1: 2008/10/17(金) 22:15:15.44 ID:v1BqlddQ0
カタカタカタ……
真紅「よし、あとは印刷するだけね」
金糸雀「真紅、その書類あと20部追加してほしいかしら」
真紅「あと20部ですか?」
金糸雀「そうよ。カナのデスクに出しておいてほしいかしら」
真紅「はい、分かりました。今やります」
カチッカチカチッ
真紅「(20部追加……と。)」
私は真紅。
女の子向け玩具製造メーカー『ローゼン』でオフィスレディー、通称OLとして勤務しているわ。
入社して三年目を迎えたけれど、気持ちは駆け出しの頃と変わっていないのよ。
良い仲間に助けられ、今日もまた業務に勤しんでいるの。
華のOL生活とまでは言えないけど、充実した日々に満足しているわ。
真紅「よし、あとは印刷するだけね」
金糸雀「真紅、その書類あと20部追加してほしいかしら」
真紅「あと20部ですか?」
金糸雀「そうよ。カナのデスクに出しておいてほしいかしら」
真紅「はい、分かりました。今やります」
カチッカチカチッ
真紅「(20部追加……と。)」
私は真紅。
女の子向け玩具製造メーカー『ローゼン』でオフィスレディー、通称OLとして勤務しているわ。
入社して三年目を迎えたけれど、気持ちは駆け出しの頃と変わっていないのよ。
良い仲間に助けられ、今日もまた業務に勤しんでいるの。
華のOL生活とまでは言えないけど、充実した日々に満足しているわ。
6: 2008/10/17(金) 22:28:20.20 ID:v1BqlddQ0
真紅「相変わらず汚い机ね……まぁいいわ、置いておきましょう」
さっき私に印刷を頼んだのは金糸雀さん。この部屋のOLの中では一番の古株になるわ。
私が入社したときは二番目だったのだけれど、今では金糸雀さんが一番よ。
古株、なんて表現は失礼かもしれないわね。でも、金糸雀さんならきっと怒らないわ。
皆の前ではいつも明るい、中々頼れるまとめ役ね。
トントンッ
翠星石「ちょいと真紅」
真紅「翠星石さん。どうしたんですか?」
翠星石「さんはいらんです。呼び捨てでいいです」
真紅「はぁ……」
翠星石「実はちょっと頼みがあるです」
さっき私に印刷を頼んだのは金糸雀さん。この部屋のOLの中では一番の古株になるわ。
私が入社したときは二番目だったのだけれど、今では金糸雀さんが一番よ。
古株、なんて表現は失礼かもしれないわね。でも、金糸雀さんならきっと怒らないわ。
皆の前ではいつも明るい、中々頼れるまとめ役ね。
トントンッ
翠星石「ちょいと真紅」
真紅「翠星石さん。どうしたんですか?」
翠星石「さんはいらんです。呼び捨てでいいです」
真紅「はぁ……」
翠星石「実はちょっと頼みがあるです」
8: 2008/10/17(金) 22:32:56.11 ID:v1BqlddQ0
真紅「頼み?」
翠星石「あーっと、このメモ用紙に書かれた資料を資料室まで取りに行って来てほしいんです」
真紅「随分沢山ありますね……」
翠星石「翠星石はまだやらなきゃならない仕事が沢山あるです。先輩を助けると思って、どうか一つ」
真紅「(うう……正直嫌だわ。どうしようかしら)」
蒼星石「ちょっと翠星石。これはいくら何でも可哀想だよ」
真紅「蒼星石さん!」
翠星石「あーっと、このメモ用紙に書かれた資料を資料室まで取りに行って来てほしいんです」
真紅「随分沢山ありますね……」
翠星石「翠星石はまだやらなきゃならない仕事が沢山あるです。先輩を助けると思って、どうか一つ」
真紅「(うう……正直嫌だわ。どうしようかしら)」
蒼星石「ちょっと翠星石。これはいくら何でも可哀想だよ」
真紅「蒼星石さん!」
9: 2008/10/17(金) 22:33:22.67 ID:v1BqlddQ0
>>7
悪い。努力する
悪い。努力する
10: 2008/10/17(金) 22:40:08.29 ID:v1BqlddQ0
蒼星石「翠星石はいつも真紅に仕事を押し付けるからね。目を光らせておかないと」
翠星石「うう……人聞きの悪い事言うなですぅ」
この二人、翠星石と蒼星石は双子だけど性格はまるっきり違うわ。
翠星石は入社して五年目。蒼星石は四年目だから、翠星石の方が一つ先輩になるのだけれど。
蒼星石の方が随分と大人びていて、翠星石はまるで子供のよう。
だけど肝心なときはいつも翠星石が率先して皆を引っ張ってくれるのよ。
蒼星石「せめて真紅と一緒に行ってきなよ」
翠星石「蒼星石に言われちゃ仕方ねーです。真紅、ついて来るですよ」
真紅「(結局手伝わされるのね……)」
翠星石「うう……人聞きの悪い事言うなですぅ」
この二人、翠星石と蒼星石は双子だけど性格はまるっきり違うわ。
翠星石は入社して五年目。蒼星石は四年目だから、翠星石の方が一つ先輩になるのだけれど。
蒼星石の方が随分と大人びていて、翠星石はまるで子供のよう。
だけど肝心なときはいつも翠星石が率先して皆を引っ張ってくれるのよ。
蒼星石「せめて真紅と一緒に行ってきなよ」
翠星石「蒼星石に言われちゃ仕方ねーです。真紅、ついて来るですよ」
真紅「(結局手伝わされるのね……)」
11: 2008/10/17(金) 22:45:17.50 ID:v1BqlddQ0
資料室
翠星石「あーんもぉ! 疲れたですぅ!」
真紅「翠星石さん、私はもう終わりましたよ」
翠星石「だから敬語はいらんですぅ……」
真紅「仕方ない。私が翠星石さんの分まで持っていきますから」
翠星石「あうぅ……申し訳ねーです。じゃ、これ頼むですよ」
真紅「(ちょっと! まだこんなにあるじゃないの!?)」
翠星石「じゃあ翠星石はこれで失礼するですぅ!」
バタンッ!
真紅「行ってしまった……」
翠星石「あーんもぉ! 疲れたですぅ!」
真紅「翠星石さん、私はもう終わりましたよ」
翠星石「だから敬語はいらんですぅ……」
真紅「仕方ない。私が翠星石さんの分まで持っていきますから」
翠星石「あうぅ……申し訳ねーです。じゃ、これ頼むですよ」
真紅「(ちょっと! まだこんなにあるじゃないの!?)」
翠星石「じゃあ翠星石はこれで失礼するですぅ!」
バタンッ!
真紅「行ってしまった……」
12: 2008/10/17(金) 22:50:54.41 ID:v1BqlddQ0
ズシッ
真紅「お、重い……肩が外れる」
ガチャ……
真紅「ドアを開けるのもやっと……お、おも」
トテテテ……
雛苺「あ、真紅。いっぱいお荷物持って楽しそうなのー!」
真紅「貴女、楽しそうだと思うなら手伝って頂戴」
雛苺「うよ? ヒナは優しいから特別よ」
真紅「ありがとう……」
彼女は雛苺。私の一年後輩、入社して二年目の駆け出しOLよ。
人懐っこい性格ですぐに職場の雰囲気にも慣れて、今ではマスコット的な扱いを受けているわ。
その一方で仕事はきっちりとこなす「出来る女」の一面も持っている不思議な子なのよ。
あと何故か、力がやたらと強いわ。
真紅「お、重い……肩が外れる」
ガチャ……
真紅「ドアを開けるのもやっと……お、おも」
トテテテ……
雛苺「あ、真紅。いっぱいお荷物持って楽しそうなのー!」
真紅「貴女、楽しそうだと思うなら手伝って頂戴」
雛苺「うよ? ヒナは優しいから特別よ」
真紅「ありがとう……」
彼女は雛苺。私の一年後輩、入社して二年目の駆け出しOLよ。
人懐っこい性格ですぐに職場の雰囲気にも慣れて、今ではマスコット的な扱いを受けているわ。
その一方で仕事はきっちりとこなす「出来る女」の一面も持っている不思議な子なのよ。
あと何故か、力がやたらと強いわ。
14: 2008/10/17(金) 22:59:05.20 ID:v1BqlddQ0
真紅「……やっと着いたわね」
雛苺「真紅、襟元が曲がってるの」
真紅「両手が使えないからどうしようも無いわね。後で直すわ」
タッタッタ……
雪華綺晶「真紅さん。私が直しますよ」
真紅「雪華綺晶。悪いわねいつも」
雪華綺晶「いえ、私は何も分からない新人ですから。これくらいはやらせてください」
雛苺「真紅よかったね」
雪華綺晶「私ドア開けますよ」
真紅「ええ、ありがとう」
この子は雪華綺晶。入社一年目の新人OLさん。
中々気配りが出来ると評判で、皆からの人気も高いみたい。
もちろん私も助けられているわ。
雛苺「真紅、襟元が曲がってるの」
真紅「両手が使えないからどうしようも無いわね。後で直すわ」
タッタッタ……
雪華綺晶「真紅さん。私が直しますよ」
真紅「雪華綺晶。悪いわねいつも」
雪華綺晶「いえ、私は何も分からない新人ですから。これくらいはやらせてください」
雛苺「真紅よかったね」
雪華綺晶「私ドア開けますよ」
真紅「ええ、ありがとう」
この子は雪華綺晶。入社一年目の新人OLさん。
中々気配りが出来ると評判で、皆からの人気も高いみたい。
もちろん私も助けられているわ。
15: 2008/10/17(金) 23:05:46.19 ID:v1BqlddQ0
真紅「ただいま戻りましたぁ……」
翠星石「お、やっと戻ってきたですか。いやぁ、ご苦労さんですぅ」
真紅「はは……(後でたっぷりお礼はしてもらうわ)」
スッ
薔薇水晶「お疲れさまです……これ、どうぞ……」
真紅「薔薇水晶、この缶コーヒー私の為に買ってきてくれたの?」
薔薇水晶「……お気になさらず……どうぞ」
真紅「ありがとう、遠慮無く頂戴するわ」
翠星石「翠星石には無いですか?」
薔薇水晶「無いです」
翠星石「んな!? 何ですかそれは!」
この子は薔薇水晶。雪華綺晶と同じ入社一年目のOLよ。
雪華綺晶と二人で入社してきたときは、翠星石と蒼星石のように双子なのかと思ったけれど違うみたいね。
この子も雪華綺晶と同じくらい気の利く子で、皆から可愛がられているわ。
今年の新入社員は、稀に見る豊作だったようね。
翠星石「お、やっと戻ってきたですか。いやぁ、ご苦労さんですぅ」
真紅「はは……(後でたっぷりお礼はしてもらうわ)」
スッ
薔薇水晶「お疲れさまです……これ、どうぞ……」
真紅「薔薇水晶、この缶コーヒー私の為に買ってきてくれたの?」
薔薇水晶「……お気になさらず……どうぞ」
真紅「ありがとう、遠慮無く頂戴するわ」
翠星石「翠星石には無いですか?」
薔薇水晶「無いです」
翠星石「んな!? 何ですかそれは!」
この子は薔薇水晶。雪華綺晶と同じ入社一年目のOLよ。
雪華綺晶と二人で入社してきたときは、翠星石と蒼星石のように双子なのかと思ったけれど違うみたいね。
この子も雪華綺晶と同じくらい気の利く子で、皆から可愛がられているわ。
今年の新入社員は、稀に見る豊作だったようね。
16: 2008/10/17(金) 23:15:04.24 ID:v1BqlddQ0
金糸雀「ただいまかしらー!」
真紅「金糸雀さん。書類、置いておきましたよ」
金糸雀「ありがとかしら!」
カツカツ……
金糸雀「む、この足音は……」
水銀燈「あら、皆どうしたのぉ? 部屋の入り口で固まっちゃってぇ」
金糸雀「やっぱり水銀燈だったかしら!」
水銀燈「やっぱりって何よぉ。……変な子ね」
この人は水銀燈。入社して七年、今は私達の総監督のようなポジションになっているわ。
金糸雀さんとは同い年なのだけど、入社した年数で言えば水銀燈さんの方が一つ上なのよ。
実は私、水銀燈さんに憧れているの。だってOLからここまで成功した人は見た事が無いもの。
今では会社の経営そのものにも絡んでいる重役になっているのよ。凄いと思わない?
