262:◆rOGoIznGH. 2014/08/06(水) 11:52:31.87 ID:O3DmlPqY0


【艦これ】提督「艦娘達とほのぼのする」雪風「はいっ!頑張ります!」【前編】

  ミーン
     ミーン


提督「あっちぃ……」

ビスマルク「日本の夏ってこんなに暑いのねぇ……」

提督「ドイツってもっと涼しいの?」

ビスマルク「大体どこも、平均気温は21℃前後だったわ」

提督「うげぇー何それ超涼しいじゃん。所変わって今の気温は、現在ヒトヒトサンマル……あ、これ時計だった……」

ビスマルク「そうだった!私の部屋の時計、サマータイムに設定しとかないと!」

提督「こっちじゃそういうの無いから……」

ビスマルク「あらそうなの……」

提督「にしても……」ダラーン

ビスマルク「暑いわねぇ……」グデーン
海の画集 -「艦これ」公式イラスト集-
263: 2014/08/06(水) 11:53:26.85 ID:O3DmlPqY0

提督「いくら節電だからってなぁ?扇風機だけで過ごせって無茶だよなぁ……」

ビスマルク「クーラーくらい使わせてくれたって良いじゃないの!」

提督「俺に言ったって他に冷房器具は……あーそうだ!アレがあった!」ゴソゴソ

ビスマルク「アレ?」

提督「じゃーんビニールプール!」

ビスマルク「そんな物まで常備してあるの?規律が緩いんじゃない……?」

提督「へぇへぇビスマルクちゃんはビニールプールがお嫌いな様で。俺だけで使うから結構ですよ」

ビスマルク「べ、別に私は使わないなんて言ってないわよ!ただ、水着を着なくちゃいけないし、二人っきりだから恥ずかしいし……」ゴニョゴニョ

提督「へ、水着?何で?」

ビスマルク「何でって……貴男まさか!裸で水遊びしろって言うの!!?」

提督「は!?いやちげぇーよ!お前、これで遊んだら執務机の書類がびっちょびちょになっちゃうからな!?」

ビスマルク「じゃあ何するってのよ!」


264: 2014/08/06(水) 11:55:08.85 ID:O3DmlPqY0

提督「いやこう、足湯の要領でさ」

ビスマルク「足湯……?」

提督「知らないのか、それも後で体験してみようね。ま、要はビニールプールに冷たい水を張り巡らして、そこに足突っ込んで涼みながら仕事に精を出すんよ」

ビスマルク「成る程……」

提督「ビスマルクちゃんもビニールプールの横に椅子でも持ってきて、足突っ込んで涼みながら本でも読んでたら?」

ビスマルク「そうねぇ……今よりマシになるでしょうし、そうさせてもらうわ」

提督「それじゃ早速これを机の横に……ってあれ?机が消えてる」

ビスマルク「あら本当、どうしてかしら?」

提督「いやーな予感がする……確かビニールプールって家具扱いだったよな……?」カチカチッ


《机+椅子》『E:ビニールプール』


提督「えぇー!!」

ビスマルク「ど、どうかした?」

提督「これ、机と、併用できねぇのかよ!なぁんてこったぁ!」

ビスマルク「当然な仕様だと思うけど……」

265: 2014/08/06(水) 11:56:35.70 ID:O3DmlPqY0

提督「もう水で涼みながら仕事する気満々だったのに……がっかりだよ!!」

ビスマルク「あぁ……また扇風機だけで過ごすのね……」

提督「いや待てよ、書類が水で濡れる心配が無くなったなら、本来の用途で使えばいいんじゃ……!」

ビスマルク「ここ部屋の中よ?水浸しになったらどうするのよ」

提督「家具しまって、床と壁を防水加工の物に変えれば行けるでしょ」

ビスマルク「……」

提督「……」

提督「なぁビスマルク……ちょっとだけ、ちょっとだけハメ外したって怒られないよな……?」

ビスマルク「そうねぇ……少しだけ、少しだけなら大丈夫かしら……。扇風機以外に冷房器具使わせてくれない上層部にも問題が有るんだし……」

提督「……」

ビスマルク「……」

提督「水着とタオル取ってくる」ダッ

ビスマルク「私も」ダッ



この後、遊ぶ声が外に漏れて駆逐艦やら潜水艦にバレてしまい、一緒にビニールプールで遊び出すのはまた別の話。

278: 2014/08/20(水) 04:11:51.53 ID:USoktbKn0

《AL作戦 E-2 ボス戦一回目》


那智「よし、全員小破以上にならずにボスマス到達できたな!」

「「「「「はい!」」」」」

提督「いやー事前調査で下ルートが楽とは言われたけど、E-1に比べるとほんとに楽だねー」

雪風「しれぇの指示で毎回単縦陣選択してたせいで、五回は帰投してバケツ投入してましたけどね」

那智「今回は支援砲撃のお陰で全員無傷だったが、毎回ああだと先が思いやられる。しっかり頼むぞ」

提督「お、おっす!サーセンっした!」

鳥海「敵戦艦が出ると砲撃戦が二回に増えちゃいますから、何度も回避するのは至難です」

隼鷹「あたしたち装甲だけは薄いからなー」

祥鳳「軽空母だと一撃被弾しただけで中破の恐れがありますからね……」

提督「次回からはちゃんと防御系の陣形選ぶから、そこら辺で詰るのやめてくだしあ……」

響「そうだね。そろそろその辺にしとかないと……ほら、ボスがお待ちかねだよ」

279: 2014/08/20(水) 04:14:27.86 ID:USoktbKn0

北方棲姫「コナイデ……ッテ……イッテル……ノ……!」

提督「え、マジすか……。俺そんなん初めて言われたんすけど……」

鳥海「来ないでと申されましてもイベントですし……」

祥鳳「こうもハッキリと拒否されると戸惑いますね……どうしましょう」

北方棲姫(マジレスサレタ)

隼鷹「まぁ難しいこと考えないでさ、パーッと行こうぜ、パーッとな」

響「さて、やりますか」


チュドーン 

   ドカーン


北方棲姫「ゼロ……オイテケ……」

提督「結構残ったなー。とりあえず夜戦も行っとくか」

響「了解!ypaaaaa!!」


ドッカーン


雪風「弾切れでカットインが出来ませんでした……」

提督「んー、撃沈までは難しいのかな……。ま、ゲージは着々と減ってるから気にすんなって」

那智「うむ。この調子で堅実に削っていけば何とかなるやも知れん」

提督「そだねwwww他の提督共『E-2は地獄』とか大袈裟にしすぎwwwwwこれML作戦まで直行ルートですわwwwwww大淀ちゃん直ぐ出番だから待っててねーwwwww」

280: 2014/08/20(水) 04:15:39.22 ID:USoktbKn0


《AL作戦 E-2 ボス戦8回目》


提督「おかしい……何でゲージ破壊できないんだ……」

隼鷹「ゲージがミリから減ってねーように見えるんだけどさ……あたしの気のせいか?」

那智(小破)「……一応、念のため、まさか知ってると思うが言っておく。ボスを撃沈させなければゲージ破壊がされないぞ」

隼鷹「えー!そんなん初耳だよー!」

提督「マジかよ!俺も知らんかった!」

那智(小破)「やれやれ頭が痛いな……」

提督「さ、サーセンっした……。反省してます……」

響(中破)「司令官が知らないのはどうかと思うんだけど」

提督「いや今までボスとか全部撃沈してきたからさぁ。そっか、撃沈させないと駄目なのか……」


281: 2014/08/20(水) 04:17:28.82 ID:USoktbKn0



鳥海「司令官さんの知識不足もそうですけど、新たな駆逐艦も加わって、ボスに集中的に攻撃が届かないのも原因の一つですね」

祥鳳「本気を出してきたって事でしょうか」


北方棲姫「カエレ……ッ!」


提督「何がカエレだオラァ!何が本気だオラァ!者共やっちまえオラァ!」

雪風「雪風は沈みません!」


チュドーン 

   ドカーン


北方棲姫「レップウ……オイテケ……」

提督「夜戦も行ってこいオラァ!」

雪風「砲雷撃戦、続行します!」


ドッカーン


提督「撃沈は敵わず……。バケツも20個近くしか無くなってきたし、次か次くらいで落とさないとヤバくなってきたな……」

響「資材も底が見えてきたね。短期決戦仕掛けないと勝てないよ」

提督「んむむ……支援艦隊も旗艦だけじゃなくて、全員キラ付けするかな」

祥鳳「提督、くれぐれも無理を為さらないでくださいね。提督の元気な姿が、私達の励みにもなっていますから……」

提督(祥鳳さんマジ良妻)


282: 2014/08/20(水) 04:22:17.05 ID:USoktbKn0


しかし、E-2クリアは想像以上に期し難く、提督の精神は限界に差し掛かっていた…………。


《AL作戦 E-2 ボス戦○○回目》


提督「マジであったま来た……お前だけはぜってぇ許さねぇ!!」

北方棲姫「カエレ……ッ!」

提督「貴様を鎮守府に連れ帰って全身の寸法を取って服も再現した人形を妖精さんに作ってもらって抱き枕にしてやる!!」

北方棲姫「オネガイカエッテ……!」

那智「どっちも必氏さが伺えるな」

祥鳳(小破)「私達もボロボロですし、必氏にならないと勝てませんね……」

隼鷹(小破)「私は早く帰投して麦や米を発酵させた炭酸が飲みたい~」

提督「呑兵衛が……。ボス到達すら奇跡に感じてきたんだぞ!マジ気合い入れろって!ファイト!」

雪風(中破)「雪風は沈みません!」

鳥海「支援射撃は来なかったけど……が、頑張ります!」

提督「そうその意気よ!」

響「支援射撃が来ない時点で負けは見えてるけどね」

提督「あーあー言っちゃった!現実言っちゃった!目逸らしてたのに言っちゃった!」

284: 2014/08/20(水) 04:27:33.27 ID:USoktbKn0

隼鷹(小破)「……さっさと開幕爆撃やるか」

祥鳳(小破)「……そうですね」


ドカーン

    ドカーン

バッコーン


 チュドーン


残りHP:53/500


提督「嘘だろまだ生きてるううぅぅぅ!!!もぉ嫌だああああああぁぁぁぁ…………資材的にも精神的にも限界だあああああぁぁぁぁ…………」

北方棲姫「モウコナイデェ……」スンスン

提督「ぜっでぇ来るからな……。ヒック、クリアするま゛で来るか、ヒック、来るからな゛あ゛あ゛ぁぁ……」グズグズ

鳥海(中破)「司令官さん、ガチ泣きは帰投するまで我慢しましょうね」

提督「う……うん……」グスッ

隼鷹(大破)「いやーにしても参った参った」

祥鳳(大破)「昼間に誰かが大破すると、それだけで火力不足に陥り勝てなくなりますから……これじゃ敵のいい的だわ」

那智(大破)「やれやれ……この調子じゃ大淀はまだ待機だな」

提督「うるぇ!!もうバケツ底ついたし帰って寝る!寝ろ!むしろ寝ろ!お前達が寝ろ!ゆっくり休養しろ!」




頑張れ提督!ほっぽちゃんを倒せるその日まで諦めるな!


303: 2014/09/05(金) 14:03:27.98 ID:JEbU+i/c0



『良いのか?この町から外に出たら目を覆いたくなる悲惨な現実が待っているだけ……。この町で過ごした方が君にとっても幸せなはずだ……』

『僕の幸せは僕が作ってこそ幸せだと言えるんだ。僕は真実が知りたい』

『そうか……。ならば開こう、真実への扉を……』


~スタッフロール~


『来週の金曜ロードショーは――――』


提督「……」

不知火「……」

提督「あっ終わり?」

不知火「みたいですね」

提督「続きが気になる終わり方しやがって……。にしても、不可思議な映画だったなぁ」

不知火「一生を過ごしてきた町は全てテレビのセット、物心付いた時から側にいた人たちは全て役者さん、でしたか」

提督「目に映る全ての物が作り物だったなんて、ちょっとゾッとするよね。自分が箱庭の住人だったなんてさ」

不知火「その割には食い入る様に見ていましたね」

提督「いやぁ、愛も友情も情熱も無い、ただただ純粋にゾッと来るオカルト一直線のコンテンツなんて、珍しいから面白くってさ」

提督「最近のオカルト映画ってお涙頂戴狙うパターンが多くてなぁ……」

不知火「日本で年齢制限の無い映画は、特にその傾向がありますね。オカルトやホラーだけの映画だと、PTAや世間様から苦情が来るのが怖いのでしょうか」

提督「シーッ!特定の団体指す時はピー音くらい用意しようぜ!俺らだってヤベーんだから!」

不知火「は……何故ですか?」

提督「何故ってそりゃぁ、R-18指定の癖に中高生が……プレイしてて……一般人から向けられる視線が……」




304: 2014/09/05(金) 14:05:54.13 ID:JEbU+i/c0

提督「……待てよ、中高生がプレイって何を?」

不知火「不知火に問われても困ります」

提督「何を言い出すんだ俺は……っつぅ!」ズキッ

不知火「司令?どうかなさったのですか?」

提督「何か急に頭痛が……」



《ん?何だこれ……おい!ログインしたらエラー吐いて落とされるって呟かれてるぞ!》


《げっ、マジかよ……》



提督「……不知火、何か言ったか?」

不知火「どうかなさったのですか、と」

提督「いやそっちじゃない。でも、今の声は男の声みたいな……気のせいなのか?」

不知火「はぁ……、いつも深夜遅くまで起きているから体調を崩すのではと危惧していましたが、やはり崩れましたか」

提督「いや、そういうんじゃないんだ、なんか、頭痛と一緒に一瞬変な声が……いってて!」ズキッ



《仕方無い。メンテ明けで悪いが緊急メンテに入るか……呟いておかねば》

《はぁ……5分後に緊急メンテ入りますよーっと……。あー胃がいてぇ……》



提督「緊急メンテって……何をメンテするんだ……艦娘か?」

不知火「司令官?」

提督(いやメンテ明けと言っていた。ドッグには5時間前から誰も入渠してないのに、メンテ明けと呼ぶのはおかしい)

