749: 2013/04/26(金) 21:31:03.36 ID:2u/E7qwVo


【まどマギ】ほむら「時の卵?」【前編】
【まどマギ】ほむら「時の卵?」【中編】



第8話「そんなの、私が許さない」


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ニアよろしい

  よろしくない

750: 2013/04/26(金) 21:33:48.00 ID:2u/E7qwVo
ズゴゴゴゴゴゴゴ!!!


サラ「魔神器が……!」

ボッシュ「駄目か! グランドリオンをもってしても止めることができぬ!」

ガッシュ「やはりムリであったか!? 人の手で、この力をコントロールするのは……!」

ハッシュ「むう……! この次元のゆがみは……!?」

ボッシュ「いかん……! このままではヤツの次元の渦にのみこまれるぞ!!」


ジャキ「姉上ッ!!」

サラ「いけない、ジャキ! 来てはダメ……!」

ジャキ「で、でも……!?」
夢の中で逢った、ような……

751: 2013/04/26(金) 21:37:10.56 ID:2u/E7qwVo
ズズズズズズ...!!!

ボッシュ「こ、これは……!!」

ハッシュ「まさか、タイムゲート!?」

ガッシュ「しまった……!!」


ジャキ「あ……姉上ーッ!!」

サラ「ジャキッ!?」



「キュアアアアオオオアオオオォォォォオオン…………!!!!!」


…………

………

……



752: 2013/04/26(金) 21:39:40.73 ID:2u/E7qwVo
ジャキ「う、うう……ここは……」


ジャキ「姉上!? 姉上、どこにいるの!」

ジャキ「誰もいない……。それに、見たこともない森の中だ……」

ジャキ「ラヴォス……! ちくしょう、ちくしょう……!!」


…………



753: 2013/04/26(金) 21:41:59.32 ID:2u/E7qwVo
ジャキ(夜が更けてきた……)

ジャキ(あれから歩き回ったけど、木ばっかりで何もない……。出口も分からないし……)

ジャキ(どこなんだよここは……。くそ……もう……歩けない……)

ジャキ「……」

ジャキ(おなか減ったなあ……)


アオオオォォーン!!!

ジャキ「!? ……遠吠え……獣の……」

ジャキ(そうだよな……森なんだし……いる、よな……)

ジャキ(……エサとして食べられてしまうかも……。ここで氏ぬのか……ボクは……)


ジャキ「……あね、うえ……」


…………



754: 2013/04/26(金) 21:46:44.45 ID:2u/E7qwVo
ジャキ「……ハッ!?」

???「ん? よっ、目が覚めたかい?」

ジャキ「な、なんだお前!?」

???「なんだはねえだろ。命の恩人に向かってさ」

ジャキ「恩人……?」

???「森ん中でぶっ倒れてたのを助けてやったんだ、感謝しろよ?」

ジャキ「助けたって……ここはまだ森の中じゃないか!」

???「しょうがねえだろ。アタシだって、ワケ分かんねえうちに突然こんなとこ飛ばされたんだ」

ジャキ「……使えないヤツ」

???「……口の利き方がなってねえな。誰かさんそっくりだよ」

755: 2013/04/26(金) 21:49:52.01 ID:2u/E7qwVo
ジャキ「誰かさんって誰のこと……」グウゥゥ...

ジャキ「……ッ!」

???「アハハッ。お前、腹減ってるんだろ?」

ジャキ「う、うるさいな……え?」


???「食うかい?」

ジャキ「これ……リンゴ?」

???「そこの木の上に生えてたんだよ。ま、オコサマにはちょっと手が届かないかな?」

ジャキ「……」シャクシャク

???「お前なあ……ありがとうぐらい言えねえのかよ、ったく」

756: 2013/04/26(金) 21:52:55.43 ID:2u/E7qwVo
ジャキ「『お前』じゃない。ジャキだ」

???「は?」

ジャキ「名前だよ」

???「あ、そ。アタシにも『お前』じゃなくてちゃんとした名前があるんだけどね」

ジャキ「聞いてやるよ」

???「……っとに、可愛くないな。まあいいか……」



杏子「アタシは佐倉杏子だ。よろしくな、ジャキ」


――――

―――

――



757: 2013/04/26(金) 21:56:03.84 ID:2u/E7qwVo
B.C.12000 北の岬


魔王「お前と出会ったのも、それが最初だったな……。あれから色々あったものだ……」

杏子「……」

魔王「何年たってもお前はあの時のままだな、杏子」

杏子「魔法少女はピーク年齢まで成長したらそこで止まるんだよ。誰に聞いたか忘れちまったけど……」

杏子「っつーか、なんなんだよ。思い出話をするために、わざわざこんなトコまで来たのか?」

杏子「ラヴォスとの戦いで受けた傷だって癒えちゃいないんだろ。なのに……」


魔王「お前との奇妙な縁もこれで終わりということだ」

杏子「はあ!? なんだよ、それ! まだこれからだろ!」

杏子「あの空に浮かぶ『黒の夢』――変わり果てちまった海底神殿に乗り込んで、ラヴォスを倒すんだろ!」

魔王「話は終わりだ。迎えが来た……」

杏子「え?」

758: 2013/04/26(金) 21:58:19.97 ID:2u/E7qwVo
カエル「気づいてやがったのか、魔王……」

魔王「人の過去話を盗み聞きとは、いい趣味だな……」

カエル「偶然聞こえちまっただけだぜ」

杏子「カエル男……」


魔王「我が城でラヴォスを呼び出すことをお前に邪魔され、杏子とともにたどり着いた先がこの時代……」

魔王「皮肉なものだ。歴史を知る私は、予言者として女王に近づきラヴォスとの対決を待った……」

759: 2013/04/26(金) 22:00:32.28 ID:2u/E7qwVo
魔王「ヤツが作り出した渦に飲まれ中世に落ちて以来、私はヤツを倒すことだけを考え生きてきた……」

魔王「そう、それだけだった……。すべてを犠牲にするつもりだった……」

杏子「ジャキ……?」


魔王「だがどうだ? 結果は、このザマだ。私には甘さがあった……だから負けたのだ!」

魔王「お前のせいだ、杏子。お前のせいで私は弱くなった……」

杏子「……」

760: 2013/04/26(金) 22:03:06.55 ID:2u/E7qwVo
魔王「私は立ち返らねばならぬ……。あの日感じた、憎しみの業火の中にな……」

魔王「ラヴォスの前では、すべての者に黒き氏の風が吹きすさぶ。ちっぽけな情などヤツの前ではゴミ同然」

魔王「そんなものに頼る弱き者は虫ケラのように氏ぬ。あのクロノとかいうヤツと同じようにな!」

カエル「……! あいつを侮辱する気か……!」


魔王「剣を抜け、カエル……いや、グレン。お前にかかずらうのも、もはやこれまで」

杏子「!」

魔王「ここで決するとしよう。一騎打ちでな!」

カエル「……」

魔王「どうした? 疲弊した私を頃すこともできぬほど、お前は弱いのか!」

761: 2013/04/26(金) 22:08:30.46 ID:2u/E7qwVo
杏子「やめろ! やめてくれ、ふたりとも!」

魔王「邪魔をするな、杏子! これはヤツと私の、男の矜持をかけた戦いだ!」

杏子「なにが男だ! 今のアンタは、ただのひねくれジャキ坊やだよ!」

魔王「なんだと……!?」


杏子「一度失敗したくらいであきらめて、自棄になって……」

杏子「挙句、自分でケリをつける勇気がないから、コイツに頃してくれって頼んでるだけだろ!」

魔王「……」

杏子「ふざけんじゃねえぞ……。そんなの、アタシが許さない!」

762: 2013/04/26(金) 22:10:25.90 ID:2u/E7qwVo
杏子「カエル男……いや、グレン、だっけか」

杏子「ジャキに手を出すってんなら、アタシが先に相手になる!」

カエル「……」


杏子「二度も……失うのは、ゴメンなんだよ!」

763: 2013/04/26(金) 22:12:38.73 ID:2u/E7qwVo
カエル「……もういい」

杏子「え?」

カエル「今キサマを倒したところでクロノは戻って来ん……。サイラスもな……」

魔王「……」


カエル「魔王。お前はさっき、仲間の情などくだらんと言ったが、俺はそうは思わない」

カエル「『時代を超えて人間が、この星そのもののためにひとつになれば』」

魔王「……!」

カエル「お前の時代の人間、理の賢者ガッシュが遺した言葉だぜ」

764: 2013/04/26(金) 22:15:37.78 ID:2u/E7qwVo
カエル「佐倉杏子。お前は魔王城で対峙したあの時、俺たちを殺そうとはしなかった」

