1: 2009/04/09(木) 01:23:12.23 ID:4PsF/+Sa0
今、こうしている間にも僕は手に握った携帯電話のアドレス帳で
何度も彼の番号を表示しては、決心が付かずに待受画面に戻るという
単純かつ無駄な動作を繰り返している。

彼は何をしているだろう。彼のことだから勉強などはしている訳もなく
風呂に入っているのか、それともあのワガママで活発な涼宮さんとメールでもしているのだろうか。

それにしても、いつから僕は彼のことを思って始終胸を痛めるといった
不健康的な生活を始めたのか今となっては検討も付かない。
病は結構重症なのだろうか

あぁ、キョン。君の声が聞きたいよ。


6: 2009/04/09(木) 01:34:10.13 ID:4PsF/+Sa0
プルルルルルルル

ん?こんな時間に誰だ
やれやれ、またハルヒの気まぐれに付き合わされるのか。
カチャ
!佐々木か

キョン「よう、お久しぶりだな。」

佐々木「ぁあ、キョン。すまないね、こんな時間に電話して」

キョン「大丈夫か?声が震えているみたいだぞ?」

佐々木「(!)いや、僕はいたって平気さ。要らぬ心配をかけたようだね」

キョン「それなら良かった。それに、久しぶりに声を聞けたよ」

佐々木「まったくだよ。僕は君がちょくちょく電話してくれるのではないかと期待していたんだがね。
    ある意味君らしいといえば、そうだが」

キョン「それは、すまん」

佐々木「卒業して進路が別れたというだけで、こんな美人と音沙汰もなくなるなんて君は本当に暢気な人だね。くつくつ」

キョン「それを自分で言うか!」

佐々木「ははは、言ってみたかっただけさ」

20: 2009/04/09(木) 02:46:18.49 ID:HPptLHTRO
キ「全く、本当に変わらないよお前は」

佐「…」

キ「ん?おい、佐々木?」

佐「ああ!ごめん、少し上の空だった」

キ「…やれやれ、頼むからお前まで俺を動揺させないでくれよ。
悪いがその役ならもう間に合ってる」

佐「…涼宮さんだね」

キ「そうだが…なんだ、どうかしたのか。やはりおかしいぞ今日のお前」

佐「いや、本当に何でもないんだ。ただ」

キ「ただ?」


21: 2009/04/09(木) 02:48:47.11 ID:HPptLHTRO
キ「ただ?」

佐「キョン、君は僕と違う高校へ進学して少しずつだが確実に変わってゆく。
新しい友人にも恵まれて、高校生活を満喫してる」

キ「…」

佐「しかし僕は?いやもちろん、とりたて今の生活に不満があるわけじゃないんだがね。
だけど中学の友人は少しずつ離れ、考えてみれば未だにこうして連絡交換してるのもキョン、君くらいだよ」

佐「それで、何というか…今の自分と君とを照らし合わせてみてね。
本当に自分でもおかしな話だと思うけれど、その…」

キ「…」

佐「少し、さみしくなった。」

キ「…」

キ「…佐々木、今度の日曜空いてるか?」


28: 2009/04/09(木) 03:11:21.76 ID:HPptLHTRO
眠い佐々木の口調難しいけど反応があってちょっと嬉しかったんだから


佐「日曜かい?特にはないけど…」

キ「じゃ決まりだ。どこか行こうぜ、佐々木」

佐「えっそれはその、二人で…?」

キ「なんだ?嫌か」

佐「とんでもない!そうだね…それじゃお言葉に甘えようかな」

キ「よし、じゃあ日曜朝、集合は…俺ん家でいいか」

佐「うん、こちらもそれで異論ない」

キ「行き場所はそれから考えればいいか」

佐「くっく…楽しみにしてる。しっかりエスコートしておくれよ」

キ「何言ってんだか…」

30: 2009/04/09(木) 03:23:33.53 ID:HPptLHTRO
佐「それじゃ」

キ「あ、ちょっと待て!」

佐「?」

キ「いや、なんだ…あまり思い詰めないほうがいいぞ。
そりゃあたまには不安になることもあるかも知れんが、それは一時の気の迷いみたいなものだ、きっと」

佐「キョン…」

キ「俺の知ってるお前なら大丈夫だ。だからもっと前みたいに、飄々とかまえていれば良いと思うぞ」

佐「くく…恩にきるよ。胸に留めておこう。
君らしくないというか、いささか無理してる感はあったがね」

キ「それは言うな…」

佐「じゃあおやすみ。また日曜に」

キ「ああ」

32: 2009/04/09(木) 03:31:54.58 ID:HPptLHTRO

佐「…はぁ、勢いにまかせてとはいえ、まさか約束を取り付けられるとは」

佐「まだ少しドキドキしてる…僕らしくもない」

佐「それにしてもキョン、前より幾分女性の扱い方を心得ていたような…」

佐「これもSOS団で鍛えられてるのかな?くっくっ…」

佐「あ、そういえばこういう時って何を着ていけば…」


35: 2009/04/09(木) 03:45:47.30 ID:HPptLHTRO
キ「さて、じゃあ風呂にでも入ろ」

プルルルルルルル

キ「なんだ、何か言い忘れか…はいもしもし」

ハルヒ「あら、あんたにしては早かったわね、とるの」

キ「(ハルヒか…嫌な予感が)遅いならともかく、早くて悪いいわれも無いだろうよ」

ハ「うんうん、やっとあんたも団長に敬意を払うようになってきたのね。良い兆候だわ」

キ「何を言って…さっさと用件を言え」

ハ「あ、それそれ。次の日曜また駅前秘密探索やるから」

キ「に、日曜は…!」

ハ「集合はいつものとこ、遅れてきたら例によって罰金よ!じゃねー」

ブツッ

キ「…ま、まずい」

39: 2009/04/09(木) 04:03:50.43 ID:HPptLHTRO
翌日学校にて


キ「…なぁハルヒ、昨日の電話なんだが」

ハ「ああ、キョン。今回は本気でとりにいくわよ!最近やってなかったもの、きっとこの街の不思議も
気が緩みかけている頃よね。勝負時だわ」

キ「何の勝負だ…いや、そのことだがな」

ハ「なに?」

キ「日を変更するわけにはいかないか」

ハ「なによ、何か都合が悪いの?」

キ「いやそういうわけでは」


40: 2009/04/09(木) 04:06:15.46 ID:HPptLHTRO
ハ「なんか歯切れ悪いわね。言いたいことがあるのなら言いなさいよ」

キ「ぐぐ…」

ハ「あーあ、もうせっかく気分のってたのに。団員が団長の決めた計画に反論するなんて」

キ「なっ…大体だな、あの計画にしても、今日学校で言えば良いじゃねーか。
あんな深夜に電話かけやがって」

ハ「いいのよ。思い立ったら吉日って言うじゃない」

キ「(俺にとっては厄日だよ…)」









キ「結局言えなんだ」

古泉「それを僕に言いますか」


43: 2009/04/09(木) 04:16:04.63 ID:HPptLHTRO
キ「…やはりここはいつものやつで乗り切るか」

古「といいますと」

キ「長門に頼んで、くじを操作s」

古「それだけは自重してください」

キ「なんでだ」

古「その間あなたは佐々木さんと行動するのでしょう?」

キ「うむ」

古「長門さんには、別の女性と会うから図書館で待っててくれとでも言うつもりですか」

キ「…」

古「それはもう、最悪というかちょっと氏んだ方が良いですよ」

キ「…」


47: 2009/04/09(木) 04:30:22.25 ID:HPptLHTRO

長「問題無い」

キ「うお、長門!いつからそこに」

長「はじめから…」

古「して長門さん、問題無いと言いますと」

長「…優先順位は涼宮ハルヒに劣るものの、彼女も私にとっては観察対象」

長「精神を乱すような行為は避けるべき…そして何より」

キ「何より?」

長「何より避けるべきは、涼宮ハルヒがあなたたち二人と遭遇すること」

キ「…たしかに」

古「ちょっと想像したくありませんね」


49: 2009/04/09(木) 04:38:42.44 ID:HPptLHTRO

長「最悪の事態を避けるためなら、私にできる範囲なら協力を惜しまない」

古「…だ、そうです」

キ「ちょっと待て…まさかこんな深刻な問題になるとは」

古「あなたも隅におけませんね」

キ「殴るぞ」

古「なんにせよ、早めに決断するのが賢明です。涼宮さんが部室に来たら、この話もできなくなりますし」

キ「わかってr」バタン!

ハルヒ「おっまたせー!」

51: 2009/04/09(木) 04:43:14.71 ID:HPptLHTRO
部活→帰宅


キ「…」

キ「…」

キ「…」

妹「キョンくん電話のまえで正座してなにしてるのー?」

キ「黙ってなさい、今精神を集中してるんだ」

妹「へんなのー?いこシャミー」

キ「…」

キ「…」

キ「…よし」

53: 2009/04/09(木) 04:59:48.38 ID:HPptLHTRO

キ「…」

キ「…あっもしもし、ハルヒか」

キ「悪い。日曜、俺行けない」

キ「…いや、病気とかじゃない。人と会うんだ」

キ「…そうは言ってもな、実はお前のそれより前からの約束なんだよ」

キ「…だから、あの時はお前が有無を言わさず切ったんじゃないか」

54: 2009/04/09(木) 05:00:26.87 ID:HPptLHTRO
キ「…え!?い、いや、お前の知らないやつだよ。中学の同級生でな、ずいぶん久しく会ってなかった」

キ「今を逃すといつ会えるかわからないしな。今回はそいつのために時間をつくってやりたい」

キ「…そんな脹れないでくれよ…」

キ「ああ、きっとこの埋め合わせは…」

キ「一発芸?いやもうあれは勘弁…あ、はい、やります。」

キ「…あ、そうか!いや悪いなほんと」

キ「おう、じゃあな。皆にもよろしく」


ブツッ、プープープープー


キ「…」

キ「つ…疲れた…」



62: 2009/04/09(木) 05:32:01.93 ID:HPptLHTRO
>>60
マジで意見ありがとう!
じゃここからは安心して君に任せますね



ごめん、さすがに頭が働かなくなってきたので少し寝ます。
もともと自分もここの>>1じゃないので、誰でも好き勝手続き書いて良いと思うんだ
起きたころまた見に来ますね
誰かの手で続いてるならそれも良し、おちてるならそれも良しで
本当にお付き合い頂いて感謝

88: 2009/04/09(木) 10:02:17.91 ID:HPptLHTRO
びっくり
>>1じゃないか

92: 2009/04/09(木) 10:36:15.89 ID:HPptLHTRO

キ「さて…佐々木、おい佐々木よ」

佐「んむ…」ゴロゴロ

キ「待たせて悪かったな。準備できたぞ」

佐「んぁ…ん、おはようキョン」

キ「おはようさん。ほら、和んでないで早く起きろ。遊びに行くんだろ?」

佐「僕としてはこうして一日君とごろごろしてるのも悪くない気がしてきた」

キ「そんな気合いの入った格好でか。…あーあしわくちゃじゃないか」

佐「良かった、正直いつそのことに触れてくれるのかと不安だったよ」

キ「ああ、似合ってるぞ」

佐「…」

キ「ん?どうした」

佐「いや…少し意外だ。キョンの口からそんな言葉が出るとは思ってなかった」


135: 2009/04/09(木) 13:23:40.56 ID:HPptLHTRO
佐「まぁ確かにせっかくの君との時間を寝て潰すのは勿体ないかな」

キ「お前はまた恥ずかしいことを…ん、なんだねその手は」

佐「起こしてほしいな」

キ「わけわからん」

佐「二人きりという状況下でその一言がどれだけ相手を不安にさせるか考えたことあるかい?」

キ「表情と口調そのままで地味に心にくること言うのやめてくれ」

佐「だからほらほら、キョン」

キ「わかったよ…よいしょっと」

佐「…くっくっw」

キ「…あ、こら自分の力で立てよ。ぐにゃぐにゃするな。猫かお前」


141: 2009/04/09(木) 13:39:44.75 ID:HPptLHTRO
キ「…お前そんなことするやつだったか。意外だ」

佐「正直言って自分が一番驚いてるんだがね」

佐「…同級生で、付き合う連中なんかを見てるとね。他人の幸せに口出しするつもりはないとしても
ともかく僕には性に合わない。以前はそう思っていたけれど」

キ「…」

佐「その意味がこうして気の合う異性と互いの時間を共有することだとしたら、
それはやはり幸せなことなんだろうね」

キ「…」

佐「ああごめん、僕が待たせてたんだった。じゃあ早速行こうか」


143: 2009/04/09(木) 13:42:48.60 ID:HPptLHTRO
佐「さて、どうしようか」

キ「とりあえず駅前まで行こうと思う」

佐「良いね、どうも。行き当たりばったりで」

キ「手は繋ぐのか?…この場合」

佐「それを女性の僕に判断させるのかい?」

キ「良いのか?俺の独断で、文句言わんか?」

佐「ああ、おまかせする」

キ「…」

佐「…」


…まっがーれ♪まっがーれ♪まっgピ


キ「もしもし」

古「古泉です」


145: 2009/04/09(木) 13:55:57.93 ID:HPptLHTRO

古「古泉です。いつもの待ち合わせ場合から失礼」

キ「事と場合によっちゃ、俺はお前を許さん」

古「すみません。ですがこちらも一大事なので」

キ「なんだ」

古「我々SOS団の行動するのが駅周辺、あなたたちも駅前。
…言いましたよね、遭遇だけは避けねばならないと」

キ「あー…つまり今俺たちがそちらへ向かうのはまずいと」

古「そうでもありません。こちらの約束は午前十時ですから」

キ「え、何でお前そこにいるの?」

古「ですから、あなたたちには寄り道せずにまっすぐ来て、
到底我々の目につかない場所まで離れてほしいのです」



148: 2009/04/09(木) 14:09:49.98 ID:HPptLHTRO

古「電車でどこか遠くへ行くのが良いかもしれませんね」

キ「…ああ、わかった。だがそれくらいなら別に一大事でもなんでも」

古「…分かってませんね。あなたは涼宮さんに佐々木さんのことちゃんと話したのですか?」

キ「ぐ…それが、何の関係が」

古「大ありです。涼宮さんは、あなたが恐らく男友達と会っていると思い込んでいます」

キ「…」

古「彼女の潜在意識がこう思っていたらいかがでしょうか」



ハルヒ「あーあ、このままばったりとキョンのやつに遭遇して、合流できたらいいのに。」



151: 2009/04/09(木) 14:17:47.64 ID:HPptLHTRO

キ「……」

古「できるなら、少しくらい僕の仕事を減らすのにも協力願いたいものです。
ただでさえあなたが涼宮さんに電話した夜、これまでで最大級の閉鎖空間が観測されました」

キ「…」

古「こんなことが続けば、こちらとしては誇張でも何でもなく、文句なしに氏ねます」

キ「ああ、悪かったよ…」

古「…お願いしますよ。状況が変わり次第、随時連絡しますので」

キ「ああ」

古「では、失礼。」


154: 2009/04/09(木) 14:30:35.68 ID:HPptLHTRO
うーん本当は神人が現れてキョンキョン言い出したとか書きたかったけど
何となくはさみこめなかった

155: 2009/04/09(木) 14:32:14.31 ID:HPptLHTRO

キ「…やれやれ」

佐「…」

キ「ああ、待たせて悪かったな佐々木」

佐「いや、構わないさ」

キ「何の話だったか…そうだ、手を」

佐「おっと、悪いけどそれはちょっとご免被りたい」


158: 2009/04/09(木) 14:42:02.97 ID:HPptLHTRO
キ「なっ…」

佐「あのね、キョン。一番近くにいる時でさえ自分を見てもらえない虚しさといったら、ちょっと無いよ」

キ「ぐ…すまん。悪かった」

佐「まぁ、僕の言い分だと電話は何も言わず切れといってるようなものだから、それは酷かもしれないけど」

佐「それでも開始早々今のはひどい。怒っても良いと判断した」

キ「返す言葉も無い」

佐「…まあ僕としてもこのまま怒って帰るほど、気が短いつもりもない」

キ「…」

佐「今後の挽回に期待するよ?」

キ「…せいぜい善処しますとも」


161: 2009/04/09(木) 14:58:26.88 ID:HPptLHTRO

キ「カラオケ?」

佐「すまない…歌はどうも」

キ「俺もー」



キ「ボウリング?」

佐「腕が痛くなりそうだ」

キ「さよか」



キ「ゲーセン?」

佐「はっきり言ってしまうと、キャラじゃない」

キ「ですよねー」


163: 2009/04/09(木) 14:59:50.87 ID:HPptLHTRO

キ「となるとどこへ…」

佐「思うんだけどさ、目的地なんか特に決めなくて良いんじゃないかな」

キ「へ?」


佐「二人ぶらぶらしつつ、その場その場で買い物したり、風景を見たり」

キ「なるほど」

佐「きっとそんなものだと思うな、本当に気の許し合える友人といる時って」

キ「たしかにそうかも知れん」

佐「…というか今日僕が楽しみにしていたのはカラオケでもボウリングでも無く
キョン、こうして君と他愛無い会話をすることなのに」



164: 2009/04/09(木) 15:01:40.30 ID:HPptLHTRO
キ「そうだな…よし、じゃあまず電車でもう少し都心部へ向かってみないか?」

佐「悪くないね」

キ「よしよし」

佐「あ…ちょっと、キョン」

キョン「お、なんだ?」

佐「…手」

キ「ん、ほらよ。」

佐「くっくっ…」


204: 2009/04/09(木) 19:13:26.53 ID:HPptLHTRO
電車内


キ「…」

佐「だからね、ハリガネムシはそうしてカマキリを水辺に導く。
水辺に辿り着くとそれを察知して肛門から」

キ「なあ佐々木よ」

佐「何かなキョン」

キ「お前の言う他愛無い話って、一貫してこの調子か」

佐「さすがに今のは極端な例だけど、まあそうだね」

キ「それはちょっと多くの人にとっては他愛無くないな」

佐「キョンはどうなのさ」

キ「む?」

佐「こういう話」

キ「すげー好き」

佐「ほらみろw」


206: 2009/04/09(木) 19:16:00.33 ID:HPptLHTRO

キ「とはいえやはり休日の男女のする話ではないな…」

佐「まあ、否定はできないな」

キ「そもそもお前の口調がもう既にらしくないしな」

佐「うーん、どうもキョンが相手だとね…自分でも良くわからないけどさ」

キ「へぇ」

佐「くっくっ…ごめんよ色気が無くて」

キ「……」

キ「…それ、意識して変えてみたらどうなるんだ?」


210: 2009/04/09(木) 19:33:44.58 ID:HPptLHTRO
佐「…どうなるだろう。想像がつかないな。いつも無意識でこれだからね」

キ「じゃあひとつやってみようぜ。今日一日だけ」

佐「キョンがそう望むなら、僕とて頑なに拒む理由も無いが…でもなあ…」

キ「ほれほれ、口調。」

佐「き、キョンがそうして欲しいのなら、私なら全然オッケーだよ」

キ「ほう…これはなかなか」

佐「…ぅ」



215: 2009/04/09(木) 19:49:02.24 ID:HPptLHTRO
到着


キ「結構長旅だったなー。とりあえず、どこかで昼飯にするか」

佐「ええ、そうね」



駅内、ファミレス

キ「…ふー満腹だ。さて、これからどっちの方行く?佐々木」

佐「キョン…」

キ「ん、どうした」

佐「あのね、やっぱりこの話し方は…その、今日一日そのままだと思うと…」

キ「おかしなやつだな。むしろそっちが普通だろうに」

佐「しょうがないじゃない、何か落ち着かないんだもの」

キ「ふーん、残念だ」

佐「お願い、もう許して…」

キ「今のせりふ上目遣いでもう一回頼む」

224: 2009/04/09(木) 20:07:26.90 ID:HPptLHTRO

佐「はぁ…顔から火が出そうだ」

キ「良いじゃないか、なかなか可愛かったぞ」

佐「くっくっ…まあいいさ。
いつかこの借りは必ず返させてもらうからね、キョン」

キ「いやお前が勝手に追い詰められてたんだろーが!」

佐「全く…ん?ああ、このポスター」

キ「ん?映画?見たいのか」

佐「原作の小説が好きでね…前から少し気になっていた」

キ「じゃあ見に行くか?今から」

佐「本当に?ありがたいな」


246: 2009/04/09(木) 20:34:53.95 ID:HPptLHTRO
うーんキョンが佐々木のこと女として見てないってことはないと思う
キョンは相手が男だと結構邪険に扱うんだよ
例えば谷口が相手なら絶対自転車の後ろに乗せたりしない気がする

むしろドライなのは誰にでも共通では?
美人設定の朝倉に呼び出しされても憮然とした表情で入っていったり
朝比奈さんが剥かれ出しても動揺せずマイペースに退室したり
長門を抱きかかえつつ眼鏡無い方がかわいいなどと照れずにのたまったり
そんなポーカーフェイスなとこがキョンがキョンたる所以だと思う

だから、例えば目の前で佐々木が脱ぎはじめたりしたら動揺するだろうし。谷口にはしない。
お洒落した佐々木に「似合ってるぞ」くらいは言いそう。谷口には言わない。


247: 2009/04/09(木) 20:36:36.74 ID:HPptLHTRO

まっがーれ♪まっがーれ♪

佐「う、またか…」

キ「ああ…すまんな佐々木」

ピッ

キ「何だ古泉。すぐ用件を言え」

古「ええ、こちらもそのつもりですよ。
まさかと思いますが…今、○○駅にいませんよね?」

キ「いや…もうまさにズバリそこだ。よくわかったな」

古「!やはり…これはまずいことに…」

キ「なんだ、どうした?」

古「単刀直入に言います。かねてより恐れていた事態です。
涼宮さんが今そこへ向かいつつあります」

250: 2009/04/09(木) 20:39:51.22 ID:HPptLHTRO
キ「え、いや、待て待て!
SOS団のそれは、名目の上では市内パトロールだろう? 」

古「彼女にそんな一般論が通用するとお思いですか?
『今までの敗因はパトロールの範囲を市内に限っていたことだ。その概念を打ち破ってこそ、
世にはびこる不思議現象の隙が突けるに違いない』……恐らくそんな所でしょう」

キ「なんてこった…」

古「くじ引きの結果により、涼宮さんと行動を共にするのは朝比奈さんです。
彼女を通して常に涼宮さんの位置は把握できますし、いざとなれば
足止めをしてもらう手筈も整えてあります」

キ「しかし、朝比奈さんでは大いに心許ないな…」

古「同感です。せめて僕か長門さんだったなら、あるいは…
これも彼女の深層心理の為せる業でしょうね。困ったものです」



255: 2009/04/09(木) 20:46:39.46 ID:HPptLHTRO
本当はいつかかわいいハルヒを書こうと思ってたんだよ
そしたらスレ立てる前にのっとってしまった
スレタイに沿って進めたら、いつしかハルヒがうざくなった
不思議!

257: 2009/04/09(木) 20:52:15.42 ID:HPptLHTRO
キ「それで、俺たちはどうすれば良い?」

古「何をすることもありません。今のままで結構です」

キ「しかし…できるだけ離れるべきじゃないか?」

古「たとえここから更に遠くへ行ってみても…断言します。間違いなく徒労に終わりますよ。
あなたのいる周辺に彼女がいる事実はもはや必然です。まさに神に定められた…とでも言いますか」

キ「…!」

古「大切なのは、二組が最も近接する一瞬…その時、如何に紙一重で回避するかということです。
…それこそ僕、長門さん、朝比奈さんの持てる力を総動員してでも」


261: 2009/04/09(木) 21:01:33.16 ID:HPptLHTRO
キ「そうか…」

古「あなたのすべきことは、どうか佐々木さんを見失なわず…そうですね。
できれば一ヵ所で静止していてもらえるのが好ましいです。
双方が移動しているより、危険がぐっと減る」

キ「わかった…任せろ」

古「くれぐれも行動は慎重に。健闘を祈ります…」ブツッ




キ「…」

佐「キョン?」

キ「さあ、ぼさっとしてないで映画見に行こうぜ、佐々木」


265: 2009/04/09(木) 21:20:25.55 ID:HPptLHTRO

佐「キョン、待って。何かあったんだろう?」

キ「何のことだ」

佐「とぼけないでくれ。ほらこんなに汗をかいて…
誰だって分かる。今の君はちょっと普通じゃない」

キ「いや本当に大丈夫なんだ。気にするな」

佐「そう?…だが具合が悪いのならキョン、頼むから正直に言っておくれよ。
無理する君を連れまわすのは僕の本意じゃない」

キ「ああ、わかってるよ」

佐「少し休みたいならそうだな…ほら、丁度あのスペースで
固い膝で良ければ提供しようじゃないか」

キ「いや、それはなんかもう晒し者だから」

267: 2009/04/09(木) 21:29:00.72 ID:HPptLHTRO
その頃電車内

ハ「あっみくるちゃん、そろそろ到着だって!
ほらぁ、さっさと降りる準備するの!」

朝「はいぃ~」

ハ「いよいよね!未だ見ぬ不思議があたしたちを待ち構えてるのね!」

朝「あのー…涼宮さん?部室のお茶っ葉が切れてたから、私新しいのが買いたいなぁ…なんて」

ハ「だーめ!」

朝「ひぃっ…」

ハ「分かってないわねみくるちゃん!良い?
緩めるとこは緩める!締めるとこは締める!それがSOS団の基本方針なの!」

朝「はうぅ…すみません…(涼宮さん、どうして今日はこんなにやる気なの…?)」


275: 2009/04/09(木) 21:52:59.91 ID:HPptLHTRO
佐「へぇ…さすがに休日だけあって人が多いねキョン」

キ「それは良いんだが…本当にこんなとこで映画が見れるのか?」

佐「そう思うよ。これだけ大きなショッピングモールだもの。
どこかに…ほらあった。あれだ」

キ「おお本当だ…げっ佐々木」

佐「何だ、そんな声出して」

キ「結構待つぞこれ…こっちのだったらほら、あと五分で見れるが」

佐「うーん、悪いけどここは譲り難い」

キ「そんなにこれが見たいのか」

佐「うん。それに待つと言っても一時間ちょっとじゃないか。二人で話してればそんなのあっという間だよ。
というか、そういう時間なら願ったり叶ったりだ。少なくとも僕にとってはね」


276: 2009/04/09(木) 21:54:25.09 ID:HPptLHTRO
キョン「そーか?」

佐「そーだ。」

キ「まあ佐々木がそう言うなら…ええと、あ、はい大人二つ。」

佐「ありがとキョンくん」

キ「ぶっ!!……お前」

佐「くっくっ…w」


284: 2009/04/09(木) 22:14:34.38 ID:HPptLHTRO
ハ「わぁ凄い人ね!私たちの街からそんなに離れてないのにさっすが!」

み「涼宮さん待ってぇ…」

ハ「もう、トロいとはぐれちゃうわよみくるちゃん…あっ
見てほら、こんな近くにでかいショッピングモール発見!」

み「(!これはもしかすると…)」

ハ「そういやみくるちゃん、さっきお茶っ葉が欲しいって言ってたっけ…寄りたい?」

み「寄りたい、寄りたいです!」

ハ「そうね…こういう寄り道もありかも。
それにいつも美味しいお茶淹れてくれるみくるちゃんに免じて、寄り道を許可するわ!
行きましょ!」

み「はい!(キョンくん、私やりましたぁ♪)」

288: 2009/04/09(木) 22:22:11.65 ID:HPptLHTRO

長「…」

古「長門さん、二人の足止めは?」

長「だめ、失敗した」

古「…っ!」

長「あと一時間以内に二組は接触すると予想される」

古「やはり朝比奈さんはだめでしたか…他に何か手段は…!」

長「あなたは最悪の事態に備えて、機関の指示を仰ぐべき…それが最良」

古「そうかもしれませんね…少し席を外します」

長「…」

363: 2009/04/10(金) 01:59:31.34 ID:OLFpF2D2O
そうだよなあ
頑張ってほしゅし続けてくれてるんだよなあ…


映画館内

キ「待つと言っても場内で待てるのか。運が良かったな」

佐「そうだね。ここなら広いし、静かだし、それに座椅子はふかふかだし」

キ「全くだ。これで一息…」

佐「最高の環境でキョンと語り合えるよね」

キ「…ああ、分かってるさ、今日はすべてお前に付き合う約束だもんな」

佐「くっく…そうこなくちゃw ありがと、キョン♪」

キ「どうでも良いが、お前は弱点を克服するのが早すぎるよな」


365: 2009/04/10(金) 02:01:58.26 ID:OLFpF2D2O

キ「さて、じゃあ何から話す?ばっちこい」

佐「そうだな、じゃあまず…学校は楽しいかい?」

キ「そんな思春期の息子に会話を試みる父親みたいな」

佐「僕はね、楽しくない」

キ「…!」

佐「と言ってもいじめられてるわけじゃないし、友人も幾らかできた。
周りからすれば十分に輝かしい青春を満喫してると言うだろうね」

佐「でも…楽しくない。楽しくないんだ」

キ「お前…」


370: 2009/04/10(金) 02:08:03.38 ID:OLFpF2D2O

佐「話は変わるけど…携帯のアドレスを変えた事あるかい?
わざわざ中学の頃の友達にも知らせたりするやつ」

キ「本当に変わったな…そりゃもちろん、あるが」

佐「僕はね、その時何人かの旧友の名を眺めていて気づいたんだ。
ああこの先僕は、彼等と交流する予定がない。接点も無い。
せっかく仲良くなれたのに。」

キ「…」

佐「極めつけはあれだよ。送ったメールは、何通か届かずに戻ってくる。
そのアドレスが使われてないことを示す英文と共に」


佐「人の繋がりなんてそんなもの…確かにそれは真理かもしれない。
でもその事実は、それなりに僕を動揺させた。」


371: 2009/04/10(金) 02:12:41.74 ID:OLFpF2D2O

佐「…おかしなもので、そう考えると途端に周りが疑わしく見えた。
友達なんてみんな嘘じゃないか。そんな気がしてきた」

佐「だからね、僕は今日、本当に久しぶりに笑った気がするんだ」

佐「白状してしまうと、恥ずかしくなるくらいに待ち焦がれてたんだ。この日を」

キ「お前…こっちが照れる」

佐「くっく…ねぇキョン、君以外の誰かといても、結局独りな気がするんだよ。
どうすればいい?」

キ「それは…」

佐「笑っても、本当に笑えてない気がするんだ。
中学のときは気付かずにいられたのに」

キ「…」

佐「『僕』なのか、『私』なのかもわからないよ。
独りでいるときが、一番本当の自分な気さえする」

キ「おい、佐々木」

佐「そんなときにさ、ふと思ったんだ。
『ああ、君の声が聞きたいなー』…って」


373: 2009/04/10(金) 02:19:32.91 ID:OLFpF2D2O
おまけです。
こんな感じで続きがはじまるよ、というお話でした
あー今回ばかりは叩かれそう佐々木をこんな痛いキャラにしてしまって


今日はこれで寝ます
明日たぶん完結します
保守してくれる人本当にありがとう

443: 2009/04/10(金) 12:52:29.59 ID:OLFpF2D2O
キ「…」

佐「涼宮さん…と言ったかな」

キ「…!」

佐「僕か彼女くらい…一人で、すべてを変えられるくらい強かったなら」

佐「こんなこと、気付かずに済んだ」

キ「佐々木…」

佐「もうわからないよ。何もかも。ぐちゃぐちゃだ」

キ「佐々木!」

佐「きゃぁ!?」



447: 2009/04/10(金) 13:01:26.65 ID:OLFpF2D2O

佐「…くっくっ」

キ「…」

佐「参ったな。手より肩より先に、いきなり抱きしめるなんて。
随分と色々とばしたもんだ」

キ「良いんだよ、こういうのは先にやってしまった方が。
映画中に一人やきもきするより余程効率良い」

佐「それが良いんじゃないか。君は些か風情に欠ける」

キ「うるさいやめるぞ」

佐「あーだめ、やめるなw。もう少しこのまま…」

キ「佐々木、お前はそう言うがな。俺に言わせればお前と涼宮は似てるよ。すごく」

佐「いや、彼女と僕はどちらかと言うと正反対の…」

キ「誰より近くにいる俺が言うんだ、間違いない。
お前ほどあいつに近い存在も、ちょっと他に考えられん」

佐「…?」


448: 2009/04/10(金) 13:03:59.14 ID:OLFpF2D2O
キ「佐々木、お前はたぶん、色々背負い込みすぎだ」

佐「そうかな…」

キ「あと、お前はハルヒのことを強いと言ったがな」

佐「…」

キ「あいつは全てを独りで変えた訳じゃないぞ。最初などは自分から関わりを拒絶していた」

佐「!涼宮さんが…?」

キ「そうだな…何もかもに諦観を見出していた。
『何よこんな世界、バッカみたい』。そんなことを常日頃考えてそうだった」

キ「そんな所に、そうだな…結果だけ見れば、俺が少ーし手を貸した」

佐「キョンが?」

キ「だがな、ほんの少しと言っても、それが無ければあいつは変わらなかったぞ。
これは断言できる…たぶん」



451: 2009/04/10(金) 13:16:30.42 ID:OLFpF2D2O
キ「あいつの生き方はほとんど百八十度変わった。待つことをやめて、自分から捜しはじめた。
…まあ今となっちゃ少し止めときゃよかったと思わなくも無いがね」

キ「だからな、俺で良いならお前にも手を貸してやるさ。」

佐「僕にも…」

キ「そうだ。この際少しなんてケチ臭いこと言わん。
親友のよしみでな」

キ「佐々木、もうお前を独りにはしない。気付けなくて、すまんかった。
だがな…忘れないでくれ」

キ「別の高校に行っても、簡単に会えなくなっても、もう俺とお前の繋がりは消えない」

キ「いつお前から電話やメールがきても大丈夫になってるんだ、俺は」

452: 2009/04/10(金) 13:24:27.19 ID:OLFpF2D2O
佐「……」

佐「…君は本当に変わったね、キョン」

キ「んなこたねぇよ」

佐「ああ、だが大事なところは少しも変わってない。ちゃんと僕のキョンだ」

キ「何言ってんだか…」

佐「それより、そろそろ放してもらって良いかな?
この姿勢は嬉しいが、些か息が苦しくなってきた」

キ「ああ…!すまん」

佐「くっくっ…生まれてはじめてかもしれない、こんなにドキドキしたのは」

佐「キョンは涼宮さんたちといることで、こんなこと慣れっこかもしれないがね?」

キ「はは…(あながち否定できん…)」


455: 2009/04/10(金) 13:35:42.09 ID:OLFpF2D2O
佐「キョン、約束だ」

キ「…」

佐「この先何があっても、絶対に繋がりを切らないでくれ。僕と離れないでくれ」

キ「ああ、もちろんだ」

佐「恩に着るよ…キョン」

キ「おまっ!…おいおい…周りに人も増えはじめてるのに」

佐「すまないね…でも無理もないと思うな、あんな優しくされた後だもの。
普通の女の子ならこうなる」

キ「…そうかい」


458: 2009/04/10(金) 13:47:51.50 ID:OLFpF2D2O
禁則事項です

460: 2009/04/10(金) 13:55:14.70 ID:OLFpF2D2O

佐「…さあ、約束したぞ。絶対したぞ。
これでこれから先、悪いが色々大変になると思うよ、キョン」

キ「おいおい」

佐「こんなことされた後で一人にしてみなよ。間違いなく僕は壊れる」

キ「微笑みつつ脅さんでくれ」

佐「僕はねキョン、今の君の言葉が嬉しいかった。本当に嬉しかった」

キ「そいつは何よりだね」

佐「…でも、すぐにはいそうですかと納得はできない。これは僕にとって切実な問題だ。
少しばかり、物事を色々整理する時間を要する」

佐「だからさ…この後、今日一日だけは最後まで僕のことを考えて欲しい」

佐「暫く会わなくとも大丈夫なように、ちゃんと安心させて僕を帰して欲しい」


462: 2009/04/10(金) 13:58:49.03 ID:OLFpF2D2O

キ「あーあー、わかったよ。やってやろうじゃないか」

佐「くっくっ…ありがたい」

キ「さて、じゃあちょいと失礼して…と」

佐「おい、今のはさすがの僕も度肝を抜かれたぞ。
約束をいきなり破って、君はどこへ行こうとしてる?」

464: 2009/04/10(金) 14:01:49.87 ID:OLFpF2D2O

キ「んなこと言われてもね…
トイレだよ。映画はじまってから席を立ちたくない」

佐「ん、それは生理的な事情だものね。仕方ないか…
いや、やはりここは僕も一緒に」

キ「勘弁してくれ。すぐ戻るから」

佐「くっく…w冗談だ、そんな動揺しないでくれ。
…でも、できるだけ早く戻ってきて欲しいな」

キ「わかってますとも」

佐「あ、キョン!」

キ「?」

佐「今日、君に会えて良かった。本当に」

キ「…そいつはどーも」


467: 2009/04/10(金) 14:03:04.44 ID:OLFpF2D2O
何やってるんだろう自分

480: 2009/04/10(金) 14:26:29.52 ID:OLFpF2D2O
一方


長「情報統合思念体が問題解決への過程を算出した」

古「え…」

長「彼らの遭遇を避けることができる」

古「!」

長「問題は時間。遅すぎればそれも間に合わない」

古「教えてください長門さん、その方法を!」


483: 2009/04/10(金) 14:40:15.44 ID:OLFpF2D2O
一方

ハ「あっあのコスチュームも可愛い!
これも試着しちゃいなさいよみくるちゃん!」

み「ふぇ…でもでも、こんな高いの買えませんよぉ」

ハ「いーのいーの、試着する分にはタダなんだから!それにね、服屋では可愛い子に着せたら
あとは交渉術次第で信じられないくらい負けてくれることがあるんだから!」

み「本当ですかぁ…?」

ハ「ほんとよ!ちゃんと書いてあったもの!
確か…うん、何かのラノベで!」

み「それフィクションじゃないですかぁぁ~!」

み「(でも…私は大変なだけど、ちゃんと皆さんの役に立ってるのよね…)」

み「(キョンくん、私頑張ります…!)」

484: 2009/04/10(金) 14:48:18.48 ID:OLFpF2D2O

古「なんと…そうか、なるほどこれは盲点でした」

長「そうでもない。気付けなかった私の不覚」

古「いえ…ですが、たしかに不覚としか良いようがありません…
その方法なら僕でも、少し考えればあるいは…」

古「それさえ守れば、彼等の遭遇はあり得無かった」

長「…」

古「皮肉なものですね。答えは始めから出ていたのに」

長「…今は対象に知らせるのが先決」

古「そうだ、こうしてはいられない!」



486: 2009/04/10(金) 14:50:10.08 ID:OLFpF2D2O

キ「さてトイレは…と、あそこか」




キ「…やれやれ、毎回毎回タイミングが絶妙すぎるんだよ」

キ「サイレントにしといたから、佐々木にはばれてないと思うが…」

キ「一体なんだっていうんだ、古泉…」



着信一件 古泉一樹



552: 2009/04/10(金) 19:54:15.15 ID:OLFpF2D2O
長門セーフモードは俺の中で最高峰


557: 2009/04/10(金) 20:12:13.60 ID:OLFpF2D2O
プルルルガチャ

キ「いい加減にしてくれ古泉…今度は」

古「今、どこです?」

キ「は?…男子トイレの中だが」

古「佐々木さんは?」

キ「いや、俺一人だ」

古「…!そこから、周りの様子を伺えますか」

キ「はあ?」

古「すでに涼宮さんが肉眼で確認できる範囲まで接近していると思われます」

キ「なっ!?」

古「落ち着いて、あくまで見つからないよう慎重に…」

キ「ああ、分かった…」

キ「……」

キ「…!!」


561: 2009/04/10(金) 20:29:12.83 ID:OLFpF2D2O

古「どうです?」

キ「い、いた…」

古「予感的中…ですね」

キ「おいどうすれば良い?
それに、何故お前はそれが分かったんだ」

長「涼宮ハルヒに遭遇する条件が判明した」

キ「!長門か」

長「今回の件、仮に涼宮ハルヒが偶然あなたに会うことを望んだとして」

長「他の異性と二人きりでいるあなたを想定することは不可能」

キ「…!」


563: 2009/04/10(金) 20:32:40.78 ID:OLFpF2D2O

キ「そうだ…!俺は佐々木のことをハルヒに話さずに来たんだ」

キ「偶然俺と会うまでは良い。
だが、その隣に佐々木がいることまでハルヒが予測できるはずない!」

長「過去に観測した涼宮ハルヒの行動パターンからすると、そのような状況は
寧ろ最も望ましくない部類に入ると思われる」

長「仮に同伴者が同性であっても、その存在は涼宮ハルヒの
それからの行動に支障をきたしたはず」

長「よって、どのような同伴者も、彼女には不要だった。」


564: 2009/04/10(金) 20:34:47.98 ID:OLFpF2D2O
キ「それって、つまり」

長「そう、涼宮ハルヒが望んだのは、最初からあなた『一人』」

長「『なぜか友人とはぐれた状態のあなた』こそを、彼女は望んだ。」

キ「……」

長「あなたが誰かと一緒にいる限り、涼宮ハルヒはあなたと遭遇しなかった。」

キ「…なんてこった……」

キ「俺は…絶対に佐々木から離れるべきじゃなかったんだ…」


565: 2009/04/10(金) 20:38:29.65 ID:OLFpF2D2O

長「どうして」

キ「…」

長「どうしてその場で、電話をとらなかった?」

キ「!…色々、事情があったんだ。他にどうしようもなかった」

長「そう」

キ「(佐々木の目の前で、電話なんかとれたわけないだろ…)」

キ「(あんなやりとりした直後に…)」


佐『こんなことされた後で、一人にされてみなよ。間違いなく僕は壊れてしまう』


キ「そうだ!佐々木が…!」

566: 2009/04/10(金) 20:40:47.62 ID:OLFpF2D2O

古「もしもし、古泉です」

キ「古泉!」

古「今長門さんが説明してくれた通りです。あなたたちと涼宮さんが遭遇するという心配など
最初から無用の産物だったようです。お騒がせしましたね」

キ「いや…だが、俺はこれからどうすれば」

古「どうするもこうするも、涼宮さんと合流するしか無いのでは?」

キ「!」

古「佐々木さんも我々にしてみれば重要な人物。
精神的な動揺など可能なら与えたくありませんでしたが…」

古「それでも彼女と涼宮さんを天秤にかければ
どちらが傾くかは自明です。ちがいますか?」

キ「そんな…」


568: 2009/04/10(金) 20:41:53.54 ID:OLFpF2D2O
映画館


佐「キョン…いくらなんでも遅すぎやしないか…?」

佐「でも、キョンが約束を破るはずないし」

佐「……あ」

佐「映画…はじまってしまった…」

佐「キョン…今何をしてるんだ?」

佐「…やはり何かあったとしか考えられないな」

佐「…さがしにいこう」


575: 2009/04/10(金) 20:50:50.62 ID:OLFpF2D2O

古「…と、突き放すのは流石に酷かもしれませんね」

キ「!」

古「最後のチャンスです。朝比奈さんが涼宮さんの注意をひきつけます」

古「その隙にあなたは、素早く佐々木さんと合流してください」

古「その上で、もう二度と彼女のもとをはぐれないでください」


583: 2009/04/10(金) 21:03:56.70 ID:OLFpF2D2O
キ「…すまん古泉、恩に着る」

古「全くです。これは僕の管轄外の仕事ですよ?
あなたに会っても涼宮さんは閉鎖空間を生み出さないと判明した後ですから」

キ「ああ。今度なんか奢ってやるさ」

古「それより、もっと涼宮さんの機嫌をとることに励んで頂く方がありがたいですね。僕としては。」

キ「もちろん、今日が無事に終わったらな」

古「ふふ…期待しましょう…御武運を。」ブツッ

キ「…さて」


595: 2009/04/10(金) 21:26:49.63 ID:OLFpF2D2O

ハ「あっ見てホラみくるちゃん!このお皿かわいい!」

み「あ…はい、本当ですねぇ!」

み「(古泉くん…涼宮さんの注意をひくって言っても)」

み「(具体的には私、どうすれば…?)」

ハ「あ、ほらこのティーカップも…ってちょっと!?そんなぼーっとしてたら!」

み「はい…?」


パリン、がしゃん!!


ハ「ちょっ、何やってんのよみくるちゃん!」

み「はぅ~!すみまぇせん、弁償しますぅ~!!」




長「…」

長「今度は、成功…」

600: 2009/04/10(金) 21:30:07.52 ID:OLFpF2D2O

キ「(グッジョブだ!朝比奈さん)」

キ「…」

キ「…」

キ「よし映画館、ここまで来れば…」

キ「たしか席はあの辺り…」

キ「!?………そんな」

キ「…マジかよ、佐々木…」

キ「くそっ、どこに行ったんだ!」


605: 2009/04/10(金) 21:50:34.70 ID:OLFpF2D2O
敗因は最初のハイペース。あと佐々木トイレ説

弾補充してきます

625: 2009/04/10(金) 22:39:16.70 ID:OLFpF2D2O

佐「……っ」

佐「…キョン、君は僕を一人にしない…そうだろ?」

佐「僕も君を信じてる……信じてるはずなのに…!」

佐「なぜこんなに、不安なんだよ…!」

佐「……」

佐「頼むよキョン…助けてくれ…」

佐「今だけ…今だけで良いんだよ。
もうこんなこと言って、困らせないから」

佐「一人に…しないでくれ…」


627: 2009/04/10(金) 22:41:03.72 ID:OLFpF2D2O
古泉は達成

この状況でハルヒを可愛くみせるためにどうすれば良いかな

630: 2009/04/10(金) 22:49:32.53 ID:OLFpF2D2O

キ「どこだ…どこだ佐々木」

キ「畜生、なんでよりによって…!
何もかも最悪のタイミングじゃねぇか…」

キ「頼むからハルヒ、こんな時くらい遠慮してくれよ…!」

キ「俺まで離れたらもう、今度こそあいつは…!」

「キョン!」

キ「!…佐々木!?」





ハ「もしかして…キョン?」

ハ「ほらみくるちゃん、やっぱりキョンよ、あのアホ面!
間違えるはず無いわ」

645: 2009/04/10(金) 22:57:03.74 ID:OLFpF2D2O
み「(そんな!…キョンくん…だめだったの?)」

キ「…ハルヒか」

ハ「すっごい偶然ね!何、あんたもここに来てたの?
あれっ…でも友達と一緒って話だったわよね。どこにいるの?」

キ「それは…!」




653: 2009/04/10(金) 23:00:55.24 ID:OLFpF2D2O

佐「…あ!」

佐「キョン、やっとみつけた!…良かった心配……」

佐「…え…!?……」

佐「……」

佐「あそこにいるの……たしか、涼宮さん…」


666: 2009/04/10(金) 23:04:31.24 ID:OLFpF2D2O
ハ「ま良いわ。あっ!ねぇ、友達とはぐれたのならあたしたちと一緒に行きましょ!
そうすれば荷物持つ心配とかしなくて良いし。ね、みくるちゃん?」

み「ふぇ…でも」

キ「…」

ハ「決まりね!それじゃ行くわよ二人とも」

キ「待て、ハルヒ!!」

ハ「?」

み「!」

キ「悪いがハルヒ…俺は一緒に行けない」

キ「…はぐれた相方を捜さないと」


686: 2009/04/10(金) 23:13:00.49 ID:OLFpF2D2O

佐「……そうか。そうだね」

佐「くっくっ…参ったな。どこへ行っても廻り合ってしまうなんて…
まるで赤い糸のお話じゃないか」

佐「…ここまでだね。やはり王子様はお姫様としか結ばれない。
僕が入り込む余地なんか無かったか……それでも」

佐「それでも、僕は一日付き合ってくれて嬉しかった。嬉しかったよ」

佐「……今までありがとう。キョン」


695: 2009/04/10(金) 23:17:28.38 ID:OLFpF2D2O

ハ「えっ…でも、こんなとこではぐれたら、もう会えないじゃない。
向こうだって、もう先帰っちゃってるんじゃないの?」

キ「…しかし」

ハ「ごちゃごちゃ言わない!これは団長命令なんだから!背いたら氏刑!」

み「あ…あのぅ…」

ハ「みくるちゃんも、その方がいいでしょ?」

み「佐…じゃなくて、そのお友達は携帯電話とか持ってないんですかぁ…?」

キ「!」


703: 2009/04/10(金) 23:20:05.27 ID:OLFpF2D2O

ハ「そーよ、そうすれば手っ取り早いじゃない!みくるちゃん、たまには良いこと言うわね!
あんたはそんなことも考えつかないわけ!?」

キ「(そうか…音がしないから、すっかり…)」

キ「少し待ってもらえるか」

み「…」

キ「…」

ハ「で、どうなのよ?」

キ「……!」




着信九件
メール一件

本文

『先に帰ってる。お邪魔しちゃ悪いからね。
涼宮さんとお幸せに。』


737: 2009/04/10(金) 23:34:29.72 ID:OLFpF2D2O

キ「……!」

ハ「あ、その顔。やっぱり帰っちゃってたんでしょ。
でも、これであんたも文句無いわよね!」

キ「いや…ダメだ」

ハ「はぁ?」

キ「やっぱりすまんハルヒ。俺、行くわ」

ハ「ちょ…ちょっと!」

キ「罰ゲームなら甘んじて受けるよ。なるべく軽めの頼むぜ」

ハ「だめだったら!何よ、団員が団長に逆らう気!?」

キ「その団員が友人を大切にしないような奴がでもお前は構わないのか、団長として!?」

ハ「…!」



749: 2009/04/10(金) 23:43:19.72 ID:OLFpF2D2O
ハ「…」

キ「…」

ハ「…本気なのね?」

キ「ああ…悪いがここだけは譲れない」

ハ「…はぁ…今まであんたがこなした罰ゲームぜんぶ。それで許可したげる」

キ「へ…」

ハ「何よ、まぬけな顔して」

キ「いや…本当に良いのか」

ハ「良いって言ってんでしょ。くどいわね」

キ「…だが、なぜ急に」

ハ「…あんた、あたしをなんだと思ってんのよ」


761: 2009/04/10(金) 23:51:22.90 ID:OLFpF2D2O
ハ「いーい?あたしはこれでも話のわかる団長なの」

ハ「たとえ団員の言葉でも、そこに一理あると思えたなら
ムキになってそれをはねつけたりしないわよ」

キ「……」

ハ「見たところ、何か事情があるようだし…
あんたは言いたくないみたいだけど」

キ「ハルヒ…」


768: 2009/04/10(金) 23:55:13.18 ID:OLFpF2D2O
ハ「あんたがこんなに何かに食い下がるのも珍しいしね…何よその顔」

キ「いや…すまん、恩に着る!」

ハ「あっ!あんた、今日欠席した分の罰は
これとまた別なんだからねー!?」

キ「わかったよ!」


780: 2009/04/11(土) 00:05:48.59 ID:KXJv+wndO

古「涼宮さんは、あれで中々物事の道理をわきまえた人ですよ」

長「…」

古「相手の言い分次第では、きちんと聞く耳を持ってくれる一面もあります」

長「…」ペラ

古「僕にしてみれば半ば強制的に割り当てられた観察対象です。
ある程度の人格者でなければ、正直やっていけません」

長「…」

古「少なくとも僕は涼宮さんで良かったと思いますね。
力を持ったのも、SOS団の団長も」

長「…」

古「なんにせよあの二人なら、そこまで悪い方には転ばないと思われます」

長「…」ペラ

古「……。」


793: 2009/04/11(土) 00:12:08.45 ID:KXJv+wndO
駅にて

キ「はあっはあっ…!」

キ「…!」

キ「…電車は…15分おきか」

キ「って次のやつもう来てるじゃねーか!」

キ「くそっ…間に合え…!」

キ「やめろ、閉じるな、待てって…!」


プシュー


キ「…ギリギリセーフか…」


796: 2009/04/11(土) 00:19:16.72 ID:KXJv+wndO
駅にて

キ「はあっはあっ…!」

キ「…!」

キ「…電車は…15分おきか」

キ「って次のやつもう来てるじゃねーか!」

キ「くそっ…間に合え…!」

キ「やめろ、閉じるな、待てって…!」


プシュー


キ「…ギリギリセーフか…」

803: 2009/04/11(土) 00:25:34.96 ID:KXJv+wndO

キ「(電車内での携帯は、流石にマナー違反…)」

キ「(……)」

キ「(…とか言ってる場合じゃねーな、常識的に考えて)」

キ「……」

キ「……」

キ「やはり出ないか…佐々木」

キ「くそっ!」

キ「(…乗ってるとしたら、一つ前の電車か…)」


808: 2009/04/11(土) 00:32:40.22 ID:KXJv+wndO

「そんな言葉を吐くもんじゃないよ。仮にも公共の場で」




キ「……。」

「だんまりかい?話しかけられたらどんなに短くとも返事をするという
最低限のマナーすら持ち合わせてないのかな、君は。」

キ「…うるせえ。ほっといてくれ」

「これはまた酷い言われようだ。こちらは君を心配して言っているというのに」

キ「悪かったな…気が立ってるんだ、少し嫌なことがあってな」

「くっくっ…これは奇遇だ。
実は僕もデートの相手を横から取られて、泣く泣く帰るところなんだがね」

キ「…」

キ「…!」


821: 2009/04/11(土) 00:38:46.64 ID:KXJv+wndO

佐「あとね、僭越ながら注意ついでにもう一つ言わせてもらうなら」

キ「お前…!」

佐「電車で通話を試みるとは、マナーが良いとは言えないね。キョン」

キ「佐々木…」

佐「…また会ったね。良かったらとなり、来ないか?」

キ「…っ!」

佐「きゃっ!?」

キ「……!」

佐「それも…ぅ、マナー違反だ…少ないとはいえ、人の目が」

キ「黙れ。黙れ。黙れ。」


826: 2009/04/11(土) 00:43:10.16 ID:KXJv+wndO
二人の位置としてはキョンが気付かずに佐々木の真向かいに座る。
佐々木面食らうも、キョン明日のジョー状態。
うつむき無気力に答えつつ、ふと見れば佐々木が携帯片手に顔を覗きこんでる。
横をぽんぽんしながら「となり、こないか?」


こんなかんじで

830: 2009/04/11(土) 00:51:41.58 ID:KXJv+wndO

佐「なんだ…おそらく僕は君に怒る場面なんだろうが」

キ「…」

佐「どうもうまくいかないな。ほら、どうしても顔がこう、締まりなく緩んでしまう」

キ「佐々木…」

佐「キョン、来てくれてありがとう」

キ「佐々木、すまなかっ…!?」

佐「何も言うな。全力疾走して虫の息の相手に謝らすほど、僕も鬼じゃない」

キ「…なら手で遮れ。先に周りの目があると言ったのはどっちだ」

佐「くっくっ…お互さまだ」


834: 2009/04/11(土) 00:53:36.04 ID:KXJv+wndO
あれ、これもしかして時間切れ?

842: 2009/04/11(土) 00:58:52.23 ID:KXJv+wndO
すみません、自分の力不足で
本当に考えてた展開は

佐々木、いっこまえの電車

キョン、15分後で到着

古泉のチャリで爆走

佐々木の家までの道で追いつく

中学の場面再現

もっと、映画館のような会話

でした

858: 2009/04/11(土) 01:09:56.73 ID:KXJv+wndO
佐「流石に約束をした直後であれには、僕も身体中の力が抜けたがね」

キ「…」

佐「あ、軽く見えるかもしれないが結構凄かったぞ。
電車を待つ間、来ると同時に飛び込むかどうか半ば本気で悩んだ」

キ「……すまない」


佐「いや、もう良いんだ。
僕には僕の日常があるし、キョンにはキョンの日常がある」

佐「でも、今日という日があったから…僕は
この先の日常も、何とかうまくやり過ごせる。そんな気がするんだ」


867: 2009/04/11(土) 01:17:39.96 ID:KXJv+wndO

佐「だから…僕は大丈夫。もちろん、キョンも大丈夫。
これからきっと、色々なことが上手く廻りはじめるよ」

キ「ああ…そうだな」

佐「でもさキョン、また今日以前みたいな日になったら…電話していいかな。」

キ「望む所だ。その時はまた、こうして一日中付き合ってやるよ。
約束だしな」

佐「くっくっ…一度破られているけどねw」

キ「…む」

佐「その時は、今度こそ鳶に油揚げをさらわれないように気をつけよう」

キ「その時は、入念に打ち合わせしてSOS団の活動とかぶらないようにしよう」


58: 2009/04/11(土) 01:57:55.26 ID:KXJv+wndO

佐「キョン、君の声が聞きたい」

キ「?今こうして聞いてるじゃないkぅ…
…佐々木お前、遮るなら手を使えと何度言ったら」

佐「でも、もう周りに人の目もない」

キ「…それはそうだが」

佐「僕が言ってるのはそんなもんじゃないよ。寂しい気持ちになった時に…一回じゃとても足りない。
もっと頻繁に、いつでも、何度でも聞いてたい。君の声を聞きながら夜は眠りたい」

キ「…それって」

佐「四六時中も好きと聴きたい」

キ「サザンじゃないか」



佐「…っくくっw悪い。
今のちょっと、恥ずかしさに耐え兼ねたんだ」

キ「(?…こいつ、掴めん…)」


63: 2009/04/11(土) 02:01:44.51 ID:KXJv+wndO
>>1
その…なんだ、嫌よ嫌よも好きのうちだよ

正直期待されて嬉しくないはずがない
問題と言えばただちょっと目が氏にそうなのと、手がぬるぬるになってきただけだ
あんまりピリピリするなよ



…と佐々木が言っとった

69: 2009/04/11(土) 02:11:59.90 ID:KXJv+wndO
あとすまん
スレ譲られた分際で言える立場じゃないと思うんだが

本当正直言わせてもらうと
他人に任せた時点でもう逐一>>1と名乗るのはおかしいなと常々思っとった
>>1でなくとも、間に投下してくれるのは構わんしね


まあでもそれは良いとしても、最後に口論はじめるのだけは遠慮しておくれ
せっかくここまで来たんだ
おまえさんのスレでね

74: 2009/04/11(土) 02:19:51.07 ID:KXJv+wndO

佐「でも…それがこれからは可能になった。
聴けるんだよね。いつでも、いくらでも。僕の好きな時に。
…君が約束してくれた 」

キ「ああ…もちろんだ」

佐「そのことは、僕を随分安心させる。…多分君が思っているよりもね。
この約束が僕の中で確立している間なら、僕はもう、些細なことではぶれない 」

キ「…」

佐「君が今日一日で、僕を少し強くした…」

76: 2009/04/11(土) 02:22:21.50 ID:KXJv+wndO
>>70
うん、そのつもり


というかあれ?
自分なんか徹底的に空気読めてない感が…
どうすれば良い?

78: 2009/04/11(土) 02:24:09.72 ID:KXJv+wndO
ああ! あ? あ?

??? …恥ずかしい 氏にたい

87: 2009/04/11(土) 02:35:59.32 ID:KXJv+wndO
佐「…と、話している間に君の家に着いてしまったね」

キ「…」

佐「全く、楽しい時間はすぐ過ぎてしまうな」

キ「…よし」

佐「ありがとう、キョン。今日は楽しかっ…
おいおい、お別れの挨拶くらい面と向かってしてくれても…何してるんだ?」

キ「残念だがお別れはまだのようだね。…ほら、自転車。
家までおくるよ。中学の時みたいにな」

佐「それは助かるね。…いや正直、君と別れたあとの家までの足取りを思って
些かげんなりしていたところだ」

91: 2009/04/11(土) 02:46:50.40 ID:KXJv+wndO
キ「あ…だが佐々木、お前その格好では」

佐「…?…ああ!」

キ「さすがに二人乗りはまずいな」

佐「くっくっw…大丈夫、捲れないように注意する。
それにこの暗がり、加えてこの人通りの無さだ。
何か見えるものがあったところで、肝心の見る者がいない」

キ「お前がそう言うなら…ほら」

佐「…というか、あのキョンがそういうことを気遣えるようになったことが僕にしてみれば驚きだ
やはり君は変わったね。…くっく」

キ「…」



98: 2009/04/11(土) 02:59:16.52 ID:KXJv+wndO
キ「…」

佐「…」

キ「…」

佐「…なあキョン、ふと思ったんだが」

キ「あー?」

佐「今日一日色々順番をすっとばしすぎたあまりに、君と僕は
今まで一番肝心な所を抜かしてきたことに、たった今気づいた」

キ「(…風の音でよく聞こえんな…)」

佐「このままでは僕も収まりが悪いから、今この場で
その穴を埋めてしまいたいと思う。どうかな」

キ「おお?良いよ、何でも言ってみろ。今のうちにな」

99: 2009/04/11(土) 03:00:40.38 ID:KXJv+wndO
佐「くっく…なら言わせてもらおう。
中学の頃から、今日に至るまで。たぶん僕はずっと君のことが」














fin

102: 2009/04/11(土) 03:03:50.08 ID:KXJv+wndO
え…だめ?

103: 2009/04/11(土) 03:03:54.19 ID:5aBBqt9KO
おお、終わりか

乙ですた

104: 2009/04/11(土) 03:04:08.72 ID:iokZWy2FO
。・゚・(ノД`)・゚・。乙!

引用: 佐々木「あぁ、キョン、君の声が聞きたいよ。」