472: 2008/11/01(土) 20:35:28 ID:YEaguenh


ところで最近、もっぺりが少ないので、ちょっと小ネタを置いてきます。

473: 2008/11/01(土) 20:38:26 ID:YEaguenh
その街には朝からずっと、さらさらとした粉雪が降っていました。
白い雪は戦争で傷付いたその街を癒すように、街全体を白く覆って行きます。
戦災を免れた古いビルにも。
建て直された家々にも。
新しく植えられた樹木にも。
分け隔てなく白い雪は降り積もっていきました。

陽が沈みきった頃、街の中心にある広場の時計塔の下に一人の少女が立っていました。
キラキラと光る長い金色の髪。
雪の様に白い肌。
お人形さんみたいに、細く小さい華奢な身体。
透き通った青い瞳に縁無しの眼鏡を掛けた、お姫様の様にとても美しい少女です。
少女は時計塔の下で人を待つ傍ら、目の前を通り過ぎていく人々を眺めていました。

街を行く人々は皆、明るい表情をしていました。
一日の仕事を終え、ほっと息を吐きながら家路につく大人達。
積もった雪を投げ合って、はしゃぎ合いながら駆けていく子供達。
夕食の献立を話し合いながら、仲良く手を繋いで歩いていく親子連れ。
そして、お互いを温め合うようにしっかりと腕を組んでいる恋人達。
戦災から立ち直りつつある街は冬を迎えても活気で溢れていました。
少女はそんな街の人々の様子を、とても穏やかで優しい顔をして眺めていました。

戦争が終わってからずっと、少女は故郷であるこの街の復興のために頑張ってきました。
仲間達と一緒に泥だらけになりながら樹を植えたり。
人手の足りていない病院で怪我や病気の人の看護をしたり。
家を失った子供達の為に建てられた孤児院に寄付をしたり。
その小さな身体で故郷の復興の為に一生懸命に頑張ってきました。
戦争が終わってから初めての冬を迎えて、昔の様に、街に笑顔が戻ってきたのを見て、少女はとても嬉しく思っていました。

474: 2008/11/01(土) 20:41:17 ID:YEaguenh
時計塔の鐘が鳴ってすこし経ってから、少女の前に一人の女性が現れました。
結い上げられた黒い髪。
鋭い眼差しを隠すように右眼に掛けられた眼帯。
厚手のコートをまとったしなやかな身体。
まるでお伽話しに出てくる騎士の様な凛々しい女性でした。
女性は少女の姿を見て、真面目そうな表情を崩して、はにかんだ笑顔を見せました。
少女はその笑顔を見て白い頬をほんのりと赤く染めました。
二人は戦争中に結ばれた恋人同士でした。

女性は待ち合わせの時間に遅れてしまった事を少女に謝りました。
少女は自分も今着いたばかりだと、女性にちょっとした嘘をつきました。
しかし、少女の肩や髪には白い雪が積もっていて、寒さで微かに震えていました。
女性は少女が自分に気を遣ってくれている事にすぐに気づきました。
少女の気持ちが嬉しかった女性は、冷えきった少女の身体に自分の着ていたコートを掛けてあげました。
そして、少女をそっと抱き締めました。

しばらくして、二人は歩き始めました。
時計塔から少し歩いた所にあるレストランに向かうためです。
そのレストランは少女がよく食べに行っているレストランでした。
道を歩きながら少女は女性の手を静かに、控えめに握りました。
少女は前を向きながら言いました。

「迷子にならないように、エスコートさせて頂きますわ・・・」

顔を真っ赤にしながら、少女はそんな風に格好をつけました。
少女の強がる様子が可笑しくて女性は豪快に笑いました。

「はっはっはっ! ペリーヌに案内して貰えるなんて私は幸福者だな」

大きな声で笑う女性を見て、恥ずかしそうに、でもちょっぴり嬉しそうに少女は微笑みました。
まるで、雪の妖精さんが笑ったみたいに可愛らしくて幸せが溢れた微笑みでした。

475: 2008/11/01(土) 20:44:43 ID:YEaguenh
おしまいです。
引っ越したばかりで、ネットが使えなかったんで、ケータイで書いたから変になってるかもしんないで、すんません。

もっぺりはもっと評価されてもいいと思います。

476: 2008/11/01(土) 21:16:29 ID:dYraJEHD
ここでなら聞ける!

なんで坂本少佐はもっさんって呼ばれてるの?

477: 2008/11/01(土) 21:18:55 ID:pnHgbfaB
坂本さん!さかもとさん!さかもっさん!もっさん!

478: 2008/11/01(土) 21:19:06 ID:d7xYgvXD
さかもっさん

引用: ストライクウィッチーズpart8