水銀燈さんのような女性に、私もなりたいものね。
真紅「金糸雀さん。書類、置いておきましたよ」
金糸雀「ありがとかしら!」
カツカツ……
金糸雀「む、この足音は……」
水銀燈「あら、皆どうしたのぉ? 部屋の入り口で固まっちゃってぇ」
金糸雀「やっぱり水銀燈だったかしら!」
水銀燈「やっぱりって何よぉ。……変な子ね」
この人は水銀燈。入社して七年、今は私達の総監督のようなポジションになっているわ。
金糸雀さんとは同い年なのだけど、入社した年数で言えば水銀燈さんの方が一つ上なのよ。
実は私、水銀燈さんに憧れているの。だってOLからここまで成功した人は見た事が無いもの。
今では会社の経営そのものにも絡んでいる重役になっているのよ。凄いと思わない?
水銀燈さんのような女性に、私もなりたいものね。
18: 2008/10/17(金) 23:23:18.51 ID:v1BqlddQ0
水銀燈「じゃああと少し、頑張っていきましょう」
真紅「(私も定時で帰れるようにしないと……)」
金糸雀「さぁ皆! キビキビやるかしら!」
カタカタカタ……
真紅「はぁー……何とか終わったわね」
金糸雀「じゃ、カナはお先に失礼するかしら」
翠星石「真紅、手伝ってほしいです」
蒼星石「僕達の事は気にせず帰ってもいいよ真紅」
翠星石「なんて事言うですか蒼星石! 駄目です!」
真紅「それじゃあ先に失礼します」
翠星石「真紅ー真紅ー……」
水銀燈「お疲れ様。真紅ぅ、また明日」
真紅「! は、ハイ!」
ガチャッ
真紅「(まさか水銀燈さんに言ってもらえるとは思わなかったわ!)」
真紅「(私も定時で帰れるようにしないと……)」
金糸雀「さぁ皆! キビキビやるかしら!」
カタカタカタ……
真紅「はぁー……何とか終わったわね」
金糸雀「じゃ、カナはお先に失礼するかしら」
翠星石「真紅、手伝ってほしいです」
蒼星石「僕達の事は気にせず帰ってもいいよ真紅」
翠星石「なんて事言うですか蒼星石! 駄目です!」
真紅「それじゃあ先に失礼します」
翠星石「真紅ー真紅ー……」
水銀燈「お疲れ様。真紅ぅ、また明日」
真紅「! は、ハイ!」
ガチャッ
真紅「(まさか水銀燈さんに言ってもらえるとは思わなかったわ!)」
20: 2008/10/17(金) 23:27:29.58 ID:v1BqlddQ0
ガタンゴトン……
真紅「今日はいつもより早く帰れてラッキーだったわ。でも疲れた……肩が……」
真紅「(早く家に帰って休みたいわ……)」
ガチャリ
真紅「ただいま~」
真紅「(誰もいないのは分かっているのにね……)」
真紅「さ、お風呂お風呂」
真紅「今日はいつもより早く帰れてラッキーだったわ。でも疲れた……肩が……」
真紅「(早く家に帰って休みたいわ……)」
ガチャリ
真紅「ただいま~」
真紅「(誰もいないのは分かっているのにね……)」
真紅「さ、お風呂お風呂」
24: 2008/10/17(金) 23:31:28.98 ID:v1BqlddQ0
真紅「ぷはー、やっぱりたまらないわね!」
風呂あがりはやっぱり缶ビールを飲みながらの夕食よね。
これじゃとても華のOLとは言えないけれど、現実はこんなものよ。
ゴクゴクゴク……
真紅「ぷはっぁぁ! 最高ね!」
風呂あがりはやっぱり缶ビールを飲みながらの夕食よね。
これじゃとても華のOLとは言えないけれど、現実はこんなものよ。
ゴクゴクゴク……
真紅「ぷはっぁぁ! 最高ね!」
26: 2008/10/17(金) 23:38:01.79 ID:v1BqlddQ0
真紅「あら、もうこんな時間。そろそろアレでも見ようかしら」
ガチャ、ウィィィン……
真紅「ああ……懐かしい。このドラマ見たかったわ……」
最近はもっぱらドラマの鑑賞会で時間を使っているわ。
未だに我が家はVHS。こら、笑ってはいけないわ。
真紅「うぅ……グス……うっう……」
最近涙もろくなってきた気がするわ。もう年なのかしら。
……そんなはずは無いわね。
真紅「あー……終わった」
結局真紅はこの日深夜まで鑑賞会を続け、そのまま寝てしまった。
ガチャ、ウィィィン……
真紅「ああ……懐かしい。このドラマ見たかったわ……」
最近はもっぱらドラマの鑑賞会で時間を使っているわ。
未だに我が家はVHS。こら、笑ってはいけないわ。
真紅「うぅ……グス……うっう……」
最近涙もろくなってきた気がするわ。もう年なのかしら。
……そんなはずは無いわね。
真紅「あー……終わった」
結局真紅はこの日深夜まで鑑賞会を続け、そのまま寝てしまった。
27: 2008/10/17(金) 23:42:27.77 ID:v1BqlddQ0
次の日
真紅「おはよー……ございます」
翠星石「ぷぷぷっ! くまが出来てるですよ真紅!」
真紅「ちょっと夜更かしをしてしまって……」
蒼星石「あまり無理をすると体に悪いよ」
真紅「気をつけます……」
真紅「(さて……今日も頑張ろうかしらね)」
カタ……カタカタカタ
カタカタ……カタ
真紅「(もうすぐお昼ね……やっと休めるわ)」
ガチャリッ
水銀燈「真紅いるかしら?」
真紅「あ、ハイ。います!」
水銀燈「ちょっといい? 話があってぇ……」
真紅「おはよー……ございます」
翠星石「ぷぷぷっ! くまが出来てるですよ真紅!」
真紅「ちょっと夜更かしをしてしまって……」
蒼星石「あまり無理をすると体に悪いよ」
真紅「気をつけます……」
真紅「(さて……今日も頑張ろうかしらね)」
カタ……カタカタカタ
カタカタ……カタ
真紅「(もうすぐお昼ね……やっと休めるわ)」
ガチャリッ
水銀燈「真紅いるかしら?」
真紅「あ、ハイ。います!」
水銀燈「ちょっといい? 話があってぇ……」
28: 2008/10/17(金) 23:46:02.19 ID:v1BqlddQ0
応接室
真紅「(どうしてこんな所で……)」
水銀燈「悪いわねぇ。連れて来ちゃって」
真紅「あの……ここ使っても平気なんですか?」
水銀燈「今はお客さんも来てないから大丈夫よぉ」
真紅「そうですか……」
水銀燈「それに、ここなら誰にも聞かれないだろうし」
真紅「(一体何だと言うの?)」
水銀燈「実はねぇ、ちょっと頼みたい事があって」
真紅「(どうしてこんな所で……)」
水銀燈「悪いわねぇ。連れて来ちゃって」
真紅「あの……ここ使っても平気なんですか?」
水銀燈「今はお客さんも来てないから大丈夫よぉ」
真紅「そうですか……」
水銀燈「それに、ここなら誰にも聞かれないだろうし」
真紅「(一体何だと言うの?)」
水銀燈「実はねぇ、ちょっと頼みたい事があって」
30: 2008/10/17(金) 23:51:34.48 ID:v1BqlddQ0
真紅「頼みたい事?」
水銀燈「ええ。ちょっとコレ見てくれる?」
真紅「この書類は……」
水銀燈「これはうちの新商品の企画書よぉ」
真紅「そ、そうなんですか」
水銀燈「で、次はこっちを見てほしいの」
真紅「? さっきと同じ書類ですよ。間違えてませんか?」
水銀燈「二枚目の紙は、他社が作った企画書よ」
真紅「……え?」
水銀燈「ええ。ちょっとコレ見てくれる?」
真紅「この書類は……」
水銀燈「これはうちの新商品の企画書よぉ」
真紅「そ、そうなんですか」
水銀燈「で、次はこっちを見てほしいの」
真紅「? さっきと同じ書類ですよ。間違えてませんか?」
水銀燈「二枚目の紙は、他社が作った企画書よ」
真紅「……え?」
33: 2008/10/17(金) 23:56:23.10 ID:v1BqlddQ0
真紅「でも、ほとんど同じ……」
水銀燈「ちょっとだけ話が見えてきたぁ?」
真紅「……」
水銀燈「その他社っていうのは、『トモエ』の事よ」
真紅「トモエ……うちのライバル会社……」
水銀燈「そうよぉ。そのライバルさんが、どうしてうちの作った企画書と同じものを持っているのかしらねぇ」
真紅「! まさか!」
水銀燈「まぁ企業にはよくある事なんだけどぉ」
真紅「水銀燈さん、ひょっとして」
水銀燈「ええ。……どうもネズミがいるみたいなのよねぇ」
水銀燈「ちょっとだけ話が見えてきたぁ?」
真紅「……」
水銀燈「その他社っていうのは、『トモエ』の事よ」
真紅「トモエ……うちのライバル会社……」
水銀燈「そうよぉ。そのライバルさんが、どうしてうちの作った企画書と同じものを持っているのかしらねぇ」
真紅「! まさか!」
水銀燈「まぁ企業にはよくある事なんだけどぉ」
真紅「水銀燈さん、ひょっとして」
水銀燈「ええ。……どうもネズミがいるみたいなのよねぇ」
36: 2008/10/18(土) 00:01:30.71 ID:fFD6U3kx0
