1: 2017/05/08(月) 21:02:50.854 ID:2Hcfyk3j0.net
―コンビニ―
女(えーっと……アクエリアス、胃薬、シュークリーム、ティラミス……)
女(あとるるぶも買っておこう! 今度の連休で旅行行きたいし!)
女「お願いします」
店員「ちょうどいただきます」
店員「レシートはご利用になられますか?」
女「いえ、結構です」
レシート「……待ちな」ピラッ
女(えーっと……アクエリアス、胃薬、シュークリーム、ティラミス……)
女(あとるるぶも買っておこう! 今度の連休で旅行行きたいし!)
女「お願いします」
店員「ちょうどいただきます」
店員「レシートはご利用になられますか?」
女「いえ、結構です」
レシート「……待ちな」ピラッ
4: 2017/05/08(月) 21:05:43.281 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「悪いことはいわねえ。俺を持ち帰りな……」
女「なに、この声?」
店員「なんでしょうかね……?」
女(他に客はいないし……)キョロキョロ
女「分かった! あなたが腹話術してるんでしょ! からかわないでよ!」
店員「し、してませんよ!」
レシート「腹話術なんかじゃねえさ……俺は意志を持ったレシートなのさ」ピラリン
女「なんですって!?」
女「なに、この声?」
店員「なんでしょうかね……?」
女(他に客はいないし……)キョロキョロ
女「分かった! あなたが腹話術してるんでしょ! からかわないでよ!」
店員「し、してませんよ!」
レシート「腹話術なんかじゃねえさ……俺は意志を持ったレシートなのさ」ピラリン
女「なんですって!?」
9: 2017/05/08(月) 21:08:35.961 ID:2Hcfyk3j0.net
女「どうしてレシートがしゃべってるわけ!?」
レシート「どうして、はこっちのセリフだ」
レシート「どうして俺を持ち帰らない?」
女「だって、お財布に入れてもかさばるし……」
レシート「レシートってのはようするに領収書だ」
レシート「あんたと店がちゃんと取引しました、っつう証でもある」
レシート「それをないがしろにするってのは……よくないことだと俺は思うぜ!」
女「うぐっ……!」
レシート「どうして、はこっちのセリフだ」
レシート「どうして俺を持ち帰らない?」
女「だって、お財布に入れてもかさばるし……」
レシート「レシートってのはようするに領収書だ」
レシート「あんたと店がちゃんと取引しました、っつう証でもある」
レシート「それをないがしろにするってのは……よくないことだと俺は思うぜ!」
女「うぐっ……!」
13: 2017/05/08(月) 21:11:17.993 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「それにレシートってのは紙が使われており……」
レシート「紙を粗末に扱うのは自然保護の観点からいっても……」クドクド…
女「あ~もう! 分かった! 分かったわよ!」
女「これ以上説教喰らいたくないし、持って帰ってあげる!」ピッ
レシート「へへ……毎度あり!」
店員「ありがとうございました~!」
レシート「紙を粗末に扱うのは自然保護の観点からいっても……」クドクド…
女「あ~もう! 分かった! 分かったわよ!」
女「これ以上説教喰らいたくないし、持って帰ってあげる!」ピッ
レシート「へへ……毎度あり!」
店員「ありがとうございました~!」
17: 2017/05/08(月) 21:14:47.160 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「じゃ、とっとと家に帰ろうぜ」
