1: 2013/06/23(日) 09:59:32 ID:p1rvv0.w
「…目覚めたか…自分が誰か分かるか?」

「うん、勇者」

「では私はどうだ?」

勇者「パパ、肩書きで言うなら国王陛下」

国王「お前の使命は?」

勇者「魔王を頃すこと」

「最低限のプログラムは正しく組み込まれているようですね」

国王「そうだな、大臣」

大臣「陛下、そろそろ出発させるべきかと…検査も碌に行っていない分不安はありますが、それ以上に時間が…」

国王「分かっている。では勇者よ、お前の使命を果たしてくるのだ…!」

勇者「うん、行ってきます」

2: 2013/06/23(日) 10:00:08 ID:p1rvv0.w
城下町の門付近

勇者「君たち何か用?」

「お前、勇者か?」

勇者「うん、勇者だよ」

「この人で間違いないようですね…」

勇者「用がないならどいてくれない?これから魔王頃しに行くから」

「その件で君を待ってたんだよ」

「そういうこった。端的に言うと、魔王討伐の仲間ってとこだ」

勇者「そうなんだ、仲間がいるなんて初めて知ったよ」

3: 2013/06/23(日) 10:00:50 ID:p1rvv0.w
「ちっ!こんな奴に頼らなきゃいけねえのかよ…!」

勇者「行けって言われただけで頼られてはないよ」

「まあまあ、これから一緒に旅するんだし仲良くしよ?あたし、魔法使い。よろしくね」

「私は僧侶です。宜しくお願いします。ほら、あなたも」

「っせえな…戦士だ」

勇者「よろしく、じゃあ行こうか」

4: 2013/06/23(日) 10:01:32 ID:p1rvv0.w
街道

戦士「気をつけろ!向こうから魔物が来てるぜ!」

僧侶「聞こえなかったんですか!?魔物が出たんですよ!」

勇者「聞こえてるよ、でもパパからは魔王を殺せって言われただけで、魔物を殺せとは言われてないよ?」

戦士「あほかてめえ!向こうから襲ってくるから迎撃するっつってんだよ!!」

勇者「そうなんだ、でもまだ襲われてないよ?」

戦士「てめえは黙ってろ!埒が明かねえ!!敵は!?」

魔法使い「西南西から毒蛇7、北北西からハイエナウルフ4!」

戦士「俺と僧侶でハイエナをやる!そっちは任せた!」

魔法使い「は~い」

僧侶「…来ます!」

勇者「どうすればいい?」

魔法使い「こっちで毒蛇倒すの手伝って」

勇者「うん」

5: 2013/06/23(日) 10:02:13 ID:p1rvv0.w
僧侶「こちらは片付きました」

魔法使い「こっちもあとちょっと」

勇者「えい、やあ」

戦士「…一振りごとに3匹ずつか…さすがは化物だ」

魔法使い「もう、そういうことばっか言わないの!いい?」

戦士「っせえな…俺の勝手だろうが」

勇者「魔物も倒したし、出発しよう」

6: 2013/06/23(日) 10:03:01 ID:p1rvv0.w
戦士「おい待て、行き先はそっちじゃねえぞ」

勇者「魔界は、魔王がいるのは西の方角だよ、こっちで合ってると思うけど」

僧侶「その前に、北西にある魔王軍の砦に向かいます」

