1: 2013/08/21(水) 11:14:52 ID:LsCcfpcw

2: 2013/08/21(水) 11:15:24 ID:LsCcfpcw
 
――――――【遺跡調査から3週間後・ジパング行の船の中】


…ボォー……

孤高騎士「…お、出発か」

冒剣士「みたいですね~。船で3日ほどなので、のんびりするといいですよ」

女メイジ「ドキドキしてきた…、考えたら東方なんて初めてだ…」


冒剣士「正確にいえば東方は独立国だからジパングの名称が正しいんだけどね」
葬送のフリーレン(1) (少年サンデーコミックス)
3: 2013/08/21(水) 11:16:01 ID:LsCcfpcw
 
女メイジ「なんでジパングっていうの?東方は東方だと思ってたけど…」

孤高騎士「北方の雪降町と猛雪山、南方のエルフの町及び太陽の祭壇、西方の星降町と魔力の塔…そういう感じのイメージなんだがな俺は?」

女メイジ「私もそれと一緒で、中央大陸の領土だと思ってたけど…」


冒剣士「あー…まあね。ジパングは世界に誇る技術の提供をしてるから、余計そういうイメージがついてるのかも」


女メイジ「冒剣士だって、出身国なのに"東方出身だ"っていってたし」

冒剣士「僕らも、そういう感じでずっと言われてたから…、それに慣れちゃってるってことなんだよね」

女メイジ「なるほどねー…」

4: 2013/08/21(水) 11:16:38 ID:LsCcfpcw
 
孤高騎士「東方って具体的にどういう感じなんだ?この船が向かう先は?」

冒剣士「この船は、"トウト"という主要都市に着きます。港から少し離れてますが、歩けばすぐです」

孤高騎士「へえ…、町並みはどんな感じなんだ?」

女メイジ「あ、それ興味ある!」


冒剣士「どうって…ガス灯が今は港周辺から主要都市に点いているので、夜も魔力を消費せず明るいですよ」

孤高騎士「ガ…ガス灯…?」


冒剣士「それと魔動車なんかも金持ちの人なら持ってるんじゃないですか?」

女メイジ「ま…魔動車…?」

5: 2013/08/21(水) 11:17:26 ID:LsCcfpcw
 
冒剣士「はい。え、えーと…2人ともその顔は…?」


孤高騎士「なんだそれ」
女メイジ 「何それ」


冒剣士「が、ガス灯っていうのは…ガス燃料を使用した明かりのことです」

孤高騎士「…?」


冒剣士「魔動車っていうのは、魔石を燃料に変換して走ってくれる車です。魔動船の技術が確立する前からありましたよ」

女メイジ「…?」


孤高騎士「何がなにやらさっぱりだ」

女メイジ「私もです。実際見ないとわかりませんね…多分…」

冒剣士「うーん、女メイジや僕らの冒険酒場だって東方の技術は使ってるんだよ?」

女メイジ「え?」

6: 2013/08/21(水) 11:18:46 ID:LsCcfpcw
 
冒剣士「冷蔵庫とかスイッチ式の明かりは、全部東方の錬金術師が編み出した技法なんだよ」

女メイジ「あー…確かに…」

冒剣士「ガスやら何やら僕はさっぱりだけどね。とりあえず着けば分かると思う!」

女メイジ「そ、そうだね…?」


孤高騎士「料理とかも変わってるのが多いんだろ?」

冒剣士「うーん…僕はそう思いませんが。むしろ、美味しい料理が多いですよ…新鮮命!とかで」

孤高騎士「しん…せん?」

7: 2013/08/21(水) 11:19:23 ID:LsCcfpcw
 
冒剣士「僕たちは、基本的に新鮮なものを多く食べるんですよ。たとえば、刺身とか…卵でも…」


女メイジ「えっ」

孤高騎士「刺身…?」


冒剣士「はい。魚を捌いて、それを生のまま食べます。鶏卵なんかも生のまま…」

女メイジ「あ…ありえなーーーいっ!!」

孤高騎士「そ…それはさすがにスリリングじゃないか…?」

冒剣士「えっ…、そ、そうです…?」

8: 2013/08/21(水) 11:20:08 ID:LsCcfpcw
 
女メイジ「お肉とかなら分かるけど、さすがに魚とか鶏卵って…おなか壊すでしょ…」

冒剣士「えー!?あ…そういえば、西の漁港に行ったときも、刺身とか見なかったな…」

女メイジ「でしょ!?やっぱりありえないって…」

冒剣士「食べればハマるって!絶対!」


孤高騎士「そ、そうなのか…?」

女メイジ「食べたくないよう…、そんな料理ばっかとか…」


冒剣士「食わず嫌いほどダメなものはないでしょ!」

女メイジ「うー…」

孤高騎士「ま、そりゃそうか。本当にうまいかもしれねーしな、楽しみにはなってきた!」ハッハッハ

9: 2013/08/21(水) 11:20:55 ID:LsCcfpcw
 
女メイジ「孤高さん、やっぱ怖いもの知らずだ…」

孤高騎士「何事も挑戦よ!」

女メイジ「私もそのくらい…勇気を持たなくちゃ…」ハァ


冒剣士「祖国の料理とか調理法を勇気を持って…っていうのも複雑な気分ですが…」タハハ…


女メイジ「あ、ご…ごめんね!そういう意味じゃないんだけど…」

冒剣士「あはは…いいよいいよ。そんな女メイジたちには…"納豆"なんかも食べてもらうから」


女メイジ「な…」

孤高騎士「納豆…?」

10: 2013/08/21(水) 11:21:45 ID:LsCcfpcw
 
冒剣士「簡単にいえば豆を発酵させたものです。美味しいですよ」

孤高騎士「豆を発酵って…」

女メイジ「ふ~ん、聞くだけでは一番マシそうね。楽しみにしてる!」

冒剣士「…うん」ニタッ…


孤高騎士「っと、ここからはしゃいでたら体力もたねーしな。休みながらのんびり行こうぜ」

冒剣士「そうですね。ちょっとした長旅ですしね」

女メイジ「部屋でトランプでもしながら、東方の話をもっと聞かせてよ!」


冒剣士「うん、いいよ」ニコッ

11: 2013/08/21(水) 11:22:21 ID:LsCcfpcw
 
That's where the story begins!
――――――――――――――――
【冒剣士「僕は最高の冒険者になる」】
――――――――――――――――

18: 2013/08/22(木) 09:44:22 ID:6DjUmAIs
皆様ありがとうございます(A´ω`)
>>17
第一幕は話の準備スタートだったので、自分も飛ばし感がありすぎました。
今回は冒険パートが主力で進んでいくのでどうぞ、お付き合いください

19: 2013/08/22(木) 09:44:53 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
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・・・・・
・・・
・・

20: 2013/08/22(木) 09:45:32 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【3日後の夕方・トウトの港】