真紅「スパイ……ですか」
水銀燈「多分ね。コソコソ動いてるみたいなのよぉ」
真紅「トモエさんからの差し金ですか」
水銀燈「ほぼ間違い無く」
真紅「そんな……」
水銀燈「私なりに色々と調べてみたんだけどね……中々尻尾がつかめないのよぉ」
水銀燈「でもね、大体目星はついてるわぁ」
真紅「(どういう……)」
水銀燈「多分、ネズミは私達の部屋にいる誰か」
真紅「そんな!」
水銀燈「真紅……話はこれからよぉ」
水銀燈「多分ね。コソコソ動いてるみたいなのよぉ」
真紅「トモエさんからの差し金ですか」
水銀燈「ほぼ間違い無く」
真紅「そんな……」
水銀燈「私なりに色々と調べてみたんだけどね……中々尻尾がつかめないのよぉ」
水銀燈「でもね、大体目星はついてるわぁ」
真紅「(どういう……)」
水銀燈「多分、ネズミは私達の部屋にいる誰か」
真紅「そんな!」
水銀燈「真紅……話はこれからよぉ」
38: 2008/10/18(土) 00:07:30.94 ID:fFD6U3kx0
水銀燈「貴女は当然認めないわよねぇ? 皆の中にネズミがいるなんて」
真紅「はい! そんなはずありません!」
水銀燈「私もそう思うわぁ。だから真紅、自分の目で確かめてみない?」
真紅「?」
水銀燈「貴女に探し出してほしいのよぉ。コソコソ動き回るネズミさんを」
真紅「わ、私が……ですか?」
水銀燈「ええ。ここにはそれを伝える為に呼んだのよ」
真紅「無理です……出来ません」
水銀燈「私が見て、貴女が一番適任なのよぉ」
真紅「でも……」
水銀燈「真紅お願いよ。これは皆のためでもあるのよぉ」
真紅「うっ……」
水銀燈「引き受けてくれるわね?」
真紅「……はい、分かりましたぁ……」
真紅「はい! そんなはずありません!」
水銀燈「私もそう思うわぁ。だから真紅、自分の目で確かめてみない?」
真紅「?」
水銀燈「貴女に探し出してほしいのよぉ。コソコソ動き回るネズミさんを」
真紅「わ、私が……ですか?」
水銀燈「ええ。ここにはそれを伝える為に呼んだのよ」
真紅「無理です……出来ません」
水銀燈「私が見て、貴女が一番適任なのよぉ」
真紅「でも……」
水銀燈「真紅お願いよ。これは皆のためでもあるのよぉ」
真紅「うっ……」
水銀燈「引き受けてくれるわね?」
真紅「……はい、分かりましたぁ……」
39: 2008/10/18(土) 00:15:26.08 ID:fFD6U3kx0
水銀燈は真紅に、これからの事についていくつか指示をした。
今後真紅は、何か怪しい事があれば逐一水銀燈に報告する事になった。
水銀燈「じゃ、よろしくねぇ」
真紅「はい……失礼します」
ガチャッ
真紅「(とんでもない事になってしまったわね……)」
ギィィ……
翠星石「真紅! もうお昼終わっちまったですよ!」
蒼星石「どこに行っていたんだい?」
真紅「いえ……ちょっと」
雛苺「なんか顔色が悪いの。だいじょうぶ?」
雪華綺晶「心配ですね……」
薔薇水晶「……疲れているのですか……」
金糸雀「休みたくなったら相談するかしら。水銀燈には上手く言っておくから!」
真紅「(こんなに優しい皆の中にスパイが……)」
今後真紅は、何か怪しい事があれば逐一水銀燈に報告する事になった。
水銀燈「じゃ、よろしくねぇ」
真紅「はい……失礼します」
ガチャッ
真紅「(とんでもない事になってしまったわね……)」
ギィィ……
翠星石「真紅! もうお昼終わっちまったですよ!」
蒼星石「どこに行っていたんだい?」
真紅「いえ……ちょっと」
雛苺「なんか顔色が悪いの。だいじょうぶ?」
雪華綺晶「心配ですね……」
薔薇水晶「……疲れているのですか……」
金糸雀「休みたくなったら相談するかしら。水銀燈には上手く言っておくから!」
真紅「(こんなに優しい皆の中にスパイが……)」
42: 2008/10/18(土) 00:19:12.04 ID:fFD6U3kx0
カタカタ……
真紅「……」
翠星石「蒼星石、やっぱり真紅変ですよ。何かあるです」
蒼星石「どうしたのかな。心配だね」
翠星石「蒼星石は何か知ってるですか?」
蒼星石「流石に何でも分かるわけじゃないよ。でも……」
翠星石「でも?」
蒼星石「いや、何でも無いよ」
翠星石「? 蒼星石も変な感じです。まったく……」
蒼星石「(……)」
真紅「……」
翠星石「蒼星石、やっぱり真紅変ですよ。何かあるです」
蒼星石「どうしたのかな。心配だね」
翠星石「蒼星石は何か知ってるですか?」
蒼星石「流石に何でも分かるわけじゃないよ。でも……」
翠星石「でも?」
蒼星石「いや、何でも無いよ」
翠星石「? 蒼星石も変な感じです。まったく……」
蒼星石「(……)」
43: 2008/10/18(土) 00:28:04.99 ID:fFD6U3kx0
雛苺「はぁー、やっと終わったのー」
金糸雀「定時で帰れるだけありがたいと思うかしら!」
雪華綺晶「真紅さん。今日はもう帰った方がよろしいのでは?」
真紅「いえ、大丈夫よ。何でもないから……」
雛苺「お先に失礼するのー」
蒼星石「僕達はもう少し頑張ろうか」
翠星石「勘弁してほしいです。でも仕方ねーですぅ……」
雪華綺晶「……私達はこれで。行こう薔薇水晶」
薔薇水晶「真紅さん……ファイト……」
真紅「あ、ありがとう」
真紅「(やっぱり考えられない……この中にスパイ? きっと何かの間違いよ)」
金糸雀「定時で帰れるだけありがたいと思うかしら!」
雪華綺晶「真紅さん。今日はもう帰った方がよろしいのでは?」
真紅「いえ、大丈夫よ。何でもないから……」
雛苺「お先に失礼するのー」
蒼星石「僕達はもう少し頑張ろうか」
翠星石「勘弁してほしいです。でも仕方ねーですぅ……」
雪華綺晶「……私達はこれで。行こう薔薇水晶」
薔薇水晶「真紅さん……ファイト……」
真紅「あ、ありがとう」
真紅「(やっぱり考えられない……この中にスパイ? きっと何かの間違いよ)」
44: 2008/10/18(土) 00:32:57.01 ID:fFD6U3kx0
真紅「(早く皆の無実を証明しないと……)」
翠星石「じゃあ翠星石たちも帰るですけど……真紅も早く帰るです」
真紅「もう少しだけ……まだ残っている仕事があるから」
蒼星石「あんまり気を遣い過ぎるのも良くないかもしれないね。真紅、頑張って」
真紅「ありがとうございます……」
金糸雀「じゃ、カナも帰るかしら。真紅、あとよろしく!」
真紅「はい」
真紅「(これでやっと一人……)」
翠星石「じゃあ翠星石たちも帰るですけど……真紅も早く帰るです」
真紅「もう少しだけ……まだ残っている仕事があるから」
蒼星石「あんまり気を遣い過ぎるのも良くないかもしれないね。真紅、頑張って」
真紅「ありがとうございます……」
金糸雀「じゃ、カナも帰るかしら。真紅、あとよろしく!」
真紅「はい」
真紅「(これでやっと一人……)」
45: 2008/10/18(土) 00:41:34.13 ID:fFD6U3kx0
それから一週間真紅は最後まで残り、調査を続けた。しかし満足のいく結果は得られず、水銀燈に意味の無い報告をする事しか出来なかった。
そして今日も真紅は時間を見計らって、調査を行なっていた。
真紅「(もうこの時間なら皆帰ったわね。資料室に篭っていて正解だったわ)」
スタスタ……
真紅「(? 部屋から明かりが漏れている……とっくに定時は過ぎているのに)」
真紅「(もしかして、ついにスパイが目の前に!?)」
真紅はドアの隙間から、自分達の仕事場を覗き込んだ。
蒼星石「……」
真紅「(あれは……蒼星石!?)」
そして今日も真紅は時間を見計らって、調査を行なっていた。
真紅「(もうこの時間なら皆帰ったわね。資料室に篭っていて正解だったわ)」
スタスタ……
真紅「(? 部屋から明かりが漏れている……とっくに定時は過ぎているのに)」
真紅「(もしかして、ついにスパイが目の前に!?)」
真紅はドアの隙間から、自分達の仕事場を覗き込んだ。
蒼星石「……」
真紅「(あれは……蒼星石!?)」
47: 2008/10/18(土) 00:49:51.91 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「……」
カタカタ……
真紅「(パソコンを……あれは蒼星石に与えられたものじゃないわね)」
蒼星石「駄目か。もう少し時間がいるな」
真紅「(これは……どうしよう。水銀燈さんに連絡して……)」
真紅「(駄目よ! 時間が無いわ。逃げられてしまう……こうなったら)」
バンッ!