提督「な、なぁ不知火、緊急メンテって言葉に心当たりは……」ズキッ

提督「ってぇな!またか!」



《じゃあ一旦バックアップ取って鯖落とすぞ》

《あーい》



提督「バ、バックアップって何の――――――――」


ブチン

305: 2014/09/05(金) 14:10:38.58 ID:JEbU+i/c0


 ここはどこだろう、気づいたら俺は何も無い空間を歩いていた。
 歩いても歩いても終わりが見えない。足の筋肉は伸縮しながら動いている感覚はするし、真っ白な空間を踏みしめながら体重を前に掛けていると、転ばないようにまた一歩踏み出した。やはり歩いている感覚はある。
 しかし、歩いているかどうか怪しいと、俺の冷静な思考が囁く。
 視線を下に向けても俺の足は確認できなかったし、踏みしめているはずの床らしき平坦な地形も存在しない。自分の腕を目の前に伸ばしてみても腕が見えない、瞬きをしても視界は黒く変化しない。自分の身体がその場に存在していないみたいだ。
 目に映る全てが真っ白な空間だ。それでいて夜の帳が支配しているみたいに一寸先が見えない不思議な空間。だめだ、考えれば考えるほどに現実感は模糊とする。
 この空間は異質だと本能が訴えていたが、それでも身体が、いや、精神体は前へと歩く。「頼むから今度こそ不具合を起こすなよ」と天から響く男の声に従いながら。
 

 ……男の声だと?この不思議な俺以外に誰かがいるのだろうか。だが、この声には聞き覚えがある。意識を失う前のあの声と一緒だ。
 ならばこの空間は、あの声の主が作り出したとでも言うのか、そんな馬鹿な。
 「いやーやっとメンテ終わったか。じゃあ艦これすっか」
 何だ今の声は……俺の声に……そっくりだ……方言や口調まで俺に似て……また意識が……




不知火「…………」ナデナデ

提督「しら……ぬい……?」

不知火「あら、おはようございます、司令官」

提督「おはよ……あれ、何で膝枕されてんだ?」

不知火「金曜ロードショーを見ながら寝てしまったので、無調法ながら膝枕をさせていただきました。寝心地は悪かったでしょうか」

提督「いやグッスリスヤスヤだったけど、緊急メンテって……っつぅ!」ズキッ

不知火「司令?どうかなさったのですか?」

提督「い、いや、大丈夫、何か、寝る前の記憶が、混淆してて、思い出そうとすると頭痛がして、いてて……」

不知火「はぁ……。いつも深夜遅くまで起きているから体調を崩すのではと危惧していましたが、やはり崩れましたか」

提督「へぇへぇ体調管理できてない俺が悪うござんした」

不知火「やはり、不知火が提督の生活を管理しないとダメですね」

提督「おっそろしい事口にすんなって!」

320: 2014/10/01(水) 03:04:36.43 ID:lWFX/xvk0

提督「アイコンタクトってあるじゃん」

雪風「コンタクト……しれぇって目悪かったんですか?」

提督「コッテコテのボケをありがとう。いやこう目と目で通じ合う的な?ほら、熟年夫婦の『アレ』とか『ソレ』を瞬時に理解してるじゃん。あれの目バージョン」

雪風「あーなんとなく分かった気がします!」

提督「でさでさ、口には出したくないけどなんとなく察して欲しい時ってあるじゃん?」

雪風「しれぇが他の子達とダブルブッキングして困ったら、どっちかに察してもらって穏便に済ませようとかですか?」

提督「なんでダブルブッキングしっててアイコンタクト知らねぇんだお前……。まぁ、端的に言っちゃえばそーゆー時だよね」

提督「てなわけでハイ!まずは俺と雪風でアイコンタクトが通じるか試してみましょうの回!」

雪風「でもしれぇ、事前に『やるよ』と決めてからするのでは意味が無いんじゃ……」

提督「いんだよ練習なんだから、ハイ決めた。決めました。察してほしい内容決めました」

雪風「もうですか!?」

提督「それじゃ行くぞ……」ジィッ

雪風「が、頑張ります!」

321: 2014/10/01(水) 03:07:13.76 ID:lWFX/xvk0


提督(雪風お前は今だけハムスターになれ、ハムスターになれハムスターになれハムスターになれハムスターになれ)

雪風(いきなり考えろって言われたって、しれぇの思考なんて全然分かりません……。あ、しれぇの睫長い)ジーッ

提督(ホッペタスリスリつんつんしたい、ホッペタスリスリつんつんしたい、ホッペタスリスリつんつんしたい)

雪風(毎日顔は合わせていますけど、二人きりで、しかもこんな近くで真剣な顔して見られると……うぅ、意識したら緊張してきました……///)モジモジ

提督(つんつん……いや待てよ……お腹プニプニも捨てがたいか?)ジーッ

雪風「あうぅ///」モジモジ

提督「……まいっか。さぁさぁ雪風答えは!」

雪風「えぇと、その、あのぅ……」

提督「雪風?」

雪風「うぅ~」プイッ

提督「ありゃりゃ……いきなり顔背けちゃってどうしちゃったのさ」ツンツン

雪風「内緒です!」

提督「なんじゃそりゃ、いいからこっち向けYOチェケラァ」ツンツン

提督「……ってあれ、結果的にホッペつんつん出来てるから成功なのか?」

322: 2014/10/01(水) 03:09:57.87 ID:lWFX/xvk0

提督「でもあれから雪風は顔を合わせてくれませんでしたとさ。わけわかめ」

提督「てことで次の生け贄は球磨ちゃんお前だ!」

球磨「ふっふっふ、球磨を選ぶとは良い選択だクマ!」

提督「何だかんだで球磨型の長女だし一癖も二癖もある妹達纏めてるしな。その手腕に期待……いや眼力……いや気概に期待だ。あちょっと韻踏んでる」

球磨「クマ、冗談抜きで純粋に褒められてるのは久しぶりな気がするクマ」

提督「日頃の行いを顧みてみ?ん?まともに褒められない理由に思い当たる節がいっぱいあるだろう?」

球磨「過去は振り返らないで前に進むクマ」メソラシ

提督「だが俺から目を逸らしてはいけない。何故ならアイコンタクトを試すからだ。おら顔こっち向けろ」グイッ

球磨「さ、さりげなく察するのがアイコンタクトクマ!無理矢理はパワハラクマー!」

提督「さっきまでノリノリだった癖に何言ってんだっつの……。さぁ俺が何を考えているのか当ててみろ!」

球磨「むむむ……」

323: 2014/10/01(水) 03:11:50.90 ID:lWFX/xvk0

提督「……」ジーッ

球磨「……」

提督「……どうよ?」

球磨「クマ……察したクマ!」スタスタ

提督「お?」

球磨「提督の膝の上にお邪魔するクマー」ポスン

提督「ふおぉ……すっげ!『球磨ちゃん抱きぬいぐるみにしたい』がマジで通じたよ!やるな球磨ちゃん!」ギュー

球磨「ふっふっふ、千里先をも見通す球磨にかかれば朝飯前クマ」

提督「本物の熊は目が悪いと聞くが……。いやしかし、これで艦娘とのアイコンタクトが可能だと証明されたな!」

球磨「いやこれ唯の勘クマ。他の艦娘も球磨と同じく勘が鋭いとは限らないクマ」

提督「むむむ……じゃあアイコンタクトは保留って事で結論づけようかなぁ……」

球磨(というか、球磨を見かける度に笑顔で膝をポンポン叩いていれば察するも何も無いクマ)


球磨「……ま、偶には働きを労って抱きぬいぐるみになってやるクマー」

328: 2014/10/09(木) 13:24:30.30 ID:iEwT6R1a0

提督「潜水艦狩りもマンネリしてきたなー。あー布団から出たくない……」

雷「ほら司令官、お布団干すんだからどいてどいて」

提督「えぇ……。あー……来週も大きな台風来るもんね、干せるときに干さなくっちゃね。よっこいしょういち」

雷「そうよ、台風が続いてるからって気分までジメジメしてちゃ駄目なんだから!」バッサバッサ

提督「雷様には頭が上がりませんなぁ……」

雷「それじゃ布団干してくるわね!」ガチャッ

提督「よろしくね」

雷「よろしくされたわ!」バタン

提督「あぁ……何もやる気起きねぇ……。座布団だしてゴロゴロしてよっと……。あれ、雷がさっきまで居たところになんか落ちてる、落とし物かな?」

329: 2014/10/09(木) 13:27:25.63 ID:iEwT6R1a0

提督(えーっと何々……『青葉新聞』。青葉、新聞なんか発刊してたんだ。ちょっと拝見)


【改二の思いもよらない恩恵?】

 改二と言えば、衣装や装飾品のグレードアップ・ステータスの強化・女子力の向上等々、艦娘なら誰もが盛りだくさん。だが、改二になって得る一番のメリットを忘れてはいないだろうか。
 改二になるには高いレベルが必要とされるが、それ故に、改二に辿り着いた艦娘は提督から愛着を持たれ、ほぼ必然的にケッコンカッコカリまでこぎ着ける艦娘が多いという事例がいくつも上がっている。


提督(へぇ、艦娘専用の情報雑誌みたいなもんか。しかしレイアウトとかすげー新聞っぽい、こんな面白そうな冊子あるなら教えてくれたって良いのに……)ペラッ

提督(ん、あれ、四コマ漫画が無い代わりに新聞小説が半ページで掲載されてる。長っ!)

提督(『読者から寄せられた妄想小説を独断と偏見で載せています』。妄想って……空想とかSFとかもうちょいマシな言い方にしろよ……)


【提督と雷の七日間  雷 ・ 作  秋雲 ・ 画 】


提督(へぇ、雷が書いたのか……どれどれ?)


『――――司令官は無抵抗な雷の手をグイッと引っ張り、空いた手で腰を支えて胸元に抱き寄せると、突然の出来事に驚いて無抵抗なのを良いことに、雷に顔を近づけ、啄むように口付けをした。鼻を擽るように呼吸を挟みながら、何度も、何度も、何度も……。』


提督「ううんんんん!!!?? あぁこれ妄想小説で間違いねーわ!」

330: 2014/10/09(木) 13:29:38.69 ID:iEwT6R1a0

雷「ただいま司令官!」ガチャッ

提督「おい雷、お前これ何だ」

雷「え、それ……?」

提督「この新聞小説、雷が書いたもんなの? すげー青春チックで健全な工口スの甘ーい小説で砂糖吐きそうな」

雷「あ……あぁ……」

提督「……その反応見るに黒だな。マジでお前が書いたんか」

雷「返して司令官!」バッ

提督「おっと」ヒョイ

雷「ぐぬぬ」

提督「ハッハッハ、この身長差じゃ届くまいて。とりあえず、この新聞と小説について詳しく聞かせてもらおうかな」


―――― 雷説明中 ――――


提督「……つまりだ、青葉新聞が俺の耳に入らなかったのは俺をモデルに描いた新聞小説が人気だけど、内容が過激なのもあるから俺の圧力で廃刊されないように皆で内緒にしてたってワケね」

雷「ごめんなさい司令官……」

提督「うーん、俺がモデルで人気って嬉しいような、内容が過激って聞いて悲しいような……。まぁ雷のは甘ったるいだけで過激じゃなかったけども」

331: 2014/10/09(木) 13:32:08.50 ID:iEwT6R1a0


提督「つーか俺に内緒にするほど過激な内容って、目に入ったら即破いて燃やすレベルの?」

雷「た、多分……」

提督(無性に内容が気になってきた。一体どんな物語を書いたんだ)

提督「……なぁ雷よ、几帳面なお前の事だ。過去の新聞は捨てずに保管してるだろ?」

雷「だ、駄目よ司令官! あの小説が仕事のモチベーションアップに繋がってるんだから!」

提督「いや破く燃やすは確定じゃないんだけど……。なぁ雷、俺は悲しいんだ」

雷「悲しい……?」

提督「そう……現実の俺じゃなくて、妄想の俺で雷が満足しているのが堪らなく悲しいんだ……。なぁ雷、現実の俺は妄想の俺より劣るか?魅力が感じられないか?」

雷「そ、そんな事ないわ!現実の司令官の方がずっと素敵よ!例えケッコンカッコカリが叶わなくたっても慕っていける自信があるわ!だから元気を出して!」

提督「雷……可愛い奴だ!」ダキッ

雷「きゃっ」

提督「なぁ雷、俺を元気にさせてくれたお礼にさ、今度二人きりで間宮さんとこに遊びに行こっか」

雷「甘味処……二人きりで……」

提督「過去の記事、見せてくれるね?」ナデナデ

雷「うん……司令官……」ポワワーン

提督(チョロかわ)

332: 2014/10/09(木) 13:32:50.15 ID:iEwT6R1a0

雷「はい司令官、これが溜めておいた過去の青葉新聞よ」ドサッ

提督「お、多いね……」

雷「ざっと50部って所かしら」

提督「今までこの新聞の存在に気づかなかった自分が嫌になるよ……。さてさて噂の過激な小説は……」ペラッ



【リムツタカに提督を  陸奥 ・ 作  秋雲 ・ 画 】(R-18)工口的な意味で。

【大海原でつかまえて  足柄 ・ 作  秋雲 ・ 画 】(R-18)工口的なry

【ワタシたち花の金剛姉妹  霧島 ・ 作  秋雲 ・ 画 】(R-18)エry

【ビスマルク・ツヴァイの素晴らしい運命  ビスマルク ・ 作  秋雲 ・ 画 】(R-ry

etc...etc......



