1:◆O5jfgegfnI 2009/02/03(火) 15:32:14.94 ID:OfwVLC8oO
とある県立北高への高校進学を控えた3月、俺はとある書店で『涼宮ハルヒの憂鬱』というライトノベルを見つけ、
何の気なしに、購入をし、4月までの時間潰しになれば、と考え気付けば既刊全巻を完読していた。

しかし、このライトノベル、世間では好評を……博してはおらず、実際全巻集めるにも
幾つもの書店、古本屋を歩き回って見つけてきたものだった。

当然の様に、アニメ化などもされておらず一部のコアなファンを持つだけの書籍だった。

4: 2009/02/03(火) 15:41:45.67 ID:OfwVLC8oO
この物語に出てくるキョンという名の主人公には自然と好感を抱いていたんだ。
宇宙人、未来人、超能力者……そんなもんいるわけない……ただもし万が一だ、そんな存在が身近にいれば
自分の世界は180度、変わるだろう。

同じ様な考えを持っていた部分に共感を覚えたのと、
俺のあだ名が似ている事も合わせ更にそう思わせたのだ


俺は人から「キュン」と言われていた。

5: 2009/02/03(火) 15:42:59.26 ID:KcnMwH0F0
胸キュン・・・/////

7: 2009/02/03(火) 15:44:56.88 ID:b+5Lh768O
キュンwwwww

8: 2009/02/03(火) 15:47:29.34 ID:OfwVLC8oO
入学式も終わり、真新しい制服に身を包んだ俺たち新1年生は教室に戻るよう指示されていた。

足早に教室へ向かう。何の因果がクラスは1年5組。心のなかで何かが可笑しかった。

自己紹介の時間が始まり、俺は平凡と形容されるのが的確な紹介を終わらせ席についた。


次の瞬間、俺の中で事件が起こった。

10: 2009/02/03(火) 15:55:02.26 ID:OfwVLC8oO
…………東中出身、鈴木はるこ!この中に宇宙人、未来人、超能力者、異世界人がいたら私の所に来なさい!以上!


……コアな読者がこんな近くにいた……

何故だか、俺が恥ずかしくなってしまった。

振り返ると……そこには、とんでもなく美少女でも無ければ、とんでもなく不細工な訳でもない女子が腕を組んで立っていた。

……痛い。そう表現する以外ない。特に既読者の俺は。

13: 2009/02/03(火) 16:03:32.99 ID:OfwVLC8oO
鈴木は素で言っていたのか、それとも売れないライトノベルに感化された痛い奴なのか……俺は昼にそれを確認しようとした。

キュン「なぁ、あの自己紹介……」

はるこ「何よ、あんた宇宙人なの!?」

キュン「い、いや……」

はるこ「じゃあ話しかけないで!」フンッ


……ビンゴだ。痛ぇ……。

15: 2009/02/03(火) 16:09:17.08 ID:OfwVLC8oO
「悪いことは言わんあいつはやめとけ」そう語ったのは谷川という鈴木と同じ中学だった男子生徒だ。

「なんかあったの?あの子?まぁ変わってるけど」こう言ったのは、俺と同じ中学だった国林田。

別にやめとけも何も関わりたく無い……が嫌な予感は的中するもんだ。


だってそうだろ?俺、キュンだし。

17: 2009/02/03(火) 16:11:09.37 ID:pahipz6QO
国林田wwwwwwwwwww

25: 2009/02/03(火) 16:19:53.64 ID:OfwVLC8oO
案の定、鈴木はるこは曜日ごとに髪型を変えて登校して来やがった。

コアな書籍で良かったかかどうかは判断の分かれる所だが既読者としては赤面もんの話である。

27: 2009/02/03(火) 16:22:08.32 ID:OfwVLC8oO
魔が差したんだろう。

つい訊いてしまった、あの台詞を俺は並べる。


「……それは宇宙人対策か?」


言った自分が泣きそうになっていた。

その後は予想通り……「曜日ごとのイメージがうんちゃらかんちゃら……」


知らん。俺は知らん。

28: 2009/02/03(火) 16:29:20.74 ID:OfwVLC8oO
席替え……俺は窓側後ろから2番目という非常に喜ばしい席をゲットした筈だった……。