…ボォォ……

アナウンス「中央大陸、ジパングのトウト線の船が着港致します」


…ザバァ……ボォォ………


孤高騎士「おおお、ここが東方かああ!」

冒剣士「へへ、そんなに離れていなかったけど…なんか凄い懐かしい気分だ」

女メイジ「ここが港…?凄い人…」

21: 2013/08/22(木) 09:46:07 ID:6DjUmAIs
 
…ザワザワ…

女メイジ「何あれ?あの明かりの点いてる塔」

冒剣士「あれは灯台だよ。嵐のときとか、夜に目印にするために明かりを常に放ってるんだ」

孤高騎士「ほほー…あの道に並んでるのは魔力灯じゃなくてガス灯ってやつなのか?」


冒剣士「そうですね。魔力を使わないで、ガス燃料を使って明かりを出してます」

孤高騎士「淡くていい光だな。嫌いじゃないぜ」


…ザワザワ……

孤高騎士「そして…人多すぎるだろ!ここまだトウトの中心じゃないんだろ?」

冒剣士「そうですねー…、トウトはもっと多いですよ。世界で最大の人口密度を誇ってるとか」

22: 2013/08/22(木) 09:46:39 ID:6DjUmAIs
 
女メイジ「なんか…人に酔いそうな言葉ね…」

冒剣士「あはは、確かにそうかもね」

孤高騎士「しっかし立派だな。中央国に近い建物と、独自な不思議な建物が入り乱れてるのに、景観が美しい」

冒剣士「建築技術も高いですからね!」


女メイジ「ね、ねね!あれ何!?」

冒剣士「あ~…あれは立ち飲み屋。あっちは食べ歩きの商店街だよ」


女メイジ「何それ!?」

23: 2013/08/22(木) 09:47:15 ID:6DjUmAIs
 
冒剣士「ここにいる人はほとんど働いてる人で、帰るのが遅い人も多いから、歩いて食べられる料理を提供してるんだよ」

女メイジ「へえ~!」

冒剣士「何か食べてみる?」

女メイジ「う…そ、それは…」


冒剣士「さすがに、まだ刺身とかはないから安心して…。コロッケとか、おにぎりだから…」

女メイジ「そ、そうよね…」

孤高騎士「何事も挑戦だっちゅーてるだろうが!刺身でもなんでもこい!」

冒剣士「ないですって…」

24: 2013/08/22(木) 09:48:05 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

コロッケ店主「へいらっしゃい!ホクホクのコロッケはいかが!」

冒剣士「あ、それじゃ3つください」

コロッケ店主「3つで600ゴールドになります!」

冒剣士「あ、はい。それとソースも軽くかけてください、このまま食べていくので」


コロッケ店主「はいはい!…と、600ゴールド確かに。毎度ありー!」

冒剣士「はーい」


…カサカサ

25: 2013/08/22(木) 09:48:48 ID:6DjUmAIs
 
…スッ

冒剣士「はい…どうぞ。他の国にはあまりないから、ちょっとした珍味かもしれないよ」


女メイジ「コロッケ…?」

孤高騎士「なんか、クロケットに似てるな?」

冒剣士「元はそれが原型ですね。中身はポテト…ジャガイモなので、ホクホクしておいしいですよ」


女メイジ「う…勇気一発!」

…サクッ

26: 2013/08/22(木) 09:49:19 ID:6DjUmAIs
 
冒剣士「…どう?」

女メイジ「…~~っ!!」

冒剣士「?」


女メイジ「あっつうううい!舌が火傷する~!」

冒剣士「はは、そりゃね。ゆっくり少しずつ食べないと、火傷しちゃうよ」

女メイジ「そういうことは早く言ってよ!も~!」


孤高騎士「あぶね~…丸かじりでいくところだった…」

冒剣士「ってなわけで、気をとりなおしてゆっくり食べてみてください」

27: 2013/08/22(木) 09:49:52 ID:6DjUmAIs
 
女メイジ「…」ソー…

孤高騎士「…」ソー…


…サクッ……

サクサク…モグモグ……トロッ…


冒剣士「ど…どう?」


孤高騎士「こ…こりゃあ…」モグモグ

女メイジ「…」サクサク


孤高騎士「旨い…」

女メイジ「美味しい…」

28: 2013/08/22(木) 09:51:04 ID:6DjUmAIs
 
冒剣士「でしょー!?」

女メイジ「この黒いの?と、衣がすごい合ってて、サクサクしてて…中のジャガイモも…トロける…」

孤高騎士「ビールと一緒に食べたらスゲー合いそうだな…」


冒剣士「と、ついでにこれも買っておきました。はい、おにぎりです」

…スッ

冒剣士「中身は鮭と梅干しです。こっちが鮭で…梅干がこっち。どうぞ」


女メイジ「…私たちが食べてる米より、なんか丸みを帯びてる気がする?」

孤高騎士「それだけじゃなくて、米が立ってないか?それと、俺らの知ってるのよりスゲー白銀っぽいよな」

冒剣士「米は主食ですから、力を入れて農業をしているんですよ」

29: 2013/08/22(木) 09:51:36 ID:6DjUmAIs
 
パクッ…モグモグ

女メイジ「…!」

孤高騎士「う…うめえ…、なんだこれ…」

女メイジ「米自体にもうっすら味がついてる?なんていうか…甘い…」


冒剣士「それがジパング自慢の国産米です。おいしいでしょ?」


女メイジ「鮭も美味しい~!塩で締めてるの?ご飯に合う!」

孤高騎士「こっちの梅干は酸味が丁度いいクセに、梅自体に甘みもあって味わい深い…」

冒剣士「こういうものがある国の自慢の、生魚の刺身が"美味しくないもの"だと思います?」

30: 2013/08/22(木) 09:52:17 ID:6DjUmAIs
 
女メイジ「い…言われてみれば…」

孤高騎士「確かに偏見だったかもな…、そのサシミとやら楽しみにしていいのか?」ハハ

冒剣士「高級なものは難しいですが、美味しいものは用意しますよ」

孤高騎士「楽しみにしてるぜ」ポンポン


冒剣士「よし、それじゃあ…もうすぐ夜になりますし…その前に家に案内しますよ」

孤高騎士「近いんだっけか?…それと、急に押しかけて大丈夫か?」


冒剣士「大丈夫ですよ。割と近いので…あと、大丈夫だと思います」

女メイジ(冒剣士の家か~…どんな感じなんだろ…)ワクワク

31: 2013/08/22(木) 09:52:48 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【20分後】


冒剣士「見えた…あそこですよ!」

孤高騎士「ほー…って、ここから入り口か!?」

冒剣士「トウトの中心から離れてる場所は、土地代も安いのでこんな感じですよ」アハハ

女メイジ「庭があるー!」


冒剣士「土地の割りに家が小さいのは、この辺の地区では当たり前です」ハハ

32: 2013/08/22(木) 09:53:25 ID:6DjUmAIs
 
…トコトコ


冒剣士「さてさて…いらっしゃいませ!」

孤高騎士「家には親いるのか?」

冒剣士「お父さんは子供のころに亡くなってますけど…お母さんがいますよ」

女メイジ「…そうなんだ」


冒剣士「それでは…」


…ガチャッ……

冒剣士「母さん!ただいまー!」

33: 2013/08/22(木) 09:53:55 ID:6DjUmAIs
 
…ドタドタ

冒剣士「…」

冒母「…あら!聞きなれた声がしたと思ったら…冒剣士…、どうしたの!?」

冒剣士「あはは…ちょっとだけ帰省…。あと、仲間が出来たんだ…紹介するよ!」


孤高騎士「あ…初めまして」

女メイジ「ど、どうも!」ペコッ


冒母「あらあら…、素敵なお仲間さんたちですね…!」ニコッ

34: 2013/08/22(木) 09:54:29 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…ボスッ

冒剣士「…っていうわけなんだよ」

冒母「ちょっとの間、泊めて…ねえ」


孤高騎士「あ、いや…無理にはいいんですよ。俺らは冒険者ですし、冒険酒場もありますし…」

冒母「部屋、狭いけど大丈夫かしら…?」

冒剣士「孤高さんたち…いい?」


孤高騎士「いや狭いとかは別にいいが…」

冒剣士「…決まりっ♪」

35: 2013/08/22(木) 09:55:12 ID:6DjUmAIs
 
女メイジ「…」キョロキョロ

冒剣士「…どうしたの?」


女メイジ「なんか、不思議な造りだなーって。あっちの部屋の黄色い床は何?」

冒剣士「あれは畳だよ」

女メイジ「畳…?」


冒剣士「あっちの部屋で寝ることになるから、荷物置くついでに案内するよ」

女メイジ「うん、わかった!」


…トコトコトコ……

36: 2013/08/22(木) 09:55:50 ID:6DjUmAIs
 
冒母「はあー…少しだけ離れていただけなのに、凄い大人になった感じがするねぇ…」

孤高騎士「会った最初のころは、文句言ったりもしてたみたいですがね、子供の成長って早いもんなんですね」

冒母「迷惑とかはかけていませんか…?」


孤高騎士「とんでもない。むしろ、助けられることも多いくらいですよ」

冒母「そうですか…」

孤高騎士(気の弱そうな母親だな…、氏と隣り合わせの戦いばっかだって聞いたら、気失うかもしれん…)


冒母「お父さんが幼い頃に亡くなってから、大事に育ててきた一人息子なんです。どうぞ…よろしくお願いします」

孤高騎士「…はい、もちろんですよ」ニコッ

37: 2013/08/22(木) 09:56:22 ID:6DjUmAIs
 
……トコトコ

冒剣士「それで、母さん」

冒母「なあに?」

冒剣士「今夜の晩御飯、豪華なもので用意してほしいんだけど…」

冒母「もちろん、腕によりをかけて作るわよ」


冒剣士「それで…えーと…」ゴソゴソ

冒母「?」


…ドサッ

冒剣士「これ、僕が稼いでるお金なんだけど、これで買って欲しい…なんて…」

冒母「…!」

38: 2013/08/22(木) 09:57:14 ID:6DjUmAIs
 
孤高騎士「…」フッ

女メイジ「…冒剣士」


冒剣士「やっと、こうやって母さんにも親孝行できる…みたいな…恥ずかしいけど!」

冒母「…冒剣士……」

冒剣士「だから…受け取ってよ、母さん!」


孤高騎士「息子の気持ち、素直に受け取るのも大事ですよ」

冒母「そうです…ね。ありがとね、冒剣士」ナデナデ


冒剣士「か、母さん…!」

39: 2013/08/22(木) 09:57:48 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…カチャカチャッ……

冒母「それじゃ…皆さん席についたわね…」

女メイジ「はいっ!」

孤高騎士「美味しそうですね」

冒剣士「うわー…母さんの料理久しぶりだよ…」ウキウキ

40: 2013/08/22(木) 09:58:53 ID:6DjUmAIs
 
冒母「それじゃ…」

冒剣士「いただきまーっす!」

女メイジ「いただきます」

孤高騎士「ご馳走になります」


…カチャカチャ…

女メイジ「これは何?スープ?」

冒剣士「味噌汁だよ。美味しいから飲んでみて」

女メイジ「…」ズズッ…

41: 2013/08/22(木) 09:59:25 ID:6DjUmAIs
 
冒剣士「…」

女メイジ「わっ…美味しい~…」

孤高騎士「えーと…どれが"サシミ"だ?」


冒剣士「これですね。醤油につけて食べてください…そう、その手前にある黒いのです」

冒母「ジパング住みなら慣れてるけど、他の国の方はどうかしらねえ…」


孤高騎士「…」モグッ…

女メイジ「ど、どうですか…?」

孤高騎士「うっ…!」ガタッ

42: 2013/08/22(木) 10:00:53 ID:6DjUmAIs
 
冒剣士「えっ!?」

女メイジ「ど、どうしたんですか!?」


孤高騎士「うまい!」


冒剣士「…で、ですよねー!?」

女メイジ「本当ですかー!?」

冒母「…」クスッ


孤高騎士「ちょっと生臭さが残るが、口の中でトロっとして…なんだこりゃ!イケるぞ!」

43: 2013/08/22(木) 10:01:47 ID:6DjUmAIs
 
冒母「お酒、少しだけどありますから…飲みますか?」

孤高騎士「ぜ…是非!こりゃあいいツマミだぜ…」

女メイジ「じゃ…じゃあ私だって挑戦する…」


…スッ……パクッ・・・


冒剣士「…」ドキドキ

女メイジ「あ…おいし…」

冒剣士「だからいったでしょー!美味しいんだってば!」

44: 2013/08/22(木) 10:02:19 ID:6DjUmAIs
 
…パタパタ

冒母「はい、こちらがお酒です…」コトッ

孤高騎士「…あ、いやこりゃありがとうございます!」

冒母「…」ジー

孤高騎士「…?」チラッ



冒剣士「えーと…そっちのが…」

女メイジ「これ…?あ、本当美味しい…」

冒剣士「…そうやって食べるんじゃないって!」

女メイジ「え?そうなの?」

45: 2013/08/22(木) 10:02:55 ID:6DjUmAIs
 
…ギャーギャー!!


孤高騎士「…久しぶりですか?こういう食卓は」グビッ

冒母「ええ…ごめんなさい。ちょっと懐かしくて…」

孤高騎士「…」

冒母「あの人が座っていた席でお酒を飲む人がいて…、息子がはしゃいでる。何年も見なかった光景だったから…」


孤高騎士「家族、いいもんですよね」

冒母「本当に…」

46: 2013/08/22(木) 10:03:27 ID:6DjUmAIs
 
冒剣士「母さん!女メイジにあれだしてよ!納豆!」

女メイジ「いいわよ…何でもきなさい!」


冒母「ふふ…はいはい。まっててね…」


孤高騎士(俺も……気持ち…凄い分かりますよ)

47: 2013/08/22(木) 10:04:00 ID:6DjUmAIs
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【次の日・朝】

 
…コケコッコー!!!……チュンチュン


冒剣士「みんな起きて~」

女メイジ「ふわあ…おはよう……」

孤高騎士「浮かれて…飲みすぎた……頭がいてぇ…」


冒母「あらあら、皆さんおはようございます。軽いものですが、朝食あるのでどうぞ」

孤高騎士「あ…わざわざ有難うございます」ペコッ

48: 2013/08/22(木) 10:04:56 ID:6DjUmAIs
 
…ストン

女メイジ「…目玉焼きに、お味噌汁…だっけ?それに納豆♪」

冒母「本当は夜食べるものじゃなくて、こうやって朝食べるものなのよ」ニコッ

女メイジ「わぁ…いただきます!」


冒剣士「しっかしまさか、女メイジが納豆食べれるなんて…」

孤高騎士「俺はダメだったのにな…」

女メイジ「美味しいと思うのに…」ムゥ

49: 2013/08/22(木) 10:05:34 ID:6DjUmAIs
 
…モグモグ…ゴクゴク…

……カチャカチャ…


孤高騎士「それで、今日はどうする?」

冒剣士「ん~…近くの裏通りにある錬金術師のお店に顔出そうかなーって思ってます」

孤高騎士「ほう?」


冒母「ああ、おばちゃんのところ?」

冒剣士「うん。せっかく久々に戻ってきたし、顔出さないと怒られちゃう」ハハ


女メイジ「錬金術師か~…」

孤高騎士「俺らも何かあるかもしれないし、一応ついていくぜ」

冒剣士「はい、一緒にいきましょう!」

50: 2013/08/22(木) 10:06:06 ID:6DjUmAIs
 
…モグモグ…ゴクンッ

冒剣士「ふう…ご馳走様でした!」

孤高騎士「美味しかったです、ありがとうございました」

女メイジ「納豆万歳ですね…」フッ


冒母「それじゃ、気をつけていってらっしゃいな」

冒剣士「うん…いってきます!」


…ガチャッ……バタン…

61: 2013/08/23(金) 09:48:49 ID:PHg9O5oo
 
…トコトコ


孤高騎士「すぐ近くなのか?裏通りは」

冒剣士「すぐそこですよ」


女メイジ「納豆…美味しかった……」ホフゥ

冒剣士「そんなに気に入ったの…?」

女メイジ「ネバネバだけど、ショーユを軽く垂らして、まぜまぜ…ジパングの白銀のご飯と良く合って…」


孤高騎士「俺は…勘弁だな…匂いも食感もアウトだ…」

62: 2013/08/23(金) 09:49:19 ID:PHg9O5oo
 
冒剣士「ネギなんか入れると、更に味の幅広がるよ。あ…鶏卵出すの忘れてたね」

女メイジ「け…鶏卵…。生の…卵よね…」

冒剣士「それも納豆なんかに入れると美味しいよ」


女メイジ「そ…そーなの…?」ググッ

冒剣士「う、うん。白身は少なめにしてさ…、黄身の部分だけ混ぜて、まろやかになって…」

女メイジ「…っ!」


冒剣士「それをたっぷり、ご飯の上にトローリ…」

63: 2013/08/23(金) 09:49:56 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「…冒剣士」

