1: ◆hAKnaa5i0. 2017/12/13(水) 11:50:56.10 ID:hxu0FbIZ0
志希博士の薬シリーズ第21弾。
今回は飲んだ人が「オフモード」になる薬です。「家の中でスウェットを着てぐだぐだしている」ような気を抜いたリラックスモードですね。
薬の種類は違っていても展開はいつもと同じです。アイドルたちとキャッキャウフフするだけの話ですが、お付き合いいただけると嬉しいです。
始めます。
アイドルマスター シンデレラガールズ シンデレラガールズ劇場(9) (電撃コミックスEX)
2: 2017/12/13(水) 11:51:44.34 ID:hxu0FbIZ0
タッタッタッ...

志希「プロデューサー、プロデューサー♪」

P「また新しい薬を作ったんだな」

志希「お、話が早いねぇ♪」

P「『ネズミを捕まえた猫』みたいにご機嫌でやってこられたら察するよ。もう慣れきってるもの」

志希「んふふ~、以心伝心だねぇ~♪」

3: 2017/12/13(水) 11:52:16.19 ID:hxu0FbIZ0
P「嫌な以心伝心だ。それはさておき聞いておこう。それはどんな薬なんだ?」

志希「これはですね。飲んだ人が人前で気を抜くようになっちゃうのです♪」

P「ほう」

志希「例えばだけどさ、プロデューサーって普段身なりはビシッとしてるけど、家でもそういう格好をしてるわけじゃないでしょ?」

P「家では基本だるだるのスウェットだよ」

志希「それと同じです♪」

P「何と同じです?」

4: 2017/12/13(水) 11:52:50.94 ID:hxu0FbIZ0
志希「この薬はね。飲んだ人を常に『家』にいるような気分にさせるんだよね。だからプロデューサーが飲んだら『外でもスウェットでいいやー』みたいになるわけさ♪」

P「つまり飲んだ人を『オフモード』にする薬ってことか」

志希「まさしく♪」

P「なるほど。没収します」

ヒョイッ

志希「あー!」

P「またイタズラするつもりだろ。いけません」

志希「ぶー。いいもん。もうあちこちにバラ撒いてきちゃったし」

P「…もはや驚きもないよ」

志希「にゃははは♪ では、今回もよろしくお願いします♪」

P「へーい…こちらこそ」

5: 2017/12/13(水) 11:53:22.14 ID:hxu0FbIZ0
ケース1. 新田美波

(事務所)

キョロキョロ...

P「さて、大ごとになる前に志希の薬の被害者を探さなきゃな」

P「(でも、そう簡単に見分けが付くんだろうか。外でも家でも気を抜かないような子もいるだろうし…)」

P「…って、うん?」

美波「…あ、おはようございます。プロデューサーさん。ふぁぁぁ…」ダラ-ン

【ジャージ姿】

P「…ぐふっ」

6: 2017/12/13(水) 11:53:50.61 ID:hxu0FbIZ0
美波「どうしました?」

P「大丈夫。不意に美波の油断しきった姿を見て心臓を射抜かれたような気持ちになっただけだ」

美波「?」

P「とりあえず美波。ボサボサの髪をとかして、シャッキリしなさいな」

美波「…何でですか?」

P「人に見られたら驚かれるもの。記者の人に見られたら『女神はいずこに』ってスクープにされちゃうでしょうが」

美波「…たまの休みくらいいいじゃないですか」プク-

P「ぐふぅ。可愛い」ズキュ-ン

7: 2017/12/13(水) 11:54:39.63 ID:hxu0FbIZ0
美波「いいですか、プロデューサーさん」

P「はい」

美波「家というのはですね。普段、社会生活に気を張っている人がリラックスできる唯一の空間なんですよ」

P「はい」

美波「それなのに家の中でのスタイルまで制限されてしまったら私のリラックスできる場所はこの世に存在しなくなってしまいます。ゆえに、それは許容できません」キリッ

P「ご高説ありがとうございます。でもここは事務所なんだ」

美波「知りません」プイ-

8: 2017/12/13(水) 11:55:06.58 ID:hxu0FbIZ0
P「困った。いまなら旅人のマントを脱がせようとする北風の気持ちがわかるよ」

P「(というか…)」ジ-

美波「?」パツ-ン

P「…」

P「美波。なんかそのジャージ小さくない?」

美波「ええ、昔運動する時に着ていたものなんですけど、サイズが合わなくなっちゃったものなんですよ」

美波「捨てるのももったいないので普段着として着ているんですけど…変ですか?」

9: 2017/12/13(水) 11:55:45.98 ID:hxu0FbIZ0
P「…」ジ-

美波「?」パツ-ン

P「(胸の部分だけが張ってる…これはいけない)」ジ-

美波「へ、変なら変と言ってくださいよ」ジ-

P「上目遣いはずるい」ゲフッ

10: 2017/12/13(水) 11:56:13.84 ID:hxu0FbIZ0
(しばらくして)

美波「…♪」クテ-

P「はい。コーヒー」

コトリ

美波「ありがとうございます。いいですね。座っててもコーヒーが出てくるなんて♪」クテ-

P「はいはい。一杯飲んだら着替えなさいよ」

美波「…いつになく厳しいですね」プク-

P「いやいや、厳しんじゃなくて。ここは事務所だから」

11: 2017/12/13(水) 11:56:45.25 ID:hxu0FbIZ0
美波「…」

美波「仕方ありません。では、着替える代わりにいくつかわがままを聞いてください」

P「よしきた。それくらいお安い御用だ」

美波「では、まずコーヒーにミルクを2つ入れてください。砂糖は結構です」

P「はい」

ツ-...カチャカチャ

美波「ありがとうございます。では、プロデューサーさんもソファに座ってください」

P「ほい」ストン

12: 2017/12/13(水) 11:57:12.49 ID:hxu0FbIZ0
美波「もう少しこちらに寄ってください」

P「どれくらい?」

美波「ストップと言うまでです」

P「…」ススス

美波「…」

P「…」ススス

美波「…」

P「…え? まだ?」

美波「まだです」

13: 2017/12/13(水) 11:57:40.37 ID:hxu0FbIZ0
P「…」ススス

ピトリ

美波「ストップです」キリッ

P「…」

美波「…♪」ポフッ

P「もたれかかりたかったわけね」

美波「ええ♪」

14: 2017/12/13(水) 11:58:13.88 ID:hxu0FbIZ0
美波「あ、この姿勢だとコーヒーに手が届かないので取ってください」ノビ-

P「容赦なく人を使うね。キミは」

美波「プロデューサーさんが着替えて欲しいというからです。私は何も悪くありません」クテ-

P「はいはい。コーヒーでございます」スッ

美波「ありがとうございます♪」

スッ...ズズズ...

美波「はぁ…」ホッ

P「…」

美波「すごく楽ですね…」グテ-

P「(美波が肩にもたれかかっていてとてもいい匂いがする。これは困る)」

15: 2017/12/13(水) 11:59:00.10 ID:hxu0FbIZ0
美波「♪」ギュ

P「…あの」

美波「はい?」ギュ-

P「腕に絡みつかれるとスーツがシワになっちゃうからね」

美波「それは大変ですね」ギュ-

P「うん。大変です」

美波「安心してください。私が綺麗にシワを取ってあげますから♪」ギュ-

P「どうしよう。遠回しな言い方じゃ全然通じない」

16: 2017/12/13(水) 12:00:38.63 ID:hxu0FbIZ0
(しばらくして)

美波「♪」クテ-

P「美波。そろそろ」

美波「…」ムス-

P「露骨に不満そうだね」

美波「せっかくリラックスしてるのに…」

P「ほら。着替え終わったらまたこの体勢に戻っていいから」

美波「!」

美波「着替えてきます」スッ

スタスタスタ...

17: 2017/12/13(水) 12:01:25.30 ID:hxu0FbIZ0
P「…切り替えが早いなぁ。最初からそう言えばよかったのか」

P「さて。美波が戻ってくるまでここで待機…」

ピロリロリン♪

P「ん? メールか」

ちひろ《メールで送りましたので、至急ファイルの処理をお願いします》

P「…急ぎっぽいな」

P「…」

18: 2017/12/13(水) 12:01:53.40 ID:hxu0FbIZ0
(しばらくして)

トテトテ...

美波「戻ってきました。プロデューサーさん♪ …って」

美波「…」

P「…」

カタカタカタカタ...カタカタ...
カタカタカタカタ...カチッ!

美波「…」ジ-

P「…」

19: 2017/12/13(水) 12:02:25.36 ID:hxu0FbIZ0
美波「…」ジ-

P「…ご、ごめん、美波。急にやらなきゃいけない仕事ができたからちょっと待ってて」

美波「ちょっととはどれくらいでしょう」

P「…2時間くらいかかるかも」

美波「…」プク-

P「美波の視線が突き刺さって痛い」

美波「…」ペシペシペシ!!

P「と思ったら左肩をペシペシされて物理的に痛かった」

美波「むー…」ペシペシペシ

P「ごめんて」

20: 2017/12/13(水) 12:02:51.81 ID:hxu0FbIZ0
(その後)

カタカタカタカタ...カタカタ...
カタカタカタカタ...カチッ!

P「…」

美波「…」ム-

P「…美波」

美波「何ですか」プク-

P「帰りご飯食べに行こう。ご馳走するよ」

美波「…」

美波「2人きりですか?」

P「もちろん」

21: 2017/12/13(水) 12:03:54.36 ID:hxu0FbIZ0
美波「…」

美波「そ、それくらいで許されると思わないでくださいね」

P「じゃあ行かない?」

美波「行きます♪」ピッ

P「よし。じゃあ、適当に美味しいお店を…」

美波「レストラン予約しておきますね♪」ワクワク

P「適当じゃ済まさないってか」

美波「はい♪」ニコニコ

P「(…まあ機嫌が直ったからいいか)」ホッ

22: 2017/12/13(水) 12:04:35.66 ID:hxu0FbIZ0
(帰り・レストラン)

P「小洒落てるお店だね」

美波「ええ。ドレスコードまでしなくていいんですけど…雰囲気がすごく気に入っているんです♪」

P「いいところ教えてもらっちゃったな」

美波「他の人と来ちゃ駄目ですよ♪」

P「…」

美波「…駄目ですからね?」ジト-

P「はい」

23: 2017/12/13(水) 12:05:21.74 ID:hxu0FbIZ0
受付「いらっしゃいませ。2名様でよろしいでしょうか?」

美波「予約していた新田です」

受付「はい。『カップルコース』でお間違いありませんか?」

P「!?」

美波「はい♪」

受付「では、ご案内いたします」

P「あの美波さん」

美波「ここのお店のオススメだそうです。深い意味は全くありませんから気にしないでください♪」

P「…は、はい」

美波「♪」ニコ-

24: 2017/12/13(水) 12:05:50.19 ID:hxu0FbIZ0
(しばらくして)

美波「この料理は1つしかないので分け合いましょう」

カチャカチャ...スッ

美波「はい。あーんです♪」

P「普通に食べられるけど…」

美波「…」シュ-ン

P「嘘、嘘。いただきます。めっちゃ嬉しい。いただきます」ア-ン

25: 2017/12/13(水) 12:06:19.01 ID:hxu0FbIZ0
美波「えへへ…♪」スッ

モグモグ

P「美味しい」

美波「では次は私にお願いします♪」

P「ん?」

美波「プロデューサーさんにしてあげたんですから。これではフェアじゃありませんよね?」

P「えぇ…」

美波「さあ♪」ア-ン

P「…」

P「はい。あーん」

美波「♪」

ア-ン...モグモグ...

美波「美味しいですね♪」

P「…だね」

26: 2017/12/13(水) 12:06:50.73 ID:hxu0FbIZ0
(しばらくして)

美波「はー…満足しました♪」

P「うん、美味しかったな。それじゃあ今日は解散しーーー」

美波「プロデューサーさんのお家ってこの近くですよね?」

P「…」

P「チガウヨ」

美波「…」ジト-

P「ごめんなさい嘘付きました。近くです」

美波「嘘つきは泥棒の始まりですよ?」

P「はい」

27: 2017/12/13(水) 12:07:22.61 ID:hxu0FbIZ0
美波「では…行きましょうか♪」ギュッ

P「その流れになると予想はしていたよ。やめてほしいよ」

美波「ダメなんですか?」

P「ダメです」

美波「何故ですか?」

P「ええと…駄目だからです」

美波「理由になってませんよ」ジト-

P「ぐぅ」

美波「ご馳走になったお礼です。ちょっとお邪魔して…お洗濯とかお掃除をするだけですから♪」

美波「ね♪」

P「…」

美波「ほら、行きましょう♪」ギュ-

P「」

28: 2017/12/13(水) 12:08:09.55 ID:hxu0FbIZ0
(しばらくして)

美波「わぁ…結構綺麗にしてあるんですね♪」

P「ま、まあな」

P「(まずい…結局家にあげてしまった。何事もないといいけど)」

美波「どうしました? ぼーっとして」

スッ...ギュ-

P「!?」

美波「ほら…せっかくのオフなんですからリラックスしましょうよ♪」

美波「…2人きりですし、ね♪」ギュ

P「」

29: 2017/12/13(水) 12:08:41.83 ID:hxu0FbIZ0
P「(待ってこの子なんでこんな積極的になってるわけ!? 何かおかしいだろ!?)」

美波「…♪」ジ-

P「ぐふっ。ジッと見つめられている」

美波「…誰も見てませんよ♪」コソリ

P「...」

P「(完全に頃しにきてる。そして自分から手を出してこないのが恐ろしい。俺の理性が崩壊するのを待ってるんだこれは)」

美波「♪」ギュッ

P「」

30: 2017/12/13(水) 12:09:11.90 ID:hxu0FbIZ0
美波「ふふふ…いいんですよ。プロデューサーさん♪ ちょっとだけなら…♪」コソリ

P「」ズキュゥゥン

P「(あかん理性が…)」フラフラ

美波「♪」ギュ-

プシュゥゥゥ...(薬の切れる音)

P「ん?」

美波「…あれ?」

P「…」

美波「…」

31: 2017/12/13(水) 12:10:09.44 ID:hxu0FbIZ0
P「戻った?」

美波「…」

美波「あ、あの…さっきまでのは違くてですね…///」アタフタ

P「腕を絡めてきたり、誘惑してきたりしたり、ずいぶん積極的だったな。薬のせいだとはわかってるけど酷い目にあったぞ」

美波「わ…///」カァァァァァァ!!

美波「わ、わわわ、忘れてくださいっ!! 帰りまーーー」

32: 2017/12/13(水) 12:10:48.20 ID:hxu0FbIZ0
P「逃がさん」

スッ...ギュム-

美波「アウアウアウ...///」プシュ-

美波「」キュ-

P「…」

P「ぐふっ。ギリギリの戦いだった…」トケツ

【この後気絶した美波を送り届けました】

ケース1. 新田美波 end

33: 2017/12/13(水) 12:11:17.86 ID:hxu0FbIZ0
(その後)

トゥルルルル...ピッ!!

P「もしもし志希博士。今回の薬で何か隠してることない?」

志希《ないよ》

P「本当に?」

志希《うん。しいていうならよりリラックスしてもらいたくて『アマエタクナール(甘えたくなる)』をちょっぴりブレンドしてることくらいかな》

P「あるじゃないか。美波がやけに絡んできた原因があるじゃないか」

34: 2017/12/13(水) 12:11:55.38 ID:hxu0FbIZ0
志希《薬の効果はどうだったかにゃー♪》

P「あれはまずい気がするんだ。回収をしてほしい」

志希《お断りしまーす♪》

P「だよねー」

ピッ...ツ-ツ-

P「はぁ」

35: 2017/12/13(水) 12:16:07.12 ID:hxu0FbIZ0
休憩します
次はちゃんみおで書きます



引用: 志希「隙だらけ! 『オフモードニナール(オフモードになる)』だよ♪」