219: 2017/12/10(日) 23:42:24.15 ID:vpLwzf/Q0


前回:幸子「プロデューサーさんと留美さんが怪しい」

――――

P「……」

ちひろ「プロデューサーさん、なんか元気ないですね」

幸子「お酒の飲み過ぎで留美さんに失礼したらしいですよ」

幸子「ま、ボクはそんなプロデューサーさんも受け入れますけどね!」

ちひろ「? そ、そうですか」

ちひろ(誰かの影響を受けたのかしら)

スタスタ

早苗「プロデューサー! もっと張り切っていきましょう!」バシン

P「痛っ!? 早苗さん、いきなり何するんですか!?」

瑞樹「そうよ、そんなことしたら痛いに決まってるでしょ」

瑞樹「大丈夫だった?」スリスリ

P「あ……ありがとうございます」

幸子「……!」

幸子(早苗さんと瑞樹さん……まさか……)

幸子(いえ、さすがに考えすぎですよね。2人もプロデューサーさんを狙ってるなんて)
ウェーブ Dream Tech アイドルマスター シンデレラガールズ [自称・スウィートヒロイン] 輿水 幸子 1/7スケール PVC製 塗装済み 完成品 フィギュア DT153

220: 2017/12/11(月) 00:01:04.73 ID:0C6QEgNO0
早苗「ご、ごめんねプロデューサー」スリスリ

P「いえ……」

瑞樹(いい早苗ちゃん、先に落とした方が勝ちよ)スリスリ

早苗(分かってるわ。恨みっこなしね)スリスリ

P「あの、もう背中大丈夫なんで……」

幸子(な、何ということですか)

幸子(あれは間違いなく獲物を狙う肉食動物の目!!)

幸子(やっぱり2人もプロデューサーさんを……!)

早苗「プロデューサー、このお詫びと言ってはなんだけど」

早苗「今夜食事でもどうかしら?」

P「え? ああ……すみません。しばらくはお酒を控えるつもりなので」

早苗「お酒は抜きでどう?」

P「まあそれなら……いや、お詫びなんていいですよ。このくらい」

早苗「そ、そう」

瑞樹(必氏すぎよ早苗ちゃん)

早苗(な、なんですって!?)

瑞樹(今から私が大人の誘い方というものを見せてあげる)

幸子(あの2人、さっきから目をパチパチさせて何してるんでしょうか)

221: 2017/12/11(月) 00:28:05.10 ID:0C6QEgNO0
瑞樹「プロデューサー、相談があるんだけど」

P「はい」

瑞樹「私的な相談なの。私弟がいるんだけど、近々誕生日なのね」

瑞樹「それで誕生日プレゼントを買いたいんだけど、どういうものがいいか分からなくて」

瑞樹「もしよかったら意見を聞かせて欲しいの」

P「俺にですか? いいですよ」

瑞樹「ありがとう! 歳はプロデューサーよりちょっと下で…」

早苗「瑞樹ちゃんって弟いないでしょ」

瑞樹「……」

P「いないんですか?」

早苗「うん」

瑞樹「あ、あははは!」

瑞樹(ちょっと! 邪魔するのは無しでしょ!)

早苗(これも恋愛よ!)

222: 2017/12/11(月) 00:49:55.12 ID:0C6QEgNO0

――――

早苗「ということで!」スタスタ

瑞樹「楽しみにしてるわね」スタスタ

P「はい」

幸子(結局2人共食事の約束を取り付けていきました)

幸子(最初はちょっとグダグダでしたけど、それからがとてもスマート)

幸子(ボクも見習わなければいけないことばかりで、さすがです)

幸子(……ボクは、このままでいいんでしょうか……)

幸子(留美さんにも言ったとおり、可愛さには自信がありますけど)

幸子(それだけで戦うとなると苦戦を強いられると思います)

幸子(もっと……もっともっと魅力が欲しいです。スキルを上げたいです)


???(心の叫び、しかと聞き届けました)

幸子「!?」


幸子(な、何ですか!? 誰かがボクの脳内に直接……!?)

???(怖がることはないです。ゆっくり後ろを向いてください)

幸子(めちゃくちゃ怖いですよ!?)

223: 2017/12/11(月) 01:14:10.17 ID:0C6QEgNO0
幸子(う、後ろにいるんですか?)

???(はい)

幸子(……)ドキドキ

クルッ

幸子「……なんだ、裕子さんでしたか」

裕子「あれ? そんなに驚いてない!」ガーン

幸子「ええ、ボクの予想だと小梅さんが関係してると踏んでて」

幸子「つまり、幽霊的な何かだと思ってたんですけど……裕子さんでホッとしたというか」

幸子「って、えぇぇぇぇ!? 裕子さん本物の超能力者だったんですか!?」

裕子「くぅー! いいですよその反応! それを待ってたんです!」

幸子「少し遅れてやって来ましたよ!! 手品ですか!?」

裕子「本物の力です! ついに私の中に眠っていた力が目覚めたんです!」

裕子(これが証拠です)

幸子(脳内に直接!? すごいです裕子さん!!)

裕子(まあ本当は志希さんの薬の効果なんですけど)

幸子(ああ……って納得してしまうボクもボクですね)

224: 2017/12/11(月) 01:29:36.32 ID:0C6QEgNO0
幸子(っていうか、そもそも何で裕子さんがボクの前に?)

裕子(話せば短いんですけど、この力を使って色んな人の心の声を覗いてたら)

幸子(なに恐ろしいことしてるんですか)

裕子(幸子ちゃんの声を聞いて……私に何か力になれないかなと思ったんです)

幸子(本当に短いですね。でも嬉しいです、ありがとうございます)

裕子(いえいえ)

幸子「あの、目の前にいるんですから直接話しましょう」

幸子「端から見ると黙ったまま見つめ合ってる変な2人組ですよ」

裕子「確かに! それで、何をレベルアップさせたいんですか?」

幸子「え?」

裕子「言ってたじゃないですか。魅力やスキルを上げたいって」

裕子「具体的に何を上げたいんです?」

幸子「そ、そうですね……欲を言えば恋愛で有利になるもの全部上げたいですけど」

幸子「一つ挙げるなら……」


↓2 幸子の上げたいもの一つ(魅力、料理力、包容力など)

226: 2017/12/11(月) 01:51:00.15 ID:RZKai8wN0
胸囲

228: 2017/12/11(月) 20:38:51.16 ID:0C6QEgNO0
幸子「……胸囲」ボソッ

裕子「え?」

幸子「胸囲を大きくしたいです」

裕子「おっOいですか? 幸子ちゃんはまだまだこれからだと思いますけど」

幸子「今欲しいんです。まあこんなこと言ったって、すぐにどうにかなるものじゃないですけど」

幸子(大人になった時のボクも巨Oとは言えなかったですからね)

幸子(今から牛乳を飲んだりして、地道に頑張るしかないです……)

裕子「牛乳飲まなくても今すぐ大きくできますよ」

幸子「ナチュラルに心読まないでもらえますか!? どういうことですそれ?」

裕子「実は私、心の声を聞く他にもある超能力を持ってるんです」

裕子「簡単に説明すると、自分以外の人の『力』をアップさせることができるんですよ!」

幸子「……」

裕子「ピンと来ないかー。えっと、じゃあ試しに」

裕子「幸子ちゃんが欲しい胸囲……『おっOい力』をアップさせますね!」

幸子「おっOい力? 初めて聞きましたけど」

229: 2017/12/11(月) 21:00:39.08 ID:0C6QEgNO0
裕子「おっOい力とは!! 大きさ、形、張り、全てを総合して数値化したもののことです!!」

幸子「声が大きいですよ!! それこそ心の声で話すべきでしょう!!」

裕子「ではいきますよ幸子ちゃん、準備はいいですか?」

幸子「えっ、唐突ですね……ど、どうぞ」

裕子「むむむ! はぁーーー!!」

幸子「!?」ググ

幸子(む、胸が……膨らんでる……!?)グググ

幸子(く、苦しい……!!)ググググ

パンッ パパンッ

裕子「痛ぁっ!? ボタンが弾けて私のおでこに!?」

幸子「……こっ」ワナワナ

幸子「これは……! Gカップはあるんじゃないですか!?」ボイーン

裕子「張りも抜群ですからね。測ってみないとどうにも」

幸子「まあカップ数はどうでもいいです。これを押し当てれば、どんな男性もメロメロですよ」

幸子「すごいです裕子さん! ありがとうございます!」

裕子「あ、でも一つ忠告があります」

裕子「この力、長くは持たないので10分したら戻ってきてくださいね」

230: 2017/12/11(月) 21:12:03.37 ID:0C6QEgNO0
幸子「そうなんですか!? うーん……まあいずれはこうなる可能性もあるんですし」