真紅「蒼星石! 何をしているのっ!?」
蒼星石「真紅!?」
真紅「蒼星石! 貴女は……痛っ!?」
翠星石「おっと……動いちゃ駄目ですよ。関節がイっちまうですから」
ギリ……ギリリ……
真紅「翠星石……右手を離して」
翠星石「やっぱり敬語を使わない方がいいですねぇ。さ、とっとと前に進むですよ」
真紅「くっ……」
カタカタ……
真紅「(パソコンを……あれは蒼星石に与えられたものじゃないわね)」
蒼星石「駄目か。もう少し時間がいるな」
真紅「(これは……どうしよう。水銀燈さんに連絡して……)」
真紅「(駄目よ! 時間が無いわ。逃げられてしまう……こうなったら)」
バンッ!
真紅「蒼星石! 何をしているのっ!?」
蒼星石「真紅!?」
真紅「蒼星石! 貴女は……痛っ!?」
翠星石「おっと……動いちゃ駄目ですよ。関節がイっちまうですから」
ギリ……ギリリ……
真紅「翠星石……右手を離して」
翠星石「やっぱり敬語を使わない方がいいですねぇ。さ、とっとと前に進むですよ」
真紅「くっ……」
49: 2008/10/18(土) 00:55:49.84 ID:fFD6U3kx0
真紅「貴女達はグルだったのね!」
蒼星石「……」
真紅「皆を騙して情報を横流ししていたんでしょう!」
翠星石「やっぱり蒼星石の言うとおりだったです」
スッ
真紅「(拘束を解いた? どうして?)」
蒼星石「真紅。僕達は君が探しているスパイじゃないよ」
真紅「え……?」
蒼星石「君がスパイを探している以上、いつか言わなければいけない事だと思っていたけど……」
真紅「……何の事?」
蒼星石「僕達の事だよ。今から話す事を良く聞いてほしい」
蒼星石「……」
真紅「皆を騙して情報を横流ししていたんでしょう!」
翠星石「やっぱり蒼星石の言うとおりだったです」
スッ
真紅「(拘束を解いた? どうして?)」
蒼星石「真紅。僕達は君が探しているスパイじゃないよ」
真紅「え……?」
蒼星石「君がスパイを探している以上、いつか言わなければいけない事だと思っていたけど……」
真紅「……何の事?」
蒼星石「僕達の事だよ。今から話す事を良く聞いてほしい」
57: 2008/10/18(土) 01:12:40.30 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「僕達はね、トモエの不正を暴くためにこの会社に勤めているんだ」
真紅「トモエですって!?」
蒼星石「そう。この会社を隠れ蓑にして、僕達はトモエの情報を集めているんだ」
翠星石「直接トモエに入社するっていう手もあったですけど、リスクが高すぎて断念したです」
真紅「そこまで危険な会社なの?」
蒼星石「ああ。全社員の情報を徹底的に管理する程だからね」
真紅「トモエですって!?」
蒼星石「そう。この会社を隠れ蓑にして、僕達はトモエの情報を集めているんだ」
翠星石「直接トモエに入社するっていう手もあったですけど、リスクが高すぎて断念したです」
真紅「そこまで危険な会社なの?」
蒼星石「ああ。全社員の情報を徹底的に管理する程だからね」
58: 2008/10/18(土) 01:18:30.21 ID:fFD6U3kx0
真紅「そんなの犯罪じゃないの!」
蒼星石「働いている社員は気づいてないだろうね。実際はプライベートまで覗かれているよ」
翠星石「とにかく、向こうのスパイ対策は完璧です。入ってもがんじがらめで動けんですよ」
真紅「だからここに……」
蒼星石「ここは一番のライバル会社だからね。トモエはこの会社に向けて何かアクションを起こすと思っていた」
翠星石「実際今回だけじゃないですよ。前から色々と汚い手は使ってやがるです」
真紅「そうだったの……」
蒼星石「働いている社員は気づいてないだろうね。実際はプライベートまで覗かれているよ」
翠星石「とにかく、向こうのスパイ対策は完璧です。入ってもがんじがらめで動けんですよ」
真紅「だからここに……」
蒼星石「ここは一番のライバル会社だからね。トモエはこの会社に向けて何かアクションを起こすと思っていた」
翠星石「実際今回だけじゃないですよ。前から色々と汚い手は使ってやがるです」
真紅「そうだったの……」
59: 2008/10/18(土) 01:26:25.69 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「それでも、尻尾を見せる事はほとんど無かった」
翠星石「翠星石たちは事後の報告を行なうくらいしか出来なかったです……」
真紅「報告? 誰に?」
翠星石「翠星石たちのBIG・BOSSです。直接会った事は無いですけど」
蒼星石「JUN、というコードネームだったはずだよ」
翠星石「BIG・BOSSはトモエを潰したいとお考えです。だからこの会社に翠星石たちを勤めさせてまでトモエの情報を集めてるです」
蒼星石「僕達の正体、理解してもらえたかな?」
真紅「(筋金入りのスパイだったわけね……)」
翠星石「翠星石たちは事後の報告を行なうくらいしか出来なかったです……」
真紅「報告? 誰に?」
翠星石「翠星石たちのBIG・BOSSです。直接会った事は無いですけど」
蒼星石「JUN、というコードネームだったはずだよ」
翠星石「BIG・BOSSはトモエを潰したいとお考えです。だからこの会社に翠星石たちを勤めさせてまでトモエの情報を集めてるです」
蒼星石「僕達の正体、理解してもらえたかな?」
真紅「(筋金入りのスパイだったわけね……)」
61: 2008/10/18(土) 01:35:16.57 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「一旦話をまとめようか」
翠星石「翠星石たちは、この会社とは直接関係無い組織から派遣された調査員です。
トモエの不正を暴くために、この会社を隠れ蓑にして情報を集めてるです。
ここまでいいですか?」
真紅「え、ええ……」
蒼星石「話を続けよう。僕達はそうやっていつもの様に調査を続けつつ業務をこなしていた」
翠星石「そんなとき、とんでもねー情報が入ってきやがったですよ」
真紅「それが……」
蒼星石「ああ、それが今真紅の調べているスパイの話さ」
真紅「貴女達も調査していたのね……」
蒼星石「そうだよ。僕達も独自に調査していた」
真紅「何となく見えてきたわ……」
翠星石「翠星石たちは、この会社とは直接関係無い組織から派遣された調査員です。
トモエの不正を暴くために、この会社を隠れ蓑にして情報を集めてるです。
ここまでいいですか?」
真紅「え、ええ……」
蒼星石「話を続けよう。僕達はそうやっていつもの様に調査を続けつつ業務をこなしていた」
翠星石「そんなとき、とんでもねー情報が入ってきやがったですよ」
真紅「それが……」
蒼星石「ああ、それが今真紅の調べているスパイの話さ」
真紅「貴女達も調査していたのね……」
蒼星石「そうだよ。僕達も独自に調査していた」
真紅「何となく見えてきたわ……」
62: 2008/10/18(土) 01:40:52.59 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「僕達はすぐに本腰を入れた。何としても見つけ出す、と」
翠星石「でもそこで困った事が起きちまったです」
真紅「それが……私かしら」
蒼星石「そう。水銀燈がスパイを嗅ぎ付けて君に調査を依頼したものだから焦ったよ」
翠星石「こっちは寝耳に水です。多分情報が入ってこなかった事から考えて、水銀燈の独断です」
蒼星石「彼女も独自に情報をつかんでいたんだろうね」
翠星石「でもそこで困った事が起きちまったです」
真紅「それが……私かしら」
蒼星石「そう。水銀燈がスパイを嗅ぎ付けて君に調査を依頼したものだから焦ったよ」
翠星石「こっちは寝耳に水です。多分情報が入ってこなかった事から考えて、水銀燈の独断です」
蒼星石「彼女も独自に情報をつかんでいたんだろうね」
64: 2008/10/18(土) 01:54:16.69 ID:fFD6U3kx0
翠星石「真紅をどうにかしなきゃいけないと思った翠星石たちは、あえて真紅に見つけてもらう作戦を選んだです」
蒼星石「真紅を信じての決断だよ。君なら誰にも僕達の事を話さないと思ったから」
