1: 2024/06/01(土) 21:00:49 ID:???00
瑠璃乃「めぐちゃん、めぐちゃんー!!!」ドタドタドタ

慈「あ、るりちゃん! って、どったの? そんなに慌てて……?」

瑠璃乃「あのね、ルリ、すごいこと分かっちゃったかもしれない!」

慈「すごいこと? 何それ?」

瑠璃乃「あのね……」


瑠璃乃「ルリのバッテリー、スマホの充電にも使えるんだよ!!」

慈「…………へ?」

2: 2024/06/01(土) 21:02:02 ID:???00
慈「いや、るりちゃん何言ってるの?」

瑠璃乃「本当だって! ルリ、スマホの充電に使えるんだよ!」

慈「いや、言ってる意味が……るりちゃんのバッテリーが? スマホを充電?」

瑠璃乃「あ、じゃあ今、実際にやってみるから見ててよ、めぐちゃん!」サッ

瑠璃乃「ルリがね、こうやってHDMI端子の方を口で咥えて……」パクッ

瑠璃乃「んんん! んーんんん!!(めぐちゃん! 充電してみて!!)」

慈「えぇー? 本当かなぁ……まぁ、一応やってみるけどさ……」

慈「えっと? スマホに反対側の端子を挿して、っと……」

ブルッ 🪫→🔋

慈「!? めぐちゃんのスマホの5%だったバッテリーが100%に!?」

3: 2024/06/01(土) 21:04:03 ID:???00
瑠璃乃「ね、ね! 言った通りだったっしょ!」

慈「え、すっごー……本当にスマホが充電されちゃうなんて」

瑠璃乃「うんうん! この力さ、絶対有効活用できると思……」フラッ

慈「!? るりちゃん!」ギュッ

瑠璃乃「う、うう……ありがと、めぐちゃん……」

慈「だ、大丈夫、るりちゃん? もしかして充電切れ?」

4: 2024/06/01(土) 21:06:05 ID:???00
瑠璃乃「ん……まだ大丈夫だけど、ルリのバッテリーは減ってる感あり……体感だと、スマホ充電一回で5%くらい削れてく……」

慈「あ、そっか、るりちゃんのバッテリーを使った充電だから、やる度にるりちゃんが消耗しちゃうのか……」

瑠璃乃「うん……でもルリね、思ったんだ」

瑠璃乃「この力を、みんなのために使えたらなぁ、って」

慈「みんなの、ために……?」

瑠璃乃「うんうん。だってこれって、ルリにしかできないことでしょ?」

慈「……まぁ確かに、スマホの充電ができる人間バッテリーなんて普通いないからねー」

慈(なぜか今、目の前に実在するわけだけど)

瑠璃乃「だからさ、この力を使えば、ルリにしかできないやり方で……みんなを笑顔にできるかもしれない」

5: 2024/06/01(土) 21:08:01 ID:???00
瑠璃乃「ルリはやっぱ、みんなに笑顔でいてほしいし、ルリができることなら、何でもしたいから」

瑠璃乃「……どう、かな、めぐちゃん。ルリ、やってみたいんだぁ」

慈「……ふふっ、やっぱり、るりちゃんは優しい子だね」ナデナデ

慈(……るりちゃんがやりたいことなら、私は何だって応援する。でも……)

慈「……るりちゃん。無理はしちゃダメだよ?」

瑠璃乃「それはもちろんだよ! ルリ、この力のこと少し考えてみるね」ニコッ

慈「……」

6: 2024/06/01(土) 21:10:02 ID:???00
────

慈(それから数日も経たないころ、ある日の放課後)