後ろには不機嫌そうなはるこがいた。


……逆に考えたらコイツ「力」もってんじゃねーのかと錯覚を起こす所だった。



あー言わなくても分かるが髪はバッサリ切ってきた。あまり似合ってはいない。

30: 2009/02/03(火) 16:35:29.90 ID:OfwVLC8oO
はるこは様々な部活に体験入部を行っていた。

運動部、文化部、関係なくだ。
微妙な結果しか残せないはるこはどの部からも勧誘の声は掛からなかった。



キュン「普通に普通の学生生活を送ることには興味はないのか鈴木?」

はるこ「そうよ!無ければ作ればいいのよ!」




いや……ヒントはまだ与えていないんだが。

38: 2009/02/03(火) 17:01:45.08 ID:OfwVLC8oO
ひょっとしたらこれから、謎の団体を作って、毎週不思議探索をして……様々な事をこなさなくてはいけなくなるのか?

はるこ「あんたキュンっていうんだ……ふ~ん……」

何か運命的なものを感じちゃってる?お願いです、許してください。


案の定、俺は協力を要請され、文芸部室前に連れていかれた。

しかし、俺はちょっと安心していた。其処まで偶然が重なってたまるか。
そんな簡単に長門みたいな子が居るわけない。だって長門だぜ?


ガチャ!


部室の中に、眼鏡を掛けた小柄な少女が其処にいた。

「長門……!?」

43: 2009/02/03(火) 17:09:38.38 ID:OfwVLC8oO
はるこ「今日からここが、私たちの部室よ!いいキュン!?」

いや、良いも何も文芸部員の人がいるじゃないか!?(え、嘘?あれ長門?マジ?)

おれはナガトスキーだった。

はるこ「別に本が読めれば構わないって。名前は……」


「短門逝希」


世の中甘くはない。


例えるなら、ちびまる子ちゃんの野口さん眼鏡Verだった。

44: 2009/02/03(火) 17:11:28.74 ID:5MtUVi3q0
短いwwwwwwww

50: 2009/02/03(火) 17:17:10.78 ID:OfwVLC8oO
なぁ短門さんとやら(チッ)いきなり不躾に部室を乗っ取るようなことして……

短門「いい」


この人も読者なんだろうか?

はるこ「決まりね!」


ああ、痛々しい高校生活がな。

56: 2009/02/03(火) 17:35:23.61 ID:OfwVLC8oO
はるこ「それでは、私たちの団体名を発表します!その名も……」


……ゴクリ

まさか?


はるこ「S…(ちょっとべたかなぁ)BBQ団よ!」

なんの略だ!くそっ、気になる……


はるこ「いいわね。じゃあ明日から、放課後各自集合するように!以上、解散!」


短門「……」コクリ

あぁ……どうしよう、転校しようかな

61: 2009/02/03(火) 17:45:36.71 ID:OfwVLC8oO
キュン「なぁはるこ?せめてその……BBQ団って名前の意味を訊かせてくれないか?
活動内容も分からないじゃないか」

はるこ「そ、それは……て、適当……ブ、ブツブツ、うるさいのよ!バカキュン!は!?」

B…ブツブツうるさいのよ!

