1: 2013/06/15(土) 21:27:24 ID:PXqyTrFU
2: 2013/06/15(土) 21:28:13 ID:PXqyTrFU
ライナー「ん?おい…、あいつ…」
エレン「ん?あぁ…アニか…。また教官にバレないようにうまいことサボってるな」
アニ「…」
ライナー「…。よーしエレン、アニにも短刀の対処を教えてやるぞ」
エレン「は?」
ライナー「あの不真面目な奴にも説教だ。兵士とはどうあるべきか…教えてやろうじゃないか」
3: 2013/06/15(土) 21:28:44 ID:pCaB1Z1k
アニ「…」
ライナー「教官の頭突きは嫌か?それ以上身長を縮めたくなかったら、ここに来た時を思い出して真面目にやるんだな」
エレン「は?何だその言い草…」チラッ
エレン(すげぇ怒ってる…。いつも怖い顔してると思ってたけど…本当に怒った顔は比じゃねぇな…)
ライナー「そら!始めるぞエレン!」
4: 2013/06/15(土) 21:29:19 ID:pCaB1Z1k
エレン「お前の倍近くあるライナーが宙を舞ったぞ…。すげぇ技術だな」
アニ「…!」
エレン「誰かから教わったんだろ?」
アニ「…お父さんが…」
エレン「親父さんがこの技術の体現者なのか?」
アニ「どうでもいい…」スタスタ
エレン「あ…。行っちまった…」
5: 2013/06/15(土) 21:29:55 ID:pCaB1Z1k
あんたとの出会いは本当に何ともないことだったね…
いつものようにライナーが私にちょっかいを出して来た時に、たまたま隣にいたってだけだ
こんなうるさい上に弱いやつは、本当にどうでもいいと思っていた
6: 2013/06/15(土) 21:30:31 ID:pCaB1Z1k
エレン「しかし、どうだ!俺の蹴り技は?見よう見まねだが、うまく決まったよな」
アニ「は…、全然駄目。全くなってない」
エレン「何だよ…。どこが悪いって言うんだ?」
アニ「…。そんなにこの技が気に入ったんなら、教えてやってもいいけど?」
エレン「え?やだよ。足蹴られんの痛いし」
アニ「……。遠慮なんかしなくていいって」
7: 2013/06/15(土) 21:31:21 ID:pCaB1Z1k
…それは単なる気まぐれだった
久しぶりに話しかけて来たやつに自分の足技を誉められて、気分が良くなったからなのか、それもよく分からない
とにかく気まぐれとしか言いようがなかった
でもそれは本当にいらない事をした
後でそう後悔したよ…
あんたの、言い出したら聞かない性格は、有名だったよね…
でもこんなにしつこいなんて思ってなかったよ…
8: 2013/06/15(土) 21:31:45 ID:PXqyTrFU
それからというもの、あんたは格闘術の度、毎回毎回勝負を挑んで来たね…
エレン「おいアニ!今日も組もうぜ!」
アニ「…何回言えば分かるんだ。私はあんたとはやりたくない」
エレン「…でも俺はお前に勝つまで挑み続けるって決めたんだ」
アニ「勝手に私を巻き込まないでくれないか」
エレン「…頼む!!」
アニ「チッ…。やるからには手加減しないよ…」
9: 2013/06/15(土) 21:32:17 ID:PXqyTrFU
それから私は1度も負けることなく、約1年が経って…
とにかくうっとうしい…そう思ってた
わざと負けようかとも思ったけど、それはしなかった
…なんとなくここまでバカみたいに真っ直ぐなあんたに、少し悪い気がしたから
10: 2013/06/15(土) 21:32:56 ID:PXqyTrFU