真紅「だから見つけてくれと言わんばかりの行動を取っていたのね」
蒼星石「……まぁね」
翠星石「(本当はトモエ側のスパイをたきつける目的もあったですけど、内緒です)」
真紅「大体分かったわ。貴女たちが何者なのか」
蒼星石「信じてもらえてよかったよ」
真紅「で、私はどうすればいいのかしら」
蒼星石「察しがいいね」
蒼星石「真紅を信じての決断だよ。君なら誰にも僕達の事を話さないと思ったから」
真紅「だから見つけてくれと言わんばかりの行動を取っていたのね」
蒼星石「……まぁね」
翠星石「(本当はトモエ側のスパイをたきつける目的もあったですけど、内緒です)」
真紅「大体分かったわ。貴女たちが何者なのか」
蒼星石「信じてもらえてよかったよ」
真紅「で、私はどうすればいいのかしら」
蒼星石「察しがいいね」
66: 2008/10/18(土) 02:02:33.72 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「はっきり言おう。水銀燈に断りを入れて、今回の事から手を引いてほしい」
真紅「……」
翠星石「トモエのスパイは真紅に気づいてる可能性があるです。このままいけば、真紅が危険です」
蒼星石「スパイは僕達が必ず見つけ出す。だから真紅……」
真紅「条件があるわ」
翠星石「何です?」
真紅「今回の事件、その結果を私に教えてくれると約束するなら」
蒼星石「約束しよう。結果は伝えるよ」
真紅「そう……」
翠星石「(これで何とか一件落着ですかね?)」
真紅「……」
翠星石「トモエのスパイは真紅に気づいてる可能性があるです。このままいけば、真紅が危険です」
蒼星石「スパイは僕達が必ず見つけ出す。だから真紅……」
真紅「条件があるわ」
翠星石「何です?」
真紅「今回の事件、その結果を私に教えてくれると約束するなら」
蒼星石「約束しよう。結果は伝えるよ」
真紅「そう……」
翠星石「(これで何とか一件落着ですかね?)」
68: 2008/10/18(土) 02:08:14.11 ID:fFD6U3kx0
真紅「分かったわ。水銀燈さんには、私から言っておくわ」
蒼星石「助かるよ」
翠星石「今日は送っていくです。さ、帰るですよ」
蒼星石「そうだね。すっかり遅くなってしまった」
真紅は翠星石達に連れられ、自宅まで帰った。
真紅「(帰ってはきたけれど……)」
真紅「……とにかくまずは電話ね。早くしないと」
ピッ
真紅「もしもし、真紅ですが」
水銀燈「ああ真紅。どうしたの? 何か分かった?」
真紅「水銀燈さん。私、今回の事から手を引きたいんです」
水銀燈「へぇ……」
蒼星石「助かるよ」
翠星石「今日は送っていくです。さ、帰るですよ」
蒼星石「そうだね。すっかり遅くなってしまった」
真紅は翠星石達に連れられ、自宅まで帰った。
真紅「(帰ってはきたけれど……)」
真紅「……とにかくまずは電話ね。早くしないと」
ピッ
真紅「もしもし、真紅ですが」
水銀燈「ああ真紅。どうしたの? 何か分かった?」
真紅「水銀燈さん。私、今回の事から手を引きたいんです」
水銀燈「へぇ……」
71: 2008/10/18(土) 02:14:31.54 ID:fFD6U3kx0
水銀燈「それはまたどうして?」
真紅「一週間以上やってきましたが……やっぱり私には出来ません」
水銀燈「それは技量が足りないという事ぉ? それとも精神的な問題なのぉ?」
真紅「両方です。もうこれ以上続ける自信がありません」
水銀燈「……」
真紅「……水銀燈さん?」
水銀燈「そう、ならもういいわぁ。お疲れ様」
真紅「え?」
水銀燈「明日から普通の業務に戻っていいわよぉ。ま、頑張ってくれたし今月の給料には色付けとくから」
真紅「はあ……」
水銀燈「それじゃまた明日、会社でね」
プツッ ツーツーツー……
真紅「あっさりしすぎじゃない? これ……」
真紅「一週間以上やってきましたが……やっぱり私には出来ません」
水銀燈「それは技量が足りないという事ぉ? それとも精神的な問題なのぉ?」
真紅「両方です。もうこれ以上続ける自信がありません」
水銀燈「……」
真紅「……水銀燈さん?」
水銀燈「そう、ならもういいわぁ。お疲れ様」
真紅「え?」
水銀燈「明日から普通の業務に戻っていいわよぉ。ま、頑張ってくれたし今月の給料には色付けとくから」
真紅「はあ……」
水銀燈「それじゃまた明日、会社でね」
プツッ ツーツーツー……
真紅「あっさりしすぎじゃない? これ……」
73: 2008/10/18(土) 02:23:36.21 ID:fFD6U3kx0
次の日
真紅「本当にもういいのかしらね……」
雛苺「真紅、今日は忙しいから手を止めちゃ駄目なのよ!」
水銀燈「雛苺今日は張り切ってるわねぇ。真紅が可哀想よぉ」
真紅「(水銀燈さんは何も言ってこない……どうして)」
薔薇水晶「水銀燈さん……これを……」
水銀燈「ああ頼んでおいたやつねぇ。もう出来たの?」
薔薇水晶「はい……」
水銀燈「……へぇ、良いわね」
水銀燈「私ちょっと資料室に行ってくるわ。薔薇水晶、手伝ってくれる?」
薔薇水晶「はい……喜んで」
真紅「本当にもういいのかしらね……」
雛苺「真紅、今日は忙しいから手を止めちゃ駄目なのよ!」
水銀燈「雛苺今日は張り切ってるわねぇ。真紅が可哀想よぉ」
真紅「(水銀燈さんは何も言ってこない……どうして)」
薔薇水晶「水銀燈さん……これを……」
水銀燈「ああ頼んでおいたやつねぇ。もう出来たの?」
薔薇水晶「はい……」
水銀燈「……へぇ、良いわね」
水銀燈「私ちょっと資料室に行ってくるわ。薔薇水晶、手伝ってくれる?」
薔薇水晶「はい……喜んで」
75: 2008/10/18(土) 02:29:58.22 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「……」
翠星石「蒼星石、眉間にしわが寄ってるですよ」
蒼星石「おかしい。やっぱりおかしいよ」
翠星石「何がです? 真紅の事ですか?」
蒼星石「朝、真紅から聞いた内容だと水銀燈は簡単に了承したそうだ」
翠星石「……最初から期待してなかったんじゃないですか?」
蒼星石「(僕はそう思えない……あまりに簡単過ぎる)」
蒼星石「水銀燈は、もう真紅の手助けを必要としていないんじゃ……」
翠星石「蒼星石、呼び捨てにして誰かに聞かれたらまずいですよ!」
蒼星石「待てよ。もしかしたら……そうか!」
翠星石「どうしたです!?」
蒼星石「ちょっと資料室に行ってきます! 翠星石、行くよ!」
翠星石「ちょ、ちょちょ、引っ張っちゃ危ないです!」
翠星石「蒼星石、眉間にしわが寄ってるですよ」
蒼星石「おかしい。やっぱりおかしいよ」
翠星石「何がです? 真紅の事ですか?」
蒼星石「朝、真紅から聞いた内容だと水銀燈は簡単に了承したそうだ」
翠星石「……最初から期待してなかったんじゃないですか?」
蒼星石「(僕はそう思えない……あまりに簡単過ぎる)」
蒼星石「水銀燈は、もう真紅の手助けを必要としていないんじゃ……」
翠星石「蒼星石、呼び捨てにして誰かに聞かれたらまずいですよ!」
蒼星石「待てよ。もしかしたら……そうか!」
翠星石「どうしたです!?」
蒼星石「ちょっと資料室に行ってきます! 翠星石、行くよ!」
翠星石「ちょ、ちょちょ、引っ張っちゃ危ないです!」
77: 2008/10/18(土) 02:43:11.83 ID:fFD6U3kx0
ダッダッダッダ……
翠星石「蒼星石説明するです! いきなり資料室じゃわけわからんですよ!」
蒼星石「やっと分かったんだ。水銀燈が何故真紅の調査を簡単に打ち切ったのか」
翠星石「?」
蒼星石「そもそも水銀燈は、真紅の調査なんてどうでも良かったんだよ。初めから期待していなかったんだ」
翠星石「じゃあ何の為にやらせてたですか!」
蒼星石「彼女は素人だ。調査すれば必ず相手に気づかれる。現に、僕達も真紅の行動には簡単に気づけた」
蒼星石「水銀燈は、それを狙っていたんだ。真紅が目立つ事を」
翠星石「何ですかそれ! それじゃ真紅が危険ですよ!」
蒼星石「僕はそこを間違えていた。本当に危険なのは真紅じゃなく、水銀燈だ!」
翠星石「蒼星石説明するです! いきなり資料室じゃわけわからんですよ!」