提督「これ……おいこれおい……えっ……」

雷「だから言ったじゃない過激だって……///」

提督「過激って……そういう……工口グロナンセンスじゃなくて工口一直線の過激……………………青葉ああああああぁぁぁぁ!!!!」

338: 2014/10/17(金) 03:28:41.26 ID:4jdCbc6s0


隼鷹「フィギュア化で驚愕のトリプルテール、伊19」

提督「なら潜水艦繋がりで伊168」

隼鷹「……龍驤!」

提督「龍驤ね……加賀さん」

隼鷹「あちゃー取られたかー! 最後までとっておきたかったのにー」

提督「ハッハッ、ちなみに俺はあと二人いるよ」

隼鷹「舞風」

提督「残り一人になった……」

千歳「はーい、鳳翔さんお手製薩摩揚げの着艦です」

提督「つまみが来たぞー! ヒュードドーン!」

隼鷹「ヒャッハー! 酒も追加頼むよー!」

千歳「ふふっ、今お注ぎしますね」

隼鷹「美人さんのお酌だー!」

提督「フゥーテンションあがるゥ↑!!」

339: 2014/10/17(金) 03:30:34.70 ID:4jdCbc6s0

千歳「二人ともすっかり出来上がっちゃってますね」

提督「やめてくださいよ、俺まで酔ってるみたいな言い方」

千歳「それ、酔っぱらいの決まり文句ですよ」

隼鷹「ところがどっこい、提督まだ炭酸しか飲んでないよー」

千歳「炭酸で酔うなんて提督もまだまだ子供ですね」

提督「場酔いって奴だね。……いや、つーか場酔いどころかマジで酔ってないんすけど」

千歳「素面でそのテンションですか……何処かの誰かさんみたいですよ」

提督「誰が隼鷹だ! って、あーやべ本人目の前にいたわ」

隼鷹「……あ、ごめん、あたしの話題だった?」

提督「人がボケたのにつまみ食ってたよこの人! もういい千歳さん胸貸してください」

千歳「いいですよ?」

提督「軽っ!」

千歳「軽空母じゃないんですけどね」

提督「それ流行ってんの?」

340: 2014/10/17(金) 03:31:47.63 ID:4jdCbc6s0


千歳「ところで、さっきまで何やってたんですか?」

提督「連想ゲーム」

隼鷹「お題は髪解いたら可愛い子」

提督「まー艦娘みんな可愛いから髪結ってる子は全て該当するんだけどなー」

千歳「あら、お上手ですね」

隼鷹「ヒューヒュー言うねぇ提督ぅ」

提督「よせやい」

千歳「ちなみに提督が思い浮かべてた最後のお一人は誰でしたか?」

提督「不知火」

隼鷹「あー結ってたか、盲点だった」

千歳「……大和は出ましたか?」

提督「実装されてない子は禁止のローカルルールですから……」

341: 2014/10/17(金) 03:33:31.02 ID:4jdCbc6s0

提督「次のお題どうするー?」

千歳「歌が上手な子……なんてどうでしょうか」

隼鷹「それ二番目にやったよー」

提督「ウチの鎮守府に実装されてる子を思いつく限り上げた方が勝ちだった」

千歳「じゃあ家庭的な艦娘」

提督「似たようなので家事が得意な艦娘でやったんすよ」

千歳「結構やってるんですね……」

隼鷹「こっちは逆に数が少なくってなぁ、張り合いが無かったね」

提督「自分で言ってて悲しくなんないの?」

隼鷹「よしてくれよ……」

342: 2014/10/17(金) 03:35:46.83 ID:4jdCbc6s0

千歳「いっそのこと、提督が好きな艦娘でどうでしょう」

提督「へ……どゆこと?」

千歳「提督が、どの艦娘を好いているのか、というお題ですよ」

提督「はぁ!? 千歳さんそれ、連想ゲームの皮被った恋バナじゃん!」

隼鷹「お、それいいねぇ~、採用!」

提督「いやいやいや無し! それ無し! 俺絶対負けるじゃん! 黙りこくって負けるって!」

隼鷹「はい多数決とりまーす! あたし賛成ー」

千歳「私も発案者なので賛成しますね」

提督「ふぁっきん民主主義!」

千歳「ささ、そうと決まれば一人目、提督からどうぞ」

隼鷹「遠慮せずに言っちゃいなって~」

提督「遠慮するしないじゃねっつぅの……」

隼鷹「いいから早く言って楽になっちまえって!」

提督「…………隼鷹だ。隼鷹」

隼鷹「は?」

千歳「え?」

提督「聞こえなかったか? 隼鷹と言ったんだ、俺が好いてる艦娘の名前よ」

千歳「……」

隼鷹「……」

提督「……」

隼鷹「………………ホアアアアァァー!!!?!? あ、あああ、あたし!?」

343: 2014/10/17(金) 03:38:12.25 ID:4jdCbc6s0

隼鷹「なん、なな、何でえええぇぇ!? ナンデアタシ!? アイエエエェェ!!」

提督「アッハッハ!! すっげぇ狼狽えてる!」

千歳「むっ……上手く煙に巻かれましたか……」

提督「俺に恋バナは向かぬ。それでどうよ隼鷹、一番身近にいる異性に好きって言われた気分は? ん?」

隼鷹「どどどどどどうって、どうもこうも、ヒエエエェ!!」

提督「それ別の人のネタな」

隼鷹「わ、分かった! この提督偽物だ偽物! きっとそうに違いない! あたしが化けの皮を剥がしてやる!」

提督「お前、言うに事欠いて偽物扱いかよ……。もっとこう、乙女チックな思考回路見せてみ?」

千歳「煽りますね」

提督「楽しいっすからね」

隼鷹「うるさーい! きっと偽物提督の正体は深海棲艦だ! 攻撃隊、発艦しちゃってー!」

提督「やっべ焚きつけすぎたかも! 落ち着け隼鷹、頭冷やせ! オレホンモノ」

隼鷹「問答無用!」

提督「どどどうしよ千歳さん!」

千歳「い、一応私も艦戦発艦して――――あら?」

隼鷹「キュウ……」ドサッ

提督「た、倒れちゃった……」

千歳「パンクしちゃったんでしょうか……」

提督「……まぁ、ある意味落ち着いたからいいか」

351: 2014/10/31(金) 01:05:24.07 ID:Nh/Ei0/Q0


―― 執務室 ――


提督(今日はハロウィンである。ハロウィンなのである。次から次に来たる艦娘達を相手取るのは大変な一日なのである)

提督(駆逐・軽巡の相手は間宮さんと鳳翔さんに任せているので、こっちの負担はかなり減ったが油断は出来ない……)

提督「行くぞ艦娘、お菓子の貯蔵は充分だ……」

金剛「HEY 提督ゥー! trick or treat!」バァン!

比叡「トリックオアトリート! 司令、お菓子ください!」

霧島「失礼します、司令」

榛名「提督、トリックオアトリックです」

提督「早速来たな金剛姉妹諸君……って何だその髪の毛から飛び出た耳、耳、耳!」

金剛「イギリスにちなんでエルフの仮装にしたネー!」

霧島「私はドワーフを」

比叡「私はオーガ!」

榛名「私はグレムリンに挑戦してみました」

提督「金剛以外はイギリス関係無い上に全部耳尖らせただけだから違いが分からんのだがぁ……。まいいや、ホレお菓子」

比叡「ありがとうございます司令!」

提督「比叡は今日も元気いっぱいだなぁ……」

352: 2014/10/31(金) 01:07:46.71 ID:Nh/Ei0/Q0

榛名「提督……そのトリックオア」

提督「聞こえてたから、イタズラしないしされないから。ね? はいお菓子」

榛名「……」

提督「……」

榛名「提督は……は、榛名に飽きてしまったのでしょうか……?」ジワッ

金剛「しっかりするネー榛名。一回や二回振られたくらいで落ち込んでちゃ Love は伝わらないヨー」

提督「……なぁ霧島、金剛の雰囲気変わった? ちょっと恋愛観が違くなったって言うか……」

霧島「他人の振り見て我が振り直したって所でしょうか」

提督「あー納得」

金剛「これからクリスマスが待ってるから、そこで自分をプレゼント代わりにすれば……」

榛名「なるほど! 流石ですお姉さま!」

提督「直してなくね? むしろ榛名に影響されて悪化してね?」

霧島「あっ、ふーん……」

比叡「そんなことよりもらったお菓子でお茶会しましょ、お姉さま! 榛名も行くわよ! 早く!早く!」

提督「あー二人とも比叡にキャトられてった……。天然っ子パワー恐るべし」

353: 2014/10/31(金) 01:10:29.26 ID:Nh/Ei0/Q0

それからしばらくして


ZⅠ「失礼するよ、提督」

ZⅢ「邪魔するわね」

ビスマルク「Guten Tag. 提督」

提督「お、ドイツ三人衆じゃん。ハッピーハロウィーン……ってあれ、駆逐艦二人は鳳翔さんとこ行ってたんじゃ?」

ZⅠ「祭事だから、形式だけでも提督に挨拶しておこうと思って」

提督「しっかりしてんなぁ……。流石ドイツ、いつ何時でもお仕事関係には手を抜かない」

ビスマルク「そういうこと。Süßes sonst gibt's Saures」

ZⅠ「Süßes sonst gibt's Saures」

ZⅢ「Süßes sonst gibt's Saures」

提督「ズーゼ……なんだって?」

ZⅢ「端的に言えば、ドイツ語でトリックオアトリートって意味よ」

提督「へぇ、また一つ賢くなりましたっと。じゃあ君たちにはバウムクーヘンやるぞー」

ビスマルク「あら、私達は仮装してないけどくれるのかしら?」

提督「おーやるともよ。後でイタズラされたら敵わんからな」

ZⅢ「そんな事……するわけ無いじゃない」

提督「今の間は何だ? ん?」

354: 2014/10/31(金) 01:11:45.96 ID:Nh/Ei0/Q0

ZⅠ「それはともかく、バウムクーヘンは有り難く頂いていくね。ダンケダンケ」

ZⅢ「あなたもこういう時くらいお菓子をもらう側に回ってもバチは当たらないわよ。ダーンケ」

提督「前言撤回。この基地来てから若干腑抜けてきてない?」

ビスマルク「仕方ないじゃない、居心地良いんだもの」

提督「開き直った諦めの境地だねぇ。ほれバウムクーヘン」

ビスマルク「Danke Admiral. 美味しく頂くわね」

提督「お、今の大人のレディっぽかった」

ビスマルク「だから大人だってば!」

ZⅠ(そうやってムキになるのが子供っぽく見られる原因なんだけどなぁ……)

355: 2014/10/31(金) 01:14:06.14 ID:Nh/Ei0/Q0


それからまたしばらくして


ヲッさん「おっすおっす提督」

提督「あれヲッさんじゃん。お菓子もらいに来たの?」

ヲッさん「それもあるけど今日は友達連れてきた。入れてもいい?」

提督「友達? まぁ別に構わないけどよ」

ヲッさん「入っていいよー」



レ級「オカシ! オカシ!」



北方棲姫「キチャッタッテ……イッテルノ……」



提督「ほげええええええええええええええええぇぇぇぇぇ!!!!」




356: 2014/10/31(金) 01:15:19.24 ID:Nh/Ei0/Q0

レ級「オカシクレナキャ イタズラスルゾ!」

提督「ま、待ってそれ洒落なんねぇから!」

北方棲姫「オカシ……オイテケ……」

提督「いやオイテケってここ俺のホームだし!」

北方棲姫「レップウデモイイヨ」

提督「敵強化してどうすんだよ……」

ヲッさん「あ、もしかしてお菓子足りなかった?」

提督「いや念のため余分にお菓子確保してあるから数は足りてるけど……」

レ級「クレナイノ?」

北方棲姫「イジワルスルノ?」

提督「………………あーもうしゃーなしだかんな! ほら、ヌガークッキーやるよ」

レ級「ヤッタゼ!」モグモグ

北方棲姫「アリガトウテイトク!」ムシャムシャ

提督「うーん……なんだろうこの複雑な気持ち」

ヲッさん「恋?」

提督「お前もっかい海に沈むか? ん?」

ヲッさん「ヲッ」

369: 2014/11/19(水) 20:24:56.42 ID:fRzOonpP0


提督「え? お仕事が最近少ない?」

猫吊るし「はい。エラー画面は本来の猫土下座が着任しましたから、今では新規さんとしか触れあえなくって」

提督「でもあっちはあっちで出番少ないらしいよ? 以前に増してサーバーが強化されたし、メンテ後の不具合もそれなりに対応が早いみたいだし? まぁ夏イベはともかくとして……」