女「あいにく、私はこれから病院にお見舞いして……彼氏とデートなのよ」
レシート「ほう……レシートを見捨てるような女にも彼氏がいるとは!」
レシート「彼氏に告げ口しちゃおっかな~……あんたも見捨てられるかもって」
女「余計なことしたらやぶくからね!」
レシート「へいへい」
プルルルルル…
女「あら、会社から電話!」
女「あいにく、私はこれから病院にお見舞いして……彼氏とデートなのよ」
レシート「ほう……レシートを見捨てるような女にも彼氏がいるとは!」
レシート「彼氏に告げ口しちゃおっかな~……あんたも見捨てられるかもって」
女「余計なことしたらやぶくからね!」
レシート「へいへい」
プルルルルル…
女「あら、会社から電話!」
19: 2017/05/08(月) 21:17:50.880 ID:2Hcfyk3j0.net
女「はい……あ、はい! すぐメモを取ります!」
女「――ってあら! しまった! 手帳、会社に忘れてきちゃった!」
女「どうしよう~!」
レシート「お~い」ヒラヒラ
女「?」
レシート「ここに一枚の紙があるのを忘れてねえか?」
女「あっ、そうか! あんたにメモすれば……!」
女「――ってあら! しまった! 手帳、会社に忘れてきちゃった!」
女「どうしよう~!」
レシート「お~い」ヒラヒラ
女「?」
レシート「ここに一枚の紙があるのを忘れてねえか?」
女「あっ、そうか! あんたにメモすれば……!」
22: 2017/05/08(月) 21:21:03.664 ID:2Hcfyk3j0.net
女「ふぅ~、どうにかなったわ」
女「あんたがいなきゃ、暗記しなきゃいけないとこだったわ。どうもありがとう」
レシート「な? レシートってのも結構役に立つもんだろ?」
女「まぁね……」
女(――って、たまたまのくせに偉そうに!)
女「あんたがいなきゃ、暗記しなきゃいけないとこだったわ。どうもありがとう」
レシート「な? レシートってのも結構役に立つもんだろ?」
女「まぁね……」
女(――って、たまたまのくせに偉そうに!)
24: 2017/05/08(月) 21:25:21.443 ID:2Hcfyk3j0.net
ホスト「そこのお姉さん、さっきからなにブツブツいってんの?」
女「な、なんですか?」
ホスト「まだ早いけどさ、ちょっとウチの店で飲んでかない? ドンペリとかでパァーッとさ」
女「結構です!」
ホスト「頼むよぉ~、今月全然売上なくってやべぇんだよぉ~!」ガシッ
女「は、はなして!」
女(とんだ悪徳ホストだわ! んもう、今日はさっきから次から次へとなんなのよ!)
女「な、なんですか?」
ホスト「まだ早いけどさ、ちょっとウチの店で飲んでかない? ドンペリとかでパァーッとさ」
女「結構です!」
ホスト「頼むよぉ~、今月全然売上なくってやべぇんだよぉ~!」ガシッ
女「は、はなして!」
女(とんだ悪徳ホストだわ! んもう、今日はさっきから次から次へとなんなのよ!)
26: 2017/05/08(月) 21:28:27.179 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「やめときな」ピラッ
ホスト「!?」
女「レシート……!」
ホスト「なんだ今のやたら渋い声は……!?」
レシート「女も満足に口説けねえナマクラホストに……レシートの切れ味見せてやるぜ!」ヒラヒラ…
レシート「レシートカッター!」
ズババババババッ!
ホスト「……へ」バササッ…
ホスト「!?」
女「レシート……!」
ホスト「なんだ今のやたら渋い声は……!?」
レシート「女も満足に口説けねえナマクラホストに……レシートの切れ味見せてやるぜ!」ヒラヒラ…
レシート「レシートカッター!」
ズババババババッ!
