1: 2008/08/21(木) 14:00:54.15 ID:fq2Tz5af0
キン肉マン「はいはい只今~!」

真紅「あら早いわね…(コク)…ゲホッ!ゴホッ!」

キン肉マン「ありゃ?ちょっと熱くしすぎたかのう?」

真紅「…!」

バチィン!

キン肉マン「どわーっ!何すんのよ真紅ちゃん!」

ミート「王子!そっちは牛丼のツユですよ!真紅さん、紅茶はこっちです!」

真紅「ありがとう、ミート。まったく、スグルは何をやらせてもダメ超人なのだわ!」

キン肉マン「トホホ…」

3: 2008/08/21(木) 14:02:05.71 ID:fq2Tz5af0

コンコン

ミート「おや?誰だろう?」

ガチャ

テリーマン「よう、邪魔するぜ。ハロー、キン肉マン!ミート!」

金糸雀「邪魔するかしら~!」

キン肉マン「テリー!」

真紅「金糸雀!」

6: 2008/08/21(木) 14:03:37.35 ID:fq2Tz5af0
キン肉マン「そうか…テリーの所にもあの不審な手紙とトランクが届いたのだな」

テリーマン「ああ、最初は悪魔超人たちの罠だと思ってな。受けて立とうと思って『まきます』にしたら金糸雀が出てきたって訳だ」

金糸雀「悪魔超人なんて知らないのかしら~!」

真紅「そんな不貞の輩と間違えるなんて失礼にも程があるのだわ」

テリーマン「お陰でナツコさんにはあらぬ勘違いをされて出て行かれる始末だ。まったくアンビリーバボーだぜ」

ミート「王子とほとんど同じような流れですねぇ…」

キン肉マン「はぁ、ビビンバは滅茶苦茶怒っておったのう…どうやって疑いを解いたものか…」

真紅「それより、この汚い豚小屋(キン肉ハウス)に来たのは何か用があったからではなくて?」

8: 2008/08/21(木) 14:04:38.51 ID:fq2Tz5af0
テリーマン「ああ、そうだったそうだった。どうやら他の正義超人たちの所にもローゼンメイデンが届いたそうなんだ」

キン肉マン「ナヌ!ロビンやウォーズの所にもか!?」

テリーマン「ラーメンマンやバッファローマンの所にもな。今日は皆とそのことで話そうと思っている」

真紅「つまり、いよいよアリスゲームが開始されるということね…」

ミート「間接的とは言え、正義超人たちが敵同士になるのかなぁ…」

キン肉マン「そんなことは私が断じてさせん!さ、行くぞミート、真紅!」

10: 2008/08/21(木) 14:05:36.51 ID:fq2Tz5af0
~超人集会所~

ロビンマスク「む、遅かったじゃないか。キン肉マン!」

蒼星石「やぁ、真紅はキン肉マンさんの所にいたのか」

真紅「蒼星石、スグルのことを知っているの?」

蒼星石「うん、あらかたの資料は読ませて貰っているよ。『奇跡の逆転ファイター』とかね…」

キン肉マン「嬉しいことを言ってくれるじゃないの!ロビン、うちの真紅とその蒼星石ちゃん交換しない?」

ロビンマスク「ハハハ、冗談は顔だけにしておいてくれ」

真紅「スグル!下僕が生意気な口を利くんじゃないのだわ!」

13: 2008/08/21(木) 14:06:29.69 ID:fq2Tz5af0
水銀燈「ふふふ…真紅はどうやらミーディアムに恵まれなかったようねぇ」

真紅「水銀燈!…あ、あなたのミーディアムは…?」

ウォーズマン「コー…ホー…」

真紅「ヒィッ!」

水銀燈「ファイティングコンピューター、機械超人ウォーズマンよぉ」

ウォーズマン「よろしく…」

キン肉マン「どひゃー!色黒無口男がこれまた凄い別嬪さんを捕まえたもんだのう!」

真紅「スグル!」

18: 2008/08/21(木) 14:07:48.52 ID:fq2Tz5af0
バッファローマン「このチビ~~~っ!!いい加減に降りやがれ~~~っ!!」

雛苺「キャハハハ!バッファローマンのぼりなの~!まるでロデオなの~!」

バッファローマン「ウオオオオオ!!」

キン肉マン「あっちは随分荒れとるのう」

ミート「バッファローマンさん、何気に子供に弱いですからねぇ」

翠星石「こらー!やめるですぅ、チビ苺!バッファローマンに迷惑をかけんなですぅ!」

ラーメンマン「ハッハッハ、そう怒るな翠星石。ああ見えてもなかなか良いコンビじゃないか」

21: 2008/08/21(木) 14:09:07.87 ID:fq2Tz5af0
キン肉マン「なんだか凄い面子が揃っているのう…」

テリーマン「さて、メンバーが揃ったところでアリスゲームとやらについて詳しく話し合おう」

ロビンマスク「うむ、我々正義超人の下に揃って六体現れたということは何か重大な意味があるだろうからな」

蒼星石「じゃあ僕が説明します。アリスゲーム、そしてローゼンメイデンについて…」

ロビンマスク「頼む、蒼星石」

24: 2008/08/21(木) 14:10:23.67 ID:fq2Tz5af0
蒼星石「かくかくしかじか」

ミート「そ、そんなーっ!アリスになるためには姉妹同士で頃し合いをしなければならないなんてーっ!」

キン肉マン「ゆ、許せん!悪魔超人、いや、それ以上の残虐な所業だーっ!!」

テリーマン「ヘイ、ユーたち!そんな馬鹿げたことは今すぐ止めるんだ!」

金糸雀「それは…できないのかしら~…」

ウォーズマン「言わばローゼンメイデンとはその為に作られた存在…存在意義に逆らうことは氏を意味する、か…」

翠星石「ウォーズマン…」

ウォーズマン「オレも戦いのために生み出された機械超人。その気持ちはよくわかるぜ」

30: 2008/08/21(木) 14:11:27.96 ID:fq2Tz5af0
ラーメンマン「しかし正義超人としてそんな非道な戦いを見過ごすわけにもいかない。何か手はないものか…」

バッファローマン「その、お父様とかいうヤツをぶちのめせれば話は早ぇんだがなぁ~」

水銀燈「ちょ、ちょっとぉ、冗談でもそんなことを言わないでくれるぅ?」

ロビンマスク「そこで皆、私から提案があるんだ。誰も氏なずに決着をつけるとっておきの方法が」

真紅「それは興味深いのだわ。聞かせてくれるかしら?」

34: 2008/08/21(木) 14:12:08.19 ID:fq2Tz5af0
ローゼンメイデン全員『プロレスぅ!?』

ロビンマスク「ああ、そうだ。古来より超人界では争いは全てリングの上で解決する決まりになっている」

キン肉マン「さすがはロビン!正義超人のフェアなルールに則って勝負すれば氏人が出ることもないわい!」

翠星石「ちょ、ちょっと待つですぅ!翠星石たちはプロレスなんて一度もやったことがないですぅ!」

ラーメンマン「その点は問題ない。我々が清く正しい指導をすれば君たちも立派な超人…いや、人形レスラーになれるさ」

テリーマン「そう言えば聞いたことがある。不思議の国に送られたアリスは数々のモンスターをプロレス技で討伐し、元の世界に帰ったと」

雛苺「すごいの~!アリス、かっこいいの~!」

蒼星石「そんな話聞いたこともないよ…」

39: 2008/08/21(木) 14:13:12.21 ID:fq2Tz5af0
ウォーズマン「決まりだな…」

真紅「何も決まってないのだわ!」

水銀燈「あらぁ真紅、もしかして逃げる気ぃ?私はやるわよぉ?」

雛苺「ヒナもやるの~!」

金糸雀「カナもかしら~!」

翠星石「これは…しょうがねーですぅ」

蒼星石「そうだね、頃し合いよりはマシか…」

ロビンマスク「多数決により可決だな!よし、では勝負は一週間後!トーナメント形式でアリスゲームを開始しよう!」

真紅「これのどこがアリスゲームなのだわ!!」

42: 2008/08/21(木) 14:14:17.13 ID:fq2Tz5af0
~アメリカ・テキサス州~

テリーマン「ワン・ツー!そこで相手をダウンさせてスピニング・トゥーホールドだ!」

金糸雀「スピニング・トゥーホールド!」

グワッキィッ!

テリーマン「うぐっ!よぉし、ナイスだ、金糸雀!なかなか上手くなったじゃないか!」

金糸雀「それほどでもないのかしら~!」

テリーマン「さて、今日のスパーはこれぐらいにしておこう」

金糸雀「あ、あれ?もう終わり?必殺技(フェイバリットホールド)の練習はしないのかしら~?」

43: 2008/08/21(木) 14:14:50.25 ID:fq2Tz5af0
テリーマン「今のスピニング・トゥーホールドが必殺技だよ。テリー一族の伝家の宝刀だ」

金糸雀「そ…それはあまりにも地味すぎるかしら~!」

テリーマン「ハハ、地味でいいのさ。派手さはないけど、ジワジワと相手にダメージを与えてギブアップさせる。それがユーの戦い方だ」

金糸雀「で、でもちょっとは見せ場とか欲しいのかしら~…」

テリーマン「おいおい、金糸雀は策士なんだろう?楽してズルして勝ちたいなら、方法に文句を言ってはいけないよ」

金糸雀「わ…わかったかしら~」

テリーマン「よし、それじゃあハンバーガーを食べに行こう!試合に勝つためにはまず体力をつけないとな!」

47: 2008/08/21(木) 14:15:43.25 ID:fq2Tz5af0
~中国・河南省~

ラーメンマン「ジャガイモの皮剥きが終わったら風呂場の掃除だ」

翠星石「わかってるですぅ!風呂場の掃除が終わったらちゃんとスパーの相手をしてくれですぅ!!」

ラーメンマン「ああ、わかったわかった」

翠星石「さっきもそう言って誤魔化したですぅ!ちゃんと約束するですよ!」

ラーメンマン「ん、どうした?喋っている間に日が暮れるぞ?」

翠星石「ムキーッ!わかってるですぅ!」

シャリシャリシャリシャリ…

51: 2008/08/21(木) 14:17:15.96 ID:fq2Tz5af0
翠星石「これじゃあ雑用と一緒ですぅ!清く正しく指導なんてよく言ったもんですぅ!」

ラーメンマン「おや、そんなこと言ってたかな?」

翠星石「冗談じゃねぇですぅ!」

シャリシャリ…

翠星石「皮剥き終わったですぅ!すぐ風呂場を掃除してくるからそこで首を洗って待っているですよ!」

ドダダダダ…

ラーメンマン「フ…これでいい。闘龍極意は生活の中にこそあり…」

53: 2008/08/21(木) 14:18:10.00 ID:fq2Tz5af0
~ソビエト連邦・シベリア~

水銀燈「さ、寒いぃ!ねえ、ウォーズマン、こんな何もない雪原で何するのよぉ?」

ウォーズマン「…水銀燈、戦いに勝利したいか…?」

水銀燈「当たり前よぉ。私は優勝してアリスになるのよぉ」

ウォーズマン「そうか…迷いはないんだな…?」

水銀燈「くどいわぁ。何か始めるんでしょ?早くしなさぁい」

ウォーズマン「…わかった…」

55: 2008/08/21(木) 14:19:10.28 ID:fq2Tz5af0
ピィィィィ!

水銀燈「指笛?」

ザッ!

シベリアタイガー「ガルルル!」

水銀燈「ヒィッ!」

ウォーズマン「お前に伝授するのは、オレが一番強かった時代…第21回超人オリンピック ザ・ビッグファイトの時の…」

シベリアタイガー「ガオオオオッ!!」

水銀燈「あ、危ないっ!トラがっ!!」

ジャキィッ!

ウォーズマン「“氷の精神”だ!! スクリュードライバー!!」

59: 2008/08/21(木) 14:20:16.33 ID:fq2Tz5af0
~スペイン・マドリード~

雛苺「バッファローマ~ン!こっちなの~!」

バッファローマン「へいへい…。ったく、なんで元悪魔超人のオレ様が子守りなんざしなきゃならねえんだ…」

雛苺「うにゅ~が食べたいの~!」

バッファローマン「しかも他の姉妹に勝とうという気すらねえ…棄権させた方が身のためだな…」

ざわざわ…

バッファローマン「まったく面倒くせえことに首を突っ込んじまった………ん?何だか騒がしいな…」

市民A「お、おい!刃物を持った男が暴れてるぞ!!」

市民B「こっちに来る!逃げろーっ!!」

61: 2008/08/21(木) 14:20:54.44 ID:fq2Tz5af0
バッファローマン「何!?お、おい、雛苺!どこだ!? …あんなところに!」

刃物を持った男「ウオオオ!頃す!頃してやるぞーっ!!まずはあのガキからだーっ!!」

バッファローマン「いかん!間に合わん!!雛苺、避けろ!!」

雛苺「うにゅ?…キャアアッ!」

グワッキィッ!

刃物を持った男「ゲェーッ!?」

バッファローマン「つ、突っ込んできた男の首を両脚で挟みこんだ!?あの体勢はーーーっ!!」

ギュルルッ ズドォン!

刃物を持った男「ゲホォッ!」

バッファローマン「フ、フランケンシュタイナー!あんな高度な技を…!」

雛苺「え~ん!こわかったの~!」

バッファローマン「こ…こいつ…!とんでもねえ素質を秘めていやがる…!」

63: 2008/08/21(木) 14:22:53.58 ID:fq2Tz5af0
~イギリス・ロンドン~

ロビンマスク「これがロビン王家に伝わるタワーブリッジだ」

蒼星石「一度捕らえたら逃れることは難しい…なるほど…」

ロビンマスク「理解できたようだな。では今日の授業はこれで終了だ。質問はないか?」

蒼星石「ひとつ」

ロビンマスク「何かね?」

蒼星石「何故プロレスにしたんですか?」

64: 2008/08/21(木) 14:23:28.14 ID:fq2Tz5af0
ロビンマスク「…我々が超人だから、という理由ではいけないか?」

蒼星石「マスター…いえ、先生にも何か思惑があったのかと感じまして…」

ロビンマスク「…フ、やはり見抜かれていたか…」

蒼星石「予測ですが、間接的にでもやはりキン肉マンさんに勝ちたい…その想いが感じられます」

ロビンマスク「…正解だ…。結局私は実際に戦っても、弟子ウォーズマンと戦わせてもキン肉マンに勝つことはできなかった」

蒼星石「…僕は必ず優勝します。…約束するよ、マスター」

ロビンマスク「期待しているぞ、蒼星石」

68: 2008/08/21(木) 14:24:43.72 ID:fq2Tz5af0
~日本・東京都大田区田園調布の空き地~

真紅「キン肉バスター!」

キン肉マン「首のフックが甘い!ミート、抜けられるぞ!」

ミート「ホントだ!えいっ!」

真紅「あっ…!…スグル!助言はズルいのだわ!」

キン肉マン「甘ったれるな!!」

真紅「!!」

69: 2008/08/21(木) 14:25:14.40 ID:fq2Tz5af0
キン肉マン「実際の試合中でもセコンドはパートナーにアドバイスを飛ばす!それをズルいというのはお門違い!」

真紅「…」

キン肉マン「必要なのは容易には脱出不可能なキン肉バスターの体勢を整えることなのだ!さあ、もう一度やってみろ!」

真紅「…普段のダメ超人っぷりが嘘のようなのだわ…」

ミート「それこそ王子が奇跡の逆転ファイターたる所以ですよ。さあ、もう一度かけてください!真紅さん!」

キン肉マン「成功したら牛丼特盛りを食べさせてやるぞ!」

真紅「こんなキツい特訓の後にそんなもの食べられないのだわ!」

72: 2008/08/21(木) 14:26:14.91 ID:fq2Tz5af0
~一週間後・東京タワー特設リング前~

実況『さあ!いよいよ始まります。六人の薔薇乙女によるアリスゲーム!』

実況『ここ、キン肉マンvsステカセキング戦で使用された東京タワー特設リングには噂を聞きつけた観客がぎっしりと詰め掛けています!』

実況『しかし観客席はいつもと違った雰囲気を醸し出しています!』

実況『それもそのはず!今日戦うのは巨大で暑苦しい超人たちではなく、可憐で見目麗しいドールたちだからです!』

実況『元来の超人プロレスファンは当然、普段見ないような人種も数多く見ることができます!』

実況『果たしてこの異様な空気の中、優勝を掴むのは誰なのか!』

実況『只今から抽選を行った一時間後、いよいよゴングです!』

116: 2008/08/21(木) 14:57:55.60 ID:fq2Tz5af0
~抽選~

実況『抽選は箱の中に入れたボールの番号によって選ばれます!』

実況『2ブロックに分けた中、二名がシードされ、四名が一回戦を行うこととなります!』

実況『シード枠は③番、そして④番!①番vs②番!⑤番vs⑥番という形になります!』

実況『果たして一回戦を行うのはどの四名なのか!今、ロビンマスク&蒼星石のペアが前に出ました!』

ゴソゴソ…パッ…

蒼星石「…②番だよ…」

ロビンマスク「1ブロックか…フ、相手は誰になることかな?」

実況『電光掲示板の②番の枠に蒼星石の名が記されました!』

118: 2008/08/21(木) 14:58:24.74 ID:fq2Tz5af0
バッファローマン「よおし、次は俺たちが行くぜ!雛苺!!」

雛苺「わかったの~!」

キン肉マン「バッファローマンのヤツ、凄い気合だのう…」

真紅「あんなに嫌がってたのに…何かあったのかしら?」

ゴソゴソ…パッ…

雛苺「④番なの~!」

バッファローマン「ちぇっ!シード枠か…一戦少なくなっちまったな」

雛苺「残念なの~…」

実況『電光掲示板の④番、2ブロックシード枠に雛苺の名が記されます!』

120: 2008/08/21(木) 14:59:08.43 ID:fq2Tz5af0
金糸雀「テ、テリー!早く行かないとシード枠が取られてしまうかしら~!」

テリーマン「おいおい、そう急かすなよ。残り物にはハッピーがあるって言うだろう?」

金糸雀「そんな言葉知らないかしら~!」

ゴソゴソ…パッ…

金糸雀「い…①番…」

蒼星石「…へえ、初戦の相手は金糸雀か…相手にとって不足はないね」

金糸雀「お、お手柔らかに頼むのかしら~!」

ロビンマスク「フ…楽しみだな、テリーマン!」

テリーマン「小さいからって、金糸雀を甘く見ちゃいけないぜ?」

実況『あーっと、ここで1ブロックの一回戦が決定しました!金糸雀vs蒼星石!これで半分の枠が埋まったことになります!』

121: 2008/08/21(木) 15:00:01.22 ID:fq2Tz5af0
キン肉マン「屁のツッパリはいらんですよ」

真紅「いきなり下品な名言を意味不明に吐くんじゃないのだわ」

ミート「次は僕たちが行きましょう!」

ゴソゴソ…パッ…

真紅「⑤番だわ!」

ミート「ありゃ、シード枠は取れませんでしたね!」

真紅「望むところなのだわ。翠星石に水銀燈、どちらも相手にとって不足なしよ」

実況『電光掲示板の⑤番、2ブロックに真紅の名が記されます!果たして彼女と戦うのは翠星石か!水銀燈か!』

122: 2008/08/21(木) 15:00:53.12 ID:fq2Tz5af0
水銀燈「お先にどうぞぉ?」

翠星石「こ…この余裕…一体何なのですかぁ…?」

ウォーズマン「…余裕に見合うだけの力をつけた…それだけだ…」

翠星石「!!」

ラーメンマン「心が折れたら負けだぞ、翠星石」

翠星石「わ…わかってるですぅ!行くですよ、ラーメンマン!」

ゴソゴソ…パッ…

翠星石「…③番ですぅ!」

実況『あーっと、ここで1ブロックのトーナメントが完全に決定しました!③番に翠星石!つまり…!』

123: 2008/08/21(木) 15:01:40.29 ID:fq2Tz5af0
真紅「水銀燈…!」

水銀燈「真紅…」

キン肉マン「ウォーズマン…!」

ウォーズマン「…こうしてお前と張り合うのもあの超人オリンピック以来だな…水銀燈は負けないぜ…」

キン肉マン「なんの!真紅もこの一週間で見違えるほど成長したんじゃ!こっちも負けないぜ!」

ガシィッ!

実況『セコンド同士が固く握手を交わし、抽選会は終了いたしました!』

実況『第一試合は一時間後、金糸雀vs蒼星石!その一時間後に真紅vs水銀燈の開始となります!皆様、おトイレのお忘れのなきよう!』


真紅「…ジャンクが私に敵うと思わないことだわ…」

水銀燈「言っておきなさぁい。大口を叩けば叩くほど、負けた時は惨めよぉ…」

真紅「…!(いつもなら激怒するはずなのに…!この水銀燈、まるで氷なのだわ…!)」

ウォーズマン「………(それでいい…。それでいいぞ、水銀燈…。)」

124: 2008/08/21(木) 15:02:32.40 ID:fq2Tz5af0
書き溜め終了

一試合ごとに投下する予定

ブロッケンはいません

163: 2008/08/21(木) 16:20:47.81 ID:fq2Tz5af0
~赤コーナー・選手控え室~

金糸雀「…ハッ…ハッ…」

テリーマン「オーケー、ウォーミングアップはこれで終了にしよう」

金糸雀「…テリーマン…カナは勝てるかしら~?」

テリーマン「ノープログレム!作戦通りに行けば負けることはないさ!」

金糸雀「そ、それを聞いて安心したのかしら~!」

テリーマン「(…しかし、不気味なのはロビンマスク…抽選会、いつもの冷静なあいつとは違った雰囲気を感じたぜ…)」

テリーマン「(…そう、まるでバラクーダ時代の時のような…)」

金糸雀「(…蒼星石、怖かったのかしら~…。…なんだか、嫌な凄味があるっていうか…)」

金糸雀「(これは開始早々に怒涛の攻めで早く弱らせるに限るかしら~!)

167: 2008/08/21(木) 16:22:03.74 ID:fq2Tz5af0
~青コーナー・選手控え室~

蒼星石「…ふぅ…」

ロビンマスク「体は温まったか、蒼星石?」

蒼星石「準備万端だよ、マスター」

ロビンマスク「フフフ…頼もしい限りだ」

ロビンマスク「…わかっているな?姉妹と言えど…」

蒼星石「リングに上がったからには一切の容赦は無用…でしょ?」

ロビンマスク「その通りだ。無論、正義超人のルールには従わねばならないが、油断は即敗北に繋がる」

ロビンマスク「私の経験の上での言葉だ。忘れるなよ」

蒼星石「了解。金糸雀には悪いけど…一回戦で敗退して貰う」

169: 2008/08/21(木) 16:22:58.04 ID:fq2Tz5af0
~東京タワー特設リング~

実況『さあ、あっという間に一時間が経過いたしました!』

実況『会場外では各ドールの限定グッズが販売され、日本経済を傾かせるほどの売り上げが出ています!』

実況『さて、アニメ版ならばここでアデランス中野さんが登場する所ですが、筆者事情のため登場を省かせていただきます!』

実況『筆者の文才の無さとブロッケンJrの不在をお許しください!』

実況『そうこうしている間に、まもなくゴングです!リングには両超人…両人形が既にスタンバイしております!』

170: 2008/08/21(木) 16:24:14.80 ID:fq2Tz5af0
アナウンス『赤コーナー!“テキサスの諸葛孔明”金糸雀~~~ッッ!!!!』

金糸雀「楽してズルしていただきかしら~~~~~~~~~~~~っ!!!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

テリーマン「よし!会場の空気には呑まれていない!いけるぞ!」

アナウンス『青コーナー!“ロンドンの青き騎士”蒼星石~~~ッッ!!!!』

蒼星石「………」 サッ

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ロビンマスク「…行け、蒼星石…!」

実況『さあ、両者共にリング中央で握手を交わし………』

カァーン!!

実況『今ゴングが鳴ったぁっ!!』

173: 2008/08/21(木) 16:25:25.64 ID:fq2Tz5af0
金糸雀「かしらぁっ!!」 ドスッ!

実況『あーっと!先に仕掛けたのは金糸雀だーっ!テリーマン直伝のラフファイトです!蒼星石、これをガード!」

蒼星石「…っ!」

金糸雀「かしらっ!かしらっ!かしらっ!」 ドスッ!ドスッ!ドスッ!

実況『いきなり金糸雀がいった!金糸雀がいった!金糸雀がいったぁーっ!』

金糸雀「テリー直伝ナックルパート!とどめはぁっ…」 グルグル!

金糸雀「アングリーシャッフルからのブロンコフィストかしらーっ!!」 ドウッ!!

実況『金糸雀がいったぁーっ!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

テリーマン「ようし、流れを掴んでるぞ!金糸雀!!」

175: 2008/08/21(木) 16:26:10.10 ID:fq2Tz5af0
蒼星石「…ただのパンチかと思いきや、結構重いね…」

ロビンマスク「テリーマンはラフファイト、インファイトを得意とした超人ファイター。接近戦では一瞬たりとも気は抜けんぞ」

蒼星石「了解。次はこっちから攻めるよ」 ダッ!

テリーマン「金糸雀!蒼星石が来るぞ!!」

金糸雀「分かってるかしらっ!…うぐっ…!」 ガシッ!

実況『反撃に蒼星石がロビンマスク直伝のライナータックル!!金糸雀、これを受け止めて…!』

金糸雀「かしらぁーっ!!」

実況『ハンマースルーでロープ方向に受け流します!そして自らも反対方向のロープに走り…』

実況『両者、ロープの反動を利用して天高く舞い上がったぁーっ!!』

176: 2008/08/21(木) 16:26:57.50 ID:fq2Tz5af0
蒼星石「超人…もとい人形ロケット!!」

金糸雀「テキサスコンドルキックかしらーっ!!」

ドガァッ!!

実況『二つの空中技が激突ーーーっ!!勝ったのは…!』

蒼星石「うああっ!」 ドサッ!

実況『流れを掴んでいる金糸雀!金糸雀です!!』

テリーマン「金糸雀!蒼星石が倒れたぞ!チャンスだーっ!!」

金糸雀「今こそ伝家の宝刀を抜く時かしらっ!!スピニング・トゥーホールド!!」

グワッキィッ!!

実況『出たーーーっ!!スピニング・トゥーホールドーーーっ!!』

蒼星石「ぐわあああっ!!」

177: 2008/08/21(木) 16:27:50.59 ID:fq2Tz5af0
グイッ!グイッ!グイッ!

実況『金糸雀!スピニング・トゥーホールドで回転しながら蒼星石の足を締め上げるーーーっ!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

金糸雀「早くギブアップしないと足が折れて立てなくなってしまうかしらーーーっ!!」

蒼星石「ぐうううっ…! はあっ!」 ドガッ!

金糸雀「わあっ!」

実況『蒼星石、空いている足でなんとかこれを脱出!!しかし…』

蒼星石「ハァ…!ハァ…!」

実況『もはや満身創痍!!立っているのがやっとという感じです!!これは決まったかーーーっ!?』

金糸雀「弱らせた…!あとはトドメをいただくだけかしらーっ!」

テリーマン「(な…何故だ…?何故ロビンマスクはこんな状況でも何も言わない?…まさか…!)」

180: 2008/08/21(木) 16:28:31.90 ID:fq2Tz5af0
金糸雀「トドメは…トドメだけ一番派手な…カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)って決めてたのかしら!」

テリーマン「い…いかん!金糸雀!ナックルパートで様子を見るんだっ!!」

金糸雀「そんな悠長なことは言っていられないのかしらーっ!」 ガキィッ!

実況『さぁ、出るぞ!カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)!!今、金糸雀が蒼星石の後頭部に膝を当て…!』

蒼星石「…ダメだよね、セコンドの言うことを無視しちゃ…」

金糸雀「!?」

実況『な…なんと倒れないっ!カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)不発ーっ!!満身創痍のはずの蒼星石、倒れませんっ!!』

テリーマン「ノーッ!!金糸雀!早くそこから脱出するんだーーーっ!!」

蒼星石「もう遅いよ…」

実況『あ、あーーーっと!金糸雀捕まったーっ!!この体勢はーーーっ!!』

182: 2008/08/21(木) 16:29:17.73 ID:fq2Tz5af0
ロビンマスク「…よし、やれ!蒼星石!」

蒼星石「タワーブリッジ!!」

グワッキィッ!!

金糸雀「かしらあーーーっ!?」

実況『タワーブリッジだーっ!!脱出不可能のスペシャルホールド!金糸雀に完全に極まっています!!』

蒼星石「君の性格だと、弱ったフリをしていれば必ずカーフ・ブランディングが来ると思っていたよ…。でもね…」

蒼星石「僕の頭上に氏角はないっ!!」

メキメキメキメキ…!

実況『金糸雀の背骨の軋む音が響き渡るーーーっ!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

183: 2008/08/21(木) 16:30:26.28 ID:fq2Tz5af0
蒼星石「…さて、あと少し力を加えるだけで君は真っ二つになるけど…どうする?」

金糸雀「………」

メキメキメキ…!

金糸雀「ぐぅぅっ!! …ギ…ギブ…アップ…かしら…」

蒼星石「よろしい」 ドサッ

カンカンカァン!!

実況『あーっと、ここでギブアップーーーっ!!策略家・蒼星石、完全勝利です!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!


テリーマン「金糸雀ーーーっ!」

金糸雀「ご…ごめんなさい…かしら…、テリー…。…ゲホッ!」

テリーマン「バカ野郎!謝るのは後でいいんだ!早く医務室へ!」


ロビンマスク「…よくやったな、蒼星石。観客にエールを送ってやれ」

蒼星石「………」 サッ

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

225: 2008/08/21(木) 18:26:16.72 ID:fq2Tz5af0
~赤コーナー・選手控え室~

実況『第一試合、蒼星石の完全勝利です!』

キン肉マン「…そっくりだ…。あの頃のロビンと…!」

ミート「まるでアメリカ遠征編の時の“狂乱の貴公子”ロビンマスクの生き写し!」

真紅「あの蒼星石に一体何があったの…!?」


~青コーナー・選手控え室~

ウォーズマン「…歴史は繰り返す…か…」

水銀燈「でも次の試合…歴史は塗り替えられる。そうでしょぉ?」

ウォーズマン「…フ、その通りだな…。…スタンバイしておけ、水銀燈!」

228: 2008/08/21(木) 18:28:13.37 ID:fq2Tz5af0
~観客席~

バッファローマン「へえ、メスガキの試合かと思ってりゃなかなかやるじゃねえか…」

雛苺「うえ~ん!カナが負けちゃったの~!悲しいの~!」

バッファローマン「おいおい、泣くんじゃねえよ。ほら、お前の大好きなうにゅ~だぜ」

雛苺「グスッ…ありがとうなの~、バッファローマン」


ラーメンマン「…あれが翠星石の次の相手となる…双子の姉として、どうだ?」

翠星石「あ、蒼星石はあんなに冷酷じゃねーですぅ!きっとあの変態仮面に洗脳されてるんですぅ!」

ラーメンマン「へ、へんた……ゴホン、いや、そうとは限らない。ロビンに何か共感するものを得たのかも知れん」

ラーメンマン「戦えるか、翠星石?」

翠星石「当たり前ですぅ!姉として、蒼星石の目を覚まさせてやるですぅ!」

229: 2008/08/21(木) 18:28:52.38 ID:fq2Tz5af0
~一時間後~

実況『さて、前の試合の興奮冷めやらぬうちに早くも一時間が経過いたしました!』

実況『ドールたちの見た目から敬遠していた超人プロレスファンたちも、先の試合を見、急いでここ東京タワー下に駆けつけたようです!』

実況『それもそのはず、蒼星石vs金糸雀は並みの超人にも負けず、劣らない内容でした!』

実況『きっとカナディアンマンやスペシャルマンあたりは手も足も出ないままKOされてしまうでしょう!』

実況『さあ、間もなく第二試合!真紅vs水銀燈のゴングが鳴ります!次の薔薇乙女は一体どんな試合をみせてくれるのでしょう!?』

231: 2008/08/21(木) 18:29:36.18 ID:fq2Tz5af0
~赤コーナー・選手控え室~

真紅「紅茶はやっぱり落ち着くのだわ…」

ミート「すごいなぁ、王子だったらいつもここで逃げたり隠れたりしているのに、動揺すらしていないや!」

キン肉マン「こりゃミート!余計なことは言わんでいい!」

真紅「それでも一度リングに上がればスーパーヒーローなのでしょう?」

キン肉マン「む…?う、うむ、まぁ、そうだな…」

真紅「私もスグルに近づけるよう、頑張るのだわ…。行きましょう」

キン肉マン「(ヒソヒソ…)…のう、ミート。真紅のヤツ、どこかで頭でも打ったのかのう?」

ミート「もう、王子ったら鈍いんだから!行きますよ!」

232: 2008/08/21(木) 18:30:33.52 ID:fq2Tz5af0
~青コーナー・選手控え室~

タタタタ… ガチャ!

係員「ウォーズマンさん!水銀燈さん!そろそろリングインの時間です!」

ビュオオオオ!

係員「ヒャアアッ!ふ…吹雪!?」

水銀燈「あらぁ、もうそんな時間なのぉ?」

係員「ウワアーッ!!ゆ、雪女だぁぁ!!」

ダダダダ…

水銀燈「失礼な係員ねぇ…」

ウォーズマン「…オレの時もあんなものだったさ。…行くぞ」

234: 2008/08/21(木) 18:31:52.87 ID:fq2Tz5af0
実況『皆様お待ちかね!いよいよ真紅vs水銀燈の試合開始です!両者、それぞれリングインしました!』

アナウンス『赤コーナー!“炎の大人気主人公”真紅~~~ッッ!!!!』

真紅「負けないのだわ!!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

キン肉マン「ほー、真紅は大人気な主人公なのだのう…」

ミート「王子、主人公なのに人気ないですからねぇ…」

アナウンス『青コーナー!“吹雪の漆黒天使”水銀燈~~~ッッ!!!!』

水銀燈「乳酸菌摂ってるぅ?」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ウォーズマン「(………ネーミングセンスを強化する時間はなかったか…)」

実況『両者共にリング中央で握手を交わします。』

真紅「ジャンクにするのだわ」

水銀燈「ジャンクにしてあげる」

カァーン!!

実況『今ゴングが鳴ったぁっ!!』

235: 2008/08/21(木) 18:33:38.67 ID:fq2Tz5af0
キン肉マン「真紅!先手必勝じゃ!」

真紅「わかっているのだわ!!」

実況『まず攻撃を仕掛けたのは赤コーナーの真紅!素早いフットワークで間合いを詰め…』

真紅「はぁっ!」

実況『鋭い掌底を打ち込みます!』

ウォーズマン「水銀燈!後方左斜め45度に約三歩!」

水銀燈「了解よぉ」

シュッ…!

実況『おおっと、水銀燈!これをまるで読み切っていたかのように難なく避ける!』

キン肉マン「一気呵成に攻め立てるんじゃ!下手な鉄砲でも数撃ちゃ当たるわい!」

真紅「わかったわ、スグル!はぁぁっ!」

248: 2008/08/21(木) 18:48:00.06 ID:fq2Tz5af0
ウォーズマン「予測完了!攻撃パターンC!」

水銀燈「ふふ…おばかさぁん」

実況『あーっと!これはどうしたことだーっ!?真紅の怒涛の攻撃が水銀燈にはかすりもしません!!』

実況『まるで舞を踊っているかのような華麗なステップで回避!攻めているはずの真紅の表情が苦しげに歪みます!』

真紅「はぁ…!はぁ…!」

キン肉マン「な…なぜじゃ?完全に攻撃が読まれているぞ…?水銀燈のヤツ、相手の心でも読めるのか?」

真紅「す…水銀燈にはそんな能力は無いはずなのだわ…!むしろ怪しいのは…!」

ミート「真紅さん!攻撃の手を休めちゃダメだーっ!」

ウォーズマン「チャンスだ、水銀燈!」

水銀燈「では、失礼ぃ」 ドグォッ!

実況『あーっとぉ!ここで水銀燈の喧嘩キックが真紅の腹部に直撃ーーーっ!!これは痛い!!』

真紅「ゲホォッ!」

249: 2008/08/21(木) 18:49:14.76 ID:fq2Tz5af0
今度はゆっくりやるぜ

252: 2008/08/21(木) 18:52:26.87 ID:fq2Tz5af0
水銀燈「ほらほらぁ、休んでいる暇はないわよぉ!」

実況『先ほどのお返しと言わんばかりに水銀燈の蹴りが猛吹雪となって真紅におそいかかるーーーっ!!』

キン肉マン「に、肉のカーテンじゃ!肉のカーテンで防げ!!」

真紅「りょ、了解なのだわ!ふっ…!」 ガキィッ!

実況『おーっとぉ!これは三日三晩悪行超人の攻撃に耐え抜いたといわれるキン肉族に伝わる防御法、肉のカーテン!』

ミート「これならあの蹴りだって通らないはずだーっ!」

水銀燈「残念ねぇ、メガネの僕ぅ。ウォーズマンはこの壁の破り方だってインプット済みなのよぉ」

ウォーズマン「その通りだ。水銀燈、マッハパルバライザー!!」

キン肉マン「マッハ…?…い、いかん!真紅、肉のカーテンを解除して伏せるのだーっ!!」

254: 2008/08/21(木) 18:53:54.69 ID:fq2Tz5af0
実況『あーっと、ここで水銀燈が両掌をあわせ…跳んだっ!!高速回転しながらドリルのように真紅へと突っ込んでいくーーーっ!!』

実況『こ…これはベアクローこそ無いものの、ウォーズマンのスクリュードライバーです!!』

真紅「ふ、伏せる時間がないのだわ!だけどこんなもの、肉のカーテンで防ぎきって…!」

ウォーズマン「…フ…甘いな…。狙うはカーテンの境目!抉じ開けろ、水銀燈!」

真紅「う…!し、しっかり閉じているはずの両腕が…!」

実況『あ、あーっとぉ!難攻不落のはずの肉のカーテンが!マッハパルバライザーの回転で右腕と左腕の境を抉じ開けられていくーっ!!』

キン肉マン「避けるんじゃ、真紅ーーーっ!!」

水銀燈「ジャンクになりなさい!!」

ドギュルルルルルルッ!!

257: 2008/08/21(木) 18:55:23.41 ID:fq2Tz5af0
実況『こ、これは信じられないーーーっ!!先ほどまで真紅が背にしていたコーナーポストに風穴が空いているーーーっ!!』

実況『その当の本人の真紅は…どうやら無事のようです!傍に尻餅をついています!』

真紅「あ…危なかったのだわ…!こんなもの、まともに食らっていたら本当にジャンクになってしまう…!」

水銀燈「ちょっとロックオンが甘かったかしらぁ…?でもぉ…」 ガチッ!

実況『おーっと!ピンチには変わりはない!水銀燈を肩車する形で首四の字で捕らえられてしまったーっ!!』

水銀燈「エルボーストーム、行くわよぉ!」

実況『休む暇を与えずエルボースタンプの嵐だーっ!!第21回超人オリンピック決勝のウォーズマンを髣髴とさせます!!』

真紅「うぐっ!うぐぅっ!!」

260: 2008/08/21(木) 18:57:02.28 ID:fq2Tz5af0
水銀燈「首四の字も相まって意識が朦朧としてきたでしょう?冥途の土産に、何故私が貴女の攻撃を見切れるのか教えてあげるわぁ…」

真紅「…ウォーズマン…なのだわ…」

水銀燈「あら、気付いてたのぉ?」

ウォーズマン「…そうだ。このオレのコンピューターはキン肉マンに一度破られたことによって既に必勝パターンを弾き出している」

キン肉マン「ハッ!」

ウォーズマン「素人にレスリングを教えたならば、しばらく師の生き写しとなることは当然。オレには真紅の動きが手に取るようにわかる」

キン肉マン「う、うう…なんということじゃ!私のデータを流用されているとは…!」

キン肉マン「この戦い…私の戦い方を教わった真紅では勝てないというのか…!」

水銀燈「あらぁ?セコンドの方が先に心が折れたみたいねぇ…。それじゃ、最後のトドメと行きましょうかぁ」

実況『あ、あーっとぉ!この体勢はーーーっ!!』

263: 2008/08/21(木) 18:58:49.26 ID:fq2Tz5af0
水銀燈「パロスペシャル!!」

実況『ウォーズマンのスペシャルホールド、パロスペシャルだーーーっ!!』

真紅「うああああっ!!」

キン肉マン「くっ、もういい真紅!ギブアップするんじゃーっ!!」

真紅「こ…断るのだわ…!」

キン肉マン「真紅!」

真紅「奇跡の逆転ファイターはここから挽回する…!火事場のクソ力を発揮するのだわ…!」

水銀燈「おばかさぁん!貴女に火事場のクソ力なんてないのよぉ!そらそらぁ!早くギブアップしなさぁい!」

真紅「水銀燈、ウォーズマン…確かにスグルの戦法は見切っているかも知れないけど…私はスグルではないのだわ!」

真紅「ローゼンメイデン第五ドール…真紅なのよ!!」

266: 2008/08/21(木) 19:00:05.21 ID:fq2Tz5af0
真紅「はぁっ!!」 パシィン!!

実況『あーっとぉ!両腕を封じられ、背に乗られている真紅が頭を振ると、ツインテールが鞭のように水銀燈に襲い掛かるーーーっ!!」

水銀燈「くっ…!悪あがきを…!………し、しまった!両腕に髪の毛が絡みついて…!」

ウォーズマン「な…!パロスペシャルのフォーメーションが崩れる…!踏ん張るんだ、水銀燈!!」

真紅「ツインテールスロー!!」

水銀燈「きゃああっ!!」

実況『な、なんとーっ!ツインテールで背に乗った水銀燈を前方に投げ飛ばしたーーーっ!!そしてそのままの勢いで水銀燈を抱え上げ…!』

ウォーズマン「ゲェーッ!あの体勢はーーーっ!!」

ミート「48の殺人技!!」

キン肉マン「キン肉バスター!!」

真紅「キン肉…バスターーーーーッ!!」

ドォォォンッ!!

271: 2008/08/21(木) 19:01:18.70 ID:fq2Tz5af0
水銀燈「そ…そんな…あと一歩…で…」

水銀燈「ガハァッ!」

ズン…

カンカンカァン!!

実況『あーっと、ここでゴングが鳴ったーーーっ!!水銀燈KO!!真紅、奇跡の逆転勝利です!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

ミート「やった!やったあ!!」

キン肉マン「うおおお!やったのう!真紅!」

真紅「スグル、顔を近づけないで頂戴。ニンニク臭いのだわ」

キン肉マン「あ、ごめんちゃい」

真紅「それでも、いい気分なのだわ!奇跡の逆転ファイターに私もなれたのよ!」

キン肉マン「ああ、そうだとも!私よりもずっと立派な戦いぶりだったぞ!」

276: 2008/08/21(木) 19:02:35.28 ID:fq2Tz5af0





水銀燈「あ、ああ…私、負けたのぉ…?」

ウォーズマン「すまない…すまない…オレの作戦ミスだ…!…本当にすまない…!」

水銀燈「…ウォーズマン…」

真紅「そんなことないのだわ。もう少しで私はギブアップしていたところよ」

水銀燈「…真紅…」

キン肉マン「立て、水銀燈。ウォーズマン。共に観客にエールを送ろうではないか」

真紅「肩なら貸してあげるのだわ…ほら…」

実況『あーっとぉ!これは美しい友情劇!四人が肩を組み!観客席へと手を振っています!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

281: 2008/08/21(木) 19:04:20.81 ID:fq2Tz5af0
書き溜め分、これにて終了

予想以上に疲れたので続きはまた近い内に…

蒼星石vs翠星石
真紅vs雛苺

です

377: 2008/08/22(金) 00:45:52.09 ID:bjLOW7h70
実況『真紅vs水銀燈に決着がついたところで、本日の試合は終了となります!』

実況『蒼星石vs翠星石、雛苺vs真紅の準決勝戦は一週間後を予定されています!』

実況『試合会場はあのキン肉マンvsバッファローマンの名勝負の舞台、田園コロシアム!』

実況『さて、次回は一体どのような戦いを見せてくれるのでしょうか!』

実況『それでは皆様、また来週お会いしましょう!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

378: 2008/08/22(金) 00:46:46.45 ID:bjLOW7h70
~夜・帰り道~

真紅「ほらスグル、キリキリ歩くのだわ!」

キン肉マン「はいはい…まったく、足腰も立たないぐらいダメージを受けているのに態度だけは相変わらずなんだからーっ!」

ミート「…本当に王子とソックリだよなぁ…真紅さんって…」

真紅「何か言ったかしら、ミート?」

ミート「い、いえいえ何でもございませんよ!」

キン肉マン「しかし、次の相手は雛苺ちゃんか…正直、あの娘が戦えるとは思えんのだがのう…」

真紅「雛苺を甘く見てはいけないのだわ。ああ見えて、彼女もまたローゼンメイデン…………あら?」

380: 2008/08/22(金) 00:48:00.47 ID:bjLOW7h70
雛苺「真紅~!お疲れ様なの~!カッコよかったの~!」

真紅「雛苺!」

バッファローマン「よう、キン肉マン!キン肉星王子がお人形さんをおんぶとはいいザマだな!」

キン肉マン「バッファローマン!お前にだけは言われたくないぞ!」

雛苺「真紅よりヒナの方が高いの~!ヒナの方が偉いの~!」

真紅「(ムッ)スグル!肩車して頂戴!ああ、これでも高さが足りないのだわ!ミート!!」

キン肉マン「真紅もまだまだ子供だのう…」

バチィン!

キン肉マン「おわっ!」

383: 2008/08/22(金) 00:49:03.61 ID:bjLOW7h70
真紅「それより次の対戦相手の雛苺&バッファローマンが一体何の用かしら?」

バッファローマン「フフ…なに、ひとつ忠告をしておこうと思ってな…」

真紅「忠告?挑発の間違いではなくて?」

バッファローマン「いや、あくまで忠告だ。同時に宣言でもある。…ローゼンメイデン第五ドール・真紅!!」

雛苺「真紅!!」

ビシィッ!

バッファローマン「この雛苺に、フィニッシュホールドのキン肉バスターは通用しない!!」

雛苺「通用しないなの~!!」

キン肉マン&真紅「!!」

384: 2008/08/22(金) 00:50:22.79 ID:bjLOW7h70
真紅「ざ…戯言なのだわ!」

キン肉マン「そ、そうじゃそうじゃ!バッファローマン、お前のキン肉バスター返しは超人強度1000万パワーあってこそのもの!!」

ミート「精神的にも肉体的にもローゼンメイデンの中で一番幼い雛苺ちゃんができるわけがないーっ!!」

バッファローマン「フン、信じないなら信じないで構わんぜ。痛い目を見るのは貴様のほうだからな、真紅」

雛苺「真紅には負けないの~!!」

バッファローマン「それじゃ、一週間後を楽しみにしているぜ!あばよ、キン肉マン!そして真紅!」

雛苺「バイバイなの~!」

ハハハハハハハハ…!

キン肉マン「ふ…ふん!きっとキン肉バスターを使われたくないからハッタリかましに来たんじゃ!」

真紅「キン肉バスターほどの必殺技を、あの雛苺が破れるはずがないのだわ!」

ミート「……………」

387: 2008/08/22(金) 00:53:03.59 ID:bjLOW7h70
~同時刻・ロッカールーム~

ロビンマスク「金糸雀のダメージは軽いそうだ。明日一日眠っていればすぐにでも回復するだろう」

蒼星石「そう…良かった…」

ロビンマスク「やはり姉妹として少しやりすぎたと思った所があったか?」

蒼星石「いや、リングの上で手加減をする気は無いよ…。でも、重傷を負わせることも望んではいない」

ロビンマスク「フ…どうやら己を見失うことも、甘くなることもないようだな…。取り越し苦労だったか…」

ロビンマスク「先に駐車場で待っているぞ。着替えたら来い。ホテルに帰ったらミーティングだ」

バタン…

蒼星石「ふう…ちょっと、今日はハリキリすぎちゃったかな…」

蒼星石「ねえ…どう思う、翠星石?」

388: 2008/08/22(金) 00:55:06.38 ID:bjLOW7h70
キィ…

翠星石「やるですね…。翠星石がロッカーに隠れていたことも感づいていたですか…」

蒼星石「うん、モンゴルマンの得意技だとロビンメモに書いてあったからね…そんな気がしてたんだよ…」

翠星石「モンゴルマン…?翠星石の師匠はラーメンマンですぅ!」

蒼星石「あ、知らないのか…。それならそれでいいけど…」

蒼星石「それより、何の用だい?まさか奇襲して僕を一週間後のリングに上げないつもりかな?」

翠星石「へん!そんなセコい真似をしては師匠に絶縁されてしまうですぅ!」

翠星石「翠星石はただ、今日の試合がどういうつもりだったかを聞きに来ただけですぅ!」

翠星石「チビカナ相手にあの容赦の無い戦い方…悪行超人にでもなってしまったですか!?」

蒼星石「ああ…やっぱりそう映っていたのか…。お客さんも怖がらせちゃったかな…?」

翠星石「真面目に答えるですぅ!」

391: 2008/08/22(金) 00:57:02.92 ID:bjLOW7h70
蒼星石「別に金糸雀が憎いわけじゃないし、大怪我を負わせたいわけじゃないよ」

翠星石「じゃあ…」

蒼星石「ただ、僕は負けられないんだ。特に真紅には…。それがマスターであるロビンマスクの願い」

蒼星石「だから一切の甘さを捨て、勝利に向かって邁進する…。相手が誰であろうと関係ない」

翠星石「そうですか…。それはつまり、次の試合でも…」

蒼星石「うん、手加減は絶対にしないよ。翠星石がギブアップしないなら、再起不能にしても決勝へと駒を進める」

翠星石「その覚悟があるですか…。…上等ですぅ!」

ガシィッ!

翠星石「翠星石も全力で蒼星石を倒しに行くですぅ!お互い、悔いの残らない試合にするですよ!」

蒼星石「勿論だとも!」

394: 2008/08/22(金) 01:00:21.58 ID:bjLOW7h70
~そうして、一週間の時が流れた~

~金糸雀も水銀燈も試合のダメージから回復し、各々のミーディアムとしばらくの休日を満喫していた~

~だが…決戦の時間近の蒼星石、翠星石、真紅、そして雛苺には休まる暇など存在しない~

~勝利を掴むため、一分一秒の時間を惜しんで己の力と技を磨いていたのである~


蒼星石「ペンデュラムバックブリーカー!」

ロビンマスク「ロビン戦法No.1 獲物は逃がすな!その技からはロビンマスク氏のコースに連携できるぞ!」

蒼星石「ハイ!」


翠星石「フライングレッグラリアートですぅ!」

ラーメンマン「ほう、大分空中戦にも慣れてきたな。次っ!」

翠星石「飛刀龍尾脚ですぅ!!」


キン肉マン「♪牛丼一筋三百年~、美味いの早いの安っすいの~」

真紅「横で変な踊りを踊るんじゃないのだわ。せっかくのティータイムが台無しだわ」

ミート「やれやれ、キン肉ハウスが牛丼と紅茶の香りでカオスな匂いだよ」

397: 2008/08/22(金) 01:01:44.32 ID:bjLOW7h70
雛苺「お腹すいたの~!」

バッファローマン「そう慌てるんじゃねえよ。さて、ここにお前の大好きな花丸ハンバーグ(手作り)がある」

雛苺「早く食べたいの~!」

バッファローマン「おっと、そう簡単には食べさせねえ。飯が食いたいなら、このオレを倒してから食うんだ」

雛苺「うにゅ~!そんなの無理なの~!」

バッファローマン「無理なんかじゃないさ。実際、お前はオレを上回るポテンシャルを秘めているんだ」

雛苺「ポテ…?」

バッファローマン「来ないならこっちから行くぜ、雛苺!ハリケーンミキサー!!」

雛苺「キャアアアッ!!」

バッファローマン「(食欲…生命の危険…そして、幼く物心のついていない思考………つまり、獣性!)」

バッファローマン「(雛苺は、オレたち猛獣超人が生まれながらにして備えている獣性を目覚めさせる条件を手にしている!)」

400: 2008/08/22(金) 01:03:07.65 ID:bjLOW7h70
バッファローマン「ウオオオオオ!!」

雛苺「…うにゅ~っ!!」

ヒュンッ!

バッファローマン「ハッ…き、消えた…?」

雛苺「後ろなの~っ!!」

バッファローマン「ゲェッ!!フルネルソン!?い…いや、それだけじゃねえ!そのままスープレックスに入れば…!」

雛苺「ドラゴンスープレックスなの~~~っ!!」

ズドォン!!

バッファローマン「グオオッ!!」

雛苺「花丸ハンバーグ~っ!!」

ガツガツガツガツ…

バッファローマン「(し…信じられねえ…!このオレ様の巨体を、いとも簡単にドラゴンスープレックスで投げ飛ばしやがった…!)」

バッファローマン「(いけるぞ…!最初は諦めていたオレだが、勝利への欲望がムクムクと鎌首をもたげて来やがったぜ~っ!!)」

雛苺「ハンバーグ美味しいの~!」

405: 2008/08/22(金) 01:05:45.11 ID:bjLOW7h70
~そして、決戦の日はやってきた~

実況『ここ、田園コロシアムは前回にも増して異様な熱気に包まれています!』

実況『それもそのはず、今日はアリスゲームの準決勝戦!前回壮絶な勝利を勝ち取った蒼星石、真紅の戦いの日なのであります!』

実況『また、それぞれ2000万パワーズの弟子という形になる翠星石、雛苺の戦いぶりにも注目したいところです!』

実況『果たして今日はどんな氏闘が繰り広げられるのか…。観客席は赤、青、緑、黄の四色で埋め尽くされています!』

実況『さあ、運命のゴングは今から一時間後!蒼星石vs翠星石の双子対決から開始されます!』

410: 2008/08/22(金) 01:07:47.93 ID:bjLOW7h70
~赤コーナー・選手控え室~

蒼星石「…ふぅ…」

ロビンマスク「よし、この辺でウォーミングアップは終わりだ。後はイメージトレーニングに専念しなさい」

蒼星石「了解、マスター」

ロビンマスク「………お前は必ず勝てる実力を身につけている…。敗北があるとするならば…」

蒼星石「………双子の姉という情に流され、攻撃の手を緩めてしまった時だけ…」

ロビンマスク「そうだ。その意識を忘れるな。リングに上がった以上、お前たちは敵同士なのだ」

蒼星石「大丈夫だよ。手加減はしない…そう、約束したからね…」

411: 2008/08/22(金) 01:09:12.79 ID:bjLOW7h70
~青コーナー・選手控え室~

翠星石「このお香…嗅いでいると気分が安らいで来たですぅ…」

ラーメンマン「中国四千年に伝わる秘伝の香だ。戦いの前に、荒ぶる心を落ち着けるのに丁度良い」

翠星石「でも、そんなことで良いですか?戦う前から戦意喪失なんて冗談じゃねぇですよ?」

ラーメンマン「蒼星石は今や親兄弟を倒すことも躊躇わない修羅と化している…。それに修羅の心で立ち向かえば、共倒れは必須だ」

ラーメンマン「必要なのは無我の境地。菩薩の心だ。決して憎むことなく、怒ることなく、風や水のごとく相手を制す」

翠星石「わかったですぅ!」

ラーメンマン「では、瞑想を続けよう…。肩の力を抜き、座禅を組むんだ」

418: 2008/08/22(金) 01:14:01.10 ID:bjLOW7h70
ああ、やっぱり俺も寝るぜキン肉マン

明日は休みだから明日にするよ…

究極タッグ編のウォーズマンのパートナーがマンモスマンってどうやって収集つける気だよ、ゆで

492: 2008/08/22(金) 13:05:25.56 ID:bjLOW7h70
実況『さあ、蒼星石と翠星石。似ているようで正反対、正反対のようで似ている二人が今、リングインしました!』

アナウンス『赤コーナー!“冷酷な青き詩人”蒼星石~~~ッッ!!!!』

蒼星石「………」 サッ

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ロビンマスク「うむ、行ってこい!」

アナウンス『青コーナー!“緑のツンデレ大旋風”翠星石~~~ッッ!!!!』

翠星石「今の翠星石は…無敵ですぅ!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ラーメンマン「無駄な力が一切抜けている…。上手く行ったようだな…」

実況『両者共にリング中央で握手を交わし…』

蒼星石「手加減は…」

翠星石「お互いになしですよ…!」

カァーン!!

実況『今ゴングが鳴ったぁっ!!』

493: 2008/08/22(金) 13:06:34.57 ID:bjLOW7h70
実況『さぁ…どちらが先に仕掛けるか!今は互いに様子を伺っているというところでしょうか!』

蒼星石「(…何だか翠星石から異様な雰囲気を感じる…。迂闊に攻めるのは危険だ…)」

翠星石「フフ…仕掛けて来ないようですね…。なら、こっちから行くですぅ!」

実況『先に動いたのは翠星石の方だーっ!決して速くはないが、滑らかなフットワークで蒼星石に接近します!』

蒼星石「この動き…!」

ロビンマスク「気をつけろ、蒼星石!既にそこは翠星石の間合いだぞ!」

蒼星石「えっ…?」

翠星石「超人102芸、とくとお見舞いするですよ~っ! 胡蝶の舞!!」

ユラァッ…

ラーメンマン「フ…見せてやれ、翠星石!」

494: 2008/08/22(金) 13:08:08.73 ID:bjLOW7h70
蒼星石「クッ…リズムの読めない動きだ…!嫌な予感がする…止めなければ!」

実況『あーっと!ここで蒼星石が動いたーっ!翠星石に向かって果敢にライナータックルを仕掛けます!』

翠星石「無駄ですぅ!胡蝶を捕らえることは…できないですぅ!」

実況『翠星石、空中に舞い上がってこれをひらりと避けるーっ!そして…』

翠星石「心突錐揉脚!」

蒼星石「ぐあっ!!」

実況『蒼星石の胸に回転を加えたドロップキックーーーっ!!たまらず蒼星石はよろめくっ!!』

翠星石「まだまだっ!お次は百戦百勝脚!!」

蒼星石「うぐっ!!」

翠星石「烈火太陽脚!!」

蒼星石「うあああっ!!」

実況『こ、これは空中を縦横無尽に駆け回る跳び蹴りの嵐ーーーっ!!ラーメンマン得意の空中殺法が蒼星石を攻め立てるっ!!』

496: 2008/08/22(金) 13:09:26.35 ID:bjLOW7h70
蒼星石「くぅ…つ、捕まえられさえすれば…!」

ロビンマスク「落ち着け、蒼星石!攻撃されることを拒むな!攻撃を受ける一瞬、相手の動きもまた止まる!」

蒼星石「りょ…了解…!」

翠星石「果たしてそう簡単にできるですかぁ~っ?それっ、飛翔龍尾脚ですぅ!」

蒼星石「あづっ…!ふ、ふふ…でも捕らえたよ…!」

実況『あーっと!今まで自在に飛び回っていた翠星石が捕まってしまったーっ!!ここから蒼星石の反撃が始まるのかーっ!?』

蒼星石「ペンデュラムバックブリーカー!!」

翠星石「ゲホッ…!」

蒼星石「そしてそこから繋げるのはーっ!」

実況『蒼星石!ペンデュラムバックブリーカーで怯んだ翠星石を抱え上げるーっ!そしてこの体勢はーーーっ!!』

蒼星石「タワーブリッジ!!」

グワッキィッ!!

実況『極まったぁーっ!!タワーブリッジ!!“リングの詩人”と異名されるロビンマスクの美技を完全再現しています!!』

翠星石「うぐぁっ!!た…確かにこいつはかなりキツイ…ですぅ…!」

500: 2008/08/22(金) 13:10:52.74 ID:bjLOW7h70
蒼星石「さぁ!ギブアップするんだよ、翠星石!タワーブリッジから逃れることはできない!!」

翠星石「…お…お断り…ですぅ…」

メキメキメキメキ…

蒼星石「これでもまだ強がる気かい!?」

翠星石「ぐぅぅ…!…こ、こんなもん…屁のツッパリにもならんですぅ…!」

メキメキメキメキ…

蒼星石「これ以上やったら翠星石の体は真っ二つになってしまうんだよ!それでもいいのかい!?」

翠星石「た…試してみたら…どうですか…?…まさか、やれねーことはないはずですよね…?」

蒼星石「…クッ…!」

ロビンマスク「何をボーッとしている、蒼星石!!早くやってしまえ!!相手はどんな打開策を考えてくるか分からんぞ!!」

ラーメンマン「フハハハ!残念だったな、ロビン。既に翠星石は脱出のための布石を揃えている」

ロビンマスク「何!?」

501: 2008/08/22(金) 13:12:29.62 ID:bjLOW7h70
翠星石「それでは、奇跡の脱出劇をお見せするですぅ!」

蒼星石「そ…そんなバカな!タワーブリッジは完璧に決まっているハズ………ハッ!翠星石の長い髪の毛が…!」

サワサワサワ…

実況『こ…これはーっ!翠星石の髪がロックしている蒼星石の腕の間に入り込み、潤滑油代わりとなっているーっ!!そしてーっ!』

翠星石「闘龍極意・ネコジャラシですぅ!」

実況『脱出不可能のはずのタワーブリッジから脱出ーーーっ!!まさに中国四千年の神秘!信じられない脱出方法です!!』

蒼星石「タ…タワーブリッジが…!」

ロビンマスク「いかん!スペシャルホールドが破られ、茫然自失状態となってしまっている!!」

翠星石「では今度はこっちのスペシャルホールドを見せてやるですぅ!いくですよーっ!!」

グワッキィッ!!

翠星石「美来斗利偉割腹折り!!またの名を機矢滅留・苦落血(キャメル・クラッチ)ですぅ!!」

実況『あ、あーっと!出たーーーっ!!ラーメンマンの代名詞、キャメル・クラッチ!!これこそ脱出不可能だーーーっ!!』

502: 2008/08/22(金) 13:14:21.02 ID:bjLOW7h70
翠星石「真っ二つにしたり、ラーメンにしたりする気はねぇですぅ…。ただ、このまま落とさせて貰うですよ!」

ラーメンマン「蒼星石の性格だとギブアップはしないだろう…。少々強引だが、こうする他はあるまい…」

ロビンマスク「……………」

ラーメンマン「(しかし何故、ロビンマスクは黙っている…?まさか、まだ手があるのか…?)」

蒼星石「………っ…!」

翠星石「…ハッ…!こ、声が…極められていて喋れない蒼星石の声が聞こえるですぅ…」

蒼星石「(く…苦しい…。いっそのこと…一思いに大技で気絶させてくれ…)」

翠星石「く…苦しみが伝わってくる…!こ、これ以上キャメル・クラッチを続けるのは…可哀想ですぅ…」

ラーメンマン「い、いかん、翠星石!その声に耳を傾けてはーーーっ!」

実況『おーっとぉ、これはどうしたことだーっ!?翠星石、キャメルクラッチを解除したぞーーーっ!!』

505: 2008/08/22(金) 13:15:47.89 ID:bjLOW7h70
翠星石「フィニッシュホールドは九龍城落地(ガウロンセンドロップ)ですぅ!」

実況『翠星石、蒼星石を肩車した状態で天高く舞い上がり…反転!これはプリズマンを撃破した九龍城落地だーっ!!』

ラーメンマン「い、いかーん!今すぐその技を解除して脱出するんだーっ!!」

翠星石「へ…?は、はいですぅ!」

蒼星石「おっと、逃がさないよ」

ガチィッ!

翠星石「ぐえっ!…く、首が四の字固めにロックされて…!」

蒼星石「敵の技の勉強不足…そしてリングの上でも捨てきれない優しさが、翠星石…君の敗因だよ」

実況『あーっと!ほとんど体勢が変わっていないのに、攻守が逆転するーーーっ!!この技はーーーっ!!』

蒼星石「ロビン・スペシャル!!」

ゴキィッ!

510: 2008/08/22(金) 13:18:13.49 ID:bjLOW7h70
翠星石「ガハッ…!」

ズン…

カンカンカァン!!

実況『あーっと、ここでゴングが鳴ったーーーっ!!蒼星石、またも策略を使った逆転勝利です!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

ロビンマスク「フ…、よくやったぞ、蒼星石」

蒼星石「ありがとう…。でも、今回ばかりは…少し疲れたよ…」

ロビンマスク「だろうな。相手はラーメンマンの技を会得した翠星石だ…。楽には勝てまい…」


ラーメンマン「翠星石!」

翠星石「…し…ししょ…う…」

ラーメンマン「喋るな!今、医務室に連れて行ってやる!」


実況『1ブロック準決勝は蒼星石の勝利!続く2ブロック準決勝は真紅vs雛苺!開始は一時間後となります!』

538: 2008/08/22(金) 15:06:14.38 ID:bjLOW7h70
~青コーナー・選手控え室~

実況『蒼星石、またも策略を使った逆転勝利です!!』

真紅「…決勝まで難なく駒を進めたのだわ…、恐ろしい相手…」

キン肉マン「相手の隙や油断を見逃さない計算され尽くしたファイト…この私でも勝てるかどうか…」

真紅「決勝では苦戦することになりそうね…」

ミート「二人とも!今から準決勝ですよ!まずはそのことを考えてください!」


~赤コーナー・選手控え室~

雛苺「お…お腹すいたの~…昨日からちょっとしか食べてないの~」

バッファローマン「何、心配いらねえ。真紅を倒したらたんまり食べさせてやるさ」

雛苺「ホント!?ヒナ、がんばるの~!」

バッファローマン「おお、期待してるぜ。何なら瞬殺でも構わんぞ!」

540: 2008/08/22(金) 15:07:08.00 ID:bjLOW7h70
~一時間後~

実況『いよいよ準決勝第二試合、ゴング間近です!』

実況『先の試合は目にも留まらぬ攻防の嵐!決着は蒼星石の勝利という形でつきました!』

実況『美しい技と策略の数々でこれまでの対戦相手を圧倒してきた蒼星石!まさしくロビンマスクの生き写しと言ってよいでしょう!』

実況『しかし、第二試合はこれとは対照的に白熱した試合展開が予想されます!』

実況『歴史は繰り返すのか、塗り替えられるのか!田園コロシアムにてキン肉マンvsバッファローマンの伝説の戦いの再現が今!』

実況『可憐なドール二体の形をとって行われようとしています!』

541: 2008/08/22(金) 15:08:25.18 ID:bjLOW7h70
アナウンス『赤コーナー!“無邪気な頭蓋割り人形”雛苺~~~ッッ!!!!』

雛苺「がんばるの~っ!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

バッファローマン「負けるんじゃねーぜえ、雛苺!!」


アナウンス『青コーナー!“奇跡を起こす幸せ人形”真紅~~~ッッ!!!!』

真紅「負けないのだわ!!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

キン肉マン「真紅~!相手は雛苺ちゃんじゃ!やりすぎないようにな~!」

ミート「王子!油断は大敵ですよ!真紅さんも!」


実況『両者共にリング中央で握手を交わします。』

雛苺「ごめんなさい、真紅。瞬殺させてもらうの~」

真紅「えっ…?」

カァーン!!

実況『今ゴングが鳴ったぁっ!!』

542: 2008/08/22(金) 15:09:29.31 ID:bjLOW7h70
雛苺「ハリケーンミキサーなの~っ!」

バキィッ!!

真紅「うぐあっ!!」

実況『あーっと!開始早々雛苺のハリケーンミキサーが真紅を高々と打ち上げたーーーっ!!』

実況『な、なんと!雛苺の可愛らしい縦ロールが逆巻き、いつのまにかロングホーンと化しているーーーっ!!』

実況『そして重力に従い落下してくる真紅目掛けて…』

雛苺「二発!!」

バキィッ!!

雛苺「三発!!」

バキィッ!!

雛苺「トドメはバッファロー雪岩落としなの~っ!!」

実況『雪崩式フロントスープレックスでマットに叩きつけるーーーっ!!』

543: 2008/08/22(金) 15:11:08.15 ID:bjLOW7h70
キン肉マン「し…真紅!!」

真紅「あ…うあ…、す…凄まじい威力なのだわ…」

実況『マットに沈んだ真紅、何とか立ち上がるが早くも足元がふらついているぞーっ!!』

バッファローマン「ドォ~ドッドッド!!まずは挨拶代わりだ!!」

キン肉マン「た…戦えないなんて思っていたが、とんでもねえ!あの小さな体に秘められたパワー…バッファローマン並だ!」

雛苺「真紅~!大人しく寝ていて欲しいの~!!」

ガキィッ!

実況『再び雛苺、真紅へと向かって襲いかかり頭部を両脚で挟み込むーーーっ!!そのまま反り返ってーーーっ!!』

雛苺「フランケンシュタイナー!!」

真紅「うぐぅっ!!」

実況『フランケンシュタイナーでコーナーポストの鉄柱に叩きつけたーーーっ!!これは痛い!!』

ミート「パ…パワーだけじゃない!こんなテクニック、バッファローマンにはない…まさか天性のものなのかーーーっ!?」

バッファローマン「そうだ!その調子だぜ雛苺!!休ませる暇を与えるなよーっ!!」

544: 2008/08/22(金) 15:12:54.63 ID:bjLOW7h70
キン肉マン「真紅!受けてばかりじゃ駄目だ!攻めるんじゃい!」

真紅「わ…わかっているのだわ!」

実況『真紅!反撃とばかりに高く跳躍し…』

真紅「肉弾エルボードロップ!!」

雛苺「うにゅっ!?」

実況『雛苺の頭にエルボードロップを叩きつけるーーーっ!!これは効いたかーーーっ!?』

雛苺「痛いの~!も…もう怒ったのよ~!」

バッファローマン「おっと、下手に猛獣に手を出せば手痛い反撃を食らっちまうぜ~っ!!」

実況『あーっと!雛苺、空中の真紅の体を抱え上げ…再び反り返る!!これはーーーっ!!』

雛苺「超人十字架落としなの~っ!!」

ズドム!!

真紅「ゲホッ…!」

実況『超人十字架落としが炸裂ーーーっ!!再び真紅、マットに沈むーーーっ!!』

547: 2008/08/22(金) 15:14:04.97 ID:bjLOW7h70
実況『つ…強い!強すぎるぞ雛苺!かつての悪魔超人時代のバッファローマンを思わせる強さであります!!』

真紅「う…うう…」

キン肉マン「い、いかん…!このままでは…!」

バッファローマン「さあ、雛苺!一思いにトドメを刺してやれい!!」

雛苺「わかったの~!ハリケーンミキサーなの~~~っ!!」

実況『もはや猛牛と化した雛苺が再び真紅に襲いかかるーーーっ!!ハリケーンミキサーだーーーっ!!』

真紅「こ…こうなったら使うしかないのだわ…!幸い、ハリケーンミキサーは頭を前に突き出す技…!」

ガシィッ!

真紅「こうやって捕まえてしまえば、簡単にキン肉バスターの体勢に入れる…!!」

実況『あーっと真紅、雛苺の体を抱えあげて天高く舞い上がったーーーっ!!この体勢はーーーっ!!』

キン肉マン「ダメじゃ、真紅ーーーっ!!バッファローマンの忠告はハッタリではなかったのじゃーーーっ!!」

バッファローマン「ドォ~ッドッドッド!!もう遅いわーーーっ!!」

549: 2008/08/22(金) 15:15:36.36 ID:bjLOW7h70
雛苺「真紅に算数を教えてあげるの~!」

真紅「さ、算数…?」

雛苺「こうやって~、6を引っくり返すと…」

グルゥッ!

雛苺「9になるのよ~!!」

実況『なんとーーーっ!!真紅がかけていたキン肉バスターが引っくり返され、雛苺がかけている形となるーーーっ!!』

実況『これはバッファローマンのキン肉バスター返し!!相手の十倍のパワーが無ければ不可能とされる技だーーーっ!!』

真紅「あ、ああ…っ!!」

雛苺「キン肉バスター…破れたりなの~っ!!」

ズドォォォン!!

真紅「ガハッ…!」

実況『真紅、再びマットに沈むーーーっ!!今度は立ち上がれるのかーーーっ!?』

552: 2008/08/22(金) 15:17:20.63 ID:bjLOW7h70
真紅「(…い…意識が遠のいていく…)」

真紅「(キン肉バスターの威力もさながら…自分の技を返されるというのは酷い絶望感なのだわ…)」

???「…! …!」

真紅「(…誰かの声が聞こえるけど…もう無理なのだわ…)」

真紅「(もう立ち上がることは…できない…)」

水銀燈「何やってんのよぉ、真紅ぅ!早く立ち上がりなさぁい!」

真紅「(す…水銀燈…!?)」

キン肉マン「水銀燈!ウォーズマン!!」

ウォーズマン「…フ…どうしても来るといって聞かなかったものでな…」

水銀燈「私に勝った貴女がこんな所で倒れるなんて許さないわよぉ!立ちなさい、真紅!!」

真紅「(…不思議…)」

真紅「(絶望感が消え…まだまだやれる気がしてきたのだわ…!)」

実況『な…なんとーーーっ!!真紅、まだ立ち上がるーーーっ!!一体何が彼女の体を突き動かすのかーーーっ!!』

真紅「耳元で騒がれちゃ…オチオチ寝てもいられないのだわ…!」

水銀燈「真紅ぅっ!!」

556: 2008/08/22(金) 15:19:14.79 ID:bjLOW7h70
バッファローマン「ドォ~ッドッドッド!!立ち上がりやがったか!!そうこなくちゃ面白くねえよな!!」

雛苺「ヒナも、なんだか体の奥がカッカカッカしてきたの~!さすが真紅なのよ~!」

バッファローマン「よおし、雛苺!ハリケーンミキサーだ!!もう頃すつもりで、やっちまえ!!」

雛苺「了解なの~!!」

実況『あーっと!雛苺のハリケーンミキサーが再び真紅へと襲いかかるぞーーーっ!!対抗策はあるのかーーーっ!?』

真紅「くっ…!」

キン肉マン「恐れるな、真紅!相手が攻撃してくる時こそ、最大の隙はあるのだ!!足を狙えっ!!」

真紅「足…!?…わかったのだわ!!」

実況『真っ向から立ち向かったーーーっ!!雛苺の足元目掛けてタックルを繰り出し…抱え上げるーーーっ!!』

真紅「キン肉バスターに次ぐ第二の必殺技…!!」

実況『雛苺を抱え上げたまま空中に跳躍ーーーっ!!そして空中で雛苺の体を反転させれば…』

バッファローマン「ゲェーッ!あの体勢はーーーっ!!」

ウォーズマン「おお、あれこそキン肉マンオリジナルの至高のスペシャルホールド!!」

真紅「キン肉…ドライバーーーーーッ!!」

ドォォォンッ!!

560: 2008/08/22(金) 15:20:35.76 ID:bjLOW7h70
雛苺「う…うにゅ~…」

雛苺「…ゲホォッ…!」

ズン…

カンカンカァン!!

実況『あーっと、ここでゴングーーーっ!!雛苺KO!!真紅、逆境にも負けずに奇跡の逆転勝利ーーーっ!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

水銀燈「やったわね!真紅!」

真紅「水銀燈の応援があってこそなのだわ」

ウォーズマン「…フ…いつの間にか仲良くなってるな…」

キン肉マン「これが友情パワーというものじゃい!ローゼンメイデンにもしっかり芽生えとるぞ!」

水銀燈「ハッ…!…そ、そんなわけないじゃなぁい!…か、帰るわよぉ、ウォーズマン!くんくんの再放送が始まっちゃうわぁ!」

ウォーズマン「…やれやれ、素直じゃないな…。じゃ…あばよ、真紅、キン肉マン…おめでとう」

562: 2008/08/22(金) 15:21:43.68 ID:bjLOW7h70
雛苺「…う、うにゅ~…残念なの~…」

バッファローマン「ドハハハ!まぁ、いいじゃねえか!久々にオレも楽しめたぜ!そら、立ちな!」

雛苺「次は真紅には負けないの~!」

真紅「その時はもっと強くなってお相手するのだわ」

キン肉マン「さあさあ、何をやっとるんじゃ二人とも!観客の皆様がお待ちかねだぞ!」

バッファローマン「手でも振ってやりな」

雛苺「応援してくれてありがとうなの~!」

真紅「決勝戦でも頑張るのだわ!」

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

565: 2008/08/22(金) 15:22:45.21 ID:bjLOW7h70
書き溜め分終了

疲れたから…少し…休ませてもらうぜ…

641: 2008/08/22(金) 20:28:31.16 ID:bjLOW7h70
実況『さあ、いよいよアリスゲームも大詰め!決勝戦を残すだけになりました!』

実況『決勝戦はなんと蒼星石vs真紅!かつて第20回超人オリンピック決勝のロビンマスクvsキン肉マンが脳裏を過ぎります!』

実況『かつてはキン肉マンが下馬評を覆して勝利を手にしましたが、今回はどちらも実力伯仲!まったく予想もつきません!』

実況『勝利するのは蒼星石か、それとも真紅か!決勝戦は一週間後!因縁の地、東京国立競技場で予定されています!』

実況『それでは皆様、また来週お会いしましょう!!』

643: 2008/08/22(金) 20:29:16.30 ID:bjLOW7h70
キン肉マン「ったく~、試合の度にボロボロでは体が持たんぞ、真紅?」

真紅「スグルにだけは言われたくないのだわ。ほら、無駄口を叩いていないで歩きなさい」

ミート「何はともあれ決勝戦に駒を進められてよかったですね!真紅さん、王子!」

真紅「でも、決勝こそは本当に勝てるかどうか分からないのだわ…」

キン肉マン「何を弱気な!きっと真紅なら完全勝利じゃい!」

真紅「根拠の無いことは言うものではないのだわ、スグル…。………あれ?蒼星石…」

キン肉マン「ロビン!」


蒼星石「……………」

ロビンマスク「……………」

ツカツカツカ…

ミート「…擦れ違ったのに何も言わずに行ってしまいましたね…」

キン肉マン「なんじゃい、ロビンまで!愛想の無いヤツらだのう!」

真紅「蒼星石…」

646: 2008/08/22(金) 20:30:18.47 ID:bjLOW7h70
~そして、決勝戦までの一週間が始まった~

~ロビン宅~

ロビンマスク「蒼星石、技も心もお前に全て伝授した。後、足りないとすれば力…即ち経験だけだ!」

蒼星石「はい!」

ロビンマスク「ゆえにこの一週間、お前にはひたすら名だたる超人たちと戦ってもらう!」

蒼星石「わかりました!」

ロビンマスク「ようし、入れ!」

ガラッ!

カナディアンマン「へへへ…ロビン!本当にこのチビをやっつけるだけで大金をくれるんだな!?」

スペシャルマン「や、やめろよ、カナディ。僕たちはスパーの相手に呼ばれただけじゃないか」

カナディアンマン「知ったことかよ!やられっぱなしで鬱憤が溜まっていたんだ!こいつは一石二鳥のチャンスじゃねえか~っ!」

ロビンマスク「約束の金は渡そう。ただし、勝てれば…の話だがな」

カナディアンマン「しかと聞いたぜーーーっ!!蒼星石とやら、このビッグボンバーズの餌食になりなーーーっ!!」

648: 2008/08/22(金) 20:31:38.35 ID:bjLOW7h70
~数分後~

蒼星石「ペンデュラムバックブリーカー!」

カナディアンマン「ぐえっ!!」

蒼星石「続けてハーフボストン!!」

グワッキィッ!!

カナディアンマン「うぎゃああああああああっ!!…ギ…ギブアップ…!!」

蒼星石「やった…!」

ロビンマスク「休んでいる暇は無いぞ、蒼星石!次、スペシャルマン!!」

スペシャルマン「ぼ、僕にも超人としての名誉があるんだーっ!!」

ロビンマスク「まだまだスパーの相手はいるぞ!休む暇など無いと知れ!」

蒼星石「は…はい!」

649: 2008/08/22(金) 20:32:49.43 ID:bjLOW7h70
~キン肉ハウス~

真紅「超人絞殺刑!!」

ミート「うげぇっ…!ギ…ギブアップ…!」

真紅「もうギブアップなの、ミート?だらしないのだわ」

ミート「だ、だってしょうがないじゃないですかーっ!真紅さん、アリスゲームが始まってからかなり強くなったんだから!」

キン肉マン「うーむ、ミートや私ではスパーの相手に限界が来たかのう…」

真紅「噂では蒼星石は百人もの超人を相手にスパーしているとか…スグル!私たちも同じことはできないの!?」

キン肉マン「目ぼしい超人は皆、金に釣られてロビンの方に行ってしまったからのう…」

真紅「ああ…色んな相手とスパーがしたい…!蒼星石と戦うまでに経験を積まなければーっ!」

ガラッ…

水銀燈「ふふ…お困りのようねぇ、真紅ぅ?」

雛苺「ヒナたちが来てあげたの~!」

真紅「二人とも!」

651: 2008/08/22(金) 20:33:38.94 ID:bjLOW7h70
金糸雀「カナもいるかしら~!」

翠星石「翠星石のことを忘れてもらっちゃ困るですぅ!」

真紅「金糸雀に翠星石まで…!あなたたち…!」

水銀燈「勘違いしてもらっちゃ困るわぁ…私はただ、真紅が私以外の相手に負けるのが嫌なだけよぉ」

雛苺「リングから下りたらもう仲間同士なの~!」

金糸雀「本当は蒼星石の所に行くつもりだったかしら~!」

翠星石「だけど門前払いを食らってしまったから、こっちに来たですぅ!」

キン肉マン「おお、これだけの人数がいればスパーには困らんぞ!」

真紅「あ…ありがとう…!ありがとうなのだわ、皆!」

水銀燈「礼なら蒼星石を倒してから言いなさぁい。じゃ、始めましょぉ」

655: 2008/08/22(金) 20:34:56.40 ID:bjLOW7h70
~一週間という時間は飛ぶように経過した~

実況『ここ、東京国立競技場には現在9000人もの観客がつめかけています』

実況『何の因果か、この観客動員数はあのキン肉マンvsロビンマスクの戦いとほとんど同じもの!』

実況『まさにあの日、あの時の再現であります!ただし、歴史が繰り返されるとは限りません!』

実況『勝つのは蒼か、それとも紅か!対照的な色の二人が今日、激突します!』

実況『運命のアリスゲーム決勝戦、間もなくゴングです!』

657: 2008/08/22(金) 20:36:25.43 ID:bjLOW7h70
~赤コーナー・選手控え室~

蒼星石「ウォーミングアップ終了…疲労も回復したし、万全のコンディションだよ」

ロビンマスク「そうか。…蒼星石…」

蒼星石「何も言わないで、マスター。僕は自分のやってきたことに何一つ悔いは無いよ」

蒼星石「必ず、アリスになって戻ってくる。待っていて…」

ロビンマスク「…私はよくできたローゼンメイデンのミーディアムになったものだ…」

蒼星石「褒められるのは久しぶりだね。…行こう、マスター」

659: 2008/08/22(金) 20:37:17.12 ID:bjLOW7h70
~青コーナー・選手控え室~

真紅「ごちそうさま。牛丼もなかなか悪くないのだわ」

キン肉マン「特盛を食べておいてそれはないでしょ、真紅ちゃん!」

真紅「よ、余計なことは言わなくて良いのだわ!」

ミート「あの真紅さんが牛丼をガツガツ食べるなんて変わったもんだなぁ…」

真紅「水銀燈だって乳酸菌に加えてボルシチが無ければ生きていけない体になったって言ってたのだわ」

キン肉マン「さて…お喋りはそろそろ終わりじゃ!体力もつけた所で…」

真紅「ええ…行くのだわ、スグル、ミート」

661: 2008/08/22(金) 20:38:24.55 ID:bjLOW7h70
実況『さあ、長きに渡るアリスゲームに終止符を打つ戦いの時間がやってきました!両者、既にリングインしています!』

アナウンス『赤コーナー!“戦慄の青きイナズマ”蒼星石~~~ッッ!!!!』

蒼星石「………」 サッ

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

ロビンマスク「…頼んだぞ…蒼星石…」

アナウンス『青コーナー!“奇跡の赤い旋風(センセーション)”真紅~~~ッッ!!!!』

真紅「勝つのは…私なのだわ!」

ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!

キン肉マン「真紅、全力を出し切るんじゃ!」

ミート「がんばって、真紅さん!」

実況『両者共にリング中央で握手を交わし…運命を分けるゴングが今…』

蒼星石「決着をつけよう!」

真紅「ええ、この長かった…アリスゲームに!」

カァーン!!

実況『高らかに響き渡る!』

665: 2008/08/22(金) 20:40:06.79 ID:bjLOW7h70
ガシィッ!

実況『まずは二人ともリングの中央でスクラムに組み合う!!』

真紅「(うっ…!凄いパワーなのだわ…!これが百人を相手にしてきた成果…!)」

蒼星石「まずは先制させて貰うよ!閂スープレックス!!」

実況『あーっと!先に動いたのは蒼星石!スクラムからダブルアームサルトで真紅を放り投げるーーーっ!!』

真紅「うあっ…!な、なんの…パワーだけなら雛苺の方が上だったのだわ!」

実況『し、しかし真紅は怯まない!ロープの反動を利用してジャンプ!空中で体を捻って…」

真紅「あびせ蹴り!!」

蒼星石「あぐっ…!」

実況『強力あびせ蹴りが炸裂ーーーっ!!蒼星石、たまらず後退!!一進一退の実力伯仲の攻防です!!』

666: 2008/08/22(金) 20:41:31.87 ID:bjLOW7h70
ロビンマスク「(やるな、真紅…単なるあびせ蹴りをロープの反動で強化するとは…)」

キン肉マン「(蒼星石…あの慣れた動きは、ほんの数週間前まで素人だったものとは思えない…)」

蒼星石「迂闊に動けばそれよりも強い攻撃が返ってくる、か…。それならば…!」

実況『おーっとぉ、再び蒼星石!果敢にライナータックルを仕掛けて真紅を抱え上げるーーーっ!!』

真紅「し、しまったのだわ!くっ…タワーブリッジをかけられる訳には…!」

実況『これに真紅、まるで先の攻撃を読んでいるかのように体を反転!これではタワーブリッジがかけられないぞーっ!!』

蒼星石「成る程、下に向けて体を反転させれば確かにタワーブリッジはかけられない…」

蒼星石「“普通の”タワーブリッジの話ならね…」

真紅「えっ…!?」

実況『あ、あーっと!?これはどうしたことだーっ!?蒼星石、反転した真紅の背で逆立ちの形になり…』

蒼星石「逆タワーブリッジ!!」

グワッキィッ!!

真紅「ゲホォッ!!」

実況『逆タワーブリッジ!!マットに叩きつけられるダメージと、背骨を極められるダメージ、その二つが真紅に襲いかかるーっ!!』

670: 2008/08/22(金) 20:43:08.72 ID:bjLOW7h70
真紅「う、う…まさかタワーブリッジにバリエーションがあったとは思いもしなかったのだわ…!」

蒼星石「耐えたか…。並みの相手ならこれでKOするはずなんだけど、真紅相手にその読みは甘かったようだね」

真紅「その通りなのだわ!蒼星石、今度はこちらの番よ!」

実況『あーっと!今度は真紅がキン肉バスターの体勢で蒼星石を抱え上げて跳躍ーーーっ!!』

蒼星石「無駄だよ!この技の破り方は既に研究され尽くしている!6を引っくり返して、9に!」

実況『だ、ダメだーーーっ!雛苺戦と同じように反転ーーーっ!!キン肉バスター失敗ーーーっ!!』

真紅「だけどその9を反対側から読めば…また6なのだわ!!」

蒼星石「なっ…!ま、まさか…!」

真紅「新(ネオ)・キン肉バスター!!」

ズドォォォォン!!

蒼星石「グハァッ!!」

実況『あ、あーっと!真紅、キン肉バスターの反転状態で高速回転ーっ!!上昇気流を巻き起こし、天井でキン肉バスターをかけるーっ!!』

真紅「キン肉バスターにもバリエーションは沢山あるのだわ…。甘く見ないことね」

674: 2008/08/22(金) 20:44:41.41 ID:bjLOW7h70
実況『まさしく…!まさしく両者とも一歩も引かない技の応酬!これはいよいよ分からなくなってきました!!』

蒼星石「ハァッ…!ハァッ…!」

真紅「ゼェ…!ゼェ…!」

蒼星石「僕は…僕は負けるわけにはいかないんだっ!!マスター・ロビンマスクのためにもーっ!!」

ガチィッ!

真紅「うぐっ!!」

実況『あーっと、ここで蒼星石が真紅を捕らえてエアブレンスピンーーーっ!!空中目掛けて投げ飛ばすーーーっ!!』

キン肉マン「ゲェーッ!この予備動作はーーーっ!!」

ロビンマスク「おおっ、これこそまさしく完璧な…!」

蒼星石「ロビンスペシャルーーーっ!!」

ゴキィッ!!

真紅「ゲホォッ!」

実況『ロビンスペシャル完成ーーーっ!!完璧に極まりました!真紅、たまらずダウンーーーっ!!」

678: 2008/08/22(金) 20:46:05.61 ID:bjLOW7h70
蒼星石「ハァッ!ハァッ!…今のは完璧に極まった…!真紅、意識があるかどうかは分からないけれど、立たないほうがいいよ」

ユラァッ…

真紅「……………」

蒼星石「た…立った!?バカな!何故だ、何故立てる!?」

真紅「ゼェ…ゼェ…、…蒼星石…どれだけ強くとも、あなたは一人ぼっちなのだわ…」

蒼星石「!!」

真紅「ロビンマスクのため…その忠誠心は見事…。だけど、ただそれだけで戦うのでは、ただの戦闘マシーンと変わりはしない…」

真紅「師のため…自分のため…そして愛する友のため…、それら全てのために戦うのがっ!」

真紅「絆の力なのだわ!!」

蒼星石「くっ…!知ったような口を…!」

真紅「絆の力、今から見せてやるのだわ!!」

682: 2008/08/22(金) 20:47:40.56 ID:bjLOW7h70
実況『あ、あーっと!満身創痍で立ち上がった真紅、蒼星石の周りを円を描きながら疾走するーーーっ!!』

蒼星石「こ…これは…!どこから攻撃が来るのかわからない!!」

真紅「金糸雀のテキサスコンドルキック!!」

蒼星石「ぐはっ!」

真紅「翠星石のレッグラリアート!!」

蒼星石「ゲホッ!」

真紅「雛苺のハリケーンミキサー!!」

蒼星石「うぐぅっ!!」

真紅「そして水銀燈のパロスペシャル!!」

蒼星石「ぐあああっ!!」

真紅「これら全て、私の大切な友の技なのだわ…!そしてこれがっ!師…キン肉スグルから受け継ぎ、自分の技に昇華した…」

実況『真紅、蒼星石を抱えて天高く跳躍ーーーっ!!ツインテールが蒼星石の足に絡みついて、股裂きの体勢!!』

実況『空いた両腕は首をロックし…キ、キン肉バスターの強化版とも呼ぶべきでしょうか!!名づけて…!!』

真紅「絆…バスターーーーーッ!!」

ズドォォォォォォンッ!!

685: 2008/08/22(金) 20:49:03.66 ID:bjLOW7h70
ズン…

蒼星石「あっ…あうう…」

蒼星石「(た…立たなければ…立たなければ負けてしまう…!例えこの命尽き果てても…!)」

ロビンマスク「蒼星石!!」

蒼星石「っ!」

ロビンマスク「…もういい、無理をするのはやめてくれ…。今まで、私のために戦ってくれて…本当にありがとう…」

蒼星石「…マ、マスター…」

カンカンカァン!!

実況『ここでゴングーーーーっ!!熾烈な攻防戦の末、アリスゲームに優勝したのはーーーーっ!!』

真紅「長かった戦いよ…さよなら…」

実況『ローゼンメイデン第五ドール、真紅ーーーーっ!!』

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!

731: 2008/08/22(金) 21:39:46.20 ID:bjLOW7h70
~アリスゲームに決着がついてから、数日の時が過ぎた~

真紅「スグル、紅茶を淹れて頂戴」

キン肉マン「はいはい只今~!」

真紅「あら早いわね…(コク)…ゲホッ!ゴホッ!」

キン肉マン「ありゃ?ちょっと熱くしすぎたかのう?」

真紅「…!」

バチィン!

キン肉マン「どわーっ!何すんのよ真紅ちゃん!」

ミート「王子!また同じ間違いして!そっちは牛丼のツユですよ!真紅さん、紅茶はこっちです!」

真紅「ありがとう、ミート。まったく、スグルはどうしようもないダメ超人ね!」

真紅「…でも、これもなかなか悪くないのだわ…」

キン肉マン「おりょ?何か言った?」

真紅「な、なんでもないのだわ!」

732: 2008/08/22(金) 21:40:24.30 ID:bjLOW7h70
コンコン

ミート「おや?誰だろう?」

ガチャ

テリーマン「キン肉マン!真紅!ミート!非常事態だ!」

金糸雀「非常事態かしら~!」

キン肉マン「テリー!」

真紅「金糸雀!」

テリーマン「とにかく急いで超人集会所まで来てくれ!!」

735: 2008/08/22(金) 21:41:18.70 ID:bjLOW7h70
~超人集会所~

ロビンマスク「来たか、キン肉マン!」

キン肉マン「ロビン!非常事態って一体何事なんじゃ!?」

蒼星石「ねえ、真紅…アリスになってお父様には会えたかい?」

真紅「ハッ…!そ、そう言えばまだ全然何も変わっていないのだわ…」

ミート「ま、まさかあのアリスゲームはやっぱりそのお父様って人に認められなかったんじゃ…」

ウォーズマン「いや…そうじゃないぜ、ミート」

水銀燈「そう、あのアリスゲームで優勝者は決まった…けど、それでアリスが決まったわけじゃないのよぉ!」

真紅「まさか…!」

???「バゴアバゴアバゴア!ご察しの通りだ!“ローゼンメイデンはまだ一体残っている”!!」

キン肉マン「ゲェーッ!!その声は!!」

741: 2008/08/22(金) 21:42:05.64 ID:bjLOW7h70
悪魔将軍「久しぶりだな、キン肉マン!!」

薔薇水晶「……………」

真紅「ば、薔薇水晶!!」

キン肉マン「やい、悪魔将軍!!お前がローゼンメイデンのミーディアムになるなんてどういう風の吹き回しだーっ!!」

悪魔将軍「バゴアバゴア!お前たち正義超人が面白そうなことをやっていると聞いたのでな!私も薔薇水晶を鍛え、貴様らに挑もうと思っていたところなのだ!」

悪魔将軍「その実力はもはや私にも引けをとらん!!見よ、この映像を!!」

テリーマン「あっ、モニターに勝手に何かの映像が映し出されているぞ!!」

ラーメンマン「あれは…ブロッケンJr!ウルフマン!ジェロニモ!」

バッファローマン「今回いなかった三人衆じゃねえか!!」

雛苺「不気味な場所にリングがあるの~!」

翠星石「そ…その上には薔薇水晶がいるですぅ!」

744: 2008/08/22(金) 21:43:05.84 ID:bjLOW7h70
~どこかのリング~

ウルフマン「こんな女の子がオレたち三人の相手をするだって~っ!?超人力士界横綱をなめんなよ~っ!!」

ジェロニモ「ま、待つだ!ウルフマン!迂闊に攻撃しては駄目ズラ~っ!!」

ウルフマン「くらえ、合掌捻り!! うぐっ!!」

薔薇水晶「…魔のショーグン・クロー…」

ウルフマン「ウギャアアアアア!!」

ブロッケンJr「ウ…ウルフマンの巨体を片手で持ち上げている…!あのガキ、只者じゃねえ!!」

ジェロニモ「このーっ!!ウルフマンを離すだーーーっ!!」

薔薇水晶「…硬度10、ダイヤモンドボディ…」

ガキィッ!

ジェロニモ「ト…トマホークチョップでもビクともしないズラ…!」

薔薇水晶「…地獄の…断頭台…」

ジェロニモ「ゲェーッ!!こ…この技はーーーっ!!」

ブロッケンJr「ジェ…ジェロニモーーーッ!!」

749: 2008/08/22(金) 21:44:12.34 ID:bjLOW7h70
薔薇水晶「…残り…一人…」

ブロッケンJr「ウ…ウルフマンもジェロニモもやられちまった…残りはオレ一人…」

ブロッケンJr「だが、ここで背を向けて逃げるわけにはいかねえ!ブロッケン一族の誇りにかけて、貴様を倒す!!」

ブロッケンJr「オレにもしものことがあったら…」

ブロッケンJr「後のことは頼んだぜ、キン肉マーーーン!!」


…ザ…ザーッ…


キン肉マン「ブロッケンJrーーーっ!!」

悪魔将軍「バゴアバゴアバゴア!!結果はここにいる薔薇水晶そのものよ!!」

悪魔将軍「だが今日は顔見せだけ!アリスになりたければ、一ヵ月後に富士山火口特設リングにやってくるのだな!!」

悪魔将軍「我が配下の悪魔超人軍とその手製のドール共々、貴様らを血祭りに上げるべく待っているぞ!!バゴアバゴアバゴア!!」

薔薇水晶「……………」

真紅「ま、待ちなさい!!」

水銀燈「け…煙のように消えてしまったわぁ…」

756: 2008/08/22(金) 21:45:44.19 ID:bjLOW7h70
ロビンマスク「…行くしかないな…」

蒼星石「ああ、こんなものを見せられて、黙ってなんかいられないよ!」

ラーメンマン「許せん…許せんぞ、悪魔将軍!」

翠星石「何が待っていようと全員ぶちのめしてやるですぅ!」

バッファローマン「悪魔超人手製のドールか…!ちっ、小細工を仕掛けやがって!!」

雛苺「うにゅー!!」

テリーマン「どんな罠があるかも分からない…だが、退却するわけにはいかない!!」

金糸雀「テキサス・ブロンコの異名にかけて、かしら~!」

ウォーズマン「…コー…ホー…」

水銀燈「ふふ…あの、おばかさんたちには一度痛い目を見せてあげた方がよさそうねぇ…」

キン肉マン「いくぞ、真紅!」

真紅「ええ、スグル!」


真紅「アリスゲームはまだ始まったばかりなのだわ!!」



                          完          次回・デビルドール氏闘編(いつか)

757: 2008/08/22(金) 21:46:25.41 ID:YvWWbmGe0

758: 2008/08/22(金) 21:46:28.42 ID:x6MCfo8mO
打ち切りwwwwwwwww

761: 2008/08/22(金) 21:47:12.60 ID:bjLOW7h70
くだらんSSにつきあってくれてありがとう!!
いつかまたローゼン&キン肉マンスレで会おうぜ!!
ちなみに薔薇水晶の方が好みだ!

815: 2008/08/22(金) 22:51:08.70 ID:bjLOW7h70
冷静になって考えたらオリジナルのドールなんて思いつきもしない件

キン肉マンの超人募集にはライオンマンとか色々送ったんだけどなぁ

821: 2008/08/22(金) 22:55:21.64 ID:bjLOW7h70
よし、じゃあ皆ローゼンメイデンっぽい名前でデビルドールを考えておくれ

正直キン肉マンは話を作るのに何も考えなくていいから楽だ

851: 2008/08/22(金) 23:18:43.42 ID:bjLOW7h70
>>848乙

アニメはガゼルマンvsプリプリマンに一見の価値あり

引用: 真紅「スグル、紅茶を淹れて頂戴」