1: ◆qqtckwRIh. 2013/07/17(水) 17:52:07 ID:rm1rJXuo
【第一シリーズ】
少年剣士「冒険学校に入学します!」
少年剣士「冒険学校で頑張ります!」
少年剣士「冒険学校の休暇です!」
【第二シリーズ】
幼剣士「待っていて下さい・・僕が必ず・・!」
幼剣士「僕には夢が出来ました」
上記作品の少年剣士、幼剣士シリーズの第三作目、続編になります
2: 2013/07/17(水) 17:53:18 ID:rm1rJXuo
・・・ギュゥゥゥン・・・
・・ぁぁぁ・・・・・
・・・・・・・・あああ・・・・
あああああっ!!!
青年剣士「うわああああっ!!」
3: 2013/07/17(水) 17:53:59 ID:rm1rJXuo
・・・・・ドサッ
青年剣士「・・・・・いって・・!助かった・・のか?」キョロキョロ
・・・ザワ・・・ザワザワ・・
青年剣士「ここ・・・どこだ・・・・・・?」
・・・ワァァァァッ!!!
アナウンス「おぉぉっと!?こ、これは・・・・・!!!乱入者かぁ!?」
王様「あやつは・・・・まさか・・・・」
青年剣士「いってて・・・、ん?」
4: 2013/07/17(水) 17:54:32 ID:rm1rJXuo
王様「間違いない・・・」
青年剣士「・・・・、凄い人だな・・・ここはコロシアムか?」
格闘家A「なんだぁてめえ!」
格闘家B「人らの戦いジャマしやがって!」
アナウンス「これは面白くなってきた!まさかの乱入者が登場!!」
格闘家A「ぶっころしてやる・・・」ブン!
格闘家B「ここは一回休戦にしようぜ・・・わけわからねーが・・こいつを倒す!」ビュッ!!
青年剣士「うわっ、何するんだ!」ヒュッ
5: 2013/07/17(水) 17:55:03 ID:rm1rJXuo
格闘家A「人らの試合ジャマしやがって、どうなるかわかってんだろうな!?」クワッ
青年剣士「ち、ちょっと待って!俺にも何がなんだか・・・」
格闘家B「ああん!?うるせえ!」
青年剣士「そ、そうだ、みんなは助かったのか・・・・?ここはどこですか!?」
格闘家A「・・・ここは新都中央国だろうが!寝ぼけてんのか!」
青年剣士「は・・・新都?」
格闘家A「そういってんだろ・・・・オラァ!」ブゥン!
・・・ヒュッ
青年剣士「あぶなっ!」
格闘家A「ほー・・・素早さだけは一人前だな・・・・」スッ
6: 2013/07/17(水) 17:55:34 ID:rm1rJXuo
王様「・・・」ボソボソ
側近「・・・はっ!」
格闘家A「イラつく野郎だ・・・これでも食ら・・・」
側近「格闘家!攻撃をやめよ!」
格闘家A「なっ・・・」ビタッ
青年剣士「・・・・」
格闘家A「何で止めるんですか!」
側近「王が話を聞きたいというのだ。少し静まれ」
格闘家A「・・・っち」
王様「・・・そこの者」
7: 2013/07/17(水) 17:56:04 ID:rm1rJXuo
青年剣士「・・・?」
王様「名前は何という?」
青年剣士「・・・青年剣士」
・・・・ザワザワ・・・!!!
セイネンケンシッテ・・・アァ・・・!!キョウカショトカ・・・!!
王様「・・・本物か?」
青年剣士「本物だと・・・思いますよ」
王様「証拠は?」
青年剣士「・・・ここに自分がいることが証明です」
王様「・・・ふむ。では、本物というならそこの2人を殺せ」
青年剣士「・・・・は?」
8: 2013/07/17(水) 17:56:35 ID:rm1rJXuo
格闘家A「・・・・はっはっは!」
格闘家B「聞いたかよ!こんな青二才が俺らを頃すだと!?」
王様「・・・できぬのか?」
青年剣士「殺める理由がないです」
王様「余は王である。その命令が聞けぬか」
青年剣士「残念ながら、王だとしても・・・命を奪う理由にはなりません」
王様「そうか、では格闘家の2人よ。その剣士を殺せば報酬を弾もう」
青年剣士「なっ・・・!」
格闘家A「・・・・へへ、そういうことだ」ジリッ
格闘家B「わりぃな・・・」ジリッ
9: 2013/07/17(水) 17:57:15 ID:rm1rJXuo
青年剣士「・・・」
格闘家A「じゃあな、あの世でまた会おうぜ!」ビュッ
格闘家B「氏ねぇ!」ビュッ
・・・・スッ
・・・・・・・・ズバシュッ!!!
ドサッ・・・
観客達「おおおお!?」
・・・ハヤクテミエナカッタ!!ナンダイマノ!!!
王様「・・・!」
青年剣士「・・・峰打ちです。俺もこんな場所では氏にたくないので」シャキンッ
格闘家A「」
格闘家B「」
10: 2013/07/17(水) 17:58:00 ID:rm1rJXuo
王様「今の抜刀術・・見事だった。・・・側近!」
側近「はっ!」
王様「あの2人を処刑せよ。弱い傭兵などいらぬ。それにこれからの大会も生き残れぬであろう」
側近「わかりました!」
青年剣士「何・・・ち、ちょっと待ってください!何も処刑しなくても!」
王様「・・・・」ピクッ
青年剣士「自分で言うのも何ですが、どこの馬の骨に分からぬ奴に倒された程度で・・・!」
王様「貴様、自分自身がどういう状況なのか分かっていないのか?」
青年剣士「どういうことですか・・・」
王様「・・・どういうことだ?」
青年剣士「・・・?」
11: 2013/07/17(水) 17:58:30 ID:rm1rJXuo
王様「お前は、ただの似ている人物なのか・・・?」
青年剣士「どういうことです・・・?」
王様「お前、青年剣士ではないのか?」
青年剣士「そう・・ですが」
王様「・・・意味がわからないな。確かに、ここにいるはずはないのだが・・・」
青年剣士「・・・・」
王様「・・・ちょっと待て、お前はどこから来た?」
青年剣士「塔の暴走に巻き込まれたんです。暴走が起きたでしょう?」
王様「暴走・・・?赤い眼のなんちゃらのことか?」
青年剣士「そう・・ですが」
12: 2013/07/17(水) 17:59:01 ID:rm1rJXuo
王様「確かにそれは・・起きたには・・・・起きた」
青年剣士「ですよね。その塔の暴走の際、頂上で魔力の渦に巻き込まれて、気づいたらココにいたんです」
王様「・・・成るほど、成るほど成るほど・・・」フフ
青年剣士「・・・・?」
王様「ふは・・・ふははははっ!!」
青年剣士「・・・どうしたのです?」
王様「面白い事を教えてやろう、その塔とやらが暴走したというのはな・・・・」
"700年も前の昔のことだ"
13: 2013/07/17(水) 17:59:34 ID:rm1rJXuo
青年剣士「な・・・700年前!?」
王様「そういうことだ」
青年剣士「そんなバカなことが・・・!」
王様「バカは貴様だ。700年も前からここへ何しにきたというのだ」
青年剣士「・・・」
王様「少しだけ腕の立つ、似ているだけの男だろう?英雄剣士の名を名乗るなど!」
青年剣士(一体どういうことなんだ・・・・まさか、本当に700年後に・・・?)
王様「ウソはいかん。ま、今日の見世物はよかった。褒美をやろう、側近、50万ジェムをくれてやれ」
側近「はっ!そこの男、そこの出口にいろ。50万ジェムを渡そう」
青年剣士(ジェム・・・?)
側近「大事に使え。王様の直々の贈り物だ」
青年剣士「は・・・はぁ・・・」
14: 2013/07/17(水) 18:00:04 ID:rm1rJXuo
観客A「うおーーー!よかったぞ!」
観客B「久々に楽しめる決闘だったわよー!」
観客C「英雄剣士の再来か・・・こりゃこれから楽しくなるぞ・・・!」
青年剣士「・・・・一体、何がなんだか・・・」
15: 2013/07/17(水) 18:00:40 ID:rm1rJXuo
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・トコトコ・・
側近「そこから出れば、町にいける。そんな事も知らぬのか?」
青年剣士「はぁ・・・ど、どうも・・・」
側近「不思議な男だな。見た目はそのまま英雄剣士だというのに」
青年剣士「・・・英雄剣士とさっきから言われてるようですが、何のことなんですか?」
側近「それも・・知らぬのか?」
青年剣士「はぁ・・・すいません・・・」
側近「お前、自分が英雄剣士に似ているからココに現れたんだろう?謙遜するな」
青年剣士「・・・・」
側近「それより、外に出たら凄い騒ぎだろうからな。このローブを羽織っていくといい」パサッ
16: 2013/07/17(水) 18:01:22 ID:rm1rJXuo
青年剣士「・・・?」
側近「決闘大会で顔を知られ、あそこまで盛り上げたからな。大衆にとっては大人気になるだろう」
青年剣士「・・・はぁ」
側近「ましてや伝説の人物、それに損じぬ・・あの強さ、人気にならぬほうがおかしいしな」
青年剣士「そ、そうなんですか」
側近「って、無駄口してる暇はないんだ。さっさといけ!」
青年剣士「あ、ありがとうございました・・・」パサッ
・・・トコトコ・・・
・・・カッ!!
17: 2013/07/17(水) 18:01:54 ID:rm1rJXuo
青年剣士「うおっ・・・日差しが強いな・・・・って・・・」
・・・ザワザワ・・
野菜屋「いらっしゃいませー、新鮮な野菜いかがですかー」
行商人「何でもありますよー安くしますよー」
男「何でもします・・・・何でもします・・・お金下さい・・・・」
女「一晩1000ジェムでいかがー・・・」
少女「・・・ママァ・・」
女「しっ・・・、あんたも頑張らないといけないんだから・・・・!」
青年剣士「なんだ・・・こりゃ・・・」
18: 2013/07/17(水) 18:02:25 ID:rm1rJXuo
町人「・・・・おっと」ドンッ
青年剣士「うわっ、すいません」
町人「あんた、こんな暑い日によくローブなんて被ってるね。大丈夫?」
青年剣士「大丈夫です。それより聞きたいのですが・・・」
町人「なんだい?」
青年剣士「ここはどこなんですか?」
町人「どこって・・・、新都中央国だけど・・・?」
青年剣士「ち、中央国・・・ここが?まるでスラム街じゃないか・・・」
町人「そりゃねえ、ここは貧困区だし」
青年剣士「貧困区・・・?」
町人「そうだよ、決闘大会のおかげで・・・これでも大分マシになったほうだけどね」
19: 2013/07/17(水) 18:03:13 ID:rm1rJXuo
青年剣士「本当に一体・・・何がなんだかわかりませんよ・・・」ハァ
町人「・・・・?」
野菜屋「いらっしゃー・・・・あっ!」
子供「・・・」サッ
野菜屋「おい!ガキ!待てこらぁ!」
青年剣士「・・・泥棒?」
町人「・・・日常茶飯事さ。ここじゃ悪行をしない限り、食べれない子らも沢山いるんだ」
青年剣士「聖堂などの孤児院はどうなったんですか?」
町人「おいおい、いつの話だよ。300年前に王政が確立して全部廃止されたじゃないか」
青年剣士「は・・・はぁ・・・・」
20: 2013/07/17(水) 18:03:51 ID:rm1rJXuo
子供「ど、どけええ!」
ダダダダッ!!!
青年剣士「おっと・・・」ドンッ
子供「う、うわっ!」
青年剣士「・・・盗みはよくないな。返してあげるんだ」
子供「うっせえ!」
青年剣士「・・・・」ハァ
子供「い、いてててっ!腕を・・・」
青年剣士「・・・!」ハッ
子供「何だよ!人の顔ジロジロみやがって!」
青年剣士「・・・へ?・・・・・"幼剣士"?」
子供「えっ?何で俺の名前を・・・・・」
21: 2013/07/17(水) 18:04:29 ID:rm1rJXuo
野菜屋「はぁ・・・はぁ・・・・、ありがとうよ兄さん」
青年剣士「あ、いえ。盗んだものって幾らですか?払いますよ」
野菜屋「いいや、そいつは常習犯でね。王親衛隊に突き出して、罰を受けてもらう」
青年剣士「この子、預からせてください」
野菜屋「だめだ」
青年剣士「1万ジェムじゃ足りませんか」チラッ
野菜屋「・・2万だ」
青年剣士「・・わかりました」ゴソゴソ
・・・スッ
子供「・・・!」
22: 2013/07/17(水) 18:05:04 ID:rm1rJXuo
野菜屋「へへ・・・1ヶ月分の儲けが一瞬で手に入りやがった、あんがとよ兄さん!」
青年剣士「・・・」
町人「あんたも物好きだね・・・・、じゃ。俺はこれで行くよ」
青年剣士「あ、あぁ・・・ありがとうございます」
子供「・・・いつまで手握ってんだよ・・・」
青年剣士「ん、あぁ・・・ごめんよ」
子供「・・・別に礼は言わないからな」
青年剣士「気にしないでくれ。君の名前は?」
23: 2013/07/17(水) 18:05:35 ID:rm1rJXuo
幼剣士「・・俺は幼剣士」
青年剣士「・・・まさか・・・・・・、いやしかし・・・顔も・・・似ている・・・」
幼剣士「何ぶつくさ言ってんの?」
青年剣士「すまない、ちょっと・・・色々聞きたいことがあるんだ。家に案内してくれないか?」
幼剣士「・・・いいけど」
青年剣士「ありがとう」
24: 2013/07/17(水) 18:07:01 ID:rm1rJXuo
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ガチャッ
幼剣士「ただいまぁ」
青年剣士「お邪魔します」
幼剣士「狭いところだけどね・・・・、おーい!帰ったぞ!今日は野菜が手に入った!」
青年剣士(・・・家の作りが荒い。泥を固めたものか・・・、クエストで見る貧困街にそっくりだ・・・、ん?)
・・・トコトコ・・
子供「ごほっ・・・ごほごほ・・・、あ、お兄ちゃん・・・お帰り・・」
幼剣士「少年剣士・・・ダメだろ!起きてきちゃ!」
青年剣士(し、少年剣士・・・・!?)ゾクゾク
25: 2013/07/17(水) 18:07:33 ID:rm1rJXuo
少年剣士「あ・・・お客さん・・・・・?」
青年剣士「あ、あぁ・・・お邪魔してるよ。幼剣士、この子は君の・・・弟クンかな?」
幼剣士「そうだけど、血はつながってないよ。元々隣同士に住んでたんだけど、色々あって、成り行きで・・・」
青年剣士「?・・・そ、そうか。親は?」
幼剣士「いないよ。氏んじゃった」
青年剣士「氏ん・・・・だ?」
幼剣士「うん。王政大会に出場して。お母さんらもお城に連れてかれちゃった」
青年剣士(王政大会?決闘大会・・・?色々理解する必要がありそうだ)
26: 2013/07/17(水) 18:08:09 ID:rm1rJXuo
少年剣士「お母さんか・・・会いたいなぁ・・・」
幼剣士「そ、それは言いっこなしっていっただろ!俺らだけでも生きていけるんだから!」
青年剣士「・・・この家に、何か歴史がわかる本とかはあるかい?」
幼剣士「歴史?古い本ならあるけど・・・それでもいい?」
青年剣士「あぁかまわない」
幼剣士「それとオジサン、いつまでフード被ってるの?家の中だし、暑いし脱げば?」
青年剣士「ああそうだな・・・・」
・・・・パサッ
27: 2013/07/17(水) 18:08:56 ID:rm1rJXuo
少年剣士「えっ!?」
幼剣士「ええっ!?」
青年剣士「・・・初めまして」
少年剣士「えええ、英雄剣士さん!?」
幼剣士「きょ、今日の決闘大会に出てたあの人!?なんでここに!?」
青年剣士「・・・落ち着いてくれ」ハハ
幼剣士「落ち着いてって・・・な、なな・・・・」
青年剣士「とりあえず・・・、本を見せてくれるかな」ニコッ
幼剣士「う・・・うん」
28: 2013/07/17(水) 18:09:45 ID:rm1rJXuo
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・ペラッ
青年剣士「・・・」
幼剣士「どう・・・?読める・・・・・?」
青年剣士(俺の時代の字と、新しい字が混ざってるな。読みにくいが・・・何とかなりそうだ)
幼剣士「俺ら学校にも行ってないから、字とか読めないんだ・・・」
少年剣士「本が読めたら楽しいだろうけどなぁ」
青年剣士「ふむ・・・、分かる範囲で・・・口に出して・・この本を読んでみてあげようっ」
幼剣士「・・・うんっ」ワクワク
少年剣士「わあい!」ワクワク
29: 2013/07/17(水) 18:11:04 ID:rm1rJXuo
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
"塔の暴走後、世界を救った7人は名誉賞を受け取り、その中で自らを犠牲にした青年剣士は英雄剣士の称号を授かった"
"その後1年以上、捜索隊が行方を捜索したが見つからず、氏亡扱いとして処理された"
青年剣士(俺の事を英雄剣士と呼ぶのはこういうことか・・・ご丁寧に俺の絵まで付いてるのか・・・)
幼剣士「それは俺らも知ってるよなー?」
少年剣士「うんうん!」
・・・・ペラッ
"その数年後、太陽の国にてリッチが復活。作業員数名が氏亡し、その前後で起きた騒動により大多数の氏者を出した"
・・・・ペラッ
"更に20年後、かの名誉賞を受けた一人である幼剣士は、世界の冒険者の先駆けとなる・・・・を・・・し・・・・"
・・・・ペラッ
"僧侶戦士・・・・武道家・・・・英・・・・・、やがて・・・・・・・・・・・"
30: 2013/07/17(水) 18:11:52 ID:rm1rJXuo
青年剣士「ところどころの文字が俺にも読めないな、すまん」
幼剣士「うーん・・・」
少年剣士「でもいっつも思うんだけど、この歴史に出てくる幼剣士って、幼剣士と一緒の名前だよね」
幼剣士「俺ら、もしかしたら子孫なんじゃねー!?」
少年剣士「あはは!そんなんだったら、こんな所じゃなくて、もっといい場所に住んでるよ!」
青年剣士(ふむ・・・、本当にここは700年後のよう・・だな・・・・)
・・・・ペラッ
"150年後、星屑戦争が再び勃発"
"300年後、軍の方針に逆らう暴動が起きる"
"400年後、軍の壊滅。王政が確立し、初代にかの英雄剣士の子孫である・・・・が・・・"
"600年後、世界経済が崩壊"
"650年後、魔界の扉が開放。奴隷化、侵攻が進む"
31: 2013/07/17(水) 18:12:24 ID:rm1rJXuo
青年剣士「・・・・え?」
幼剣士「?」
青年剣士「魔界の扉が開いたって・・・どういうことだ?」
幼剣士「そのまんまだよ?俺らが生まれる前に、お父さんたちが魔界への侵攻で魔界を制圧したんだ」
青年剣士「・・・・!」
幼剣士「で、赤竜っていう偉い竜さんがいたんだけど、その竜も敗れて、人間が支配したんだって」
青年剣士「そんな・・・バカな・・・!!」
幼剣士「だから町に出ると魔物とかいっぱいいるよ?」
青年剣士「信じられない・・・」
少年剣士「・・・あ」
32: 2013/07/17(水) 18:13:25 ID:rm1rJXuo
幼剣士「?」
少年剣士「もしかしたら、このおにいちゃんなら、あれ読めるんじゃない?」
幼剣士「あれって・・・アレ?」
少年剣士「うん」
幼剣士「そっか・・・持ってくる!」
・・・・タタタタタッ
青年剣士「・・・?」
・・・・タタタタッ
幼剣士「はぁはぁ・・・・これっ!」チャリッ
青年剣士「これは・・・・!!」
33: 2013/07/17(水) 18:14:16 ID:rm1rJXuo
幼剣士「うちに伝わる古いネックレス。ずーっと、俺と少年剣士の家にあるんだって」
少年剣士「うん。2つあるんだけど、そのうち1つに文字が入ってるんだけど読めないんだ」
青年剣士「・・・・」チャリッ
幼剣士「・・・」ドキドキ
青年剣士(やはり・・・これは太陽のネックレス・・・そして・・・俺のと一緒・・・だが、2つ?)チラッ
少年剣士「?」
青年剣士(分からない部分があるが・・・やはりこの2人は・・・・)
幼剣士「やっぱり読めない?」
34: 2013/07/17(水) 18:15:01 ID:rm1rJXuo
青年剣士「あ・・・いや・・・。んとね・・・これは・・・・封印魔術・・・だ」
幼剣士「・・・・?」
青年剣士(この封印魔術の文字、俺が書いたようにそっくりだ・・・どういうことだ・・・・)
幼剣士「開かない?」
青年剣士「・・・・解除魔法!」
・・・・パァッ!!
