1: 2008/08/04(月) 00:36:42.06 ID:08K8DOd20
真紅「……」

真紅「コレを着れば、私の人気も上がるのかしら……お父様」


3: 2008/08/04(月) 00:43:15.66 ID:22qXHS4h0
真紅「……というわけで着てみたのだけれど」

くるっ

真紅「やはり私は何を着ても似合うわね」

真紅「……」

真紅「胸のところがゆるいのは、まあ勘弁してあげるわ」

ガチャッ

真紅「!?」

JUM「おーい真k……」

真紅「ま、待ちなさいジュン! これは違うの!」

JUM「ど、どうして……」

真紅「決して水銀燈の人気に嫉妬したわけではないの。そう、これは……」

JUM「どうして水銀燈がここに!?」

真紅「……」

真紅「えっ?」

6: 2008/08/04(月) 00:46:22.70 ID:22qXHS4h0
真紅「ねえジュン。貴方何を言っているの?」

JUM「っ! そ、そこにあるのは真紅の服……」

真紅「ええ、そうよ。キチンとたたんだの」

JUM「水銀燈! お前、真紅をどこへやった!」

真紅「いや、だから私はここに……」

JUM「ふん、そんな嘘に騙されるもんか!」

真紅「待って頂戴。あなたが何を言っているのか理解出来ないわ」

JUM「だって、お前はそんなにも黒いじゃないか!」

真紅「……」

真紅「えっ?」


9: 2008/08/04(月) 00:49:34.37 ID:22qXHS4h0
真紅「ねえジュン。私よ、真紅よ」

JUM「はっ! 僕がそんな嘘に騙されるとでも?」

真紅「嘘じゃなくて……」

JUM「僕が眼鏡をかけていなかったら騙されただろうさ!」

真紅「……」

JUM「だけど、僕は今眼鏡をかけているんだ!」

真紅「ジュン。その眼鏡は今すぐ作り直した方がいいわ」

JUM「お前にそんなことを指図される覚えはない!」

真紅「……」

10: 2008/08/04(月) 00:52:30.58 ID:22qXHS4h0
真紅「きっと度が合っていないのよ」

JUM「ふん、お前に何がわかるっていうんだ」

真紅「私じゃなくてもわかるのだわ」

JUM「っ! 口調まで上手に真似るもんだな水銀燈!」

真紅「……」

JUM「だけど今のお前は奪った真紅の服を着る前だ! 残念だったな!」

真紅「……ねえ、私があの服を着ていたら、私が真紅だと認識していたの」

JUM「当たり前だろ」

真紅「えっ?」

JUM「だって、真紅は赤いからな!」

真紅「……」

真紅「えっ?」

12: 2008/08/04(月) 00:56:15.77 ID:22qXHS4h0
真紅「あ、あなたは今まで私達を色で認識していたというの!?」

JUM「え? うん」

真紅「アッサリ認めないで頂戴!」

JUM「うるさいなあ。水銀燈には関係ないだろ?」

真紅「だから私は……」

JUM「まあ、お前があんまりにもしつこいから言うけどさ」

真紅「?」

JUM「僕の知ってる真紅は、水銀燈の服を着たりしないよ。例え人気のためだろうとね」

真紅「……」

JUM「だから、お前は水銀燈本人だ! 黒いし!」

真紅「……」

真紅「よ、よくわかったじゃなぁいのだわ!」

14: 2008/08/04(月) 01:00:08.98 ID:22qXHS4h0
JUM「ははっ! やっと認めたか水銀燈!」

真紅「あ、貴方があんまりにもしつこいからよぉ~う?」

JUM「あれ? なんかいつもと口調が……」

真紅「っ! そ、そんなことを気にするなんて変な人間ねぇん?」

JUM「むう……なんかお色気お姉さんみたいだな」

真紅「そ、そうなのよぉ~ん」

JUM「あれ? なんかいつもより胸が小さくないか?」

真紅「ほっといて頂戴!」

JUM「そ、その迫力! まさしく水銀燈だ!」

真紅「……」

17: 2008/08/04(月) 01:03:54.87 ID:22qXHS4h0