B…バカ

Q…キュン


はるこ「そ、そういう事よ!」




後付けか。加えて意味が分からない。

63: 2009/02/03(火) 17:48:40.50 ID:2mo+NpS7O
どの部活からも勧誘されないのワロタwww

65: 2009/02/03(火) 17:52:43.12 ID:OkJyW7u9O
やべえなんかニヤニヤするwwww

66: 2009/02/03(火) 17:57:40.19 ID:OfwVLC8oO
その日、俺は家に帰り、再度「涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ」を読み返した。

明日あたりには朝比奈さんみたいな人がくるんだろうな……と独り言を喋っていた。


期待はしてないので直ぐ寝た。
どうせ、夜比奈とかいうやつでも来るんだろう。

79: 2009/02/03(火) 18:26:21.73 ID:OfwVLC8oO
その日の放課後~

バタン!

はるこ「新しい部員を連れてきたわ!」

「ここどこですかぁ~なんで私つれてこられたんですかぁ」オドオド

はるこ「明朝比奈かこちゃんよ!」


その、明朝比奈さんとやらはどこから拉致ってきた。書道部か?

はるこ「よく分かったわね!そうよ!所謂ひとつの萌え要素よ!」

明朝比奈さんとやらは……とにかく凄いバストの持ち主だった。
ただB・W・Hがすべて同じサイズのようだった。


短門「丸」

90: 2009/02/03(火) 18:32:55.87 ID:OfwVLC8oO
明朝比奈さんとやらは始めはおどおどしてたものの俺と短門の顔を見た後

明朝比奈「私、入部します」グ~

入部の決意を固め、ポケットからおにぎりを出し一口で平らげた。


はるこ「盛り上がってきたわ!」

そうでもない

97: 2009/02/03(火) 18:38:53.07 ID:OfwVLC8oO
その日も家に帰った後、謎の転校生の名前を必氏で予想している俺がいた。

結構、楽しんでないか俺?

ノートに箇条書きをする、当たったらなんか良い事が起こりそうな気がした。

古泉だから……

新泉……いや、そりゃないか。
小泉、古水、温水……


面倒になり、俺は床についた。

105: 2009/02/03(火) 18:49:10.19 ID:OfwVLC8oO
またまた放課後~

バタン!

はるこ「またまた新しい部員を紹介しまーす!」

「大泉です、宜しくお願い致します」

はるこ「この時期に転校してくるなんて、なんか意味ありげよねぇ。という事でみんな仲良くしてあげてね!」

明朝比奈「よろしく…モグモグ…お願いします…モグモグ」

短門「よろしく…もじゃもじゃ」

意味もなく甲高い声で笑う奴が現れた。


っていうか、本当に涼宮ハルヒの憂鬱のようになっていくのか?偶然にも程がある。

109: 2009/02/03(火) 18:58:33.07 ID:OfwVLC8oO
はるこ「今からBBQ団緊急ミーティングを行います!ってキュン訊いてるの!」

俺はものすごく聞く姿勢をしていたので、多分コイツは、言いたかっただけだろう。

疎ましい。あぁ疎ましい。疎ましい。

はるこ「日曜日に全員で不思議探索を実施するわ!」

明朝比奈「モグモグ」

短門「クックックッ」

大泉「ハーハッハッハッ!」


違う、これは夢だ。そう信じたい。

113: 2009/02/03(火) 19:03:40.24 ID:OfwVLC8oO
緊急ミーティングとやらが終わり、俺が帰り支度をしていると短門が何かを差し出した。

短門「…貸すから」

短門「読んで」スタスタ

マジか。宇宙人なのかお前?渡された本は……っと

『買ってはいけない』

マジか。


俺はそれを鞄に詰め、帰宅した。

115: 2009/02/03(火) 19:09:22.54 ID:OfwVLC8oO
家に帰り、俺は再度「涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ」を読み返す。

……このままいくと、殺されそうになるらしいな。俺。

確か、委員長の名前は漁原涼好だったか。可能性はあるな……

まぁ、いいか。寝た。

118: 2009/02/03(火) 19:14:25.45 ID:OfwVLC8oO
その日、珍しく短門から話し掛けられた。

短門「読んだ?」

キュン「ん?」

短門「本」

キュン「あぁ…悪い、まだだ」

短門「読まないと呪うよ」


呪われたくないので、家に帰り直ぐ読み始めた。

……ヒラヒラ

栞だ。いや、予想はしてたんだけどね。

取り敢えず、公園まで自転車を走らせた。
7時には……間に合いそうだ。

121: 2009/02/03(火) 19:24:06.90 ID:OfwVLC8oO
俺は自転車を漕ぎながら、もうはるこに全て言ってしまおうか、なんて事を考えていた。

だって、そうだろう。被害は最小限に食い止めるべきだ。


…と目的地に着いた。
薄暗くてよく見えないが小柄な女性がベンチに座って街灯をたよりに読書をしている。

短門か……あんまり話したくはないんだが。

キュン「よぉ」

124: 2009/02/03(火) 19:34:35.34 ID:OfwVLC8oO
……あれ?短門じゃない?いやいや……え?長門じゃん?長門有希じゃん!?

長門「……」ジー

キュン「ちょ、ちょっと……!?」

その少女は足早にその場を立ち去ってしまった。……追いかけよう。
刹那…「待ってた」……短門がもの凄い握力で俺の肩を握って離さなかった。

短門「家に」スタスタ

あれは何だったんだろう……

127: 2009/02/03(火) 19:40:21.46 ID:OfwVLC8oO
短門「ここ」

―金子荘―

……なんつーか、築120年は経ってそうな竪穴式住居みたいな家に俺は招かれた。

キュン「お前一人暮らしなのか?」

短門「そう」

短門「お茶……」

差し出されたのはヘ~イお茶と書かれた中国産の缶だった。


取り敢えず、鼻をつまんで飲んだ。

144: 2009/02/03(火) 20:13:28.38 ID:OfwVLC8oO
短門「鈴木はるこの事」

キュン「はるこがどうした?」

短門「私は彼女を監視する立場にある」

キュン「あぁ情報統合思念体ね」

短門「!」

キュン「どうした短門?」

短門「私がこれからに於いても一番、言葉を発する機会…ハッスルする機会をなくした……」

キュン「そうかい。で、お前は宇宙人なのか?」

短門「そ、そう」コクリ

キュン(嘘だな)

キュン「分かったよ、じゃあ俺が殺されそうになった時は宜しく頼むわ」

短門「……」コクリ

148: 2009/02/03(火) 20:25:20.58 ID:OfwVLC8oO
日曜日、俺たちは駅前に集合し、その後不思議探索をする事になっていた。

……あぁ完全に遅刻だな。目を覚まし時計を見ると午後4時を回っていた。

着信89件


……俺は布団を被って素数を数えた。1、3、4、5、6、89…

152: 2009/02/03(火) 20:30:46.08 ID:OfwVLC8oO
その時、明朝比奈さんからのコールが鳴った。

「みんなは、もう帰ってしまいましたよ~キュン君、今から会えますか?」ゲップ

キュン「……まぁいいですが、場所は?」

明朝比奈「スタミナ太郎で先に待ってます」


痩せたら朝比奈みたいになりそうな逸材である事を俺は知っていた。
ゆえに残念至極である。


未来から来たとかは無しで。

169: 2009/02/03(火) 21:13:11.99 ID:OfwVLC8oO
ガヤガヤ

キュン「お待たせしました明朝比奈さん」

明朝比奈「こちらこそゴメンナサイ突然呼び出して…ディナータイムの方がメニューが多いから……牛ホルがあるんですよ」

キュン「それで……話というのは」

171: 2009/02/03(火) 21:17:00.92 ID:OfwVLC8oO
明朝比奈「……あの、モグモグ信じてもらえないかもしれませんが……私は普通の人間ではありません!」