だけど、私はそんなあんたみたいなヤツが一番苦手だった
自分が余計にひどいやつだって気付かされるから…
でもあの時、私は口が滑ったんだ…
11: 2013/06/15(土) 21:33:40 ID:PXqyTrFU
エレン「チクショウ…また負けた…」
アニ「…そろそろ諦めたらどうだい」
エレン「いや…諦めねぇ…」
アニ「言っとくけど、こっちだって迷惑してんだ」
12: 2013/06/15(土) 21:34:03 ID:pCaB1Z1k
エレン「…悪い。…そうだ!訓練後に教えてくれよ!頼む!」
アニ「…え…あぁ…
エレン「やったぜ!!」
アニ「あっ……私はまだ…
エレン「じゃあ、飯終わったらまたここに集合な」タタッ
アニ「あ…おい!」
13: 2013/06/15(土) 21:34:41 ID:pCaB1Z1k
いつもそうだったよ。
…あんたは本当に強引でバカだ
勘違いして、なんでも自分で勝手に話を進める
でも…いつからだろうね…その性格も別にうっとうしくなく感じて来たのは…
14: 2013/06/15(土) 21:35:12 ID:pCaB1Z1k
夕食後、私は行く義理は全くなかったし
……むしろ断るつもりで行ったのに…
15: 2013/06/15(土) 21:35:44 ID:pCaB1Z1k
エレン「お、アニ!来てくれたんだな!ありがとう!」
アニ「いや、私は…
エレン「それより見てくれよ!いくぞ…フッ!」バキッ
アニ「……」
エレン「ほら、どうだ?かなり上手くなってないか?」
アニ「…まだ全然甘い」
エレン「そっか…じゃあ、やってみせてくれよ」
アニ「…しょうがないね。…ハッ!」バキィィ
エレン「……すげぇ。やっぱアニはすげぇな!」
アニ「フンッ…こんぐらい普通だよ」
16: 2013/06/15(土) 21:36:14 ID:pCaB1Z1k
エレン「…ふぅ。今日はありがとうな」
アニ「…フンッ。くだらない事に時間を使いすぎたよ」
エレン「そんなこと言うなよな。アニだって凄く生き生きしてただろ」
アニ「…そんなことはない」
17: 2013/06/15(土) 21:36:41 ID:PXqyTrFU
エレン「いや、いつもつまんなそうにしてんのに、今は生き生きしてて、…なんていうか、すごく綺麗だった」
アニ「……。下らない。私は帰るよ」
エレン「アニ待てよ。…そうだ、また今度も頼むぜ!」
アニ「…あぁ」
19: 2013/06/15(土) 21:37:09 ID:pCaB1Z1k
なぜだろうね…いつもあんたの勝手なペースに狂わされたよ……
そのせいで、いつの間にか一緒に格闘術を練習する、そんな変な関係になってたね…
20: 2013/06/15(土) 21:37:41 ID:PXqyTrFU
でも気付いたら、あっという間に訓練兵団の解散式が迫ってた…
…いつの間にか、あんたといるのが、楽しく感じてたよ…
そんな時間がずっと続けば良かったのにね…
22: 2013/06/15(土) 21:38:30 ID:PXqyTrFU
エレン「もう明後日解散式で、訓練はないってのに、格闘術の練習してるなんてよく考えたら、俺らすごくバカだな」
アニ「あんたが誘ったんだろ…」
エレン「そうだな…。まぁ…今日は今までの、感謝の気持ちも伝えたくてな」
アニ「へぇ…あんたでもそんな気が回るんだ…」
23: 2013/06/15(土) 21:39:01 ID:pCaB1Z1k
エレン「おい、バカにすんなって!」