少年剣士「わっ・・・眩しい・・」
幼剣士「・・・!」
青年剣士「・・・ん?」パサッ
幼剣士「紙が出てきた・・・?」
35: 2013/07/17(水) 18:16:42 ID:rm1rJXuo
青年剣士(手紙か・・・・?・・・間違いない、俺の字・・・!)
幼剣士「うーん・・・何て書いてあるか読めないな・・・・」
少年剣士「・・・?」
青年剣士(・・・ふむ・・・・)
幼剣士「?」
少年剣士「読めてるのかな?」
青年剣士「・・・成るほど」
幼剣士「・・・何かわかった!?」
36: 2013/07/17(水) 18:17:13 ID:rm1rJXuo
青年剣士「・・・俺がここに来たのは偶然なんかじゃなかったってことだ!」
幼剣士「・・・?」
少年剣士「どういう・・こと?」
青年剣士「とりあえず、外に案内してもらおうかなっ!」
幼剣士「何が書いてあるか教えてくれてもいいのにー!」
青年剣士(これから起きるであろう事、過去に戻って幼剣士らを救うこと・・・は分かった。だが重要な部分が抜けている。これは・・・身を任せろということ・・だね)
幼剣士「うーん・・・まあいいよ、そう言うなら・・町を案内するよ・・・」
青年剣士「ありがとう」ニコッ
37: 2013/07/17(水) 18:17:57 ID:rm1rJXuo
ここまでです。ありがとうございました。
45: 2013/07/18(木) 10:48:34 ID:0ZWo.v5k
皆さんコメント有難うございます(A´ω`)
>>39 >>41 >>42 楽しんでいってくださいね!
>>39 >>41 >>42 楽しんでいってくださいね!
46: 2013/07/18(木) 10:49:22 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ジリジリ
青年剣士「しかし暑いな・・・・、まるで太陽の国みたいだ・・・」
幼剣士「えっ!?太陽の国に行った事あるの!?」
青年剣士「うん。料理は美味しいし、凄い良い所だよ」
幼剣士「そんな場所もまだあるんだ・・・」
青年剣士「・・・どういうこと?」
幼剣士「太陽の国は、魔界の扉を開けたと同時に、温度が急上昇して生き物が住めなくなったって・・・」
青年剣士「・・・・」
47: 2013/07/18(木) 10:50:03 ID:0ZWo.v5k
幼剣士「こんな暑さだから、少年剣士のやつも外に出れなくて・・・。昔は一緒に遊べたのになぁ」
青年剣士「少年剣士は何かの病気なのかい?」
幼剣士「うん。魔界の瘴気っていうのかな、それにやられて体が衰弱していってるんだ」
青年剣士「・・・なるほどね」
幼剣士「それで、どんな場所を案内すればいいんだろう」
青年剣士「ローブは被ってるし、どこでも行けるから・・・軽く町の中でも・・・・」
・・・・ウォォォォォ!!!
青年剣士「なんだ?」
48: 2013/07/18(木) 10:50:34 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
奴隷商人「さあさ、公認の決闘大会を始めるよ!参加は1万ジェムだ!」
観客「いいぞいいぞー!」
観客「今日も魅せてくれー!」
青年剣士「なんだありゃ?」
幼剣士「王公認の決闘大会。奴隷商人にお金を渡して参加できるんだ」
青年剣士「へえ・・・」
幼剣士「奴隷承認の隣にいる大きいのが傭兵。それを倒せばその更に横にいる奴隷を貰えるってわけ」
青年剣士「・・・横?」チラッ
赤髪少女「・・・」
青年剣士(・・・・・運命ってのは、ここまで残酷なのか・・・)
49: 2013/07/18(木) 10:51:17 ID:0ZWo.v5k
幼剣士「?」
青年剣士「ちょっと待っててくれ、参加する」
幼剣士「え!?だ、ダメだよ!あの傭兵は、戦争でもかなり有名な方だし・・・、いくら強くても・・・・」
青年剣士「はは、大丈夫。俺は・・・英雄剣士なんだろ?」ポン
幼剣士「・・・!」
奴隷商人「さあさ!今日はいないのかな!?」
傭兵「腰抜けどもが!」
・・・・スッ
奴隷商人「・・・お!?」
青年剣士「参加したい。1万ジェムでいいんだな?」
奴隷商人「おおお!きたきた!皆さん!参加者が現れましたよ!!!」
50: 2013/07/18(木) 10:52:18 ID:0ZWo.v5k
観客「うおー!いいぞいいぞぉぉ!」ウオオオ
観客「傭兵!今日も相手を華麗に頃してくれよ!」
青年剣士「・・・」チャリッ
奴隷商人「毎度!ルールはわかるかい?」
青年剣士「いや・・・」
奴隷商人「簡単。相手を潰せばいい。頃しても・・・・殺されてもね・・・・」ニヤッ
青年剣士「なっ・・」
・・・・バキッ!!!!
・・・ドサッ!!
傭兵「くはは!もう試合は始まっているんだぞ!余所見が命取だったな!!」
51: 2013/07/18(木) 10:53:06 ID:0ZWo.v5k
幼剣士「ああああっ、だから言わんこっちゃないのに!!」
観客「あっけねえぞ挑戦者!どうしたー!」
観客「つまんねーぞー!」ブーブー
幼剣士「・・・って・・」
青年剣士「・・・」スタッ
傭兵「・・・む?」
青年剣士「不意打ちとはやるじゃないか。だけど、ダメージって程ではないかな」
奴隷商人「何・・・・」
傭兵「ほう・・・?やるな・・・・・?」
52: 2013/07/18(木) 10:53:51 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「ちょっとびっくりしたけどね」アハハ
傭兵「ならば・・・本気でいくぞ!!」
・・・・ビュッ!!
青年剣士「結構早っ・・・・!」バサァッ!!!
幼剣士「あっ、ローブが!」
フヨフヨ・・・・ファサッッ
青年剣士「あ・・・」
奴隷商人「な、ななななな・・・」
傭兵「・・・へぇ」ニヤリ
観客「・・・・!」
53: 2013/07/18(木) 10:54:48 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・ウオォオオオ!!!
キョウノタイカイノ!!
コンナトコロニイルナンテ!!!サインモラワナイト!!!
青年剣士「あらら・・・」
傭兵「・・・今日の大会見てたぜ。まさか手合わせ出来るとはな」ククク
青年剣士「本当は・・・隠したままやりたかったんだけどな・・」
傭兵「・・・本気でこい!」スッ
青年剣士「・・・そのほうが良さそうだね。君は凄い強いって分かる」チャキッ
幼剣士「剣を構えた!」
54: 2013/07/18(木) 10:55:19 ID:0ZWo.v5k
傭兵「うおらあああっ!!」ブゥン!!
青年剣士「踏み込みは早く、打撃も早い。パワーもある・・・」ヒュッ
傭兵「何をぶつぶつと!」ビュッ
青年剣士「だけど、大柄な分・・・・隙が多い!!」ブワッ!!
・・・・ドシュッ!!
傭兵「ぐふっ・・・・・」
青年剣士「勝負あり・・・・かな?」
観客「おおっ!一撃が入った!」
55: 2013/07/18(木) 10:56:13 ID:0ZWo.v5k
傭兵「ごほっ・・・・!てめ・・・」ググッ
青年剣士「げっ、刃を立てなくても急所入れたつもりだったんだけど・・・」
傭兵「・・・俺の事を甘く見るなよ!」ビュッ
青年剣士「わわっ・・・くっ・・・小斬連弾っ!」ヒュッ
・・・バキィ!!バキバキィ!!!
傭兵「ぐ・・・・ぁ・・・・・!」
青年剣士「これなら・・・!」
傭兵「・・・・まだだぁぁ!」ググッ
青年剣士「ちょっ!」
56: 2013/07/18(木) 10:57:15 ID:0ZWo.v5k
傭兵「俺らは傭兵だ・・・・戦いでしか生きられない・・・!手を抜くな・・・!俺はいつまでも立ち上がるぞ!」
青年剣士(戦いでしか、生きられない・・・・。そうか、戦いの信念は・・腐ったこの世にもまだ・・・あるんだ)
傭兵「どうじだぁ!!それで終わりか!」ポタポタ
観客「ち、血がひでぇ・・・」
観客「ど、どっちも頑張りやがれこのやろう!」
青年剣士「ならば・・・それに答えるのが礼儀だね・・・、大斬っっっ!!!」ビュッ
・・・・バキィィィ!!!!
傭兵「ぐ・・・が・・・・」
・・・ドサッ
57: 2013/07/18(木) 10:58:01 ID:0ZWo.v5k
観客「や、やりやがった。傭兵を倒しやがった!」
観客「やっぱあいつ英雄剣士だぜ、本物だよ!!」
・・・・ウオォォォ!!
幼剣士「本当に倒したよ・・・凄いな・・・」
青年剣士「さて、と。奴隷商人」
奴隷商人「ひっ、は、はい!」
青年剣士「そこの少女を貰えるんだろう?」
奴隷商人「あの、その、この子は魔族の子で非常に値段が高くて・・・・せめて50万ジェムを・・・」
青年剣士「・・・」ギロッ
奴隷商人「ひぃぃぃ、ど、どうぞおお!」
ダダダダダッ
青年剣士「あーあ・・・逃げちゃった・・・」
58: 2013/07/18(木) 10:58:42 ID:0ZWo.v5k
・・トコトコ・・・
赤髪少女「・・・」ビクビク
青年剣士(怯えてる・・・か。まるで俺が出会った時のままだ・・・・)
赤髪少女「あの・・・あなたが・・私の新しいご主人様ですか・・・?」ビクビク
青年剣士「・・・」
赤髪少女「何でも言う事を聞きます、何でもします・・・だ、だから・・・殴らないで・・・下さい・・・」グスッ
青年剣士「・・・」
赤髪少女「乱暴はやめてください・・お願いします・・・・」ビクビク
59: 2013/07/18(木) 10:59:38 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「・・・」スッ
赤髪少女「ひっ!」ビクッ
・・・ギュッ
赤髪処O「・・・え?」
青年剣士「大丈夫。僕は君の事をいじめたりしない。嫌なことはしない。君を助けてあげるから・・・・」
赤髪少女「助け・・・私・・を・・・・・?」
青年剣士「うん。だから大丈夫・・・、ね?」
赤髪少女「あ・・・?な、なんかお兄ちゃん・・・・、ママの・・・匂いが・・・する・・・・」
青年剣士「・・・俺は君とはちょっとした繋がりがあるんだ・・・、だから大丈夫」
赤髪少女「ママみたいに・・・温かい・・・・」グスッ
60: 2013/07/18(木) 11:00:10 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「・・・君の名前は?」
赤髪少女「私は赤髪少女。ママの名前をもらったの・・・・・」
青年剣士「そっか・・・」
赤髪少女「・・・」グスッ
幼剣士「・・・おーい。で、これから俺はどうすればいいんだろうか・・・」
61: 2013/07/18(木) 11:00:46 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【夜・家の中】
青年剣士「ありがとう、泊めてくれて」
幼剣士「どうせ行く所がなさそうにしてたし・・・・しばらくはいてもいいよ」
少年剣士「・・・」スゥスゥ
赤髪少女「・・・」スゥスゥ
幼剣士「それと・・ありがとう・・色々買ってくれて。久々に美味しいモノ食べさせてあげられた」
青年剣士「何・・・このくらいしか出来ないしね」
62: 2013/07/18(木) 11:01:22 ID:0ZWo.v5k
幼剣士「・・・」
青年剣士「それと、決闘大会や王政大会って何のことだか教えてくれないか?」
幼剣士「決闘大会は1週間に1度やってるイベントみたいなもの。王政大会は年に1度開催される大規模な大会だよ」
青年剣士「何が違うんだ?」
幼剣士「どっちも戦士や傭兵らが出場するんだけど、王政大会で優勝すると、何でも王が願い事を叶えてくれるんだ」
青年剣士「願い事を?」
幼剣士「うん」
青年剣士(つまり王が支配する中で、市民の楽しみや市民の夢の為に大会を開いている、そういうことか)
幼剣士「まあ・・・ど、どっちも殺されるっていうのが隣り合わせで・・・・、お、俺らの親も・・・」
青年剣士「そうか・・・すまない」
幼剣士「・・・いいよ」
63: 2013/07/18(木) 11:02:01 ID:0ZWo.v5k
青年剣士(それにしても、竜族の子がこんな奴隷になるような世界か・・・・)
幼剣士「・・・さっき、あの赤髪少女と知り合いみたいな雰囲気だったけど、知ってる子?」
青年剣士「ん、いやまぁ・・・ね」
幼剣士「そっか」
青年剣士「その王政大会とやらは、出場する資格が必要なのか?」
幼剣士「ううん?あー・・でも、王国側に受理されないとダメってのはあるかな。もうすぐ開催するけど」
青年剣士「ふむ。やはりそれは、観衆も多いのかな?」
幼剣士「多いってもんじゃないよ、全世界で注目されるし、選手は全世界から集まってくるし・・・・」
青年剣士「なるほど・・・」
64: 2013/07/18(木) 11:02:33 ID:0ZWo.v5k
幼剣士「・・・うん」
青年剣士「それと、魔界の扉はどこにあるんだ?」
幼剣士「あー・・・お城。侵略した後、王様が魔界も支配して、色々なことをやってるみたい」
青年剣士(力の均衡が崩れたということなのか・・・)
幼剣士「・・・でも、何だかんだで王様のことは皆・・嫌いなんだ」
青年剣士「だろうな・・・」
幼剣士「俺らの親は、優勝して反乱を促そうとしてたんだけど・・・、それがバレて強い相手にぶつけられて、殺されちゃったんだ・・・」ウルッ
青年剣士「・・・立派な親だ」
幼剣士「うん、でも・・・俺らはまだ一緒にいて・・遊んでほしかった・・・し、もっと一緒に・・・・色々・・・」
青年剣士「・・・」
65: 2013/07/18(木) 11:03:06 ID:0ZWo.v5k
幼剣士「っ・・・」グスッ
青年剣士「だけど、良い事を聞いたよ」
幼剣士「えっ?」
青年剣士「簡単だったんだ。今の現状を打破するには、世界を変えればよかった」
幼剣士「そ、そんな簡単に・・・」
青年剣士「難しいことほど、意外と単純に解決策があるものだよ。逆に簡単なことほど、難しいこともある」
幼剣士「う・・・うーん?」
赤髪少女「・・・ん~・・」モゾモゾ
青年剣士「あ・・・ごめん、起こしちゃった?」
66: 2013/07/18(木) 11:03:52 ID:0ZWo.v5k
赤髪少女「青年剣士ぃ・・・抱っこ・・・・」
青年剣士「・・・おいで」ニコッ
・・・ギュッ
赤髪少女「えへへ・・・やっぱりママの匂いがする・・・」モゾモゾ
青年剣士「・・・君のママは・・今どこに?」
赤髪少女「人間が捕まえて、私は奴隷に売られたの・・・。ママに会いたいよう・・・」グスッ
青年剣士「大丈夫、きっと会わせてみせるよ」
赤髪少女「・・・本当?」
青年剣士「本当だよ」ニコッ
赤髪少女「・・・信じる!」パァァ
67: 2013/07/18(木) 11:04:30 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「・・・うん」
赤髪少女「あ・・・・」
青年剣士「?」
赤髪少女「そういえば、ママがいつも言ってた・・・の思い出した・・・・・・・」
青年剣士「なに?」
赤髪少女「もし私に何かあったら、ある人に出会うから・・・そうすれば、すべてが上手くいくから大丈夫って・・・・」
青年剣士「・・・まさか」
赤髪少女「青年剣士が、その人なの?」
青年剣士「他に、何か言ってることはなかった?」
赤髪少女「うーん・・あっ!そういえば・・・ママが捕まるとき・・・」
68: 2013/07/18(木) 11:05:01 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「・・何?」
赤髪少女「大声で、私は待ち続けているって伝えてって・・・大声で叫んでたよ・・・」
青年剣士「・・・・!」ドクン!!
赤髪少女「・・・どうしたの?」
青年剣士「ううん?何でも・・・ないよ」ドクンドクン
赤髪少女「・・・でも、胸が・・・ドクンドクンっていってる・・・大丈夫?」
青年剣士「ありがとう、赤髪少女は優しいね・・・」ギュッ
赤髪少女「えへへ・・・青年剣士も優しいよ」
幼剣士「何がなにやら・・・さっぱりわからない」
69: 2013/07/18(木) 11:05:43 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「さて、今日も遅いし寝ようか。・・・幼剣士、明日は王政大会の申請を教えてくれるかな」
幼剣士「いいけど、参加できるかどうかは・・・・」
青年剣士「やってみなくちゃわからないだろ?」
幼剣士「そう・・・だね」
青年剣士「よいしょっと」ガタッ
赤髪少女「えへへ・・・抱っこ温かい・・・・眠くなってきた・・・」ギュゥッ
幼剣士「じゃ、眠いし・・・寝よう」フワァァ
青年剣士「そうだね・・・お休み」
赤髪少女「おやすみなさい・・・」
70: 2013/07/18(木) 11:06:45 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
71: 2013/07/18(木) 11:07:22 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【次の日・コロシアム前】
青年剣士「ここ?」
幼剣士「うん、登録はもう行われてるけど、やっぱり認められないとダメだよ」
青年剣士「ダメで元々、いってみよう!」
・・・ドンッ
青年剣士「おっと、すいませ・・・・あ」
傭兵「・・・ん?」
青年剣士「あ、昨日の傭兵さん」
傭兵「ああ、お前か。昨日は強力なのを貰ったけどな、1日寝たら直ったぜ」
青年剣士「ど、どんだけですか・・・・」
72: 2013/07/18(木) 11:07:58 ID:0ZWo.v5k
傭兵「お前がここにいるって事は、大会にでも出るのか?」
青年剣士「あ・・・はい、王政大会に出ようかなと」
傭兵「無理だな」
青年剣士「はぁ~・・・やっぱり口を揃えて無理・・・か・・」
幼剣士「だから言っただろー!って・・・昨日、あんなに戦いあったのに、何で普通にしゃべってるの!?」
傭兵「昨日は昨日、今日は今日。それが傭兵ってやつだ」
青年剣士「昨日の仲間は今日の敵、昨日の敵は今日の友、ってやつですね」
傭兵「そうだな!」
幼剣士「うーん・・・よくわからない」
73: 2013/07/18(木) 11:08:35 ID:0ZWo.v5k
傭兵「つーかよ、傭兵傭兵って、これでも一応・・・王立兵士団の傭兵なんだ。まあ、王傭兵って呼んでくれ」
青年剣士「王立兵士団・・・」
王傭兵「あぁ・・・、まあ王の下っ端だけどな」
青年剣士(俺らでいう軍みたいなものか)
王傭兵「で・・・お前は確か、王政大会に出たいんだよな?」
青年剣士「だけど無理なんですよね?」
王傭兵「まぁお前だけではな。ついて来い・・・」
青年剣士「え?」
74: 2013/07/18(木) 11:09:15 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ザワザワ・・
王傭兵「・・・うーっす」
大会受付「あれ、王傭兵じゃん。どしたん?」
王傭兵「ああ、ちょっとな。今って王政大会の受付してるよな?」
大会受付「先週から始まってるぜ。もうすぐ受付終了で、来週にはもう始まるぞ?」
王傭兵「丁度よかった。コイツ入れてくれ」
青年剣士「ど、どうも」ペコッ
大会受付「うおおお!あんたは昨日の!!」
王傭兵「まあコイツだけじゃ無理だけど、俺の名前通せば何とかなるだろ?」
大会受付「そうだな!是非とも出てほしいし、あんたの名前使って出しとくよ!」
王傭兵「ありがとよ」
75: 2013/07/18(木) 11:09:53 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
青年剣士「ど、どうもでした」
王傭兵「なに、気にするな。俺もあんたが大会に出るのを見たくなっただけだ」
青年剣士「そうですか・・・ありがとうございます」
幼剣士「それじゃあ来週から本番かぁ。頑張ってよっ!」
青年剣士「任せてくれよ!」
王傭兵「で、もし優勝できたら何を願いたいんだ?」
青年剣士「王政の反乱を・・・・あっ」
王傭兵「何?」ピクッ
76: 2013/07/18(木) 11:10:25 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「ななな、何でもないですよ?」
王傭兵「しっかり話せ。・・・興味がある」
青年剣士「え?」
王傭兵「ここじゃ場所が悪い。俺の行き着けの酒場に来い」
青年剣士「あー・・・」チラッ
幼剣士「・・・あ、ああ!俺は家に戻っておくよ!」
青年剣士「・・ごめんね、ありがとう」
・・・タッタッタッタ・・
王傭兵「・・・こっちだ」
77: 2013/07/18(木) 11:11:04 ID:0ZWo.v5k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
店員「いらっしゃいませー!」
・・・コッチ、エール2ツ!!
・・ツマミタリネーゾーーー!!!
王傭兵「ははは、ガラの悪い人間ばっかだろ」
青年剣士「まー・・・お世辞にも・・」
王傭兵「だからこそ、気兼ねない仲間なんだ。もちろん、さっきの話なんかも日常茶飯事だが・・・」
青年剣士「・・・?」
王傭兵「今までは夢物語だった。だが、お前の強さならやれるかもしれん。詳しく聞かせてくれ」
青年剣士「・・・はい」
78: 2013/07/18(木) 11:11:44 ID:0ZWo.v5k
王傭兵「・・・なるほど、700年前の世界から・・・か」
青年剣士「にわかには信じられないでしょうけど」
王傭兵「いいや、信じるぜ。それじゃないと、あんたがココにいる理由がない」グビグビ
青年剣士「俺が?」
王傭兵「・・・確かに歴史上、英雄剣士が数年間行方不明になってた時期がある。それが今回だとすると、ツジツマが合う」
青年剣士「なるほど、そんな事まで書かれているんですか・・・」ハハ
王傭兵「いやそりゃな。お前の息子とか、弟子だとか、色々なもん知ってるぜ?」
青年剣士「息子・・・弟子・・・・」
王傭兵「ああ。お前の息子はな・・・・」グビグビ
青年剣士「あ、止めてください。あまり、自分関連で・・これからの出来事は知りたくないんです・・・」
王傭兵「・・・そうだな、もっともだ」
79: 2013/07/18(木) 11:12:28 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「過去に戻った後の俺からの手紙も、あまり内容がなかったのはそういう事でしょうしね。自分自身でわかっているんです」
王傭兵「過去も未来も自分らしさを突き通すんだな、アンタは。英雄剣士サン」
青年剣士「その呼び方慣れてないんですよね・・・、自分で実際受け取ったわけじゃないですし・・・」
王傭兵「そうか、塔の暴走後に氏亡扱いになったってあったしな。その時だったか?」
青年剣士「らしいですね・・・」
王傭兵「まぁ・・・んで、本題。優勝してどうする?」
青年剣士「優勝したら、いきなり叫ぶつもりです。観衆の前で、立ち上がれ、魔物たちよ、民衆たちよ・・・と」
王傭兵「・・・動くと思うか?」
青年剣士「動きませんかね」
80: 2013/07/18(木) 11:13:02 ID:0ZWo.v5k
王傭兵「アンタが魔物なら、数十年もいきなり人間界に落とされて、そこから苦痛の中を過ごしてる中、突然現れた人間に同意するか?」
青年剣士「・・・そうですね」
王傭兵「まぁ、コネでもあるなら別だけどな?」
青年剣士「コネですか?」
王傭兵「ああ。例えば、強力な魔物を知ってるとか、身内にそれに近い力を持つ人がいる、とかな」
青年剣士「なるほど・・・、まぁ、宛がないわけではないのですが・・・」
王傭兵「ほう?」
青年剣士「それと、王傭兵さんは何で俺に親身になるんです?」
王傭兵「親身も何も、今の市民に王政を良いと思ってるやつなんざ一人もいねーよ」
青年剣士「それが、王立兵士団だとしても・・・ですか」
王傭兵「・・・あぁ」
81: 2013/07/18(木) 11:13:32 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「・・・今、王政の中央になる戦闘力はやはり王立兵士団なのでしょうか」
王傭兵「間違いないな。だが、昔ほどの統制もなければ実力もない」
青年剣士「昔ほど?」
王傭兵「50年前の魔界の開放をしたメンバーはもう、この世にはいない。いるのは年老いて、実力無しの老害共よ」
青年剣士「では何故立ち上がらないんですかね」
王傭兵「さっきの理由だ。支配されることに慣れすぎたんだ。これが当たり前、これが当然、ってな」
青年剣士「確かに、時代がそうだそうだと言ってるようなものですしね」
王傭兵「そんな中、お前はこの時代に流されてはいない。俺にとっちゃ、希望の星・・・だ」
青年剣士「任せてください・・・俺は、この時代を救うために来たのかもしれませんね」
王傭兵「嬉しいこと・・・言うねぇ」ニカッ
82: 2013/07/18(木) 11:14:09 ID:0ZWo.v5k
青年剣士「それじゃ、俺はこれで失礼します・・・ご馳走様でした。色々お話聞けてよかったです」ガタッ
王傭兵「おう!」
・・・・タッ・・タッ・・・タッ・・・ガチャッ・・
王傭兵「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
ガタッ・・・ガタガタガタッ・・・
83: 2013/07/18(木) 11:15:23 ID:0ZWo.v5k
酒場の戦士「よお、話聞いてたぜ。動くのか・・・」
王傭兵「俺だけじゃ無理だ。あの英雄剣士サンの動きによる」
酒場の魔法使い「そうだな・・・、素性は最早関係ねぇ。あんたが信頼するなら俺らも信頼する」
王傭兵「・・・ありがとよ」
酒場の僧侶「・・ところで伝えたのか?」
王傭兵「何をだ?」
酒場の武道家「ここが、国家反逆のレジスタンス軍の本部だって事を・・・だ」
91: 2013/07/19(金) 07:11:13 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ガチャッ
青年剣士「ただいま~」ヨイショ
赤髪少女「あ、お帰りなさい!」
少年剣士「お帰り・・・なさいゴホゴホ・・・」
幼剣士「お帰り、何か収穫はあった?」
青年剣士「ああ、だいぶあったよ。俺が俺の道を行くってことが、改めて決意になった」
幼剣士「・・・応援してる」
青年剣士「あぁ・・・」
92: 2013/07/19(金) 07:11:44 ID:Grx4FC/w
幼剣士「ところで・・・その良い匂いのする物は何・・・・?」ジュルリ
青年剣士「帰りに焼き豚とか、飲み物とか、色々買ってきた。保存食もあるし、これでしばらくは大丈夫だろう」
幼剣士「・・・」ジュルリ
赤髪少女「・・・」ジー
少年剣士「・・・」ゴクッ
青年剣士「はは・・・、じゃあ今日も美味しい物作ろうか!」
3人「わぁい!」
93: 2013/07/19(金) 07:12:15 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
赤髪少女「・・・」スゥスゥ
青年剣士「・・・・」スゥスゥ
・・・モゾッ
幼剣士「・・・少年剣士、起きてるか?」
少年剣士「起きてる・・・よ」
幼剣士「なんか、最近楽しいな」
少年剣士「うん・・・」
幼剣士「青年剣士のおかげ・・だよな」
少年剣士「そうだね・・・美味しい物も沢山食べれて・・・、夢みたいだよ」
幼剣士「うん・・・」
94: 2013/07/19(金) 07:12:58 ID:Grx4FC/w
少年剣士「お母さん・・・お城で大丈夫かな・・・」
幼剣士「心配だよな・・・」
少年剣士「・・・」
幼剣士「・・・」
少年剣士「いつか、また会えるかな?」
幼剣士「きっと会えるさ!」
少年剣士「うん」
幼剣士「それより、青年剣士はこれからどうするんだろう・・・」
少年剣士「世界を変える・・・か、本当に出来るのかな」
幼剣士「わからない。けど、この人の言葉には・・・こう、何かある気がする」
少年剣士「そうだよね・・・僕もそう思う・・・」
95: 2013/07/19(金) 07:13:28 ID:Grx4FC/w
幼剣士「・・・変に考えると眠れなくなるな、さっさと寝よう」
少年剣士「うん・・・おやすみなさい」
幼剣士「おやすみ・・・」
少年剣士「・・・」
幼剣士「・・・」
青年剣士「・・・・」
・・・モゾッ
青年剣士(きっと、また幸せを見せてやるからな・・・みんな)
96: 2013/07/19(金) 07:14:11 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
97: 2013/07/19(金) 07:14:44 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・チュンチュン・・
青年剣士「・・・」ガバッ
幼剣士「・・・」スゥスゥ
少年剣士「・・・」クゥクゥ
赤髪少女「・・・」スースー
青年剣士「みんな寝てるか・・・、ちょっと一人で外に出てみるか・・・」
・・・ガチャッ・・・バタン・・
98: 2013/07/19(金) 07:15:14 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
青年剣士「毎日毎日・・・、本当に暑いな・・・」ハァ
野菜屋「あ、泥棒!」
喧嘩屋「やるのかコラァ!!」
女「寄っていかない?お兄さん~・・・」
青年剣士「・・・町は相変わらずだしね」
・・・トコトコ
青年剣士「・・・ん?」
???「よう・・・」
99: 2013/07/19(金) 07:15:54 ID:Grx4FC/w
青年剣士「・・・あなたたちは・・、確か酒場にいた・・・」
酒場の戦士「よう・・・」
酒場の魔法使い「ちょっくら、着いてきてくれねぇか・・・?」
酒場の僧侶「なぁに・・悪いようにはしねえよ・・」
青年剣士「・・・何が目的だ?」チャキッ
酒場の戦士「だから、悪いようにはしねーから、着いて来いって・・・な?」
青年剣士「・・・」
酒場の僧侶「・・・王傭兵の知り合いだ。安心しなよ」ハァ
青年剣士「王傭兵さんの・・・、わかりました」ホッ
100: 2013/07/19(金) 07:16:43 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ザワザワ・・
青年剣士「ここは・・・昨日と違う酒場ですね?」
酒場の戦士「まぁな、俺らは色々な場所に・・・」
酒場の僧侶「ば、ばか、まだそれはダメだって言ってただろ」
酒場の戦士「あ・・そうか。すまねぇ」
青年剣士「・・・?」
酒場の戦士「で、あんたに聞きたい事がある」
青年剣士「何でしょうか?」
101: 2013/07/19(金) 07:17:23 ID:Grx4FC/w
酒場の戦士「700年前の話も昨日ちょっと聞けたが、あんたぁ・・・どんくらいの実力があるんだ」
青年剣士「実力ですか・・・、剣技、魔法だけなら自分でも結構いけるとは思います」
酒場の戦士「ほう・・・?」
青年剣士「魔物の討伐くらいなら1人でも出来くはないですし・・・どのくらいかと言われると・・・」
酒場の戦士「そりゃな、魔獣しか倒せません、とか言われたから俺らはアンタを信用しねえ」
青年剣士「・・・」
・・・ドン!
酒場の僧侶「それと・・単刀直入に言う。あんたの言ってる事が本当なら、あんたは大会で勝つ事は絶対できねぇ」
青年剣士「・・・え?」
102: 2013/07/19(金) 07:17:55 ID:Grx4FC/w
酒場の僧侶「聞こえなかったか?」
青年剣士「いえ、しっかり聞こえました。どういう事ですか・・・・・・?」
酒場の戦士「・・・」チラッ
酒場の僧侶「・・・」コクリ
酒場の魔法使い「・・・裏通りだと人がいねえ。こい」
青年剣士「は、はい」
103: 2013/07/19(金) 07:19:03 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
酒場の僧侶「いいか、一応俺らも英雄剣士サンの事は勉強で聞いた事がある。技もわかる、あんた使えるんだろ?」
青年剣士「どこの時代までかは知りませんが、自分自身のことなので、使えますよ」
酒場の僧侶「じゃあよ、火炎装から火炎刃までやってくれないか。俺に向かって」
青年剣士「えっ、で・・でも」
酒場の僧侶「やれっつーの!やればわかる!」
青年剣士「は・・・はい!火炎装っ!」ボワッ
酒場の戦士「へえ・・・やっぱり感じる魔力も相当だ・・・、すげぇな・・・」
青年剣士「・・・いいんですね?」
酒場の僧侶「こい!」
青年剣士「火炎刃っ!」ビュッ
104: 2013/07/19(金) 07:19:52 ID:Grx4FC/w
酒場の僧侶「小水円魔法!」ギュンギュン!!
・・・バシャアッ!!!
青年剣士「え・・・、小魔法にかき消された・・・・!?」
酒場の僧侶「・・・小火炎刃魔法!」ビュッ
青年剣士「!?」
・・・ドゴォォン!!!