ガチャッ

真紅「!」

翠星石「チビ人間はここにいたですか」

蒼星石「お、お邪魔してますジュンくん……」

JUM「へえ、お互いの着てる服を取替えっこしてるのか」

真紅「!?」

翠星石「そうなんですよ! どうですかチビ人間。翠星石の新たな魅力にメロメロですかぁ?」

蒼星石「す、スカート……に、似合うかな?」

JUM「うん、二人共すごく似合ってるぞ」

真紅「!!?」

18: 2008/08/04(月) 01:06:24.26 ID:Cze635uK0
泣いた

22: 2008/08/04(月) 01:08:31.35 ID:22qXHS4h0
真紅「待ちなさいジュン。話が違うわ」

JUM「ごめん水銀燈。今忙しい。あと口調」

真紅「わ、わかったわぁん」

翠星石「ポニーテールにしてみたんですけど、どうですか?」

JUM「ああ、すごく似合ってるよ。元気な感じがすごく出てる」

翠星石「そ、そんなに褒めるなですぅ!///」

蒼星石「うぅ……やっぱりスースーするよ」

JUM「蒼星石も似合ってるぞ。まるでお姫様だ」

蒼星石「お、お姫様!? な、なんだか照れちゃうな……///」

真紅「……ねえジュン」

JUM「なんだよ水銀燈」

真紅「……」

28: 2008/08/04(月) 01:14:33.85 ID:22qXHS4h0
JUM「二人共、ちょっと記念にだっこしていいか?」

翠星石「な、なんの記念ですか! でも、す、翠星石は構わねーですよ」

蒼星石「この恰好でかい? な、なんだか恥ずかしいや……」

真紅「……」ヌギヌギ

JUM「それっ!」

翠星石「ひょえっ!?」

蒼星石「うわあっ!?」

真紅「……」ゴソゴソ

翠星石「ふ、二人いっぺんなんて危ないじゃないですか!」

蒼星石「び、びっくりしたよジュンくん」

JUM「ははは、ごめんごめん」

30: 2008/08/04(月) 01:18:19.56 ID:22qXHS4h0
翠星石「な、なんだかいつもと違って恥ずかしいですね///」

蒼星石「そ、そうだね///」

JUM「ん? どうしてだ?」

真紅「……ジュン、紅茶を入れて頂戴」

JUM「あれ、真紅。いつからそこにいたんだ?」

真紅「さっきよ。ちゃんと赤いのだわ」

JUM「何言ってるんだ。お前が赤いのなんて当たり前じゃないか」

真紅「……」

真紅「い、いいから紅茶を入れて頂戴!」

33: 2008/08/04(月) 01:21:32.42 ID:22qXHS4h0
ガチャッ

雛苺「うえ~ん! ジュン~!」

JUM「ど、どうしたんだ雛苺? なんで裸なんだ」

雛苺「ひっく、ひっ、うええ~ん!」

翠星石「す、翠星石は何もしてねーですよ!」

蒼星石「……誰も何も言ってないよ翠星石」

真紅「雛苺、何があったの?」

雛苺「ひっく……ひっ……す、水銀燈に服をとられたの~!」

38: 2008/08/04(月) 01:25:45.20 ID:22qXHS4h0
翠星石「ぬ、ぬわんですってぇ!?」

蒼星石「どうして水銀燈がそんな真似を……」

雛苺「うええ~ん!」

JUM「どんな理由が……」

真紅「べ、別にそれほど悪いことでもないと思うの」

JUM「はぁ!? どうしてあんな奴のことを庇うんだよ真紅!」

真紅「そ、それは……」

真紅「……」

真紅「あ、あの子も私達の姉妹だからよ!」

43: 2008/08/04(月) 01:29:53.84 ID:22qXHS4h0
JUM「だからってなぁ、やっていい事を悪い事があるだろ!?」

雛苺「え~ん!」

真紅「怒鳴らないで頂戴」

JUM「……じゃあ、どうして水銀燈が追い剥ぎみたいな真似をしたんだよ」

真紅「お、追い剥ぎ……?」

JUM「だって水銀燈の方が雛苺より人気があるじゃないか! 理由が見当たらない!」

雛苺「びぃええええああああ~~~~~ん!!!!」

真紅「待ちなさいジュン! 雛苺に謝って」

JUM「メンゴ」

雛苺「わかればいいの」

真紅「ねえ、軽いんじゃない!?」

48: 2008/08/04(月) 01:33:54.81 ID:22qXHS4h0
JUM「うるさいなぁ。大体……」

…フワッ

水銀燈「……あらあら、お楽しみのようねぇ」

真紅「このややこしい時に!」

JUM「な、なんだって!?」

水銀燈「さぁ真紅! 私の服を返してもらうわぁ!」

真紅「っ!」

JUM「ひ、雛苺が二人いる!?」

水銀燈「……」

真紅「……」

真紅・水銀燈「えっ?」

54: 2008/08/04(月) 01:39:24.88 ID:22qXHS4h0
JUM「くそっ! 一体何がどうなって……!」

水銀燈「ま、待ちなさぁい! 私は……」

真紅「……あら、雛苺。その口調は水銀燈の真似かしら?」

水銀燈「し、真紅!? あなたまで何を言っているのぉ!?」

雛苺「んしょ、んしょ……着れたのー!」

JUM「おお、雛苺。水銀燈の恰好か?」

真紅・水銀燈「!?」

JUM「結構似合うな。小悪魔って感じだ」

雛苺「ヒナ悪魔じゃないの! でも、あ、ありがとなの……」

真紅・水銀燈「……」

59: 2008/08/04(月) 01:44:08.03 ID:22qXHS4h0
翠星石「……なんだか今日はややこしい日ですねぇ」

蒼星石「うん。でも楽しいね!」

水銀燈「待ちなさぁい! 私は、私は誇り高きローゼンメイデン第一ドールのs」

真紅「あら、あなたが水銀燈だとしたらその服はどうしたの?」

水銀燈「そ、そんなのあなたが私の服を奪ったように……」

真紅「言いがかりはよして頂戴」

水銀燈「なんですってぇ!?」

真紅「ローゼンメイデンが追い剥ぎをするはずがないのだわ」

水銀燈「!?」

雛苺「ジュン登り~!」

JUM「な、なんだか水銀燈に登られてるみたいで複雑だなぁ」

60: 2008/08/04(月) 01:48:04.47 ID:22qXHS4h0
水銀燈「そ、それは……」

真紅「ねえ、そうでしょう雛苺?」

水銀燈「た、確かにそうだったわぁ」

真紅「あら、口調が変ね」

水銀燈「お、覚えてるのぉ!」

真紅「まるで九州男児のような口調ね」

水銀燈「くうっ……!」

JUM「まあまあ、そんなにからかうもんじゃないぞ。水銀燈がかわいそうだろ」

真紅・水銀燈「……」

真紅・水銀燈「えっ?」

63: 2008/08/04(月) 01:51:32.85 ID:22qXHS4h0
真紅「じゅ、ジュン? あなたはじめから……」

水銀燈「わ、私達を騙していたってわけぇ!?」

JUM「無論」

真紅「そ、そんな……私はてっきり」

JUM「はは、色だけで認識なんてあるはずないじゃないか」

水銀燈「あなた、人間の分際で!」

JUM「あんまりカッカするなって。パンツ見えるぞ。あ、見えてるか」

水銀燈「っ!」

JUM「まあ、飽きたらちゃんと服を皆元通りに……」

???「楽しそうね! 私も混ぜるかしら~!」

68: 2008/08/04(月) 01:54:20.38 ID:22qXHS4h0
JUM「だ、誰だっ!?」

翠星石「この声は……」

蒼星石「……うん、間違いないよね」

雛苺「なの~」

真紅「はぁ……また面倒なのが」

水銀燈「……私は馴れ合いごっこをするつもりはないわぁ」

金糸雀「か、カナも混ぜて欲しいかしら!」

JUM「誰だお前は!?」

金糸雀「……」

金糸雀「えっ?」


おわり

70: 2008/08/04(月) 01:55:52.93 ID:OK9Kg3ap0
ちょww

72: 2008/08/04(月) 01:56:39.80 ID:kTjTlxyf0

77: 2008/08/04(月) 02:06:01.43 ID:JOm58wQG0
いいオチだった。

引用: 真紅「……これは、水銀燈の服なのだわ」