魔法使い「そこから来る魔物のせいで、隣国が壊滅寸前らしいからね」

戦士「土の四天王が守ってるらしい、それで攻め切れねえから俺らが砦攻めを命じられたんだよ」

勇者「命令があったんだ、じゃあ行くよ」

7: 2013/06/23(日) 11:35:18 ID:p1rvv0.w
6日後

魔王軍の砦

戦士「有象無象を蹴散らして辿り着いたが、ここが土の四天王の部屋か?」

土「いかにも」

僧侶「大きな蠍の魔物!」

魔法使い「大きさは、あたしたちと同じくらいだね」

勇者「あれが土の四天王なんだ」

土「私は、魔王軍国境警備隊隊長…土の四天王と言うのは貴様らがそう呼んでいるに過ぎん」

戦士「どうでもいいぜ、これから氏ぬ奴の役職名なんてな!」

警備隊長「塵から生まれし者共よ、塵に還るがいい…!」

8: 2013/06/23(日) 11:36:26 ID:p1rvv0.w
僧侶「くっ!なんて馬鹿力ですか…!」

戦士「剣が通らねえほど硬えし!」

魔法使い「尻尾から毒まで飛ばしてくるね、また壁が砂になった」

戦士「んな馬鹿げた相手だってのに…」

警備隊長「お前は魔物ではない……何故これほどの力を…!何者なんだお前は!」

戦士「何で単独で圧倒してんだよ!」

勇者「人工生命らしいよ、対魔王戦を想定した」

9: 2013/06/23(日) 11:37:06 ID:p1rvv0.w
警備隊長「ぬおおお…」

勇者「じゃあね、ばいばい」

警備隊長「」

魔法使い「ほとんど一人で倒したようなもんだね」

勇者「指令をこなしたから、改めて西を目指そう」

僧侶「待って下さい、隣国への報告が先です」

戦士「こいつの言う通りだ!報告まで含めて任務ってことくらい常識だろうがっ!!」

勇者「まだ任務は終わってなかったんだ、分かった、報告に行く」

10: 2013/06/23(日) 11:37:47 ID:p1rvv0.w
隣国首都の宿屋

戦士「謁見は明日だ、今日はもう遅いし寝るぞ」

魔法使い「は~い。あ、部屋割りどうする?」

僧侶「男女別に決まっているでしょう、行きますよ」

魔法使い「はいはい、つまんないの~」

勇者「じゃあこっちはこの部屋だね」

戦士「…ちっ」

11: 2013/06/23(日) 11:38:45 ID:p1rvv0.w
部屋

勇者「お休み」

戦士「待てよ」

勇者「どうかした?」

戦士「俺はよ、これでも国で一番の剣の使い手って謳われてんだよ…」

勇者「そうなんだ」

戦士「そうだ、勇者候補の中では飛び抜けた実力者なんだよ…!それがなんだって…」

戦士「てめえみてえなぽっと出の、しかも人間ですらねえ奴に!魔物同然の奴にいいとこ持ってかれなきゃいけねえんだよ!!」

勇者「いいとこ取ってるつもりはないよ、言われた通り使命を果たそうとしてるだけなんだ」

戦士「一々とぼけやがって!そういうとこも気に食わねえんだよ!」

勇者「そっか、仕方ないね」

12: 2013/06/23(日) 11:40:05 ID:p1rvv0.w
戦士「…はっきり言ってやろう…誰もお前なんか信用しちゃいないんだよ…!命令した国王さえもな!!」