酒場の僧侶「・・・・どうだ?」
青年剣士「・・・・いてて・・、し、信じられない。火炎刃を武器なしで出すなんて・・・・」
酒場の僧侶「それだけじゃない、水、風、雷、闇、光属性の全てから出せる」
青年剣士「そ・・・そんな・・・」
105: 2013/07/19(金) 07:20:32 ID:Grx4FC/w
酒場の戦士「やっぱりな」
酒場の僧侶「思った通りだ・・・」
青年剣士「・・・・」
酒場の僧侶「いいかい、よく聞くんだ。アンタはパワーもある、魔力もある。魔法も使える。だがな・・・」
青年剣士「・・・」ゴクリ
酒場の僧侶「技術がない。700年前で止まったまんまなんだ」
青年剣士「そ・・・そうか・・・・・」
106: 2013/07/19(金) 07:21:28 ID:Grx4FC/w
酒場の戦士「英雄剣士サンの世界は素晴らしい生活技術と統率力があって、平和だったんだろう?」
青年剣士「は、はい」
酒場の戦士「だがな・・・俺らは戦いの中で生きてきた。戦闘技術は常に形を変え、今がある」
青年剣士「・・・・」
酒場の戦士「この700年の差は・・・大きすぎるんだ」
青年剣士「埋まる事がない・・・差・・」
酒場の僧侶「と、言いたい所だが。そのために俺らがいる」
青年剣士「え?」
酒場の僧侶「俺らはアンタを買ってるんだ。俺らがわかる範囲で技術を教える・・・・な?」
青年剣士「い、いいんですか!?」
107: 2013/07/19(金) 07:21:59 ID:Grx4FC/w
酒場の僧侶「構わねーよ。な?」
酒場の戦士「あぁ」
酒場の魔法使い「任せろ」
青年剣士「み・・・皆さん・・・・」
酒場の僧侶「もう大会まで日数もない。俺らが叩き込んでやるぜ!」
青年剣士「ありがとうございます!」
・・・・トコトコ・・
王傭兵「遅れたが・・・、俺も手伝うぜ・・・」
青年剣士「お、王傭兵さん・・・」
王傭兵「俺のしがない戦い仲間達だ。仲良くしてやってくれよ」
青年剣士「はいっ!」
108: 2013/07/19(金) 07:22:36 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・
・・
・
109: 2013/07/19(金) 07:23:40 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
―――【数日後】
青年剣士「はぁ・・・はぁ・・・・」
酒場の戦士「やっぱ筋はとんでもなくいいな・・・・、あっという間に抜かされちまった」
青年剣士「いえいえ・・・皆さん本当に強くて・・・」
酒場の僧侶「なぁに、食いっぱぐれがないように日々鍛錬しているだけだ」ニカッ
110: 2013/07/19(金) 07:24:23 ID:Grx4FC/w
青年剣士「しかし、本当に凄い技術ですね。魔法の合成なんて・・・・」
王傭兵「風刃魔法と火炎魔法で、火炎刃。衝撃波と水流を合わせ、相手を掴める水円魔法・・・・」
酒場の僧侶「その技術のほとんどは・・盗んでいっちまったけどな」
王傭兵「そだな・・・」ハハハ
酒場の戦士「時に・・・王傭兵」ボソボソ
王傭兵「なんだ?」ボソボソ
酒場の戦士「英雄剣士サンには、俺らがレジスタンスだって教えなくていいのか?」
王傭兵「敵を欺くには、まずは味方から・・・だろ?」
酒場の戦士「まぁ・・・そうだな。色々なタイミングは任せるぜ、リーダー」
王傭兵「おう・・・任せてくれ」
111: 2013/07/19(金) 07:24:53 ID:Grx4FC/w
青年剣士「あと、2日後には大会が始まるんですね」チャキッ
王傭兵「まずは予選だ。人数参加に制限があるからな、1回勝てば本選に出れる」
青年剣士「早いですね」
王傭兵「本当に先鋭された戦士らが出るからな。人型の魔物も出場するんだ」
青年剣士「ま・・マジですか」
王傭兵「4年前から、ずっと連覇してるのは竜族の末裔だぞ」
青年剣士「・・・・」
酒場の戦士「それまでは王傭兵が優勝してたんだぜ!何食らっても倒れねぇ、"不沈艦"って呼ばれてたんだ」
青年剣士「へええ!やっぱり凄いんですね王傭兵さん」
王傭兵「昔の話だろ・・・やめろよ。もう俺はそこまで若くないしな・・・・」
青年剣士「・・・」
112: 2013/07/19(金) 07:25:24 ID:Grx4FC/w
王傭兵「だからこそ、お前には期待してるってもんだ・・・頼んだぞ」グッ
青年剣士「任せてください」グッ
王傭兵「さ、あまり修行を詰め込みすぎても体に毒だろう。今日は飲もうぜ!」
青年剣士「・・・はいっ」ニコッ
王傭兵(何ていい笑顔だよ・・・)
酒場の戦士「明日の修行は前日になるからな、休みにしよう」
青年剣士「そうですね・・・、世話になってる所の子供らとも・・あまり構えませんでしたし、久々に一緒に外に出ますよ」
酒場の戦士「それがいいな。じゃ、飲みにいくかぁ!」
113: 2013/07/19(金) 07:25:54 ID:Grx4FC/w
青年剣士「俺はほとんど飲めないんで勘弁してくださいね・・・」
酒場の戦士「あぁ!?樽いっぱい飲んでもらうぜ!」
酒場の僧侶「ハハハ」
「ええ・・・勘弁してくださいよ・・・」
「はははは・・」
「勘弁しn・・」
「・・・」
「・・」
114: 2013/07/19(金) 07:26:48 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【次の日】
青年剣士「よしっ・・・今日は遊ぼうか!」
幼剣士「修行は?」
青年剣士「明日から大会だからね、今日は休み!」
赤髪少女「じゃあ遊びに行けるんだ!」
青年剣士「そーいうこと。幼剣士、どっか遊べる場所とかないか?」
少年剣士「いいなぁ・・・僕も行きたかった」
115: 2013/07/19(金) 07:27:24 ID:Grx4FC/w
青年剣士「っと・・・、少年剣士にも楽しめるお土産とか、一緒に行ける所があればいいんだが・・・」
幼剣士「出かけるのは無理かな・・・、お土産かぁ・・・」
赤髪少女「・・・」ワクワク
青年剣士「うーん・・・」
・・・コンコン
幼剣士「・・・誰だろう。はーい!」
・・・ガチャッ
116: 2013/07/19(金) 07:28:03 ID:Grx4FC/w
王傭兵「うーっす」
酒場の戦士「おっす」
酒場の僧侶「よう」
ドカドカ・・
幼剣士「な、なんだあんたら!・・・って、王傭兵?」
王傭兵「年上になんつー口の聞き方だ・・・、ここが世話になってる家か?」
青年剣士「王傭兵さん。そうですね、ここで一応今は世話になってます」
少年剣士「わぁ・・・凄い!武器だ・・・かっこいいなぁ・・・ごほっ・・・ごほごほ・・・」
赤髪少女「・・・!」
117: 2013/07/19(金) 07:28:51 ID:Grx4FC/w
王傭兵「そうかそうか、かっこいいか!」
赤髪少女「・・・おじさん!」
王傭兵「なんだ、俺のこと覚えてたのか?」ウハハ
青年剣士「・・・・?」
赤髪少女「このおじさんはね、私が奴隷商人に捕まってたとき、凄い優しくしてくれたんだ」
王傭兵「よせよせ、当たり前のことだ」
青年剣士「そうなんですか・・・、ありがとうございます」
王傭兵「はっはっは」
幼剣士「見た目はアレだけど、噂より全然やさしくていい人なんだな」
118: 2013/07/19(金) 07:29:25 ID:Grx4FC/w
王傭兵「見た目はいうな・・・、噂は仕方ないことだ。そうしないと食べていけないからな・・・」
酒場の僧侶「それで・・・こっちの子は・・・魔界の影響だな」
少年剣士「ごほっ・・・ごほごほごほ・・・」
酒場の僧侶「おい、口あけろ」
幼剣士「おい!何する気だ!」
酒場の僧侶「俺は僧侶だ。安心しろ・・・」
少年剣士「?」アーン
119: 2013/07/19(金) 07:30:03 ID:Grx4FC/w
酒場の僧侶「ちょっと苦いぞ。そのまま飲み込め」ポイッ
少年剣士「うぇっ・・・苦いっ・・・」
幼剣士「・・・」
少年剣士「・・・」
酒場の僧侶「咳、止まったか?」
少年剣士「あ・・・、凄い!苦しくなくなった!」
酒場の僧侶「俺が作った咳止めだ。少し置いていこう。これで大分楽になるはずだ」
青年剣士「い、いいんですか?」
王傭兵「おう、今日来たのは・・そういう色々な事よ。お前に活躍してもらうためにも、俺らが奉仕しねーとな」ハハハ
120: 2013/07/19(金) 07:30:33 ID:Grx4FC/w
青年剣士「ありがとうございます・・・」
王傭兵「ああ・・・ジャマして悪かったな。今日は皆で遊ぶんだろ?俺らはこれで失礼するぜ」
赤髪少女「・・・」ジー
王傭兵「ん?」
赤髪少女「おじさんも、一緒に遊ぼ?」
王傭兵「はっは、気持ちはうれしいが、さすがにな」
青年剣士「俺はいいですよ」
幼剣士「お、俺もいいぜ?」
少年剣士「皆いってきなよ!」
121: 2013/07/19(金) 07:31:05 ID:Grx4FC/w
王傭兵「参ったな・・・・」
酒場の僧侶「せっかくだし、町案内がてら行こうか。俺がいれば、この少年も一緒に外に出れるだろう」
少年剣士「えっ!?」
幼剣士「本当か!?」
酒場の僧侶「大体の緊急事態には対処できるしな。安心しろ」
赤髪少女「えへへ、皆で遊ぼ!」
青年剣士「すいません・・・、お世話になっても・・・」
王傭兵「お前らがいいならいいさ、今日は大判振る舞いだ!いくぞ!」
全員「オーーッ!」
122: 2013/07/19(金) 07:31:35 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・
・
123: 2013/07/19(金) 07:32:06 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
―――【夜・酒場】
・・ザワザワ・・・・・
青年剣士「今日は本当にお世話になりました。みんな楽しそうでした」ペコッ
王傭兵「気にするな。俺らも楽しかった、なぁ?」
酒場の戦士「全くだ。俺の子供もあんくらいの歳でな・・・」
青年剣士「そうなんですか・・・今は?」
酒場の戦士「・・・病で倒れた。その時は今ほど人にも恵まれず、そのまま・・・な・・・」
青年剣士「・・・すいません・・・」
酒場の戦士「いいってことよ。人の命は輪廻転生、いつか巡りめぐってまた出会う」
青年剣士「いいですね、その考え方」
124: 2013/07/19(金) 07:32:56 ID:Grx4FC/w
酒場の戦士「だろ?人の命とかかわる仕事をやってる手前、色々と考えることも多いからな・・・」
青年剣士「・・・」
王傭兵「それより、明日だ。明日から予選だ、大丈夫だな?」
青年剣士「えぇ、大丈夫です」グッ
王傭兵「その言葉さえ聞ければ・・・安心だ」
青年剣士「・・・」ニコッ
王傭兵「・・・」ニカッ
酒場の戦士「それより飲もうぜ!」
酒場の僧侶「そうだな!店員!赤ワインと山ぶどうのジュース、適当なつまみ、たくさんもってこい!」
店員「わかりましたァー!」
125: 2013/07/19(金) 07:33:34 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・
店員「お待たせしました!ワインと、おつまみ、山ぶどうのジュースです!」
王傭兵「ありがとよ・・・それじゃ」
酒場の僧侶「・・・」
酒場の戦士「・・・」
酒場の魔法使い「・・・」
酒場の格闘家「・・・」
青年剣士「・・・」
王傭兵「俺らの明日に向かって・・・・乾杯!!」ビュッ
・・ガシャァァン!!!
「カンパァァァァイ!!!」
126: 2013/07/19(金) 07:34:11 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
127: 2013/07/19(金) 07:35:37 ID:Grx4FC/w
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【そして、大会当日】
大会受付「あ、来た来た!英雄剣士さん!」
青年剣士「すいません、ちょっと遅れました」
大会受付「今日から王政大会の予選なんですから・・・、登録名は英雄剣士にしません?」
青年剣士「あ、すいません、青年剣士でお願いします」
大会受付「いいの?英雄剣士のほうが、インパクトそっちのほうがあるんじゃない?」
青年剣士「あー・・・いえ、青年剣士で・・・」
大会受付「・・・わかりました、それでは中央にお進み下さい。早速予選が始まりますよ」
128: 2013/07/19(金) 07:36:17 ID:Grx4FC/w
・・・・・コツ・・コツ・・・コツ・・・
・・・ギィィィ・・・
・・・・・ウワァァァァァアアア!!!
アナウンス「さあ本日より予選が開始されます!注目すべきはあの"英雄剣士"の再来!皆さん、ご期待ください!」
観客「うおおおおお!」
観客「早く始まってよおおお!」
129: 2013/07/19(金) 07:37:01 ID:Grx4FC/w
青年剣士「す、すごい声援だな・・・」
幼剣士「頑張れーーー!」
赤髪少女「青年剣士頑張ってーーー!」
王傭兵「おうおう、こんな所で負けるんじゃねーぞ?」
酒場の魔法使い「いけー!」
酒場の戦士「お前なら出来るぜぇぇ!」
酒場の僧侶「俺らが直々に教えたんだ!いけるぞおおお!」
130: 2013/07/19(金) 07:37:49 ID:Grx4FC/w
青年剣士「・・・・」チャキッ
アナウンス「それでは予選、第一戦!青年剣士・・対・・・国兵士!」
国兵士「・・・よろしく」
青年剣士「よろしく」
アナウンス「・・・はじめっ!!」
青年剣士「・・・」スッ
国兵士「・・・」スッ
青年剣士「・・・おりゃああっ!」
142: 2013/07/21(日) 17:28:18 ID:Qo6dfZXY
タタタタタ・・・キィン!!キィン!!!
キィン!!キキキィン!!!
青年剣士(しっかりと目で追ってきてる・・・)
国兵士(やはり英雄剣士の名前は伊達じゃない・・・攻撃が重い!)
青年剣士「・・・小水円魔法!」ギュンギュン!!
国兵士「・・・ぬぐっ!体に巻きつけるとは!」ググッ
青年剣士「火炎装っ!」ボワッ
国兵士「ぐ・・・ぐぬぬぬ・・・・!」ギギギ
青年剣士「火炎刃っ!」
143: 2013/07/21(日) 17:29:01 ID:Qo6dfZXY
・・・・・ドゴォォォン!!!
青年剣士「・・・・」
・・・モクモク・・
国兵士「っぶねぇ・・・、反応が遅れてたらやられてた・・・」
青年剣士「・・・あれを防ぐなんて・・」
酒場の戦士「落ち着けー!」
赤髪少女「がんばってぇぇ!」
幼剣士「いけるよーーーー!!!」
144: 2013/07/21(日) 17:29:51 ID:Qo6dfZXY
国兵士「こっちの番だ!大突連撃!!」ビュビュビュビュッ
青年剣士「くっ!ぐっ・・・」ビュッビュッ
・・・キィン!!キキキィン!!
国兵士「そこだ!大爆炎魔法!」
・・・ボゴォォォン!!!
青年剣士「うああっ!」ドサッ!
国兵士「勝機っ!」
・・・・ダダダダッ
幼剣士「あっ!危ない!」
145: 2013/07/21(日) 17:30:47 ID:Qo6dfZXY
国兵士「・・・」チャキッ
青年剣士「く・・・」
国兵士「これ以上動けば、首を落とす。お前の負けだ」
・・・・ウワァァァッ!!!!
アナウンス「おおおっと!?こ、これは・・・・まさか、英雄剣士が敗北かああぁっ!?」
146: 2013/07/21(日) 17:32:07 ID:Qo6dfZXY
幼剣士「せ、青年剣士が負けたの・・・?」
赤髪少女「青年剣士ぃぃ!」
王傭兵「・・・はっは、上手いもんだな」
酒場の戦士「教えた魔法、全部自分の物にしちまいやがって・・・」
幼剣士「え?」
国兵士「・・・・む!?」
青年剣士「・・・へへ」ユラリッ
国兵士「なっ、英雄剣士が霞んで・・・これは!」
・・・・チャキッ
147: 2013/07/21(日) 17:32:38 ID:Qo6dfZXY
青年剣士「本物は後ろでした。これは・・・俺の勝ちですよね?」
国兵士「これでは私が首を跳ねられるな。負けだ・・・・」
・・・カランッ
青年剣士「ありがとう」
アナウンス「うおおおおっ!決着!・・・どうしたことだ!?倒れた青年剣士の姿が消え、気づけば後ろに・・・・!」
幼剣士「今のは・・・?」
酒場の戦士「幻影魔術。水魔法と炎魔法で霞を生ませ、自分の分身を作りだす」
幼剣士「・・・!」
王傭兵「・・・さすがだな、完璧な戦いぶりだった」
148: 2013/07/21(日) 17:33:42 ID:Qo6dfZXY
青年剣士「よしっ!」
国兵士「・・・さすがですな。やはり私は貴方には及ばなかったようだ」
青年剣士「いえいえ・・・」
アナウンス「波乱の予選!英雄剣士はやっぱり・・・強かった!」
・・・・ワァァァァッ!!!
青年剣士「ふう・・・これで一回、戻っても大丈夫なのかな」
王傭兵「おーい、こっちだこっち」
青年剣士「あ、王傭兵さん・・・」
王傭兵「さすがだな。これで本選キップは手に入れた。明日からは王も見学に来る、決勝トーナメントになる」
149: 2013/07/21(日) 17:34:12 ID:Qo6dfZXY
青年剣士「・・・」ゴクリ
王傭兵「期日は1週間で、引き続きこのコロシアムだ」
青年剣士「それなら楽ですね」
王傭兵「一応俺らは明日以降の対戦相手をしっかり見てくる。お前は今日は休んでおけ」
青年剣士「え!?い、いやでも・・・」
王傭兵「体が資本だろ。休むんだ」
青年剣士「そう・・・ですね。お願いします」
王傭兵「それでいい」ニカッ
青年剣士「それじゃ・・・また明日に」
王傭兵「おう、少女と幼剣士はあとで家に送っておくさ。まだ戦いを見たいらしい」
150: 2013/07/21(日) 17:34:57 ID:Qo6dfZXY
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ガチャッ
青年剣士「・・・」キョロキョロ
少年剣士「・・・」スゥスゥ
青年剣士「寝てるか・・・、えっと暇だしな・・・本でも読むか・・・」
・・・ゴソゴソ
青年剣士「・・・・」キョロキョロ
・・・ゴソゴソ・・・ピタッ
青年剣士「・・・!」
151: 2013/07/21(日) 17:35:30 ID:Qo6dfZXY
・・・スッ
青年剣士「"英雄達の軌跡"・・・・これは・・・」
・・・ドクン・・・ドクン・・
青年剣士「知ってはいけないこと・・・分かってる・・・でも・・・・」
・・・ドクン・・ドクン・・・・・・・・
青年剣士「・・・・・・あんな偉そうに"未来を知りたくない"といったけど・・・やっぱり・・・」
・・・パサッ
152: 2013/07/21(日) 17:36:34 ID:Qo6dfZXY
"英雄達の軌跡。英雄とは、国を救い、世界を救った者に与えられた名誉ある称号の1つである"
"英雄と呼ばれた戦士達は、魔王と呼ばれた魔界の住人と功績を残した人間たちから始まった"
英雄剣士、英雄魔法使い、英雄武道家、英雄騎士。
その4人から全てが始まり、かの英雄剣士の・・・・、・・・・・・。・・・、息子・・・・・・、・・・・。
やがて、青年剣士は子供時代に12歳という若さでキングゴブリンを撃破。次々と実績を残していった。
青年剣士「・・・やっぱり・・所々・・・読めないか・・・」
153: 2013/07/21(日) 17:37:05 ID:Qo6dfZXY
"青年剣士が英雄になったのは、赤眼の出現、いわゆる塔の暴走からであった"
"彼は自らを犠牲にし、塔の魔力の渦の中に姿を消した。その犠牲を称え、当時の統率者であった元帥が、英雄の称号を与えたのだ"
だが、それから数年後にその英雄剣士は突如、姿を現した。
どこで何をしていたのか、今となっては知る術はなくなった。
英雄剣士として戻った彼は、その後・・・・・・・や・・・・、・・・・・・・と貢献していった。
彼の弟であるという・・・・、や、息子の・・・・・・・は、成長し・・・。
青年剣士「・・・だめだ、これ以上は読んでは・・・」ハァ
・・・ビュゥゥゥ!!!
・・・ペラペラペラッ・・・・・
青年剣士「うっ・・・・風が・・・・、玄関開けっ放しだったのか・・・・・」
・・・タッタッタ・・
154: 2013/07/21(日) 17:37:55 ID:Qo6dfZXY
・・・・バタン
青年剣士「はぁ・・・ダメだな、やっぱり。変なページ飛んじゃったし・・・戻しておくか・・・ん?」
"驚くべき点は、英雄剣士と呼ばれた・・・・・・"
"全員が1つの血縁関係または身内であった・・・・"
"と、いうことだ・・・・"
青年剣士「・・・・!!」
155: 2013/07/21(日) 17:39:08 ID:Qo6dfZXY
・・・・ガチャッ!!
幼剣士「ただいまー!」
赤髪少女「たっだいまぁ~!」
青年剣士(血縁者・・・、身内?どういうことだ、俺が英雄剣士というなら、最初の英雄剣士・・・は・・・・)ドクン
幼剣士「あれ?本なんか取り出して・・・何の本?」
赤髪少女「字読めないからわかんない・・・」
青年剣士(戦士先生が・・・言ってた・・・のは、英雄剣士と英雄魔法使いは・・・山の中に移り住んだ・・・・)ドクン
156: 2013/07/21(日) 17:39:39 ID:Qo6dfZXY
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
母親「口では『面倒くさい』って言っても、結局最後は来てくれて解決しちゃう」フフ
戦士先生「その時の魔法使いは剣士と結婚してなあ・・・、田舎に隠居暮らしをしてるはずだ」ハァ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
157: 2013/07/21(日) 17:40:10 ID:Qo6dfZXY
青年剣士(そして血縁・・・つまり・・・重なる・・・全てが・・・・)ドクンドクン
赤髪少女「わっ、青年剣士ぃ・・・・!顔色悪いよ!?大丈夫!?」
青年剣士(ま・・さか・・・・、父さんと母さんは・・・・)
幼剣士「青年剣士ィィィ!!!」
青年剣士「わっ!」ビクッ
幼剣士「どうしたんだよ!大丈夫か!?」
青年剣士「あ・・・あぁ・・・、ごめんごめん。ちょっと考え事しちゃっててさ」
158: 2013/07/21(日) 17:40:45 ID:Qo6dfZXY
赤髪少女「もー・・・」
青年剣士「はは・・・・」
幼剣士「・・・」
青年剣士「ちょっと俺は、明日の準備ためにも寝るよ・・・」
幼剣士「はやっ!まだ昼間なのに!」
青年剣士「あはは・・・ちょっとね」
幼剣士「・・・・?」
・・・バタン・・・
159: 2013/07/21(日) 17:42:18 ID:Qo6dfZXY
・・・ゴロン
青年剣士(まさか、未来で俺の知らなかった真実が分かるなんて・・・思わなかった)
・・・・ゴロゴロ
青年剣士(でも、立派に戦っていたんだ。活躍したんだ。ただの放浪ばっかする父さんじゃなかったんだ・・・・)
そうだな・・・、家に帰ったら父さんの事についてもっと聞こう。
俺も母さんに会いたいな。
最後に会ったのはいつだったかな・・・・・
心配してるかな、悲しませたかな・・
きっと心配してるよね・・・だけど、戻って元気な姿見せてさ・・・
・・・うん・・
・・・・
・・・
・・
・
165: 2013/07/22(月) 11:32:30 ID:eBCluwfE
皆さんありがとうございます`、+。(´ω`)´。+
166: 2013/07/22(月) 11:33:00 ID:eBCluwfE
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――【2日目・コロシアム】
青年剣士「・・・」スタッ
・・・ワァァァァ!!!!!
アナウンス「さあ本日から始まる本選!英雄剣士、白竜人にウルフ、歴代優勝者が揃う・・・今年はまさにオールスターだ!」
・・・ウォォォォ!!!!!!
ウルフ『・・・』
白竜人『・・・』
167: 2013/07/22(月) 11:33:39 ID:eBCluwfE
青年剣士「・・・あいつらが、歴代優勝者・・の・・」
王傭兵「あぁ。白竜人のほうが最近連覇しているヤツだ。ウルフのほうは半狼で、相当やり手だな・・・もちろん優勝経験もある」
酒場の戦士「そうッスね・・・それと・・・・・・」チラッ
青年剣士「・・・?」
アナウンス「そして彼も戻ってきた!"不沈艦"と呼ばれた最強の傭兵・・・・王傭兵ぃぃぃっ!!」
・・・オ・・・・・・、ウオオオォォォォッ!!!!!??
青年剣士「・・・え」
王傭兵「ちょっと、お前に教えてたら俺も血がたぎってきてな・・ハハ」
青年剣士「ほ、本気ですか・・・・、トーナメントはどうなるんでしょうか?」
168: 2013/07/22(月) 11:34:14 ID:eBCluwfE
王傭兵「一応調べておいた。俺らが当たるのは3回先、5回勝てば優勝。お互い頑張ろうぜ」
酒場の戦士「どっちも応援するぜ」
酒場の僧侶「楽しみだな、どうせ2人とも残るだろうしな」ハハ
青年剣士「俺は明日が1回戦、王傭兵さんは今日なんですね」
王傭兵「そうだな・・・そして、この間の続きだ・・・・俺も本気でやらせてもらうぜ・・・」ニタッ
青年剣士「ふふ・・・負けませんよ・・!」
酒場の戦士「はは、楽しみになってきやがった!」
アナウンス「それではぁ・・・・!!1回戦・・・、王傭兵・・対、エリート魔法使い・・・準備をしてください!」
169: 2013/07/22(月) 11:34:56 ID:eBCluwfE
王傭兵「・・・お、早速だな。いってくるぜ」スッ
青年剣士「いってらっしゃい、頑張ってください」
王傭兵「・・・おう!」
・・・タッタッタッタ・・
酒場の戦士「王傭兵のやつ、武器のほとんどを使えるのに、ナックルスタイルなんだよなぁ」
青年剣士「何ででしょうね?」
酒場の戦士「たしか、ぶん殴る時に一番感覚がしっくりくるとかいってたっけ・・・、本当に・・・あいつは・・・」
青年剣士「戦いの中で戦いに生きているっていう・・・俺らと一緒じゃないですか結局」アハハ
酒場の戦士「ははは!確かにそうだったな!」
170: 2013/07/22(月) 11:35:35 ID:eBCluwfE
アナウンス「ここで毎年同じ注意ですが、観客席と会場全体には魔石と、陣による強力な抵抗魔法が展開されていますので、ご安心下さい」
観客「毎年ハデだからなー・・・、特に今年は人気だったしなチケット」
観客「あぁ・・・、英雄剣士の影響があるしな。俺らもそれが楽しみできたんだが・・・」
観客「王傭兵さんの復帰もあるみたいだし、今年は凄い楽しみだぜ!」
観客「そうだな!・・・お!」
観客「始まるみたいだな・・・・!」
171: 2013/07/22(月) 11:36:10 ID:eBCluwfE
アナウンス「皆さま!お待たせしました・・・、それでは!」
・・・・ウォォォォ!!!!
アナウンス「試合・・・はじめっ!」
王傭兵「・・・」スッ
エリート魔法使い「時代遅れのカタブツが・・・」
王傭兵「あ?」ピクッ
172: 2013/07/22(月) 11:36:41 ID:eBCluwfE
エリート魔法使い「4年前の決勝で、白竜人にボロボロにされて再起不能にされた王傭兵・・・」
王傭兵「・・・」
エリート魔法使い「号外ですぐに出されたよな。くっく・・・、全身包帯まみれで・・・なっさけない姿を見せてなぁ・・・」
王傭兵「・・・」
エリート魔法使い「それ以来、ぜんぜん見なくなって。久々に出たと思ったら・・すっかり姿も年老いたなぁ・・・」ハッハッハ
酒場の戦士「・・・」
酒場の僧侶「・・・」
酒場の魔法使い「・・・」
青年剣士「あいつ・・・!」ガタッ
酒場の戦士「まぁ待て」スッ
王傭兵「・・・で?」
173: 2013/07/22(月) 11:37:53 ID:eBCluwfE
青年剣士「・・・王傭兵さん」
王傭兵「確かに俺はあの戦いで大怪我を負った。だからこそ、分かった事もある」
エリート魔法使い「ほう?」
王傭兵「俺は怪我がもとで、使えなくなった傭兵として・・・最底辺になる病院に送られた」
エリート魔法使い「・・・」
王傭兵「そこで見たのは最低の光景だった。最強なんて言われて、上流階級しか見なかった俺には衝撃的すぎるほどな」
エリート魔法使い「へぇ?」
王傭兵「お前が思っている以上の体験だった。だから、俺は考え方が変わった。新たな仲間たちとも出会えた」
エリート魔法使い「・・・」
王傭兵「お前も上流階級の人間だろう?・・・一度落ちてみるのもいいかもしれないぞ?本当の仲間が、分かるはずだ」
174: 2013/07/22(月) 11:38:28 ID:eBCluwfE
エリート魔法使い「・・・本当の仲間だ?」
王傭兵「あぁ・・・そうだ」
エリート魔法使い「くふっ・・・ぷっ・・・」プルプル
王傭兵「?」
エリート魔法使い「はっはっは・・・あっはっはっはっは!」
王傭兵「・・・」
エリート魔法使い「て、底辺に落ちて・・・くはは・・・、そこで仲間を見つけた?・・・はっはっはっははははは!」
王傭兵「・・・」
エリート魔法使い「ひーっひひひ・・・面白すぎるだろう・・・、底辺で出会った仲間など、底辺のような繋がりしかないだろう!?」
175: 2013/07/22(月) 11:38:58 ID:eBCluwfE
王傭兵「・・・」ハァ
酒場の戦士「なんつーか・・・な」
酒場の僧侶「・・・まぁ」
青年剣士「・・・皆さん・・」
エリート魔法使い「どうした?頭にきたか?はっはっは」
王傭兵「なんていうか、昔の俺のまんまだなってな」
エリート魔法使い「・・・」ピクッ
王傭兵「・・・分からせる必要がありそうだ」
エリート魔法使い「・・・やってみろ!魔力攻撃増大魔法!」ピカッ
176: 2013/07/22(月) 11:39:29 ID:eBCluwfE
青年剣士(物理的な面だけじゃなく、魔力の増大を行う!?どういう理屈なんだろうか・・・)
エリート魔法使い「・・・・特爆炎魔法っ!!」
・・・カッ・・・ドゴォォォォン!!!
・・グラグラグラ・・・
観客「う、うおおお!会場全体が揺れてる!」
青年剣士「・・・!」
・・・モクモク・・
アナウンス「おぉぉっと!?突如・・・強力な一撃!!!会場全体が震え上がったその威力・・・・、王傭兵は無事なのか!?」
177: 2013/07/22(月) 11:40:01 ID:eBCluwfE
・・・・・サァァ・・・
アナウンス「舞い上がった埃が晴れていく!王傭兵は・・・・・!」
王傭兵「げほっ・・・、痛ぇな・・・このやろう!」
観客「!」
青年剣士「!」
酒場の僧侶「っへ」
酒場の戦士「・・・当然」
アナウンス「・・・・立っている!立っているぞ!あの一撃を微動打にしない、その姿!!まさに"不沈艦"だぁぁ!!」
178: 2013/07/22(月) 11:40:33 ID:eBCluwfE
・・・・ワァァァッ!!!!!
観客「うおおおおおっ!!!」
観客「すげえええ!」
青年剣士「・・・・さすが!」
エリート魔法使い「そ、そんなバカな・・・」
王傭兵「その程度で・・・俺を倒す・・・・・つもりか・・・・・・・!?」ギラッ
エリート魔法使い「ひっ・・・!だ・・・、大氷波魔法!」キキィン!!
・・・カキン・・・カキンカキンカキンッ!!!!
179: 2013/07/22(月) 11:41:14 ID:eBCluwfE
アナウンス「お、襲いかかる氷の波!コロシアム全体に氷の嵐が吹き荒れる!」
観客「さみぃぃ!」
観客「ふ、不沈艦といえども・・・さすがに凍らせられたら・・・」
青年剣士「・・・いや・・」
酒場の戦士「・・・」ニヤッ
王傭兵「・・・くく」
エリート魔法使い「・・・ばかなぁぁ!!」
アナウンス「・・・・これは驚きだ!!あの氷の嵐をどう切り抜けたというのか!?」
180: 2013/07/22(月) 11:41:50 ID:eBCluwfE
エリート魔法使い「ど、どうやってだ!?」
王傭兵「・・・その程度の氷で俺を倒すっていうのか?」
エリート魔法使い「そ、その程度・・・・だと、最上級クラスの魔法術だぞ・・・・!?」
王傭兵「・・・元とはいえ、最強の傭兵といわれたこともある男だ。その意味が・・・・分からないのか」
エリート魔法使い「くっ・・・・特雷じ・・!」
王傭兵「・・・・ふっ!」ビュッ
・・・ドスッ!!
エリート魔法使い「ふぐぅっ!」ブシャッ
王傭兵「・・・顔に一撃。鼻血が出てるぜ・・・痛かったか?」
181: 2013/07/22(月) 11:42:22 ID:eBCluwfE
アナウンス「な・・・・!なんという速さだ!その図体からは想像出来ない素早さの一撃!!」
エリート魔法使い「・・・な、なな・・・」
・・・・・ポタポタ・・・
王傭兵「本気の一撃だったら、首がなくなってたな。降参しろよ・・・お前じゃ俺には勝てないよ」
青年剣士(あの時は大柄で分かりやすい攻撃だったっていうのに・・・、あんな動きされたんじゃ勝てるかわからなかった・・)
エリート魔法使い「・・・まだだ、負けてたまるか・・・堕ちた傭兵なんかに・・・一流のこの俺がぁぁ!!」
王傭兵「・・・青年剣士!よく聞け!人っていうのは、お前みたく優しさだけでは生きていけないんだ!」
青年剣士「き・・・急に何を・・・?」
182: 2013/07/22(月) 11:43:35 ID:eBCluwfE
エリート魔法使い「うあああっ!特風旋・・・・!」
王傭兵「それは時に・・・非情になることも必要ということだ。覚えておくんだ!」
青年剣士「・・・・!」
王傭兵「うらぁ!」グイッ
エリート魔法使い「うっ!俺の服を掴ん・・・・!」
王傭兵「ふん!」ギュッ
エリート魔法使い「う、腕を・・・離せ!!」
王傭兵「・・・お前も一度、堕ちてみるといい。本当の・・・人ってのが分かるさ」ググ゙ッ
エリート魔法使い「や、やめ・・・・!」ブルブル
・・ゴキッ・・・・・・ゴキャッ・・
183: 2013/07/22(月) 11:45:10 ID:eBCluwfE
アナウンス「り・・・両腕を・・・・へし折ったぁぁぁ!!!」
・・・・ワァァァ!!!!!!
王傭兵「・・・」
エリート魔法使い「よ・・・よくも・・・・よくも俺の・・・おお、俺の腕を・・・・・!」
王傭兵「悔しかったら這い上がって来い。その過程で・・・お前も変わるかもしれんがな」
エリート魔法使い「・・・くそっ・・」ガクッ
青年剣士「・・・」ゴクッ
王傭兵「・・・みんな、今ここに・・・"不沈艦"が戻ってきたぜ!」ビシッ
・・・・!!!
・・・・・・・・ウオオオオオッ!!!!
184: 2013/07/22(月) 11:45:40 ID:eBCluwfE
アナウンス「完・全・復・活!!4年ぶりに現れた王傭兵は、あの頃のままで・・・強かったァ!!!」
王傭兵「・・当然だ!」
・・・・ワァァァ!!!
パチパチパチパチ・・・・
青年剣士「凄い・・・」
酒場の戦士「・・・はは、アイツがあんなに熱くなるの久々に見たな」
青年剣士「そうなんですか?だいぶ静かでしたが・・・」
酒場の戦士「静かなる激昂っていうのかな・・・そういうところがあるんだアイツは」
酒場の僧侶「付き合ってたら分かるさ」ハハ
酒場の戦士「で、どうするか。今日の試合はあいつで終わりだしな・・・、軽く飲みにいくか?」
185: 2013/07/22(月) 11:46:31 ID:eBCluwfE
青年剣士「何かとつけて、毎日飲んでるような気がするのは気のせいでしょうか?」アハハ
酒場の僧侶「気のせい気のせい!王傭兵もすぐ戻ってくるだろうし、俺らは酒場で待ってようぜ!」
酒場の戦士「そうだな」
青年剣士「あ、俺は1回戦突破のおめでとうがてら、呼んできますよ」
酒場の僧侶「そうか、じゃあ頼んだ」
青年剣士「はい、行ってきます」
・・・・タッタッタッタッタッタ・・
186: 2013/07/22(月) 11:47:08 ID:eBCluwfE
・・・・・トコ・・・トコトコ・・・
青年剣士「えっと、選手控え室がこのへんだったはず・・・・、っといたいた・・」
王傭兵「・・・・だろ?」
白衣の男「・・・だ!」
青年剣士「ん?何しゃべってるんだろ・・・」スッ
王傭兵「大丈夫だって・・・俺は約束があるんだ。それを守るまでは・・・」
白衣の男「ダメだ!」
王傭兵「俺が復帰を決めた決意・・・それがどれほどか分かるだろ・・・?」
白衣の男「レジスタンスから話は聞いてる・・・が・・、それはお前の生命にかかわるんだぞ!?」
青年剣士(・・・・?)
187: 2013/07/22(月) 11:48:04 ID:eBCluwfE
王傭兵「・・・」
白衣の男「お前が傭兵に復帰するときだって反対したんだ。確かにお前は素晴らしい。だが・・・」
王傭兵「だったら大丈夫だろ?あそこからリハビリも重ねて復帰できたわけだし」
白衣の男「・・・俺がお前の復帰を手助けしたのは、お前がもう無茶な戦いをしないといったからのはずだ」
王傭兵「・・・」
白衣の男「それを裏切り、王立兵士団に復帰し、前線に赴き、氏に掛けたのはどこの誰だよ」
王傭兵「あの時の事は悪かったと思ってるよ・・・」
白衣の男「それだけじゃないだろ。あの時も、あの時も、あの時もだ」
王傭兵「・・・悪かったよ・・・・・、だけどよ・・・、今回で全部終わりにするつもりだ。いや、きっと終わる」
白衣の男「・・・」
188: 2013/07/22(月) 11:49:14 ID:eBCluwfE
王傭兵「それほどに信じられるんだ。俺の体は壊れてもいい、だけど・・・あいつとの約束までは持たせてくれ・・・頼む」
白衣の男「・・・脊髄、筋肉、魔力繊維、右腕、右足、左足」
王傭兵「・・・」
白衣の男「お前の体の限界を迎えている部分だ。そして・・・・」
王傭兵「分かってる・・・毎回のことだ・・・」
白衣の男「・・痛み止め、興奮剤、魔力増強剤、魔力安定剤」
王傭兵「・・・」ハァ
白衣の男「一歩間違えればドーピングぎりぎりだ。これでも・・お前の全盛期には及ばないけどな」
189: 2013/07/22(月) 11:50:04 ID:eBCluwfE
王傭兵「分かってる、わかってるから言わないでくれ・・・・」
白衣の男「いいや言うさ。俺らはお前を失うわけにはいかないんだ・・・それが分かっていない」
王傭兵「・・・」
・・・ガタン!!
白衣の男「誰だ!?」
青年剣士「・・・・あ・・」
王傭兵「青年剣士・・・・」
190: 2013/07/22(月) 11:50:54 ID:eBCluwfE
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【夜・酒場】
王傭兵「・・・」
白衣の男「・・・」
青年剣士「・・・」チラッ
王傭兵「んー・・・あ、あぁ・・・えっとな。こいつは医聖者・・・だ」
医聖者「よろしくね」ギュッ
青年剣士「あ、よろしくお願いします」
191: 2013/07/22(月) 11:51:48 ID:eBCluwfE
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【夜・酒場】
王傭兵「・・・」
白衣の男「・・・」
青年剣士「・・・」チラッ
王傭兵「んー・・・あ、あぁ・・・えっとな。こいつは医聖者・・・だ」
医聖者「よろしくね」ギュッ
青年剣士「あ、よろしくお願いします」
192: 2013/07/22(月) 11:52:19 ID:eBCluwfE
医聖者「俺は一応こいつの担当医っていうのかな、医者をしてる」
青年剣士「医者・・・医者ですか?」
王傭兵「あー・・・そうか。その時代だとまだ医者っていう概念がないんだ」
医聖者「へえぇ、医者って言うのはね・・・、いわゆる僧侶みたいなものだよ」
青年剣士「・・・?」
医聖者「えーっと・・・」
王傭兵「回復や治癒のみに技術の長けた職のことを指すんだ」
青年剣士「なるほど・・・」
193: 2013/07/22(月) 11:53:18 ID:eBCluwfE
酒場の戦士「・・・」
酒場の僧侶「・・・さて、どういうことか説明してもらおうか」
王傭兵「・・・こういうことだろう。こいつがここにいるんだから」
医聖者「・・・」ハァ
酒場の戦士「まぁ・・・俺は大体わかってた。こうなってるんじゃないかってな」
酒場の僧侶「かくいう・・・俺もな」
青年剣士「・・・」
王傭兵「・・・ま、俺の体は限界に近い。いつ壊れてもおかしくないってことだ」
194: 2013/07/22(月) 11:54:04 ID:eBCluwfE
医聖者「・・・これ以上は寿命を減らし続けるだけだ。戦いに生きる?そんなもん氏んだら意味ねえじゃねえか」
王傭兵「生きるから氏ぬ。それだけだろ」
医聖者「・・・」
酒場の戦士「だが、王傭兵の体は1人のもんじゃねえ。今は俺らと運命共同体だろ」
酒場の僧侶「その通りだ。あんたを失うことは、俺ら全体の損失だ」
酒場の魔法使い「体ァ大事にしろよ」
王傭兵「わかってるよ・・・」
195: 2013/07/22(月) 11:55:47 ID:eBCluwfE
青年剣士「・・・」
王傭兵「いらねぇ心配かけちまったな。悪かった」
青年剣士「いえ・・・」
酒場の戦士「お前、本当に大丈夫なのか?戦い続けても・・・」
王傭兵「普通に戦う分なら問題ない。今日みたいな大魔法を受け続ける事はもう難しいがな・・・」
酒場の戦士「無理だけはするなよ。医聖者・・・悪いが、ついてやってくれ・・・」
医聖者「文句をいいつつも、やっぱり俺もコイツは心配だ。わかってる・・・任せてくれ」
酒場の戦士「すまない・・・ありがとう」
王傭兵「・・・」
196: 2013/07/22(月) 11:57:03 ID:eBCluwfE
青年剣士「ところで・・・4年前に一体何があったんですか?」
酒場の戦士「それは・・・・」
王傭兵「あ、いやいい。俺が言う。いまさら気にすることじゃない」
酒場の戦士「・・・」
王傭兵「俺がまだ現役だった頃、白竜人がエリート家と呼ばれる一族に腕を買われ、コロシアムに乗り込んできたんだ」
青年剣士「エリート家って・・・」
王傭兵「そう、俺が倒した昼間のな」
青年剣士「だからあそこまで・・・お互いのことを言い合ったんですね」
197: 2013/07/22(月) 11:58:21 ID:eBCluwfE
王傭兵「正確にいえば、俺が戦争に参加した時に頃した相手がアイツの親父だった。だから、あいつらは俺を全力で頃しに来たんだ・・・雇ってな」
青年剣士「なるほど・・・」
王傭兵「そんなものに負ける訳ないと、"無敵"だの"不沈艦”だと呼ばれ・・思い上がっていた俺は・・・・・完膚なきまでに叩き潰された」
青年剣士「・・・・」
王傭兵「その時に大怪我を負って、俺の存在に変わり、白竜人がのし上がった。数年築いた地位も、名誉も失ってな・・・」
青年剣士「・・・」
王傭兵「この程度の人間だと思い知らされ・・氏ぬ事も考えた。だが、そこで出会ったのがこいつらだった」
酒場の人間たち「・・・」
王傭兵「こいつらは、天狗になり、地に堕ちた俺ですら暖かく迎えてくれた。そこで彼らの人生を聞き、世界が腐っているとようやく気づけた」
198: 2013/07/22(月) 11:59:22 ID:eBCluwfE
青年剣士「王傭兵さん・・・」
王傭兵「だが、体が限界だった俺は夢をあきらめかけていた。そこに・・・現れたのが・・英雄剣士だった・・・」
青年剣士「・・・」ゴクッ
王傭兵「・・・頼むぞ」
青年剣士「もちろん・・・・精一杯、力の限り尽くします。英雄剣士・・ですからね!」ニコッ
王傭兵「・・・ありがとよ」
医聖者(いい仲間に囲まれて、良かったな王傭兵)
199: 2013/07/22(月) 12:00:35 ID:eBCluwfE
酒場の僧侶「・・・まぁまぁ!しょっぱすぎる話はこれまで!不沈艦は沈まない・・・俺らの夢を乗せているからな!」
酒場の戦士「そうとも!」
王傭兵「俺らの!」
医聖者「夢に向かって・・・」
青年剣士「乾杯っ!!」
全員「乾杯っっ!!」ガシャンッ!!
200: 2013/07/22(月) 12:01:05 ID:eBCluwfE
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
201: 2013/07/22(月) 12:02:09 ID:eBCluwfE
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【それから4日目】
幼剣士「・・・やったぁ!!」
・・・ワァァァ!!
アナウンス「大勝利ぃ!青年剣士、千年騎士を破り3回戦進出!!」
青年剣士「はぁ・・・はぁ・・・」
千年騎士「さすが・・・英雄騎士殿だな・・・。我が槍術が見破られるとは・・・・」
青年剣士「いえ・・・俺も危ないところでした。いい試合でした!」
202: 2013/07/22(月) 12:02:39 ID:eBCluwfE
アナウンス「次の対戦を発表するぞーーー!!・・・おっと、ここで何か情報が入ったようだ。ちょっとだけ待ってくれ!」
・・・ザワザワ
王傭兵「よくやったな!次の試合は俺だ・・・、確か王国兵士だったはずだな?」
酒場の兵士「王国兵士なら過去に手合わせしてるし、余裕だろ?」
青年剣士「はぁはぁ・・・・、王傭兵さんも頑張って下さい!」
王傭兵「当たり前だろ!」
アナウンス「ここでトラブルがあった模様だ!そこで、急遽トーナメント内容を変更するぞ!」
王傭兵「なに?」
203: 2013/07/22(月) 12:03:14 ID:eBCluwfE
アナウンス「本来予定されていた、王傭兵と王国兵士の戦いだったが・・・王国兵士がここで対戦のキャンセルをしたようだ!」
・・・ザワザワ・・・ドウスルンダ・・・?
王傭兵「・・・キャンセル?」
酒場の戦士「何かあったのかね」
アナウンス「・・・予定されていた数人が突如キャンセルをしているようだ!そこで、対戦の繰上げや変動が施される!」
青年剣士「繰上げ・・・変動・・・・」
幼剣士「どうなるんだろう」
赤髪少女「・・・?」
アナウンス「変更され、次の試合は・・・・・、"不沈艦"王傭兵・・・対、"連覇"白竜人だぁぁぁ!!!」
青年剣士「・・・・・!!」
211: 2013/07/23(火) 11:13:55 ID:q/IejV1k
王傭兵「はは・・・、いきなりボスの登場かよ」
青年剣士「お、王傭兵さん!」
王傭兵「どうした?」
青年剣士「そ、その体でその相手は・・・・!」
王傭兵「大丈夫、無理だけはしねえよ」
青年剣士「・・・・」
酒場の戦士「いや・・・本当に気をつけろよ」
王傭兵「俺には医聖者もいる。大丈夫だ」
212: 2013/07/23(火) 11:14:28 ID:q/IejV1k
アナウンス「それでは中央に入り、準備をしてくれぇ!」
王傭兵「・・・行ってくる」
酒場の戦士「・・・おう」
青年剣士「気をつけてください」
赤髪少女「おじちゃん頑張れぇぇ!」
幼剣士「いけーー!おっさん!!」
王傭兵「やれやれ・・・モてる男は辛いねぇ」
213: 2013/07/23(火) 11:15:01 ID:q/IejV1k
・・・・・ワァァァ!!!
観客「どっちも本気でやりやがれよー!」
観客「いい試合が見れればそれでいいぜーー!」
白竜人『・・・』スタッ
王傭兵「久しぶりだな・・・白竜人」スタッ
白竜人『再起不能になったと聞いていたが・・・、この間の試合、楽しんで見れたぞ』
王傭兵「そいつはどうも。再起不能になったのは誰かさんのせいだけどな」
白竜人『・・・』
王傭兵「こうしてまた、手合わせする日が来るなんて思わなかったぜ」スッ
白竜人『全くだ。お前が相手では、俺も本気を出せるというものだな』スッ
214: 2013/07/23(火) 11:15:34 ID:q/IejV1k
青年剣士「・・・」
酒場の戦士「お互い、技量も高く、魔力も高く、精神力がある。ただ・・・体力の差が・・・、大きすぎる・・・」
青年剣士「信じましょう・・・」
酒場の戦士「当たり前だ。俺らがの信じる心も、あいつの力になってるんだ」
青年剣士「はい、もちろんです」
アナウンス「さぁ・・・いくぜ!試合・・・・開始っ!!!」
・・・ワァァァッ!!!
215: 2013/07/23(火) 11:16:06 ID:q/IejV1k
王傭兵「・・・」ジリッ
白竜人『・・・』ジリジリ・・
アナウンス「さあどうした!試合は始まっているぞ!お互いの距離を徐々につめあっているのかーっ!」
王傭兵(くそ・・・黙れ・・、一瞬の油断が命取りになるんだ・・・・)
白竜人『・・・』ジリッ・・
王傭兵「・・・」
白竜人『この感じられる覇気・・・、あの頃よりも重い・・・・』
王傭兵「当然だ・・・こちらからいくぞ!」
・・・・ダダダダッ!!!
青年剣士「先に仕掛けた!」
216: 2013/07/23(火) 11:16:37 ID:q/IejV1k
王傭兵「でやぁぁっ!」ビュッ
白竜人『何の変哲もない上段蹴り・・・・・』
・・・スッ・・・・・・ビュッ!!
白竜人『・・・を寸止めし、そこからの下段への足払い。相変わらず変わらぬ攻撃だな』ガシッ!
王傭兵「近接だけじゃないな、この距離からの・・・・大炎刃魔法っ!」ボワッ!!
・・・スパッ!!!
白竜人『ぬぅっ!かすったか!』
王傭兵「まずは腕を切り裂き動きを制限させてもらうぞ!連弾!!」ビュビュビュッ!!
白竜人『ぬうぅぅあああ!』
217: 2013/07/23(火) 11:17:10 ID:q/IejV1k
アナウンス「おーー!?序盤から王傭兵の連続攻撃が光る!!」
青年剣士「いけええ!」
酒場の戦士「休む暇を与えるな!」
王傭兵「・・・・」キッ
白竜人『ぐぬ・・・・・』
・・・ポタ・・・ポタポタ・・
王傭兵「両腕の腱を切り裂いた、多少だがこれで動きが重くなるだろう」
白竜人『・・・果たしてそう上手くいくかな・・・・?』
王傭兵「何?」
・・・ユラッ・・
218: 2013/07/23(火) 11:17:40 ID:q/IejV1k
青年剣士「なっ・・・!」
酒場の戦士「やられた!そいつは分身だ!本物は・・・後ろだ!」
白竜人『・・・もらった!』ビュン!
王傭兵「・・・わかってるっつーの!おらぁっ!」ヒュッ
・・・ガキィィン!!!
白竜人『ぬぅぅぅっ!』ビリビリ
王傭兵「ぐううっ!」ビリビリ
白竜人『前はこの一撃で流れが変わったというのに・・・、腕をあげたな・・・ぐぬっ・・』ググッ
王傭兵「思い上がりがなくなっただけだ・・・ぐぅぅ・・・」ググッ
219: 2013/07/23(火) 11:18:21 ID:q/IejV1k
アナウンス「な、なんという試合だ!重く、緊張感の漂う中で、見る者が目を奪われる素晴らしい試合が始まった!」
・・・・ウワアアアアッ!!!
観客「す、すげえ!」
観客「一瞬の流れだったけど、レベルが高いのは分かるぜ!」
白竜人『・・・・』ググッ
王傭兵「・・・くっ、これ以上の力比べは不利だな・・・・悪いが・・・、大火炎刃魔法っ!」ボワッ!!
・・・・ビュッ!!
白竜人『っち!』ヒュッ
王傭兵「大水円魔法っ!」ギュゥゥン!!!
220: 2013/07/23(火) 11:19:00 ID:q/IejV1k
アナウンス「観客席を覆うような水が、生き物のように弧を描いていく!」
王傭兵「・・・収束!」ギュッ
白竜人『ぐううっ・・・閉じ込められ・・・・!』ブシャァァッ!!!
王傭兵「水の牢獄だ!いくらお前でも、この大きさでは脱出できないだろう!」
白竜人『・・・・』ブクブク・・
青年剣士「水の中に閉じ込めた!」
酒場の僧侶「あれではさすがの白竜人でも・・・!」
酒場の戦士「いや・・・待て、何か唱えてるぞ!」
白竜人『・・・特火炎魔法・・・、大雷撃魔法・・・・』
221: 2013/07/23(火) 11:19:47 ID:q/IejV1k
王傭兵「いっ!?」
カッ・・・・ドッゴォォォォォォン!!!!!
・・・・グラ・・・・グラグラグラ!!!
アナウンス「ど、どうしたぁぁ!?水に閉じ込められていた白竜人が・・・大爆発!!」
青年剣士「な・・・なんだ!?」
酒場の僧侶「分解と合成か・・・・!錬金技術だ・・、原子や元素とか・・そういう事ができるっては聞いたことがある」
酒場の戦士「博学すぎるだろ・・・」
・・・・スタッ
白竜人『・・・』
王傭兵「あそこから無理やり脱出するとはな・・・」
白竜人『知識というものは幾らあっても無駄にはならないものだろう』
王傭兵「ああ・・・まったくだ・・やっぱり強いよお前は・・」
222: 2013/07/23(火) 11:20:32 ID:q/IejV1k
???「どうしたんだ!!早くそいつを殺せ!!」
青年剣士「・・・なんだ?」
酒場の戦士「あ・・・、あいつは!」
エリート魔法使い「早くしろ白竜人!何をもたついてんだ!!」
青年剣士「ま・・・また・・」
酒場の僧侶「・・・まさか、今回の大会を裏からイジりやがったのか!?」
青年剣士「え?」
酒場の僧侶「突然の内容変更、どう考えても・・おかしいと思った。おそらくアイツの仕業だ・・」
青年剣士「あいつ・・・!」
223: 2013/07/23(火) 11:21:05 ID:q/IejV1k
王傭兵「ご主人様が・・・騒いでるぜ白竜人」
白竜人『ふん・・・』
王傭兵「じゃあ早速・・・ご期待に応えまして、肉体超鉄化!」ビキビキ・・
白竜人「・・・ではこちらもそろそろ・・本気でいくぞ。極魔力増大魔法・・・」
王傭兵「・・・」ググッ
白竜人「・・・」ググッ
・・・ゴゴゴゴゴゴ・・・
観客「・・・!」
青年剣士「・・・来る・・!」
224: 2013/07/23(火) 11:21:36 ID:q/IejV1k
王傭兵「極・・・・衝撃波ぁぁぁっ!!」
白竜人「極・・・竜波動っっ!」
・・・ドォォォォォッ・・・!!!!!!
・・ドゴォォォォォォッッッッ!!!!!!!!!
グラグラグラ・・・・・ビリビリビリビリ・・・・
観客「うわああああっ!」
観客「だ、大丈夫なのかこれ!!」
観客「息が・・・できない・・・!!」
アナウンス「こ・・コロシアムだけじゃない!この街全体が揺れ動くほどの爆音と衝撃波ぁぁ!」
225: 2013/07/23(火) 11:22:10 ID:q/IejV1k
青年剣士「くっ・・・・!」
酒場の戦士「光と音で何も見えない!」
酒場の僧侶「大丈夫なのか、王傭兵っ!!」
・・・ゴォォォッ・・・・・・・
・・ユラッ・・・・
アナウンス「おお!?誰かが立ってるぞ!!どっちだぁぁぁ!!」
青年剣士「お・・・王傭兵さんに決まってる・・・・!」
226: 2013/07/23(火) 11:22:41 ID:q/IejV1k
王傭兵「・・・・へ・・」ビキッ・・
青年剣士「王傭兵さんだっ!」
酒場の戦士「や、やりやがったぞあの野郎!!」
酒場の僧侶「マジかよ!!」
アナウンス「こ、これは王傭兵が立っている!白竜人は・・・・・!?」
白竜人『・・・』
アナウンス「・・・倒れている!!白竜人はその場で倒れている!!」
王傭兵「ごほっ・・・当たり前だぜ・・・」
227: 2013/07/23(火) 11:23:15 ID:q/IejV1k
アナウンス「ということは・・・、王傭兵のしょう―――・・・」
白竜人『油断・・・したか』
・・・・ドシュッ
王傭兵「・・・がっ・・」
・・・ズルッ・・・ポタッ・・・ポタポタ・・・
アナウンス「―――は?」
青年剣士「なっ・・・・!」
酒場の戦士「お、王傭兵!!」
酒場の僧侶「っっ・・・・!!!」
228: 2013/07/23(火) 11:23:45 ID:q/IejV1k
王傭兵「ばかなっ・・・、それじゃそこに倒れ・・・・ている白竜人は・・・・」
白竜人『・・・』パチンッ
・・・サァァッ・・
王傭兵「霧・・・・、分身か・・ここで・・・・・・・・」
白竜人『あの頃よりもずっと腕をあげていた。思い上がりもなかった。だが・・・油断の癖はなくならなかったようだな・・・』
王傭兵「・・・ちっ・・」
・・ドサッ・・・・・
229: 2013/07/23(火) 11:24:19 ID:q/IejV1k
アナウンス「・・・・!!こ、今度こそ・・・白竜人の勝利ぃぃぃ!!!」
青年剣士「そんな・・・あと一歩だったのに・・」
酒場の戦士「だめ・・だったか・・・・」
酒場の僧侶「くそっ・・・」
アナウンス「ではこれで本日の第二試合はしゅうりょ・・・」
エリート魔法使い「待てっ!!!!」
アナウンス「・・・?」
230: 2013/07/23(火) 11:25:30 ID:q/IejV1k
青年剣士「あいつ・・・、本部の実況の場所に・・・何をする気だ・・・」
エリート魔法使い「白竜人・・・トドメを刺せ」
白竜人『・・・何?』
エリート魔法使い「そいつは俺の両腕を奪った!どれほどの痛みか・・・、そいつに分からせてやれ!!」
白竜人『だがしかし・・・、王傭兵は既に動けない!腹部を貫通させた一撃で・・・これ以上は・・・・』
エリート魔法使い「・・・逆らうのか?」
白竜人『・・・・!』
エリート魔法使い「別にいいんだぜ?逆らっても」
白竜人『・・・』
231: 2013/07/23(火) 11:26:13 ID:q/IejV1k
王傭兵「へ・・・へへ・・・、やれよ・・・。それもまた・・・一興だろうよ・・・」
酒場の戦士「ダメだ!やめろ!!」
青年剣士「やめてください!!」
酒場の僧侶「王傭兵も落ち着け!!!」
王傭兵「・・・ごほっ・・、あのなぁ・・・実はな・・、さっきの攻撃の打ち合いで・・・体中のいろんな部分イっちまったみたいなんだよ・・・」
青年剣士「それは!医聖者に頼めば治ります・・・だから!」
酒場の僧侶「・・・・っ!」
王傭兵「それに・・・ここの掟の1つは・・・、氏んでも文句をいうな・・・だろ・・・?」
白竜人『お前・・・』
232: 2013/07/23(火) 11:26:45 ID:q/IejV1k
観客「・・・さすがにひどすぎないか?」
観客「確かに試合中なら頃しもあるが・・・、トドメを刺せってのは・・・なぁ・・・?」
・・・ザワザワ・・
青年剣士「み、みんなも同意している・・・」
酒場の戦士「よし・・・」
観客「そうだぞー!エリート家がなんだ!それはないだろ!」
観客「引っ込めー!!」
観客「負けた腹いせとか情けなすぎるぞーーー!!」
・・・ブーブー!!
エリート魔法使い「ぐっ・・・・」
233: 2013/07/23(火) 11:27:33 ID:q/IejV1k
側近「静まれぇぇぇい!!」
観客「!」
青年剣士「あれは・・・・王の側近・・・」
酒場の戦士「やっぱりいたのか・・・あそこの一番上の特等席だ・・・」
王様「・・・みなのもの、静かにしろ!」
観客「・・・・」
・・・シーン
王様「このコロシアムのルール・・・忘れたのか・・・・?」
青年剣士「・・・・!」
王様「敗者は勝者を受け入れなければならぬ。それがいかに辛かろうと。それが・・・この大会のルールであろう!」
234: 2013/07/23(火) 11:28:04 ID:q/IejV1k
青年剣士「・・・・だめだ・・・」
王様「白竜人はエリート家の従者。では、エリート家のいうことも頷ける。そうであろう?」ニタリ
エリート魔法使い「はっ!ありがたき・・・お言葉!」
王様「白竜人!・・・殺れ」
白竜人『ぐっ・・・・・』
王傭兵「・・・白竜人、ちょっとだけ屈め。耳を貸すんだ」
白竜人『何を・・・』
・・・ボソボソ・・
・・・・・・・・・・・・・ボソッ・・・
白竜人『・・・っ』
王傭兵「・・・」ニカッ
235: 2013/07/23(火) 11:28:34 ID:q/IejV1k
エリート魔法使い「何をしている!さっさとやれぇぇ!」
酒場の戦士「だめだ!止めるぞ!!」
酒場の僧侶「いくぞ!」
青年剣士「はい!赤髪少女らはここで待ってるんだ!」
赤髪少女「うっ、うん!」
幼剣士「わ・・わかった」
・・・ダダダダダッ!!
236: 2013/07/23(火) 11:29:05 ID:q/IejV1k
白竜人『・・・わかった。お前の言葉だ・・・信じよう・・』
王傭兵「ありがとよ・・・」
・・・ダダダダッ!!
王傭兵「あいつら・・・来たか・・・」
青年剣士「王傭兵さん!!」
大会兵士「これ以上は通さぬ!」ガシッ
大会兵士「王様のルールを汚すな!従え!!」
青年剣士「離せ・・・・大ざ・・」チャキッ
王傭兵「やめろっ・・・!」
237: 2013/07/23(火) 11:30:17 ID:q/IejV1k
青年剣士「・・・王傭兵さん・・」
酒場の戦士「だめだ!お前を失うわけにはいかないんだ!」
王傭兵「もういい・・・もういいんだ。お前らがここで暴れたら・・・全部が・・無駄になる・・・」
青年剣士「・・・」ハッ
王傭兵「・・チャンスを・・逃すな・・・・」
青年剣士「・・・くっ、くそっ・・・」ポロッ・・
王傭兵「泣くのか・・・俺のために・・」
青年剣士「俺の師匠・・・俺を教えてくれる人・・・、目の前で消えていくのは・・・もう・・・」
王傭兵「それを・・・強さに変えろ・・・」
青年剣士「・・・」
238: 2013/07/23(火) 11:30:49 ID:q/IejV1k
エリート魔法使い「なぁぁにやってるんだぁぁ!!!早くしろよぉぉ!!!!」ビリビリ
王傭兵「うっせぇなぁ・・・ビリビリと・・・、さっさと白竜人・・・やってくれ・・・」
白竜人『・・・分かった』スッ
王傭兵「・・・一緒にまた戦えなくて悪かったな。みんな、今までありがとうよ・・」
青年剣士「王傭兵さぁぁんっ!!!!」
酒場の戦士「王傭兵っ!!!!」
酒場の僧侶「やめろおおおおっ!」
赤髪少女「おじちゃんっっ!!」
幼剣士「おっちゃぁぁん!!」
白竜人『また・・・会おう・・』
・・・ビュッ・・・・
239: 2013/07/23(火) 11:31:31 ID:q/IejV1k
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
240: 2013/07/23(火) 11:32:31 ID:q/IejV1k
ここまでで終了です。ありがとうございました(A´ω`)
250: 2013/07/24(水) 09:14:00 ID:hvUgY9zc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【夜・酒場】
・・・ガチャッ
酒場の戦士「・・・来たか」
青年剣士「はい。子供たちも落ち着けて、寝かせてきました」
酒場の僧侶「・・・うぅっ・・・くそぉ・・・」グスッ
青年剣士「・・・僧侶さん・・」
251: 2013/07/24(水) 09:14:49 ID:hvUgY9zc
酒場の戦士「・・・俺らは・・、どの道アイツに従うだけさ」
酒場の僧侶「どうやってだ!?リーダーはもういないんだぞ!?」グビグビ
酒場の魔法使い「落ち着きなよ。王傭兵の残したもの・・・しっかりあるだろう」チラッ
青年剣士「・・・」
酒場の僧侶「そうか・・・英雄剣士ぃ・・、英雄剣士・・・、頼む・・・あいつの意思をついでやってくれ・・・・頼む・・・・」
酒場の戦士「それくらいにしておけ・・・青年剣士だって気が気じゃないんだから・・」
青年剣士「いえ・・・大丈夫です・・」
酒場の魔法使い「・・・それで。これからの手筈は大丈夫なのか?」
酒場の戦士「あいつがいつも言ってた事と、今回の計画はこのまま行く」
酒場の魔法使い「王傭兵がいなくなった今・・・あのことは伝えたほうがいいんじゃないか?」
252: 2013/07/24(水) 09:15:25 ID:hvUgY9zc
酒場の戦士「そうか・・・、青年剣士」
青年剣士「はい・・」
酒場の戦士「・・・伝えることがある。王傭兵は、俺らのことをなんて言ってた?」
青年剣士「反乱を起こす同盟だと・・・、友人だと聞きました」
酒場の戦士「あながち間違いじゃないが・・・それよりももっと大きなもんだ」
青年剣士「・・・?」
酒場の戦士「俺らはな、王傭兵をリーダーとする"国家反逆軍"・・・つまり"レジスタンス軍"だ」
253: 2013/07/24(水) 09:16:07 ID:hvUgY9zc
青年剣士「レジスタンス・・・?」
酒場の戦士「おい!みんな!」
・・・ガタッ・・ガタガタガタッ・・・・・・・!!
青年剣士「酒場の・・・全員が立ち上がって・・・・まさか・・・」
酒場の戦士「そう。ここだけじゃない。こんな酒場の点々とした場所に、俺たちの仲間がいる」
青年剣士「・・・・っ!」
酒場の戦士「前行った別の酒場もそうだ。町の中に紛れ込んでいるやつもいる。・・・事の重大さも理解してほしい」
青年剣士「・・・はい!」
254: 2013/07/24(水) 09:16:42 ID:hvUgY9zc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
酒場の魔法使い「・・・ん?おい、お前」
???「・・・」
酒場の魔法使い「なぜ立ち上がらないんだ?そのフード・・・ちょっと下ろしてみろ」
青年剣士「・・・?」
???「・・・」
酒場の魔法使い「おい!聞いてるのか!」
???「やれやれ・・・、来てみたら本当にこんな場所があったとはな・・・」
酒場の戦士「・・・誰だ?おい、魔法使い、フードを下ろしてみろ」
酒場の魔法使い「・・・」スッ
・・・・パサッ
酒場の戦士「お前は!!」
255: 2013/07/24(水) 09:17:25 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・』
酒場の戦士「白竜人!!!貴様ぁぁ!なぜここに!」
酒場の僧侶「頃す・・・」
酒場の魔法使い「・・・この話、聞かれて無事に帰すつもりはないぞ」
白竜人『・・・』
青年剣士「待ってください皆さん!話を聞きましょうよ!」
白竜人『ふん・・・、王傭兵の言った通りだったな』
酒場の戦士「何・・・?」
256: 2013/07/24(水) 09:18:02 ID:hvUgY9zc
白竜人『今日の最期・・・、あいつが俺に向かって短いながら言ってくれた』
酒場の戦士「何をだ」
白竜人『助けたいならば、この酒場へ行け、それで全てが分かると。青年剣士を頼れとな』
酒場の戦士「そんな戯言が・・・信用できると思うか!?」
青年剣士「いや・・・落ち着いてください。この場所がこうも分かるはずないですし、本当に言ったんでしょう」
酒場の僧侶「何ィ・・・?」
酒場の戦士「だが、あいつがここを教える道理がないだろう」
青年剣士「いえ、今言いましたよね。助けたいならば、と」
白竜人『あぁ』
青年剣士「あなた、人質がいるんじゃないですか」
257: 2013/07/24(水) 09:18:32 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・』
酒場の戦士「人質だ・・・?」
青年剣士「俺は白竜系と居合わせたことがあります。彼らは確かに暴力的な面もありました。ですが、自分の信念を貫き通す魔物たちだった」
酒場の戦士「・・・」
青年剣士「今日の戦いでも、聞き取りは難しかったですが・・・白竜人はトドメを刺す気がなかった」
白竜人『・・・っ』
青年剣士「それは、彼らが高いプライド、信念があるから。人間に意のままに操られるのが気に食わなかったから・・・そうですよね?」
白竜人『・・・さぁな』
青年剣士「ということは、エリート魔法使いが言った言葉で、"いいのか"というのは・・・おそらく人質がいるということ」
酒場の戦士「・・・」
258: 2013/07/24(水) 09:19:20 ID:hvUgY9zc
青年剣士「王傭兵さんも、簡単な思いでココを教えたり、白竜人もココに来たりはしないでしょう?」
白竜人『ふん・・・、無駄に推理力がありやがるな・・・』
酒場の僧侶「だからといって!王傭兵の命を奪っていいわけじゃなかっただろう!」
白竜人『・・・』
青年剣士「それは・・・」
・・・ガタッ・・トコトコ・・・・・・・
酒場の僧侶「おい、白竜人・・・・」
白竜人『なんだ』
259: 2013/07/24(水) 09:19:56 ID:hvUgY9zc
酒場の僧侶「一発、殴らせろ」
白竜人『断る・・・わけにはいかないだろう。やれ』
酒場の僧侶「・・・そうかよ・・・」ビュッ
・・・・バキッ!!!
白竜人『・・・』
酒場の僧侶「いって・・・何て硬いんだよ・・・・」
白竜人『・・・』
酒場の僧侶「・・・王傭兵が信じてお前をここへ引き寄せたんだろう。だったら・・・」
酒場の戦士「俺らも信じる・・・しかないだろうが!悔しいけどよ!!」
酒場の魔法使い「・・・そうだな・・」
白竜人『・・・!』
260: 2013/07/24(水) 09:20:32 ID:hvUgY9zc
青年剣士「皆さん・・・・」
酒場の戦士「・・・これで、心強い味方ができたな。よろしくな白竜人」
白竜人『あぁ・・・よろしく頼む』
青年剣士「じゃあ、1つ聞いておきたいのですが。あなたの捕られている人質とは・・・」
白竜人『俺の弟だ。エリート魔法使いの部屋に監禁されててな・・・、俺が逆らうと・・・』
青年剣士「・・・そうですか」
酒場の戦士「一応、俺らが考えていた予定も話したほうがいいな。白竜人との手合わせがなくなれば・・・これほど楽なことはない」
261: 2013/07/24(水) 09:21:03 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・手合わせか。それを作戦に入れていたのか?』
青年剣士「・・・そうですね。それと、エリート家の屋敷から奪い返すのも考慮にいれなければ・・・」
酒場の戦士「改めて作戦を練り直そう」
酒場の僧侶「・・・あぁ」
白竜人『ちなみにだが・・・明日の試合内容が変わった。俺とお前が戦うのは決勝になる』
青年剣士「へ?」
白竜人『どうやら、エリートのやつは決勝の花舞台で俺とお前を当てたいらしい』
青年剣士「ってことは・・」
白竜人『俺が明日、4回戦でウルフと戦う。問題はない。その後に決勝で俺とお前だ』
青年剣士「・・・わかりました。情報ありがとうございます」
262: 2013/07/24(水) 09:21:35 ID:hvUgY9zc
白竜人『で・・・・、作戦とやらを聞かせてもらおうか・・・」
青年剣士「はい・・・」
酒場の戦士「・・・ええと・・まずは・・」
263: 2013/07/24(水) 09:22:05 ID:hvUgY9zc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
264: 2013/07/24(水) 09:22:48 ID:hvUgY9zc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――【同時刻・王城】
王様「うはは!あの顔、見たか!?」モグモグ
側近「えぇ・・・最期のこちらを睨んだあの顔、印象深かったです」
官僚「確かに愉快でございましたな!」
エリート魔法使い「ははは!ご協力、ありがとうございました」
王様「何、お前らにはワシも世話になってるからな。あの王傭兵とかいうのは、強さばかりで忠誠心がなかったのでな、丁度よかったわ」
エリート魔法使い「そうですねぇ、王様に従わないなど言語道断です!」
265: 2013/07/24(水) 09:23:40 ID:hvUgY9zc
メイド「・・・お待たせしました。天然の赤ブドウのワインと、ゴルゴン牧場のチーズでございます」カチャカチャ
王様「おうご苦労、まあメイドもワシの膝の上に座れ」ポン
メイド「きゃっ・・・は・・はい・・・」
王様「うはははは!」ナデナデ
メイド「・・・」ギリッ
側近「・・・」
エリート魔法使い「それはそうと、明日は面白い試合を見られますぞ」
王様「ほう?」
官僚「興味深い、教えていただきたい」
266: 2013/07/24(水) 09:24:25 ID:hvUgY9zc
エリート魔法使い「は!?い、いやしかし・・・」
王様「そろそろあいつの人気も低迷になるだろう。それに、今日の対戦を見てわかった。あいつの実力は落ち始めている」モグモグ
エリート魔法使い「・・・ふむ」
王様「そろそろ魔界のほうからアイツほど・・・とはいわずとも、もう少しマシなやつを引っ張ってこよう」
エリート魔法使い「魔界のほうの調子はいかがですか?」
王様「うはは!サキュバスやら、女性型の魔物がすばらしくてな!!」
エリート魔法使い「さすがですね!」
王様「うはははは!そこまで褒めるでない!」
エリート魔法使い「王様、毎回気になっていたのですが・・・魔界をどうやって未だに制圧してるのですか?」
267: 2013/07/24(水) 09:24:57 ID:hvUgY9zc
王様「なぁに、あいつらは上下関係がしっかりしていてな。リーダーさえ抑えれば、何の問題もない」
エリート魔法使い「と、いうと・・・」
官僚「赤竜王のことですな」
王様「当時の部隊は非常に強くてな。それに加え、赤竜王が弱りはじめていた時期だったのだ」
エリート魔法使い「単純な相手ですな!」
王様「ははは!そして縛り上げ、あとは近くの魔物から順繰りに人質として捕っていったのだ」
エリート魔法使い「それが今のうちにいる白竜子ですな。どんなに強いやつも、情には弱い!」ハハハ
王様「左様!」
268: 2013/07/24(水) 09:25:41 ID:hvUgY9zc
・・・コンコン
王様「ん?・・・入れ」
・・・ガチャッ
白竜人『エリート魔法使い様がこちらにいると聞いて。ただいま戻りました』
エリート魔法使い「おせぇ!どこで道草食ってたんだ!」ビュッ
・・ベチャッ!!
白竜人『・・・失礼しました』ドロッ・・
王様「1個2万ジェムもするチーズを投げるとはな!心して食せよ白竜人!」
白竜人『・・・ありがとうございます』
側近「・・・」
269: 2013/07/24(水) 09:26:11 ID:hvUgY9zc
エリート魔法使い「で、頼んでいた・・のは受け取ってきたんだろうな」
白竜人『はい、こちらに・・』スッ
エリート魔法使い「王様に渡せ」
白竜人『・・・どうぞ』カチャッ
王様「エリート魔法使い、これはもしや・・・・」
エリート魔法使い「えぇ、手に入りました。東方の錬金術一族から買い取った・・・、"ショットガン"と呼ばれる代物です」
白竜人『・・・』
王様「なるほどなるほど!素晴らしいフォルムだ・・・・、ここを・・・こうか・・・」カチャカチャ
官僚「さすがです王様!博学ですなぁ!」
270: 2013/07/24(水) 09:26:42 ID:hvUgY9zc
エリート魔法使い「そうです・・・そう、よし、それで撃てますよ!」
王様「わはは!よし、白竜人、そこに立て」
白竜人『・・・』
エリート魔法使い「何やってるんだ!早く立てぃ!!」
白竜人『仰せのままに・・』スッ
王様「く・・・くく・・・・」カチッ
・・・ドォン!!!
白竜人『ぐっ・・・!』ブシャッ
271: 2013/07/24(水) 09:27:13 ID:hvUgY9zc
王様「おぉ・・・竜のうろこにキズがつくとは・・、素晴らしい威力だ!」
エリート魔法使い「お見事です!」パチパチ
官僚「素晴らしい腕前ですな!!」パチパチ
側近「・・・」
白竜人『・・・く』
王様「満足満足。下がってよい」
エリート魔法使い「くく、先に部屋に戻っていろ」
白竜人『・・・失礼します』ペコッ
・・・ガチャッ
272: 2013/07/24(水) 09:28:16 ID:hvUgY9zc
側近「・・・あ、自分もちょっと仕事をやりのこしたので・・・先に処理してきますね」
王様「そうかそうか、ワシのために精一杯働いてくれ」
側近「失礼します」ペコッ
・・・ガチャッ
・・・・・タッタッタッタ・・
側近「白竜人!」
白竜人『・・・側近』
側近「大丈夫か?血が出てるぞ・・・」
白竜人『どうってことない』
273: 2013/07/24(水) 09:29:06 ID:hvUgY9zc
側近「はぁ・・・あの肥えた豚どもが・・、あんな生活をしていたら国民から斬られるぞ・・」
白竜人『・・・それも近いかもしれぬ』
側近「何?」
白竜人『・・・』
側近「・・・青年剣士が動いたのか?」
白竜人『明日、だ。お前も青年剣士を知っていたんだったな・・』
側近「・・・"レジスタンス"に所属してるんだぜ?当たり前だろ・・・それとな・・・」
白竜人『なんだ?』
側近「青年剣士"さん"がの事は、まだ子供の頃から俺は知っているぞ?」
白竜人『・・・そうだった・・・俺の親父の時のことか』
274: 2013/07/24(水) 09:29:46 ID:hvUgY9zc
側近「あぁ・・・。青年剣士さんは、歳をとりすぎた私に気づいてはいないようだったがな」
白竜人『・・・転生術なんてあるほうが間違いだろう』
側近「元々生命力の強い魔族にしか出来ない秘技だからな・・・」
白竜人『赤竜王の様子はどうなんだ』
側近「まだ元気でいる。あとは青年剣士さんが暴れてくれるのを待つだけだ」
白竜人『・・・』
側近「王傭兵のことは残念だった・・・。すまなかった」
白竜人『別に・・・お前のせいじゃない。人は俺らよりもずっと早く氏ぬ・・・、友も皆・・な」
側近「・・・」
白竜人『用事は、それだけか?』
275: 2013/07/24(水) 09:30:17 ID:hvUgY9zc
側近「700年前、いや・・・私らはもう・・数え疲れる月日・・・になるか」
白竜人『・・・』
側近「かの少年剣士が、我らの王女を助けてくれ、彼が竜の血を引いた。そしてまた私たちを助けてくれる。今度は魔界の全てを」
白竜人『・・・あぁ』
側近「運命とは不思議で、皮肉なもの。分かっていても変える事が出来なかった」
白竜人『・・・あぁ』
側近「彼が過去に戻って、過去の私らに未来を託す。だが、結局未来の手は彼自身に託されてしまった」
白竜人『そんなもんだろ。結局、運命を変えるのは難しいってことだ』
側近「逆に言えば、世界は彼に変えられる事を望んでいた・・・そう思う」
白竜人『・・・そうかもな』
竜側近「私が"竜側近"であること、彼に出会えていたこと、これは全て仕組まれていた事だった・・か」
白竜人『・・・あぁ』
276: 2013/07/24(水) 09:30:47 ID:hvUgY9zc
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【王政大会・最終日】
アナウンス「さあ!色々なアクシデントもあったが・・・、今日でいよいよ決勝だぁぁ!」
観客「うおおおおっ!!」
アナウンス「熱く心を燃やせ!楽しめ!最後の最後まで!」
観客「早く試合をはじめろおおお!」
青年剣士「凄い声援だな・・・」ビリビリ
酒場の戦士「最終日はこんなもんさ。それより・・・作戦は大丈夫だな?」
青年剣士「はい。白竜人にも聞かせてありますし」
酒場の戦士「決勝はウルフと白竜人の試合後にすぐに行われる」
青年剣士「大丈夫です」
277: 2013/07/24(水) 09:31:35 ID:hvUgY9zc
アナウンス「それではぁぁ!準備が出来たか!?ウルフ対・・・"連覇"白竜人っ!!」
ウルフ『ふん、今度は負けぬ』
白竜人『貴様は前から気に食わなかった。半狼とはいえ・・魔物でありながら、人に媚を売るなどと』
ウルフ『くく・・・お前とて人の下で命令を聞いている。変わらぬよ』
白竜人『ふっ・・・そうかもしれぬ』
ウルフ『・・・』
アナウンス「それでは!!準決勝・・・はじめっ!!」
278: 2013/07/24(水) 09:32:08 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・』スッ
ウルフ『お前、何があった。前は戦いだけに集中していたが・・・その目は違う』
白竜人『・・・』
ウルフ『俺との戦いだけでない、何か遠くを見ている。何を見ているのだ』
白竜人『・・・』
ウルフ『無視か・・・貴様・・・』ギリッ
・・・ググッ・・
アナウンス「おっと!?ここでウルフがいきなり狼化!!最初から本気だぁぁ!」
279: 2013/07/24(水) 09:32:39 ID:hvUgY9zc
ウルフ『ならば・・・吐かせるまで!狼爪撃!』グワッ
白竜人『ふん・・・』ビュッ
・・・ガシッ・・・キィン!!キィンキィン!!
ウルフ『この早さについてこれるとはな!』
白竜人『まだまだ遅い。それと・・・少し話に付き合ってもらうぞ』
ウルフ『何っ?』
白竜人『大水円魔法!・・・大火炎魔法!!』
・・・ギュゥゥゥン!!!ボワッ・・・・ブシャァァァ!!!
アナウンス「水と炎が入り乱れるぅぅ!会場が濃い霧に包まれたぁぁ!!」
280: 2013/07/24(水) 09:33:14 ID:hvUgY9zc
ウルフ『くっ・・・だが、匂いでわか・・・』ガツッ
白竜人『静かにしろ・・・』
ウルフ『貴様・・・首を・・・』ググッ
白竜人『話がある。聞け』
ウルフ『何の戯言を・・・』
白竜人『この王政をぶち壊す算段が整った。手伝え』
ウルフ『・・・なんだと?』
白竜人『まだ詳しくはいえぬ。だが・・・今日、俺らを含め大規模な反乱を起こす』
ウルフ『嘘をつくな!』
白竜人『本当だ。既に魔物の一部も準備している』
ウルフ『・・・』
白竜人『これからの試合、どうしても俺が勝たねばならぬ。手伝ってくれるな?』
281: 2013/07/24(水) 09:33:47 ID:hvUgY9zc
ウルフ『・・・本当なのか、それは』
白竜人『本当だといっているだろう。竜側近も動いた』
ウルフ『・・・っち・・』
白竜人「俺には分かっている。お前だって生きる為に媚を売ったのだろう・・』
ウルフ『・・・』
王様「どうした!!何も見えぬぞ!!つまらぬ技で客の目をごまかすんじゃない!!!」
白竜人『あの豚が・・・、ウルフ、いいか。決勝では俺が敗北する』
ウルフ『・・お前が?』
282: 2013/07/24(水) 09:34:17 ID:hvUgY9zc
白竜人『そこからはすぐに分かる。いいか?今こそ立ち上がる時なのだ』
ウルフ『くそっ・・・、分かった・・、だが、嘘だった時、お前たちの言葉を王に告げる。いいな』
白竜人『・・・好きにしろ』
ウルフ『・・・』
白竜人『・・・大雷撃魔法っ!!!』ピカッ!!
・・・ピカッ・・・ガラガラガラ!!
アナウンス「おっと!?ここで急に霧の中に雷がほと走る!!これが作戦だったのか!!」
王様「むおおおっ!」
283: 2013/07/24(水) 09:34:52 ID:hvUgY9zc
ウルフ『ぐ・・・もうちょい手ぇ抜けよ・・・』
白竜人『ハデじゃないと豚も信用しないからな・・・寝ていろ』
ウルフ『くそ・・・あとで一発殴らせろよ・・・』
・・・ドサッ
アナウンス「霧が晴れ・・・・」
ウルフ『・・・』
白竜人『・・・』スタッ
アナウンス「おおおっ!?こ、これは!ウルフが倒れ、白竜人が立っている!!強力な電撃の前に、ウルフがひれ伏したぁぁ!』
284: 2013/07/24(水) 09:35:51 ID:hvUgY9zc
エリート魔法使い「くはは!いいぞ、これで決勝も楽しくなる!ま、どーせ白竜人が優勝するだろうがな」
白竜人『・・・』ペコッ
アナウンス「それでは・・・10分後の休憩を挟み、いよいよ決勝です!!皆様はそのままお待ちください!」
観客「うおおおっ!」
酒場の戦士「・・・うまくいったみたいだな。これであとはお前たちだけだ」
青年剣士「はい・・・どれくらいの人たちが立ち上がるんでしょうか」
酒場の戦士「まぁ見てのお楽しみだ・・・はは。最初に暴れだすのはお前たちになる。そこから続く」
青年剣士「本当に・・・反乱が始まるんですね」
酒場の戦士「いまさら怖気づいたか?」
青年剣士「いえ・・・、実感というものが沸かなくて」
285: 2013/07/24(水) 09:36:22 ID:hvUgY9zc
酒場の戦士「まぁ・・そうかもな。だが、ここまで来れた・・」
青年剣士「はい・・・必ず世界を変えてみせます」
酒場の戦士「頼んだ・・・。それと、幼剣士や赤髪少女はどうした?」
青年剣士「大事をとって家に待機させています」
酒場の戦士「それが良い。子供の身にも何が起きるかわからない。全てが始まったら子供の身も案じて一度戻るんだ」
青年剣士「そうですね・・・わかりました」
286: 2013/07/24(水) 09:36:52 ID:hvUgY9zc
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・ザザ・・
アナウンス「それでは、休憩が終了しますので・・白竜人と青年剣士は準備をして下さい」
酒場の戦士「がんばってこいよ」
酒場の僧侶「いってこい」
酒場の魔法使い「あとの事は・・・俺らに任せてくれ」
青年剣士「・・・はい」
・・・タッタッタッタ・・・
287: 2013/07/24(水) 09:37:24 ID:hvUgY9zc
青年剣士「・・・」スタッ
白竜人『・・・』スタッ
青年剣士「・・・」コクリ
白竜人『・・・』コクッ
アナウンス「それでは!!皆様お待たせしました・・・王政大会決勝・・・開始です!!!」
観客「うおおお!!」
観客「待ってたぜええ!」
観客「白竜人いけえええ!青年剣士も負けるんじゃねえぞ!!!」
アナウンス「決勝大会、はじめっ!!!」
288: 2013/07/24(水) 09:38:06 ID:hvUgY9zc
青年剣士「・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
白竜人『とにかくハデな技を見せる。見切れる程度には出すつもりだ』
青年剣士「お願いします」
白竜人『打ち合いの速度もある程度出すが、大丈夫か』
青年剣士「大丈夫だと思います」
白竜人『わかった。ある程度やったら俺が合図を出す。思い切り技を出して俺を吹き飛ばせ』
青年剣士「・・・わかりました」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
青年剣士(打ち合わせをしてるとはいえ・・・遅れをとらないようにしなければ・・・)
289: 2013/07/24(水) 09:38:37 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・大火炎刃っ!!』ビュワッ!!
青年剣士「・・・くっ!早い!」
・・・ドゴォォン!!
観客「うおお!観客席ごと吹き飛ばす勢いだ・・・すげえ!!」
白竜人「大雷撃魔法!」ビカッ!!
青年剣士「・・・小氷波魔法っ!」
・・・ゴロゴロゴロ・・ドゴォォン!!!
アナウンス「氷に雷を落とし、上手く攻撃をよけていく!技術同士がぶつかりあう素晴らしい勝負だ!」
290: 2013/07/24(水) 09:39:24 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・』
・・・ダダダッ!!
青年剣士(打ち合いか・・・!)チャキッ
白竜人『・・・うおおっ!』
ビュッ・・・ビュビュビュビュッ!!!
アナウンス「目にも止まらぬ打撃の連打が青年剣士に襲い掛かる!!」
青年剣士「・・・うあああっ!!」ヒュッ・・・
・・・キィン!!キキキキキキィン!!!!
291: 2013/07/24(水) 09:40:04 ID:hvUgY9zc
アナウンス「これに対し青年剣士も食らいつくっ!!弾き返す!!なんという打ち合いだぁぁ!」
観客「うおおおおっ!!いけええ!」
観客「アツイぞおお!」
白竜人『ほう、この速度でついてこれるか』
青年剣士「まだまだいけますよ!」
白竜人『それでは・・・』ビュオオオッ!!
青年剣士「うらあああっ!!」ヒュオオオッ!!
キィィィィィィィィン!・・・!キィン!!キィィィィィィン!!!!
アナウンス「打ち合いの音が早すぎて・・・もはや音が1つになっていく!!どこまで行くのか!!」
292: 2013/07/24(水) 09:40:53 ID:hvUgY9zc
白竜人(こいつ・・本気でやれる・・・、相当な腕前だ・・・)
青年剣士(さすがだ・・!一撃一撃が重い・・・!)
・・・キィィィィン!!!!
白竜人『ふっ!』
・・スタッ
アナウンス「ここで白竜人が一旦離脱!壮絶な打ち合いに逃げ腰か!?」
エリート魔法使い「なにしてるんだ!!さっさと波動でも何でも出して、勝負を決めろ!!」
王様「英雄剣士と謳われた者が、偽者とはいえ氏ぬ姿・・・ゾクゾクするのう」ククク
293: 2013/07/24(水) 09:41:23 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・』ビシッ
アナウンス「おっと!?白竜人が天高く・・・王様の方へ向かい腕を上げる!勝利を確信したのか!?」
青年剣士(腕・・・合図!)
エリート魔法使い「当たり前だ・・・勝たなければ弟の命はないと思え・・・」
王様「どのみち、白竜王は氏ぬがな・・・」ウハハ
竜側近「・・・」ギリッ
白竜人『長々とした戦いになる前に、一撃で決着をつける。力のぶつかり合いだ・・・』
青年剣士「いいでしょう!俺も本気でいかせてもらいます!」
白竜人『・・・・』スゥッ
青年剣士「・・・」スゥッ
294: 2013/07/24(水) 09:42:00 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・竜波動っ!!!』
アナウンス「でたぁぁ!王傭兵、不沈艦を静めた最強の必殺技・・・竜波動っ!」
青年剣士「・・・竜波動っ!!!!」
白竜人『なっ!』
アナウンス「おおおおお!?ど、どうしたことだ!?青年剣士も竜波動を使ってきたぞ!?!?」
観客「どうなってんだ!?!?すげえぞおお!」
青年剣士「未来の・・技術を経て・・・、竜波動を使った感覚を思い出したんです・・・」ググッ
白竜人『ぐぬ・・そうか・・、お前も竜の血を引く者だったな・・・・!』ググッ
295: 2013/07/24(水) 09:42:31 ID:hvUgY9zc
エリート魔法使い「なっ・・・、聞いていないぞ!あいつが竜波動を操るなんて!」
王様「ばかな!?」
白竜人『・・・ぐ・・・・』ビリビリ
青年剣士「・・・はは、客に"魅せる"にはいい演出でしょう?」ビリビリ
白竜人『ふ・・・それじゃ、あとは頼んだぞ・・・』スッ
青年剣士「・・・任せて・・・ください!」グワッ!!
アナウンス「な、なんとぉ!?白竜人が両手を下ろし・・・あきらめた!?」
エリート魔法使い「ば、ばかやろおおお!」
王様「何をしているんだ!!!戦えぇぇぇ!!」
・・・ドゴォォォォッ・・・・!!!!
296: 2013/07/24(水) 09:43:01 ID:hvUgY9zc
白竜人『・・・』
ユラッ・・・・・・ドサッ
アナウンス「あ・・・」
観客「・・・っ!」
観客「・・・!」
青年剣士「・・・よしっ!」
エリート魔法使い「なっ・・・・!」
王様「何ぃ・・・・!!」
297: 2013/07/24(水) 09:43:40 ID:hvUgY9zc
アナウンス「な、なんと!なんとぉぉぉ!白竜人が敗北!!完全敗北!起き上がる気配なし!!」
エリート魔法使い「バカな!そんなわけあるか!そいつは分身だろう!!分かってるんだ!」
白竜人『・・・』
エリート魔法使い「立て!立ち上がらないと・・・貴様の弟を頃すぞぉぉぉ!!」
王様「ば・・ばか者!!」
・・・ザワザワ・・
観客「今・・・何て言った?」
観客「人質をとってるのか・・・?なんだ・・・?」
エリート魔法使い「勝てぇぇ!立てぇぇ!くそぉぉぉ!」
王様「・・・」
298: 2013/07/24(水) 09:44:10 ID:hvUgY9zc
アナウンス「"連覇"の白竜人、ついに敗れる!!"英雄"の青年剣士が大勝利ぃぃぃ!」
・・・ウォォォォォ!!!!
青年剣士「・・・」ニコッ
酒場の戦士「よしっ・・・よし!!」
酒場の僧侶「全員・・・準備をする合図だ・・・」
酒場の魔法使い「もちろんだ・・・」
アナウンス「勝利者にはその場で王様に、願い事をすることが出来る!さぁ・・・青年剣士!その願いを言うのだ!」
・・・スタッ
兵士「青年剣士様、これを。これで言えば世界に貴方の言葉が飛び立ちます」スッ
299: 2013/07/24(水) 09:44:42 ID:hvUgY9zc
青年剣士「・・・これは?」
兵士「・・・マイクです。あまり大声でしゃべると非常にうるさいので・・・静かに・・・」
青年剣士「・・・わかりました」
・・・スッ
青年剣士「皆さんっ!!!聞こえますかっ!!!」ビリビリ!!!!
300: 2013/07/24(水) 09:45:16 ID:hvUgY9zc
エリート魔法使い「・・・うるせぇ!」ビリビリ
王様「・・・ぐ」キーン
青年剣士「・・・俺の願いごとは・・・すでに決めてあります!」
観客「うおおおおお!」
観客「なんだ!?言ってみろぉぉ!」
酒場の戦士「・・・」スチャッ
酒場の僧侶「・・・」スッ
酒場の魔法使い「・・・」スッ
酒場の剣士「・・・」チャキッ
301: 2013/07/24(水) 09:45:49 ID:hvUgY9zc
青年剣士「・・・王政の終結!王の追放!国家の破綻と・・・再生です!!」
302: 2013/07/24(水) 09:46:19 ID:hvUgY9zc
アナウンス「王政の終結が願いごとだぁぁ!・・・・・は?」
王様「・・・今、何といった?」
青年剣士「・・・」
王様「貴様、今何といった」
青年剣士「もう1度言いましょうか?」
王様「王政の終結だと・・・?そんな戯言、通ると思うか!!」
青年剣士「・・・通しますよ。今こそ、立ち上がる時!!!」
303: 2013/07/24(水) 09:47:33 ID:hvUgY9zc
・・・スッ
・・・・・スッ
・・・スタッ・・・スッ・・・スッスッ・・・・
王様「な・・・!」
エリート魔法使い「観客たちが・・・立ち上がっていく!?」
青年剣士「さぁ・・反撃の時です」ニコッ
304: 2013/07/24(水) 09:48:14 ID:hvUgY9zc
本日はここまでです。皆さんありがとうございました(A´ω`)
306: 2013/07/24(水) 11:35:55 ID:dXC35BJA
引用: 青年剣士「運命ということ・・」
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