1: 2008/12/04(木) 07:46:59.01 ID:A/y/10U/0
水銀燈「10年たってからまたきなさい」

キテレツ「そういうわけにもいかないんだよ、君がどういうカラクリで動いているか気になってしょうがないんだ」

水銀燈「カラクリ?」

キテレツ「とりあえず服を脱がせてと・・・」

水銀燈「ちょっと、やめなさい変態!」

キテレツ「動かないでよ、服を着てたらカラクリが見えないだろ?」

水銀燈「やめなさい!あっ・・・」

キテレツ「よし脱げた・・・どうやって外装をはずすんだろう・・・」

水銀燈「うっ・・・うっ・・・お父様・・・」

キテレツ「大丈夫だよ、カラクリを確認したら帰してあげるからさ」
ローゼンメイデン ねんどろいど 水銀燈 (ノンスケール ABS&ATBC-PVC 塗装済み可動フィギュア)
13: 2008/12/04(木) 11:14:22.25 ID:dGVS5LF/0



水銀燈「うっ……うっ……」

コロ助「……いい加減に泣き止むナリよ……まったく…キテレツの性格は困り者ナリね……」

水銀燈「うっ……うっ……誰よぉ…あなた……」

コロ助「我輩はカラクリロボットのコロ助ナリ」

水銀燈「うっ……なんでおもちゃが喋ってるのよぉ……」

コロ助「おもちゃじゃないナリ! れっきとしたサムライナリ!」

16: 2008/12/04(木) 11:26:33.85 ID:OKnYp0UM0
水銀燈「うっ……えぐっ……あっちにいってよぉ……」

コロ助「もう……しょうがないナリねぇ……」

テーテテーッテ テレレッテー テッテッ

コロ助「涙腺膏~! 詳細を知りたければぐぐるナリ」

水銀燈「うっ……何を言ってるのよぉ……」

コロ助「ちょっとおとなしくしてるナリよ」

水銀燈「うっ……え……? な、何をする気……!?」

29: 2008/12/04(木) 12:57:55.21 ID:OKnYp0UM0
水銀燈「ちょっ…ちょっとぉ! 私の顔に何を塗るつもりなのよ!」

コロ助「じっとしてるナリよ」

水銀燈「や…やめっ……」

ヌリヌリヌリ

コロ助「ふぅ……暴れるから塗りn…」

バキィ!

水銀燈「乙女の顔になんてことするのよ!」

コロ助「……痛たたた…酷いナリね~……いきなり殴るなんて……でも元気になったみたいナリね」

水銀燈「え……(涙が……止まってる……?)」

34: 2008/12/04(木) 13:19:15.83 ID:OKnYp0UM0
コロ助「キテレツは発明の事になるとちょっとおかしくなるナリ……我輩が何でもするから許してやって欲しいナリ……」

水銀燈「……ふんっ…おもちゃに何が出来るって言うのよ!」

コロ助「あっー! またおもちゃって言ったナリ! 我輩はおもちゃじゃないナリ! 万能カラクリ武者、コロ助ナリ!!」

水銀燈「……万能? なら……私を…お父様に会わせみなさいよぉ!」

コロ助「お…父様……?」

35: 2008/12/04(木) 13:30:40.38 ID:OKnYp0UM0
コロ助「お父様って……パパ上のことナリ?」

水銀燈「そうよ! あなた万能なんでしょ? 早く会わせてみなさいよ!」

コロ助「……そのパパ上は一体どこにいるナリ……?」

水銀燈「ばぁかじゃないのぉ!? そんなことが分かるなら あなたみたいなおもちゃに聞いてないわよ!」

コロ助「……」

水銀燈「身の程が分かったぁ? なら早くメガネガキを連れてきなさいよ! きっちりと詫びを入れさせてあげるわぁ!」

36: 2008/12/04(木) 13:41:54.03 ID:OKnYp0UM0
コロ助「……ったナリ……」

水銀燈「は……?」

コロ助「……わかったナリ……コロ助が責任を持ってパパ上に会わせてあげるナリ……」

水銀燈「な、何を言い出すのよ?……あなたみたいなおもちゃに出来るわけないじゃない!!」

コロ助「出来るナリ!」

水銀燈「!?」

コロ助「奇天烈大百科発明品第一号の名にかけて、パパ上に会わせてあげるナリ!」

38: 2008/12/04(木) 14:00:44.02 ID:OKnYp0UM0
水銀燈「……どうするつもりなのよ……?」

コロ助「……(キテレツに頼りたい所ナリが…今キテレツに会わせたら地の雨が降るナリ……)」

水銀燈「……なんとか言いなさいよ! この出来損ないのおもちゃ!!」

コロ助「あっー! また言ったナリ!! しかも酷くなってるナリ……」

水銀燈「何回でも言ってあげるわぁ! このおもちゃおもちゃおもちゃおもちゃおもちゃおもちゃ……」

コロ助「ひ、酷いナリ……キテレツ斎様の発明品をおもちゃ呼ばわりとか……」

水銀燈「ふんっ! キテレツだなんておもちゃの父親ピッタリの名前ね!」

コロ助「キ、キテレツ斎様まで馬鹿にするナリかぁ~~~」

40: 2008/12/04(木) 14:07:57.75 ID:OKnYp0UM0
コロ助「はっ……!」

水銀燈「何よ……悔しかったら言い返してみなさいよ!」

コロ助「……ちょっと着いて来るナリ!」

水銀燈「……な、何よぉ……怒ったの……?」

コロ助「いいから着いて来るナリ」

42: 2008/12/04(木) 14:14:09.39 ID:OKnYp0UM0
テーテテーッテ テレレッテー テッテッ

コロ助「航時機~! 詳細を知りたければぐぐるナリ」

水銀燈「……誰に言ってるのよぉ……」

コロ助「さっ、これに乗るナリ」

水銀燈「何よこれぇ……ぶっさいくなジャンクねぇ……」

コロ助「いちいち一言多いナリ~~~!」

43: 2008/12/04(木) 14:24:40.52 ID:OKnYp0UM0
水銀燈「……ほぉら、乗ってあげたわよ……ふんっ…おもちゃがおもちゃ遊びなんて滑稽ねぇ……」

