348: 2017/12/16(土) 23:06:55.77 ID:jxrxAxDB0


前回:小梅「幸子ちゃん……一緒に仕事できて、嬉しいな……」エヘヘ

――――

ちひろ「幸子ちゃんがまた大変なことになってます」

P「その割には冷静ですね」

ちひろ「表面はクールですけど中身は大変です」

ちひろ「とにかく大変なんです。どのくらい大変かというと…」

P「分かりましたから話を進めてください……幸子に何が起きたんですか?」


↓2 幸子に何が起きたか

350: 2017/12/16(土) 23:27:10.11 ID:q+0woXt80
幸子が幽体離脱

352: 2017/12/16(土) 23:47:11.25 ID:jxrxAxDB0

――――

幸子「」

P「ただ寝てるだけじゃないですか?」

ちひろ「白目剥いてヨダレ垂らしてる寝相なんて聞いたことないですよ」

P「幸子ー、おーい」ペチペチ

幸子「」

P「……」コチョコチョ

幸子「」

P「微動だにしませんね。それに寝息もたててないですし」

ちひろ「寝息の確認が先じゃないですか普通は」

P「けど何で幽体離脱だと?」

ちひろ「それは……小梅ちゃんが教えてくれたんです」

ちひろ「幸子ちゃんが幽体離脱してるから、とりあえず体だけ見守ってて欲しいって」

P「じゃあ小梅は幸子の霊体を探しに行ったんですね」

ちひろ「いえ、仕事に行きました」

P「仕事!?」
ウェーブ Dream Tech アイドルマスター シンデレラガールズ [自称・スウィートヒロイン] 輿水 幸子 1/7スケール PVC製 塗装済み 完成品 フィギュア DT153

353: 2017/12/16(土) 23:59:35.94 ID:jxrxAxDB0
ちひろ「とても大切な仕事があってキャンセルできないんですって」

ちひろ「なるべく早く戻ってくるからって言い残していきました」

P「大丈夫なんですか……」

ちひろ「小梅ちゃんを信じるしかないです……あと、プロデューサーさん」

ちひろ「今霊体って言いましたけど、幽体と霊体は違いますからね」

P「そうなんですか、すみません。っていうかそれよりも」

P「俺たちで何とかできないんですか? 長く幽体のままでいると戻れなくなるとか聞いたことありますけど」

ちひろ「うーん……何とかと言っても……」


↓2 Pとちひろが考えた何とかする方法

355: 2017/12/17(日) 00:00:55.55 ID:lInTyo9r0
よしのんに聞く

356: 2017/12/17(日) 00:19:36.73 ID:lCXBfMw00
ちひろ「こういう時はやっぱり」

P「?」

――――

芳乃「そろそろ来るころだと思っておりましたー」

P「察知してたのか、さすが芳乃!」

ちひろ「これは期待が持てますね!」

P「聞いてくれ芳乃。実は幸子が――」

芳乃「ふむー、幽体離脱ですかー」

ちひろ「小梅ちゃんが重要なお仕事に行ってしまって、頼れる人がいないんです」

P「何とかできないかな?」

芳乃「できるかできないかで言いましたらー」

P「うん」

芳乃「できますよー」

P「本当か!?」

芳乃「ただし幽体を元に戻すのは並々ならぬことでしてー」

芳乃「まずは幸子さんの霊体を探さねばなりませぬー」

ちひろ「プロデューサーさん」

P「はい。芳乃、俺たちもできることがあったら手伝う」

357: 2017/12/17(日) 00:33:58.30 ID:lCXBfMw00
P「だから力を貸してくれ!」

芳乃「そなたの頼みであればー」

P「ありがとう!」

ちひろ「あの、芳乃ちゃん? 水を差すようで悪いんですけど」

ちひろ「幽体と霊体は違いますよ」

芳乃「存じておりますー。今のはちょっとした『かんなぎじょーく』でしてー」

芳乃「しかし急がねば霊体にもなりかねないのでー」

P「それはマズイ……早く見つけないとな」

ちひろ「でも、どこを探せばいいんですか?」

芳乃「わたくしがアンテナを張りますゆえー、ぴんときた場所におもむきましょー」

芳乃「そなたー」

P「え?」

芳乃「おんぶでわたくしを運んでもらえればー、アンテナも強力になりましてー」

芳乃「移動も楽々なのでしてー」

P「よし、分かった」スッ

ちひろ(単なる芳乃ちゃんの欲では?)

358: 2017/12/17(日) 00:40:26.59 ID:lCXBfMw00
芳乃「その通りですー」ニコッ

ちひろ「!!」

ちひろ(心を読まれた!?)

P「芳乃、頼んだぞ」

芳乃「はいー」

芳乃「むむー……あっちですー」スッ

P「よし!」スタタタッ

ちひろ「あ、待ってください!」スタタタッ


↓2 3人が辿り着いた場所

360: 2017/12/17(日) 00:42:55.75 ID:0PnT1694o
輿水家先祖代々の墓……の近くにある水子供養地蔵尊石仏像

363: 2017/12/17(日) 00:58:56.05 ID:lCXBfMw00

――――

P「はぁ……はぁ……まさか事務所の外を出てこんなに移動することになるとは」

ちひろ「ここら辺ですか芳乃ちゃん」

芳乃「……」

ちひろ「芳乃ちゃん?」

芳乃「これは大変な状況でしてー」

芳乃「幸子さんはこっちですー」スッ

P「よし、待ってろ幸子!」

ちひろ(嫌な予感が……)

――――

P「……」

ちひろ「芳乃ちゃん」

芳乃「はいー」

ちひろ「ここって……」

芳乃「幸子さんを含めたー、輿水家のご先祖様たちが眠っておられるお墓ー」

芳乃「の近くにある水子供養地蔵尊石仏像の前ですー」

ちひろ「幸子ちゃん供養の対象になっちゃったんですか!?」

365: 2017/12/17(日) 01:09:01.71 ID:lCXBfMw00
P「そんな……幸子……っ!」ガクッ

芳乃「いえー、幸子さんはまだ幽体のままでしてー」

芳乃「すぐそこに浮いてますー」

P「え!?」

ちひろ「本当ですか! 幸子ちゃん!」

P「幸子、この声が聞こえるか!? 何でここにいるんだ!」

P「お前はまだ氏ぬには早い歳だろ! 散歩はやめて自分の体に戻れ!」

芳乃「だめですー、幸子さんは今仏像に吸い込まれようとしていますー」

芳乃「このままでは本当に昇天してしまうのでしてー」

P「どうすればいいんだ!? 何とかできないのか!?」

芳乃「むむー……一つだけ方法がありますー」

芳乃「この法螺貝の音色をー、幸子さんの耳に届けることができればー」スッ

芳乃「あっという間に元の体に入れることができるのですがー」

ちひろ(どこから出したんですか!?)

P「それそんな力があったのか。早速やってくれ!」

366: 2017/12/17(日) 01:16:04.72 ID:lCXBfMw00
芳乃「今のままでは無理ですー、仏像にくぎ付けでしてー」

芳乃「少しでもこちらに関心を寄せることができればいいのですがー」

ちひろ「関心を寄せるって、どうすればいいんですか……」

P「……」


↓2 幸子(幽体)にこっちを向かせる方法

368: 2017/12/17(日) 01:20:30.84 ID:PGr0SMhSo
Pが芳乃を抱きしめて愛を叫ぶ

370: 2017/12/17(日) 01:35:49.66 ID:lCXBfMw00
P「……芳乃」

芳乃「なんでしょうかー?」


ギュッ


ちひろ・芳乃「!!」

ちひろ「な、何してるんですプロデューサーさん!! こんな時に……!!」

P「好きだ」

ちひろ・芳乃「!?」

P「好きだぞ芳乃ーーー!!」

芳乃「……わたくしもー」ドキドキ

芳乃「そなたに好意を抱いておりますゆえー」ギュー

ちひろ(抱きしめ返した!?)

ちひろ「ちょっと! 幸子ちゃんが氏んじゃうかもしれないのに何で告白し合ってるんですか!?」

芳乃「わたくしはそなたの思いに応えただけでしてー」

芳乃「!」ピクッ

ちひろ「?」

芳乃「なるほどー、効果は絶大なのですー」

ちひろ「??」

371: 2017/12/17(日) 01:47:08.80 ID:lCXBfMw00
ちひろ「えっと……言ってる意味が分からないんですけど」

芳乃「幸子さんが興味を示したようなのでしてー」

ちひろ「え?」

芳乃「わたくしとそなたが抱き合った途端ー、鬼のような形相で急接近してきましたー」

芳乃「そしてそなたをポカポカと叩いておりますー、今もなおー」

ちひろ「……」

ちひろ(嫉妬狙いですか)

芳乃「幽体なので当たるどころか見ることもできないのですがー」

芳乃「さてー、幸子さんにはわたくしたち2人のラブロマンスを邪魔しないでいただきたくー」スゥー

芳乃「ぶおおおおおお」

P・ちひろ「!?」

芳乃「事務所にあるご自分の体までひとっ跳びー」

芳乃「木にしがみついても無駄ですよー」

ちひろ(どれだけ必氏なんですか)

芳乃「これで無事に戻りましたよー」

P「そうか……ありがとう芳乃」

372: 2017/12/17(日) 02:00:23.04 ID:lCXBfMw00
P「でも吹くなら吹くって言ってくれ……」キーン

ちひろ「本当ですよ、鼓膜が破れます」キーン

芳乃「その心配はありませんのでー」

芳乃「ではそなたー、続きをー」スッ

P「え」

芳乃「今一度2人の愛を確かめ合うのですー」

P「ごめん芳乃……あれは…」

芳乃「分かっているのですー。そなたは幸子さんのために動いたのだということをー」

芳乃「でもそれはそれとして愛を確かめ合いましょうー」

P「いや、だから…」

芳乃「愛は愛でも友愛ですー。そなたはわたくしのことを好きではないのですかー?」

P「そういう意味なら好きだけど」

芳乃「ではー」スッ

P「……」ギュッ

ちひろ(私は何を見せられてるんでしょうか)

373: 2017/12/17(日) 02:09:48.87 ID:lCXBfMw00
芳乃「そなたー」グリグリ

P「擦りつけるな擦りつけるな」

芳乃「まーきんぐですー」


……ぉぉぉぉぉぉ……


ちひろ「……?」

P「何か聞こえる」

芳乃「おおー、これは驚愕の速さなのでしてー」


ぉぉぉぉぉぉおおおお


P「どんどん近づいてくるぞ!?」

ちひろ「待ってください、これって!」


???「ぉぉぉぉぉおおおおおおお!!」ダダダダダ


幸子「ここかぁぁぁぁぁぁ!!」ズザザザー

P・ちひろ「幸子(ちゃん)!?」

374: 2017/12/17(日) 02:23:55.30 ID:lCXBfMw00
ちひろ「事務所からここまで徒歩30分くらいですよ!?」

幸子「ボクの前でよくもあんな……!! あんなことを……!!」プルプル

幸子「許しませんよプロデューサーさん!!」スタスタ

P「いやあれはお前のためにやったことで……!」

幸子「もっと他にあるじゃないですか! ボクの恥ずかしい秘密を喋るとか!」

幸子「何でよりによってハグ&愛の告白なんですか!?」

P「いや、秘密なんて知らないし」

幸子「じゃあ教えてあげますよ! ……っと危ない危ない! 本当に喋るところでした」

ちひろ「落ち着いてください幸子ちゃん。プロデューサーさんと芳乃ちゃんに助けられたんですから」

幸子「……そ、そうですね。ちょっと深呼吸します」スー ハー

幸子「はい、落ち着きました。プロデューサーさん、芳乃さん、ちひろさん」

幸子「ボクを氏の間際から救ってくださって本当にありがとうございます」ペコリ

ちひろ(私は何もしてないですけどね)

芳乃「いえー、お気になさらずー」

幸子「そうはいきません。命の恩人ですからね」

幸子「ボクにできる精一杯の恩返しと言ったら……何でしょうか?」

幸子「一発芸100連発とか。いえ命の恩人ですからね、一生分の食事代を提供とか」

375: 2017/12/17(日) 02:33:15.75 ID:lCXBfMw00
芳乃「ではー、その2つを合体させましてー」

芳乃「1日1回、わたくしに一発芸を見せてもらえればー」

幸子「え、そんなのでいいんですか?」

芳乃「わたくしの心身共に尽き果てるまでお願いいたしますー」

幸子「氏ぬまでってことですか!? うー……分かりました!」

幸子「じゃあ今日の夕方、事務所で待っていてもらえますか? 見せに行くので」

芳乃「ゆったりとお待ちしておりますー」

P「話がついたところで、幸子。何で幽体離脱したんだ」

幸子「え? ああ、そうですね……休憩室で横になってたら、急にふわっと体が浮かんだんですよ」

幸子「そこから意識がないですね」

ちひろ「つまり、寝てたら勝手に離脱したてことですか」

P「それって癖みたいにならないのか?」

芳乃「この法螺貝の効果でその心配も無いですよー」

ちひろ「万能ですね……」

376: 2017/12/17(日) 02:45:58.69 ID:lCXBfMw00
P「さて、心配事も無くなったところで」

P「今からみんなで飯食いに行くか!」

幸子「おお! 最早お決まりになりつつありますね!」

P「そんなに頻繁には行ってないような……」

芳乃「わたくしお腹がぺこぺこでしてー」

ちひろ「お供します!」

幸子「あ、待ってください。小梅さんも誘っていいですか?」

幸子「ボクのことでご迷惑をおかけしてしまったので」

P「もちろんだ。今からみんなで小梅待ちだな」

幸子「はい! ありがとうございます!」

幸子「……」

幸子(そういえばプロデューサーさん。ボクの嫉妬を狙ったということは)

幸子(少なくともボクがプロデューサーさんに好意を持ってるってこと、知ってるんですよね?)

P「幸子、行くぞ」

幸子「! はい」スタスタ

幸子(知った上で、プロデューサーさんはボクのことをどう思ってるんでしょうか)

幸子(異性として意識してくれてると嬉しいですけどねぇ)


第十一話 おわり

377: 2017/12/17(日) 02:46:28.86 ID:lCXBfMw00
ここまでにします
次で終わる予定です

次回:ちひろ「幸子ちゃんがまた大変なことになってます!」


引用: 【モバマス安価】ちひろ「大変ですプロデューサーさん!」