冒剣士「何?」

女メイジ「今日は錬金術師さんのところじゃなくて、買い物しましょう。鶏卵とネギと卵。あと美味しいショーユも用意して」

冒剣士「…え」


孤高騎士「…どんだけ好きになったんだよ」ハハ

女メイジ「…じ、冗談!冗談よ!」

冒剣士「そ、そうだよねー…後で帰りに、物販所よって買い物しよ…っか…?」


女メイジ「うん!する!」

冒剣士「そ…そう」

64: 2013/08/23(金) 09:50:39 ID:PHg9O5oo
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――【トウト裏通り】

 
冒剣士「納豆で話し込んじゃいましたが…えーと…あった!あそこです」

孤高騎士「おー…ずいぶんボロっちくないか…」

冒剣士「そんなこというと…おばちゃんにぶっ飛ばされますよ…」

女メイジ「へー…雰囲気もいいし、私ここ好きだな」


冒剣士「そういうこと言うと、嬉しいよ」

…コンコン

65: 2013/08/23(金) 09:51:10 ID:PHg9O5oo
 
???「はーい、どうぞー。やってるよー」


…ガチャッ


冒剣士「久しぶり…です!女錬金師さん!」

女錬金師「…おや!冒剣士っ!」

冒剣士「相変わらずですね、お客さん」アハハ


女錬金師「そーいうことは言わないの!」ゴンッ

冒剣士「痛いっ!…でも、久しぶり…この感じ…」ズキズキ

66: 2013/08/23(金) 09:51:41 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「…それで、こっちの2人は?」


孤高騎士「あ、どうも。パーティ…仲間の孤高騎士です。孤高って呼んでくれ」

女メイジ「同じく、女メイジです」ペコッ

女錬金師「へえ!いい仲間だねえ…、冒剣士のこと、よろしく頼むよ!」


孤高騎士「もちろん!それにしても…おばちゃんおばちゃんって冒剣士が言ってた割には、俺と同じ…か先輩くらいじゃねーか」

冒剣士「っ!」

女メイジ「…ですよねー!?おばちゃんってしつこかった割りに、全然、お姉さんじゃん!」

冒剣士「っっ!!」


女錬金師「あっはっは…ありがとう!……冒剣士はあとで一緒に話をしような」ニコッ

67: 2013/08/23(金) 09:52:14 ID:PHg9O5oo
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


冒剣士「ふ、2つも…たんこぶが出来た…」ズキズキ


女メイジ「珍しいものが沢山ありますね…♪」

孤高騎士「うおお、旧式の属性着火ライター!なんつー懐かしいレトロ品を…」

女錬金師「アタシの店じゃ、新しい物だけじゃなくて古いものも沢山扱ってるからねえ…」


孤高騎士「すげえー…」

女メイジ「…これは何ですか?」

女錬金師「ああ…これは"写真たて"だね」

68: 2013/08/23(金) 09:52:45 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「これが?ただの小さな額縁みたいな…」

女錬金師「ここがスイッチなんだよ。…えーと、ほら」

…カチッ……ポウッ…


女メイジ「わっ!光った…」

女錬金師「…懐かしい写真だよ。もう25年くらい前に撮った、アタシの友達らさ」

女メイジ「へえ~……、……ん?」

女錬金師「…どうしたんだい?」

69: 2013/08/23(金) 09:53:25 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「ぼ、冒剣士…孤高さん…これ、見てください」

孤高騎士「なんだ?俺はレトロ品の発掘に…って…」

冒剣士「…へっ?」


3人「お…オーナー!?」


女錬金師「!?」ビクッ

冒剣士「こ、これオーナーじゃないですか!?髪色もそのまんまだし…ってか、今と全然変わってない!」

女メイジ「ど、どういうこと?」

70: 2013/08/23(金) 09:54:17 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「…オーナー?」

冒剣士「い、いや…僕が専属やってる冒険酒場のオーナーですよこれ!」

女錬金師「……あ~、そういやアイツ、冒険酒場やってたっけ…」


女メイジ「じ…じゃあ…」

冒剣士「間違いない…」

孤高騎士「…なんていうか、世間は狭いな~」ハハハ

71: 2013/08/23(金) 09:54:58 ID:PHg9O5oo
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


女錬金師「アタシ達は、特待学校の生徒でね…、そこで会って、数年間を共に過ごしたんだ」

冒剣士「そうだったんですか…」


女錬金師「こっちが武道家。こっちが僧侶戦士で、こっちがオーナーの嫁の魔法使いちゃん…」

女メイジ「みんな仲良さそうですね~」

女錬金師「で、こっちが乙女僧侶で、赤髪少女、戦士先生、剣士教官……しゃべると余計懐かしいねぇ」


冒剣士「特待学校…やっぱり色々大変だったんですか?」

女錬金師「氏にかけたことも沢山あったけど、その分凄い楽しかったよ。冒剣士も良い旅をおくれるといいね」ニカッ

冒剣士「…うん」

72: 2013/08/23(金) 09:55:40 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「ってことは、オーナーも冒険者なんだ…よね?」

孤高騎士「仲間が銀プレートだし、同じ銀プレートくらいじゃないのか?」


女錬金師「…え?」

孤高騎士「え?」


女錬金師「あっはっは、嫌だなぁ。アイツは"プラチナ"に決まってるじゃないか」

孤高騎士「プ……」

女メイジ「プラチナー!?」

冒剣士「な、何ですかそれ!?」

73: 2013/08/23(金) 09:56:18 ID:PHg9O5oo
 
孤高騎士「…で、伝説のカラーだ。ゴールドの上で、世界に影響を与えるほどの権力を持つ人が持てるって聞いたことがある…が…」

冒剣士「ええっ!?」

女メイジ「噂だけだと思ってましたよ!?ってか…オーナーがプラチナ!?本当に!?」


女錬金師「あら…これしゃべっちゃダメだったのかね…?」

冒剣士「…あ、あはは……」


女錬金師「まあいっか。そりゃプラチナ貰うでしょうよ…、英雄剣士さんだよ?彼は」

孤高騎士「は…ハァ~~!?」

女メイジ「英雄剣士!?」

冒剣士「英雄剣士ぃぃ!?!?」

74: 2013/08/23(金) 09:56:52 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「2代目だけどね。初代は行方不明だっていうけど…まあそんな感じだよ」


冒剣士「待ってください…頭がついていかない…」

女メイジ「わ、私…そんな凄い所で働いていたの…?」グルグル

孤高騎士「あのオーナーが英雄剣士…?はあー…ウソだろー…」


女メイジ「え、じゃあ…聖剣士さんは…英雄剣士の弟さん…?」

女錬金師「あー…まぁそうなるね」

女メイジ「英雄剣士がオーナーで、聖剣士の称号を受けた弟が……酒場の料理人って…」クラクラ

75: 2013/08/23(金) 09:57:23 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「はっはっは、聖剣士…も立派になったもんだねえ」

冒剣士「はー……それじゃ、戻ったら色々聞かないと…」

女錬金師「それがいいさ」



冒剣士「はー…びっくりしすぎた…あ、そういや女錬金師さん…」

女錬金師「なんだい?」

冒剣士「これ、見てほしいんです」

女錬金師「?」


…ゴソゴソ……コロンッ

76: 2013/08/23(金) 09:57:55 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「…これは?」

冒剣士「宝玉です」

女錬金師「…本当は?」

冒剣士「宝玉ですよ。フィルボルグさんに頂いたもので、ヒュドラも吹き飛ばしましたし」


女錬金師「……、本当かい?」

冒剣士「…はい」


女錬金師「…」チラッ

77: 2013/08/23(金) 09:58:35 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「!……本当です」

孤高騎士「少なくともウソではないかな」


女錬金師「はー…宝玉って…、そんなもの存在するはずないと思ってたけどね…」

冒剣士「それで…ちょっと調べてほしいことがあって」

女錬金師「…なんだい?」


冒剣士「ヒュドラを吹き飛ばした時のことなのですが…」

78: 2013/08/23(金) 09:59:32 ID:PHg9O5oo
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

女錬金師「…なるほど。強力な呪い、ね」

冒剣士「錬金術や魔法技術が長けてるなら、それに関しても分かるかなーって」

女錬金師「…」

冒剣士「…」


女錬金師「…それが分かったらどうするつもりだい?」

冒剣士「え?」

女錬金師「宝玉の秘密が分かって、もし解けたら……、宝玉がどういう存在になるか分かってるのかい?」

冒剣士「…」

79: 2013/08/23(金) 10:00:07 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「…確かにちょっとした事で、秘密が分かるかもしれない。呪いも解けるかもしれない」

女メイジ「…」

女錬金師「だけどね、それは本当に良い事なのか…どう思う?」

冒剣士「…」


女錬金師「…ま、私もこういうのは嫌いじゃないけどね」アハハ

冒剣士「…オーナーが、この宝玉は僕に預けてくれたと言ってました。それは僕を信頼してくれたのかなーとか…」

女錬金師「…」

冒剣士「お願いします。秘密だけは知っておきたいです」

80: 2013/08/23(金) 10:00:41 ID:PHg9O5oo
 
女錬金師「……そんな真剣な眼差しじゃ、応えない訳にはいかないね」フゥ

冒剣士「…お願いします!」

孤高騎士「…」


女錬金師「それじゃ、コレは預かっておくよ。明日にでもまた来ておくれ」

冒剣士「お願いします」

女錬金師「…ああ、そういや。近くのトウト冒険酒場があるだろ?」

冒剣士「はい?」


女錬金師「あそこで、何でも冒険者を今集ってるって話だよ。行ってみたらどうだろう?」

81: 2013/08/23(金) 10:01:14 ID:PHg9O5oo
 
冒剣士「う~ん…どうします?」

孤高騎士「東方の地での冒険者たちか…、何かあるかもしれないし行ってみようぜ!」

女メイジ「せっかくですしね…行きましょう!」

冒剣士「わかりました。それじゃ女錬金師さん、また明日きますね!」


女錬金師「はいはい、気をつけなさいよ」

82: 2013/08/23(金) 10:01:54 ID:PHg9O5oo
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【トウト・冒険酒場】