ホスト「……へ」バササッ…
27: 2017/05/08(月) 21:31:33.379 ID:2Hcfyk3j0.net
ホスト「うぎゃぁぁぁっ! スーツが切れてパンツ一丁に!」ブヨン…
女(うわぁ……顔はわりとイケメンだけど体はだらしない……)
レシート「そんな体じゃ、夏にプール行くのも恥ずかしいだろ。心と体を鍛え直してこい!」
ホスト「おふぅぅぅ……」ブヨヨン…
ホスト「すみませんでしたぁ~!」タタタタタッ
女「あんた強いのね~」
レシート「俺に惚れるなよ。切り傷ができるぜ」ピラッ
女(うわぁ……顔はわりとイケメンだけど体はだらしない……)
レシート「そんな体じゃ、夏にプール行くのも恥ずかしいだろ。心と体を鍛え直してこい!」
ホスト「おふぅぅぅ……」ブヨヨン…
ホスト「すみませんでしたぁ~!」タタタタタッ
女「あんた強いのね~」
レシート「俺に惚れるなよ。切り傷ができるぜ」ピラッ
30: 2017/05/08(月) 21:36:42.737 ID:2Hcfyk3j0.net
女「さて、おかげで病院に行けるわ」
レシート「そういやお見舞いっていってたな」
レシート「会社の同僚でも入院してるのかい?」
女「ううん……知り合いの子供よ」
女「だけど、長い入院生活ですっかり気力をなくしててね……なんとか元気づけてあげたいんだけど……」
レシート「ふうん……」
レシート「そういやお見舞いっていってたな」
レシート「会社の同僚でも入院してるのかい?」
女「ううん……知り合いの子供よ」
女「だけど、長い入院生活ですっかり気力をなくしててね……なんとか元気づけてあげたいんだけど……」
レシート「ふうん……」
32: 2017/05/08(月) 21:40:18.368 ID:2Hcfyk3j0.net
―病院―
子供「……」
女「ね? すぐ退院できるから、ほら元気出して!」
子供「無理だよ……ぼくはこの病院で一生を終えるんだ……」
レシート(こりゃあかなりの重症だな……すっかり落ち込んでやがる)
レシート(ま、入院暮らしが長くなりゃこうなるのも無理はないが……)
レシート(だったら――)ピラッ
子供「……」
女「ね? すぐ退院できるから、ほら元気出して!」
子供「無理だよ……ぼくはこの病院で一生を終えるんだ……」
レシート(こりゃあかなりの重症だな……すっかり落ち込んでやがる)
レシート(ま、入院暮らしが長くなりゃこうなるのも無理はないが……)
レシート(だったら――)ピラッ
33: 2017/05/08(月) 21:43:40.736 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「……」ヒソヒソ
女「! ……うん、なるほど!」
女「ねえ坊や、私が作った紙飛行機が、この部屋を自在に飛び回るなんてあると思う?」
子供「あるわけないじゃない。そんな夢物語みたいなこと」
女「じゃあもし……そんな夢物語みたいなことが起こったら……」
女「あなたも少しは勇気をもらえるんじゃない?」
子供「もし起こったら……ね。だけど無理だよ」
女「よーし、じゃあ紙飛行機折ってあげるわ」スッスッ…
レシート「も、もっと優しく折ってぇん!」ビクビクッ
女「気持ち悪い声あげないでよ!」
女「! ……うん、なるほど!」
女「ねえ坊や、私が作った紙飛行機が、この部屋を自在に飛び回るなんてあると思う?」
子供「あるわけないじゃない。そんな夢物語みたいなこと」
女「じゃあもし……そんな夢物語みたいなことが起こったら……」
女「あなたも少しは勇気をもらえるんじゃない?」
子供「もし起こったら……ね。だけど無理だよ」
女「よーし、じゃあ紙飛行機折ってあげるわ」スッスッ…
レシート「も、もっと優しく折ってぇん!」ビクビクッ
女「気持ち悪い声あげないでよ!」
35: 2017/05/08(月) 21:46:10.639 ID:2Hcfyk3j0.net
女「そらっ!」シュッ
レシート「いくぜえ!」ギュオオオオオオッ
子供「!!??」
レシート「いくぜえ!」ギュオオオオオオッ
子供「!!??」
37: 2017/05/08(月) 21:50:45.770 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「きりもみ飛行!」ギュルルルルッ
レシート「宙返り!」グルンッ
レシート「8の字!」ギュンギュン