カエル「そうしようと思えばできたはずなのにな。これで、借りは返したぜ」

杏子「アンタ……」


カエル「お前の言うとおりだ。一度失ったものを取り戻すには、大変な労力が要る」

カエル「大事にしてやれ……。恋人なら、な」

765: 2013/04/26(金) 22:18:54.27 ID:2u/E7qwVo
杏子「は? なんのこと?」

カエル「へ?」

杏子「ジャキがアタシの恋人? なんだよそれ、ありえねー。ていうかキモい」

カエル「キモい!?」

魔王「……」


杏子「コイツはアタシの弟みたいなもんだよ。家族同然のヤツを大切に思うのは、当たり前だろ?」

カエル「え、家族? 同然? ファミリー的な……?」

杏子「それともなに、アンタ近親相Oフェチ? うわー、勇者サマってやっぱぶっ飛んだ思考してるわ」

カエル「やめろォォ! 俺をイジって三枚目キャラにおとしめるのは、さやかだけで十分だ!」

766: 2013/04/26(金) 22:21:16.81 ID:2u/E7qwVo
カエル「俺はシリアス担当、俺はシリアス担当……」ブツブツ

杏子「な、なんだよコイツ。急にいじけだしたぞ」

魔王「フ……ククク……。これでは勇者ではなく、ただの道化師だな……」

杏子「ジャキ?」


魔王「グレン。私と杏子を連れていけ」

カエル「な、なに!? ふざけるな、そこまでしてやる義理はない!」

魔王「ヤツを……クロノを生き返らせる手、ないわけではない……」

カエル「なんだと? 何を知ってるんだ、お前……」

魔王「詳しく話してやる。さあ、杏子の仲間のもとへ案内しろ」

767: 2013/04/26(金) 22:25:02.39 ID:2u/E7qwVo
年代不明 時の最果て


さやか「っとに、あんたはもう……。敵対したり、仲間になったり、なんだっつーのよ!」

杏子「悪かったって。落ち着いたら、話すよ」

マミ「でもこれで、バラバラになったみんながようやくそろったわね!」

ほむら「ここまで長かったわ……」


まどか「あの……ジャキくん……」

魔王「鹿目まどか。その呼び方はやめろ」

まどか「ぇう……なんだか怖いよ、ジャキくん……。前みたいに、お姉ちゃんって呼んでくれないの?」

魔王「……」

768: 2013/04/26(金) 22:26:59.16 ID:2u/E7qwVo
カエル「さて、魔王。そろそろクロノを生き返らせる方法ってやつを教えてもらおうか」

マール「……!」


魔王「『クロノ・トリガー』……別名、『時の卵』だ」

ほむら「時の卵?」

魔王「失った時を戻し、氏者をよみがえらせる……」

魔王「運命を『やり直す』ための、禁忌の扉を開くことができる唯一の鍵……」

ほむら「運命を……やり直す……」

769: 2013/04/26(金) 22:30:54.89 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「まさしく神の所業ね。で、それはどこにあるわけ?」

魔王「時の賢者ハッシュが研究していたと聞いている」

ロボ「ハッシュさんはどこにいるのデスカ?」

魔王「……知らん」

さやか「ダメじゃん!」


マミ「それでも、何も手がかりがないよりはマシじゃないかしら?」

ほむら「そうね。シルバードで、まだ訪れたことのない場所をしらみつぶしに当たってみるわ」

さやか「気の長い話だな~……」

770: 2013/04/26(金) 22:33:06.69 ID:2u/E7qwVo
マール「私も行くよ、ほむらちゃん!」

ほむら「いても立ってもいられないって感じね。いいわ、行きましょう」


ルッカ「時の卵か……。未来の情報センターで何か分からないかな?」

ロボ「デハ、ワタシたちはそちらへ向かいマショウカ? ガッシュさんにも話を聞いてみマショウ」

ルッカ「シルバードはほむらたちが使うから、私たちはゲートで行くわよ!」


エイラ「マミ! 卵、いっぱいある! イオカ、行く!」

マミ「うーん……食用卵とは違うと思うけど。でもまあ、じっとしているよりは、いいか」

771: 2013/04/26(金) 22:35:07.26 ID:2u/E7qwVo
さやか「あたしらはどうしよ? 師匠」

カエル「そうだな。俺たちはボッシュのじいさんのほうでも当たってみるか」

さやか「じゃあ現代だね!」


杏子「やれやれ、忙しいやつらだな」

魔王「人ひとりのためにご苦労なことだ」



まどか「……」


…………



772: 2013/04/26(金) 22:39:55.47 ID:2u/E7qwVo
数日後


さやか「ダメだあ~。なんにも分かんなかったよ~」

カエル「ボッシュのじいさんも知らないとなると、な……」

さやか「ゲートでバラバラになったんじゃね……。あたしらだって、お互いの場所は知らなかったわけだし」


さやか「マミさんのほうはどうだったっすか?」

マミ「ダメね。まあもともと、可能性は薄かったけど……」

さやか「戦利品はケーキだけか。つか、なんでケーキ作ってきてるんですか……」

マミ「だ、だってエイラが食べたいって言うから……」

エイラ「うまっ! めちゃうまっ! ふわふわ! 卵、ふわふわ、なった! マミ、まじ魔法使い!」

カエル「お前ら何しに行ったんだよ……」

773: 2013/04/26(金) 22:43:29.57 ID:2u/E7qwVo
さやか「あとは、ほむらとルッカさんのほうで何か……お、噂をすれば」

ヒュウウウウウン...

カエル「シルバードの駆動音か。帰ってきたみたいだな」


ほむら「何か分かった?」

カエル「それを聞くということは、そっちもダメだったみたいだな」

マール「うん……」

ほむら「マール、大丈夫よ。まだ行ってないところはたくさんあるのだから」


杏子「ジャキ。アンタ、ほんとにハッシュの所在、知らないのか?」

魔王「……」

774: 2013/04/26(金) 22:46:27.98 ID:2u/E7qwVo
まどか「……」


老人「みな、苦労しているようじゃな」

まどか「管理人さん……」

老人「幸せですな、クロノさんは。こんなにも思ってくれる人たちがいる……」

まどか「そう、ですね……」


老人「氏んだ者を生き返らせる。今まで何人の人が、望んだことだろうね」

老人「だがそれは、決してかなわぬ、かなえてはならぬ願いじゃ。そうは思わんか、まどかさん」

まどか「わたしは……」

775: 2013/04/26(金) 22:50:04.16 ID:2u/E7qwVo
老人「命はひとつであるもの。時の流れは、人の手によっておいそれと変えていいものではない」

老人「神に近づこうとした人間はみな、重くつらい業を背負うことになる。それは、歴史が証明しておる」

老人「運命がその者に滅びと絶望を与えるのであれば、甘んじて受けるべきじゃ。違うか?」

まどか「それは違います!」

老人「ふむ?」

まどか「あ……いえ……すべてが違うわけじゃ……。管理人さんの言うことも、もっともだと思います……」

老人「続けなさい」

776: 2013/04/26(金) 22:55:00.04 ID:2u/E7qwVo
♪クロノとマール ~遠い約束~(クロノ・リメンバー)


まどか「わたし……誰かにばっかり戦わせて、自分で何もしない卑怯な子で……なんの取り柄もなくて……」

まどか「でも、ほむらちゃんと出会って……わたしのために、苦しんでるのに……」

まどか「わたしを……守ってくれて……望んでくれて……」

まどか「さやかちゃんも……マミさんも杏子ちゃんも……みんな……がんばってて……」

まどか「わたしなら……なんでもできるって……でも、なんにもしちゃいけないって……」


老人「……」

まどか「ごめん、なさい……。なに言ってるか、分かんないですよね……。頭、ぐちゃぐちゃで……」

777: 2013/04/26(金) 22:57:59.66 ID:2u/E7qwVo
まどか「サラちゃん、が……ひっく……わたしと同じように、無力な自分に……悩んでて……」

まどか「友達に……なれたのに……助けてあげられたのに……わたし……う、うう……」

まどか「サラちゃん……最後は……わたしを守って……ううん……きっと……」

まどか「きっと……今もどこかで、戦ってると思うんです……。ペンダントが、教えてくれてる……」

老人「サラのペンダントか……」

778: 2013/04/26(金) 23:00:01.02 ID:2u/E7qwVo
まどか「わたしも……何かしたい……! でも、分からないんです……。何を願えばいいのか……」

まどか「だから……ぅ、ぐっ……ぇぅ……これだけは……信じ続けようって……」


まどか「希望を抱くのが……間違いだなんて言われたら……わたし……」

まどか「そんなのは違うって……何度でも……いつまでも……言い返す……って……」

まどか「……ひっく……ぇぐ……うわあああああん!!」

老人「……」


…………



779: 2013/04/26(金) 23:02:17.30 ID:2u/E7qwVo
老人「……落ち着いたかね?」

まどか「はい……。あの、すみませんでした……」

老人「ええんじゃよ。私のほうこそ、泣かせてしまってすまんかったの」

まどか「そんな……管理人さんのせいじゃ……」


老人「お前さんの気持ち、聞かせてもろうた。若いのう。もろくはかなく、とても危うい」

まどか「う……。や、やっぱり、そうでしょうか……」

老人「それだけに、とてもみずみずしい。私は、そういうもののほうが好きじゃよ」

まどか「管理人さん……」

780: 2013/04/26(金) 23:06:21.65 ID:2u/E7qwVo
老人「ジジイのたわごとに付きおうてもろたお礼じゃ。お前さんにこれを差し上げよう」