…ガヤガヤ……


女メイジ「うっわ!広い!」

孤高騎士「人の数もすげえな。何人くらいいるんだこれ…」

冒剣士「相変わらず凄い人だなあ…」


女メイジ「…でもさ、なんで冒剣士はわざわざ中央国に?」

冒剣士「え?」

83: 2013/08/23(金) 10:02:35 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「近くにこんなに大きな冒険酒場があるのに…」

冒剣士「冒険っていう気持ちで、外に出たかっただけだよ…」ハハ

女メイジ「なるほどね…」


孤高騎士「それで、クエスト受付は……あそこか」


…トコトコ……

受付「はいー、いらっしゃいませ~…どうぞー」


孤高騎士「おい、嬢ちゃん」

受付「はいー?」

孤高騎士「冒険者を集ってるって聞いたんだが、何かあったのか?」

84: 2013/08/23(金) 10:03:15 ID:PHg9O5oo
 
受付「ああ~…国家の討伐クエストが出されたんですよ~」

孤高騎士「国家級の…?」

受付「豪火山あるじゃないですか~?」

孤高騎士「…?」


冒剣士「豪火山は、ここから更に東に向かった場所にある山岳地帯ですね」

受付「そうですね~。そこで、大量の魔獣が現れたんです~」

85: 2013/08/23(金) 10:05:02 ID:PHg9O5oo
 
冒剣士「豪火山で、ですか?」

受付「はい~。カルデラ湖も異変があって…地震も相次いでいるそうですよ~」

孤高騎士「それって爆発するんじゃねーだろうな…」


受付「だから、調査兼討伐のクエストが出たんです~」

孤高騎士「それだけじゃせいぜい軍事レベルだと思うのだが?」

受付「魔獣は全部、炎属性持ちのものですし、上位魔獣だけじゃなく、火山の爆発の危険もありますし~…」


冒剣士「…」

受付「そもそも軍の支部がジパングには少ないので、こうやって国を挙げないといけないってのもありますけどね~…」

86: 2013/08/23(金) 10:05:54 ID:PHg9O5oo
 
孤高騎士「なるほどな。出発はいつだ?今の確定してる冒険者の数は?」

受付「冒険酒場全体に出されてますが~…、今はまだ100人にも満たっていませんねえ~…」

孤高騎士「ふむ…」

受付「少ない軍からの発行クエストで報酬は少なめですし、難易度の高い国家クエストという名目なので人が集まらないんですよ~」


冒剣士「どうします?」

孤高騎士「豪火山の頂上までは難しいか?」

冒剣士「いえ、観光地としても有名ですし…近くに町もあるので、余裕だと思います」

孤高騎士「分かった。それじゃ、行こう。出発はいつだ?」


女メイジ「今度は熱い山か…」

87: 2013/08/23(金) 10:07:29 ID:PHg9O5oo
 
受付「早くて4日後です~。軍の許可が下りなければ今は閉鎖区なので~…」

孤高騎士「分かった。それじゃ、孤高騎士…冒剣士、女メイジのパーティで登録しといてくれ」

受付「わかりましたあ~、それじゃ4日後の朝、また来てくださいね~。プレートの確認もありますので、持ってきて下さいね~」


孤高騎士「了解。って…勝手に決めちまったけど良かったか…?」


冒剣士「いいですよ、地元で助けに参加できるなら冒険者として本望ですしね」

女メイジ「観光気分…ってのは悪すぎるけど、こうやって行くのも当たり前になりつつありますしね」

孤高騎士「はっは、それじゃ…今日はこれから観光地でも冒剣士に案内してもらおうかな」


冒剣士「任せてください!」

88: 2013/08/23(金) 10:08:27 ID:PHg9O5oo
 
女メイジ「それじゃ…納豆の物販所…行くわよ…!」

冒剣士「納豆の物販所があるわけじゃないんだけどね…」

89: 2013/08/23(金) 10:08:59 ID:PHg9O5oo
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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・・・
・・

99: 2013/08/24(土) 09:32:20 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【次の日・錬金ショップ】


…コンコン…ガチャッ

冒剣士「こんにちわー」

女メイジ「こんにちわですー!」

孤高騎士「どうも」


女錬金師「おや、来たか」

冒剣士「はい、えーと…どうでしたか?」

100: 2013/08/24(土) 09:33:00 ID:JB7p8Fpk
 
女錬金師「…簡単にいえば、これには2つの封印…呪いみたいなもんが施されてるね」

冒剣士「…2つ?」

女錬金師「1つは魔力の暴走を抑えるもの。増大すぎる魔力を抑え込んでるんだ」

冒剣士「なるほど」


孤高騎士「ってことは、もう1つはその…冒剣士だけにしか使えないもの…とかか?」


女錬金師「…違う」

女メイジ「え?」

女錬金師「もう1つは…、何かが"封印"されてはいるんだ。だけど、分からないんだよ…」

101: 2013/08/24(土) 09:34:53 ID:JB7p8Fpk
 
冒剣士「オーナーは使用制限みたいなのが掛かってるとか言ってたけど…」

女錬金師「違うね。色々な道具で調べたけど…そんな事はないし、その"封印"だけは分からなかった…」

孤高騎士「どういうことだ?」

女錬金師「…分からないよ」


冒剣士「その…封印は解けるものなんですか?」


女錬金師「どうだろうね…魔力の封印は解けるよ。だけど、2つ目の方は分からないね」

冒剣士「そうですか…」

102: 2013/08/24(土) 09:36:07 ID:JB7p8Fpk
 
孤高騎士「…ちょっとその宝玉見せてくれるか?」

女メイジ「あ、でも電撃が…」

孤高騎士「今は皆が持てるんだから、大丈夫だろ?」

女メイジ「あ、そうか…」


女錬金師「…はいよ」


…スッ……バチバチッ!!!


孤高騎士「うおっ!?」

冒剣士「うわっ!」

女メイジ「きゃあっ!」

103: 2013/08/24(土) 09:36:56 ID:JB7p8Fpk
 
女錬金師(…!)


孤高騎士「いってえ…なんで俺は持てないんだよ…」

冒剣士「うーん…」

女メイジ「私も持てるのに…はいっ」スッ

冒剣士「あ…うん、ありがとう」

孤高騎士「なんでかなぁー…」ブツブツ


女錬金師「そ、そうだ。冒剣士、ちょっと荷物運んでほしいものがあるから来てくれる?」

冒剣士「え?ああ、いいですけど」

104: 2013/08/24(土) 09:37:26 ID:JB7p8Fpk
 
女錬金師「2人は適当に商品見てておくれ。安くするよ!」

孤高騎士「じゃあ、俺はレトロな品でも~」ンフフ

女メイジ「いいんですか!?…欲しいのあるし、安くなるなら買えるかな…♪」


女錬金師「あっはっは、サービスは大事だよ。それじゃ、冒剣士はこっちに来ておくれ」

冒剣士「あ、はい」



…トコトコ………バタン…

105: 2013/08/24(土) 09:38:12 ID:JB7p8Fpk
 
…ガチャガチャ……バタン…


冒剣士(…なんかこの感じ、覚えが……)

女錬金師「…えーと冒剣士……話があるんだけども」

冒剣士(ああ、オーナーとの宝玉のときの…)


女錬金師「さっきの宝玉の…反応を見たかい?」

冒剣士「…見ました」

女錬金師「あれは…何だか分かるかい…?」

冒剣士「宝玉が、孤高騎士さんを拒んだ…んですよね?」

106: 2013/08/24(土) 09:38:44 ID:JB7p8Fpk
 
女錬金師「ハズレ。逆だよ」

冒剣士「…え?」

女錬金師「…逆。あれは過剰反応だ。宝玉との相性が良すぎて、魔力の急激放出がされたんだ」


冒剣士「…相性が、良い?」

女錬金師「どうやら、2つ目の封印は本当に"制限"じゃないね。全く別のモノ…確証した」

冒剣士「相性がいいって…、それはつまり、孤高さんが使えるようになっている…ってことですか?」


女錬金師「さあね…あの放出量じゃあ…魔力が暴走して、使えるようには、とてもじゃないけど見えないよ」

冒剣士「…」

女錬金師「魔力の封印がされてる状態で、あの魔力量。封印を解けばどうなるか…」

107: 2013/08/24(土) 09:40:16 ID:JB7p8Fpk
 
冒剣士「解かれたら、相性の問題じゃなくても使えるようにはなったりします?」

女錬金師「多分なるだろうね…、そんなに封印を解きたいのかい?」


…スッ…キラッ

冒剣士「いえ…もしかしたら、"これ"が必要になる事がまだあるかもしれないって思っただけです」

女錬金師「フィルボルグの事だね。確かに、まだ手元にあるのは理由があるんだろう…」


冒剣士「…はい。だから、もしもの時はこの封印…解けますか?」

女錬金師「…ここだけの話、解けないことはないよ。単純…とも言えないけど、かなり昔の封印術だからね」

冒剣士「わかりました。何かあったら…お願いするかもしれません」


女錬金師「…わかった」

108: 2013/08/24(土) 09:40:46 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…ガチャッ

冒剣士「ふうー、荷物重かったです」

女錬金師「ご苦労様。で、アンタ達は何か欲しいのがあったかい?」


女メイジ「えーっと…、これとか…」

女錬金師「小型電灯?」

女メイジ「これ魔力の注入で光るんですよね。中央だと結構値段するので、安いなら欲しいなって」

女錬金師「あーあー、そんなの幾らでも作れるからね。あげるよ」アッハッハ

女メイジ「本当ですか!?」

109: 2013/08/24(土) 09:41:26 ID:JB7p8Fpk
 
孤高騎士「俺は…これ。どうだ?」

女錬金師「この間言ってた旧式の属性着火装置だね。それは値段が張るよ」

孤高騎士「う…いくらだ?」

女錬金師「ずばり1980ゴールド!」

孤高騎士「買った!」


冒剣士「それってそんなイイものなんですか?」

孤高騎士「中央国では旧式でも万単位だからな…、持ってて損はねえぞ」

冒剣士「へえ~…」

110: 2013/08/24(土) 09:42:00 ID:JB7p8Fpk
 
孤高騎士「それじゃ…これが金だ」チャリンッ

女錬金師「はいよ、毎度!」


女メイジ「それじゃ、これからどうするの?」

冒剣士「どうせ明後日まで暇だしなあー…」

孤高騎士「この辺だと案内するところはもうないのか?」


冒剣士「近くはもうないですねえ…」

孤高騎士「トウト中央とか行ってみたいんだが」

冒剣士「あー…そうですね。案内しますよ」

111: 2013/08/24(土) 09:42:30 ID:JB7p8Fpk
 
孤高騎士「そうこなくっちゃ!」

女メイジ「どんな感じなんだろ~」

女錬金師「一番技術力がある街だからねえ、鉄骨の塔なんてのも最近出来たらしいよ」


冒剣士「あー、あれ完成したんですか?」

女錬金師「昨日から試験放送始まってるはずだよ?今日の夜からもやるはずだしねえ」

冒剣士「本当ですか…あとで家に帰って聴かないと…」

112: 2013/08/24(土) 09:43:15 ID:JB7p8Fpk
 
女メイジ「…試験放送?何それ?」

冒剣士「仕組みは分からないんだけど、電気を遠くに発信して、錬金の道具でそれを受け取って、情報が伝達されるとか…」


孤高騎士「さっぱりわからん」


冒剣士「僕もです。試験放送用の配られて道具が家にあるはずなので、帰ったらやってみましょう」

孤高騎士「そうだな」


冒剣士「よし、それじゃありがとうございました!」ペコッ

女メイジ「ありがとうでした!」


女錬金師「はいよ、また来なよ~」

113: 2013/08/24(土) 09:43:50 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【夜・冒剣士の自宅】