猫吊るし「世知辛くなりましたねぇ……」

提督「う……ううん、全然世知辛くなってないからね? 頷きかけたけどオレタチシアワセ」

猫吊るし「そりゃ提督さん達にとっては有り難いんでしょうけれど、私達にとっては氏活問題なんですよ」

提督「それを俺に言ってもどうしようも無くないかなぁ」

猫吊るし「愚痴の一つや二つくらい聞いてくれたっていいじゃないですか」

提督「相談じゃなくて愚痴だったんだ……」

猫吊るし「そうだ! 何か私達を活躍させる案を出して運営様にメール出してくださいよ!」

提督「活躍しちゃ駄目でしょ! つーか俺一人がメールしたって箸にも棒にもかからないんじゃない? そういうのって大人数でやるから効果あるんだもん」

猫吊るし「そんな事言わずに試すだけ、ね、さきっちょ、さきっちょだけ!」

提督「何のさきっちょだよ……あ」

猫吊るし「どうしました? もしかしてさきっちょを入れに?」

提督「違うし何のさきっちょだよ。 いやさ、提督の間でもちょくちょく話題に上がるんだけど、猫吊るしさんが今も吊してる猫いるじゃん?」

猫吊るし「いますね」

猫「ニャー」

提督「その猫の代わりに何かを吊すってのはどうよ」

猫吊るし「そしたら私猫吊るしじゃなくなるんじゃ……」

猫「ニャー!」

猫吊るし「この子も嫌がっていますし」

提督「素人目には違いが分かんねぇって」

370: 2014/11/19(水) 20:27:16.25 ID:fRzOonpP0

提督「でもさ、猫垂らしさんと猫吊るしさんの格好って被ってない?」

猫吊るし「それは禁句では……!」

提督「そこでだよ、猫の代わりに何かを吊したら差別化できるんじゃないかな。 例えば……あー……タオルケットを吊して脱衣所に立ってみるとか。 艦娘が入渠する度に仕事になるよ?」

猫吊るし「でもこの子が私のトレードマークみたいな所がありますから、この子は手放せませんよ」

猫「ニャー」

提督「んなもん頭の上に乗せておけいいんじゃない?」

猫吊るし「成る程」

猫「ナー……」

提督「それでいいのかみたいな鳴き声出してるよ?」

猫吊るし「違いますね、今のはお腹が空いたの鳴き声です」

提督「ごめん適当言った……っと、そろそろ摩耶と谷風の入渠時間が終わるからバスタオル吊して待ってれば?」

猫吊るし「ではでは猫吊るし参ります!」

提督「もうバスタオル吊るしになるんだけどな」

371: 2014/11/19(水) 20:28:44.05 ID:fRzOonpP0

谷風「はふぅ……」

摩耶「あぁ~……」


ピピピッ ピピピッ ピピピッ


摩耶「あぁ……入渠終了残り2分のタイマーか……。おーい谷風、そろそろ上がるぞー」

谷風「がってん!」

摩耶「何に気合い入れてんだっつーの」

谷風「谷風さんは何事にも全力投球だからね、今回のイベントだって頑張ってるんだよぉ!」

摩耶「あぁ忘れてた、それだよそれ! イベント中だからって小破くらいで入渠させんなっての! しかもバケツまで温存しやがって……上がったらアイツに文句言わねぇと」

谷風「それだけ大事に思われてる証拠だよ!」

摩耶「気持ちは嬉しいんだけどよぉ、アタシとしてはさっさとイベント終わらして提督に楽になって欲しいっつーかさぁ……」

谷風「おやおやぁ? 摩耶姉さんはお優しい提督にご執心みたいだねぇ?」

摩耶「ばっ!! くだらねぇ事言ってねぇで出るぞ!!!」ザバー

谷風「かぁー! お熱いですなぁ!」ザバー

372: 2014/11/19(水) 20:31:00.62 ID:fRzOonpP0

猫吊るし「はい、バスタオルです」

摩耶「サンキュ……んん?」

谷風「おう、誰かいると思ったら猫吊るしさんじゃないか!」

摩耶「……タオル持って突っ立って何してんだ?」

猫吊るし「新しいお仕事の試用期間として、一時的に猫の代わりにバスタオルを吊しているんですよ」

摩耶「まーた奇行を……つーか猫吊ってねぇし、何て呼べば良いんだ?」

猫吊るし「お試し中ですので、今まで通り猫吊るしと呼んでください」

猫「にゃー」

猫吊るし「猫ちゃんもOKって言ってます」

摩耶「お、おう」

谷風「そうだ! 猫吊るしさんもーちょいだけタオル持ち上げて!」

猫吊るし「構いませんが……?」

摩耶「猫垂らしみたいになってんぞ……」

谷風「よいしょよいしょ。 かぁーこいつは楽だねぇ! 丁度良い位置にタオルがあるから髪の毛が拭きやすい!」ゴシゴシ

摩耶「あー馬鹿! そんなワシャワシャしたら髪が傷むだろ! ったく、アタシ以上にガサツだな……」

猫吊るし「あ、あの、ちょっとお湯が飛んできて私が塗れちゃって、いや役に立てるのは嬉しいんですけど、お湯がはねて……」

猫「ニャー!」ダッ

猫吊るし「し、しまった! ネコガニゲテル!!」

猫「ニャー!」

摩耶「あ! おい馬鹿こっち来んな! まだ何も着てないんだって! あっち行けあっち!」シッシ

猫「ニャー!」

谷風「だ、だからって谷風さんの所に来なくても!」

猫「ニャー!」バリバリバリ

谷風「谷風さんのバスタオルがー!」


ワーワーギャーギャー......


373: 2014/11/19(水) 20:32:17.69 ID:fRzOonpP0

猫吊るし「と言うわけで、猫が暴れて大変だったのと、タオル持ってたら駆逐艦の子が体を拭くんでビチョビチョになりました」

提督「あー大概の猫ちゃんって水が苦手だもんね。 配置場所が失敗だったか」

猫「ニャー」

猫吊るし「ほらお風呂は嫌がってますよ」

提督「だから分かんないって、つーかお湯が駄目って先に言えよな?」

猫「ニャー」

猫吊るし「ごめんなさいですって」

提督「許す。そっかー、妖怪タオル吊るしは一日で幕を閉じたかー」

猫吊るし「他に吊す物ありましたっけ……」

提督「サンドバッグとか吊ってみる? 俺最近運動してないんだよね。 シュッシュ!」

猫吊るし「流石に殴られるのは嫌ですよ!」

提督「でも! シュッ! 他になに吊すのさ! シュシュッ!」

猫吊るし「合間合間にシャドーボクシングはやめてくださいって! 怖いですよ!」

提督「言っとくけど故意に提督達をKOできる君たちのが百倍怖いからね」



この後も色々吊して全部失敗したり提督が謎のラッキースOベを発動しましたが無害です。

388: 2014/12/04(木) 20:31:16.54 ID:1axG4qZg0

提督「はー寒ぃ……すっかり冬だなぁ……。 ストーブ点けよっと」

ビスマルク「ねぇ提督」

提督「ん?」

ビスマルク「その……日本の冬の風物詩として耳にしてきたけれど、『コタツ』とやらは出さないのかしら?」

提督「あー、コタツを出さないというか、単純に家具職人さん使うの勿体ないと言うか……」

ビスマルク「あら、持ってる持ってないの問題だったの?」

提督「そーゆーこっちゃ」

ビスマルク「なーんだ、残念……」

提督「なぁなぁ、やっぱりさ、『コタツ出せー!設置しろー!』って要望多い?」

ビスマルク「戦艦や重巡からはともかく、軽巡や駆逐艦の子達は一日一回は口にするわ。早くコタツに入りたいーって」

提督「やっぱりなー、そろそろコタツ買うべきなのかなー」

ビスマルク「そうねぇ……? コタツを出せって要望は多いんだし? 出すなって文句言う子がいない以上、皆の上に立つ提督としては出すべきよね?」チラッチラ

提督「あっ、ふーん……。 まぁイベントで特注家具職人手に入れたし買っちゃおうか」

ビスマルク「やっ…………ぱり買うべきよ、うん」

提督「『やったぁ』って喜んでもええんやで?」

ビスマルク「ハァ!? せ、戦艦の私がコタツ如きで喜ぶワケ無いじゃない! 貴方ちょっと気安いんじゃないの!?」ギュー

提督「グエー苦しい!! 襟締め上げんの止め゙え゙ほっ!!!!!」

389: 2014/12/04(木) 20:33:32.28 ID:1axG4qZg0

提督「ゲホッゲホ……。 ギューってするなら抱きついてこいよ……なんで首なんだよもう……」

ビスマルク「わ、悪かったわよ……それよりホラ!」

提督「はいはい。 じゃ、特注家具職人さんに『早く出しすぎた炬燵』を発注……もう季節的にドンピシャリだよな……」

ビスマルク「もう買ったの?」

提督「うん。 後は今まで出してた『執務机』の上に載ってる書類を片付けてから、『早く出しすぎた炬燵』を召喚して終わり」

提督「あーそうだ、書類片付けてる間にさ、海外艦の子達呼んできてよ。 コタツの使い方教えてやっからさ」

ビスマルク「Guter Plan! すぐに呼んでくるわ!」ガチャッ バタン!

提督「おいおい、書類片付けんの長くかかりそうなのに……ってもう出てっちゃたよ」

提督「まずは書類整理からかぁ……だりぃなぁ……。 雷にでも手伝ってもらおうかなぁ……」

隼鷹「提督いるかー?」ガチャッ

飛鷹「ちょっと邪魔するわね」

提督「お、どうした?」

隼鷹「さっきビスマルクが提督の部屋から出てきたの見たんだけどさ、滅茶苦茶急いで駆逐艦寮方面に走ってったけど何かあったのか?」

飛鷹「すれ違う時にチラッと顔見たんだけど、かなり真剣な表情で……いや喜んでた様な……」

提督「あー、あれはな、期待感で胸いっぱいなんだよ出雲丸」

飛鷹「だから出雲丸じゃないってば! ……で、期待感ってどういう意味よ」


390: 2014/12/04(木) 20:35:01.40 ID:1axG4qZg0

提督「いやさ、今までウチってコタツ無かったじゃん?」

飛鷹「そう……だったっけ?」

隼鷹「そう……だったかしら?」

提督「何だよ歯切れ悪いな……。 でさ、駆逐艦や軽巡からの要望多いらしいし? まぁ買っちゃうかーって事で買っちゃいました!」

飛鷹「買っちゃいましたって……いやいや、コタツなら今年の12月~1月頃に手に入れたはずよ?」

提督「おいおい嘘はやめろって。 だって家具ざっと見たけどコタツのコの字も無かったよ? ぜってぇ無かったって」

隼鷹「ちょい待った、私も思い出した。 それさ、もしかして麻雀卓じゃねーの? まぁ、手に入れて2ヶ月くらいしか使ってないから印象薄いけどさ」







提督「あ゙………………ああああああ……………………アレかああああああぁぁぁぁ!!!!」










 教室セット「教卓」

E:早く出しすぎた炬燵

 艦娘専用デスク

 提督の麻雀卓 ←コレ

 スイカ割りセット

 板チョコ型の机


396: 2014/12/15(月) 06:22:25.79 ID:JT3bPQzc0

提督「なんか、一部の艦娘が去年の那珂ちゃん真似してサンタコスし出したし、もう鎮守府もクリスマスムード一色だな」

加賀「そうね」

提督「楽しそうだねー」

加賀「世間一般のムードとは逆に提督は嫌そうですけど」

提督「まぁ……な」

加賀「……気になる言葉の濁し方をするわね」

提督「これから言うことを駆逐艦に吹いて回らないって約束するなら話してやるよ」

加賀「あっ……もしかしてコッチの……?」

提督「はあっ!? いやちげーし! 俺まだ【新造艦】予定だし! 性夜とかくだらねー事考えてる奴らぶっ飛ばす派だし!」

加賀「下は下でも妬みの方ですか、私をがっかりさせないで頂戴」

提督「体の関係持ったらヤバイ子が多いんだよ(震え声) で、どうすんの? 聞いてくの?」

加賀「はい」

提督「じゃ最初から煽るなよ……。 いいか、まず前提条件として、駆逐艦のほぼ全員ってサンタさん信じてるじゃん?」

加賀「そうね、大人びている綾波やネット事情に詳しい漣以外、殆ど信じてるかしら」

提督「でしょ? それで、艦娘皆にクリスマスプレゼント配りたいんだけどさ、まずは俺個人からのプレゼントを配るワケよ」

加賀「あー」

提督「分かっちゃった? つまり、艦娘全員にプレゼントを配る→駆逐艦にも当然配らなくちゃ→その後に寝ている駆逐艦にサンタさんのプレゼントを忍ばせる」

加賀「駆逐艦にだけ二度プレゼントを送る必要があるんですね」

提督「そうだけどさー、流石に『クリスマスプレゼント+サンタさんプレゼント』だとお金が嵩むワケなんだよ」

加賀「ケチですね。 ドックや※寮を拡張しないでお金を貯め込んでる癖に」

提督「暗にいびるの止めろよ、姑かよ……」


※寮=艦娘保有数みたいなイメージ


397: 2014/12/15(月) 06:26:41.17 ID:JT3bPQzc0


提督「つまり俺提督、サンタプレゼントをケチって駆逐艦の子に真実を教えるか、駆逐艦の数だけプレゼントを二つ揃えて夢を守るか葛藤中」

加賀「夢守りながら真実教えるのってどうかしら」

提督「無理に決まってんだろ」

加賀「じゃあ自腹切ってプレゼントを二つ用意する以外無いですね」

提督「年始のお節がくっそショボイのになっちゃうけど」

加賀「赤城さんが困るからダメね。 早く代案を出してください」

提督「加賀さんも考えろっての! 何の為に相談したんだか……………………あっ」

加賀「浮かびましたか」

提督「加賀さんの二律背反案は却下だけど、夢を守りながら真実を誤魔化す。 多分この方法ならプレゼント一個で大丈夫なはず」

加賀「してその名案とは?」


提督「かくかくしかじか」

加賀「四角いムーブ」


提督「どうよ」

加賀「……行けそうですね」

提督「よっしゃ! そうと決まればクリスマスまでに時間が無いし、何のプレゼントが欲しいか聞いてくる!」

加賀「待ってください提督」

提督「おうどした」

加賀「私へのプレゼントは月収三ヶ月分で結構です」

提督「どんなプレゼントより高い物要求すんなよ!!!」

398: 2014/12/15(月) 06:29:13.88 ID:JT3bPQzc0


提督(まずはこの作戦が通用するかどうかを、純真な子、良くも悪くも普通な子、ツンデレっ子、世間の黒い所をネットで見て汚れた子がセットで居座る部隊で試してみる)


