)」

巨大猫「一体、何が今のそなたを突き動かしとる?(英語)」

巨大猫「今のそなたは、本当に何をするつもりなのじゃ?(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ビシッ……

スタッフ3「エルフさん。日本陸軍の方がお見えです(英語)」

スタッフ3「至急、エルフさんとお話がしたいと申しております(英語)」

エルフ「そう。通して(英語)」

スタッフ3「後、この巨大な猫は何ですか?(英語)」

スタッフ3「昼間から、ずっとそこで箱座りをしてるんですが(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「ああ、またその話?……(英語)」

419: 2013/05/16(木) 07:02:02 ID:6.BCdslw
エルフ「ただ単に、あの無人島にいたから連れてきただけよ(英語)」

エルフ「これ、今日からは私のペットなのよ(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ3「はっ、失礼しました(英語)」

スタッフ3「それでは、お客様を連れて参ります(英語)」

エルフ「ええ、そうして(英語)」

スタッフ3「それと、ここ最近の子供達の食事が、ずっとMREレーションばかりなのは如何な事かと(英語)」

スタッフ3「その所為で、何人もの子供達が飽きてきています(英語)」

スタッフ3「ですから、他の食事を出してあげたいのですが(英語)」

スタッフ3「本当に、このまま行くと子供達の健康にも、かなり悪いと思います(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「……そう。そうなの(英語)」

エルフ「ここに来る前まで、三食ずっとファーストフードだった癖に(英語)」

エルフ「そっちの方が、かなり子供達の健康にも悪いとは思う(英語)」

エルフ「中には、毎日ハンバーガーを食べ続けている子達もいたでしょうが(英語)」

420: 2013/05/16(木) 07:02:18 ID:6.BCdslw
スタッフ3「ですが、子供達もここで出される毎日の食事に飽きているのも事実なのです!(英語)」

スタッフ3「彼らは、ずっと毎日の様に泣き続けております!(英語)」

巨大猫「……」

スタッフ3「ですから、せめて週に一度くらいは、あの子達の好きな食事を出してあげて下さい!(英語)」

スタッフ3「このまま行けば、確実に暴動が起きます!(英語)」

スタッフ3「ここにいる子供達も、もう我慢の限界なのです!(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

スタッフ3「……」

エルフ「分かった。あんたの好きにしなさい(英語)」

エルフ「ただし、週に一度だけよ!(英語)」

エルフ「それで良い?(英語)」

スタッフ3「はっ!(英語)」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ……

421: 2013/05/16(木) 07:02:33 ID:6.BCdslw
スタッフ4「エルフさん。少し宜しいですか?(英語)」

スタッフ4「至急、エルフさんにお会いしたいと言う方が、お出でですが(英語)」

エルフ「今すぐ、ここに通して(英語)」

スタッフ4「はっ、了解致しました!(英語)」

スタッフ4「至急、お連れ致します!(英語)」

クルッ、スタスタスタッ……

エルフ「あんた、もう下がって良いわ(英語)」

エルフ「子供達の好きなお菓子とかを買う為の予算、後で申請しといて(英語)」

スタッフ3「はっ!(英語)」

クルッ、スタスタスタッ……

巨大猫「……」

エルフ「ふぅ……(英語)」

巨大猫「そなた、かなり苦労しとるな(英語)」

巨大猫「あの子供達、かなり我が儘なのじゃな(英語)」

エルフ「ええ、そうね……(英語)」

422: 2013/05/16(木) 07:02:49 ID:6.BCdslw
巨大猫「して、あの子供達はどうしてここに?(英語)」

巨大猫「まさか、あの子供達も全く同じ理由で捨てられたのか?(英語)」

エルフ「ええ、まあね……(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「元々、あの子達は、普段からファーストフードばっかり食べていたわ(英語)」

エルフ「家にいても、ろくに料理は出来ずに両親は共働き(英語)」

エルフ「自然と、子供達の食事はファーストフードやデリバリーばかりになる(英語)」

エルフ「それが原因で、あの子達はそれが当たり前になってしまっててね(英語)」

エルフ「この島に来て早々、すぐに皆が根を上げちゃってた訳(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「だから、これに関してはもう仕方ないわ(英語)」

エルフ「彼らは、今後私の手駒になってしまうんだから?(英語)」

巨大猫「?」

エルフ「とりあえず、私達ももう夕食にしましょ(英語)」

エルフ「あんたの本日の夕食、今から私が出してあげるからね(英語)」

423: 2013/05/16(木) 07:04:41 ID:6.BCdslw
スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ピタッ……

スタッフ4「エルフさん。日本陸軍の方をお連れ致しました(英語)」

スタッフ4「私達は、席を外してた方が宜しいですか?(英語)」

スタッフ3「……」

エルフ「ええ、皆は席を外して(英語)」

エルフ「ここは、私だけでやる(英語)」

エルフ「後、すぐそこにいる巨大猫はそのままで良い(英語)」

エルフ「この子、対して害はなかったりするから(英語)」

スタッフ達「はっ!(英語)」

大尉「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

エルフ「……」

巨大猫「……」

424: 2013/05/16(木) 07:04:57 ID:6.BCdslw
大尉「久し振りだな。エルフ(英語)」

大尉「君と会うのは、もう何年振りだったか(英語)」

エルフ「……」

大尉「君は、また影で色々と動いてくれている様だね(英語)」

大尉「また、例の消えた中隊の時の様な事をするつもりなのかね?(英語)」

巨大猫「……」

エルフ「お久し振りです。〇×大尉(英語)」

エルフ「貴方と最後にお会いしたのは、例の事件の時でしたね(英語)」

エルフ「今回も、私は何も一切関与しておりません!(英語)」

エルフ「一体、どんな証拠があって貴方はこちらにいらしたのでしょうか?(英語)」

巨大猫「……」

大尉「実は、君の動きに不可解な点がいくつも見つかった!(英語)」

大尉「君自身は、何らかの特殊な方法を使って、一瞬にしてこの地球上を移動をしている!(英語)」

大尉「それについては、我々ももう既に掴んでいる!(英語)」

大尉「だから、そろそろ君自身の目的をお聞かせ願いたい!(英語)」

425: 2013/05/16(木) 07:05:10 ID:6.BCdslw
エルフ「〇×大尉。貴方、私の事をどうするつもりです?(英語)」

エルフ「このまま、ここで頃しますか?(英語)」

エルフ「それとも、拘束するのですか?(英語)」

大尉「……」

エルフ「貴方の事ですから、例の元中尉が見つかった事ももう既にご存じなのでしょう(英語)」

エルフ「彼は、私がかつて救出をした人物の中の一人(英語)」

エルフ「例の消えた中隊は、本当に偶々演習中にどこかへと消えてしまっただけ(英語)」

エルフ「この私に、一体何が出来るんです?(英語)」

エルフ「彼らを捕まえたとして、この私が彼らに何をさせようと思っていたのですか?(英語)」

大尉「……」

巨大猫「……」

エルフ「……」

大尉「エルフ。君は、本当に何も関与してないのかね?(英語)」

大尉「今の君は、ただの民間団体の職員と言う訳か?(英語)」

エルフ「ええ、そうです(英語)」

426: 2013/05/16(木) 07:05:24 ID:6.BCdslw
大尉「なら聞くが、ここの子供達には一体何をさせている?(英語)」

大尉「ここの子供達、かなり何故か疲れきっていたぞ(英語)」

大尉「MREレーションとか言うものを、ほぼ毎日の様にあの子達は食わされているのだぞ(英語)」

エルフ「……」

大尉「君は、あの子達を集めて何をする気だ?(英語)」

大尉「彼らは、まだ小学校を出たばかりの子供達だ(英語)」

大尉「それなのに、何故、君はあの子達をここに集めて匿っている?(英語)」

大尉「君は、自分が何をしているのかがまだ分からない様だな(英語)」

巨大猫「……」

大尉「今、君のしている事はただの偽善だ!(英語)」

大尉「あの子達からしてみたら、ただの虐待でしかないのだ!(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「なら、妾も聞くが今のそなたに何が出来る?(英語)」