…ガチャッ

冒剣士「ただいま!」

冒母「お帰りなさい」


女メイジ「ふー…疲れたあ。でも、凄い人だったねー」

孤高騎士「酒もうまそうなの売ってたし、万々歳だな」

女メイジ「ちっちっち、孤高さん…納豆もあったから、万々歳なんですよ」ムフー

孤高騎士「そ…そうか…」


冒剣士「母さん、あの鉄骨の塔が出来たらしいんだけど、配られたあの道具はある?」

114: 2013/08/24(土) 09:44:24 ID:JB7p8Fpk
 
冒母「ああ、あれねえ…、あそこにあるよ」

冒剣士「あったあった…えーと…」


…カチャカチャ……カチッ…


女メイジ「…何か起こるの?」

孤高騎士「しかし見たことないモノだな。変わったカタチしてやがる」


…ザザ……

ザザザ………ザザ…


孤高騎士「…なんかザーザーいってるぞ」

115: 2013/08/24(土) 09:45:03 ID:JB7p8Fpk
 
冒剣士「おっかしーなー…何も聞こえないや」

女メイジ「そこのところを回すんじゃない?」

冒剣士「回してみよっか」


…クルクル……ザザ…

ジツ……リ…


孤高騎士「お!?」

女メイジ「な、何か聞こえる!」

冒母「おやおや」

116: 2013/08/24(土) 09:45:55 ID:JB7p8Fpk

 
…クルクル……

…ホンジツ、トウトチホウヘ…タ…


孤高騎士「…お!?おぉ!?なんだこりゃ!?」

女メイジ「何これ!!」


…ザザ…

アナウンサー「本日未明、トウト地方へ向かっていた船の1隻が事故により沈没したとの情報が入りました」


冒剣士「…きた!」

孤高騎士「な、なんだこれ!?」

女メイジ「道具がしゃべってるの!?」

117: 2013/08/24(土) 09:46:27 ID:JB7p8Fpk
 
冒母「何だったかねえ、鉄骨の塔でしゃべった言葉が、その道具から出るんだって。最新の情報を提供するとかなんとか…」

孤高騎士「そりゃすげえ!」

女メイジ「神秘の国…東方ね…」


アナウンサー「…では次の情報です。問題となっていた豪火山の閉鎖でしたが、予定より早く開放されることになりました」


冒剣士「!」

女メイジ「!」

孤高騎士「!」

118: 2013/08/24(土) 09:47:02 ID:JB7p8Fpk
 
アナウンサー「現在も冒険者、軍関係者の人数は不足しており、各冒険酒場での協力を求めているとのことです」


冒剣士「豪火山…」

孤高騎士「いつ開放されるんだ?」


アナウンサー「開放は早くて明日の朝、登録している冒険者たちは最寄の冒険酒場で情報を受けて下さい、との事です」


女メイジ「明日…!」

冒剣士「明日、いってみましょう」

孤高騎士「そうだな」

冒母「…あまり危ない事はしないでおくれよ…?」

119: 2013/08/24(土) 09:47:36 ID:JB7p8Fpk
 
冒剣士「大丈夫!孤高さんもいるし、この位もう慣れてるよ」ニカッ

冒母「それならいいんだけどねぇ…」


孤高騎士「…ん?」


…ザザ…ザザザ……ザーーーー…


冒剣士「ああ…、やっぱりまだ試験だから安定しないんですね」

孤高騎士「ま、丁度いい時に情報を受けれてよかったぜ。明日だ…みんな、しっかり心を準備しとけよ」

女メイジ「はい、もちろんです」


冒母「それじゃ…みんなが頑張れるように…腕によりをかけて料理を作るわね」ニコッ

121: 2013/08/24(土) 09:48:54 ID:JB7p8Fpk
 
女メイジ「鶏卵入り納豆…最高な和え方でお願いします」ボソッ

122: 2013/08/24(土) 09:49:28 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・

123: 2013/08/24(土) 09:50:08 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【次の日・冒険酒場】


…ガヤガヤ…


孤高騎士「えーと…あ、いたいた」

受付「あ~、この前の方ですねえ~」


孤高騎士「そうそう。えーと、これがプレートな」

…チラッ

受付「銀色…確かに受付ました~」

124: 2013/08/24(土) 09:51:01 ID:JB7p8Fpk
 
…ザワッ…

オイ、アイツシルバープレートダゼ…

ウシロノコドモガパーティカ…?


冒剣士「な、なんかざわついてますね…」

女メイジ「そりゃ銀プレートっていったらトップクラス…って、孤高さん、いつの間に銀プレートに!?」


孤高騎士「この間のヒュドラのポイントが予想以上に高くてな…」

女メイジ「え…それじゃもしかして…」

孤高騎士「あ、そうだ。これオーナーから預かってたんだよ…お前らのプレート」


…ゴソゴソ…スッ

125: 2013/08/24(土) 09:52:18 ID:JB7p8Fpk
 
…キラッ

冒剣士「ど、銅色!?」

女メイジ「私も…」


孤高騎士「まあ…幸運だったってことだな。何にせよ、神獣と遭遇して討伐までしちまったんだ、そりゃそうなるわな…」ポリポリ


女メイジ「はあ~…なんか微妙な気分…」

冒剣士「白から一気に銅か…複雑な気分…」

孤高騎士「一生掛かっても銅になれるかは、チャンスと実力次第だぜ?もっと喜べよ」

女メイジ「そ、それはそうなんですが…」


冒剣士「…ん?」

126: 2013/08/24(土) 09:52:54 ID:JB7p8Fpk
 
…ザワザワ…

冒険者A「見ろよ…あのパーティ…あの子供で銅色だぜ…?」

冒険者B「おいおい俺は4年かかってまだ赤だぞ…」

冒険者C「すげえ実力なんだろうな…、俺もジパング古武術の2段持ちなのによ…」



冒剣士「な、なんか…恥ずかしいですよ…」

孤高騎士「居心地いいじゃねえか。お前らのこと見て、驚かれてるんだぜ?」

女メイジ「う、うーん…」

127: 2013/08/24(土) 09:53:42 ID:JB7p8Fpk
 
孤高騎士「…あ、それで。受付サン、出発とか今後の予定は?」

受付「予定では~…、今日の朝9時…あと10分後から開放される予定なのでえ~…」

孤高騎士「じゃあ、もう出発してもいいのか?」

受付「そうですねえ~…豪火山まではそれなりの遠いのでぇ…、出発したほうがいいですよ~」


冒剣士「…!」

女メイジ「それじゃ…」

孤高騎士「ああ。準備はいいな…?」


冒剣士「はい!」

女メイジ「もちろん!」

孤高騎士「よし…出発だ!」

128: 2013/08/24(土) 09:55:48 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【豪火山付近の山岳地帯】


冒剣士「はぁ…はぁ…あ、暑い…」

女メイジ「本当…汗でぐっちょぐちょ…」ベトベト


孤高騎士「上着1枚くらい脱いだらどうだ?体力奪われるだけだぞ?」

冒剣士「じゃあ…いっそのこと…」


…バッ!!

129: 2013/08/24(土) 09:56:55 ID:JB7p8Fpk
 
冒剣士「上全部脱いだほうが、かえってスッキリしそうな気がしますよ」アハハ

女メイジ(意外といい体してるのよね~…)チラッ


孤高騎士「ん~?なんだあ、女メイジ…冒剣士の体に見とれてるのかあ~?」グフフ

女メイジ「なっ、ち、違いますって!」

孤高騎士「くくく…、恥ずかしがるなって」

女メイジ「もー!孤高さんってば!」


冒剣士「はは…」

130: 2013/08/24(土) 09:57:27 ID:JB7p8Fpk
  
冒剣士「でも、洒落にならないですね…」


孤高騎士「普段からこの辺、こんなに暑いのか?」

冒剣士「まさか…異常ですよ。やっぱり火の魔獣とかが暴れているのかもしれませんね…」


女メイジ「…暑い……」

冒剣士「女メイジも脱ぐ?」


女メイジ「セクハラー!」ゲシッ


冒剣士「いたいっ!」

131: 2013/08/24(土) 09:58:20 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…トコトコ


冒剣士「もうすぐ、豪火山のふもとの町ですよ」

孤高騎士「遠くに見えるな、あそこか」


女メイジ「冒険者たちも向かってるみたいだし、賑わってそうだね」

冒剣士「結構有名な観光地だし、元々多めだとは思うけど…」

孤高騎士「さすがに、この暑さだし、山は閉鎖されてたし観光客はいないだろ…」

132: 2013/08/24(土) 09:59:10 ID:JB7p8Fpk
 
冒剣士「そう思いますけどね…」

女メイジ「今何時くらい?」

冒剣士「えーと…時計だと15時くらいだね…酒場から近くまで馬車が出てたし、早く着けたし」


女メイジ「あそこの町にも宿屋はあるかな…お風呂入りたいよ…」

孤高騎士「あるといいんだが…」

冒剣士「観光地はどこでもありますよ、大丈夫だと思います」


女メイジ「そっか…じゃあ、急ぎましょう…」

冒剣士「ってことは、あそこで一度休憩ととってから山登りですね」

133: 2013/08/24(土) 09:59:50 ID:JB7p8Fpk
 
孤高騎士「そりゃそうだな。情報も欲しいし、あそこから豪火山の調査までどの位なのか…も分からん」

冒剣士「そうですね…」

女メイジ「汗を流したい…、体中がベトベトするーー!」


冒剣士「まあ落ち着いて…もうすぐだからさ…」

女メイジ「うん…」

冒剣士「僕も宿に着いたら休もう…。氷の魔石も売ってるだろうし、部屋涼しくして寝たいな…」


女メイジ「賛成…」

孤高騎士「俺はそこに冷たいビールを1本、だな…」

134: 2013/08/24(土) 10:01:21 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・
・・・
・・

135: 2013/08/24(土) 10:02:08 ID:JB7p8Fpk
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【豪火山・ふもとの町】


