105: 2008/11/27(木) 19:38:37 ID:2lvOsBba
ペリーヌが孤軍奮闘し、その後ストライクウィッチーズの総攻撃により終幕した夜間戦闘。
無数に沸いたネウロイは夜間と言う事もあり正確な撃墜数が判別出来ず一同は多少がっかりもしたが、
美緒の「よし、扶桑流の酒席と行くか!」の一言で沸き返った。
大浴場。湯気立ちこめる中、芳佳以外の隊員が全員揃って湯に浸かっていた。
大勢と言う事は有っても全員、と言うのは意外に珍しい光景だ。
「坂本さん、とりあえずこんなもんで良いですか?」
トレーにずらりと並ぶ大量の徳利を抱えて芳佳がやって来た。
「まだまだ少ないぞ宮藤。最低でも一人三本はないとな。もっと持ってこい!」
「は、はい!」
芳佳は慌てて調理場へ走り、扶桑酒の熱燗作りに戻った。豪快に笑う美緒。
既に居並ぶ隊員の前には扶桑から持ち込んだ酒が満たされた徳利、そしてお猪口と軽いつまみが配られていた。
とりあえずは一人二本と言ったところだ。
「へえ、熱いよこの酒」
徳利を触って驚くエーリカ。
「扶桑では酒を加熱して飲むと聞いた事がある」
真面目な顔をして徳利とお猪口を観察するトゥルーデ。
「物知りだなバルクホルン。そう、我が扶桑では扶桑酒を温めて呑む。この熱の加減を変える事で、
味わいや香りに変化をつけて楽しむんだ。今回は分かり易く熱燗にした。温度にして約五十度と言ったところだ」
「五十度? もっと熱いと思うけど」
シャーリーが徳利を指でつんつんつついて言った。
「ああ、摂氏での話しだ。華氏だと……百二十二度位か?」
「随分熱いなあ」
「さあ、皆飲め飲め。冷めると不味くなるぞ。皆頑張った、ペリーヌも頑張った、我らウィッチーズの勝利を祝って」
「乾杯!」
めいめいがちびりちびりと……熱いのと、扶桑酒に対する多少の警戒を含め……お猪口に注ぎ、飲み始めた。
「へえ、結構いけるね」
まっさきに声を上げたのはシャーリーだった。
わっはっは、と笑うと美緒は自分も一杯煽り、シャーリーに注いだ。
「美味いだろう? 湯船に浸かって飲むのがまた良いんだ。ほら、ペリーヌも遠慮せずに飲め飲め」
「は、はい!」
以前の肝油で懲りていたのか、いまいち腰が引けていたペリーヌも美緒に促され、はあっと息をひとつつくと、
覚悟を決めてぐいと一気に飲んだ。喉の奥が胃まで駆け抜けか~っと熱くなる。味は悪くない。これなら飲めそうだ。
「良い飲みっぷりだペリーヌ! さあどんどん行け! 今日はお前の健闘をたたえる会でもあるんだぞ?」
「は、はい! 喜んで!」
酒の美味さよりも美緒に褒められ酒を勧められる方が嬉しいペリーヌは、またぐいと煽った。
「なんか少しワインに似てる~」
お猪口を加えて感想を呟くルッキーニ。
「ルッキーニはあんま飲むなよ?」
「なによ~子供扱いしないでよ。あたしだってウィッチーズなんだから~」
シャーリーの忠告も聞かずぐいと飲み干すルッキーニ。
「あら、なかなか美味しいわね。妙にフルーティで」
「だろうミーナ? ……お前にはいつも苦労させてすまんな。せめて少しでいい、飲んでくれ」
「ありがとう、坂本少佐」
ミーナはにっこり笑うと、誰かに負けぬとばかりにぐいと飲み干した。
「リーネも隅でちっちゃくなってないでこっち来い! 酒が合わなければワインかウイスキーを持って来させるぞ? 大丈夫か?」
隊員の陰に隠れる様にこそこそと飲んでいるリーネを見つけ、声を掛けた。
「だ、大丈夫です! しっかり頂いてますから」
そんなリーネを見て笑うと、美緒も自分のお猪口に酒を注ぎ、飲み干す。
「……熱い」
少しひりっとする温度の酒を口にして、舌をちろっと出すサーニャ。
「サーニャ、病み上がりなのに大丈夫カ? 無理スンナヨ?」
横についているエイラが気遣う。
「大丈夫。せっかくみんなで楽しむって言うから……」
「私がついてるから、何か有ったらすぐに言うンダゾ?」