提督「て事で第四駆逐隊のメンバーを集めてみました」

曙「何の用よクソ提督」

潮「曙ちゃん、一言目がそれだと提督さん怒っちゃうよ……」

漣「ご主人様の右ストレートはキレッキレですからね」

朧「水漏れだけで済んだら儲け物だよ、最悪艦首が逝っちゃうかも」

曙「(顔面真っ青)」

提督「ボケの比率が高いな……。 いいか、今回お前達を呼んだのはクリスマスのプレゼントについてだ」

朧「プレゼントって、サンタさんが靴下に入れてくれるプレゼントの事?」

提督「そうそれ」

曙「で、どうしてそのプレゼントについてクソ提督が?」

潮「サンタさんが配ってくれるんじゃ……」

提督「いやほら、サンタさんって良い子みんなに配るのがお仕事じゃん?」

潮「はい……あ! ま、まさか、潮が悪い子だったからプレゼント貰えないんですか……?」

漣「潮が悪い子だったら世の大半が悪い子になっちゃうから」

提督「まぁ? 潮や朧や漣はともかく? 約一名は悪い子のフレーズに心当たりがあるみたいだけどぉ?」

曙「ぐっ……」ビクゥッ

曙(ヤバイ……提督罵倒しまくったからアウトかも……っていうか不敬ってレベルじゃないわよねこれ!)

提督「でも素行の悪さを覆い隠すくらい優しい一面あるらしいから、サンタさんは目を瞑ってプレゼント配るだろうね。 俺は見たこと無いけどな」

曙「クソ提督が見てなくてもサンタさんが見てるなら良いのよ」ホッ

提督(うわホッとしてる、曙ですら信じるサンタさんってすげぇ……)

399: 2014/12/15(月) 06:32:10.29 ID:JT3bPQzc0


提督「で、話を元に戻すんだけど、良い子が多すぎてプレゼント一人じゃ配れません。 この鎮守府もその一つです」

曙「何よ! プレゼントが貰えないなら私が悪い子でも変わらないじゃない!」

潮「お、落ち着いて曙ちゃん……」

提督「ほおぉー、今から悪い子になると痛い目に合うぞ?」

曙「ひっ」

朧「やっぱり提督も相当我慢してたんですね……」

提督「痛い目ってそういう意味じゃないの! 俺がプレゼントを代わりに配っておいてくれないかって、サンタさんに頼まれたの!」

漣「サンタさんに頼まれて……? あっ……ふーん」

提督「察したなこいつ!」

漣「ネットスラングにネットスラングで返すとか、さすご主!」

提督「まぁな」

朧「じゃあサンタさんからのプレゼントは貰えるの?」

提督「応ともよ」

潮「私ももらえますか……?」

提督「渡すのは俺からになるんだけどね、勿論プレゼントはもらえるよ。 で、曙は悪い子になる? それともまだ良い子でいる?」

曙「ふ、ふん! サンタさんがそう言うなら、アンタからでも我慢してあげるわ! まだ良い子でいてあげる!」

提督「そうかそうかチョロいな! ハッハッハ!」ピョコン

提督「あ、待って、LINE来たわ。 誰からだろ」ゴソゴソ


漣『んんご主人様wwwwww漣は口止め料として新しいノートPCが欲しいですぞwwwwwww』


訳:プレゼント二個から一個に減らしたの黙ってやるから私には二個寄越せ


提督(こ、こいつ……!! やりおるわ!)チラッ

漣「どうかしましたか? ご主人様?」ニッコリ

提督(い、いやしかし、漣はあくまで例外中の例外だったんだ……。 夢を壊さずにプレゼント一つで済ます方法……これは行ける!)



後に『提督とサンタさんは知り合いなんだよ作戦』は世間の御家庭にも浸透するとかしないとか。



400: 2014/12/15(月) 06:33:15.65 ID:JT3bPQzc0

ヤマもオチもない、淡々としたほのぼのを久々にやった気がする。ちな一般家庭でサンタさんが浸透したのは、第二次世界大戦が終わった後の1950年代かららしい。つまり先に脱落した艦娘はクリスマスを知らない可能性が微レ存……?

411: 2015/01/06(火) 03:34:37.99 ID:HaZqxoO40

―― 幼なじみ役は○○ ――


提督「殿……親方……うーん……」

敷波「いい加減起きろ! もう7時半だぞー!」バサッ

提督「うおぉぉ……! さみーよ敷波……布団返せよ……」

敷波「むっ……。 何だよ、折角起こしに来てやったのにさ」

提督「そりゃまぁ……ありがたいとは思ってっけど、もーちょい他に方法ねぇの?」

敷波「目覚ましをセットしない司令官が悪い」

提督「いやもう敷波が目覚ましみたいなもんじゃん」

敷波「私は道具じゃないっての」

提督「あーいや、そういう意味じゃなくて……なんて言うんだろうな……。 あ分かった! アレだ!」

敷波「アレ?」

提督「『毎日味噌汁』的な?」

敷波「さっさと着替えて下に降りてこい馬鹿!!」バサッ

提督「うわ! 布団投げるなって! 埃が舞うだろ!」

412: 2015/01/06(火) 03:36:46.53 ID:HaZqxoO40

―― 姉役は○○ ――


提督「ったく敷波の奴……冬場で換気する俺の気持ちも考えろっつの」

陸奥「あら、おはよう提督」

提督「おはよー」

陸奥「朝ご飯出来てるわよー」

提督「いただきまーす。 ……あ、姉ちゃん、敷波もう学校行っちゃった? さっき玄関開く音聞こえたけど」

陸奥「敷波ちゃんなら駆け足で出て行っちゃったわよ?」

提督「そっかー、やっぱさっきのセクハラだったかなー……」

陸奥「あらあら提督ってば……お姉ちゃんに内緒で朝から火遊びかしら?」

提督「いや【大人の階段】とか【チョメチョメ】とかやってたワケじゃねーんだけど……」

陸奥「そ、そんな踏み入った内容までは聞いてないわよ!? もう少しオブラートに包んで……ね?」

提督「俺こういうの何て言うか知ってるわ、耳年増だろ」

陸奥「あらあら……提督が耳年増卒業させてくれても良いのよ?」

提督「姉ちゃん切り替えはえーよな……」

413: 2015/01/06(火) 03:38:27.65 ID:HaZqxoO40

―― 姉役は○○ ――


提督「……ん?」

扶桑「おはようございます提督」

提督「あぁおはよ」

扶桑「今日も良い天気ね……空はあんなに青いのに……」

提督「……え、待って、姉のキャスト二人に変更されたの?」

扶桑「そう、私は提督の姉なの。 義 理 の ね」

提督「でも台本には姉一人って……あれぇー?」

扶桑「今日の晩ご飯は精の付く物作らなくっちゃ……」

陸奥「あらあら……提督の姉役は私のはずでしょう? お姉ちゃんはね、一人いれば充分なのよ」

提督「やっぱ台本と違う役してたの扶桑さん側だったんだ! やべぇアドリブ思いつかねぇ!」

扶桑「普段通りに接してくれればそれがアドリブよ。 ところで陸奥、貴女お姉さんぶったキャラしてるけど……長門型の二番艦、つまり末っ子じゃない? 妹いないわよね? どうしてお姉さんキャラなのかしら……」

陸奥「ぐううぅぅ……!」

提督「うわ俺も気になってたけど聞かなかったのにズケズケと……」

陸奥「別に良いじゃない! 末っ子が妹や弟欲しがったって!」

414: 2015/01/06(火) 03:39:36.64 ID:HaZqxoO40

―― 姉役は○○ ――


提督「って今度は誰だよ! つーかまた姉!?」

暁「暁よ、一人前なお姉ちゃんとして扱ってよね!」

扶桑「ふふっ、可愛いらしいお姉ちゃんね」ナデナデ

陸奥「お姉ちゃん、今度ウィンドウショッピングに出かけましょ?」ナデナデ

暁「子供扱いしないでって!」

提督「いやー……暁は無理あんじゃねぇかなぁ」

暁「そんな事無いわ! 暁型の一番艦だって務めてるんだから!」

提督「一番艦=姉って方程式は成り立たないんじゃない? ほら、陸奥だって二番艦だけどお姉さんキャラだし」

陸奥「ぐううぅぅ……!」

提督「やべっ」

暁「何だかよく分からないけどお姉ちゃんが慰めてあげるわ!」

提督「割りかし姉としての素質は有るのか……?」

415: 2015/01/06(火) 03:41:55.90 ID:HaZqxoO40

―― 姉役は○○ ――


提督「また!? 流石に四人兄姉設定はきつくねぇかな……」

金剛「HEY提督ゥ、お待たせしたネー!」

提督「ゲェ! 金剛!」

陸奥「リアルで妹が三人いるガチ勢のお出ましよ」

扶桑「タダでさえこっちはステータスや装備が中途半端な航空戦艦なのに……もう勝ち目が無いじゃない……」

提督「ふ、扶桑さんはほら、改二来たし! ステも立ち絵も変わったから!」

金剛「私は一年前から改二実装された高速戦艦デース!」

扶桑「やっぱり不幸だわ……」

提督「お前扶桑さんにトドメ刺しに来ただけだろ!」

暁「とんだライバル出現ね! お姉さんの座は渡さないんだから!」

提督「安心しろ暁、金剛に限ってはお祈り即決だから」

金剛「ノオオオオォォォ!! what!!? why!?」

陸奥「あら以外ね、姉って言ったらこれ以上の配役は考えられないわよ?」

提督「ちょっとお転婆過ぎてなぁ……姉ってか幼なじみポジだったらしっくり来たんだが。 なんでピッチャー向きなのにキャッチャー志望なの?って感じ」

金剛「NO! 幼なじみはfriend止まりで負け組ネ! lastまで側にいたいなら血の通ってない義姉がbest!」

提督「だとしても俺の理想の姉役とはちょっと違うなぁ……」

暁「理想の姉?」

提督「そそ、やっぱり『お姉ちゃん』って言ったら包容力があって、お淑やかでさ、こう……ね? 何となく分かるでしょ?」

416: 2015/01/06(火) 03:42:55.52 ID:HaZqxoO40

―― 姉役は○○ ――


提督「って展開はえーよ! この調子で行ったらシスプリ(姉Ver)になっちゃう!」

暁「誰が来てもお姉さん役は大人でレディの暁以外にいないのに、残念だったわね」

扶桑「お淑やかで包容力がある私よりも適役がいるかしら?」

陸奥「提督は普段からお姉さんにメロメロなのよ? 私以外あり得ないわ」

金剛「フフン! 姉+留学生ならキャラが立つから私がNo1ネ!」

提督「見える……頭の上に旗が刺さっているのが見える……! で、次は誰が来たの?」


港湾棲姫「キチャッタ……」


扶桑「春イベの深海棲艦!?」

陸奥「キチャッタって、そんなノリで来る場所じゃないでしょ!」※撮影場所は鎮守府の敷地内

金剛「提督を誑かしに来たfallen angel!? 覚悟するネー!」

暁「し、司令官、指示を!」

提督「ア……アァ……アアアァァァァァ…………」

暁「司令……官……?」



提督「姉 役 こ の 人 で お 願 い し ま す」



提督「義理でな!!!!1」



港湾棲姫「ヤッタ……///」グッ

417: 2015/01/06(火) 03:43:25.18 ID:HaZqxoO40

こうして姉役は鶴の一声で港湾棲姫に決定した。キャスト争いに関しては艦娘組も健闘したが、爆乳大要塞は相手が悪かったとしか言えない。というかもっと適役があっただろうに。

一方その頃学校では――――。


敷波「司令官遅いなー……。 早く来いよぉ……」←幼なじみ

朝潮「そろそろHRが始まるのに間に合うのでしょうか?」←クラスの委員長

望月「遅刻の一つや二つくらい目を瞑ろ~よ~」←悪友

弥生「兄さん寝起き悪いから……仕方ないね……」←妹


……小学校かな?