巨大猫「今のそなたは、あの子達に対して何がしてあげれるのだ?(英語)」

大尉「……」

427: 2013/05/16(木) 07:05:36 ID:6.BCdslw
巨大猫「エルフ。こ奴の言う事等は何も聞く必要はない(英語)」

巨大猫「こ奴は、自分は何もしないが口だけは出すと言う、典型的なタイプじゃ(英語)」

巨大猫「ただ単に、そなたのする事全てにケチをつけたいだけ(英語)」

巨大猫「それ以上でも、それ以下でもない(英語)」

大尉「……」

巨大猫「じゃから、そなたはこ奴の言う事等は何も聞くな(英語)」

巨大猫「全ては、あの島に多数の猫達を捨てた愚かな人間達が受けた因果応報なのじゃ(英語)」

巨大猫「じゃから、今のそなたは何も気にする必要等はない(英語)」

巨大猫「全ては、あの島に猫を捨てた者達が原因で、あの様な事態にまでなってしもうたのじゃ(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「大尉。もう今日の所は、すぐに帰られよ(英語)」

巨大猫「後日、妾の方からそなたの元を訪れる(英語)」

巨大猫「そなた、昔何匹もの猫を捨てた様じゃな(英語)」

巨大猫「いくら飼い切れんからと言って、保健所で処理をするとは許し難い(英語)」

大尉「……」

428: 2013/05/16(木) 07:05:51 ID:6.BCdslw
大尉「エルフ。今後、またここへ来させて貰うぞ!(英語)」

大尉「君の疑い、まだ完全に晴れた訳ではない!(英語)」

エルフ「……」

大尉「だから、それまでの間に首を洗って待っとれ!(英語)」

大尉「いずれ、我々は君の正体とその目的についてを全て掴む!(英語)」

大尉「今後、君の前に立ち塞がるのは困難だけだ!(英語)」

大尉「絶対に、それだけは忘れるな!(英語)」

エルフ「……」

巨大猫「……」

大尉「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

エルフ「……」

巨大猫「……」

ホーーッ、ホーーッ、ホーーッ……

429: 2013/05/16(木) 16:10:46 ID:6.BCdslw
~隣島・食堂~

少年A「ねぇ、おじさん(英語)……」

少年A「また、MREレーションとか言う奴なの?……(英語)」

少年A「俺、もっと他のが食いたい……(英語)」

少年B「……」

スタッフ「我慢しろ。これも試練の内だ(英語)」

スタッフ「君達は、二度と生まれ故郷には戻れない(英語)」

スタッフ「何故なら、君達は親に捨てられたからだ(英語)」

スタッフ「その所為で、今の君達はここにいる(英語)」

少年A「……」

少年B「けど、あのおばさんが何考えてんのかが全く分からないよ……(英語)」

少年B「僕達、一生ここで暮らす事になるの?……(英語)」

少年A「……」

スタッフ「ああ、そのまさかだ(英語)」

スタッフ「ここが、君達の新しい家なんだ(英語)」

430: 2013/05/16(木) 16:11:04 ID:6.BCdslw
スタッフ「だから、君達は一生ここで過ごす事になる(英語)」

スタッフ「君達は、親だけでなく国にまで捨てられた(英語)」

スタッフ「たとえ、君達がこの島から脱走をして生まれ故郷に戻ったとしても、誰も受け入れてはくれない(英語)」

スタッフ「君達は、もうこの世に存在しない子供達なんだ(英語)」

スタッフ「実際、もう既に君達のお墓も用意してある(英語)」

少年B「そんな……(英語)」

少年A「なら、あのおばさんは俺達に何をさせるつもりなんだ?(英語)」

少年A「俺達、ずっと体育の授業をしてばっかじゃないか?(英語)」

少年B「……」

少年A「あのおばさん、本当に何を考えてる?(英語)」

少年A「おじさんは、あのおばさんが何を考えてるかについてを、以前から知ってるんだろ?(英語)」

スタッフ「……」

少年A「俺達は、今すぐ親元に帰りたい!(英語)」

少年A「こんな場所、絶対に出たい!(英語)」

少年B「……」

431: 2013/05/16(木) 16:11:17 ID:6.BCdslw
少年A「おじさん。俺達の事を逃がしてよ!(英語)」

少年B「僕も、ママの所に帰りたい!(英語)」

スタッフ「……」

少女A「それ、止めといた方が良いんじゃないの?(英語)」

少女A「あのおばさん。本当に、何をするかが全く分からないわよ(英語)」

少女B「ええ、そうね(英語)」

少年A「じゃあ、俺達にずっとここにいろと言うのか?(英語)」

少年A「こんな何もない場所、俺は絶対にいたくはない!(英語)」

少年B「うん。そうだね……(英語)」

少女A「じゃあ聞くけど、ここがどこだか分かるの?(英語)」

少女A「ここ、明らかにアメリカじゃないのよ(英語)」

少女B「……」

少女A「それに、私達二人は別に良いわ(英語)」

少女A「あんな家、追い出してくれて清々するわ(英語)」

少女B「うん(英語)」

432: 2013/05/16(木) 16:11:29 ID:6.BCdslw
少年A「お前ら、あのおばさんに味方するのか?(英語)」

少年A「それでも、お前らアメリカ人か?(英語)」ギロッ

少女A「は?(英語)」

少女B「それ、今のどう言う意味?(英語)」

少女B「全く、理解し難いんだけど(英語)」

少年A「……」

少女A「貴方、実家は軍隊か何か?(英語)」

少女A「今の私達、もうアメリカ人なんかじゃない(英語)」

少女A「ここに来た時から、もう戸籍は消えてなくなってるの(英語)」

少女A「今の私達は、幽霊と全く同じ扱いなの(英語)」

少女B「……」

少年A「幽霊?(英語)」

少年A「そんなもん、信じられるか!(英語)」

少年A「俺は、何としても家に帰る!(英語)」

少年A「そんで、あの糞親父をぶん殴ってやる!(英語)」

433: 2013/05/16(木) 16:11:41 ID:6.BCdslw
「なら、せめて体育の授業くらい真面目にやりなさい!(英語)」

「あんた達、もう二度と生まれ故郷には帰れないのよ!(英語)」

「ここに連れてこられた時から、あんた達は氏んだ!(英語)」

「だから、もう諦めなさい!(英語)」

少年A「!?」

エルフ「……」ヌッ

スタッフ「……」

少年A「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ストン……

少年A「……」

少年B「……」

少女A「……」

少女B「……」

434: 2013/05/16(木) 16:11:53 ID:6.BCdslw
エルフ「あんた達、もう夕食の時間よ!(英語)」

エルフ「早く食べなさい!(英語)」

スタッフ「……」

エルフ「ん? どうしたの?(英語)」

エルフ「何故、皆、私が来たとたんに黙り込むの?(英語)」

少年A「……」ギロッ

エルフ「そんなに、私の事が怖い?(英語)」

エルフ「それとも、私みたいな女は嫌いなのかしら?(英語)」

少年A「ああ、そうだ(英語)」

少年B「……」コクン

エルフ「なら、本日はあんた達二人は食事抜き!(英語)」

エルフ「自分で、食料を調達してきなさい!(英語)」

少年A「!?」

エルフ「この食事が嫌なら、自分で海に行って取ってくる!(英語)」

エルフ「もしくは、山に入って山菜でも取ってきなさい!(英語)」

435: 2013/05/16(木) 16:13:32 ID:6.BCdslw
スタッフ「エルフさん。それはあんまりかと思います(英語)」

スタッフ「この子達、まだ11歳ですよ(英語)」

少女A「……」

エルフ「は? それがどうかしたの?(英語)」

エルフ「私が11歳の時なんて、自力で食料を確保しに行っていたわよ!(英語)」

少年A「!?」ガーーン

スタッフ「いや、それは貴女だから出来たんでしょ……(英語)」

スタッフ「彼らは、まだ本当に子供なんですが……(英語)」

少年B「……」

エルフ「別に、私の出した食事に文句あるんなら、自力で取りに行けば良い(英語)」

エルフ「なんか、偉そうにそこのガキ二人が国に帰りたいとかほざいてた(英語)」

エルフ「だから、私は彼らに自力で食料を取らせに行かせるのよ(英語)」

エルフ「海に行けば、船に乗ってこの島を出られる(英語)」

エルフ「その代わり、すぐに彼らは警備兵に見つかって、容赦なく海の藻屑(英語)」

エルフ「彼の実家は軍隊みたいだし、そのまま彼を戦氏させてみるのも良いんじゃないかしら?(英語)」ニッコリ

436: 2013/05/16(木) 16:13:47 ID:6.BCdslw
エルフ「……」

スタッフ「……」

少年A「……」

少年B「……」

少女A「……」

少女B「……」

エルフ「……」

スタッフ「……」

少年A「……」

少年B「……」

少女A「……」

少女B「……」

エルフ「それで、返事は?(英語)」

エルフ「私の出した食事に文句あるなら、今すぐ海に飛び込んで来なさい!(英語)」ニッコリ

スッ、パクパクッ……

437: 2013/05/16(木) 16:14:02 ID:6.BCdslw
少年A「……」パクパクッ

少年B「……」パクパクッ

エルフ「……」ジーーッ

少女A「……」パクパクッ

少女B「……」パクパクッ

エルフ「……」ジーーッ

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、スッ、ストン……

スタッフ2「ん? どうした?」

スタッフ2「皆、やけに静まり返っているが」

スタッフ「……」

スタッフ3「エルフさん。怒鳴り声、向こうの部屋まで響いてましたよ」

スタッフ3「何も、子供達の前で怒鳴る必要はなかったんじゃないですか?(英語)」

スタッフ4「……」

438: 2013/05/16(木) 16:14:15 ID:6.BCdslw
エルフ「ううん。そうなの?(英語)」

エルフ「そんなに、私の声が響いてたんだ(英語)」ニコニコ

スタッフ3「……」

エルフ「なら、私の言いたい事も分かるでしょ?(英語)」

エルフ「今のあんた達、生まれ故郷を追い出された事ある?(英語)」

スタッフ3「いえ、ないです……(英語)」

エルフ「私、生まれ故郷をすぐに追い出されたわ(英語)」

エルフ「丁度、今のこの子達くらいな時に(英語)」

少年A「!?」ピタッ

エルフ「それから、運悪く商館に売られたわ(英語)」

エルフ「商館に売られた後、ずっと蛸部屋の様な場所に入れられていた(英語)」

少女A「……」ピタッ

エルフ「その後、私はどうなったと思う?(英語)」

エルフ「ろくに、水も食料もお金も休みすら満足に与えられない毎日(英語)」

エルフ「そこに入ってから、毎日の様に男の人の相手をさせられてたわ(英語)」

439: 2013/05/16(木) 16:14:27 ID:6.BCdslw
エルフ「それが原因なのか、今の私は子供すら全く産めない病魔に蝕まれた体(英語)」

エルフ「今まで、私は数多くの不幸な少女達の姿を生で見てきた(英語)」

エルフ「皆、私同様に親に捨てられてね(英語)」

エルフ「国から10万$の資金と引き換えに、私達の事を引き渡した訳(英語)」

少女達「!?」ガーーン

スタッフ達「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

エルフ「ふぅ……」

少女達「……」

スタッフ達「……」

スッ、ストン……

エルフ「じゃなきゃ、あんた達はここにいないわよ!(英語)」

エルフ「国も親も、あんた達の事をいらないから、ここに捨てちゃったのよ!(英語)」

少女達「……」

スタッフ達「……」

440: 2013/05/16(木) 16:14:39 ID:6.BCdslw
エルフ「だから、私はあんた達の事を引き取った!(英語)」

エルフ「私同様、親や国にまで捨てられた子達をここで引き取る事にした!(英語)」

少女達「……」

エルフ「この島の事で、あんた達は何も文句は言わないで!(英語)」

エルフ「今のあんた達に、文句を言う権利なんて微塵もない!(英語)」

スタッフ「……」

エルフ「もし仮に、この私に対して文句を言いたいのなら、私を倒してからにしなさい!(英語)」

エルフ「そうじゃなきゃ、私はあんた達の文句を聞く必要もない!(英語)」

エルフ「ついさっき、偉そうな口を叩いていた割りには、パクパクと食べていたわね!(英語)」

エルフ「この島では、私を含めた五人の大人達があんた達の面倒を見てる!(英語)」

エルフ「だから、今ここであんた達の事を養っていてあげている私達に、今のあんた達は感謝くらいはしなさいよね!(英語)」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

441: 2013/05/16(木) 16:16:44 ID:6.BCdslw
エルフ「……」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「……」

少女達「……」

スタッフ達「……」

エルフ「さて、頂きましょうか(英語)」

エルフ「皆、早く食べなさい(英語)」

少女達「……」

スタッフ達「……」

スッ、パクパクッ……

パクパクッ、パクパクッ……

エルフ「……」

スッ、パクパクッ……

パクパクッ、パクパクッ……

442: 2013/05/16(木) 16:16:56 ID:6.BCdslw
エルフ「あっ、そうそう。皆にお知らせがいくつかあるわ(英語)」

エルフ「一つ目は、ウチで新たに巨大猫を買う事になった事(英語)」

エルフ「二つ目は、週に一度は皆の好きな物を食べさせてあげる事(英語)」

エルフ「この二つが、皆にお知らせしとく事でもあるわ(英語)」

少女達「……」ピタッ

スタッフ達「……」ピタッ

エルフ「ん? 皆、結構分かりやすい反応をするわね(英語)」

エルフ「そんなに、私の言う事が意外だった?(英語)」

少女達「……」

スタッフ「エルフさん。それ本当の事なんですか?(英語)」

スタッフ「俺達、全く聞いてませんでしたけど(英語)」

スタッフ2「……」

エルフ「ええ、事実よ(英語)」

エルフ「スリーが子供達の為に、直訴してくれた(英語)」

エルフ「それで、私は週に一度くらいは前にいた時と、全く同じ物を食べさせてあげる事にした訳(英語)」

443: 2013/05/16(木) 16:17:09 ID:6.BCdslw
エルフ「だから、今回はスリーに感謝してよね(英語)」

エルフ「スリーの言う通りに、同じ食事ばっかじゃ皆飽きてしまう(英語)」

エルフ「でも、今回は特別にスリーからの要望を受け入れただけ(英語)」

エルフ「そうじゃなきゃ、今後もずっと皆がMREレーションのみの生活だったわ(英語)」

少女達「……」

エルフ「皆、一時食事を止めて、スリーにお礼を言って(英語)」

エルフ「食事を終えた後に、皆には以前食べていた物をリクエストして貰う(英語)」

エルフ「さぁ、皆立って」

エルフ「スリーの方を向いて、ちゃんとお礼を言ってあげてね」ニッコリ

少女達「……」クルッ

スタッフ3「……」

少女達「……」ジーーッ

スタッフ3「……」

少女達「……」

スッ、ガタッ……

444: 2013/05/16(木) 16:17:27 ID:6.BCdslw
少女達「おじさん。ありがとう!(英語)」

少女達「私(僕)達の為に、命がけで動いてくれて!(英語)」

少女達「私(僕)達、おじさんの事だけは絶対に忘れないよ!(英語)」

少女達「いつどこで、おじさんが殺されるかが分からないけど、私(僕)達は絶対におじさんの事を忘れない!(英語)」ウルウルッ

スタッフ3「……」

少女達「だから、おじさんは絶対に氏なないでね!(英語)」

少女達「逃げたくなった時は、私(僕)達を頼りにして!(英語)」

少女達「私(僕)達、おじさんの事を助けてあげるから!(英語)」

少女達「おじさんに何かあった時は、必ず助けてあげるから!(英語)」

少女達「だから、安心してね!(英語)」ウルウルッ、ペコッ

スタッフ3「……」

スタッフ「……」チラッ

スタッフ3「……」ガクッ

スタッフ2「……」

スタッフ4「……」

445: 2013/05/16(木) 16:17:40 ID:6.BCdslw
エルフ「さて、お礼も言い終えた事だし、食事の方を再開して(英語)」

エルフ「別に、私はスリーの事を頃したりはしないから(英語)」

エルフ「そんなに、あんた達が泣く必要なんてないから(英語)」

少女達「……」ウルウルッ

エルフ「そんなに、私の事が怖い?(英語)」

エルフ「私、他の人達みたいに皆の事を売り払えば良かったのかしら?(英語)」

少女達「!?」ウルウルッ

エルフ「でも、安心して(英語)」

エルフ「私は、あんた達の事を売り払うつもりもない(英語)」

エルフ「さっきも言ったけど、私自身も昔は皆と同じ立場だったのよ(英語)」

エルフ「そうじゃなきゃ、私はNGOなんかには所属してない(英語)」

エルフ「NGOと言うのは、国際的な非政府組織(英語)」

エルフ「主に、国際的な環境や人権問題等で活動をしている人達の集まりなのよ(英語)」

少女達「……」ウルウルッ

スタッフ達「……」

446: 2013/05/16(木) 16:17:53 ID:6.BCdslw
スッ、ストンストン……

少女A「……」ウルウルッ

少女B「……」ウルウルッ

スッ、ストンストン……

少年A「……」ウルウルッ

少年B「……」ウルウルッ

エルフ「さぁ、皆、食事を再開して(英語)」

エルフ「これ食べたら、皆には自分の好きな物を書いて貰う(英語)」

エルフ「後、皆はもう少しダイエットしようね(英語)」

エルフ「このまま行くと、確実に病気になる(英語)」

エルフ「だから、早く皆は食べ終えてね(英語)」ニッコリ

少女達「……」ウルウルッ

スタッフ達「……」

スッ、パクパクパクッ……

パクパクパクッ、パクパクパクッ……

447: 2013/05/16(木) 16:18:14 ID:6.BCdslw
~登場人物4~

中尉:葉菜美の元カレ。年齢は28。金太郎(主人公の兄)とは幼馴染みで、昔から葉菜美達とは顔見知り。現在は、歩兵小隊の小隊長をしている。

一曹:葉菜美達の父の元部下。年齢は40。現役時代の葉菜美達の父に、よく世話になる。現在は、歩兵小隊の小隊軍曹をしている。

元中尉:マンボウの元の姿。日本陸軍中尉。現在の年齢は40。政府による極秘作戦に参加し、それが原因で半魚人化する。

大尉:日本陸軍の情報将校。年齢は35。以前から、エルフの回りを調査している。

隣島のスタッフ達:隣島にいるエルフの部下。エルフが所属する民間団体の職員達。全員が20代半ばの白人男性達である。

隣島の少女達:エルフが保護した子供達。親に捨てられ、エルフに引き取られる。全員が親に10万$と引き換えに隣島に流されてきて、少年少女が2人ずついる。

448: 2013/05/16(木) 16:18:27 ID:6.BCdslw
~備蓄食料~

・MREレーション(米軍個人携行食)×22→20
・MRE補助増加食(パン)×22→20
・カップヌードル×18
・カ口リーメイト×18→10
・レトルトカレー×29
・白米(200g)×29
・乾パン×8
・天然水2L×24

449: 2013/05/17(金) 04:56:29 ID:R.J3.EJ6
~葉菜美(姉)の自室~

上陸五日目・朝ーー

「次のニュースです」

「ニート対策基本法が成立して早一年、ニートの数が大幅に激減をしました」

「対象となったのは、男女問わずニートと呼ばれる年齢15歳から35歳までの若者達」

「その内、四年以上ニートを続けていると罰則があり、特に悪質な場合には重く罰せられます」

「これがきっかけで、ニートをすぐに止めたと言う若者達が増えている様です」

葉菜美「……」

「なお、一部の野党から批判的な声が未だに強くあり、本日も衆議院予算委員会は紛糾」

「ニートにも人権があり、すぐにこの法律を撤廃すべきだ」

「我々の調べでは、彼らは意図的に政府によって殺害されている」

「これは、立派な政府による犯罪行為だと、政府を厳しく批判」

「ですが、結果的にニートと呼ばれる若者達の社会復帰に向けて、大きく前進している事も事実」

「人手が足りない業種等からの求人も多く、一部の業界からは歓迎の声が上がっています」

葉菜美「……」

450: 2013/05/17(金) 04:56:47 ID:R.J3.EJ6
「なお、野党が批判を強めている政府による犯罪行為とは、ニートと呼ばれる若者達の自立を促す為の体験キャンプ」

「その体験キャンプの際に、出席をした若者達が次々と自殺」

「中には、若者達同士が乱闘となり、犯罪行為等を働く若者達が続出」

「その鎮圧の為、最寄りの軍の歩兵小隊が出動をし、現地に派遣された歩兵小隊がその若者達を射頃する事態も発生」

「これが原因で、一部の野党からは強く批判されていて、政府はその一部の野党からの追及をのらりくらりと回避しております」

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

「着信 エルフ」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

スッ、パカッ、ピッ……

葉菜美「はい。もしもし(英語)」

451: 2013/05/17(金) 04:57:00 ID:R.J3.EJ6
電話「おはようございます。葉菜美さん(英語)」

電話「管理者のエルフです。少し、お時間の方を宜しいでしょうか?(英語)」

葉菜美「ええ、構いませんが(英語)」

電話「では、率直に申し上げます(英語)」

電話「つい先程、貴女の弟さんの氏体が見つかりました(英語)」

電話「場所は、貴方の所有するキャンピングカーの中(英語)」

電話「そこのシャワー兼トイレの中で手首をナイフで切り、昨夜の内に亡くなった様です(英語)」

葉菜美「!?」

電話「それで、どう致しますか?(英語)」

電話「貴女の所有する車、ウチで処分致しましょうか?(英語)」

葉菜美「ええ、お願い致します(英語)」

電話「でしたら、こちらの方で手続きの方をさせて頂きます(英語)」

電話「葉菜美さん。今回の所は、お疲れさまでした(英語)」

電話「次は、貴女の実の兄とその父親でしたよね?(英語)」

電話「そちらの方も、今現在進めておりますので、どうかご安心下さいませ(英語)」

452: 2013/05/17(金) 04:57:14 ID:R.J3.EJ6
葉菜美「ええ、ありがとうございます。エルフさん(英語)」

葉菜美「おかげで、こちらも助かりました(英語)」

葉菜美「ウチの父も兄も、いずれ同じ運命を辿る事になるでしょう(英語)」

葉菜美「私は、今まで散々苦労させられて参りました(英語)」

葉菜美「これは、正しく因果応報だと思います(英語)」

電話「……」

葉菜美「ですから、弟君が氏ぬのも仕方ない事だと思いますよ(英語)」

葉菜美「弟君は、今まで散々好き勝手な生活をしてきました(英語)」

葉菜美「そのおかげで、こっちはよく兄さんや弟君達の良いサンドバック(英語)」

葉菜美「私の母は、彼らによって殺されたも同然(英語)」

葉菜美「ですから、弟君は氏んで当然とも言えるのです(英語)」

電話「……」

スッ、カチャ……

トポポポポポッ、トポポポポポッ……

スッ、ストン……

453: 2013/05/17(金) 04:57:37 ID:R.J3.EJ6
電話「あの、葉菜美さん(英語)」

電話「時間もないですので、話の続きをさせて頂きますね(英語)」

電話「彼の遺体は、海に流しました(英語)」

電話「一緒に氏体で見つかった、彼の幼馴染みと共に(英語)」

葉菜美「……」

電話「彼、自分が氏ぬ前に自身が所有していた食料を全て分け与えました(英語)」

電話「彼のおかげで救われた命も多く、その島にいた者達は彼に感謝しています(英語)」

葉菜美「……」

電話「ですが、その彼が救った命も残り僅か(英語)」

電話「彼らは、島の規定で次々と落第(英語)」

電話「その中で、生き残るのも僅か数名(英語)」

電話「瞬く間に、彼らは再び飢えに苦しむ様になっていくでしょう(英語)」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「……」

シューーーーッ、シュン……

454: 2013/05/17(金) 04:57:52 ID:R.J3.EJ6
エルフ「それと、葉菜美さんは消えた中隊の噂はご存じですよね?(英語)」

エルフ「今から13年前に、忽然と姿を消した消えた中隊に関して(英語)」

エルフ「いずれ、貴女の兄もその捜索に駆り出されます(英語)」

エルフ「それが、貴女の兄に対するある意味で究極の嫌がらせ(英語)」

エルフ「本当に、長い間お疲れさまでした(英語)」ニッコリ

葉菜美「!?」ハッ、クルッ

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

スッ、ピッ、カシャン……

スッ、スポッ……

エルフ「そんなに、驚かれなくても良いと思います(英語)」

エルフ「この私に、多分不可能はないのですからね(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

455: 2013/05/17(金) 05:00:56 ID:R.J3.EJ6
葉菜美「いつから、そこにいたんですか?(英語)」

葉菜美「今の私、いつここに来たかについてが全く分からないんですが(英語)」

スッ、ピッ、カシャン……

エルフ「今さっき、ここに着いた所です(英語)」

エルフ「私が、瞬間移動が使えるのはご存じでしょう?(英語)」

エルフ「それを使って、私はここに参りました(英語)」

エルフ「本日伺ったのは、貴女にある物をお渡しする為です(英語)」ニコニコ

葉菜美「……?」

スッ、シュッ……

シューーーーッ、シュン……

葉菜美「!?」

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

スッ、ストッ……

456: 2013/05/17(金) 05:01:09 ID:R.J3.EJ6
エルフ「これ、彼が亡くなった時の写真です(英語)」

エルフ「彼の体は、約20%程ですが半魚人と化していました(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「余程、彼は半魚人になるのが嫌だった様でしてね(英語)」

エルフ「彼、ずっとそれについてで泣いていましたよ(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「けれど、彼自身も貴女に今までした事についてで、とうとう報いを受けた様なのです(英語)」

エルフ「彼は、今までろくに働きもせず、常に家でゴロゴロしていて家族に迷惑を掛けてばかり(英語)」

エルフ「政府から、1000万の給付金が支払われた様ですが、それはそれで安いと思います(英語)」

エルフ「今まで、散々彼は家族に迷惑を掛け続けてきたんですし……(英語)」

エルフ「せめて、最後くらいは手に職を付けて、真面目に精一杯働いて欲しかったんですけどね(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「……」

葉菜美「……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

457: 2013/05/17(金) 05:01:23 ID:R.J3.EJ6
葉菜美「エルフさん。この写真、誰かに見せましたか?(英語)」

葉菜美「これ、公にしたらかなりまずい写真(英語)」

葉菜美「下手したら、エルフさんまで危なくなる(英語)」

葉菜美「私の復讐、まだ完全には終わってないんですが(英語)」

エルフ「ええ、大丈夫です(英語)」ニッコリ

葉菜美「……」

エルフ「あの、話を続けても宜しいでしょうか?(英語)」

葉菜美「ええ、どうぞ(英語)」

スッ、シューーーーッ……

スッ、ストッ……

葉菜美「あの、これは?(英語)」

エルフ「どうぞ。お読みになって下さい(英語)」

葉菜美「……」

スッ、パラパラッ……

パラパラッ、パラパラッ……

458: 2013/05/17(金) 05:01:34 ID:R.J3.EJ6
数分後ーー

スッ、ストッ……

葉菜美「ふぅ……」

葉菜美「これ、弟君の観測記録ですか?(英語)」

葉菜美「本当に、四日に渡って弟君の行動が書かれてるみたいですね(英語)」

エルフ「はい。そうです(英語)」

葉菜美「あの、これをわざわざ届ける為にここに来たのですか?(英語)」

葉菜美「どっちかと言うと、メールかファックスとかでも良かった様な(英語)」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

エルフ「いえ、そんな事はありませんよ(英語)」

エルフ「こうして、生の写真を見るのも結構良いものですよ(英語)」ニッコリ

葉菜美「……」

エルフ「次は、貴女の兄を狙います(英語)」

エルフ「貴女の兄には、例の消えた中隊と全く同じ末路を歩んで貰います(英語)」

葉菜美「え?」

459: 2013/05/17(金) 05:01:47 ID:R.J3.EJ6
エルフ「先程も言った通りに、貴女の兄には例の消えた中隊と全く同じ末路を辿って貰います(英語)」

エルフ「その為に、軍上層部は貴女の実の兄が所属している小隊を、あの無人島にまで派遣(英語)」

エルフ「元々、最初から消えた中隊と言うのは、軍上層部による極秘の人体実験の結果(英語)」

エルフ「そう、全て日米の軍上層部による極秘の作戦の一つと言う訳なのです(英語)」

葉菜美「……」

エルフ「ですから、どうか葉菜美さんはご安心を(英語)」

エルフ「私、以前はこう見えても米陸軍に勤めておりました(英語)」

エルフ「葉菜美さんの身の安全や命の保障は、今後も私達が確約致します(英語)」

エルフ「いずれ、彼らには軍上層部から辞令が下ります(英語)」

エルフ「そう、例の消えた中隊と全く同じ末路を辿る事になる辞令をですけどね(英語)」ニッコリ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ニコニコ

スッ、ムクッ……

460: 2013/05/17(金) 05:02:01 ID:R.J3.EJ6
エルフ「それじゃあ、私はこれで失礼致します(英語)」

エルフ「葉菜美さんも、どうかお元気で(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「次、また私がここに現れる時は、貴女の兄はもう既に亡くなったと思って下さい(英語)」

エルフ「彼らは、私達の方で厳重に管理致します(英語)」

エルフ「今回同様、途中経過を貴女にもお渡しする事もあるかもしれません(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「それまで、どうか葉菜美さんは期待して待っていて下さい(英語)」

エルフ「今回の件につきましては、プライバシーの保護の為に完全に秘密(英語)」

エルフ「元々、今回の私の訪問は独断で行っておりましたし(英語)」

エルフ「次、お会いする時もまた同じ様に現れますね(英語)」

エルフ「それじゃあ(英語)」ニコニコ

葉菜美「……」

エルフ「……」ペコッ

葉菜美「……」

461: 2013/05/17(金) 05:03:31 ID:R.J3.EJ6
エルフ「……」スッ

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ブツブツ

葉菜美「……」

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ブツブツ

エルフ「……」ニッコリ

葉菜美「……」

シューーーーッ、シュン……

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

スッ、コトッ……

葉菜美「あっ、ない……」

462: 2013/05/17(金) 05:03:44 ID:R.J3.EJ6
葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

スッ、ムクッ……

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ガチャ、スッ、パタン……

葉菜美「……」

葉菜美「……」

スッ、ガチャ……

463: 2013/05/17(金) 05:03:56 ID:R.J3.EJ6
スッ、ゴクゴクゴクッ……

ゴクゴクゴクッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「ふぅ……」

スッ、ゴクゴクゴクッ……

ゴクゴクゴクッ、ゴクゴクゴクッ……

葉菜美「……」

スッ、ポイッ……

ヒューーッ、スポッ……

葉菜美「!?」

葉菜美「ナイスショット!」ニッコリ

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

464: 2013/05/17(金) 05:04:16 ID:R.J3.EJ6
葉菜美「……?」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

葉菜美「……」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

「着信 葉菜子(妹)」

トゥルルルルッ、トゥルルルルッ……

スッ、パカッ、ピッ……

葉菜美「はい。もしもし」

電話「あっ、姉さん。私、葉菜子!」

電話「エルフさんからの電話、今さっき来た!?」

葉菜美「え? 来たけど」

電話「そう、来たんだ……」

電話「お母さん達、今日祝杯をあげるって……」

電話「だから、姉さんは今日休みみたいだから、今晩はウチに来て」

葉菜美「……」

465: 2013/05/17(金) 05:04:28 ID:R.J3.EJ6
電話「姉さん。私の話、聞いてる?」

電話「お父さんが、今日くらい贅沢三昧してもバチは当たらない」

電話「だから、姉さんもそれに今日くらいは付き合ってくれ」

電話「今まで、本当にすまなかった」

電話「本当に、お前は良くできた娘だって、今更ながらも姉さんに媚を売ろうとしてる」

電話「私個人としては、姉さんに参加してほしくない」

葉菜美「……」

電話「それで、姉さんはどうする?」

電話「今晩、ウチに来るの?」

電話「姉さんは、看護師とは言え軍に所属してるし」

電話「門限に間に合うまでには帰宅しても構わないから、なるべくお母さんも参加してほしいんだって」

葉菜美「……」

電話「……」

葉菜美「葉菜子。私、行くわ」

葉菜子「お父さん達にも、そう伝えといて」

466: 2013/05/17(金) 05:04:39 ID:R.J3.EJ6
電話「うん。分かった」

電話「お父さん達にも、そう伝えとく」

電話「後、兄さんが戻ってきた後にも、もう一度祝杯をするみたい」

電話「なんか、今日のお父さんかなりご機嫌でね」

電話「今度、お母さんと一緒に温泉旅行に行くんだって」

電話「それじゃあ」

葉菜美「うん。またね」

電話「は~~い」

ガチャ、ブチッ……

ツーーッ、ツーーッ、ツーーッ……

スッ、ピッ、カシャン……

葉菜美「ふぅ……」

葉菜美「さよなら。弟君……」

葉菜美「これで、一人は消し去る事が出来たわね……」

葉菜美「うふふっ……」ニッコリ

467: 2013/05/17(金) 08:09:40 ID:R.J3.EJ6
~無人島・砂浜~

半魚人「中尉。遺体、収容したぞ」

半魚人「もう、流して良いか?」

中尉「ああ、構わん」

一曹「……」

半魚人「では、遺体を流してくる」

半魚人「すぐ戻るから、少し待っていてくれ」

中尉「ああ、了解した」

一曹「……」

クルッ、ヒタヒタヒタッ……

ヒタヒタヒタッ、ヒタヒタヒタッ……

クルッ、ガシッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

一曹「……凄い力だ」

468: 2013/05/17(金) 08:09:53 ID:R.J3.EJ6
ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

中尉「……」

一曹「……」

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

中尉「……」

一曹「……」

バシャッ、スーーーーッ……

ピタッ、ジャバジャバジャバ……

半魚人「じゃあ、今から切りの良い所で沈めてくる」

半魚人「近くにいる警備艇にも、そう伝えてくれ」

中尉「ああ、了解した」

一曹「お気を付けて」

半魚人「……」

469: 2013/05/17(金) 08:10:12 ID:R.J3.EJ6
スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ピタッ、ビシッ……

金太郎「中尉。少し、宜しいでしょうか?」

金太郎「国籍不明者達が、使われなくなった例のキャンピングカーを、自分達に譲ってほしいと申しております」

中尉「……」

金太郎「ですが、この島の管理者でもあるエルフがそれに反対」

金太郎「XX少尉からも、あの車はすぐに廃車にしてほしいと言う連絡が来ております」

中尉「……」

一曹「中尉。如何致しますか?」

一曹「あの車、ヘリで運びましょうか?」

金太郎「……」

中尉「いや、ヘリで運ぶ必要なんかない」

中尉「もうじき、新たな国籍不明者達と共にホバークラフトが、ここにまでやってくる」

中尉「その帰りに、あの車は本土へと輸送」

中尉「少尉の望み通りに、すぐさま廃車になると言う寸法だ」

470: 2013/05/17(金) 08:10:25 ID:R.J3.EJ6
一曹「なら、あの車を警備致しますか?」

一曹「あの車には、多数の国籍不明者達が利用しようとしていますが」

金太郎「……」

中尉「伍長。組を率いて、君が警戒に当たれ」

中尉「それに逆らうものは、すぐに殺せ!」

中尉「この島に来た時から、彼らはもう完全にただの国籍不明者!」

中尉「これは、私からの命令だ!」

金太郎「はっ!」ビシッ

一曹「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

中尉「……」

一曹「……」

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

471: 2013/05/17(金) 08:10:44 ID:R.J3.EJ6
ザザッ、ザザッ……

スッ、カチッ……

一曹「ん? どうした?」

無線「一曹。こちら、キャンプ」

無線「新たな多数の国籍不明者達が、1400から1500にかけて順次到着」

無線「彼らは、皆非武装の男性達」

無線「第一陣は、ヘリで到着」

無線「第二陣は、ホバークラフトで到着する様です」

一曹「了解した」

中尉「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

「おい、誰か俺に食料を……」

「頼む、誰か俺に水や食料を分けてくれ……」

中尉「……?」クルッ

472: 2013/05/17(金) 08:10:56 ID:R.J3.EJ6
「ダメだ、ダメだ!」

「これは、俺達の食料だ!」

「お前は、どこか別の場所を探せ!」

「ここには、もうお前に分けてやる食料はない!」

「そんな……」

中尉「……」

「頼む。そんな事を言わずに分けてくれ……」

「俺、腹減ってしにそうなんだ……」

「あの兄ちゃんが氏んでから、まだ何も食ってないんだ……」

「煩い!」

「ううっ……」

中尉「……」

一曹「中尉。半魚人が、遺体を海に投げ入れました」

一曹「今、二体目を投げ入れた模様です」

中尉「うむ。そうか」クルッ

473: 2013/05/17(金) 08:12:32 ID:R.J3.EJ6
一曹「中尉。もうここを移動しましょう」

一曹「国籍不明者達が、多数集まってきています」

中尉「ああ、そうだな」

スッ、カチッ……

一曹「一曹よりキャンプ」

一曹「中尉が、キャンプに戻られる」

一曹「巡回中の兵士は、国籍不明者達を散らせ」

一曹「現在地は、あいつらが拠点と呼んでいた場所だ」

中尉「……」

ザザッ……

無線「こちら、第一分隊。了解しました」

無線「至急、中尉の警護に当たります」

無線「それと、つい先程から〇×大尉がお見えです」

無線「例の消えた中隊の件で、例の元中尉と話がしたい」

無線「そう、大尉がおっしゃられています」

474: 2013/05/17(金) 08:12:45 ID:R.J3.EJ6
ザザッ……

一曹「ああ、了解した」

一曹「今現在、元中尉は遺体を処理している最中だ」

一曹「それが終わり次第、元中尉は戻られる」

一曹「それまで、大尉はキャンプで待つ様にそう伝えてくれ」

中尉「……」

ザザッ……

無線「はっ、了解しました!」

中尉「……」

スッ、カチッ……

ザザッ、ザザッ……

中尉「半魚人。もう済んだか?」

中尉「状況を報告せよ」

ザザッ……

無線「……」

475: 2013/05/17(金) 08:13:15 ID:R.J3.EJ6
ザザッ……

中尉「半魚人。どうした?」

中尉「とうとう、日本語が話せなくなったのか?」

一曹「……」

ザザッ……

無線「こちら、半魚人。失礼致しました」

無線「遺体は、もう既に海に投げ入れました」

無線「これより、帰還致します」

ザザッ……

中尉「うむ、了解した」

一曹「……」

ザザッ……

一曹「元中尉。花は、投げ入れましたか?」

一曹「それについても、一応確認をしたい」

中尉「……」

476: 2013/05/17(金) 08:13:28 ID:R.J3.EJ6
ザザッ……

無線「ああ、ご心配なく」

無線「菊の花も、ちゃんと投げ入れた」

無線「それで、次はいつ新しいのが来る?」

無線「次新しい奴等が来たとしても、すぐに餓氏しそうなんだが」

一曹「……」

ザザッ……

中尉「元中尉。君がそれを考える必要はない」

中尉「彼らに関しては、もう完全に自業自得だ!」

中尉「この島で、どれだけ餓氏しようが今の我々には全く関係がない!」

一曹「……」

ザザッ……

無線「だが、いずれ彼らは成仏出来なくなる」

無線「この島には、餓えて氏んだニート達の怨霊が多数存在」

無線「おまけに、多数の捨て猫達の怨霊まで一緒となってきた」

477: 2013/05/17(金) 08:13:41 ID:R.J3.EJ6
ザザッ……

中尉「元中尉、君は何も考えずにここに戻ってこい」

中尉「それが終われば、〇×大尉が君と面会をする」

中尉「どうせ、君もこの島からは出れないのだ!」

中尉「だから、さっさと撃ち殺されたくなかったら、今すぐここに戻ってこい!」

一曹「……」

ザザッ……

中尉「聞こえとるのか?」

一曹「……」

ザザッ……

無線「了解した」

ザザッ……

中尉「それで良い」

一曹「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

478: 2013/05/17(金) 08:13:53 ID:R.J3.EJ6
ダ----ン……

ダダンダンダン……

一曹「……?」クルッ

ザザッ……

一曹「何だ? 今の銃声は?」

中尉「……」

ザザッ……

無線「こちら、第二分隊。国籍不明者を三名射殺」

無線「分隊内に、怪我人なし」

中尉「……」

ザザッ……

一曹「こちら、一曹。了解した」

一曹「第一分隊。まだ着かないのか?」

一曹「もう、ここに着く頃か?」

中尉「ん?」ハッ

479: 2013/05/17(金) 08:15:25 ID:R.J3.EJ6
ストトトトトッ、ストトトトトッ……

一曹「……」ハッ

ストトトトトッ、ストトトトトッ……

ピタッ、ピタッ……

中尉「おい、遅かったな」

中尉「一体、何を手間取っていた?」

一曹「……」

二曹「はっ、申し訳ありません」

二曹「少し、巨大猫に呼び止められておりました」

二曹「彼女が言うには、少しこの島で散歩をする」

二曹「そう、彼女が申しておりました」

一曹「……」

中尉「ああ、それでか……」

中尉「それで、君達は遅くなったのか……」

二曹「はい。そうです」

480: 2013/05/17(金) 08:15:37 ID:R.J3.EJ6
中尉「一曹。もう戻るぞ」

中尉「半魚人は、もう戻ってきたか?」

一曹「……いえ、まだです」

二曹「……」

中尉「全く、半魚人は何をしている」

中尉「何をちんたら、一人で船を漕いでいるのだ」

一曹「……」

二曹「……」

ザザッ……

無線「中尉。こちら、XX伍長」

無線「例のキャンピングカーの移動許可を」

無線「ここでは、警備に支障をきたします」

無線「ですので、キャンピングカーの移動の許可を願います」

中尉「……」

481: 2013/05/17(金) 08:15:49 ID:R.J3.EJ6
ザザッ……

一曹「こちら、一曹」