「平気」
「それにしても……」
エイラは辺りを見回した。全員が呑んでいるせいか、湯気に加え、既に相当風呂場の中が扶桑酒の臭いで充満している。
「スオムスじゃサウナの中で酒は飲まないゾ。扶桑は風呂の中で飲むのかヨ……」
早くもうつらうつらとし始めたサーニャを心配しながら、エイラは呟いた。
106: 2008/11/27(木) 19:39:48 ID:2lvOsBba
小一時間もしないうちに、風呂場は最初の乾杯の頃の緊張感が失せ、宴の場と化した。
「坂本さん、おかわりお持ちしました!」
「まだまだ足りん! もっと持ってこい!」
「は、はいぃ!」
芳佳は完全に熱燗要員になっていた。調理場と風呂場をせわしなく行き来する。
目がぽわわ~んとしたペリーヌはぐいと酒を煽っては美緒を探した。
「少佐、この扶桑のお酒……」
「うまいか? もし合わないなら無理するなよ? お前の国には沢山素晴らしい酒が有るからな」
「いえ、少佐のお酒は素晴らしいですわ! このお酒なんですけど……」
「うん、どうした?」
「ワインや果実酒に比べてそんなにアルコール強くないですわね?」
「そうか?」
「でも、とても素敵な気分ですわ」
「そうか、良かったなペリーヌ! お前には期待してるぞ!」
美緒に酒を注がれ、一人ほわわと幸せオーラを出すペリーヌ。笑う美緒にばんばんと肩を叩かれ、衝撃でお猪口から酒がこぼれた。
よろけて美緒の胸に飛び込んでしまい、テンションが一気に上がるペリーヌ。
「はっはっは、どうした? 甘えたくなる年頃か?」
頭を撫でられ、眼鏡が曇るペリーヌ。恍惚の表情を浮かべているに違いない。
「おーおー。ペリーヌの奴」
シャーリーとルッキーニは様子をちらりと眺めて、にやけた。横ではカールスラントのエース二人が飲んでいた。
「トゥルーデ、もうお終い?」
「そんな事は無いぞ。どっちが先に潰れるか勝負するか?」
「へえ、私に勝てるとでも?」
「おっ! 面白そうだねぇ、その勝負あたしもいっちょ乗るよ」
「いいだろうリベリアン。お前とはいつか勝負したかったんだ」
「あたしもだよ。望むところだ!」
「いけいけシャーリー! あたしもついてるよ~」
すでにかなり酔っぱらっているルッキーニはシャーリーの豊満な胸にもたれて応援し始めた。
トゥルーデ、シャーリー、エーリカの三人はお猪口になみなみと酒を注ぐと、ルッキーニの合図と同時にぐいと杯をあけた。
リーネは話し相手を探し湯船の中をそそっと進み、ミーナを見つけた。一人で酒をちびりちびりと呑んでいる。
「あの……皆さん楽しそうですね」
「そうね。これで少しでも皆の気分転換になればいいんだけど……」
少し憂鬱な顔をするミーナ。
「中佐? どうされました?」
「ううん何でもないの。一人で飲む事が多かったから、貴方と話せて楽しいわ」
「ありがとうございます」
ほかの隊員達から少し離れたところで、エイラとサーニャは少し冷めかけた酒をちまちまと飲んでいた。
「ぬるくなるとまた少し味が変わル。不思議な酒ダナ」
「うん」
「眠くないカ?」
「大丈夫」
「坂本さん、おかわりお持ちしました!」
「まだまだ足りん! もっと持ってこい!」
「は、はいぃ!」
芳佳は完全に熱燗要員になっていた。調理場と風呂場をせわしなく行き来する。
目がぽわわ~んとしたペリーヌはぐいと酒を煽っては美緒を探した。
「少佐、この扶桑のお酒……」
「うまいか? もし合わないなら無理するなよ? お前の国には沢山素晴らしい酒が有るからな」
「いえ、少佐のお酒は素晴らしいですわ! このお酒なんですけど……」
「うん、どうした?」
「ワインや果実酒に比べてそんなにアルコール強くないですわね?」
「そうか?」
「でも、とても素敵な気分ですわ」
「そうか、良かったなペリーヌ! お前には期待してるぞ!」