慈「──よし、今日の練習はこれでおしまい! お疲れ、二人とも!」

瑠璃乃「……」フー

姫芽「ふぇ……さすが、アタシの大好きなみらぱ、練習もハード……」ハァハァ

慈「姫芽ちゃん、動きも洗練されてきてて良かったよ! さすが、みらぱ期待の新星!」

姫芽「めぐちゃんせんぱい……ありがとうございます、アタシなんかが、みらぱの一員なんて本当に、ほんっとうに恐縮なんですけど……」アワアワ

慈「そんなことないって! 姫芽ちゃんが来てくれたことで、みらぱも新しい色が加わってさらに進化できた感じだし!」

慈「ね、るりちゃんもそう思うでしょ?」

瑠璃乃「…………」ボー

慈「……るりちゃん?」

7: 2024/06/01(土) 21:12:06 ID:???00
瑠璃乃「……はっ、えっと……なんだっけ、めぐちゃん?」

慈「……もしかしてるりちゃん、充電ピンチ?」

瑠璃乃「あ、えと…………うん、そうかも……」

慈「……」

姫芽「るりちゃんせんぱい、もう練習は終わったんですし、お部屋でお休みになっては?」

瑠璃乃「そうしよっかな……それじゃ、めぐちゃん、姫芽ちゃん、また明日──」

慈「待って、るりちゃん!」

8: 2024/06/01(土) 21:14:02 ID:???00
瑠璃乃「めぐちゃん? どうしたの?」

慈「ね、るりちゃん! 私も、るりちゃんのお部屋行ってもいい?」ギュッ

瑠璃乃「え? ……ルリ、充電切れてるし、特に何もしてあげられないけど……めぐちゃんがよければ……」

慈「それはもっちろん! それじゃ、姫芽ちゃんお先に……」

姫芽「はうわぁぁぁ……! めぐるりが自然に一緒の部屋にお帰りだなんて尊き言動を、まさかアタシが目の当たりにできるとは……もうわが人生、悔いなし……」ナムナム

慈「ひ、姫芽ちゃんが悶えてる……いや、人生もっと大事にしてね!?」

9: 2024/06/01(土) 21:16:05 ID:???00
────

瑠璃乃「……ん、入っていーよ」ガチャ

慈「おじゃまします……って間柄でもないか」

瑠璃乃「うぅ、とりあえずルリは充電……ベッド……」

慈「るーりちゃん、せっかくめぐちゃんがいるんだから……ね?」

瑠璃乃「……ん、ありがと、めぐちゃん」ギュッ

10: 2024/06/01(土) 21:18:03 ID:???00
瑠璃乃「めぐちゃん……」ギュー

慈「よーしよし、るりちゃん、今日もいっぱい頑張ったんだね。えらいぞー」ギュー

瑠璃乃「うん……やっぱりルリ、めぐちゃんがこうしてくれると安心する」

慈「そっか。るりちゃんが充電できてるなら、私も嬉しいな」

慈「……ねぇ、るりちゃん」

瑠璃乃「……? めぐちゃん?」

慈「あのさ、気のせいだったらごめんだけど」

慈「……今日、るりちゃんのバッテリー、誰かに分けてあげたりした?」

瑠璃乃「……!」

11: 2024/06/01(土) 21:20:03 ID:???00
慈「なんか、今日のるりちゃん、いつもより充電切れるのも早かったし、練習中もふわふわしてた気がして……」

慈(バッテリーがスマホの充電に使えるって知ったるりちゃんなら、人に分けてあげるなんて、やりそうなことだもん)

瑠璃乃「……はは、やっぱ、めぐちゃんには分かっちゃうかぁ」

瑠璃乃「本当、めぐちゃんはいつもルリのことを見てくれてるんだね」

慈「! るりちゃん……って、ことは……」

瑠璃乃「うん。今日、クラスの子でね、この後の部活で使うのにスマホの充電がピンチって子がいて、すごく困ってたのが分かって」

瑠璃乃「ルリ、その子を見たら居ても立っても居られなくて……ルリのバッテリーを分けてあげたんだ」

12: 2024/06/01(土) 21:22:03 ID:???00
慈「……だから、今日のるりちゃんは普段よりバッテリーが少なかったんだ」

瑠璃乃「うん、そうなんだ。……実はね、バッテリーを分けてあげた子に、ルリ、ものすごく感謝されちゃって」

瑠璃乃「ルリのおかげで部活もちゃんと活動できたって、さっき嬉しそうに連絡もくれたんだ」

瑠璃乃「ルリの力で、その子を笑顔にできたのが、ルリ、嬉しくて……つい、充電切れになるまで練習も頑張っちゃった」ハハ

慈「……そう、なんだ」

慈(……なんかイラつく。これじゃ、まるで)