幸子「ボクの未来はこうですよと一言付け足せば……」

幸子「分かりました! 行ってきます!」スタタタッ

裕子「頑張ってください!」

――――

P「ふー、そろそろ休憩しよう」

P「コーヒーぬるくなってるな……仕方ない」ゴクッ

幸子「プロデューサーさん」

P「ん?」


幸子「ふふーん」ボイーン

P「ごふっ!? げほっ、げほっ!!」


幸子「あーあ、ダメじゃないですか。床にこぼれちゃいましたよ」

P「誰のせいだ!! お前、これ……どうしたんだよ!?」

幸子「本物ですよ♪ ボクの未来の姿です」ユサユサ

P「……分かったぞ。志希か晶葉に頼んだんだろ」

幸子「速攻バレましたね。まあ大体そんなところです」

231: 2017/12/11(月) 21:22:01.25 ID:0C6QEgNO0
幸子「でも実はこれ、ボクの未来の姿なんですよ」

P「は?」

幸子「ボクが大人になる頃には、このくらい大きくなるんです」

幸子「どうですか? すごいでしょう!」

P「いやいや……この前大人になった時、こんなに大きくなかっただろ」

幸子「その日から牛乳をたくさん飲んで、もう一度やってみたらこれですよ」

幸子「巨Oの素質があるということですねぇ」

幸子(このくらいの嘘ならいいですよね)

P「……」

幸子「あれ、視線が泳いでますよ? ちゃんと見てください」

P「バカなことやってないで早く元に戻せ。仕事に支障が出るだろ」

幸子「なっ!?」ピクッ

幸子(相手にしてくれないなんて……! こうなったら……)スタスタ

ムニュンッ

P「!?」

232: 2017/12/11(月) 21:36:50.25 ID:0C6QEgNO0
幸子「ほらほら、背中に当たるこの感触どうですか?」ムニュン ムニュン

P「か、からかうな」

幸子「ほらほら」ムニムニ

P「幸子、やめないと…」

幸子「何なら触ってもいいですよ」

P「え?」

幸子(反応あり)ニヤリ

幸子「プロデューサーさんなら平気ですから」

P「い、いやいや……そんなことするか! いいからやめろ」

P「さもないと絶叫系の仕事をもっと増やすぞ」

幸子「!?」

幸子「い、いいですよ? 体を張ってこそのボクですからね!」

P「白い服を着た女の幽霊が出る廃旅館に一泊する企画もあるんだけど」

幸子「今日のところは撤退します! それじゃ!」

スタタタッ

P「はぁ……ったく」

P「……柔らかかったな……」ボソッ

233: 2017/12/11(月) 21:44:31.44 ID:0C6QEgNO0
幸子「くっ、胸じゃ釣れないんですかあの人は!?」

幸子「あと一歩のようにも見えましたけど……あっ」

ググググ…

幸子「元に戻っていく。なんか悲しいですね」

裕子「どうでした?」

幸子「裕子さん! 効果はあったみたいです、ありがとうございます」

幸子「でも10分じゃ厳しいですね。時間が足りないです」

裕子「そうですか……よければ他の力も上げますけど」

幸子「他の力……」

幸子(胸囲以外に何か上げてみましょうか?)


↓2 幸子の上げたいもの一つ

235: 2017/12/11(月) 21:52:43.18 ID:rJDXW9rM0
料理の腕

236: 2017/12/11(月) 22:07:31.93 ID:0C6QEgNO0
幸子「料理の腕を上げたいです」

裕子「料理の……なるほど! それなら形にも残りますね!」

幸子「はい! プロデューサーさんはいつも近くのコンビニでお弁当を買うんですけど」

幸子「その前にボクがお弁当を作って渡すんです!」

裕子「もうすぐお昼ですから時間もちょうどいいですしね」

裕子「了解です! 料理を作る早さやレパートリーはもちろん、三ツ星シェフ並みの味付けができるように」

裕子「力をアップさせます!」

幸子「ちょっと待ってください」

裕子「?」

幸子「まずは食材を揃えてからにしないと、10分がもったいないですよ」

裕子「おお、そうですね! じゃあ近所のスーパーにレッツゴー!」


――数十分後――


幸子「……」タタタタタッ

スッ パキャッ ジュウウウッ チーン

裕子(すごい速さかつ丁寧な包丁さばき! そして次から次へと手際よく調理を進めていきます!)

裕子(10分でできるかな? と不安でしたけど、これなら……)

幸子(待っててくださいプロデューサーさん! 愛情もたくさん込めますよ!)

237: 2017/12/11(月) 22:15:47.67 ID:0C6QEgNO0

――――

P「腹減った……コンビニ行くか……」グー

スタスタ

幸子「プロデューサーさん!」

P「幸子? なんだ、また何か企んで…」

幸子「これどうぞ!」スッ

P「!」

P「これは……弁当?」

幸子「ボクの手作りです! お昼まだなら食べてください!」

P「俺に?」

幸子「プロデューサーさんに」

P「くれるのか」

幸子「感想聞かせてくださいね」ニコッ

P「ありがとう……じゃあ、もらうよ」スッ

パカッ

P「!!」

P(こ、これは……なんて美味そうなんだ!)