美緒に酒を注がれ、一人ほわわと幸せオーラを出すペリーヌ。笑う美緒にばんばんと肩を叩かれ、衝撃でお猪口から酒がこぼれた。
よろけて美緒の胸に飛び込んでしまい、テンションが一気に上がるペリーヌ。
「はっはっは、どうした? 甘えたくなる年頃か?」
頭を撫でられ、眼鏡が曇るペリーヌ。恍惚の表情を浮かべているに違いない。
「おーおー。ペリーヌの奴」
シャーリーとルッキーニは様子をちらりと眺めて、にやけた。横ではカールスラントのエース二人が飲んでいた。
「トゥルーデ、もうお終い?」
「そんな事は無いぞ。どっちが先に潰れるか勝負するか?」
「へえ、私に勝てるとでも?」
「おっ! 面白そうだねぇ、その勝負あたしもいっちょ乗るよ」
「いいだろうリベリアン。お前とはいつか勝負したかったんだ」
「あたしもだよ。望むところだ!」
「いけいけシャーリー! あたしもついてるよ~」
すでにかなり酔っぱらっているルッキーニはシャーリーの豊満な胸にもたれて応援し始めた。
トゥルーデ、シャーリー、エーリカの三人はお猪口になみなみと酒を注ぐと、ルッキーニの合図と同時にぐいと杯をあけた。
リーネは話し相手を探し湯船の中をそそっと進み、ミーナを見つけた。一人で酒をちびりちびりと呑んでいる。
「あの……皆さん楽しそうですね」
「そうね。これで少しでも皆の気分転換になればいいんだけど……」
少し憂鬱な顔をするミーナ。
「中佐? どうされました?」
「ううん何でもないの。一人で飲む事が多かったから、貴方と話せて楽しいわ」
「ありがとうございます」
ほかの隊員達から少し離れたところで、エイラとサーニャは少し冷めかけた酒をちまちまと飲んでいた。
「ぬるくなるとまた少し味が変わル。不思議な酒ダナ」
「うん」
「眠くないカ?」
「大丈夫」
107: 2008/11/27(木) 19:40:53 ID:2lvOsBba
更に小一時間が経過した。
風呂場は完全に乱痴気騒ぎの場と化した。
飲み比べを経てすっかり出来上がったシャーリーとトゥルーデは、お互い勝負している事を完全に忘れ
肩を組んで意味不明言語不明の歌を歌いだした。湯船のへりに頭を寄せ、くか~といびきをかくルッキーニ。
同じく完全に酔ったエーリカはトゥルーデ達を見ながら、一人湯船のへりに肘をつき、はあ~と深い溜め息を付いた。
「トゥルーデは私と……どっちが好きなのさ」
ぶつくさと呟くが、酔っぱらいに聞こえる気配なし。
「あんたらはいいよね~。どうせ私なんか……」
その横ではいつの間にか酔っていたミーナがリーネに愚痴をこぼしていた。
「この隊は本当に規律違反が多くて……何度始末書で頭を抱えた事か……貴方に分かる?
結構胃にも来るのよ? 上層部は戦争屋に政治屋だらけだし、監視所の連中の目は節穴揃い……」
「は、はあ。大変ですよね。お察しします……」
「リーネさんももっと頑張りなさい? ほら、飲みなさい」
「あ、はい……」
慌てて酒を飲むリーネ。
「坂本さん! もうこれで最後です!」
「何ぃ? そうか! 今度また補充しないとなあ」
「そうですね」
「よおし、今までごくろう宮藤! お前も飲め!」
「は、はい……うわぁあああ」
いきなり服を着たまま風呂に引きずり込まれ、酒を呑まされる芳佳。
「坂本さん、顔色変わってませんね。飲んでます?」
「ああ、そこにあるぞ」
指さす先には、徳利が湯船の外に軽く二十本は転がっている。いつの間に空けたのか。
「こういう時は無礼講だ無礼講」
またも豪快に笑う。芳佳も促されるまま酒を飲み、瞬く間に徳利を一本、二本と空けた。
風呂の熱さと相まって、急激にアルコールが身体を駆け巡る。
「良いぞ宮藤! お前はなかなか見所がある! 流石私が見込んだウィッチだ!」
「ありがとーございますぅ」
にへへ、としまりの無い笑いをする芳佳。
「ねえエイラ」
「どうしたサーニャ?」
「みんな楽しそう」
「……サーニャにはそう見えるのカ?」
