1: 24/05/31(金) 21:24:48 ID:JvDr
これは某BBSに投稿したSSです保存用にpixivにも上げています
新シリーズを開始したのでそれの前作となるSSをここにもアップしようと思いここに投稿させていただきます

??注意点??

・このSSはミリオンライブとパワポケのクロスSSです。メインはミリオンですがパワポケからもキャラが登場します
・アイドルのプロフィールに若干変更があることがあります
 (具体的に言うと海美の年齢が16歳ではなく15歳だったり)
・アイドル達がアイドルを目指さない世界線です。なのでプロデューサーは登場しません

ここに投稿するのは初めてです。どうかよろしくお願いします
ブシロード ラバーマットコレクション V2 Vol.444 アイドルマスター ミリオンライブ! Welcome to the New St@ge 『永吉 昴』
2: 24/05/31(金) 21:26:35 ID:JvDr
7月21日 AM5:00 パライソタウン パライソ中学女子寮

目覚まし時計<ピピピッピピピッ

昴「ん……もう朝か……」

昴「……っていつも通りの起床時間じゃん!今日は朝練無いからこんなに早く起きなくて良かったのに~」

昴「二度寝するのもなんだか嫌だし早朝ランニングでもするかな」

3: 24/05/31(金) 21:27:54 ID:JvDr
昴「・・・・・・」タッタッタッタッ

昴(朝に兄ちゃん達が居ないのもなんだか慣れちゃったな・・・)

昴(オレはパライソ中学校に女子寮にひとり暮らしで通ってる)

昴(女子寮に入ってまで入学を決めたのはパライソ中学校が全国初の女子硬式野球部があるって聞いたから)

4: 24/05/31(金) 21:28:42 ID:JvDr
昴(パライソ中学校があるパライソタウンは埋め立てで作られた人工島だ)

昴(その島の中に有名校のお墨付きな小中高の学校や大学、専門学校、研究機関等と何でもかんでも詰め込んで島自体を国内でも随一の教育機関にしようって考えらしい。なんでもマンハッタン島をモデルにしたとかって言ってたな)

昴(そんなんで出来たばかりのパライソ中学校はとりわけスポーツに力を入れたようで目玉の一つが全国初の女子硬式野球部だったらしい)

5: 24/05/31(金) 21:30:37 ID:JvDr
昴(中学校でも本格的に野球をやりたかったオレはその話に飛びついた。母さんも3年間ならと許してくれた。兄ちゃん達からは泣いて止められたけど)

昴(と言っても同じ東京都内だしそんなに離れてるように感じないけどな-)

昴(……っとなんだか兄ちゃん達のことが頭に浮かんだな。どうせ今日帰省するから会えるのに)

6: 24/05/31(金) 21:36:02 ID:JvDr


ゾロゾロゾロゾロ

昴(ん?なんだこんな朝早くに列を作って並んでる何かのイベントか?それに気のせいかな……)

昴(全員の頭に"ハタ"が付いてたような……)
 

7: 24/05/31(金) 21:37:56 ID:JvDr




8: 24/05/31(金) 21:38:18 ID:JvDr

AM 7:50

昴(さて、シャワー浴びて制服に着替えた。ロコを呼びに行くか)

昴「ロコ-そろそろ学校に行こうぜ-」

ロコ「昴はいつもモーニングがアーリィですね、今日は終業式なんですから急がなくてもしなくてもいいのに…」
 

9: 24/05/31(金) 21:39:15 ID:JvDr
昴(ぶつぶつ言いながらも出てきてくれるオレの同級生で幼なじみロコ)

昴(オレんちの隣に住んでいて腐れ縁っていうのかな)

昴(正直母さんからひとり暮らしの許可が下りたのはロコも一緒に入学して寮生活しますと言ってくれて)

昴(母さんもロコちゃんが一緒なら…って言ってくれた)

昴(ロコもパライソタウンにインタレストがあります!と言ってたけど……サンキューなロコ)

10: 24/05/31(金) 21:40:06 ID:JvDr

ロコ「それじゃ行きましょうかスバル。スマホは預けましたか」

昴「あっ、忘れてた。小野さんに預けてくる」

ロコ「もー」

※補足説明
パライソ中学校はスマホ及び携帯は持ち込み禁止ですなので寮生は登校前に寮に預けなければなりません

11: 24/05/31(金) 21:40:59 ID:JvDr

昴「なーなー夏休み中に一回はキャッチボールしようぜ」テクテク

ロコ「スバルの一回は絶対一回じゃないです。キャッチボールぐらい部活でプレイしてませんか?」テクテク

昴「だってさー、パライソ中学校に来てからはキャッチボールやってないじゃんか。昔は毎日やってたのにさ。久しぶりにロコとやりてーな」テクテク

ロコ「仕方ないですね一回だけですよ」テクテク
 

12: 24/05/31(金) 21:41:47 ID:JvDr

昴「そういえばさ-朝ランニングしてたら頭にハタ付けてた人居たぜ」テクテク

ロコ「ヘッドにフラッグ?そんなストレンジな人が居るんですか?」テクテク

昴「ロコも知らないのか?複数人居たぜ。てっきり何かのイベントかと思ったんだけどな」テクテク

ロコ「このパライソタウンでそんなノベルなこと起きないですよ。スバルの見間違えじゃないですか?」テクテク

昴(確かにガチガチな教育機関を謳ってるパライソタウンがそんなハロウィンみたいなことしないか……)
 

13: 24/05/31(金) 21:42:35 ID:JvDr
百合子「昴さん、ロコちゃん。私を無視して何話しているんですか!」

昴「うわっ、百合子いつからそこに!」

百合子「いつも校門の前に居るじゃないですか」

昴「そうだよな、ごめんごめん」
 

14: 24/05/31(金) 21:43:09 ID:JvDr
昴(同級生で同じクラスの友達の百合子。パライソタウンに住んでる地元生)

昴(パライソ中学校に限らないが全校生徒の8割が寮生だ)

昴(パライソタウンは移住地として作られたわけじゃないから地元生は必然的にパライソタウンで働いてる職員の子供だけ。数が限られる)

昴(百合子のお父さんはパライソタウンの教職員だったはず)

15: 24/05/31(金) 21:44:10 ID:JvDr
ロコ「スバルがストレンジな光景を見たっていうんですユリコ。なんでもヘッドにフラッグを付けたグループが」

百合子「えっと、頭にハタを付けてたってことだよね?それはあり得ないかなぁ」

昴「あーっ。百合子までそういうのかよ」

百合子「はっ!もしかして昴さんも妄想に目覚めたんですか!いいですよハタをなびかす人達の次は白銀の鎧纏う騎士達をが……」

昴「あーもう、もう教室に着くから戻ってこい百合子ぉ」
 

16: 24/05/31(金) 21:44:25 ID:JvDr



17: 24/05/31(金) 21:46:13 ID:JvDr
ロコ「それじゃまた後でスバル」

昴「おうまた帰りなー」

昴(ロコとはクラスが違うので百合子の妄想を止めつつ教室に入ると三人目の親友が駆け寄ってきた)

海美「すばるん、ゆりりんおはよー。いよいよ明日から夏休みだね!」

昴「おっす、海美。そうだなー終業式なんてさっさと終わらせて帰りたいぜ」
 

18: 24/05/31(金) 21:47:18 ID:JvDr
昴(同級生の海美。バレー部だけどたまに助っ人で野球部にも来てもらうこともある)

海美「それなんだけど良かったら夏休み中にみんなで星を見に行かない?場所は何処でもいいからさ」

百合子「星?天体観測ですか?天体観測はスポーツじゃありませんよ」

海美「うーっ、私だって運動以外のこともするもん。星を見るって女子力高そうでしょ?」

19: 24/05/31(金) 21:48:00 ID:JvDr
百合子「でも何で突然……。あっ、もしかして最近やたら流れ星が沢山…ってニュースでやってたね」

海美「そうそうそれ!それでねたまにはお友達と星でも見てきたらってお姉ちゃんに言われたんだ!」

百合子(やっぱり海美さんの発想じゃなかった)

昴「確かに中学生最後の夏だしなー。いょっしみんなで行くか」

海美「ロコロコにも伝えといてねー。シリウスも見れるかな!」

百合子(海美さんシリウスが見えるのは冬だよ……)

 

20: 24/06/01(土) 03:03:32 ID:AfbH

そして……


キンーコンーカンーコーン


昴「よっしゃ終業式終わったぜ。じゃロコと一緒に実家に帰るか」

百合子「みんなとしばらく会えないと思うと寂しくなりますね……次会う時には……」

昴「また直ぐに会えるだろ。星見る為にみんなで集まる約束しているんだしさ」

百合子「む……昴さんはすっきりし過ぎです」

百合子「みんなそれぞれの実家に帰るのかもしれないですけど地元生の私は一人この町に取り残されるんですよ。この寂しさをどうしろというんですか」

昴「そう言われてもよ……」

21: 24/06/01(土) 03:04:40 ID:AfbH

歌織「あら。昴ちゃんはまだ帰れないわよ」

昴「げっ、歌織先生!」

歌織「昴くん~。こないだの補習なんでサボったのかしら~」

昴「いや、それは部活が忙しくて……」メソラシ

歌織「あら、ちょうど良かったわ。今日は終業式でみんな帰省する日だから部活が無いのよね?じっくり補習出来るわね」

昴「」

22: 24/06/01(土) 03:05:26 ID:AfbH
百合子「昴くんさよなら。また今度連絡しようね」

昴「百合子さっきと態度が違うぞ!」

歌織「昴ちゃん、先生と一緒に来てもらうわよ」

昴「百合子ーせめてロコに先に一人で帰ってくれって伝えてくれよなー」
 

23: 24/06/01(土) 03:06:56 ID:AfbH
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー

24: 24/06/01(土) 03:07:50 ID:AfbH

PM15:00

キンーコンーカンーコーン

昴(歌織先生にたっぷり補習を受けさせられた)

昴(予定より大分遅くなっちゃったけど今から帰っても17時過ぎぐらいには実家に帰れるだろ)

昴(もうみんな帰って校舎には誰も居ないな)

昴(早く寮に戻って荷物まとめて本土行きのバスに乗らないとな)

25: 24/06/01(土) 03:09:18 ID:AfbH
昴(このパライソ島は地下鉄や電車はない。もちろん空港もないから交通機関はバスだけだ)

昴(ちなみにこの島と本土を結ぶのは北と東にある二つの橋だけ)

昴(まあその代わりバスは充実しているんだけど)

昴(さて寮に着いたけど遅くなっちゃったし、まずは寮母さんの小野さんに挨拶してくるかな)

26: 24/06/01(土) 03:10:29 ID:AfbH

昴「小野さんー。昴だけどこれから出ますあとスマホ返してください」

?小野「あら昴ちゃん。遅かったですね」デデーン

昴「えっ……」
 

27: 24/06/01(土) 03:11:31 ID:AfbH

??注意??
小野さん(小野映子)はパワポケのキャラです。アイマスではありません

 

28: 24/06/01(土) 03:12:41 ID:AfbH
昴(あれ……小野さんの頭に付いてるのハタ……だよな?)

昴「小野さんそのハタどうしたん……」

昴(そこまで言いかけて気付いた。小野さんの目が普通じゃないことに)

昴(何かおかしい。確かに笑ってるけどいつもの小野さんじゃない!)

29: 24/06/01(土) 03:15:37 ID:AfbH
?小野「このハタがどうしたの?ハタを立てるのは当たり前です、おかしな子」

?小野「そういえば、昴ちゃんの頭にハタが立ってないですね」

昴「え……」

?小野「みんな~昴ちゃんにハタ付けてあげないと」

昴「みんな?」

30: 24/06/01(土) 03:16:53 ID:AfbH
ゾロゾロゾロゾロゾロゾロ

昴(そこにはクラスメートや違うクラスの野球部の仲間、可愛い後輩など馴染みの寮仲間たちが居た)

昴(なんでまだ寮に居るんだ)

「本当だ」 「昴ちゃんハタ付けてない」 「ハタを付けてないなんて」

昴(なんでみんな頭にハタ付けて居るんだよ!)

?小野「それじゃみなさん~昴ちゃんに」

「「「「「ハタを付けてあげないと」」」」」

昴「うわああああああ!!!」ダダダダダダダダダッ
 

31: 24/06/01(土) 03:17:48 ID:AfbH
昴(その時オレは我を忘れて逃げた)

昴(持ってたバックも投げ捨てて女子寮を飛び出し直ぐ近くにある学校に逃げこんだ)

昴(とにかく誰か、誰かに伝えないと)
 

32: 24/06/01(土) 03:18:31 ID:AfbH

ロコ「どうしたんですスバル?そんなに慌てて」

昴「ロコ!まだ学校に居たのか」

ロコ「アートの道具を美術室に忘れてたのでリカバリーしに来ました。一緒に帰りますか?」

昴「そんなことより本当に居たんだよハタを付けた人が!小野さんも寮のみんなもハタ人間になっちまったんだ」

33: 24/06/01(土) 03:19:19 ID:AfbH
ロコ「落ち着いてくださいスバル、ハタ人間ってなんですか?」

昴「そうだ歌織先生だ。歌織先生はまだ学校の中にいたはず……」

歌織「キャーーーッ」

ロコ「カオリのスクリームです」

昴「くそっ」ダダダッ
 

34: 24/06/01(土) 03:20:18 ID:AfbH

昴「歌織先生!」

?歌織「うふふ。昴ちゃんどうしたの」

ロコ「カオリそのフラッグは……どうしたんですか」

?歌織「あら、さっき付けてもらったのよ。ハタを付けたら心の中がピュアピュアになったの」

ロコ「カオリ、悪い冗談ですよそのフラッグはバッドです」

35: 24/06/01(土) 03:20:53 ID:AfbH
?歌織「冗談?あら…やっぱり。ハタを悪く言うなんて貴方たちハタを付けてないわね。今すぐハタを付けなさい」

ロコ「えっ…」

?歌織「うふふ。悪い子ちゃんたちには歌織がお仕置きしてあげる」教鞭ブン

昴「くそっ、ロコ逃げるぞ」ダダダッ


 

36: 24/06/01(土) 03:22:09 ID:AfbH

昴(歌織先生から逃げたオレ達は学校を飛び出した)

ロコ「これは悪いドリームですナイトメアの中なんですー」ガタガタ

昴「落ち着けロコ!今はどこかに安全なところに避難しないと……」



「あれハタが付いてない」

「ハタを付けろ」

「ハタ無しを捕まえろ」


昴「くそっ、町の中もいつの間にかハタ人間だらけか」

37: 24/06/01(土) 03:22:52 ID:AfbH

昴「そうだ、百合子。百合子は無事かな」

ロコ「ユリコ……確かにアングザイエティです。ですがどこに居るのでしょう…」

昴「とりあえず家だ。百合子んち何度か行ったことあるし分かるよな」

ロコ「ユリコはあっちのマンションに住んでたはずです」

昴「よし行こう。手遅れにならないうちに!」
 

38: 24/06/01(土) 10:43:17 ID:XUC3




昴「確かそこのマンションの7階だよな…」

ロコ「そうです。でも確かこのマンションオートロックでしたよね…」


「嫌ーーーっ」


ロコ「このクライはユリコじゃないですかスバル!」

昴「くそっ、今度は間に合え」ダダダッ

39: 24/06/01(土) 10:46:56 ID:XUC3


?若手サラリーマン「フフフ…君にハタ付けてあげよう」

百合子「近寄らないでください、このハタ!変態!これ以上近づくと逮捕されますよ!」

?若手サラリーマン「それは困るな…俺にも家族が居るしな」

百合子(あれ、もしかして話し通じる?)

?若手サラリーマン「でもハタ付いてないのはもっと困るんだよなぁーー」
 

百合子(ああ…七尾百合子の物語はここで終わり…。所詮私なんて物語序盤でゾンビになる大衆の一人に過ぎないんですね…)

40: 24/06/01(土) 10:51:21 ID:XUC3


昴「百合子ーーーっ」

百合子「昴さん!?」

?若手サラリーマン「ん?なんだね」

昴「しゃがめーーーっ」

百合子「はいーっ」シャガム

昴「おりゃーーーっ」

41: 24/06/01(土) 11:02:01 ID:XUC3
百合子(言われるがままにしゃがんだ私の頭上を野球ボールが通り過ぎ変態サラリーマンの脳天に見事命中してしまいました)

?若手サラリーマン「うげっ」バキッ

ロコ「クリティカルヒットです」


昴「今だ!逃げるぞ百合子」

百合子「はい!」ダダダッ
 

42: 24/06/01(土) 11:03:15 ID:XUC3



43: 24/06/01(土) 11:07:14 ID:XUC3
ロコ「何とかエスケープできました…」

昴「危ないところだったな百合子。怪我はないか?」

百合子「はい」ウットリ

ロコ「ユリコ?」

44: 24/06/01(土) 11:15:11 ID:XUC3
百合子(どうしよう…まるで少女漫画のワンシーンみたい…)

百合子(私は序盤で即退場するモブじゃなかった…。むしろ可憐なる私と格好いい騎士の昴さんとの物語はこれから…)

昴「ちぇつ惜しいことしたなー」

百合子「へ?」

昴「あのボール、オレの最後の持ち物だったんだぜ。いや、後で拾えるかも…」

百合子「………」

百合子(騎士の件は保留ですね…)

45: 24/06/01(土) 11:19:48 ID:XUC3
ロコ「ユリコのホームも駄目でしたか…」

百合子「ええ…家から帰ってきたらお父さんがハタを付けようとしてきて…」

昴「百合子の家も駄目なのか…もうどこも駄目なのかもしれないな」ウーン

百合子「私が知ってるところは…そうだ!杏奈ちゃん」

ロコ「アンナ?百合子のフレンドですか?」

百合子「そう!ゲームで知り合ったんだけどこのパライソタウンに住んでるんです」

46: 24/06/01(土) 11:23:54 ID:XUC3
昴「それじゃ地元生ってわけか…百合子の友人なら放っておけないしな、行ってみるか」




PM17:40 杏奈宅前


百合子「この家です」

昴「こんな豪華な一軒家に住んでるなんてすっげーな」

ロコ「というかこのパライソタウンにマイホームをオンしてること自体レアです…」

百合子「普通は社宅の寮かマンションですからね。詳しくは知らないけど杏奈ちゃんのお父さんは研究機関のお偉いさんだったかな…」ピンポーン

47: 24/06/01(土) 11:29:25 ID:XUC3


「……………」

「百合子…さん?」

百合子「そうだよ。杏奈ちゃん無事?」

「…………」
 

48: 24/06/01(土) 11:33:37 ID:XUC3
「百合子さんに…質問…します」

百合子「えっ?」

「歳…は」

百合子「15歳です」

「百合子さんのハンドルネームは?」

百合子「lilyknight」ドヤァ

「最近の…悩みは?」

百合子「夜更かしと夜食のおはぎの食べ過ぎでお腹が少し出てきたこと……って何言わせるんですか!」

49: 24/06/01(土) 11:37:51 ID:XUC3
「…………」

ガチャ

杏奈「どうやら…百合子さんで間違いないです」

百合子「もー杏奈ちゃんたら」

杏奈「ん…百合子さん、後ろの人達は…」

百合子「私の友達の永吉昴さんと伴田ロコちゃん。私の同級生だよ」

昴「おっす」

ロコ「よろしくです~」

50: 24/06/01(土) 11:44:58 ID:XUC3
杏奈「…………」

杏奈「…百合子さんの友達なら……家に上がってよいけど」

杏奈「ハタは……付いてないよね?」

百合子「えっ?」

杏奈「みんな早く入って…扉を早く閉めたい」

51: 24/06/01(土) 11:49:04 ID:XUC3


PM18:00 望月宅

杏奈「杏奈…ずっとネット見てた。だからパライソタウンがハタ人間に支配されてるの知ってる…」

百合子「ずっとって…杏奈ちゃん学校は?」

杏奈「杏奈…最近学校には行ってない…」

百合子「杏奈ちゃん…」

52: 24/06/01(土) 11:52:28 ID:XUC3
ロコ「待ってください!ここにはコミュニケーションファンクションがあるってことですよね。テレフォンを貸してもらえないですか」

昴「あーオレも!家族に電話したいんだよ。無駄かもしれないけど警察にだって電話しないとな」


※補足説明
昴とロコは預けたまま逃げ出したのでスマホは持っていません
百合子も家に置き忘れたようです

53: 24/06/01(土) 11:54:39 ID:XUC3
杏奈「コミュニケーション…ファンクション?通信機能のことなら…もう無理。スマホ回線や電話回線やネット回線も遮断されてる」

百合子「でもさっき杏奈ちゃんはネット使ってたって…」

杏奈「それは今日の午前までの話…12:00ちょうどにすべて止まった…」

杏奈「杏奈が最後に聞いた情報だと交通機関も午前中には使えなくなってる…」

54: 24/06/01(土) 11:58:42 ID:XUC3
杏奈「そして北と東の橋も封鎖されてるみたい…」

百合子「それじゃここは陸の孤島じゃないですか!」

昴「なんだよそれ!そんなことあるのかよ」

ロコ「スバル…ユリコ…ロコ達は何に巻き込まれてるんでしょう」ガクガク

55: 24/06/01(土) 12:00:37 ID:XUC3
杏奈「とりあえず…今はこの家は安全」

杏奈「杏奈達は…ただ隠れるしかない」

56: 24/06/01(土) 12:01:43 ID:XUC3
昴(それからオレ達4人は無言になってしまった…)

昴(杏奈がカ口リーメイトをみんなに配ってくれたけど…3人とも手を付けなかった。食欲が全く無くなることって本当にあるんだな…)

昴(それでも今まで逃げ回った疲労だけは出てくるもんだな)

昴(幸い電気や水道は止まる様子はない)

昴(シャワーだけ浴びてみんな就寝することになった)

57: 24/06/01(土) 12:06:13 ID:XUC3

昴(百合子は杏奈と一緒に寝るらしい)

昴(オレとロコはリビングに寝ることにした)

昴(リビングのソファで寝ようとすると向かいのソファで震えているロコが目に入った)

58: 24/06/01(土) 15:10:33 ID:XUC3
昴「なぁロコ。オレさ、昨日兄ちゃんに電話したんだよ」

ロコ「………………」

昴「昨日のことなのに遠くに感じるけどさ」

昴「それでさ、兄ちゃん達オレの卵焼き食べたいってうるさいんだよ。母ちゃんの方が上手いのにな」

昴「兄ちゃん達に会いたいよな…」

ロコ「ロコも……ロコズファミリーに会いたいですぅ」

昴「そうだよな。みんなで絶対無事で家に帰ろうなロコ」
 

59: 24/06/01(土) 20:19:05 ID:AfbH
1日目は終わりです
本家ハタ人間にならって日数ごとに区切っていきます

おーぷんの先輩方にお伺いしたいのですが急に投稿しても反映されなくて投稿出来なくなるのですが
どうしたらよいのでしょうか
SSの感想、突っ込みもばんばんどうぞ

60: 24/06/01(土) 21:31:00 ID:AfbH

7月22日 AM6:00 2日目

昴(目を覚ますとに見られぬ部屋、近くに寝息を立てるロコ……)

昴(やっぱり夢なわけないよなー)グー

昴(やべっ、すっげー腹が減ってきた昨日の夜何も食べてないからな…貰ったカ口リーメイトでも食べよう)モグモグ

61: 24/06/01(土) 21:31:36 ID:AfbH

昴(昨日は不安で何も考えられられなかったけど一晩寝たら少しは頭の中もすっきりしてきた)モグモグ

昴(それにしても食料問題は深刻かもなー。杏奈だってまさか4人と同居生活すると思ってなかっただろうし)モグモグ

昴(杏奈の世話ばかりになるのも悪いし少し食料を調達してこようかな)モグモグ
 

62: 24/06/01(土) 21:32:47 ID:AfbH
パライソタウン道路

昴(朝ならそんなにハタ人間が居ないかもって思ったけど、その通りかもな)ウロウロ

昴(何も言わず一人で抜け出してきたけど何とかなるだろ。書き置きもしてきたし)

昴(目的地のコンビニはすぐそこ…って何だこれ?)

昴(シャッターが閉まってる、どういうことだよ!)

昴(…仕方ない。このコンビニが駄目だと次に近いのはショッピングモールか…)

昴(西森林公園を突っ切れば近いんだよな。よしっ)

63: 24/06/01(土) 21:34:22 ID:AfbH

西森林公園


昴(前から思ってたんだけどこの西森林公園は無駄に広いよな。キャッチボールやるのに便利だし)

昴(木々が多いのは身を隠せるから嬉しいところなんだけど…)

ガサガサ

昴(ん?この森林公園に放し飼いされてる動物は居なかったはずだけどな)


?「ピーッ」ガサガサ


昴(変な鳴き声…。こんな動物いたか?)

64: 24/06/01(土) 21:35:15 ID:AfbH
?用務員「ハタ無し発見~」バーン

昴(げっ、茂みに気を取られてたら見つかった!)

海美「すばるん危ない!」

ビシャッ

?用務員「うーん」

65: 24/06/01(土) 21:36:37 ID:AfbH
昴「すばるんって…もしかして海美か!」

海美「そうだよすばるん。間一髪だったね、ハタ人間にされちゃうところだったよ?」

昴「ああ、サンキューな海美。海美もハタから逃げれたのか」

海美「うん…クラスのみんなから追いかけられたけどね。でもやっぱり日頃の訓練のおかげだね、何とか逃げてきたんだ」

66: 24/06/01(土) 21:37:39 ID:AfbH
昴「そうだったのか…そうだ、その武器は何だよ」

海美「ふっふっふ~これは対ハタ人間武器クリアワルザーだよ」

昴「クリアワルザーってあの玩具コーナーにある水鉄砲だろ?オレも一回は遊んでみたかったけど遊んだことないんだよな…ってそれがなんで対ハタ人間武器になるんだよ」

海美「その様子だとすばるんは知らないね。ハタ人間はハタが弱点なんだよ。ハタが濡れるとしばらく気絶するみたいだね」

67: 24/06/01(土) 21:38:20 ID:AfbH

昴(マジかよ…あのハタ人間が倒せるのか!)

昴「それってすっげーじゃん、みんなに伝えないと!海美も来いよ」

海美「ロコロコもゆりりんも無事なの?やった!」
 

68: 24/06/01(土) 21:39:05 ID:AfbH




69: 24/06/01(土) 21:39:56 ID:AfbH

昴「真にすみませんでした」ドケザー

杏奈「鍵をかけずに出るなんて…信じられない」プンプン

百合子「一人で単独行動なんて無謀過ぎます!心配したんですよ」

昴「本当にごめん。次はこんなことしない」

ロコ「まあスバルにもリーズンがあったみたいですし大目に見てあげましょう。ユリコ、アンナ」

70: 24/06/01(土) 21:41:14 ID:AfbH
杏奈「まあ…昨日からみんな動揺してたし…初回は許す」

百合子「でも今度は誰かに相談してくださいね」

海美「お説教終わった?じゃあ今度は私の自己紹介だね!高坂海美15歳、ゆりりんやすばるんやロコロコのお友達だよ。好きなことはボルタリングにバレエ。あ、バレーも好きかな」

杏奈「望月杏奈…です。よろしく」

海美「望月杏奈ちゃんかー、じゃあもっちーだね」

杏奈「もっちー!?」

71: 24/06/01(土) 21:42:09 ID:AfbH

昴「なあなあそれと海美が発見したすっげーことがあるんだ」

カクカクシカジカ スバロコアンユリウミーン

百合子「凄いじゃないですか。これでハタ人間に対しても私達で戦うことが出来るんですね」

ロコ「これはレボリューションです」

72: 24/06/01(土) 21:42:52 ID:AfbH
杏奈「…質問。弾薬はどうなってるの…」

海美「大丈夫だよもっちー。このクリアワルザーこのカートリッジの中に水入れて発はめるだけ。そのカートリッジも2つの予備があるからね」

海美「打ち終わったカートリッジも水を入れ直せば再び使えるんだよ」

海美「ひとつのカートリッジで6発撃ったら交換かな。交換時は気をつけないといけないけど」

昴「水なんて蛇口があればどこでもでも補充出来るしな。これで少しは動けるようになるぜ」

73: 24/06/01(土) 21:44:04 ID:AfbH
昴(ハタ人間に対し唯一の対抗手段を得たオレは一気に明るくなった)

昴「じゃあ今度はみんなでショッピングモールに食料を取りに行こうぜ」

百合子「賛成です。こういうのは早い方がいいですからね」

ロコ「ううーロコはリラクタントですがフードは大事です」

海美「みんなで行けばきっと大丈夫だよ」

74: 24/06/01(土) 21:44:57 ID:AfbH
昴(それからオレ達はしっかり準備をした)

昴(個々の役割分担としてはオレと百合子が食料等回収&運搬)

昴(ひとつしか無いクリアワルザーは使い慣れた海美が持つことに)

昴(ロコは予備のカートリッジを管理する係になった)

昴(杏奈は家から出たくないようなので家で待機だ)

昴(一応目立つ昼間を避け出発は夕方にした)
 

75: 24/06/01(土) 21:45:33 ID:AfbH

7月22日 PM16:00



昴「それじゃ行って来るなー」

海美「もっちーは留守番お願いね」

杏奈「…みんな頑張って」

杏奈「………」

76: 24/06/01(土) 21:47:31 ID:AfbH
百合子「そういえば海美さんってどうしてハタ人間の弱点に気付いたんですか?」テクテク

海美「うーん、それはねー。元々このクリアワルザーは地元に環って子が居るんだけどその子と遊ぶ為に買ったんだ」テクテク

海美「それでパライソタウンで買って帰省する時に実家に持って帰ろうとしたんだけどその時にハタ人間に追われてさ」テクテク

海美「私も逃げるのに夢中でね。カートリッジに水を入れてて逃げる際に威嚇の為に撃ったらたまたまハタ人間のハタに当たったんだ」テクテク

百合子「その時偶然気付いたんですね」テクテク

77: 24/06/01(土) 21:54:48 ID:XUC3
ロコ「スバル。さっきウミの話しを聞いたらマーベラスなアイデアがインスピレーションしました。それを元にしたアートを後で見てくれませんか」

昴「こんな時でもアートかよ、いいぜ後で見せてくれよ」

昴(昨日はあんなに震えてたけどいつものロコに戻ってきたな)

ロコ「ん~ちゃんと役に立つアートです。そもそもこのアートはスバルの為に…」クドクド

昴(……なんてのんきにお喋り出来るぐらい昨日と比べてハタ人間が居ないな)

昴(朝の時も少ないと思っていたけど何かあるのか?)

78: 24/06/01(土) 21:58:36 ID:XUC3

PM16:30 ショッピングモール



百合子「危なげなくショッピングモールに着きましたけど…」

?女店員「………………」ウロウロ

?男店員「………………」ブラブラ


海美「流石に中にはハタ人間が居るよね…でもざっと見渡した限り2人しか居ないよ」

昴(店員のハタ人間がたったの2人…単にショッピングモールに居残ったやつだけか?)

79: 24/06/01(土) 21:59:34 ID:XUC3

海美「どうする?2人ぐらいなら何とかなるよ!」

昴「逃げながら食料を探すわけにもいかないしな、ここは倒してしまおうぜ」

海美「了解!」チャキッ
 

80: 24/06/01(土) 22:00:14 ID:XUC3

バシュッバシュッ

?女店員「……」バタッ

?男店員「……」バタッ

百合子「本当に気絶するんですね…」

ロコ「アンビリバボーです~いったいこのハタはどうなってるんですか」

昴「それも気になるけど今のうちに早く食料を回収してしまおうぜ」

81: 24/06/01(土) 22:01:08 ID:XUC3
昴(事前の準備の時に持ってく食料は決めてきた。闇雲にやってる時間はないからな)

昴(携帯に便利なパンやおにぎり。それとなるべく日持ちする缶詰やカップ麺お菓子等)

昴(それらをオレと百合子は黙々と用意したリュックに詰めていく)

昴(その間海美とロコはハタ人間が来ないか見張ってもらう)

82: 24/06/01(土) 22:02:23 ID:XUC3
百合子(なんだか強盗しているみたいで嫌だけど仕方ないよね…)

昴(オレだって気が進まないけどやるしかないんだ。こんな作業さっさと終わらせてやる!)

百合子「よし…あんまり詰め込めないしこのくらいで…」



ロコ「スバル!ユリコ!」
 

83: 24/06/01(土) 22:03:30 ID:XUC3
昴(ロコの叫び声を聞いて振り向くと店員ハタ人間がずらっと並んでいた…)

昴(まさか待ち伏せされていたのか!?)


海美「うう……。近づいたら撃つよ!」

?支店長「問題ありません~。みなさん取り押さえちゃってください」

84: 24/06/01(土) 22:04:28 ID:XUC3
昴(一番後ろに居る偉そうなハタ人間が命令すると店員ハタ人間が一斉に海美に襲いかかった)

海美「この、この!」バシュッバシュッ

バタッ バタッ


百合子(ハタ人間は総じて判断力が低下しているのか動きが鈍い傾向にあるようです)

百合子(後退しつつも何とか一人ずつ撃退していた海美さんでしたが…)

85: 24/06/01(土) 22:05:33 ID:XUC3

カシュッカシュッ

海美(弾切れ!?)

海美「ロコロコ弾ちょうだい!」

ロコ「…あっ」

?支店長「させませ~ん」

86: 24/06/01(土) 22:06:33 ID:XUC3

ドカッ

海美「痛っ」

昴「海美!」

ロコ「ああっ。ウミが取り押さえられてしまいました…」アワアワ

?支店長「大の大人でも~3人がかりで押さえられたら何も出来ません」

?支店長「ハタ無しはハタを付ける時が一番抵抗します~。だからまずは取り押さえる、ハタを付けるのはその後で良い」

?支店長「あのお方の~言う通りだ~」

87: 24/06/01(土) 22:09:19 ID:XUC3

海美「離して、離してよ!」

昴「そうだ海美を解放しろ!」

?支店長「嫌です~助けたいなら君もこっちに来なさい~」

百合子(この人私達をおびき寄せる為にわざとハタを直ぐに付けないつもりですね)

昴(くっそ!どうするどうするどうする。唯一の対抗手段のクリアワルザーも無い。オレじゃどうすることも……)

88: 24/06/01(土) 22:10:51 ID:XUC3
?支店長「ん~。お友達を助けてに来ないですか?どの道逃げれはしないですが」

?支店長「さて君のハタは私直々に付けてあげましょう。大丈夫、他の3人の分のハタも用意してますぞ」

海美「…嫌だよ。助けてすばるん!」

ロコ「スバル!」バッ

昴「!!」ハッ

89: 24/06/01(土) 22:11:45 ID:XUC3
百合子(それは正に一瞬でした)

百合子(ロコちゃんが何かを昴さんに渡します)

百合子(私には分からなかったロコちゃんの意図をを昴さんは見ただけで直ぐに察したようでした)

百合子(昴さんはそれを受け取るやいなや直ぐに構えると私の時みたいに投げつけたのです)

90: 24/06/01(土) 22:13:08 ID:XUC3
昴「うおおおりゃーーーーっ」

ドコッ ビシャッ


?支店長「ぐわっ、な…なんですかそれは」バタッ


百合子(昴さんが投げつけたのはおそらく油紙みたいなもので作られたボールでした)

91: 24/06/01(土) 22:14:42 ID:XUC3
百合子(ロコちゃんは昴さんと昔からキャッチボールもをしてきました。昴さんが投げ易いであろう大きさや形もよく知ってたんです)

百合子(あらかじめ作ってたそれに元々持ってたカートリッジの中の水を入れて渡すだけ)

百合子(水の入ったボールはぶつかると同時に破けてハタ人間に水を撒き散らしたのです)

92: 24/06/01(土) 22:16:43 ID:XUC3

昴「どうだみたか!」

百合子(でも紙で作ったボールは水でふやけて、寿命は30秒あるかどうか。それをノータイムで投げ切るなんて…昴さんとロコちゃんの絆に嫉妬してしまいそうです)
 

93: 24/06/01(土) 22:17:15 ID:XUC3
?店員「………」オロオロ

百合子(司令塔が倒れて統制が乱れた)

百合子「今がチャンスです昴さん」

昴「分かってる!さっきのやつまだあるかロコ!」

ロコ「オフコースです」

94: 24/06/02(日) 00:12:10 ID:zTiy
百合子(それからは昴さんと途中で復活した海美さんの独壇場でした)

百合子(12人ほどいたハタ人間も何とか倒すことが出来たんです)



ロコ「これで全てのフラッグマンはデリート出来ましたね」

海美「すばるんありがとう…私すっごく怖かった」ダキッ

百合子「本当に凄いですよ。これならどんなハタ人間も怖くないです」

95: 24/06/02(日) 00:13:40 ID:zTiy
昴「駄目だ…」

百合子「えっ?」

昴「こんなの何度も通用しない。野球だって同じ変化球投げてばかりじゃ打たれるのと同じだ」

昴「オレ達ももっと強くならないと駄目だ。他にクリアワルザーが無いか探そうぜ」

海美「それは賛成だね一人だけじゃ厳しいってわかったよ…」

ロコ「クリアワイザーはホビーコーナーでしたね。フードもリカバリー出来ましたし行きましょう」

96: 24/06/02(日) 00:15:37 ID:zTiy

ショッピングモール ホビーコーナー

百合子「ありました!でも一つしか無いですね…」

海美「他の誰かが持っていったかもしれないね。カートリッジも二つ増えたしとりあえず帰ろうか」

昴「何か疲れたな。杏奈も心配しているだろうし早く帰ろうぜ」




???「………」ジー

???「うーん………困ったぞ瑞希」

97: 24/06/02(日) 00:16:29 ID:zTiy




98: 24/06/02(日) 00:16:47 ID:zTiy

7月23日 20:00 杏奈宅前




百合子「やっと帰ってこれました…」グッタリ

海美「すばるんもゆりりんもロコロコもお疲れ様。早く家に入ろ?」

昴「ああ、そうだな…」

昴(思ったより帰ってくるのに時間がかかったな)

昴(荷物があったのもそうだけど)

昴(浮き足立ってた行きと違って帰りはみんな慎重だった。疲労もあって終始無言だったな)

100: 24/06/02(日) 00:20:16 ID:zTiy

瑞希「みなさんよく頑張りました。えらいぞ」

昴「そうだよな……って誰だ!?」

ロコ「サ、サンドリーです!」

瑞希「驚かせてすみません。アンドロイドの真壁瑞希です」ペコリ

昴(そう挨拶してお辞儀した瑞希の頭にはハタが立っていなかった)

101: 24/06/02(日) 00:22:34 ID:zTiy
百合子「アンドロイド!未来からやって来たんですか?ハタ人間による世界侵略の危機に未来から送られてきたエージェントなんですか?」

瑞希「すみません、冗談です。軽いジョークのつもりだったのですが…困ったぞ」

昴(そう言って差し出された瑞希の手を触ると確かに人間の手だった)

昴(ただ、どこかの機関のような制服を着こなしてた。百合子の言う通りエージェントと言われても違和感はないな。それに……)

ロコ「ユリコ、困ってますよ。落ち着いてください」

瑞希「早速お願いなのですが…私も中に入れてくれませんか?」
 

102: 24/06/02(日) 00:23:58 ID:zTiy

PM20:15 杏奈宅


杏奈「それで…増えたのは食料だけじゃなかったんだね…」

瑞希「真壁瑞希です。おじゃまします」

海美「ねーねー、みずきんは何歳?中学生か高校生でしょ?」

ロコ「打ち解けるのが早いですねウミ」

瑞希「それが…あまり語ることが出来ません、秘密です」

海美「そんなーっ」

103: 24/06/02(日) 00:24:43 ID:zTiy
瑞希「実は皆さんのことは見てました。ショッピングモールあたりから…ずっと」

海美「えっ」

瑞希「どこかで加勢をしようと思っていたのですがみなさんすばらしい活躍で。出番がありませんでした」

百合子「で、でも途中で出て来てもよかったじゃないですか」

瑞希「すみません。詳しくは話せませんが不要な行動は制限されているんです」

104: 24/06/02(日) 00:26:27 ID:zTiy
ロコ「それだとミズキが今こうしてスピークしてるのは矛盾してないですか」

瑞希「ええ、正直迷いました。みなさんにお会いしたのもこれから話すことも私の独断です」

百合子(瑞希さんは覚悟を決めたのでしょう。起伏がない表情が引き締まるのが感じられました)

瑞希「これから皆さんはここから動かないでください」

瑞希「食料等の問題があれば私が何とかします。皆さんにはここでじっと救助を待っていてください」

105: 24/06/02(日) 00:28:05 ID:zTiy
百合子「な、なんでですか」

昴「そうだよ、突然現れて動くなって言われても意味分かんねーぞ」

瑞希「永吉さん…ですね。何で永吉さん達が今まで生き残れてるか、わかりますか」

昴「たまたま運が良かっただけ……とでも言うのかよ。確かに危ないところもあったぜ、でも…」

106: 24/06/02(日) 00:29:35 ID:zTiy
瑞希「永吉さんそれは違います。昴さん達が無事なのはこの事件の元凶が"子供なんて取るに足らない"と思っているからなんです」

瑞希「この事件、ハタ侵略とでもしましょうか。ハタ侵略は一昨日の20日で既に主要部の中心としたパライソタウンの7割を侵食させてたと推測してます」

昴「でも昨日の朝の時点じゃ学校のみんなや先生達はハタ付いてなかったぜ」

瑞希「だからです。学校の子供達や教職員は"後回し"にされてただけなんです」

瑞希「私が偵察した限りには必要以上の生存者狩りは行われていませんでした。ただ今回のこともあり明日以降はわかりません」

107: 24/06/02(日) 00:31:44 ID:zTiy
杏奈「…なるほど。つまり杏奈達は手加減されてる。しょせん子供だからと舐められてる」

杏奈「杏奈達が必要以上に動き回り相手を刺激させることになれば敵も本気になるってことだね…」

瑞希「その通りです。えっと、名前は……」

杏奈「…杏奈。望月杏奈です」

瑞希「!!!」ピクッ

108: 24/06/02(日) 00:32:34 ID:zTiy
瑞希(まさか望月さんの娘さんにこのタイミングで出会うとは)

瑞希(そして杏奈さんの周りにはこんなに頼もしそうな友人達。運命いたずらでしょうか)

瑞希(この子達のお姉さんとして忠告するだけのつもりでしたが…この子達に賭けても良いのかもしれません)

109: 24/06/02(日) 00:33:28 ID:zTiy
昴「言っとくけどな。オレ達はそんなじっとしてるほど行儀良くないぜ」

海美「そうだね、私だってたくさんの友達がハタ人間にされたのに黙ってられないよ」

瑞希「…前言を撤回しなければならないようです」

瑞希「まず望月杏奈さん。貴方のお父さんから伝言を預かってます」

杏奈「!!!」

110: 24/06/02(日) 00:34:12 ID:zTiy

杏奈「杏奈、お父さんの言う通りにした。"お父さんが帰ってくるまで家から出ては駄目だ"って言われたから。学校にだって行かなかった」

杏奈「でも、お父さんは……あれから帰ってこない」

百合子(杏奈ちゃんが学校にも行かず、ずっと家に居たのはそんな理由だったんだ…)

111: 24/06/02(日) 00:39:04 ID:j0Qt
瑞希「杏奈さん。お父さんは無事です、安心してください」

杏奈「…本当?」

瑞希「はい。それで伝言の内容ですが""箱崎星梨花"を探してくれたのむ"だそうです」

杏奈「箱崎星梨花……?」

112: 24/06/02(日) 00:39:54 ID:j0Qt
海美「もっちーも知らないようだけど?」

瑞希「知らないのも当然だと思います、杏奈さんと面識があるわけではありませんから」

瑞希「ですが現状、私達がここから脱出するためのキーパーソンなんです」

ロコ「どういうことなんですか?」

113: 24/06/02(日) 00:41:56 ID:j0Qt
瑞希「箱崎星梨花は箱崎財閥当主のご令嬢です」

杏奈「…箱崎財閥なら聞いたことがある。…日本有数の財閥」

昴「そんなお嬢様がこの町の学校に通っていたのか」

瑞希「そうです、みなさんが通っていたのはおそらくパライソ中学校。星梨花さんが通っていたのは違う学校のパライソ中学院です」

百合子(あー、同じ中学校でも中学院の方は上級学校でしたからね)

昴(スポーツに力を入れてるだけのパライソ中学と違ってすっごく頭良くないと入れないしな)

114: 24/06/02(日) 00:43:18 ID:j0Qt
杏奈「その子が杏奈達にどう関係あるの…?」

瑞希「実は今杏奈さんのお父さんを含め生き残った人達で本土の方に救助を要請しているのですが……」

瑞希「現状思わしくありません。相手方は救助を出し渋っているようなのです」

115: 24/06/02(日) 03:59:03 ID:zTiy
瑞希「それで……まことに不本意ですが交渉材料として箱崎星梨花さんがどうしても必要なのです」

瑞希「箱崎財閥の当主は一人娘である星梨花さんを溺愛しているらしく既に政府側に圧力をかけているそうです」

瑞希「そこで政府側から要望が出ました。箱崎星梨花の無事が確認出来たら救助に出動すると」

116: 24/06/02(日) 03:59:54 ID:zTiy
昴「なるほどな、その箱崎星梨花を見つけて保護すればいいんだな!分かりやすいじゃん」

海美「ねーねー。別にその…せりりん以外もいいんだよね保護するのって?仲間は多い方がいいと思うからさ」

瑞希「もちろんです。…おそらく救助作戦は一回きりかもしれません。ですから一回の救助作戦でたくさんの人が脱出出来るよう出来るだけ多くの人間を集めてください」

117: 24/06/02(日) 04:00:30 ID:zTiy
昴「よーし、明日は箱崎星梨花を探しながら仲間集めしようぜみんな!」

百合子「何だかゲームみたいな勢いになってますけど外は危険なんですよ。まあそれしか選択肢がないなら仕方ありませんけど……」

杏奈「…百合子さんもそういう割には生き生きとしてる」

百合子「当然です!こんなシチュエーション何度想像したと思っているんですか」

ロコ「ロコとしてはデンジャラスはノーサンキューなんですけど…」

118: 24/06/02(日) 04:01:04 ID:zTiy
瑞希「…本当は私一人で探しに行くつもりでした。ですが時間がありません。箱崎星梨花さんにハタが付けられないうちに早く保護しなければいけませんから」

瑞希「皆さんの手まで借りなければいけなくて申し訳ないです」 

海美「何言ってんの、みずきんももう仲間でしょ」

昴「そうだな、みんなでこの島から脱出するんだ出来ることはやろうぜ」

瑞希「仲間…ですか。お姉さんのつもりでしたがちょっぴりうれしいぞ」

119: 24/06/02(日) 04:02:12 ID:zTiy
瑞希「それと杏奈さん。お父さんからこれを渡すように頼まれてます」ゴトン

海美「それって!」

杏奈「…拳銃」

瑞希「M1911がモデルです。さらに女子供でも扱い易いようカスタマイズされています」

瑞希「反動や重量が少ない分、威力も落ち連射もあまり出来ないですが…」

百合子「そうじゃなくて!何故これを杏奈ちゃんに?」

120: 24/06/02(日) 04:02:40 ID:zTiy
瑞希「もちろん人間相手にこれは使わないでください。たとえハタ人間であっても」

瑞希「ですが望月さんのお父さんは言ってました。もしもの時のために渡してくれと」

海美「人間相手に……って人間以外の相手もいるの」

瑞希「今はまだ何とも言えないです。私達の方も調べている途中なので」

瑞希「ただ今回の現象は……人類以外の物によることだとしか思えないのです」

杏奈「……わかった。……使いたくはないけど受け取っておくね」

121: 24/06/02(日) 04:03:11 ID:zTiy
瑞希「あと永吉さんにはこれを渡しておきます」

昴「なんだ……って拳銃の次は爆弾かよ」

瑞希「私達もハタ人間に対して色々と対策を考えていました」

瑞希「これは水爆弾です。ピンを抜いたあと強い衝撃があると軽く破裂して中の水が拡散される仕組みになっています。試作品ですが永吉さんなら使いこなせると思います」

昴「そういうことかサンキューな」

瑞希「試作品ゆえに3個しかありません。ここぞという時に使ってください」

122: 24/06/02(日) 04:03:37 ID:zTiy
昴「なぁ……。瑞希は組織か何かに所属してそうだけど、今回のことどこまで知ってるんだ」

瑞希「それも……私からは詳しくお話しすることが出来ません。杏奈さんのお父さんの仲間とだけは言えます」

昴「まっ、瑞希が言いたくないならいいぜ。ただ、いつかは話してくれよな」

瑞希「ええ…必ず話します約束しましょう」

123: 24/06/02(日) 04:04:00 ID:zTiy
昴(あの後杏奈は瑞希に拳銃の撃ち方やセーフティロックのかけ方等を教わっていた)

昴(そうしてハタ人間が現れてから2日目が終わった)

昴(海美や瑞希に出会ったりハタ人間に対して対抗策が見つかったりと色々あったな)

昴(でも震えて終わった1日目と違って前に進めたと思う)

昴(明日は何とか残りの生存者を探さないとな)

124: 24/06/02(日) 04:10:34 ID:zTiy
2日目終わりです

ここまでで仲間は4+1+1の6人
人物紹介としてパワポケ風のキャラの軽いプロフィールを上げておきます

125: 24/06/02(日) 04:15:47 ID:zTiy

永吉昴    野球好き主人公

野球が大好きなごく普通の中学生。打つより投げる方が得意らしい
女子硬式野球部があるパライソ中学校に入学したはいいものの、
全国的に女子硬式野球部が少ないので練習試合はあれど本格的な大会は無かったというオチであったが本人はあまり気にして無いようだ
最近野球以外にもアイドルを見るのも応援するのも大好きで生のライブコンサートに行くのが夢

126: 24/06/02(日) 04:18:28 ID:zTiy

伴田ロコ    自称アーティスト

昴の幼なじみで実家も昴の隣の家。
本来インテリ系のロコはパライソ中学校よりパライソ中学院の方が向いているのだが昴に合わせてパライソ中学校に入学した。クラスは別
だがそのおかげで部員が自分しか居ない美術部で好き勝手に出来るらしく知り合った百合子や海美らと共にとても充実した学校生活を送っているらしい

127: 24/06/02(日) 04:19:46 ID:zTiy
七尾百合子    文学少女

パライソタウンに住んでいる地元生。読書好き
同じクラスで奥手な自分に気兼ねなく接してくれる昴が大好き。
本来インドア派の百合子とアウトドア派の昴は噛み合わない時もあるが同じインドア派のロコが仲裁に入ることで上手くいっているようだ
昴、ロコ、海美は寮生なので案内や手続き等パライソタウンのことは百合子がやることが多い
杏奈とはゲームで知り合った仲。お泊まり会も何度かしている

128: 24/06/02(日) 04:25:29 ID:zTiy
高坂海美    元気一杯アスリート

昴と同じクラスの寮生で昴、ロコ、百合子で仲良し4人組である
バレー部に所属しており大会が無い昴と違い全国大会に出場したこともある
中学校に入りアートに没頭するようになったロコの代わりに昴のキャッチボールに付き合っていたりする
現状クリアワルザーを持ってシューターを務める。命中率はまあまあ
地元に大神環という友達がいる

129: 24/06/02(日) 04:29:46 ID:zTiy

望月杏奈    百合子のフレンド

パライソタウンに住む女子中学生。父親はこの島でもだいぶ地位の高い人のようだが……?
家が広い割に父親はあまり家に帰らないので持て余し気味。早くから母親が居なく杏奈も寂しい思いをしている
昴達には容認しつつも距離を感じていたがみんなとのやりとりで距離も段々縮まりつつある

130: 24/06/02(日) 04:36:26 ID:zTiy
真壁瑞希    謎のエージェント?

突然昴達に接触してきた女性。容姿は女子高校生ぐらいだが言動等をみるに年齢はもっとありそう
まだまだ謎を隠しているがどうやら行動及び発言に制限があるらしく本人も歯痒い思いをしている
それでもお姉さんとして昴達を放っておけず自己判断で昴達に接触した

131: 24/06/02(日) 08:00:58 ID:zTiy
7月23日 8:00 杏奈宅前



海美「えーっ、みずきんは別行動なの?」

瑞希「ええ、一刻も早く箱崎さんを探すためには手分けした方がいいのです」

ロコ「ちゃんとカムバックしてくださいよミズキ」

瑞希「わかっています。夜には杏奈さんの家に戻りますので」

瑞希「皆さんもくれぐれもお気をつけて。では」

132: 24/06/02(日) 08:02:11 ID:zTiy




百合子「瑞希さん行っちゃいましたね」

昴「オレ達も行くか。打ち合わせ通りパライソ中学院に向かおうぜ」

昴(瑞希とは別行動になったが今回は杏奈も同行している)

昴(シッピングモールで新たに見つけたクリアワルザーは杏奈が待っている)

昴(シューティングは得意です…。って言ってたけど大丈夫かな…)

昴(それでオレ達は星梨花の手掛かりを探しにパライソ中学院に行く予定だ)

133: 24/06/02(日) 08:03:12 ID:zTiy
百合子「あっ」っ双眼鏡

ロコ「ユリコ、フラッグマンですか?」ヒソヒソ

百合子「うん…二人いる。ペアで組んでるみたい」ヒソヒソ

昴「それなら他に仲間がいるかもしれないし気づかれる前に迂回するか」ヒソヒソ

海美「そうだね、でも昨日はいなかったよね?」ヒソヒソ

昴(確かに昨日は外だと殆ど出会わなかったのに今日はすぐ出会ったな…)

百合子(ハタ人間の方でも動きが変わったのかも)

ロコ「迂回するならこのフォレストパークを通りますか」ヒソヒソ

昴「西森林公園なら身を隠し易いしな。それでいこう」

134: 24/06/02(日) 08:04:07 ID:zTiy

8:40 パライソ西森林公園


昴「そういえば昨日おかしな鳴き声をこの公園内で聞いたんだよな」

ロコ「この公園にアニマルは居ないはずです。ハトがインハビットしてもいいと思うんですが」

海美「私もこの公園に居たけどハタ人間以外には出会ってないよ」

昴「確かに聞いたんだよ。聞いたことない鳴き声だったけど」

135: 24/06/02(日) 08:04:56 ID:zTiy
百合子「この島に生息していて独特な鳴き声……パライソオタマじゃないですか」

ヤーン

昴「パライソオタマとは違う鳴き声だったんだよな」

ヤーン

杏奈「……どんな鳴き声?この鳴き声とは違う……の?」

???「やーん、やーん」

昴「いや、これよりもっと甲高い……って何の鳴き声だ?」 

136: 24/06/02(日) 08:05:41 ID:zTiy
杏奈「あの……茂みからだね」

???「ぅぅ……」

昴「よくわからないけど……離れないか?」

百合子「触らぬ神に祟りはありませんからね…」

???「……人間?ハタが付いてない人間ですぅ!」

ロコ「みんなクイックにエスケープして…」

亜利沙「なんでですか!亜利沙を置いて行かないでください~」

昴「うわっ!何かでたぁ!」

137: 24/06/02(日) 08:06:32 ID:zTiy



亜利沙「うえーん。怖かったんですぅ、不安でしたぁ」

海美「よしよし、落ち着いた?」

亜利沙「すみません亜利沙みんなより年上なのに…申し訳ありません」

百合子「こんな状況だから仕方ないと思いますよ。それで亜利沙さんですよね」

亜利沙「申し遅れました、松田亜利沙16歳。パライソ高校で新聞部をやってます!」

138: 24/06/02(日) 08:07:18 ID:zTiy
昴「新聞部?」

海美「そういえば紗代子先輩が言ってたよ。自分の通う高校に元気な新聞部員が入って校内新聞が劇的に変わったって」

亜利沙「えへへー、照れちゃいます。でも亜利沙はまだまだで~」

亜利沙「皆さんは…パライソ中学の生徒ですか?」

海美「えっ、大正解だよ。制服も着てないのによく気付いたね」

亜利沙「亜利沙この島の生徒なら大体雰囲気で分かります。女性限定ですけどねムフフ…」

杏奈「……あまり悠長にしていられない。杏奈達のこと端的に説明するね」

139: 24/06/02(日) 08:08:26 ID:zTiy

カクカクシカジカ チョージョーゲンショーアイドルチャン


亜利沙「なんと。そういうことなら亜利沙お供いたします」

亜利沙「星梨花ちゃんを探すんならありさアンテナが役に立つと思います」ピクピク

昴「ありさアンテナって何だ?」
 
利沙「亜利沙は昔から近くに素敵なガールちゃんがいるとビビッと反応するんです」ピクピク

亜利沙「まあごくたまにそれ以外にも反応しますケド」

140: 24/06/02(日) 08:09:05 ID:zTiy
杏奈(…思ったより変な人だね)

ロコ「ま、まあそのスキルはネセサリーかもしれません」

海美「じゃあよろしくね、ありりん」

亜利沙「ふおぉーっ。あだ名呼びです初対面であだ名呼びいただきました。感激ですぅー」

百合子(大丈夫かな……)
 

141: 24/06/02(日) 08:10:09 ID:zTiy

10:00 パライソタウン 道路


昴(森林公園は抜けたけど普通の道路は見通しがよくてハタ人間に見つかるリスクも高いな)

百合子「逆にこっちから先に見つけてやればいいんですよ」っ双眼鏡

亜利沙「ありさアンテナがハタ人間にも反応したらよかったんですケド…」

杏奈「散策系のスキルはナーフされやすいから仕方ないね……」

百合子「ゲームの世界じゃないんだから…あ、ハタ人間発見。今度は4人ぐらい固まってる」っ双眼鏡

142: 24/06/02(日) 08:10:44 ID:zTiy
海美「だんだん複数集まってること増えたね。ハタ人間同士で仲良くなったのかな」

ロコ「フラッグマンにフレンドなんてコンセプトあるのでしょうか」

百合子「そのことなんだけど…気付いたことがあるんです」

昴「なんだよ百合子」

百合子「出発してすぐに二人組のハタ人間を発見したじゃないですか。今回のハタ人間も最初のハタ人間と同じ服装をしているんです」

143: 24/06/02(日) 08:11:48 ID:zTiy
昴「始めの二人と同一人物ではないだろうし同じグループかもしれないってことか」

海美「それってどんな格好してるの?」

百合子「どっかで見たことはあるんです。紺色の軍隊みたいな格好で…」

亜利沙「…それってこの島の警備隊の格好じゃないですか」

百合子「あっ…それです!思い出しました」

144: 24/06/02(日) 08:12:52 ID:zTiy
昴「警備隊って警察や自衛隊とは違う新たに作った防衛局って組織のやつだろ?」

亜利沙「そうです。亜利沙もこの前の警備隊の行進パレードに亜利沙も取材に行きましたがそれはもう圧巻でした」

百合子「私も見に行ったけど確かに凄かったなぁ」

杏奈「…杏奈もテレビで見たよ、特に隊長が女性で美人だってネットでも話題になってた」

145: 24/06/02(日) 08:16:19 ID:j0Qt
亜利沙「ヘルガ隊長のことですよね、美しい金髪にあのキリッとした顔格好良いですぅ。確か曽根村局長がドイツの軍隊からスカウトしてきたんですよね」
 
昴「へー、オレは部活でパレード見てないから知らなかったけどすっげーんだな。でも……」

ロコ「本来治安をデフェンドするメンバーが既にフラッグマンになっているということはミズキの言う通りこの島の中枢はもう…」

亜利沙「せめてヘルガ隊長だけでも生き残ってくれてれば良いのですけど…」

海美「とりあえずハタ人間に見つからないように進も?」

146: 24/06/02(日) 08:17:35 ID:j0Qt
11:00 パライソ中学院 校門前


昴「何とかハタ人間と交戦せずにここまで来たけどよ……」

百合子「パライソ中学院ってオートロックの門だったんですね…」

昴「中に入れないじゃん。何のためにここまで来たんだよ、もー」

海美「これが本当の門前払いってやつなのかな。どっかから飛び超えて入れないかな?」

ロコ「ケガしますよウミ。それにロコ達もエンター出来ないならセリカもエンター出来ないかもしれないです」

147: 24/06/02(日) 08:18:33 ID:j0Qt
杏奈「…確かにこんなにがっちり門が閉まって誰も入れないんじゃ……中に誰も居ないと思う」

杏奈「複数人で中で立て込もってる可能性もあるけど……」

亜利沙「ありさアンテナも反応無しです。杏奈ちゃんの言う通り誰も居ないかもしれません」

昴(一応オレ達はインターフォン鳴らしてみたり外から合図を送ってみたりしたが学校側からは反応がなかった)

昴(何も得られなかったけどここは離れるしかないな)

148: 24/06/02(日) 12:45:45 ID:zTiy
海美「学校かぁ……」

ロコ「ウミどうしました?」

海美「思い出してみたら本来夏休みを過ごしているはずなんだよね私達……」

昴「オレも今頃野球の練習をしている頃なんだよな」

百合子「こんな夏休みになるなんて……あんまりです」

海美「ごめんね。なんかしんみりさせちゃって」

ロコ「今はムーブオンするしかないです」

149: 24/06/02(日) 12:46:31 ID:zTiy
百合子「でもこれで手がかりゼロです。どうすればいいんでしょうか?」トボトボ

杏奈「…闇雲にローラーするわけにもいかないし」

ロコ「一旦ゴーホームするしかありませんね。ミズキにも相談しないと」

海美「でもありりんに会えたし結果オーライじゃないかな」

亜利沙「皆さんには感謝です。亜利沙一人のままじゃいずれハタ人間にされてました」

150: 24/06/02(日) 12:56:58 ID:zTiy
百合子「そうだ、亜利沙さんってパライソ高校生ですよね。高校にハタ人間が来たりしませんでした?」
 
亜利沙「うぇっ」ビクッ

杏奈(百合子さん地雷踏んだね……)

ロコ(トラウマでもあるのでしょうか)

百合子「あっ、いや。話したくないなら無理に言わなくても……」

亜利沙「…今は言えないです。もう少し気持ちの整理が出来たら話しま……」ビビン

151: 24/06/02(日) 12:57:21 ID:zTiy
亜利沙「百合子ちゃんこの近くにハタ人間居ますか?」

百合子「え、私の見てる限りでは居ないけど……」

亜利沙「そうですか、前にありさアンテナがまれに別なことにも反応するって言いましたよね」

昴「まさか反応してるのか」

亜利沙「そうです。ガールちゃんじゃなくて"悪い予感"の方で。あの時と同じです」ピクピク

海美「それってヤバいの」

亜利沙「かなり……です」

152: 24/06/02(日) 12:58:19 ID:zTiy

?警備兵1「……居たぞハタ無しだ」

?警備兵2「……捕まえろ」


海美「で、出た。路地裏から急に!?」

昴「くそっ。ロコ頼……」

警備兵1「……させん」ダダッ

昴「ぐっ」

153: 24/06/02(日) 12:58:46 ID:zTiy
昴(構える前に取り押さえられちまった)

昴(動きに無駄がないし力も強いこいつら身体能力が一般のハタ人間の比じゃない!)

昴(不意打ち気味でみんな動揺してるしこれはマズい……)

154: 24/06/02(日) 12:59:07 ID:zTiy
バシャッ

?警備兵1「ぐわっ」バタン

?警備兵2「……え」

昴「え?」

海美「もっちー?」

杏奈「雑魚戦って感じだね!初戦だし気合入れてビビッといくよー」

155: 24/06/02(日) 12:59:40 ID:zTiy
?警備兵2「なんだ貴様は……」

杏奈「はいバッキューン」バシュッ

?警備兵2「こんなやつに……」バタン

亜利沙「狙いを付けて撃つまでが早すぎます…」

昴「どういうことなんだ…これ」

百合子「これは杏奈ちゃんのスイッチONモードです。普段はOFFモードですけどスイッチ入るとあんな感じなんですよ」

杏奈「みんな、余計なお喋りしてる暇ないよ」

156: 24/06/02(日) 13:00:03 ID:zTiy
?警備兵3「………………」スッ

?警備兵4「………………」スッ

?警備兵5「………………」スッ


昴「げっ、増えた」

ロコ「奥にもまだまだいそうです。一旦エスケープしましょう」

海美「路地裏に逃げれば上手く撒けるかもしれないね」ダダッ

百合子「そうしましょう」ダダッ

157: 24/06/02(日) 13:03:13 ID:zTiy




158: 24/06/02(日) 13:03:56 ID:zTiy


百合子「何とか撒けた……気がします」ゼェゼェ

昴「とりあえず身を隠して様子みないとな」

杏奈「今のうちにカートリッジ補充だね。ロコさんお願い」

ロコ「はいアンナ。ウミも補充しますか?」

海美「そうだね。ほとんどモッチーが倒しちゃったけど…モッチー凄いね」

杏奈「シューティングなら杏奈の方が先輩だからね任せて」
 

159: 24/06/02(日) 13:04:43 ID:zTiy
ロコ「スバル…さっきのフラッグマンの動きストレンジじゃないですか」

昴「ん、確かに路地裏から急に出てきたけど単に待ち伏せてたんじゃないか?」

ロコ「待ち伏せにしてはサラウンドが下手でしたあれは……」

亜利沙「こちらの位置がなんとなく分かってたって感じでしたね」

昴「いやそれはそれこそ相手もレーダーでも持ってない限りそんなことは……」

160: 24/06/02(日) 13:05:22 ID:zTiy





?警備兵5「さっきのハタ無しだ!そこに隠れて居るぞ!」


昴「げっ。本当にばれてる」

昴(なんでだ?なんでこんなに早く居場所がばれたんだ?)

161: 24/06/02(日) 13:05:57 ID:zTiy


ワンワン

ロコ「……まさか」


?犬「ワンワン」

?警備兵6「よーし、でかしたぞ」ナデナデ


昴(ハタ犬!?そんなのありかよ)

百合子「ハタって動物にも付けれるの!?」

162: 24/06/02(日) 13:07:08 ID:zTiy
?警備兵6「逃げても無駄だ……こいつの鼻でどこまでも追いかけるからな」

?警備兵5「覚悟しろ」

?警備兵7「………………」

?警備兵8「………………」

?警備兵9「………………」

163: 24/06/02(日) 13:13:31 ID:zTiy

ロコ「いつの間にかサラウンドされてます!」

百合子「一気に5人!?後ろは袋小路だしもう逃げれないよ……」

杏奈「海美さん2人は任せていい?杏奈は残り3人と犬をやるよ」チャキ

海美「自信ないけどやるしかないね」チャキ

164: 24/06/02(日) 13:15:20 ID:zTiy
昴「待て、いくら杏奈でもこの多人数は無理だ」

昴(しかもこいつらは訓練された兵隊だ。組み合いになったらヤバい)

?警備兵5「怖いのは水鉄砲を持ってる2人だけ、一斉に襲えば……」

165: 24/06/02(日) 16:30:27 ID:zTiy



???「待ったーー」

?警備兵5「ん、誰だ!」

のり子「女の子相手に卑怯じゃないの!この女子プロレスの新星福田のり子が相手だよ!」

?警備兵5「なんだ……あれもハタ無しか?」
 
杏奈「隙あり」バシュッ

?警備兵5「ぐえっ……」バタン

?警備兵7「……卑怯だぞ」

百合子(杏奈ちゃん容赦ない)

166: 24/06/02(日) 16:32:47 ID:zTiy
?警備兵6「ええい、全員抑えろ」

昴(警備兵のうち1人は飛び入りレスラー?、のり子に向かって行った)

昴(残りは3人と1匹これなら……)



167: 24/06/02(日) 16:34:18 ID:zTiy
海美「この、この」バシュッバシュッ

?警備兵7「訓練を受けている我々がそんな簡単に当たるとでも」ヒョイ

杏奈「海美さんナイスアシスト」バシュッ

?警備兵7「……こいつ避けたところを狙って」バタン

昴(そうか。この前はクリアワルザーは一つしか無かったけど二つある今なら連携出来る!)

杏奈「海美さんその調子だよ、外れてもいいから撃ち続けて。仕留めるのは杏奈がやる!」

海美「了解!」バシュッ

168: 24/06/02(日) 16:35:03 ID:zTiy
?警備兵6「くっ、警備兵9も早く加勢しろ」

のり子「警備兵9って私の相手?もう倒しちゃったけど」

?警備兵9「…………」キュウ

?警備兵6「何!少し目を離した間に……」

のり子「ハタ人間はちょっとやそっと殴ったぐらいじゃ止まらないって知ってるからね、意識を落とさせてもらったよ」

百合子「杏奈ちゃんも凄いけどあの人も凄い!」

169: 24/06/02(日) 16:36:21 ID:zTiy
昴「ああ、あの兵隊ハタ人間に真っ向勝負で勝っちまった」


 


?警備兵8「…………」バタン

杏奈「もう残り一人と1匹だよ」

?警備兵6「………我々も甘く見られたものだ」

?警備兵6「……貴様らハタ無しがこの訓練された犬に勝てるものか」

?犬「グルル」

170: 24/06/02(日) 16:38:52 ID:zTiy

亜利沙「あの犬、ドーベルマンでしょうか。強そうですぅ……」

百合子(昴さん犬が相手なら私に考えがあります)ゴニョゴニョ

ロコ(ロコにもいいストラテジーが)ゴニョゴニョ
 

171: 24/06/02(日) 16:39:45 ID:zTiy

?警備兵6「…いいか、奴らをハタ人間にするんだからやりすぎるなよ。行けっ!」

?犬「ワンッ」


海美「く、くるよ」

昴「やい、ワン公!これでどうだ」ポイッ
 
亜利沙「ばっ、爆弾ですか」

172: 24/06/02(日) 16:40:34 ID:zTiy
?警備兵6(所詮はガキだな。手榴弾には驚いたがピンを抜かずに投げてるじゃないか)

?犬「グルル……」

昴(瑞希から貰ったこの水爆弾。ピンを抜いてないから投げても爆発しないけどそれでいい)

?警備兵6「な、何を尻込みしている」

昴(ピンが抜けているかどうかなんて犬には判断出来ない。むしろ爆弾から匂う火薬の匂いに警戒してしまうよな)

昴(普通の犬じゃ火薬の匂いにそこまで過剰に反応しないだろうけど訓練された犬なら爆発物には敏感なはず)

173: 24/06/02(日) 16:41:05 ID:zTiy
昴(これで少しでも怯んでくれれば……)

?犬「ワンッ」

海美「すばるんそっちに行ったよ」

昴「怯まずこっちに来たか。こっちから行くつもりだったけどな、勝負だハタ犬!」
 

174: 24/06/02(日) 16:41:49 ID:zTiy
百合子(ハタ犬が昴さんに飛び掛かり腕に噛みつこうとする刹那)

百合子(昴さんがロコさんから受け取っていたラッカースプレーをハタ犬の顔面目がけて噴射しました)


?犬「ギャイン」


ロコ「アンナ今です」

杏奈「わかった」バシュッ

?犬「クゥーン」パタン

175: 24/06/02(日) 16:42:38 ID:zTiy
?警備兵6「馬鹿な……」

昴「シンナーの匂いがきついやつをぶっかけたからな当分鼻は使えないだろ」

昴「……ごめんな」


?警備兵6「……くそっ」ダダッ



杏奈「あ、逃がさないよ」

海美「無理しない方がいいよもっちー。カートリッジもギリギリでしょ」

杏奈「ぐぐ……」

176: 24/06/02(日) 16:43:18 ID:zTiy

のり子「いやー凄かったよ。水鉄砲でハタ人間をばったばた倒していくんだもん」

ロコ「ウィークネスを狙っただけです。と言うかそれ以外のメソッドがあるんですか?」

のり子「いやー、アタシが襲われた時にパンチやキックとかヒットさせてみたんだけど気絶してくれなくてさ。仕方ないから絞め技で落としちゃった」

百合子(力技!)

177: 24/06/02(日) 16:43:39 ID:zTiy
のり子「ハタ人間をやっつけるのにこんな簡単な方法があったんだね。アタシは福田のり子女子プロレスラー目指して修業中かな」

昴「体捌きすっごかったもんなー。のり子はどうしてここに?」

のり子「アタシ兄貴に会いにこの島に来たんだけど、こりゃとんでもない武者修行になっちゃいそうだね」

178: 24/06/02(日) 16:44:13 ID:zTiy

杏奈「…………」ツンツン

百合子「杏奈ちゃんどうしたの?」

杏奈「……百合子さん。杏奈そろそろ電池切れです」

百合子「はいはい。頑張ったし休んでていいよ」

杏奈「……ん」

179: 24/06/02(日) 16:44:41 ID:zTiy

海美「もっちーお疲れ?」

百合子「うん、ゲームプレイ中でも杏奈ちゃんがONモードになった後はいつもこんな感じです」

百合子「でもゲームじゃ2~3時間はONモード続くのに……ゲームと現実じゃエネルギー消費が違うのかも」

杏奈「……スースー」

180: 24/06/02(日) 16:45:41 ID:zTiy
ロコ「でも困りましたね」

のり子「じゃアタシが背負うよ。任せて、体力あるし大人だからね。だから一緒に行こ?」

昴(そうしてのり子もオレ達に同行してくれるようになった)

昴(のり子の腕っぷし強さはとても心強い。正直大人のハタ人間相手にオレ達子供の身体能力じゃどうやってもかなわないから)

昴(杏奈のONモードもとても頼りになるけど結構無理をしてかもしれないし杏奈だけに頼るわけにはいかないな)

昴(海美もそれは感じてる。今は杏奈の抜けた分まで気張ってる)

181: 24/06/02(日) 16:46:29 ID:zTiy

ロコ「スバル、ユリコ。パライソタウンにはアニマルパークは無かったですよね」

百合子「動物園ならこの島には無いですね。動物園行くためにわざわざ本土まで行ってたから」

昴「動物園がどうしたんだロコ?」

ロコ「先ほどでアニマルにもフラッグが立てれることがサイエンスしました」

百合子「あ……」

ロコ「この島にレオでもタイガーでも居たらフラッグマンのフレンドになっていたでしょう」

昴「確かに……。この島に動物っけが無くてよかった」
 

182: 24/06/02(日) 16:50:26 ID:j0Qt





17:00 杏奈宅前

昴「ここが今オレ達が拠点としているところさ」

海美「一応家主はもっちーなんだけど今お休み中だね」

百合子「杏奈ちゃん鍵借りるよ」

杏奈「……ん」

のり子「アタシ宿無しだったからうれしいな。お邪魔します」

亜利沙「こんな大勢のガールちゃんにお泊まり出来るなんて幸せですぅ」

ロコ「なんだかビジーになりましたね
 

183: 24/06/02(日) 16:53:15 ID:j0Qt

19:00 杏奈宅



百合子(18:00を過ぎたころ瑞希さんも帰ってきました)

百合子(食事も済ませて情報で共有です)

瑞希「そうですか……パライソ中学院には入れなかったんですね」

百合子「そうです。手掛かりもありませんでした」

184: 24/06/02(日) 16:54:09 ID:j0Qt
昴「瑞希の方は何か手掛かりあったのか?」

瑞希「私は星梨花さんの情報を調べてました」

瑞希「調べたところ星梨花さんは東京の本土にある自宅から車の送迎で通学していたそうです。最後に消息が判明しているのは21日の昼までですね」

瑞希「帰りの送迎の車と運転手は本土に帰還していないそうです。おそらく星梨花さんと一緒にいる可能性が高いと思われます」

185: 24/06/02(日) 16:56:29 ID:j0Qt
瑞希「それと……警備隊ですか。私も警備隊と思われるハタ人間に何度も遭遇しました」

百合子「私達の周りだけではなかったんですね」

海美「普通のハタ人間はどっか行っちゃって、もう居るのは警備兵ハタ人間だけだね……」

杏奈「今までいたザコ敵がいなくなって強化版だけ出現する……ゲームでもよくあるパターンです」

186: 24/06/02(日) 16:57:45 ID:j0Qt

瑞希「確かに気になります」

瑞希「明日この島にある防衛局の本部に行ってみます。本来この島に異常があれば真っ先に動くところです。何かハタ人間の手掛かりがあるかもしれません」

瑞希「永吉さん達は引き続き星梨花さんを探してください」
 

187: 24/06/02(日) 17:03:34 ID:j0Qt
亜利沙「……あの、この島の住民や亜利沙の学校の生徒達までたくさんの人達がハタ人間になったはずです。みんなどこに消えたんでしょうか」

瑞希「……………………」

昴「…………………………」

百合子「…………………」

ロコ「……………………」

海美「……………………」

亜利沙「……あ」

188: 24/06/02(日) 17:04:14 ID:j0Qt
昴(みんな答えを言えないでいた)

昴(いくつかの仮説は考えられたがどれも良いことにはなりそうに無かったからだ)

瑞希「その謎はひとまず置いときましょう」

瑞希「今は私達が脱出することだけ考えないと」

189: 24/06/02(日) 17:05:24 ID:j0Qt


のり子「みーんな暗いよ。作戦会議終わった?」

百合子「まあ大まかには……」

のり子「そっか。ならぱーっとみんなでバーベキューでもする?アタシ焼肉が大好きなんだ」

瑞希「ハタ人間に見つかるリスクのある行動は推奨出来ません」

のり子「もう、堅いなぁ」グリグリ

190: 24/06/02(日) 17:07:24 ID:j0Qt
瑞希「ですがみんなで何かやるというのはいいかもしれません。気分転換にもなりますし」

杏奈「……ゲームならあるよ?」

百合子「この人数でやるにはコントローラが足りないですね」フフッ

191: 24/06/02(日) 17:08:07 ID:j0Qt
海美「そうだ、星!」
 
昴「えっ」

ロコ「スターですか」

海美「そうだよ、夏休みにみんなで星を見る約束あったよね」

昴「ああ、そうだな」

海美「私達の夏休みはまだ終わってないんだよ!だから落ち着いたら改めてみんなで星を見に行こうよ。ここにいる全員で」

192: 24/06/02(日) 17:08:39 ID:j0Qt
のり子「それってアタシも」

瑞希「私もですか?」

亜利沙「亜利沙も参加していいんですか?」

海美「うんうん!せっかく知り合えたんだしさ。みんなで行こうよ」

百合子「杏奈ちゃんも一緒に行こ?」

杏奈「……百合子さんがそう言うなら。でも星よりゲーム画面見てるかも……」

193: 24/06/02(日) 17:09:12 ID:j0Qt
亜利沙「もちろん亜利沙は参加します。いや参加させてください!」

のり子「保護者が必要かもしれないしね。アタシも参加するよ」

瑞希「私も可能であれば参加させてもらいます」

194: 24/06/02(日) 17:09:34 ID:j0Qt
昴(もちろん今この現状で今すぐ天体観測が出来るわけじゃない)

昴(だけどみんな寝るまで天体観測のことを話し合った)

昴(場所はどこがいいだろうか、夜食等用意しようだとか)

昴(ロコもなんだか当初予定だったの4人だけの時よりもグッドになりましたねと言っていた。オレもそう思う)

昴(このことだけはハタ人間に感謝してもよいかもしれないな)

195: 24/06/02(日) 17:12:16 ID:j0Qt
3日目が終わりです

仲間も2人増えて8人になりました
そしてパワポケからあの二人の名前も……
プロフィールも追加しておきます

196: 24/06/02(日) 17:17:54 ID:j0Qt
望月杏奈    ビビッドシューター

ONモ-ドの時の杏奈は昴達の中では最強のシューター
ただ活動時間があるのと待ち構えて撃つスタイルなので動きまわるスタイルの海美とはお互いを補う関係である

197: 24/06/02(日) 17:20:01 ID:j0Qt
松田亜利沙

パライソ高校生に通う高校生で新聞部をやっている
それだけに昴達の中では一番政治情勢に詳しい
重度のドルオタだが好みはアイドルだけに限らない
自慢の亜利沙アンテナは感知するとピクピク動く
その様子を瑞希氏も興味深げに観察していた

198: 24/06/02(日) 17:21:01 ID:j0Qt
福田のり子

最強の女子プロレスラーを目指して修業中の女性。既にスカウトの声はかけられているがまだデビューには早いのではないかと決めかねている。
自分より一足先にプロレスラーになった兄貴がこのパライソタウンに向かったと聞いて応援の為にパライソタウンにやって来たが、試合があるわけでもなく不思議がっていたところにこの怪異に巻き込まれてしまった

199: 24/06/02(日) 21:10:35 ID:zTiy

7月24日 7:30 杏奈宅玄関前



ロコ「今日は途中までトゥゲザーなんですねミズキ」

瑞希「ええ、皆さんよろしくお願いします」

昴(昨日の打ち合わせで今日はパライソタウンの中心街の辺りを探索することになっている)

200: 24/06/02(日) 21:13:41 ID:zTiy
昴(中心街はパライソタウンの主要部であり映画館やデパート等の商業施設や役所や庁舎等のビル群が建ち並ぶところだ)

昴(人通りも多く必然的にハタ人間が多いだろうから近づくのを避けてきたけど)

昴(逆に星梨花の手がかりも見つかるかもしれないし、今まで避けてきた分盲点になっている可能性もある)

昴(瑞希は中心街を経由してそのまま南に下って防衛局の本部に向かうらしい。だから途中までは一緒だ)

201: 24/06/02(日) 21:14:31 ID:zTiy
海美「じゃあ出発だね~」ルンルン

百合子「海美さん遠足じゃないんですよ」

海美「わかってるよゆりりんありりんハタ人間の発見お願いね」

亜利沙「ふふ……。普段鍛えていた力を発揮する時が来ましたね」

昴(何を鍛えていたんだ?)

杏奈「……今日も長期戦になりそうだから杏奈最初は省エネモードでいくね……」

のり子「アタシや海美がいるから大丈夫だよ杏奈」

202: 24/06/02(日) 21:15:31 ID:zTiy

昴(そうしてオレ達は昨日のメンバーに亜利沙、のり子、瑞希を加えた8人で進んでいった)

昴(道中で何度かハタ人間を発見したが百合子と亜利沙が先に見つけたおかげで交戦することはなかった)

昴(注意深く進むこと40分。何事もなく中心街に着くことが出来た)
 

203: 24/06/02(日) 21:16:10 ID:zTiy

8:10 パライソタウン中心街



昴「ここで一旦お別れだな瑞希」

瑞希「そうですね。また夜にお会いしましょう」

瑞希「……私が行く場所も危ないところですがここも十分危ないところです。危険ならば絶対に逃げてください」

昴「ああ、今日もみんなで無事に帰ろうな」
 

204: 24/06/02(日) 21:18:04 ID:zTiy




昴「さて、この広い中心街をどう探索したもんかな……」ウーン

百合子「まず人が向かいそうなところを探すのがいいんじゃないですか」

ロコ「そういうと……デパートがグッドじゃないでしょうか?フードもありますし誰かのライフベースになっているかも」

のり子「そうだね、まずデパートに行ってみようか」

亜利沙「待ってください」ピクピク

205: 24/06/02(日) 21:19:16 ID:zTiy
海美「ハタ人間が出たの!?」

亜利沙「違います。亜利沙アンテナが反応してます。そこです!」ユビサシ

昴「と言っても誰もいないじゃないか…………ん?」



可憐「………………」コソコソジーッ

昴「本当に居た!」

206: 24/06/02(日) 21:20:20 ID:zTiy
可憐「……………ハッ」

可憐「……………………」ダダッ

昴「あ、逃げた……」

海美「あーすばるんが大声出すから」

百合子「今のは昴さんが悪いですね」

昴「え、オレが悪いの?」

ロコ「とにかくチェイスしますよ」
 

207: 24/06/02(日) 21:21:27 ID:zTiy


亜利沙「亜利沙アンテナによるとこっちです」ピクピク

昴(すっげー……こういう人探しには亜利沙アンテナ頼りになるな)


可憐「うう……」


百合子「あ、居た」ヒソヒソ

海美「今度は私が行くね!」

208: 24/06/02(日) 21:22:47 ID:zTiy
海美「おっはよー」ウミミーン


可憐「あ……」ビクゥ

可憐「ひぃ……」ダダッ


海美「あ、待ってよー」

昴「海美でも駄目なんじゃん」

杏奈「この警戒心なら今日まで生き残れたのも納得だね……」

のり子「もう、追いかけるよ」

209: 24/06/02(日) 21:24:33 ID:zTiy





210: 24/06/02(日) 21:26:27 ID:zTiy

9:00 パライソタウン倉庫街



ロコ「チェイスしていたらここまで来てしまいました……」

昴(ここはパライソタウンの東側にある倉庫街だ)

昴(本土から運ばれた物資は一旦ここに保管される。パライソタウンは人工島だから食料や燃料等は必要以上に備える必要があるからな)

昴(倉庫といっても種類もあり大きなコンテナからレンガ作りの建物もある)

昴(それらが積み木のように敷き詰められちょっとした迷路みたいなんだよな)

211: 24/06/02(日) 21:27:27 ID:zTiy
杏奈「でも稼働してなかったら人気はなさそうだし入り組んでいて身を隠すにはいい場所かもしれない」

杏奈「彼女もそれでここに来たのかも」

海美「ざっと見た感じハタ人間も居ないみたいだしね」

ロコ(少しサイレント過ぎる気もしますが……)

212: 24/06/02(日) 21:29:08 ID:zTiy

可憐「………」ビクビク



のり子「見つけた、あの子だよ」

亜利沙「亜利沙今気付きました。あの女の子は篠宮可憐さんです」

昴「知っているのか亜利沙?」

亜利沙「亜利沙と同級生なんです。クラスは違うんですけど」

亜利沙「見た目は派手に見えますが内心は臆病な子で……。でも格好とか顔とかが良いせいで学校でも目立つみたいで本人は苦労しているようでした」

昴「なるほど、オレ達を見てすぐ逃げるのもそれならしょうがないな」

213: 24/06/02(日) 21:48:51 ID:zTiy
杏奈「それと杏奈達が多人数ってこともあると思う……」

杏奈「知らない人達が集団で声を掛けてきたら……怖いと感じると思うよ」

ロコ「コレクトアンサーかもしれないですね。ならカレンとスピークするためにはソロでスピークした方がいいかもしれません」

亜利沙「その役目は同じ高校生で面識のある亜利沙にお任せてください」

昴「ああ、頼んだぜ」

百合子「私達は遠くで待機してます」

214: 24/06/02(日) 21:51:44 ID:zTiy



亜利沙「可憐さん」

可憐「…………え」ビクゥ

亜利沙「待ってください。A組の亜利沙です、ええっと同学年で新聞部でドルオタの」

可憐「……あ、亜利沙ちゃんなの?」

亜利沙「亜利沙達は怪しくないです。ほらハタも付いてないじゃないですか」

可憐「……そうなの?」

亜利沙「そうですよ。今みんなでこの島を脱出する仲間を集めているところなんです」
 

215: 24/06/02(日) 21:55:01 ID:zTiy

海美「いい感じだね」ヒソヒソ

百合子「今のところ上手くいきそうです」ヒソヒソ
 

216: 24/06/02(日) 21:58:09 ID:zTiy

亜利沙「………一昨日ぶりでしょうか。あの時A組で上手く逃げれたのは亜利沙だけでした」

可憐「わ、私の組もみんな捕まって……私以外はどうなったかわかんない」グスッ
 

217: 24/06/02(日) 21:59:32 ID:zTiy

杏奈「……なんだか空気が変わったね」ヒソヒソ

ロコ「アリサとカレンの間に何かあったのでしょうか」ヒソヒソ
 

218: 24/06/02(日) 22:02:19 ID:zTiy

ガガガガガガガガガッ



百合子「なんですかこの音」

のり子「これはエンジン音とホイールの音だよ!」

219: 24/06/02(日) 22:04:41 ID:zTiy

\ガッシャーン/


ロコ「ひいっ、このエリアのゲートがクラッシュされました!」

昴(この倉庫街の入り口のゲートをぶち破って現れたそれは奇妙な形の機械だった)

昴(中型車ほどの胴体に六本の車輪付きの足とてっぺんには砲台が付いていた)

昴(昆虫の姿をモデルにした戦車……という表現が一番近いかもしれない)

220: 24/06/02(日) 22:05:59 ID:zTiy
杏奈「みんな逃げるよ!路地に逃げて!」

昴(一気にONになった杏奈の掛け声とともにオレ達は走りだした)

昴(幸いこの倉庫街は倉庫と倉庫との間に隙間がいくらでもある)

昴(狭い路地ならあの戦車が入ってこれないだろ…………って)

221: 24/06/02(日) 22:07:59 ID:zTiy
可憐「ひぃぃ…………」ガタガタ

亜利沙「あああ…………」ガタガタ

昴「どうしたんだよ亜利沙」

亜利沙「……亜利沙動けません…」ガタガタ

昴「ああもう、捕まれ亜利沙。可憐もだ」

亜利沙「はいぃ」ガシッ

ロコ「スバルー、駄目ですそっちに行っちゃ……」

昴「オレの心配はしなくていいから!ロコは気にしないで逃げろ」

百合子「昴さーんー」



 

222: 24/06/02(日) 22:10:04 ID:zTiy
昴(その後は無我夢中で亜利沙と可憐を引っ張ってとにかく倉庫の奥の奥へ逃げた)

昴(亜利沙と可憐も途中で持ち直して三人で走り倉庫街の最奥地で身を隠すことにした)

昴「ここまで来れば一息つけるだろ。あいつ移動音がうるさいから近づいてきてもすぐわかるしな」ゼエゼエ

亜利沙「昴くんありがとうございます……。亜利沙達を引っ張ってくれて」ゼハゼハ

可憐「昴さんは命の恩人です」ゼエゼエ

昴「そういうのは照れるから……。それより何かあったのかあの戦車に」

223: 24/06/02(日) 22:12:23 ID:zTiy
亜利沙「それが……20の日、亜利沙達パライソ高校生徒はいち早くハタ侵略に気付きました」

亜利沙「先生達が次々とハタ人間化する中、生徒達は琴葉生徒会長のもと団結してパライソ高校で籠城しハタ人間の侵略を防ぐことに成功しました」

可憐「まだその時は全校生徒のほとんどが生き残っていたんです」

亜利沙「ですが一昨日の夜、学校にあの戦車が現れました」

亜利沙「バリケードを破壊し散々暴れ回った後ハタ人間も押しかけて……」

可憐「残った生徒達も次々とハタ人間に……」ウウッ

昴「そうか……」

昴(瑞希の言う通り、確かにオレ達は手加減されてたみたいだな)ググッ
 

224: 24/06/02(日) 22:14:29 ID:zTiy

12:00 倉庫街


昴(それからしばらく身を潜めていたけど)

昴(遠くから聞こえていたあいつの機械音も聞こえなくなり再び倉庫街は静まり返った)

昴(倉庫街から出ていったんだろう……多分)

225: 24/06/02(日) 22:15:21 ID:zTiy
昴「いつまでも隠れ続けてるわけにもいかないしそろそろ出発したいと思うんだけど」

昴「亜利沙と可憐はそれでいいか?」

亜利沙「大丈夫ですよ昴くん」

可憐「いつまでも足引っ張るわけにはいきませんから」

昴「ならここを出るぜ。早くロコ達と合流しないとな」

226: 24/06/02(日) 22:22:08 ID:zTiy
昴(とは思ったものの……)

昴(既にロコ達の姿は倉庫街にはいなかった)

昴(安全のためといっても少し潜伏しすぎたのかもしれない)

昴(こういうはぐれた場合は一旦拠点の杏奈宅に戻るようにみんなで決めてあった)

昴(となれば倉庫街に留まる必要はない。さっさと出たいんだけど……)

227: 24/06/02(日) 22:24:49 ID:zTiy

?警備兵A「…………」キョロキョロ
?警備兵B「…………」キョロキョロ
?警備兵C「…………」キョロキョロ
 

228: 24/06/02(日) 22:25:59 ID:zTiy
可憐「……居ますねハタ人間」

亜利沙「しかも入り口のゲートのところです……。最初来た時は居なかったのに!」

昴「あの変な戦車がこの倉庫街に来るとわかってたから居なかったのかもしれないな」

可憐「……そ、そして戦車が居なくなったから戻ってきたってことですか」

亜利沙「なるほど、それなら辻褄が合いますね」

229: 24/06/02(日) 22:26:40 ID:zTiy
昴(マズいな…………今のオレ達はクリアワルザーが無い。海美と杏奈が持ってたからな)

昴(一応瑞希から貰った水爆弾はあるけど3個しかないし帰りも考えるとあまり使いたくないな……)

可憐「あのう……あの数なら何とかなるかも……」

昴「そうなのか?」

可憐「はい……実はさっき気付いたんですけど」

230: 24/06/02(日) 22:30:51 ID:j0Qt

?警備兵A「………………」キョロキョロ


昴「おっす」ヒョッコリ


?警備兵A「……ハタ無しだ」
?警備兵B「……例のハタ無しか?」
?警備兵C「………………」
 

231: 24/06/02(日) 22:33:49 ID:j0Qt
昴「これが挨拶代わりだ。ってな」小石ナゲ

?警備兵A「…………」イラッ
?警備兵B「…………」イラッ
?警備兵C「…………」イラッ

232: 24/06/02(日) 22:35:17 ID:j0Qt
昴「やっべー、外しちまった逃げろー」


?警備兵A「…………追うぞ」ダダッ



亜利沙(あんな単純な挑発にも簡単に引っかかりましたね)

233: 24/06/02(日) 22:37:21 ID:j0Qt
昴(オレが囮になってハタ警備兵を引きつける)

昴(ここまで誘い込めば……)

昴「可憐頼むぜ」

可憐「は、はい。えーーい」ブシューーッ

?警備兵A「…………水だと」バタン
?警備兵B「………………」バタン
?警備兵C「………………」バタン

234: 24/06/02(日) 22:39:37 ID:j0Qt
昴(おそらく積み荷の運搬車を洗うためのものだろう。蛇口に繋がれたホースから放たれた水がハタ警備兵達を一網打尽にした)

可憐「や、やりました」ヘナヘナ

亜利沙「想像以上の効果です。場所を選びますがハタ人間対策として次から検討すべきですね」

昴「そうだな。可憐もナイスだったぜ」

可憐「うう……昴ちゃんこそ囮なんて危ない役やってくれて……」

昴「へへ、もうハタ人間相手は慣れてきたんだよ。気にしなくていいぜ」

235: 24/06/02(日) 22:42:03 ID:j0Qt





236: 24/06/02(日) 22:45:38 ID:j0Qt
昴(倉庫街を抜け出したオレ達は急ぎ足で杏奈の家に向かった)

昴(と言っても最大限警戒しながらだから歩みは遅いんだけど)

昴(ともかくハタ人間を避けながら中心街を抜けなきゃいけない)

237: 24/06/02(日) 22:48:01 ID:j0Qt
昴(…………)

昴(ハタ人間の索敵は百合子1番得意だった。シューターの海美と杏奈は頼もしかったし道具が無かったらロコが渡してくれて白兵戦に持ち込まれてものり子がいた)

昴(みんなで居ないとこんなに不安だったんだな……)

238: 24/06/02(日) 22:49:50 ID:j0Qt
可憐「昴ちゃん、亜利沙ちゃん。あそこに人が居ます」

亜利沙「本当ですね。遠目ではっきり見えませんが女性です、亜利沙アンテナが反対しませんでしたけど」

昴「ってことはハタ人間か」

亜利沙「そう決まったワケじゃ……ってあの人は!」タタタ

239: 24/06/02(日) 22:52:15 ID:j0Qt



ヘルガ「………………」っ本

亜利沙「やっぱりヘルガ隊長ですぅ」

ヘルガ「……おや。私としたことが読書に夢中だったな」パタン

240: 24/06/02(日) 22:54:07 ID:j0Qt
ヘルガ「何故子供がこの状況で歩き回っているんだ?危険だろう」

亜利沙「そうなんですケド色々ありまして……」

昴「亜利沙、この人がこの前百合子や杏奈が言ってたヘルガ隊長さんか」

可憐「……偉い人なんですか?」

亜利沙「防衛局の警備隊の隊長なんですよ。亜利沙大ファンです」

241: 24/06/02(日) 22:56:26 ID:j0Qt
ヘルガ「それは嬉しいな。君たちは見たところ学生のようだが他に仲間がいるのか?」

亜利沙「居るんですけど今ははぐれてしまって……」

ヘルガ「なるほどな……。ところで私は読書も好きだが演劇も好きなんだ」

亜利沙「そうなんですか!」

ヘルガ「だから……」

ヘルガ「こんな三文芝居はやめにするよ」チャキ

242: 24/06/02(日) 22:58:45 ID:j0Qt
亜利沙「え……」

昴(そう言ってヘルガ隊長は拳銃を亜利沙に突きつけた)

可憐「あ……あ……」

亜利沙「どういうことですか。亜利沙何も悪いことはしてません」

昴「そうだ、生存者同士で争ってる場合じゃないだろ」

243: 24/06/02(日) 23:00:30 ID:j0Qt
ヘルガ「鈍いな君たちは。つまり……」手スッ


?警備兵×6「………………」ススッ


ヘルガ「私はハタ側の人間だ」

244: 24/06/02(日) 23:02:56 ID:j0Qt
亜利沙「は?いや、どうして……」

ヘルガ「さて、私は軍人として矜持があってな。無抵抗な女子供に危害を与えるつもりはない。だが……」

パァン

ヘルガ「抵抗するなら女子供も関係ない。というのも私の主義だ。抵抗してくれるなよ」

245: 24/06/02(日) 23:04:16 ID:j0Qt
昴(持ってた銃で空に1発威嚇射撃)

昴(それだけで可憐は座り込み亜利沙は震えて動けなくなった)

昴(オレも隙を見て逃げ出すつもりだったけど)

昴(どうやらそれは無理そうだ)

246: 24/06/02(日) 23:07:30 ID:j0Qt

16:00 パライソタウン中心街 市役所


昴(あの後一切の抵抗も出来ずここに連れ込まれた)

昴(どうやらやつらこの市役所を前線基地にしてるみたいだな)

亜利沙「どうして……どうしてなんですかぁ」

昴(亜利沙はかなりショックを受けたらしい。大ファンだったわけだし当然か)

247: 24/06/03(月) 06:05:51 ID:klXi
可憐「うう……。私達どうなるんでしょう」

昴「まだ可能性が無いわけじゃない」

昴(どういうわけかヘルガはオレ達にハタを立てなかった)

昴(どういうつもりかわからないがハタ人間にされなければチャンスはある!)

248: 24/06/03(月) 06:06:56 ID:klXi

ガチャ


?警備兵「……おい、そこのお前だけ来い。ヘルガ隊長がお呼びだ」

昴「個人指名かよ。ドラフト指名なら良かったんだけどな」

昴(なんて冗談も言ってみたけど正直怖い)

昴(けど亜利沙と可憐をこれ以上怖がらせるわけにいかなかったし毅然としてハタ警備兵に着いていった)

249: 24/06/03(月) 06:20:27 ID:klXi

ガチャ


?警備兵「……ヘルガ隊長。お連れしました」

ヘルガ「ご苦労。お前達は部屋から出ろ、二人で話しがしたい」

ハタ警備兵「ハッ」


バタン

250: 24/06/03(月) 06:20:55 ID:klXi
昴「二人きりで話しだって?」

ヘルガ「まずいくつか質問する。ここ1日、2日で私の部下が何名かやられたという報告があったが君たちか?」

昴「さあな」

ヘルガ「フッ……ならもう一つ」

ヘルガ「"箱崎星梨花"を知らないか?」

251: 24/06/03(月) 06:22:22 ID:klXi
昴「なっ」

ヘルガ「ああ、もういい。その反応が見れれば十分だ」

ヘルガ「下手な答えを聞くより後で聞きだせばいいからな」

昴「拷問でもするつもりか」

ヘルガ「そんなことする必要などない。ハタを付けて命令すればどんなに堅い口も関係ないだろう?」

昴(あ…………)

252: 24/06/03(月) 07:28:55 ID:Bj28

ヘルガ「さてここからが本題だが……」

ヘルガ「私の部下になって補佐になる気はあるか?」
 
昴「本気で言ってるのかそれ」
 

253: 24/06/03(月) 07:29:45 ID:Bj28
ヘルガ「冗談でそんなことは言わない」

ヘルガ「私の部下はご覧の通り全部ハタ人間でね」

ヘルガ「命令に忠実なのはいいんだが……いかんせん知能の低下はどうにもならない」

ヘルガ「人間らしさが恋しくなってきたところというわけだ」

254: 24/06/03(月) 07:30:20 ID:Bj28
昴「オレはただの女子中学生だぜ。あんたのお眼鏡にかなわないと思うけど」

ヘルガ「フッ……何を言っている、ここまで生き残っている時点で君は十分普通じゃない」

昴「………………」

255: 24/06/03(月) 14:49:26 ID:Bj28
ヘルガ「君はあの子達のリーダーなのだろう?それだけで私の必要としている素質を備えている」

ヘルガ「それに補佐にするなら同じ女性の方が色々と都合がいい」

ヘルガ「私の部下になるならあの二人はハタ人間にさせないし多少の自由も約束する」

ヘルガ「悪い話ではないと思うが」

256: 24/06/03(月) 14:51:20 ID:Bj28
昴「なあ、一つ聞いていいか?」

ヘルガ「質問を許可した覚えはないが……まあいいだろう一つだけ許そう」

昴「何でハタ側に居るんだあんたは」

ヘルガ「…………フム。まあこれから君は私の部下になるかもしれない。たまには自分語りもいいだろう」

257: 24/06/03(月) 14:53:27 ID:Bj28
ヘルガ「あの亜利沙とかいう娘から聞いたかもしれないが私はドイツ軍出身でね」

ヘルガ「後方支援の方ならともかく正規の前線部隊だとなかなか女性の身だと肩身が狭くてな」

ヘルガ「武勲でも挙げて成り上がってやろうと思ったが平和過ぎてそんな機会にも恵まれず腐ってたところを曽根村にスカウトされたんだ」

ヘルガ「母国を離れてここに来て一定以上の地位に付けたのは良かったがこの国も平和で地位も持ち腐れさ」

ヘルガ「だからだろうな。初めて人がハタ人間にされるのを見た時……」

ヘルガ「"あれほど興奮したことはなかったよ"」

258: 24/06/03(月) 14:57:30 ID:Bj28
昴「そんな理由なのか。あんたがこの島の人間を裏切った理由は」

ヘルガ「まあその他にもあるんだが……先ほどは私の心情だな」

ヘルガ「……どの道選択肢はなかった」ボソッ

ヘルガ「さて質問には答えた。今度は君の答えを聞こう」

259: 24/06/03(月) 15:05:19 ID:Bj28
昴「あんたにも事情があったかもしれないし大人の世界はよくわかんないけど」

昴「オレはハタ人間の手先になるなんてお断りだ!」

ヘルガ「若いな。もう少し賢くなった方がいいぞ」

260: 24/06/03(月) 15:06:29 ID:Bj28
ヘルガ「おいお前達!あの二人を連れてこい!」

昴「なっ、あの二人に何をする気だ!」

ヘルガ「お前の目の前であの二人をハタ人間にする」

ヘルガ「それを見せられた後でも同じ台詞が言えるかな?」

昴「てめぇ」ギリギリ

ヘルガ「考え直した方が良いんじゃないのか?どっちの選択が利口かどうかをな」

261: 24/06/03(月) 15:11:20 ID:Bj28

シーン


ヘルガ「おい、まだか」


ガチャ


瑞希「どうやらリクエストには応じれないようですよ」

262: 24/06/03(月) 15:13:38 ID:Bj28
昴「み、瑞希。どうしてここに!?」

ヘルガ「……No.44」

瑞希「その呼び名で呼ばないでください。私の名前は真壁瑞希です」

263: 24/06/03(月) 15:18:03 ID:Bj28

パシュ


ヘルガ「それは失礼したな」

昴(う、撃ちやがった。拳銃で一切の躊躇いもなく)

264: 24/06/03(月) 15:21:11 ID:Bj28
瑞希「永吉さん大丈夫ですか、何かされてないですか」

昴「オレの心配してる場合じゃないだろ!拳銃で撃たれたんだぞ!」

瑞希「ああ、これのことですか」ポロッ

昴(え、拳銃の弾薬が瑞希の身につけている皮の黒いグローブから……)

昴(まさか、発射された拳銃の弾を手で掴んだのか!?)

265: 24/06/03(月) 15:26:08 ID:Bj28
瑞希「ずっと不思議に思っていたんです」

瑞希「このハタ侵略は進行が早すぎる。よほど敵が強大なのか準備をしてきたのか」

瑞希「そう考えてましたが……理由はもっと簡単でした」

瑞希「そうでしょうね、"本来一番最初に島を守る立場の人間が一番最初にハタ側に寝返っているんですから!"」

266: 24/06/03(月) 16:06:56 ID:Bj28
ヘルガ「君もNo.44も我々を買いかぶり過ぎだ」チャキ

昴(まるで映画を見てるようだった)

昴(その後も何発もヘルガは瑞希に発砲するも瑞希はすべて両手だけで銃弾を防いでいる)

瑞希「私を撃ちぬきたいのであればそんな護身用の銃ではなくもっと口径の大きな銃を使ったらどうです」

ヘルガ「この口径の銃がこの国の標準装備なんだ。平和過ぎるといざって時に困るな」

267: 24/06/03(月) 16:08:22 ID:Bj28
昴(そう言ってヘルガは降参といった感じで両手を挙げ銃を落とし首を振る)

昴(だが一瞬で腰に手をかけおそらく愛銃であろうリボルバーの拳銃を取り出した)

昴(だけどほぼ同じタイミングで瑞希もどこからかバトン?を取り出し構え終わる前に拳銃を弾き飛ばした)

268: 24/06/03(月) 16:12:23 ID:Bj28
ヘルガ「ちっ」

瑞希「永吉さんここは一旦逃げましょう。表で皆さんが足止めしてくださってます。そのうちに」

昴「みんなも来てるのか」

瑞希「本当は色々と追い詰めたいところですが時間がありません」

瑞希「松田さんともう一人の方はもう逃がしてあります。行きましょう」

昴「ああ!」

269: 24/06/03(月) 16:16:06 ID:Bj28



ヘルガ「………………」

ヘルガ「逃がしたか…………」

?警備兵「ヘルガ隊長」

ヘルガ「曽根村に連絡を入れろ。それとレイカはどうした?」

?警備兵「それが……ふらっと出ていってから帰ってきません」

ヘルガ「またあいつは……」

ヘルガ(No.44も一緒だったとはな。どうやら彼女は運まで持っているようだ)

270: 24/06/03(月) 16:19:59 ID:Bj28





271: 24/06/03(月) 16:24:31 ID:Bj28
昴(その後入り口の方で陽動していたロコ達とも合流した、はぐれたみんなは全員無事だった)

昴(百合子にはまくしたてられるし海美には抱きつかれるし色々大変だったけど)

昴(今度はみんなで杏奈の家に帰った。やっぱみんな一緒だといいな)

272: 24/06/03(月) 16:29:06 ID:Bj28

20:00 杏奈宅


瑞希「皆さんと別れた後私は防衛局の本部に向かいました」

瑞希「ですがそこはもうハタ人間の拠点になってました。結果的にはすぐに引き返したところで七尾さん達と合流出来て良かったです」

273: 24/06/03(月) 16:31:17 ID:Bj28

百合子「でもこれではっきりしましたね」

海美「警備隊も防衛局も敵ってことだね」

ロコ「でも防衛局がフラッグマンのフィクサーってことなのでしょうか」
 

274: 24/06/03(月) 16:33:32 ID:Bj28
瑞希「いや、その可能性低いです」

瑞希「防衛局にそのような技術力はなかったはず」

瑞希「ハタを開発した黒幕は別に居ます」

昴「オレもそう思う。ヘルガって隊長と少し話しをしたけど……」

昴「何かに従ってる……って感じだった」

275: 24/06/03(月) 16:36:21 ID:Bj28
のり子「そっか、昴も拘束されて大変だったね。あと亜利沙と……可憐だよね。よく頑張った」

可憐「うう……皆さんよろしくお願いします」

亜利沙「かしこまらなくて大丈夫ですよ可憐ちゃん」

276: 24/06/03(月) 16:40:58 ID:Bj28
瑞希「…………皆さんよろしいでしょうか」

百合子「どうしたんですか」

瑞希「私のことについてもお話しようと思います」

海美「みずきんのこと?」

瑞希「私はこの島で改造されたサイボーグなんです」

277: 24/06/03(月) 16:43:54 ID:Bj28
亜利沙「へっ!?」

昴「……なるほどな」

百合子「昴さん、なんですかその反応」

昴「みんなは見てないかもしれないけど瑞希が銃弾を掴むんだところを見ちまったからな」

昴「それと……初めて出会った時握手した時に感じたんだけど身体はすらっとしてたのに手はがっちりとしてた」

ロコ「ええ……」

278: 24/06/03(月) 16:46:51 ID:Bj28
瑞希「永吉さんの言う通りです」

海美「じゃあみずきんの身体って金属なの?」

瑞希「いえ……サイボーグといっても身体の全てを改造出来るわけではないのです」

瑞希「サイボーグの適合率にもよりますが私は主に両腕と目を改造してます」

瑞希「おかげで銃弾を見切れる動体視力と銃弾を掴めるほどの精密な動きが出来るようになりました」

279: 24/06/03(月) 16:48:31 ID:Bj28
海美「そっか、でもそれってそこまで他の人間と変わらないってことだよね」

百合子「サイボーグといっても普通の人間に能力がちょっと高いってだけなんですね」

瑞希「皆さんならそう言ってくれると思いました」

280: 24/06/03(月) 16:50:25 ID:Bj28
杏奈「……もしかして瑞希さんを改造した人と杏奈のお父さんは関係あるの……」

瑞希「杏奈さんのお父さんは私のサイボーグ化には直接関わっていませんがこの島の研究機関の総括者の一人でした」

亜利沙「研究機関?この島でサイボーグ技術なんて怪しいことは聞いた事ないですよ」

281: 24/06/03(月) 16:54:46 ID:Bj28
瑞希「これは機密事項なのですが……」

瑞希「このパライソタウンは表と裏があります」

瑞希「表の顔は国内のあらゆる施設、学び舎、研究所を備えた教育機関。しかし裏の顔は……」

瑞希「表で集めた施設、人材、環境を最大限に利用した極秘の研究機関なんです」

瑞希「特にこの島の閉鎖され管理された環境はデータの採取のための実験場としてはこれ以上ない環境だったそうです」

282: 24/06/03(月) 16:56:23 ID:Bj28
昴「なんだそれ!?」

海美「私達知らない間に実験台にされてたの!?」

昴(確かにパライソ中学に入る前に過去の経歴から身体検査までびっちり調べられた)

昴(少しおかしいなと思ってはいたけども……)

283: 24/06/03(月) 19:00:56 ID:klXi
瑞希「私も元々はこのパライソタウンに住んでいた一般人でした」

瑞希「どこかで検査したのでしょう。私がサイボーグの適合率が高いと知られると捕捉され改造されて今に至ります」

ロコ「ミズキ……」

瑞希「大丈夫です。サイボーグになってもそこまで嫌な思いはしてません」

284: 24/06/03(月) 19:02:40 ID:klXi
のり子「こんな島に防衛局なんて一つの独立した軍隊のような組織があるのおかしいと思っていたけど、裏の機密保持のためだったんだね」

杏奈「……この島の外部への封鎖の対応も随分早かった。バイオハザード等が起きる事も想定していた可能性が高いね」

百合子「じゃあ今回のハタもこの島の裏の顔が生み出したものなんですか?」

瑞希「それは分かりません。私が知る限りハタのようなものは開発していなかったはずですが」

杏奈「瑞希さんの知らないところで開発していたのを防衛局が悪用し始めたという可能性もあるわけだね……」

瑞希「杏奈さんの言う通り私もこの島の裏の顔を完全に把握しているわけではないです」

瑞希「ですが杏奈さんのお父さんを含め一部の人達は味方です。それは私が責任持って保障します」

杏奈「……そっか」

285: 24/06/03(月) 19:05:51 ID:klXi
昴「今は信じるしかないよな。でも星梨花が見つからないと先へは進めない……」

百合子「この二日間手がかりが何一つ掴めませんでしたからね」

海美「せりりんどこに行ったんだろ……」

可憐「あ、あの……」

286: 24/06/03(月) 19:08:19 ID:klXi
可憐「あ、あの……」

亜利沙「どうしました可憐ちゃん」

可憐「皆さんは箱崎星梨花ちゃんを探しているんですか?」

ロコ「そう言えばカレンにはテールしてませんでしたね」

可憐「私、星梨花ちゃんの居場所なら知っています」

287: 24/06/03(月) 19:12:57 ID:klXi
昴「…………え?」

百合子「本当ですか!」

可憐「は、はい。星梨花ちゃんは琴葉生徒会長と他数名の生存者と一緒にパライソホールに居ます」

のり子「パライソホール?この島でプロレス会場になれるような場所があったんだ」

288: 24/06/03(月) 19:16:10 ID:klXi
昴(パライソホールはこの島の西側にある建物で一応コンサートやイベント会場等に使用出来るように作られた建物だ)

昴(ところが教育機関を謳うパライソタウンではそんな俗習向けのイベントはなかなか行われず)

昴(何かの講演会や研究発表などに使われてる方が多くこれじゃ講堂じゃないかと一部では囁かれている)

289: 24/06/03(月) 19:19:31 ID:klXi
可憐「琴葉生徒会長はそこで星梨花ちゃんと何人かと共に立て篭もってました」

ロコ「パライソホールに居るのはブラインドスポットでしたね」

百合子「私も。隠れるのには不向きの場所だと思ってました」

海美「居場所が分かったなら闇雲に探す必要はないね。ありがとね可憐」

昴「よーし、明日はみんなでパライソホールに向かおうぜ」

290: 24/06/03(月) 19:23:53 ID:klXi
瑞希「明日からは私も皆さんに同行します。警備隊の動きも不安ですし特に永吉さんは目を付けられたかもしれません」

昴「瑞希が居てくれるのなら頼もしいな」

百合子「何だかパーティーが全員揃ったみたいな感じですね」



亜利沙「それにしても流石琴葉生徒会長ですぅ。星梨花ちゃんや他の生存者達をいち早く率いて避難されているなんて……」

可憐「…………」チョンチョン

291: 24/06/03(月) 19:26:09 ID:klXi
亜利沙「どうしたんですか可憐さん」

可憐「亜利沙ちゃん」ボソボソ

可憐「琴葉さんは亜利沙ちゃんの知ってる琴葉さんじゃないかもしれない」

亜利沙「……え」
 

292: 24/06/03(月) 19:29:08 ID:klXi





293: 24/06/03(月) 19:31:23 ID:klXi
パライソタウン某所

ヘルガ「報告は以上だ」

曽根村「なんと……No.44がねぇ」

ヘルガ「所在不明だったからな。とっくに本土の方に脱出しているものだと思っていたな」

曽根村「主な大人はマークしていましたが……まさか子供と一緒だったとは。子供は放っておいてましたから盲点でしたね」

294: 24/06/03(月) 19:33:12 ID:klXi
ヘルガ「それでどうする?」

曽根村「ひとまずは放っておきましょう」

曽根村「今はNo.44より箱崎星梨花です。今後を考えると外交のカードなり得るものは欲しいですからね」

曽根村「No.44も子供のお守りをしているうちは大して我々の障害にならないでしょう」

曽根村「いざとなれば……目には目を歯には歯を……ですよ」

295: 24/06/03(月) 19:36:59 ID:klXi
曽根村「明日は私のアレを使います。それで……おやどうしました?」

ヘルガ「ん?何でもないが」

曽根村「あなたの口元に笑みが見られたものですから」

ヘルガ「そんな気は無かったが……会議中に失礼なことをしたな」

曽根村「いえ別に、ただあなたにしては珍しいと思いまして」

ヘルガ(あの彼女は箱崎星梨花を知っていた。その事を曽根村に言えば曽根村のことだ、始末しなさい と言うかもしれない。今は黙っておくか)

ヘルガ(近いうちにまた相まみえそうだな)

296: 24/06/03(月) 19:39:38 ID:klXi




297: 24/06/03(月) 19:43:09 ID:klXi
昴「なあ瑞希」

瑞希「どうしました永吉さん」

昴「その皮グローブずっと付けてるんだな。外せれないわけじゃないよな」

瑞希「……永吉さんお気付きですか」

昴「オレピッチャーやってるからさ、肩とか腕とか意識しちゃうんだ」

昴「今ならオレ以外は誰も見てないぜ」

298: 24/06/03(月) 19:48:28 ID:klXi
昴(目線で合図を送ると瑞希はそっと右手のグローブを外した)

昴(そこには思った通り銃弾の形の跡が幾つも手のひらに残ってた)

瑞希「軽い火傷みたいなものです、動かすのに支障はありません」

瑞希「それに改造された部分は治癒能力も高いんですぐに直ります」

昴「あの時オレを庇ってくれて嬉しいけど……無理はしないでほしいな」

299: 24/06/03(月) 19:50:38 ID:klXi
瑞希「心配してくれて嬉しいぞ」

瑞希「ですが私は皆さんのお姉さんです。心配無用です」

昴「そっか。それじゃまた明日もよろしくな」

瑞希「ええ、そうですね」

300: 24/06/03(月) 19:53:43 ID:klXi
4日目終わりです
4日目……倉庫……戦車のシルエット……うっ、頭が!
プロフィールも追加しておきます

301: 24/06/03(月) 19:56:41 ID:klXi
篠宮可憐

亜利沙と同じパライソ高校生。クラスは別
何かと容姿が目立ちパライソ高校の中でも有名人らしく、本人は目立たないように地味を目指しているのだが中々上手くいかない
五感が鋭く特に嗅覚が鋭いのでハタ人間を事前に察知出来るらしい、すごい

302: 24/06/03(月) 20:01:30 ID:klXi
真壁瑞希

元々パライソタウンに就職に来た一般人だったがサイボーグに改造されサイボーグ開発部門主任絵垣東児の専属エージェントに
サイボーグ化により凄まじい動体視力と精密な腕の動きが出来るようになった。
戦闘用のサイボーグではなく潜入や内部工作等が本来の役目
本人はサイボーグ化については趣味の手品に生かせるものの表向きの世界で披露出来なくなって残念に思っている

303: 24/06/03(月) 20:07:48 ID:klXi
ヘルガ    

ドイツ軍出身だったが曽根村にスカウトされて防衛局に所属している軍人。ちなみに正式な役職名は警備隊総司令官である
ドイツ人の彼女が日本の部隊に就任出来た理由は
防衛局という組織を立ち上げる際、彼女を祭り上げドイツの軍人で外見も良い女性が就くという話題性で
防衛局の異質さを誤魔化せるというパライソタウン上層部による意図的なものだった
話題性があれば能力は二の次であったが彼女は司令官としても非常に優秀だったのはパライソタウン上層部も想定外だったのであろう

304: 24/06/03(月) 20:09:02 ID:klXi
曽根村

防衛局の局長だが表向きのことはヘルガに任せて中々表に出なく、パライソタウンの中でも名前は知っていても顔は知らないという人間が大半である
ヘルガを外見だけではなく能力まで見抜いてスカウトしたりと有能な人物
だが・・・・・

305: 24/06/04(火) 05:15:05 ID:Z3hy

7月25日 AM8:30 杏奈宅玄関前



亜利沙「松田亜利沙出発準備終わりました!」

のり子「同じく福田のり子も完了です、な~んてね」

海美「8人、9人これで全員だね!」

306: 24/06/04(火) 05:18:23 ID:Z3hy
百合子「もー、海美さん修学旅行の点呼じゃないんですよ?」

海美「だって人数も増えてきたし何だか嬉しくってさ」

ロコ「ニューフェイスのカレンにミズキもカンパニーですしね」

瑞希「はい、今日はみんなで行きましょう」

可憐「うぅ……道案内頑張ります」

昴(確かに大分大人数になってきてオレも嬉しいけどな)

海美「それじゃパライソホールに出発!」

307: 24/06/04(火) 05:23:57 ID:Z3hy



海美「でもようやくせりりんに会えるんだね」テクテク

杏奈「今まで会えそうで全く会えないままだった……からね」テクテク

昴「そういえば瑞希、気になることあるんだけど」テクテク

瑞希「永吉さん何ですか?」テクテク

昴「星梨花を見つけたらそのあとどうすればいいんだ?」テクテク

308: 24/06/04(火) 05:26:25 ID:Z3hy
瑞希「まず星梨花さんに同意してもらい、とある場所まで同行してもらいます」テクテク

瑞希「そこは今この島で唯一外部と通信が出来るところです。その場所は機密事項ゆえにその時まで皆さんにお伝え出来ませんが」ヤッホー>

瑞希「そこで星梨花さんのお父さんと会話してもらわないといけません。そこで箱崎財閥当主が星梨花さんの安否を確認出来て初めて救助の要請が出来ます」ヤッホー>

昴「なるほど、ただ星梨花を見つけるだけじゃ駄目ってことか」ヤッホー>

昴「……ん?」

309: 24/06/04(火) 05:28:29 ID:Z3hy


???「ヤッホーーー!!!」




のり子「なんか聞こえるね……人間の声に聞こえるけど」

ロコ「ユリコ何だか分かりますか?」

百合子「う、うん。ええ……っと」っ双眼鏡

310: 24/06/04(火) 05:30:01 ID:Z3hy
百合子「見つけた!音の先に誰か居ますね」

百合子「一人の人間の掛け声です。あそこの高台の上で誰かが掛け声を出しているんです」っ双眼鏡

昴「高台ってそこそこ距離あるぞ?ここまで聞こえるのかすっげーな」

杏奈「確かにすごいけど少し変だね……ハタ人間だったりするかも」

百合子「うーん。ここからだとよくわからないなぁ……。警備兵ではないんだけど」っ双眼鏡

311: 24/06/04(火) 05:31:16 ID:Z3hy
可憐「亜利沙ちゃんどう?」

亜利沙「さすがの亜利沙アンテナもこの距離は反応しないですねー」

ロコ「どうしますスバル?」

昴「とりあえず警戒しながら会うだけ会ってみるか」

海美「何かを伝えたいのかもしれないしね」

312: 24/06/04(火) 05:32:44 ID:Z3hy


???「ヤッホーーーー!!!」



海美「すばるんどう思う?」

昴「どうって……」

昴(掛け声を上げていたのは美人な大人のお姉さんだったんだけど……)

昴(格好が独特でレインウェアに登山キャップに登山パンツを着こなした)

昴(まさに登山家がそのまま山から降りてきたような格好だったからだ)

313: 24/06/04(火) 05:34:52 ID:Z3hy
昴「パライソタウンに登山なんか出来るところあったか百合子?」

百合子「あるわけないじゃないですか。人工島ですよ」

昴「そーだよな……」

可憐「それと……あんなに大声出したらハタ人間に気づかれるんじゃないでしょうか?」

海美「確かに心配だね」

314: 24/06/04(火) 05:37:21 ID:Z3hy
?警備兵Ⅰ「……ハタ無し発見」

?警備兵Ⅱ「……ハタ無し発見」



百合子「あーもう言ってるそばから見つかってる」

315: 24/06/04(火) 05:40:30 ID:Z3hy

麗花「あらあら困ったな~」

麗花「それじゃばびゅっと逃げちゃいます!」



昴「げっ、こっちに来る!」

ロコ「しかもスピーディーです」

麗花「おはよう~そしてギューッ♪」ギュー

昴「な、なんだ」ギュー

麗花「もー、私がヤッホーって言ったらぱんぱかぱんぱーんって返してくれないと」

昴(え、オレ達のこと気付いていたのか)

316: 24/06/04(火) 05:43:07 ID:Z3hy
?警備兵Ⅰ「ハタ無しがこんなに……」

?警備兵Ⅱ「全員ハタを付けるぞ」


百合子「私達にまで気付かれたじゃないですか!」

317: 24/06/04(火) 05:45:46 ID:Z3hy
麗花「あ~そうだった逃げないと。ね~、一緒に逃げよ?」

昴「とにかく一旦オレから離れて」グイ

麗花「あーん」

昴「それと、逃げる必要は無いぜ。なぁのり子」

318: 24/06/04(火) 05:47:12 ID:Z3hy
のり子「OK、準備体操って感じだね」


?警備兵Ⅰ「なっ、こいつ抵抗する気か」

のり子「うりゃーリストロック」

?警備兵Ⅰ「こ、こいつなんて力だ」

海美「のりさんナイス!」バシュ

?警備兵Ⅰ「ぐぐ……」バタン

昴(のり子が固めて海美か杏奈の水鉄砲でトドメを刺す、打ち合わせ通りに上手くいったな)

319: 24/06/04(火) 05:50:02 ID:Z3hy
昴「あと一人だな」


瑞希「あ、大丈夫です。もう倒しましたから」

?警備兵Ⅱ「…………」バタン

亜利沙「は、早いです」

可憐「しかも水を使わないで……」

瑞希「私が使ってるこのバトン。特注品でして先端がスタンガンになっているんです」

瑞希「しばらく動けないとは思いますが高坂さんトドメを刺しておいてください」

海美「う、うん」バシュ

320: 24/06/04(火) 05:54:00 ID:Z3hy
百合子「これで敵は全員ですね。私と可憐さんと亜利沙さんで周囲は警戒しましたんで間違いありません」

杏奈「……杏奈の出番なかったね」

ロコ「アンナはリーサルウェポンですからいいんですよ」



昴(昨日の夜にみんなの立ち回りは段取り出来ている)

昴(初めて試したけど警備兵二人ぐらいだったら問題なさそうだな)

麗花「すっごーい。まるでブレーメンの音楽隊ですね」

麗花「私、北上麗花です。こんなに人に会えるなんて嬉しいな~」

321: 24/06/04(火) 05:55:48 ID:Z3hy



322: 24/06/04(火) 12:29:36 ID:yQ2l
百合子「つまり麗花さんは人に会いたくてあんなことしていたんですか?」

麗花「そーだよ。だって一人じゃ寂しかったんだもん」

麗花「だからみんなに会えて嬉しいな♪」

海美「そーか、それなら私達に会えて良かったね」

323: 24/06/04(火) 12:32:32 ID:yQ2l
昴「オレ達やらなきゃいけないことがあってさ。それでパライソホールに行くんだけどそれでも良かったら麗花も一緒に来るか?」

麗花「はーい。私も一緒に着いていきます。ホールにもいっぱい人居るかな~」

瑞希(……今なら北上さんは私達のやろうとしていることとは無関係でいられます。下手に関わらせたくありません)

瑞希(パライソホールに避難している人のコミュニティがあるなら北上さんとはそこで別れた方が良いかもしれませんね)

324: 24/06/04(火) 12:36:12 ID:yQ2l
麗花「そのパライソホールってどんなところ~?私この島に住んでるわけじゃないからわからなくて」

のり子「あー、私も知りたいかな」

海美「確か出来たばかりだよね?」

ロコ「ロコ達がマトリキュレイションした年に出来たビルディングですから2年前ですね」

百合子「私一回行ったことあるけどドーム状の建物で中身は広い体育館みたいな感じかな」

百合子「座席にあまり段差というか高低差なかったから見づらかったな」

325: 24/06/04(火) 12:38:23 ID:yQ2l
昴(そう言えばオレは一回も行ったことなかったな)

昴(パライソホールでアイドルのライブがあったら絶対に行こうって思ってたけど)

昴(まさかこんな理由で行くのが先になっちゃうなんてな)

326: 24/06/04(火) 12:40:21 ID:yQ2l
ロコ「レイカは何故このパライソタウンにケイムしたんですか?」

麗花「んー。なんか招待されてこの島に来たんだけど」

麗花「ハタを付けた人と追いかけっこしてたら島から出られ無くなっちゃいました」

のり子「なるほど、うちの兄貴もそんな感じか」

瑞希(私の耳には入ってませんが……パライソタウンの上層部の仕業ですか)

327: 24/06/04(火) 12:45:38 ID:yQ2l

亜利沙「……っ!」ビクビク

可憐「亜利沙ちゃんどうかした?」

亜利沙「いえ……大丈夫です」

亜利沙(……何でしょう。一瞬誰かに見られている感じがしました。周りには亜利沙達以外誰も何も居ないのに)
 

328: 24/06/04(火) 12:49:49 ID:yQ2l




AM11:00 パライソホール前


海美「到着ー!したのはいいけど正面の入り口閉じてるね」

可憐「ここからは私が案内します。運営者用の入り口がこっちにあるんです」

昴「じゃあ頼んだぜ可憐」

329: 24/06/04(火) 12:57:23 ID:yQ2l



AM11:00 パライソホール前



海美「到着ー!したのはいいけど正面の入り口閉じてるね」

可憐「ここからは私が案内します。運営者用の入り口がこっちにあるんです」

昴「じゃあ頼んだぜ可憐」
 

330: 24/06/04(火) 13:00:57 ID:yQ2l
可憐「ここのインターフォンを押して……」ピッ

可憐「C組の篠宮可憐です」




「……………………」

「田中琴葉です。可憐ちゃん大丈夫?後ろの方々は?」

331: 24/06/04(火) 13:02:44 ID:yQ2l
可憐「私この人達に助けられて」

可憐「それに琴葉さんに伝えたいこともあるんです。中に入れさせてください




「……可憐さんはいいけど後ろの人は確認も取れてないうちは中に入れれない」

可憐「そんな……私が保障出来ます。だから……」

「……分かったわ。可憐さん後ろの人達にも話しさせて」

可憐「はい」

332: 24/06/04(火) 13:11:13 ID:yQ2l
「あなた達が可憐さんと亜利沙さんを助けてくれたんですね、ありがとう」

昴「いいってこういう時は助け合いだろ」

「だけどだからといって簡単に中に入れるわけにはいかないの」

333: 24/06/04(火) 13:15:41 ID:yQ2l
「あなた達がハタ人間じゃないかどうか確かめるため軽いクイズを出します」

「そんなに難しいクイズじゃないはず。知能が低下しているハタ人間でもない限り解けるはずだけど」

海美「それならいいよ!私は苦手だからゆりりんロコロコお願い」

百合子「えっ、いきなりですか!」

昴(オレも正直苦手だし頼んだ)

334: 24/06/04(火) 13:21:44 ID:yQ2l

「今年の始めパライソタウンの市長に新たに就任した人は誰だったかしら?」



亜利沙「任月高志市長ですね亜利沙も記事にしたことがあります」

335: 24/06/04(火) 13:23:50 ID:yQ2l

「東京から名古屋まで新幹線で1番早い移動時間はおよそどのくらい?」



のり子「新幹線に乗ったことあるから分かるよ、大体1時間30分だね」

336: 24/06/04(火) 13:25:11 ID:yQ2l

「決して屈するな。決して、決して、決して!と言った歴史上の人物は誰だった?」




百合子「イギリスの首相だったウィンストン・チャーチルの言葉ですね」

337: 24/06/04(火) 13:27:11 ID:yQ2l
昴(ひ、一つもわからなかった。というか最後の問題なんだよ!難し過ぎだろ)



「全問正解。今鍵を開けます」

「正直一つくらい間違えてもちゃんと答えてくれるなら信用しようと思ってたけど……」

「杞憂だったかな」

昴(オレ一人だったらヤバかったな……)

338: 24/06/04(火) 13:31:36 ID:yQ2l

パライソホール 関係者控え室


琴葉「可憐さんから聞いているかもしれないけれど私は田中琴葉です。訳あってここで指揮を執ってます」

権田「俺は権田正男、パライソタウンの警察官だった男さ。今は琴葉さんの補佐をしてる」

昴「お、おう」

昴(何だかピリピリとした空気だな)

339: 24/06/04(火) 13:33:31 ID:yQ2l
琴葉「始めに言っておきます。避難しにここに来たのならこんなところから出て市街地にあるパライソ会館に行きなさい」

琴葉「生き残ったパライソ高校を含めた僅かな生存者はそこに居ます」

亜利沙「そうなんですか、じゃあ琴葉会長は何故ここに?」

琴葉「私にはやるべきことがあるの……」

340: 24/06/04(火) 13:36:21 ID:yQ2l
可憐「琴葉さん実は私達がここ来た理由は避難が目的じゃなくて箱崎星梨花ちゃんに……」

琴葉「!」

権田「箱崎星梨花だって。まさかお前ら!」ガタッ

可憐「ひぃっ……」

のり子「待った、落ち着いて。大の大人がみっともないよ」スッ

琴葉「権田さん確かにその通りです鎮まって」

権田「……そうだな。だが何故箱崎星梨花に用があるのか話してもらおうか」

341: 24/06/04(火) 13:39:18 ID:yQ2l

カクカクシカジカホントウノワタシ



琴葉「なるほど。そういうことね……」

瑞希「今度はこちらも知りたいです。何故星梨花さんの名前を出しただけで過激に反応するんですか?」

342: 24/06/04(火) 13:43:12 ID:yQ2l
権田「それは俺が話した方がいいだろうな」

権田「俺は警察官だったころ防衛局の連中が気にくわなくてね。まあその時はただの私怨だったんだが」

権田「この島の警察署長様は防衛局局長にズブズブだったしな。防衛局のスキャンダルでもないかと俺一人で独自に捜査してたんだが……」

瑞希「そうしているうちに防衛局の裏の顔に気付いたということですか?」

権田「ああ、とはいえまさかこんなことやらかすとは思っていなかったけどな」

343: 24/06/04(火) 13:45:48 ID:yQ2l
権田「その時のツテもあってね防衛局が必氏になって箱崎星梨花を探しているのも知ってるのさ」

権田「そこで外から来たお前達が突然箱崎星梨花の名前を出すから勘ぐっちまった。ごめんな嬢ちゃん」

可憐「いえ……。それで星梨花ちゃんはまだここに居るんですね」

344: 24/06/04(火) 13:48:23 ID:yQ2l
琴葉「星梨花ちゃんは確かにここに居ます。だけど……」

琴葉「ここから出すわけにはいかない」

昴「どうしてだよ!星梨花が協力してくれたらみんな脱出出来るんだぜ」

琴葉「星梨花ちゃんには……ここに彼らを引きつけてもらう役割があるから」

百合子「どうしてそんなことするんですか」

345: 24/06/04(火) 17:56:39 ID:yQ2l
琴葉「防衛局を……今回の元凶の奴らを倒すためよ」

琴葉「そうすればそんな不確定の救助も必要ないでしょ?」

ロコ「確かにそうですがそんなのインポシブルです」

346: 24/06/04(火) 18:02:37 ID:yQ2l
琴葉「普通なら訓練された部隊相手に私達素人が少数で戦ってもとても勝ち目はない」

琴葉「けど相手はハタ人間部隊よ。つまり部隊のどこかにハタ人間を指揮するハタ無しの司令官が居る」

琴葉「そいつ一人押さえれば後は烏合の衆よ。どうにでもなる。その為の作戦も考えた」

権田「俺も琴葉さんの作戦に賛同して付いてきてるってわけさ」

琴葉「その作戦の要がこのパライソホール、そこから星梨花ちゃんを出すわけにはいかない」

347: 24/06/04(火) 18:04:09 ID:yQ2l
亜利沙「そ、そんな琴葉会長が戦う必要はないんですよ」

琴葉「亜利沙さんはパライソ高校が襲撃された時その場に居たよね」

亜利沙「はい……」

琴葉「あの時私は犠牲になったみんなを救うことが出来なかった……」

琴葉「今でもそんな自分が許せないの。みんなの無念を晴らす為にも私は戦う」

348: 24/06/04(火) 18:06:34 ID:yQ2l
百合子「決して屈するな。決して、決して、決して!」

百合子「あの問題、あれは琴葉さんの心の声だったんですね」

琴葉「……そうよ」

349: 24/06/04(火) 18:08:28 ID:yQ2l
琴葉「それで出来ればあなた達にも参加して欲しいのだけど」

琴葉「無理強いはしないわ。ただ星梨花ちゃんを連れ出すことは許可しない」

海美「ねえ、すばるん。琴葉の言う通り倒してしまうって選択肢もありじゃないかな」ヒソヒソ

昴(確かに隠れながらコソコソ動くよりスッパリ倒してしまった方がいいって気持ちも分かる。けど)

350: 24/06/04(火) 18:10:25 ID:yQ2l
昴「琴葉の気持ち良く分かったでも……」

昴「オレ、敵のヘルガっていうハタ無しの司令官に会ったんだ。奴らは素人のオレ達が簡単に手を出していい相手じゃない」

昴「無理に戦う必要は無いんじゃないか?」

権田「簡単に言うなよ、俺の女房もハタ人間にされたんだ。奴らを倒さないと気が済まない」

琴葉「……残念だけど戦意が無いならそれもいい。ただ二度とここに来ないで」

昴「でも!」

351: 24/06/04(火) 18:14:13 ID:yQ2l
麗花「ぷっぷかぷ~」

昴「麗花?」

麗花「みんな怒っちゃ駄目だよ。リラックスリラックス」

昴「ああ、そうだよな」

昴(麗花のいう通り一旦落ち着いて……)

琴葉「待った」

352: 24/06/04(火) 18:14:34 ID:yQ2l
昴「え」

琴葉「麗花さんだったかな。その帽子取ってくれないかしら」

昴(そういやずっと被ったままか……)

麗花「………………」

昴「麗花?」

麗花「んー」スッ

?麗花「ばれちゃった」

353: 24/06/04(火) 18:47:01 ID:yQ2l















…………………………………………

354: 24/06/04(火) 21:00:02 ID:Z3hy


PM17:30 パライソホール倉庫



昴(あの後の話し合いは大荒れだった)

昴(麗花はすぐ押さえつけられハタに水をかけられた。麗花は特に抵抗しなかった)

昴(だけど権田はそれでも収まらない様子だった。大人ののり子と瑞希が何とか仲裁に入って収集がついたけど)

昴(結局オレ達が自主的に無抵抗で拘束されることで場は収まった)

昴(それでオレ達は今鍵をかけられた倉庫の中に居る。……問題の麗花と一緒に)

355: 24/06/04(火) 21:05:10 ID:Z3hy


パライソホール 放送室

権田「くそっ、奴らグルだったのか!」

琴葉「いえ、おそらくその可能性は低いと思う。彼女らの言うことは信憑性あったし」

琴葉「可憐さんと亜利沙さんのことは私もよく知っている。洗脳されてたり無理やり喋らされてたりしているのであれば途中で気付きます」

356: 24/06/04(火) 21:07:43 ID:Z3hy
権田「……まあ確かにあの永吉昴とかいう嬢ちゃん、真っ直ぐ俺の顔を見てたな。あれは罠にはめてやろうって顔じゃない」

琴葉「その真っ直ぐさにつけ込んでこっそりハタ人間を紛れ込ませる……そんな戦法をとってくるなんて」

権田「これからはそういう奇襲もあると考えておいた方がいいだろうな」

琴葉「何にせよこの場所に星梨花ちゃんが居ることはばれたでしょうね。敵はいつ攻めてきてもおかしくない」

357: 24/06/04(火) 21:17:24 ID:Z3hy
権田「元々ここにおびき寄せる予定だったろ?望むところだ」

権田「なに、琴葉さんの考えた作戦、ありゃ大したもんだ大丈夫さ」

琴葉(……昴ちゃんにはああ言ったけど私の作戦は完璧じゃないし穴もある。決定打が見つかるまでは交戦は避けたかったのだけど、そうも言ってられないか)

琴葉(彼女らならその決定打になってくれると一瞬期待したのに……)

358: 24/06/04(火) 21:24:18 ID:Z3hy





海美「………………うーん」

杏奈「……百合子さんお菓子でも食べる?」

百合子「ありがとう杏奈ちゃん。でも今はいいかな」

昴(海美、百合子、ロコ、杏奈は目に見えて落ち込んでいる)

359: 24/06/04(火) 21:27:50 ID:Z3hy
昴(いや落ち込んでいるとはちょっと違うか。今まで敵は"ハタ人間"って分かり易かったけど)

昴(でも敵意が無さそうな麗花が敵だったという事実に気持ちの整理がついてないんだろうな)

昴(可憐と亜利沙は琴葉に迷惑かけたかもしれないという罪悪感の方が強そうだ)

昴(瑞希ずっと何かを考えているようでのり子は何か言いたいのを押さえてるみたいだ。おそらくオレ達の気持ちの整理がつくまで待ってくれているのだろう)

360: 24/06/04(火) 21:30:04 ID:Z3hy

ロコ「スバル、そろそろムーブしないとですね」

昴(ロコの言う通りだ。もうすぐ夜だしそろそろ前に進まないと)

昴「なあみんな。つらいだろうけどそろそろ方針を決めようと思う」

海美「そうだね。いつまでもくよくよはしていられないし」

のり子「こういう時こそネバーギブアップの精神だよ」

361: 24/06/04(火) 21:40:40 ID:Z3hy
百合子「でも……もう琴葉さんと話し合うのは無理じゃないですか」

瑞希「皆さん、これからの話しをする前にはっきりさせておかなくてはいけないことがありません」

亜利沙「それって……」

瑞希「北上さんのことです」

昴(そうなるよな……)

362: 24/06/04(火) 21:43:53 ID:Z3hy
瑞希「色々言いたいこともありますがまずは本人から喋ってもらいましょうか」

百合子「でも麗花さんは水をかけられて気絶してますよ」

瑞希「いえ、もう起きてますよ。まぶたが僅かに動いてますからね」

?麗花「……瑞希ちゃんすごいね」ムクリ

杏奈「……本当だ」クリアワルザーヲカマエル

?麗花「実は私、みんなと違うみたいでハタが濡れても平気なんだ~」

363: 24/06/04(火) 21:46:47 ID:Z3hy
ロコ「それじゃそのヘッドに付いてるフラッグはただのデコレーションなんじゃないですか?」

?麗花「ううん、ちゃんと付いてるよ。こんな風に力むと動くんだー」ピクピク

ロコ「そ、そうですか」

?麗花「みんなごめんね。こんなことになるとは思って無くて」

364: 24/06/04(火) 21:49:38 ID:Z3hy
瑞希「謝罪もいいですが北上さんあなたの本心を聞かせてください」

?麗花「本心?うーん正直このハタはダサいって思っているかな。かわいいところもあるんだけど」

瑞希「ハタのことじゃありません。私達を、北上さんにとってはハタ無しという見方になるのでしょうが北上さんはどうしたいんですか」

瑞希「答えによっては私はあなたを許しません」

365: 24/06/04(火) 21:51:15 ID:Z3hy

昴(麗花に対し瑞希は厳しい口調だ)

昴(でもおそらく瑞希は敢えてこの憎まれ役にも近い役を買って出てる。オレ達に背負わせないように)
 

366: 24/06/04(火) 21:55:34 ID:Z3hy
?麗花「うーん、冗談も言えないようですし私のこと話しちゃいます」

?麗花「私、普通に憧れていたんです。みんな私を普通とは違うって言うんです」

?麗花「それでみんなと合わせるようにしても……どこか違うって悩んでいたんです」

?麗花「でもハタを付けられた時そんな悩みぴゅ~って吹っ飛んじゃいました。だって……」

?麗花「"ハタを付ければみーんな同じじゃないですか"」

367: 24/06/04(火) 21:59:11 ID:Z3hy
可憐「うぅ……」

百合子「ああ……」

昴(笑いながらそう話す麗花には他のハタ人間同様目のハイライトが消えていた)

?麗花「ハタを付ければみーんな平等。差別も争いもないんですよ」

?麗花「だからみんなハタを付ければいいのにって思うんです♪」

368: 24/06/04(火) 22:03:52 ID:Z3hy
瑞希「北上さん分かりました。あなたはやはり……」

昴「瑞希ちょっと待ってくれ」

瑞希「永吉さん!?」

369: 24/06/04(火) 22:06:20 ID:Z3hy
昴「普通じゃないって言われるの嫌だよな。オレもつい昨日ヘルガにお前は普通じゃないって言われたんだ」

昴「でもオレはオレのこと普通じゃないだなんて思ってないぜ。オレはただの野球好きの女子中学生さ」

昴「ロコ、百合子、海美、オレが普通じゃないって思うか?」

海美「すばるんはすばるんだよ」

百合子「思わないです。あ、でも最近ちょっと格好くなったかも」

ロコ「ずーっとフレンドですけどスペシャルでも何でもないんですよスバル」

昴「結局普通かどうかなんて他人の主観だし気にしなくてもいいと思う」

370: 24/06/04(火) 22:11:37 ID:Z3hy
?麗花「でもハタを付ければ……」

昴「それとなんで寂しいからって大声出して人を探していたんだ?ハタ隠す為に帽子被って、帽子が不自然にならないようにわざわざ登山の格好までして」

昴「ハタ人間の基地に入れば寂しくはなかったじゃないか」

?麗花「それはハタ無しを探し出してハタを付けてあげようって……」

昴「だったら何で初めて麗花と会って抱きついた時オレにハタ付けなかったんだ?」

371: 24/06/04(火) 22:16:51 ID:Z3hy
?麗花「だって……」

昴「あの時ならオレに確実にハタを付けることが出来たはず」

昴「あの時麗花はハタ人間以外の他の人間に会いたかったんじゃないのか」

昴「麗花、本当はハタ人間のことどう思っているんだ本音を教えてくれよ!」

?麗花「私は、わたしは、ワタシハ……」

百合子「麗花さん!」

372: 24/06/04(火) 22:22:45 ID:Z3hy
?麗花「……私はハタ人間は嫌いです!笑顔もない、みんな同じことしか喋らない、あんなの人間じゃありません」

?麗花「みんなをあんな風にしたくないよ……」グス

ロコ「……レイカ」

昴(ヘルガもハタ人間の人間性の問題でオレを雇おうとしてたんだよな)

昴(その本音一番人間らしいって思うぜ麗花)

373: 24/06/04(火) 22:27:01 ID:Z3hy
瑞希「北上さん……」

のり子「今回は昴の方が上手だったね瑞希」

瑞希「そうですね」

374: 24/06/04(火) 22:30:41 ID:Z3hy

PM20:00



?麗花「というわけで北上麗花。ハタ人間を裏切っちゃいます~」

海美「それは嬉しいんだけど大丈夫なの?」

?麗花「今までずっと頭の中でハタを付けろーハタを付けろーって声が響いていたんですけど」

?麗花「もう消えちゃいました」

瑞希(極めて異例な事態なんでしょうがもしその仕組みが分かれば……)

375: 24/06/04(火) 22:34:30 ID:Z3hy
昴「よーし後は琴葉の説得からだな」

百合子「それが一番難しいんですよ」

?麗花「私がペコーって謝れば良いのかな?」

杏奈「話しがもっとややこしくなりそうだからダメ」

376: 24/06/04(火) 22:39:46 ID:Z3hy


<コンコン



紗代子「可憐起きてる?紗代子だけど」

可憐「あ、紗代子先輩」

海美「もしかしてさよちん!?」

紗代子「その声は……そっか海美も居るんだね」

377: 24/06/04(火) 22:46:25 ID:Z3hy
紗代子「入るよ」ガチャ

百合子「え、いいんですか鍵開けちゃって……」

星梨花「みなさん、おじゃまします」ペコリ

昴「もしかして君が……」

星梨花「はい、わたしが箱崎星梨花です。みなさんのこと紗代子さんから聞きました」

星梨花「みなさんお腹空いてないですか?お菓子とお茶持ってきました。みんなで食べませんか」

378: 24/06/04(火) 22:51:14 ID:Z3hy




海美「さよちん久しぶりだね」

紗代子「そうだね。今のバレー部はどう?」

海美「うーん今年は地方大会で敗れちゃったから全国には行ってないんだ。やっぱりさよちんがいた頃が一番強かったね」

紗代子「バレーもそうだけど勉強もしっかりしてる?」

海美「勉強の方はまあまあかな。赤点は取ってないよ!」

379: 24/06/04(火) 22:55:19 ID:Z3hy
昴(紗代子はオレや海美がパライソ中学1年生の時に3年の先輩だった人)

昴(同じバレー部だった海美はとてもお世話になったらしい。部活動でも勉強面でも)

380: 24/06/04(火) 22:58:57 ID:Z3hy
星梨花「みなさんここまで来るのたいへんじゃなかったですか?」

百合子「それはもうとっても大変でしたよ。ここまで来るのに数々の冒険が…………」

杏奈「……百合子さん語りが長いです」

亜利沙「ああ亜利沙、ようやく星梨花ちゃんに会えたと思ったら感動してきました」ウルウル

星梨花「みなさんいっぱいがんばったんですね。えらいです」

亜利沙「あ゛あ゛あ゛あ゛」

のり子「これじゃどっちが年下かわかんないね」

381: 24/06/04(火) 23:05:59 ID:Z3hy
昴「このマフィンおいしーな。このパウンドケーキも」

ロコ「スバル、エレガントにイートしてください」

昴「何かさ、さっきいっぱい喋べっただろ。お腹空いてきちゃって。ロコも食べろよ」

?麗花「それじゃあーんしてあげます。はいあーん♪」

ロコ「レイカ、ロコはノーイートですぅ」

瑞希(桧垣さん、望月さん。なんとか任務を達成出来そうです)

382: 24/06/04(火) 23:13:24 ID:Z3hy




権田「見張りをしてた守田から連絡がきた。とうとう来たみたいだぜ奴さん方がな」

琴葉「そう……。数は何人ぐらいですか?」

権田「ざっと30人ぐらいだそうだ。まあ想定内の数だな」

琴葉「防衛局の規模を考えるともっといるはずだけど全員は出張ってこないか……」

琴葉「その30人は先兵で後から増援が来る可能性もあるけど」

権田「それがな、その30人ぐらいの中に居るみたいだぜ。局長様がな」

琴葉「曽根村が!」

383: 24/06/04(火) 23:17:54 ID:Z3hy

パライソホール前



曽根村「ここに箱崎星梨花が居るはずですよ」

?警備兵1「……………………」ズラッ
?警備兵A「……………………」ズラッ
?警備兵Ⅰ「……………………」ズラッ

曽根村「さあ、開戦といきましょうか」

384: 24/06/04(火) 23:20:10 ID:Z3hy
5日目が終わり……ません
まだ続きます
5日目は長いのでここからが後半です
プロフィール追加します

385: 24/06/04(火) 23:26:11 ID:Z3hy
北上麗花

パライソタウンとは別のところにある大学に通う大学生20歳
怪異が起きているとは知らずにハタ人間と仲良く絡んでしまった結果ハタ人間になってしまった
しかし彼女だけは他のハタ人間とは違い自我が明確に残っていたことからヘルガが興味を持ち、特別観察対象として手元に置いていたのだが
それに縛られる彼女ではなかった
こんなところでもしっかり登山の用意はしている生粋の登山好き

386: 24/06/04(火) 23:29:00 ID:Z3hy
権田正男(ごんだまさお)

パライソタウンの警察官、25歳妻子持ち。
けんかっ早く言動も荒いが自分より年下の琴葉に感服し従うなど素直なところもある。
元々防衛局に対して 市民の安全を護るのは自分達だ との理由で反感を持っていた。
腕っぷしも強く単純な組合ならパライソ警察署内でトップ

387: 24/06/04(火) 23:35:38 ID:Z3hy
田中琴葉

好きな演劇の為地元を離れパライソ高校へ。卒業後はそのままパライソ芸能大学に入学が決まっていた
しかし今回の怪異のため胃を痛めながらも強い責任感で最後まで皆を導き続けた
学校は別だが同い年の親友が二人いるらしい

388: 24/06/04(火) 23:43:27 ID:Z3hy
高山紗代子

パライソ高校に通っていた高校生17歳。
中学から続けているバレー部の他に生徒会の庶務もこなしている。
パライソ高校襲撃後生き残った生徒をパライソ会館に避難させ、ただ一人パライソホールに残る琴葉を放っておけず付き添っていた。
星梨花の世話をしていたのは彼女。

389: 24/06/04(火) 23:51:06 ID:Z3hy
箱崎星梨花

箱崎財閥党首の令嬢
パライソ中学院には毎日車送迎で通っている。運転手兼執事の牧村に守れていたが最終的に牧村はハタ人間となってしまうものの最後まで彼女を守りきった
その経緯により彼女も残された人達に身を捧げる決意を固めた
彼女がいなかった場合この事件も大分変わったはずである

390: 24/06/04(火) 23:55:00 ID:Z3hy
海美「それでさよちんとせりりんはどうしてここに?」

紗代子「琴葉さんがここに居た方が安全だろうって……って」

昴「いや、オレ達さっきその琴葉と揉めたばかりなんだけど」

ロコ「そんなロコ達とトゥーゲザーしていいんですか?」

391: 24/06/04(火) 23:59:33 ID:Z3hy
可憐「……始まるんですか。戦いが」

紗代子「そう。間もなく警備隊が攻めてくる」

紗代子「それでね。琴葉さんに万が一の時は可憐と亜利沙ちゃん達と一緒に星梨花ちゃんを連れて逃げてほしい……って言われたの」

紗代子「警備隊がここに来た時点で星梨花ちゃんがここに留まる理由は無くなったしね」

亜利沙「琴葉会長は最後までここに残るつもりですね」

紗代子「うん。決着が付くまでは」

392: 24/06/05(水) 00:12:50 ID:yZRi





曽根村「たった一人の子供を捕縛するのに30人は多いかと思いましたが……」

曽根村「そうでもなかったですかねぇ」

?警備兵A「……全員突入の準備は出来てます」

393: 24/06/05(水) 00:14:34 ID:yZRi
曽根村「全員突入する必要はないです。空城計の可能性もありますからね」

曽根村「突入する人数は7人も入れば十分でしょう。私直々に指揮するんですから」

曽根村「残りの23人は出入り口を見張りなさい。蟻一匹も逃さぬようにね」

曽根村「我々が突入している間に裏口から逃げられた……なんて間抜けなことは絶対ないように」

?警備兵A「……ハッ!」

394: 24/06/05(水) 00:16:12 ID:yZRi





???「………………」

曽根村「あなたも当然突入組ですよ。私と一緒に来なさい」

395: 24/06/05(水) 00:17:29 ID:yZRi




権田「監視カメラの映像だと突入して来る人数は9人ほどだそうだ。その中に曽根村も居る」

権田「後は外で待機らしい。こんな少数で来るとは舐められてるな」

琴葉「だとしたら朗報ね。敵は私達がここまで徹底抗戦しようとなんて予想してないはず」

396: 24/06/05(水) 00:18:37 ID:yZRi
琴葉(ただ……司令官の曽根村がわざわざ何故前線に出るの?)

琴葉(よほど私達を見くびっている?それとも直接指揮したい理由がある?)

琴葉(曽根村を押さえるこれ以上にない好機なのだけど……何か引っかかる)

琴葉「いずれにしろ引き返せない、こちらも作戦開始します」

琴葉(どうか私を見守って……恵美、エレナ)

397: 24/06/05(水) 06:36:31 ID:yZRi



ドガーーーン




百合子「こ、この音は何ですか!?」

紗代子「おそらくだけど敵が正面のバリケードを無理矢理突破した音」

杏奈「……だとするともう侵入された」

398: 24/06/05(水) 06:39:00 ID:yZRi
海美「ねぇ……すばるん」ジー

昴「ああ、もうわかった。オレ達も加勢するよ」

昴「みんなもそれでいいか?」

のり子「ここまできたら見過ごすわけにはいかないね」

杏奈「杏奈も……もう選択肢はそれしか無いと思う」

紗代子「私からもお願い。琴葉さんを助けてあげて」

399: 24/06/05(水) 06:41:23 ID:yZRi
昴「よし、可憐と亜利沙はここで待機して星梨花を守ってくれ俺達は琴葉達を助けに行く」

?麗花「昴ちゃんかっこいい~」

昴「……麗花もここに残ってくれ。琴葉達が混乱しそうだし」

?麗花「え~」

紗代子「それと……みんなこれに着替えて」

ロコ「これは……レインコートですか?」

400: 24/06/05(水) 06:42:07 ID:yZRi
曽根村「さて、封鎖されていた正面のゲートをぶち破って突入してみましたが」

曽根村「左右の連絡通路はバリケードで塞がってますね」

曽根村「そして正面のホールへの入り口には障害物は何も無し」

曽根村「明らかな導線誘導ですか……どうやらここの住人はただ黙ってやられるつもりはないようだ」

曽根村(いいですねこの裏の読み合い、緊張感。これでこそハタ側に付いたかいがあったってものですね)

401: 24/06/05(水) 06:43:08 ID:yZRi
???「バリケードを無理矢理突破出来ないこともないが……」

曽根村「それじゃ面白くないじゃないですか。せっかくですし正面から堂々と行きましょう」

曽根村「どれ、お手並み拝見です」

402: 24/06/05(水) 06:44:59 ID:yZRi

パライソホール内



曽根村「見たところブービートラップの類いはないですね」

曽根村(まあブービートラップは無いでしょう。もし仕掛けるなら開けたホール内より狭く暗い連絡通路に仕掛けた方が有効的ですからね……おっと)

曽根村「そこの座席の影に誰か居ますか」

権田「ちっ、ばれたか」ヒョッコリ

403: 24/06/05(水) 06:49:23 ID:yZRi
曽根村「おや、確か警察官の権田さんでしたか。どうしてこんなところに?」

権田「何をぬけぬけと。お前らを倒すためだよ!」

曽根村「そうですか。まあ他にも何人か隠れていらっしゃるんでしょうが」

曽根村「わざわざ敗北の舞台を自分達で盛り上げる為にこの場所を選んだんですか?」

権田「その余裕面もここまでだ。今分かるぜ何故俺達がここを選んだのかがな」

404: 24/06/05(水) 06:52:12 ID:yZRi
ジリリリリーーーーーーッ


曽根村「これは火災警報器の音……そういうことですか」
 





パライソホール連絡通路

ザーーーーーッ

海美「うわっ、思ってたよりずぶ濡れになりそう」

百合子「この水はスプリンクラーによるものですね」

瑞希「なるほど、そのために田中さんはここパライソホールを選んだんですか」

昴「でもスプリンクラーならキチンとした施設ならどこにでも備えてあるんじゃ……」

紗代子「それがね、昴ちゃん」

405: 24/06/05(水) 06:54:07 ID:yZRi
※注意※ 捕捉説明なので飛ばしてもらっても構いません

スプリンクラーは大きく分けると閉鎖型、解放型、放水型の3つに分けられます。
そして普通の施設にあるスプリンクラーの大半は閉鎖型なのです。
閉鎖型の仕組みはスプリンクラーの内部にある可溶片が熱で溶けると閉じていた弁が下がり放水が始まる仕組みですが
そのためには最低72℃の温度をスプリンクラーに加え続けなければならず、
そもそもそんな熱を加えてる環境に敵が近づくのもあり得ないため閉鎖型のスプリンクラーを狙ったタイミングで使うのは現実的ではありません。
ところが解放型と放水型は火災報知機または手動で作動するパターンが多いです。
これは解放型が主に使われる劇場や舞台など人が密集する施設や化学工場や倉庫などでの場所だと
スプリンクラーに熱が届くまで火が回ってから作動しても手遅れになるからです。
そのため今回のように意図的に手動で作動出来たのです。

406: 24/06/05(水) 06:54:26 ID:yZRi
紗代子「というわけだよ」

昴「な、なるほど」

407: 24/06/05(水) 08:29:49 ID:Ml5t


?警備兵1「………………」バタッ
?警備兵2「………………」バタッ
?警備兵3「………………」バタッ
?警備兵4「………………」バタッ
?警備兵5「………………」バタッ
?警備兵6「………………」バタッ
?警備兵7「………………」バタッ

 

408: 24/06/05(水) 08:35:58 ID:Ml5t
権田「よーし作戦は成功だ」

権田(残ったのは曽根村だけ……だと思ったらあと一人居やがるな。曽根村にくっ付いているみたいだが)

権田(コートをかぶっていて顔がよく見えないがあいつもハタ無しか?)

権田(本当はここで曽根村だけになるのが理想的だったんだが仕方ねえ)

409: 24/06/05(水) 08:38:38 ID:Ml5t
権田「よし出番だぞ並木、守田」

並木「は、はい」ヒョコ

守田「であります」ヒョコ

※並木と守田は権田と同じ警察官仲間です

410: 24/06/05(水) 08:41:26 ID:Ml5t
琴葉「私も出るわ」

権田「……まったく、女子高校生を戦場に駆り出しちゃあ俺達警察官の面目が立たないんだが。遠くで指揮だけしてくれ」

琴葉「私フェンシングが得意なの。少しは戦力になれる」

琴葉「それに曽根村のあの余裕……油断は出来ない。全力で向かわないと」

411: 24/06/05(水) 08:43:54 ID:Ml5t
権田「曽根村が戦闘のエキスパートだって情報はなかったはずだが……油断はしないってのは同感だな」

権田「これで4対2、倍の戦力差だ」

曽根村「確かに倍ですね」

権田「降参してももう遅いぜ。覚悟しやが……」

曽根村「我々の方がですが」

412: 24/06/05(水) 08:46:32 ID:Ml5t
?警備兵1「………………」ムクリ
?警備兵2「………………」ムクリ
?警備兵3「………………」ムクリ
?警備兵4「………………」ムクリ
?警備兵5「………………」ムクリ
?警備兵6「………………」ムクリ
?警備兵7「………………」ムクリ
 

413: 24/06/05(水) 08:48:06 ID:Ml5t
権田「な、なに。馬鹿な!」

琴葉「そんな、どうして……あっ!」

琴葉(ヘルメット……)

曽根村「おや、流石に気付きますよね。そうです彼らはヘルメットを被ってもらってます。"防水100パーセント"のね」

414: 24/06/05(水) 08:49:38 ID:Ml5t
曽根村「我々も馬鹿じゃないのでね。ハタの弱点対策ぐらいは考えました」

曽根村「ただ……この方法欠点もありまして。ヘルメットでハタが隠れてしまうとハタ人間同士で仲間割れしてしまうんですよ。基本ハタ無しを襲えとプログラムしてあるんで」

曽根村「まあ、その弱点も私が傍にいて直接指揮を取れば問題無いのですが」

415: 24/06/05(水) 08:51:40 ID:Ml5t
琴葉(だから曽根村が直接出てきたんだ)

権田(監視カメラで見た時はそんなの被っていなかった。この野郎ギリギリまで隠していやがったな)

曽根村「これで私除いても8対4です。降参は許しませんよせいぜいあがいて……」



昴「待ったーー」

曽根村「は?なんですか」

416: 24/06/05(水) 08:54:48 ID:Ml5t
琴葉「昴ちゃん!?」

昴「ま、間に合った」

琴葉「どうして来たの。無理に戦いたくないって言ったのあなたでしょう」

昴「確かに出来れば戦いたくないって言ったけどな」

昴「オレは戦いに来たんじゃない。琴葉のこと助けに来たんだよ!」

琴葉「ふふ、何その屁理屈。でも助かる」

417: 24/06/05(水) 08:56:59 ID:Ml5t
曽根村「今度は子供が沢山……。ここはいつから学芸会の会場になったんですかね」

曽根村(ん?子供…………だと)



?警備兵1「………………」ブン

並木「うわぁ」

守田「まずいであります……」

権田「おい、ずいぶんなご登場だがお前達が何とかなる相手じゃない。こいつら防水ヘルメットで水が効きやしないんだぞ」

418: 24/06/05(水) 08:59:18 ID:Ml5t
のり子「だってさ瑞希。確かに手強そうだね」

瑞希「ですが手がないわけでもなさそうですよ。とにかく行きましょう福田さん」

?警備兵1「……………ハタ無し」

瑞希「ちょっと失礼しますね」

昴(そう言って瑞希は得意のバトンの先をヘルメットのあごひもに引っかけて)

昴(そのままヘルメットだけ引っ張り出した)

?警備兵1「何ぃ…………」バタッ

419: 24/06/05(水) 09:16:12 ID:Ml5t
のり子「なるほど、ならいつもより話しが早いっ!」

?警備兵2「……は、離せ」ジタバタ

のり子「うりゃー」

?警備兵2「うげっ」バタッ

海美(のりさんが?警備兵の首をアームロックするとネジ回しのように回転させて無理矢理ヘルメットを外しちゃった)

海美(かなり痛そうだけどハタ人間は痛覚ないみたいだし大丈夫だよね?)

420: 24/06/05(水) 09:32:45 ID:Ml5t
曽根村「……まずあの二人から片付けなさい」

警備兵3「…………囲め」

警備兵4「…………囲め」

警備兵5「…………囲め」

警備兵6「…………かこ、うわっ」ベチャッ

警備兵6「…………何だこれは」ベチャッ

421: 24/06/05(水) 09:35:07 ID:Ml5t
杏奈「よし!ヘッドショット成功だよ」

海美「もっちー、よくヘルメットを避けて顔面だけ狙えるね」

杏奈「海美さん大丈夫だよ。顔以外に当たっても牽制にはなるから気にせずガンガン撃って!」

海美「うん!同じクリアワルザーでも弾は昨日ロコロコと一緒に作った塗料入り特別のペイント水だからね」

422: 24/06/05(水) 16:57:10 ID:Ml5t
昴「よーし永吉選手も続いて第2球。ロコどんどん球くれよな」

海美「ロコロコ、カートリッジおかわり」

ロコ「ウミとアンナ用カートリッジはこっち、スバル用のペイント弾はこっちです」

百合子「わ、私も可憐さん達と一緒に隠れてた方が良かったかな……」

昴「百合子はいつも通り見張っていてくれるだけでいいんだぜ。敵の増援もあるかもしれないしな」

423: 24/06/05(水) 17:10:04 ID:yZRi

警備兵6「…………くそ、前が……見えない」ゴシゴシ

警備兵6「…………邪魔だ」ヘルメットポイー

警備兵6「…………あ」バタン

曽根村「……あの馬鹿者が」



権田「俺だって負けてられねーぞ」バキッ

警備兵4「…………ぐっ」

424: 24/06/05(水) 17:13:43 ID:yZRi
曽根村「仮にも私の部隊はプロだと思っていましたが……何故あの素人達に圧倒されているんですか」

???「防水性を重視してヘルメットのつばを大きくし過ぎた。あれでは視界が狭くなる。」

???「加えてスプリンクラーから水が降り注ぐこの状況で更に視界が悪い」

???「ハタ人間の低下した判断力では1手も2手も遅れを取るだろう。あれでは勝てるわけがない」

曽根村「なるほど……まだまだ改善の必要ありですか」

425: 24/06/05(水) 17:15:29 ID:yZRi
警備兵5「…………無念」バタン

権田「高みの見物をしている間にお前達の兵隊は全滅だぜ。また2人に戻ってしまったようだな」

曽根村「コングラッチュレーション、一応褒めてあげましょう」パチパチ

権田「それが人を褒める態度かよ」イライラ

琴葉「権田さん、相手の挑発に乗らないで何かある」

曽根村「ええ、こちらにはまだ切り札がありますからね」ゴニョゴニョ

426: 24/06/05(水) 17:19:17 ID:yZRi


ザザーーーァ……ァ…………

曽根村「ようやくスプリンクラーも止まったようですし登場してもらいますか」



ガガガガガガガガガガガガッ


バターーーン


ロコ「ああ……入り口のゲートがクラッシュされました!」

百合子「この音、あの時と同じ展開。まさかあの戦車!?」

427: 24/06/05(水) 17:20:06 ID:yZRi


ワークボット「ゴゴゴ……」
 


のり子「こいつがここで出てくるなんて……」

昴(流石に戦車はどうしょうもない……どうする)

428: 24/06/05(水) 17:22:18 ID:yZRi
琴葉「みんな、私の指示に従って!」

昴「琴葉?」

海美「わかったよ!」

杏奈「どうするの」

琴葉「みんな奥のステージまで後退して」

権田「退却だ、退却するぞ」

429: 24/06/05(水) 17:24:05 ID:yZRi


曽根村「何か策があるかと思えば逃げの一手ですか。まあ正解だと思いますが」

曽根村「ここパライソホールでは座席が邪魔して戦車じゃうまく進めない……と思ったら大間違いですよ」

曽根村「このワークボット、足が6本あるおかげでどんな悪路も問題ないですからね」

430: 24/06/05(水) 17:26:24 ID:yZRi


ガガガガガガガガガッ
 

ロコ「ああ……チェアをデストロイしてこっちに来ます」

琴葉「みんな落ち着いて。あと百合子ちゃんお願いがあるの」

百合子「私にですか?」

431: 24/06/05(水) 17:29:01 ID:yZRi
ガガガガガガガガガガガ……ズボッ


ワークボット「ゴゴゴ……?」

曽根村「なっ、どうしたんです?」

???「ブービートラップが無かったわけでは無かったみたいだな」

琴葉「このホール内の床のカーペットの下に何カ所もある点検口の蓋を全部開けておいたの」

琴葉「その上に薄ベニヤを引いてカーペットを元通りにしておいた」

琴葉「人間が通る分には何も起きないけど重量があるものが乗ったら破れて落ちるようにね!」

432: 24/06/05(水) 17:31:29 ID:yZRi
曽根村「なるほど……ですが点検口サイズの落とし穴じゃ機体の全てが落ちるには小さ過ぎますね」

曽根村「せいぜい足止めが限界のようですが」



百合子「琴葉さん見つけました!戦車の正面から見て右後ろです」っ双眼鏡

琴葉「ありがとう百合子ちゃん。後はどうやって……」

433: 24/06/05(水) 17:33:20 ID:yZRi
瑞希「なるほど田中さんの狙い読めました。その役目私が引き受けます」

琴葉「瑞希ちゃん?」

瑞希「大丈夫です、私はサイボーグですから。福田さんお願いします」

のり子「オーケー。行っけー瑞希」ブン



琴葉(突然サイボーグだとカミングアウトされて戸惑う私を置いてのり子さんは瑞希ちゃんを振り回すように投げ飛ばした)

琴葉(投げ飛ばされた瑞希ちゃんは戦車を飛び越えて……戦車の右後ろに着地した)

434: 24/06/05(水) 17:36:06 ID:yZRi


ワークボット「ゴゴ……ゴ……ゴ……」



ロコ「戦車がストップしました」

海美「た、助かった」

瑞希「七尾さんのいう通り戦車の後ろにアンテナがありました」

琴葉「その戦車には散々嫌な目に遭ったから…対策も立てさせてもらったわ」

琴葉「遠隔操作で動いてるってことはわかってた。指示を出す電波を受け取るアンテナがどこかにあることもね」

昴「それを壊せばあのマシーンも動かなくなるってことか」

琴葉(これでみんなの敵は討てたかな……)

435: 24/06/05(水) 17:38:37 ID:yZRi
権田「どうだ。頼みの切り札とやらは出オチになっちまったみたいだな」

曽根村「ああ、あれは当て馬みたいなものですから」

曽根村「見つけましたよ。No.44」


チャキン

瑞希「この音は……刀を抜く音!」


ズバッ

436: 24/06/05(水) 17:40:17 ID:yZRi


昴(え……)

昴(それは一瞬だった。曽根村の傍にいたやつが刀を抜いたと思ったら一瞬で瑞希を斬りつけて……)

瑞希「……っ、久しぶりですね灰原さん」ブシュ…

灰原「今の俺の名前は灰原じゃない、No.81だNo.44」

437: 24/06/05(水) 17:42:19 ID:yZRi
昴「この!」

灰原「ほう、大したコントロールだ」スパッ

瑞希「っ……」ダッ

昴(あいつオレが牽制で投げた水爆弾を破裂する前に切りやがった!)

昴(でも瑞希が逃げる隙は作れたな)

438: 24/06/05(水) 17:44:14 ID:yZRi
百合子「瑞希さん大丈夫ですか!」

瑞希「左腕を少し切られただけです」ボタボタ

海美「でも血が出てるよ」

瑞希「利き手ではない方です。それに灰原さんに斬られて腕がまだ付いてるのはまだ僥倖です」ボタボタ

灰原「お前の改造された部分は腕だったはずだ。油断している間に斬り落とすつもりだったが」

灰原「とっさに避けるとはな、さすがは同胞と言っておくか」

439: 24/06/05(水) 17:46:43 ID:yZRi
瑞希「……永吉さん、星梨花さんを連れてみんなで逃げてください。この男は私が抑えます」ボタボタ

昴「な、突然どうしたんだよ。それに怪我した瑞希を放っておけるわけないだろ」

曽根村「なるほど、No.81一人相手にするより外の数十人のハタ人間を相手にする方がまだ勝機があると判断しましたか」

曽根村「負傷してもなお冷静な判断ですが……手遅れですね」

440: 24/06/05(水) 17:51:09 ID:Ml5t

ズズーン



琴葉「今度は何?」

曽根村「入り口を外から封鎖させてもらいました。もう誰もこのホールから出られません」

曽根村「ハタ警備兵もワークボットもそのための時間稼ぎだったんですよ」

権田「何のつもりだ」

441: 24/06/05(水) 17:52:45 ID:Ml5t
曽根村「おや、あなた方の置かれてる状況がまだ理解出来ていないのですか?」

曽根村「ホールから脱出は不可能、No.81はたとえ司令官である私が倒れたとしても止まることはない」

曽根村「そして唯一対抗出来る目があったNo.44は負傷してしまった……」

曽根村「もうあなた方は詰んでいるんですよ」

442: 24/06/05(水) 17:54:32 ID:Ml5t
曽根村「さあ、あなた達全員No.81の刀のサビにでもなってください」



瑞希(何とか止血は済ませましたが……)

権田「なあ瑞希だったか、あの男を知ってるみたいだが」

権田「俺も警察官の必修科目で少しは剣道をかじってるんだ」

琴葉「私もフェンシングで少しでも援護出来る」

権田「瑞希とそこの金髪の嬢ちゃんと俺と琴葉さん。4人でかかれば何とかならねえか?」

443: 24/06/05(水) 17:56:15 ID:Ml5t
瑞希「それでもかなり厳しいですが……今はそれが最善手でしょう」

権田「4人がかりでも厳しいって奴はどんな化け物だよ」

瑞希「灰原さんは戦闘用サイボーグです。まともに戦っては勝ち目はありません」

権田「さ、サイボーグだって!?」

444: 24/06/05(水) 18:00:31 ID:Ml5t

灰原「"降伏しても無駄だ、抵抗しろ"」



百合子「そ、その言葉、意味が反対です……」ガタガタ

海美「あの人にとってはその順番で間違ってないみたいだね……」ブルブル

昴(オレ達を生かして帰す気はないみたいだな)

445: 24/06/05(水) 18:02:49 ID:Ml5t


瑞希(永吉さん達は動揺してしまってるようですね。流血を見ること自体始めてでしょうし無理もないですが)

瑞希(権田さんのバールと田中さんのサーブルでは灰原さんを行動不能にさせるには厳しいか……)

瑞希(福田さんの絞め技は決まれば有効ですが灰原さん相手にリスクが高過ぎる)

瑞希(となると最善手は私のバトンのスタンガンで動きを止める……しか無いですね)

446: 24/06/05(水) 18:05:49 ID:Ml5t

灰原「覚悟は出来たか。出来た奴から斬ってやろう」



のり子「あまり考える時間はくれないみたいだよ」

琴葉「あいつを後衛の子達に合わせたら…………。前衛の私達で絶対に食い止めないと!」

瑞希「そうですね私も覚悟決をめました」

灰原「そうか」チャキ

447: 24/06/05(水) 18:09:12 ID:Ml5t


権田「俺から行く。後に続け!」ダッ

灰原「自分はどうなってもいい、という捨て鉢な特攻か。不様だな」ズバッ

昴(バールを持って突撃した権田をあっさり胸元斬りつけて弾き飛ばした!)

448: 24/06/05(水) 18:11:25 ID:Ml5t

琴葉(権田さん!……刀を振り抜いた際は必ず隙が出来る、そこを私のサーブルで……)


灰原「試合用のサーブルでは武器にはならん」


昴(その隙を狙った琴葉のサーブルを体の脇に避け肘打ちでへし折った)

449: 24/06/05(水) 18:13:03 ID:Ml5t

のり子「このぉーー」ドカッ

のり子(そんな、完全にタックルが決まっても崩せない!)

灰原「見かけより甘いタックルだな。焦って溜めとタイミングを誤ったじゃないのか?」ゲシッ

のり子「ぐっ……でも、もう離さない。やっちゃって瑞希!」

450: 24/06/05(水) 18:16:08 ID:Ml5t
瑞希(チャンスは今しかありません!)

昴(蹴られたけどのり子は灰原の足を掴んだままだ。そこに左手を突き出して瑞希が駆け出した)


瑞希(この左腕は捨てても構わない。このチャンスだけは……)

灰原「その負傷した左腕は囮か?だが……」
 
 

451: 24/06/05(水) 18:19:32 ID:Ml5t

バキン



瑞希「あ……」

灰原「お前の狙いは右手に持つそのバトンの先だろう」

昴(瑞希のバタンを真っ二つに斬りやがった……)

452: 24/06/05(水) 18:22:15 ID:Ml5t
灰原「お前が戦闘用サイボーグではないのは知ってる。お互い組み合いになっても勝つのは俺だ。なら何らかの武器を警戒するのは当然だろう」


瑞希「……このバトン、真鍮製の特注品だったんですけど……流石ですね」

灰原「その台詞、降参と受け取るが」

瑞希「ええ、打つ手無しです。このまま私を斬っても構わないですが……どうか後ろの子供達は見逃してもらえませんか」


灰原「それは出来ない相談だ」スッ

453: 24/06/05(水) 18:40:29 ID:Ml5t



パ-ン


瑞希「え……」



曽根村「な、何故あなた達が拳銃を持っているんですか!」


灰原「ぐ……っ、この」ポタポタ


杏奈「瑞希さんから離れて!」ブルブル

百合子「杏奈ちゃん!」

454: 24/06/05(水) 18:42:23 ID:Ml5t

昴(杏奈の手にはいつの間にかあの時瑞希から貰った拳銃があった)

百合子(よく見ると拳銃を持つ杏奈ちゃんの手震えてる。人を撃つのは初めてだもん、そうだよね)

455: 24/06/05(水) 18:44:27 ID:Ml5t


灰原(被弾したのは右胸か。かろうじて急所は避けたが)

灰原(この俺が油断した?いや、あいつらのことは眼中にも感じてなかった。そこを突かれた)ポタポタ

のり子「うらーーーっ」

灰原「……っ」ダッ



権田「あいつ拳銃で撃たれてもあんなに動けるのかよ、確かに化け物だ」

琴葉「権田さんじっとして。今手当てします」

456: 24/06/05(水) 18:46:29 ID:Ml5t
のり子「何ぼけっとしてるのさ瑞希」

瑞希「……今回は私も氏を覚悟しました。……すみません、まだ混乱しているみたいです」

のり子「瑞希はさ、達観しすぎ。武器が無くなったからって諦めちゃダメでしょ」

のり子「みんなの後ろでいつもずっと私達の為に何か考えてくれてるの知ってるけど……」

のり子「あの子達に守られてちゃ意味ないよ」

瑞希「確かにそうですね。ありがとう」

457: 24/06/05(水) 18:48:03 ID:Ml5t
曽根村「大丈夫ですか?あなたらしくない」

灰原「すまんしくじった。だがすぐあの娘を斬りに行く」

曽根村「いえ、それは駄目です」

灰原「………………」

曽根村「状況が変わりました。怪我したあなたを走らせて消耗させたくありません」

曽根村「今は私の護衛に集中しなさい。あなたの力は今後も必要です」

458: 24/06/05(水) 18:54:09 ID:Ml5t

昴「なあ、お互い負傷者もいる。無駄に争っている場合じゃなくなってきたんじゃないか」


曽根村「無駄じゃありませんよ、こちらはどうしてもあなた方を潰すつもりです」ゴニョゴニョ

曽根村「切り札は使いましたが……"奥の手"がまだ残っているんでね!」

459: 24/06/05(水) 18:56:47 ID:Ml5t

ドゴーーーーン




琴葉「ま、また!?」

海美「でもさっきよりでかいよ!」

ロコ「シーリング(天井)の方です」

460: 24/06/05(水) 18:58:52 ID:Ml5t

ガラガラガラガラガラ


昴(がれきが落ちてきた方向を見るとホールの天井がぽっかり空いていて真っ暗な夜空が覗いていた)

昴(でもそこで輝いていたのは満天の星空なんかじゃない)


UFO「ミョンミョン」


海美「ユーフォー!?」

461: 24/06/05(水) 19:00:52 ID:Ml5t
昴(大きさは大型自動車より一回り大きいくらい。小型とはいえその姿は一般的にUFOと呼ばれるもので爛々と怪しい光を撒き散らしていた)

瑞希「先ほどの戦車といい曽根村さんまさか……」

曽根村「そうです、実は私もサイボーグ手術を受けましてサイボーグなんですよ」

曽根村「適合率が低くてね。肉体強化はしてないのですが私の右手がアンテナになっているんです」

曽根村「専門のアンテナを付ければあらゆる機械をこの右手で操作出来る。それが私の能力です」

462: 24/06/05(水) 19:03:34 ID:Ml5t

UFO「ビビビビ」


ボカーーン


杏奈「UFOから遠距離攻撃……」

百合子「UFOから光線だなんて……私映画でも見てるのかな」

曽根村「その能力を生かせばこの通りです」

権田「くそ、やりたい放題しやがって……」

463: 24/06/05(水) 19:05:56 ID:Ml5t


星梨花「もうやめてください!」

昴「星梨花!?それに他のみんなも」


紗代子「星梨花ちゃんが話したいって聞かなくて……」

可憐「あわわ……」

亜利沙「いったいどうなっているんですか」

464: 24/06/05(水) 19:08:53 ID:Ml5t
曽根村「わざわざ来てもらわないでもこちらから伺いに参ろうと思っていたんですが」

曽根村「出来れば安全なところに引っ込んでもらえないですか」


星梨花「そねむらさんはわたしが必要なんですよね」

星梨花「なら、わたしが出てくれば争いは終わります」

海美「せりりんそれはダメだよ」

465: 24/06/05(水) 19:11:30 ID:Ml5t
曽根村「ククク……関係ないんですよ。これは星梨花さん、あなたの確保が目的ではない」

星梨花「え……」

昴「じゃあ何のために!」

466: 24/06/05(水) 19:14:31 ID:Ml5t
曽根村「あなた方が気に入らないからですよ」

昴「何だって……」

曽根村「ここで貴方達が逃げ延びたらそれはもう英雄じゃないですか」

曽根村「そんな伝説が残ってしまうといつまでたっても悪に歯向かう人間が現れる。それでは困るんです」

曽根村「だから貴方達は私の手で確実に潰れてもらわないとねぇ」

467: 24/06/05(水) 19:16:29 ID:Ml5t
昴「なんだよそれ!意味わかんねーし」

紗代子「昴ちゃん、相手が曲げる気が全くないなら……もう倒すしかないんだよ」



琴葉「でもあれを倒すにはどうしたら……」

瑞希「方法の一つとしては操作している曽根村さんを倒すことでしょうが……」

瑞希「怪我を負っても未だ最強の灰原さんが護衛しているのでは難しいでしょうね」

468: 24/06/05(水) 19:18:53 ID:Ml5t
ロコ「……昨日クリエイトしたボムが一つ残ってます。それで何とかならないですか?」

琴葉「あのUFOを倒すには本体が壊れなくてもアンテナが故障さえすればいい。その爆弾でも十分通用すると思う」

杏奈「問題はあんなに飛び回ってる物体にどう当てるか……せめて近づくことが出来ないと」

亜利沙「そんな……空を飛べってことですかぁ」

469: 24/06/05(水) 19:24:20 ID:Ml5t
?麗花「空を飛べればいいんですか?」

琴葉「あなたいつの間に!」

昴「琴葉、麗花は味方なんだ。なんでかっていうと難しいんだけど」

470: 24/06/05(水) 19:26:29 ID:Ml5t
?麗花「え~っと確かここに……」ゴソゴソ

?麗花「あった」

昴(麗花が登山ジャージーのポケットから取り出したのはピンク色の錠剤だった。ケースの中に4つ入っている)

昴「その薬がどうしたんだ」

瑞希「北上さんその薬はもしかしてハピネスP(パワー)じゃないですか」

昴「ハピネスP?」

471: 24/06/05(水) 19:29:37 ID:Ml5t
百合子「どんな薬なんですか」

瑞希「ここパライソタウンの研究所で開発された薬です。飲むと一時的に超人的な力を得ることが出来ます」

瑞希「ですが副作用が物凄くとても正気を保てません。そうしているうちに効き目が切れる欠陥品です」

472: 24/06/05(水) 19:31:09 ID:Ml5t
?麗花「ところがどっこい、ハタ人間は副作用が気にならないんですよ。ハタ付けてると痛みがどっか飛んで行っちゃうせいかな」

?麗花「だからってヘルガさんから貰ったんだ~」

海美「確かにハタ人間には痛覚がないけど……」

瑞希「……その薬すでに1錠無いですね。北上さん飲んだことあるんですか」

473: 24/06/05(水) 19:34:44 ID:Ml5t
?麗花「そうだよ。ロコちゃんその爆弾貸して」

ロコ「は、はい」

?麗花「はい、昴ちゃん」

昴「投げるのはオレが一番得意だけど、投げても届かないぜ」

?麗花「じゃ行こうか昴ちゃん。しっかり捕まって♪」

昴「え、麗花。何するきだあああああああ」

474: 24/06/05(水) 19:36:55 ID:Ml5t
曽根村「もう一回言います。星梨花さん。大人しく奥に下がってくれませんかね」

星梨花「いやです。わたしもみんなと一緒にいます」

曽根村「そうですか。最後の忠告でしたが残念だ」

曽根村「攻撃を再開……」




?麗花「わーいわーい♪」ピョーンピョーン

昴「ちょっと麗花ストップストップ!」



灰原「驚いたな」

曽根村「まさか……本当に空を飛んでいるんですか!?」

475: 24/06/05(水) 19:41:38 ID:Ml5t
?麗花「あ、昴ちゃん。薬の効き目は大体30分だからそれまでには決めてね」ピョーンピョーン

昴「そんな、時間制限付きかよ」

曽根村「ええい、撃ち落とせ」ゴニョゴニョ

476: 24/06/05(水) 19:47:24 ID:Ml5t

UFO「ビビビビ」



?麗花「あ、さすがに避けないとまずいかも」

昴「麗花、上だ。まずドームから出るんだ」

?麗花「わかった」ピョーンピョーン

477: 24/06/05(水) 19:50:48 ID:Ml5t
曽根村「ぬ、やつらドームから出ましたか」

灰原「なるほどな」

曽根村「ちぃ、見えない」

灰原(時刻は深夜。外の闇に紛れてしまえばこちらがあの二人組を補足するのは難しい)

灰原(逆にこちらは自ら発光して目立っているぐらいだ)

曽根村「ならば……」

478: 24/06/05(水) 19:53:02 ID:Ml5t


昴「そろそろ決めないとな。麗花一瞬だけでいい止まってくれ」

?麗花「うん」

UFO「ミョンミョン」ピタッ

杏奈「UFOも一瞬止まった」

昴「今だ」ブン

UFO「ミョンミョン」


\ドッカーーン/

479: 24/06/05(水) 19:56:24 ID:Ml5t

UFO「ミョンミョン」プシュー

昴(効いて……ない)

曽根村「ククク……わざと攻撃を受けてやったんですよ」

曽根村「アンテナ狙いでしたか?残念ながらアンテナは中に格納しているんですよ」

曽根村「あのUFOはあんな爆弾で壊れるようなやわではないです。無駄なあがきだったようですねぇ」

480: 24/06/05(水) 19:58:22 ID:Ml5t
?麗花「うーん、困っちゃうな。どうしょっか……」

昴(ぐ……ここまで来て諦めたくはない何か……)

昴(ん?)ゴソゴソ

昴「結局オレの最後の武器はこれってことか」

?麗花「それってドラゴンボール……じゃないですよね野球ボールかな?」

昴「倉庫内に閉じ込められていた時に見つけてたんだ。オレらしいだろ」

481: 24/06/05(水) 20:01:16 ID:Ml5t
昴「それでさ、ハピネスPだっけ。オレにも一つくれよ。」

?麗花「駄目だよ!ハタ付いてない昴ちゃんが飲んじゃ……」

昴「……勝手な話だけどオレ自分のこと普通の女子中学生って言ったけどさ」

昴「今はヘルガの言った通り自分が普通じゃないって方に賭けてみたいんだ」

?麗花「昴ちゃん……」

昴「なあ麗花、普通じゃないってのもたまにはいいかもな。こうやってみんなの為になるならさ」

?麗花「うん、そうだね」スッ

昴(ホームランになるかゴロになるか……行けっ永吉昴!)ゴクン

482: 24/06/05(水) 20:04:55 ID:Ml5t
曽根村「冷静に考えれば空中で奴らを落とす必要はないですね。こちらと違って無限に飛べるわけではないですし」

曽根村「時間稼ぎに徹すれば問題ないでしょう」





ロコ「ユリコ、スバルとレイカどうどうなったんですか?」

百合子「わからない。こっちからじゃ見えないよ……」っ双眼鏡

昴「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」

ロコ「スバル!?」

483: 24/06/05(水) 20:07:35 ID:Ml5t
昴(何だこれ!?頭がガンガン痛くて視界がグラグラするし気持ち悪い)

昴(こんなもの麗花は飲んでいたのか)

ロコ「スバル、どうしたんです!?」

?麗花「スバルちゃん!待って、今下に降りる」

昴「……いいんだ麗花。そのまま……」

484: 24/06/05(水) 20:10:19 ID:Ml5t
曽根村「奴らも長くはなさそうですが念のため一押しといきますか」

曽根村「UFO、ホールを攻撃しなさい。仲間が居るホールが攻撃されれば動揺せざるを得ないでしょう」ゴニョゴニョ

UFO「ビビビビ」

485: 24/06/05(水) 20:12:03 ID:Ml5t
昴「……っ、この」

?麗花「昴ちゃん?」

昴「そこは本当はアイドルが輝くステージなんだ」

昴「それを壊すんじゃねぇぇぇ」ブン

486: 24/06/05(水) 20:14:42 ID:Ml5t
?麗花(昴ちゃんが投げた野球ボールはそれは炎を纏って……まるでそれは流星のようでした)

?麗花(それがUFOを易々と貫いていったのです)

権田「……何だったんだ今の」

海美「でも綺麗だったよ。星みたいだった」


UFO「ミョンミョ……」フラフラ


\ドッカーーーーーーン/


昴「どうだ、見たか……」ガクッ

?麗花「昴ちゃんしっかり!」

487: 24/06/05(水) 20:17:26 ID:Ml5t
曽根村「……………………」アゼン

灰原「撃沈されたな」

曽根村「まだです!まだ負けわけではない!」


???「イヤ、オ前ノ負ケダ。ソネムラヨ」

488: 24/06/05(水) 20:18:59 ID:Ml5t
ピュン


曽根村「がはっ……」



琴葉「誰!?」

ギャスビゴー星人「ワレワレハ、コノ星ヲ侵略シニ来タ知的生命体」

489: 24/06/05(水) 20:20:44 ID:Ml5t
海美「あれは宇宙人だよゆりりん」

百合子「本当に!?着ぐるみじゃないよね……あ」

百合子(最近流れ星が多いってニュース……まさか!)

490: 24/06/05(水) 20:24:30 ID:Ml5t
曽根村「な、なぜ貴方達がここに居るんです……」

ギャスビゴー星人「元々UFOモワークボッドモワレワレノモノ」

ギャスビゴー星人「ドウ使ワレイルカ見ニキタ来ガ……」

ギャスビゴー星人「コンナ子供二負ケテイルトハナ、失望シタゾソネムラヨ」

ギャスビゴー星人「コノ星ノ侵略ハ自分達ニ任カセテクレ、ト言ウカラ何モシナカッタガ」

ギャスビゴー星人「コレカラハ"ワレワレノヤリカタデヤル"」

491: 24/06/05(水) 20:26:11 ID:Ml5t
ギャスビゴー星人「ハタニンゲンノ権限ハ返シテモラウゾ」

曽根村「……うっ」

灰原「曽根村!」

492: 24/06/05(水) 20:28:24 ID:Ml5t
ギャスビゴー星人「サテ、サッソク残リノハタニンゲンヲ使ッテ掃除ヲスルカ」

?警備兵A「………………」
?警備兵a「………………」
?警備兵Ⅰ「………………」

琴葉「あれは外で待機していたハタ人間達……」

権田「俺達にもうあれだけのハタ人間を相手にする余裕はお無いぞ」

493: 24/06/05(水) 20:30:18 ID:Ml5t
ギャスビゴー星人「お前タチアイツラヲ始末シテコイ」


?警備兵A「………………」シーン
?警備兵a「………………」シーン
?警備兵Ⅰ「………………」シーン


ギャスビゴー星人「ナゼ言ウコトヲ聞カナイ!」

494: 24/06/05(水) 20:32:56 ID:Ml5t
曽根村「無駄ですよ。私の部下のハタにはアンテナと同じ仕組みにして私の言うことしか聞かないようにしてます」

曽根村「貴方達はいずれ私達を裏切ると思っていましたから」


ギャスビゴー星人「ナラ、お前ヲ殺セバソレモナクナルハズダ」ピュン

495: 24/06/05(水) 20:34:32 ID:Ml5t
曽根村「がっ、……ですがそれも無駄です。私の右手はNo.81に頼んで切断して私の手から離れてますからね」



琴葉「皆さんあの宇宙人を攻撃してください」

?警備兵A「………………了解」
?警備兵a「………………了解」
?警備兵Ⅰ「………………了解」


ギャスビゴー星人「クソッ、抵抗スルナ。コノ低知能生命体ガ」ピュンピュン

496: 24/06/05(水) 20:36:45 ID:Ml5t
ギャスビゴー星人「アノ地球人ガ持ッテイルノカ。ナラソイツヲ倒セバ……」チャキ


灰原「氏ぬのはお前だ」ズバッ

ギャスビゴー星人「キ、キサマ……」

灰原「随分動揺したようだな隙だらけだったぞ」

ギャスビゴー星人「オノレ……」バタン



灰原「仇は取ったぞ曽根村」

曽根村「はは……最後にもう一つ頼みがあります」

497: 24/06/05(水) 20:38:55 ID:Ml5t
百合子「昴さん!」

ロコ「スバル大丈夫ですか」

昴「……みんな大げさだな……薬の副作用で動けないだけだって……」

昴(正直すごく辛いけどな……)

498: 24/06/05(水) 20:42:05 ID:Ml5t
曽根村「お互い、リーダーとあろうものが不様ですねぇ……」

瑞希「曽根村さん!」

灰原「安心しろ、もう争う気はない。それどころではなくなったからな」

灰原「曽根村が最後にそこの娘と話したいそうだ」

499: 24/06/05(水) 20:44:52 ID:Ml5t
曽根村「ヘルガのお気に入りというのはあなたですね。もう一度顔をよく見せてください」

昴「何だよ、オレはそんなに可愛くねーぞ」

曽根村「やはり……私が大嫌いな目をしている」

昴「悪党のあんたから言われんなら最高の褒め言葉だよ」

曽根村「ふふ……ですが……あなたみたいな目をした人が最後には勝つんでしょうね」

曽根村「……私もそろそろ限界です……最後に」

曽根村「人類をあんな奴らに渡さないでください……」

昴「ああ、約束するよ」

500: 24/06/05(水) 20:47:54 ID:Ml5t
曽根村「No.81……いや灰原。後はたのみ……ましたよ……」ガクッ

灰原「……ああ」



星梨花「そねむらさん……亡くなってしまったんでしょうか」

琴葉(自業自得といえばそれまでだけど……やりきれない)

権田「自分のやったことの責任取らないまま消えちまったか」

501: 24/06/05(水) 20:51:15 ID:Ml5t




502: 24/06/05(水) 20:53:31 ID:Ml5t
琴葉「曽根村の右手……これは貴方達に返すわ」

琴葉「貴方達はこれからどうするの?」

灰原「今さらお前達と同行は出来ない」

灰原「防衛局はこれからヘルガ総司令官の元で動く」

灰原「これからやることが山積みだ。お前達に構ってる暇はないだろうな」

503: 24/06/05(水) 20:58:51 ID:Ml5t
権田「俺もお前達を許すつもりなんてないが、一番憎んでたやつは居なくなっちまったし」

権田「今やることは争うことじゃないからな」

灰原「……最後に忠告しておく。我々が命令出来るのは警備兵のハタ人間だけだ。残りのこの島のハタ人間は奴らの手中にある」

瑞希「待ってください灰原さん。まだ聞きたいことが……」

灰原「後は自分で知るんだな」ザッ

504: 24/06/05(水) 21:02:54 ID:Ml5t
百合子「あの後私達は昴さんと瑞希さんと権田さんの治療をすることになりました」

百合子「全員重傷じゃないらしくみんな胸をなで下ろしています」

百合子「これから星梨花ちゃんと外部と連絡を取って救助を要請しないといけませんね」

百合子「……人類と宇宙人との戦いはまだ終わりそうにありません」



  昴「……怪奇ハタ人間?」   -完-

505: 24/06/05(水) 21:22:17 ID:yZRi
曽根村

防衛局局長で実はサイボーグ。
元々彼には野望があり局長に就いた理由も自分の軍隊を持ちたいがためであり
ハタ侵略に一早く気付いた時も素早く宇宙人と交渉し数人の部下を連れてハタ側に付いた
根っからの悪党だが人類としての尊厳はあり 自分達が侵略している間は人類には手を出さないでほしい と取り決めたことが後に大きな影響を与えることとなる

506: 24/06/05(水) 21:23:52 ID:yZRi
灰原

パライソタウンでも最高傑作と言われた戦闘用サイボーグ。
サイボーグ適合率が高いうえに彼自身元々戦闘訓練を従事していたのでそれらが噛みあいサイボーグの中では最強と称された。
本人も強さだけを求める修羅のような男。
曽根村も彼だけは手元に置きたかったらしく灰原も戦場を用意してくれた曽根村に感謝していたようだ。

引用: 昴「……怪奇ハタ人間?」