キュン「そう思います」

明朝比奈「何処から来たかというと……」

キュン「満腹の向こう側ですか」

明朝比奈「!それも間違いではないんですが……あ、豚タン焼けてますよ」

173: 2009/02/03(火) 21:23:46.91 ID:OfwVLC8oO
キュン「……じゃあ一体(え、この人本当に未来人?)」

明朝比奈「禁則事項です」ニコッ
キュン(いや、そこ濁しちゃ駄目だろう)

キュン「それより明朝比奈さん、両手が震えて……」

明朝比奈「禁断症状です」ニコッ
明朝比奈「あ、お肉食べると治るんで大丈夫です」

182: 2009/02/03(火) 21:30:38.94 ID:OfwVLC8oO
俺は明朝比奈さんとの会話も終わり、あの方はまだ太郎カルビを食べるという事なので、
先に帰る事にした。

伝票を持ち、立ち上がると小柄な女性の後ろ姿が見えた。明朝比奈さんに負けないくらい……いやそれ以上の皿を重ねていた。

キュン「女の子1人、制服姿で勇気あるなぁ」

会計を済まし店を出た。




長門「がつがつ」

185: 2009/02/03(火) 21:41:08.21 ID:OfwVLC8oO
次の日、部室に行くとそこには珍しく大泉しかいなかった。

大泉「……」ニヤッ

キュン「お前も俺に話す事があるんだろ?(面倒くさいけど聞いとくか……)

大泉「どうでしょう?」


キュン「今日は月曜だ」

188: 2009/02/03(火) 21:49:14.92 ID:OfwVLC8oO
大泉「こんな所でもなんですし、外に行きましょうか」

俺たちは中庭に向かった。


キュン「で?お前は何者だ?」

大泉「お察しの通り超能力者です、どうでしょう?」

キュン「月曜だと言っている」

190: 2009/02/03(火) 21:54:54.97 ID:OfwVLC8oO
キュン「じゃあその超能力とやらを見せてみろ。そしたら信じてもいい」

大泉「分かりました。では……田中眞紀子です!麻生総理、今のままでは立派な服を着たただのおじさんですよ!どうでしょう?」


キュン「モノマネじゃねぇかw」

194: 2009/02/03(火) 22:03:16.40 ID:OfwVLC8oO
大泉「超能力はこれだけではありません。特定の条件下によって発動するものです。お見せ出来る日も近いかもしれません」

キュン「そうかい、期待しないで待っとくよ」




長門「……田中眞紀子です……ユニーク……

198: 2009/02/03(火) 22:15:10.09 ID:OfwVLC8oO
ある日の事~

俺は隣のコンピ研から借りた(決して強奪ではない)パソコンで長門の画像を検索しては、フォルダに保存するという単純作業に熱中し過ぎて
気付けば午前様になっていた。

しかしBBQ団のメンバーははるこを除き部室にいる。明らかに短門の本の締め忘れである。

200: 2009/02/03(火) 22:23:51.08 ID:OfwVLC8oO
俺はそれにも構わず作業に熱中する。その時である、明朝比奈さんが俺にのしかかる。骨が軋む。

明朝比奈「キュン君~何処の店屋物のメニュー見てるの~見せて見せて~」


ポキッ


バタン!

はるこ「あんた達何しててんのよ!」

はるこは俺と明朝比奈さんがいちゃついていたと勘違いしてるに違いない。

キュン「なぁはるこ……」

はるこ「うっさい!バカキョン!は!?……着替えるんだから出てきなさいキュン!」

明朝比奈「キョン?」






長門「キョン……懐かしい」コソー

206: 2009/02/03(火) 22:32:20.73 ID:OfwVLC8oO
朝、下駄箱を開けると一通の手紙が入っていた。ラブレター!かとも思ったが原作既読者の俺を舐めないで頂きたい。

『放課後、教室でまっています』

漁原涼好からに間違いない。


俺をポアする気だろう。

短門……大丈夫だよな?