こくりと頷くサーニャの頬はほんのり紅く、エイラは心ときめいた。しかし周囲の状況を見る限り、そう言ってもいられない。
勧められるままに飲み続け、光の速度で出来上がった芳佳は、真っ赤な顔で美緒の胸に頭を埋めた。
「坂本さぁん」
「おいおいどうした宮藤? まだまだこれからじゃないか」
「坂本さんって……」
「ちょぉっと宮藤さん! 少佐に何言い寄ってるんですの!?」
突然ぶわっと湯船の中から現れるペリーヌに目をやる芳佳。
「あーペリーヌさん、居たんですかぁ」
「失礼な! 大体、出身が同じだからと何でいつもいつもそう少佐に……」
「ペリーヌさん酔ってますぅ?」
「酔ってません!」
「酔っぱらいは大抵『酔ってない』って言うんですよぉ?」
「酔っぱらい!? 酔っぱらいはああ言うのを言うんですわ!」
指さした先では、トゥルーデとシャーリーが何か歌らしきものを大声でがなっては、大笑いしている。
「貴方にはホント辟易してましてよ!? 何が期待の新人ですの? 腐った豆は作る、モップはぶつける、行儀もマナーも何もない野蛮人ですわ!」
「ペリーヌさんごときにそこまで言われる筋合いないですよぉ」
「この高貴なガリア貴族のわたくしに向かって何たる口の訊き方……」
「芳佳ちゃんをいじめないで!」
突然乱入するリーネ。リーネに引っ張られるかたちでミーナもくっついてきた。
「あらあら。楽しそうね」
うふふと笑うミーナを完全に無視したペリーヌは、リーネに向かってがなり立てた。
「リーネさん、貴方こそ何ですの!? 事あるごとに宮藤さんの肩をもつような事を! 役立たず同士傷の舐め合いかしら?」
「そう言うペリーヌさんこそ、役に立ってないじゃないですか!」
風呂場は完全に乱痴気騒ぎの場と化した。
飲み比べを経てすっかり出来上がったシャーリーとトゥルーデは、お互い勝負している事を完全に忘れ
肩を組んで意味不明言語不明の歌を歌いだした。湯船のへりに頭を寄せ、くか~といびきをかくルッキーニ。
同じく完全に酔ったエーリカはトゥルーデ達を見ながら、一人湯船のへりに肘をつき、はあ~と深い溜め息を付いた。
「トゥルーデは私と……どっちが好きなのさ」
ぶつくさと呟くが、酔っぱらいに聞こえる気配なし。
「あんたらはいいよね~。どうせ私なんか……」
その横ではいつの間にか酔っていたミーナがリーネに愚痴をこぼしていた。
「この隊は本当に規律違反が多くて……何度始末書で頭を抱えた事か……貴方に分かる?
結構胃にも来るのよ? 上層部は戦争屋に政治屋だらけだし、監視所の連中の目は節穴揃い……」
「は、はあ。大変ですよね。お察しします……」
「リーネさんももっと頑張りなさい? ほら、飲みなさい」
「あ、はい……」
慌てて酒を飲むリーネ。
「坂本さん! もうこれで最後です!」
「何ぃ? そうか! 今度また補充しないとなあ」
「そうですね」
「よおし、今までごくろう宮藤! お前も飲め!」
「は、はい……うわぁあああ」
いきなり服を着たまま風呂に引きずり込まれ、酒を呑まされる芳佳。
「坂本さん、顔色変わってませんね。飲んでます?」
「ああ、そこにあるぞ」
指さす先には、徳利が湯船の外に軽く二十本は転がっている。いつの間に空けたのか。
「こういう時は無礼講だ無礼講」
またも豪快に笑う。芳佳も促されるまま酒を飲み、瞬く間に徳利を一本、二本と空けた。
風呂の熱さと相まって、急激にアルコールが身体を駆け巡る。
「良いぞ宮藤! お前はなかなか見所がある! 流石私が見込んだウィッチだ!」
「ありがとーございますぅ」
にへへ、としまりの無い笑いをする芳佳。
「ねえエイラ」
「どうしたサーニャ?」
「みんな楽しそう」
「……サーニャにはそう見えるのカ?」
こくりと頷くサーニャの頬はほんのり紅く、エイラは心ときめいた。しかし周囲の状況を見る限り、そう言ってもいられない。