427: 2015/02/12(木) 01:17:42.19 ID:ocyKnwdJ0

提督「風邪引いた ッゲホ うゔん゙! 喉と頭が痛い……」グデー

天龍「ははっ、馬鹿は風邪引かないはずなのにな」

提督「馬鹿は風邪引いたことに気づかないんだよ馬鹿」

天龍「う、うるせぇ! そんくらい知ってたし!!」

提督「あーあー大声は頭に響く……」

天龍「あ、す、すまん……」

龍田「提督、お粥出来たわよ~」

提督「ありがと龍田……」

龍田「今食べる~? 食欲はあるかしら~?」

提督「うん……ありがと……」

天龍「いやー助かるよ龍田、俺が秘書艦になったはいいけど看病したこと無くってさ」

龍田「いいのよ~天龍ちゃん、こんなに弱った提督滅多に見られないもの♪」

提督「見せ物じゃねっつの……」

428: 2015/02/12(木) 01:21:57.99 ID:ocyKnwdJ0

龍田「体起こせるかしら?」

提督「うん……器頂戴」モゾモゾ

龍田「熱いから気をつけてくださいね~」

提督「うん……ふーふー、ふーゲホッゲホゲホッエッホ」

天龍「お、おい! 大丈夫か!? 風邪薬飲むか!?」

提督「ゲホ 湯気で ゲホッ 咽せただけだから……大丈夫だから騒ぐなって……」

天龍「そ、そうか……」シュン

龍田「……天龍ちゃん、提督きっと汗掻いてるだろうから温めのお茶持ってきてくれる?」

提督「あぁ……確かに喉乾いたわ……」モグモグ

天龍「お、おう、任せとけ! すぐ入れてくるからよ!」パァッ

龍田「ふふっ、天龍ちゃんあたふたしちゃって可愛い~」

提督「お前は平 ケホッ 常運転で安心したよ……」モグモグ

429: 2015/02/12(木) 01:24:27.51 ID:ocyKnwdJ0

提督「ご馳走様 ゲホッゲホ ……あー落ち着いた……」

龍田「食欲はあるみたいで安心しました」

提督「甲斐甲斐しく世話してくれたし……もう寝て起きたら治ってんだろ……」

龍田「その前に~、体が汗でベトベトじゃないかしら~?」

提督「ベトベトで不快感感じるけど……飯喰って眠いから寝かせて……」

龍田「………………………………当の病人がそう言うんじゃ仕方ないわね~」ハァ

提督(今の間は何だと小一時間)

天龍「よし、それじゃ安眠できるように俺が本読んでやっか!」

提督「ほっといてくれれば勝手に寝るから……」

天龍「そ、そうか……」

提督「そう ゴホッゴホ だから静かにしててね……」

天龍「よし任せとけ!」

提督「……龍田、天龍を頼んだ……」

龍田「頼まれました♪」

天龍「?」

430: 2015/02/12(木) 01:26:45.02 ID:ocyKnwdJ0

―― 15分後 ――



提督「Zzz...」スヤスヤ

龍田「三日前の出費資材は……」ペラッ

天龍「……」ウズウズ

龍田「……天龍ちゃん」

天龍「な、なんだよ」ビクッ

龍田「提督にちょっかいは禁止よ?」

天龍「べ、別にコイツの寝息でティッシュが揺らせるか試そうか何て思ってねぇよ!」

提督「う……ん……」ゴロン

天龍「げ、不味っ」

龍田「」シーッ

天龍「あ……す、すまん……」



―― 30分後 ――



龍田「ふぅ……」パタン

龍田(……これで今週の資材分の帳簿は付け終わったわね……。 後は報告書を纏めて……ん?)

提督「Zzz...」

天龍「Zzz...」←提督に被さるようにして寝てる

龍田「……ふふっ、確か押入に来客用の掛け布団が入ったわよね~」



―― 1時間後 ――



龍田「……」カリカリカリ

提督「Zzz...」

天龍「Zzz...」

431: 2015/02/12(木) 01:28:40.63 ID:ocyKnwdJ0
龍田は愛情がいっぱい(意味深)な分、お母さん役が似合うに違いないと思いながら書いてたら、案の定ほのぼのになった。やったぜ。

あとイベントE-3甲ゲージ㍉になりました。本気出した甲斐あったはーw


433: 2015/02/18(水) 21:31:47.29 ID:2yF2iOY70

提督「そろそろ冬イベもお終いだな……」

伊58「甲勲章間に合うかなぁ」

提督「わかんにぃ」


『………セ……ラを……………守府……』


提督「ん……58、ラジオの音量ちょっとだけ上げて」

伊58「はいでち」カチカチカチ


『――――女性が被害に遭いやすいと言われているセクハラ問題。 その波紋は鎮守府まで広がっており、大きな話題を呼んでいます。 次のニュース――――』


提督「セクハラかぁ……。 俺から艦娘に性的タッチは一切してないし、うちの鎮守府はセーフだよね?」

伊58「むしろボディタッチが少ないって一部の潜水艦が騒いでるでち」

提督「一部の潜水艦っておま」

伊58「ごーやじゃないよ? ちなみに、潜水艦に限らずもっと積極的に触れって要望持つ艦娘は多いでち」

提督「えええぇ……何それ……」

434: 2015/02/18(水) 21:33:33.24 ID:2yF2iOY70

提督「あーそうだ、セクハラで思い出した」

伊58「?」

提督「お前が中・大破した時、『提督指定の水着が~』とか言ってっけどさ、潜水艦の水着をスク水に指定したの俺じゃないからな」

伊58「え、違ったの!?」

提督「ったりめーだろ! つーかどこで話が拗れて俺達提督のせいにされてんだよ」

伊58「建造された時、妖精さんに教えられたでち」

提督「おのれ建造妖精……。 いいか、お前達が来る少し前にな、新米提督達に大本営からアンケートが来たんだよ。 『ビキニ水着とスク水どっちのが機能性高そう?』って」

伊58「そんなのスク水でしょ?」

提督「そういう事だよ。 確かにスク水選んだの俺達提督だけど消去法だからね?」

伊58「へぇー……でもこれでセクハラ問題がまた一つ解決したでち!」

提督「ちなみにまだ潜水艦に関するセクハラならあるぞ」

伊58「え?」

435: 2015/02/18(水) 21:37:48.80 ID:2yF2iOY70

提督「E-3クリアでU-511ちゃんが着任したろ」

伊58「したでちね」

提督「そう、それでさ、着任時に一通りテンプレ挨拶も済ましたから、〆も兼ねて某監督の顔真似してグータッチしようとしたんだよ」

伊58「何でそんな事したでちか」

提督「パッと思い浮かんだからつい……な? そしたらさ、『知ってる……それ……この艦隊の挨拶でしょ……変わってるね』って言われてさぁ!」

伊58「そりゃそう言われるよ、変わってるでち」

提督「……あれも安易なボディタッチだし、セクハラの内に入るのかな?」

伊58「うーん……どっちかと言うとパワハラじゃないの?」

提督「あーそっちかー。 ……でも強要した記憶は無いからパワハラじゃないしセフセフ!」

伊58(何でユーちゃんがグータッチをこの艦隊の挨拶と知っているのか突っ込まないの……?)

436: 2015/02/18(水) 21:38:50.09 ID:2yF2iOY70

伊58「……あっ、ごーや気づいちゃった」

提督「あん?」

伊58「異性とこうしてセクハラ談義をしている時点で、お互いがお互いにセクハラ問題が発生してるでち」

提督「俺から58に?」

伊58「ごーやから提督に」

提督「そこに気づくとは……やはり58はお利口さんか」

伊58「どんなもんでち」

提督「……」

伊58「……」

提督「でもよく考えたら18歳未満禁止ゲーにセクハラもクソも」

伊58「それ以上いけない」

449: 2015/02/28(土) 18:29:39.16 ID:hmWqS9860

―― ちゃぶ台の上に豪華な夕食が並んだ提督室 ――


提督「……なぁ鳳翔さん、今日って何かの記念日だっけ?」

鳳翔「いいえ、至って普通の日ですよ?」

提督「だよねぇ……じゃあ何だってこんな豪華な……」

鳳翔「まぁまぁ、座布団を敷いたのでどうぞ」

提督「これをまぁまぁで済ますって……。 誘導されてる気がするけど、とりあえず座るか」ヨッコイショ

鳳翔「今です!」

提督「ってやっぱり図ってたんかい! 一体何が――――」

比叡「司令!」ガバッ

提督「ぐうぉ!!」

比叡「だれでしょーか!!」ギュッー

提督「うーんだれだろー比叡かなー? ってアホか! 人形抱きしめるみたいに腕で目隠しする奴初めて見たわ! いや見えて無いけど!」

金剛「ふっふっふ、提督には覚悟してもらいマース」

川内「夜食なら任せて!」

大鯨「う、腕によりをかけて作りました!」



コソコソ...



提督「……その声、金剛に川内に大鯨か。 でも気配的には三人だけじゃなさそうだが?」

鳳翔「それは後ほど本題に入ってからで……コホン」

450: 2015/02/28(土) 18:34:46.23 ID:hmWqS9860

鳳翔「皆で話し合ったんです、『提督って何でも美味しいって言って食べてくれる』って」

提督「だって基本的に艦娘が作る料理って不味くないから、出る感想は美味しいしかないんだもん」

鳳翔「でもですよ? 誰がどの料理を作ったのか分かって食べてくれてるのか、そこまでは当番表を見ないと分かりませんよね?」

提督「そうだけど……ってあぁ、要は目利きみたいに、誰がどの料理作ったのか食べ比べしろって事?」

青葉「概ねその通りです! 司令官に目隠しをしてもらい、料理を食していただいて――――」

提督「おい今の声青葉だな!? 大体想像付くが煽ったのテメェだろ青葉ァ!」ガタガタッ

青葉「ヒッ」

比叡「ひえぇ! 急に暴れないでください司令!」

青葉「よ、よくお分かりで……いやぁ相変わらず勘が鋭いですねぇ」

提督「テメェ、俺が料理を外したらどうなるか安易に想像できんだろがぁ!」

青葉「やだなぁ、外さなければいいんですよ!」

提督「当てられなかった時は覚えておけよ……」

451: 2015/02/28(土) 18:39:41.29 ID:hmWqS9860

鳳翔「では一品目行きますね?」

提督「簡単なの簡単なの簡単なの簡単なの……」

鳳翔「では、まずはこれから……あーん」

提督「あーん」

ギリギリッ

提督(『あーん』だけで周囲から歯ぎしりの音が聞こえるが……今は集中しろ、外したらそれ以上の修羅場が待ってる)モグモグ

提督(料理の種類は分かる、ハンバーグだ……目隠しされる前にハンバーグが見えたから間違いない……いや待てよ? 目隠しされる前に見えたハンバーグはハート型だった気がする)モグモグ

提督(ハート型に加えて、ハンバーグを作りそうな艦娘……)モグモグ

提督「……多分、多分だけど分かった気がする」ゴックン

青葉「それでは張り切って答えをどうぞ!」

提督「ハンバーグは金剛のだな」

金剛「Well done!! イエース提督! Loveを込めて作った甲斐があったネー!」

青葉「何と一口だけで正解です司令官! これには青葉驚きです! ちなみにどうしてお分かりに?」

提督「何でって言われても美味しいからとしか……あーあと金剛がお弁当作ったらこういうの入ってそうだなーって」

金剛「きっとLoveが伝わったからに違いありまセーン!」

ギリギリッ

提督(俺の感想に変なフィルター通すな金剛! つーか当てなかったら地獄、当てても地獄かよ……!)