慈(るりちゃん、自分自身のことは無視してるみたいじゃん)

13: 2024/06/01(土) 21:24:06 ID:???00
慈「──るりちゃん」ギュッ

慈(気づいたら、るりちゃんを抱きしめる力が強くなってた)

瑠璃乃「……!? め、めぐちゃん?」

慈「……こないだは、言おうか迷ってたんだけど……やっぱり、るりちゃんには言っておく」

慈「やっぱり私は……るりちゃんが傷ついてまで、他の人を笑顔になんてやり方は好きじゃない、というか賛成できないよ」

14: 2024/06/01(土) 21:26:03 ID:???00
慈(私は……苦しむるりちゃんを見たくない、けど多分、るりちゃんは……)

瑠璃乃「……ごめん、めぐちゃん。でもね」

瑠璃乃「ルリは、やりたいんだ。これはルリがしたくて、してることだから」

慈(……やっぱり、ね)

瑠璃乃「……前に通信量をみんなに分けてもらったこと、あったっしょ? あれとおんなじだよ」

瑠璃乃「ルリがバッテリーを分けることで、みんなを笑顔にできるのなら……ルリはそれがしたい」

15: 2024/06/01(土) 21:28:02 ID:???00
慈「……」

瑠璃乃「もちろん、めぐちゃんが前に言ったみたいに、無理だけはしない。でも、できる範囲でなら頑張りたい」

瑠璃乃「ルリは、そう思うんだ。……めぐちゃん、だから、ルリ……」

慈「……まぁ、そうだよね」ハァ

瑠璃乃「え?」

16: 2024/06/01(土) 21:30:04 ID:???00
慈「るりちゃんなら、無理にでもそうするだろうなぁって、私だって分かってたよ」

瑠璃乃「え、それじゃあ……」

慈「るりちゃんは一度決めたことは、絶対最後までやる子だもんね」

慈(そんなるりちゃんに……私も救われたんだ)

慈「私から言えることは、一つかな」

慈「……一人になろうとしないでね、るりちゃん。私だって、るりちゃんの手助けくらいできるんだから」

17: 2024/06/01(土) 21:32:03 ID:???00
瑠璃乃「……うん。約束するよ、めぐちゃん」

慈「絶対だよ? るりちゃんは自己犠牲の塊みたいな優しい子だからなぁ……心配だ……」

瑠璃乃「……いやそれは、むしろめぐちゃんの方っしょ、自己犠牲って! ゆのくに天祥さんのときとか、ルリ達を置いて一人で突っ走っちゃうし」

慈「……あ。そ、その節は……忘れていただけると……」

瑠璃乃「あははっ、大切な思い出だもん、絶対忘れないよ」

慈「もー、るりちゃんってばー!」フフッ

18: 2024/06/01(土) 21:34:04 ID:???00
────

瑠璃乃「んん……充電完了、ルリ復活!」ビシッ

慈「もうバッテリーは平気なの、るりちゃん?」

瑠璃乃「うん! バッテリー100%のルリだよ!」ブイッ

慈「ん、その様子なら大丈夫そうだね」

瑠璃乃「うんうん! これで明日からも、ルリの力でみんなを笑顔にできる!」

慈「……そうだね」

19: 2024/06/01(土) 21:36:01 ID:???00
慈「…………」ギュッ

瑠璃乃「……お? めぐちゃん、どしたの?」

慈「……私も、るりちゃんで充電する」ギュー

瑠璃乃「おおっ! どんとこいだよ、めぐちゃん! いくらでもルリに甘えてね!」

慈「…………ん」ナデナデ

瑠璃乃「あはは、めぐちゃん、くすぐったいよー」

慈(……るりちゃんは、本当に優しくて、みんなの幸せにためなら自分を犠牲にさえできちゃう子で──私の大好きな女の子)

