1: 2017/04/07(金) 03:09:41.69 ID:+HOVsjXs0
最原「あ……ぐっ……」ドサッ…

王馬「にしし!まあ、こんなところかな?」

茶柱「まったく、醜い姿ですね!男氏の中でも際立った醜さです!」

東条「ゴミを掃除するのは私の役目だけど……流石に、これに触れるのは気がひけるわね」

夜長「あ~、斬美に迷惑をかけるなんて終一は悪い子だね~!……悪い子には罰をあたえないと、ねっ!」ガスッ!

最原「があっ!」ビクッ!

獄原「う、うう……」

星「……気にするな東条。お前が気にする必要もあるまい、このゴミは勝手に消えてくれるさ」

白銀「そうそう!東条さんが嫌な思いをする必要はないんじゃないかな!?」

入間「ひゃ~っはっは!クサイ原がどうなろうと知ったこっちゃないからな!」

夢野「んあー……ウチはもう疲れた。こんな奴のことはどうでも良いから帰って寝るとするわい」

天海「俺もそうさせて貰いますよ。でも、その前に……」グリッ!

最原「あ、ぐ……っ」

白銀「あはは!天海くんは容赦がないね~!」

天海「まだ痛めつけ足りなかった気分だったんすよ。でも、これで満足しました」

春川「じゃ、今日は解散しようか……それで?このゴミはどうする?」

百田「ほっといていいだろ。部屋に戻れなくておしおきされたら万々歳じゃねえか」


#10 疾走する青春の絶望ジャンクフード (非)日常編


2: 2017/04/07(金) 03:13:30.67 ID:+HOVsjXs0
最原「はるかわ、さ……ももた、くん……っ」

赤松「……ふふふ」

最原「あかまつ、さ……うっ!」

百田「……なに気安く俺たちの名前を呼んでんだ?あぁっ!?」バキッ!

最原「がぁっ!」

百田「おまえがっ!俺や赤松のっ!名前を気安く呼ぶんじゃねえよっ!」

バキッ! ガスッ! ドゴッ!

最原「ぐふっ!がっ!がはっっ……!」ドサッ…

百田「……あ~、気分わりい!さっさと帰ってシャワーでも浴びるとすっかな!」

最原「皆……待ってよ、まって、よ……」

赤松「……ふふふ」クスクス…

最原「………い、たい……体が、動かない……痛い、よ……」

3: 2017/04/07(金) 03:16:49.67 ID:+HOVsjXs0
キーボ「最原くん!しっかりしてください!」

真宮寺「ひどい……こんなに痛めつけるなんて……!」

最原「あ……キーボくん、真宮寺くん……っ!」

キーボ「しゃべっちゃいけません!すぐに部屋に運んであげますから!」

真宮寺「……全身打撲に細かな擦り傷や刺し傷、骨折している部分も数箇所ある……これは本当に、人間のやることなのかい……?」

最原「……僕も信じたくないよ。でも、でも……」

キーボ「……話は後にしましょう。もしも皆さんが戻ってきたら、最原くんがまた危険な目に遭います」

真宮寺「そうだネ……僕の部屋に運ぼう。そこで怪我の手当てをしないとネ……」

最原「ありがとう……ありがとう……」

キーボ「……大丈夫ですよ最原くん。みんなきっと何か事情があるんです。だから、それが解決さえすれば……」

真宮寺「……希望を捨てちゃ駄目だヨ、最原くん……」

最原「うん、わかってるよ……でも、でもさ……なんでこんな事になっちゃったんだろうね……?」

4: 2017/04/07(金) 03:21:23.00 ID:+HOVsjXs0
―――二日前……

最原「……朝か、とにかく今日も頑張ろう……!」

最原(この学園に閉じ込められて結構な時間が過ぎた。幸いにもコロシアイは起きてないけど、脱出の糸口は掴めていないな……)

最原「……赤松さんや百田くん、皆と協力してなにか手がかりを探すんだ。僕に協力してくれてる皆のためにも、脱出方法を探さなきゃ……!」

最原「……まずは朝食だな。食堂に行こう」

―――中庭

最原「……今日の朝ごはんはなにかな?……あ、あれは……!」

百田「………」スタスタ…

最原「百田くんだ!おーい、百田くーん!」タッタッ!

百田「………!」

最原「おはよう百田くん!今日はどう活動しよう……」

百田「……っらぁっ!」ブンッ!

最原「えっ……?」

バキッ!

最原「……え?え?」

最原(殴られた?百田くんに……?なんで、どうして?)

5: 2017/04/07(金) 03:25:43.06 ID:+HOVsjXs0
百田「……なに馴れ馴れしく俺の名前を呼んでんだよ?ああ!?」

最原「も、百田くん……?いったい、どうしたの……?」

百田「てめえみたいなゴミ虫に近寄られると迷惑なんだよ!俺に近寄るんじゃねえっ!」バキッ!

最原「あぐっ!……そ、そんな、僕、百田くんになにかしてしまったの……?」

百田「けっ!朝から気分が悪くなったぜ!」スタスタ…

最原「ま、待ってよ百田くん!百田くーん!」

最原(な、なんで……?昨日までは普通に仲良くしてたじゃないか?一体どうして、百田くんはあんな態度を……?)

真宮寺「……最原くん?」

最原「あ……し、真宮寺くん……」

真宮寺「どうしたんだい、その顔の怪我は?それに、こんな所で座り込んで、何かあったのかい?」

最原「あ、いや、その……」

真宮寺「……少し落ち着こうか?今の君、酷い顔をしているヨ」

最原「………」

真宮寺「……とにかく食堂へ行こうヨ。朝食を摂りながら話は聞くからサ……」

最原「うん……ありがとう、真宮寺くん……」

6: 2017/04/07(金) 03:28:45.96 ID:+HOVsjXs0
―――食堂

最原「………」

真宮寺「………」

東条「皆、食事は行き渡ったわね?それじゃあ、食べましょうか」

キーボ「あ、あの……」

東条「……どうかしたの?キーボくん」

キーボ「さ、最原くんの分が無いと思うのですが、僕の見間違いでしょうか……?」

真宮寺「……見間違いじゃ無いヨ、キーボくん。僕も最原くんの分だけ無い様に見えるネ」

最原「なん、で……?」

東条「……悪いわね。作り忘れちゃったみたい」

最原「!?」

王馬「そっか~!作り忘れちゃったなら仕方が無いよね!最原ちゃんは、諦めて空気でも食っててよ!」

茶柱「人間誰でもミスはありますからね!仕方が無いですよ!」

最原「え……?」

天海「……と言う訳で最原くん。今日は朝ごはん抜きでお願いします」

最原「ちょ、ちょっと待ってよ!なんで、こんな……」

7: 2017/04/07(金) 03:29:54.97 ID:+HOVsjXs0
春川「ふ~ん……いつも好意で私たちの面倒を見てくれる東条が一回ミスをしたら怒るんだ?アンタって相当なクズだね」

最原「は、春川さん……?」

百田「こんなクズ気にする必要はねー!さっさと飯を食っちまおうぜ!」

白銀「その意見に賛成だよ!もう私おなかぺこぺこ!」

夜長「それじゃあ皆仲良く……いっただっきま~す!」

最原「な、なんで……?みんな、どうして……?」

獄原「……あ、あのさ、最原くん!ゴン太の分を少し……」

ギロッ!

獄原「ううっ……!」

真宮寺「………」

キーボ「な、何ですかこの雰囲気は……?皆さん、どうしてしまったと言うんですか!?」

8: 2017/04/07(金) 03:34:19.86 ID:+HOVsjXs0
―――購買部

最原「……出た、ごはんのつみきだ……!良かった、これで空腹はどうにかできるぞ」

最原(……でも、なんで皆は僕にあんな態度を……?僕、何かしてしまっただろうか……?)

??「……ねえ」

最原「え……?」クルッ…

ドスッ!

最原「……え?え?」

春川「……子供だって知ってるよ。つまみ食いと勝手な間食はいけませんって……あんた、そんな事も守れないんだね?」

最原「は、春川さん……?ぐああっ!!!」

最原(肩に、何かが刺さってる!い、痛い!苦しいっ!)

春川「……あんまり暴れないでよ。子供たちの方が聞き分けが良いよ?」ドンッ!

最原「が、あっ……」

春川「安心して、その針は人を頃すための物じゃ無いから。むしろその逆……殺さないで痛めつける為の物、拷問用の器具だよ……!」

最原「そ、んな……!?なんで、僕に、そんな……」

春川「……ふふふ、どう?痛い?ここをこうしたらさ……」グリグリ…

最原「ぎゃぁぁぁぁっ!!!」

春川「あはは!ひっどい悲鳴!ぎゃぁっ!だなんて、ほんと面白くない悲鳴だよね!」

最原「春川さん……なんで、こんなことを……?」

9: 2017/04/07(金) 03:37:29.96 ID:+HOVsjXs0
天海「あ、盛り上がってますね」

最原「!?」

春川「来たんだ……それで?アンタはなにを用意してきたの?」

天海「これっすよ、これ」つペンチ

最原「あ、天海くん……?なにを……?」

天海「……俺、爪を弄るのが好きなんすよね。だから……」グッ!

最原「や、やめ……」

ベリッ!

最原「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!!」

天海「おー、綺麗に剥がれたっすね!」

春川「本当にね。もっと苦しめてやれば良かったのに……」

最原「あが……がぁっ……い、だいぃっ……」

春川「……根を上げるのは早いよ?針はまだまだあるんだからね……!」

天海「爪もまだ9枚ありますよ?最原くん、覚悟してくださいね……!」

最原「い、いやだ……いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

10: 2017/04/07(金) 03:38:30.90 ID:+HOVsjXs0
―――数十分後

最原「う、うぅ……うぐぅっ……」

天海「あはは!指の爪が全部無くなっちゃいましたね!十分反省したっすか?」

春川「これから先、アンタが食事の時間以外で何かを食べようとしたらこうするからね?わかった?」

最原「………」

春川「……わかったかって聞いてるんだけど?」ガスッ!

最原「あぐっ……!」

春川「はぁ……まあ良いや。それじゃ、行こうか」スタスタ…

天海「はい、そうしましょう」スタスタ…

最原「ま、って……春川さん、天海く……」

夜長「やっはー!どったの終一~?ボロボロだね~?」

最原「!?」

夜長「すぐに手当てしてあげないと可哀想だよ~!……と言うわけで、アンジーが怪我の手当てをしてあげるね~!」

最原「あ、ありがとう……アンジーさん」

夜長「うんうん!感謝されると気分が良いね~!……それが例え、だいっ嫌いな終一からだとしてもね」

最原「え……?」

夜長「ま、それは置いておいて手当てをしてあげるよ~!……まずは傷口を洗って、その後殺菌だよね。アンジーは頭が良いから、その二つを同時に行う方法を思いついちゃったのだ~!」

11: 2017/04/07(金) 03:43:21.87 ID:+HOVsjXs0
夜長「……消毒って言ったら熱い物をかけることだよね?だから、ぐつぐつに煮立ったお湯で傷口を洗いながら消毒してあげるよ!」

最原「!?」

夜長「さっき魔姫たちに虐められてた終一を見たときから準備してたから、すぐに治療に移れるね~!それじゃあ、行くよ~!」

最原「ま、待って、アンジーさ……」

夜長「それ~!」

ジャアァァァァッ!

最原「がぁぁぁぁっ!がっ、あぁぁぁっ!!!」

最原「あづいっ!あ、づいぃっ!やめて、やめてえぇっ!」

夜長「……終一、アンジーの優しさを踏みにじるの?せっかく終一の為に用意してあげたのに?」

最原「あ、あ……」

夜長「終一は悪い子だね……悪い子には、罰を与えないとね……」

最原「や、やめ……」

夜長「終一は悪い子、終一は悪い子、終一は悪い子……」

ガスッ!ガスッ!ガスッ……!

夜長「良い子になーれ、良い子になーれ、良い子になーれ……!」

ドガッ!バキッ!ガツンッ!

最原「あ、あが……」

夜長「……やっと静かになったね~。それじゃ、治療の続きをしよっか!」

最原「あ、あぁぁぁぁ………!」

12: 2017/04/07(金) 03:47:50.40 ID:+HOVsjXs0
―――最原の私室

最原「……ここ、は……?」

キーボ「君の部屋ですよ、最原くん」

最原「キーボ、くん……?」

キーボ「廊下で気を失っている君を見つけて、ここまで運んできたんです。一体なにがあったんですか?」

最原「……実は…………と言う訳なんだ」

キーボ「そんな……まさか、信じられません!あの三人が、そんなことを……!?」

最原「……信じられないのは僕も一緒だよ。でも、事実なんだ……」

キーボ「………」

最原(春川さん……天海くん……アンジーさん……どうしちゃったんだよ……?)

キーボ「……何か良くない事が起きている気がします。明日は僕と一緒に行動しましょう!そうすれば少しは安心ですよ!」

最原「うん……ありがとう、キーボくん……」

13: 2017/04/07(金) 03:52:36.27 ID:+HOVsjXs0
―――二日目 食堂

東条「最原くん、昨日はごめんなさいね」ニコニコ

王馬「まったくだよ!東条ちゃんはうっかりやさんだな~!」ニコニコ

最原「………」

白銀「人間ミスはあるからね!しょうがないよ!」ニコニコ

東条「本当に申し訳ない事をしたわね……今日は最原くんだけに特別メニューを用意したから、たっぷり召し上がって頂戴!」ニコニコ

夢野「んあー……うらやましいのぉ、最原」ニコニコ

真宮寺「……君たちは本気でこんな真似をしているのかい?」

百田「……なんだよ真宮寺、なんか文句でもあるのか?」

キーボ「当然じゃないですか!これは……こんな物、料理だなんて言えません!」

真宮寺「食材全てが腐っている……腐臭も凄いし、食べられる物とは到底思えないヨ」

茶柱「何を言ってるんですか!超高校級のメイドである東条さんが作った料理ですよ?美味しいに決まっているじゃないですか!これだから男氏は!」

夜長「転子の言うとおりだよ~!……ねえ、終一はちゃんとこの料理を食べるよね?」

最原「!?」

夜長「斬美がわざわざ終一の為に作った料理なんだよ?それを残りたりなんかしないよね?……終一は、人の優しさを踏みにじる悪い子じゃあないよね~?」

最原「あ、あ……!」

春川「……ふふふ、そっか、悪い子かぁ……!」

天海「悪い子にはおしおきが必要っすよね……!」

最原「あ、あぁ……うわぁぁぁっ!」ガッ!

キーボ「さ、最原くん!」

真宮寺「な、何を……!?」

14: 2017/04/07(金) 03:57:46.05 ID:+HOVsjXs0
最原「ハグッ!ぐっ、むぅ……げぇぇっ……!」

入間「あはは!ゴミ虫の奴、吐きやがったぜ!きったね~!」

王馬「あれ~?最原ちゃん、この料理が気に入らなかったのかな~?」

赤松「……そんな事無いよね?最原くん、君はちゃんとこの料理を残さず食べるよね?」

最原「あ、が、まつ……さん……?」

赤松「……そんな口を利かないでよ。あなたに名前を呼ばれるだなんて、虫唾が走るもの」

最原「えっ……!?」

真宮寺「……話にならない。ちょっと厨房を借りるヨ」

百田「……真宮寺、てめー何をするつもりだ?」

真宮寺「僕が料理をつくるのサ。最原くん用の食事をネ……だからもう、最原くんはそんな物を食べなくて良いヨ」

キーボ「真宮寺くん……!」

真宮寺「……どう言った理由があるかは知らないけど、こんなの狂ってる。僕はそんな物に加担するつもりは……っっ!?」

バキィッ!

真宮寺「が……はっ……!」

星「……邪魔すんじゃねえよ。今、良い所なんだからよ」

最原「し……真宮寺くんっ!!!」

真宮寺「う、うぅ……」

15: 2017/04/07(金) 04:03:24.99 ID:+HOVsjXs0
キーボ「星くん……何をしているんですか!?」

星「邪魔者を排除しただけだ、なにか問題はあるか?」

キーボ「そんな……!超高校級のテニスプレイヤーである君のサーブをまともに受けたらどんな怪我をするかわかったもんじゃない!それを理解しててこんなことを……!?」

赤松「……悪いのは最原くんだよ?」

最原「え……?」

赤松「君がなんの問題も無くその料理を食べていたら、真宮寺くんはあんな目に遭わなくて済んだんだよ?全部全部、君のせいなんだって事、わかってる?」

最原「そ、そんな……僕は……」

赤松「……ねえ、早く食べなよ。そうしないと、次はキーボくんが酷い目に遭うかもよ?」

キーボ「!?」

百田「……赤松の言うとおりだ。早く食えよ、最原!」

春川「自分で食べられないなら、協力してあげようか?」

東条「喉の奥……いえ、胃に突っ込んであげるわ。食べきれなくなるまでね……!」

最原「う、うぅ……うぅぅぅぅ……」

夜長「……早くしなよ、終一……!」

星「食えよ……せっかくの料理が不味くなっちまうぜ」

茶柱「お腹が空いていないのなら、転子がお腹を殴って中の物を吐き出させてあげましょうか?」

最原「あ、うぅ……うぅぅっ……」

赤松「……早く食べよう?最原くん」ニコッ

最原「う……うぅ……うぅぅぅぅぅぅ……」

16: 2017/04/07(金) 04:09:39.66 ID:+HOVsjXs0
―――男子トイレ

最原「げえぇ……うげぇぇぇぇっ……!」

最原(胃がむかむかするなんて話じゃない……強烈な不快感が止まらない……胸が、苦しい……!美味しい料理を作れるって事は、人が徹底的に不快になる料理も作れるって事なんだ……!)

最原「うげぇぇっ……う、うう……なんでだよ、皆……?なんでこんな事をするんだよ……?ん?」

ガタンッ!

最原「だ、誰か居るの……?僕に何か、用……?」

ダダダダダッ……

最原「……誰かがドアの外に居たみたいだ。いったい誰が……あ!」

最原「これ、胃薬だ……!もしかして、僕の為に!?」

最原(……誰か、僕の事を気遣ってくれている人が居るんだ!きっとそうなんだ!)

最原「あ、ありがとう……!誰かはわからないけど、これで……」スッ…

夢野「……んあー」ヒョイッ!

最原「えっ!?ゆ、夢野さん……?」

夢野「………」ジー…

最原「あ、あの……出来たら、その薬を僕に渡してくれると……」

夢野「う……うわぁぁぁぁぁんっ!」

最原「!?」

17: 2017/04/07(金) 04:14:41.46 ID:+HOVsjXs0
茶柱「なんですか!?どうかしたんですか!?夢野さん、いったいなぜ泣いているんですか!?」

夢野「さ、最原が、ウチを虐めるんじゃ……うわぁぁぁぁんっ!」

最原「そ、そんな!僕はそんな事して無いよ!」

茶柱「……では、最原さんは夢野さんが嘘をついていると言うわけですか?」

最原「そ、そうだよ!僕はなにも……あぐっ!?」ドサッ!

茶柱「……人を虐めておいて、その人を嘘つき呼ばわりとは見下げた根性ですね!転子がその性根をたたきなおしてあげます!」ドガッ!

最原「あぐっ!……や、やめてよ茶柱さん……僕は、本当に……ぐうっ!」

夢野「……ククク」ニタァ…

ガスッ!バキッ!ボキィッ!

最原「あ、あぁぁぁぁっ!腕が、腕がぁっ……!」

茶柱「腕の関節を外しただけで大げさですね……さ、これで抵抗出来ませんね!夢野さんも思う存分痛めつけちゃってください!」

夢野「んあー!なんと気の利くことじゃ!ウチは良い友達を持ったのぉ!」

茶柱「でへへ……夢野さんにそこまで言って貰えるなんて、転子は幸せものです!」

最原「あぐ……ぐぅぅ……」ブクブク…

夢野「では、早速……てやっ!」ポカッ!

最原「がふっ……!」

茶柱「お見事です!鼻っ柱に直撃ですね!」

最原「うぅ……うぅぅ……」

夢野「うわ、手が最原の鼻血で汚れてしまったぞい!ばっちいのぉ……」

茶柱「なんと!?ええい、夢野さんの可愛いお手てを汚すなんて不届き者め!転子が成敗してあげます!」

夢野「おー!やってしまえー!」

ゴキッ!バキッ!ゴキャッ!

18: 2017/04/07(金) 04:19:22.58 ID:+HOVsjXs0
―――一時間後、中庭

最原「………」ズルズル…

最原(脚の関節もやられた……もう、這ってでしか進むことも出来ない……急いで部屋に帰るんだ。もう、引き篭もって過ごすしか……)

バチンッ!

最原「えっ……!?ぎゃぁぁぁっ!!!」

最原「な、なんだよこれ……?トラバサミ!?なんでこんなところに!?」

王馬「にしし!ゴミ虫捕獲用トラップに獲物がかかったぞ!やったね!」

最原「お、王馬くん!?この罠は君が……?」

王馬「そうだよ!それにこの罠はまだ終わりじゃないんだよね!」

最原「え……?」

王馬「くらえー!唐辛子エキス入りの水鉄砲だーっ!」

最原「なっ!?……ぎゃぁぁぁぁっ!」

最原(目が、焼ける様に痛いっ!熱いなんてもんじゃない!内側から引っ掻き回されて、マグマの中で目玉を煮詰められてるみたいだ!)

最原「あああ……あぁぁぁぁっ!」

王馬「にしし!関節が外された腕じゃ庇うことも出来ないからね!当然罠も外せないし……さーて、こんなもんかな?」

最原「あ、あうあ……あうぅぅ……」

19: 2017/04/07(金) 04:23:49.49 ID:+HOVsjXs0
王馬「それじゃゴミ虫ちゃん!俺は行くね!」

最原「お、おうま、くんっ……罠を解除してくれ……お願いだよぉ……っ!」

王馬「………」

最原「トラバサミが深く食い込んでるんだ……もしかしたら骨まで達してるかもしれない……こんな状況で放置されたら、僕は……」

王馬「……氏ねば良いんじゃないかな?皆もそう望んでるし」

最原「えっ……?」

王馬「それより……まだ余裕があるみたいだね?それじゃあ、この水鉄砲の中身の水を直接眼球にっと……」ボタボタ…

最原「ぎ、ぎやぁぁぁぁぁっ!!!」

王馬「あはは!おもしれー!超笑えるよ!」

最原「ぎいぃぃぃっ!ぐっ、ぎぃぃぃっ……!」

王馬「さーてと、俺は今度こそ行くね。ばいばーい!」

最原「う、あ……待って、待ってよぉぉっ……!僕を置いて行かないでくれよぉぉ……」

最原(……目をまともに開くことさえ出来ない……トラバサミに脚を挟まれているから動けないし、それを外すために手を使うことも出来ない……八方塞りだ……)

ザッ、ザッ……!

最原「足、音……?ね、ねえ!そこに誰かいるの!?」

ザクッ、ザクッ!

最原「お願いだよ!どうかこの罠を外して!このままじゃ僕……」

入間「……嫌に決まってんだろ、クソ虫最原が!」ガスッ!

最原「うぐっ!」

20: 2017/04/07(金) 04:27:35.46 ID:+HOVsjXs0
入間「ひゃーっはっは!良い格好じゃねえか!これで身動き出来ないお前を徹底的に痛ぶれるってもんだな!」バキッ!

最原「あがっ!ぐえっ!」

入間「おらっ!罠を外して欲しいんだろ?なら、入間さまお願いしますって言ってみろよ!」

最原「い、入間さま……おねがい、します……」

入間「ひゃーっはっは!嫌だね!お前みたいなゴミ虫の頼みなんて聞くもんかよ!」ドガッ!

最原「ぎいっ!……そ、そんな……酷い、よ……」

入間「酷い?ゴミ虫が俺様に楯突こうなんざ百億年早えんだよ!人科の生物に生まれ変わってから来い!」ドゴッ!

最原「ぐうぅっ……あが、ががが……」

入間「……あ?気を失っちまったのか……?ま、良いか!このまま放置しておくとするか!なんってったって天才の俺様はこんなゴミにかまってる時間は無いんだからな!」スタスタ…

最原「ひぃ……ひぃ……」ピクピク…

??「………」

ガガガ……ガキッ!

21: 2017/04/07(金) 04:31:52.17 ID:+HOVsjXs0
―――最原の部屋

最原「……はっ!?」

最原(ここは……僕の部屋、だよな?いったいいつの間にここに来たんだ……?)

最原「あ……!脚に包帯が巻かれてる……!それに、外れてた関節も元通りだ……」

最原(やっぱり誰かが僕を助けてくれてるんだ!きっと皆、何か訳があってこんな事をしているに違いない!)

最原「そうに決まってる!そうじゃなきゃ、皆があんなに酷い事をするはずが……」

―――ガチャッ!

王馬「やっほー、ゴミ虫ちゃん!元気ー?」

最原「!?」

王馬「あのさ!この部屋は今日から皆のゴミ捨て場になったから!ゴミ虫の最原ちゃんには丁度良いよね!」

最原「お、王馬くん……?何か理由があるんでしょ?僕に言えない理由があって、こんな事をしてるんだよね!?」

王馬「………」

最原「何とか言ってよ!」

百田「うるせえよ、最原」

最原「えっ……!?」

22: 2017/04/07(金) 04:36:50.66 ID:+HOVsjXs0
百田「ほら皆!いらないものは全部こん中に捨てちまえ!」

入間「ひゃっはー!丁度良かったぜ、壊れた機械パーツをすてる場所が欲しかったんだ!」ドガガガッ!

夢野「ウチの魔法で使う動物たちの糞の捨て場に丁度いいのお!」ボタボタッ!

王馬「俺も悪戯用に取っておいた危ない薬品とかを捨てちゃおうっと!」ブシャァァァッ!

最原「ううっ!げ、げほっ!ごほっ!匂いと薬品の煙で、息が……」

赤松「……皆、捨て終わったよね?それじゃ、部屋に帰ろうか」

―――バタン!

最原「あ、ま、待ってよ……!赤松さん、待ってよ!理由を、理由を聞かせてよ!」

最原「げほっ、ごほっ!このドアを開けてよ!ごほっ!皆、僕と話してよ!げほっ、ごほっ!ごほっ!」

最原「なんで……なんでこんな事をするんだよぉぉぉぉっっっっ!?」

最原(次の日も僕は虐められた。食事は腐った物を適当に詰め合わせた物。それを無理やり食べさせられ、僕は何度も吐いた)

最原(殴る蹴るの暴行も当たり前、全身打撲の末に骨にひびが入ったんじゃないかと思うまで殴られ、その場に放置された)

最原(部屋は汚物のたまり場になっていた。安心できる場所すらない僕は追い詰められ、今日も皆に弄ばれる。数少ない救いは、キーボくんと真宮寺くんが味方である事と、ゴン太くんが暴力を振るってこないことだ)

最原(一体何故こんな事になってしまったのだろう……?必氏になって考えたが、僕には答えを出せないままであった……)

23: 2017/04/07(金) 04:41:27.52 ID:+HOVsjXs0
―――現在(三日目 夜)

最原「はぁ、はぁ……うぅぅ……っ」ズキズキ…

真宮寺「……手酷くやられたネ。こんなことをするなんて、皆の正気を疑うヨ」

キーボ「な、何が起きているんでしょう……?皆さんが最原くんを相手にこんな事をする理由は何なんです?」

真宮寺「……わからない、としか言い様がないネ。皆は最原くんと非常に良い関係を結べていると思っていたんだけれどもネ……」

最原「……そんなの、決まってる……っ!」

キーボ「さ、最原くん……?」

最原「みんな、モノクマに何かされたんだ……!僕に酷い事をする様に指示されているんだよ!そうじゃなきゃ、僕にこんな事する訳が無い!」

真宮寺「……ありえない話じゃ無いネ。何か脅されている可能性だって十分にあるわけだ」

キーボ「な、なら!モノクマから話を聞けば……!」

モノクマ「……ボクが皆を煽ってる?そんな事は無いよ!」

キーボ「ひいっ!?で、でたあっ!?」

モノクマ「そんなお化けを見たみたいな反応をしないでよ。傷つくなあ……」

最原「な、何の用だ!?僕にトドメを刺しに来たのか!?」

モノクマ「……そんなことしないよ。ボクは、最原くんの怪我の治療に来たんだよ」

最原「……え?」

24: 2017/04/07(金) 04:45:46.52 ID:+HOVsjXs0
モノクマ「ちょちょいのちょ~いっ!っとね!」パパパッ!

最原「う、うわぁっ!?……あ、あれ?体の痛みがだいぶ楽になった……?」

モノクマ「治療完了!いや~、まだ取り返しのつく範囲での怪我で良かったよ!」

真宮寺「……どういうつもりだい?君は最原くんを追い詰めているんじゃなかったのかな?」

モノクマ「だ~か~ら~……ボクは、皆に何もして無いんだって!」

最原「え……!?」

キーボ「う、嘘ですよ!だって、皆は最原くんのことを信用していた!僕が見る中では、好意を抱いている人だってたくさんいた!それが……そんな人たちが、最原くんをここまで傷つけるわけが……」

モノクマ「……本当に最原くんは皆から好かれてたの?」

キーボ「……え?」

モノクマ「一方的な思い込みじゃあないの?最原くんが皆に好かれてたって証拠がどこにあるのさ?」

キーボ「そ、そんなの……皆を見れば、すぐに……」

モノクマ「……今の皆は最原くんが大嫌いみたいだけどね。少なくとも、氏んでもかまわないと思っている人が沢山いるみたいだよ?」

最原「……そんなわけない!皆が、僕に氏んで欲しいと思っている訳が無い!」

25: 2017/04/07(金) 04:56:29.77 ID:+HOVsjXs0
最原「百田くんは僕を親友だと言ってくれた!王馬くんは僕をライバルだって認めてくれた!星くんも天海くんも、ゴン太くんだって僕を友達だと言ってくれたんだ!」

モノクマ「皆が嘘をついてるのかもよ?君の事を友達だなんて本当は思ってないのかもよ?」

最原「し、白銀さんも、アンジーさんも、入間さんも、茶柱さんも僕と一緒に過ごしてくれた!東条さんも色々と面倒を見てくれた!僕を本当に嫌っているのなら、そんな事しないはずだ!」

モノクマ「仕方なくかもね?嫌々君に付き合ったのかもよ?」

最原「ゆ、夢野さんや春川さんとは沢山話をしたんだ……ここを出た後の話も、ここに来る前の話だってしたんだよ……!」

モノクマ「……だから?それと君が嫌われて無いって話のどこに関係があるのさ?」

最原「あ、赤松さんは……」

モノクマ「……君をいじめる皆の中心役だね。君の事、大嫌いなんだろうね?」

最原「違う!違う違う違う違う違う!赤松さんがそんな事する訳無いっ!皆が僕を嫌っている訳が無い!全部お前のせいなんだっ!」

モノクマ「……あくまでボクのせいだって言い張るつもりみたいだね。なら、ボクから皆に最原くんを苛めるなって言ってきてあげようか?」

最原「!?」

モノクマ「……ただ、その結果どんなことが起きてもボクは責任を取らないよ?それでも良いなら……」

最原「……良いよ。やってくれよ。それで皆、僕にこんな事をする理由は無くなるはずなんだ!」

モノクマ「うぷぷ……そう?なら、今から放送で皆に連絡を取るね……!」ヒューン!

キーボ「……これで全て解決……なのでしょうか?」

真宮寺「どうだろうネ?いまいち納得がいかないヨ」

最原「……大丈夫さ、明日には皆は元に戻ってる。そうに決まってるんだ……!」

31: 2017/04/07(金) 15:46:22.92 ID:+HOVsjXs0
―――四日目

最原「あぐっ!?ぐえっ!」バキィッ!

百田「……とうとう尻尾を表したな、黒幕め!」

茶柱「あなたが消えれば転子たちは開放される!さあ、覚悟なさい!」

最原「な、なんで……?僕は、黒幕なんかじゃ……」

星「……モノクマに庇われといて何言ってやがる?どうせモノクマを使って俺たちを脅して、この仕打ちから逃れようとしたんだろうが……」

春川「逆効果だったね。これでアンタが黒幕だって皆が理解しちゃったんだからさ」

最原「違う!僕は……」

東条「その怪我の手当てもモノクマがしたんでしょう?ただの生徒にモノクマがそこまで肩入れするとは思えないわ」

赤松「つまり……あなたが黒幕なんでしょ?最原くん?」

最原「違う!違うよ!皆、どうしちゃったのさ!?僕が黒幕だなんて、そんなの……」

天海「……どうやら認めるつもりは無いみたいっすね」

夜長「ならなら~!おしおきの時間だね~!」

入間「お前が自分の罪を認めるまでボコってやるぜ!ひゃっはー!」

最原「そんな……!?」

32: 2017/04/07(金) 15:47:18.19 ID:+HOVsjXs0
キーボ「待ってください!そんなのおかしいですよ!」

真宮寺「……君たちは異常だヨ。冷静な思考が出来ていない。何故、こんな真似をするのサ?」

白銀「……あ~、邪魔なやつらが来ちゃったね~!二人とも、最原くんに騙されているんだよ?」

キーボ「そんなことありません!皆さんこそ、モノクマに騙されて……」

―――ガツンッ!

キーボ「」ドサッ!

真宮寺「き、キーボくん!?」

王馬「そーれ、もういっぱーつ!」

―――バキッ!

真宮寺「ぐっ!?……な、ぜ……?」ドサッ

最原「キーボくん!真宮寺くんっ!」

赤松「……これで邪魔する人はいなくなったね。それじゃ、始めようか!」バキッ!

最原「うぐっ!?」

赤松「ほらほら、早く認めないともっと痛い目に遭うよ?」

最原「あ、赤松さん……!?」

赤松「認めなよ、自分が黒幕だって……皆をここに閉じ込めて、頃し合わせようとした最低の人間だって認めるんだよ!」バキッ!

34: 2017/04/07(金) 15:48:05.60 ID:+HOVsjXs0
最原「あぐっ……!こ、こんなのおかしいよ……いつもの君じゃないよ……!」

赤松「はぁ?」

最原「理由を話してよ!いつもの君はそんな風に笑いながら暴力を振るう人じゃなかったでしょ?お願いだよ!なんで僕にこんな事をするのか話してよ!」

赤松「………」

最原「また一緒にピアノの連弾をしようよ……!二人で笑って過ごそうよ!」

赤松「はぁ……何言ってるの?気持ち悪いこと言わないでくれる?」

最原「え……?」

赤松「私が最原くんを傷つける理由が知りたいの?なら、教えてあげるね!……君のことが大嫌いだから、それだけだよ」

最原「え?え……?」

赤松「……暗くてウジウジしたところが嫌い。馴れ馴れしく接してくるところが嫌い。あなたの全てが大嫌い!目障りでしょうがないの!……だから、消えて欲しいんだ。わかるかな?」

最原「……う、嘘だ……そんなの嘘だ!だって、だって……うわっ!?」

百田「へっ!何寝ぼけたこと言ってんだよ!お前が嫌われてるなんて当然じゃねえか!」

最原「う、嘘だ……!百田くん、君と僕は親友じゃないか!?なんでそんな嘘をつくんだよ!?」

百田「親友?お前と俺が?……気味悪い事言ってんじゃねえ!」バキッ!

最原「ぐぅっ……!うそだ、うそだよ……!こんなの、こんなことって……」

35: 2017/04/07(金) 15:48:55.14 ID:+HOVsjXs0
春川「……いい加減に現実を認めたら?黒幕さん?」

最原「は、春川さん……!?」

夢野「ウチらがお前を嫌っていることなど、周知の事実では無いか」

茶柱「というよりも何故、自分が好かれていると思えるんですか?」

東条「あなたに仕えると思っただけで虫唾が走るわ。考えたくも無い」

入間「俺様の視界に入るんじゃねー!この蛆虫野郎がっ!」

最原「夢野さん?茶柱さん?東条さん?入間さん?……嘘だよね?こんなの嘘に決まってるよね!?」

王馬「嘘じゃないよ!み~んな、お前の事が大嫌いなんだよ!」

夜長「神様もお前なんか嫌いだ~!って言ってるよ~!もちろん、アンジーもだね~!」

天海「普通に考えればわかるでしょう?君は、好きな相手にこんな事するんすか?」

星「俺以上の嫌われ者がいるなんてな……ふっ、まあ、お前なんかと比べるのも気分が悪いがな」

最原「嘘だよ……そんなの、そんなのって……」

白銀「……いい加減理解しなよ、最原くん。君は皆の嫌われ者で、皆から消えて欲しい存在だと思われているんだよ」

最原「あ……あぁぁぁぁぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁぁっ!」

36: 2017/04/07(金) 15:54:22.97 ID:+HOVsjXs0
赤松「あーあ……煩いなあ。でもまあ、こうやってこいつが苦しんでいるのを見るのは楽しいかな?」

百田「そうだな!さて、もっと痛めつけてやろうぜ!」

茶柱「どんな技をかけてやりましょうかね~?」

星「ふっ、久々に腕を見せるとするか……!」

王馬「にしし!楽しみでしょうがないよね!」

―――ガスッ!バキッ!ゴキャッ!

最原「あうぅ……あ、うぅぅぅぅ……」

最原(……皆が、僕の事を嫌ってる?そう、なのか……?今までみんなと一緒に楽しく過ごせてたって思うのは、僕だけだったのか……?)

百田「おらっ!おらぁっ!」バキッ!

春川「ふふふ……!」ガスッ!

最原(……親友だと思ってた二人は、あんなに楽しそうに笑いながら僕に暴力を振るっている……演技でもなんでもない、本当の笑顔で……)

赤松「あはは……あはははは!」ドガッ!

最原(赤松さんも……僕が好きな人も、あんな風に笑いながら僕を傷つけてくる……本当に皆、僕の事が嫌いなんだ……!)

―――氏ね 氏ね 氏ね!

―――お前なんか消えちまえ!

―――くたばれ!このゴミ虫野郎!

最原(……僕は、氏んだ方が良いのかな……?皆がそう望むなら、僕の存在理由なんてどこにも無いんじゃないかな……?)

38: 2017/04/07(金) 15:57:05.95 ID:+HOVsjXs0
―――消えろ黒幕!

―――惨めに氏んでくれ!

―――屑!ゴミ!ひとでなし!お前の居場所なんてどこにも無いんだよ!

最原(……氏にたい)

最原(氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい氏にたい…………)

最原(誰か僕を……頃してくれ……)

王馬「……それじゃ、そろそろトドメ、行っちゃう?」

最原「………」ピクピク

百田「そうだな。そろそろ反応も無くなってつまらなくなってきた所だし、良いんじゃねえの?」

王馬「そいじゃゴン太、出番だよ!」

獄原「………」

最原「……ゴン太、くん……!」

茶柱「きゃー!獄原さんの拳で殴られれば、最原さんなんてイチコロですよ!」

入間「きっとグチャッと潰れるぜ!トマトみたいにな!」

春川「ふふふ……面白そうじゃん」

夜長「神様も大喜びだね~!」

夢野「うえぇ……ウチはグロいのは苦手じゃ……」

最原「う、う……」

獄原「………」

39: 2017/04/07(金) 16:02:08.98 ID:+HOVsjXs0
王馬「……やっちゃえよゴン太。お前だってそのゴミ虫は嫌いだろ?」

獄原「……うん。ゴン太は最原くんの事が嫌いだよ」

最原「………」

王馬「じゃあぶん殴っちゃえよ!そんで、頃しちゃえば良いんだよ!皆がそれを望んでる!皆の期待に応えるのが紳士だろ!?」

獄原「………」

百田「やっちまえ!ゴン太!」

白銀「頃しちゃえ頃しちゃえ!」

天海「そいつを頃したらゴン太くんはヒーローっすよ!」

星「何も迷うことはねえ、そいつは氏んで当然の奴なんだぜ」

赤松「だからさ、ゴン太くん……私たちのために、やっちゃってよ」

最原「……っ、うぅっ……」ポロポロ…

最原(皆が僕の氏を望んでる……僕に味方なんて、一人もいないんだ……!)

―――こーろせ!こーろせ!こーろせ!

獄原「………」グッ!

茶柱「おおおっ!やりますか!?」

夢野「わわわ!ウチは目を瞑るぞい!」ギュッ!

最原(……僕、氏ぬんだな……でも、もうどうでも良いや……)

獄原「うおぉぉぉぉぉぉっ!!!」

最原(さよなら……みんな……)

40: 2017/04/07(金) 16:09:29.38 ID:+HOVsjXs0
―――ズガアァンッ!

赤松「やった!」

春川「これであのゴミもお終いだね」

百田「あー、すっきりしたぜ!」

王馬「………ん?」

最原「う、ぐ……え?なんで僕、生きて……?」

獄原「……ゴン太は最原くんが嫌いだよ……でも、でもっ……こんな酷い事、出来ないよっ!」

最原「!?」

獄原「一人を皆で寄って集って苛めるなんて、絶対に紳士のする事じゃないよ!こんなの……こんなの、間違ってるよ!」

最原「ご、ゴン太くん……!?」

獄原「ねえ、最原くん。ゴン太頑張るから……一緒に虫さんの事を好きになろう?虫さんの事を好きになれば、皆だって最原くんの事を好きになってくれるよ……!皆に好かれる立派な人になろうよ……最原くん!」

最原「た、助けてくれるの……?僕の、ことを……?」

獄原「ゴン太は最原くんのことが嫌いだけど、見捨てる事なんて出来ないから……!だから……っ!」ポロポロ…

最原「……もしかして、胃薬を差し入れてくれたのも、罠から開放してくれたのも、全部ゴン太くんが?」

獄原「うん……。最原くんが可哀想すぎて、見ていられなくって……!」

最原「……っっ!」

41: 2017/04/07(金) 16:11:09.38 ID:+HOVsjXs0
キーボ「……最原くん、君を助けるのはゴン太くんだけじゃありませんよ」

真宮寺「僕たちも君の味方サ」

最原「キーボくん、真宮寺くん……!」

キーボ「……諦めないで下さい。きっとこれはモノクマの策略ですよ!」

真宮寺「ここで君が諦めてしまったら黒幕の思う壺サ。心を強く持つんだ、最原くん!」

最原「ゴン太くん……キーボくん……真宮寺くん……!」

王馬「……ちぇ~、なんか白けちゃったな~!今日はもうお終いで良いや!」

赤松「……そうだね。お楽しみはまた明日にしようか」

ゾロゾロスタスタ……

真宮寺「……最原くん、大丈夫かい?」

最原「あはは……全身痛いけど、でも、大丈夫かな?」

キーボ「無理しないで下さい!昨日よりも酷い怪我ですよ!?」

最原「うん……でも、今日は希望が見えた気がするから……!」

キーボ「え……?」

最原「僕は一人じゃない……三人が僕の事を心配して、味方になってくれたから、僕はそう思えるんだ……だから、強い気持ちを持てるんだ!」

真宮寺「……友達を支える。当然のことでしョ?」

獄原「一緒に頑張って皆に好きになって貰おうよ、最原くん!」

最原「うん!……そうさ、まだ何も終わっていない。僕が頑張れば良いだけの話なんだ……!」

最原(……この時、僕は確かにそう思っていた。また頑張って皆の信頼を得て行けば良いと思っていたんだ。でも……それは甘い考えだった)

43: 2017/04/07(金) 16:16:22.20 ID:+HOVsjXs0
最原(翌日から更に激しさを増した虐めが繰り広げられた。皆が皆、自分の思う方法で僕を嬲り始めたんだ)

最原(百田くんと星くんは一番分かり易い方法、直接的な暴力で僕を苛めた。殴られ、蹴られ、時には物をぶつけられながら、僕は必氏に二人の説得を試みたけど、二人は聞く耳を持ってはくれなかった)

最原(東条さんと王馬くんは日々の生活の中で逃れ様の無い方法で僕を痛ぶった。毎食の食事はもはや食べ物とは言えないものが出てきた。泥のジュース、ゴキブリのサラダ、腐った食材の合わせ物……それを上手く誘導し、僕に食べさせることが王馬くんの手口だった)

最原(茶柱さんと夢野さんは二人で僕の肉体と精神を責めてきた。茶柱さんの合気道で関節を外され動けなくなったところで、夢野さんがマジックに使う小道具で僕を責める。ピラニアの水槽の中に落とされそうになった時は、半狂乱で泣き叫んでしまった)

最原(アンジーさんと天海くんは僕の弱い部分……傷つけられて痛い部分を的確に責めてきた。爪を剥がされ、歯を抜かれ、傷口になった部分を弄り回す……苦悶と痛みに泣き叫びながら、僕は二人が正気になってくれる事を願った)

最原(入間さんと春川さんは自分の才能をフルに使った責めをしてきた。僕を苦しめるための装置を作り、それを使って楽しむ。かつて学んだ拷問技術を使って僕を苦しめ、それを嘲笑う。痛みよりも二人に苦しめられることへの悲しみで僕は涙を流した)

最原(そして赤松さんは、僕の事を徹底的に粗末に扱った。苦しむ僕を無視して笑い、傷ついた僕の体と心を踏み躙った)

最原(日々の責め苦を前にして、僕は心をすり減らしていった。それでも必氏に耐え続けたのは、僕を支えてくれる三人がいた事と、また皆で笑って過ごせる日が来ると信じていたからだ)

最原(……でも、そんな僕の心をへし折る出来事が、七日目に起きてしまう……)

44: 2017/04/07(金) 16:22:20.10 ID:+HOVsjXs0
―――七日目 夜

最原「がっ、はぁっ……!うっ、うぅっ……」

百田「……ったく、しぶてえなあ……最近妙に我慢強くなりやがった」

春川「ホント迷惑だよね。屑のくせにさ!」

最原「みん、な……正気に、もどって、よ……」

白銀「……ああ、まだ何か呟いてるよ?気持ち悪い……」

茶柱「よっぽど自分が嫌われていることを認めたくないみたいですね!」

最原「みんな、お願いだ……優しかった皆に、戻って……」

赤松「……わかったよ、最原くん。君がそう言うなら、私たちももうそろそろこのお遊びを終わりにするね」

最原「!!!」

赤松「いい加減終わりにしたい所だったんだ。だから、今日で全部を終わりにするよ」

最原「ほ、本当……!?」

赤松「うん、本当だよ!」

最原「や、やった……!やったぁ……!」

最原(これで戻れる……また、皆と笑って毎日を過ごせるんだ……!)

赤松「……君を頃して、全部を終わりにするね」

最原「……え?」

45: 2017/04/07(金) 16:28:48.65 ID:+HOVsjXs0
―――ドスッ、ドスッ、ドスドスドスッ!

最原「……あ?え?……え?」

最原(……い、たい?体に沢山、何かが刺さって……?)

春川「……良かった。皆、寸分無く予定の位置にナイフを刺せたね」

最原「……え?」

百田「人数分のナイフと、致命傷にならない場所を教えてくれたハルマキのおかげだな!」

東条「あとはここままここにアレを放置して出血多量で氏なせれば……」

夜長「皆で仲良くここから出られるってことだね~!」

最原「……あ?え?」

天海「なんだか子供の頃に遊んだ黒ひげ危機一髪を思い出すっすね」

王馬「確かに!今のゴミ虫はあれにそっくりだね!」

最原「あ、ぐ、え……うぅっ……」パクパク…

茶柱「あはは!口をぱくぱくしてますよ!面白いですね~!」

星「きっと自分に何が起きているのかわからないんだろうな」

最原「あぐぐ……いだい、いだぃぃ……っ」

夢野「泣き出しおったぞい!情けないのお!」

入間「ぎゃ~っはっは!無様すぎんだろ!?」

最原「たす、けて……だれか、たすけ……」

白銀「……無駄だよ、最原くん。君に味方する人たちは部屋に閉じ込めてきたから、誰もここには来ないんだよ」

最原「そ、ん、な……」

46: 2017/04/07(金) 16:35:55.72 ID:+HOVsjXs0
赤松「……嫌われ者の最原くんは氏ぬ、私たちは外に出られる、これってとっても素敵な終わりだと思わない?」

最原「あ、赤松さ、たす、け……」

赤松「それじゃあね、最原くん!最後にお礼だけは言っておくよ!氏んでくれてありがとう!」

―――ガチャ……バタン!

最原「待ってよ……僕を、見捨て、ない、で……」ガクッ

最原(………たのに)

最原(皆の事を、信じていたのに……!)

百田『俺たちはずっと親友だぜ!終一!』

春川『……最原、アンタと出会えて良かったよ』

王馬『最原ちゃんを俺のライバルと認めちゃうよ!だから、これからも俺を楽しませてよね!』

最原(……全部嘘だったんだ……皆、僕の事を騙していたんだ……!)

夜長『終一の事は好きだよ~!神様もそう言ってるよ~!』

天海『最原くん……俺は、君の友人になれて良かったと思ってるっす!』

星『こんな俺の事を友と呼んでくれて、ありがとうな……』

最原(あの言葉も、全部全部……嘘だったんだ……!)

47: 2017/04/07(金) 16:42:58.96 ID:+HOVsjXs0
白銀『最原くんと一緒にいると地味に楽しいしね!』

入間『お、お前に、俺様と一緒にいる事を許してやるぜ……!』

茶柱『最原さんのおかげで、転子の視野は広がりました!良い男氏もいるんですね!』

最原(僕は、皆の事を信じていたのに……!)

東条『……これからもあなたのために頑張らせてもらうわ。よろしくね、最原くん』

夢野『んあー……お主の傍は、なんだか温かいのぉ……』

赤松『最原くん、ここを出たら、いっしょにさ……』

最原「みんな……僕の事を嫌いだったんだね……!僕はみんなを、信じてたのに……っ!」

モノクマ「……可哀想にねえ、最原くん……本当に可哀想だよ……」

最原「………」

モノクマ「可哀想で見ていられない君を助けに来てあげたよ。すぐに治療してあげるからね……!」

最原「………」

モノクマ「……大丈夫、明日には全てが解決するよ。明日にはね……!」

52: 2017/04/07(金) 16:49:59.80 ID:+HOVsjXs0
―――八日目 地獄の始まり

最原「……ん、んん……?ここは……?」

最原「地下のAVルーム……?そうか、僕はモノクマに助けられて……」

―――ドンドンッ!

??「最原くんっ!居るの?居たら返事をしてよっ!」

最原「この声は……!」ガチャッ

獄原「最原くん!良かった!」

最原「ご、ゴン太くんっ!?どうしたの?そんなに慌てて……」

獄原「き、昨日、他の皆に部屋に閉じ込められて、何がなんだかわからない内に一日が経っちゃって……今朝、やっと部屋から出られたと思ったら誰の部屋にも最原君が居なかったから、ゴン太たちは必氏になって探してたんだよ!」

最原「……そっか、僕のことを、心配してくれて……」

獄原「そんなことより……うっ、ううっ……ごめん!ごめんよ、最原くん……っ!」

最原「えっ!?」

獄原「ご、ゴン太は、ゴン太は……っ!皆に苛められてる最原くんを見ているだけだった!大切な友達なのに、助けることもせずに、ずっと、そのままで……あんなにボロボロになった最原くんを助けなかっただなんて、ゴン太はどうかしてたよ……!」

最原「きゅ、急に、何を……?」

獄原「これ!倉庫から怪我の手当てに使えそうな物と、たくさんの食べ物を持って来たんだ!最原くん、食べてよ!」

最原「で、でも、こんな事したら他の皆が……」

獄原「……手出しはさせないよ。もう、誰にも最原くんを傷つけさせはしない!ゴン太が最原くんを守るよ!絶対に、守ってみせる!それが……ゴン太に出来る、罪滅ぼしなんだ……!」

最原「ゴン太くん……」

53: 2017/04/07(金) 16:50:38.79 ID:+HOVsjXs0
―――八日目 地獄の始まり

最原「……ん、んん……?ここは……?」

最原「地下のAVルーム……?そうか、僕はモノクマに助けられて……」

―――ドンドンッ!

??「最原くんっ!居るの?居たら返事をしてよっ!」

最原「この声は……!」ガチャッ

獄原「最原くん!良かった!」

最原「ご、ゴン太くんっ!?どうしたの?そんなに慌てて……」

獄原「き、昨日、他の皆に部屋に閉じ込められて、何がなんだかわからない内に一日が経っちゃって……今朝、やっと部屋から出られたと思ったら誰の部屋にも最原君が居なかったから、ゴン太たちは必氏になって探してたんだよ!」

最原「……そっか、僕のことを、心配してくれて……」

獄原「そんなことより……うっ、ううっ……ごめん!ごめんよ、最原くん……っ!」

最原「えっ!?」

獄原「ご、ゴン太は、ゴン太は……っ!皆に苛められてる最原くんを見ているだけだった!大切な友達なのに、助けることもせずに、ずっと、そのままで……あんなにボロボロになった最原くんを助けなかっただなんて、ゴン太はどうかしてたよ……!」

最原「きゅ、急に、何を……?」

獄原「これ!倉庫から怪我の手当てに使えそうな物と、たくさんの食べ物を持って来たんだ!最原くん、食べてよ!」

最原「で、でも、こんな事したら他の皆が……」

獄原「……手出しはさせないよ。もう、誰にも最原くんを傷つけさせはしない!ゴン太が最原くんを守るよ!絶対に、守ってみせる!それが……ゴン太に出来る、罪滅ぼしなんだ……!」

最原「ゴン太くん……」

58: 2017/04/07(金) 17:02:14.51 ID:+HOVsjXs0
獄原「……こんなことで許して貰えるとは思ってないよ。でも、ゴン太は決めたから……!絶対に最原くんを守って見せるから……!」ポロポロ…

最原「……気にしてないよ」

獄原「え……!?」

最原「僕は、ゴン太くんのことを許すよ。だって、ゴン太くんは僕を助けてくれたじゃないか」

獄原「でも、ゴン太は……!」

最原「大丈夫、僕はゴン太くんのことを大事な友達だと思ってる……その言葉に嘘はないから……!」

獄原「さい、はらくん……!」

キーボ「そうですよゴン太くん、君は自分を責める必要は無いんです」

真宮寺「ここに居たんだネ、二人とも……」

最原「キーボくん!真宮寺くん!」

真宮寺「……ゴン太くん、君は最原くんが自分の部屋に居ないと知った時、まっさきに駆け出して行ったネ。友達の身を案じて行動する君が、悪い人間であるはずが無いヨ」

キーボ「そして、今の最原くんに必要な物を真っ先に届けた……ゴン太くんは、立派な紳士ですよ!」

獄原「で、でも……」

最原「……二人の言うとおりだよ。それに、ゴン太くんは僕の一番欲しかったものをくれたんだ」

獄原「えっ?」

59: 2017/04/07(金) 17:07:44.65 ID:+HOVsjXs0
最原「……僕を守る、って言ってくれて本当に嬉しかった……!僕にもまだ、友達が居るって思わせてくれて、本当に嬉しかったんだ……!僕は、ゴン太くんって言う信頼できる友達が居てくれたことが本当に嬉しい!」

獄原「さいはら、くんっ……!」

最原「……ありがとうゴン太くん。僕のことを心配してくれて……僕の友達で居てくれて、ありがとう……!」

獄原「ち、ちがうよ……お礼を言うのはゴン太の方なんだ……!こんなゴン太を許してくれて、本当にありがとう……!うぅ、うわぁぁんっ……!」

真宮寺「……ふふ、友情の涙って言うのは、本当に美しいネ……」

キーボ「ええ……僕には流せないことがとても残念です」

最原「……二人もありがとう。僕のことを心配してくれて……」

キーボ「何を言うんです!友達なら当然じゃないですか!」

真宮寺「そうだヨ……さて、このままいつまでもここに居るのはオススメできないネ。きっと今頃、他の皆も最原くんを探してるヨ」

獄原「また最原くんを痛めつけるためにだね……!?」

キーボ「……もう朝食を食べ終わる時間でしょう。急いで身を隠さないと……」

入間「い、居たぁ……!最原ぁ……!」

最原「!?」

61: 2017/04/07(金) 17:14:36.79 ID:+HOVsjXs0
キーボ「入間さん!?」

真宮寺「くっ、見つかっちゃったネ……!」

獄原「……ここはゴン太に任せてよ。ゴン太が最原くんを守る!」ゴゴゴゴゴ…

入間「ま、待ってくれ!俺様は、最原に謝りに来たんだ!」

獄原「えっ?そうなの?」キョトン

キーボ「騙されちゃ駄目です!これは嘘ですよ!」

獄原「嘘!?入間さんは最原くんに謝りに来たんじゃないの!?」

入間「ひぃぃぃっ!違う、違うんだ!本当に謝りに来たんだよ!その証拠に、ほら!」

真宮寺「……これはなんだい?」

入間「お、俺様が作った医療用カプセルだ!これの中に入ればものの数分で怪我が治るんだぜ!」

真宮寺「……本当かい?そんな事を言って、また最原くんを痛めつける為の道具なんじゃないだろうネ?」

入間「し、信じてくれよぉ……!俺様も今までの行動を反省したんだ、なんで自分があんなことをしたのか、今でもわかんないんだよぉ……!」

最原「………」

入間「でも、もう裏切らないから……!だから信じてくれよ、最原ぁ……!」

真宮寺「……こう言ってるけど、どうする?」

最原「……わかった。君の事を信じるよ、入間さん」

入間「さ、最原っ!」

最原「このカプセル、使わせてもらうね!ありがとう!」

入間「い、いや、良いんだ……!俺様こそ悪かったよ、おかしな真似をしてすまなかった……」

最原「良いんだよ入間さん。こうしてちゃんと謝ってくれれば、それで良いんだ」

入間「あ、ああ……!良かった、これで……!」

62: 2017/04/07(金) 17:15:08.88 ID:+HOVsjXs0
キーボ「入間さん!?」

真宮寺「くっ、見つかっちゃったネ……!」

獄原「……ここはゴン太に任せてよ。ゴン太が最原くんを守る!」ゴゴゴゴゴ…

入間「ま、待ってくれ!俺様は、最原に謝りに来たんだ!」

獄原「えっ?そうなの?」キョトン

キーボ「騙されちゃ駄目です!これは嘘ですよ!」

獄原「嘘!?入間さんは最原くんに謝りに来たんじゃないの!?」

入間「ひぃぃぃっ!違う、違うんだ!本当に謝りに来たんだよ!その証拠に、ほら!」

真宮寺「……これはなんだい?」

入間「お、俺様が作った医療用カプセルだ!これの中に入ればものの数分で怪我が治るんだぜ!」

真宮寺「……本当かい?そんな事を言って、また最原くんを痛めつける為の道具なんじゃないだろうネ?」

入間「し、信じてくれよぉ……!俺様も今までの行動を反省したんだ、なんで自分があんなことをしたのか、今でもわかんないんだよぉ……!」

最原「………」

入間「でも、もう裏切らないから……!だから信じてくれよ、最原ぁ……!」

真宮寺「……こう言ってるけど、どうする?」

最原「……わかった。君の事を信じるよ、入間さん」

入間「さ、最原っ!」

最原「このカプセル、使わせてもらうね!ありがとう!」

入間「い、いや、良いんだ……!俺様こそ悪かったよ、おかしな真似をしてすまなかった……」

最原「良いんだよ入間さん。こうしてちゃんと謝ってくれれば、それで良いんだ」

入間「あ、ああ……!良かった、これで……!」

66: 2017/04/07(金) 17:21:07.26 ID:+HOVsjXs0
キーボ「……ちょっと待ってください」

入間「!?」

キーボ「……そのカプセル、先に真宮寺くんに使ってあげてください」

真宮寺「僕に?確かに僕も怪我をしているけど、重症なのは最原くんの方じゃ……?」

キーボ「……僕の内なる声が言うんです。『先に真宮寺くんに使わせろ』と……さもないと、最原くんに大変なことが起きると言うんです」

最原「えっ……!?」

入間「~~~っ!?」

真宮寺「……僕はかまわないヨ。最原くんの安全を確保するためならお安い御用サ」

最原「だ、大丈夫だよね……?入間さん、この機械には何も仕掛けられて無いんだよね……?」

入間「そ、それは……」ダラダラ…

真宮寺「……その反応、やっぱりなにか仕掛けられているのかい?」

最原「え……!?」

キーボ「……やっぱり、最原くんを傷つけるつもりでこれを!?」

入間「ち、違う……違う!そうじゃないんだ!」

真宮寺「じゃあ何で僕にこれを使わせるのを躊躇うんだい?何か都合の悪いことがあるんでしョ?」

入間「ち、違うよぉ……!お、俺様は、俺様は、ただ、最原に嫌われたくなかったんだよぉ……」

最原「……何かあるの?この機械……!?」

入間「う、うぅ……き、危害は加えないし、怪我も完全に治す……そこは本当だ!信じてくれよ!」

キーボ「……それで?何を仕掛けたんですか?」

入間「あ、う……ほ、ほんのちょっとだけ……使った奴の記憶を消す、だけだから……大体、一週間分……」

最原「!?」

69: 2017/04/07(金) 17:28:17.88 ID:+HOVsjXs0
獄原「一週間分……ってことは、最原くんが虐められてたことを全部忘れるってこと……?」

入間「そ、そうだぜ!俺様は、最原が辛い記憶を忘れられる様にサービスをだな……」

真宮寺「……冗談じゃない」

入間「うっ……!?」

真宮寺「最原くんから記憶を消して、自分の罪を無かった事にしようとしたんでしョ?……冗談じゃない!」

入間「ひいっ!?」ビクッ!

真宮寺「自分の罪も認めず、その過ちを正そうともせず、苦しみすら投げ出す……入間さん、君は最低最悪の人間だヨ」

入間「あ、あ……」

キーボ「……あなたの事は尊敬していました。でも、この行動でその気持ちも全て吹き飛びましたよ。傷つけなければ、何をしてもいいってわけじゃない!そんなこともわからない人だったなんて!」

入間「ち、違うんだ……!悪かった、そう思うよ……!でも、でも、俺様は、私は……最原に嫌われたくなかったんだよぉぉぉぉぉっ!」

入間「自分があんな事をしただなんて信じたくなかったんだ!最原に嫌われたくなくて、自分を守りたくって……ただそれだけだったんだ!最原を傷つけようだなんて、これっぽっちも思って無かったんだ!」

入間「頼むよ!記憶を消す機能は取り外す!だから、もう一度チャンスをくれ!いや、下さい!お願いします!」

獄原「……無理だよ」

入間「……え?」

獄原「……馬鹿なゴン太にもわかるよ……今、入間さんが踏み躙っちゃったそれが、最後のチャンスだったんだよ……。もう、入間さんにチャンスは上げられないよ……」

入間「そ、そんな……嘘だろ?そ、そんなわけ無いよな?最原!?」

70: 2017/04/07(金) 17:34:40.89 ID:+HOVsjXs0
最原「……信じようって、思えたのに……!」

入間「!?」

最原「入間さんの事、最後にもう一度信じようって思えたのに!君を信じたのに!僕の事を大切に思ってくれてるって、今度こそ裏切らないって、信じたのに!」

入間「あ、あぁ……あぁぁぁぁ……」

最原「君は……結局自分が大事なんだね?君だけじゃなくって、他の皆もそうなんだよね?」

入間「ちがう……違うよ最原!そんなんじゃ……」

最原「うるさい!もう君の言葉なんか聞きたくない!君のことなんか信じられない!もう、もう……僕の目の前から消えてよ!」

入間「……あ、あ、あ、……ああぁぁぁぁぁっ!違う、違うんだよっ!わ、私は、私はっ!」

キーボ「……僕も最原くんと同意見です。あなたの顔なんて見たくない」

真宮寺「見苦しい真似はよしなヨ、入間さん」

入間「あう、あぁ……許してくれ、許してくれよ、最原ぁ……!私が悪かったから、もう二度と、裏切ったりしないからぁ!」

獄原「……出て行ってよ、入間さん。ゴン太は最原くんを守るって決めたんだ。だから、その最原くんが望むなら、ゴン太は女の子にだって手を上げるよ!」

入間「頼むよぉ……。何でも言う事を聞く、言いなりになるから、だから……」

獄原「入間さんっ!」

入間「ひいっ!」ビクッ!

72: 2017/04/07(金) 17:46:15.01 ID:+HOVsjXs0
最原「……良いよ、ゴン太くん。そんな事、する必要はない」

獄原「えっ……?」

入間「さ、最原……!お前、わかって……」

最原「……そんな最低な奴の為に君が手を汚す必要なんて無い。僕たちがここから出て行けば良いんだ」

入間「……え?」

最原「行こう、皆……ゴミ虫の僕は入間さんには相応しくないからさ、彼女の前から消えるよ」

入間「……は、あ……?う、あ……」

最原「……さよなら入間さん。本当に僕の言うことを聞くって言うのなら、もう二度と僕の前に顔を出さないでね」

入間「ま、待って……」

―――ギィィ……バタン!

入間「……あ」

入間「……あ、あ、あ……あぁぁぁぁぁぁぁっ!あぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!」

入間「許してくれっ!許してくれよぉっ!私が悪かったから!全部全部私が悪かった!謝る!罪も認める!反省するよぉっ!」

入間「だから私を許すと言ってくれよ!もう二度とお前を傷つけないから……!約束するから!頼むよ!最原!最原あぁぁぁぁぁぁっ!!!」

78: 2017/04/07(金) 17:52:42.35 ID:+HOVsjXs0
―――地下 廊下

キーボ「……気を落とさないで下さい、最原くん。入間さんがああいう人だなんてわかってたじゃないですか」

最原「………」

真宮寺「……信じた気持ちを裏切られるのは辛いよネ。良くわかるヨ……おや?」

天海「あ……!最原くんっ!」ダッ!

獄原「天海くんだ!」

キーボ「こっちに来ます!」

最原「っっ……!」

天海「さ、最原くん!すみませんでしたっ!」ガバッ!

真宮寺「え……?」

天海「お、俺は、最原くんになんて酷い事を……!悔やんでも悔やみきれない!俺はなんであんな事をしてしまったんすか!?」

獄原「もしかして、天海くんも最原くんに謝りに……?」

天海「はい……!こんな口だけの謝罪じゃ意味が無い事もわかってます。だから……っ!」

最原「これは……ペンチ?」

天海「……俺が最原くんにしてしまった事、すべてをやり返してください。君が望むままに……!」

最原「………」

天海「俺に……俺に出来る償いなんて、それくらいしかないんっすよ……!だから、どうか……」

最原「……なんでだよ」

天海「……え?」

キーボ「……天海くん、君は……君は、なんて愚かなんですか……!」

天海「えっ……!?」

81: 2017/04/07(金) 17:58:57.81 ID:+HOVsjXs0
キーボ「最原くんにやった事をやり返されたから許される……?そんなわけ無いじゃないですか!」

天海「そ、そんな……俺は……」

キーボ「最原くんの体を見てください!どこもかしこも傷だらけ、骨も折れたり砕けたりしているんですよ!?体のどこに後遺症が残るかもわかったもんじゃない!」

天海「わ、わかってるっす!だから、俺も同じ目に……」

キーボ「それがなんになるんですか!?天海くんを傷つけたら最原君の怪我は治るんですか!?心の傷が癒えるんですか!?違うでしょう!?あなたのその償いの方法には、なんの意味も無いんですよ!」

天海「えっ……!?」

最原「……キーボくんの言うとおりだよ。天海くん、僕は君の自己満足に付き合うつもりは無い」

天海「さ、最原くん……?」

真宮寺「そもそも何で許されると思ったんだい?あれだけの行為、一生かかっても償いきれるもんじゃない」

最原「……その償いをこの場で終わらせようとする君の性根には心底失望したよ……そんなに考えの浅い人間だったんだね……」

天海「ち、ちがうっす!俺は、必氏に考えて……」

最原「必氏に考えて自分を傷つける様に僕に頼んだの?その考えが浅いって言ってるんだよ!」

天海「うぅっ……」

83: 2017/04/07(金) 18:05:10.40 ID:+HOVsjXs0
最原「……ゴン太くんは僕を守ると言ってくれた。許されるとは思ってないけど、友達として僕を守るって言ってくれたんだ……!傍に居て、苦しみに耐えながら僕を守るって言ってくれたんだ!これが真の償いだろう!?僕はこんな風に考えて、それを実行できるゴン太くんは素晴らしい人間だと思う!友達で良かったと思うよ!」

獄原「さ、最原くん……っ!」

最原「……でも、天海くんはその逆だよ。そんな浅はかで短絡的な考えを持つ人だとは思ってなかった。君と友達で居た事は、僕の恥だよ」

天海「最原、くん……おれ、は……」

最原「……馴れ馴れしく僕の名前を呼ばないでよ。僕と君はもう友達じゃないんだから」

天海「ぐ……っぁ……っ……」

最原「……行こう、皆。他の人に見つかったら厄介だからね……」スタスタ…

天海「……俺は、何を考えてたんすかね……?」

天海「自分の事しか考えていなかった……どうやったら許して貰えるかだけ考えて、最原くんの心の傷のことなんてこれっぽっちも考えて無かった……これは、その報いなんすね……」

天海「最原くんの言う通りっす……こんな奴、縁を切られて当然じゃないっすか……絶交されて当然じゃないっすか……!」

天海「……すいません、最原くん……本当に、すいませんでした……っ!」

88: 2017/04/07(金) 20:27:25.57 ID:+HOVsjXs0
―――中庭

王馬「ああ、居た居た!おーい、最原ちゃーん!」タッタッ…

最原「………」

王馬「いや~、探したよ!見つかって良かった~!」

最原「………」

王馬「ごめんね最原ちゃん!俺、どうかしてたよ!大好きな最原ちゃんにあんな事をするなんてさ……」

最原「………」

王馬「これからは心を入れ替えるから、最原ちゃんにもそれを見てて欲しいな!」

最原「……どうせ」

王馬「ん……?なあに、最原ちゃん?」

最原「どうせ、全部嘘なんでしょ?僕に悪い事をしたとも思ってないし、今日までの事を後悔してもいない。全部お得意の嘘なんでしょ?王馬くん」

89: 2017/04/07(金) 20:27:55.59 ID:+HOVsjXs0
王馬「……そんな事無いよ。俺は、真剣に最原ちゃんに悪い事をしたな~って……」

最原「そう……わかったよ。あくまで僕に嘘をつき続けるんだね?」

王馬「………」

最原「……今更、君を信じられるわけないだろ。君が今まで積み重ねてきた信頼なんて、そんなもんしかないんだからさ」スタスタ…

王馬「………」

キーボ「……もしかしたら、君は本心を口にしているのかもしれません。しかし……悔やむなら、今までの自分の行いを悔やんでください」スタスタ…

真宮寺「……哀れだネ。でも、この状況を招いたのは君自身の行いだって事を忘れないでヨ」

獄原「ゴン太は王馬くんが悪い人じゃないって事はわかってるよ。でも……それと最原くんが王馬くんを許すかどうかは、別の話だから……」

王馬「………」

王馬「……ごめんよ、最原ちゃん……これは本当だよ。この言葉は、本当なんだよ……!」

王馬「ホントのホントに……ごめんよ……」

90: 2017/04/07(金) 20:28:26.45 ID:+HOVsjXs0
―――寄宿舎

東条「はぁっ……!はあっ……!」バタバタ

キーボ「寄宿舎に帰って来ましたが、あれは……?」

真宮寺「東条さん、だネ。なにやら鬼気迫る表情で最原くんの部屋を片付けているヨ」

東条「私は、私は……なんて事をしてしまったの……!?なんて愚かな振る舞いを……!」

獄原「……もしかして東条さん、最原くんに謝りたいのかも!?」

真宮寺「だから必氏になって最原くんの部屋を片付けているってわけか……」

最原「……話を聞いてみよう。東条さんのあの様子なら、僕は彼女を許せるかもしれない」スッ…

東条「っっ……!?さ、最原くん……!」

最原「……何をしているの、東条さん?」

東条「ご……ごめんなさい!私は、あなたにとんでもないことを……!」

最原「……何をしているのか聞いているんだけど?」

東条「……あなたの部屋の片づけをしているの、こんな……こんな有様になるまで放っておいたなんて、私は自分が信じられないわ……いえ、この部屋の有様だけじゃない……ここ最近の私の全てが信じられないの……」

東条「あなたに対する数々の差別……私のメイドとしての技術をあんなに酷い事に使ってしまうなんて、私は狂っていたとしか表現しようが無いの……」

最原「………」

東条「……許して欲しいだなんて軽々しくは言えない。もう顔も見たくないと言われても当然だわ……でも、もしあなたが最後のチャンスをくれると言うなら、私は今までの汚名を返上してみせる!メイドとして、あなたの友人として!」

最原「……うん、良いよ」

91: 2017/04/07(金) 20:29:16.61 ID:+HOVsjXs0
東条「……っっ!」

最原「東条さんが一生懸命償いをしようとしてくれているのはわかったよ。だから、僕は東条さんをもう一度信じてみる。まだ少し恐いけど……これからの君の行動で、僕を信じさせて見せてよ」

東条「ああっ……!あり、がとうっ!ありがとう、最原くん……っ!見ていて、私、頑張るから……!精一杯、あなたに仕えるから……!」ポロポロ…

最原「うん……どうかまた、僕が君と笑い合える様にしてみせてよ、東条さん」

東条「ええ!……そうだ、まずはあなたの怪我の手当てをしないと……私、救急箱を持って来たの、すぐに治療しましょう!」

最原「うん、ありがとう……」

東条「……ま、まずは切り傷の治療から始めましょう。えっと、必要な器具は……あっ!?」

―――ガチャーン!

キーボ「だ、大丈夫ですか!?」

東条「え、ええ……ごめんなさい、すこし眩暈がしてしまって……」

最原「………」

東条「……?さ、最原くん?どうかしたの?」

最原「……東条さん、これ、なあに?」

東条「えっ……っっっ!?」

92: 2017/04/07(金) 20:30:00.15 ID:+HOVsjXs0
獄原「これ、って……!?」

真宮寺「……スタンガンだネ。しかも超強力だ、人だって殺せるヨ」

最原「……今、救急箱の中から出てきたんだ。なんでこんな物が救急箱の中に入ってるの?」

東条「わ、私は知らないわ……!本当よ!私は何も知らない!他の人が入れていたのよ!私じゃないのよ!」

最原「………」

東条「お願い、信じて……!こんな、こんなちっぽけな事であなたとの繋がりが消えてしまうだなんて、そんなの……」

最原「ち、っぽけ……?」

東条「え……?」

最原「東条さんは、今まで僕にしてきた事をちっぽけなことだと思ってるの?あれだけの事をしておいて、その位にしか思ってないの?」

東条「ち、違うわ!そうじゃない!そうじゃないのよ!」

最原「……なら、もう僕が君の事を許したとでも思ってるの?ほんの少しだけ部屋を綺麗にして謝ったら、今までの事が水に流されるとでも思ってるの……?」

東条「そ、そんな事は無いわ……!私は、誠心誠意あなたに謝ろうと……!」

最原「……じゃあなんでそんな無神経な事が言えるんだよ……?心のどこかで、自分は悪くないって思っているからじゃないの!?」

東条「違う!違うわ!お願い最原くん、私の事を信じて!お願いだから……!」

93: 2017/04/07(金) 20:30:34.55 ID:+HOVsjXs0
真宮寺「……東条さん、この部屋から出て行ってくれないかな?」

東条「し、真宮寺くん……!?待って、お願いだからもう少しだけ最原くんと話をさせて!」

真宮寺「……東条さん、僕の立場になって考えて欲しい……最原くんに危害を加える可能性がある君を、彼と同じ部屋にいつまでも居させると思うかい?」

東条「それ、は……」

真宮寺「……君は、最後にもらったチャンスを大切にすべきだったんだヨ。いつもの君がするように、完璧な振る舞いと心遣いに気を配っていれば、こんな事にはならなかっただろうに……」

東条「………」

真宮寺「もう一度言うヨ、東条さん……この部屋から出て行くんだ。これはお願いじゃない、命令サ」

東条「……っ、うぅっ……!畏まり、ました……っ!」

最原「……さよなら、東条さん……君の事、信じたかったよ……」

東条「……ぁぁっ、くっ、うぅ……っ」

―――バタン

東条(……何よ、涙なんて……私に泣く権利なんてあるはずが無いじゃないの……!)

東条(あんな真似をして、メイドとしての誇りまで汚す真似をして……もらった最後のチャンスまで棒に振った、最後まで自業自得じゃない。他の誰のせいでもないじゃないの……)

東条(そうよ、泣きたいのは最原くんの方よ……だからお願い……涙なんか流れないでよ……!私に、そんな権利がある、わけが……っ)

東条「あ、あぁぁ……うわぁぁぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

94: 2017/04/07(金) 20:31:57.74 ID:+HOVsjXs0
最原「……ごめん、皆。少し一人になりたいんだ」

獄原「えっ!?で、でも……」

真宮寺「……わかったヨ。何かあったら大声を出すんだヨ?」

最原「うん……ありがとう……」

キーボ「し、真宮寺くん!今の最原くんを一人にするのはあまりにも危険じゃ……!?」

真宮寺「……人には一人になりたい時もある……心苦しい時には、孤独もまた薬になりえるのサ。今は、最原くんの気持ちを尊重しようヨ……」

獄原「……うん、わかったよ。最原くんが望むなら、ゴン太は出て行くね……」

キーボ「……僕も、お二人に倣います。最原くん、僕たちに力になれることがあったら、すぐに声をかけて下さいね……」

―――ガチャ……バタン

最原「……なんでかな?なんでこんな事になっちゃったのかな?」

最原「なんで……こんな事になっちゃったんだよ……?うっ、うぅぅぅぅっ……」ポロポロ…

95: 2017/04/07(金) 20:36:00.40 ID:+HOVsjXs0
―――中庭

最原「………」トボトボ…

最原(皆が恐い……皆を許せない……なんでだ?僕は皆が大好きだったはずなのに……?)

最原(このままじゃ駄目なんだ……。いつもの僕に戻らなきゃ……そうしなきゃ、僕と皆は……!)

―――ゴソゴソ……

最原「っっ!?だ、誰っっ!?」

夢野「あ、う、ウチじゃ、ウチじゃよ。最原……」

最原「夢野、さん……!」ビクッ!

夢野「さ、最原よ、う、ウチは……」

最原「……そうだ、そうだよ……夢野さんなら、きっと……!」

夢野「さ、最原……?」

最原「……夢野さんは、超高校級の魔法使いなんだよね?魔法が使えるんだよね?」

夢野「ん、あ……?た、確かに使えるが……それがどうかしたのか?」

最原「……僕に魔法をかけて欲しいんだ。皆が恐くなくなる魔法をかけて欲しいんだよ!」

夢野「えっ……!?」

96: 2017/04/07(金) 20:37:53.77 ID:+HOVsjXs0
最原「ぼ、僕は、皆が恐くて仕方が無いんだ……!そのせいで、いろんな人に酷い言葉をかけてしまった……皆が恐くて恐くて、嫌いになりそうなんだよ!」

最原「だから夢野さん!僕に魔法をかけてよ!僕が皆を恐がらなくなれば、きっとまた皆と仲良くなれるんだ!そのはずなんだ!」

夢野「あ、う……う、ウチは……」

最原「お願いだよ夢野さん!君ならできるでしょ?出来るんでしょ!?」

夢野「あ、あ……で、出来る、ぞ……出来るに決まっておる!なにせウチは、魔法使いなのじゃから……」

最原「ならお願いだよ!その魔法を僕にかけてよ!僕、皆のことを嫌いになりたくないんだ!夢野さんのことも、嫌いになりたくないんだよっ!」

夢野「ぐ、うぅぅぅぅぅっ……!」

最原「……夢野さん?なんで魔法をかけてくれないの?出来るんでしょ?早くしてよ!」

夢野「うぅ……きょ、今日はえむぴーが足りなくて……」

最原「ならいつなら出来るの!?」

夢野「ひいっ!?」ビクッ!

最原「出来るんでしょ!?いつなら出来るの!?なんで魔法をかけてくれないのさ!?」

夢野「あ、や、やめて……っ!」

最原「僕は皆を嫌いになりたくないんだ!だから、だから……頼むよ夢野さん……僕に魔法をかけてよ……!」

夢野「……す、すまん……う、ウチは、ウチは……!」

最原「……僕が嫌いだから?」

夢野「え……?」

97: 2017/04/07(金) 20:46:20.96 ID:+HOVsjXs0
最原「……夢野さんは、僕の事を嫌ってるから、僕に魔法をかけてくれないの?」

夢野「っっ!?」

最原「そうなの?大嫌いな僕の頼みなんて聞きたくないから無視してるの?叶えてくれないの?」

夢野「ち、違う……!そうじゃない、そうじゃないっ!」

最原「なら何で魔法をかけてくれないのさ!?」

夢野「あう、あ、う……うぅぅぅぅぅっっ……」

最原「……やっぱりそうなんだね……!僕の事が大嫌いだから、夢野さんは魔法をかけてくれないんだ……」

夢野「ちが、う……違うんじゃ、最原……!ウチがお主を嫌うはずがない……嫌いなはずがないんじゃあぁっ!」

―――ガサゴソッ!

茶柱「夢野さん!今の声、もしかして最原さんを見つけたのですか!?」

最原「!?」

夢野「て、転子……!」

最原「あ、あ……!あぁぁぁっ!」

98: 2017/04/07(金) 20:47:11.31 ID:+HOVsjXs0
茶柱「さ、最原さん!良かった!ご無事だったんですね!」

最原「う、あ……!?」

茶柱「……そ、その……あの……転子は、最原さんに言わなくてはならないことが……」

最原「……わ、悪かったよ……」

茶柱「……え?」

最原「夢野さんに詰め寄ったりしてごめんなさい!僕が悪かったです!ごめんなさい!ごめんなさいっ!」

茶柱「ま、待ってください。転子はただ、最原さんに謝りたくて……」

最原「僕が悪かったから!もう殴らないでください!お願いします!もう痛いのは嫌なんだ!お願いだよ!」

茶柱「ち、違います……!転子は、転子は……最原さんにそんな事をするつもりは……!」

最原「僕が悪かったから!もう僕に近づかないでくれよぉぉぉっ!!!」ダッ!

茶柱「さ、最原さんっ!」

最原「うわぁぁぁっっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」ダダダ…

夢野「……最原が、ウチのことを見てあんなに恐がって……悲しんで、涙して……」

夢野「……ウチは、最原の事が嫌いだったのか?……そんなわけ無い、そんなわけが無いんじゃ……!」

夢野「好きだったんじゃ……お前の事が……最原のことが、ウチは好きだった……本当に、好きだったんじゃ!お主の事が大好きだったんじゃよぉっ!」

茶柱「……転子はもう、あなたに顔を見せることすら許されないんですね……?いえ、それが当然なんです……」

茶柱「無抵抗の最原さんを痛ぶって、何の罪も無い最原さんを傷つけて……あんなの、人の所業じゃありません……あんなの、悪魔のやることですよ……」

茶柱「こんな転子が正義の味方?武道の心?……笑い話にもなりません。転子はもう……消えて無くなってしまいたい……!」

99: 2017/04/07(金) 20:47:47.47 ID:+HOVsjXs0
―――学園内 玄関ホール

最原(恐い、恐い恐い恐い!皆が僕を虐めようとする!傷つけようとする!殺そうとしている!)

最原(恐い!恐い!恐い!誰か、誰か助けてっ!)

最原「うあぁぁ……うわぁぁぁぁっ!!!」

星「……今の、声は……!?」

最原「!?」

星「最、原……!やっと、やっと見つけた……!」

最原「ほ、星くん……!」

最原(また虐められる!痛めつけられる!ボールをぶつけられて、殴られて、骨を砕かれる!)

最原「い……嫌だっ!嫌だあぁぁぁぁぁっ!」ダッ!

星「!?」

最原「もう嫌だよ!嫌だよぉぉぉっ!」

星「待ってくれ……待ってくれ、最原っ!」ダッ!

最原(ほ、星くんが僕を追いかけてくる!捕まったら殺されるっ!)

最原「うわぁぁぁぁっ!あっ、あぁぁっ!うわぁぁぁぁっ!」

101: 2017/04/07(金) 20:49:01.81 ID:+HOVsjXs0
星「頼む、待ってくれ……!俺が、俺が悪かった……どうか俺の話を聞いて……」

最原「あ、あぁっ!うわぁっ!」ズルッ!

星「さ、最原っ!」

最原「あうぅ……う、うぅっ……ひっ!?」

星「……最原、頼む。俺の話を聞いてくれ……!今さらどの面下げてお前に謝れば良いかわからねえ。だが、俺は……」

最原「う、うぅぅぅっ……ううぅぅぅっ……!」

最原「助けて……誰か助けてよ……っ!」

星「……くっ!俺は、最原をここまで追い詰めて……っ!」

獄原「さ、最原くーん!」ダダダッ!

星「!?」

獄原「どうかしたの!?何かあったの!?ゴン太が助けに来たよ!」

最原「あ……!ご、ゴン太くん……!?」

獄原「もう大丈夫だから……!ゴン太が最原くんを守るよ!」

最原「あ、ありがとう……!ありがとうぅ……!」

星「………」

102: 2017/04/07(金) 20:49:57.91 ID:+HOVsjXs0
獄原「……星くん、最原くんに何をしようとしてたの?場合によっては……ゴン太、怒るよ!」

星「………そうだよな。それが、友達ってやつだよな……」

獄原「………!」

星「……すまなかった。もう、俺は最原に近づかねえよ……本当にすまなかったな……」

最原「うう……うぅぅ……」

獄原「……大丈夫だよ、最原くん。もう星くんは居なくなったから」

最原「ほ、本当に……?」ビクビク…

獄原「本当だよ!……ゴン太がおぶってあげるから、一緒に部屋まで戻ろう。少し落ち着けば、きっと気分も楽になるよ」

最原「うん……ありがとう、ゴン太くん……」

星「……そいつが一番しんどい時に手を貸してくれる存在……それが、友って奴だ。そうだ、その通りだ……」

星「しんどい時に手を貸すどころか追い詰める真似までしちまった……俺を友だと言ってくれた最原を、俺はこの手で傷つけたんだ……」

星「その俺のどこにあいつの友だと言える資格がある……?もう一度お前を友だと言わせてくれなんて、虫が良すぎる話だ……裏切った相手にそんな事を言おうとするなんて、俺もとんだ大馬鹿野郎だな……」

星「……すまなかった、最原……こんな俺の唯一の友だった男よ。どうか俺のことなんか忘れて、記憶から消し去ってくれ……っ!」

134: 2017/04/08(土) 21:12:00.62 ID:60VjiCX70
―――寄宿舎 最原の私室

最原「………」

白銀「あー!最原くん、ここに居たんだ?探したよ~!」ガチャ!

最原「………」

白銀「色々とごめんね?流石にやりすぎちゃったと思って、私も地味に反省したよ~!」

最原「………」

白銀「どーもすいませんでした!って、ことでこの話はお終いね!」

最原「………」

白銀「……あ、わかってると思うけど、私は全然悪いことしたとは思ってないからね。それは他の皆もそうなんだよ?」

最原「………」

白銀「泣きじゃくってるのも、叫んでるのも全部演技!そうして皆が後悔している様に見せかけて、もう一度最原くんを信用させようって魂胆なんだよ!」

最原「………」

白銀「……皆の態度を見てれば分かるでしょ?だ~れも自分が悪い事をしたなんて思ってないんだよ。嘘だと思うなら部屋に篭りっきりのアンジーさんの所に行ってみなよ。私の言ってる事が正しいって分かるだろうからさ……」バタン…

最原「………」スッ…

135: 2017/04/08(土) 21:12:33.12 ID:60VjiCX70
―――アンジーの私室

夜長「……ってよ。……く、てってば……!」ブツブツ…

夜長「神様……なんで何も言ってくれないの……?アンジーは神様の言うとおりにしたよ?だから、今度は終一がアンジーを許してくれる方法を教えて欲しいんだよ……」

夜長「何とか言ってよ……!お願いだから、どうしたら終一に許して貰えるかを教えてよ!」

―――ガチャ……

夜長「えっ……!?」

最原「………」

夜長「終……一……!?なんで、アンジーの部屋に……?」

最原「………」

夜長「あ……アンジーは、悪くないよ……!神様がそうしろって言ったんだよ……!終一を虐めろって、神様が言ったんだよ!」

夜長「ねえ、終一!アンジーは悪くないよね!?そうだよね!?終一は分かってくれるよね!?ねえっ!?」

最原「……君は」

夜長「な、何……?!」

最原「……君は、僕に謝ってもくれないんだね……?」

夜長「!?」

137: 2017/04/08(土) 21:13:36.24 ID:60VjiCX70
最原「……僕、アンジーさんは優しくて無邪気な人だと思ってたんだ……時々変な事をするけど、それでも胸の中に温かいものがある人だと信じてたんだよ……!」

夜長「ひ、ぐっ……や、止めてよ終一……アンジーの事、そんな目で見ないで……!」

最原「でも……違ったんだね。アンジーさんは、自分の都合の悪い事を神様のせいにする無責任な人だったんだね」

夜長「違うよぉ……!アンジーは、そんな悪い子じゃあ……」

最原「……もう、何だって良いよ。アンジーさんは自分が悪くないって思ってるって知れただけで十分さ。もう僕は、アンジーさんの事なんてどうだって良いもの」

夜長「や、やだよ……!終一、そんな事言わないでよ……!どうしたらアンジーの事を許してくれるの……?」

最原「……神様に聞きなよ。アンジーさんはいつだってそうして来たんでしょ?」スタスタ…

夜長「あ……待って、終一……!お願い……アンジーを見捨てないで……!」

最原「………」スタスタ…

夜長「……ねえ、神様。アンジー、何か悪い事をしましたか?アンジーは神様の言う事をちゃんと聞いていたよね?」

夜長「じゃあなんで、こんなに苦しい思いをしているの?何で、大好きな終一に嫌われるの?……わかんないよ……わかんないよ!」

夜長「何か言ってよ!アンジーはどうすれば良いのか教えてよ!どうしたら終一と仲直りできるの……?教えてよ、神様ぁぁっっ!!!」

138: 2017/04/08(土) 21:14:55.94 ID:60VjiCX70
―――女子トイレ

春川「う、えぇぇぇ……はぁっ、はぁっ……!」

春川「わ、私……なんて事をしていたの……?なんであんな真似を最原に……?」

春川「あ、あいつを殴った時の感覚が手に残ってる……。ううん、殴った時だけじゃない、拷問した時の感覚も、あいつにナイフを突き刺した時の感覚も……うっっ!!!」

春川「私……あいつに何て言って謝れば良いの……?訳分かんないよ……最原にどう償ったら良いの……!?」

春川(……駄目だ……一人で考えてたって答えは出ない……。赤松や百田と相談しよう……それで、なんとか……)スタスタ…

最原「……ひどい顔だね。春川さん」

春川「!?」

最原「……なんでそんな顔をしてるの?僕を虐めて楽しんでたんじゃないの?」

春川「さ、最、原……!」

最原「もしかして、今更罪悪感に苦しんでるの?僕をあれだけ痛ぶった事を後悔しているの?それで、そんな被害者みたいな顔をしているの?」

春川「そ、それは……」

139: 2017/04/08(土) 21:16:06.93 ID:60VjiCX70
最原「……どんな気持ち?その気分って昨日までの僕の気分より酷いの?苦しいの?」

春川「や、やめ……」

最原「僕がそう言って頼んで、春川さんが止めてくれた事ってあったっけ?そんな君のお願いをなんで僕が聞いて上げなきゃいけないの?」

春川「あ、あう……うぅぅ……」

最原「……春川さんは良いよね。そうやって蹲って子供みたいに泣いていれば気分も晴れるんだからさ……体に傷も残らない、誰かに裏切られる苦しみも知らないでいられるんだから、君は良いよね……」

春川「う、う……」

最原「……僕、君の事を大事な友達だと思っていたよ?大好きだったよ?でも、君はそうじゃなかったんだよね?僕の事が嫌いだったんだよね?」

春川「ひっく……ぐすっ……」

最原「……泣いてないで僕の話をちゃんと聞きなよ。そんなことも出来ないの?小学生でも出来る事だよ?」

春川「ひっ……!ご、ごめんな、さ……」

143: 2017/04/08(土) 21:29:28.42 ID:60VjiCX70
最原「……ああ、魔姫ちゃん。こんなに怯えて、震えて、泣いちゃって……可哀想だね。すごく可哀想だよ。でも、一つお勉強できたね?」

春川「えぐっ……う、うぅっ……」

最原「……世の中には取り返しのつかないこともある。君が僕にしてきた事を後悔して謝ったとしても、僕は君の事を絶対に許さないからね?よーーーく、覚えておくんだよ?」

春川「あ、ああ……あぁぁぁぁぁぁん!わぁぁぁぁぁぁぁん!」

最原「ああ、本当に可哀想だね、魔姫ちゃん……加害者の癖に被害者ぶって、ちょっと罪悪感をつつかれたら崩れ落ちて、悲劇のヒロインみたいに泣きじゃくって、自分に酔いしれて……本当、君を見ていると虫唾が走るよ」スタスタ…

春川「うあぁぁぁぁんっ!ごめんなさいっ!ごめんなさいぃぃっ!」

春川「わっ、わたしっ、アンタのこと、す、すき、だったのにっ!ひ、どいこと、して、ごめんなさいっ!」

春川「わぁぁぁぁん!ああっ!あぁぁぁぁぁん!」

最原「……耳障りだな。部屋に戻ろう」スタスタ…

春川「ひっく……ま、待って、最原……最原ぁぁぁぁぁぁぁっ!」

151: 2017/04/09(日) 00:04:17.44 ID:XIWh1NYK0
―――寄宿舎

最原「ふぅ……こんな体じゃ移動するのも一苦労だな……おや、あれは……?」

百田「頼む真宮寺!俺を終一に会わせてくれ!」

真宮寺「お断りだヨ、君を最原くんに会わせたら何をするか分かったもんじゃない」

百田「違う!俺はもう終一に何かしようって訳じゃ無いんだ!ただあいつに謝りたくて……それだけなんだよ!」

最原「百田くん……」

百田「……俺は、あいつに殴って貰わなくちゃならねえ。俺は親友であるあいつに取り返しのつかないことをしちまった!だから、せめてその痛みを自分も受けねえと俺の気がすまねえんだよ!」

真宮寺「………」

百田「……そうしなきゃ、俺はあいつに顔向け出来ねえ……もう一度俺が終一の親友に戻る為には、そうしなくちゃ……あぐっ!?」バキッ!

最原「!?」

152: 2017/04/09(日) 00:05:57.38 ID:XIWh1NYK0
百田「ぐっ……!真宮寺、お前、何を……?」

真宮寺「……僕に殴られて少しは気が晴れたかい?スッキリしたかい?どうなんだい、百田くん?」

百田「えっ……?」

真宮寺「……大喜びで最原くんを殴っていた君には分からないだろうけどネ、人を殴るのってすごく嫌な気分になることなんだヨ。人を殴った感触、拳の痛み、目の前で蹲る誰か……それら全てが、罪悪感となって押し寄せてくるんだヨ」

百田「そ、そんなの身をもって理解してる!だから、俺は……」

真宮寺「分かっているなら何故、そんなふざけた行いを最原くんにやらせようとするんだい?」

百田「!?」

真宮寺「君は良いよネ、殴られれば自分の罪を裁いて貰えた気になって、少しは気分も晴れるんだからサ!でも、それをした最原くんがどう思うかを考えたことがあるのかい?」

百田「そ、それは……」

真宮寺「……今、百田くんが感じている不快感……いや、それ以上の悪感情を最原くんは感じるだろうサ。だって、いつも殴られていた最原くんならその痛みなんて簡単に予想できる……その痛みを与える加害者に自分もなってしまったと、彼は苦しむことになるんだヨ?そこまで考えての行動なのかい?」

百田「お、俺は……俺はっ……!」

真宮寺「……ねえ、僕に教えてヨ。君たちに痛めつけられて体がボロボロになった最原くんが、君の自慰行為の為に痛む体に鞭打って、心を傷つけてまで君を殴らなきゃいけない理由をサ……!それが説明出来ない癖に最原くんに会わせろって喚いてるわけじゃないよネ?」

百田「ぐ……あっ……。そ、それでも、それでも俺は……っ!」

153: 2017/04/09(日) 00:17:00.47 ID:XIWh1NYK0

最原「……もう良いよ、二人とも」

百田「あっ……!」

真宮寺「最原くん……!」

百田「しゅ、終一っ!俺は、俺は……!」

最原「もう良いんだ百田くん……だって僕は、今更何を言われても君を許すつもりなんかないんだもの」

百田「………え?」

最原「見てよ百田くん……僕の手、こんなに腫れて、傷だらけになってるでしょ?今もすごく痛むんだ。これ全部、君たちがやったことなんだよ?」

百田「う、うぅ……」

最原「それで?僕はどうすれば良いの?この痛む手で君を殴れば良いのかな?嫌な気分をして、君を殴って、君を許したふりでもすればいいの?」

百田「違うっ!終一、聞いてくれ!俺は……!」

最原「……ほら、そればっかりだ」

百田「な、何……?」

最原「……二言目には『俺は』って……百田くんは自分の意見を押し付けるばっかりだ。僕のことなんかなにも考えちゃくれない。そんな態度で僕の親友を名乗ってたの?また親友に戻ろうって思ってたの!?」

百田「終、一……?」

最原「……君よりも真宮寺くんの方が僕を理解してくれている。ううん、君は僕の何も理解しちゃいないんだ。君はただ、自分勝手に僕を振り回しているだけなんだよ」

百田「お、おぉ……おぉぉぉぉ……」

最原「……何が親友だよ。僕にあんなことをしておいてどの口が言うんだよ。百田くんはただ、自分が気持ちよくなりたいだけなんでしょ?」

155: 2017/04/09(日) 00:29:20.25 ID:XIWh1NYK0
百田「違う!違うんだ終一!俺は、本気でお前の事を大切なダチだと……」

最原「……その大切な友達にあんな事をするのが百田くんのやり方なんでしょ?……僕、そんな親友は要らない。ううん、そんな人と関わりだって持ちたくない」

百田「っっ……!しゅ、終一……頼む、俺の話を……!」

最原「……馴れ馴れしく僕の名前を呼ぶなよ。視界にも入るな、声も聞かせるな!いつまでも僕の親友面をしてるんじゃない!」

百田「な、あ……う、あ、うあぁぁぁぁ……!」ガクッ!

最原「……真宮寺くん、僕は部屋に戻るね。そこで泣いてる奴は放っておいて良いよ。大丈夫、僕みたいに殺されかけた訳じゃ無いんだからそのうち消えるって」

真宮寺「……分かったヨ」

最原「……さよなら、百田くん。もう二度と顔を合わせたくないね」スタスタ…

百田「ぐうぅぅぅ……ぐっ、うぅぅぅぅっ!」

百田「俺は……俺は何やってたんだよ!?何であんな事を終一にしちまったんだよ!?」

百田「あんなに信頼してくれてた終一を裏切って、俺は何やってんだよ!?ハルマキや赤松を止めるのは俺の役目じゃないのかよ!?俺は……あいつの親友だったんじゃないのかよ!?」

百田「いの一番にあいつを殴って、嗤って、傷つけて……俺は、何をしてたんだよぉぉぉぉぉぉっっ!?」

156: 2017/04/09(日) 00:36:40.41 ID:XIWh1NYK0
―――夜時間 最原の私室

最原「あ、ぐっ……!ぐうっ……!」

最原(体中が痛い、熱い……。きっとモノクマが投与した痛み止めと解熱剤が切れてきたんだ……息をするのも辛い、苦しい……)

―――ピンポーン……

最原「……来た、な……そう、来たんだ、彼女が……!」

最原「伝えなきゃ……僕は、彼女に伝えなきゃならない事があるんだ……!だからっ!」

―――ガチャッ……

赤松「……最原、くん……っ!」

最原「……来たんだね、赤松さん」

赤松「ご、ごめん……私、どうにかしてて、それで、それで……っ!」

最原「……ねえ、赤松さん。少し黙って、僕の話を聞いて貰えるかな?」

赤松「え……?」

157: 2017/04/09(日) 00:44:18.49 ID:XIWh1NYK0
最原「頼むよ……そう時間は取らせないからさ……」

赤松「……うん、わかった。それが、私に出来る事なら……」

最原「……ありがとう。……あのね、赤松さん……僕、君の事が大好きだったんだよ……」

赤松「っっ……!」

最原「どうしようも無く臆病で、前を向くことが出来なかった僕を励まして、傍に居てくれた気味が大好きだったんだ……優しい君が、大好きだったんだよ……!」ポロポロ…

最原「君の演奏するピアノの音が大好きだった。君と過ごす時間が大好きだった。君の笑顔が大好きだった。赤松さんの全てが、僕は……大好きだったんだ……」

赤松「う、うぅっ……!最原くん、ごめんな……」

最原「……でも、今はそうじゃない」

赤松「え……!?」

最原「……全部嘘だったんだよね。僕を励ましてくれたあの優しさも、楽しかったあの時間も、僕に見せてくれた笑顔も……全部、君の嘘だったんだよね?」

赤松「さい、はら……くん……?」

最原「君に体を痛めつけられて、心を抉られて、僕は現実を知ったよ。本当の君を知った。僕自身の愚かさも知った……君なんかを信用していた僕が馬鹿だった、君も僕をそうやって馬鹿にしてたんでしょ?」

赤松「ち、違う……違うよ……!私も、最原くんのことが……!」

最原「……もう良いよ、赤松さん。僕も君がしてくれた様にちゃんと口にするね。ちゃんと聞いてね?」

赤松「あ……!やだ、やだよっ!お願いだから、もう……」

159: 2017/04/09(日) 00:49:25.25 ID:XIWh1NYK0
最原「君の事なんて大嫌いだ。君だってそうなんでしょ?丁度良いよね?」

赤松「……ぁぁぅ、ぁ、ぅ、ぃぅぅ……」パクパク…

最原「……それだけだから。これで僕の話はお終い。で……僕たちの関わりもこれでお終い。大嫌いな者同士が一緒に居たってお互いの為にならないでしょ?だから、もう二度と会わない様にしようね」

赤松「い、やだよぉ……!もう、最原くんとお話出来ないなんて、私……」

最原「さよなら、赤松さん!……さよなら、僕の好きだった人……」

赤松「ま、待って!最原く……」

―――バタン……!

赤松「……最、原くん……?最原くん!最原くんっ!このドアを開けてよっ!」

赤松「こんなの嫌だよ!私、もっと最原くんとお話したいよ!一緒に居たいよ!私、あなたの事が好きなんだよ!」

赤松「お願い!どんな事だってする!どんな命令も聞く!あなたに償えるならなんだってするから!だから、もう二度と会わないなんて言わないで……お願い、だから……!」

赤松「最原くん!最原くん!最原くん、最原くん……最原、く……」

赤松「……………………」

赤松「……終わり、なの?本当に、終わり?これで、お終い……?」

赤松「あ、あぁ……うわぁぁぁぁぁぁぁん!わぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!」

赤松「な、なんでっ!?どうしてあんな事したのっ!?なんであんな取り返しのつかないことをしちゃったの!?」

赤松「あんなに幸せだった時間をくだらない事の為に投げ捨てて、こんな結末になって……私、本当に何をしてたの……?なんであんな事をしちゃったの……?」

赤松「ごめんなさい、最原くん!ごめんなさいっ!こんな馬鹿で、最低な女の子があなたの事を好きになってごめんなさい……!う、うぅぅ……うわぁぁぁぁぁんっ!」

163: 2017/04/09(日) 01:28:02.46 ID:XIWh1NYK0

赤松(……この時、私は全てが終わってしまったと思い、絶望した。それは皆も同じだったと思う。あんなに大好きだった最原くんへの苛烈な虐待行為が頭の中にこびりついて離れない、目を閉じれば彼の苦しむ姿がまぶたの裏に浮かび、悲鳴が聞こえてくる……そんな罪悪感と最原くんとの関わりが消えてしまった事への絶望感に支配された私たちは気がつかなかった)

赤松(……『本当の地獄』は、始まったばかりだと言うことに……)

186: 2017/04/09(日) 18:21:51.92 ID:XIWh1NYK0
―――九日目 食堂

最原「……美味しい!すごく美味しいよ、真宮寺くん!」

真宮寺「そうかい?最原くんのお気に召したのであれば、よかったヨ」

獄原「ゴン太もこの料理は美味しいと思うよ!なんて料理なの?」

真宮寺「ああ、とある民族に伝わる郷土料理でネ。名前は確か……」

キーボ「うう、僕に味覚センサーが無いのが残念です……」

最原「美味しいなあ!美味しいなあ!」

東条「………」

最原『東条さんの作る料理は美味しいなあ!いつもありがとう!』

東条(ついこの間まで、最原くんはあの笑顔を私に見せてくれていたのに……。う、ぅぅ……)

187: 2017/04/09(日) 18:22:23.21 ID:XIWh1NYK0
茶柱「ゆ、夢野さん、ちゃんとご飯は食べないと駄目ですよ……昨日だって、何も食べてないじゃないですか」

夢野「……何もたべとうない……胸が苦しくて、何も喉を通らんのじゃ……」

星「……俺もだ。すまない東条、残させて貰うぜ」

茶柱「星さんまで!いけませんよ、そんなの……」

星「……そういうお前も皿から食事が減って無い様に見えるぜ、茶柱」

茶柱「っっ……!」

星「……気持ちは全員一緒だ、余り無理強いするなよ」

茶柱「な、何ですかその言い方は!?転子は、皆さんの事を思って……!」

夢野「転子、騒がないでくれ!……余計つらくなるではないか……」

茶柱「あ……!?す、すいませんでした……」

星「……俺も言い方が悪かったな。すまなかった」

189: 2017/04/09(日) 18:25:18.27 ID:XIWh1NYK0
赤松(……すぐ横で楽しそうに食事を摂る最原くんを見ながらの食事はとても辛いものになった。ついこの間までああやって彼と楽しく過ごしていたのだと、毎日見せ付けられている様な気分になるからだ)

赤松(そんな状況で食事なんか出来るわけが無かった。物が喉を通らなくなり、味も分からなくなる。気がつけば、皆は何も食べなくなって行った)

赤松(必要最低限の食事を各自が取る生活……空腹は私たちから余裕と冷静な思考を奪い、コミュニケーション不足は互いの不信感を招いていった)

赤松(……東条さんは楽しそうにしている最原くんを見て悲しそうな表情を見せることが多くなっていた。星くんと夢野さんは部屋や研究教室に引きこもるようになった。茶柱さんは言い様の無い感情をどうすれば良いのかわからないでフラフラと目的も無く歩き回る様になった……)

190: 2017/04/09(日) 18:26:30.23 ID:XIWh1NYK0
―――十四日目 中庭

最原「んしょ……よいしょ……」

獄原「頑張れ、最原くん!」

キーボ「怪我も大分良くなりました。その治療をしたのがモノクマだと言うのは皮肉ですがね……」

真宮寺「後はリハビリだけサ。僕たちも付き合うから一緒に頑張ろうヨ」

最原「ありがとう、皆……。うわっ!?」ズルッ!

獄原「最原くん!危ないっ!」ガシッ!

最原「わっ!?……た、助かったよ、ゴン太くん」

獄原「……いつだって支えるよ。ゴン太たち、友達でしょ?」

最原「……うん!本当にありがとう……!」

191: 2017/04/09(日) 18:32:03.18 ID:XIWh1NYK0
百田「終、一……」

天海「……最原くん……」

春川「あはは~!最原、楽しそうだね~!なにやってるのかな~?」キャッキャッ!

百田「う、く……あいつを、終一を支えんのは俺の役目だったはずなのに……それ、なのに……」

王馬「……あれあれ~?なにやってるの、百田ちゃん!?こんな所で未練がましく最原ちゃんの事を見ちゃってさ~」

天海「王馬くん?」

王馬「いつまでそうしてるつもりなのかな?いい加減にしなよ、最原ちゃんは俺たちの事なんか必要としてないって!」

百田「う、うるせえっ!俺は、俺は……っ!」

王馬「……現実を見なよ。あんな事した俺たちが最原ちゃんの友達を名乗って良いと思う?親友に戻れると思うの?」

百田「ぐっ、うぅっ……」

春川「私、難しいお話わかんな~い。絵本読んでよ~!」

天海「……王馬くんの言う通りっす。現実を見ましょう。もう、俺たちは後戻りなんか出来ないんすよ……」スタスタ…

百田「そ、それでも……それでも俺はっ!」

王馬「……ま、諦めないのは良い事だよ?その調子で頑張ってね、百田ちゃん!俺は応援してるから!……あ、でもさ」

王馬「諦めないのと諦められないのは別物だから、その辺のこと、よーく覚えておいてね?」

194: 2017/04/09(日) 18:34:21.19 ID:XIWh1NYK0
百田「うっ、ぐっ……!」

王馬「んじゃ、俺は行くから!……百田ちゃんも頑張って、さっさと諦めてね」スタスタ…

春川「……お話終わった?ねえねえ百田!私たちも遊ぼうよ!」

百田「……る、せえ」

春川「おにごっことかくれんぼどっちが良い?私、どっちも得意なんだ~!」

百田「うるせえんだよ!お前と遊ぶ暇なんか無いに決まってんだろ!」

春川「ひいっ!?」ビクッ!

百田「ガキみたいに騒ぎやがって、うっとおしいんだよ!邪魔だ!」

春川「う、う……うわぁぁぁぁぁん!うわぁぁぁぁん!」

百田「あっ……!わ、わる……」

春川「も、百田が、百田が私を虐めるよぉぉっ!恐いよー!恐いよぉぉっ!うわぁぁぁぁぁぁぁん!」

百田「あ、ぐっ……すまねえ、すまねえっ……!」ダッ

195: 2017/04/09(日) 18:35:14.79 ID:XIWh1NYK0
赤松(……学園の至る所でリハビリをする最原くんと、彼を手伝うゴン太くんたちの姿を見ていると胸が苦しくなった。自分たちがした罪を思い知らされている様で、その罪を償うことも許されないと言われている様で辛くて辛くて仕方が無かった)

赤松(この頃から、皆は誰かと目を合わせる事を恐れ始めた。誰もが自分を責めている様な気がして、誰かと会う事を恐れて行った)

赤松(誰とも会わない孤独な日々はその恐怖を膨れ上がらせた。同時に疑惑も膨れ上がり、いつしか私たちはお互いを信じられなくなってしまっていた)

赤松(……王馬くんは皆の心を折る様に言葉をかけ始めた。天海くんは諦めた表情をしながらも最原くんをじっと見ていた)

赤松(百田くんは誰かに当り散らすことが多くなっていった。春川さんは心が壊れてしまったのか、幼児退行して子供の様に振舞っていくようになった)

196: 2017/04/09(日) 18:47:07.10 ID:XIWh1NYK0
―――二十一日目 真宮寺の研究教室

最原「……へえ、やっぱり真宮寺くんの話は面白くてためになるね!」

キーボ「経験談というのは参考にもなります。実体験と言う確かな証明があるのですからね!」

獄原「真宮寺くんの話を聞いてると色んな所に行ってみたくなるね!」

真宮寺「……なら、一緒に行くかい?皆で色んな所にサ……」

最原「え……?」

真宮寺「ここから出たら皆で色んな所に行こうヨ。誰かの行きたい場所に皆で行って楽しもうじゃないか」

キーボ「つまり……皆で旅行というわけですか!」

最原「うわぁ……!すごく楽しそうだね!」

獄原「ゴン太、イギリスで本物の紳士に会ってみたいな!」

最原「じゃあ、皆で行こうよ!きっと楽しい旅行になるさ!」

197: 2017/04/09(日) 18:51:26.49 ID:XIWh1NYK0
赤松「……くっ、うぅ……っ」

入間「最原ぁ……最原ぁぁぁ……!」

夜長「……アンジーね、終一と約束してたんだ。ここから出たら、アンジーの島に遊びに行くって約束、してたんだよ……」ポロポロ…

赤松「私も……一緒に連弾しようねって約束してたんだ……してたはず、なんだ……なのに、なのにっ……!」ポロポロ…

入間「お、俺様も……俺様だって、一緒に遊ぼうって……」

白銀「……ねえ、もうこの話、止めない?」

赤松「え……?」

白銀「だって辛いだけじゃない!?もう果たすことの出来ない約束の話なんてしたってさ……苦しくて、辛いだけだよ……もう、私たちが最原くんと過ごす未来なんかあるはずがないんだよ!」

入間「い、言うなよぉ……!そ、そんなの、わかって、わ、かっ、て……う、うぅぅぅぅっぅっ……」

夜長「……………」ヨロヨロ…

赤松「い、入間さん……アンジーさん……!」

白銀「……赤松さんも諦めよう?もう、どうしようも無いんだからさ……」

赤松「う、ぅぅ……あ、あぁぁ……最原、くん……」ガクッ…

白銀「……ふふっ」ニタァ…

198: 2017/04/09(日) 18:55:43.44 ID:XIWh1NYK0
赤松(……ここから脱出した後の話……そんな、希望に満ち溢れているはずの話題も、今の私たちにとっては絶望に過ぎなかった。もう、最原くんとの約束を果たすことは出来ないのだから……)

赤松(皆、もう心が限界だった。氏んでしまいたいと思っていた。でも、それは許されなかった。それは、最原くんへしてしまった事を償わず、ただ逃げているだけだと分かっていたから……)

赤松(……アンジーさんはぶつぶつと何かを呟いて誰とも話さなくなった。入間さんは情緒不安定に感情が上下していた。白銀さんは怪しく、凶器じみた笑みを浮かべる様になっていた)

赤松(そして私は……ううん、私たち全員は絶望していた。もう二度と最原くんと過ごす事は叶わないのだと、自分のしてしまった罪に絶望していた)

赤松(……だから、そんな私たちに希望は眩し過ぎた。その光に手を伸ばしたくなるほど眩しく、明るく見えた)

赤松(そう……どんな犠牲を払ったって、希望を掴みたくなってしまったのだ……!)

201: 2017/04/09(日) 19:16:51.53 ID:XIWh1NYK0
―――29日目 深夜 体育館

赤松「……私たちをここに集めて何の用?モノクマ」

モノクマ「うぷぷ……。とっても大事なお話があってね!」

百田「大事な話だと……?なんだそりゃあ?」

モノクマ「……明日、30日目をもって、最原くんたちここに居ない四名の生徒はこの才囚学園から卒業しま~す!ぱちぱちぱち~!」

全員「!?」

東条「さ、最原くんたちが卒業……?ど、どういう事!?コロシアイをしなきゃ外には出られないって……」

モノクマ「そんなのボクの裁量でどうにかなるって、最原くんたちはすごく仲良くなったし、もう外に出してあげても良いかな~と思ってさ!いや~、ボクってば超親切だよね!」

春川「え~、最原たちだけが卒業なの~?私たちは~?私たちも一緒じゃなきゃ、ヤダヤダ!」

モノクマ「卒業できるわけないでしょ!君たちは誰とも仲良くなって無いし、コロシアイもしてないんだからさ!」

白銀「そりゃあ、そうだよね……うん、わかってたよ……」

202: 2017/04/09(日) 19:18:09.35 ID:XIWh1NYK0
王馬「……で?何で俺たちをここに集めたのさ?」

モノクマ「うぷぷ……!君たちにチャンスを上げようと思ってね……!」

星「チャンス、だと……?」

モノクマ「……君たちの内、一人だけを最原くんたちと一緒に卒業させてあげるよ。それも、彼らと元通りの関係に戻した上でね……!」

全員「!?」

茶柱「も、元通りの関係……?それって、どういう……?」

モノクマ「言葉通りだよ……とっても仲良しだったあの頃の関係に戻してあげる。ううん、きっと最原くんはその人の事をもっと大好きになってるだろうね」

夜長「終一が、好きになってくれる……?それ、本当?」

モノクマ「本当だよ!……卒業する人に関しては、最原くんたちの記憶を改ざんしてその人が最原くん虐めに加担せず、むしろ真宮寺くんたちと一緒に庇ってくれた事にしてあげるよ!そういう記憶を彼らに植え付けてあげる!」

天海「そ、そんなことが、出来るんすか……?」

モノクマ「……少なくともボクは、君たちの記憶を奪ってみせたよね?それが出来るのなら、植えつける事だって出来ると思わない?」

入間「しゅ、終一がもう一度、私の事を好きになってくれる……?本当か!?本当なのか!?」

モノクマ「マジもマジも大マジだよ!……ただし、対象者は一人だけ……勘の良い皆なら、この一人をどうやって決めるかもう分かってるんじゃないの?」

赤松「私たちに……コロシアイをしろって事……?」

203: 2017/04/09(日) 19:19:32.07 ID:XIWh1NYK0
モノクマ「ピンポンピンポン!だいせいか~い!今からコロシアイをして、生き残った最後の一人を最原くんたちと一緒に出してあげるよ!」

夢野「……じゃ」

モノクマ「タイムリミットは明日の朝まで!場所は校舎の中!至る所に隠された武器を使って、最後の一人になるまで頃しあうバトルロワイヤルさ!」

夢野「ウチは、嫌じゃ!」

全員「!?」

茶柱「う、ウチは、皆とコロシアイなどしたくはない……。ウチは、そのゲームには乗らんぞ……!」

モノクマ「……あ、そう?それなら良いんだ。なら、夢野さんは寄宿舎にお帰り下さい。そこで寝ちゃって結構だよ」

夢野「そ、そうさせてもらうわい!……皆もこんな馬鹿な事は止めるんじゃ!生きていればまだ可能性が……うぐっ!?」

夜長「……秘密子、ちょっと黙ろっか?」グググ…

210: 2017/04/09(日) 19:25:36.52 ID:XIWh1NYK0
夢野「う、ぐぐ……くる、しい……」

茶柱「夢野さん!?あ、アンジーさん、何を……!?」

夜長「……皆はどうする?このコロシアイに乗る?……アンジーは、乗るよ」

茶柱「!?」

夜長「もしも秘密子と同じく、このコロシアイに乗らないって人が居たら、秘密子を助けてあげればいいんじゃないかな~?でもでも~、そうじゃないのなら……ここで秘密子は氏んじゃった方が良いよね?だって、この学園に一人で残るなんて可哀想だよ~!」

夢野「あ、あぐ……っ!誰か、たす、け……」

夜長「……ほら、コロシアイに参加しない人は早くしなよ。秘密子が氏んじゃうよ?」

赤松「………」

百田「………」

春川「???」キャッキャッ!

夢野「てん……こ、たす、け……」

茶柱「……ごめんなさい、夢野さん。転子は……このチャンスを諦められません……」

夢野「!?」

214: 2017/04/09(日) 19:31:11.46 ID:XIWh1NYK0
茶柱「……もう一度最原さんと仲良くおしゃべりしたいんです……!ここに居る全員を頃したって、そうしたい……!例えそれがあなたでも、転子は最原さんを選びます!」

夢野「そん……な……」ジワァ…

夜長「……結論が出たね。それじゃあ、秘密子はそろそろお別れしよっか?」

夢野「いや、じゃ……氏にたく、ない……氏にたくないぃ……」

夜長「さよなら、秘密子」グッ!

夢野「あ、ぐ……たすけて、さいは………」ガクッ…

夜長「………これで、残りは11人だね」ポイッ

夢野「」ドサッ

モノクマ「うぷぷ……。それじゃあ今からゲームスタートだよ!プレイヤーは今、この場に居る全員!時間は朝まで!生き残りと最原くんとの絆を賭けたコロシアイバトルロワイアル、スタート!」

239: 2017/04/09(日) 23:03:22.62 ID:XIWh1NYK0
星「………」テクテク…

星「……見つけた。サバイバルナイフか……まあ、十分だろう」

星(すまなかったな、夢野。俺は最原とここを出て行くつもりなんてねえ。お前を助けてやってもよかったんだが……やれやれ、欲に抗いきれなかったぜ……)

星「……自分の人生の幕引きは自分でする……ささやかな望みだが、今の俺にとっては十分な贅沢だ」

星「……あばよ。そしてすまなかったな……最原……」

―――ドスッ!

星「………」

星「………ぐっ!?」ドサッ!

入間「ひ、ひひひ……やった……やったぞ!俺様はやったんだ!」

星「い、るま……てめえ……っ!」

240: 2017/04/09(日) 23:03:50.61 ID:XIWh1NYK0
入間「わ、悪く思うなよ……!でも、これはコロシアイなんだ!やらなきゃやられるんだ!」

星「あ、ぐ……」

入間「……そうさ、俺様は勝つんだ!勝って終一と一緒にここから出るんだよ!その為なら……その為ならっ!」ブンッ!

星「ぐ、おぉ……」

入間「氏ねっ!私のために氏ねぇぇっ!」ドスッ!ドスッ!

星(……ああ、そうだな。虫のいい話だよな。こんな俺が、最後まで望み通りに氏ねるわけがなかったんだ……)

星(まったく俺は、救いようのない、大、馬鹿、やろ……)

――――――――――

241: 2017/04/09(日) 23:04:29.74 ID:XIWh1NYK0
王馬「あーあ、やっぱこうなっちゃったか!俺がもう少し皆を上手く誘導できれば、こんなツマラナイことしなくてすんだのになあ……」

王馬「……結局、俺たちは黒幕の手の上で踊らされてたってわけか……畜生!」ガンッ!

王馬「……随分とツマラナイやつになっちゃったな、俺も。他人に良いように操られるなんて、さ……」

王馬「……こんなんじゃ君のライバル失格だよね、最原ちゃん。せめて、俺はこの舞台から自分で降りさせてもらうよ」

王馬「……本当にごめんね。最原ちゃん」チャキッ

―――パンッ!

――――――――――

242: 2017/04/09(日) 23:05:13.84 ID:XIWh1NYK0
赤松「きゃぁっ!?」

天海「……赤松さん、俺だってこんな事はしたくないっす……でも、これが最原くんに許して貰えるラストチャンスだって言うなら、俺はっ!」ブンッ!

赤松(駄目……!避けきれない、やられるっ……!)

―――ガンッ!

赤松「くっ………え?」

白銀「あ、はは……地味に痛いね、これ……」ドサッ…

赤松「し、白銀さん?何で?私を庇って……?」

白銀「……あなたは生きなきゃ駄目だよ。赤松さん……ここで氏んだら、駄目、だ、よ……」カクッ…

赤松「し、白銀さん?白銀さんっ!?」

天海「ぐ、うっ……」

赤松「う……うわぁぁぁぁっ!」ダッ!

天海「!?」ガツッ!

赤松「わ、私は氏ねない!最原くんの為にも!私を庇って氏んだ白銀さんの為にも!生き残って、この学園から出てみせるっ!」

天海「ぐっ、うぅっ!!!」

―――バキッ!ガンッ!ガツッ!

白銀(……そうだよ。それで良いんだよ……!あなたが生きてくれた方が、視聴者は喜ぶ……!もっともっと、絶望的な絵を見せて!そして希望を掴み取ってね、赤松さん……!)

白銀(ダンガンロンパを盛り上げるためなら、私の命なんて、安い、もの……)

243: 2017/04/09(日) 23:06:09.14 ID:XIWh1NYK0
――――――――――

モノクマ『……星くん、王馬くん、白銀さん、天海くんが氏亡しました!残り時間は3時間です!』

春川「ねえねえ百田、皆は何して遊んでるの?」

百田「………」

春川「何してるの百田?それって包丁?人に向けると危ないんだよ?」

百田「……動くな」

春川「え……?」

百田「……終一に許して貰う為なんだ……!その為に、俺は、今度こそ覚悟を見せなきゃならねえんだ!」

春川「……覚悟?難しい言葉使わないでよ。私、わかんないよ……」

245: 2017/04/09(日) 23:06:38.19 ID:XIWh1NYK0
百田「……良いから動くな、ハルマキ。せめてもの情けだ、心臓を一突きして楽に氏なせてやる」

春川「……それ、そういう遊びなの?」

百田「ああ、そうだ!だから……」

春川「ふぅん、それじゃあ……私もこのゲーム、乗らせて貰うね」

百田「……え?」

―――ドスッ!

百田「」ドサッ

春川「……ククククク、アハハハハ!やった!やった!コロシアイだなんて、私の独壇場じゃん!暗殺者で良かった!これで、これで……最原に許して貰える!」

春川「やった!やった!やったぁ!あはは!ばんざーい!ばんざーい!あははははははは……!」

―――――――――――

246: 2017/04/09(日) 23:07:18.92 ID:XIWh1NYK0
入間「放せ!放せよぉっ!俺様は、終一と一緒に……っ!」

東条「……いいえ、最原くんと一緒に行くのは私よ!皆には悪いけど……私は、自分の意思を通させて貰うわ!」グッ!

入間「ぐっ、げげ……ゆ、夢野みたいにはなりたくない……!わ、私は、終一と一緒に……一緒にここから出るんだあっ!!」ピンッ!

東条「!?」

入間「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」ポイッ!

東条(手榴、弾……?まさか、そんなものまでここに?だめ、どうしようも、な……)

―――ドガーーーン!

――――――――――――

247: 2017/04/09(日) 23:09:25.67 ID:XIWh1NYK0
モノクマ『百田くん、東条さん、入間さんが氏亡しました!残り時間は後2時間です!』

茶柱「ぐっ……!いい加減、しつこいっ!」バキッ!

夜長「ぐえっ……!ふ、ふふふ……まだまだ、だよ……!」ユラッ…

茶柱「ば、化け物ですか!?さっきからずっと殴り続けているのに、まだ息が……!?」

夜長「……アンジーには神様が力を貸してくれてるんだよ。そのアンジーが、負けるわけが無いよ……!」

茶柱「お、思い込みの力とはそこまでやってのけるのですか!?くっ、転子だって、転子だってえぇぇぇぇっ!」ガシッ!

夜長「っっ……!?」

茶柱「最原さんと一緒に行くのは転子ですっ!転子は、夢野さんを犠牲にしてまでこうしているんです!あなたみたいな人に、負けてたまるものですかあぁぁっ!」

―――ゴキッ!

夜長「」ドサッ…

茶柱「はぁ……はぁっ……やっと、氏んだ……こ、これで……っ!」

254: 2017/04/09(日) 23:14:30.78 ID:XIWh1NYK0
―――ドスッ!

茶柱「……え?」ドサッ

赤松「……油断厳禁だよ、茶柱さん。これはバトルロワイヤルなんだからさ」

茶柱「しまっ……た……」カクッ…

赤松「……これで二人、あと、残すは……っっ!?」

―――ビュンッ!

赤松「あぐっ!?」ドスッ!

春川「……自分で言ったんじゃん、油断厳禁だってさ……ふふ、でも、おかげで助かっちゃったよ」

赤松「春川さん……?嘘、あなたは……!?」

春川「壊れたと思ってた?あはは!残念!なんと私は幼児退行したわけではありませーん!そうなったふりをしていただけでしたー!」

赤松「あ、なた……!」

春川「……そうしてれば楽だったからね。何も考えずに済んだから……それが、まさかこんな形で役に立つなんてさ!」

赤松「あ、ぐっ……」

春川「無理しないでよ。良い所に刺さったでしょ?即氏はしないけど、これなら出血多量でそのうち氏ぬからさ……だから、勝ち残りは私!最原と出て行くのも私なんだ!きゃはははははは!」

260: 2017/04/09(日) 23:41:01.92 ID:XIWh1NYK0
赤松「……だよ」

春川「何?遺言?一応聞いておいてあげるよ。なあに!?」

―――パンッ!

春川「…………え?」

赤松「……油断厳禁、だよ」

春川「銃……?しまった、これ、もう、助からない、や、つ……」バタッ!

赤松「………」

赤松「うふふふふふ……ふふふふふふふふふ!あははははははは!ははははははは!」

赤松「やった!皆氏んだ!私が、私が生き残った!私が最原くんと一緒に出て行ける!やった!やった!」

赤松「……あいたたた、でも、早く治療して貰わなきゃ氏んじゃうな……おーい、モノクマ、早く助けてよー……」

モノクマ『夜長さん、茶柱さん、春川さんが氏亡しました!残り時間は一時間です!』

赤松「そんな放送はどうでも良いからさー!早く助けてくれないかな?私、このままじゃ氏んで……」

モノクマ『……あー、赤松さん?残念だけど、まだそれは出来ないかな?だって、まだ君以外にももう一人だけ生き残りが居るからさ』

赤松「……え?」

モノクマ『赤松さんがその人を頃したら助けてあげるよ!それまで頑張ってね!』

267: 2017/04/10(月) 00:07:58.74 ID:dLudEnjf0
赤松「う、嘘だよ!星くん、天海くん、百田くん、王馬くん、白銀さんに入間さん、東条さんもアンジーさんも茶柱さんも春川さんも、皆、氏んだってあなたが言ったんじゃない!もう、私しか残ってないじゃない!」

モノクマ『うぷぷ……。うぷぷぷぷぷぷ……!本当にそれだけで全員なの?』

赤松「え……?」

モノクマ『ちゃんと数えなおしてみなよ。あの時、あの体育館に居たのはそれで全員?あと一人居なかったかな?』

赤松「え?え……?だって、あの場所に居たのは、私たちだけ……あっ!?」

モノクマ『……気がついた?気がついちゃった?……そうだよ。ボクはまだ、彼女の名前を言ってないんだよ!』

赤松「う、嘘……?だ、だって、彼女は……!」

―――ザッ、ザッ……!

モノクマ『君たちが思い込んだだけでしょ~?まあ、運が悪かったんだよ!彼女は幸運だったけどね!』

赤松「そ、そんな……そんなことって……!?」

―――キィィ……

赤松「!?」

モノクマ『おーっと!?生き残りの二人がご対面だー!これはハラハラドキドキですな!』

??「………」

268: 2017/04/10(月) 00:08:36.85 ID:dLudEnjf0
赤松「あ、ああ……あなた、生きて……」

??「……何も悪いことはしとらん。ウチは、ただ寝とっただけじゃ。ウチが寝てる間に……お主たちが頃しあっておっただけじゃ」ニタァ…

赤松「ゆ、夢野……さ……!」

夢野「ウチは誰も頃しておらん!ウチは綺麗なままじゃ!最原の、最原の隣に胸を張って行ける!記憶さえ改ざんして貰えば、ウチは最原と仲良く出来るんじゃ!」

赤松「ひぐっ……!こ、こんなの、ずるい……ひどいよぉ……っ!」

夢野「何が酷いじゃ、誰もウチを助けようとしなかった癖に……!酷いのはお前たちじゃ!お前たちみたいな人頃しなど、最原の友達になる価値もない!」

赤松「ひっ……!」

夢野「……その点、ウチは良い子じゃ!誰も頃してない!傷つけてもいない!良い子のウチに、神様がご褒美をくれたんじゃな!かーっかっか!」

赤松「………」

夢野「……安心せい、赤松。ウチはお主らの分まで幸せになってやる……最原と一緒にな……!」ニタァ…

赤松「」

赤松(……ああ、そうだよね。最原くんを傷つけて、そのことから逃げる為に人頃しまでしちゃう私に、彼に好きになって貰う価値なんて無いんだよね……)

赤松(皆……ごめんね……!最原くん、ごめん……ね……)

――――――――――

269: 2017/04/10(月) 00:09:28.44 ID:dLudEnjf0
モノクマ「と言うわけで、最原くんたち四人は記憶改竄ライトを使われた後、夢野さんを加えた五人でこの学園から出て行きました!いや~!本来の歴史より多くの人たちが助かって良かったね!」

モノクマ「彼も良い友人を持てたし、なんだかんだで万々歳だよね!いや~、運営としても気分が良いなあ~!」

モノクマ「……あ、一応言っておくとさ。ボクは何もして無い、これは本当だよ。でもさ……」

モノクマ「……何も知らない、とは言ってないよ?うぷぷ、うぷぷ、うぷぷぷぷぷぷぷぷ……!」







BAD END

270: 2017/04/10(月) 00:11:58.87 ID:0pcYDzRao
これから真相編か…

273: 2017/04/10(月) 00:15:32.83 ID:dLudEnjf0
―――答えて下さい、僕の内なる声……この結末で良いんですか?本当に、満足なのですか?

―――もっと違う未来があったはずです。幸福な結末があったはずです。そうでしょう?

―――その為に僕は何をすれば良いですか?どうか、答えて下さい……!




















 この状況を救済しますか? YES

              NO

282: 2017/04/10(月) 00:44:27.95 ID:m0clVFsDO
……あァ、よく寝た……

やぁ皆、久しぶりだネ。また皆に会えて嬉しいヨ。

書き溜めてた部分も一段落ついてやっと皆の前に顔を出せたネ。明日からは真相編に入るけど、そのときにはまた皆の力を借りたいな。

……だってそうだろう?希望はより深い絶望から産み出されるときに光り輝くものなんだからサ……!

293: 2017/04/10(月) 14:34:58.50 ID:dLudEnjf0
―――十日目 夜 最原の私室 

最原「………」

獄原「どうかしたの?最原くん」

最原「……なにか、変だなって……納得出来ないことがありすぎるんだよ」

キーボ「……最原くんもそう思っていましたか。実は、僕もなんです」

最原「皆の行動に一貫性が無さ過ぎる。文字通り、人が変わったみたいだ」

真宮寺「確かにその通りだネ。最原くんを虐め始める前、虐めている最中、そしてつい先日と皆は性格が完全に変わっていた……何か妙な感じがするヨ」

最原「……そうだ、ゴン太くん。あの日々が始まる前に変わったこととか無かったかな?」

獄原「えっ……!?そ、そうだなあ……う~ん、特になにも無かったと思うよ……」

キーボ「手がかり無し、ということですか……」

真宮寺「……いや、逆だネ。今の証言は非常に重要な証拠になるヨ」

獄原「えっ!?で、でも、特に何も無かったって……」

最原「……前日までに何も無かったと言うのに、皆は僕のことを嫌いになった。明らかに不自然な話だね」

獄原「あっ!そ、そっか!ゴン太、あの日の前までは最原くんのことが好きだったのに、急に最原くんのことを見るとむかつくようになって……」

キーボ「つまり、その日の前日に僕たちが知らない所で何かが起きた!そしてその結果、皆は最原くんを虐めるようになったと言うわけですね!」

最原「そうだ……!やっぱり、皆は何かに操られていたんだ!」

294: 2017/04/10(月) 14:35:45.40 ID:dLudEnjf0
真宮寺「………思い出せない。何か、この現象によく似た話をどこかで……?」

キーボ「きっとモノクマです!モノクマが皆を操っていたんですよ!」

獄原「確かにモノクマならゴン太たちの知らない所で好きに動ける。不思議な装置を使ってゴン太たちを操る事だって……」

白銀「……違うよぉ。私たちは、何もして無いよ」

キーボ「!?」

獄原「し、白銀さん……?ど、どういう意味……?」

最原「……君が僕たちを閉じ込めた黒幕、ってことでしょ?」

獄原「え、ええっ!?」

白銀「うふふ……。気がついてたんだ?そうだよ、私はこのコロシアイ学園生活を運営する黒幕の一人……あなたたちをここに閉じ込めた犯人の一人なんだよ」

真宮寺「……何故、このタイミングでその事をバラすんだい?そんな事をしても君にメリットは……」

白銀「そんな話はどうだって良いんだよ。今、全てを話しても到底納得出来ないだろうしさ……それより、最原くんは何時私が黒幕だって気がついたの?」

最原「……ほんの少し前だよ。皆が僕に謝って来たあの日、君だけは僕を煽る様な事を言っていた……今思えば、あれは僕と皆を仲違いさせたままにする君の策略だったんだ」

白銀「だいせいかーい!……見事私の作戦にひっかかった最原くんは、傷心のみんなにトドメを刺してくれたのでした~!うふふ……!」

真宮寺「最初から……僕たちは君の手の平の上で踊らされていたということか……!?」

白銀「……ううん、違うよ。私たちはこの一連の事件を引き起こした黒幕の作戦に乗っかっただけ……最初を引き起こしたのは、別の人物なんだよ」

295: 2017/04/10(月) 14:36:33.88 ID:dLudEnjf0
キーボ「な、何ですって!?そんな事ありえません!こんな奇妙な現象、あなた以外に引き起こせる人物がいるはずが……」

白銀「ふふふ……それが居るんだよ。この事件の犯人、最原くんが皆から嫌われる様に仕向けたクロは……あなただよ」

獄原「えっ……?」

キーボ「そ、そんな……!?」

最原「は、犯人は……?」

真宮寺「……僕、だって?ふざけないでヨ、僕は何もしていない!」

白銀「ふふふふふふふ……!」

キーボ「そ、そうです!真宮寺くんは氏ぬ可能性だってあったのに最原くんを僕たちと一緒に守りました!あの行動が嘘だったなんて思えません!」

獄原「そ、そうだよ……!白銀さん、嘘はやめなよ!」

白銀「……私は嘘なんて言って無いよ。それに、犯人が真宮寺くんだなんて一言も言ってない」

最原「え……?」

296: 2017/04/10(月) 14:37:28.44 ID:dLudEnjf0
キーボ「な、何なんですかその理屈は!?確かにあなたは、真宮寺くんを指差して……」

白銀「ねえ、真宮寺くん……あなたは、これによく似た話を聞いた事は無いかな?」

真宮寺「……そう、言えば……なにか、引っかかるような……?」

白銀「それにさ……なんであなたは、最原くんの事を嫌いにならなかったか考えた事はあった?」

最原「真宮寺くんが僕を嫌いにならなかった理由……?」

白銀「そして……あなたには心当たりがあるはずだよ?あなたであって、あなたではない存在に、さ……!」

真宮寺「……そんな、馬鹿な」

最原「し、真宮寺くん?」

真宮寺「あ、ありえない!そんなことがあるはずが無い!そんな……そんなことが!あっていいはずがないんだ!」ダッ!

キーボ「し、真宮寺くん!?どこへ行くつもりですか!?」

最原「ま、待ってよ、真宮寺くんっ!」

獄原「最原くん!ゴン太がおぶるから、急いで真宮寺くんを追おう!」

白銀「……うふふ、ついに真相が解明されるね……!」

297: 2017/04/10(月) 14:38:07.22 ID:dLudEnjf0
―――真宮寺の研究教室

真宮寺「そ、そんな……!?そんな馬鹿なっ!?こんなの何かの間違いだっ!」

最原「や、やっと追いついた!真宮寺くん、どうしたの!?」

真宮寺「さ、最原くん……僕は……僕たちはっ……!」

キーボ「一体何があったんですか!?ちゃんと説明してください!」

真宮寺「……全ての原因は、これなんだ……これなんだヨ……」

獄原「これって……本?この本がどうかしたの?」

真宮寺「……その本は古今東西の呪術を記したものサ……その中に『嫌われの呪い』と呼ばれるものがあるんだ……」

最原「『嫌われの呪い』……?」

白銀「元々は神様に捧げる生贄に使われる呪いでね……その名前の通り、この呪いにかけられた人は一定範囲内の人たちに猛烈に嫌われる様になるんだよ。そして、その嫌悪感は本来その人の事を好きであればあるほど強くなってしまうんだ!」

真宮寺「呪いの効果期間は一週間……最原くんが虐められ始めて、皆が謝りにくるまでの期間と丁度一致している……!そしてこの本には最近使われた形跡があった……僕はもう、この本を長い間読んでいないと言うのに……」

キーボ「つ、つまり!その本を使って誰かが最原くんに呪いをかけたと言うことですか!?」

真宮寺「誰かじゃない、僕サ……僕以外にこの本の内容を完璧に理解できる人間なんてここには居ない。超高校級の民俗学者である僕以外にはネ……」

獄原「で、でも、真宮寺くんは何もしてないって……」

白銀「……知らなかったんだよ、彼は……」

獄原「え……?」

298: 2017/04/10(月) 14:41:24.53 ID:dLudEnjf0
白銀「彼は、自分の知らない間に最原くんに呪いをかけて、皆に最原くんを虐める様に仕向けてしまったんだよ。その証拠に、呪いをかけた張本人である真宮寺くんは呪いの効果を免れた。そうでしょ?」

キーボ「ま、待って下さい……!呪いの効果を受けなかったのは、僕やゴン太くんも同じで……」

白銀「キーボくん、君はロボットでしょ?人じゃないから呪いの対象外なんだよ。ゴン太くんは凄いよ、呪いにかかったけど、それを自分の意思で抑えたんだ。強靭な精神力を持っている証拠だね!」

最原「……待ってよ白銀さん、そんなの無茶苦茶だよ。真宮寺くんは自分の知らない内に僕に呪いをかけた?そんな事、あまりにも不自然すぎる」

獄原「そ、そうだよ!言っている事がわからないよ!第一、自分が呪いをかけたとして、それを普通は忘れないよ!」

白銀「……忘れたんじゃ無いよ。元々、知らなかったの。そして、彼に限ってはそれがありえるんだよね……!」

最原「え……?」

真宮寺「あ、ああ……ああああああぁぁっ!」

白銀「……あの本の内容を理解できたのは彼だけ、しかし、彼は自分が呪いをかけた事を覚えていない……とくれば、犯人はもう一人しか居ないよね?」

真宮寺「何で!?どうして!?何故なんだ!?どうしてこんな事をしたんだヨ!?姉さん!」

最原「姉……さん……?」

??「うふふ、うふふふふふふ……!そう……知ってしまったのね、是清……」

獄原「!?」

キーボ「な、何ですか……?真宮寺くんのマスクの下……?女の人がする、お化粧?」

真宮寺「どうしてこんな事を!?何故なんだ!?何で皆や最原くんを傷つけるような真似をしたんだヨ!?」

299: 2017/04/10(月) 14:46:02.34 ID:dLudEnjf0
獄原「ま、待ってよ……!ご、ゴン太、馬鹿だから、何が起きているのか全然わからないよっ!誰か説明してよ!」

白銀「……真宮寺くんの中にはね、彼のお姉さんの魂も住み着いているんだ。まあ、これは彼の言葉を借りたらの話だけどね」

獄原「も、もっと訳がわからなくなったよ!誰かゴン太にもわかる様に説明してよぉっ!」

最原「……真宮寺くんは、二重人格ってこと?」

白銀「うん、それが一番しっくりくる説明かもね。そう考えれば間違いないよ」

獄原「二重、人格……?」

キーボ「一つの体に別の人間の人格が入りこんでいる事です。多重人格者は、別々の人格の記憶や知識を共有できることもあれば、そうでないこともある……」

白銀「真宮寺くんは後者だったみたいだね!……この事件の始まりは、真宮寺くんのお姉さんの人格がある日の深夜に動き出した事から始まったんだ……!」

真宮寺「僕が眠った後、僕の体を使った姉さんはこの部屋に来て呪術の本を手に取った。そして、そこに記されている嫌われの呪いを最原くんに使って、何事も無かったかの様に部屋に戻って来たんだ……!僕が眠っていた時に行われたこの行動に、僕は気がつくことが出来なかった……それが、この事件の真相……!」

白銀「……はい、良く出来ました。この事件の犯人は、真宮寺是清くんのお姉さんなのでした!」

真宮寺「な、何故……?どうして、こんな事をしたのサ?姉さん……?」

姉清「是清……全てはあなたのためなのよ……」

真宮寺「ぼ、僕のため……?ど、どういう意味なの、姉さん?」

姉清「是清、あなたは私の為にたくさんの友人を作ってくれた……その全員が、あなたの選んだ素晴らしい女の子だったわ。私は凄く感謝してる」

姉清「だからね……今度は、私が是清のお友達を選んであげようと思ったのよ」

301: 2017/04/10(月) 14:50:08.24 ID:dLudEnjf0
真宮寺「ぼ、僕の友達を、選ぶ……?」

姉清「……あなたが親友だと思う最原くんは、この呪いに負けて氏を選んでしまう様な弱い人間では無いと確かめたかった。他の皆は、この呪いに抗える強い意志を持っているか確かめたかったのよ……結果、ここに居る三人はその試験に合格した。あなたの友人に相応しい人たちだわ」

真宮寺「あ、ああ……あぁぁぁぁ……!」

姉清「……あなたは本当に良い友人を持ったわ。私はとても幸せよ、是清……!」

真宮寺「ね、姉さん……!こんな事、僕は望んで無かったんだヨ……」

姉清「……え?」

真宮寺「ぼ、僕は……最原くんや皆を傷つけてしまった……!すべて、僕の責任だ……」

姉清「あ、あなたが責任を感じる必要は無いのよ。これは全て、私が一人で……」

真宮寺「……姉さんの罪は僕の罪サ……。僕はもう、皆に顔向け出来ない。最原くんの友達で居る資格も無いんだ……」

姉清「是清……。私は、余計な事をしてしまったの……?」

真宮寺「良いんだ、姉さん……僕は取り返しのつかないことをしてしまった……本当にごめんヨ、最原くん……」

最原「し、真宮寺くん……」

真宮寺「……皆に全てを話してくれ、そして、僕に裁きを下して欲しい……全ては僕の責任なんだからネ……」

最原「ま、待って!真宮寺くんっ!」

―――ガチャ……バタン!

最原「真宮寺くん!真宮寺くーん!」

302: 2017/04/10(月) 14:51:28.92 ID:dLudEnjf0
獄原「ご、ゴン太、真宮寺くんを追いかけてくるよ!」ダッ!

白銀「……ねえ、真相を知った今、最原くんはどんな気分?皆は悪くないんだよ?呪いのせいでおかしくなってたの」

最原「う、うぅ……」

白銀「その皆にひどい言葉を投げつけて、心を粉々にした気分はどう?最高に絶望的じゃない!?」

最原「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

白銀「……うふふ、良いエンディングだね。救い様の無い絶望エンドも悪くはないかな……」スタスタ…

最原「……ぼ、僕は、なんてことを……!何も悪くない皆に、あんなひどい事を言ってしまうなんて……!」

最原「どうすれば良いんだ……?皆、僕の事なんか許してくれないだろう……。僕は、どうしたら……?」

キーボ「……顔を上げてください、最原くん。あなたは何も悪くない、悪いのは黒幕です!」

最原「き、キーボくん……!」

キーボ「……黒幕はこの事実を知っていた……知りながら、この事を隠していた!最原くんがこの事を知っていれば、皆を許せたはずです!真宮寺くんが知っていれば、何か対策を取れたはずです!その可能性を潰したのは、白銀さんなんですよ!君は何も悪くないんです!」

最原「で、でも、僕は……」

キーボ「皆に酷い事をしたと思うのなら、あなたが皆を救うんです!皆は今、罪悪感からくる絶望に飲み込まれています。皆を救えるのは、最原くんしかいないんです!」

最原「僕が……皆を、救う……?」

303: 2017/04/10(月) 14:52:20.22 ID:dLudEnjf0
キーボ「ここで最原くんの心を折って、皆を絶望させる事が黒幕の目的なんですよ!そんな事させやしない!もう、これ以上黒幕の思い通りにはさせません!今度は、こっちが攻める番です!希望の逆襲ですよ!」

最原「希望……!皆に、希望を……!」

キーボ「……立ってください、最原くん。僕も出来る限りの手伝いはします。だから、この状況を笑って見ている黒幕に一泡吹かせてやりましょう!」

最原「………」

最原(……そうだ、このままで良い筈が無い。本当に皆の事を思うなら、皆を絶望から救い出すんだ!)

最原「……わかった。僕、やってみる……ううん、やるよ。絶対に皆を助けてみせる!やってみせるよ!」

キーボ「その意気です!やってやりましょう、最原くん!」

最原「明日から行動開始だ!まずはどう動くか、部屋に帰って計画を立てよう!」

キーボ「はい!僕もお供します!」

―――ガチャ……バタン!

白銀「……計画通り。うふふ、馬鹿だなあ二人とも、また私の手の上で踊っているって事も知らずにさ……」

白銀「さて……こっちもこっちの計画を進めようかな。最原くんは明日から動くみたいだけど……」

白銀「私が動くのは、今からなんだよねぇ……!」ニタァ…

304: 2017/04/10(月) 14:53:16.14 ID:dLudEnjf0
―――白銀フェイズ

 夜は白銀さんの時間です。最原くんに救い出されていない人を一人選んで、その人に会いに行きます。

 選んだ人とはイベントが起き、その内容によってその人の絶望度が上がります。しかし、白銀さんが怪我をする可能性もあります。その場合、白銀さんは数日の間動くことが出来なくなります。

 絶望度は初期値から白銀さんの行動で変化します。最高が100です。絶望度が99の人の下に白銀さんを向かわせると……?どうなるかは、ご自分の目でご覧下さい。

 なお、ここに皆さんの現在の絶望度を記載しておきます。参考になさってください。

 赤松 95

 百田 87

 春川 50

 天海 80

 夢野 92

 星  85

 茶柱 81

 真宮寺 90

 東条 86

 獄原 30

 入間 89

 王馬 76

 夜長 91

305: 2017/04/10(月) 14:54:09.25 ID:dLudEnjf0
白銀「さて……私の正体を知っている人に会いに行くのは危険だよね。それを踏まえて……誰のところへ行こうかな?」

 誰に会いに行きますか? この下の回答で決定

315: 2017/04/10(月) 18:20:58.43 ID:dLudEnjf0
―――赤松の研究教室

赤松「………」ポロンポロン~♪

赤松「…」ポロン~♪……

赤松(……ピアノを弾いても何も感じない……ただただ空虚で、虚しいだけ……心の中に穴が空いた様な、ぽっかりとした部分に音が響いて、消えていく……)

赤松「最原、くん……」グスッ

―――コンコン

赤松「……あれ……?誰だろう、こんな時間に……?」

白銀「ああ、赤松さん!よかった、ここに居たんだ!」ガチャッ!

赤松「し、白銀さん……?どうしたの、そんなに慌てて……?」

白銀「あ、あのね!そのね!じ、実はね……!あ痛っ!舌噛んじゃった……」

赤松「ちょ、ちょっと落ち着いたらどうかな?」

白銀「ああ、ごめんね……。すー、はー、すー、はー……ふう、落ち着いたよ!ありがとう!」

316: 2017/04/10(月) 18:22:07.13 ID:dLudEnjf0
赤松「そ、それは良かったね……。それで、私に何の用事?」

白銀「うふふ、実はね~……私、最原くんと仲直り出来たんだ!」

赤松「……え?」

白銀「さっきまで何回も何回も謝って、謝り続けて……最原くんもやっと口を利いてくれる様になったんだ!私と、話してくれる様になったんだ……!」

赤松「それ……本当……?本当、なの……?」

白銀「本当だよ!こんな事、嘘じゃ言わないって!ねえ、赤松さんも急いでもう一度謝って来なよ!もしかしたら……ううん、きっと最原くんも許してくれるよ!」

赤松「そう、かな……?」

白銀「そうだよ!だって、赤松さんは気がついてなかったかもしれないけど、最原くんは赤松さんのことが好きだったんだよ!好きな女の子の事をそう簡単に嫌いになれるわけが無いって!」

赤松「………」

白銀「……ああ、そうだ!他の皆にもこの事を伝えてこなきゃ!嬉しいな~!嬉しいな~!」スタタ…

317: 2017/04/10(月) 18:23:33.20 ID:dLudEnjf0
赤松「……もう一度、謝る……?そうすれば、最原くんは私の事を許して……」

??(そんなわけ無いじゃん、普通に考えなよ。あれだけの事をしでかして、あなたの事を許してくれると思うの?)

赤松「さ、最原くんは優しいから、きっと……」

??(その優しい最原くんの心を踏み躙ったのは誰?他ならぬあなた自身でしょ?何忘れちゃってるのさ?)

赤松「で、でも……最原くんは、私の事を……!」

??(……忘れたの?あなたは最原くんに大嫌いだって言われたんだよ?あなたの全てが大嫌いだって言われたの!)

赤松「あ……」

??(……でも、最原くんを恨んじゃいけないよ?だって、先にその言葉を言ったのはあなただもんね?最原くんのことなんて大嫌いだって言ったでしょ?それまで忘れちゃった?)

赤松「あ……あ……!」

??(……ねえ、まだ彼があなたの事を好きだと思ってるの?あんな事をした自分の事を、まだ好きでいてくれると信じてるの?……そんなわけないじゃん。現実を見なよ)

赤松「いや……いやぁ……っ!」

??(……彼があなたの事を好きだと言う気持ちを踏みにじったのはあなただよ?そんなあなたが、彼に愛される資格なんてあるの?)

??(認めなよ、私……私はもう、最原くんと元の関係には戻れないの……!彼の事を諦めて、涙に暮れながら毎日を後悔して生きていく他無いんだよ……!)

赤松「う、う、う……うわぁぁぁぁぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」

白銀「……あーあ、謝りに行けば本当に許して貰えるのにね。思い込みが強い人って、こう言う時厄介だよね~!」

赤松さんの絶望度 95→97

318: 2017/04/10(月) 18:24:04.05 ID:dLudEnjf0
―――翌日 朝 最原の私室

最原「……朝が来た。今日から僕の戦いが始まるんだ……!」

最原「やるぞ!皆を救って、もう一度友達に戻るんだ!」

―――最原フェイズ

 朝と昼は最原くんの時間です。この時間の間に最原くんは行動し、皆を説得しに行きます。

 しかし、皆は絶望している状況……最原くん一人では、皆を救う希望の力が足りないことがあります。

 話に進展が起きない場合、それはまだ希望の力が足りないと言う事です。その場合、他の人を救って、希望の力を強くしましょう。

 また、誰に会いに行けば良いかわからない場合は、時間を使って友達……つまり、絶望から救い出された人と相談することが出来ます。現状ではキーボ君だけですが、仲間が増えればその分、多くのヒントをもらえるでしょう。

 では、選択の時です。朝は誰に会いに行きますか?それとも、皆と相談しますか?

 この下の回答で決定

321: 2017/04/10(月) 18:45:59.23 ID:dLudEnjf0
―――中庭

最原「……いたっ!王馬くんっ!」

王馬「……あれ?最原ちゃんじゃん。どうかしたの?」

最原「……僕は、君に話したいことが……」

王馬「……ごめん、最原ちゃん。俺、やらなきゃいけない事があるんだ……」

最原「え……?」

王馬「自分の不始末は自分でどうにかする……これ以上、最原ちゃんに迷惑はかけないよ」

最原「王馬くん……?君は、まさか……!?」

王馬「……なーんてね!ちょっと格好つけただけだよ!本当は暇だけど、最原ちゃんと過ごしたくないだけなんだよね~!」

最原「ま、待って!王馬くん!」

王馬「……じゃあね、最原ちゃん。ばいばい」スタスタ…

最原「……駄目だ、王馬くんには僕の声は届かないみたいだ。もっと希望の力を強くしなくちゃ……!」

 昼はどうしますか? この下の回答で決定

323: 2017/04/10(月) 19:07:09.77 ID:dLudEnjf0
―――昼 最原の私室

獄原「あ!最原くん!」

最原「ゴン太くん、来てくれたんだね!」

獄原「これからどうしようか……?白銀さんは悪い人で、皆は悪くなくて、真宮寺くんが犯人で、でも真宮寺くんは悪くなくて……うぅ、馬鹿なゴン太にはよくわからないよ……」

最原「……これからどうするかなんて決まってる」

獄原「え……?」

最原「……皆に酷い事を言ってしまった事を謝るんだ。そして、皆ともう一度友達になる……!僕のすべき事は、それなんだ……!」

獄原「最原くん……」

最原「……でも、それにはすごく勇気がいるんだ。僕だけでは挫けそうになってしまうこともある……だから、ゴン太くんの力を借りたいんだ」

獄原「えっ?ゴン太の力を……?」

最原「うん……どうか僕に力を貸して欲しい、皆とまた、友達になる為に……!」

獄原「……うん、わかったよ!ゴン太も皆に酷い事を言った事を最原くんと謝る!最原くんの友達として、力を合わせようよ!」

最原「ありがとう!ゴン太くん!」

獄原「……忘れないで、最原くん。ゴン太は何時だって君の味方だよ。最原くんが困ってたら、ゴン太が必ず駆けつけるからね!」

獄原ゴン太の絶望度 30→0

希望の力が一つ上がりました!

343: 2017/04/11(火) 00:00:22.79 ID:sEo/dOlr0
―――赤松の研究教室

赤松「………」カチャカチャ…

赤松(白銀さんが持って来てくれた入間さんの発明……。これを使えば、最原くんに謝る練習をシュミレーション出来るって言ってたよね……)

赤松「ヘルメットを被って、スイッチを入れる……後は、夢を見る感覚でシュミレーションが出来、る……」スヤァ…

白銀「……ふふふ」ニタァ…

――――――――――

赤松「ん……ここ、は……?病院?なんで、こんな所に……?」

真宮寺「……赤松さん?どうしてここに……?」

キーボ「もしかして……あなたも、彼にに会いに来たんですか?」

赤松「真宮寺くん?キーボくんにゴン太くん……?こ、ここは……?」

344: 2017/04/11(火) 00:01:25.57 ID:sEo/dOlr0
真宮寺「今更……今更、どの面下げてここに来たんだい?どんな顔して最原くんに会おうって言うんだヨ?」

赤松「え……?さ、最原くんがここにいるの!?」

獄原「う、うん。赤松さんも会いに来たんじゃ無いの?」

赤松「っっ!」ダッ!

獄原「あっ!?赤松さん!」

赤松(謝らなきゃ!謝らなきゃ、謝らなきゃ、謝らなきゃ!ちゃんと謝って、罪を償って、それで……もう一度!)

赤松「……あった、最原くんの病室……!ここに、最原くんが……!」

赤松(……逃げちゃ駄目。ちゃんと最原くんと向き合うの!それで、それで……!)

赤松「さ、最原くんっ!………え?」ガラッ!

最原「うぅ……あー……」

赤松「さ、最原、くん……?最原くん、なの……?」

最原「うー……うぅぅ……」

赤松「……何で?何でこんな……?最原くんに何が……?」

345: 2017/04/11(火) 00:02:26.25 ID:sEo/dOlr0
白銀「……赤松さん、なんのつもり?まだ最原くんを虐め足り無いの?」

赤松「え……?白銀、さん……?何で……?」

白銀「……最原くんがこうなっちゃったのも、全部あなたたちのせいじゃない!みんなでよって集って最原くんを痛ぶって……信じていた人たちに裏切られた最原くんは、心が壊れて……それで……っっ!」

赤松「あ、あ……そんな、そんな、ことって……!?」

白銀「……最原くん、あなたの事が好きだったのに……!そのあなたに裏切られて、どれだけ傷ついたか想像できる!?最原くんを一番傷つけたあなたが、どの面下げて彼に会いに来たの!?」

赤松「あ、うぅ……。最原くん、ごめん、ごめんなさい……!わ、私っ!」

最原「あうぅぅっ!?」ビクッ!

赤松「えっ!?」

最原「うぅぅぅっっ!?うーっ!あうぅぅぅぅっ!?」ビクビク…

赤松「さ、最原くん……?ど、どうして……?」

白銀「……当然でしょ?最原くんはあなたが恐いんだよ。もう、近づいて欲しくないんだよ!」

赤松「!?」

346: 2017/04/11(火) 00:03:20.28 ID:sEo/dOlr0
白銀「……ほら、最原くん。大丈夫だからね……恐い人はもう、いなくなるからね……」ギュッ…

赤松「あっ……!?」

最原「うー……うぅ……」

白銀「よしよし……大丈夫だよ。私が最原くんの傍にずっと居てあげるからね……!」ナデナデ…

赤松「………」

白銀「……まだ居たの?さっさと出て行きなよ。それとも……最原くんをおびえさせて楽しむつもり?」

赤松「………」ガラッ…

??(……あ~あ、余計な期待をしたからこうなるんだよ。言ったじゃん、取り返しなんかつかないってさ……)

赤松「う……う……」

??(あんな穏やかな表情、あなたにはもう見せてくれないよ。それだけの事をしちゃったんだからさ)

赤松「う、あぁぁ……うわぁぁぁん!」

??(……そうやって何時までも泣きじゃくっているのがお似合いだよ。永遠に泣いて、絶望し続けてなよ……!)

赤松楓の絶望度 97→99

347: 2017/04/11(火) 00:04:07.87 ID:sEo/dOlr0
―――最原フェイズ 朝

最原「……今日はどうしようかな?」

何をしますか? この下の回答で決定

351: 2017/04/11(火) 00:21:16.86 ID:sEo/dOlr0
―――春川の研究教室

春川「ぶーん!ぶーん!」ガチャガチャ…

最原「……春川さん、ちょっと良いかな?」

春川「あ~!最原だ~!ねえねえ、一緒に遊ぼうよ!」

最原「えっと……かまわないけど、その前に少し話を……」

春川「私、難しい話しわかんない~!遊ぼ!遊ぼ遊ぼ遊ぼ!」ブンブン!

最原「……うん、わかったよ。何して遊ぶ?」

春川「わ~い!それじゃあ、ミニカーで遊ぼうよ!ほら、最原の分!」

最原「あ、ありがとう……」

春川「えへへ~!ぶーん、ぶーん……楽しいね、最原!楽しいねえ!」

最原「う、うん……」

最原(……駄目だ、春川さんはまともな状況じゃない。今の彼女の心に踏み込む勇気は僕には無い……今日は引き下がるしかないか……)

昼はどうしますか? この下の回答で決定

354: 2017/04/11(火) 00:37:07.59 ID:sEo/dOlr0

―――最原の私室

最原(一度皆に相談してみよう。なにか糸口が見えるかもしれない……)

キーボ「やはり……まずここは、僕たちと一緒に行動していた人を仲間に引き込むべきです。僕、ゴン太くん、真宮寺くん、最原くんで行動出来る様にすることが、解決の第一歩かと……」

獄原「……もし、王馬くんを説得することがあったら、ゴン太を連れて行って欲しいんだ。何が出来るかはわからないけど、一生懸命頑張るよ!」

最原「……何か注意することはあるかな?」

キーボ「まずは、希望の力を3以上にすることを考えましょう。その上で、最原くんの言葉に耳を貸してくれる人を考えるんです」

獄原「最原くんの話を聞いてくれそうな人か……。う~ん、誰がいるかなぁ?」

キーボ「……残念ですが、僕にはわかりません。観察眼に長けた人が居れば、ヒントを貰えたんでしょうが……」

最原「……こんな所か、みんな、ありがとう」

最原(皆と話し合いをして過ごした。この意見を元に、残りの皆を救い出すんだ!)

―――白銀フェイズ

白銀「さ~て……誰に会いに行こうかな?」

この下の回答で決定

364: 2017/04/11(火) 01:39:04.25 ID:sEo/dOlr0
―――赤松の研究教室

赤松「………」ボーッ…

白銀「……呆けてるね、赤松さん。まあ、当然か。もう、希望も何も無いんだからね……」

赤松「………」

白銀「じゃあ、そんな赤松さんにこれを上げるよ」ポイッ

赤松「……これ、は……?ライト……?」

白銀「……これを自分に向けて使ってみなよ。そうすれば、あなたに相応しい罰が下ることになるからさ……!」

赤松「私に相応しい、罰……?」

白銀「そうだよ……。最原くんに申し訳無いって思ってるんでしょ?なら、それを使って少しでも自分の罪を噛み締めなよ。それが赤松さんに出来る、唯一の罪滅ぼしなんだからさ……!」

赤松「罪、滅ぼし……!」

白銀「……ま、それを使うかどうかは赤松さんに任せるよ。好きにしてね。それじゃ……」スタスタ…

赤松「………」スチャ…

赤松「……ごめんなさい、最原くん……」カチッ!







超高校級のピアニスト 赤松楓のおしおき

『追憶のセレナーデ ~楽しかったあの日の思い出~』

366: 2017/04/11(火) 01:43:33.28 ID:sEo/dOlr0
~~♪~~♪

赤松「ここ……は?真っ暗で、何も無い……。何か聞こえる、これは……ピアノの音……?」

~~~♪~~~♪

赤松「この曲……この弾き方……!間違いない、忘れるはずが無い!このピアノを演奏しているのは……っ!」

最原『……あっ!ご、ごめん!間違えちゃった!』

赤松『ううん、良いんだよ!もう一回やってみよう!』

最原『うん!』

赤松「最原くんと私……!これ、私たちが連弾の練習をしていた時の……!」

??(そう……楽しかったあの日々の思い出だよ。最原くんに嫌われる前の楽しかった日々、幸せでいっぱいだったあの頃の思い出……!)

赤松「あ……ああ……」

最原『ピアノの演奏って楽しいね!教えてくれてありがとう、赤松さん!』

赤松『私のほうこそ、私の趣味に付き合ってくれてありがとう!最原くんが楽しんでくれて、私も嬉しいよ!』

最原『うん!……赤松さんと一緒なら、僕は何だって楽しいよ……』ボソッ…

赤松『え、えっ!?い、今、何か言った?』

最原『う、ううん!な、なんでもないよ!』

赤松「……くっ、うぅ……!」

??(本当に楽しかったよね……。コロシアイを強いられ、この学園に監禁されていたとしても、彼と過ごす時間は何物にも代え難いほどの幸せなものだった……でも)

367: 2017/04/11(火) 01:47:47.14 ID:sEo/dOlr0
ジャーーン!

赤松「……あ……っ!」

??(……その時間を終わった。いいえ、あなたが終わらせた。本当にくだらないことで……)

最原『い、痛いよ赤松さん……!なんで、こんなことをするの……?』

赤松「さ、最原くんっ!」ダッ!

??(何で……?そんなの決まってる。最原くんを虐めるのが楽しかったから、ピアノの演奏を二人でするよりも、ずっとずっと楽しかったから!)

赤松「違う!そんなこと無いっ!」

最原『苦しいよ、赤松さん……。君が僕に見せてくれた笑顔も、僕にかけてくれた言葉も、全部うそだったの……?』

赤松「ちがう!ちがうよっ!」

??(……何が違うの?自分であんなに楽しかった日々を投げ捨てて、最原くんを痛ぶる日々を選んだって言うのに、それこそが嘘だったって言うの?笑わせないでよ!)

赤松「もう、止めて……聞きたくない、止めてよおぉぉっっっ!!!」

最原『……君は、そうやって自分の罪から逃げ出すんだね?反省もしない、認めもしない……ただただ泣きじゃくるだけの、最低の女の子なんだね……』

赤松「あ、あ……!」

??(いい加減認めなよ、私……!自分がいかに最低で、薄汚くて、醜い存在なのか……最原くんに嫌われて当然のゴミみたいな存在だってことをさ!)

赤松「あ、ああぁ……!やめ、て……」

最原『……君なんて大嫌いだ。少しでも好きでいたことが恥ずかしい』

最原『顔も見たくない、声も聞きたくない……君の存在を忘れてしまいたいよ』

赤松「やめて!やめてぇぇぇっ!そんな酷い事を言わないでぇぇっ!」

368: 2017/04/11(火) 01:51:50.53 ID:sEo/dOlr0
最原『僕にあんなに酷い事を言ったのにそんなことを言うの?最低だね』

最原『僕が止めてくれって言ったことを赤松さんは止めてくれたことがあった?無いよね?なら、赤松さんにそんなことを言う資格なんて無いよね?』

??『ついでに、最原くんの事を好きになる資格もね……!』

赤松「やめてやめてやめてやめてやめて!!!」

最原『これは君が選んだ結末だよ。僕を嬲って、痛ぶったからこうなった』

最原『一緒にピアノを弾いていた日々と言う楽しい時間を投げ捨てて、君が選んだ結末……満足でしょ?』

最原『今更後悔なんかしてないよね?被害者は僕で、君は加害者、そうでしょ?』

赤松「……ぁぁぁ……やめ、最原、く……」

??(……もう諦めなよ。素直に認めようよ。この事態を招いたのは他でもない私自身。楽しかったあの日々を捨てて、あなたが選んだ道なの)

??(一度捨てたものはもう二度と拾うことは出来ない……。もう、私はあの楽しい日々には戻れない。最原くんと元の関係にも戻れない)

赤松?(早く認めよう?それで、自分の罪に溺れてしまおうよ……ワ・タ・シ……!)

最原『大嫌いだ』

最原『君なんて大嫌いだ』

最原『大嫌いだ大嫌いだ大嫌いだ』

最原『嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い』

赤松「あ、ああ……あは、あはははは……」

最原『……赤松さんなんて、大嫌いだ』

赤松「あははははははは!あははは……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁっ!!!!!」

――――――――――

369: 2017/04/11(火) 01:56:18.50 ID:sEo/dOlr0
赤松(……全部、悪いのは私。全て私の責任……あの楽しかった日々も、優しい最原くんの笑顔も、もう二度と戻ってこない……)

赤松(私は嫌われて当然の女の子、私は最原くんに愛される資格なんて無い女の子、私は……最原くんを好きだなんて言ってはいけない女の子……)

赤松(……こうして楽しかったあの日々を思い返しながら、今の苦しみを噛み締める事だけが、私に出来る数少ない罪滅ぼし……ううん、これは私への罰なんだ。これをした所で、私の罪は消えないんだ……)

赤松「ごめんなさい、最原くん……さよなら……」






赤松楓 絶望度 99→100 絶望化 軽度の精神崩壊 性格は卑屈に 救助が困難になりました

―――最原フェイズ

最原「……朝だ、行動を開始しよう」

どうしますか? 3つ下の回答で決定

370: 2017/04/11(火) 01:57:54.58 ID:izot0jWWO
赤松のところに行くんだよ!!

394: 2017/04/11(火) 20:23:40.64 ID:sEo/dOlr0
―――真宮寺の私室

真宮寺「………」

姉清「是清……私のせいであなたを苦しめてしまって、本当にごめんなさい……」

真宮寺「良いんだヨ、姉さん……姉さんの罪は僕の罪、愛する人の罪を共に背負うのは当然のことじゃないか」

姉清「でも、そのせいであなたは大切な友人をなくしてしまった……本当に、どう謝れば良いのか……」

真宮寺「………」

最原「……それはちがうよ。真宮寺……さんで良いのかな?」

姉清「!?」

真宮寺「さ、最原くん?一体僕に何の……?」

最原「……真宮寺くんは友達を無くしてなんかいない。僕はまだ、君の事を大切な友達だと思ってるよ。真宮寺くん、君は違うの?」

真宮寺「っっ……。でも、僕は皆を傷つけてしまった……今、皆が感じている絶望感は、すべて僕が生み出したものサ。そんな僕が、皆の友達になんてなれるはずが……」

最原「……ううん、真宮寺くんは何も悪くないよ。悪いのは、皆に酷い事を言ってしまったこの僕なんだ」

真宮寺「なっ!?そ、そんなわけが無い!君は何も悪くない!君が罪悪感を感じる必要なんてどこにも……」

395: 2017/04/11(火) 20:29:07.56 ID:sEo/dOlr0
最原「……僕は、まんまと黒幕の思惑にひっかかってしまった。その結果が今の状況だ。皆にどう謝れば良いのか皆目検討もつかない……僕は、ひどい人間なんだ……」

真宮寺「違う!最原くん、君は素晴らしい人間サ。僕は君の友人になれた事を幸せに思っている。君は誰かのために怒り、喜び、涙できる素晴らしい人間なんだ!だから、だから……」

最原「……同じだよ、真宮寺くん」

真宮寺「え……?」

最原「僕も、君の事を素晴らしい人間だと思ってる。良い友人を持てたと、本当に幸せに思ってる。そんな君が、自分の事を卑下するなんて僕は到底耐えられない……今、君が僕にそうしてくれた様に、僕も君を大切に思うからこう言うんだ。本心から、僕は君を友達だと思っているよ」

真宮寺「最原、くん……!」

姉清「……是清、前を向きなさい。あなたは何も悪くないわ」

真宮寺「ね、姉さん……?」

姉清「全ての元凶はこの私……私の犯した愚かな過ちが、この事態を引き起こした。あなたは何も悪くない。本当に馬鹿ね、私ったら……あなたには、こんなに良い友人が居ると言うのに、それを試すだなんて、大馬鹿よ……」

真宮寺「……っっ!」

姉清「……是清、あなたの友達はあなたの力を必要としているわ。なら、その思いに応えてあげなさい……私が愛する人は、友人の思いに応えられない様な薄情者では無いでしょう?」

真宮寺「……最原くん、本当に良いのかい?僕は……」

最原「……良いに決まっているさ。君が居たから僕は今、こうしていられる。僕が絶望して自ら命を絶たなかったのは、君が居てくれたからなんだ。だから……もう一度僕を支えて欲しい。皆と一緒に笑える様になるために……!」

真宮寺「………」

396: 2017/04/11(火) 20:33:56.19 ID:sEo/dOlr0
姉清「是清……!」

真宮寺「……姉さん、僕は決めたヨ。この罪は消えない、でも、この罪を背負ってでもやらなきゃいけない事がある……!自分の不始末をつけるためじゃない。僕は、大切な友人の為にこの絶望に立ち向かう……。そう、決めたヨ」

姉清「それで良いのよ、是清。私もあなたに協力する……私自身の罪を償う為に、あなたとあなたの友人を助ける為にね」

最原「……ありがとう、真宮寺くん」

真宮寺「お礼を言うのはこっちの方サ。最原くん、君が居てくれなければ、僕は永遠に苦しみ続けてこの命を終わらせていただろう……君には感謝しているヨ」

真宮寺「だからこそ、僕は君のその思いに応える。僕は君の友人サ、それに恥じない活躍を見せるヨ。……僕を頼ってくれた事、決して後悔させないからネ……」

真宮寺是清の絶望度 90→0

希望の力が一つ上がりました!

―――昼

最原「……さて、どう行動すべきかな?」

どうしますか? 3つ下の回答で決定

402: 2017/04/11(火) 20:47:30.35 ID:sEo/dOlr0
―――入間の研究教室前

最原「……入間さん、話があるんだ。ここを開けてよ!入間さん!」ドンドン!

―――シーン……

最原「……駄目だ、何か発明した機械でドアをロックしてるみたいだ。今の僕じゃどうしようもないな……」

最原「……皆と相談して方法を考えないと……残念だけど、今日は諦めて帰ろう……」

入間「……最原……」

入間「……私を貶しに来たのか……?それとも、やられた事をやり返しに来たのか……?うぅ……恐いよぉ……」

入間「なんとかしなきゃ、なんとかしなきゃ、なんとか……しなきゃ……っ!」

―――夜 白銀フェイズ

白銀「さ~て、誰を虐めてこようかな~?」

415: 2017/04/11(火) 21:23:42.97 ID:sEo/dOlr0
―――入間の研究教室

入間「は、はぁぁ……っ!や、やった、出来た!最原に謝る為の練習用シュミレートマシン!これを使って、最原に謝る為の心構えをするんだ!」

入間「……そ、そうだ……今度こそ俺様は、まっすぐに最原と向きあって謝るんだ……!その為に、俺様はっ!」カチッ…

白銀「……ふふふふふ……」カタカタ…

――――――――――

入間「ん……。よ、よし!シュミレート世界に入れたみたいだな!早速最原を探して、謝る練習をするんだ!」

最原「……そこに居るのは、誰……?」

入間「こ、この声は……最原!やった、こんなに早く会えるなんて……!」

最原「その声は……入間さんなの?」

入間「あ、ああ!俺様だぜ!最原、俺様がわる、か、った……?」

最原「………」

入間「え……?な、なんで目の部分に包帯なんて巻いてるんだ?俺様は、こんな設定なんか……」

最原「……入間さん……なの?」

入間「ひ、ひいっ!?ど、どうしてこんな事に……?」

416: 2017/04/11(火) 21:28:45.94 ID:sEo/dOlr0
真宮寺「……忘れたのかい?すべて君のせいなんだヨ?」

入間「お、俺様のせい……?」

キーボ「王馬くんから受けた仕打ちで目を傷めた最原くんは、そのまま自分の眼球を潰して……くうぅ……っ」

入間「あ、あの時の……!?私が、最原を見捨てた時のことなの……!?」

獄原「い、入間さんが最原くんを助けてあげてればこんな事にはならなかったのに……!なんで助けてあげなかったのさ!?入間さん!」

入間「あ、あぁぁ……うぅぅぅぅぅっ……」

最原「ねえ、誰かそこに居るの?僕、何も見えないんだ……」

入間「……こ、こんなの設定間違いだ!り、リセットしよう!もう一回だ!」

―――ヴーーンッ!

入間「……はぁ、はぁっ……よ、よし、今度こそ……」

最原「……ねえ、そこに誰か居るの?」

入間「さ、最は……ら……!?」

入間(こ、今度は目の包帯に加えて車椅子!?し、しかも……片脚が無くなって……!)

真宮寺「……王馬くんの罠に引っかかった最原くんは、自分で目を潰してしまって……」

キーボ「しかも、トラバサミで挟まれた脚が長い間挟まれたせいでもう切断するしか無くなってしまったなんて……」

獄原「どうして助けてあげなかったの!?入間さん……!なんで!?どうしてっ!?」

入間「ち、違う……!リセット!リセットだっ!」

―――ヴーーンッ!

417: 2017/04/11(火) 21:33:23.03 ID:sEo/dOlr0
入間「今度こそ……今度こそっ!」

最原「……そこに誰か居るの?」

入間「あ、あぁ……!?また、怪我が酷く……!」

最原「……ねえ、誰か居るの?誰なの?」

入間「リセット!リセットだぁぁっ!」

―――ヴーーンッ!

真宮寺「……全身打撲のせいで体に後遺症が……もう、満足に動くことも……」

獄原「なんで助けてあげなかったのさ!?」

入間「リセット!」

キーボ「視力だけでは無く、聴覚まで……!もう、誰かと会話する事は絶望的です……」

獄原「い、入間さん……どうして……!?」

入間「り、リセット……!」

真宮寺「……度重なる虐待行為に最原くんの心は……!」

キーボ「うう……僕たちがついていながら、こんなことになってしまうなんて……!」

獄原「入間さんが助けてあげてれば、こんな事にならなかったのに……!」

入間「リ、セット……」

入間(なんで……どうして!?回数を重ねれば重ねるほど状況が悪くなる!私はこんな設定はしてないのに!?)

入間「つ、次はどうなるんだ……?どうな、って……っっ!?」

418: 2017/04/11(火) 21:36:37.76 ID:sEo/dOlr0
最原「………」

真宮寺「う、うぅ……うぅぅぅぅ……」

キーボ「最原くん……最原くぅぅぅん……」

入間「葬、式……?最原の……?終一が、氏んだ……?」

獄原「入間さん……!何で助けてあげなかったんだよぉぉ……!入間さんが助けてあげてれば、最原くんは、最原くんは……っ!」

入間「わ、私の、せい……?ち、違う!これは現実じゃ無いんだ!こんなの違うんだ!」

入間「り、リセットしなきゃ……もう一度、設定を……」

最原「……またそうやって逃げるんだね」

入間「ひっ!?」

最原「また僕を裏切って、僕を傷つけた事を無かった事にして、自分の罪から逃げるんだね……。君は何も成長していない、何も変わっちゃいないんだ……!」

入間「あ、あぁ……あぁぁぁぁぁぁ……」

最原「……入間さん、現実にリセットボタンは無いんだよ。その事をよーく覚えておいてね……!」

入間「う、う……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」

入間美兎 絶望度 89→94

最原フェイズ 朝

最原「……朝だ。行動を開始しよう……!」

426: 2017/04/11(火) 22:48:05.22 ID:sEo/dOlr0
―――王馬の私室

王馬「………」

最原『……今更、君を信じられるわけないだろ。君が今まで積み重ねてきた信頼なんて、そんなもんしかないんだからさ』

王馬「……ああ、そうだよ、最原ちゃん……俺は所詮、嘘つきの嫌われ者さ……」

王馬「でもね……嫌われ者にしか出来ない役目も確かにあるんだよ……!」

―――中庭

最原「……居た!王馬くんっ!」

王馬「……ああ、最原ちゃんじゃん!どうかしたの?」

最原「王馬くん……僕は、君に話したいことが……」

王馬「……あー、ダメダメ!俺、今すごく忙しいんだ!最原ちゃんと話してる時間なんてないんだよ!」

最原「えっ……!?」

王馬「だからごめんね!お話はまた次の機会ってことで……」

獄原「ちょっと待ってよ、王馬くん!」

427: 2017/04/11(火) 22:51:45.49 ID:sEo/dOlr0
王馬「えっ……!?ご、ゴン太……?ど、どうしたんだよ、そんな顔して?俺、何かしたっけ!?」

獄原「……王馬くん。ゴン太は、王馬くんが本当は良い人だってこと知ってるよ。今、王馬くんは本当に忙しくしてる理由は、皆の為なんでしょ?」

王馬「っっ……!」

獄原「何をしているの?ゴン太たちに話してよ!ゴン太も手伝うから、一人で抱え込まないでよ!」

王馬「……無理だね」

獄原「えっ……!」

王馬「それは出来ない……だって、これは俺が一人でやらなきゃいけないことなんだ。誰にも迷惑かけずに、俺が一人でやらなきゃいけないことなんだよ」

獄原「……王馬くん、君は……?」

王馬「……それが俺に出来る唯一のことなんだ。もう、これ以上黒幕の思い通りにさせるわけには……!」

最原「まさか……!君は、黒幕の正体に気がついているの!?」

王馬「……白銀ちゃんでしょ?あの一週間の中で、彼女の行動には違和感と嘘があった……俺が犯人を断定するには、それで十分さ」

王馬「だからこそ、俺は彼女の次の手をつぶさなきゃならないんだ!皆に最原ちゃんのことを諦めさせないと、白銀ちゃんは次に皆のその感情を利用して何かを仕掛けてくる!だから、俺が……っ!」

最原「……一人で全部を解決するって事?誰にも迷惑をかけずにかい?」

王馬「……ああ、そうさ。嫌われ役の俺にしか出来ないことさ。だから最原ちゃん、俺は……」

最原「……君はいつからそんなつまらない奴になったんだい?」

王馬「……え?」

429: 2017/04/11(火) 22:59:56.85 ID:sEo/dOlr0
最原「皆のために嫌われ役を演じて、お得意の嘘も封印して、一人で黒幕に立ち向かう……そんなの、君のすることじゃないだろう?」

王馬「な、何を言ってるの……?」

最原「僕の知っている王馬くんなら、黒幕に負けっぱなしなんか嫌だって言って、自分の為に黒幕に勝負を仕掛けていたはずさ。例え皆を守りたいって思いがあっても、君はそれを口にする事は決してないはずだよ」

王馬「うっ……!」

最原「……もし、君が嘘をつけなくなった理由が僕にあるのだと言うのなら……僕は君に謝らなくちゃならない。君をそうしたのは僕なんだ、本当にごめん」

王馬「……そんなこと言わないでよ最原ちゃん。俺は、自分でそう決めたんだ。黒幕に好き勝手されるのはもう御免だからね」

最原「なら、それを僕にも手伝わせてよ。その代わり、君も僕を手伝って欲しい。僕と君が組めば無敵さ、そうだろう?」

王馬「……最原ちゃん、俺は……」

最原「……迷惑かけないなんて言わないでよ。僕と君はライバルだろう?君の引き起こした厄介事を解決するのが僕の役目じゃないか」

王馬「っっ……!」

獄原「王馬くん……!」

434: 2017/04/11(火) 23:26:08.28 ID:sEo/dOlr0
王馬「……くくく!あはははは!何だよ、人がせっかく頑張ってるって言うのに二人とも好き勝手言っちゃってさ!それは俺の役目だろう!?俺、悲しいよ!」

獄原「ええっ!?ご、ごめん!ゴン太のせいで王馬くんを悲しませちゃったなんて……」

王馬「ふう……。ま、いっか。そろそろ皆のためなんてかったるいことにも飽きてきた所だし、その役目は最原ちゃんに任せるよ。俺は作戦担当の参謀って事で!」

獄原「え……?そ、それじゃあ!」

王馬「正義の味方と悪の総統の共同戦線なんて燃えるよね~!んじゃ、軽く黒幕をぶっ飛ばすとしますか!」

獄原「お、王馬くん!」ダキッ!

王馬「ぎゃぁぁぁぁっ!ゴン太、お前馬鹿っ!お前に思いっきり抱きしめられたら氏んじゃうだろ!?」

獄原「あっ、ご、ごめんっ!」

王馬「……ふう、氏ぬかと思った。さて、最原ちゃん、覚悟してよね?俺を仲間に引き込んだんだ、相当面倒で厄介なトラブルを引き起こしてやるからさ!」

最原「ああ、覚悟してるよ。これからよろしく、王馬くん!」

王馬「にしし!……安心していいよ、最原ちゃん!平穏な日常は送れない代わりに、毎日をつまらなくないものにしてあげるからさ!俺と最原ちゃんが組めば、黒幕なんて目じゃないよね!」

王馬小吉の絶望度 76→0

希望の力が一つ上がりました!



モノクマ「嫌われの呪い」【後編】



引用: モノクマ「嫌われの呪い」