1: 2013/01/28(月) 03:09:59.04 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「……」

プルルルル

おねえさん「はい、こちら大人電話相談室です」

男「あの……少しいいでしょうか」

おねえさん「はいどうぞ。遺産問題から抜け毛の悩みまで、なんでもご相談ください」
ふらいんぐうぃっち(13) (週刊少年マガジンコミックス)
4: 2013/01/28(月) 03:11:14.78 ID:BxE1wPRC0
男「その、あのぉ……実は私、妻がおりましてですね……」

おねえさん「あら、ご結婚されていらっしゃるんですね。今日はその奥さんとのことで相談を?」

男「ハイ。その、妻が……実はその……あの、宗教にはまってしまっていてですね」

おねえさん「宗教ですか……」

男「ハイ、ハイ。そうなんです、宗教なんです」

6: 2013/01/28(月) 03:13:04.65 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「人は誰でも信仰の自由がありますが、あなたはその事で困っていらっしゃると、そういうことですか?」

男「ハイ、そうなんです……その、妻が言うにはですね、妻は未来が見通せるらしいんですよ」

おねえさん「未来が」

男「そうです、未来です」

おねえさん「それはどれくらい先のことなのでしょうか」

男「わかりません。私はもう、それを話す妻の目が怖くてそれ以上は何も聞けなかったのです」

おねえさん「それはそれは……」

7: 2013/01/28(月) 03:14:05.03 ID:BxE1wPRC0
男「妻が言うにはさる偉い先生に霊視をしてもらったところ……あ、霊視というのはですね、その、なんて言うのかなぁ……守護霊みたいなのを見てもらうって言ってました」

おねえさん「守護霊」

男「そうです、守護霊です」

おねえさん「それは凄い力ですねぇ、守護霊」

男「凄いですね。でも怖いんですよ……妻も、その、守護霊のことを話す先生も。妻ときたら先生に霊視してもらってからというもの、私には不思議な力が宿ったといって聞かないんです」

8: 2013/01/28(月) 03:15:00.96 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「宿ってるんですか?」

男「分かりません。でも怖いんですよ」

おねえさん「怖い」

男「怖いんです。妻がこれからもずっとあの調子だと思うともう、怖くて怖くて夜も眠れないんです」

おねえさん「奥様が理解できないことが怖いのですね」

男「そうです、怖いんです」

おねえさん「恐怖感がなくなれば良いと……分かりました、ひとつ良いアイデアがあります」

男「なんですか?」

12: 2013/01/28(月) 03:17:25.15 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「あなたも霊が見えるようになれば良いんです。そうすればいずれ未来も見えるようになります。仮に未来が見えなくても奥様との距離が縮まること間違いなしです」

男「む、無理ですよ……霊なんて普通の人に見えるわけないじゃないですか」

おねえさん「大丈夫ですよー、普通の方でも霊が見えるようになるとっておきの秘策がありますから」

男「本当ですか?」

おねえさん「はい」

男「教えてください」

おねえさん「後ろ見ろ」

ガチャリ


ツーツーツー

13: 2013/01/28(月) 03:18:57.37 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「……」

プルルルル

おねえさん「はい、こちら大人電話相談室です」

女「ちょっといい?」

おねえさん「どうぞどうぞ。両親の介護問題から手軽なダイエットまで、なんでもご相談ください」

14: 2013/01/28(月) 03:19:47.17 ID:BxE1wPRC0
女「宇宙人って信じる?」

おねえさん「宇宙人ですか」

女「そう」

おねえさん「はい、信じていますよ」

女「じゃあ月の裏にある秘密基地は?」

おねえさん「この前の休暇で遊びに行きました」

16: 2013/01/28(月) 03:20:55.25 ID:BxE1wPRC0
女「ホントに!?じゃ、じゃあ巨大クレーターに潜む銀色タコのこと分かる!?」

おねえさん「んー、あれは銀色タコではなくてですね、六角プラズマ生命体なんですよ」

女「あぁ、やっぱりそうなんだ……ネットの情報なんて信じるものじゃないわね」

おねえさん「疑問が解決できたようでなによりです。相談というのは先ほどの質問でよろしかったですか?」

女「ま、まだあるわ!」

おねえさん「はい、どうぞなんでも仰ってください」

18: 2013/01/28(月) 03:22:10.74 ID:BxE1wPRC0
女「地球の裏側に広がる地底世界はいつ地上を支配しにくるの!?」

おねえさん「アハハ、心配しなくても大丈夫ですよ。地底世界の生命体が注目しているのは暗黒物質と多元空間層の移動ですから、人類が滅んだ後にでもならないと地上には来ないでしょうね」

女「な、なんだ……よかった……安心しちゃった」

おねえさん「それはよかった」

女「ねぇ」

おねえさん「ハイ」

19: 2013/01/28(月) 03:22:59.46 ID:BxE1wPRC0
女「どうして宇宙人って地球を狙ってこないの?この星は、すごく綺麗で価値のある星で、そんな星に住む私たちに興味を持たないなんておかしいと思わない?」

おねえさん「んー、私は思いませんよ」

女「どうしてよ」

おねえさん「そもそも、宇宙人が私たちに興味をもっていない、というのが間違いです」

女「え?」

20: 2013/01/28(月) 03:24:22.98 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「三十五年前に宇宙人によって全人類が捕獲され、脳を連結した仮想空間で飼われているのはご存じですよね」

女「え、えぇ?」

おねえさん「超長期航行における生体船舶への燃料供給のために繁殖させられた加工人類が氾濫を起こさないように仮想世界でずっと同じ記憶を繰り返しているじゃないですか、その過程で」

女「え、ちょ、ちょっと待って」

おねえさん「でありますから、結局は生理的なストレスを鑑みて五十年サイクルでの人生を終えた個体から順に溶解処理を行って」

女「あ、あの、ちょ」

21: 2013/01/28(月) 03:25:26.54 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「……あ、ごめんなさい。これ話しちゃいけなかったんだ」

女「え?」

おねえさん「本当にごめんなさい、お疲れ様でした」

ガチャリ


ツーツーツー

25: 2013/01/28(月) 03:28:45.69 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「……」

プルルルル

おねえさん「はい、こちら大人電話相談室です」

子供「……あのぉ」

おねえさん「おかけになった電話番号は現在使われておりません」

子供「そ、その……」

おねえさん「おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われておりません。
おかけになった電話番号は現在使われておりません。おかけになった電話番号は現在使われており」


ガチャリ


ツーツーツー

26: 2013/01/28(月) 03:29:21.16 ID:ypfbc+my0
子供は駄目なのね

27: 2013/01/28(月) 03:29:39.12 ID:4wiMxX0y0
大人電話相談室だもの

28: 2013/01/28(月) 03:29:42.15 ID:BxE1wPRC0
おねえさん「……」

プルルルル

おねえさん「はい、こちら大人電話相談室です」

犬「ワン!」

おねえさん「わんっ!」


ガチャリ


ツーツーツー

29: 2013/01/28(月) 03:30:38.30 ID:ypfbc+my0
犬も駄目なのね

30: 2013/01/28(月) 03:31:04.79 ID:BxE1wPRC0
おしまい

32: 2013/01/28(月) 03:31:18.79 ID:O7vdrWDI0
お姉さん「わんっ」

かわいい

引用: おねえさん「おとなでんわそうだんしつ」