238: 2017/12/11(月) 22:33:33.10 ID:0C6QEgNO0
P(程よく焦げ目のついた、ハンバーグやウインナーといった王道のおかずに)

P(ふんわり柔らかそうな卵焼き。ちゃんと栄養も考えて野菜たっぷり)

P(米は炊きたてて湯気が立ち、一粒一粒がキラキラと輝いて見える)

P「こんな美味そうな弁当、いいのか?」

幸子「ええ」ニコニコ

P「いただきます」

パクッ

P「!!」

P「何だこれ!? 美味すぎる!」モグモグ

P「おかず一口で米がガツガツ進むぞ! ってか米だけも美味い!」

P「幸子、お前すごいな!!」

幸子「えへへ、それほどでもないですよ」

幸子(喜んでくれたみたいですね。胃袋をガッシリ掴みました)

P「いやぁ、幸子は良い嫁になるな」

幸子「!!」

P「こんな飯毎日食べたいよ」

幸子「!!!!」

幸子(い、今の言葉……ボクに嫁いで欲しいと言ってるも同然ですよね!?)


239: 2017/12/11(月) 22:41:18.45 ID:0C6QEgNO0
幸子(いえ、落ち着くんですよ幸子! まだ確信が持てない限りは)

幸子「あのー、プロデューサーさん?」

P「?」

幸子「その……今、気になってる人いますか?」

P「気になってるって?」

幸子「異性として好きな人です」

幸子「プロデューサーが結婚したいと思えるくらい好きな人です」

P「それだとすでに気になってるってレベルじゃないだろ」

P「んー、そうだな……」

幸子「……」ドキドキ

P「……今のところはいない」

幸子「ええ!?」

P「な、何だよ」

幸子「思わず転びそうになりましたよ! いないんですか!?」

幸子「そんなのでいいんですか!? ご両親にああ言ったのに!」

P「その話はいいだろ……いないんだから仕方ないだろ」

幸子「むぅ」

240: 2017/12/11(月) 22:53:46.45 ID:0C6QEgNO0
幸子(まあいないってことは、ボク以外のアイドルにも恋愛感情はないってことですよね)

幸子(ポジティブに捉えましょう!)

幸子「じゃあプロデューサーさん、食べ終わったら箱を机に置いておいてください」

幸子「取りにくるので!」

P「悪いから洗って返すよ」

幸子「いえ、ボクが洗いますから」

P「作ってもらったんだから、せめてこれだけはさせてくれ」

幸子「そうですか? 分かりました」

スタスタ

P「……」パクッ

P(気になってる人、か)モグモグ

P(幸子だ、なんて言えないよな……口にしたら色々マズいし)

P(というか、14歳の幸子にそういう気持ちを持ってること自体がマズいような……)

――――

裕子「ダメでしたか」

幸子「そうでもないですよ。お弁当を気に入ってくれたようなので」

幸子「胃袋はちゃんと掴みました!」

裕子「でも私の力でパワーアップした結果ですから」

裕子「幸子ちゃんはパワーアップ状態に追いつけるように、これからもっと料理の勉強をしないとですよ?」

幸子「もちろんしますよ! 胸と同じで、毎日コツコツと上達していきます!」

241: 2017/12/11(月) 23:11:01.96 ID:0C6QEgNO0
裕子「おお、やる気に満ち溢れてますね」

裕子「ところで、また違う力をパワーアップさせますか?」

幸子「うーん……」

幸子「……もうやめておきます。薄々気づいてはいたんですけど」

幸子「人頼みじゃなくて、結局自分が頑張らないといけないですから」

裕子「そうですか」フフ

幸子「ありがとうございました」ペコリ

裕子「いえそんな! 私もお節介焼いただけですから」

裕子「ファイト幸子ちゃん! 応援してますよ!」

幸子「はい! プロデューサーさんと結ばれるために!」

幸子「あ、もうすぐ仕事の時間ですね……それじゃあこれで!」スタタタッ

裕子「頑張ってくださーい!」ヒラヒラ

裕子「……」

裕子(実は相思相愛なんだけどなぁ。言った方がよかったのかな)


第八話 おわり

次回:ちひろ「大変です!幸子ちゃんが事故を起こしたんです!」


引用: 【モバマス安価】ちひろ「大変ですプロデューサーさん!」