452: 2015/02/28(土) 18:40:27.81 ID:hmWqS9860


そんなこんなで


鳳翔「それでは5品目を……あーん」

提督「あーん」

ギリリッ

提督(……卵焼き、それも甘め、これは分かり易い)モグモグ

提督「卵焼き、瑞鳳だな」ゴックン

瑞鳳「良かったー……当ててもらえて嬉しいです!」

提督「よしよし、まずは一人目……」



 ――――――――



鳳翔「8品目です。 あーん」

提督「あーん」

ガンッ ドカッ

提督(八つ当たりにパワーアップしてる気がする……。 とりあえずこの料理は一発で分かった)モグモグ

提督「魚の煮付け、これは鳳翔さん、自然と酒が欲しくなるもん」

鳳翔「ふふっ、大正解です。 褒め言葉として受け取っておきますね」

提督「そっすか……。 何か美味しい物を食べてるはずなのに胃が痛くなってきた」

453: 2015/02/28(土) 18:42:21.32 ID:hmWqS9860



 ――――――――



鳳翔「13品目になりますね、はいあーん」

提督「ま、待って鳳翔さん、そろそろ腹いっぱいなんだけど……」

比叡「あぁっ! まだ気合い入れた比叡カレーの感想聴いてないのに!」

提督「いや気合いは入れちゃいかんでしょ……頼むから気合い抜いたカレー頼むわ」

比叡「ひえぇ~」

提督「つーかカレーって聴いただけで比叡のイメージがするから食べ比べする必要が……ん、待てよ?」

提督「カレーと言ったら比叡、卵焼きと言ったら瑞鳳、酒煽りたくなるのが鳳翔さんでしょ?」



提督「誰が作ったかを当てるなら食い物を統一するべきじゃね?」



ポロっと零れた迂闊な爆弾発言により、皆が得意とするカレーを作ったまでは良かったが、各々が量を考えずに作ったため1週間三食カレーとなったらしい。

454: 2015/02/28(土) 18:44:27.38 ID:hmWqS9860

大鯨ちゃんや鳳翔さんの料理が美味いのは想像できるけど、史実によれば比叡の料理は美味しいらしい。
逆に加賀さんがメシマズらしくて驚いた。

458: 2015/03/08(日) 02:34:57.21 ID:WK8k6i3g0

摩耶「提督、第四艦隊遠征に行かせたぞー」

提督「はいよ、したら第二艦隊が遠征から戻ってくるまで休憩でいいぞー」ペラッ

摩耶「おう」

提督「ん」ペラッ

摩耶「……なぁ、さっきから何読んでるんだ? 桃色の表紙が気になるんだけどよ……」

提督「少女漫画」

摩耶「はぁ!? しょ、少女漫画だぁ!? 何だってまた……」

提督「昨日、酒飲み共に絡まれて『提督は女心が分かっていません!』とか何とか言われて返答に困ったから、女心を勉強中。 ちなみに本は秋雲から借りた」

摩耶「ハハッ、まぁ提督は女関連に弱そうだしな。 あれだろ、士官学校でも彼女とか作ったこと無ぇだろ?」

提督「ばっ、年齢=童Oなワケ無いじゃん! 童Oを賭けてもいいんですけお!!!」

摩耶「テンプレみてー焦り方だな……」

459: 2015/03/08(日) 02:37:55.18 ID:WK8k6i3g0

摩耶「で? 女心は理解できたのかよ」

提督「サッパリ」

摩耶「だろうな」

提督「でもなでもな、ギャップ萌えって単語が出てきてな、これは『へぇ~』ってなったんだよ」

摩耶「んだそれ」

提督「普段している逆の行動を取って、それに萌えを感じる事象を指すんだって」

摩耶「ふーん、じゃあ綾波とか朝潮辺りが『提督嫌い』ってのもギャップ萌えになんのか?」

提督「いやぁ……それに萌えは感じないから、ただショック受けるだけじゃね?」

摩耶「でもよ、落差っつーかギャップはあるだろ? そもそもギャップに萌えを感じるとかあんのかよ」

提督「表面が黒い子は、実は真っ白でしたってポイントに萌えを感じるのであって、表面が白い子の根っこが実は黒ってのには萌えを感じない、みたいな」

摩耶「あ……あぁ?」

提督「えーっとだな……あぁ言葉にしようとすると難しいな……」

460: 2015/03/08(日) 02:41:24.55 ID:WK8k6i3g0

提督「論より証拠、実際に摩耶も体験してみるか、ギャップ萌え」

摩耶「やろうと思って出来るもんなのか?」

提督「それはやってみないと分からん。 摩耶、俺って基本どんな性格してる?」

摩耶「艦娘に言い寄られてる癖に手を出してないから……へたれだな」

提督「じゃぁほら、この漫画に出てくる男キャラが俺様系だから、これを俺が演じてみればギャップ萌え感じるんじゃね?」

摩耶「どれどれ……。 うっわ、確かに性格は正反対になるだろうけど……こういう奴って想像するだけでウザイな」

提督「いやでも、表面は俺様でも根っこは良い子だし、ドラマ化されてる少女漫画って大抵俺様キャラ登場するし」

摩耶「そうなのか?」

提督「当社調べ」

摩耶「ダメじゃねーか」

提督「じゃ、俺はこのページの男キャラやるから、摩耶はこの主人公みたいに部屋の真ん中に立ってだな」

摩耶「お、おう、何か始まった」

提督「俺がなんやかんやしてから摩耶を押し倒すけど、最終的には俺を突き飛ばして逃げる感じで行こう」

摩耶「押し倒すまでやんのかよ……。 確かに普段の提督とはキャラがちげーからギャップはあるな」

提督「でしょ? 普段の俺と180度変わるわけだから、そこに『萌え』……つまり胸がキュンって感じになれば成功だ」

摩耶「キュンなのか」

提督「キュンだ。 あーあー……ゔゔん! よしやるぞ!」

摩耶「お、おう!」

461: 2015/03/08(日) 02:48:59.57 ID:WK8k6i3g0

ハイ、ヨーイスタート



提督「……摩耶」顎クイッ

摩耶「何しやがっ……!」

提督「睫長いな、髪もサラサラだ」

摩耶「は、離せ!」バッ

提督「どこに行くんだよ」トンッ

摩耶「キャッ」ドサッ

提督「俺から逃げられると思ってんの?」

摩耶(てっ、ててて提督が覆い被さってッ!?  ヤベェ漫画通りだけど想像以上に距離が近い!!!)

提督「抵抗くらいしたらどうだ?」

摩耶(えーっと次は……あークソが! テンパって頭が真っ白になってきた!!)

提督「しないっつーことは……いいんだな」ホッペタ ナデナデ

摩耶「あっ///」キュン

提督「……」

摩耶「……」

462: 2015/03/08(日) 02:49:43.84 ID:WK8k6i3g0

提督(あれ、押し返してこない、タイミング的には今なんだが)

摩耶「提督」ギュッ

提督「……お?」

摩耶「少し……このまま……」

提督「えっ」

摩耶「……んだよ、文句あんのかよ」

提督「あ、いや、えと、文句っつーか、だって漫画と違うシチュになって……」

摩耶「ダメか……?」ギュウッ

提督「いや、ダメってワケでも……」

摩耶「なら良いじゃねぇか」

提督「えっと……じゃ、その、もう少しだけ、このままで……」

摩耶「おう……」




提督(……これ俺がギャップ萌え感じてね?)





468: 2015/03/18(水) 22:39:21.38 ID:IFWxC1zo0

提督「憲兵達の間で『深海提督』という極めて異色な提督業があると耳にした」

明石「名前からして嫌な予感がするんですけど……、まさか深海棲艦を指揮する提督ですか?」

提督「うんうんそれであってる。 ほら、深海棲艦って統率取れた動きするじゃん?」

明石「陣形を組んだり輸送艦隊を出撃させたり、あと最近は流暢に言葉喋るし、暗号解読された提督がいるし……心当たりは腐るほどありますね」

提督「だろ? それで憲兵達の間で噂になっててさ、深海棲艦側に寝返った提督がいるんじゃないかって」

明石「うーん……悪い方向に考えたくはありませんが、火のないところに煙は立たぬとも言いますし……」

提督「案外、俺の近くにそういう奴がいたりしてな」

明石「ハハッ、まさかまさかそんなそんな」

ヲッさん「提督ただいま」

提督「おーお帰り。 どうだった? ほっぽちゃんはクッキー喜んでくれてた?」

ヲッさん「大喜び」

提督「なら良かった。 バレンタインは貰って無いけど、菱餅恵んでくれたお礼はちゃんとしなくちゃだからね」

ヲッさん「それと、港湾棲姫が今度は提督連れて遊びにおいでって」

提督「マジ!? はぁー入った入った! 港湾棲姫ちゃんルート入ったわ!」


469: 2015/03/18(水) 22:40:20.54 ID:IFWxC1zo0


明石「テンションの振れ幅が……あっそうだ、ねぇヲッさん」

ヲッさん「ヲッ?」

明石「『深海提督』って聞いたことあります?」

ヲッさん「いや、聞いたこと無い」

明石「ふむ……。 では、誰が指揮取ってるか、という情報はどうですか?」

ヲッさん「それも知らない」

明石「知らないって……」

提督「うーん、深海棲艦については謎が深まる一方だな……」

ヲッさん「それじゃ私は失礼する」

提督「はいお疲れー」

明石「よくよく考えたんですけど、深海棲艦の住処って深海ですから、まず生身の人間じゃ生きていられませんよね」

提督「それもそっかぁ、所詮『深海提督』は噂だったって事か」


470: 2015/03/18(水) 22:42:02.08 ID:IFWxC1zo0

明石「……そうだ、私もそういう都市伝説じみた噂、聞いたことありますよ」

提督「おっ、何々?」

明石「大本営が従来の艦載機と異なる、新たな艦載機を開発中なんですって」

提督「新たな艦載機……?」

明石「総称は『魔装備』って呼ばれてて、確か、ストライクウ・ウィッチ……何とかとか、アーマード・コ……何とかが、艦載機に取って代わる代物になるんじゃないかって噂ですよ」

提督「えらくあやふやな……。 それで、その、ストライク何とかってのは、従来の艦載機にどう立ち向かうんだ?」

明石「ストライク・ウィッチ……何とかってのは、妖精さんに空飛ぶ靴を履かせて出撃させるんですって」

提督「うーわ絶対嘘だろそれ!」

明石「そりゃぁ噂ですから、多少は誇大されてるかも知れませんが……」

提督「それでそれで? アーマード何とかってのは?」

明石「何でも、二足歩行の空飛ぶロボットに妖精さんが搭乗して出撃するらしいですよ。 動力は特別な粒子を使うとも言われてますね」

提督「二足歩行のロボット!? いやー無い無い無い!」

明石「だから噂ですってば!」


471: 2015/03/18(水) 22:43:00.75 ID:IFWxC1zo0

夕張「司令官、失礼します」ガチャッ

提督「夕張じゃん、どうしたの?」

夕張「さきほど、大本営から新たな艤装の試作品が届いたので、報告にあがりました」

明石「これはひょっとすると、ひょっとするかもしれませんね!」

提督「おいおい噂をすれば何とやらって奴か?」

夕張「噂……ですか?」

明石「はい、何でも大本営が新たな艦載機を開発していたと……」

夕張「あーそれ私も知ってます! 結構有名な噂ですよね!」

提督「有名な噂だったんだ……」

明石「てことは!?」

夕張「いえ、今回届いた艤装はご期待に添えない物ですね」

明石「あら?」

夕張「大本営から届いたの、艦載機じゃなくて水上機母艦専用の主砲なんですよ」

明石「あらら……」

夕張「これ、報告書です。 それじゃ失礼しました」

提督「はいお疲れ」


472: 2015/03/18(水) 22:44:05.78 ID:IFWxC1zo0

提督「ま、残念だったな、噂の艦載機じゃなくて」

明石「確かに残念でしたけど、それはそれ、これはこれですよ。 それで新しい水上機母艦専用の主砲とは!?」

提督「何だかんだで艤装には興味津々なのな。 えーっとね……『ツインヴェスバー』?」

明石「この主砲……攻撃と回避と命中と対空の桁が1000超えてますね……。 命中はともかく回避が上昇するのは常識的に考えておかしい……おかしくない?」

提督「これあれじゃね? 噂の艦載機の存在を上が隠すために用意したカモフラージュじゃね?」

明石「ってことは……届いた艤装も偽物……?」

提督「だろーねぇ」

明石「はああぁ……喜んで損しました……」

提督「ま、こんなの開発できてたら、装備改修なんて必要無くなっちゃうからね、仕方ないね」

明石「それもそうですねぇ……」


473: 2015/03/18(水) 22:45:21.65 ID:IFWxC1zo0

提督「あーそうだ、他にもな、『珍獣府』という鎮守府もあるらしい」

明石「急に何ですか? 言葉遊びですか?」

提督「露骨にテンション下がってんな……。 いやいや、珍獣を飼ってる鎮守府なんだってさ」

明石「珍獣って言うと、ジャイアントパンダとか、オカピとか? 臭そう」

提督「いやそれがな、珍獣は珍獣でも、艦娘の代わりに動物が艤装着けて戦うから珍獣って呼ばれてるみたいよ」

明石「何ですかそれ!」

提督「聞いたところによると、大鯨みたいな鯨だったり、まるゆみたいなラッコだったり、球磨みたいなクマが戦うらしいよ」

明石「いやいやメタル○ックスじゃあるまいし無理ですよ! ていうか戦うの水上!!!」

提督「中には提督そのものが犬っていう鎮守府もあるらしい」

明石「犬が提督ってそれ、言葉通じるんですか!?」

提督「犬が日本語を喋るんだと。 まぁ九官鳥も言葉教えれば喋るし、多少はね?」

明石「九官鳥は真似してるだけ何ですがそれは……」

提督「ま、これは前述の噂以上にインパクトが薄いな」

明石「リアリティもありませんね。 というか、その噂が本当だったら今頃、動物愛護団体が黙っていませんよ」

提督「だな、それは言えてるわ。 あー色々話してたら腹減ってきた、はむかぜに餌やってから飯喰いに行こっと」

明石「私も、ぜかまざらしに魚を上げてきまーす」ガタッ


474: 2015/03/18(水) 22:47:28.53 ID:IFWxC1zo0

様々な鎮守府から続々と報告が挙がる、奇々怪々な生物や現象。あなたの鎮守府にはどんな都市伝説が……?

479: 2015/05/07(木) 03:03:48.51 ID:iAQ9Y+Ue0

川内「提督ー、遠征から艦隊が帰投したよー」ガラガラッ

提督「――――の時代の主食は主に……。 あれ川内じゃん、遠征終わったの?」

川内「そう……だけど……」

黒潮「なんや司令はん、遠征の時間忘れとったん?」

漣「抜けてるっ……! そんなんじゃすくわれちまうっ……足元をっ……!」

黒潮「って誰にすくわれんねん!」

初雪「……漣のそれが『ねっとすらんぐ』って奴?」

漣「そうでもあるし、そうでも無いような……」

島風「ねー提督ー、そんなのいいから早く授業進めようよー」

朝潮「いえ、資材は大切ですから遠征を優先するべきです。 司令官、どうぞ私達を気にせずに彼女達に補給を……」


ワイワイガヤガヤ ヤイノヤイノ


提督「だー静かにしろっちゅーの! 一旦授業中止な! 第2艦隊の補給すっから!」

川内「提督……駆逐艦集めて何やってんの?」

提督「あぁ、ええと、家具コインが余ってたから教室セット&教卓セット&黒板を衝動買いしちゃったから、折角だし駆逐艦向けに歴史の授業しようと思ってね」

川内「へー、良いじゃんそういうの。 どこら辺まで進んだ? そろそろ終戦?」

朝潮「今は紀元前三世紀・弥生時代を勉強しています!」

川内「歴史ってそっち!? 私達のじゃないの!?」

朝潮「恥ずかしながら、第二次世界大戦近辺の史実には自信があるのですが、それ以前・以降の歴史となるとサッパリでして……」

黒潮「このままやと艤装外して普通の女の子に戻った時大変やろなぁって、司令が気ぃ利かせてくれてん」

川内「やるじゃん提督」

提督「だろ?」


480: 2015/05/07(木) 03:10:49.40 ID:iAQ9Y+Ue0

川内「にしても弥生時代かー、私達が活躍する時代まで来るのまだまだ先みたいだね」

提督「まー昭和まで10個くらい時代があるからね、仕方ないね」

島風「えー! そんな先なのー!? もうこの時代飛ばしちゃおーよー!」

提督「バカ、そもそもお前達が活躍した世界大戦だってチラッとやって終わりだぞ?」


「「「「「えー!!!」」」」」


提督「いやだって、そこ今更勉強する必要あっか? もうお前達知り尽くしてるだろ?」

朝潮「確かにそうですが、復習も兼ねてもっと掘り下げてやるべきでは……」

黒潮「せやせや! 司令やってウチの時みたいなボケかまさん程度に史実を知っとくべきや!」

提督「ギクッ」

川内「黒潮、提督のボケって何?」
 
黒潮「ウチと司令が初めて会うた時にな、『え、黒潮って海流じゃなかったの? 船の名前だったの?』って聞いてくるくらい、ウチらの事なぁーんも知らんねんで? まともに考えて海流が着任するワケ無いやん!」


「「「「「ええぇ……」」」」」


提督「さっきとは違う意味の『えー』になってる……」


481: 2015/05/07(木) 03:14:13.25 ID:iAQ9Y+Ue0

長門「話は聞かせてもらった、それなら私も心当たりあるぞ」ガラッ

提督「げぇっ長門!」

長門「妖精から聞いたが、私を建造し終えた時の第一声が『あっ、この名前見たことある! 涼【ピー】ヒに出てた!』らしいな?」

提督「ギクギクゥ!」

黒潮「ゼミの漫画かい!」

漣「正直分からなくも無いけどそれはちょっと……」

提督「いやだって! 長門の前に建造したのが霞でさ、間違えてその前に建造した霰と見間違えて『あ、被った』って言ったらクズ提督って罵倒されて! 名前まともに呼べるのが嬉しかったからつい!」

島風「……あ、だから霞にクズ提督って呼ばれてるの?」

朝潮「司令官……」

提督「や、待て、あれから呼び間違えた子の字はちゃんと識別できるし漢字でだって書けるようになった! 初対面で会ったときの俺とは違う!」


482: 2015/05/07(木) 03:17:23.22 ID:iAQ9Y+Ue0

初雪「ふーん……つまり艦娘の名前全員漢字で書けるようになったから許せと?」

提督「いや全員って言うか、せめて名前呼び間違えた子は二度と間違えないようにしないと思ってだな……」

初雪「おぼろ」

提督「え?」

初雪「『おぼろ』って書ける?」

提督「えーっと……」カッカッ


『月』


提督「えーっと…………」


『月』


提督「ここまで出てる! 喉のここまで出てるんだけど……右側が……!!」


『月』


提督「おぼろは……その……名前呼び間違えなかったから書けなくてもセーフって事で!」

漣「ご主人様オワタ」

朝潮「だ、大丈夫です司令官! 誰だって常用漢字以外は忘れる事くらいあります!」

提督「だよな! そうだよな!」

長門「確かに常用漢字じゃなければ忘れるだろうが、艦娘の名前書けないのは提督として致命的だぞ」

提督「ぐくうううぅぅ……この口リコンめえぇ……」

483: 2015/05/07(木) 03:26:23.44 ID:iAQ9Y+Ue0

川内「その調子だと世界大戦とかについてもあんまり知らなそうだよね」

提督「それなら多少は行ける! あれだろ! AL/MI作戦が1942年6月からだろ! 渾作戦が1944年5月からだろ! それから……」

初雪「真珠湾攻撃はいつから?」

提督「ああああぁぁ名前は知ってるけど思い出せないいいいいいぃぃ……」

漣「イベントでやった作戦しか知らないって事でFA?」

提督「くううぅぅ……」

川内「Romaさんがつい先日着任した時、憎らしげにドイツ艦を睨んでたけど、その理由も知らないと……?」

提督「…………慣れない職場だから緊張してお腹痛いのかなぁって……」

島風「だから不思議そうな顔してたんだ。 提督って艦娘の名前間違えるどころか世界大戦の史実も知らない事だらけだったんだね」

提督「くううぅぅ……だって教科書はあんまり載ってなかったしぃ……テストにだって全然出てこなかったしぃ……」

朝潮「こ、これから覚えていけばいいんです! 丁度黒板もありますし机と椅子とノートもありますから、ね!」

提督「はい……提督朝潮先生の生徒になります……」


484: 2015/05/07(木) 03:29:10.97 ID:iAQ9Y+Ue0
図鑑をしげしげと眺める時間があるならレベリングするタイプの人間なので、艦娘の史実ネタに関してはサッパリだったりします。

>>478
掘れば出る。掘るんだ!(Romaを悠々自適と眺めながら)

487: 2015/05/24(日) 04:27:03.02 ID:EfNtortH0

夢中になれるもの


提督「おーい雪風、知り合いからさくらんぼ貰ったから食べようぜ」

雪風「わーい!」

提督「これヘタと種入れの容器ね」コトン

雪風「ありがとうございます! 早速いただきますね!」

提督「おー食べろ食べろ」

雪風「……」モグモグ

提督「……」

雪風「ペッ」カランコロン

雪風「あ、そういえば司令」

提督「どうよ、まだ収穫早いかなーって言ってたけど充分甘いでしょ?」

雪風「はい! とっても美味しいです!」

提督「なら良かった」

488: 2015/05/24(日) 04:28:22.15 ID:EfNtortH0

雪風「……」モグモグ

提督「……」

雪風「ペッ」カランコロン

雪風「ところで司令」

提督「6パック分くらいもらったからじゃんじゃん食べろよー」

雪風「はい!」

提督「俺も後で食べよーっと」

雪風「……」モグモグ

提督「……」

雪風「ペッ」カランコロン

雪風「司令に何か言いたいことがあったような……」

提督「あ、そうだ。 他にも色々収穫した果物もらったから、そっちは明日みんなで食べような」

雪風「はい!」モグモグモグ

提督(癒される……)

489: 2015/05/24(日) 04:29:38.55 ID:EfNtortH0
●足柄の場合



提督「お前はやっぱりコレなのな」

足柄「戦場が、勝利が私を呼んでいるわ!」チュドーン

駆逐イ級「イヤー!」

駆逐ロ級「グワー!」


【 勝利!! S 】


提督「お見事!」

足柄「ふふっ、砲雷撃戦なら私に任せて! ところで提督」

提督「お、あっちに駆逐3隻発見だって」

足柄「すぐに終わらしてくるわね!」

490: 2015/05/24(日) 04:31:19.54 ID:EfNtortH0

足柄「弾幕を張りなさいな! 撃て! 撃てー!」チュドーン

提督「あわれ駆逐級は爆発四散!」


【 勝利!! S 】


提督「本当にすぐに終わらしてきやがった……」

足柄「提督、私の活躍見てくれた!?」

提督「見た見た」

足柄「ねぇ提督、気になってたんだけど私一人で出げk」

提督「お、今度は軽巡と雷巡の入り交じった主力部隊が近づいてるっぽいな」

足柄「待っててね提督! S勝利を引っ提げて帰ってくるわ!」

491: 2015/05/24(日) 04:33:28.22 ID:EfNtortH0

足柄「自分が強くなるこの瞬間が、私は一番好き!」チュドーン

軽巡へ級「アバー!」

雷巡チ級「ナムサン!」


【 勝利!! S】


提督「おーい足柄、そろそろ帰投するぞー」

足柄「はーい! 今日はS勝利取れまくって気持ちよかったわ!」キラキラ

提督「めっちゃキラキラしとる……。 どうよ、満足した?」

足柄「えぇ! でもまだまだ足りないわね!」

提督「どっちだよ」

足柄「今日の分の勝利には満足したわ、でもそのせいでお腹が空いたもの!」

提督「ゲェーまさか!」

足柄「帰ったらいっぱいカツを食べましょ!」

提督「しまった足柄が夢中になれるのは戦闘だけじゃなかった! ちょっと調子に乗らせすぎたか!」

足柄「さぁーカツを揚げまくるわよー!」

提督「想像しただけで胃もたれしてきた……」

492: 2015/05/24(日) 04:36:39.17 ID:EfNtortH0
よくあるカニを無言でほじって食べるアレの艦娘Ver。 他の艦娘だと何があるだろ?


あと頭の中で思いついた妄想を勝手にメモってくれる機械がほしい。

498: 2015/06/22(月) 17:46:09.20 ID:kjyvqjx/0

提督「もう2時半か……んー!」ノビー

赤城「お仕事も一区切り付きましたし、休憩しましょうか?」

提督「んーそうする」

赤城「ではお茶菓子を持ってきますね!」ガタッ

提督「わっかりやすい奴だなぁ……。 俺は眠いし昼寝すっから勝手に食ってろ、上の戸棚に昨日買ってきたの入ってるから」

赤城「そ、そうですか? しかし私一人でお茶にするのはつまらないのですが……」

提督「じゃあ加賀さんでも誘えばいいじゃん、俺は気にしないから二人で食えば?」

赤城「しかしそれだと提督が起きてしまうかも……あぁでも一人は……」

提督「赤城って変に寂しがりやで義理堅いよな……それで起きても別に怒ったりしないから」

赤城「そうですか……。 では、提督がゆっくりお休みできるように子守歌を歌ってあげますね」

提督「子守歌……まぁ折角の好意だし素直に受け取っておくよ」

赤城「ではお布団を……」

提督「いや座布団の上で雑魚寝すっから」ゴロン

赤城「ではせめて風邪を引かないように掛け布団だけでも」


499: 2015/06/22(月) 17:47:54.66 ID:kjyvqjx/0


提督「そういえば俺、艦娘が歌ってる所見たこと無いや」

赤城「ふふっ、自分で言うのも何ですが評判は上々なんです。 是非期待してくださいね……ゔっううん゙! あーあーあー……よし」

提督(ガチで歌う気かよ)

赤城「かがくーのー限界をー越えて 私ーはー来ーたんだーよ」

提督「待て待て待て待て」

赤城「ネギは――――何か?」

提督「何かじゃねーよ、お前それ子守歌向けじゃねーだろ」

赤城「そうでしたか……。 私はこの歌を聴くと安眠できるのですが……」

提督「それは多分雪風とか一部の艦娘だけだよ……」

赤城「では別の曲を……。 朝 目が覚めて まーっ先におーもーいーうーかーぶー」

提督「待て待て待て待て」

赤城「君の――――これもダメですか?」

提督「そりゃ元の曲がガッチガチの恋愛ソングだし、それにサビ行くと大声出ちゃうやつだろ」

赤城「……確かに」

提督「確かにじゃねーよ頭回せよ」

赤城「じゃあ基本恋愛ソングはダメですか……となるとかなりレパートリーが少なくなってしまいますね」

提督「幅狭いな……。 とにかく、その……何とは明言しないけどVoから始まる系列と恋愛ソングは無しの方向で」


500: 2015/06/22(月) 17:49:59.11 ID:kjyvqjx/0

赤城「ではとっておきのこの歌を」

提督「子守歌にとっておきも何も無いだろ……」

赤城「耳を澄ませば聞こえるリズム いつもの街を走りだしてく」

提督「待て待て待て待て」

赤城「この道の――――恋愛ソングでもVoの曲でも無いのですが……」

提督「子守歌って言葉の意味知ってっか? それになんつーかこう、アカペラでゆっくり歌えば何でも子守歌になるワケじゃねーからな」

赤城「でもこの曲聞いてると夜が来たなーって気がして眠くなりません?」

提督「ならねーよそれも一部の人限定だよ! ていうか段々イントロクイズみたいになってきてるし」

赤城「仕方ありません、私ではこの任務を遂行するのは困難なので他の艦娘を呼んできましょう……」

提督「いやもうこの一連のやりとりで目が冴えちゃったよ……」

赤城「じゃあ一緒にお茶にしましょうか! そうすれば万事解決ですね!」

提督「お前それが目的じゃ……もういいやそうしよう」


501: 2015/06/22(月) 17:52:09.40 ID:kjyvqjx/0

そーいやと思い出してやってそうでやってなかった声優ネタ。梅雨が続くけど暑いしもう夏だね夏、夏と言えば大型イベントだし資材貯蓄モードに入らないとね。

504: 2015/07/14(火) 00:00:28.53 ID:sp94Pu7g0
とりあえず、一通り書きたい物は書いたし、惰性でもこのまま続けられるかどうかすら怪しいのでHTML依頼出しておきます。

1000行かなかったけど一年続いたしいいよね! あ、艦これ自体はプレイしてるから何か思いついたら同じ酉でまたスレ建てるかも。そんときはよろしくオナシャス! あと今更だけどこのスレタイトルに艦これって入ってなかったわ。


てことでこのスレは終わり! 閉廷! 以上! みんな解散!

502: 2015/06/22(月) 18:23:16.11 ID:961W8+mSO
乙です

503: 2015/06/22(月) 18:58:00.25 ID:Gw6VooPSo
乙っぽい
みくみく、メルト、Smiley Gloryか

505: 2015/07/14(火) 00:31:37.52 ID:LppKJchRO
了解

引用: 提督「艦娘達とほのぼのする」雪風「はいっ!頑張ります!」