コロ助「……(もう突っ込みきれんナリィ……)」カチッ

プワワワァ~~~~ン

水銀燈「な、何よこれぇ……う、浮いてるぅ!?」

コロ助「キテレツ斎様の時代へレッツゴー ナリ~」ガチャリ

ビシュウーーーーン

45: 2008/12/04(木) 14:38:28.63 ID:OKnYp0UM0
※※※江戸時代※※※



奇天烈斎「ふむ……ここの動力源を少し上げてみてはどうだろうか?」

○○「いや、ここは下でいくべきだよ」

奇天烈斎「いやいや、上でいくべきだ」

○○「いーや、下だ!」

奇天烈斎「上だ!」

○○「下だ!」



コロ助「キテレツ斎様ぁ~~~~~~~~」



奇天烈斎&○○「!?」

46: 2008/12/04(木) 14:53:16.49 ID:OKnYp0UM0
奇天烈斎「おおっ! コロ助ではないか。遊びに来てくれたのか?」

コロ助「いえ、今日はお願いがあって来たナリよ~~」

水銀燈「……もう……何なのよ……あの乗り物は……」フラフラ

奇天烈斎「お願い……? それにその子は……」

○○「……こいつは驚いたな……そのカラクリ人形は奇天烈斎殿の発明か?」

奇天烈斎「あ…あぁ……コロ助というんだ」

○○「すごいな……もっとじっくり見せてくれ……」 

ヒョイッ

コロ助「ひゃあっ……こ、この人は誰ナリかぁ~~?」

奇天烈斎「心配するな、異国から来てくれた私の友人だ。名は狼禅という」

水銀燈(!? ろう……ぜん?)

狼禅「よろしくな」

47: 2008/12/04(木) 14:56:07.49 ID:XoDN02VIO
なんというコラボwww

48: 2008/12/04(木) 15:07:46.25 ID:OKnYp0UM0
狼禅「……ほうほう……これは……ゼンマイ仕掛けという訳か……ふむ……」ジロジロ

コロ助「お、下ろして欲しいナリ~~~」

奇天烈斎「おいおい、お主の研究熱心さには感心するが、今はその子の話を聞かせてくれないか?」

狼禅「おっと、これは失礼した……」

コロ助「ふぅ~助かったナリ~」

奇天烈斎「それでコロ助……お願いというのは何だ?」

49: 2008/12/04(木) 15:24:55.32 ID:OKnYp0UM0
コロ助「この子のパパ上を奇天烈斎様に探して欲しいナリよ~」

水銀燈「……」

奇天烈斎「パパ上……父上をか? ふむ……名はなんと言う?」

コロ助「あ……(そういえばパパ上どころか、この子の名前も知らないナリよ~……)」

奇天烈斎「……どうした?」

コロ助「な、名前を言うナリよ……」

水銀燈「……す…銀……ぅ」

コロ助「何を恥ずかしがってるナリか……(さっきとはえらい態度が違うナリ……)」

奇天烈斎「……ぎん? 銀… お銀ちゃんか?」

狼禅「お銀ちゃんか……かわいい名前だな」

水銀燈「!?」カァアアア……

50: 2008/12/04(木) 15:35:09.65 ID:OKnYp0UM0
狼禅「日本語の響きというのは美しいな……私にも子供が出来たら日本語で名をつけよう」

奇天烈斎「……お主は嫁を見つけるほうが先決であろう……」

狼禅「ははは……これは手厳しい」

水銀燈「……」

奇天烈斎「それでお銀ちゃん、父上の名前はなんと言うんだ?」

水銀燈「!? え…と……そのぉ……」

コロ助「早く言うナリよ! 奇天烈斎様を困らせるんじゃないナリ!」

53: 2008/12/04(木) 16:02:03.24 ID:OKnYp0UM0
奇天烈斎「これこれ、女の子をいじめてはいかんぞ。コロ助や……」

コロ助「で、でも……(いじめられてたのはコロ助のほうナリィ~~~)」

奇天烈斎「……きっと見知らぬ土地に連れてこられて、緊張の糸が解けぬのであろう……お銀ちゃんが話してくれるまで待とうじゃないか」

水銀燈「……」

コロ助「そ、そうナリか……(一体どうしちゃったナリ?)」

狼禅「奇天烈斎殿……今日は私も泊まっていってよいかな? 是非コロ助君と親交を深めたいのだ」

水銀燈「……」ギュウゥッ

コロ助「……!?(い、痛いナリィ~~!)」ピョーン

奇天烈斎「おお! コロ助もあんなに喜んで。よい……今日は馳走になっていってくれ」

57: 2008/12/04(木) 16:26:29.22 ID:OKnYp0UM0
※※※奇天烈斎宅※※※



奇天烈斎「狼禅殿、悪いが湯を沸かしてくれぬか? 私は飯の用意をするでな」

狼禅「やれやれ……客人に湯の用意をさせるか……」

奇天烈斎「ん? 何か言ったか狼禅殿」

狼禅「……いいや、なにも。 コロ助君! 後でたっぷり語りあおうか。それまで待っててくれよ」

水銀燈「……」ギュウゥッ

コロ助「……!?(い、痛いナリィ~~!)」ピョーン

狼禅「ははは、私も楽しみだよ」

60: 2008/12/04(木) 16:41:02.89 ID:OKnYp0UM0
コロ助「もう! さっきから何ナリか!!」

水銀燈「……」

コロ助「散々人を罵倒したかと思えば急にダンマリで……一体どうしちゃったナリか!」

水銀燈「……別にぃ……」

コロ助「……喋ったかと思えばそれナリか……パパ上を探すっていう目的はどうするナリか!」

水銀燈「……」

コロ助「いい加減にするナリ!! 確かに何でもするって言ったナリが銀が協力しなきゃ何もできんナリ!!」

バキィ!

コロ助「ぎゃああああ」

水銀燈「……銀じゃないわよぉ……お銀ちゃんって呼びなさぁい!」

63: 2008/12/04(木) 16:55:17.41 ID:OKnYp0UM0
水銀燈「私…ここが気にいっちゃったわぁ……」

コロ助「は……?」

水銀燈「……しばらく…ここで暮らしてあげるっていうのよぉ……」

コロ助「な、な、何を勝手なことを言ってるナリか! 大体、銀の…」

バキィ!

コロ助「ぎゃああああ」

水銀燈「お銀ちゃんって呼びなさぁいっての!」

68: 2008/12/04(木) 17:12:37.74 ID:OKnYp0UM0
水銀燈「大体……メガネガキがしでかした事を思えば、これくらいどうって事ないじゃない!」

コロ助「そ、それは……」

水銀燈「いいこと! 私がいいって言うまでここで暮らすことにしたの! あなたはそれに従えばいいだけ……」

コロ助「そ、そんなの我輩だけじゃ決められないナリ~」

水銀燈「んもう! 今日乗ってきたジャンクが壊れて帰れないって言えばいいでしょ! 使えないおもちゃね!!」

コロ助「あっー! またおもちゃって言ったナリーーー!」

70: 2008/12/04(木) 17:48:21.11 ID:OKnYp0UM0
奇天烈斎「はっはっはっ、お銀ちゃんとコロ助は仲がいいのぉ……」

水銀燈「!?」

コロ助「キ、キテレツ斎様……!」

奇天烈斎「どうだ? お銀ちゃんの緊張は解けたかの?」

水銀燈「……(ほっ……聞かれてなかったようね……)」

コロ助「そ、それが……」

水銀燈「……」ジ口リ

コロ助「ひぃっ!…… ま、まだ駄目みたいナリ……お銀ちゃんは……人見知りが激しい……ナリ……」

奇天烈斎「ふむ……それは困ったのぅ……私はいつまで居てもらってもかまわんが、長くなると英一が心配するのではないか?」

コロ助「それは……」チラッ…

水銀燈「……」ギ口リ!

コロ助「ひいぃっ!!…… だ、大丈夫ナリ……航時機で何とでもなる……ナリ……」

奇天烈斎「そうか、そうか! はっはっはっ 男ばかりでむさくるしかったんじゃ。コロ助とお銀ちゃんがよければ好きなだけ居なさい」

73: 2008/12/04(木) 18:29:57.80 ID:OKnYp0UM0
狼禅「……男ばかりでむさくるしいとは……お言葉ですな、奇天烈斎殿」

水銀燈「!?」

奇天烈斎「おっと……聞かれてしまったかな? はっはっはっ」

狼禅「まったく……湯の用意は出来たが飯のほうは如何かな?」

奇天烈斎「まだ炊き始めたばかりではないか……異人殿はせっかちでいかん。それまで風呂を済ませてくるといい。一番湯は客人の特権ぞ」

狼禅「……そうだな……。では一番湯を頂くとするか。同じ客人同士、一緒にどうかな? お銀ちゃん」

水銀燈「えっえっえっ……!?」カァアアア…

狼禅「ははっ 冗談だよ、お銀ちゃん」

奇天烈斎「いらぬ冗談はよさぬか……可哀想に、耳まで真っ赤じゃ……はっはっはっ」

狼禅「すまん、すまん、ははっ…さぁ入ろうか……コロ助君」

コロ助「……ええええええええ!?」

水銀燈「!?」

74: 2008/12/04(木) 18:43:14.78 ID:OKnYp0UM0
帰宅するんでちょっと時間空けます~

126: 2008/12/04(木) 20:42:04.48 ID:4Rp85FzY0
※※※風呂場※※※



ザッパァ~~~~ン

コロ助「うわぁ…湯船の中…すごくあったかいナリぃ…」

狼禅「……これは…水を弾いている……陶器…鉄…木……どの材質でもない……」

コロ助「ちょ…ちょっと体を撫で回すのをやめて欲しいナリ……」

狼禅「強度もあり弾力もある……しかも、しなやか……」

コロ助「話を聞いているナリかぁーあっ…あっーーー」

狼禅「……初めて見る材質だ……まったく……奇天烈斎殿はたいしたものだ……」

コロ助「あっ…あっ…あっーーーーーーそこは駄目ナリィイイイイーーーーー」

147: 2008/12/04(木) 21:00:55.63 ID:4Rp85FzY0



水銀燈「……」ソワソワ

奇天烈斎「コロ助……いや…狼禅の事が気になるのかい?」

水銀燈「!?」

奇天烈斎「はっはっはっ 図星といったところかな?」

水銀燈「……」

奇天烈斎「まあ深くは詮索しないがね。そういえば狼禅は背中を流してもらうのが好きなんだ。いつもは私がやってやるんだが手が離せなくてね…お銀ちゃんにお願いしてもいいかな?」

水銀燈「……」カァアア…

奇天烈斎「ふふふ……コロ助じゃあの広い背中を流せそうにないしね……その綺麗な西洋の服を濡らすといけないからここに代わりの服を置いておこう。気が向いたら行ってくれたまえ」

水銀燈「……」

154: 2008/12/04(木) 21:15:37.30 ID:4Rp85FzY0



狼禅「……素晴らしい!……奇天烈斎殿に会いに来て本当によかった……」

コロ助「それ以上は駄目ナリィイイイイイイーーーーーーーーーーーー」



水銀燈「……あのぉ……」



狼禅「……お銀ちゃん!?」

コロ助「はぁ…はぁ……(助かったナリぃ……)」

156: 2008/12/04(木) 21:25:03.13 ID:4Rp85FzY0
水銀燈「……お…お背中…お流ししますわぁ……」

狼禅「えっ……あ…あぁ……!?」

コロ助(……本当にあの銀と同一人物ナリか……)



ゴシゴシゴシ

狼禅「……」

水銀燈「……」

コロ助(うわぁ…この風呂場…すごく重い空気ナリぃ…)

161: 2008/12/04(木) 21:33:14.27 ID:4Rp85FzY0
水銀燈&狼禅「……あの……」

水銀燈&狼禅「!?」

水銀燈「……ど、どうぞ……」

狼禅「……いや……お銀ちゃんこそ……」

水銀燈「……」

狼禅「……」



コロ助(何ナリかぁーーーーこの空気はーーーー)

166: 2008/12/04(木) 21:39:50.16 ID:4Rp85FzY0
狼禅「……じゃあ……どうしたんだい、君は?……とても人見知りだって……さっき聞いたんだけど……」

水銀燈「……」

狼禅「……無理やり…奇天烈斎殿に……行くように言われたのかい……?」

水銀燈「……!?」フルフル

狼禅「……」



コロ助「あっーーーーーもう! いい加減にするナリィイーーー!!」

水銀燈「!?」

狼禅「……コロ助君……!?」

167: 2008/12/04(木) 21:44:42.45 ID:4Rp85FzY0
コロ助「このままじゃのぼせちゃうナリ! とにかくここから出るナリ!!」

狼禅「……あ…あぁ……」

水銀燈「……」

168: 2008/12/04(木) 21:50:50.24 ID:4Rp85FzY0



奇天烈斎「おや……随分長湯だったね……?」

狼禅「……あぁ」

水銀燈「……」

コロ助(…すごく重い空気ナリぃ…)

狼禅「……奇天烈斎殿……」

奇天烈斎「ん? なんだい狼禅」

175: 2008/12/04(木) 22:00:40.02 ID:4Rp85FzY0
狼禅「奇天烈斎殿……あなたがあの子をよこしたのか……?(小声で)」ヒソヒソ

奇天烈斎「……何か問題があったのか……?(小声で)」ヒソヒソ

狼禅「……問題も何も……一体何を考えているんだ……(小声で)」ヒソヒソ

奇天烈斎「……そうか……余計なお節介だったかもしれんな……(小声で)」ヒソヒソ



水銀燈「……」

コロ助「……元気だすナリぃ……お銀ちゃん……」

178: 2008/12/04(木) 22:10:08.15 ID:4Rp85FzY0
※※※翌日※※※



コロ助「……ふわぁあぁ……」

奇天烈斎「おはよう、コロ助」

コロ助「おはようナリぃ……キテレツ斎様ぁ……」

奇天烈斎「……コロ助……昨夜何があったのか教えてはもらえないか……?」

コロ助「ふっ…ふぇえぇえ……!?」

奇天烈斎「……狼禅も……お銀ちゃんも……落ち込みっぱなしなんだ……」

コロ助「……」

奇天烈斎「……なぁ……コロ助……」

コロ助「それは……」

186: 2008/12/04(木) 22:21:45.95 ID:4Rp85FzY0
コロ助「――――という訳ナリ……」

奇天烈斎「……ふむ……」

コロ助「……キテレツ斎様はお銀ちゃんに何を吹き込んだナリか……」

奇天烈斎「……いや…な……――――」



コロ助「はぁあ……? お銀ちゃんが狼禅さんに好意を持ってると!?」

奇天烈斎「……あぁ……余計なお節介だったかもしれん……」

コロ助「……たしかにお銀ちゃんはこの時代に来てからなんかおかしいナリ……」

奇天烈斎「……コロ助……よければもっと詳しい事を教えてはくれまいか?」

コロ助「……分かったナリ……」

194: 2008/12/04(木) 22:32:30.13 ID:4Rp85FzY0
奇天烈斎「……つまりお銀ちゃんは父親探しを放棄してまでもここに居座りたい…と……」

コロ助「……そうナリィ……」

奇天烈斎(……まさか一目ぼれでもここまで入れ込みまい……)

コロ助「……キテレツ斎様ぁ……」

奇天烈斎(……しばらくは見守るしかない……か……)

コロ助「……キテレツ斎様!」

奇天烈斎「……あ…あぁ……しばらくは様子を見ることにしよう……お銀ちゃんや狼禅には内密にな……」

コロ助「……分かったナリ……」

200: 2008/12/04(木) 22:44:49.03 ID:4Rp85FzY0
※※※さらに翌日※※※



狼禅「見てくれ! 奇天烈斎殿!!」

奇天烈斎「これは……白い薔薇……か?」

狼禅「ふふっ……只の白い薔薇じゃないんだ……この薔薇の中には霊体というものがあってな、この霊体を移し変えることで別の植物をこの白薔薇と同じような姿に変えることができるんだ」

奇天烈斎「ほぉお~~相変わらずお主の……レンコン術とかいったか……?」

狼禅「錬金術だ! れんきんじゅつ!!」

奇天烈斎「そうそう……錬金術には目を見張るものがあるな」

狼禅「当然だ! ……カラクリは奇天烈斎殿に劣るがな……」

奇天烈斎「ん……何か言ったか?」

狼禅「……何でもない……(いつか奇天烈斎殿のカラクリ術もマスターしてみせる……)」



コロ助「……あの二人キテレツみたいナリィ~」

水銀燈「……」

208: 2008/12/04(木) 22:53:07.86 ID:4Rp85FzY0
※※※さらに翌日※※※



狼禅「むっ……むぅうぅ~~~~~」

奇天烈斎「悩んでるみたいじゃのう……どうだ、甘いものでも? 頭を使う作業には糖分が最適だぞ?」

狼禅「あ…あぁ……頂こうか……」

奇天烈斎「そうか……」ニヤッ

奇天烈斎「おーい……コロ助、お銀ちゃんや……」

狼禅「なっ……?」



コロ助「はーーーい、お待たせナリぃ~~~」

水銀燈「……」

210: 2008/12/04(木) 23:01:25.00 ID:4Rp85FzY0
狼禅「おっ…おい……奇天烈斎殿……」

奇天烈斎「みんなで食べたほうがうまかろう……そう邪険にするではない……」

狼禅「いや……私は……」

コロ助「はい! 大福ナリ~~~」スッ

水銀燈「あっ……」

奇天烈斎(あの馬鹿……)

狼禅「……ありがとう……」

コロ助「いぃ~~ぱい、お代わりするナリよ!」

水銀燈「……」ギ口リ!

コロ助「ひぃ!?(な、なんだか危険な視線を感じるナリぃ……)」

211: 2008/12/04(木) 23:08:36.26 ID:4Rp85FzY0
狼禅「うっ……これは……」

コロ助「……どうしたナリか?」

狼禅「……随分と甘味が強いんだな……」

奇天烈斎「大福は甘いものと決まっておる。こういう甘いものには茶が合うのだよ」

狼禅「……この国の茶は私の口には合わん……」

奇天烈斎「それは困ったな……甘いものばかりでは辛かろう……」

狼禅「……何か酸味の利いたものはないか? 多少甘いものでもかまわん……」



水銀燈「あのぉ……」

213: 2008/12/04(木) 23:16:25.28 ID:4Rp85FzY0
奇天烈斎「なんだい…お銀ちゃん?」

水銀燈「これが……合うかとぉ……」スッ

奇天烈斎「……これは…南蛮の業者から買った果物か……?」

コロ助「……これは…苺ナリ……?」

水銀燈(……確か…あの子が好きだったものよねぇ……)

狼禅「……餡子と果物か……」

水銀燈「……」ジー

狼禅「くっ……(えぇい! ままよ!)」パクッ



水銀燈「……」

狼禅「……」モグモグモグ…

214: 2008/12/04(木) 23:22:58.53 ID:4Rp85FzY0
狼禅「これは……」

水銀燈「……」ドキドキ…

狼禅「……いける……うまいよ! お銀ちゃん……」

水銀燈「……ほ、本当ぉ!?」パァアア



奇天烈斎「どれ? 私にもひとつ……ふむ…確かにこれはうまい……大福と苺がこんなに合うとは……さしずめ苺大福といったところか」

コロ助(……そのまんまナリぃ……)

217: 2008/12/04(木) 23:32:31.93 ID:4Rp85FzY0
狼禅「これは……私の国の茶にも合いそうだ……」

水銀燈「よかったぁ……」ニコッ



コロ助「やっと笑ったナリ……」

奇天烈斎「まったく……世話の焼ける……まぁ……あの笑顔に免じて苦労は報われたと思うか……」



狼禅「はははっ……」

水銀燈「あはぁ……」



コロ助(……まるで……親子みたいナリぃ……)

218: 2008/12/04(木) 23:41:54.51 ID:4Rp85FzY0
※※※さらに翌日※※※



狼禅「よいしょっと……」ドサッ

奇天烈斎「……何だ…その荷物は……。またお得意のレンコン術か……?」

狼禅「……れ ん き ん じ ゅ つ だ ! ……まあこの荷物は違うけどな……」

水銀燈「お手伝いしますわぁ……狼禅様……」ニコッ

狼禅「あぁ……ありがとう、お銀ちゃん」



コロ助「……すっかり打ち解けあってるナリ……」

奇天烈斎「……余計なことは言わなくていい……それにしても何だ、その荷物は……?」



狼禅「最近研究ばかりだったからな……たまには皆に私の国の茶を振舞おうと思って……」

水銀燈「まぁ……素敵ですわぁ…狼禅様」

220: 2008/12/04(木) 23:49:37.99 ID:4Rp85FzY0
奇天烈斎「……これは……赤い茶か?」

狼禅「そうだ……美しいだろ? これは紅茶というんだ」

奇天烈斎「……ではさっそく湯飲みに注ぐとするか……おい、コロ助…

狼禅「おい……まっ…

水銀燈「待って! これは専用のカップがあると思うのぉ……ねぇ… 狼禅様ぁ」

狼禅「あっ…あぁ……(詳しいなこの子は……)」

水銀燈(……思い出したくないけど……よくあの子が飲んでたわねぇ……)

224: 2008/12/05(金) 00:00:06.25 ID:GweMZtAQ0
狼禅「……カップはな……あらかじめお湯を注いで暖めておくんだ……」

奇天烈斎「……随分まどろっこしいことをするんだな……」

コロ助「……お茶ぐらいちゃっちゃって飲みた…

水銀燈「……」ギュウゥッ

コロ助「……!?(い、痛いナリィ~~!)」ピョーン

水銀燈「まぁ! こんなに喜んじゃって…うふふ……」

奇天烈斎「……」

狼禅「見ろ! 奇天烈斎殿だけではないか…この茶の良さが分からぬものは……」

水銀燈「まぁ…まぁ……飲んでいただければ狼禅様のお心遣いも分かって貰えますわぁ」



奇天烈斎(……むぅ……)

コロ助(……おうちに帰りたいナリぃ~~~)

226: 2008/12/05(金) 00:17:29.92 ID:GweMZtAQ0
※※※さらに翌日―狼禅屋敷―※※※



狼禅「悪いな……お銀ちゃん……庭の手入れを手伝って貰って……」

水銀燈「いえ……狼禅様の為なら……

狼禅「えっ……?」

水銀燈「なっ…なんでもありませんわぁ……それにしても綺麗な薔薇園……」

狼禅「……そうかい? ……奇天烈斎殿は屋敷に薔薇はどうかと言っていたがな……ははっ…」

水銀燈「そんなこと思いませんわぁ……それに…よほどこの薔薇達を大切になさっているのですね……綺麗な蒼薔薇と翠薔薇……」

狼禅「……あぁ……あっ、その如雨露で水を与えてやってくれ。私は鋏で不用な枝や草を取り除くよ……やっぱり…庭の手入れは一人より二人のほうがいいなあ……」

水銀燈「……そうですね……如雨露と鋏は一緒でなくては……(まるであの子達のよう……)」

228: 2008/12/05(金) 00:29:19.10 ID:GweMZtAQ0
狼禅「なぁ……お銀ちゃん……」

水銀燈「えっ……なんでしょうか?……狼禅様……」

狼禅「……君と……私は……何か…他人で無いような……」

水銀燈「えっ……」

狼禅「……そんな感覚に…………いや、今言ったことは忘れてくれ……すまん……」

水銀燈「……狼禅様……(……お父様……)」

263: 2008/12/05(金) 12:16:27.36 ID:jz4Cpnvq0
チチチチ……

水銀燈「……鳥の声……?」

狼禅「ああ…私が飼っている鳥さ。美しい鳴き声だろう? レモンカナリアというんだ」

水銀燈「……カナ…リア……」

狼禅「知っているのかい?」

水銀燈「えぇ……まあ……」

狼禅「カナリアは頭のいい鳥だが、私のは一際おりこうさんでね……大きく囀る時はおねだりをしてるんだ」

水銀燈「おねだり……餌をですか?」

狼禅「……食いしん坊だからそれもあるが、今の鳴き声はこれだな……」

狼禅は土間の奥から古めかしいバイオリンを取り出すと、軒下の鳥籠に向かって美しい旋律を奏で始めた

265: 2008/12/05(金) 12:21:20.49 ID:jz4Cpnvq0
チチ…チチ……

狼禅のバイオリンに合わせるようにカナリアの囀りは強く小さく変化し始めた

水銀燈「まぁ……」

狼禅「どうだい……? うちのお姫様の歌声は」

水銀燈「……素敵ですわぁ」

チチチ…チチ…


水銀燈「…………ちの花が咲いたよ……白い白い花が咲いたよ……」

チチ…チチ…


狼禅「!……」


チチ…チチ…

水銀燈「…………のとげはいたいよ……」

チチチ…チチ…


狼禅「……ふふっ……今日の姫様は一際ご機嫌のようだ…………」

267: 2008/12/05(金) 12:35:52.48 ID:jz4Cpnvq0
――――――――――



水銀燈「~~~♪」

コロ助「最近機嫌がいいナリねぇ~」

水銀燈「あらぁ……そぉ?」

コロ助「……ニコニコ顔で鼻歌歌ってりゃ嫌でも分かるナリぃ……」

水銀燈「そんなことぉ……あっ!?」

コロ助「な、なんナリか……?」



水銀燈「狼禅様がいらっしゃったわぁ!」

コロ助(……分かりやすいナリねぇ……)

269: 2008/12/05(金) 12:49:14.36 ID:jz4Cpnvq0
水銀燈「狼禅様ぁ!」

狼禅「やあ、お銀ちゃん」

奇天烈斎「まったく……最近のお主は私に会いにきてるのか、お銀ちゃんに会いに来てるのかどっちが目的なのかのぉ」

狼禅「なっ…なっ……、何を言い出すか…奇天烈斎殿……」

水銀燈「……」カァアア…

コロ助「まったく……アツアツなりねぇ……」



水銀燈「……」ギュウゥッ

コロ助「……!?(い、痛いナリィ~~!)」ピョーン

271: 2008/12/05(金) 13:05:56.34 ID:jz4Cpnvq0
奇天烈斎「それで今日はどんなレンコン術を見せてくれるんだ? それともお主の郷土料理でも、もてなしてくれるか?」

狼禅「……もはや矯正しようとは思わん……今日は奇天烈斎殿に報告に参っただけだ……」

奇天烈斎「……報告?」

狼禅「……あぁ……実はな……」

コロ助「随分神妙な顔ナリぃ……」

水銀燈「しっ……黙ってなさぁい……」



狼禅「……私は……国に戻ろうかと思う……」

272: 2008/12/05(金) 13:31:05.35 ID:jz4Cpnvq0
水銀燈「!?」

奇天烈斎「……それはまた…急な話だな……」

狼禅「……あぁ……スマン……あらかじめ告げて置くべきだとは思ったが……」

一瞬、水銀燈へ視線を向けるとすぐに正面に戻す狼禅

狼禅「……奇天烈斎殿のおかげで私の長年の夢であった究極の…錬金術が……手を伸ばす所まで見えてきたんだ……」

水銀燈「……」

奇天烈斎「……錬金術……私が教えたのはカラクリ術であったが……」

狼禅「……いやいやカラクリも錬金も根っ子は同じ……奇天烈斎殿が私の視野を広げてくれたことは間違いない」

奇天烈斎「……だがなあ……何も国に戻らずとも、ここで研究を続けることは叶わぬか?」

狼禅「……この国の資源や設備では私の夢を成すことはできぬ……祖国の…私のラボでなくては……」

273: 2008/12/05(金) 13:43:41.68 ID:jz4Cpnvq0
奇天烈斎「……そう…か……」

水銀燈「……」タッ

奇天烈斎の返事が終わらぬ内に水銀燈は外へ駆け出していた

狼禅「お銀ちゃん!!」

コロ助「お銀ちゃん!」タタッ

コロ助は水銀燈の後追って駆け出した



奇天烈斎「……お主は……追わぬのか……?」

狼禅「……今追えば……別れが辛くなるだけだ……」

275: 2008/12/05(金) 14:08:08.70 ID:jz4Cpnvq0



水銀燈「うっ…うぅっ……」ポロポロ

タタタッ…

コロ助「はぁ…はぁ……やっと追いついたナリ…………泣いているナリか……?」

水銀燈「うっ……」ゴシゴシ

水銀燈「うるさいわね!……あっちいきなさいよぉ……うぅっ……」ポロポロ

コロ助「……なんで……なんで…そんなに入れ込むナリか……? まだ会って数週間じゃないナリか……」

水銀燈「あんたに…あんたに何が分かるっていうのよぉ!」



コロ助「……そんなに好きナリか……」

水銀燈「!?」

277: 2008/12/05(金) 14:39:31.59 ID:jz4Cpnvq0
コロ助「……そんなに好きなら……何故着いて行こうとしないナリ……?」

水銀燈「……だって……私はお人形なのよぉ!! お人形が……人間と一緒になんてなれる訳ないじゃなぁい!!!」

コロ助「……言いたいことはそれだけナリか……?」

水銀燈「!?」

コロ助「……お銀ちゃんは怖がってるだけナリ……自分から受け入れてもらうことも……戦うこともせずに……逃げ回ってるだけナリ……」

水銀燈「……はっ……何、利いた風な口をきいてるのよ!……おもちゃは黙ってなさぁい!!!!……」

コロ助「……そうやって……自分は安全な場所にいて、好きな人に本当のことも告げずに……ずーっと泣き喚いてるつもりナリか……」

水銀燈「!?……だって…だって……本当の事を言ったら……」



コロ助「お銀ちゃんの好きな狼禅はそんな器の小さい男ナリか……?」

水銀燈「!!」

279: 2008/12/05(金) 14:49:47.41 ID:jz4Cpnvq0
水銀燈「うっ…うぅっ……コロ助ぇ……」ポロ…

コロ助「……やっと…名前で呼んでくれたナリね……大丈夫……我輩だけはどんな事があってもお銀ちゃんの味方ナリぃ……」

水銀燈「コロ助…コロ助ぇ……」ポロポロ…



コロ助「安心するナリ……きっと狼禅さんなら分かってくれるナリ……我輩を家族として受け入れてくれた木手家のように……」

281: 2008/12/05(金) 15:09:16.95 ID:jz4Cpnvq0
※※※狼禅の出航当日※※※



奇天烈斎「……早いものだな……お主が来てから三度の冬が過ぎたか……」

狼禅「あぁ……奇天烈斎殿に頂いた、この名もすっかり馴染んだものだ。 だが…お返しせねばな……」

奇天烈斎「……受け取ろう……だが! 預かって置くだけだ……いつかまた、戻ってきた時のために……。なぁ、ローゼン殿」

ローゼン「……ふふっ…そうだな……。それまで失くしてくれるなよ……奇天烈斎殿は物覚えが悪いからな!」

奇天烈斎「はっはっはっ この期に及んで憎まれ口を叩くか!」

ローゼン「それは奇天烈斎殿も同じであろう……ふふふ」

284: 2008/12/05(金) 15:18:49.71 ID:jz4Cpnvq0



コロ助「早くするナリよ~お銀ちゃん」

水銀燈「ま、待ちなさぁいって……」

コロ助「お船はまってくれないナリよ~~~」

水銀燈「分かってるわよぉ……」タタタタ……ピタッ

コロ助「ど、どうして立ち止まるナリか……? まさか今更……」



水銀燈「……コロ助ぇ……」

コロ助「……?」

287: 2008/12/05(金) 15:29:46.33 ID:jz4Cpnvq0
水銀燈「……」

コロ助「ど、どうしたナリかぁ~……」

水銀燈「……あなた……確か…涙が止まるクリーム……持ってたわよねぇ……」

コロ助「……涙腺膏……ナリか?」



水銀燈「……それを……私に…ちょおだぁい……」

288: 2008/12/05(金) 15:35:23.91 ID:jz4Cpnvq0
コロ助「……」

水銀燈「……ねぇ……お願い! 狼禅様に……みっともない姿を見せたくないの……」

コロ助「……」

水銀燈「……お願い! コロ助……」



コロ助「……分かったナリ……」



水銀燈「!! ……ありがとぉ……コロ助……」

289: 2008/12/05(金) 15:42:17.45 ID:jz4Cpnvq0



ローゼン「……」ソワソワ

奇天烈斎「お銀ちゃんとコロ助はまだかのぅ……」

ローゼン「……あ、あぁ……」ソワソワ



水銀燈「……様ぁ~」



ローゼン「……!?」ガタッ



水銀燈「狼禅様ぁ~~~」



ローゼン「お…お銀ちゃん!」

291: 2008/12/05(金) 15:53:41.02 ID:jz4Cpnvq0
水銀燈「はぁ…はぁ……間に合ってよかった……」

奇天烈斎(!……あの手にあるのは涙腺膏……か?)



ローゼン「あぁ……お銀ちゃん……私は君に言わなければいけないことが……」

水銀燈「……わ、私もぉ……狼禅様……」

ローゼン「……お銀ちゃん……私の本当の名は……ローゼンというんだ……」

水銀燈「!……はい……ローゼン様……」

ローゼン「……それで……その……えっと……」

水銀燈「……」

ローゼン「……私と……その……」



ローゼン「共に……一緒に来てくれないか……?」

292: 2008/12/05(金) 16:03:01.16 ID:jz4Cpnvq0
水銀燈「!?……でもぉ……私……」ポロ…

水銀燈「私……(な、なんで…涙が……?)」ポロポロ…

水銀燈「私……私……(涙が……止められない!?)」ポロポロポロ…



水銀燈「……ついていきます! ローゼン様と一緒ならどこへだって……!!!!」ブワッ…

ローゼン「お銀ちゃん!!」



水銀燈「……水銀燈……」ポロポロ

ローゼン「……え?」

水銀燈「……私の……本当の名は……水銀燈……」ポロポロ



ローゼン「……あぁ……どこまでも一緒だよ……水銀燈……」

296: 2008/12/05(金) 16:09:50.33 ID:jz4Cpnvq0
――――――――――



奇天烈斎「……行ったな……」

コロ助「……行ってしまったナリね……」

奇天烈斎「なぁ……コロ助……」

コロ助「何ナリか? キテレツ斎様」

奇天烈斎「……お銀ちゃんが手に持っていたのは……涙腺膏だよなあ……」

コロ助「あー、あれナリか……中身は只のハンドクリーム…ナリよ」

奇天烈斎「……はぁ?……何でまた……」



コロ助「何でって……男は女の涙に弱いものナリよ?」

奇天烈斎「おまえ……」

297: 2008/12/05(金) 16:25:56.36 ID:jz4Cpnvq0
コロ助「……あそこまで好きあっている仲なら…お銀ちゃんの素性を知っても……」

奇天烈斎「……素性? お銀ちゃんがカラクリ人形ってことか?」

コロ助「……」

コロ助「ええええええええええええええ!?」



奇天烈斎「……お前なあ……私達は一流のカラクリ師……ましてやローゼンは超一流の人形師であるぞ……分からぬはずがあるか!」

コロ助「……で、でもローゼンさんはコロ助には興味津々だったナリが……お銀ちゃんには……」

奇天烈斎「……」

奇天烈斎「……その……なんだ……我々みたいな……その……朴念仁は……女性には……疎いものでな……」



コロ助「……ただ照れ屋なだけナリか……?」

奇天烈斎「……ま、まあ……そういう事にしといてくれ……」

299: 2008/12/05(金) 16:36:03.81 ID:jz4Cpnvq0
奇天烈斎「……だからこそ……本音菌をローゼンに植付けたのだがな……」ボソッ

コロ助「え? なんか言ったナリか」

奇天烈斎「……いいや、何も……」

300: 2008/12/05(金) 16:51:33.67 ID:jz4Cpnvq0
――――――――――



水銀燈「……ローゼン様……」

ローゼン「……ん? 何だい…水銀燈……」

水銀燈「……国に着いたらまず何をしますか……?」

ローゼン「……そうだな……まず、お前とおいしいものを食べて……それから街を見て回って……」

ローゼン「……そう……貴族達にも挨拶をしないとな」

水銀燈「……貴族……?」

ローゼン「……あぁ……私の援助をしてくれる……名門…アリス家だ……」



水銀燈「……ア…リ…ス……?」

302: 2008/12/05(金) 16:55:08.84 ID:jz4Cpnvq0
駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
今回はこれで終了ですが、いつかまた続きを書こうと思っています
ローゼンの狂っていく様を書きたいなーって思ってるので
またお目にかかる日まで。それでは~

303: 2008/12/05(金) 16:59:26.02 ID:LrxgmjYL0


水銀燈はこのままこの時代に住み着くのか?

引用: 水銀燈「メガネガキのくせに私の体に興味があるですって?」