217: 2009/02/03(火) 22:39:51.41 ID:OfwVLC8oO
朝の教室に入ると、まだはるこは来ておらず、国林田が声を掛けてきた。

国林田「ねぇ、キュンって鈴木さんと付き合ってるの?」

キュン「……なんで俺があいつと。黄色のカチューシャを無くしたといって、
親父が学生紛争に使ってた鉢巻巻いてくるような奴だぞ」

国林田「そっか、いや谷川が間違いないっていってたから」

キュン「あいつの言う事を信じるな。一体いつ驚愕は出るんだ……」

国林田「何の話?」

キュン「いや、何でもない!」

225: 2009/02/03(火) 22:51:48.64 ID:OfwVLC8oO
昼休みの時間、突然、大泉がクラスを訪れてきた。

キュン「何のようだ?」

大泉「以前、言っていました力を見せられる時がきました」

キュン(どうもコイツはタイミングが悪いなぁ、まぁ原作読んでるの俺とはるこぐらいだしな……)

キュン「直ぐ見れるのか?」

大泉「どうでしょう?」


キュン「今日は……水曜日!!」

230: 2009/02/03(火) 22:59:00.95 ID:OfwVLC8oO
大泉「さぁ、行きましょうか」

キュン「どこにだ?(まさか閉鎖空間は無いだろ)」

大泉「付いてきて下さい」





大泉「我々は集団で鈴木はるこを抑えようと必氏です。彼女は自分にストレスを感じた時、力を発動します。
それを抑えようというのが……さしずめ機関と呼ばれる団体です」

キュン「(マジか……ちょっとそれっぽく……)ってここ……」

大泉「ええ、お察しの通りジャスコです」

241: 2009/02/03(火) 23:06:22.60 ID:OfwVLC8oO
大泉「先ほど、述べたように、鈴木はるこはストレスを発散するため、
ここに現れます。その時の彼女を我々、機関では神人と呼んでいます」

キュン「で、そのはるこ……いや神人はどうするんだ、破壊活動でもするのか」

大泉「いえ、彼女は神速ともいえるスピードで鞄に商品を入れていきます。我々はそれを『万引行為』と呼んでいます」


キュン「そうかい」

251: 2009/02/03(火) 23:15:29.58 ID:OfwVLC8oO
大泉「おっと……では少々お待ちください」サッ

キュン「……はるこが気付かない内にさり気なく、誰にも悟られぬよう商品を棚へと戻している……凄い……でも超能力なのかこれ」

大泉「……終わりました。これが始まったのは3年前なんです。その時から、僕は自分の力に気付き始めました」


キュン「そうかい」

254: 2009/02/03(火) 23:19:53.52 ID:OfwVLC8oO
事が済み、学校へと戻る。
もう放課後だ、教室にいかなくては。

ガラガラ


案の定、そこには漁原涼好がいた。

宙を浮いている!?……訳もなく持ってきたハサミで糸を切る。

漁原「痛っ……!!やるわね……」

258: 2009/02/03(火) 23:26:47.78 ID:OfwVLC8oO
漁原「ねぇ、訊いてもいい?人間ってやらずに後悔するより、やって後悔したほうがいいっていうでしょ?」

キュン「まぁ、そういう意見もあるな(髭面の喋り方じゃないな)」

漁原「やっぱりそうよね!……でも上の人は頭が堅くて……事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるのよ!ねぇ?」

キュン「て、言われても」

266: 2009/02/03(火) 23:32:02.64 ID:OfwVLC8oO
漁原「だから、あなたをポアして鈴木はるこの出方を見る!」シュッ!


なんかビニールに液体入って、振りかざしてんだけど!?おい!短門!出番じゃないのか!?


その頃、短門は


「これも買ってはいけない……」

短門~!!


サッ!

277: 2009/02/03(火) 23:53:06.64 ID:OfwVLC8oO
キュン「……長門!!?」

長門「一つ一つのセキュリティーが甘い、だから簡単にピッキングされる、私に気付かれる」

漁原「クッ…!警察!?サティアンを突破するなんて……!!」

長門「情報連結解除」

漁原「最後にメロンをーー!ああ…ぁあぁぁぁあぁぁあ!」

キュン「大丈夫かビッシャビッシャ浴びてるじゃないか!?」

長門「……大丈夫」

285: 2009/02/03(火) 23:57:35.25 ID:OfwVLC8oO
長門「眼鏡が溶けて無くなった」

キュン「眼鏡は……無い方が似合います。僕も眼鏡属性はありません」

長門「……眼鏡属性って何?」

キュン「直にわかります」


ガラガラ


谷川「KAKAKA書けないよ~……ご、ごゆっくりー!?」


長門「早く書くべき」

キュン「ですよね~」

294: 2009/02/04(水) 00:03:52.77 ID:ak6YsYBAO
キュン「でも何であなたがここに?」

長門「有機生命体の存在する世界は一つに限らない。
その世界毎に情報統合思念体は対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェースを監視として送り込む。この世界ではそれが私」

キュン「で、でも涼宮ハルヒの世界は……」

長門「……あの世界は終焉を迎えた。何故その頃の書物が残っているかは不明」

キュン「そうですか……」

303: 2009/02/04(水) 00:08:59.47 ID:ak6YsYBAO
その日、俺は深い深い眠りについた。

…………

……

「…ン……キュ……キュン!」

キュン「ん?……はるこ?何処だここは……ってジャスコ!?」

はるこ「こんな広い店内にだれもいないの!!盗り放題だわ!!」

キュン「……おい、はるこ」

308: 2009/02/04(水) 00:12:52.34 ID:ak6YsYBAO
俺はレジの横にあるノートパソコンに目を配る。

逝.短門>SURIIPINGU BYUUTEI


キュン「ローマ字じゃねぇか」

313: 2009/02/04(水) 00:18:24.34 ID:ak6YsYBAO
キュン「はるこ、もう何も盗らなくていい。大丈夫、仲間がお前にはいる。
俺……実は普通萌えなんだ。お前の普通っぷりはたまらなかったぞ


サーッ


ハッ!


キュン「はるこに……フロイト先生もスタミナ太郎だっぜ!!」

316: 2009/02/04(水) 00:27:06.06 ID:ak6YsYBAO
次の日、登校すると既にはるこは席についていた。

キュン「よぉ」

はるこ「悪夢をみたわ」

キュン「そうかい、おれもだ」

はるこはいつにもまして普通だった。

明朝比奈「モグモグ」

大泉「田中眞紀子です!」


短門「……」
長門「……」
グッ!


キュン「早く驚愕でねぇかなぁ……なぁはるこ」

はるこ「…そうね」

キュン「ああ、楽しみだ。こんなに時間掛けてるんだ傑作に違いない」

はるこ「……楽しみね!!」


おわり

317: 2009/02/04(水) 00:27:56.69 ID:oQwDTCz4O
オワタ

318: 2009/02/04(水) 00:27:58.40 ID:qqTvYmpPO
なんですと

319: 2009/02/04(水) 00:27:59.95 ID:/v6QtfGV0
ちょwww
終わらせないでくれww

329: 2009/02/04(水) 00:30:23.70 ID:ak6YsYBAO
駄文に付き合って頂きありがとうございました。

原作、手元になかったのがなによりきつかった。

思い出し思い出しだったんで。

感想、アドバイス聞けたら嬉しい、宜しくお願い致します。

長々とありがとうございましたー

348: 2009/02/04(水) 01:14:42.74 ID:pAsn8C3i0
とにかく発想がすごかった。まず思いつかん

349: 2009/02/04(水) 01:15:21.31 ID:UWFVClldO
うん、良かったわ
いつもみてるSSとはなんか違う読後感というか
続き見たくなる作品

引用: 涼宮ハルヒの憂鬱……か