蒼星石「やっと分かったんだ。水銀燈が何故真紅の調査を簡単に打ち切ったのか」
翠星石「?」
蒼星石「そもそも水銀燈は、真紅の調査なんてどうでも良かったんだよ。初めから期待していなかったんだ」
翠星石「じゃあ何の為にやらせてたですか!」
蒼星石「彼女は素人だ。調査すれば必ず相手に気づかれる。現に、僕達も真紅の行動には簡単に気づけた」
蒼星石「水銀燈は、それを狙っていたんだ。真紅が目立つ事を」
翠星石「何ですかそれ! それじゃ真紅が危険ですよ!」
蒼星石「僕はそこを間違えていた。本当に危険なのは真紅じゃなく、水銀燈だ!」
79: 2008/10/18(土) 02:54:36.00 ID:fFD6U3kx0
翠星石「わけ分からんです!」
蒼星石「いいかい。真紅の存在に気づいたスパイはその後どんな行動を取ると思う?」
翠星石「だから、真紅に何かするに決まってるですよ!」
蒼星石「そうかな。それをしてどうなるんだい?」
翠星石「……あ」
蒼星石「何度も言うけど彼女は素人。間違っても証拠なんか見つけられない」
翠星石「分かってきたです。それよりも危険なのは……」
蒼星石「完璧に隠れていたはずの自分達を嗅ぎ付けて真紅に依頼した人物」
翠星石「……水銀燈ですか」
蒼星石「ああ。水銀燈は真紅を通じて、自分がスパイに気づいている事をアピールしていたんだ」
翠星石「って事は……」
蒼星石「彼女は真紅を使う事で、自分自身を囮にしていたんだよ」
蒼星石「いいかい。真紅の存在に気づいたスパイはその後どんな行動を取ると思う?」
翠星石「だから、真紅に何かするに決まってるですよ!」
蒼星石「そうかな。それをしてどうなるんだい?」
翠星石「……あ」
蒼星石「何度も言うけど彼女は素人。間違っても証拠なんか見つけられない」
翠星石「分かってきたです。それよりも危険なのは……」
蒼星石「完璧に隠れていたはずの自分達を嗅ぎ付けて真紅に依頼した人物」
翠星石「……水銀燈ですか」
蒼星石「ああ。水銀燈は真紅を通じて、自分がスパイに気づいている事をアピールしていたんだ」
翠星石「って事は……」
蒼星石「彼女は真紅を使う事で、自分自身を囮にしていたんだよ」
80: 2008/10/18(土) 03:02:43.92 ID:fFD6U3kx0
翠星石「大胆不敵な女です。強気すぎるですよ」
蒼星石「水銀燈の存在に気づいたスパイは、水銀燈に接触する事に決めた」
翠星石「じゃあ、スパイは薔薇水晶ですか?」
蒼星石「恐らく」
翠星石「さっき二人で出て行ったのはそのためですか……」
蒼星石「くそ。水銀燈は奴らの実力を知らない。このままでは本当に危険だ!」
翠星石「水銀燈は騙したつもりでいるですからね」
蒼星石「奴らとやり合っちゃいけない! 水銀燈!」
資料室
水銀燈「まったく……小学生みたいな呼び方するのねぇ。提出した書類にメモ挟むだなんて」
薔薇水晶「……一番確実な方法ですから」
水銀燈「で、何の用件かしら?」
蒼星石「水銀燈の存在に気づいたスパイは、水銀燈に接触する事に決めた」
翠星石「じゃあ、スパイは薔薇水晶ですか?」
蒼星石「恐らく」
翠星石「さっき二人で出て行ったのはそのためですか……」
蒼星石「くそ。水銀燈は奴らの実力を知らない。このままでは本当に危険だ!」
翠星石「水銀燈は騙したつもりでいるですからね」
蒼星石「奴らとやり合っちゃいけない! 水銀燈!」
資料室
水銀燈「まったく……小学生みたいな呼び方するのねぇ。提出した書類にメモ挟むだなんて」
薔薇水晶「……一番確実な方法ですから」
水銀燈「で、何の用件かしら?」
85: 2008/10/18(土) 03:12:40.83 ID:fFD6U3kx0
薔薇水晶「水銀燈さん……いえ、水銀燈。言わなくても解ると思いますが」
水銀燈「ふふ……野暮ねぇ、最近のネズミさんは」
薔薇水晶「水銀燈……貴女は我々を舐めすぎた。一人でどうにか出来ると考えている」
水銀燈「あら、たかだか産業スパイ風情が随分と息巻くのねぇ」
薔薇水晶「貴女はトモエを軽く見ている。人の命を利益の下に置いている我々を」
水銀燈「どうでもいいけどさっさと用件を言いなさいよぉ。必氏に凄むその姿、痛々しくて見てられなぁい」
薔薇水晶「……どこまで舐めた真似を……」
水銀燈「怒っちゃ駄目よぉ、血圧上がっちゃうから」
水銀燈「ふふ……野暮ねぇ、最近のネズミさんは」
薔薇水晶「水銀燈……貴女は我々を舐めすぎた。一人でどうにか出来ると考えている」
水銀燈「あら、たかだか産業スパイ風情が随分と息巻くのねぇ」
薔薇水晶「貴女はトモエを軽く見ている。人の命を利益の下に置いている我々を」
水銀燈「どうでもいいけどさっさと用件を言いなさいよぉ。必氏に凄むその姿、痛々しくて見てられなぁい」
薔薇水晶「……どこまで舐めた真似を……」
水銀燈「怒っちゃ駄目よぉ、血圧上がっちゃうから」
87: 2008/10/18(土) 03:20:07.80 ID:fFD6U3kx0
薔薇水晶「はっきり……言いましょう。水銀燈、貴女にはトモエの為に氏んでもらう」
水銀燈「ちょっと貴女たちに気づいたくらいで?」
薔薇水晶「……氏後の処理はこちらで行ないます。何も心配はいりません」
水銀燈「ちょっとぉ、質問に答えなさいよぉ」
薔薇水晶「貴女を野放しにすれば、今後も何かを起こす可能性がありますから」
水銀燈「失脚させるのかと思ったら、随分とまぁ……」
薔薇水晶「驚きましたか?」
水銀燈「ええ……幼稚すぎて」
水銀燈「ちょっと貴女たちに気づいたくらいで?」
薔薇水晶「……氏後の処理はこちらで行ないます。何も心配はいりません」
水銀燈「ちょっとぉ、質問に答えなさいよぉ」
薔薇水晶「貴女を野放しにすれば、今後も何かを起こす可能性がありますから」
水銀燈「失脚させるのかと思ったら、随分とまぁ……」
薔薇水晶「驚きましたか?」
水銀燈「ええ……幼稚すぎて」
90: 2008/10/18(土) 03:29:52.49 ID:fFD6U3kx0
水銀燈「だってそうでしょう? あまりにも幼稚過ぎる判断よ。もしかして貴女の独断じゃないのぉ?」
薔薇水晶「…………ギクッ……」
水銀燈「刃向かったから頃す、不利益になるから頃す。……どこのお馬鹿さんよぉ」
水銀燈「いい事? 経済っていうのは、相手がいて初めて成り立つものなのよ。周りを排斥するだけでは何も生まれないの。空腹のまま」
水銀燈「私を利用しようとも考えず、牙を抜こうとも考えず、ただ頃す」
薔薇水晶「……黙れ」
水銀燈「頭を使えない野蛮人の発想ね。貴女の会社って、ジャングルにでもあるのぉ?」
薔薇水晶「……許さない…………」
ジャキンッ
薔薇水晶「出血はなるべく抑えます。どうぞ安らかに」
薔薇水晶「…………ギクッ……」
水銀燈「刃向かったから頃す、不利益になるから頃す。……どこのお馬鹿さんよぉ」
水銀燈「いい事? 経済っていうのは、相手がいて初めて成り立つものなのよ。周りを排斥するだけでは何も生まれないの。空腹のまま」
水銀燈「私を利用しようとも考えず、牙を抜こうとも考えず、ただ頃す」
薔薇水晶「……黙れ」
水銀燈「頭を使えない野蛮人の発想ね。貴女の会社って、ジャングルにでもあるのぉ?」
薔薇水晶「……許さない…………」
ジャキンッ
薔薇水晶「出血はなるべく抑えます。どうぞ安らかに」
91: 2008/10/18(土) 03:36:05.89 ID:fFD6U3kx0
水銀燈「……」
薔薇水晶「……最後の言葉も無しですか。それでは、さようなら」
水銀燈「今よ!」
水銀燈の声と共に、資料室の奥に置いてあるダンボールの中から何かが飛び出した。
金糸雀「でえぇーい!」
薔薇水晶「馬鹿な! 隠れていた!?」
水銀燈「いきなさい金糸雀!」
金糸雀「かしらっ!」
ガシイィッ!
金糸雀「(なんて力……こいつ、強いかしら!)」
薔薇水晶「テコンドー、空手、柔道、ムエタイ……殆どの格闘技は習得しています」
金糸雀「カナだって英検と漢検と日商簿記それぞれ一級持ってるかしら!」
薔薇水晶「……最後の言葉も無しですか。それでは、さようなら」
水銀燈「今よ!」
水銀燈の声と共に、資料室の奥に置いてあるダンボールの中から何かが飛び出した。
金糸雀「でえぇーい!」
薔薇水晶「馬鹿な! 隠れていた!?」
水銀燈「いきなさい金糸雀!」
金糸雀「かしらっ!」
ガシイィッ!
金糸雀「(なんて力……こいつ、強いかしら!)」
薔薇水晶「テコンドー、空手、柔道、ムエタイ……殆どの格闘技は習得しています」
金糸雀「カナだって英検と漢検と日商簿記それぞれ一級持ってるかしら!」
94: 2008/10/18(土) 03:42:19.39 ID:fFD6U3kx0
金糸雀「水銀燈も見てないで手伝うかしら!」
水銀燈「嫌よ。ケンカは嫌いなんだもの」
薔薇水晶「隙あり!」
ドズンッ!
金糸雀「(受け身失敗して……体動かないかしら)」
薔薇水晶「氏ね!」
ガスッ!
薔薇水晶「がっ……!?」
金糸雀「え……?」
薔薇水晶の顔面に、英和辞書が直撃する。薔薇水晶はたまらず後退する。
金糸雀「え……何何? もしかして英検の神様が……」
水銀燈「馬鹿……あれよぉ」
水銀燈「嫌よ。ケンカは嫌いなんだもの」
薔薇水晶「隙あり!」
ドズンッ!
金糸雀「(受け身失敗して……体動かないかしら)」
薔薇水晶「氏ね!」
ガスッ!
薔薇水晶「がっ……!?」
金糸雀「え……?」
薔薇水晶の顔面に、英和辞書が直撃する。薔薇水晶はたまらず後退する。
金糸雀「え……何何? もしかして英検の神様が……」
水銀燈「馬鹿……あれよぉ」
95: 2008/10/18(土) 03:49:42.68 ID:fFD6U3kx0
蒼星石「大丈夫か!?」
翠星石「来てやったですぅ!」
水銀燈「ふぅん……」
蒼星石「(驚かないところを見ると、僕達の事も気づいていたのか)」
薔薇水晶「……また湧いて…………始末しないと……」
蒼星石「僕が行く!」
ダダッ!
蒼星石「うおお!」
薔薇水晶「はぁっ!」
蒼星石「(間合いの詰めが巧い!)」
ビシュッ!
薔薇水晶「ちっ……かすっただけ……」
蒼星石「っ!」
金糸雀「(こ、ここはカナが一発いいとこ見せるかしら!)」
翠星石「来てやったですぅ!」
水銀燈「ふぅん……」
蒼星石「(驚かないところを見ると、僕達の事も気づいていたのか)」
薔薇水晶「……また湧いて…………始末しないと……」
蒼星石「僕が行く!」
ダダッ!
蒼星石「うおお!」
薔薇水晶「はぁっ!」
蒼星石「(間合いの詰めが巧い!)」
ビシュッ!
薔薇水晶「ちっ……かすっただけ……」
蒼星石「っ!」
金糸雀「(こ、ここはカナが一発いいとこ見せるかしら!)」
98: 2008/10/18(土) 03:57:53.82 ID:fFD6U3kx0
金糸雀「薔薇水晶かくごー!」
ガシィッ!
薔薇水晶「くっ! 離して!」
金糸雀「早く! 何とかするかしら!」
水銀燈「ふぅ……仕方ない」
ツカツカツカ……
水銀燈「薔薇水晶、このナイフは取り上げね」
スッ
薔薇水晶「あっ……返せ!」
水銀燈「やぁよ。こんなものに頼るからいけないの、っよ!」
パシィィンッ!
薔薇水晶「……っ!」
翠星石「ビ、ビンタ……」
パシィィンッ!
薔薇水晶「っ!」
ガシィッ!
薔薇水晶「くっ! 離して!」
金糸雀「早く! 何とかするかしら!」
水銀燈「ふぅ……仕方ない」
ツカツカツカ……
水銀燈「薔薇水晶、このナイフは取り上げね」
スッ
薔薇水晶「あっ……返せ!」
水銀燈「やぁよ。こんなものに頼るからいけないの、っよ!」
パシィィンッ!
薔薇水晶「……っ!」
翠星石「ビ、ビンタ……」
パシィィンッ!
薔薇水晶「っ!」
100: 2008/10/18(土) 04:06:33.26 ID:fFD6U3kx0
パシィィンッ! パシィィンッ! パシィィンッ!
薔薇水晶「う……つっ……」
水銀燈「ごめんなさい、と言いなさい」
薔薇水晶「誰が……」
パシィィンッ! パシィィンッ!
水銀燈「ごめんなさい、は?」
薔薇水晶「……」
水銀燈「貴女、人に怒られた事無いでしょ。優秀そうだもの」
水銀燈「悪い事したらねぇ、叩かれて謝るものよっ!」
パシィィンッ! パシィィンッ! パシィィンッ! パシィィンッ!
水銀燈「謝れ」
パシィィンッ!
水銀燈「謝りなさいっ!」
薔薇水晶「ごめ……なさい……」
水銀燈「声が小さいっ!」
薔薇水晶「ごめ……ヒグ……ゥ…グス……ごめん……」
水銀燈「ちゃんと言いなさい。怒らないから」
薔薇水晶「ごめ……ごめんなさい…グスッ…ごめんなざあぁぁい!」
翠星石「(怖えーですぅ……肝っ玉母さんですぅ)」
薔薇水晶「う……つっ……」
水銀燈「ごめんなさい、と言いなさい」
薔薇水晶「誰が……」
パシィィンッ! パシィィンッ!
水銀燈「ごめんなさい、は?」
薔薇水晶「……」
水銀燈「貴女、人に怒られた事無いでしょ。優秀そうだもの」
水銀燈「悪い事したらねぇ、叩かれて謝るものよっ!」
パシィィンッ! パシィィンッ! パシィィンッ! パシィィンッ!
水銀燈「謝れ」
パシィィンッ!
水銀燈「謝りなさいっ!」
薔薇水晶「ごめ……なさい……」
水銀燈「声が小さいっ!」
薔薇水晶「ごめ……ヒグ……ゥ…グス……ごめん……」
水銀燈「ちゃんと言いなさい。怒らないから」
薔薇水晶「ごめ……ごめんなさい…グスッ…ごめんなざあぁぁい!」
翠星石「(怖えーですぅ……肝っ玉母さんですぅ)」
101: 2008/10/18(土) 04:15:52.83 ID:fFD6U3kx0
薔薇水晶「グス……うっ…く…グズ……」
水銀燈「いつまでもグズグズ泣かないの」
金糸雀「(ビンタは相手の心を折る攻撃だとは思ってたけど……ここまでとは予想外かしら……)」
蒼星石「水銀と……水銀燈さん。薔薇水晶は僕達で何とかします」
水銀燈「そう? じゃ、よろしく頼むわね。金糸雀、行くわよ」
金糸雀「お、置いていっちゃ嫌かしらー!」
蒼星石「行ってしまった……」
翠星石「強烈でしたねぇ……」
薔薇水晶「……グス……ヒクッ……」
翠星石「あーもー! 泣くくらいなら初めからやるんじゃねーです!」
薔薇水晶「だって……始末…グス…したら……会社のためになると思って……ヒック……」
蒼星石「どうも独断だったみたいだね」
翠星石「ま、話は後でゆっくり聞いてやるですから、とっととついてくるですよ」
蒼星石「さ、行こうか」
水銀燈「いつまでもグズグズ泣かないの」
金糸雀「(ビンタは相手の心を折る攻撃だとは思ってたけど……ここまでとは予想外かしら……)」
蒼星石「水銀と……水銀燈さん。薔薇水晶は僕達で何とかします」
水銀燈「そう? じゃ、よろしく頼むわね。金糸雀、行くわよ」
金糸雀「お、置いていっちゃ嫌かしらー!」
蒼星石「行ってしまった……」
翠星石「強烈でしたねぇ……」
薔薇水晶「……グス……ヒクッ……」
翠星石「あーもー! 泣くくらいなら初めからやるんじゃねーです!」
薔薇水晶「だって……始末…グス…したら……会社のためになると思って……ヒック……」
蒼星石「どうも独断だったみたいだね」
翠星石「ま、話は後でゆっくり聞いてやるですから、とっととついてくるですよ」
蒼星石「さ、行こうか」
102: 2008/10/18(土) 04:32:00.23 ID:fFD6U3kx0
こうして、今回のスパイ騒動は解決したわ。
翠星石と蒼星石から事の結果を聞いたときは、思わず声を上げてしまったのはいい思い出ね。
薔薇水晶もいい子だったからいなくなるのは寂しいけれど、これは仕方の無い事だと思うわ。
一人減ってしまったけれど、これからまた皆で力を合わせて頑張りたいものね。
真紅
――事件から二日後
雛苺「ういー……今日は祝日なのに仕事なんておかしいのー……」
雪華綺晶「仕方ないですよ。お仕事が残っているんですから」
雛苺「第一、雪華綺晶とヒナと水銀燈さん以外が休みなのはおかしいの!」
雪華綺晶「休んだ人の分の仕事が私たちに回ってきてますからね」
雛苺「もー! どうして水銀燈さんは皆にお休みさせたのよ! ずるいの!」
雪華綺晶「まぁまぁ……あ、私何か飲み物でも買ってきます」
タタタ……
雛苺「(雪華綺晶は本当にいい子なの……)」
翠星石と蒼星石から事の結果を聞いたときは、思わず声を上げてしまったのはいい思い出ね。
薔薇水晶もいい子だったからいなくなるのは寂しいけれど、これは仕方の無い事だと思うわ。
一人減ってしまったけれど、これからまた皆で力を合わせて頑張りたいものね。
真紅
――事件から二日後
雛苺「ういー……今日は祝日なのに仕事なんておかしいのー……」
雪華綺晶「仕方ないですよ。お仕事が残っているんですから」
雛苺「第一、雪華綺晶とヒナと水銀燈さん以外が休みなのはおかしいの!」
雪華綺晶「休んだ人の分の仕事が私たちに回ってきてますからね」
雛苺「もー! どうして水銀燈さんは皆にお休みさせたのよ! ずるいの!」
雪華綺晶「まぁまぁ……あ、私何か飲み物でも買ってきます」
タタタ……
雛苺「(雪華綺晶は本当にいい子なの……)」
106: 2008/10/18(土) 04:41:26.10 ID:fFD6U3kx0