勧められるままに飲み続け、光の速度で出来上がった芳佳は、真っ赤な顔で美緒の胸に頭を埋めた。
「坂本さぁん」
「おいおいどうした宮藤? まだまだこれからじゃないか」
「坂本さんって……」
「ちょぉっと宮藤さん! 少佐に何言い寄ってるんですの!?」
突然ぶわっと湯船の中から現れるペリーヌに目をやる芳佳。
「あーペリーヌさん、居たんですかぁ」
「失礼な! 大体、出身が同じだからと何でいつもいつもそう少佐に……」
「ペリーヌさん酔ってますぅ?」
「酔ってません!」
「酔っぱらいは大抵『酔ってない』って言うんですよぉ?」
「酔っぱらい!? 酔っぱらいはああ言うのを言うんですわ!」
指さした先では、トゥルーデとシャーリーが何か歌らしきものを大声でがなっては、大笑いしている。
「貴方にはホント辟易してましてよ!? 何が期待の新人ですの? 腐った豆は作る、モップはぶつける、行儀もマナーも何もない野蛮人ですわ!」
「ペリーヌさんごときにそこまで言われる筋合いないですよぉ」
「この高貴なガリア貴族のわたくしに向かって何たる口の訊き方……」
「芳佳ちゃんをいじめないで!」
突然乱入するリーネ。リーネに引っ張られるかたちでミーナもくっついてきた。
「あらあら。楽しそうね」
うふふと笑うミーナを完全に無視したペリーヌは、リーネに向かってがなり立てた。
「リーネさん、貴方こそ何ですの!? 事あるごとに宮藤さんの肩をもつような事を! 役立たず同士傷の舐め合いかしら?」
「そう言うペリーヌさんこそ、役に立ってないじゃないですか!」
108: 2008/11/27(木) 19:42:00 ID:2lvOsBba
「なっ! 失敬な! 役立たずはお黙りなさい!」
「黙りません! 大体、夜間訓練の時も怪しい民間伝承の不味いお茶しか出さなかったり、
いっつも要らない蘊蓄並べるだけで、ペリーヌさんの方が全っ然役立たずです!」
それを聞いたペリーヌの頭から勢い良く蒸気が吹き出た様に見えた。
ペリーヌは真っ赤な顔になるなり、身体を巻いていたタオルをぐるっと手に巻き付けると、リーネに向かって投げつけた。
ばしゃ、と湯が周囲に飛び散る。
「もう我慢なりませんわ! 貴方に決闘を申し込みます!」
びっと勢い良く指さし、リーネを挑発するペリーヌ。
「おい見ろリベリアン、向こうで決闘だ、決闘が始まるぞ?」
「おーおー決闘かぁ。あたしの国だと、伝統的にはリボルバー使うんだけどな」
「それじゃ氏ぬだろ!?」
「氏ぬ氏ぬ!」
どっと笑うトゥルーデとシャーリー。笑いのツボが何処にあるのか分からない。
「……今、誰か私を笑った? ……笑いなよ」
状況がまるで見えていないエーリカは一人やさぐれている。
リーネはペリーヌを睨み返すと、言い放った。
「望むところです! その高笑いを二度と出来なくしてやります!」
リーネは湯をかき分け、ざばあとペリーヌに掴みかかった。湯船に躍る二人の身体。
「こっこの胸! 余計な大きさをして!」
「私の勝ちですね!」
「なんですって?」
「もう育ちようが無いじゃないですか!」
「胸で勝ち負けを付けるほどわたくしは愚かじゃありませんわ!」
湯船の中で派手な取っ組み合い掴み合いが始まった。
力をふんばっているうちに使い魔の耳と尻尾が生えてきた。
「決闘ですってよ、美緒。どうするの?」
隙を見てそそっと美緒の横に寄り添ったミーナが美緒に囁く。
「ああ、暫く見ていよう」
平然とした顔で応える美緒。そしてぼそっと言った。
「これが本当のCatfight、なんてな」
突然、豪快に笑う美緒。何だかんだで、やっぱり酔っていた。
「まあ、あれだ。ミーナも酒足りてるか?」
「じゃあ、美緒をいただこうかしら」
ミーナも顔色に変化は無かったが、とうの昔に酔っていた。美緒の頬をそっと両手で触ると、いつもと同じ様に口吻を交わした。
「……おいおい、ここじゃ皆に見られるだろう」