勇者「へえ、パパもなんだ」

戦士「ああ、俺らはお前の仲間として集められたんじゃねえ……監視役なんだよ!!」

勇者「監視だったんだ」

戦士「てめえがちゃんと魔王を倒すよう、人間に危害を加えねえよう、逐一監視報告するために、同行してんだよ!」

戦士「勇者の最有力候補だった、この俺がな!!」

勇者「明日の謁見はその報告も兼ねてるんだね」

戦士「ああそうだ!そこで悪事をでっち上げて即刻処刑させたいくらい、てめえがむかつく!!」

勇者「でっち上げるんだ」

戦士「だが、今日の戦いを見る限りそうも行かなくなった」

戦士「この先、魔王を含む強大な魔物とやる上で、てめえの力は欠かせねえ」

戦士「てめえを憎みながらもてめえの力を頼らざるを得ない…そんな俺の気持ちが分かるか?」

戦士「分からねえからそうやってすっとぼけた面してんだろうな…!ちっ!無駄に睡眠時間削っちまったぜ…!」

勇者「寝るの?改めてお休み」

13: 2013/06/23(日) 12:34:44 ID:p1rvv0.w
10日後

魔王軍幹部の城

僧侶「ここに火の四天王がいるとのことですが、どうやらあのドラゴンのようですね」

魔法使い「かもね、どうせ聞こえてるから確かめてみよっか」

火「貴様ら人間の言う火の四天王は確かに俺のことだ、魔王軍実行部隊総司令官、元帥たる俺のな」

勇者「四天王最強って話だったけど、また正確には四天王じゃないんだ」

戦士「ドラゴンだろうが元帥だろうが関係ねえ…ぶっ頃すだけだ!」

元帥「威勢だけはいいなあ、ほれ、とっととかかって来い」

戦士「言われるまでもねえ!」

14: 2013/06/23(日) 12:35:31 ID:p1rvv0.w
元帥「ま、大口叩く輩は大体こんなもんか」

戦士「…うおあ…」

僧侶「」

戦士「勇者が…投石で封じられてんじゃねえよ…」

勇者「いや、魔物の直接攻撃や魔法ならあんまり効かないけど、こればっかりは無理だよ」

元帥「警備隊長がやられた時点で、勇者については良く調べさせてもらった」

元帥「退魔の力を持つため、魔物や魔法に対して強い抵抗力を持ち、それを武器に伝わせ攻撃力にも転化している」

元帥「だが肉体そのものの強度は並みの兵士程度」

勇者「詳しいね、全部当たりだよ」

戦士「…だから…監視が最小限だったのか…」

元帥「なら簡単な話、魔力を使わず触れず、かつ人間の体で受けられないレベルの力で攻めりゃいい」

勇者「それで投石なんだ、上手いな」

戦士「…ここ最近、魔物の襲撃が多かったのは…情報収集のためだったのか」

戦士「なら…何とかしろ……魔法使い…」

魔法使い「え~?何とかって言われてもなあ…」

15: 2013/06/23(日) 12:36:27 ID:p1rvv0.w
元帥「…茶番はもう宜しいかと存じます、姫君」

戦士「…何を言ってる…?」

魔法使い「やだなあ、皇女より元帥の方が位は上なんだから、かしこまらなくていいのに」

戦士「なっ…!魔物…だったのか…?」

元帥「このお方は、現魔王陛下のご息女。貴様が気安く話しかけていい存在じゃねえんだよ」

勇者「魔王の娘だったんだ、気付かなかったよ」

戦士「今まで、俺たちを騙してたってのか…!このくそおん…!」

元帥「図に乗るな氏に損ない!いや、もう氏体か」

戦士「」

16: 2013/06/23(日) 12:37:24 ID:p1rvv0.w
元帥「冥土の土産に教えてやるけど、姫君は陛下とサキュバスの子で、魔界の要人で実力者でもある」

魔法使い「半サキュバスってところだね」

勇者「そっか、皇女が敵国で活動するなんて、面白いね」

元帥「そいつは本人希望だがな、もういいだろ、姫、こやつを消して本国へ戻りましょう」

半淫魔「そのことなんだけど、もう暫く旅していい?」

元帥「ご冗談を…陛下が心配されます、すぐにでも帰りましょう」

半淫魔「だよね~、そうなるよね、ごめんね」

元帥「ごふっ!!ひ、姫…何を…」

半淫魔「先手必勝。実力行使されないうちに、実力行使しちゃいました~」

17: 2013/06/23(日) 12:38:05 ID:p1rvv0.w
勇者「大きな氷柱が背中に刺さってる、上級魔法だね」

元帥「ぐう…わ、私が認めたとしても、勇者は…人間でないあなたと旅など…」

半淫魔「魔王城まで一緒に行こ?」

勇者「うんいいよ」

元帥「ば、馬鹿な…!」

半淫魔「じゃ、勇者君、後よろしく」

勇者「分かった、せえの!」

元帥「」

半淫魔「お疲れ様、それじゃ、行こっか?」

勇者「うん」

18: 2013/06/23(日) 12:39:19 ID:p1rvv0.w
半淫魔「仲間が氏んじゃったけど、大丈夫?寂しくない?」

勇者「うん大丈夫、何ともないよ」

半淫魔「そっか、何かそう言うと思った」

勇者「襲ってきた魔物は全部倒してたのに、元帥はどうやってこっちのこと知ってたのかな?」

半淫魔「ああ、あたしが報告してたんだ」

勇者「そうなんだ、でもずっと一緒にいたのにどうやって?」

半淫魔「あたしさ、お母さんがサキュバスでね、人の夢に出られるんだ」

半淫魔「あたしはまだ未熟だから、一度寝た相手の夢にしか出られないけど、それで報告してたんだ」

勇者「夢ならどこにいても報告できるね、それに、一緒に旅した皆の夢にも出られるんだよね?」

半淫魔「それは無理かな、勇者君とは寝れないし、二人は氏んでるし」

勇者「え?野宿の度に皆で雑魚寝したけど」

半淫魔「…その方面の知識はインプットされてないんだ」

勇者「どの方面?」

半淫魔「何でもないよ」

勇者「そっか、何でもないんだ」

21: 2013/06/23(日) 20:07:40 ID:p1rvv0.w
20日後

魔王城

半淫魔「ただいま~」

「姫、よくぞご無事…そいつから離れて下さい!」

「くそ!勇者に姫様を捕らわれるなど親衛隊の名折れだ!」

勇者「知ってる魔物?」

半淫魔「そうそ、側近さんに親衛隊長さん。君たち人間の言う水の四天王と風の四天王だよ」

親衛隊長「おい側近!即刻陛下に報告しろ!国境警備部隊の二の舞にならん内に!」

側近「承知した!貴殿も無理はするな、元帥までも倒した相手ぞ!」

勇者「何か大変な騒ぎになっちゃったね」

半淫魔「そりゃ皇女と宿敵が連れ立って城に入ったらこうなるよ」

22: 2013/06/23(日) 20:09:12 ID:p1rvv0.w
勇者「また誰か出てきた」

「娘が帰ってきたというのは本当だったんだな、そして宿敵も…」

親衛隊長「陛下!?ここは危のうございます、お下がり下さい!おい側近!陛下を招いてどうする!!」

側近「止められなんだ!しかし勇者め、まだ生きていたか…消え失せろ!」

勇者「娘?陛下?ってことはこの人が…」

半淫魔「そゆこと。あたしのお父さんでこの魔の国の長、魔王だよ」

勇者「そうなんだ、じゃあ殺さないと」

側近「やはり陛下のお命を…!」

親衛隊長「刺し違えてでもこの場で…!!」

魔王「待て!下手に刺激するな!この場は任せてもらう」

側近・親衛隊長「「しかし…!」」

23: 2013/06/23(日) 20:10:17 ID:p1rvv0.w
半淫魔「お父さんも考えがあって言ってるみたいだし、任せてみたら?」

魔王「さて、勇者、君は私を頃すことが使命だとされているが…」

勇者「うん、だから頃すね」

親衛隊長「させるか…!」

魔王「即刻抹頃するように言われたのかな?」

勇者「殺せとしか言われてないよ、確かに急げとも言われてないね」

魔王「なら、急ぐこともあるまい。娘も思うところがあって君を連れてきたのだろうし、暫く一緒に暮らさないか?」

側近・親衛隊長「「陛下!?何を馬鹿な…!」」

勇者「うんいいよ」

半淫魔「あはは、お父さんも勇者君もぶっ飛んでるね」

24: 2013/06/23(日) 20:11:26 ID:p1rvv0.w
食堂

魔王「二人とも、ここまで来るのに疲れたろうから、まずは食事にしようか」

半淫魔「はーい、ってこのやり取りも久しぶりだな」

勇者「久々の帰省なのかな?」

魔王「彼是5年ぶりになるな」

半淫魔「人間界の潜入調査するのに、頻繁に帰ってたら魔族だってばれちゃうからね、報告も夢でできるし」

魔王「分かっているんだが、親としては顔を見せて欲しいと…と、できたようだから、後は食べながらにしようか」

勇者・半淫魔「「いただきます」」

26: 2013/06/23(日) 20:13:21 ID:p1rvv0.w
応接間

半淫魔「7」

魔王「ダウト」

半淫魔「相変わらず読みが鋭いな~、また当てられちゃった」