アニ「…で、何なのさ?」
エレン「あぁ…、俺昨日の寝る前にさ、アニとの訓練をずーっと思い返してみたんだ」
エレン「…でな、ここまで長い間頑張ってこれたのは、相手がアニだったからだ…って思ったんだ」
アニ「…」
24: 2013/06/15(土) 21:39:52 ID:PXqyTrFU
エレン「最初の内はアニの事何も知らなくて、常に怒ってんのかなって思ってた…」
エレン「でも、…実はすごく優しいんだよな」
エレン「いやいややってるって言いつつ、ずっと俺の練習に付き合ってくれたしさ」
アニ「…それはあんたがしつこいからさ」
エレン「本当にありがとうな。結局勝てなかったけど、すげぇ強くなれたと思うし」
アニ「…フン。あんたはまだまだだよ」
エレン「あぁ…。」
25: 2013/06/15(土) 21:40:29 ID:pCaB1Z1k
エレン「アニ、お前は憲兵団に行くんだよな?」
アニ「…そうだけど」
エレン「俺は調査兵団に行く。」
アニ「知ってるよ」
エレン「俺は兵団が違うのはどうでもいい」
エレン「…でもアニと関われなくなるのは嫌なんだ」
エレン「アニと訓練できなくなる…ってだけじゃない」
エレン「俺にとってアニといる時間はすごく大切だった」
26: 2013/06/15(土) 21:40:55 ID:PXqyTrFU
エレン「だから…アニといる時間を失いたくないんだ」
エレン「…アニの事が本当に好きになってた…」
エレン「だからアニ、俺と付き合ってくれな…
アニ「やめて!!」
エレン「えっ…」
27: 2013/06/15(土) 21:41:28 ID:pCaB1Z1k
アニ「私と付き合った人間は絶対に後悔する」
アニ「…特にあんたみたいなやつはね」
アニ「…私だって、あんたに特別な感情がなかったわけじゃない…」
アニ「でも、…あんたは私といると絶対に不幸になる。」
アニ「私は人と深く関わると…後で絶対に後悔するから」
28: 2013/06/15(土) 21:42:01 ID:PXqyTrFU
エレン「…させない。」
アニ「は…?」
エレン「…俺は絶対に後悔しないし、アニにも後悔させない、不幸にもさせない」
エレン「だから、…俺を信じてくれないか?」
アニ「………あんたは本当にバカだよ…」
アニ「…何も知らないくせに、分かろうともしない…それでいて勝手に突っ走る…」
29: 2013/06/15(土) 21:42:31 ID:PXqyTrFU
エレン「…自分がバカだってのは知ってる。でも…俺は絶対にアニといない方が後悔する」
エレン「だから、アニ…俺と付き合ってくれ!!…どんなことでも俺は受け止めてみせる!!」
アニ「…………分かったよ。……あんたはしつこいんだったね…。」
エレン「アニ!」ギュ
アニ「…あんたは本当に大馬鹿だ…」グス
エレン「あぁ……。…アニ…好きだ」
アニ「……私も…」ギュ
アニ「エレン…私はあんたを信じてみる……」
エレン「俺は裏切らない…約束する」
31: 2013/06/15(土) 21:43:04 ID:PXqyTrFU
こんな私でも…少しは幸せになってもいいのかな……
そんな風に思ってしまってたよ…
32: 2013/06/15(土) 21:43:37 ID:PXqyTrFU
アルミン『トーマス・ワグナー ナック・ティアス ミリウス・ゼルムスキー ミーナ・カロライナ エレン・イェーガー』
アルミン『以上5名は自分の使命を全うし…壮絶な戦氏を遂げました…』
33: 2013/06/15(土) 21:44:04 ID:pCaB1Z1k
………私はそう聞いたとき、もちろん悲しかった…
つい2日前にあんなことを言ったそばから…
でも、それと同時に、
…本当にこれで良かった。
そう思ってた
喪失感と同じか、もしくはそれ以上にね…
34: 2013/06/15(土) 21:44:24 ID:PXqyTrFU
私の全てを知ったらあんたは絶対に私の事を憎む…
それがわかってたから、…心の底から、良かったんだって安心してた…
本気で好きになったあんたに、嫌われずに済んだんだ…って思ったから…
私は最低だね…
あんたに伝える勇気がなかったし、自分の使命に逆らう勇気もなかった…
…でもそれが一番いい終わり方なのかなって…
35: 2013/06/15(土) 21:44:57 ID:PXqyTrFU
……でも、その安心はすぐに崩されたよ…
36: 2013/06/15(土) 21:45:21 ID:pCaB1Z1k
アルミン「共食い…?」
ミカサ「どうにかして、あの巨人の謎を解明できれば…、この絶望的な現状を、打開するきっかけに、なるかもしれないと思ったに…」
ライナー「同感だ!あのまま食い尽くされちゃ何も分からず終いだ!あの巨人にこびりついてる奴らを俺たちで排除して…とりあえずは延命させよう!」
37: 2013/06/15(土) 21:45:55 ID:pCaB1Z1k
ジャン『正気かライナー!やっと…この窮地から脱出できるんだぞ!?』
アニ「例えばあの巨人が味方になる可能性があるとしたら どう…?どんな大砲よりも強力な武器になると思わない?」
ジャン「!?…味方だと…!?本気で言ってるのか!?」
38: 2013/06/15(土) 21:46:40 ID:PXqyTrFU
アルミン「…あいつは…トーマスを食った奇行種…!?」
『アアアアアアアアアアァァァァ』
ジャン「……オイ。何を助けるって?」
39: 2013/06/15(土) 21:47:30 ID:pCaB1Z1k
ジャン「さすがに力尽きたみてぇだな。もういいだろ……?ずらかるぞ!あんな化け物が味方なわけねぇ。巨人は巨人なんだ」
ジャン「…?…オイ」
40: 2013/06/15(土) 21:48:03 ID:PXqyTrFU
目の前の巨人が、……なんであんたなんだよ…
せっかく…きれいに終われたって思ったのに…
…それは氏んだことを聞いた時よりも……もっと…もっとつらかったよ…
……やっぱり私は幸せになっちゃいけなかったのかもね…
42: 2013/06/15(土) 21:49:50 ID:pCaB1Z1k
~兵団決定から約1ヶ月~
「今回の壁外調査で勝負をかける」
アニ「…」
「アニは予定通りに頼んだ」
アニ「……分かった…」
43: 2013/06/15(土) 21:50:29 ID:PXqyTrFU
この世界は残酷なんだね…
そのことをこれほどまでに感じたことはなかったよ…
……私は再び非情になるしかないんだ……
でも…せめて私だって事は気付かないで……
44: 2013/06/15(土) 21:51:02 ID:PXqyTrFU
ズバッ!
リウ゛ァイ「オイ!ずらかるぞ!!」
ミカサ「エレン!!」
リウ゛ァイ「多分無事だ生きてる。汚ねぇが…。もうヤツには関わるな…撤退する」
リウ゛ァイ「作戦の本質を見失うな。自分の欲求を満たすことの方が大事なのか?お前の大切な友人だろ?」
ミカサ「……ちがう……私は……」
リウ゛ァイ「!?」
(……涙…か?)
45: 2013/06/15(土) 21:51:33 ID:pCaB1Z1k
私はこの作戦に失敗した……
多分私は調査兵団に目星を付けられるんだ…
きっと、もう……次は正体がばれずには済まないだろうね……
46: 2013/06/15(土) 21:52:07 ID:PXqyTrFU
……これで…あんたにまで後悔させることになる………
せめて…自分だけが不幸になるなら…
あんたまで巻き込みたくなかった……
47: 2013/06/15(土) 21:52:47 ID:PXqyTrFU
ガチャ
エルウ゛ィン「遅れて申し訳ない」
エレン「いえ…」ガタッ
エレン「アルミン?ミカサも…」
エルウ゛ィン「女型の巨人と思わしき人物を見つけた」
49: 2013/06/15(土) 21:53:38 ID:PXqyTrFU
エルヴィン「女型と接触したアルミンの推察によるところでは、いわく女型は君達104期訓練兵団である可能性があり、生け捕りにした2体の巨人を頃した犯人とも思われる」
エルヴィン「彼女の名は」
50: 2013/06/15(土) 21:54:21 ID:pCaB1Z1k
『アニ・レオンハート』
51: 2013/06/15(土) 21:55:02 ID:pCaB1Z1k
エレン「アニが…?女型の巨人?」
エレン「何で…そう思うんだよ…アルミン」
52: 2013/06/15(土) 21:55:43 ID:PXqyTrFU
リヴァイ「オイ ガキ。さっきから女型と思われる、だとか言ってるが、他に根拠は無いのか?」
アルミン「はい…」
53: 2013/06/15(土) 21:56:26 ID:pCaB1Z1k
ミカサ「アニは…女型と顔が似ていると私は思いました」
エレン「は!?何言ってんだ?そんな根拠で…」
リヴァイ「つまり…根拠はねぇがやるんだな…」
エレン「…根拠がない?何だそれ?どうすんだよ…アニじゃなかったら」
54: 2013/06/15(土) 21:56:56 ID:PXqyTrFU
ミカサ「アニじゃなかったら…アニの疑いが晴れるだけ」
アルミン「そうなったらアニには悪いと思うよ…。でも…だからって、何もしなければ、エレンが中央のヤツの生け贄になるだけだ」
エレン「…。アニを…疑うなんてどうかしてる…」
55: 2013/06/15(土) 21:57:27 ID:pCaB1Z1k
ミカサ「エレンはアニと聞いた今思い当たることはないの?」
エレン「いや…
56: 2013/06/15(土) 21:58:01 ID:pCaB1Z1k
―
――
―――
――――
~訓練兵団解散式前日~
エレン「クソッ…、今日という今日は最後だし、勝てると思ったのになぁ」
アニ「…まぁ、強くはなってきてるかもね」
エレン「おっ、アニが誉めるなんて珍しいな。槍でも降んないといいけどな」ハハッ
アニ「…調子乗るんじゃないよ」フンッ
57: 2013/06/15(土) 21:58:34 ID:pCaB1Z1k
エレン「分かってるよ。…なんか嬉しくてさ」
アニ「まぁ…私は嘘は言わないよ」
エレン「ありがとな。……ところでさ、アニの夢ってなんなんだ?」
アニ「…なにさいきなり」
58: 2013/06/15(土) 21:58:58 ID:PXqyTrFU
エレン「まぁ…なんとなくだな」
アニ「何だっていいじゃないか」
エレン「俺の夢は巨人を駆逐して外を旅する事だ。」
エレン「もちろんアニと一緒にな!」
アニ「…」
59: 2013/06/15(土) 21:59:28 ID:pCaB1Z1k
エレン「…どうしたんだよ?」
アニ「…いや」
アニ「……私の夢は、故郷に帰ること…かな」
エレン「故郷かぁ、いい夢だな。俺も、アニの故郷に行きたくなってきたよ」
60: 2013/06/15(土) 21:59:58 ID:pCaB1Z1k
アニ「……勿論…私がやらなきゃいけないことを済ませたら…あんたにも来て欲しい」
アニ「でも…それはあんたが私を受け入れてくれたらの話だ…」
アニ「……でもきっと…あんたには受け入れられない事だ…」
エレン「……何を言ってるんだ?」
61: 2013/06/15(土) 22:00:26 ID:PXqyTrFU
アニ「……今は言わない…言えないんだ…」
アニ「でも…時期が来たら、全部話す…」
アニ「…私はそれでどんな結果になっても受け入れる」
エレン「……なら俺は、時期が来るまで待つよ」
アニ「…すまないね」
62: 2013/06/15(土) 22:00:58 ID:pCaB1Z1k
エレン「俺は…絶対にアニの故郷に一緒に帰るよ。どんな事も受け止めると昨日約束したはずだ」
アニ「………そうだっね……」
アニ「………私があんたを好きになったことは、本当だから…忘れないで…」スッ
アニ「……今日は私は先に帰るよ…」スタスタ
エレン「あぁ……」
63: 2013/06/15(土) 22:02:33 ID:PXqyTrFU
―――
――
―
「アニ」
アニ「アルミン…」
アルミン「やあ…。もう…すっかり憲兵団だね」
アニ「どうしたの……?その格好は?」
――
―
「アニ」
アニ「アルミン…」
アルミン「やあ…。もう…すっかり憲兵団だね」
アニ「どうしたの……?その格好は?」
64: 2013/06/15(土) 22:03:15 ID:PXqyTrFU
アルミン「荷運び人さ。立体起動装置を雨具で見えないようにしてるんだ」
アニ「…!?アルミン?どうしたの?」
アルミン「アニ…。エレンを逃がすことに協力してくれないかな…」
アニ「……。逃がすって?この壁の中のどこに逃げるの?」
65: 2013/06/15(土) 22:03:49 ID:pCaB1Z1k
アニ「悪いけど…話にならないよ…」ザッ
アルミン「アニ!!」
アルミン「お願いだ!このままじゃエレンは殺される!」
アニ「…いいよ……乗った」
66: 2013/06/15(土) 22:04:43 ID:pCaB1Z1k
エレン「案外…楽に抜けられたな」
ミカサ「キョロキョロしない」
アニ「ねぇ…少しだけエレンと二人で話させてくれないか?」
ミカサ「その必要はない。今は一刻を争う」
エレン「…分かった」
67: 2013/06/15(土) 22:05:04 ID:PXqyTrFU
ミカサ「エレン!?ダメ!捕まる可能性が高まる!」
アルミン「ミカサ!静かに…」
アルミン「アニ、だだし1分だけだよ…」
ミカサ「アルミン!危険すぎる!!」
68: 2013/06/15(土) 22:05:37 ID:pCaB1Z1k
ミカサ「アルミン!なぜあんな事を!?エレンが今にも拐われてもおかしくない!」
アルミン「ミカサ…今は下手にアニに不信感を抱かせてはいけないと思うんだ…」
ミカサ「しかし!」
アルミン「…今は様子を見よう」
69: 2013/06/15(土) 22:06:00 ID:PXqyTrFU
エレン「何なんだよアニ、俺は早く逃げなきゃ行けないんだよ!」
アニ「…知ってるさ。」
アニ「……今からあんたには決めてもらわなきゃいけない事がある」
70: 2013/06/15(土) 22:06:32 ID:pCaB1Z1k
エレン「…は?何言ってんだよお前!?」
アニ「…あんたはもう私の正体分かってんだろ?」
エレン「な…正体ってなんだよ……」
アニ「いいよ、隠さなくても。様子を見れば分かるよ」
エレン「いや…」
71: 2013/06/15(土) 22:07:40 ID:PXqyTrFU
アニ「…まぁいいさ。とにかく、あんたが私と故郷に来れば人類は助かる。だからあんたがそれに抵抗するか、しないかを決めてもらう」
エレン「…つまらない冗談はよせよ…
アニ「私は嘘はつかないって言っただろ?」
72: 2013/06/15(土) 22:08:27 ID:PXqyTrFU
アニ「おとなしく来るなら町に被害は出さない様にする。でなければ、それ相応の覚悟はしてもらうよ」
エレン「………下らない話はよして、早く行くぞ。」
アニ「私は真剣だよ。早く決めな」
エレン『うるせぇ!!早く来い!!』
73: 2013/06/15(土) 22:08:54 ID:pCaB1Z1k
ダダッ
ミカサ『エレン!!何かあったの!?』
アルミン「エレン!騒いじゃダメだ。アニも時間だから、行こう」
アニ「アルミン…もう下らない芝居はいらないよ」
アルミン「…何を言ってるんだ?早く逃げなきゃ行けない」
74: 2013/06/15(土) 22:09:44 ID:PXqyTrFU
アニ「…あんたにはいつか気付かれると思ってたさ」
エレン『お前ふざけてんじゃねぇ!!』
ミカサ「エレン!叫ばないで」
アニ「大丈夫でしょ?ミカサ」
アニ「さっきからこの辺には、なぜか全く人がいないから」
75: 2013/06/15(土) 22:10:10 ID:pCaB1Z1k
アニ「エレン…残念だよ。予想はしてたけどね」
ミカサ『エレン!!そいつから離れて!!』
76: 2013/06/15(土) 22:10:37 ID:PXqyTrFU
アニ「…フンッ」 ガリッ
カッ!!!!!!
77: 2013/06/15(土) 22:11:19 ID:PXqyTrFU
アルミン「…しまった。一歩遅かったんだ」
ミカサ『エレン!!』 ギュン
アルミン『1次捕獲は失敗です。エレン救出に全力を尽くして下さい!』
ハンジ『ミカサに続け!!何としてもエレンを救出せよ!』
78: 2013/06/15(土) 22:12:18 ID:PXqyTrFU
ドォドォドォドォ
ミカサ『返せ!エレンを返せ!!』
ギュイィィ
79: 2013/06/15(土) 22:12:56 ID:PXqyTrFU
アルミン「…ダメだ。ミカサでも追い付けないなんて…」
アルミン『エレン!巨人化して抵抗してくれ!』
ミカサ『エレン!!!!!』
80: 2013/06/15(土) 22:13:28 ID:PXqyTrFU
…女型の巨人は壁外に逃げ去った。
…エレンを連れて
僕の作戦は最初から気付かれていたようだ。そのせいで人類の希望、親友であるエレンを失った…
アニは地形を利用し、立体起動が出来ないように、平地へ平地へと逃げた為、ミカサでも追い付く事が出来なかった。
81: 2013/06/15(土) 22:13:50 ID:pCaB1Z1k
でも…なぜエレンは巨人化しなかったんだろう?
単に気絶してしまっていたのか…他に理由があるからなのか…
あの時何を話していたのか…
僕には分からなかった…
82: 2013/06/15(土) 22:14:30 ID:PXqyTrFU
エレン「…クソッ」 ハァ ハァ
アニ「…もう諦めな」
エレン『うっせぇぇんだよ!!』
83: 2013/06/15(土) 22:15:01 ID:PXqyTrFU
アニ「あんたじゃ巨人になっても生身でも、勝てやしないよ」
エレン「……何でお前なんだよ」
エレン「何でアニ……なんだよ」
アニ「…」
84: 2013/06/15(土) 22:15:47 ID:PXqyTrFU
エレン「おい!!答えろよ!!なぜ人を殺せた!!」
アニ「…もう何度も説明しただろう」
エレン「……俺は一生お前を許せない」
アニ「………私はこうなるのが分かってた。だから、…許してくれとは言わない。どうなったとしても、…私は受け入れる」
85: 2013/06/15(土) 22:16:55 ID:pCaB1Z1k
エレン「……何でだよ」
エレン「お前の事が憎い………なのに…何でお前の事を嫌いになれないんだよ……」
アニ「…」
86: 2013/06/15(土) 22:17:32 ID:PXqyTrFU
俺はこのままアニが言う故郷に向かう事にした。
俺はあの時、何度も何度も巨人になろうとした。でも…なれなかった。
87: 2013/06/15(土) 22:18:26 ID:PXqyTrFU
……きっとアニがした事は氏ぬまで許すことはないだろう。
でも、…なぜか俺は皆の元に戻ろうとも思えなかった。
だから…
今はアニとの約束を果たそう……
~終わり~
89: 2013/06/15(土) 22:26:06 ID:PXqyTrFU
コメントありがとうございます!!
嬉しいです!
良ければ誰か完結作に張る方法教えてくれませんか?
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