…オォォォォ……

ゴォォォ………パリンッ!!……


女メイジ「な…にこれ…」

孤高騎士「こ…これは……」

冒剣士「…っ!」



…ヒュゥゥゥ……

136: 2013/08/24(土) 10:02:39 ID:JB7p8Fpk
 
女メイジ「町が…燃えている……」

冒剣士「酷い…」

孤高騎士「なんだこりゃ…うっ…この臭い…」


女メイジ「何か…焦げてる…?」

孤高騎士「人の燃えている臭いだ…」
 

冒剣士「じゃ、じゃあ転がってる黒いのって…」

孤高騎士「人だ…」

女メイジ「…ひっ……!?」

143: 2013/08/25(日) 09:41:11 ID:hvt2JWq6
 
……トコ…トコ…

孤高騎士「ん?」


町人「ごほっ……」

…フラフラ…ドサッ


孤高騎士「お、おい…アンタ」

女メイジ「だ、大丈夫ですか!?」


町人「…」


孤高騎士「…おい!」

144: 2013/08/25(日) 09:42:25 ID:hvt2JWq6
 
町人「…」


孤高騎士「…だめだ」

冒剣士「…亡くなったんですか」

孤高騎士「あぁ…」


女メイジ「…っ」

孤高騎士「…おい、見ろ、この横の傷……ひどい火傷だ…」

女メイジ「うっ…」

145: 2013/08/25(日) 09:43:05 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「一体何があったんでしょうか…」

孤高騎士「こいつが来たのは向こう側だったな…、とりあえず行ってみるぞ」

冒剣士「…はい」

女メイジ「…」


…ゴォォォッ………

冒剣士「あちこちで火の手が上がってる…」

孤高騎士「どうやら、俺らが考えてたより…よっぽどな状況みたいだな」

女メイジ「汗とか言ってる場合じゃないね…」

146: 2013/08/25(日) 09:44:20 ID:hvt2JWq6
 
タッタッタッタッタ…


冒剣士「…」キョロキョロ


孤高騎士「どこもかしこも氏体だらけ、中には冒険者…戦士もいるみたいだな…」

冒剣士「プレートも付けてますね…、どうやら先発隊の方々みたいですよ…」

女メイジ「それにこの建物の傷…まるで…炎に削り取られたような…」


孤高騎士「…」

冒剣士「と、とにかく生きてる人を探しましょう!」

孤高騎士「そうだな」

147: 2013/08/25(日) 09:44:54 ID:hvt2JWq6
 
…ゴォォ…


冒剣士「あれから…聞こえてくるのは火の音ばかり…人の気配が全くないですね…」

孤高騎士「…っち、やべえな……、町1つが堕ちてるぞこれは」


女メイジ「そ、そんなことあるんですか…?」


孤高騎士「…珍しいこと…じゃ、ないけどな…」

冒剣士「…」

孤高騎士「とりあえず日も暮れてきている。町外れはまだ焼けていない場所…そこへ行こう」

冒剣士「…そうですね」

148: 2013/08/25(日) 09:45:27 ID:hvt2JWq6
 
…マ…マ……


冒剣士「…!」

孤高騎士「ん?」

冒剣士「今、聞こえましたか?」


女メイジ「何が?」

冒剣士「…気のせいじゃない」ダッ

孤高騎士「あ、おい!」

149: 2013/08/25(日) 09:46:27 ID:hvt2JWq6
 
……ダダダダッ……!!


冒剣士「はぁ…はぁ……、この辺で確かに…」キョロキョロ

孤高騎士「おいおい、どうしたんだ?」

冒剣士「今、この辺から子供が"ママ"って呼ぶ声が聞こえたんですよ…」

女メイジ「えっ!」


冒剣士「…くそ、どこだ……」

孤高騎士「…」

女メイジ「…」


…ママ……

孤高騎士「…声?…あ、あれか!?建物のそばの…」

150: 2013/08/25(日) 09:47:19 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「…あの子…ですね!助けに行きましょう!」


……タッタッタッタ

冒剣士「き、君…大丈夫!?」

女メイジ「はぁ…はぁ……」


子供「うぅ……ママァ……」


冒剣士「…なんて……ことだ…。こんな子まで…」

女メイジ「…っ」

孤高騎士「ダメだ…」

151: 2013/08/25(日) 09:47:57 ID:hvt2JWq6
 
子供「ママ…どこに…いるの…?」


冒剣士「…」

女メイジ「…酷いキズ…」

孤高騎士「もう、長くはないだろう…」

冒剣士「…」


子供「ごほっ…痛い…熱いよ…」

152: 2013/08/25(日) 09:49:00 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「…っ!」ダッ

女メイジ「冒剣士!?」


…ギュッ

冒剣士「ママじゃないけど…僕が…君を…そばにいるよ…」

子供「ママ…なの…?」

冒剣士「…っ」


孤高騎士「…眼が焼かれ、耳も聞こえないんだ」

冒剣士「…」

153: 2013/08/25(日) 09:49:56 ID:hvt2JWq6
 
子供「ママ……」

冒剣士「…」


女メイジ「…」
 
…スッ……ナデナデ


冒剣士「女メイジ…」

女メイジ「…大丈夫よ」ニコッ 


子供「……マ…マ…」

154: 2013/08/25(日) 09:50:30 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「…」

孤高騎士「…」

女メイジ「…」


子供「…」


冒剣士「…名前も知らない子だったけど…、最後は…少しだけ…幸せにできたのかな…」

孤高騎士「あぁ…きっと、幸せだったと思うぜ」

女メイジ「少しだけ…笑ってるもん…そう…信じたいよ…」

155: 2013/08/25(日) 09:51:08 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「…」

孤高騎士「…」

女メイジ「…」


孤高騎士「何があったか分からないが、このままじゃ俺らも体力を奪われるだけだ。まずは休む場所を探そう」

冒剣士「それじゃ、宿に…行きますか」

孤高騎士「ああ…」

女メイジ「うん…」

156: 2013/08/25(日) 09:51:46 ID:hvt2JWq6
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

…ガチャッ……バタン…


冒剣士「…ここも人がいませんね」

孤高騎士「…先発隊、町人は全滅したか逃げているんだろう。後続隊がこないのも、人数不足からだろうな」

女メイジ「…ここは火事に巻き込まれませんかね」


孤高騎士「向こう側からはだいぶ離れている。家事自体は大丈夫だろう」

女メイジ「…それなら安心して眠れそうです」

157: 2013/08/25(日) 09:52:17 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「…」

孤高騎士「幸い売店に氷の魔石も残ってる。無断で悪いが、部屋を借りて今日は休ませてもらおうぜ」

女メイジ「そうですね…」

孤高騎士「さて…」


…ガサッ!!


冒剣士「…物音?」チャキッ

孤高騎士「…誰だ!」スチャッ

女メイジ「…待って!」

158: 2013/08/25(日) 09:53:06 ID:hvt2JWq6
 
女の子「…」


女メイジ「女の子…ですよ…」

孤高騎士「…町人か?」

女の子「…あの…」


冒剣士「…君は?」

女の子「…その…ここに泊まってて…起きたら…誰もいなくて…」


孤高騎士「…」

冒剣士「…」

159: 2013/08/25(日) 09:53:38 ID:hvt2JWq6
 
女の子「…その、武器……」


冒剣士「…」

孤高騎士「ああ…大丈夫。ごめんごめん、ちょっと外が荒れててな…この武器はその為のもんだ…」

女メイジ「びっくりさせちゃってゴメンね」

女の子「…ううん」


冒剣士「君の…名前は…?」

紅少女「…私は紅(くれない)少女って言います……」

160: 2013/08/25(日) 09:54:31 ID:hvt2JWq6
 
 
冒剣士「…そっか、紅少女は家族で来てたの?」

紅少女「家族…う、ううん」

冒剣士「一人で!?」


女メイジ「私たちより子供なのに…」

孤高騎士「…珍しいことじゃないとは思うが……」

紅少女「…えと……」
 
孤高騎士「ずっと寝ていたってことは、外で何が起きたか分かってないんだよな?」


紅少女「あ…うん」

161: 2013/08/25(日) 09:55:27 ID:hvt2JWq6
 
孤高騎士「…外は火の魔物が暴れたせいで全滅状態だ。人の生存すらも分かっていない」

紅少女「…」

孤高騎士「それで、お前はいつからココにいた?」

紅少女「…いつからって?」


孤高騎士「何日前から泊まっていたってことだ」

紅少女「え、えっと……み、3日前かな…」

孤高騎士「ってことは、閉鎖された区間の話は聞いてるな?」

162: 2013/08/25(日) 09:56:02 ID:hvt2JWq6
 
冒剣士「…」

紅少女「えーと…豪火山の様子がおかしいとか言われて…山が閉鎖された…時のこと…?」


孤高騎士「ああ、そうだ」


紅少女「閉鎖されたっていうか…町が封鎖されたんだよ…」

孤高騎士「…あ?」ピクッ


冒剣士「町が…封鎖?」

女メイジ「どういうことなの?」

163: 2013/08/25(日) 09:56:39 ID:hvt2JWq6
 
紅少女「豪火山の雰囲気がおかしくて…軍がこの町を封鎖したの…」

孤高騎士「軍が封鎖だ?」

紅少女「うん…」

孤高騎士「どういうことか…説明してもらえるか?」ググッ

紅少女「え…えっと…」


女メイジ「ま、まあ孤高さん。私たちも歩きっぱなしだったし、一旦部屋でお互い腰を下ろしてから…とかどう?」

冒剣士「うん…紅少女も混乱してるし…」

孤高騎士「む…そ、そうか。すまんな…」

164: 2013/08/25(日) 09:57:15 ID:hvt2JWq6
 
紅少女「う…ううん…いいの」

孤高騎士「それじゃ…、俺らは無断だけど部屋を借りようと思うんだが…一緒の部屋に来るか?」

紅少女「うん」


冒剣士「じゃ、氷の魔石とってから行きますか」

女メイジ「暑くて休めそうにないしね…なんか外よりココ暑い気がするし…」ムシムシ


孤高騎士「それじゃ…部屋探しに行くか…」

165: 2013/08/25(日) 09:58:05 ID:hvt2JWq6
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