ガコンッガコンッ
雪華綺晶「(適当に買ったけど……何がいいか訊いておけばよかった)」
雪華綺晶「さて、もう少し頑張って……」
プルルルル……プルルルル……
雪華綺晶「(……)」
雪華綺晶「(適当に買ったけど……何がいいか訊いておけばよかった)」
雪華綺晶「さて、もう少し頑張って……」
プルルルル……プルルルル……
雪華綺晶「(……)」
109: 2008/10/18(土) 04:59:17.49 ID:fFD6U3kx0
ピッ
???「……周りに誰かいるかね」
雪華綺晶「いえ、今日は祝日ですから。ほぼ無人です」
???「……今回は残念だったな。君の名前に傷がついた」
雪華綺晶「……いえ。結果的に作戦は成功しました」
???「まぁな。まさか彼女も、自分が利用されていたとは気づくまい」
雪華綺晶「彼女のお陰で随分と動きやすくなるでしょうね」
???「彼女は囮だよ。最初から期待などしていない。彼女がなんと呼ばれていたか知らないのか?」
雪華綺晶「存じ上げません」
???「Fool。『愚か者』という意味だ」
雪華綺晶「……それは滑稽ですね」
???「彼女はいい道化だった。利用される以外に価値は無い」
雪華綺晶「……成る程」
???「これから君には色々と動いてもらう。期待しているぞ、白薔薇」
雪華綺晶「はい……」
???「それじゃあな」
プツッ ツーツー……
雪華綺晶「(さて、戻るとするか……)」
???「……周りに誰かいるかね」
雪華綺晶「いえ、今日は祝日ですから。ほぼ無人です」
???「……今回は残念だったな。君の名前に傷がついた」
雪華綺晶「……いえ。結果的に作戦は成功しました」
???「まぁな。まさか彼女も、自分が利用されていたとは気づくまい」
雪華綺晶「彼女のお陰で随分と動きやすくなるでしょうね」
???「彼女は囮だよ。最初から期待などしていない。彼女がなんと呼ばれていたか知らないのか?」
雪華綺晶「存じ上げません」
???「Fool。『愚か者』という意味だ」
雪華綺晶「……それは滑稽ですね」
???「彼女はいい道化だった。利用される以外に価値は無い」
雪華綺晶「……成る程」
???「これから君には色々と動いてもらう。期待しているぞ、白薔薇」
雪華綺晶「はい……」
???「それじゃあな」
プツッ ツーツー……
雪華綺晶「(さて、戻るとするか……)」
110: 2008/10/18(土) 05:05:33.72 ID:fFD6U3kx0
水銀燈「あれぇ? 雪華綺晶じゃないのぉ」
雪華綺晶「あ、水銀燈さん」
水銀燈「どうしたのこんなところで」
雪華綺晶「あ……ちょっと飲み物を買いに」
水銀燈「そう……悪いわねぇ今日は。祝日なのに呼び出しちゃって」
雪華綺晶「いえ、気になさらないでください」
水銀燈「それは雛苺の分?」
雪華綺晶「そうです。あっ……水銀燈さん、一本どうぞ」
水銀燈「それは貴女のでしょう? 変な気は遣わなくていいの」
雪華綺晶「すいません……」
水銀燈「相変わらず律儀ねぇ」
雪華綺晶「それじゃあ、失礼します」
雪華綺晶「あ、水銀燈さん」
水銀燈「どうしたのこんなところで」
雪華綺晶「あ……ちょっと飲み物を買いに」
水銀燈「そう……悪いわねぇ今日は。祝日なのに呼び出しちゃって」
雪華綺晶「いえ、気になさらないでください」
水銀燈「それは雛苺の分?」
雪華綺晶「そうです。あっ……水銀燈さん、一本どうぞ」
水銀燈「それは貴女のでしょう? 変な気は遣わなくていいの」
雪華綺晶「すいません……」
水銀燈「相変わらず律儀ねぇ」
雪華綺晶「それじゃあ、失礼します」
114: 2008/10/18(土) 05:15:49.98 ID:fFD6U3kx0
ツカツカ……
水銀燈「あ、ちょっと待って雪華綺晶。そのまま。振り向かなくていいから」
雪華綺晶「? どうかしましたか?」
水銀燈「ねぇ、貴女さっき電話してたわよね? あれ誰だったの?」
雪華綺晶「……友人です。今日は仕事だと伝えておいたはずなのですが……」
水銀燈「なぁんだ、そうだったのぉ? 何か真剣な顔で話してたから気になっちゃって」
雪華綺晶「仕事中にすみません」
水銀燈「いいのよぉ別に。相手からかかってきたんでしょ? 悪いのは相手の子よぉ」
雪華綺晶「今度から気をつける様に言っておきます」
水銀燈「お願いね」
雪華綺晶「……では、失礼します」
水銀燈「あ、待って待って。最後に一つ」
雪華綺晶「まだ何か?」
水銀燈「その子に伝えておいてくれない?」
雪華綺晶「何をですか」
水銀燈「ネズミの世話くらいちゃんとしておきなさい、と」
雪華綺晶「…………失礼します」
カツカツカツ……
水銀燈「あ、ちょっと待って雪華綺晶。そのまま。振り向かなくていいから」
雪華綺晶「? どうかしましたか?」
水銀燈「ねぇ、貴女さっき電話してたわよね? あれ誰だったの?」
雪華綺晶「……友人です。今日は仕事だと伝えておいたはずなのですが……」
水銀燈「なぁんだ、そうだったのぉ? 何か真剣な顔で話してたから気になっちゃって」
雪華綺晶「仕事中にすみません」
水銀燈「いいのよぉ別に。相手からかかってきたんでしょ? 悪いのは相手の子よぉ」
雪華綺晶「今度から気をつける様に言っておきます」
水銀燈「お願いね」
雪華綺晶「……では、失礼します」
水銀燈「あ、待って待って。最後に一つ」
雪華綺晶「まだ何か?」
水銀燈「その子に伝えておいてくれない?」
雪華綺晶「何をですか」
水銀燈「ネズミの世話くらいちゃんとしておきなさい、と」
雪華綺晶「…………失礼します」
カツカツカツ……
115: 2008/10/18(土) 05:22:49.14 ID:fFD6U3kx0
ガチャ
雛苺「あ、雪華綺晶お帰りなのー。遅かったのね」
雪華綺晶「ええ。少しトラブルに会いましたから」
雛苺「トラブル?」
雪華綺晶「大した事ではありませんでしたから、大丈夫です。雛苺さん、これ」
雛苺「ありがとなのー! よくヒナのすきなやつが分かったね」
雪華綺晶「気に入ってもらえてよかったです。さ、もう少しで終わりますから頑張りましょう」
雛苺「はいなの!」
雪華綺晶「(私は……泳がされていたのか? ……ずっと…………)」
雪華綺晶「(この……)」
ベシッベキベキッ! ブシュウゥ……
雪華綺晶「(顔に塗られた泥は……いつかそっくりそのまま返してやる…………水銀燈っ……)」
雛苺「(スチール缶握りつぶしたの……雪華綺晶ってば大胆なのね)」
雛苺「あ、雪華綺晶お帰りなのー。遅かったのね」
雪華綺晶「ええ。少しトラブルに会いましたから」
雛苺「トラブル?」
雪華綺晶「大した事ではありませんでしたから、大丈夫です。雛苺さん、これ」
雛苺「ありがとなのー! よくヒナのすきなやつが分かったね」
雪華綺晶「気に入ってもらえてよかったです。さ、もう少しで終わりますから頑張りましょう」
雛苺「はいなの!」
雪華綺晶「(私は……泳がされていたのか? ……ずっと…………)」
雪華綺晶「(この……)」
ベシッベキベキッ! ブシュウゥ……
雪華綺晶「(顔に塗られた泥は……いつかそっくりそのまま返してやる…………水銀燈っ……)」
雛苺「(スチール缶握りつぶしたの……雪華綺晶ってば大胆なのね)」
116: 2008/10/18(土) 05:28:39.23 ID:fFD6U3kx0
ガコン ウィィィン……
真紅「はぁ……今日はなんて素晴らしい日なの……」
真紅「一日中ビデオを観ていられるなんて……しかも昼間からビール……」
グビグビ……
真紅「ぷはぁ! グッとくるわ!」
真紅「さて、もう一回観よう」
他の人からみたら貧乏くさいかもしれないわね。
でもいいのよ。会社だって楽しいし、一時は問題も起こったけど今は何も無い、はずよ。
こんな暮らしだけれど……
これも華のOL生活よね。
終わり
真紅「はぁ……今日はなんて素晴らしい日なの……」
真紅「一日中ビデオを観ていられるなんて……しかも昼間からビール……」
グビグビ……
真紅「ぷはぁ! グッとくるわ!」
真紅「さて、もう一回観よう」
他の人からみたら貧乏くさいかもしれないわね。
でもいいのよ。会社だって楽しいし、一時は問題も起こったけど今は何も無い、はずよ。
こんな暮らしだけれど……
これも華のOL生活よね。
終わり
117: 2008/10/18(土) 05:42:02.23 ID:NSt3bqtIO
乙!次回作の予定は?
118: 2008/10/18(土) 05:43:13.03 ID:fFD6U3kx0
>>117
何も考えてないなぁ
何も考えてないなぁ
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります