1: 2009/04/07(火) 11:00:37.33 ID:CX9rosOT0
キョン「奇遇ってことがあるか、お前が呼んだんだろう」
佐々木「あ、ああ、そういえばそうだったかな」
キョン「……」
佐々木「……」
キョン「大丈夫か?」
佐々木「な、なにがだい?」
キョン「いや、なんか具合が悪そうだぞ」
佐々木「そそ、そんなことはないよ、僕はいつもどおり元気さ」
キョン「ふむ」
キョン「(珍しく佐々木からのお誘いがあってSOS団の用事をすっぽかしてみたものの)」
キョン「(なんだかおかしな雰囲気だな)」
佐々木「あう」
佐々木「あ、ああ、そういえばそうだったかな」
キョン「……」
佐々木「……」
キョン「大丈夫か?」
佐々木「な、なにがだい?」
キョン「いや、なんか具合が悪そうだぞ」
佐々木「そそ、そんなことはないよ、僕はいつもどおり元気さ」
キョン「ふむ」
キョン「(珍しく佐々木からのお誘いがあってSOS団の用事をすっぽかしてみたものの)」
キョン「(なんだかおかしな雰囲気だな)」
佐々木「あう」
7: 2009/04/07(火) 11:06:43.40 ID:CX9rosOT0
キョン「なんでも良いが早く移動しないか?」
佐々木「?」
キョン「駅前は、その、やつらも来る頃だろうからな」
佐々木「ああ、涼宮さんたちかい?」
キョン「一応今日は体調が優れないってことにしてあるんだ、見つかると色々とまずい」
佐々木「そ、そうだね」
キョン「で、今日はどこに行くんだ?」
佐々木「え?」
キョン「なんか行きたいところあるんじゃないのか」
佐々木「いや、えーと……その」
キョン「……うわ、あれ長門じゃないか!まだ集合時間まで一時間はあるぞ?」
佐々木「え?え?」
キョン「ええい!とりあえずここを離れるぞ佐々木!」
ぎゅ
佐々木「あ……」
佐々木「?」
キョン「駅前は、その、やつらも来る頃だろうからな」
佐々木「ああ、涼宮さんたちかい?」
キョン「一応今日は体調が優れないってことにしてあるんだ、見つかると色々とまずい」
佐々木「そ、そうだね」
キョン「で、今日はどこに行くんだ?」
佐々木「え?」
キョン「なんか行きたいところあるんじゃないのか」
佐々木「いや、えーと……その」
キョン「……うわ、あれ長門じゃないか!まだ集合時間まで一時間はあるぞ?」
佐々木「え?え?」
キョン「ええい!とりあえずここを離れるぞ佐々木!」
ぎゅ
佐々木「あ……」
11: 2009/04/07(火) 11:12:49.05 ID:CX9rosOT0
~スマタバックスコーヒー~
店員「いらっしゃいませー」
キョン「ふー、とりあえずこれだけ離れればもう大丈夫だろう」
佐々木「あ、あの……キョン」
キョン「ん?」
佐々木「そそ、その……手が」
キョン「ああ、すまん引っ張ったりして。痛かったか」
佐々木「いや、そういうわけじゃ」
キョン「……?変なやつだな」
佐々木「……」
キョン「とりあえずコーヒーでも飲みながら今日の予定を考えるとするか」
佐々木「そ、そうだね」
店員「いらっしゃいませー」
キョン「ふー、とりあえずこれだけ離れればもう大丈夫だろう」
佐々木「あ、あの……キョン」
キョン「ん?」
佐々木「そそ、その……手が」
キョン「ああ、すまん引っ張ったりして。痛かったか」
佐々木「いや、そういうわけじゃ」
キョン「……?変なやつだな」
佐々木「……」
キョン「とりあえずコーヒーでも飲みながら今日の予定を考えるとするか」
佐々木「そ、そうだね」
13: 2009/04/07(火) 11:18:54.08 ID:CX9rosOT0
キョン「こんな天気のいい日に映画というのもなんだし」
佐々木「そうだね」
キョン「かといってただブラブラと散歩するというのも」
佐々木「ぼ、僕は悪くないと思うよ」
キョン「そうか?」
佐々木「い、いや、キョンが嫌なら別に……」
キョン「お前やっぱり熱でもあるんじゃないか」
佐々木「そ、そんなことないよ」
キョン「?」
佐々木「そうだね」
キョン「かといってただブラブラと散歩するというのも」
佐々木「ぼ、僕は悪くないと思うよ」
キョン「そうか?」
佐々木「い、いや、キョンが嫌なら別に……」
キョン「お前やっぱり熱でもあるんじゃないか」
佐々木「そ、そんなことないよ」
キョン「?」
14: 2009/04/07(火) 11:21:39.33 ID:CX9rosOT0
~一時間後~
キョン「うーん、このままダラダラと一日が過ぎてしまいそうだな」
佐々木「これはこれで……」
キョン「ん?なんか言ったか?」
佐々木「いや、別に」
キョン「そうか?うーむ、ああ、そうだ」
佐々木「?」
キョン「京都いくか、京都」
佐々木「え」
キョン「ここからなら電車で二時間くらいか、いけないことはないだろう」
佐々木「急だなあ」
キョン「二人で花見ってのも悪くないだろ、こんな季節だからな」
佐々木「ふ、二人で……」
キョン「?」
佐々木「……えへへ」
キョン「うーん、このままダラダラと一日が過ぎてしまいそうだな」
佐々木「これはこれで……」
キョン「ん?なんか言ったか?」
佐々木「いや、別に」
キョン「そうか?うーむ、ああ、そうだ」
佐々木「?」
キョン「京都いくか、京都」
佐々木「え」
キョン「ここからなら電車で二時間くらいか、いけないことはないだろう」
佐々木「急だなあ」
キョン「二人で花見ってのも悪くないだろ、こんな季節だからな」
佐々木「ふ、二人で……」
キョン「?」
佐々木「……えへへ」
15: 2009/04/07(火) 11:25:31.45 ID:CX9rosOT0
~店の前の通り~
ハルヒ「あー、私としたことが遅刻だわ」
ハルヒ「別にキョンが来ないからやる気がなくなったって訳じゃないけど」
ハルヒ「そもそもなんで今キョンのことなんか出てくるのよ」
ハルヒ「人の考えの中にまででしゃばってきて、うっとおしいったらないわ!」
ハルヒ「あれ、こんなとこに喫茶店なんかあったかしら?」
ハルヒ「ちょっとコーヒー買って行こうかな……ん」
ハルヒ「あれは……」
ハルヒ「あー、私としたことが遅刻だわ」
ハルヒ「別にキョンが来ないからやる気がなくなったって訳じゃないけど」
ハルヒ「そもそもなんで今キョンのことなんか出てくるのよ」
ハルヒ「人の考えの中にまででしゃばってきて、うっとおしいったらないわ!」
ハルヒ「あれ、こんなとこに喫茶店なんかあったかしら?」
ハルヒ「ちょっとコーヒー買って行こうかな……ん」
ハルヒ「あれは……」
21: 2009/04/07(火) 11:34:27.06 ID:CX9rosOT0
キョン「~~」
佐々木「~~」
ハルヒ「……」
ハルヒ「バカキョン……風邪引いたっていうから休ませてやったのに……」
ハルヒ「ほんとミジンコ程度に心配もしてたのに……」
ハルヒ「楽しそうにキャッキャウフフしやがって」
ハルヒ「ぐぐぐ……」
ハルヒ「今から店の中に乗り込んで引っ張り出してやろうかしら」
ハルヒ「……でもそれってなんかあたしが一方的に嫉妬してるみたいでかっこ悪いわね」
ハルヒ「そもそも嫉妬なんかこれっぽっちもしてないし」
ハルヒ「ふん、もうキョンとは口聞いてやらないわ!」
ハルヒ「あんなやつ、家で寂しくネコと遊んでるのがお似合いのくせに!」
キョン「!?」
佐々木「どうかしたのかい?」
キョン「いや、なんか今寒気が……」
佐々木「~~」
ハルヒ「……」
ハルヒ「バカキョン……風邪引いたっていうから休ませてやったのに……」
ハルヒ「ほんとミジンコ程度に心配もしてたのに……」
ハルヒ「楽しそうにキャッキャウフフしやがって」
ハルヒ「ぐぐぐ……」
ハルヒ「今から店の中に乗り込んで引っ張り出してやろうかしら」
ハルヒ「……でもそれってなんかあたしが一方的に嫉妬してるみたいでかっこ悪いわね」
ハルヒ「そもそも嫉妬なんかこれっぽっちもしてないし」
ハルヒ「ふん、もうキョンとは口聞いてやらないわ!」
ハルヒ「あんなやつ、家で寂しくネコと遊んでるのがお似合いのくせに!」
キョン「!?」
佐々木「どうかしたのかい?」
キョン「いや、なんか今寒気が……」
23: 2009/04/07(火) 11:41:38.80 ID:CX9rosOT0
キョン「とりあえず、電車に乗らなきゃな」
佐々木「駅に向かって大丈夫かい?」
キョン「ハルヒたちならもういないだろう、むしろ今のうちだ、出るぞ」
佐々木「あ、そうだ」
キョン「?」
佐々木「さっきのコーヒー代、まとめて払わせちゃったから、今渡しておくよ」
キョン「ああ、いいんだよそれくらい」
佐々木「でも」
キョン「いつもに比べりゃこんな出費たいしたことないさ、ほら財布しまっとけ」
佐々木「う、うん……」
キョン「それにお前みたいなかわいい子に金払わせてたんじゃあ周りの目が痛いからな」
佐々木「え?え?」
キョン「古泉なんか大絶賛だったぞ、お前のこと」
佐々木「あ、あの……うう」
キョン「さ、出るか」
佐々木「駅に向かって大丈夫かい?」
キョン「ハルヒたちならもういないだろう、むしろ今のうちだ、出るぞ」
佐々木「あ、そうだ」
キョン「?」
佐々木「さっきのコーヒー代、まとめて払わせちゃったから、今渡しておくよ」
キョン「ああ、いいんだよそれくらい」
佐々木「でも」
キョン「いつもに比べりゃこんな出費たいしたことないさ、ほら財布しまっとけ」
佐々木「う、うん……」
キョン「それにお前みたいなかわいい子に金払わせてたんじゃあ周りの目が痛いからな」
佐々木「え?え?」
キョン「古泉なんか大絶賛だったぞ、お前のこと」
佐々木「あ、あの……うう」
キョン「さ、出るか」
26: 2009/04/07(火) 11:46:55.71 ID:CX9rosOT0
~駅・改札口~
キョン「しかし本当に気分のよくなる天気だな」
キョン「空気も心なしかいつもよりうまい気がするし」
佐々木「ん、そうだ……ねえ」
キョン「どうかしたか?」
佐々木「いや、さっきからなんだか頭とか腰の辺りが妙にむず痒いというか」
キョン「なんだそりゃ?」
佐々木「こっちが聞きたいくらいだよ、ああ、鬱陶しいなあ」
キョン「虫にでもさされたのかね、大丈夫か?」
佐々木「うーん」
佐々木「……!?」
キョン「な、なんだ?」
佐々木「キョン……ひとつお願いがあるんだ」
キョン「?」
佐々木「やっぱりあっちのホームに……」
キョン「しかし本当に気分のよくなる天気だな」
キョン「空気も心なしかいつもよりうまい気がするし」
佐々木「ん、そうだ……ねえ」
キョン「どうかしたか?」
佐々木「いや、さっきからなんだか頭とか腰の辺りが妙にむず痒いというか」
キョン「なんだそりゃ?」
佐々木「こっちが聞きたいくらいだよ、ああ、鬱陶しいなあ」
キョン「虫にでもさされたのかね、大丈夫か?」
佐々木「うーん」
佐々木「……!?」
キョン「な、なんだ?」
佐々木「キョン……ひとつお願いがあるんだ」
キョン「?」
佐々木「やっぱりあっちのホームに……」
28: 2009/04/07(火) 11:50:28.35 ID:CX9rosOT0
キョン「あっち?あっちってお前、反対方向じゃないか」
佐々木「……」
キョン「家に帰ろうってのか?」
佐々木「……うん」
キョン「そんなに具合、悪いのか?ならまず病院によってから」
佐々木「早く帰ろう、キョン」
キョン「佐々木……」
佐々木「帰るというか、君の家の方が都合がいいのかもしれない」
キョン「?」
佐々木「と、とにかく早く!」
キョン「おい、なんだ急にフードなんか被って?」
佐々木「あとで説明するよ、だから早く」
キョン「変なやつだな……下向いちゃって」
佐々木「……」
キョン「家に帰ろうってのか?」
佐々木「……うん」
キョン「そんなに具合、悪いのか?ならまず病院によってから」
佐々木「早く帰ろう、キョン」
キョン「佐々木……」
佐々木「帰るというか、君の家の方が都合がいいのかもしれない」
キョン「?」
佐々木「と、とにかく早く!」
キョン「おい、なんだ急にフードなんか被って?」
佐々木「あとで説明するよ、だから早く」
キョン「変なやつだな……下向いちゃって」
35: 2009/04/07(火) 11:58:12.05 ID:CX9rosOT0
~キョン自宅~
キョン「ただいまー、って誰もいないのか」
佐々木「その方がありがたいよ」
キョン「え?お、お前何を言って」
佐々木「これからのことを考えると、すごく頭がいたいな……」
キョン「???」
佐々木「……」
キョン「と、とりあえず何か飲み物でも用意してくるから部屋で待っててくれ」
佐々木「うん、ありがとう」
キョン「ただいまー、って誰もいないのか」
佐々木「その方がありがたいよ」
キョン「え?お、お前何を言って」
佐々木「これからのことを考えると、すごく頭がいたいな……」
キョン「???」
佐々木「……」
キョン「と、とりあえず何か飲み物でも用意してくるから部屋で待っててくれ」
佐々木「うん、ありがとう」
37: 2009/04/07(火) 12:02:14.32 ID:CX9rosOT0
佐々木「さて」
キョン「な、なんだ」
佐々木「そろそろこのフードをとっても大丈夫かな」
キョン「?」
佐々木「キョン、鏡あるかい?」
キョン「あ、ああ」
佐々木「自分でもちょっとどうなってるか詳しく知りたいからね」
キョン「ほら、これでいいか」
佐々木「ありがとう、よいしょっと」
バサ
キョン「!」
佐々木「……ああ、やっぱり」
キョン「な、ななななな」
佐々木「こんな格好じゃ、お花見にいけないのもわかってもらえたかな?」
キョン「な、なんだ」
佐々木「そろそろこのフードをとっても大丈夫かな」
キョン「?」
佐々木「キョン、鏡あるかい?」
キョン「あ、ああ」
佐々木「自分でもちょっとどうなってるか詳しく知りたいからね」
キョン「ほら、これでいいか」
佐々木「ありがとう、よいしょっと」
バサ
キョン「!」
佐々木「……ああ、やっぱり」
キョン「な、ななななな」
佐々木「こんな格好じゃ、お花見にいけないのもわかってもらえたかな?」
41: 2009/04/07(火) 12:08:11.89 ID:CX9rosOT0
trrrrrrrrr、trrrrrrrrr
キョン「……」
佐々木「キョン、電話がなってるよ」
キョン「それどころの騒ぎじゃないだろう」
キョン「(そうだ、どうせこういうのはいつだって……)」
キョン「!」
佐々木「涼宮さんからじゃないかな」
キョン「……だろうな」
ポチ
キョン「もしもし」
ハルヒ『あーら、キョン。風邪で氏にそうな割には元気そうな声ね』
キョン「悪かったな」
ハルヒ「ふん、あんたやっぱり大根役者ね!」
キョン「何の話だよ」
ハルヒ「ふん、もう二度と不思議探索には呼ばないから、家で猫の世話でもしてなさい!」
キョン「……」
佐々木「キョン、電話がなってるよ」
キョン「それどころの騒ぎじゃないだろう」
キョン「(そうだ、どうせこういうのはいつだって……)」
キョン「!」
佐々木「涼宮さんからじゃないかな」
キョン「……だろうな」
ポチ
キョン「もしもし」
ハルヒ『あーら、キョン。風邪で氏にそうな割には元気そうな声ね』
キョン「悪かったな」
ハルヒ「ふん、あんたやっぱり大根役者ね!」
キョン「何の話だよ」
ハルヒ「ふん、もう二度と不思議探索には呼ばないから、家で猫の世話でもしてなさい!」
42: 2009/04/07(火) 12:10:48.72 ID:CX9rosOT0
ブツッ
キョン「……ねこ?」
佐々木「?」
キョン「今、ハルヒはネコっていったぞ」
佐々木「え?ネコ?」
キョン「……」
佐々木「……」
キョン「なあ」
佐々木「……うーん」
キョン「この耳といい、しっぽといい」
佐々木「僕は犬だと思ったんだけどね」
キョン「いや、俺にもそう見えるぞ」
佐々木「うーん」
キョン「うーん」
キョン「……ねこ?」
佐々木「?」
キョン「今、ハルヒはネコっていったぞ」
佐々木「え?ネコ?」
キョン「……」
佐々木「……」
キョン「なあ」
佐々木「……うーん」
キョン「この耳といい、しっぽといい」
佐々木「僕は犬だと思ったんだけどね」
キョン「いや、俺にもそう見えるぞ」
佐々木「うーん」
キョン「うーん」
46: 2009/04/07(火) 12:18:37.91 ID:CX9rosOT0
キョン「……まあ」
佐々木「?」
キョン「佐々木はどっちかっていうと犬って感じだからな」
佐々木「なんだいそれ」
キョン「いや、いるだろ?犬っぽいやつと猫っぽいやつって」
佐々木「僕は犬かい?まあ、嫌いじゃないけど」
キョン「猫っていうともっとわがままできまぐれな、そう、ハルヒみたいなやつだな」
佐々木「うーん、わからなくもないかなあ」
キョン「しかしだな」
佐々木「?」
キョン「……」
佐々木「き、キョン?」
キョン「これは、その、なんだ」
佐々木「……あの」
キョン「ちょっと写真とっていいか」
佐々木「?」
キョン「佐々木はどっちかっていうと犬って感じだからな」
佐々木「なんだいそれ」
キョン「いや、いるだろ?犬っぽいやつと猫っぽいやつって」
佐々木「僕は犬かい?まあ、嫌いじゃないけど」
キョン「猫っていうともっとわがままできまぐれな、そう、ハルヒみたいなやつだな」
佐々木「うーん、わからなくもないかなあ」
キョン「しかしだな」
佐々木「?」
キョン「……」
佐々木「き、キョン?」
キョン「これは、その、なんだ」
佐々木「……あの」
キョン「ちょっと写真とっていいか」
48: 2009/04/07(火) 12:22:25.26 ID:CX9rosOT0
佐々木「確かに、記念に一枚撮っておくのもいいかもしれない」
キョン「そうだろう、そうだろう」
佐々木「じゃあ、僕の携帯で撮っておくれよ」
キョン「え?」
佐々木「キョンの携帯で撮って送ってもらうより手間が省けていいよ、そのほうが」
キョン「いや、それだと俺の手元に写真が残らないじゃないか」
佐々木「?」
佐々木「僕の写真なんかとっといてどうするのさ」
キョン「そ、それは色々とだな」
佐々木「……な、なんかやな予感がするからやめておくよ」
キョン「そ、そうか……」
キョン「そうだろう、そうだろう」
佐々木「じゃあ、僕の携帯で撮っておくれよ」
キョン「え?」
佐々木「キョンの携帯で撮って送ってもらうより手間が省けていいよ、そのほうが」
キョン「いや、それだと俺の手元に写真が残らないじゃないか」
佐々木「?」
佐々木「僕の写真なんかとっといてどうするのさ」
キョン「そ、それは色々とだな」
佐々木「……な、なんかやな予感がするからやめておくよ」
キョン「そ、そうか……」
51: 2009/04/07(火) 12:29:56.08 ID:CX9rosOT0
佐々木「そんなことよりも、僕はこれからどうしたらいいんだろう」
キョン「まあ、一生そのままってことはないと思うが」
佐々木「これじゃ外にも出られないし、何より……」
キョン「何より?」
佐々木「考えたくないことだけど、少しずつ自分が犬に近づいていってるようで」
キョン「なに?」
佐々木「さっきからなんだかやたらと匂いに敏感になっててね」
キョン「え、く、臭いか?俺の部屋」
佐々木「いや、そういうわけではないんだよ?」
キョン「わー!わー!ファブリーズ!ファブリーズ!」
佐々木「むしろ……って聞いてないね」
キョン「シュシュッと消臭!消臭!」
佐々木「わあ!やめてくれ!急にそんな香りの強いもの撒かれたら鼻が曲がる!」
キョン「す、すまん……つい取り乱してしまった」
キョン「まあ、一生そのままってことはないと思うが」
佐々木「これじゃ外にも出られないし、何より……」
キョン「何より?」
佐々木「考えたくないことだけど、少しずつ自分が犬に近づいていってるようで」
キョン「なに?」
佐々木「さっきからなんだかやたらと匂いに敏感になっててね」
キョン「え、く、臭いか?俺の部屋」
佐々木「いや、そういうわけではないんだよ?」
キョン「わー!わー!ファブリーズ!ファブリーズ!」
佐々木「むしろ……って聞いてないね」
キョン「シュシュッと消臭!消臭!」
佐々木「わあ!やめてくれ!急にそんな香りの強いもの撒かれたら鼻が曲がる!」
キョン「す、すまん……つい取り乱してしまった」
57: 2009/04/07(火) 12:34:53.91 ID:CX9rosOT0
キョン「ま、まあ……悩んでいても仕方ないだろう」
佐々木「そ、そうだね」
キョン「もし大変な事態になったら長門を呼ぶから、今はとりあえずうちでゆっくりしててくれ」
佐々木「ご好意に甘えさせてもらうわん!」
キョン「……さ、佐々木?」
佐々木「僕は一体なにを……」
キョン「き、気を落とすな、一時的なものだ」
佐々木「そうだといいんだけれど」
キョン「それよりもう一回わん!っていってみてくれないか」
佐々木「……きみちょっと面白がってないかい?」
キョン「ハハハ、こやつめ」
佐々木「そ、そうだね」
キョン「もし大変な事態になったら長門を呼ぶから、今はとりあえずうちでゆっくりしててくれ」
佐々木「ご好意に甘えさせてもらうわん!」
キョン「……さ、佐々木?」
佐々木「僕は一体なにを……」
キョン「き、気を落とすな、一時的なものだ」
佐々木「そうだといいんだけれど」
キョン「それよりもう一回わん!っていってみてくれないか」
佐々木「……きみちょっと面白がってないかい?」
キョン「ハハハ、こやつめ」
64: 2009/04/07(火) 12:50:07.32 ID:CX9rosOT0
キョン「……」
佐々木「うー」
キョン「なあ、もしかして」
佐々木「そうだよ、この体勢の方がなんか落ち着くのさ」
キョン「……いや、まあ寝転んでてくれてかまわないんだがな」
佐々木「言ってみれば伏せみたいなもんだよ、あーあ」
キョン「ちょっと自暴自棄になってないか?」
佐々木「そんなことないわん」
キョン「………」
佐々木「今のは笑うところだよ、キョン」
キョン「そ、そうか」
佐々木「うー」
キョン「なあ、もしかして」
佐々木「そうだよ、この体勢の方がなんか落ち着くのさ」
キョン「……いや、まあ寝転んでてくれてかまわないんだがな」
佐々木「言ってみれば伏せみたいなもんだよ、あーあ」
キョン「ちょっと自暴自棄になってないか?」
佐々木「そんなことないわん」
キョン「………」
佐々木「今のは笑うところだよ、キョン」
キョン「そ、そうか」
69: 2009/04/07(火) 12:58:03.75 ID:CX9rosOT0
佐々木「はー」
ぴょこ、ぴょこ
キョン「……」
佐々木「うー」
もふもふ
キョン「……」
佐々木「どうしたんだい、キョン。黙っちゃってさ」
キョン「耳といい、しっぽといい……見てると飽きないな」
なでなで
佐々木「ふにゃ!?」
キョン「す、すまん……つい頭をなでたくなって……」
佐々木「うー、ペット扱いだな、ひどいよキョン」
キョン「その割にはしっぽがぶんぶんなってるぞ」
佐々木「や!?ち、違うんだ、これはっ……その、自分の意志とは別に……あうう」
ぴょこ、ぴょこ
キョン「……」
佐々木「うー」
もふもふ
キョン「……」
佐々木「どうしたんだい、キョン。黙っちゃってさ」
キョン「耳といい、しっぽといい……見てると飽きないな」
なでなで
佐々木「ふにゃ!?」
キョン「す、すまん……つい頭をなでたくなって……」
佐々木「うー、ペット扱いだな、ひどいよキョン」
キョン「その割にはしっぽがぶんぶんなってるぞ」
佐々木「や!?ち、違うんだ、これはっ……その、自分の意志とは別に……あうう」
75: 2009/04/07(火) 13:09:00.89 ID:CX9rosOT0
佐々木「そ、それはおいといて!」
キョン「えー」
佐々木「ねえキョン、おなかすかないかい?」
キョン「ん、そういわれてみればそんな時間だな」
佐々木「人の家でこんなこと言うのはおこがましいかもしれないけれど」
キョン「うーん、今家に飯になりそうなものはなさそうだから、何か頼むか」
佐々木「悪いね、どうも」
キョン「いや、その格好で外に食べに行くことの方が俺は怖い」
佐々木「それはたしかに」
キョン「えー」
佐々木「ねえキョン、おなかすかないかい?」
キョン「ん、そういわれてみればそんな時間だな」
佐々木「人の家でこんなこと言うのはおこがましいかもしれないけれど」
キョン「うーん、今家に飯になりそうなものはなさそうだから、何か頼むか」
佐々木「悪いね、どうも」
キョン「いや、その格好で外に食べに行くことの方が俺は怖い」
佐々木「それはたしかに」
78: 2009/04/07(火) 13:12:57.20 ID:CX9rosOT0
佐々木「……ねえ、キョン」
キョン「んー、どうした」
ポリポリ
佐々木「店屋物が届くまで口寂しいからお菓子を食べようっていう発想は素晴らしいと思う」
キョン「そうだろう」
佐々木「僕もポテトチップスは好きだし」
キョン「そうだろうそうだろう」
佐々木「でもさ……これも弊害なのかな」
キョン「?」
佐々木「その、うまく手が使えないんだけれど……」
キョン「!?」
佐々木「うう……」
キョン「そんなところまで忠実に」
佐々木「その、悪いんだけど……た、たた、食べさせてくれないかな」
キョン「……そ、その、あれだ……目を潤ませながら上目使いでそういうことを言われると……いや、なんでもない」
キョン「んー、どうした」
ポリポリ
佐々木「店屋物が届くまで口寂しいからお菓子を食べようっていう発想は素晴らしいと思う」
キョン「そうだろう」
佐々木「僕もポテトチップスは好きだし」
キョン「そうだろうそうだろう」
佐々木「でもさ……これも弊害なのかな」
キョン「?」
佐々木「その、うまく手が使えないんだけれど……」
キョン「!?」
佐々木「うう……」
キョン「そんなところまで忠実に」
佐々木「その、悪いんだけど……た、たた、食べさせてくれないかな」
キョン「……そ、その、あれだ……目を潤ませながら上目使いでそういうことを言われると……いや、なんでもない」
84: 2009/04/07(火) 13:22:21.60 ID:CX9rosOT0
キョン「ほ、ほれ……あーん」
佐々木「……あ、あーん」
キョン「……恥ずかしいな、これ」
佐々木「そ、そうだね」
キョン「も、もう一枚食べるか」
佐々木「も、もらおうかな」
キョン「ほら」
佐々木「あー」
ぱりぱり
佐々木「お、おいしいね」
キョン「(いろんな意味でな……)」
佐々木「……あ、あーん」
キョン「……恥ずかしいな、これ」
佐々木「そ、そうだね」
キョン「も、もう一枚食べるか」
佐々木「も、もらおうかな」
キョン「ほら」
佐々木「あー」
ぱりぱり
佐々木「お、おいしいね」
キョン「(いろんな意味でな……)」
89: 2009/04/07(火) 13:28:34.06 ID:CX9rosOT0
キョン「しっかし昨今のテレビはまったく面白みがないなあ」
佐々木「まあ、日曜の昼間だからね」
キョン「まだ通販番組の方が面白いくらいだ」
佐々木「すまないね、僕に付き合ったばっかりにこんな……」
キョン「いや、いいさ……たまにはこうやってゆっくりする休日もないとな」
佐々木「そういって貰えると助かるよ」
ぺろ
キョン「!?」
佐々木「え?あ!?ご、ごめん!!つい、自分で食べてるものだと思って……わあああああ」
キョン「(佐々木に指舐められた佐々木に指舐められた佐々木に指舐められた)」
佐々木「まあ、日曜の昼間だからね」
キョン「まだ通販番組の方が面白いくらいだ」
佐々木「すまないね、僕に付き合ったばっかりにこんな……」
キョン「いや、いいさ……たまにはこうやってゆっくりする休日もないとな」
佐々木「そういって貰えると助かるよ」
ぺろ
キョン「!?」
佐々木「え?あ!?ご、ごめん!!つい、自分で食べてるものだと思って……わあああああ」
キョン「(佐々木に指舐められた佐々木に指舐められた佐々木に指舐められた)」
94: 2009/04/07(火) 13:38:05.11 ID:CX9rosOT0
キョン「佐々木、コップ空だな。お茶もっと飲むか?」
佐々木「……いいよ、もう飲めないから」
キョン「あー……なるほど」
佐々木「なんか本当にへこむね、これは」
キョン「なんかスープ皿かなんかに移すか?」
佐々木「確かにそれなら飲めるけど、それだけは嫌だな」
キョン「ま、それもそうか……なら、ほれ」
佐々木「うわ、わわわ、キョン!?ななな、なにを」
キョン「なにってお前、俺が飲ませてやればコップでも飲めるだろ」
佐々木「だだ、だからって何もこんな抱きかかえなくても」
キョン「変な体勢で床にこぼすよりはマシだろうに」
佐々木「でも、これは……その」
佐々木「……お姫様抱っこじゃないか」
キョン「言うな!恥ずかしくなるだろ!」
佐々木「……いいよ、もう飲めないから」
キョン「あー……なるほど」
佐々木「なんか本当にへこむね、これは」
キョン「なんかスープ皿かなんかに移すか?」
佐々木「確かにそれなら飲めるけど、それだけは嫌だな」
キョン「ま、それもそうか……なら、ほれ」
佐々木「うわ、わわわ、キョン!?ななな、なにを」
キョン「なにってお前、俺が飲ませてやればコップでも飲めるだろ」
佐々木「だだ、だからって何もこんな抱きかかえなくても」
キョン「変な体勢で床にこぼすよりはマシだろうに」
佐々木「でも、これは……その」
佐々木「……お姫様抱っこじゃないか」
キョン「言うな!恥ずかしくなるだろ!」
133: 2009/04/07(火) 14:40:15.07 ID:CX9rosOT0
佐々木「あ、ありがとうキョン……もういいよ」
キョン「そうか?」
ぱたぱた
佐々木「しっぽのことはもう言わないでほしいな、自分じゃどうにもできないんだから」
ぱたぱた
キョン「かわいいなあ」
佐々木「!?」
キョン「え?あ、いや、しっぽがな?」
佐々木「……そ、そうかい」
ぱたぱたぱたぱたぱた
キョン「もうちょっとこのままでいいか?」
佐々木「ええ!?」
キョン「なんか癒されるんだよなあ」
佐々木「わう……」
キョン「そうか?」
ぱたぱた
佐々木「しっぽのことはもう言わないでほしいな、自分じゃどうにもできないんだから」
ぱたぱた
キョン「かわいいなあ」
佐々木「!?」
キョン「え?あ、いや、しっぽがな?」
佐々木「……そ、そうかい」
ぱたぱたぱたぱたぱた
キョン「もうちょっとこのままでいいか?」
佐々木「ええ!?」
キョン「なんか癒されるんだよなあ」
佐々木「わう……」
135: 2009/04/07(火) 14:47:11.23 ID:CX9rosOT0
キョン「よしよし」
佐々木「……うう」
キョン「はー、平穏な休日だ。素晴らしいな」
佐々木「……」
キョン「……」
佐々木「くんくん」
キョン「うわわ、なんだ?もしかして俺臭いか?」
佐々木「いや、そうじゃなくて……犬になってから気になる匂いは嗅がずにいられないというか」
キョン「ちょっと風呂入ってくる」
佐々木「だから違うっていうのに!嗅いでると、こう、落ち着くんだよ……この匂い」
キョン「……」
佐々木「あ、ああ、変な意味じゃないんだ!ただ、その……」
キョン「(俺は変な意味でも一向に構わん)」
佐々木「……うう」
キョン「はー、平穏な休日だ。素晴らしいな」
佐々木「……」
キョン「……」
佐々木「くんくん」
キョン「うわわ、なんだ?もしかして俺臭いか?」
佐々木「いや、そうじゃなくて……犬になってから気になる匂いは嗅がずにいられないというか」
キョン「ちょっと風呂入ってくる」
佐々木「だから違うっていうのに!嗅いでると、こう、落ち着くんだよ……この匂い」
キョン「……」
佐々木「あ、ああ、変な意味じゃないんだ!ただ、その……」
キョン「(俺は変な意味でも一向に構わん)」
151: 2009/04/07(火) 15:14:36.78 ID:CX9rosOT0
佐々木「……」
キョン「……」
佐々木「んん」
すりすり
キョン「!?」
佐々木「あ、ああ!?いや、違うんだ、なんだか気を抜くと体が勝手に」
キョン「ニヤニヤ」
佐々木「なんだいその顔は!僕だって好きでこんな風になってるわけじゃ」
キョン「まあまあ」
なでなで
佐々木「きゅーん」
キョン「……」
佐々木「んん」
すりすり
キョン「!?」
佐々木「あ、ああ!?いや、違うんだ、なんだか気を抜くと体が勝手に」
キョン「ニヤニヤ」
佐々木「なんだいその顔は!僕だって好きでこんな風になってるわけじゃ」
キョン「まあまあ」
なでなで
佐々木「きゅーん」
159: 2009/04/07(火) 15:35:55.99 ID:CX9rosOT0
佐々木「……」
キョン「そう怒るなよ、なあ」
佐々木「……別に怒ってはいないんだがね」
キョン「?」
佐々木「その、あんまり優しくされると、犬だから……」
キョン「犬だから?」
佐々木「……あ、甘えたくてしょうがなくなるんだ」
キョン「……」
佐々木「だからもう頭なでるのはおしまいにしてほしいな」
キョン「……」
なでなで
佐々木「キョン!話を聞いてなかっ……ふにゃ」
キョン「聞いていたとも」
佐々木「(も、もう限界だ……)」
キョン「そう怒るなよ、なあ」
佐々木「……別に怒ってはいないんだがね」
キョン「?」
佐々木「その、あんまり優しくされると、犬だから……」
キョン「犬だから?」
佐々木「……あ、甘えたくてしょうがなくなるんだ」
キョン「……」
佐々木「だからもう頭なでるのはおしまいにしてほしいな」
キョン「……」
なでなで
佐々木「キョン!話を聞いてなかっ……ふにゃ」
キョン「聞いていたとも」
佐々木「(も、もう限界だ……)」
164: 2009/04/07(火) 15:41:20.61 ID:CX9rosOT0
がばっ
キョン「!?」
佐々木「キョンが悪いんだぞ……だめだっていうのに」
キョン「お、おい……佐々木?」
佐々木「そんなに優しくされたら、懐くに決まってるじゃないか……僕は犬だよ?」
キョン「お、落ち着け」
佐々木「キョン……僕のご主人様」
キョン「正気かお前は!?」
佐々木「んふ……」
ぺろぺろ
キョン「わ、わあ!頬をなめるな!」
すりすり
佐々木「わうー」
キョン「わ、わるかった!俺が悪かったから!!」
キョン「!?」
佐々木「キョンが悪いんだぞ……だめだっていうのに」
キョン「お、おい……佐々木?」
佐々木「そんなに優しくされたら、懐くに決まってるじゃないか……僕は犬だよ?」
キョン「お、落ち着け」
佐々木「キョン……僕のご主人様」
キョン「正気かお前は!?」
佐々木「んふ……」
ぺろぺろ
キョン「わ、わあ!頬をなめるな!」
すりすり
佐々木「わうー」
キョン「わ、わるかった!俺が悪かったから!!」
225: 2009/04/07(火) 18:31:45.06 ID:CX9rosOT0
佐々木「んふー」
キョン「おい、ちょっといいかげんに」
佐々木「まだこの口はそんなことを言うのかい?」
キョン「いいからどきなさい、重たいから」
佐々木「……僕だって女の子なんだぞ、失礼だな」
キョン「犬じゃなかったのか、今は」
佐々木「どっちでもいいよ。キョン、僕のことぎゅーってしてくれ」
キョン「……」
佐々木「ぎゅーって」
キョン「あのな」
がばっ
佐々木「わ!?」
キョン「お前が女の子なら、俺は男の子なんだぞ」
キョン「これ、意味わかるか?」
キョン「おい、ちょっといいかげんに」
佐々木「まだこの口はそんなことを言うのかい?」
キョン「いいからどきなさい、重たいから」
佐々木「……僕だって女の子なんだぞ、失礼だな」
キョン「犬じゃなかったのか、今は」
佐々木「どっちでもいいよ。キョン、僕のことぎゅーってしてくれ」
キョン「……」
佐々木「ぎゅーって」
キョン「あのな」
がばっ
佐々木「わ!?」
キョン「お前が女の子なら、俺は男の子なんだぞ」
キョン「これ、意味わかるか?」
237: 2009/04/07(火) 18:53:17.44 ID:CX9rosOT0
佐々木「……」
キョン「俺も少し悪ふざけが過ぎたが、お前もお前だ」
佐々木「悪かったよ、キョン……」
しゅーん
キョン「う、その捨てられた子犬のような目はよしてくれ」
佐々木「僕なんか部屋の隅っこで靴下の繊維の数を数えてればいいんだ」
とぼとぼ
キョン「卑屈すぎやしないか、それは」
佐々木「……」
キョン「ぐぐ……」
佐々木「1,2,3……」
キョン「(本当に数えだしやがった)」
キョン「俺も少し悪ふざけが過ぎたが、お前もお前だ」
佐々木「悪かったよ、キョン……」
しゅーん
キョン「う、その捨てられた子犬のような目はよしてくれ」
佐々木「僕なんか部屋の隅っこで靴下の繊維の数を数えてればいいんだ」
とぼとぼ
キョン「卑屈すぎやしないか、それは」
佐々木「……」
キョン「ぐぐ……」
佐々木「1,2,3……」
キョン「(本当に数えだしやがった)」
247: 2009/04/07(火) 19:12:02.19 ID:CX9rosOT0
キョン「なんかお前犬化してから精神年齢まで下がってないか?」
佐々木「24,25,26……」
キョン「おーい、ノックしてもしもーし」
佐々木「なんだいキョン、今僕は忙しいんだ」
キョン「あのなあ」
佐々木「……」
キョン「……はあ」
キョン「ほれ、こっちこい」
佐々木「わうー♪」
すりすり
佐々木「んふー」
キョン「あ、あんまりくっつきすぎるなよ」
佐々木「こうやって優しいからキョンのこと好きなんだ」
キョン「な、ななな」
佐々木「え?あ!?ち、違うよ?その、あの、友人としてってことさ!たた、他意はないよ!」
佐々木「24,25,26……」
キョン「おーい、ノックしてもしもーし」
佐々木「なんだいキョン、今僕は忙しいんだ」
キョン「あのなあ」
佐々木「……」
キョン「……はあ」
キョン「ほれ、こっちこい」
佐々木「わうー♪」
すりすり
佐々木「んふー」
キョン「あ、あんまりくっつきすぎるなよ」
佐々木「こうやって優しいからキョンのこと好きなんだ」
キョン「な、ななな」
佐々木「え?あ!?ち、違うよ?その、あの、友人としてってことさ!たた、他意はないよ!」
252: 2009/04/07(火) 19:28:47.02 ID:CX9rosOT0
trrrrrrrrr、trrrrrrrrrr
キョン「もしもし、長門か」
長門「何」
キョン「少し困った事態になってるんだ、助けてくれないか」
長門「状況を」
キョン「その、佐々木がだな、犬になってしまって」
長門「そう」
キョン「まったく驚かないな、お前は本当に」
長門「あなたと涼宮ハルヒの周囲では、何が起こっても不思議ではない」
キョン「そうなんだけどな。で、どうしたら佐々木を元に戻せるのか、わかるか」
長門「もう先程からやっている。しかし状況改善の目処が立たない」
キョン「え」
長門「対象に関する情報が対象自身によってプロテクトされている。現在改変することは不可能」
キョン「なに?」
佐々木「わふー」
キョン「もしもし、長門か」
長門「何」
キョン「少し困った事態になってるんだ、助けてくれないか」
長門「状況を」
キョン「その、佐々木がだな、犬になってしまって」
長門「そう」
キョン「まったく驚かないな、お前は本当に」
長門「あなたと涼宮ハルヒの周囲では、何が起こっても不思議ではない」
キョン「そうなんだけどな。で、どうしたら佐々木を元に戻せるのか、わかるか」
長門「もう先程からやっている。しかし状況改善の目処が立たない」
キョン「え」
長門「対象に関する情報が対象自身によってプロテクトされている。現在改変することは不可能」
キョン「なに?」
佐々木「わふー」
258: 2009/04/07(火) 19:43:05.15 ID:CX9rosOT0
キョン「……」
佐々木「はあ、このまま元に戻らなかったらどうしよう」
キョン「……」
佐々木「というか、本当の犬になったら僕は……」
佐々木「ねえキョン、その時はきみが飼ってくれるかい?」
キョン「何をバカなことを言ってんだ、お前は」
佐々木「でも僕は」
キョン「……」
佐々木「正直に言うよ、僕、少しだけこのままでもいいかもしれない、って思ったんだ」
キョン「おいおい……」
佐々木「高校に進学して、それなりに楽しい毎日を送っているけど、ふと気がつくと昔のことばかり思い出すんだ」
佐々木「だから君と再会した時はすごく嬉しかったし、今だってすごく楽しい」
佐々木「このままこうやって時間が過ぎていけば、それはひとつの幸せなのかもしれない、ってそんな気がするのさ」
キョン「佐々木……」
佐々木「はあ、このまま元に戻らなかったらどうしよう」
キョン「……」
佐々木「というか、本当の犬になったら僕は……」
佐々木「ねえキョン、その時はきみが飼ってくれるかい?」
キョン「何をバカなことを言ってんだ、お前は」
佐々木「でも僕は」
キョン「……」
佐々木「正直に言うよ、僕、少しだけこのままでもいいかもしれない、って思ったんだ」
キョン「おいおい……」
佐々木「高校に進学して、それなりに楽しい毎日を送っているけど、ふと気がつくと昔のことばかり思い出すんだ」
佐々木「だから君と再会した時はすごく嬉しかったし、今だってすごく楽しい」
佐々木「このままこうやって時間が過ぎていけば、それはひとつの幸せなのかもしれない、ってそんな気がするのさ」
キョン「佐々木……」
270: 2009/04/07(火) 20:09:17.60 ID:CX9rosOT0
なでなで
佐々木「あ……」
キョン「佐々木、いいか?ちょっと聞いてくれ」
キョン「一生犬のままで楽しいなんてわけがあるか?」
キョン「別に俺達は今生の別れって訳じゃないだろう?」
キョン「別に会う機会なんかいつだってつくればいい。今日だってこうして会ってるわけだ」
キョン「後ろ向きなお前なんかお前らしくないぞ、ほら、顔を上げろ」
佐々木「……」
キョン「たしかにあの頃は楽しかったな、いや、俺はもう塾で勉強なんかこりごりだが」
キョン「でも、これからだってもっと面白い世界が広がってる」
キョン「俺はそれにこの一年で気がついたし、お前だって気がついてるんじゃないか?」
キョン「だからなんだ、その……ああ、俺は一体何を臭いことを」
佐々木「……くつくつくつ、きみは変わらないねえ」
キョン「あー」
佐々木「あ……」
キョン「佐々木、いいか?ちょっと聞いてくれ」
キョン「一生犬のままで楽しいなんてわけがあるか?」
キョン「別に俺達は今生の別れって訳じゃないだろう?」
キョン「別に会う機会なんかいつだってつくればいい。今日だってこうして会ってるわけだ」
キョン「後ろ向きなお前なんかお前らしくないぞ、ほら、顔を上げろ」
佐々木「……」
キョン「たしかにあの頃は楽しかったな、いや、俺はもう塾で勉強なんかこりごりだが」
キョン「でも、これからだってもっと面白い世界が広がってる」
キョン「俺はそれにこの一年で気がついたし、お前だって気がついてるんじゃないか?」
キョン「だからなんだ、その……ああ、俺は一体何を臭いことを」
佐々木「……くつくつくつ、きみは変わらないねえ」
キョン「あー」
272: 2009/04/07(火) 20:17:19.81 ID:CX9rosOT0
佐々木「くつくつくつ」
キョン「失礼な、俺だって成長くらいするぞ!」
佐々木「……うん、そうだね」
キョン「え」
佐々木「すごく、かっこよくなったよ、きみは」
キョン「……照れるじゃないか」
佐々木「嬉しいくせに、しっぽ振ってるぞ」
キョン「俺にはねーよ!」
佐々木「くつくつくつ」
キョン「……あ」
しゅーん
佐々木「耳としっぽがだんだん縮んで……」
キョン「(長門のやつ、うまくやったな)」
キョン「失礼な、俺だって成長くらいするぞ!」
佐々木「……うん、そうだね」
キョン「え」
佐々木「すごく、かっこよくなったよ、きみは」
キョン「……照れるじゃないか」
佐々木「嬉しいくせに、しっぽ振ってるぞ」
キョン「俺にはねーよ!」
佐々木「くつくつくつ」
キョン「……あ」
しゅーん
佐々木「耳としっぽがだんだん縮んで……」
キョン「(長門のやつ、うまくやったな)」
280: 2009/04/07(火) 20:34:12.74 ID:CX9rosOT0
佐々木「今日は楽しかったよ、キョン」
キョン「今まであったものがなくなると思うと少し名残惜しいな」
佐々木「きみは今更そんなことを言うのかい?」
キョン「冗談だよ、冗談」
佐々木「まあ、でも一日ペットも悪くなかったかな」
キョン「そうかい」
佐々木「最後にご主人様に今日のお礼だよ」
キョン「え……ちょ」
ちゅ
佐々木「……」
キョン「……あ、あのー」
佐々木「……よし、耳も元通りだ。今日はこれでお暇するよ、キョン」
キョン「……」
キョン「帰っちゃった」
キョン「今まであったものがなくなると思うと少し名残惜しいな」
佐々木「きみは今更そんなことを言うのかい?」
キョン「冗談だよ、冗談」
佐々木「まあ、でも一日ペットも悪くなかったかな」
キョン「そうかい」
佐々木「最後にご主人様に今日のお礼だよ」
キョン「え……ちょ」
ちゅ
佐々木「……」
キョン「……あ、あのー」
佐々木「……よし、耳も元通りだ。今日はこれでお暇するよ、キョン」
キョン「……」
キョン「帰っちゃった」
285: 2009/04/07(火) 20:48:27.05 ID:CX9rosOT0
キョン「……」
キョン「ご主人様、か……」
キョン「……」
キョン「もしもし、長門か?もう一回佐々木に耳つけてくれ、大至急だ」
キョン「え?もう寝る?そ、そうか」
ブツッ
おしまい
キョン「ご主人様、か……」
キョン「……」
キョン「もしもし、長門か?もう一回佐々木に耳つけてくれ、大至急だ」
キョン「え?もう寝る?そ、そうか」
ブツッ
おしまい
286: 2009/04/07(火) 20:49:36.44 ID:/U8c12nH0
キョンwwwww
乙
乙
290: 2009/04/07(火) 20:50:23.66 ID:MgC4lUzx0
乙
引用: 佐々木「やあ、キョン。奇遇だね」
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります