11: 2008/08/17(日) 00:35:35.70 ID:MaPulo0JO
ハルヒ「はあ、暇ねえ」

いつもと変わらない放課後、俺はいつものように古泉とオセロをしていた。
まあハルヒがこんな事を言うのはしょっちゅうだからな。どうせ次はこう言うに決まってる。

ハルヒ「なんか面白い事ないかしら」

ほらな。
まったく、予想を裏切らない奴だぜ。
いつもなら、この後俺や朝比奈さんがとばっちりを食うんだが、今日は違っていた。
ドゴォォォン、といきなり何か大きな物が落ちてきたような音が外から響いてきて、更に悲鳴があがりはじめたのだ。

ハルヒ「え? 何あれ!?」

窓の外を見たハルヒは一目散に部室を飛び出した。
そりゃあ全長二十メートルを越えるような怪物なんて、ハルヒ好みだっただろうからな。
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12: 2008/08/17(日) 00:43:34.35 ID:MaPulo0JO
古泉「な、なんなんですか、あれは」

おお、古泉も取り乱してるな。なかなか珍しい。
それでも、流石は機関と言うべきか、古泉は電話をかけながら部室を出て行った。
超能力者があんな怪物に太刀打ち出来るとは思わないがな。

朝比奈さんは掃除当番だったらしく、まだ部室には来ていなかったから、今部室にいるのは俺と長門だけだ。

キョン「おい、長門」

長門「分かっている。ついに来た」

長門はそう言うと、本を閉じ立ち上がる。
そして俺に問いかけた。

長門「覚悟はいい?」

キョン「おう」

14: 2008/08/17(日) 00:52:12.68 ID:MaPulo0JO
俺の返事を聞いた長門は、少し頷いた後小声で何か呟く。

長門「……終了。座標指定。空間接続」

長門「手を」

長門が差し出して来た右手を躊躇せず掴む。
その瞬間、俺は何か重機の運転席のような空間にいた。

長門「操縦は私がサポートする。安心して」

キョン「ああ」

俺の目の前には怪物。
なんだ、よく見れば機械じゃないか。
部室から見た時は巨大に見えたが、今の俺は機械の怪物を少し見下ろすような感じだ。

長門「………………大丈夫」

キョン「ああ。やってやるさ」

キョン「超宇宙ロボ、ナガトカイザー、起動!!」

15: 2008/08/17(日) 01:05:19.73 ID:MaPulo0JO
俺の掛け声と共に、ナガトカイザーの目に光が灯る。
やってやる、俺はこのナガトカイザーで地球を救うんだ。

長門「出力安定、無事に起動した」

長門の声と同時に、目の前の怪物がこちらに向かって動き出す。
俺達を敵だと認識したようだ。
ノコギリのような物が付いている腕をこちらに振り回してくる。
あんな物が当たればひとたまりもないだろう。
と言うより当たった。
とっさの事で回避行動がとれなかったのだ。

キョン「うおっ!?」

だが。

長門「ナガトカイザーの装甲は、その程度の攻撃では破れない」

キョン「長門!?」

長門「損傷率、ゼロ」

16: 2008/08/17(日) 01:16:54.41 ID:MaPulo0JO
は、はは。少しびびった俺がバカみたいだな。
怪物は何度も何度も腕を振り回し、こちらにぶつけてくる。
だが、いくら繰り返されようとナガトカイザーの装甲にはキズ一つつかない。
ふはは、圧倒的ではないか。

長門「このままでは、周りの家屋に二次災害が及ぶ可能性がある。早急に攻撃を」

キョン「ん、そうだったな」

とは言え……こいつの武器は何があるんだ?
やっぱりトマホークとか、ビームサーベルとかか?
うむ、ただ単にビームだけでもいい。いかにも必殺技っぽい。

長門「武器を装備する」

長門の操作に合わせ、ナガトカイザーの両腕が腰へと回される。
どんな武器なのだろう、楽しみだ。

そして、前に出された拳が握っていた物は!


…………あの、なんでハサミなんすか、長門さん。

17: 2008/08/17(日) 01:29:48.23 ID:MaPulo0JO
長門「ただのハサミではない。超高質量物質を限界まで圧縮し形成されたブレードを持つナガトカイザー専用のハサミ」

長門「このハサミを傷付けるような物質はこの世に存在し得ず、理論上ではこのハサミに斬れない物は存在しない」

キョン「はあ……」

長門「更に、ハサミという形状にしたのにも理由がある」

長門「あなたのような素人がいきなり武器を持っても、上手く扱う事は難しい。むしろ扱いなれている物のほうが良い。そう判断した」

そっか……だからハサミなんだ……。
そうだよね、俺なんかがこんな巨大ロボを動かせるだけでも奇跡だもんね。
そこに武器の扱いなんてやらせられないよね。

長門「早く攻撃を」

ああ、分かってんよ!
俺は思いっきりハサミを怪物へと突き刺す。
長門の言っていた事は本当で、物凄く固そうな怪物の装甲でもなんの抵抗もなく突き刺さる。

19: 2008/08/17(日) 01:40:09.68 ID:MaPulo0JO
キョン「おらおらおらおら!!!」

怪物にハサミで挑む巨大ロボ。
こんなシュールな光景を思い浮かべるのも嫌で、俺は一心不乱に怪物へと攻撃を加える。
最初の内は抵抗していた怪物も、今やそこかしこから火花を散らし傾いている。

長門「当該対象の弱体化、同時にコアを確認。とどめを」

キョン「これで終わりだぁぁぁあ!!!」

ハサミを振り上げ、長門が言うコアへと振り下ろす。
大規模な爆発が起こる事もなく、怪物は沈黙した。
よく見ると下の方から消えている。

長門「コアに攻撃を加える事により情報連結解除のコードを打ち込んだ」

…………なるほど。

20: 2008/08/17(日) 01:49:11.76 ID:MaPulo0JO
ハルヒ「ねえねえ、キョン! あの巨大ロボなんなのかしら!」

あの後、部室に戻るとハルヒも戻っていた。
とても嬉しそうに目を輝かせながら様々な推論を語っている。

ハルヒ「アメリカの兵器? それとも自衛隊かしら? まさかまさか勇者ロボとかじゃないわよね!?」

古泉「それにしても、あの怪物もなんだったのでしょう」

ハルヒ「あ、そうね! みた感じあれもメカっぽかったわよね!
    何かしらね! 某国の兵器とか!?」

キョン「さあな」

ハルヒ「んもう、あんたってば夢が無いわね! 有希! あなたどう思う!?」

長門「…………ロボ」

そのまんまじゃないっすか、長門さん。

21: 2008/08/17(日) 01:53:22.09 ID:MaPulo0JO
そんなやりとりを見ながら、俺は数日前の事を思い出していた。



長門「急進派がクーデターを起こした」

キョン「は?」

長門「情報統合思念体の急進派がクーデターを起こし、分離した」

長門「今では急進派は我々情報統合思念体とは別物」

キョン「おいおい、それじゃまた朝倉みたいなやつに命を狙われるかもしれないって事か?」

長門「事態はもう少し深刻」

22: 2008/08/17(日) 01:59:30.78 ID:MaPulo0JO
キョン「どういう事だ?」

長門「急進派はもはや涼宮ハルヒを解析する事を望んでいない。危険と判断し、消滅させるべきだと考えている」

キョン「な……」

長門「涼宮ハルヒだけでなく、影響を受けたと思われる周囲の環境まで破壊対象」

長門「よって、それらを破壊するために、全長二十メートルクラスのインターフェースを送り込んでくる可能性がある」

キョン「二十……ってどうすんだよ、そんなの!」

長門「こちらとしても、対処出来るインターフェースを用意する」

キョン「そうか」

23: 2008/08/17(日) 02:05:00.42 ID:MaPulo0JO
長門「しかし、これには問題がある」

キョン「なんだ、問題って」

長門「このインターフェースを制御するには私のようなインターフェースが一体では不十分」

長門「よって、あなたにサポートしてもらいたい」

キョン「は?」

長門「平たく言えば」

長門「あなたに巨大ロボの操縦を頼みたい」


それから俺は長門にナガトカイザーについて説明され、今日を迎えたって訳だ。

ハルヒ「キョン! 聞いてるの!?」

キョン「ん? ああ、悪い。何だ?」

ハルヒ「まったく……ちゃんと聞いてなさいよ!」

ハルヒ「あの巨大ロボを探しに行くわよ!」

24: 2008/08/17(日) 02:06:51.34 ID:MaPulo0JO




涼宮ハルヒの鋼鉄


超宇宙ロボ・ナガトカイザー

第一話「ナガトカイザー起動!」


27: 2008/08/17(日) 02:14:28.87 ID:MaPulo0JO
てか見てる人いたのかな
まあ深夜だしこんなもんか

それじゃ最後に
朝倉は俺の嫁

パイナポゥでした

28: 2008/08/17(日) 02:15:41.84 ID:cU2RnH6H0

引用: ハルヒ「○○○○○を探しに行くわよ!!」