女メイジ「はー…やっと座れた…」

冒剣士「氷魔石のおかげで部屋も少し涼しくなったかな?」

孤高騎士「あとで風呂入って、汗流したいな」

冒剣士「そうだね、とりあえず休もう」


紅少女「…」

冒剣士「そっか」

孤高騎士「ま…とりあえず…話聞かせてくれるか?」

166: 2013/08/25(日) 09:59:10 ID:hvt2JWq6
 
女メイジ「お茶入れますね」

孤高騎士「おう」


紅少女「…この間、豪火山近辺で大地震が起きました」

冒剣士「大地震?」

紅少女「原因は不明だったそうです…それで、調査隊が入ったのですが…分からなかったようです」


孤高騎士「ま、軍のまぬけ共だからな…それで?」

紅少女「それから小さな地震が頻発して、豪火山の頂上付近の温度が…急激に上昇したと聞いてます」

孤高騎士「ほう」

167: 2013/08/25(日) 09:59:50 ID:hvt2JWq6
 
女メイジ「はい…お茶」コトッ

紅少女「ありがとう…それで、急にその山に火の精霊や…魔物たちが暴れ始めました」

孤高騎士「…」

紅少女「それが5日前…、危険だと判断した軍が…冒険者を集ったらしいですね」


冒剣士「なるほど、それに丁度きたのが僕らだったのか…」

紅少女「ここら辺は安全だと何度も言われてましたが、3日前、急に町が閉鎖されて…」


孤高騎士「避難勧告は出なかったのか?」

紅少女「一時的なものだから大丈夫…ってだけで。軍の人たちも閉鎖したまま一度離れてしまいました」

孤高騎士「…」

168: 2013/08/25(日) 10:00:18 ID:hvt2JWq6
 
紅少女「それから…今日、私は寝ていて…起きたらこんなことに…」

孤高騎士「…そうか」

冒剣士「ひどい…」

孤高騎士「どこもかしこも、こんなもんさ。軍は何も変わっちゃいない…バカのままってことだな」


女メイジ「…」

孤高騎士「ま、紅少女も早くここを離れたほうがいい」

紅少女「…あなた達はどうするつもりですか?」

孤高騎士「俺たちは冒険者だ。豪火山へと足を運んで、謎を突き止める。同胞の氏は…許せない」

169: 2013/08/25(日) 10:00:57 ID:hvt2JWq6
 
紅少女「…そう、ですか」


孤高騎士「それに、その話を聞くと…軍の被害を抑える為に町の保護を怠ったんだ」

冒剣士「…」

孤高騎士「くそ…」

女メイジ「もし、きちんと避難や指示がされていたら…あの子は氏ななくて…良かったんだよね…」


紅少女「…」

孤高騎士「胸くそ悪いぜ…」

170: 2013/08/25(日) 10:01:39 ID:hvt2JWq6
 
紅少女「でも…正直、冒険者さんたちじゃ…まだ力量不足…だと思う」


孤高騎士「…何?」

冒剣士「今、なんて?」

紅少女「私…一応冒険者なの。豪火山も上ってきた…、湧き上がるような魔力…あそこには何かいる」

孤高騎士「何か…?」


紅少女「うん…、きっとあなたたちじゃ無理…」

孤高騎士「…」

171: 2013/08/25(日) 10:02:26 ID:hvt2JWq6
 
女メイジ「そ、そんなのやってみないと…」

紅少女「…、それで氏んだら…意味もない…、だから、今は戻ったほうが…」

孤高騎士「…」


…ビチャビチャッ!!

孤高騎士「なんだっ!?」

冒剣士「わっ、もう氷の魔石が溶けたんだ…」


紅少女「きっと、その湧き上がる火の魔力のせい…。その何かのせい」

冒剣士「…」

172: 2013/08/25(日) 10:03:18 ID:hvt2JWq6
 
孤高騎士「それでも、俺には見届ける義務がある。それが冒険者として、戦士としての義務だ」

冒剣士「孤高さん、俺…じゃないです。俺ら、です」

女メイジ「うん、そうね」

孤高騎士「…そうだったな。俺らには、その義務があるんだ」


紅少女「…そう」

孤高騎士「…」

紅少女「じゃあ…私は部屋に戻ります。冒険者さんたち…よく考えて…」

孤高騎士「俺らは俺らの考えがある。大丈夫だ、心配するな」

173: 2013/08/25(日) 10:04:03 ID:hvt2JWq6
 
紅少女「…」

孤高騎士「それと、明日の朝早く君も町を出るんだ。何が起こるか…わからないからな」

紅少女「…」


…トコトコ……バタン…


冒剣士「なんか、不思議な子でしたね」

孤高騎士「分からない雰囲気があったな。それにしても、有益な情報はなかったか…」

女メイジ「ここの軍がバカだってことは…充分わかりましたけどね」

冒剣士「そうだね…」


孤高騎士「…あ、風呂、入るか?」

174: 2013/08/25(日) 10:04:37 ID:hvt2JWq6
 
女メイジ「そうだった!」

孤高騎士「じゃあ、俺は風呂入れておくか。大浴場もあるみたいだが、不安だろ?」

女メイジ「そうですね…皆がいる場所がいいです…」


冒剣士「それじゃ僕は、氷の魔石を入れ替え…あれ?」

孤高騎士「どうした」

冒剣士「いや…なんでもないです。冷蔵庫に入れておいた魔石もちょっと溶けてまして…」

孤高騎士「…しゃあないな、後でまた売店から取ってこよう」


女メイジ「暑いと眠れないしね…」

175: 2013/08/25(日) 10:05:15 ID:hvt2JWq6
 
孤高騎士「それじゃ、俺は売店に何か食い物がないか、氷魔石のついでに適当に探してくるぜ」

冒剣士「じゃ、僕は女メイジとココにいますよ。何かあったら守れませんしね」


女メイジ「守ってよね…」ボソボソ

冒剣士「ふふ、任せて」


孤高騎士「おーおー、この辺の熱風よりアツいぞ何か。おじさんはサっさと退散しとこう」ククク

女メイジ「もーっ!だからそういうのはイイですってば!!」


冒剣士「…相変わらずだなあ」ハハ…

176: 2013/08/25(日) 10:05:49 ID:hvt2JWq6
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・・
・・・
・・

184: 2013/08/26(月) 07:17:05 ID:aAcECqww
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
―――――【次の日】


…ゴォォ……

冒剣士「…火の手、収まってませんね」

孤高騎士「…こっち側まで燃え移らなかったのは幸いしたな。相変わらず人の気配はないが…」

女メイジ「それにしても、紅少女ちゃんはどこに行ったんだろうね」


冒剣士「どこにもいなかったし、さっさと朝に町出ちゃったのかも」

女メイジ「一言くらいは挨拶したかったんだけどなー」

185: 2013/08/26(月) 07:18:11 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「ま、こんな場所すぐ出るのが正しいさ。それじゃ、頂上に向かって出発するか」

冒剣士「…そうですね」


…トコトコ……

女メイジ「暑い…」

孤高騎士「本当に後続隊は来ないわ、どうなってるんだ…」


冒剣士「今は僕たちだけか…」

孤高騎士「先発隊の冒険者が全滅、町が壊滅するほどの攻撃…か」

186: 2013/08/26(月) 07:18:45 ID:aAcECqww
 
…トコトコ…


孤高騎士「…あの建物の崩れ方」
 
女メイジ「ひどいですよね…」

孤高騎士「どこかで見たことあると思っていた。一晩寝たら思い出した」

冒剣士「えっ…な、なんなんですか?」


孤高騎士「…火災旋風だ」

冒剣士「…なんですかそれ」


孤高騎士「冒剣士、火は何で燃え続けられるか知ってるか?」

冒剣士「…酸素を取り込んで、ですよね」

孤高騎士「その通り、火は酸素を吸収し、それを燃やす」

187: 2013/08/26(月) 07:19:18 ID:aAcECqww
 
冒剣士「…ですね」

孤高騎士「火は、酸素を取り込もうと、周囲から空気を集める。それによって強力な気流が発生する」

冒剣士「…そう、ですね……?」


孤高騎士「その酸素の道を辿り、火はやがて上へ上へと上って行く」

女メイジ「火が上へと…」

孤高騎士「それは塊となり、気流を交えて…竜巻のようになる」


冒剣士「火の旋風…」

孤高騎士「そう。それが火災旋風だ」

188: 2013/08/26(月) 07:20:10 ID:aAcECqww
 
女メイジ「あ…聞いたことあります。どこか忘れましたが、地震で大火災が起きて、火の竜巻が現れたって」

孤高騎士「そうだな。そのことだ。つまり、ここでも同じ事が起きた、ということだ」


冒剣士「…」ゴクッ

孤高騎士「大きな地震が起きたわけじゃないってことは、多大な炎で町を燃やしたか…それか…」

冒剣士「それか…?」


孤高騎士「火と風の魔法を操る魔獣…ないし魔物が現れた…、それも町を燃やすほどのな…」

冒剣士「…っ!」

孤高騎士「考えたくないけどな」

189: 2013/08/26(月) 07:20:53 ID:aAcECqww
 
女メイジ「そんなことを出来るのって…存在するんですか?」

孤高騎士「サラマンダー…、火の精霊だ。強力な魔法を持つ、上級精霊だ」

冒剣士「サラマンダー……」


女メイジ「万が一、出会った時に勝てる見込みはありますか…?」

孤高騎士「…ちょっとそこの遺体…いや、戦士の着けてるプレートを見てみろ…」チラッ


冒剣士「焦げてますが…赤…ですね」

孤高騎士「それだけじゃない、確認したプレートは青、赤が多かった。元々ここには熟練者は少なかったらしい」

冒剣士「…なるほど」

190: 2013/08/26(月) 07:21:43 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「俺は昔、上級精霊とも戦ったことがあるが…かなり手ごわい相手だった」

冒剣士「僕らで勝てますか?」

孤高騎士「分からん。豪火山は火の聖地…、少なからず相手もパワーアップしてるのも間違いないからな」

冒剣士「…」


女メイジ「…そうですか」

孤高騎士「ま、何かあってもお前らの事は全力で守ってやるさ」

冒剣士「僕も、頑張ります」


…トコトコ

191: 2013/08/26(月) 07:22:40 ID:aAcECqww
 
女メイジ「あっ…あそこが入り口のゲートですね」

孤高騎士「さ…待つのは天国か地獄か…地獄だろうな…」ハッハッハ


冒剣士「頑張ろう」

女メイジ「…うん」



…ギィィィィ………ガチャン…

192: 2013/08/26(月) 07:23:38 ID:aAcECqww
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――――【山の中腹】


……ゴォォォ!!!


冒剣士「…っ!」

女メイジ「頂上から熱風が…!」

孤高騎士「何だこれは…」


冒剣士「頂上に近づくにつれて…どんどん熱くなる…女メイジ、大丈夫?」ハァハァ

女メイジ「だい…じょうぶ…!」

193: 2013/08/26(月) 07:24:18 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「これもサラマンダーの力か…?」

冒剣士「そうなんでしょうか…ん?何かいます!」


ウィスプ『…』フヨフヨ


孤高騎士「お出ましってわけか…ウィスプ。下等精霊だが…火の力を受けて強くなってるぞ、気をつけろ」

女メイジ「それなら私に…!」


…スッ

女メイジ「中水流魔法っ!」

194: 2013/08/26(月) 07:24:56 ID:aAcECqww
 
ブシュゥゥ……バシャァッ!!

…ジュウウッ……

ウィスプ『!』


女メイジ「うそお!蒸発した!?」

孤高騎士「空を飛び、炎の強い敵には…これだ!見ているんだ!…小氷結魔法!」


…カキン!!……キィンキィン…!!


ウィスプ『…!』

…ドサッ

ウィスプ『ッ…』

195: 2013/08/26(月) 07:25:32 ID:aAcECqww
 
冒剣士「そうか、空を飛べなくすれば…あとは…」

孤高騎士「そう。あとは…」スチャッ


…バキィン!!