魔王「お前は分かってないかも知れないが、笑い方に差が出てるんだぞ?8」

勇者「最後の1枚だし、ダウト」

魔王「残念だが、この通り、ハートの8だ」

勇者「負けちゃった、7並べもばば抜きもだけど、魔王って強いんだね」

半淫魔「そういう君だって、神経衰弱はほとんど一人で取っちゃったでしょ」

魔王「確かに…君は心理戦には不慣れだが、記憶力はいいようだね」

勇者「そうかな?」

半淫魔「きっとそうだよ」

27: 2013/06/23(日) 20:15:53 ID:p1rvv0.w
来客用寝室

魔王「来て早々振り回して済まない、疲れたろうから、今日はゆっくり休んでくれ」

勇者「うん、じゃあお休み」

魔王「…なあ、今日は…楽しかったかい?」

勇者「楽しいってどんな感じ?」

魔王「…そうだな……ずっとこのままでいたい…こうしていたい、この状態が終わる時が来なければいいとすら感じること…」

魔王「そんなところか…楽しいという感覚は」

勇者「じゃあ、楽しかったよ」

魔王「それは良かった。では改めて、お休み」

勇者「お休み」

29: 2013/06/23(日) 20:16:58 ID:p1rvv0.w
翌日

魔王「この朝日はここ、魔王城のこの部屋からしか見えないんだ、どうだい?」

勇者「へえ、すごく眩しいね」

30: 2013/06/23(日) 20:17:31 ID:p1rvv0.w
2日後

半淫魔「こっちこっち、ここが厨房だよ。ここで作られたものを、そこの食堂まで運んで食べてたってわけ」

勇者「そうなんだ」

31: 2013/06/23(日) 20:18:03 ID:p1rvv0.w
3日後

勇者「魔王城にこんな庭園があるなんてね」

魔王「行政府とは言っても、迎賓館も兼ねているからね。それ相応には飾ってあるさ」

32: 2013/06/23(日) 20:18:33 ID:p1rvv0.w
4日後

勇者・半淫魔「「いただきまーす」」

魔王「いただきます」

側近「…召し上がれ…」

33: 2013/06/23(日) 20:26:24 ID:p1rvv0.w
数日後

執務室

魔王「この辺でやめておくか…ん?どうぞ」

勇者「どうも」

魔王「ああ、君か。どうした?こんな夜遅くに」

勇者「使命を果たそうと思って」

魔王「ぐふっ…!!」

34: 2013/06/23(日) 20:27:10 ID:p1rvv0.w
魔王「…こうなること…は、分かって…いた……が、予想より遅く…気が…緩んでしまった…か…」

勇者「そっか、分かってはいたんだ」

魔王「…最後に、聞きたい……半淫魔のことは、好きか…?」

勇者「うん、好きだよ」

魔王「なら…頼む……娘を守って、くれ……娘の、命を脅かす…全て…から…」

勇者「うん分かった」

魔王「…頼んだ…ぞ……」

魔王「」

35: 2013/06/23(日) 20:27:55 ID:p1rvv0.w
皇女の寝室

半淫魔「そっか、お父さんを…」

勇者「うん、頃しちゃった」

半淫魔「ところで、お父さん何か言ってた?」

勇者「いずれ殺されることは分かってたけど、予想より遅くて、気が緩んでたって」

半淫魔「確かに、馴れ合ってたもんね」

勇者「あと、君を守ってくれって、それで全部だよ」

半淫魔「そっか」

勇者「ごめんね」

半淫魔「ううん、仕方ないよ」

勇者「そうかな?」

半淫魔「うん、そうだよ」

勇者「じゃあ、仕方ないね」

半淫魔「うん、仕方ないよ」

36: 2013/06/23(日) 20:28:36 ID:p1rvv0.w
翌日

勇者「城から追放されちゃったね、二人とも」

半淫魔「処刑されなかっただけでも喜ばないと」

勇者「確かに、普通国家元首を頃したら、一族皆処刑でも不思議じゃないしね、どういうことなんだろ?」

半淫魔「さあ?それより、これからどうする?」

勇者「パパのところに帰ろうかな」

半淫魔「もう用済みだろうし、殺されちゃうよ?何で人間の国?」

勇者「戦士が言ってたよね?報告するまでが任務だって、だから」

半淫魔「分かった、じゃああたしも行く」

勇者「危ないよ?殺されちゃうんでしょ?」

半淫魔「一人じゃどこにいたって危ないからね、ならついていっても同じことだよ」

勇者「そっか、じゃあ行こっか」

半淫魔「ごーごー」

37: 2013/06/23(日) 20:29:06 ID:p1rvv0.w
1ヵ月後

勇者「もうそろそろ着くね」

半淫魔「そうだね、あ、報告はあたしに任せて、勇者君じゃ色々不安だから」

勇者「うん分かった、報告終わったら次の使命を言い渡されるのかな?」

半淫魔「氏ねって命令かもよ?そしたらどうする?」

勇者「逃げたり戦ったりかな?君も頃すようならね」

半淫魔「ちゃんと守ってくれるんだ、じゃあちょっと楽しみだな」

勇者「楽しみなんだ」

半淫魔「うん、楽しみ」

勇者「じゃあ楽しみだね」

半淫魔「そうだね」

終わり

38: 2013/06/24(月) 03:29:43 ID:qIvZFRhw
替え歌じゃなかったのか

引用: 君を殺すためそのために生まれてきたんだ