1: 2009/08/23(日) 23:18:19.41 ID:8hfn9QeL0
ガチャ
唯「おいーっす」

律「おー、唯ぃ!」

澪「おはよう唯」

唯「わ、今日はシュークリームかぁ!」

紬「今紅茶を入れますね~」

ガチャ
望「失礼しま…おや、部屋を間違えた様です、すみません」
バタンッ


律「……誰だ?今の和服?」

唯「先生とかじゃない?」

澪「でもあんな人初めて見たぞ」

2: 2009/08/23(日) 23:20:28.12 ID:8hfn9QeL0
ガチャ 
望「あの、すみませんが…ここは音楽室ですよね?」

紬「えぇ、そうですよ」

望「そうですか。まさか音楽室でお茶会を開いているとは思わなかったので…」

唯「あはは…」

望「ということは、あなたがたが軽音楽部?」

律「そう!私が軽音部の部長です!…ってあの、どちら様ですか?」

望「申し遅れました、今日この高校に転任してきた糸色望です」

唯「変わった苗字~そしてそれ和服?」

望「え?あぁ、はい」

紬「とりあえずお茶をどうぞ~」

望「ほう、これはいいお茶ですね」

紬「ありがとうございます」

唯「それで、先生は何で音楽室に?」

望「あぁ…実は、今日からしばらく山中先生に代わって、軽音楽部の顧問を担当する事になりました」

3: 2009/08/23(日) 23:22:32.12 ID:8hfn9QeL0
律「えーっ!さわちゃ…さわ子先生はどうしたんですか?」

望「山中先生は現在、はしかにかかってお休みだそうです」

澪「子供のころにかかってなかったのか…」

唯「ねー先生、先生って糸色望っていうんだよね?」

望「はい、そうですが」

唯「横に書いたら『絶望』って読めるね!」

望「知ったなぁ!?くっつけて書くなぁぁぁぁ!!」

澪「ちょっ!先生暴れないで!」

紬「…お菓子、食べます?」

望「いただきます」

律「食うのかよ!」

7: 2009/08/23(日) 23:25:07.19 ID:8hfn9QeL0
望「自己紹介ありがとうございます。平沢さんに田井中さんに秋山さんに琴吹さんですね」

唯「名前でいいのにー」

望「いえ、そうもいきません…と、琴吹…どこかで聞いたような…?」

紬「糸色…どこかで聞いたような…?」

望「あぁ!あの会社の…」

紬「あぁ、あの財閥の!」

律「知り合いなのかっ?」

紬「いえ、有名な家柄なので知っていただけです」

澪「先生はお金持ちなのか…」

望「私自身はそこまでではありません」

唯「じゃあ実家は広いの?」

望「えぇまぁ、それなりに」

律「じゃあボンボンなのか!」

望「ボンボンとか言わないで下さいっ!」

8: 2009/08/23(日) 23:28:23.10 ID:8hfn9QeL0
唯「絶望先生は何か楽器出来るの?」

望「だからその呼び方は!」

律「私も気になる!」

望「まぁ…一応、フォークギターなら弾けますが」

澪「ギターなら唯と同じじゃないか」

唯「なんか弾いてよ~」

望「決して上手くはないですが…では何を弾きましょう」

澪「普通に、知ってる歌なら何でもいいけど」

望「えーと、お金を払いたくないのでイヤです」

律「なんだそりゃ!じゃあなんでもいいからとりあえず鳴らしてみて!」

望「わかりました」ボロロ~ン ボロロ~ン

紬「…普通」

望「普通っていうなぁ!!!」

12: 2009/08/23(日) 23:32:31.23 ID:8hfn9QeL0
ガチャ
望「こんにちは…おや、みなさん今日もまたお茶会ですか」

紬「あら、よろしければ先生もどうぞ」

唯「放課後は毎日ティータイムなんだよー♪」

望「そう…なんですか」
ジ--------------------
澪「…ひっ!!」

律「ん、どうした澪ぉ?」

澪「せ、先生の後ろに誰か…!」
ジ--------------------
律「ん?どこだ?」

しゅるっぽん
律「…?誰もいないじゃないか?」

澪「まさか、幽霊!?ひいっ!」ガクガク


望「常月さん、いたんですか…」

まとい「えぇ、ずっと…」

望「あの生活から心機一転、新しい高校での生活を満喫しようと思っていたのですが」

まとい「いいじゃありませんか、邪魔な女達がいなくなったんですから…」

15: 2009/08/23(日) 23:36:17.88 ID:8hfn9QeL0
唯「わぁ、また指の皮剥けちゃったよぉ…」

澪「そうやって少しずつ硬くなっていくんだよな」

望「苦難を乗り越えて成長ですか…青春ですね」

律「あ、先生」

望「ですが、苦難の前に挫折することのほうがよっぽど多い!」

紬「あの、糸色先生?」

望「絶望した!挫折して送る暗い青春に絶望した!」

律「おーい、先生、おーい」

まとい「先生、いつもこうなんですよ」

澪「ひっ!」ガクガク

律「まだ怖がってんのかよ!」

17: 2009/08/23(日) 23:40:00.65 ID:8hfn9QeL0

唯「あ!まといちゃん、居たのぉ?」

まとい「えぇ、ずっと…」

望「私も高校の時にあんな部活に入らなければ…くそう、氏んでやるー!!」ダッ!

紬「あ!先生!早まっちゃダメです!!」

まとい「大丈夫です、ほっときましょう」

澪「え!?で、でも…!!」

まとい「いいんですよ」


ツカツカ…ガチャ 
望「なぜ誰も心配しない!…っていうか何故お茶を飲んでいるっ!!」

唯「とりあえず落ち着こうって思って~」

紬「はい、先生もお菓子どうぞ?」

望「…いただきます」

律「いや食うのかい!」

18: 2009/08/23(日) 23:43:54.68 ID:8hfn9QeL0
望「そういえばここって軽音部ですよね」

澪「そうですけど…?」

望「"軽"の割に、割と重いんじゃないでしょうか?」

紬「はぁ」

望「特にこのドラムセット!一体何十キロあるんですか!!」

律「ドラムは必要だろ?」

望「いいえ、"軽"音部なのに重いものがあったら看板に偽りありです!
  うな重を食べに来てうな軽が出てきたらガッカリするでしょう!?」

唯「うな軽?」

律「勝手に新しい言葉作るなよっ!」

望「そこで、軽くなるまでドラムセット及び楽器を削減してもらいます」

律「何だよその理屈!」

22: 2009/08/23(日) 23:48:22.39 ID:8hfn9QeL0
望「さぁ、軽音部らしく軽くしてください」

律「と言われても…」

唯「えーと、とりあえずシンバルは必要かな…あ!ドラムの代わりにタンバリンは!?」

律「いや使わないから!」

唯「そしたら私もカスタネット使うのに~」

紬「じゃあ私は木琴を」

澪「じゃあマラカスでも」

律「なんでみんな乗り気?っていうか打楽器おおすぎだろ!」

望「では十分軽くなったところで演奏スタート」

シャンシャンシャカシャカうんたん♪ポンコポンコうんたん♪ジャーン!!

望「…まぁ、無理に軽くする必要もありませんね」

律「そりゃそうでしょうが!!」

26: 2009/08/23(日) 23:52:06.30 ID:8hfn9QeL0
望「文化祭で演奏するらしいですね」

唯「うん!みんなでがんばって練習してるんだぁ!」

望「それで、どんな曲なのですか?」

律「おっ、じゃあ少し合わせてみるか!」

澪「わかった」

紬「わかりました」

~♪

望「…なるほど、いい演奏ですね」

唯「でしょー」

望「で、ヴォーカルはないんですか?」

律「……あ!」

望「決めてないん…ですか」

30: 2009/08/23(日) 23:55:17.77 ID:8hfn9QeL0
望「…では歌詞も?」

唯「…あはは…」

望「なんという無計画さ!!」

紬「すっかり忘れてましたね…誰かに歌詞を書いてもらわないと…」

律「じゃあ澪!頼んだ!」

澪「えぇ!?私?」

律「こういうとき頼れるのは澪しかいないんだよぉ!」

澪「でっ、でも!!」

望「いいじゃないですか、こういうのもいい経験ですよ?」

澪「せ、先生!」

望「自分の世間とズレた価値観をさらけ出して、マイノリティと気付くのは絶望的ですからねぇ」

澪「…やっぱやめる」

律「やめるな澪ぉ!!」

38: 2009/08/23(日) 23:59:05.69 ID:8hfn9QeL0
澪「…というわけで書いてきた」

律「どれどれ!?見せてみろ!」

澪「嫌だっ、恥ずかしい…!」

律「いいから見せろよぉ!何のために書いたんだよぉ」

紬「そうですよ、自分に自信を持たないと!」

唯「見せて見せてー」

望「どれ、私も拝見させてもらいま…」

揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ

望&律「ぶわははははははwwwwwww」

41: 2009/08/24(月) 00:03:16.04 ID:rDNieyS20
望「こっwwこの歌詞はwwww文化的すぎますwwwwwwww」

律「澪wwwさすがにこれはwwwww」

澪「やめてよ恥ずかしい…//」

紬「あら、良いじゃありませんか」

唯「ほんと、良い歌詞だねぇ!」

澪「ほ、本当に?」

律「ちょっww待て待て、本気で言ってるのか?」

唯「うん、良いと思うよ~」

望「わ、私はあなた方が良ければ口出しする気はありませんがw」

紬「じゃあこれで行きましょう!」

唯「おー!」

望「決まってしまいましたが…いいんですか?田井中さん」

律「…まぁしょうがないかな…」

43: 2009/08/24(月) 00:07:31.02 ID:rDNieyS20
ガチャ
望「こんにちは…って、誰もいない?おかしいですね」

カラ…カラカラ…
望「ん?なんの音でしょう?何かこう…金属…例えばスコップを引きずるような…」

カラカラ…カラカラ…カラ
望「音が近づいてくる…音楽室の前に!?」

??「先生、探しましたよ?ここにいらしたんですか」

望「きっ、木津さん!?何故ここに?」

千里「急に転任だなんて、そういう事はあらかじめきっちり伝えるべきでは?」

望「HRの時に言いましたよ!…さらっと」

千里「しかも女子高に転任して、さらに顧問まで引き受けて」

望「そ、それは成り行きです!」

千里「また、女の子を勘違いさせたりしているんでしょう!!」

望「ひいっ!!そんなことはありませんっ!というか、軽音部の方々はどこに!?」

千里「彼女達なら大丈夫ですよ?体育倉庫で監禁しているだけですから」

望「大丈夫そうじゃありません!!」

46: 2009/08/24(月) 00:10:53.23 ID:rDNieyS20
-体育倉庫-

唯「むーむぐぅ」
(どーしよぉ)

律「もがが!がもがーががもが!」
(なんだ!あの真ん中わけ!)

澪「むんむーむ…むうぅ」ガクガク
(真ん中わけ…怖い)

紬「むぐむむむーむ…」
(動けませんわ…)

唯「むぐぅ…」

ギ…ガチャッ!
スタッ!

紬「む!?」
(誰!?)

49: 2009/08/24(月) 00:14:43.03 ID:rDNieyS20
時田「御助けに参りました」ほどきほどき

律「っぷは!あなたは?」

時田「糸色家の使いの者の時田と申します」ほどきほどき

唯「ありがとうセバスチャンさん!」

時田「またセバスチャン…やはり何らかの刷り込みでしょうか…まぁハヤテといわれるよりマシでしょうか」ほどきほどき

澪「それでなぜ先生の執事が助けに?」

時田「大会社の社長令嬢とそのご友人を御守りせよとの、ぼっちゃんからの命令でございます」ほどきほどき

紬「まぁ、そうでしたの…」

律「ぼっちゃんって…やっぱりボンボンだな」

時田「ささ、皆さん避難なさいましょう、ヘリの準備が整っております」

澪「避難って…どこに逃げるんですか?」

時田「オチの届かない所まででございます」

51: 2009/08/24(月) 00:17:49.10 ID:rDNieyS20
望「ひい!」

千里「隠れたって無駄ですよ?先生?」

望「出て行ったって、どうせ粛清する気でしょう!」

千里「きっちりと、けじめを付けてもらいます」

望「絶対に出ていきません!」

千里「そう、それなら…」カチッ

爆発


時田「最大規模の爆発オチにございます」

56: 2009/08/24(月) 00:20:30.80 ID:rDNieyS20
澪「……え?今のがオチ?」

律「そう…みたいだな」

紬「オチとしては弱いですね」

唯「ヘリコプターなんて初めて乗ったよ~」

律「確かに初めて…じゃなくて!学校が無くなっちゃったじゃないか!」

時田「建て直させますのでご心配なく」

唯「えっ!じゃあ音楽室をもっと広くして、それから~」

澪「ちょっと唯!」

律「じゃあ体育館はコンサートを出来る仕様にして、あとは…」

紬「音楽室の隣に給湯室が欲しいですね」

律「あぁ~!それもいいねぇ!」

澪「ムギまで!」

時田「皆様の要望、確かに承りました」

57: 2009/08/24(月) 00:23:32.42 ID:rDNieyS20
-新・桜が丘高校音楽室-

唯「うわぁ!ほんとに広くなってる!」

澪「給湯室もちゃんとあるし、ティーカップもそろってる…」

ドタドタ…ガラッ!
律「体育館も変わってるぞ!デカいスピーカーとかついてるんだ!」

紬「さすがですね糸色家」

千里「そうね!じゃあ軽音部の練習を始めましょうか!」

一同「おーっ!」



望「あぁ、ガレキの下あったけぇ…」
ジ-----------------


お わ り

65: 2009/08/24(月) 00:29:20.21 ID:bxK0/Mja0
>>60
乙!
面白かった。またやってくれ。

引用: 糸色望「けいおん!」