子供「すごいすごい! すごいや! この紙飛行機、まるで生きてるみたいだ!」
女(ちょっとやりすぎな気も……)
レシート「宙返り!」グルンッ
レシート「8の字!」ギュンギュン
子供「すごいすごい! すごいや! この紙飛行機、まるで生きてるみたいだ!」
女(ちょっとやりすぎな気も……)
38: 2017/05/08(月) 21:54:25.847 ID:2Hcfyk3j0.net
女「どうだった? 私の紙飛行機は?」
子供「お姉さん、どうもありがとう!」
子供「ぼく、おかげで勇気出たよ! がんばってこの病気治す!」
女「坊やが頑張れば、すぐ退院できるわよ」
レシート「ふっ……さすがの俺もちょいと疲れちまったぜ」ハァハァ…
子供「お姉さん、どうもありがとう!」
子供「ぼく、おかげで勇気出たよ! がんばってこの病気治す!」
女「坊やが頑張れば、すぐ退院できるわよ」
レシート「ふっ……さすがの俺もちょいと疲れちまったぜ」ハァハァ…
41: 2017/05/08(月) 21:58:17.274 ID:2Hcfyk3j0.net
女「レシート、どうもありがとう!」
女「あの子のあんな笑顔を見たのはじめてだわ!」
レシート「人々に笑顔を届けるのがレシートの使命だからな……」
女(そんなご大層な使命があるとは……)
女「とにかく、これで心おきなくデートに――」
刑事「もしもし、そこのお嬢さん」
女「あの子のあんな笑顔を見たのはじめてだわ!」
レシート「人々に笑顔を届けるのがレシートの使命だからな……」
女(そんなご大層な使命があるとは……)
女「とにかく、これで心おきなくデートに――」
刑事「もしもし、そこのお嬢さん」
43: 2017/05/08(月) 22:02:53.002 ID:2Hcfyk3j0.net
女「なんですか?」
刑事「私、こういう者でしてねぇ」スッ
女「刑事さんがなんの用です?」
刑事「実は先ほど、この近くで銃撃事件がありましてねえ……犯人を捜しているのです」
女「はぁ……」
刑事「事件が起きた時刻、あなたのアリバイはありますか?」
女「いきなりアリバイなんていわれても……」
刑事「私、こういう者でしてねぇ」スッ
女「刑事さんがなんの用です?」
刑事「実は先ほど、この近くで銃撃事件がありましてねえ……犯人を捜しているのです」
女「はぁ……」
刑事「事件が起きた時刻、あなたのアリバイはありますか?」
女「いきなりアリバイなんていわれても……」
44: 2017/05/08(月) 22:05:27.190 ID:2Hcfyk3j0.net
刑事「アリバイがないのであれば、逮捕するしかありませんねぇ」ニヤニヤ
女「え、なんで!?」
刑事「なぜなら、アリバイがないというのは、犯人である証明だからです」
女「そんな無茶な推理、眠ってない毛利小五郎だってやらないわよ!」
女「だいたい、こんないきなり逮捕だなんて――」
刑事「私の異名は“中世刑事(デカ)”……あなたはもう逃れられないのですよ」
刑事「さ、手錠をかけてあげましょう。逮捕します」
女「ちょ、ちょっと――」
レシート「……待ちな」ピラッ
女「え、なんで!?」
刑事「なぜなら、アリバイがないというのは、犯人である証明だからです」
女「そんな無茶な推理、眠ってない毛利小五郎だってやらないわよ!」
女「だいたい、こんないきなり逮捕だなんて――」
刑事「私の異名は“中世刑事(デカ)”……あなたはもう逃れられないのですよ」
刑事「さ、手錠をかけてあげましょう。逮捕します」
女「ちょ、ちょっと――」
レシート「……待ちな」ピラッ
46: 2017/05/08(月) 22:09:35.468 ID:2Hcfyk3j0.net
刑事「何者ですか、あなたは?」
レシート「その女のレシートさ」
刑事「おやおや、しゃべるレシートとは面妖な」
レシート「俺がその女のアリバイを証明してやらぁ」
刑事「ほう……どうやって?」
レシート「簡単さ……俺を見ろ!」バン!
刑事「む! 事件のあった△時頃……ここから随分離れたコンビニで買い物をしている……!」
レシート「だろ? つまりこの女は犯人じゃない!」
刑事「ぐぬぬ……どうやらそのようですねぇ……この私としたことが……!」
レシート「その女のレシートさ」
刑事「おやおや、しゃべるレシートとは面妖な」
レシート「俺がその女のアリバイを証明してやらぁ」
刑事「ほう……どうやって?」
レシート「簡単さ……俺を見ろ!」バン!
刑事「む! 事件のあった△時頃……ここから随分離れたコンビニで買い物をしている……!」
レシート「だろ? つまりこの女は犯人じゃない!」
刑事「ぐぬぬ……どうやらそのようですねぇ……この私としたことが……!」
47: 2017/05/08(月) 22:12:41.126 ID:2Hcfyk3j0.net
刑事「このレシートのおかげで、あなたが犯人でないことは分かりました」
刑事「しかし、この近くを銃撃犯がうろついているのは確かなのです」
刑事「くれぐれも気をつけて下さい」
女「ふぅ~……とんでもない刑事だったわ」
女「またもやあんたに助けられちゃったわね」
レシート「俺を持ってりゃ、アリバイ証明だってできるのさ!」ビシッ
刑事「しかし、この近くを銃撃犯がうろついているのは確かなのです」
刑事「くれぐれも気をつけて下さい」
女「ふぅ~……とんでもない刑事だったわ」
女「またもやあんたに助けられちゃったわね」
レシート「俺を持ってりゃ、アリバイ証明だってできるのさ!」ビシッ
51: 2017/05/08(月) 22:15:19.723 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「ところで、デートの時間は大丈夫かい?」
女「あっ、そうだわ……遅れちゃう!」
女「走らないと!」タタタッ
レシート「おいおい、ちゃんと俺を持ってってくれよ」スポッ
ドンッ!
女「あ、ごめんなさい!」
女「あっ、そうだわ……遅れちゃう!」
女「走らないと!」タタタッ
レシート「おいおい、ちゃんと俺を持ってってくれよ」スポッ
ドンッ!
女「あ、ごめんなさい!」
52: 2017/05/08(月) 22:18:54.115 ID:2Hcfyk3j0.net
犯人「ぐへへへ……」
女(な、なにこいつ……!? 明らかに目つきがおかしいけど……!)
犯人「次は女を撃つってのもいいかぁ~」チャッ
女「!?」
女(まさか、こいつ――さっきの刑事さんがいってた銃撃犯人!? 私、今日運悪すぎじゃない!?)
犯人「一発で胸を撃ち抜いてやるぜぇ~」
女「やっ、やめ――」
女(な、なにこいつ……!? 明らかに目つきがおかしいけど……!)
犯人「次は女を撃つってのもいいかぁ~」チャッ
女「!?」
女(まさか、こいつ――さっきの刑事さんがいってた銃撃犯人!? 私、今日運悪すぎじゃない!?)
犯人「一発で胸を撃ち抜いてやるぜぇ~」
女「やっ、やめ――」
54: 2017/05/08(月) 22:20:48.656 ID:2Hcfyk3j0.net
犯人「ヒャハァッ!」
パンッ!
女「いやぁぁぁぁぁっ!」
パンッ!
女「いやぁぁぁぁぁっ!」
58: 2017/05/08(月) 22:23:32.748 ID:2Hcfyk3j0.net
犯人「ぐへへへ……」
女「……あら? ピストルで撃たれたはずなのに……」
犯人「てめえ、なぜ生きてる!?」
女「レシートを胸ポケットに入れておいたおかげで助かったわ!」サッ
犯人「な、なにぃぃぃぃぃ!?」
レシート(いくら俺でも……銃弾を受け止めるのはかなりキツかったぜ……)ピラリンッ
女「……あら? ピストルで撃たれたはずなのに……」
犯人「てめえ、なぜ生きてる!?」
女「レシートを胸ポケットに入れておいたおかげで助かったわ!」サッ
犯人「な、なにぃぃぃぃぃ!?」
レシート(いくら俺でも……銃弾を受け止めるのはかなりキツかったぜ……)ピラリンッ
60: 2017/05/08(月) 22:27:52.816 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「さっきの贅肉ホストは服だけにしてやったが……今度は容赦しねえ!」ヒラヒラ…
レシート「レシートスラァーッシュッ!」
ズバババババッ!
犯人「ぐはああああああああっ!!!」
レシート「レシートスラァーッシュッ!」
ズバババババッ!
犯人「ぐはああああああああっ!!!」
62: 2017/05/08(月) 22:30:24.440 ID:2Hcfyk3j0.net
刑事「お嬢さん、レシートさん、あなた方のおかげで犯人を逮捕できました」
女「まあ、私はなにもしてないけどね」
レシート「俺もちょいと犯人を切り刻んだだけさ」
刑事「あなた方には借りができましたねぇ……」
刑事「私も“中世刑事”の異名を返上できるよう、これからは努力しますよ」
女「そうしてもらえると、一市民としてもありがたいわ」
刑事「では、失礼します」
ファンファンファン…
女「まあ、私はなにもしてないけどね」
レシート「俺もちょいと犯人を切り刻んだだけさ」
刑事「あなた方には借りができましたねぇ……」
刑事「私も“中世刑事”の異名を返上できるよう、これからは努力しますよ」
女「そうしてもらえると、一市民としてもありがたいわ」
刑事「では、失礼します」
ファンファンファン…
65: 2017/05/08(月) 22:33:51.937 ID:2Hcfyk3j0.net
―駅前―
女「お待たせ~!」
男「……」
女「ごめんね、待った?」
男「いや……」
女「どうしたの?」
男「実は今日はデートじゃなく……君に話をするために呼んだんだ」
女(え、なに!? まさか……プロポーズ!?)
女「お待たせ~!」
男「……」
女「ごめんね、待った?」
男「いや……」
女「どうしたの?」
男「実は今日はデートじゃなく……君に話をするために呼んだんだ」
女(え、なに!? まさか……プロポーズ!?)
68: 2017/05/08(月) 22:36:51.366 ID:2Hcfyk3j0.net
男「僕たち、別れよう」
女「は!?」
女「ちょっと待ってよ! なんで、いきなり……!?」
女「もしかして、他に好きな人が――」
男「いや、そうじゃない。君は女性として本当に素晴らしい人だ」
女「だったらどうして……」
男「だが……素晴らしすぎるんだ。僕とはあまりにも格差がありすぎる……」
男「僕には自信がないんだ……これからもずっと君に愛され続ける自信が」
男「いや……そもそも今愛されてる自信すらない!」
男「だから……別れよう」
女「そ、そんな……! 私はあなたのこと……!」
レシート「待ちやがれッ!!!」
女「は!?」
女「ちょっと待ってよ! なんで、いきなり……!?」
女「もしかして、他に好きな人が――」
男「いや、そうじゃない。君は女性として本当に素晴らしい人だ」
女「だったらどうして……」
男「だが……素晴らしすぎるんだ。僕とはあまりにも格差がありすぎる……」
男「僕には自信がないんだ……これからもずっと君に愛され続ける自信が」
男「いや……そもそも今愛されてる自信すらない!」
男「だから……別れよう」
女「そ、そんな……! 私はあなたのこと……!」
レシート「待ちやがれッ!!!」
73: 2017/05/08(月) 22:41:13.698 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「おい、ダメ男」
男「レシートがしゃべった!?」
レシート「レシートだってたまにゃしゃべりたい時くらいあるんだぜ。いや、それより」
レシート「今……お前はこの女が自分を愛してないっていったな?」
男「ああ……彼女のような才女が僕を愛してるとは思えない」
レシート「だが、この女がお前を愛してる証拠なら、ある!」
男「なんだって!?」
レシート「俺をよぉく見てみるんだな……」
男「レシートがしゃべった!?」
レシート「レシートだってたまにゃしゃべりたい時くらいあるんだぜ。いや、それより」
レシート「今……お前はこの女が自分を愛してないっていったな?」
男「ああ……彼女のような才女が僕を愛してるとは思えない」
レシート「だが、この女がお前を愛してる証拠なら、ある!」
男「なんだって!?」
レシート「俺をよぉく見てみるんだな……」
77: 2017/05/08(月) 22:46:54.935 ID:2Hcfyk3j0.net
アクエリアス
胃薬
シュークリーム
ティラミス
るるぶ
男「こ、これは……ッ!」
レシート「頭文字を読むと、≪アイシテル≫……この女がお前を愛しすぎたゆえの奇跡だ!」
レシート「お前はこれを見てもまだ疑うのか!」
レシート「レシートに印字されるほどの……彼女の……愛を……ッ!」
男「うっ、うわあああああああああああ!!!」
胃薬
シュークリーム
ティラミス
るるぶ
男「こ、これは……ッ!」
レシート「頭文字を読むと、≪アイシテル≫……この女がお前を愛しすぎたゆえの奇跡だ!」
レシート「お前はこれを見てもまだ疑うのか!」
レシート「レシートに印字されるほどの……彼女の……愛を……ッ!」
男「うっ、うわあああああああああああ!!!」
80: 2017/05/08(月) 22:54:21.599 ID:2Hcfyk3j0.net
男「すまなかった……」
男「僕は自分への自信のなさを君に転化して……ひどいことを……」
女「ううん、いいのよ……」
男「本音をいおう」
男「僕だって君を愛してる! これからもずっと付き合って下さい!」
女「……はいっ!」
女(よかった、この人と別れずに済んだ……。気弱だけど本当にいい人だから……)
女(これも……レシートのおかげだわ)
女「レシート……本当にありが――」
女「!?」
男「僕は自分への自信のなさを君に転化して……ひどいことを……」
女「ううん、いいのよ……」
男「本音をいおう」
男「僕だって君を愛してる! これからもずっと付き合って下さい!」
女「……はいっ!」
女(よかった、この人と別れずに済んだ……。気弱だけど本当にいい人だから……)
女(これも……レシートのおかげだわ)
女「レシート……本当にありが――」
女「!?」
83: 2017/05/08(月) 22:57:46.272 ID:2Hcfyk3j0.net
レシート「……」シュゥゥゥ…
女「レシート!?」
レシート「ちと力を使いすぎた……というより役目は果たした……」シュゥゥゥ…
レシート「俺はここまでだぜ……」シュゥゥゥ…
女「そんなっ! ちょっと待ってよ! もっとお礼をいいたいのに!」
レシート「いや……礼なんかいらねえさ……俺はもう満足してる……」シュゥゥゥ…
レシート「おい、ダメ男……またこの女悲しませたら……承知、しねえぜ……」シュゥゥゥ…
男「は、はいっ!」
レシート「じゃあな……ほんの数時間だが……楽しかっ……」ヒラッ
女「レシートォォォォォ!!!!!」
女「レシート!?」
レシート「ちと力を使いすぎた……というより役目は果たした……」シュゥゥゥ…
レシート「俺はここまでだぜ……」シュゥゥゥ…
女「そんなっ! ちょっと待ってよ! もっとお礼をいいたいのに!」
レシート「いや……礼なんかいらねえさ……俺はもう満足してる……」シュゥゥゥ…
レシート「おい、ダメ男……またこの女悲しませたら……承知、しねえぜ……」シュゥゥゥ…
男「は、はいっ!」
レシート「じゃあな……ほんの数時間だが……楽しかっ……」ヒラッ
女「レシートォォォォォ!!!!!」
84: 2017/05/08(月) 23:01:10.649 ID:2Hcfyk3j0.net
――
――――
十年後――
少女「ねえねえ、ママー」
女「なあに?」
少女「なんでこのレシート、額縁に飾ってあるの?」
女「それはね……このレシートはパパとママの愛のキューピッドだからよ」
~おわり~
――――
十年後――
少女「ねえねえ、ママー」
女「なあに?」
少女「なんでこのレシート、額縁に飾ってあるの?」
女「それはね……このレシートはパパとママの愛のキューピッドだからよ」
~おわり~
90: 2017/05/08(月) 23:03:58.627 ID:m0mXdHPOp.net
お疲れ様でした
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