まどか「これは?」

老人「『時の卵』じゃ。その卵をかえす方法は、あの時の翼を作った男に聞きなさい」

まどか「えっ!?」


老人「結局のところ、正しい答えなんぞないのかもしれん……」

老人「だが答えや結果のために行動するわけじゃあるまい? 行動するから結果がついて来る……」

まどか「管理人さん……。もしかして、あなたが……時の賢者……ハッシュさん……」

老人「フフ……。そう言われたこともあるような気がするよ……。そう、はるか昔……な」



老人「まどかさん。ゆっくり探すとええ。お前さん自身が導き出す、お前さんだけの答えを、な」

781: 2013/04/26(金) 23:12:46.20 ID:2u/E7qwVo
カエル「驚いたな。なぜお前がこれを?」

さやか「ていうか持ってたなら早く出してよ! あたしら骨折り損じゃんか~」

まどか「えっと……別にわたしが持ってたわけじゃ……」

マミ「ハッシュさんから譲り受けたの? 彼、どこにいたのかしら?」

まどか「そ、それは……あのぅ……」チラッ


老人「……」ニコニコ

まどか「ど……どこなんでしょうね?」

マミ「ええ???」


ほむら「もういいじゃない、質問攻めはかわいそうよ。大切なのは、時の卵が入手できたということ」

杏子「お手柄だぜ、まどか! あとはコイツの使用法をガッシュのジジイに聞きに行けばいいんだろ?」

782: 2013/04/26(金) 23:15:28.48 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「その必要はないわ!」

ほむら「ルッカ。いつ帰ってきたのよ」

ロボ「先ほどデス。ハッシュさんの居所は分かりませんデシタガ、時の卵について情報を入手しまシタ」

さやか「やるじゃん! で、どうやって使うの?」


ルッカ「時の卵をかえす方法は、大きく分けて三つ」

ルッカ「ひとつ。本当にその人が大切で、その瞬間に戻りたいと心の底から強く願うこと」

ルッカ「ひとつ。『氏の山』に赴き、山頂にて言霊をつむぐこと」

ルッカ「ひとつ。そのものを時の流れの外に連れ出すならば、代わりとなる存在を用意すること」

783: 2013/04/26(金) 23:18:07.13 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「以上よ」

ほむら「最後のひとつがよく分からないわね。『代わりとなる存在』ってなに?」

ロボ「ガッシュさんが言うにハ、『ドッペル人形』……その人ソックリの人形でもアレバ、という話デス」

さやか「そんなの、どこにあんのさ」

ルッカ「それについても調べてきたわ。『ノルシュテイン・ベッケラー』なら制作が可能よ」

マール「あ、その人知ってる! 世界的に有名なマジシャンで、父上が千年祭にゲストとして呼んでたよ」

ルッカ「というわけで現代のリーネ広場に行くわよ、ほむら!」

ほむら「はいはい」


まどか「……あ、あの!!」

784: 2013/04/26(金) 23:20:12.23 ID:2u/E7qwVo
ほむら「まどか、どうかしたの?」

まどか「あのね、ほむらちゃん……。わたしも、連れていってくれないかな?」

ほむら「え?」

マミ「ドッペル人形を手に入れたら、次は氏の山よ? 危険じゃないかしら」


まどか「分かってます。でも、お願いします。なんの役にも立たないかもしれないけど……」

まどか「もう十分、泣きました。だから今度は……探しに行きたいんです」

老人「……」

785: 2013/04/26(金) 23:22:18.49 ID:2u/E7qwVo
ほむら「……分かったわ。一緒に行きましょう」

まどか「ありがとう!」


杏子「いいのかよ?」

ほむら「危険があれば私が守るわ。その代わり、サポートお願いね」

まどか「うん! お薬ぐらいならわたしでも使えるよ!」

杏子「……ふーん……」

786: 2013/04/26(金) 23:23:59.56 ID:2u/E7qwVo
カエル「そういうことなら、スペッキオのヤツに頼んでみればいいじゃないか」

さやか「スペッキオって戦の神様の?」

カエル「鹿目が俺たち同様、魔法の民の子孫であるならば、その力を引き出してもらえるだろ」

さやか「うーん……それっていいのかな……」

カエル「何か問題があるのか?」

ほむら「……」


魔王「……無駄だと思うがな」

杏子「どういうことだよ?」

魔王「試してみればいい。すぐに分かる」

787: 2013/04/26(金) 23:26:52.69 ID:2u/E7qwVo
スペッキオ「ダメだ」

まどか「え? ダ、ダメってどういうこと……?」

スペッキオ「おめー、どエラい力持ってる。オレ、手に負えない」

まどか「……」

スペッキオ「あきらめろ。オレ、おめーにしてやれること、ない」

788: 2013/04/26(金) 23:28:52.83 ID:2u/E7qwVo
まどか「ダメだったよ……」

魔王「やはりな」

エイラ「まど、血、引いてないか?」

魔王「そうではない。あのスペッキオというヤツは、私の力を引き上げることも不可能だった」

魔王「神とうそぶいているが、強大な力を扱うことはできぬようだ」

魔王「あるいは、あえて避けているのかもしれぬがな……」


カエル「当てが外れたな……」

ほむら「……まあ、問題ないわよ。当初の予定どおりなんだし」

まどか「やっぱりわたしじゃ、なんの力にもなれないのかな……」

マール「まどかちゃん……」

789: 2013/04/26(金) 23:34:01.85 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「……と、ここで、殺伐としたスレに天才ルッカちゃんが!!」

ほむら「は?」

ルッカ「ロボ、アレを持ってきなさい!」

ロボ「まどかさん、ドウゾ」

まどか「これは……ボウガン?」


ルッカ「ただのボウガンじゃないわよ。ロボのパーツを流用することにより、大幅パワーアップ!」

ルッカ「従来の手持ちタイプでなく腕部装着型に変更、連射速度・射程・威力ともに申し分なし!」

ルッカ「おまけに軽量・無反動・自動照準機能つきでオコサマでも安心!」

杏子「よい子は使っちゃダメだぞ。杏子お姉さんからのお願いだ」

791: 2013/04/26(金) 23:36:12.33 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「矢の装填もカートリッジ式でスムーズ! 使い方は簡単、ハンドルを回すだけ!」

ルッカ「どーですか、奥さん!」

マミ「えっ、わ、私……? えっと……このボウガンのおかげで私にも友達ができました!」

ロボ「効果には個人差がありマス」


ルッカ「さらには今回、キャンペーンといたしまして……」

ルッカ「アタッチメントとして付け替え可能な小型大砲や炸裂弾もご用意!」

マミ「あらステキ。でもお高いんでしょう?」

カエル(巴が悪ノリしだしたぞ……)

793: 2013/04/26(金) 23:39:22.51 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「いえいえ、ここまでお付けしてお値段……なな、なんと! たったの9980G!!」

マミ「ええ!? そんなに安くて大丈夫なんですか?」

ルッカ「はい、決して損はさせません。さあみなさん、今すぐお電話を!」


ロボ「フリーダイヤル『0120 - 6578(るっかちゃん) - 1031(てんさい)マデ」

ロボ「商品番号96番『狂戦士の連弩』デス。深夜ですノデ電話番号のお間違えないようご注意クダサイ」


ほむら「チャンネル変えていい?」

795: 2013/04/26(金) 23:42:12.83 ID:2u/E7qwVo
まどか「えっと私、お金持ってないんですけど……」

カエル「こいつのアホに付き合わんでいい」

ルッカ「アホとはなによ。ま、もともとお金なんて取るつもりはないわ」

マール「いいなー。私も欲しいよ!」

ルッカ「残念だけどこれ1台きりよ」

まどか「ありがとう、ルッカさん!」


ほむら「もういいかしら? いい加減、話を進めたいのだけれど」

796: 2013/04/26(金) 23:45:19.60 ID:2u/E7qwVo
A.D.1000 リーネ広場 ベッケラーの小屋


ベッケラー「ようこそ、ノルシュテイン・ベッケラーの実験小屋へ。世にも恐ろしいショウが始まるよ」


ルッカ「この人がノルシュテイン・ベッケラーね」

ほむら「人っていうか……顔と手だけしかないんだけど……」

まどか「ベッケラーさん! お願いがあるんです……」


ベッケラー「ドッペル人形がほしい? 君たちのかい?」

まどか「えっと、私たちのじゃなくて、クロノさんっていうんですけど……」

ベッケラー「ふむ。本人しかダメなんだが今日は特別さ。それじゃあ今からゲームをしてもらおうか」

ルッカ「ゲ、ゲーム?」

ほむら「まあ、タダでもらえるわけはないわよね……」

798: 2013/04/26(金) 23:47:28.96 ID:2u/E7qwVo
ベッケラー「アシスタント、カモーン!」

クロノ?「……」

ルッカ「えっ!? ク、クロノ……!?」

ほむら「違うわ、人形よ……」

まどか「そっくりだね。でも、どうして……」


ベッケラー「おや、君たちが欲しいのは彼だったのかい?」

ベッケラー「偶然だなあ。つい最近、ふと思い立って作ってみたんだよ」

ほむら(こいつ……何者……)

799: 2013/04/26(金) 23:51:05.65 ID:2u/E7qwVo
ベッケラー「さて、これからやってもらうのは『モノマネゲーム』さ!」

ほむら「それって、クロノが夢中になってた……?」


ベッケラー「ルールは簡単、このドッペルくんと同じポーズをとり続けるだけ!」

ベッケラー「みごとパーフェクトを達成すれば、彼は君たちのものだ!」

まどか「パーフェクトって何回やればいいんですか?」

ベッケラー「そうだなあ……じゃあ100回」

ルッカ「ひゃ、100回!?」


ベッケラー「それじゃあいくよ。ドッペル・ゴー!」


…………



800: 2013/04/26(金) 23:53:32.29 ID:2u/E7qwVo
デデーン! マドカ、アウトー!

まどか「ぁうっ!」パチーン!


デデーン! ルッカ、アウトー!

ルッカ「う゛いッ!!」バシーン!!


デデーン! ホムラ、アウトー! タイキック!!

ほむら「いやあああ!!!」

801: 2013/04/26(金) 23:55:36.97 ID:2u/E7qwVo
ルッカ「ぜぇ……はぁ……」

まどか「うう……おしりがヒリヒリするよお……」


ベッケラー「おやおや~? クレジットがなくなっちゃったみたいだね」

ベッケラー「シルバーポイントを貯めて、また来てよ!」


…………


まどか「なんか、後半に進むにつれてスピードが上がっていってましたよね……」

ルッカ「無理。あきらめましょう」

ほむら「早いわよ! あきらめたらそこで試合終了よ……!」

ルッカ(タイキックされて涙目になってるくせに……)

803: 2013/04/26(金) 23:57:00.68 ID:2u/E7qwVo
まどか「どうしよう……。あのお人形さんが手に入らないと、時の卵が……」

ほむら「仕方ないわね、彼女の手を借りましょう。ふたりはここで待っていて」

ルッカ「誰を連れてくる気よ?」

ほむら「魔法少女界の高橋名人よ」


…………



805: 2013/04/27(土) 00:02:05.29 ID:pUZ4y/K6o
杏子「誰が高橋名人だ!」


ほむら「任せたわ、名人」

まどか「がんばって、名人ちゃん!」

ルッカ「期待してるわよ、名人」

ベッケラー「今度はその子が挑戦者かい? 『高橋名人』でスコア登録していいのかな?」


杏子「違うっつってんだろ! アタシの名は……『クイーン』」

杏子「ゲームセンターあらしとして名を馳せ、あまりにも有名になりすぎたがゆえに出禁店多数……」

杏子「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ! 『ゲームマスター・クイーン』とはアタシのことだ!!」


ほむら「暇だったのね……普段……」

杏子「モノマネゲーム? へっ、『Dog Drug Reinforcement.』で鍛えたアタシにかかりゃ楽勝だぜ」

ベッケラー「たいした自信だね~。じゃあいくよ? ドッペル・ゴー!」


…………



807: 2013/04/27(土) 00:04:38.64 ID:pUZ4y/K6o
杏子「……どういうことだ……オイ……」


「Marvelous! Rank『A+』!!」

ベッケラー「こりゃすごい。『キング』のハイスコア更新だ!」


杏子「なんでパーフェクトが出ねえんだよ!!」

ほむら「最後のところでミスったわね」

ルッカ「おしかったわねえ。今回こそはと思ったのに」

まどか「杏子ちゃんでもダメかあ……」

杏子「クソッ、まだだ! もう1回やらせ……いてて……尻がいてぇ……」

ほむら「もうシルバーポイントがないわよ」

811: 2013/04/27(土) 00:07:51.12 ID:pUZ4y/K6o
???「見苦しいぞ、クイーン」

杏子「!? 誰だ!」

???「我が名は『ジャック』……」


ジャック「貴様の実力はその程度か? フ……。クイーンが聞いてあきれる……」

杏子「なんだと……! 急に出てきやがって、なにもんだ、テメェ!!」



まどか(あっ、ジャキくんだ)

ほむら(仮面かぶってるけど、あれ魔王よね?)

ルッカ(いつの間に来たのよ……)

813: 2013/04/27(土) 00:10:52.01 ID:pUZ4y/K6o
ジャック「どいてもらおう。次は俺の番だ」

杏子「ヘン、どうせ一発ミスだろ」

ベッケラー「1回40シルバーポイントだよ」

ジャック「……これで足りるはずだ」

ベッケラー「はい、確かに。それじゃあいくよ。ドッペル・ゴー!」


ジャック「はああああ……ッ!!!」カッ!!

817: 2013/04/27(土) 00:13:15.54 ID:pUZ4y/K6o
no title

819: 2013/04/27(土) 00:15:58.58 ID:pUZ4y/K6o
「Congratulation! Rank『S』!! Perfect!!!」


杏子「う、うそだろ、オイ……何がどうなってやがんだ……」

まどか「すごい! 一発クリアだ!」

ジャック「フ……。こんなもの、児戯に等しい……」


ベッケラー「いや~、たまげたね。おめでとう、ドッペル人形進呈だ!」

ジャック「そのようなもの、俺には必要ない。そこにいるヤツらにでもくれてやれ」

ほむら「……いいの?」

ジャック「かまわん。オーディエンスを沸かすのは、王者の勤め……」

ルッカ(ていうか魔王なんだから、最初から私たちのものよね)

820: 2013/04/27(土) 00:19:12.23 ID:pUZ4y/K6o
杏子「くそ……このまんまじゃ引き下がれねえ……!」


杏子「ジャック! クイーンとして、テメェに勝負を申し込む!」

ジャック「ほう……。勝負方法は?」

杏子「この広場の全ゲームで、ハイスコア勝負だ!」

ジャック「ククク……よかろう……。だが決闘(デュエル)には立会人が必要だ……」

杏子「それなら……ルッカ! 頼むぜ!」

ルッカ「なんでよ! 嫌よ!」

822: 2013/04/27(土) 00:20:58.06 ID:pUZ4y/K6o
杏子「これで文句ねえだろ? さあ、とっとと始めようぜ!」

ジャック「クイーンの名、今日限りで返上させてやろう……。フゥーハハハ!!!」

杏子「テメェこそ、あとで吠え面かくなよ!」

ルッカ「はーなーせええぇぇぇ……!!」


…………


まどか「ジャキくんが楽しそうで何よりだよ!」

ほむら「あ、そうですね……はい……」

824: 2013/04/27(土) 00:23:38.26 ID:pUZ4y/K6o
>>821
おっしゃるとおり、そこは伏線です。ただし、別のかたちで。

826: 2013/04/27(土) 00:26:55.62 ID:pUZ4y/K6o
ベッケラー「もう行くのかい? じゃ、これはオマケだ」

まどか「え? これ……私たちのドッペル人形?」

ほむら「私のと、まどかのと……ルッカのまであるわね……」

ベッケラー「大変有意義な時間をすごさせてもらったからね。お礼だ。突貫制作だけど、我慢してくれよ」


ベッケラー「本当は、クイーンとジャックの分も渡そうかと思ったんだけど……」

ベッケラー「彼らはハイスコア登録者だ。ゆっくりじっくり、作らせてもらうよ」

ベッケラー「完成したらこの小屋にでも飾っておこうか。彼らも有名になるだろう」

ほむら(どっちかっていうと、さらし者よね……)