一曹「キャンピングカーの移動を許可する」

一曹「伍長達は、そのままキャンピングカーをキャンプ前にまで移動」

一曹「その後はキャンプ前に駐車し、車両及び付近の警戒を継続せよ」

ザザッ……

無線「はっ、了解致しました!」

二曹「……」

中尉「一曹、もう戻るぞ」

中尉「半魚人は、もうほっとけ」

一曹「はっ!」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

ザザーーン、ザザーーン……

ザザーーン、ザザーーン……

482: 2013/05/17(金) 08:16:02 ID:R.J3.EJ6
数分後ーー

スーーーーッ、バシャ……

ジャバジャバジャバッ、ジャバジャバジャバッ……

半魚人「……」

巨大猫「うむ。戻ったか」

半魚人「ああ、まあな」

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ヒタヒタヒタッ、ジリジリジリッ……

ピタッ、ジリッ……

半魚人「……それで、何の様だ?」

半魚人「お前、向こうに引っ越したんじゃなかったのか?……」

巨大猫「ああ、そうじゃが」

半魚人「なら、ここに何の様だ?」

半魚人「まさか、また今日も新たなニート達がここに来るのか?」

巨大猫「うむ。そうじゃよ」

483: 2013/05/17(金) 08:16:14 ID:R.J3.EJ6
半魚人「はぁ……また、来るのか……」

半魚人「一体、何人来るのやら……」

半魚人「お前、何か聞いてるか?……」

半魚人「一体、いつまでこんな事をしなくちゃいけないんだよ……」ガクッ

巨大猫「ああ、そうじゃな」

半魚人「……」

ニート達「……?」

巨大猫「とりあえず、早くそなたはキャンプに戻られよ」

巨大猫「妾は、ここでこの船の見張りをしとく」

巨大猫「まだ妾達は、この島での役目を果たさなければならない」

巨大猫「ここも、妾達にとっては生まれ故郷じゃからな」

半魚人「……」

クルッ、スタスタスタッ……

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

カァ、カァ、カァ、カァ、カァ、カァ……

484: 2013/05/17(金) 08:16:44 ID:R.J3.EJ6
巨大猫「銀次郎。そこにおるか?」

巨大猫「今のそなた、本当に氏んだのか?」

銀次郎「……」ヌッ

巨大猫「おおっ、そこにおったか」クルッ

巨大猫「今のそなたは、本当に氏んだ様じゃな」

銀次郎「……」コクン

巨大猫「それで、成仏出来るか?」

巨大猫「今の妾の力が、そなたには必要か?」

銀次郎「……」コクン

巨大猫「なら、今から妾があの世へと送ってやる」

巨大猫「そなたの他にも、多数妾の回りに集まってきとる」

巨大猫「一旦、妾の前に横に並べ」

巨大猫「まずは、送る前に話しておきたい事があるのじゃ」

銀次郎「……」

スタスタスタッ、スタスタスタッ……

485: 2013/05/17(金) 08:20:42 ID:R.J3.EJ6
巨大猫「うむ。並び終えたな」

巨大猫「では、妾も話を始めるとしよう」

巨大猫「まず最初に、そなた達がここに送られてきたのは、因果応報なのじゃ」

巨大猫「人によっては、自業自得なのかもしれぬ」

幽霊達「!?」

巨大猫「今まで、そなた達はどれだけ家族に迷惑を掛けてきたか」

巨大猫「それを、一度でもそなた達は考えた事はあったのか?」

幽霊達「……」

巨大猫「妾は、今までここで大勢の人間達を見てきた」

巨大猫「皆、ここに来た時から酷く絶望的な顔をしよる」

巨大猫「ほれ、あそこで泣いておる男が昨日までのそなた達じゃ」

巨大猫「その前では、まるで他の男達が見せつけるかの様に、自分達だけが食事を開始」

巨大猫「誰も、あの泣いておる男には食事を与えたりはしない」

巨大猫「今まで、自分達がどれだけ恵まれていたかについてを、そなた達は自覚しなければならん」

幽霊達「……」

486: 2013/05/17(金) 08:21:09 ID:R.J3.EJ6
巨大猫「じゃから、そなた達はもう暫くここにいよ」

巨大猫「ここに残りたい者はここに残り、ここに残りたくない者はここを立つ」

巨大猫「もう時期、ここに異世界から多数の氏神達が来る」

巨大猫「そ奴等は、そなた達の事を迎えに来た存在じゃ」

巨大猫「ただし、もう二度と生まれ変わる事は出来ない」

巨大猫「その氏神達に連れられた後は、向こうでも全く生前と同じ運命を繰り返す事になる」

幽霊達「……」

巨大猫「じゃから、ここに残りたい者は残り、ここに残りたくない者はここを立つ」

巨大猫「それを決めるのは、今ここにおるそなた達じゃ」

巨大猫「全ては、そなた達が決めなくてはならない事なのじゃ」

幽霊達「……」

ヒューーーー----ッ、ヒューーーー----ッ……

巨大猫「ん? もう来たか?」

巨大猫「今回は、ちと早過ぎるな」

幽霊達「!?」

487: 2013/05/17(金) 08:21:22 ID:R.J3.EJ6
巨大猫「さらばじゃ、銀次郎」

巨大猫「そなたがここで氏んだ理由は、そなたの実の父にある」

巨大猫「そなたの父は、この島で昔多数の猫を捨てた」

巨大猫「そなた達がここで氏んだのも、因果応報なのじゃ」

幽霊達「……」

巨大猫「妾の今の役目は、そなた達を成仏させる事」

巨大猫「もう安心して、あの世へと旅立つが良い」

巨大猫「そなた達は運が良ければ、また再び来世でも人間として生まれ落ちる」

巨大猫「そう、それも七代先まで呪われながらもな」ニヤリ

幽霊達「……」

フワフワッ、フワフワッ……

フワフワッ、フワフワッ……

スーーーーッ、シュタッ……

巨大猫「……」

氏神達「……」

488: 2013/05/17(金) 08:21:35 ID:R.J3.EJ6
氏神「巨大猫。ご苦労だった」

氏神「後は、我々に任せてくれ」

幽霊達「……」

巨大猫「ああ、了解した」

巨大猫「また、明日。そなた達を呼ぶ必要がある」

巨大猫「じゃから、またそなた達もここに来ておくれ」

幽霊達「……」

氏神「いや、その必要はないな」

氏神「上から、ここに暫く滞在をしておけとの命令だ」

巨大猫「……」

氏神「だから、暫くの間はここでお世話になる」

氏神「良いな?」

巨大猫「ああ、了解した」

幽霊達「……」

スッ、チャキッ……

489: 2013/05/17(金) 08:21:46 ID:R.J3.EJ6
こうして、銀次郎は葉菜美によって殺された。

銀次郎を捨てた後の銀次郎の家族達は、皆、嬉しそうに何度も何度も祝杯をあげた。

それについては、巨大猫達がいる無人島に送られてきた数多くのニート達の家族達も同じ気分。

皆、ニートを抱える事で大分苦労してきた。

本当に、ニートは生きる価値すらない。

常に、ニートを抱える家族達には、大きな負担となってしまっている。

極めて自己中で我が儘で、誰からも必要とされていない存在だ。

490: 2013/05/17(金) 08:21:58 ID:R.J3.EJ6
その後、葉菜美は新たに実の兄をすぐに抹頃した。

それを終えた後、葉菜美は表向きには実の父と和解し、実の父を上手く罠に嵌めていった。

その結果、実の父は妻からDVを理由に離婚を切り出され、なす術もなく熟年離婚。

葉菜美は、それについては全く知らん顔。

実の父は、葉菜美が30になるまで寂しい老後を過ごす事になる。

後に、葉菜美が30になる頃には実の父は病氏し、葉菜美の胸の支えがようやく取れる。

それを取り除いた後の葉菜美は、今後は復讐に燃える事なく、平穏無事な余生を家族と共に過ごす事になるのだった。

弟「また、姉さんが変なのを買ってきた……」/完

491: 2013/05/17(金) 08:22:12 ID:R.J3.EJ6
この話は、これで終わりです。

今まで読んで下さった皆様、ありがとうございます。

493: 2013/05/18(土) 00:44:33 ID:no9MboS6
謎残り過ぎワロスwwwwwwww

494: 2013/05/18(土) 19:18:03 ID:K.UMKQ7A
謎が残るENDだった

引用: 弟「また、姉さんが変なのを買ってきた……」