孤高騎士「これで終わりだ。女メイジ、俺らは前衛だ、氷の魔石まだまだあるよな?」

女メイジ「ええ、一応たくさん持ってきてますから…」

孤高騎士「それも使っていい。少しずつだが、それを応用して氷の魔法を出すんだ。まだ、氷魔法は使えないだろう?」

女メイジ「上級魔法ですからね…すいません」


孤高騎士「謝ることじゃないさ。さ、敵さんはドンドン出てくるみたいだぜ…?」

196: 2013/08/26(月) 07:29:47 ID:aAcECqww
 
ランタン『…』フヨフヨ

ウィスプ『…』フヨッ…

スルト『…ニンゲンカ…カクゴシロ…』スッ


冒剣士「うっわ…、なんか巨人な方もいますが…」

孤高騎士「どう見ても友好的じゃねえな。お前らも武器をとるんだ」


冒剣士「…」スチャッ

女メイジ「…」スッ


孤高騎士「突破するぞ。遅れずに…ついて来い!」

197: 2013/08/26(月) 07:30:49 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「属性ライター…槍に水属性を付与!」ボワッ

冒剣士「そ、そんな使い方なんですか!?」


孤高騎士「お前も使っておけ。使い方は、感覚でなんとかなる」スッ


冒剣士「…付与!」カチャッ…ボワッ

孤高騎士「あ…つーかさ、お前そのまま鞘にしまって大丈夫なの?抜刀術だろ…?」

冒剣士「一応鞘自体も頑丈ですし、大丈夫だと思います。うっわ、刀身が蒼く燃え上がってる…」


孤高騎士「うっしゃ、いくぞ!」

198: 2013/08/26(月) 07:31:36 ID:aAcECqww
 
……ダダダダッ!!


孤高騎士「大突…連弾!!」ビュビュビュッ!!

冒剣士「居合いっ!」シュバッ!!

女メイジ「…小氷結魔法っ!」


…キィン!!

……ズバッ……ドシュドシュッ!!!


ウィスプ『』パァッ

ランタン『』ドサッ

199: 2013/08/26(月) 07:32:08 ID:aAcECqww
 
スルト『ソノテイドデハ…キカヌゾ?』


孤高騎士「っち、面倒なやつめ…」

スルト『シネイ!』

…ブンッ!!……ドゴォン!!!


冒剣士「おっと!」ヒュッ

孤高騎士「ただのパンチだ?ばかが、鈍すぎて地面に手ぶつけ……」


…ビキビキ……ドオオオッ!!

冒剣士「は、波動を地面を滑りながら突っ込んでくる!」

200: 2013/08/26(月) 07:33:07 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「…横に避けろ!」

…シュババッ!!…ドゴォン!!!


冒剣士「なんていう威力だ…岩の壁が吹き飛んだ」

女メイジ「危なかった…」ハァッ


スルト『…ハズシタカ……モウイッカイ!レンダン!』クワッ

…ドゴォンドゴォンドゴォン!!!


孤高騎士「う、うぜええー!」

201: 2013/08/26(月) 07:34:07 ID:aAcECqww
 
…ドォォォォォォォ!!!

…ヒュッ…ヒュッヒュッヒュッ!!


女メイジ「中途半端に遅いから避けられますけど…」

孤高騎士「近づけないし、近づいても火力不足でダメージ与えにくいし…」

冒剣士「この熱気じゃ体力も奪われます…くっ!」


スルト『ドウシタァ!!』

…ドゴォン!!!ドゴンドゴン!!

202: 2013/08/26(月) 07:34:46 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「くっそ…どうするか…」

冒剣士「鎧みたいな分厚い皮してますからね…」


孤高騎士「鎧…そ、そうか!女メイジ、間接部分を狙って氷結できるか?」

女メイジ「一応できると思います!」


冒剣士「…?」


孤高騎士「俺は右足の関節、女メイジは左足の関節を狙うんだ」

女メイジ「は、はい!」


冒剣士「僕はどうすれば?」

孤高騎士「多分、俺らの攻撃が当たればそのまま相手は地面に転がる。そこに両腕の間接めがけて切り込め!」

203: 2013/08/26(月) 07:35:33 ID:aAcECqww
 
冒剣士「…わかりました」コクン


孤高騎士「行くぞ…せーの!」

女メイジ「小氷結魔法!」

孤高騎士「小氷結魔法っ!!」


スルト『ウハハドウシタドウシ…ムッ!?』


…カキィン…キィン!!

スルト『ソノテイドノヒョウケツ、キクワケガ…ム、ムオ…!?』


…カキンッ…

204: 2013/08/26(月) 07:37:45 ID:aAcECqww
  
スルト『ナ、ナゼワガニクタイヲ…コオラセ…』

…ズゥン……


孤高騎士「冒剣士、今だ!」

冒剣士「はいっ!」

…ダダダダッ……タァンッ…


孤高騎士「うひょー!壁蹴り上げて高く飛び上がりすぎだろ!」

女メイジ「いっけー!」


スルト『ワガリョウウデハ…ノコッテイルゾ!』ブゥン

冒剣士「遅い!兜割り!」

205: 2013/08/26(月) 07:39:37 ID:aAcECqww
 
…スパァンッ……!!ブシャァッ!!


スルト『ワ、ワガミギウデガキリオトサレタ!?…マダ、ヒダリウデガ!』

冒剣士「こ…虎切っ!!」

…グリッ…ビュッ!!

……スパァン!!!……ドサッ


スルト『グ…グアアアアッ!!』


女メイジ「や、やった!」

孤高騎士「両手両足、塞がれればさすがに…な」

206: 2013/08/26(月) 07:40:08 ID:aAcECqww
 
冒剣士「で、でもなんで…?攻撃が効いたんですか?」

孤高騎士「鎧っつーのはな…こう、どんな硬くても、緩い部分がある」

冒剣士「…?」


孤高騎士「関節部分だ。そこは、動かすからな、どうしても隙間になる。中には完全防備のやつもいるけどな」

冒剣士「な、なるほど…」

孤高騎士「つか、東方にも"鎧通し"っていう武器がなかったか…?」

冒剣士「…ありましたね」


孤高騎士「…」ゴツッ

冒剣士「あいたっ!」

孤高騎士「とりあえず、スルトにトドメさすぞ!」

冒剣士「はい…」イタイ…

207: 2013/08/26(月) 07:40:43 ID:aAcECqww
 
……トコトコ…

スルト『グウウ…』


孤高騎士「バカみてーに暴れたせいで、俺らの体力が大分削られたじゃねーか…」

スルト『…フン』


孤高騎士「ん~…首は頑丈そうで落とせねえし、このまま放置でもいいんじゃないか…」

女メイジ「氷結が溶けたらまた暴れますよ…」

孤高騎士「そうなんだよなー…」


冒剣士「…っつ…」

女メイジ「冒剣士…どうしたの?」

208: 2013/08/26(月) 07:41:50 ID:aAcECqww
 
冒剣士「縦居合いから、真上の切り替えしなんてやったことなかったからさ…腰痛めちゃって…」

女メイジ「ちょ、ちょっと大丈夫!?」

冒剣士「一時的なものだから大丈夫…、ただ上手くいってよかった。即興だったからさ…」

女メイジ「もー…無理しちゃだめだよ?」

冒剣士「あはは…うん…」


孤高騎士「ふむ……氷結魔法」

…カキィン!!

冒剣士「つめたあーーー!」


女メイジ「孤高さんなんでっ!」

209: 2013/08/26(月) 07:42:25 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「小さい氷だ。冷やしとけ」

冒剣士「は、はひ…」

女メイジ「なるほど…」


冒剣士「そういや、孤高さん魔法苦手っていってた気がするのに、意外と使えるんですね」ツメタイ…

孤高騎士「最低限のは使えないとな…ヒーラーもいないし、覚えていて損はない」

女メイジ「そういやパーティにヒーラーいないんですよね…」

孤高騎士「よく考えたら、それで良くやってきたな…」


スルト『…グガッ!』

孤高騎士「…なんだ!?」

210: 2013/08/26(月) 07:43:04 ID:aAcECqww
 
スルト『オオオオ、オユルシヲ…!』

冒剣士「…?」

スルト『ヤメ…オネガイシマス…』

女メイジ「何!?どうしたの!?」


スルト『グ…グガアアアアッ!』

…ボワッ!!


孤高騎士「火がついた!?離れろ!」

女メイジ「な、何事…」

211: 2013/08/26(月) 07:43:54 ID:aAcECqww
 
…ドォン!!ビチャビチャッ……


女メイジ「う…」

冒剣士「燃え上がった…いや、爆発した……?」

孤高騎士「な、なんだぁ…?」


…ガサガサ…

孤高騎士「…む」


ウィスプ『…』

ランタン『…』

212: 2013/08/26(月) 07:44:29 ID:aAcECqww
 
孤高騎士「おーおー…後続隊がご到着だぜ?…敵のな」

冒剣士「…」チャキッ

女メイジ「連戦、結構きついですね」


孤高騎士「この山にも、山小屋はあるはずだよな」

冒剣士「もう少しいった場所にあると思います」

孤高騎士「わかった。そこまでは切り抜けるぞ」

冒剣士「…わかりました」


…スチャッ

孤高騎士「…人に害を与える魔獣どもが…覚悟しろ!」

213: 2013/08/26(月) 07:45:27 ID:aAcECqww
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


…ダダダダッ!!

……カキィン!!ブシャッ……キィン!


冒剣士「て、敵が多すぎる!」

孤高騎士「あそこが山小屋か!?」

女メイジ「で、でも…この数じゃ、山小屋を襲撃されるんじゃ…」


…キィン!!

孤高騎士「っち…くしょお…、戻る体力もねえ、かといって処理する力もねえ…完全に見誤った!」

冒剣士「…はぁはぁ……、くそ…!」


ウィスプ『…』ピカッ

214: 2013/08/26(月) 07:46:03 ID:aAcECqww
 
女メイジ「ウィスプが光って…?」

孤高騎士「いかん!女メイジ、そこから離れるんだ!」

女メイジ「え?」


…ズドォォン!!!

女メイジ「きゃあああっ!」

…ズザザッ


冒剣士「お、女メイジぃ!」 
 
孤高騎士「くっ…、冒剣士、女メイジを頼む!俺は山小屋周辺の敵を倒してくる!」

冒剣士「わ、わかりました!」
 

女メイジ「ぅっ…」ハァハァ

215: 2013/08/26(月) 07:46:34 ID:aAcECqww
 
冒剣士「…意識はある!?声は聞こえる!?」

女メイジ「…ぶ…、それ…より…左……んくが…」

冒剣士「…左……?」チラッ


…ドロッ……

冒剣士(…左腕が……!)


女メイジ「はぁ…はぁ…」

冒剣士「ちょっと、痛いかもしれないけど、背負って走るよ…」グイッ

女メイジ「っっ……!!」ズキズキ

216: 2013/08/26(月) 07:47:07 ID:aAcECqww
 
冒剣士「…我慢してね…」


ランタン『…』フヨフヨ

冒剣士「っ邪魔だぁぁ!」ビュッ


…ズバァ!!…ドサッ


…タタタタタッ!!

孤高騎士「こっち側は処理したぞ!これるか!?」

冒剣士「大丈夫です!いきます!」


……タッタッタッタッタ…

217: 2013/08/26(月) 07:47:59 ID:aAcECqww
 
…ガチャガチャッ…

冒剣士「あ、あれ…ドアが開かない…、押す!?引く…!?ど…どうすれば!」

孤高騎士「落ち着け…ゆっくり回して、開けるんだ」

冒剣士「…」


ガチャガチャッ…ガチャッ…


冒剣士「開いた!」

孤高騎士「よし、入れ…閉めるぞ!」


…バタン!!

218: 2013/08/26(月) 07:48:35 ID:aAcECqww
本日はここまでです。ありがとうございました。

219: 2013/08/26(月) 07:50:35 ID:t1kiKh/I

引用: 冒剣士「僕は最高の冒険者になる」