「それがまた良いんじゃない?」
いつの間にか湯船のへりに詰め寄られる。ミーナは美緒をぎゅっと抱きしめると、そのまま濃厚なキスを美緒にした。
「うはははは! 見ろよ大尉殿! あそこで中佐と少佐がチューしてるぞ!」
「あはははは! 見た見たリベリアン! ミーナも見せつけてくれるなあ!」
「……私を笑ったのはトゥルーデ?」
普段では絶対に言わない様な事を平然と口にするシャーリー、トゥルーデ、エーリカ。酒の力は恐ろしい。
ミーナは笑う二人、取っ組み合うペリーヌに向かって挑発的な視線を送ると、されるがままの美緒に唇を這わせた。
「どーしたエーリカ。暗い暗い」
笑いながらエーリカの肩をばんばんと叩くトゥルーデ。力加減があやふやになっている。
「痛いよ……もう一度笑ってよ、トゥルーデ」
「なにぃ? おわぶふっ」
無理矢理湯船に身体を沈められるトゥルーデ。エーリカは一緒に潜るとトゥルーデの顔を両手で掴み、乱暴にキスをした。
「ごぼはぁっ! エーリカ何を……」
「トゥルーデ、私のお姉ちゃんになりなよ」
「な、な、何を言い出すん……」
強引に口吻したまま、湯に沈むエーリカとトゥルーデ。
「なんだよ、こいつらも移ってやんの。これだからカールスラント軍人は」
ひとりになってもなお、だははははと笑うシャーリー。横にあった誰のか分からない徳利を掴むとそのまま酒を一気飲みし、
笑い続けた。
「黙りません! 大体、夜間訓練の時も怪しい民間伝承の不味いお茶しか出さなかったり、
いっつも要らない蘊蓄並べるだけで、ペリーヌさんの方が全っ然役立たずです!」
それを聞いたペリーヌの頭から勢い良く蒸気が吹き出た様に見えた。
ペリーヌは真っ赤な顔になるなり、身体を巻いていたタオルをぐるっと手に巻き付けると、リーネに向かって投げつけた。
ばしゃ、と湯が周囲に飛び散る。
「もう我慢なりませんわ! 貴方に決闘を申し込みます!」
びっと勢い良く指さし、リーネを挑発するペリーヌ。
「おい見ろリベリアン、向こうで決闘だ、決闘が始まるぞ?」
「おーおー決闘かぁ。あたしの国だと、伝統的にはリボルバー使うんだけどな」
「それじゃ氏ぬだろ!?」
「氏ぬ氏ぬ!」
どっと笑うトゥルーデとシャーリー。笑いのツボが何処にあるのか分からない。
「……今、誰か私を笑った? ……笑いなよ」
状況がまるで見えていないエーリカは一人やさぐれている。
リーネはペリーヌを睨み返すと、言い放った。
「望むところです! その高笑いを二度と出来なくしてやります!」
リーネは湯をかき分け、ざばあとペリーヌに掴みかかった。湯船に躍る二人の身体。
「こっこの胸! 余計な大きさをして!」
「私の勝ちですね!」
「なんですって?」
「もう育ちようが無いじゃないですか!」
「胸で勝ち負けを付けるほどわたくしは愚かじゃありませんわ!」
湯船の中で派手な取っ組み合い掴み合いが始まった。
力をふんばっているうちに使い魔の耳と尻尾が生えてきた。
「決闘ですってよ、美緒。どうするの?」
隙を見てそそっと美緒の横に寄り添ったミーナが美緒に囁く。
「ああ、暫く見ていよう」
平然とした顔で応える美緒。そしてぼそっと言った。
「これが本当のCatfight、なんてな」
突然、豪快に笑う美緒。何だかんだで、やっぱり酔っていた。
「まあ、あれだ。ミーナも酒足りてるか?」
「じゃあ、美緒をいただこうかしら」
ミーナも顔色に変化は無かったが、とうの昔に酔っていた。美緒の頬をそっと両手で触ると、いつもと同じ様に口吻を交わした。
「……おいおい、ここじゃ皆に見られるだろう」
「それがまた良いんじゃない?」
いつの間にか湯船のへりに詰め寄られる。ミーナは美緒をぎゅっと抱きしめると、そのまま濃厚なキスを美緒にした。
「うはははは! 見ろよ大尉殿! あそこで中佐と少佐がチューしてるぞ!」
「あはははは! 見た見たリベリアン! ミーナも見せつけてくれるなあ!」
「……私を笑ったのはトゥルーデ?」
普段では絶対に言わない様な事を平然と口にするシャーリー、トゥルーデ、エーリカ。酒の力は恐ろしい。
ミーナは笑う二人、取っ組み合うペリーヌに向かって挑発的な視線を送ると、されるがままの美緒に唇を這わせた。
「どーしたエーリカ。暗い暗い」
笑いながらエーリカの肩をばんばんと叩くトゥルーデ。力加減があやふやになっている。
「痛いよ……もう一度笑ってよ、トゥルーデ」
「なにぃ? おわぶふっ」
無理矢理湯船に身体を沈められるトゥルーデ。エーリカは一緒に潜るとトゥルーデの顔を両手で掴み、乱暴にキスをした。
「ごぼはぁっ! エーリカ何を……」
「トゥルーデ、私のお姉ちゃんになりなよ」
「な、な、何を言い出すん……」
強引に口吻したまま、湯に沈むエーリカとトゥルーデ。
「なんだよ、こいつらも移ってやんの。これだからカールスラント軍人は」
ひとりになってもなお、だははははと笑うシャーリー。横にあった誰のか分からない徳利を掴むとそのまま酒を一気飲みし、
笑い続けた。
109: 2008/11/27(木) 19:43:57 ID:2lvOsBba
「あわわわ……リーネちゃんどこぉ?」
周囲の騒然たる雰囲気に取り残され、おろおろする芳佳。
「芳佳ちゃん! やったよ芳佳ちゃん、私勝ったよ!」
ざばあと湯船に顔を出すリーネ。髪は解け、べったりと額と肩に貼り付いていた。
「え? おめでとぉ!」
何がどうしてどう勝ったのか、よく分からないけど祝福する芳佳。
「芳佳ちゃんのおかげだよ! ありがとう!」
リーネは芳佳をぎゅっと抱きしめ、キスをした。芳佳もリーネを抱くつもりが、リーネのO房に手が行き、もんでいた。
「んっ……芳佳ちゃん……」
「リーネちゃん……良い匂い」
「芳佳ちゃんも……」
突然ごっ、と音がする。芳佳は頭に衝撃を受けた気がしたが、気にせずリーネといちゃついた。
音の主はペリーヌだった。そこらに転がるお猪口やら徳利などを手にしては投げ、と言う暴挙に出たのだ。
ペリーヌの口からは今まで聞いた事も無い様な笑い声が漏れた。ペリーヌも悪酔いしている……酒に飲まれた一人だ。
「お前そんな宴会芸持ってたのかよ!」
指さして笑うシャーリーの頭にも徳利が飛び、当たって砕け、シャーリーは笑いながら気を失った。
エイラはぐったりしたサーニャを連れ、気配を消しながらそおっと風呂から上がると、
着替えもそこそこに風呂場から脱兎の如く逃げ出した。
「あれ……エイラ、お風呂は?」
「もう、無理ダナ」
背後で稲光が見え悲鳴が上がったように感じたが、多分気のせいだろう。きっとそうに違いない。
「私は何も見てないし聞いてないゾ。そうに違いないンダナ」
サーニャを担いでエイラは遁走した。
朝のミーティング。
隊員が集まる部屋の空気は重かった。何故重いかは、頭にずしりと残る酒気……二日酔いのせいだけではない。
どう言う経緯か分からぬが負傷者が数名出た上、風呂場は今日一日清掃と設備交換の為出入り禁止とされた。
ミーナはいつも通り、訓練とスケジュールの確認を取り、笑顔で
「さあ、今日も一日頑張りましょう」
とは言ったが、目が全然笑っていない。
遅れて医務室から戻ったペリーヌを見かけると、ミーナは言った。
「ちょっとペリーヌさん、あとで私の部屋に来なさいね」
言われたペリーヌは全身震え上がった。無意識のうちに助けを求めて美緒の方を見るも……美緒は何故か目を合わせてくれない。
美緒は美緒で、乱痴気騒ぎの元凶を作った事を内心悔いているのかも知れなかったが。
シャーリーはぞんざいに巻かれた額の包帯を直しつつ、医務室へ向かった。
「シャーリー、どうしたのその傷?」
「気付いたらこうなってた。ルッキーニなんか覚えあるか?」
「わかんな~い」
ルッキーニがついていく。
エイラはサーニャを連れてそそくさと部屋を後にした。
トゥルーデとエーリカは一応すました顔をしていたが、何処か恥ずかしそうだった。特にトゥルーデが。
一緒に部屋を出た芳佳とリーネは、手を握りあって歩き始めた。
「昨日は色々有ったけど、なんだか楽しかったね」
「ホントだね。またああいうの、したいね」
「私の部屋でなら……いつでもいいんだよ?」
リーネは頬を赤らめた。
end
----
なんかもう、ただひたすらにお詫びするしかない内容ですねorz
スレ汚し失礼しました。
周囲の騒然たる雰囲気に取り残され、おろおろする芳佳。
「芳佳ちゃん! やったよ芳佳ちゃん、私勝ったよ!」
ざばあと湯船に顔を出すリーネ。髪は解け、べったりと額と肩に貼り付いていた。
「え? おめでとぉ!」
何がどうしてどう勝ったのか、よく分からないけど祝福する芳佳。
「芳佳ちゃんのおかげだよ! ありがとう!」
リーネは芳佳をぎゅっと抱きしめ、キスをした。芳佳もリーネを抱くつもりが、リーネのO房に手が行き、もんでいた。
「んっ……芳佳ちゃん……」
「リーネちゃん……良い匂い」
「芳佳ちゃんも……」
突然ごっ、と音がする。芳佳は頭に衝撃を受けた気がしたが、気にせずリーネといちゃついた。
音の主はペリーヌだった。そこらに転がるお猪口やら徳利などを手にしては投げ、と言う暴挙に出たのだ。
ペリーヌの口からは今まで聞いた事も無い様な笑い声が漏れた。ペリーヌも悪酔いしている……酒に飲まれた一人だ。
「お前そんな宴会芸持ってたのかよ!」
指さして笑うシャーリーの頭にも徳利が飛び、当たって砕け、シャーリーは笑いながら気を失った。
エイラはぐったりしたサーニャを連れ、気配を消しながらそおっと風呂から上がると、
着替えもそこそこに風呂場から脱兎の如く逃げ出した。
「あれ……エイラ、お風呂は?」
「もう、無理ダナ」
背後で稲光が見え悲鳴が上がったように感じたが、多分気のせいだろう。きっとそうに違いない。
「私は何も見てないし聞いてないゾ。そうに違いないンダナ」
サーニャを担いでエイラは遁走した。
朝のミーティング。
隊員が集まる部屋の空気は重かった。何故重いかは、頭にずしりと残る酒気……二日酔いのせいだけではない。
どう言う経緯か分からぬが負傷者が数名出た上、風呂場は今日一日清掃と設備交換の為出入り禁止とされた。
ミーナはいつも通り、訓練とスケジュールの確認を取り、笑顔で
「さあ、今日も一日頑張りましょう」
とは言ったが、目が全然笑っていない。
遅れて医務室から戻ったペリーヌを見かけると、ミーナは言った。
「ちょっとペリーヌさん、あとで私の部屋に来なさいね」
言われたペリーヌは全身震え上がった。無意識のうちに助けを求めて美緒の方を見るも……美緒は何故か目を合わせてくれない。
美緒は美緒で、乱痴気騒ぎの元凶を作った事を内心悔いているのかも知れなかったが。
シャーリーはぞんざいに巻かれた額の包帯を直しつつ、医務室へ向かった。
「シャーリー、どうしたのその傷?」
「気付いたらこうなってた。ルッキーニなんか覚えあるか?」
「わかんな~い」
ルッキーニがついていく。
エイラはサーニャを連れてそそくさと部屋を後にした。
トゥルーデとエーリカは一応すました顔をしていたが、何処か恥ずかしそうだった。特にトゥルーデが。
一緒に部屋を出た芳佳とリーネは、手を握りあって歩き始めた。
「昨日は色々有ったけど、なんだか楽しかったね」
「ホントだね。またああいうの、したいね」
「私の部屋でなら……いつでもいいんだよ?」
リーネは頬を赤らめた。
end
----
なんかもう、ただひたすらにお詫びするしかない内容ですねorz
スレ汚し失礼しました。
コメントは節度を持った内容でお願いします、 荒らし行為や過度な暴言、NG避けを行った場合はBAN 悪質な場合はIPホストの開示、さらにプロバイダに通報する事もあります