慈(どうか、るりちゃんが自分自身を大切にできますように……ただ、そう願った)

20: 2024/06/01(土) 21:38:04 ID:???00
────

慈「……るりちゃんが来ない」

姫芽「確かに、もう放課後になって結構経ちますけど、るりちゃんせんぱい遅いですね~」

慈「んー、そうだよね……そろそろ来てもいいころなんだけど……」ウーン

慈「……迎えに行っちゃおっかな」

姫芽「!!! めぐちゃんせんぱいが、るりちゃんせんぱいをお迎え……!!」

21: 2024/06/01(土) 21:40:03 ID:???00
慈「……一緒に行く、姫芽ちゃん?」

姫芽「!?!? いえいえいえ、とんでもないですよ……!! アタシは、めぐるりの聖域を踏み荒らすような真似は氏んでもしませんって……!」

慈「そっかぁ……じゃあ、私一人で見に行ってくるから、留守番よろしくね、姫芽ちゃん!」

慈(……なんだろう、妙な胸騒ぎがする……)

22: 2024/06/01(土) 21:42:02 ID:???00
────

慈「るりちゃんー! 迎えに来たぞーって……あれ?」

ザワザワザワ

慈「な、なんなのこの人混み!? るりちゃんの教室あたりがすごいことになってるけど……!?」

花帆「あ、慈センパイ! こんにちは!」ヒョコッ

さやか「慈先輩、こんにちは」ペコリ

慈「花帆ちゃん、さやかちゃん! ……って、二人は何してるの? そんなプラカード持って……」

23: 2024/06/01(土) 21:44:02 ID:???00
花帆「あたし達、行列の整理をしてるんです!」

慈「……え? 何で学校の中で、行列整理? 誰かライブでもしてるの?」

さやか「いえ、ライブではなく……これは、瑠璃乃さんの行列ですね」

慈「?? るりちゃんの?」

24: 2024/06/01(土) 21:46:02 ID:???00
花帆「そうなんです! あの、瑠璃乃ちゃんのバッテリーがスマホの充電に使えること、慈センパイなら知ってますよね?」

慈「え、うん……やっぱ、それと関係が?」

花帆「瑠璃乃ちゃんにお願いされたんです! バッテリーの貸出サービスをやりたいから、手伝って欲しいって」

慈「……か、貸出サービス!?」

花帆「瑠璃乃ちゃん、最初はクラスの子とかにバッテリーを分けてあげてたんですけど、次第に話が広まって」

さやか「寮生活を営む蓮ノ空では、スマホは大事な生命線。ですがそれ故に、充電を切らしてしまう人も多くいたようです」

慈「それで……バッテリーの貸出サービス?」

さやか「はい。多くの生徒がバッテリーを借りるために来るようになり、いっそのことサービスとして回せばいいのでは、と瑠璃乃さんが」

花帆「それであたし達も、たまにですけど、行列整理をして瑠璃乃ちゃんの手助けをしてるんです!」

25: 2024/06/01(土) 21:48:04 ID:???00
慈「そっか、るりちゃんが……」

慈(やっぱり、るりちゃんは人の幸せのために動こうとする子なんだ)

慈「……って、それにしても人多くない? 何人くらいいる感じ?」

さやか「えっと……20人くらいでしょうか」

慈「20人!?」

慈(そんなにたくさんの人にバッテリーを分けてあげたら、るりちゃんは……)

26: 2024/06/01(土) 21:50:03 ID:???00
────

瑠璃乃「あっ……ルリはもう無理っす……ミジンコなんで……じゃ、しゃっす……」トボトボ

慈「そりゃ、そうなるよね……! るりちゃん!」ダッ

瑠璃乃「……ふぇ……め、めぐちゃん?」

慈「うん、めぐちゃんだよー……るりちゃん、今日部活は……ってキツイ、よね」

瑠璃乃「……ん。……ごめん、めぐちゃん、今日部活は無理め……」フラフラ

27: 2024/06/01(土) 21:52:02 ID:???00
慈「その感じじゃ、そうだよね。いーよ、ゆっくり休んで」

瑠璃乃「めぐちゃん……ごめんね」シュン

慈「…………るりちゃん。大丈夫、なの?」

瑠璃乃「……ん、ルリは大丈夫だよ。心配してくれてありがとう、めぐちゃん」

瑠璃乃「今日は充電切れてて無理だけど……また、明日頑張るから……」

慈「……」

慈(ほかでもないるりちゃんが“大丈夫”って言うのなら。私は……信じるしか、ないのかな)

28: 2024/06/01(土) 21:54:14 ID:???00
────

慈(るりちゃんは、その後もバッテリーの貸出を続けていて)

瑠璃乃「……バッテリーピンチ……ルリ一丁、ダンボール入ります……」サッ

慈(今日もるりちゃんは、部室に着くなり充電モード)

瑠璃乃「……うぅ……ダンボール、落ち着く……」ジュウデンチュウ…

姫芽「めぐちゃんせんぱい、るりちゃんせんぱいの充電が終わるまで、アタシ達はどうします?」

慈「うーん、そうだなぁ……?」

29: 2024/06/01(土) 21:56:04 ID:???00
瑠璃乃「…………」ジュウデンチュウ

慈(この感じだと、一時間もあれば練習できるくらいのバッテリーになりそうだし)

慈「よし、姫芽ちゃん! 前のライブのアーカイブ見て、振り返りでもしよっか!」

姫芽「!! 合法的に部活でみらぱライブのアーカイブが見られる……!?」

30: 2024/06/01(土) 21:58:04 ID:???00
慈「アーカイブを見ながら反省点を洗い出して、その後、るりちゃんも合わせて練習する感じにしよ!」

姫芽「ふわぁ、みらぱのライブ~……!! ……あの、ペンライト持ってきてもいいですか?」

慈「姫芽ちゃん、これは真面目なやつなんだぞー? ……でも、楽しい方がずっと良いもんね、特別に許可しちゃう!」

姫芽「めぐちゃんせんぱい……! 任せてください、アタシ、完璧にコール入れさせていただきますよ~!」

慈「反省点を見つけるっていう目的は忘れちゃダメだからね!?」

31: 2024/06/01(土) 22:00:03 ID:???00
────

慈「──っと、これくらいかな。意外と時間かかっちゃったね」

姫芽「アタシもまだまだ未熟だ……もっと、みらぱに追いつけるようにしなくては~……」

慈「さて、じゃあ今の反省点を、みんなで合わせて確認しよっか……るりちゃんー?」

瑠璃乃「……うぅ、ルリはミジンコ…………」ジュウデンチュウ

姫芽「ありゃ、まだ、るりちゃんせんぱいは充電中みたいですね」

32: 2024/06/01(土) 22:02:02 ID:???00
慈「…………え」

慈(いつもだったら、もうバッテリーが満タンになってておかしくない時間なのに……)

瑠璃乃「…………」ジュウデンチュウ

慈「るりちゃん……?」

慈(……もしかして)

慈(るりちゃんの充電スピードが、前より遅くなってる?)

33: 2024/06/01(土) 22:04:03 ID:???00
────

慈「……はぁ」

慈(一体何が起きてるんだろう、るりちゃんのバッテリーに……)

慈(あれからも、充電時間がどんどん長くなって……今じゃもう、ダンボールの中にいる時間の方が多くなってる)

慈「うぅ……考えすぎて、めぐちゃんの頭が爆発しちゃうよ……」

慈(何かとっかかりになるヒントでも得られれば……)

慈「とりあえず部室に行けば、誰かいるかなー……?」ガチャ


花帆「さやかちゃん、さやかちゃん~!」

さやか「なんですかなんですか?」

慈「おっ、さやかほコンビがいた」ヒョコ

34: 2024/06/01(土) 22:06:05 ID:???00
慈(せっかくだし、二人の会話でも聞いてよっかな)コソコソ

花帆「うぅ~、さやかちゃーん……何だかあたしのスマホの調子が悪くて~」

さやか「スマホ、ですか? まったくもう梢先輩ではないんですから……一体何をしたんですか?」

花帆「今さりげなく、梢センパイのこと斬ったよね、さやかちゃん!? ……って、そうじゃなくて」

花帆「さやかちゃん、これ見てよー! あたしのスマホ、充電ができなくなっちゃって……」

慈「! 充電……?」

35: 2024/06/01(土) 22:08:03 ID:???00
さやか「少し見てみますね。……ふむ、これは……」ジー

花帆「もしかして、さやかちゃんなら、あたしのスマホが充電できない理由とか分かったりする?」

さやか「いえ、パッと見ただけでは……何か変わったことをしましたか?」

花帆「うーん、特には……でも、そのスマホって小さい頃からずっと使ってるものなんだよね……」

さやか「あ、でしたら、それかもしれませんよ」

花帆「? それって?」

36: 2024/06/01(土) 22:10:04 ID:???00
さやか「バッテリーが経年劣化している、ということです」

さやか「バッテリー、というのは消耗品です。日々の充電によって、僅かですが少しずつ、バッテリーは劣化していきます」

さやか「例えばになりますが、乱暴な充電を繰り返し、致命的なダメージをバッテリーの内部に与えてしまえば……」

さやか「──二度と、充電ができなくなることもあるでしょう」

慈「…………え」

37: 2024/06/01(土) 22:12:02 ID:???00
さやか「花帆さんのスマホは長年使用しているとのことですので、度重なる充電でバッテリーが傷んでいるのかもしれません」

花帆「そっかぁ、バッテリーが……後でこのスマホをどうするか考えておかなくちゃ」ウムム

慈(バッテリーの劣化で、充電ができなくなる……)

慈「……もしかして!」

慈(そっか、そういうことだったんだ……! ということは……)

38: 2024/06/01(土) 22:14:08 ID:???00
慈「花帆ちゃん! さやかちゃん!」バンッ

花帆「!? め、慈センパイ!?」

慈「るりちゃんが今どこにいるか、二人なら知ってる?」

さやか「瑠璃乃さんですか? 今日はバッテリーが少ないので、充電の貸出をお休みすると言っていましたが……」

花帆「そういえば、気づいたら瑠璃乃ちゃん、教室からいなくなってたよね? 部室には来てないし……どこに行ったんだろう?」

慈「…………っ!」バッ

さやか「慈先輩!? 走ると危ないですよ!」

39: 2024/06/01(土) 22:16:08 ID:???00
慈「はぁ、はぁ……」タッタッタッ

慈(るりちゃんの充電時間が長くなったのは、バッテリーをみんなのために、スマホの充電に貸し出し始めてからで)

慈(突然あんなにたくさん充電を繰り返したから、るりちゃんのバッテリーが傷付いちゃったんだ……!)

慈(るりちゃんは優しい子。きっと今だって、誰かのために自分をすり減らしてる)

慈「だから、るりちゃんを探して……そして」

慈(──私の気持ちを、伝えなくちゃ)

40: 2024/06/01(土) 22:18:02 ID:???00
────

瑠璃乃「……ん、これで充電完了。ほら、スマホ、充電100%になってるっしょ?」

瑠璃乃「え? ……あはは、いいのいいの! これはルリがしたいことだから」

瑠璃乃「うん、うん……それじゃ、部活頑張ってね!」

瑠璃乃「……ふぅ。……ルリも、部活、行かないと……」ノソノソ

瑠璃乃「…………あ」フラッ


慈「──るりちゃん!」ギュッ

42: 2024/06/01(土) 22:20:04 ID:???00
瑠璃乃「……めぐ、ちゃん?」

慈「……るりちゃん」

慈(必氏に探し回って……やっと、るりちゃんを空き教室で見つけた)

慈「私、結構怒ってるんだよ」

慈(言いたいことは、いっぱいある。でも、今一番伝えたいことは……)

慈「──るりちゃん。一人になろうとしないで、って言ったでしょ」ギュー

瑠璃乃「! めぐちゃん……」

43: 2024/06/01(土) 22:22:02 ID:???00
瑠璃乃「……ごめん。充電が無くて困ってる子がいたから、ほっとけなくて」

慈「だからって、るりちゃんが無理しちゃダメでしょ、もう……」

瑠璃乃「うぅ……でもルリは、みんなの笑顔を見るのが嬉しくて、大好きだから」

瑠璃乃「……ルリは、どうすればいいかな……? めぐちゃんに心配はかけたくないけど、みんなのために行動もしたいんだ」

慈(あぁ、るりちゃんはやっぱり、優しい子だ)

慈「ふふっ、私を忘れてない、るりちゃん?」

瑠璃乃「めぐちゃん?」

44: 2024/06/01(土) 22:24:02 ID:???00
慈「……実は、めぐちゃんにいい考えがあるの!」

瑠璃乃「?」

慈(ついさっき思いついた、私がるりちゃんのためにしてあげられる、最高の方法)

慈「るりちゃんってさ、いつもどうやってバッテリーの充電してる?」

瑠璃乃「えっ? うーん……いつもだったら、ぐっすり眠ったり、ダンボールの中入ったり、めぐちゃんにギュッとしてもらったり……?」

慈「そう! それなんだよ!」

45: 2024/06/01(土) 22:26:03 ID:???00
慈「るりちゃんが私の近くで充電できるのってさ、あの……スマホを乗せると充電できるやつ! あれみたいなことだと思うんだよね!」

瑠璃乃「えっと……ワイヤレス充電のこと?」

慈「それそれ! だからね……もっと直接、急速充電しちゃえばいいんだよ!」

瑠璃乃「……急速充電? どゆこと?」

慈「つまりね……るりちゃん、ちょっとこっち来て」

瑠璃乃「?」トコトコ

慈「るりちゃん…………んっ」チュッ

瑠璃乃「!?!? ん、あ……ちゅ……ん……」

46: 2024/06/01(土) 22:28:03 ID:???00
慈(るりちゃんの唇はとっても柔らかくて……甘い綿菓子のような味がした)

慈「…………んっ、ぷはっ」

瑠璃乃「ぷはっ…………って、め、め、めぐちゃん!? その、なんでルリにキスを……///」

慈「ふふっ♪」

慈「──充電、しちゃった♪」

47: 2024/06/01(土) 22:30:02 ID:???00
瑠璃乃「充電……」

慈「るりちゃん、バッテリーの調子どう?」

瑠璃乃「え? ……あれ、なんで!? さっきまで全然なかったのに、ものすごく回復して……あ」

慈「そういうこと! これなら、充電切れで大変なことになるなんて事態も減らせるよね」

慈(これこそ、私の考えた解決策……!)