ベッケラー「君たちの幸運を祈ってるよ。時の卵、かえるといいね」

まどか「! どうしてそれを……」

ベッケラー「さてね。三賢者のじいさんたちに会ったら、よろしく伝えといておくれ」

828: 2013/04/27(土) 00:29:55.19 ID:pUZ4y/K6o
A.D.2300 監視者のドーム


マール「というわけで補充メンバーとして私が来たよ!」


まどか「時の卵とドッペル人形、そろえてきました!」

ガッシュ「うむ、よいじゃろう。氏の山がお前たちを受け入れる時が来たようじゃの」

ガッシュ「ゆめゆめ忘れるな。チャンスは一度きり。よく考えて行動するのじゃぞ」

ほむら「……」


ガッシュ「私がこの物体に入力した、本当に最後のプログラム……」

ガッシュ「お前たちをあの山へ導くサポートシステムを起動させよう。少し下がっていなさい」

829: 2013/04/27(土) 00:31:55.44 ID:pUZ4y/K6o
「プログラム スイコウ カイシ!」

「リョウカイ! モクテキチ シノヤマ!」

「リョウカイ! リョウカイ!」


マール「わっ!? なんか飛んでったよ?」

まどか「小さなお人形さんみたいでしたけど……」

ガッシュ「今、旅立った三つの分身が、お前たちを氏の山から守ってくれるじゃろう」

ほむら「ありがとう、ガッシュさん。何から何まで……」


ガッシュ「扉を開いた者たちよ。進むがよい。君たちの先に、きっと『未来』がある……」

ガッシュ「この星を……託したぞ……」

830: 2013/04/27(土) 00:34:18.07 ID:pUZ4y/K6o
なぞの物体「プログラム『ガッシュ』ハ終了シマシタ。電源ヲキッテクダサイ」

なぞの物体「プログラム『ガッシュ』ハ終了シマシタ。電g……。……」



マール「……」

ほむら「……お疲れさま、ガッシュさん……」

まどか「……おやすみなさい……」

831: 2013/04/27(土) 00:35:44.70 ID:pUZ4y/K6o
A.D.2300 氏の山 ふもと


まどか「うぅ……すごい強風! 目を開けていられない……」

ほむら「また風なの……」

マール「ふたりとも、こっちにわき道があるよ! ここから登ろう!」


…………



832: 2013/04/27(土) 00:37:41.96 ID:pUZ4y/K6o
プチラヴォス「キュアアオォアオーン...!!!」


マール「はあ……びっくりしたあ。ラヴォスかと思っちゃった」

ほむら「ガッシュさんの研究によると、今のはラヴォスの幼生体ね」

マール「子供なら、今の私たちでもなんとかなるもんだね~」


ほむら「まどか、大丈夫?」

まどか「うん。ルッカさんのボウガンのおかげで、わたしもなんとか戦えるよ!」

マール「まどかちゃんの援護、ばっちりだったもんね」

ほむら「ルッカはエイラがチートだと言っていたけれど……こと機械に関しては、彼女も十分チートよね」

833: 2013/04/27(土) 00:39:32.04 ID:pUZ4y/K6o
A.D.2300 氏の山 中腹


まどか「開けた場所に出ちゃいましたね」

マール「うーん。ここから先はこの風の中を進むしかないのかなあ……」

まどか「ちょっとでもバランスを崩したら、あおられて転がり落ちちゃいそうですよ……」

ほむら「氏の山に吹きすさぶラヴォスの黒き風……か」

834: 2013/04/27(土) 00:41:35.41 ID:pUZ4y/K6o
マール「あれ? ちょっと待って。道の途中に何かあるよ?」

まどか「あ! あれ、ガッシュさんが飛ばしたお人形さんですよ!」

マール「なんであのお人形さんの周りだけ風が吹いてないんだろ?」

ほむら「……! まさか、防御結界!? とても微弱だけれど……」


まどか「結界って、マミさんや杏子ちゃんが使ってるやつ?」

ほむら「それと同じかどうかは分からないけど、似ているわ。つまり、風除けね」

マール「お人形さんを盾にして進めばいいんだね! ちょうど三つあるし!」

まどか「ガッシュさんのおかげですね!」

ほむら「山頂は近いわ。行きましょう」

835: 2013/04/27(土) 00:46:00.36 ID:pUZ4y/K6o
A.D.2300 氏の山 山頂


まどか「ここが……氏の山のいただき……」

マール「枯れ果てた木が1本あるだけで、なにもないね……」

ほむら「こんなところに長時間いたら、頭がおかしくなってしまいそうだわ」


マール「そうならないうちに、早いとこやっちゃおうよ!」

まどか「じゃ、ほむらちゃん。これ……」

ほむら「……」

836: 2013/04/27(土) 00:47:44.03 ID:pUZ4y/K6o
ほむら(時の卵……運命をやり直せる神の品……)

ほむら(これがあれば……どんな時代でも、どんな瞬間にも戻れる……)

ほむら(……そう……どんな瞬間にも……)


まどか「……ほむらちゃん?」

ほむら「えっ!? あ……よ、呼んだかしら?」

マール「ぼーっとしちゃって、どうしたの? 言霊忘れちゃったとか?」

ほむら「いえ、大丈夫。ちょっと感慨にふけっていただけ……。始めるわよ」


マール「いよいよだね……」

まどか「はい……」

ほむら「……」

837: 2013/04/27(土) 00:49:08.66 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「……夜にふるえる、すべてのおもいよ……」

ほむら「……やみに立ち向かう、すべての生命……」

ほむら「……願わくば、我に力を……!!」


キイイイイイン...

マール「ペンダントが!」

まどか「共鳴してる……!!」



ほむら「今こそ……あの瞬間へ!!!」


ピシッ!!!

838: 2013/04/27(土) 00:50:50.16 ID:pUZ4y/K6o
パキィィ...ィン......



ほむら「……え?」


まどか「た……卵が……」

マール「砕け……ちゃっ……た……」


ほむら「そんな!? どうして!!」

839: 2013/04/27(土) 00:52:40.35 ID:pUZ4y/K6o
まどか「……失敗……しちゃった、の……? わたしたち、なんのためにここまで……」

マール「……うそ……。クロノ……返事をして……! 私をおいて行かないで……!!」

まどか「マールさん……」

ほむら「……」



『ひとつ。本当にその人が大切で、その瞬間に戻りたいと心の底から強く願うこと』



ほむら「……私の……せい、だ……」

840: 2013/04/27(土) 00:54:03.23 ID:pUZ4y/K6o
まどか「ほむらちゃん……?」


ほむら(わ、私……そんなつもりじゃ……ただほんの少し、頭の片隅によぎっただけなのに……)

ほむら(どんな瞬間にも戻れるなら……もしかして、まどかの絶望の運命を変えられる瞬間が……)

ほむら(……ち、違う……私は……本当に……そんなこと……)



『ゆめゆめ忘れるな。チャンスは一度きり。よく考えて行動するのじゃぞ』



ほむら(忘れていた……。私……同じ時間を何度もめぐり続けるうち……忘れてしまっていた……)

ほむら(こ、怖い……! 『やり直せない』ことが……こんなにも、怖いものだったなんて……!)


ほむら「あ、ああ……あああ……!!」

841: 2013/04/27(土) 00:56:16.07 ID:pUZ4y/K6o
まどか「……大丈夫、ほむらちゃん。私の手を握って?」

ほむら「ま、まどか……私……」

まどか「怖くないよ。わたしたちがいるからね……」

ほむら「え……」


マール「……」

ほむら「マール……あ……あの……私、失敗して……」

マール「ううん、ほむらちゃんのせいじゃない。きっと、あなたに全部任せちゃった私のせい」

マール「今度は私たちもそばにいるよ。だからあきらめないで、もう一度……ね?」

842: 2013/04/27(土) 00:58:18.21 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「無理……無理よ……。たとえもう一度チャンスがあったとしても……」

ほむら「きっとまた、同じ過ちを繰り返してしまう……。今までだって、ずっとそうだったもの……」

マール「今まで、何があったの?」

ほむら「そ、それは……」


マール「ふふ。ルッカの言うとおり。ほむらちゃんって、秘密が多いね」

マール「でも信じるよ、私。ほむらちゃんのこと……どんな結果になっても……」

ほむら「どうして……あなたは……何も知らないのに、そんな風に言えるの……」

マール「うーん、なんでかな? わかんないけど、たぶん、こういうことなんだと思う」



マール「クロノも、同じだったでしょ?」

ほむら「……!!!」

844: 2013/04/27(土) 01:00:40.63 ID:pUZ4y/K6o
まどか「さあ、ほむらちゃん」

マール「もう一度、願って」



「あなたは、今、誰を救いに行きたい?」


――――

―――

――



845: 2013/04/27(土) 01:02:37.25 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「……」


ほむら「長い……気の遠くなるような長い、時の迷路を越えて……」


ほむら「あなたを迎えに来たわよ……」

846: 2013/04/27(土) 01:03:44.57 ID:pUZ4y/K6o


ほむら「……クロノ」



847: 2013/04/27(土) 01:05:31.04 ID:pUZ4y/K6o
マール「すごい……。本当に、あの時の……海底神殿でラヴォスと戦った時のままだ……」

まどか「みんな静止してる……あの時のわたしたちも……。これが時間の停止された世界なんだ……」

ほむら(なつかしいわね、この感覚……)

ほむら(そっか。こんなにさびしいものだったのね、私のいた世界は……)


クロノ「――――」

マール「ドッペル人形とすりかえて……と」

ほむら「これで、ラヴォスに消されるのはクロノ本人ではなく人形になるわけね」

マール「ああ、クロノだ! 生きてるよね!? クロノ、帰ろう。みんなのもとへ……!」

848: 2013/04/27(土) 01:07:40.70 ID:pUZ4y/K6o
まどか「……」

サラ「――――」


まどか「ごめんね……。助けてあげたいけど、ダメなの……」

まどか「わたし、もう泣かないよ。分かったんだ、あなたがそばにいてくれてるってこと」

まどか「だから……わたし、行くね」



まどか「……ありがとう、サラちゃん」

サラ「――――」


――――

―――

――



849: 2013/04/27(土) 01:09:50.57 ID:pUZ4y/K6o
クロノ「……」


クロノ(暗い空だ……風も冷たい……。そうか……僕は氏んで、地獄に落ちたのか……)

クロノ(まいったなあ。これでも、真っ当に生きてきたつもりだったんだけど……)

クロノ(ルッカ……ほむら……。僕は、みんなの役に立てたんだろうか……)

クロノ「……」


クロノ(マール……。僕は……君のことを……)

850: 2013/04/27(土) 01:12:05.29 ID:pUZ4y/K6o
マール「クロノ!!!」

クロノ「……え? マール……どうして? 君も氏んだのかい……?」

ほむら「なにを言ってるの、しっかりして。あなたは生き返ったのよ」

クロノ「ほむら……それに君は、まどか……」

まどか「クロノさん、無事で良かった……」

クロノ「どういうことなんだ? 僕が生き返ったって……」


マール「……っ!」


まどか「わ、わわ……!」

クロノ「な、なんだよマール!? 急に抱きついてきたりして……」

ほむら「だ、大胆ね……」

マール「……」

851: 2013/04/27(土) 01:14:15.74 ID:pUZ4y/K6o
♪クロノとマール ~遠い約束~


みんな…… みんな、待ってたんだよ。

もう…… 遠くへ行っちゃあ……、ダメだよ…

クロノがいない間にね…… いろんな事が……のよ…… そして……

……そこでね……私が…… …したの……でも……


……ねえ、クロノ! 聞いてるの?



まだまだ、ぜんぜん話したりないんだから……

852: 2013/04/27(土) 01:16:32.58 ID:pUZ4y/K6o
年代不明 時の最果て


ルッカ「この大バカ者! マヌケ! 甲斐性なし!」

ルッカ「あんたがいないあいだ、すっごく大変だったんだから! 今度ヘマしたら、助けてやんないわよ!」

クロノ「……」

ルッカ「マールが……それに、ほむらも……でも……私だって……」

クロノ「泣くなよ……」

ルッカ「な、泣いてないわよ! バカ! ホントに……バカなんだから……!」

853: 2013/04/27(土) 01:18:33.57 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「あのルッカが泣くとはね」

ロボ「彼女モひとりの女の子ということデス。それにシテモ、本当に良かっタ……」

カエル「お前は幸せ者だぜ。こんなにみんなに思われてよ」

さやか「今のクロノさん、マジ主人公状態っすね!」

エイラ「クロ、戻ってきた! みんな、元気!」

マミ「ほんと。クロノさんがいるだけでこんなにも場が和むなんて……」

杏子「ハッピーエンドってヤツかね? な、ジャキ」

魔王「……フン。まだ何も終わっていないぞ」

まどか「もう~、ジャキくんもちゃんと祝ってあげないとダメだよ!」

855: 2013/04/27(土) 01:20:46.41 ID:pUZ4y/K6o
マール「ね、みんな! 今日は……今日ぐらいは、パーッと騒いじゃってもいいよね?」

ロボ「クロノの復帰祝いデスネ」


さやか「一発芸やってよ、師匠!」

カエル「やらん!!」


エイラ「岩石クラッシュ! 旅出る前、エイラ、持ってきた! 祝い事、酒! 飲む!」

マミ「あらあら……」

まどか「ま、マミさん? よだれ出てますよ……?」

ほむら「マミを止めて。えらいことになるわよ」


魔王「私は参加せんぞ」

杏子「カタイこと言うなよ。どうせ全員、強制参加だろ」

魔王「チッ……」

856: 2013/04/27(土) 01:22:54.70 ID:pUZ4y/K6o
クロノ「いやあ、僕のためにこんな……なんか、申し訳ないな」

ルッカ「何言ってんのよ、クロノ」

クロノ「え?」

ルッカ「あんた主賓でしょーが。そんなとこ突っ立ってないで、さっさと来なさい!」

クロノ「お、おい、引っ張るなって!」


マール「クロノー! なにしてるの、早くー!!」


…………



857: 2013/04/27(土) 01:24:57.72 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「……」


クロノ「ほむら、こんなところにいたのか。みんなの輪の中に加わらないでいいのかい?」

ほむら「……アレに加われと?」



さやか「うっひゃっひゃっひゃ! 師匠の腹芸、サイコー!!」

カエル「くひひ、ワイルドだろぉ~? まだまだ行くぜ!」

マミ「ダメよぉ~! ちゅぎは私が脱ぐ番なんだからぁ~!」

エイラ「いいぞ! エイラも脱ぐ!」

ルッカ「女の価値は乳のデカさで決まらないっつーのよ! ウガー!!」

858: 2013/04/27(土) 01:26:49.93 ID:pUZ4y/K6o
マール「すー……すー……」

まどか「うぅ……ん……。やめて……もう飲めないよ、マミさん……」

ロボ「オヤオヤ、こんなところで寝ていてハ風邪を引きマスネ。毛布をかけてあげなけれバ……」


魔王「う……ぐ……! くそ……負けん……! 俺は酒などに負けはせんぞ……!」

杏子「意地張るなよ。ほら、気持ち悪いならこの袋の中に吐けって」

魔王「や、やめろぉ……! 俺の背中をさするんじゃあない……ッ!」



クロノ「……ハハ。みんな、楽しんでくれてるみたいでいいんじゃないか?」

ほむら「笑顔がひきつってるわよ」

859: 2013/04/27(土) 01:31:33.01 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「あなたこそ、主役が抜け出してきていいのかしら?」

クロノ「ん……そうだな。ちょっとばかし、ほむらに聞きたいことがあったからね」

ほむら「なに?」

クロノ「時の卵のこと、聞いたよ。失ってしまったものを取り戻せる唯一の方法だって」

ほむら「……」


クロノ「僕は君の事情を知らない。でもなんとなく分かる」

クロノ「本当に良かったのか? 君は……もっと別のことに、卵を使いたかったんじゃ……」

ほむら「クロノ」

クロノ「お、おお? どうしたんだ、そんなに怖い顔して……」

ほむら「それ以上言わないで。もし、あなたを救ったことが間違いだと言う人がいたら……」



ほむら「そんなの、私が許さない」

860: 2013/04/27(土) 01:34:28.68 ID:pUZ4y/K6o
クロノ「……」

ほむら「聞きたいことはそれだけ?」

クロノ「ん? あ、ああ……」


ほむら「じゃあ、今度は私から質問。私の事情、あなたは知りたい?」

クロノ「え……」

ほむら「どっち? 知りたいの? 知りたくないの?」

クロノ「いや、それは……ど、どっちだろ……」

ほむら「……ハァ。あなたって、優柔不断よね」

クロノ「ええ!?」

ほむら「マールもルッカも大変ね、これは」

クロノ「なんのことだよ?」

ほむら「おまけに鈍感ときた。どこのラノベ主人公よ、あなたは」

861: 2013/04/27(土) 01:36:30.71 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「いいわ。私の秘密、すべてとはいかないけれど、話してあげる」

クロノ「え?」

ほむら「私たちの最後の秘密。魔法少女と魔女の関係……。そうね、みんなにも話さなきゃね」

クロノ「それが、君の事情なのか……?」

ほむら「言ったでしょう? すべてとはいかないって」


ほむら「これは、ジールに殺されそうになった私を助けてくれたあなたへの……」

ほむら「そして……無条件に私を信じ続けたおバカさんたちへの、お礼よ」

クロノ「……」

862: 2013/04/27(土) 01:37:44.71 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「あなたたちは私たちの正体を聞いても、平然としていられるかしら?」

クロノ「たとえ君たちにどんな事情があろうと受け入れてみせる。それが、仲間ってもんだろ?」

ほむら「甘いわね、あなたたちは……。何も知りもしないで……」

クロノ「それを言われると辛いな」


ほむら「……でも、不思議ね。今ならあなたの言葉を、素直に受け止めることができるかも……」

863: 2013/04/27(土) 01:39:38.34 ID:pUZ4y/K6o
ルッカ「こりゃー! バカクロノにほむほむ! そんなとこで内緒話とは感心せんなあ~!?」

マミ「ふたりともお~こっちきて飲みましょ~。た~のしいわよ~!」


ほむら「やれやれ……面倒くさいのに絡まれたわね」

クロノ「ほむら……」

ほむら「戻りましょう。今は……何も考えず、楽しめばいいわ」

クロノ「……」

864: 2013/04/27(土) 01:41:16.09 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「ああ、そうそう。ひとつ言い忘れてたことがあったわね」

クロノ「? なんだよ」



ほむら「……おかえりなさい、クロノ」

クロノ「! ……」

865: 2013/04/27(土) 01:41:59.26 ID:pUZ4y/K6o


クロノ「ただいま」



866: 2013/04/27(土) 01:44:03.85 ID:pUZ4y/K6o
第8話「そんなの、私が許さない」 終了


  セーブしてつづける(第9話「それはとても、うれしいこと」へすすむ)

ニアセーブしておわる

  セーブしないでおわる

876: 2013/04/27(土) 21:55:59.41 ID:pUZ4y/K6o
第9話「それはとても、うれしいこと」


このセーブデータをロードします。よろしいですか?


ニアよろしい

  よろしくない

877: 2013/04/27(土) 21:58:54.12 ID:pUZ4y/K6o
ハッシュ「おーい」


ハッシュ「……」

ハッシュ(ラヴォスのタイムゲートに巻き込まれ、飛ばされた先のこの空間……)

ハッシュ(誰もいない……。いやそれどころか、何もない……チリひとつすら……)


ハッシュ「ここは……時の最果てか……?」


――――

―――

――



878: 2013/04/27(土) 22:01:09.95 ID:pUZ4y/K6o
年代不明 時の最果て


老人(ここに飛ばされ、幾年月を経たか……。もはや思い出すこともかなわぬ……)

老人(いや、時間など1秒たりとも進んでいないのかもしれんな。ここはそういう場所……)


老人(罰だと思った。女王の暴走を知りながら、崩壊の日の時まで日和ることしかできなかった私への……)

老人(ここで誰にも知られず、気づかれることもなく……ひっそりと氏ぬのだろうと……)


老人(だが……今は……)

879: 2013/04/27(土) 22:04:05.73 ID:pUZ4y/K6o
老人「おーい」

ほむら「? 何かしら、管理人さん」


老人(……呼べば答えてくれる者たちが、こんなにもたくさんおる。それはとても、うれしいこと……)

老人(なんと心あたたかく、安らぐことだろうか。私は許されたのか……?)

老人(いや、この者たちの道しるべとなることが、きっと私の……)


まどか「あの、どうかしたんですか?」

老人「ん? いや、すまんすまん。ちょっとな、お前さんたちに話しておきたいことがあるんじゃ」

ほむら「じゃあ、みんなを集めてくるわね」


…………



880: 2013/04/27(土) 22:08:46.96 ID:pUZ4y/K6o
老人「今ここに、さまざまな場所から、時代を超えて……勇士たちが集結した」

老人「ほむらさん、まどかさん、さやかさん、マミさん、杏子さん……」

老人「クロノさん、マールさん、ルッカさん、ロボさん、カエルさん、エイラさん、魔王さん……」

老人「お前さんたち12人に、この星の未来が託されておる……」


まどか「な、なんかすごいことになっちゃいましたね……」

クロノ「星を救う英雄か。男子なら、誰もが夢見ることだな」

さやか「女子だって燃える展開っすよ!」

881: 2013/04/27(土) 22:13:07.92 ID:pUZ4y/K6o
ルッカ「ラヴォスを倒そうと誓ったあの日から、こんなにも仲間が増えるなんて……」

マール「ほむらちゃんのおかげだね!」

ほむら「私は別に、何も……」

ロボ「謙遜することはないと思いマス。ほむらが中心に立っていたのは確かデスカラ」


杏子「良かったな、ジャキ? これだけいればラヴォスを倒せるんじゃねーか?」

魔王「フン、雑魚がいくら群れたところで無駄だ……」

カエル「お前もいまや、その雑魚のひとりだぜ」

エイラ「強いヤツ、いっぱい! ラヴォス、負けない!」

マミ「そうね。みんなが力を合わせれば……」

882: 2013/04/27(土) 22:16:07.11 ID:pUZ4y/K6o
QB「僕はそうは思わないな」

マミ「キュゥべえ!?」

ほむら「お前……なぜここに!」

QB「ゲートを通ってきたのさ。時間移動は僕たちにもない技術だ」

QB「やっぱりこの星はすごい。ラヴォスについてきて正解だったよ」

クロノ「ラヴォスについてきた、だって……?」


エイラ「マミ、あのウサギ、マミの言ってたヤツか?」

マミ「え、ええ……。エイラにも見えるのね……」

QB「ふむ。みんな見えているみたいだね」

QB「ということはやっぱり、君たちが『ラヴォスを倒しうる可能性を持つ存在』ということになる」

QB「しかし可能性はただの可能性だ。今の君たちでは、勝算は限りなく低いと言わざるを得ない」

883: 2013/04/27(土) 22:19:38.67 ID:pUZ4y/K6o
魔王「去れ、淫獣。貴様に何が分かる」

QB「おっと、君は……そうか、ジャキか。老けたね」

魔王「……なるほど、ここで氏にたいらしい」

ほむら「手伝うわ、魔王」


QB「いいのかな? 僕の話を聞かなくて。このままじゃこの星も、サラも消えてなくなってしまうよ」

まどか「サラちゃんが!?」

魔王「貴様……何を知っている……! サラはどこだ!」

884: 2013/04/27(土) 22:22:56.56 ID:pUZ4y/K6o
QB「サラはラヴォスと同化している」

まどか「え!?」


QB「彼女の魔法少女としての性質は『代替』。自らを差し出し、ラヴォスの力を封印している」

QB「そうだね、彼女の魔力なら……15000年ぐらいは眠らせておけるんじゃないかな?」

QB「ただし……何もなければ、という条件付だけどね」

魔王「……」


マール「あなたは……サラさんを魔法少女にしたの!?」

QB「そうしなければこの星は、B.C.12000の時点で滅びていた。僕はこの星を救ってあげたんだよ?」

885: 2013/04/27(土) 22:28:56.27 ID:pUZ4y/K6o
杏子「テメェ……よくも抜け抜けと……」

QB「サラは立派に役目を果たしてくれたよ。彼女こそ、魔法少女システムの最高傑作のひとつだ」


ルッカ「あんた、何が目的なのよ! ほむらたちを食い物扱いするなんて……!」

QB「ひどい言い草だな。目的か。前に言わなかったかな? ラヴォスを倒すのが目的だって」

ほむら「どうせ、宇宙のエネルギーがどうだの言い出すつもりでしょう」


QB「色々知ってるみたいだね。まあそうさ。ラヴォスは膨大なエネルギーを生み出すけれど……」

QB「それ以上の消費者でもある。ヤツに繁殖し続けられると、宇宙の寿命は加速度的に減少していく」

QB「僕らはそれを避けたい。だからラヴォスとともに星をめぐり続け、解決の糸口を探した」

886: 2013/04/27(土) 22:33:23.38 ID:pUZ4y/K6o
QB「そして、たどり着いたのがこの星だ。そして、君たち人類は驚くべき進化をなしとげた」

QB「ラヴォスのかけら、『ドリストーン』に触れ――そうなるよう僕らが仕向けたんだけれど……」

QB「『ラヴォスの力』を身に宿した。君たちが『魔法』と呼んでいる力をね」

QB「僕たちはその力をもう一度、高純度のドリストーンとして抽出する技術の開発に着手した」


QB「ドリストーンは持ち主の感情によって、大きくその性質を変化させる……」

QB「君たちの感情を吸ったドリストーンのエネルギーは、ラヴォスのそれを凌駕するだろうと期待したんだ」

QB「とりわけ最も効率がいいのは、第二次性徴期の少女たちだった」

QB「テクノロジーは完成した。ラヴォスの娘たちによる親頃し……」

QB「魔法少女システム――またの名を、調停者システムの完成というわけさ」

887: 2013/04/27(土) 22:35:08.51 ID:pUZ4y/K6o
QB「力及ばず魔女と化した少女たちも、無駄氏にじゃない」

QB「ソウルジェムがグリーフシードへと変わるその瞬間、膨大なエネルギーが発生する」

QB「そのエネルギーは回収され、宇宙の存続とさらなるラヴォスの研究資源として使われる」

QB「僕らは君たちの犠牲に敬意を払い、その魂の最後のひとかけらまで余すところなく役立てているんだよ」


QB「君たち人類はすばらしい。エネルギーの浪費対策と供給を、同時になしとげてしまうんだからね」

888: 2013/04/27(土) 22:38:04.39 ID:pUZ4y/K6o
さやか「……」

QB「君はまるで、僕を悪だとののしらんばかりの顔をしているね」

QB「なぜなんだい? ラヴォスはこの星だけじゃない、宇宙全体にとっての問題だ」


QB「君たち人類だって、いずれはこの星を離れて、僕たちの仲間入りをするだろう」

QB「その時になって、ラヴォスによって食いつぶされ尽くした宇宙を引き渡されても困るよね?」

QB「悪だというなら、ヤツこそがそうなんじゃないのかな?」


QB「僕たちはそれを倒す方法を見つけたんだ。ほめられこそすれ、責められるいわれはないはずだけどなあ」

まどか「バカ言わないで! そのためにサラちゃんを……何人もの女の子たちを……。ひどすぎるよ……」

QB「僕たちはあくまで合意を前提に契約しているんだ」


QB「それに君たちだって家畜を飼い、実験には動物を使い、戦争ともなれば同胞を駒とする」

QB「どう違うんだい? 単一個体の生き氏にが、そんなに重要なことかな?」

889: 2013/04/27(土) 22:41:05.14 ID:pUZ4y/K6o
まどか「あなたは……いつまでたっても、そんなことばっかり……!」

QB「まどか。そこまで言うなら、君が契約してくれればいいじゃないか」

QB「サラと同等かそれ以上の素質を持つ君なら、ラヴォスを倒せるんじゃないのかな」

まどか「……」


ほむら「そんなことはさせないわ」

ロボ「まどかさんは大切な仲間デス。手出しはさせマセン」

カエル「鹿目を魔女に仕立て上げようってんなら、無駄だぜ」

QB「やれやれ。あれもダメ、これもダメ。君たちは本当にラヴォスを倒す気があるのかい?」

890: 2013/04/27(土) 22:43:48.28 ID:pUZ4y/K6o
QB「魔法の力、契約していない君たちの中にも使える者がいるみたいだけど……」

QB「どうやって引き出したのかな?」

クロノ「……」


QB「だんまりか。まあいいけどね。ここに来た時、なんとなく分かったから」

QB「この感じ、スペッキオだね? 彼もこの星に来ていたのか……」

ルッカ「……なんですって?」


QB「大きな力には大きな代償。小さな代償では小さな力しか得られない。等価交換の法則さ」

QB「スペッキオではなしえない、大きな力を、ラヴォスを倒せるだけの力を与えてあげること」

QB「僕ならできるよ。協力関係を築くべきだと思うけどね」

891: 2013/04/27(土) 22:46:20.36 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「二度も言わせないで。そんなもの、お断りよ」

QB「……そうかい。まあ、この宇宙のために氏んでくれる気になったら、いつでも声をかけて」

QB「理想はまどかだけどね。可能性を持つ君たちの中なら、誰でもいいよ」


QB「待ってるからね。そのためにこうやって、情報を提供しに来たんだから」

ほむら「ええ。とてもためになったわ。これはお礼よ」

QB「……えっ?」


ダァン!!


…………



892: 2013/04/27(土) 22:48:08.97 ID:pUZ4y/K6o
マミ「暁美さん……」

ほむら「なに、マミ? まさかとは思うけど、かばうつもりだったの?」

マミ「……いえ……そんなこと、しないわ……」

魔王「問題ない。暁美ほむらがやらねば、私が頃していた」


ほむら「どうせすぐ復活するわよ。なんならエイラ、食べちゃってもいいわよ」

エイラ「お? じゃあ丸焼き、する!」

杏子「やめとけよ。腹壊すぞ」

895: 2013/04/27(土) 22:52:56.34 ID:pUZ4y/K6o
ルッカ「こいつの話は聞くに堪えないものだったけれど、ある一点においては正しいわね」

クロノ「今の僕たちじゃラヴォスは倒せない、か……」

まどか「サラちゃん……。ラヴォスを倒せば、戻ってこれるのかな……?」

魔王「……」


老人「そう、今のお前さんたちではまだ力不足じゃ。私も、その話をするつもりじゃった」

さやか(やばっ……管理人さんの存在、忘れてた……)

ほむら(ひどい人ね、あなた)

さやか(テレパシーでツッコミ入れんな! ほむらだって忘れてたくせに!)

ほむら(……ノーコメントよ)

896: 2013/04/27(土) 22:55:50.10 ID:pUZ4y/K6o
老人「ラヴォスといつ、どこで戦うかはお前さんたち次第じゃ」

老人「じゃが、くれぐれもお前さんたちだけで戦おうとしてはいけない……」

まどか「どういうことですか?」


老人「ここはすべての時に通じている。おぼろげじゃが、見えるのじゃよ」

老人「お前さんたちに力をかしてくれるものがな……」

老人「もう一度、旅をしなさい。人としてのレベルを上げ、絆という名の連携を深めるのじゃ……」

899: 2013/04/27(土) 22:58:50.93 ID:pUZ4y/K6o
老人「あのキュゥべえとかいう者の言ったこと……大きな力を手に入れるための、大きな代償……」

老人「すぐに手に入れようとするから、基準以上のものを支払うはめになる……」

杏子「アタシらには耳の痛い話だな……」

老人「ホッホ。なにもお前さんたちを責めておるわけではない。切迫した状況というのも確かにある」

老人「じゃが、今はそうではあるまい? なら、急がば回れ……じゃ」


マール「それで、『力をかしてくれるもの』ってなに?」

老人「うむ……。まずは、そうじゃな……」

900: 2013/04/27(土) 23:01:55.71 ID:pUZ4y/K6o
老人「中世で魔王にやぶれ、現代までさまよい続けるほこり高き騎士の魂……」


カエル「! まさか……」

さやか「サイラスさんだ! 師匠、絶対サイラスさんのことだよ!」

カエル「間違いないな。これは、誰にも譲ることはできん。俺が行く」

さやか「当然あたしも行くっしょ!」

ほむら「なら、カエルさんとさやかと……。そうね、あともうひとりはクロノ、お願いできるかしら?」

クロノ「僕か? かまわないよ」

カエル「クロノが来てくれるなら百人力だ。頼むぜ」

さやか「剣士パーティーっすね!」

901: 2013/04/27(土) 23:04:42.91 ID:pUZ4y/K6o
老人「原始から未来、全ての時をまたにかけ陽の光をあつめ続ける石……」


魔王「ほう……それはおそらく、『太陽石』だな」

まどか「聞いたことあるよ。確か、古代で……なんだったかな?」

魔王「古代、さる民族が信仰していた神の神体だ。ガルディア建国以後は廃れたがな」

杏子「よく覚えてんな、ジャキ」

魔王「……お前らの物忘れが激しいだけだ」

902: 2013/04/27(土) 23:06:44.07 ID:pUZ4y/K6o
ほむら「じゃあそれは、あなたたち3人にお願いするわ」

杏子「え?」

ほむら「なによ、ダメなの?」

杏子「いや、ダメじゃねーけど……アンタのことだからてっきり、『まどかは私が』とか言い出すかと」

ほむら「……別に。ただの戦力分析の結果よ。魔王に言うこと聞かせられそうなのは、あなたたちふたり」

ほむら「長年連れ添ったらしい杏子と、『まどか姉さま』ぐらいでしょ」


杏子「前にも思ったけどよ……。アンタ、変わったか?」

ほむら「……」

杏子「……ま、いーか」

903: 2013/04/27(土) 23:10:42.06 ID:pUZ4y/K6o
まどか「ウェヒヒヒ! よろしくね、ジャキくん!」

杏子「おう、ジャキ? アタシのことも『お姉ちゃん』って呼んでもいいんだぜ?」

魔王「……」


クロノ「あっちは古代パーティー……いや、魔王のお姉ちゃんパーティーかな?」

カエル「ギギギ……魔王め……うらやまけしからん……! リア充爆発しろ……!!」

クロノ「こっちにも、さやかがいるじゃないか」

さやか「可愛いお姉ちゃんかと思った? 残念! さやかちゃんでした!」

904: 2013/04/27(土) 23:13:26.56 ID:pUZ4y/K6o
老人「中世では、まぼろしと呼ばれる虹色に輝くもの……」


マール「虹色だって。きれいなんだろうな~」

エイラ「虹、ヘビガミさま! 雨の神様! えらい!」

マミ「ヘビガミさま? 虹蛇のことかしら? 創造と雨を降らせる力があるっていう……」

ほむら「詳しいわね」

マミ「ええ、まあ。神話とかって私、好きだから……」

ほむら「じゃあそれは、あなたたち3人の担当ね」


マール「私たちはなんだろ? 金髪パーティーとか?」

さやか「おっOいパーティーっすね!」

マミ「お、おっぱ……何を言い出すのよ、美樹さん……」

ほむら「チッ」

マミ「暁美さん!?」

905: 2013/04/27(土) 23:16:03.66 ID:pUZ4y/K6o
ルッカ「なんでマールなのよ! 私を入れなさい!」

ほむら「ルッカ、あなたの居場所はこっちよ」

ルッカ「やめろ! 私を貧Oカテゴリーに入れるな! マールよりちょっと小さいだけじゃない!!」

ロボ「バスト1cmの差ハ、競技における順位の差と等しいとワタシのデータバンクに記録されてイマス」

ロボ「すなわち3cm差で表彰台に立てるかどうかが分かれるホド、重いものダト……」

ルッカ「消せ! 今すぐその不愉快な情報を消しなさい!!」

ほむら「代わりにインプットしておきましょう。『貧Oはステータスで希少価値』……と」


老人「次にいってもいいかね?」

まどか「あ、はい。どうぞ……」

906: 2013/04/27(土) 23:19:30.04 ID:pUZ4y/K6o
老人「未来の時代、機械の生まれたふるさと……」


ロボ「! これはワタシの時代デスネ……」

ほむら「ふるさと、か……。ロボの生まれはどこなの?」

ロボ「ワタシがルッカたちと出会ったのはプロメテドームですガ、そこではないことハ確かデス」

ルッカ「ふむ。ならロボの出生の秘密を探りに行くとしましょうか」

ロボ「ついてきてくれるのデスカ?」

ルッカ「当然じゃない! ロボあるところに、私ありよ!」

ほむら「私も行くわ」

ロボ「おふたりトモ……ありがとうゴザイマス」


ルッカ「名づけて、天才ルッカちゃんとそのお供たちパーティーね!」

ほむら「却下。近代兵器パーティーとかでいいじゃない」

ルッカ「安直ねえ~」

ほむら「……」イラッ

907: 2013/04/27(土) 23:21:53.83 ID:pUZ4y/K6o
老人「中世で逃げのびておる魔王配下の3悪の巣くう場所」


カエル「これは……」

さやか「どう考えても……」

杏子「アイツらだな」

ほむら「わかりやすいわね。やっぱり生きてたのか……。それも3人とも……」


魔王「ビネガーは魔王城に似たアジトを持っていた。逃げたとすれば、おそらくそこだろう」

杏子「しょうがねえ、アタシらがきっちりケジメつけてきてやるよ」

まどか「わたしも手伝うよ!」

908: 2013/04/27(土) 23:24:43.37 ID:pUZ4y/K6o
老人「中世の時代、ひとりの女性の心によりよみがえる森……」


クロノ「女性? 誰だろ……」

カエル「……フィオナ嬢か? そういえば森がどうのと言っていたはずだが……」

さやか「フィオナさんって師匠んちの近くに住んでた人だっけ?」

カエル「たぶんな。さほど面識はないが、とりあえず話を聞きに行ってみるか」

909: 2013/04/27(土) 23:28:00.32 ID:pUZ4y/K6o
老人「以上じゃ。よいか、この星のあらゆる時代の人々……いや、すべての生命の力を借りて戦うのじゃ」

老人「でなければラヴォスは倒せまい。未来を変えるには、それほどの大きな力が必要じゃ」

老人「私は示すことしかできん。この星の行く末……私はここで、ゆっくりと見物させてもらうよ」

老人「お前さんたちが、きっと成し遂げてくれると信じてな……」


老人「絶望の運命に負けぬ強い心、『希望』を……より強く、育て上げるのじゃ」

老人「待っておるぞ……」

910: 2013/04/27(土) 23:30:12.32 ID:pUZ4y/K6o
第9話「それはとても、うれしいこと」 終了


  セーブしてつづける(マルチイベント編へすすむ)

ニアセーブしておわる

  セーブしないでおわる

911: 2013/04/27(土) 23:38:01.45 ID:pUZ4y/K6o
短いですが、今回はここまでです。次回よりマルチイベント編開始。

展開の都合上、最後に回さざるを得ない「緑の夢」を除き、マルチイベントは順不同・一話完結型です。
先に見たいという話があれば、どうぞ。
特になければこちらで適当に順番を決めます。


参考


太陽石:まどか「もしもクロノさんたちが見滝原中の生徒だったら」

ビネガーの館:杏子ちゃん過去話

勇者の墓:さやか「師匠がガチで師匠してる!?」

虹色の貝がら:マミさんが飲んだり踊ったりモンハンしたりする話

ジェノサイドーム:ロボの恥ずかしいセリフにほむらがもだえる話


それでは、また明日。

912: 2013/04/27(土) 23:47:55.36 ID:T1fLx4dWo
乙!
カエル好きだからサイラスの話先に見たいです

913: 2013/04/27(土) 23:49:35.64 ID:ro0v8KWAO
乙です。
マルチイベント楽しみ、しかしそろそろ次スレが必要になりそうですね。

【まどマギ】ほむら「時の卵?」【マルチイベント編-1】

引用: ほむら「時の卵?」