慈「めぐちゃんが直接、るりちゃんの充電口から充電してあげればよかったんだよ!」

48: 2024/06/01(土) 22:32:04 ID:???00
瑠璃乃「ちょ、直接、充電……///」

慈「ルリちゃんが乱暴な充電で壊れちゃうなら、私が優しく充電すればいい!」

慈「るりちゃんがバッテリーを消費しちゃうよりも、私がるりちゃんを充電するのが早ければいいだけの話だよ!」

慈(たとえるりちゃんのバッテリーが劣化しようと、私がいつだってるりちゃんの隣にいてあげればいい)

瑠璃乃「そっか……充電のために、めぐちゃんがルリにキスを……///」

49: 2024/06/01(土) 22:34:02 ID:???00
慈「どう? 完璧な対策だと思わない?」ドヤッ

慈(これなら、自分を置いて人のために行動しちゃうるりちゃんも、バッテリーが切れちゃうなんて事態が少なくなる!)

瑠璃乃「う、うん! ……ルリも、めぐちゃんと、キスできるの……嬉しいし」ボソッ

慈「? 何か言った、るりちゃん?」

瑠璃乃「う、ううん! 何でもないよ、部活行こ、めぐちゃん!」

慈「? そうだね、行こっか!」

50: 2024/06/01(土) 22:36:03 ID:???00
────

瑠璃乃「……めぐちゃん、あの……」

慈「ん、おっけー、るりちゃん」

慈(それから、るりちゃんはバッテリーが切れそうになると、私で充電するようになった)

慈「……ん」チュッ

瑠璃乃「ん、ん…………ぷはっ、はぁ、はぁ……」

慈「どう、るりちゃん? 充電、できた?」

瑠璃乃「……もうちょっとしたいな、めぐちゃん……」

慈「ふふっ、いーよ、るりちゃん。ん……」

慈(だんだん頻度も時間も長くなっていたから、たまに……)

バタンッ‼︎‼︎‼︎

51: 2024/06/01(土) 22:38:05 ID:???00
慈「な、なんの音……!? ……って」

姫芽「……あ」

慈「姫芽ちゃん!?!?」

瑠璃乃「!?!?////」

姫芽「ア、ア、アタシは何も見てません、見てないです、まさかめぐるりが……!!! はうわぁぁ!!」ダッ

慈「ちょ、待って姫芽ちゃん、逃げないでー!」

52: 2024/06/01(土) 22:40:02 ID:???00
慈「るりちゃん、姫芽ちゃんが……って」

瑠璃乃「み、見られた……恥ずかしい…………///」プシュー

慈「ああ、せっかくの充電が放電されちゃった!?」

53: 2024/06/01(土) 22:42:05 ID:???00
瑠璃乃「……うぅ、ごめんね、めぐちゃん。ルリのために……」

慈「いーの、私がしたくてやってることだもん! それに……ね、るりちゃん、耳貸して」

瑠璃乃「耳? いいけど……」サッ

慈「…………るりちゃん」

慈「……この後お部屋で、もっとしてあげるね」コソッ

瑠璃乃「!! め、めぐちゃん……///」

54: 2024/06/01(土) 22:44:02 ID:???00
慈「ふふっ、さて、私たちは姫芽ちゃんを追いかけよっか! このままだと、みらぱの練習もできないし」

瑠璃乃「そ、そっか練習……そうだよね、練習は大事」ウンウン

慈「そうそう! 今年こそ、ラブライブ!でみらくらぱーく!の魅力を、全人類に届けちゃうんだから!」

瑠璃乃「うんうん! みらぱは最強だもんね!」

55: 2024/06/01(土) 22:46:04 ID:???00
慈「そうと決まれば……姫芽ちゃんを追いかけに行くよ、るりちゃん!」

瑠璃乃「おうよ! ……ねぇ、めぐちゃん」

慈「ん、どうしたの、るりちゃん?」

瑠璃乃「──これからもルリと一緒に、楽しいことしようね、めぐちゃん!」

慈「! ふふっ、もちろん! これからもよろしくね、るりちゃん!」


おしまい

引用: 【SS】瑠璃乃「ルリのバッテリーがスマホにも使えると判明した」