318: 2014/05/14(水) 21:23:27.05 ID:xUxz6EdSO
勇者「結構、街まで距離あるんだね……俺、もう疲れちゃったよ……」
女僧侶「ええ、もう野宿はこりごりです……シャワーも浴びたいな……」
ーー数週間前、俺の前に現れた自称天使の男、天童世氏見
勇者「食糧も残り少なくなってきたよねぇ……? 腹減ったなぁ……」
女僧侶「次の街までの我慢です。頑張りましょう?」
ーー俺はこいつが現れてから三度氏にかけた
勇者「そうだけどさぁ……? もう俺、腹減って力出ねぇよぉ……?」
女僧侶「……実は、私もです」
ーー 一度目は、火事の家の中に取り残されそうになって。二度目は魔物に焼き殺されそうになって。三度目は……よく、わかんないけど
第一話 「お前は今日氏ぬ!」
第二話 「Hしないと氏ぬ!?」
第三話 「褒められないと氏ぬ!」
女僧侶「ええ、もう野宿はこりごりです……シャワーも浴びたいな……」
ーー数週間前、俺の前に現れた自称天使の男、天童世氏見
勇者「食糧も残り少なくなってきたよねぇ……? 腹減ったなぁ……」
女僧侶「次の街までの我慢です。頑張りましょう?」
ーー俺はこいつが現れてから三度氏にかけた
勇者「そうだけどさぁ……? もう俺、腹減って力出ねぇよぉ……?」
女僧侶「……実は、私もです」
ーー 一度目は、火事の家の中に取り残されそうになって。二度目は魔物に焼き殺されそうになって。三度目は……よく、わかんないけど
第一話 「お前は今日氏ぬ!」
第二話 「Hしないと氏ぬ!?」
第三話 「褒められないと氏ぬ!」
319: 2014/05/14(水) 21:29:57.90 ID:xUxz6EdSO
勇者「……今日中に着くかなぁ? 早く、街に行って休もうよ?」
女僧侶「そうですね……地図を見る限り、もう少しのはずなので頑張りましょう」
ーー嘘か本当か……こいつが天界のものからだと言っている命題を、なんとかクリアしているから俺は生き残る事が出来ている……らしい
勇者「あ~、もう疲れた~! 腹減っった~!」
女僧侶「……私もです」
ーーその命題は……後……
天童「セブンだっ!」
勇者「わっ、わわっ! 急に大声出すなよ……びっくりしたなぁ、もう……」
天童「ハハハ! 相変わらずリアクションがワザとらしいな、勇者君」
女僧侶「そうですね……地図を見る限り、もう少しのはずなので頑張りましょう」
ーー嘘か本当か……こいつが天界のものからだと言っている命題を、なんとかクリアしているから俺は生き残る事が出来ている……らしい
勇者「あ~、もう疲れた~! 腹減っった~!」
女僧侶「……私もです」
ーーその命題は……後……
天童「セブンだっ!」
勇者「わっ、わわっ! 急に大声出すなよ……びっくりしたなぁ、もう……」
天童「ハハハ! 相変わらずリアクションがワザとらしいな、勇者君」
320: 2014/05/14(水) 21:37:00.26 ID:xUxz6EdSO
天童「おい、ところでよぉ!?」
勇者「……何だよ、テンション高いなぁ」
女僧侶「天童さん、どうかしましたか?」
天童「おめぇらは、さっきから聞いてりゃよぉ? ブツクサブツクサ文句ばっかり垂れやがって!」
勇者「……だって」
女僧侶「……申し訳ありません」
天童「も~っと、ポジティブな考え方は出来ねぇのかってんだ! ほらっ! 空を見てみろ!」グゥー
勇者「……ん?」
女僧侶「……あれ?」
天童「この澄み渡る青い空っ! なぁ~んか、今日はいい事ありそうじゃねぇかっ! 空からでっけぇハンバーガーが降ってくるとか! なぁ!?」グゥー
勇者「……おっさん、おっさん」
女僧侶「……天童さん?」
勇者「……何だよ、テンション高いなぁ」
女僧侶「天童さん、どうかしましたか?」
天童「おめぇらは、さっきから聞いてりゃよぉ? ブツクサブツクサ文句ばっかり垂れやがって!」
勇者「……だって」
女僧侶「……申し訳ありません」
天童「も~っと、ポジティブな考え方は出来ねぇのかってんだ! ほらっ! 空を見てみろ!」グゥー
勇者「……ん?」
女僧侶「……あれ?」
天童「この澄み渡る青い空っ! なぁ~んか、今日はいい事ありそうじゃねぇかっ! 空からでっけぇハンバーガーが降ってくるとか! なぁ!?」グゥー
勇者「……おっさん、おっさん」
女僧侶「……天童さん?」
322: 2014/05/14(水) 21:44:55.19 ID:xUxz6EdSO
天童「それに、この心地良い風! あ~、腹減ったなぁ~、牛丼食いてぇな~! この風に乗って匂いだけでもこねぇかなぁ!?」グゥー
勇者「……あのさぁ?」
女僧侶「天童さん、食事の話は今は控えて下さい……私も我慢してるんですよ……」
天童「あ~! カレーに、チャーハン、ハンバーグ! なんでもいいから食いてぇなぁ! そう考えると、お子様ランチって凄ぇなぁ? なっ、なっ!?」グゥー
勇者「おいコラ、おっさんっ!」
女僧侶「天童さんっ!」
天童「わっ……! ど、どしたの……? 二人して、そんな怖い顔して……?」ビクビク
勇者「飯の話はやめろっ!」
女僧侶「食事の話は控えて下さいっ!」
天童「えっ、えっ……? 僕、飯の話なんてしてたかな……?」
勇者「……あのさぁ?」
女僧侶「天童さん、食事の話は今は控えて下さい……私も我慢してるんですよ……」
天童「あ~! カレーに、チャーハン、ハンバーグ! なんでもいいから食いてぇなぁ! そう考えると、お子様ランチって凄ぇなぁ? なっ、なっ!?」グゥー
勇者「おいコラ、おっさんっ!」
女僧侶「天童さんっ!」
天童「わっ……! ど、どしたの……? 二人して、そんな怖い顔して……?」ビクビク
勇者「飯の話はやめろっ!」
女僧侶「食事の話は控えて下さいっ!」
天童「えっ、えっ……? 僕、飯の話なんてしてたかな……?」
324: 2014/05/14(水) 21:53:46.02 ID:xUxz6EdSO
ーーーーー
勇者「……もう我慢出来ん。次に魔物見かけたら、どんな魔物だとしても、俺は焼いて食うぞ」イライラ
天童「……勇者、成長したじゃねぇか。俺も付き合うぜ」イライラ
女僧侶「……僧侶として、無益な殺生は認める訳にはいきませんが、今回は許しましょう」イライラ
「いらっしゃ~い! いらっしゃ~い! 道具はいりませんかぁ~!?」
勇者「……ん?」
天童「なんだ、ありゃ?」
女僧侶「ああ、あれは移動商店ですね。ああやって、色んな街を旅してる商人さんがいるんですよ」
女商人「いらっしゃ~い! いらっしゃ~い! 道具はいりませんかぁ~!?」
勇者「おいっ! 天童っ!? 飯売ってるんじゃねぇの、あれ?」
天童「おっ! そうだな! 勇者、行ってみようぜっ!」
勇者「……もう我慢出来ん。次に魔物見かけたら、どんな魔物だとしても、俺は焼いて食うぞ」イライラ
天童「……勇者、成長したじゃねぇか。俺も付き合うぜ」イライラ
女僧侶「……僧侶として、無益な殺生は認める訳にはいきませんが、今回は許しましょう」イライラ
「いらっしゃ~い! いらっしゃ~い! 道具はいりませんかぁ~!?」
勇者「……ん?」
天童「なんだ、ありゃ?」
女僧侶「ああ、あれは移動商店ですね。ああやって、色んな街を旅してる商人さんがいるんですよ」
女商人「いらっしゃ~い! いらっしゃ~い! 道具はいりませんかぁ~!?」
勇者「おいっ! 天童っ!? 飯売ってるんじゃねぇの、あれ?」
天童「おっ! そうだな! 勇者、行ってみようぜっ!」
325: 2014/05/14(水) 22:00:06.79 ID:xUxz6EdSO
勇者「こんにちはっ!」
女商人「あっ、お客さんですか!? いらっしゃいませぇ~!」ニコッ
天童「!」ドキッ
勇者「おおっ、凄ぇっ! パンにおにぎり……食糧がたんまりあるぞ、オイ!」
女商人「お安くしておきますよ~?」
天童「……」ドキドキ
勇者「じゃあ、俺はおにぎりと……後、パンと……おい、天童! お前はどうする!?」
女商人「はいはい、おにぎりとパンですねぇ~?」ニコニコ
天童「……春は恋の季節ばい」
勇者「はぁ……? 何、言ってんだお前……?」
女商人「あっ、お客さんですか!? いらっしゃいませぇ~!」ニコッ
天童「!」ドキッ
勇者「おおっ、凄ぇっ! パンにおにぎり……食糧がたんまりあるぞ、オイ!」
女商人「お安くしておきますよ~?」
天童「……」ドキドキ
勇者「じゃあ、俺はおにぎりと……後、パンと……おい、天童! お前はどうする!?」
女商人「はいはい、おにぎりとパンですねぇ~?」ニコニコ
天童「……春は恋の季節ばい」
勇者「はぁ……? 何、言ってんだお前……?」
326: 2014/05/14(水) 22:06:18.68 ID:xUxz6EdSO
勇者「……あれ?」
女商人「ん……? どうかしましたか、お客さん?」
勇者「ねぇねぇ、お姉さん……このおにぎり、賞味期限切れてるよ……?」
女商人「!」
勇者「あっ……! こっちのパンもだっ!? これ、全部賞味期限切れてるじゃないですか!?」
女商人「も、申し訳ありませんっ……! 今、ちゃんとしたヤツ探しますから、少々お待ち下さいっ……!」アセアセ
勇者「あっ、装備とかも売ってるんだ? え~っと……この武器は~っと……」キョロキョロ
女商人「え~っと……え~っと……」
勇者(うわっ、なにこれ!? 凄ぇ錆びてる)
女商人「ん……? どうかしましたか、お客さん?」
勇者「ねぇねぇ、お姉さん……このおにぎり、賞味期限切れてるよ……?」
女商人「!」
勇者「あっ……! こっちのパンもだっ!? これ、全部賞味期限切れてるじゃないですか!?」
女商人「も、申し訳ありませんっ……! 今、ちゃんとしたヤツ探しますから、少々お待ち下さいっ……!」アセアセ
勇者「あっ、装備とかも売ってるんだ? え~っと……この武器は~っと……」キョロキョロ
女商人「え~っと……え~っと……」
勇者(うわっ、なにこれ!? 凄ぇ錆びてる)
328: 2014/05/14(水) 22:14:30.15 ID:xUxz6EdSO
女僧侶「……勇者さん、勇者さん」ヒソヒソ
勇者「……ん、どうしたの? 女僧侶ちゃん」
女僧侶「今、薬草や回復薬も見てみたんですが……これ……」
勇者「うわ……それも痛んでるヤツじゃん……」
女僧侶「私、この移動商店、駄目な店だと思います……」ヒソヒソ
勇者「う~ん……そうだね……? お腹減ってるけど、街まで我慢する……?」
女商人「あっ、お客さんっ! ありましたよ! 賞味期限の切れてないパンが一つ!」
勇者「……ん、どうしたの? 女僧侶ちゃん」
女僧侶「今、薬草や回復薬も見てみたんですが……これ……」
勇者「うわ……それも痛んでるヤツじゃん……」
女僧侶「私、この移動商店、駄目な店だと思います……」ヒソヒソ
勇者「う~ん……そうだね……? お腹減ってるけど、街まで我慢する……?」
女商人「あっ、お客さんっ! ありましたよ! 賞味期限の切れてないパンが一つ!」
329: 2014/05/14(水) 22:20:08.11 ID:xUxz6EdSO
勇者「あ~、いいです……僕達、街に行ってから食事とるつもりなので……?」
女商人「えっ……?」
女僧侶「三人で……一つのパンというのも……ごめんなさいね?」
女商人「あっ、待って下さいっ……! 今、探しますっ……!探しますから……!」アセアセ
勇者「あっ、いや……本当に大丈夫です……それじゃあ、また……」
天童「何を言っとるんだっ! 勇者君っ!」
勇者「……ん?」
天童「こんなに素敵で素晴らしい店で買い物をしないなんて、君はどうかしてるよ!」
勇者「……何を言ってるんだ。お前は」
女商人「えっ……?」
女僧侶「三人で……一つのパンというのも……ごめんなさいね?」
女商人「あっ、待って下さいっ……! 今、探しますっ……!探しますから……!」アセアセ
勇者「あっ、いや……本当に大丈夫です……それじゃあ、また……」
天童「何を言っとるんだっ! 勇者君っ!」
勇者「……ん?」
天童「こんなに素敵で素晴らしい店で買い物をしないなんて、君はどうかしてるよ!」
勇者「……何を言ってるんだ。お前は」
331: 2014/05/14(水) 22:29:24.49 ID:xUxz6EdSO
天童「例えば、このおにぎり! と~っても、美味しそうじゃないか! 何で君は買わないんだ!?」
勇者「……だって、それ賞味期限切れてるもん。腹、壊したくないし、いいよ」
女商人「……うぅ」
天童「じゃ、じゃあ……この剣なんてどうだい? ほら、こ~んなに、格好いいんだよ?」
勇者「……錆びてて使いもんにならねぇじゃねぇか? 大根も切れねぇだろ、ソレ」
女商人「……うぅ」
天童「じゃ、じゃあ……この薬草っ! ほら、女僧侶ちゃんに回復任せっきりじゃ、悪いじゃん?」
勇者「薬草食って、毒くらいたかねぇ~よ」
女商人「……うぅ」
天童「え~っと、え~っと……じゃ、じゃあさ……? このアイテムバックは? お洒落で格好いいじゃん?」
勇者「……あっ、それはいいね? お洒落だし、痛んでないし」
女商人「!」
勇者「……だって、それ賞味期限切れてるもん。腹、壊したくないし、いいよ」
女商人「……うぅ」
天童「じゃ、じゃあ……この剣なんてどうだい? ほら、こ~んなに、格好いいんだよ?」
勇者「……錆びてて使いもんにならねぇじゃねぇか? 大根も切れねぇだろ、ソレ」
女商人「……うぅ」
天童「じゃ、じゃあ……この薬草っ! ほら、女僧侶ちゃんに回復任せっきりじゃ、悪いじゃん?」
勇者「薬草食って、毒くらいたかねぇ~よ」
女商人「……うぅ」
天童「え~っと、え~っと……じゃ、じゃあさ……? このアイテムバックは? お洒落で格好いいじゃん?」
勇者「……あっ、それはいいね? お洒落だし、痛んでないし」
女商人「!」
332: 2014/05/14(水) 22:33:35.39 ID:xUxz6EdSO
勇者「俺、このアイテムバック欲しいです。いくらですか?」
女商人「あ、あの……そ、それは……売り物じゃないんです……」アセアセ
勇者「え~、なんで? これ、いいヤツなのに、何で売ってくれないの?」
女商人「あの……それ……」
勇者「?」
女商人「……主人の形見なんです」
勇者「……えっ?」
天童「……えっ?」
女僧侶「……訳ありのようですね。よろしければ、お話だけでも聞かせてくれませんか?」
女商人「あ、あの……そ、それは……売り物じゃないんです……」アセアセ
勇者「え~、なんで? これ、いいヤツなのに、何で売ってくれないの?」
女商人「あの……それ……」
勇者「?」
女商人「……主人の形見なんです」
勇者「……えっ?」
天童「……えっ?」
女僧侶「……訳ありのようですね。よろしければ、お話だけでも聞かせてくれませんか?」
333: 2014/05/14(水) 22:42:25.06 ID:xUxz6EdSO
女商人「……うちは元々、鞄屋さんだったんですよ」
勇者「あ~、そうなんだ……このアイテムバック作ってたんだ……」
女商人「主人が獲物を飼って、材料を仕入れて……私が加工して鞄を作って……そうやって生計を立ててきました……」
天童「……ふむ」
女商人「でも、魔王の復活で……狩場にも魔物が現れるようになって……主人はそれで……」
女僧侶「……お悔やみ申し上げます」
女商人「それで、こうやって商人始めたんですけど……やっぱり、私向いてないんですかねぇ……? ダメな商品ばかり捕まされちゃって……」アセアセ
勇者「……」
勇者「あ~、そうなんだ……このアイテムバック作ってたんだ……」
女商人「主人が獲物を飼って、材料を仕入れて……私が加工して鞄を作って……そうやって生計を立ててきました……」
天童「……ふむ」
女商人「でも、魔王の復活で……狩場にも魔物が現れるようになって……主人はそれで……」
女僧侶「……お悔やみ申し上げます」
女商人「それで、こうやって商人始めたんですけど……やっぱり、私向いてないんですかねぇ……? ダメな商品ばかり捕まされちゃって……」アセアセ
勇者「……」
334: 2014/05/14(水) 22:53:46.65 ID:xUxz6EdSO
勇者「……鞄屋さんを続けようとは思わなかったんですか?」
女商人「正直、考え直した事は何度もありました……でも」
天童「……でも?」
女商人「お客さんは、『頑張れ! 頑張って、移動商店続けろ!』なんて応援してくれるんです」
勇者「……」
女商人「それに、今は物資すらない街が沢山あります……そんな街に例え駄目な物資だとしても、支援すると凄く感謝されるんですよ」
天童「皆、危険な場所には行きたがらないからね~、ほ~んとに物資不足してるのはソコなのに」
女商人「やっぱり、今自分がやる事はコレなんだなぁって。きっと主人もそう言ってくれてるような気がします」ニコッ
勇者「……」
女商人「正直、考え直した事は何度もありました……でも」
天童「……でも?」
女商人「お客さんは、『頑張れ! 頑張って、移動商店続けろ!』なんて応援してくれるんです」
勇者「……」
女商人「それに、今は物資すらない街が沢山あります……そんな街に例え駄目な物資だとしても、支援すると凄く感謝されるんですよ」
天童「皆、危険な場所には行きたがらないからね~、ほ~んとに物資不足してるのはソコなのに」
女商人「やっぱり、今自分がやる事はコレなんだなぁって。きっと主人もそう言ってくれてるような気がします」ニコッ
勇者「……」
335: 2014/05/14(水) 23:01:30.65 ID:xUxz6EdSO
勇者「え~っと……じゃあ、このおにぎり二つ下さい……」
女商人「……えっ?」
女僧侶「私はこちらのパンを……」
女商人「えっ、えっ……? あの、賞味期限切れてますよ、それ……?」
天童「なぁ~に! 腹の中に入っちまえば変わらんばいっ! あっ、俺はおにぎり三つね!」
勇者「あっ! おっさん、三つも食うんじゃねぇよ! この大食い野郎っ!」
天童「俺はよぉ? 世の中の経済を潤わしてやってるんだよ! それに、女僧侶ちゃんは、一つなんだから、俺が三つ食ってもいいじゃねぇかよっ!」ギャーギャー
勇者「なんだよ、その理論っ! 意味わかんねぇよっ!」ギャーギャー
女商人「あ、ありがとうございますっ……!」
女商人「……えっ?」
女僧侶「私はこちらのパンを……」
女商人「えっ、えっ……? あの、賞味期限切れてますよ、それ……?」
天童「なぁ~に! 腹の中に入っちまえば変わらんばいっ! あっ、俺はおにぎり三つね!」
勇者「あっ! おっさん、三つも食うんじゃねぇよ! この大食い野郎っ!」
天童「俺はよぉ? 世の中の経済を潤わしてやってるんだよ! それに、女僧侶ちゃんは、一つなんだから、俺が三つ食ってもいいじゃねぇかよっ!」ギャーギャー
勇者「なんだよ、その理論っ! 意味わかんねぇよっ!」ギャーギャー
女商人「あ、ありがとうございますっ……!」
336: 2014/05/14(水) 23:10:12.77 ID:xUxz6EdSO
ーーーーー
勇者「ふ~う……食った食った……」
天童「味はそんなに変わらんもんね……女商人さんはこれからどうされるんですか?」
女商人「私は、物資が不足してる街に支援活動を続けます。でも、その前に西の街で商品を仕入れようと思んですよ」
勇者「あれ、そうなの? 俺達と目的地一緒じゃん?」
天童「よ、よければ、ご一緒しませんかねぇ?」ドキドキ
女商人「あっ! 是非お願いしますっ! 今度は変な商品捕まされないように頑張らなきゃ!」
勇者「ふ~う……食った食った……」
天童「味はそんなに変わらんもんね……女商人さんはこれからどうされるんですか?」
女商人「私は、物資が不足してる街に支援活動を続けます。でも、その前に西の街で商品を仕入れようと思んですよ」
勇者「あれ、そうなの? 俺達と目的地一緒じゃん?」
天童「よ、よければ、ご一緒しませんかねぇ?」ドキドキ
女商人「あっ! 是非お願いしますっ! 今度は変な商品捕まされないように頑張らなきゃ!」
339: 2014/05/14(水) 23:19:10.15 ID:xUxz6EdSO
勇者「おい、天童? お前、仕入れ手伝ってやれよ? そういうの、上手いだろ?」
女商人「えっ!? 天童さんも商人なんですか?」
天童「あっ、はいっ! 私、商人の天童世氏見です! 仕入れましょう! 貴方の為に素晴らしい商品を仕入れましょうっ!」
勇者「……ん?」
女商人「じゃあ、天童さん! 是非お願いします! もう私、仕入れが下手で下手で困ってるんですよ!」
天童「任せときんしゃいっ! 三割、四割引きは当たり前っ! なんなら、店ごと買い占めてやりましょうっ!」
勇者「おい、天童……? お前、いつもの『商人(天使)』ってヤツはどうしたんだ……?」
女商人「えっ……? 天使……?」
天童「あっ! いや、なんでもありましぇ~ん! 勇者君~? ちょ~っと来てくれるかな~?」コソコソ
勇者「お、おいっ……! 何だよ……?」アセアセ
女商人「?」
女商人「えっ!? 天童さんも商人なんですか?」
天童「あっ、はいっ! 私、商人の天童世氏見です! 仕入れましょう! 貴方の為に素晴らしい商品を仕入れましょうっ!」
勇者「……ん?」
女商人「じゃあ、天童さん! 是非お願いします! もう私、仕入れが下手で下手で困ってるんですよ!」
天童「任せときんしゃいっ! 三割、四割引きは当たり前っ! なんなら、店ごと買い占めてやりましょうっ!」
勇者「おい、天童……? お前、いつもの『商人(天使)』ってヤツはどうしたんだ……?」
女商人「えっ……? 天使……?」
天童「あっ! いや、なんでもありましぇ~ん! 勇者君~? ちょ~っと来てくれるかな~?」コソコソ
勇者「お、おいっ……! 何だよ……?」アセアセ
女商人「?」
345: 2014/05/15(木) 20:50:10.39 ID:vK1DAmelO
勇者「なんだよ、こんな所に呼び出しやがって……」
天童「……」
勇者「女僧侶ちゃん達に聞かれちゃマズい話でもあんのかよ? ……あっ、もしかして命題来たの?」
天童「……」
勇者「命題来たんだったらよぉ、早く確認しようぜ? もう、俺この数日不安で不安で……」
天童「……俺は人を愛しちゃいけないんだ」
勇者「……はぁ?」
天童「俺は天使だから、いくら人間の事を好きになっても、絶対に結ばれる事はないんだ」
勇者「……何、言ってんだお前?」
天童「……」
勇者「女僧侶ちゃん達に聞かれちゃマズい話でもあんのかよ? ……あっ、もしかして命題来たの?」
天童「……」
勇者「命題来たんだったらよぉ、早く確認しようぜ? もう、俺この数日不安で不安で……」
天童「……俺は人を愛しちゃいけないんだ」
勇者「……はぁ?」
天童「俺は天使だから、いくら人間の事を好きになっても、絶対に結ばれる事はないんだ」
勇者「……何、言ってんだお前?」
346: 2014/05/15(木) 20:55:35.40 ID:vK1DAmelO
天童「それに、彼女が振り返ってくれたとしても! ……彼女の気持ちを弄ぶ事になってしまうんだ」
勇者「待て待て……話が見えん……」
天童「だけど!……この胸の高鳴り! そして、トキメキ! なっ、勇者君わかってくれるだろ?」
勇者「え~っと……お前、あの女商人さんに惚れたの……?」
天童「……」コクリ
勇者「それで……自分が天使だって事を、黙っておいてほしいんだ?」
天童「……」コクリ
勇者「待て待て……話が見えん……」
天童「だけど!……この胸の高鳴り! そして、トキメキ! なっ、勇者君わかってくれるだろ?」
勇者「え~っと……お前、あの女商人さんに惚れたの……?」
天童「……」コクリ
勇者「それで……自分が天使だって事を、黙っておいてほしいんだ?」
天童「……」コクリ
347: 2014/05/15(木) 21:06:46.00 ID:vK1DAmelO
勇者「なぁ~に、顔を真っ赤にして、バカな事を言ってんだおめぇは!」
天童「なっ……! そんな言い方しなくてもいいだろがっ!」
勇者「おめぇが天使だなんて誰も信じねぇよ! いつもみたいに言っちまえばいいじゃねぇか!」
天童「バ、バカ野郎っ……! 天使と人間との恋愛は天界で禁止されてるんだよ!」
勇者「おめぇみたいなヤツに振り向いてくれるワケねぇよっ! その怪しい風貌から『恋愛』だなんて、どの口が言ってんだよ、バカっ!」
天童「カ、カァ~! 悔しかぁ~! 悔しかぁ~! もう、たまらぁ~んっ!」
勇者「別に黙っておいてやってもいいけどよぉ~? どうせ、お前じゃ無理だぜ? 天界で禁止されてるんなら、あの人の事は素直に諦めろよ?」
天童「童Oのお前にそんな事、言われたくねぇよ!」
天童「なっ……! そんな言い方しなくてもいいだろがっ!」
勇者「おめぇが天使だなんて誰も信じねぇよ! いつもみたいに言っちまえばいいじゃねぇか!」
天童「バ、バカ野郎っ……! 天使と人間との恋愛は天界で禁止されてるんだよ!」
勇者「おめぇみたいなヤツに振り向いてくれるワケねぇよっ! その怪しい風貌から『恋愛』だなんて、どの口が言ってんだよ、バカっ!」
天童「カ、カァ~! 悔しかぁ~! 悔しかぁ~! もう、たまらぁ~んっ!」
勇者「別に黙っておいてやってもいいけどよぉ~? どうせ、お前じゃ無理だぜ? 天界で禁止されてるんなら、あの人の事は素直に諦めろよ?」
天童「童Oのお前にそんな事、言われたくねぇよ!」
348: 2014/05/15(木) 21:16:01.72 ID:vK1DAmelO
ーーーーー
女商人「……お話、終わりました?」
天童「いやぁ~! 急に勇者君がお腹が痛いなんて、言い出したもんですからね! そこの影で糞に付き合わせられましたよ! ハハハ!」
勇者「おめぇ、適当な事言ってんじゃねぇぞコラっ!」
女商人「えっ……! も、もしかしてさっきの賞味期限切れのおにぎりに当たったんじゃ……」アセアセ
天童「あっ! い、いやっ……! 違うんですっ! 勇者君、確か昨日拾い食いしましてねぇ……?」
勇者「おめぇはよぉ……次から次へと出まかせばかりよぉ……」
女商人「ど、どうしよう……? 薬あったかなぁ……? 勇者さん、今、薬出しますね……?」アセアセ
天童「あっ、いやっ……あのっ……! ち、違うんです……! 女商人さん! これは違うんですっ……!」
勇者「……ばーか」
女商人「……お話、終わりました?」
天童「いやぁ~! 急に勇者君がお腹が痛いなんて、言い出したもんですからね! そこの影で糞に付き合わせられましたよ! ハハハ!」
勇者「おめぇ、適当な事言ってんじゃねぇぞコラっ!」
女商人「えっ……! も、もしかしてさっきの賞味期限切れのおにぎりに当たったんじゃ……」アセアセ
天童「あっ! い、いやっ……! 違うんですっ! 勇者君、確か昨日拾い食いしましてねぇ……?」
勇者「おめぇはよぉ……次から次へと出まかせばかりよぉ……」
女商人「ど、どうしよう……? 薬あったかなぁ……? 勇者さん、今、薬出しますね……?」アセアセ
天童「あっ、いやっ……あのっ……! ち、違うんです……! 女商人さん! これは違うんですっ……!」
勇者「……ばーか」
349: 2014/05/15(木) 21:32:25.01 ID:vK1DAmelO
ーーーーー
女商人「ほ、本当に大丈夫なんですか……?」テクテク
勇者「あぁ、あれはこいつの出まかせだから、大丈夫です。それに、俺腹丈夫なんで」テクテク
天童「女商人さん、疲れてませんか? 結構歩きましたよ?」テクテク
女商人「あっ、大丈夫です、天童さん。私、結構体力には自信があるんです」
勇者「おめぇはさっきから、それば~っかりだな!」
天童「いや、レディにそんなキツい事はさせられんばいっ! そうだ! 荷物持ちますよ!」
女商人「あっ、大丈夫です……」アセアセ
勇者(必氏だな、こいつ……)
天童「いやいやっ! 私が持ちますよっ! ほら、ほらっ!」
女商人「い、いえっ……本当に大丈夫ですから……」アセアセ
勇者(あ~んな事して、本当に好感度上がるもんなのかねぇ……? ん……?)
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……」
女商人「ほ、本当に大丈夫なんですか……?」テクテク
勇者「あぁ、あれはこいつの出まかせだから、大丈夫です。それに、俺腹丈夫なんで」テクテク
天童「女商人さん、疲れてませんか? 結構歩きましたよ?」テクテク
女商人「あっ、大丈夫です、天童さん。私、結構体力には自信があるんです」
勇者「おめぇはさっきから、それば~っかりだな!」
天童「いや、レディにそんなキツい事はさせられんばいっ! そうだ! 荷物持ちますよ!」
女商人「あっ、大丈夫です……」アセアセ
勇者(必氏だな、こいつ……)
天童「いやいやっ! 私が持ちますよっ! ほら、ほらっ!」
女商人「い、いえっ……本当に大丈夫ですから……」アセアセ
勇者(あ~んな事して、本当に好感度上がるもんなのかねぇ……? ん……?)
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……」
350: 2014/05/15(木) 21:43:01.68 ID:vK1DAmelO
女僧侶「はぁ……はぁ……」トボトボ
勇者「……」テクテク
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……ねぇ、女僧侶ちゃん?」
女僧侶「えっ……! どうかしましたか……?」
勇者「大丈夫? ちょっと疲れてるみたいだけど?」
女僧侶「ど、どうしたんでしょう……ここ数日、しっかり寝れてないからですかねぇ……少し、疲れました……」
勇者「……ふ~ん」
女僧侶「でも、街までもう少しですからね! 私、頑張りますよっ!」
勇者「……うん」
女僧侶「では、行きましょうか? はぁ……はぁ……」
勇者「……」
勇者「……」テクテク
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……ねぇ、女僧侶ちゃん?」
女僧侶「えっ……! どうかしましたか……?」
勇者「大丈夫? ちょっと疲れてるみたいだけど?」
女僧侶「ど、どうしたんでしょう……ここ数日、しっかり寝れてないからですかねぇ……少し、疲れました……」
勇者「……ふ~ん」
女僧侶「でも、街までもう少しですからね! 私、頑張りますよっ!」
勇者「……うん」
女僧侶「では、行きましょうか? はぁ……はぁ……」
勇者「……」
351: 2014/05/15(木) 21:49:04.00 ID:vK1DAmelO
勇者「……俺、女僧侶ちゃんの荷物持とうか?」
女僧侶「……えっ?」
勇者「疲れてるんでしょ? 無理はしちゃいけないよ? ほら、貸して」ヒョイ
女僧侶「あっ……ありがとう……ございます……」
勇者「街までもう少しだと思うからさ? あっ、そうだ! 今日ぐらい贅沢しようか? 男戦士さんから貰った餞別使ってさ!」
女僧侶「……はい、有難うございます」
勇者(こ~んなので、好感度上がるもんなのかねぇ~?)
女僧侶「……えっ?」
勇者「疲れてるんでしょ? 無理はしちゃいけないよ? ほら、貸して」ヒョイ
女僧侶「あっ……ありがとう……ございます……」
勇者「街までもう少しだと思うからさ? あっ、そうだ! 今日ぐらい贅沢しようか? 男戦士さんから貰った餞別使ってさ!」
女僧侶「……はい、有難うございます」
勇者(こ~んなので、好感度上がるもんなのかねぇ~?)
352: 2014/05/15(木) 21:56:26.15 ID:vK1DAmelO
天童「おい、勇者っ! 街が見えたぞっ! ようやく街だっ!」
勇者「おおっ! 街だっ! ついに街が見えたっ!」
天童「よしっ! 今日は宴会しようっ! 皆で酒場で飲むぞっ!」
勇者「てめぇが飲みてぇだけだろがコノヤロっ! でも、まぁ、今日ぐらいはいいよな?」
天童「なんだよ勇者君~、話がわかじゃないか~! さぁさぁ、女商人さんも早く行きましょう!」
女商人「……」
勇者「あれ? 急に、固まってどうしたんですか? 」
女商人「あっ、いや……!」アセアセ
勇者「おおっ! 街だっ! ついに街が見えたっ!」
天童「よしっ! 今日は宴会しようっ! 皆で酒場で飲むぞっ!」
勇者「てめぇが飲みてぇだけだろがコノヤロっ! でも、まぁ、今日ぐらいはいいよな?」
天童「なんだよ勇者君~、話がわかじゃないか~! さぁさぁ、女商人さんも早く行きましょう!」
女商人「……」
勇者「あれ? 急に、固まってどうしたんですか? 」
女商人「あっ、いや……!」アセアセ
353: 2014/05/15(木) 22:07:01.25 ID:vK1DAmelO
女商人「……あそこにある高台、見えます?」
勇者「あっ、高台ありますね。それがどうしたんですか?」
女商人「そこに、大きな木があるでしょ? ほら、見えます?」
勇者「あぁ、あの赤い実がなってるヤツですね?」
女商人「あの実って、病に効く凄く希少価値の高い実なんですよ」
勇者「へぇ~」
女商人「……これから行く街で、仕入れる事が出来たらいいんですけどねぇ」
勇者「あっ、高台ありますね。それがどうしたんですか?」
女商人「そこに、大きな木があるでしょ? ほら、見えます?」
勇者「あぁ、あの赤い実がなってるヤツですね?」
女商人「あの実って、病に効く凄く希少価値の高い実なんですよ」
勇者「へぇ~」
女商人「……これから行く街で、仕入れる事が出来たらいいんですけどねぇ」
355: 2014/05/15(木) 22:26:42.61 ID:vK1DAmelO
女商人「でも……希少価値の高い物ですし……仕入れる事が出来るかどうか……」
天童「なぁ~に! 俺に任せておけば100個でも200個でも仕入れてやるばいっ!」
勇者「……なんで、わざわざ買うの?」
女商人「……えっ?」
天童「そりゃ、俺がうまく事やって恰好いい所、見せてよぉ~? 女商人さんを……あっ、いや、なんでもないナンデモナイ……」アセアセ
勇者「あそこにいっぱいあるんだから、自分で取りに行けばいいじゃん。それが一番手っ取り早いじゃん」
女商人「そうか……商品って、仕入れるだけじゃなくて、自分で取りに行くって方法もあるんだ……」
天童「あのなぁ、勇者? あんだけ人目につく場所にあるのに誰も手ぇつけねぇんだぞ? なんか、あるに決まってんだろ! でっけえ魔物がいるとかよぉ!」
勇者「あぁ、そういう事か……でも、女商人さんが取りに行きたいなら、協力しますよ?」
天童「なぁ~に! 俺に任せておけば100個でも200個でも仕入れてやるばいっ!」
勇者「……なんで、わざわざ買うの?」
女商人「……えっ?」
天童「そりゃ、俺がうまく事やって恰好いい所、見せてよぉ~? 女商人さんを……あっ、いや、なんでもないナンデモナイ……」アセアセ
勇者「あそこにいっぱいあるんだから、自分で取りに行けばいいじゃん。それが一番手っ取り早いじゃん」
女商人「そうか……商品って、仕入れるだけじゃなくて、自分で取りに行くって方法もあるんだ……」
天童「あのなぁ、勇者? あんだけ人目につく場所にあるのに誰も手ぇつけねぇんだぞ? なんか、あるに決まってんだろ! でっけえ魔物がいるとかよぉ!」
勇者「あぁ、そういう事か……でも、女商人さんが取りに行きたいなら、協力しますよ?」
357: 2014/05/15(木) 22:39:40.37 ID:vK1DAmelO
女商人「……えっ?」
天童「あっ、てめぇ! 何、格好つけてやがる! 女商人さんにいい所を見せるのは俺……あっ、いや、なんでもないナンデモナイ……」アセアセ
勇者「女商人さん、どうします?」
女商人「う~ん……気持ちはありがたいんですが……やっぱり、天童さんの言う通り、魔物がいたりしたら危険ですし……」
天童「なぁ~に! 俺が仕入れてやるから、大丈夫ですって! 大丈夫っ!」
勇者「でも、欲しいんでしょ……? あの実、物資が不足してる街に持って行きたんでしょ?」
女商人「はい……それじゃあ、今日はとりあえず、街に行きましょうか? 皆さんも疲れてらっしゃるようですし」
天童「……実は?」
勇者「……どうするんですか?」
女商人「もし、街で仕入れる事ができなかったら、明日の昼に取りに行きたいと思います。……その時は協力してもらっていいですかね?」
天童「なるほど」
勇者「わかりました」
天童「あっ、てめぇ! 何、格好つけてやがる! 女商人さんにいい所を見せるのは俺……あっ、いや、なんでもないナンデモナイ……」アセアセ
勇者「女商人さん、どうします?」
女商人「う~ん……気持ちはありがたいんですが……やっぱり、天童さんの言う通り、魔物がいたりしたら危険ですし……」
天童「なぁ~に! 俺が仕入れてやるから、大丈夫ですって! 大丈夫っ!」
勇者「でも、欲しいんでしょ……? あの実、物資が不足してる街に持って行きたんでしょ?」
女商人「はい……それじゃあ、今日はとりあえず、街に行きましょうか? 皆さんも疲れてらっしゃるようですし」
天童「……実は?」
勇者「……どうするんですか?」
女商人「もし、街で仕入れる事ができなかったら、明日の昼に取りに行きたいと思います。……その時は協力してもらっていいですかね?」
天童「なるほど」
勇者「わかりました」
360: 2014/05/16(金) 21:32:58.64 ID:oT2e7Ko0O
街ーーー
勇者「ふう……ようやく街についたか……」
女商人「そうですね。いい商品があるといいんですが」
天童「じゃあ、早速仕入れに行きましょうか? 二人っきりで! ねっ、二人っきりで!」
勇者「おめぇなぁ……? ちょっと必氏すぎやしねぇかぁ……?」
女商人「え~っと……勇者さん達は、どうされるんですか?」
天童「あっ、女僧侶さん。こういうのは素人がついてきても邪魔なだけすから! 僕と二人っきりで行きましょう! そう、二人っきりで!」
勇者「あのなぁ……?」
女商人「そ、そういうものなんですか……」
天童「勇者君、チミ達は先に酒場にでも行ってなさい。あっ、それと、これこれ……」ヒョイ
勇者「ん……? 何、これ……?」
天童「命題だよ。さっき届いたから、確認しておけ」
勇者「ふう……ようやく街についたか……」
女商人「そうですね。いい商品があるといいんですが」
天童「じゃあ、早速仕入れに行きましょうか? 二人っきりで! ねっ、二人っきりで!」
勇者「おめぇなぁ……? ちょっと必氏すぎやしねぇかぁ……?」
女商人「え~っと……勇者さん達は、どうされるんですか?」
天童「あっ、女僧侶さん。こういうのは素人がついてきても邪魔なだけすから! 僕と二人っきりで行きましょう! そう、二人っきりで!」
勇者「あのなぁ……?」
女商人「そ、そういうものなんですか……」
天童「勇者君、チミ達は先に酒場にでも行ってなさい。あっ、それと、これこれ……」ヒョイ
勇者「ん……? 何、これ……?」
天童「命題だよ。さっき届いたから、確認しておけ」
361: 2014/05/16(金) 21:41:55.46 ID:oT2e7Ko0O
天童「じゃあ、僕達はこれから、商品仕入れに行くから! 勇者君~、頑張ってねぇ~?」
勇者「いやいや……!」
天童「うわぁ! なんだかこれって、デートみたいですねぇ? 僕照れちゃうなぁ~」
勇者「おいっ、天童っ! おめぇ、命題放ったらかしにしておいて何処行く気なんだよ!?」
天童「……勇者君」
勇者「な、なんだよ、急に真面目な顔しやがって……」
天童「……君はもう、成長した。一人前だ。だから……きっと、命題だって一人でクリアできるよ? ねっ?」
勇者「そっか、確かに俺、ここ数日で自分でも成長したと思うもんなぁ……」
天童「でしょ、でしょ? だから僕は……!」
勇者「なぁ~んて、言うとでも思ったかオイっ! てめぇも付き合えよ! このインチキ天使っ!」
天童「イ、インチキ天使って事ぁ、ないでしょうっ……!」アセアセ
勇者「いやいや……!」
天童「うわぁ! なんだかこれって、デートみたいですねぇ? 僕照れちゃうなぁ~」
勇者「おいっ、天童っ! おめぇ、命題放ったらかしにしておいて何処行く気なんだよ!?」
天童「……勇者君」
勇者「な、なんだよ、急に真面目な顔しやがって……」
天童「……君はもう、成長した。一人前だ。だから……きっと、命題だって一人でクリアできるよ? ねっ?」
勇者「そっか、確かに俺、ここ数日で自分でも成長したと思うもんなぁ……」
天童「でしょ、でしょ? だから僕は……!」
勇者「なぁ~んて、言うとでも思ったかオイっ! てめぇも付き合えよ! このインチキ天使っ!」
天童「イ、インチキ天使って事ぁ、ないでしょうっ……!」アセアセ
362: 2014/05/16(金) 21:51:48.44 ID:oT2e7Ko0O
勇者「今日のお前は、何かおかしいっ! なっ? 実らぬ恋はとっとと諦めて、ちゃんと命題をしましょうっ!」
天童「命題をやるのはおめぇだろうが! それに、実らぬ恋ってなんだよ!? おめぇみたいなダメ人間にそんな事言われたくねぇよ!」
勇者「はいはい……そのダメ人間を更生させるのが、あんたの仕事でしょ? 天使がそんな無責任な事、言っちゃいけません」
天童「おめぇはよぉ! 普段はインチキ天使、インチキ天使なんて言ってるくせに、こ~んな時だけ、都合のいいやつだな!」
勇者「都合のいいのは……おめぇじゃねぇかよ……」
天童「それにお前、この前『命題なんか一人でやってやる』って、言ってたじゃねぇかよ!」
勇者「えっ……それは……」アセアセ
天童「困った時はいつも、俺に頼るんだなぁ、お前は! 男だったらよぉっ! 命題くらい、自分の力でビシッとやってみやがれっ!」
勇者「……」
天童「命題をやるのはおめぇだろうが! それに、実らぬ恋ってなんだよ!? おめぇみたいなダメ人間にそんな事言われたくねぇよ!」
勇者「はいはい……そのダメ人間を更生させるのが、あんたの仕事でしょ? 天使がそんな無責任な事、言っちゃいけません」
天童「おめぇはよぉ! 普段はインチキ天使、インチキ天使なんて言ってるくせに、こ~んな時だけ、都合のいいやつだな!」
勇者「都合のいいのは……おめぇじゃねぇかよ……」
天童「それにお前、この前『命題なんか一人でやってやる』って、言ってたじゃねぇかよ!」
勇者「えっ……それは……」アセアセ
天童「困った時はいつも、俺に頼るんだなぁ、お前は! 男だったらよぉっ! 命題くらい、自分の力でビシッとやってみやがれっ!」
勇者「……」
363: 2014/05/16(金) 22:05:50.61 ID:oT2e7Ko0O
天童「なぁ~、勇者よぉ……勇者君よぉ……」
勇者「……んっ?」
天童「なぁ、頼むよぉ~? 今回だけは見逃してくれよぉ~?」
勇者「な、なんだよ……今度は泣き落としかよ……」
天童「そりゃさ……俺は天界の掟を破ってるよ……? でも、俺マジなんだよぉ~……」シクシク
勇者「おっさん、おっさん……」
天童「俺がさぁ……あの人を想う気持ちは嘘じゃないんだよ……だってさ? あの人、態度には出さないけど、旦那さん亡くして辛いハズだぜ?」シクシク
勇者「ええいっ! いい歳したおっさんが泣くな! 気持ち悪いっ!」
天童「誰かが、心の支えになってやらなきゃ、いけねぇよ、きっと~」シクシク
勇者「わかった! わかったよ! 今回は一人でやってやるからっ! もう泣くな、気持ち悪いっ!」
天童「えっ、ほんとぉ~? うわぁ、勇者君って優しい~! かっこいいなぁ~!」
勇者「おめぇ、絶対思ってねぇだろ? で、でもよぉ……やばくなったら手伝ってくれよな……?」
天童「任せときんしゃいっ!」
勇者「……んっ?」
天童「なぁ、頼むよぉ~? 今回だけは見逃してくれよぉ~?」
勇者「な、なんだよ……今度は泣き落としかよ……」
天童「そりゃさ……俺は天界の掟を破ってるよ……? でも、俺マジなんだよぉ~……」シクシク
勇者「おっさん、おっさん……」
天童「俺がさぁ……あの人を想う気持ちは嘘じゃないんだよ……だってさ? あの人、態度には出さないけど、旦那さん亡くして辛いハズだぜ?」シクシク
勇者「ええいっ! いい歳したおっさんが泣くな! 気持ち悪いっ!」
天童「誰かが、心の支えになってやらなきゃ、いけねぇよ、きっと~」シクシク
勇者「わかった! わかったよ! 今回は一人でやってやるからっ! もう泣くな、気持ち悪いっ!」
天童「えっ、ほんとぉ~? うわぁ、勇者君って優しい~! かっこいいなぁ~!」
勇者「おめぇ、絶対思ってねぇだろ? で、でもよぉ……やばくなったら手伝ってくれよな……?」
天童「任せときんしゃいっ!」
364: 2014/05/16(金) 22:13:00.29 ID:oT2e7Ko0O
ーーーーー
勇者「……ったく、嬉しそうに仕入れに行きやがって。てめぇの面、よく見てみろっての」
女僧侶「勇者さん……私達はどうします……?」
勇者「酒場に行っておけって言われたけどなぁ……俺達、酒飲めないしなぁ……」
女僧侶「未成年ですしね……」
勇者「どうしようかな……? あっ、ちょっと待ってて? 命題だけ確認するから……」
女僧侶「……命題?」
勇者「あっ、なんでもない、なんでもない……! こっちの話!」
女僧侶「?」
勇者「え~っと……命題は……っと……」
勇者「……ったく、嬉しそうに仕入れに行きやがって。てめぇの面、よく見てみろっての」
女僧侶「勇者さん……私達はどうします……?」
勇者「酒場に行っておけって言われたけどなぁ……俺達、酒飲めないしなぁ……」
女僧侶「未成年ですしね……」
勇者「どうしようかな……? あっ、ちょっと待ってて? 命題だけ確認するから……」
女僧侶「……命題?」
勇者「あっ、なんでもない、なんでもない……! こっちの話!」
女僧侶「?」
勇者「え~っと……命題は……っと……」
365: 2014/05/16(金) 22:17:35.78 ID:oT2e7Ko0O
勇者「んっ……?」
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……」
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……ここ暑いね? とりあえずさ、酒場でもいいから、涼しい所に行こうか?」
女僧侶「……えっ?」
勇者「命題の確認は酒場でするよ。だから、早く休める場所に行こうよ」
女僧侶「……命題?」
勇者「あっ、いやっ……! なんでもないから、気にしないで……」アセアセ
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……」
女僧侶「はぁ……はぁ……」
勇者「……ここ暑いね? とりあえずさ、酒場でもいいから、涼しい所に行こうか?」
女僧侶「……えっ?」
勇者「命題の確認は酒場でするよ。だから、早く休める場所に行こうよ」
女僧侶「……命題?」
勇者「あっ、いやっ……! なんでもないから、気にしないで……」アセアセ
366: 2014/05/16(金) 22:26:41.64 ID:oT2e7Ko0O
酒場ーーー
酒場の主人「おっ、見ねぇ顔だな? 冒険者か? らっしゃいっ!」
女僧侶「はい、私達東の街からやってきました」
勇者「とりあえず、何か冷たい飲み物二つ下さい」
主人「はぁ~、東の街って魔物に襲われた所だろ? お前ら、大丈夫だったのか?」ガチャガチャ
女僧侶「ええ、私達その魔物の討伐部隊でしたの」
勇者「東の街は今、少しずつですが、復興も始まってるので、この街の皆さんも支援してあげて下さい」
主人「……お前ら、若そうに見えるけど、強いんだなぁ? へいっ、ドリンク二つお待ちっ!」
女僧侶「ありがとうございます。もう、私喉がカラカラで……」ゴクッ
勇者「じゃあ、俺も……あっ、その前に命題確認しておこっと……」
酒場の主人「おっ、見ねぇ顔だな? 冒険者か? らっしゃいっ!」
女僧侶「はい、私達東の街からやってきました」
勇者「とりあえず、何か冷たい飲み物二つ下さい」
主人「はぁ~、東の街って魔物に襲われた所だろ? お前ら、大丈夫だったのか?」ガチャガチャ
女僧侶「ええ、私達その魔物の討伐部隊でしたの」
勇者「東の街は今、少しずつですが、復興も始まってるので、この街の皆さんも支援してあげて下さい」
主人「……お前ら、若そうに見えるけど、強いんだなぁ? へいっ、ドリンク二つお待ちっ!」
女僧侶「ありがとうございます。もう、私喉がカラカラで……」ゴクッ
勇者「じゃあ、俺も……あっ、その前に命題確認しておこっと……」
367: 2014/05/16(金) 22:35:46.59 ID:oT2e7Ko0O
勇者「え~っと……封筒、封筒っと……あれ? どこやったっけ?」
女僧侶「……」ゴクゴク
勇者「あれっ、あれっ? 何処だ、何処だ? ひょっとして、無くした!?」
女僧侶「……」ゴクゴク
勇者「わっ、びっくりした……薬草の間に挟まってるじゃん……も~う、このアイテムバック使いにくいなぁ……」
女僧侶「……」プファー
勇者「え~っと……うわぁ、タイムリミットは明日かよ……だったら、明日に届けてくれよ……」
女僧侶「……」テクテク
勇者「でも、これって、どういう事なんだろ……?」チビッ
勇者「ブッ……! ちょ、ちょっとっ……! おじさん……!?」
主人「……ん、どうした?」
女僧侶「……」ゴクゴク
勇者「あれっ、あれっ? 何処だ、何処だ? ひょっとして、無くした!?」
女僧侶「……」ゴクゴク
勇者「わっ、びっくりした……薬草の間に挟まってるじゃん……も~う、このアイテムバック使いにくいなぁ……」
女僧侶「……」プファー
勇者「え~っと……うわぁ、タイムリミットは明日かよ……だったら、明日に届けてくれよ……」
女僧侶「……」テクテク
勇者「でも、これって、どういう事なんだろ……?」チビッ
勇者「ブッ……! ちょ、ちょっとっ……! おじさん……!?」
主人「……ん、どうした?」
392: 2014/05/17(土) 00:13:52.83 ID:oo6YVwgPO
勇者「これ、お酒じゃないですか!?」
368: 2014/05/16(金) 22:43:53.61 ID:oT2e7Ko0O
主人「おぉ、特製の麦焼酎だよ。臭いもなくて、飲みやすいだろ?」
勇者「い、いやっ……! あのですね……?」
主人「ウチはね、水にこだわってんのよ、水に。なんなら、ボトルキープしておくか? 気に入ったろ、ソレ?」
勇者「あ、あのっ……! 僕達、未成年ですっ!」アセアセ
主人「……えっ、お前ら未成年なの? だったら、先に言えよ。ここ、酒場なんだからさぁ?」
勇者「す、すいません……」アセアセ
主人「あっ、兄ちゃん! あんたの連れが他の客に絡んでるぞ! ダメだよ、うちは喧嘩はご法度なんだから!」
勇者「女僧侶ちゃんが……? って、女僧侶ちゃんのグラス、空っぽじゃんっ!? なんで!?」
勇者「い、いやっ……! あのですね……?」
主人「ウチはね、水にこだわってんのよ、水に。なんなら、ボトルキープしておくか? 気に入ったろ、ソレ?」
勇者「あ、あのっ……! 僕達、未成年ですっ!」アセアセ
主人「……えっ、お前ら未成年なの? だったら、先に言えよ。ここ、酒場なんだからさぁ?」
勇者「す、すいません……」アセアセ
主人「あっ、兄ちゃん! あんたの連れが他の客に絡んでるぞ! ダメだよ、うちは喧嘩はご法度なんだから!」
勇者「女僧侶ちゃんが……? って、女僧侶ちゃんのグラス、空っぽじゃんっ!? なんで!?」
369: 2014/05/16(金) 22:51:34.84 ID:oT2e7Ko0O
女僧侶「そこの貴方達っ!」
「ん~?」「ど~したんですかぁ~?」
女僧侶「貴方達はどうして、そんなはしたない格好をしているんですかっ!」
「だって、私達遊び人だし~」「ねぇ~?」
女僧侶「そんな短いスカートでは、下着が見えてしまいますよ!」
「別に~、コレ見せパンだし~?」「パンツ見せてイケメンよってくるならいいよねぇ~?」
女僧侶「ふしだらな……本来、女性があるべき姿は私のようなこういった……」
「そんなダサい格好最悪~!」「そんなのじゃ、イケメンよってこないし~」
女僧侶「ダ、ダサい……」ピクッ
「あんた、彼氏いた事とか、絶対ないでしょ~?」「キスもまだなんじゃない~?」
女僧侶「……」ピクピク
「デートもした事ないでしょ~?」「マジウケるwww」
「ん~?」「ど~したんですかぁ~?」
女僧侶「貴方達はどうして、そんなはしたない格好をしているんですかっ!」
「だって、私達遊び人だし~」「ねぇ~?」
女僧侶「そんな短いスカートでは、下着が見えてしまいますよ!」
「別に~、コレ見せパンだし~?」「パンツ見せてイケメンよってくるならいいよねぇ~?」
女僧侶「ふしだらな……本来、女性があるべき姿は私のようなこういった……」
「そんなダサい格好最悪~!」「そんなのじゃ、イケメンよってこないし~」
女僧侶「ダ、ダサい……」ピクッ
「あんた、彼氏いた事とか、絶対ないでしょ~?」「キスもまだなんじゃない~?」
女僧侶「……」ピクピク
「デートもした事ないでしょ~?」「マジウケるwww」
371: 2014/05/16(金) 22:57:38.46 ID:oT2e7Ko0O
女僧侶「貴方達っ……!」
「きゃ~、怖い~」「最悪~!」
勇者「ちょ、ちょっと……女僧侶ちゃん、何してるの……落ち着いて……」
女僧侶「放して下さいっ! 勇者さんっ! 今から私が彼女達に女性の嗜みというものを……」
「遠慮しておきま~すwww」「私達、楽しくお酒飲みたいんで~」
勇者「あっ、うん……ごめんね……? 楽し~く、お酒飲んで下さ~い。じゃあ、女僧侶ちゃん、席に戻ろうか……?」アセアセ
女僧侶「放して下さい、勇者さんっ! 放して下さいっ!」ジタバタ
「きゃ~、怖い~」「最悪~!」
勇者「ちょ、ちょっと……女僧侶ちゃん、何してるの……落ち着いて……」
女僧侶「放して下さいっ! 勇者さんっ! 今から私が彼女達に女性の嗜みというものを……」
「遠慮しておきま~すwww」「私達、楽しくお酒飲みたいんで~」
勇者「あっ、うん……ごめんね……? 楽し~く、お酒飲んで下さ~い。じゃあ、女僧侶ちゃん、席に戻ろうか……?」アセアセ
女僧侶「放して下さい、勇者さんっ! 放して下さいっ!」ジタバタ
372: 2014/05/16(金) 23:04:28.22 ID:oT2e7Ko0O
女僧侶「うぅ……」ヒック
勇者「女僧侶ちゃん、落ち着いた……?」
女僧侶「……マスター、さっきの飲み物、もう一杯下さい」
勇者「えっ!?」
女僧侶「早く持ってきて下さい……早く……早くっ……!」ヒック
勇者「い、いやっ……! 女僧侶ちゃん、もうやめた方がいいって! って、あんたも持ってくんな!」
女僧侶「ありがとうございます……」ゴクゴク
勇者(おいっ!)
主人(兄ちゃん、悪ぃなぁ? 俺も酔っぱらいの相手は怖ぇからよぉ? ここは大人しく従っておかねぇと……)
女僧侶「あ~、このお水、なんだか凄く美味しいです!」
勇者「女僧侶ちゃん、落ち着いた……?」
女僧侶「……マスター、さっきの飲み物、もう一杯下さい」
勇者「えっ!?」
女僧侶「早く持ってきて下さい……早く……早くっ……!」ヒック
勇者「い、いやっ……! 女僧侶ちゃん、もうやめた方がいいって! って、あんたも持ってくんな!」
女僧侶「ありがとうございます……」ゴクゴク
勇者(おいっ!)
主人(兄ちゃん、悪ぃなぁ? 俺も酔っぱらいの相手は怖ぇからよぉ? ここは大人しく従っておかねぇと……)
女僧侶「あ~、このお水、なんだか凄く美味しいです!」
374: 2014/05/16(金) 23:12:04.69 ID:oT2e7Ko0O
ーーーーー
女僧侶「……もう一杯、くらさぁ~い」
勇者「女僧侶ちゃん、大丈夫……? 呂律が回ってないみたいだけど……」
女僧侶「大丈夫れ~す……それより、勇者さん……」グスッ
勇者「ど、どうしたの……?」
女僧侶「私……あの子達にバカにされちゃいました……」グスッ
勇者「いやいや、そんな事ないって!な、なにかの勘違いだって……!」
女僧侶「この服……ダサいって言われちゃいました……」グスッ
勇者「そんな事ないよ! 俺は可愛いと思うよ!?」
女僧侶「……本当ですかぁ?」
勇者「あぁ、本当、本当! 可愛い、凄く可愛いっ!」
女僧侶「……じゃあ、私とデートしてくれますか?」
勇者「……えっ?」
女僧侶「……もう一杯、くらさぁ~い」
勇者「女僧侶ちゃん、大丈夫……? 呂律が回ってないみたいだけど……」
女僧侶「大丈夫れ~す……それより、勇者さん……」グスッ
勇者「ど、どうしたの……?」
女僧侶「私……あの子達にバカにされちゃいました……」グスッ
勇者「いやいや、そんな事ないって!な、なにかの勘違いだって……!」
女僧侶「この服……ダサいって言われちゃいました……」グスッ
勇者「そんな事ないよ! 俺は可愛いと思うよ!?」
女僧侶「……本当ですかぁ?」
勇者「あぁ、本当、本当! 可愛い、凄く可愛いっ!」
女僧侶「……じゃあ、私とデートしてくれますか?」
勇者「……えっ?」
376: 2014/05/16(金) 23:18:33.47 ID:oT2e7Ko0O
女僧侶「私、あの子達に……デートもした事ないってバカにされちゃいました……」
勇者「い、いやぁ……バカにしてたワケじゃないと思うよ……?」アセアセ
女僧侶「そりゃ、私はデートした事ありませんよ……? でも、それは魔法学校に行って……教会で修行して……」
勇者「う、うん……! そうだね……!」
女僧侶「毎日が忙しかったからですよ……あの子達みたいに日々、ぐーたらぐーたら、過ごしてたワケじゃないからですよ……」
勇者(あれ? なんだか心が痛いぞ?)
女僧侶「それなのに……! あんな風にバカにされるって、酷すぎますっ……! だから、勇者さんっ! 私とデートして下さい!」
勇者「い、いやぁ……」
女僧侶「デートして下さいっ!」
勇者「い、いやぁ……バカにしてたワケじゃないと思うよ……?」アセアセ
女僧侶「そりゃ、私はデートした事ありませんよ……? でも、それは魔法学校に行って……教会で修行して……」
勇者「う、うん……! そうだね……!」
女僧侶「毎日が忙しかったからですよ……あの子達みたいに日々、ぐーたらぐーたら、過ごしてたワケじゃないからですよ……」
勇者(あれ? なんだか心が痛いぞ?)
女僧侶「それなのに……! あんな風にバカにされるって、酷すぎますっ……! だから、勇者さんっ! 私とデートして下さい!」
勇者「い、いやぁ……」
女僧侶「デートして下さいっ!」
377: 2014/05/16(金) 23:24:48.23 ID:oT2e7Ko0O
勇者「いや……でもさぁ……?」
女僧侶「あっ、勇者さん嫌がってる……やっぱり、私の事ダサいって思ってるんですね……?」グスッ
勇者「いや、そうじゃなくて……デートっていうのはやっぱり、本当に好きな人とした方がいいと思うよ……?」アセアセ
女僧侶「私、勇者さんの事好きですよ?」
勇者「それは、友達として……じゃん……?」
女僧侶「いえ、異性として……一人の男性として、好きです」
勇者「ちょ、ちょっと……女僧侶ちゃん、酔っぱらいすぎだよ……! 俺みたいな奴の何処を好きになるんだよ……」アセアセ
女僧侶「……勇者さん、優しいから」
勇者「……えっ?」
女僧侶「あっ、勇者さん嫌がってる……やっぱり、私の事ダサいって思ってるんですね……?」グスッ
勇者「いや、そうじゃなくて……デートっていうのはやっぱり、本当に好きな人とした方がいいと思うよ……?」アセアセ
女僧侶「私、勇者さんの事好きですよ?」
勇者「それは、友達として……じゃん……?」
女僧侶「いえ、異性として……一人の男性として、好きです」
勇者「ちょ、ちょっと……女僧侶ちゃん、酔っぱらいすぎだよ……! 俺みたいな奴の何処を好きになるんだよ……」アセアセ
女僧侶「……勇者さん、優しいから」
勇者「……えっ?」
378: 2014/05/16(金) 23:31:31.86 ID:oT2e7Ko0O
女僧侶「だって、今日だって……私の荷物、持ってくれて……優しかったから……好きです……」
勇者(う、うおっ! アレって、本当に効き目あったのかよ!)
女僧侶「だから……私とデートして下さい」
勇者「う、うんっ……! そ、そういう事だったら……ぜ、全然いいよ……!」
女僧侶「ふふ、やっぱり勇者さんって優しいですね? じゃあ、明日のお昼にデートしましょうね?」
勇者「う、うんっ……!」ドキドキ
女僧侶「約束ですよ? 忘れないで下さいね?」
勇者「そ、そんなの忘れるワケないじゃんっ!」
女僧侶「じゃあ、指切り……しましょう……ゆびきりげんま~ん……って……ZZz……」スースー
勇者「あ、あれっ? 眠っちゃったか……飲み過ぎたもんね……」
勇者(う、うおっ! アレって、本当に効き目あったのかよ!)
女僧侶「だから……私とデートして下さい」
勇者「う、うんっ……! そ、そういう事だったら……ぜ、全然いいよ……!」
女僧侶「ふふ、やっぱり勇者さんって優しいですね? じゃあ、明日のお昼にデートしましょうね?」
勇者「う、うんっ……!」ドキドキ
女僧侶「約束ですよ? 忘れないで下さいね?」
勇者「そ、そんなの忘れるワケないじゃんっ!」
女僧侶「じゃあ、指切り……しましょう……ゆびきりげんま~ん……って……ZZz……」スースー
勇者「あ、あれっ? 眠っちゃったか……飲み過ぎたもんね……」
381: 2014/05/16(金) 23:39:49.08 ID:oT2e7Ko0O
天童「おぉ~い! 勇者いるかぁ~!?」ガラッ
勇者「わっ、天童!? 大声出すなよ? 女僧侶ちゃん、寝てるんだからさ?」
天童「……なぁ~んで、女僧侶ちゃんがこんな所で寝てるんだよ? そんなキャラじゃねぇだろ?」
勇者「まぁ、色々とあってね……」アセアセ
天童「?」
勇者「ところで……女商人さんは……?」
天童「あぁ、ちょっとショックな事があったみたいでよぉ……先に宿屋に行って休んでるってさ……こういう時には酒でも飲んでうさ晴らしした方がいいのによぉ……」
勇者「……仕入れでまた変な商品、捕まされちゃったの?」
天童「バ、バカ~ん! 俺が着いてたから、仕入れは上手くいったよ! 仕入れはね?」
勇者「?」
勇者「わっ、天童!? 大声出すなよ? 女僧侶ちゃん、寝てるんだからさ?」
天童「……なぁ~んで、女僧侶ちゃんがこんな所で寝てるんだよ? そんなキャラじゃねぇだろ?」
勇者「まぁ、色々とあってね……」アセアセ
天童「?」
勇者「ところで……女商人さんは……?」
天童「あぁ、ちょっとショックな事があったみたいでよぉ……先に宿屋に行って休んでるってさ……こういう時には酒でも飲んでうさ晴らしした方がいいのによぉ……」
勇者「……仕入れでまた変な商品、捕まされちゃったの?」
天童「バ、バカ~ん! 俺が着いてたから、仕入れは上手くいったよ! 仕入れはね?」
勇者「?」
383: 2014/05/16(金) 23:47:02.94 ID:oT2e7Ko0O
天童「ところで……勇者……」
勇者「ん……?」
天童「すまんかったっ!」
勇者「えっ、えっ? ちょっと、いきなりどうしたの?」
天童「俺は、危うく……天界の掟を破ってしまう所だった……俺の仕事はお前の命題をサポートする事なのによぉ……」
勇者「えっ? 急にどうしたの?」
天童「どうしたもなにも、僕は君の事を思ってですねぇ……!?」
勇者「あっ、わかった! お前、女商人さんに振られたんだろ?」ニヤニヤ
天童「ち、違ぇよぉ! なんで、お前そんなに勝ち誇った目ぇ、してんだよ! よくわからんけど、くやしか~! くやしか~!」
勇者「だぁ~って……急にそんなに態度が変わるっておかしいじゃん……」ニヤニヤ
天童「そ、それは……理由があってだな……」アセアセ
勇者「ん……?」
天童「すまんかったっ!」
勇者「えっ、えっ? ちょっと、いきなりどうしたの?」
天童「俺は、危うく……天界の掟を破ってしまう所だった……俺の仕事はお前の命題をサポートする事なのによぉ……」
勇者「えっ? 急にどうしたの?」
天童「どうしたもなにも、僕は君の事を思ってですねぇ……!?」
勇者「あっ、わかった! お前、女商人さんに振られたんだろ?」ニヤニヤ
天童「ち、違ぇよぉ! なんで、お前そんなに勝ち誇った目ぇ、してんだよ! よくわからんけど、くやしか~! くやしか~!」
勇者「だぁ~って……急にそんなに態度が変わるっておかしいじゃん……」ニヤニヤ
天童「そ、それは……理由があってだな……」アセアセ
384: 2014/05/16(金) 23:50:21.96 ID:oT2e7Ko0O
勇者「理由ってなんだよ?」
天童「……」ヒョイ
勇者「ん、封筒……? 何これ……?」
天童「神様から……俺に届いたんだよ……」
勇者「えっ? 命題がまた届いたの?」
天童「命題じゃねぇよ……まぁ、とりあえず、読んでみろよ……」
勇者「え~っと……なになに……?」ガサゴソ
天童「……」ヒョイ
勇者「ん、封筒……? 何これ……?」
天童「神様から……俺に届いたんだよ……」
勇者「えっ? 命題がまた届いたの?」
天童「命題じゃねぇよ……まぁ、とりあえず、読んでみろよ……」
勇者「え~っと……なになに……?」ガサゴソ
386: 2014/05/16(金) 23:52:35.22 ID:oT2e7Ko0O
天童
天界の掟を破ったら即・氏亡
388: 2014/05/16(金) 23:58:59.93 ID:oT2e7Ko0O
勇者「……これ、命題じゃねぇか?」
天童「神様には……全て見透かされてたってワケだ……こうやって、俺に警告してくれたんだなぁ……」
勇者「……だから、女商人の事は諦めるってワケね」
天童「あの人は、人間界でちゃ~ぁんと幸せになるべきだよ……彼女を幸せにするのは俺じゃねぇんだよ……」シクシク
勇者「ド、ドンマイ……天童……」
天童「うるせっ! おめぇに慰められたくねぇよっ! こうなりゃ、おめぇの更生、とことんスパルタでやってやるから覚悟しておけよ!」
勇者「お、俺に当たるんじゃねぇよ……」アセアセ
天童「うるせぇ! おめぇの命題はどうだったんだよ! とっとと見せやがれ!」
勇者「う、うん……はい、これ……」
天童「神様には……全て見透かされてたってワケだ……こうやって、俺に警告してくれたんだなぁ……」
勇者「……だから、女商人の事は諦めるってワケね」
天童「あの人は、人間界でちゃ~ぁんと幸せになるべきだよ……彼女を幸せにするのは俺じゃねぇんだよ……」シクシク
勇者「ド、ドンマイ……天童……」
天童「うるせっ! おめぇに慰められたくねぇよっ! こうなりゃ、おめぇの更生、とことんスパルタでやってやるから覚悟しておけよ!」
勇者「お、俺に当たるんじゃねぇよ……」アセアセ
天童「うるせぇ! おめぇの命題はどうだったんだよ! とっとと見せやがれ!」
勇者「う、うん……はい、これ……」
389: 2014/05/17(土) 00:00:42.99 ID:oo6YVwgPO
勇者
X月X日 午後3時までに
一番大切な約束を守らなければ即・氏亡!
390: 2014/05/17(土) 00:03:28.35 ID:oo6YVwgPO
今日はここまでだす
一分オーバーだったな
一分オーバーだったな
395: 2014/05/17(土) 22:44:05.85 ID:oo6YVwgPO
天童「ふ~む……『一番大事な約束を守らなければ即・氏亡か』……」
勇者「約束……」
天童「まぁ、よぉ? 今回は楽勝そうじゃねぇか! 今、午後8時だから、明日の3時まで……後、19時間か……」
勇者「うわぁ……なんか今回は長いねぇ……?」
天童「まぁ、大事な約束を守ればいいだけの話じゃねぇか! ところで、お前……大事な約束って、何かわかってるよなぁ……?」
勇者「わかってるよ! 明日の昼に……」
天童「明日の昼~? バァ~カ! 何、言ってるんだおめぇっ!?」
勇者「……えっ?」
勇者「約束……」
天童「まぁ、よぉ? 今回は楽勝そうじゃねぇか! 今、午後8時だから、明日の3時まで……後、19時間か……」
勇者「うわぁ……なんか今回は長いねぇ……?」
天童「まぁ、大事な約束を守ればいいだけの話じゃねぇか! ところで、お前……大事な約束って、何かわかってるよなぁ……?」
勇者「わかってるよ! 明日の昼に……」
天童「明日の昼~? バァ~カ! 何、言ってるんだおめぇっ!?」
勇者「……えっ?」
396: 2014/05/17(土) 22:52:10.42 ID:oo6YVwgPO
天童「勇者君……よく思い出しなよ……? 勇者君の『大事な約束』ってのは、今この瞬間だよ?」
勇者「えっ……? 今、この瞬間……? 俺、何か約束したっけ……?」
天童「ほらほら、街に着いた時に言ったじゃんっ! よ~く、思い出して? ねぇねぇ?」
勇者「街に着いた時……え~っと、俺何か言ったっけなぁ……?」
天童「も~う、勇者君は鈍いんだからぁ……じゃあ、ヒント出すね?」
勇者「お、おうっ……」
天童「ヒントは……宴会……」
勇者「……はぁ?」
天童「あれ、まだわからないの? じゃあ、も~っとヒント出すね? ……今日ぐらいは酒場でお酒を飲んでもいいって勇者君、言ってたよね?」
勇者「……あっ! そういや、俺、そんな事言ったかも!」
勇者「えっ……? 今、この瞬間……? 俺、何か約束したっけ……?」
天童「ほらほら、街に着いた時に言ったじゃんっ! よ~く、思い出して? ねぇねぇ?」
勇者「街に着いた時……え~っと、俺何か言ったっけなぁ……?」
天童「も~う、勇者君は鈍いんだからぁ……じゃあ、ヒント出すね?」
勇者「お、おうっ……」
天童「ヒントは……宴会……」
勇者「……はぁ?」
天童「あれ、まだわからないの? じゃあ、も~っとヒント出すね? ……今日ぐらいは酒場でお酒を飲んでもいいって勇者君、言ってたよね?」
勇者「……あっ! そういや、俺、そんな事言ったかも!」
397: 2014/05/17(土) 23:00:40.32 ID:oo6YVwgPO
天童「という事で……マスターっ! 生中と枝豆をお願いしますっ!」
主人「あいよっ!」
勇者「おいおい、ちょっと待てちょっと待て……!」
天童「いやぁ~、久しぶりのお酒ばいっ……! カァ~! この日をどんなに待ち望んだ事か……」
主人「あいよっ! 生中と枝豆お待ちっ!」
勇者「いやいや、待て待て……! これは大事な約束じゃねぇぞ! 絶対っ!」
天童「なぁ~に、固い事言っちゃいかんばいっ! それじゃあ、いただきまぁ~すっ!」ゴクゴク
主人「追加の注文があったらどんどん言ってくれよな!」
勇者「あっ……! い、いやっ……! この一杯だけでいいですっ!」
天童「カァ~! 五臓六腑に染みるばいっ……! あっ、大将っ! 追加で生、ジョッキで下さいなっ!」
主人「あいよっ!」
勇者「おいおい、ちょっと待てちょっと待て……!」
天童「いやぁ~、久しぶりのお酒ばいっ……! カァ~! この日をどんなに待ち望んだ事か……」
主人「あいよっ! 生中と枝豆お待ちっ!」
勇者「いやいや、待て待て……! これは大事な約束じゃねぇぞ! 絶対っ!」
天童「なぁ~に、固い事言っちゃいかんばいっ! それじゃあ、いただきまぁ~すっ!」ゴクゴク
主人「追加の注文があったらどんどん言ってくれよな!」
勇者「あっ……! い、いやっ……! この一杯だけでいいですっ!」
天童「カァ~! 五臓六腑に染みるばいっ……! あっ、大将っ! 追加で生、ジョッキで下さいなっ!」
399: 2014/05/17(土) 23:07:10.93 ID:oo6YVwgPO
勇者「おめぇはよぉ! 調子に乗ってんじゃねぇぞっ!」
天童「うわぁ……勇者君怖~い……今日は宴会してもいいって『約束』したのに……」
勇者「これは『大事な約束』じゃ、ねぇよっ!」
天童「勇者君、勇者……」
勇者「……あぁ? なんだよ?」
天童「……本当にそう言える?」
勇者「……はぁ?」
天童「もし、これが『大事な約束』だったら、勇者君は氏んじゃうんだよ? ねぇ、ねぇ?」
勇者「それは……でも……これは違うだろうよ……」
天童「ねぇねぇ、本当の本当にそう言える? 100%自信を持ってそう言える? もし、間違いだったら、勇者君は氏んじゃうんだよ?」
勇者「……」
天童「うわぁ……勇者君怖~い……今日は宴会してもいいって『約束』したのに……」
勇者「これは『大事な約束』じゃ、ねぇよっ!」
天童「勇者君、勇者……」
勇者「……あぁ? なんだよ?」
天童「……本当にそう言える?」
勇者「……はぁ?」
天童「もし、これが『大事な約束』だったら、勇者君は氏んじゃうんだよ? ねぇ、ねぇ?」
勇者「それは……でも……これは違うだろうよ……」
天童「ねぇねぇ、本当の本当にそう言える? 100%自信を持ってそう言える? もし、間違いだったら、勇者君は氏んじゃうんだよ?」
勇者「……」
402: 2014/05/17(土) 23:15:33.63 ID:oo6YVwgPO
天童「あらっ! 枝豆がもうないぞっ! 不思議だっ! こりゃ、不思議だっ!」
勇者「……おめぇはよぉ、白々しいヤツだなぁ」
天童「ねぇねぇ、勇者君~? 僕、追加で注文したいなぁ~? しても、いいかなぁ~?」ニヤニヤ
勇者「……」
天童「勿論、勇者君がダメって言うなら僕はしないよ? でも、僕勇者君と今日宴会してもいいって『約束』してような気がするんだけどなぁ~?」ニヤニヤ
勇者「調子に乗りやがって、この野郎……」
天童「ねぇ、勇者君? 追加で注文してもいい? ねぇ、ねぇ?」ニヤニヤ
勇者「す、好きにしろよ……」
天童「うわぁ~! 勇者君って優しいなぁ! ……という事で大将っ! メニューの端から端までお願いしますっ!」
勇者「お、おいっ……! そんな事したら、金なくなっちまうぞ……!」アセアセ
勇者「……おめぇはよぉ、白々しいヤツだなぁ」
天童「ねぇねぇ、勇者君~? 僕、追加で注文したいなぁ~? しても、いいかなぁ~?」ニヤニヤ
勇者「……」
天童「勿論、勇者君がダメって言うなら僕はしないよ? でも、僕勇者君と今日宴会してもいいって『約束』してような気がするんだけどなぁ~?」ニヤニヤ
勇者「調子に乗りやがって、この野郎……」
天童「ねぇ、勇者君? 追加で注文してもいい? ねぇ、ねぇ?」ニヤニヤ
勇者「す、好きにしろよ……」
天童「うわぁ~! 勇者君って優しいなぁ! ……という事で大将っ! メニューの端から端までお願いしますっ!」
勇者「お、おいっ……! そんな事したら、金なくなっちまうぞ……!」アセアセ
403: 2014/05/17(土) 23:24:13.03 ID:oo6YVwgPO
女僧侶「……ん?」ムクッ
勇者「あっ、女僧侶ちゃん、起きた……?」
女僧侶「……なんだか、美味しそうな匂いがします」
天童「ああっ、先に始めさせてもらってるよ! ホレ、女僧侶ちゃんも一緒に食べるばいっ!」
女僧侶「違います……天童さんの飲んでる……それ……」
勇者「!」
女僧侶「すみません、マスターっ! 私にも、これと同じ飲み物下さい~!」
主人「あ、あいよっ……!」アセアセ
天童「あらぁ~、女僧侶ちゃんって……酒いけるタチなのねぇ……」
勇者「感心してる場合かっ! おめぇも天使なんだったら、止めやがれっ!」
勇者「あっ、女僧侶ちゃん、起きた……?」
女僧侶「……なんだか、美味しそうな匂いがします」
天童「ああっ、先に始めさせてもらってるよ! ホレ、女僧侶ちゃんも一緒に食べるばいっ!」
女僧侶「違います……天童さんの飲んでる……それ……」
勇者「!」
女僧侶「すみません、マスターっ! 私にも、これと同じ飲み物下さい~!」
主人「あ、あいよっ……!」アセアセ
天童「あらぁ~、女僧侶ちゃんって……酒いけるタチなのねぇ……」
勇者「感心してる場合かっ! おめぇも天使なんだったら、止めやがれっ!」
405: 2014/05/17(土) 23:33:50.99 ID:oo6YVwgPO
ーーーーー
女僧侶「ふふ、このジュースも、とっても美味しいですね?」ゴクゴク
天童「あ、あらぁ~? 女僧侶ちゃんって……お酒、強いんだねぇ……?」
勇者「女僧侶ちゃん、大丈夫? ちょっと、飲み過ぎなんじゃない……?」アセアセ
女僧侶「ふふ、大丈夫ですよ? 心配してくれてるんですか? やっぱり、勇者さんって優しいですね?」ニコッ
天童「あれ、あれ……? 何、このいい雰囲気……? ねぇ、君達、僕が来る前に何かあったの?」
勇者「えっ……! いやっ……! それは……」アセアセ
女僧侶「ふふ、天童さんには秘密です……ねっ、勇者さん?」クスクス
天童「あんらぁ……な~んか、よくわからんけど、くやしかぁ~! くやしかぁ~!」
勇者「……」
女僧侶「ふふ、このジュースも、とっても美味しいですね?」ゴクゴク
天童「あ、あらぁ~? 女僧侶ちゃんって……お酒、強いんだねぇ……?」
勇者「女僧侶ちゃん、大丈夫? ちょっと、飲み過ぎなんじゃない……?」アセアセ
女僧侶「ふふ、大丈夫ですよ? 心配してくれてるんですか? やっぱり、勇者さんって優しいですね?」ニコッ
天童「あれ、あれ……? 何、このいい雰囲気……? ねぇ、君達、僕が来る前に何かあったの?」
勇者「えっ……! いやっ……! それは……」アセアセ
女僧侶「ふふ、天童さんには秘密です……ねっ、勇者さん?」クスクス
天童「あんらぁ……な~んか、よくわからんけど、くやしかぁ~! くやしかぁ~!」
勇者「……」
406: 2014/05/17(土) 23:39:48.55 ID:oo6YVwgPO
女僧侶「マスター、もう一杯いただけますか?」
主人「ごめん、姉ちゃん……もう品切れ……というか、あんたら飲み過ぎなんだよ……」
女僧侶「え~?」
天童「まぁまぁ、女僧侶ちゃん……それじゃあ、今日はそろそろお開きとしましょうか……」
女僧侶「私……もっと飲みたいです……」
天童「まぁ、またの機会があるからさっ? なっ、近いうちにまた宴会しようぜ、勇者?」
勇者「……ヤダ」
天童「……ぬ?」
勇者「……もう、安易な約束しない」
天童「そうそうっ! それだよそれっ!」
勇者「……はぁ?」
主人「ごめん、姉ちゃん……もう品切れ……というか、あんたら飲み過ぎなんだよ……」
女僧侶「え~?」
天童「まぁまぁ、女僧侶ちゃん……それじゃあ、今日はそろそろお開きとしましょうか……」
女僧侶「私……もっと飲みたいです……」
天童「まぁ、またの機会があるからさっ? なっ、近いうちにまた宴会しようぜ、勇者?」
勇者「……ヤダ」
天童「……ぬ?」
勇者「……もう、安易な約束しない」
天童「そうそうっ! それだよそれっ!」
勇者「……はぁ?」
407: 2014/05/17(土) 23:48:24.51 ID:oo6YVwgPO
天童「俺がこの宴会通して言いたかった事……それは、安易な約束事は身を滅ぼすぞって事なんだよ!」
勇者「……はぁ?」
天童「おめぇもこれで懲りただろ? いやぁ~、結果オーライだったけど、勉強になったからよしとしようっ!」
勇者「……ん?」
天童「やっぱり、『大事な約束』ってのは、誰かの役に立ちたいとか、そういう気持ちから生まれる……」
勇者「……おい、お前、今結果オーライって言っただろ?」
天童「え、えっ……?」
勇者「結果オーライって言ったよなぁ? 確かに聞こえたぞ?」
天童「勇者君、君は何か勘違いをしている……よく聞いて下さい……『大事な約束』というのは……」
勇者「うるせっ! なぁ~に、綺麗事言って纏めようとしてやがる! あんだけ、ハメ外しておいてよぉ~!」ギャーギャー
天童「い、いいじゃねぇか! 久しぶりの酒なんだったんだからっ! それに、おめぇだって勉強になったんだからいいだろっ!」ギャーギャー
勇者「……はぁ?」
天童「おめぇもこれで懲りただろ? いやぁ~、結果オーライだったけど、勉強になったからよしとしようっ!」
勇者「……ん?」
天童「やっぱり、『大事な約束』ってのは、誰かの役に立ちたいとか、そういう気持ちから生まれる……」
勇者「……おい、お前、今結果オーライって言っただろ?」
天童「え、えっ……?」
勇者「結果オーライって言ったよなぁ? 確かに聞こえたぞ?」
天童「勇者君、君は何か勘違いをしている……よく聞いて下さい……『大事な約束』というのは……」
勇者「うるせっ! なぁ~に、綺麗事言って纏めようとしてやがる! あんだけ、ハメ外しておいてよぉ~!」ギャーギャー
天童「い、いいじゃねぇか! 久しぶりの酒なんだったんだからっ! それに、おめぇだって勉強になったんだからいいだろっ!」ギャーギャー
409: 2014/05/17(土) 23:57:09.61 ID:oo6YVwgPO
ーーーーー
天童「じゃあ、俺は先に女僧侶ちゃん、送り届けるから、お会計よろしくな?」
女僧侶「よろしくお願いします」ペコッ
勇者「もう二度と宴会はしない……絶対にだ……」ブツブツ
天童「おい、勇者? 『一番大事な約束』は忘れんなよ~? 明日の昼なんだからよぉ~?」
女僧侶「忘れないで下さいね?」ニコッ
勇者「あっ……う、うん……わかったよ……」ドキドキ
天童「じゃあ、女僧侶ちゃん行こうか……って、あんたもう、フラフラじゃないの!」
女僧侶「そ、そんな事……ないですよ……? ちょっと、ここの地面がグニャグニャしてるだけすよ……」フラフラ
勇者「お、お~い……怪我しないように帰りなよ~?」
天童「じゃあ、俺は先に女僧侶ちゃん、送り届けるから、お会計よろしくな?」
女僧侶「よろしくお願いします」ペコッ
勇者「もう二度と宴会はしない……絶対にだ……」ブツブツ
天童「おい、勇者? 『一番大事な約束』は忘れんなよ~? 明日の昼なんだからよぉ~?」
女僧侶「忘れないで下さいね?」ニコッ
勇者「あっ……う、うん……わかったよ……」ドキドキ
天童「じゃあ、女僧侶ちゃん行こうか……って、あんたもう、フラフラじゃないの!」
女僧侶「そ、そんな事……ないですよ……? ちょっと、ここの地面がグニャグニャしてるだけすよ……」フラフラ
勇者「お、お~い……怪我しないように帰りなよ~?」
410: 2014/05/18(日) 00:03:41.96 ID:F/Be6Cv0O
勇者「え~っと……それじゃあ、お会計よろしいですか……?」
主人「……ほれ、代金表だ」
勇者「え~っと……ゲッ……!」
主人「……」
勇者「これ、マジっすか……?」アセアセ
主人「そりゃ、あんだけ飲んで食ったら、そうなるわなぁ……? 言っておくけど、うちは良心的な店だぜ……?」
勇者「えっ、いやっ……それはわかってますけど……あのっ……」
主人「……まさか、金ねぇってワケじゃねぇだろなぁ?」
勇者「いやっ、ある事はあるんですけど……そうなったら、これからの旅が……」アセアセ
主人「……」
勇者「な、なんとかなりませんかねぇ……?」
主人「……ほれ、代金表だ」
勇者「え~っと……ゲッ……!」
主人「……」
勇者「これ、マジっすか……?」アセアセ
主人「そりゃ、あんだけ飲んで食ったら、そうなるわなぁ……? 言っておくけど、うちは良心的な店だぜ……?」
勇者「えっ、いやっ……それはわかってますけど……あのっ……」
主人「……まさか、金ねぇってワケじゃねぇだろなぁ?」
勇者「いやっ、ある事はあるんですけど……そうなったら、これからの旅が……」アセアセ
主人「……」
勇者「な、なんとかなりませんかねぇ……?」
411: 2014/05/18(日) 00:11:17.16 ID:F/Be6Cv0O
主人「……ったく、じゃあよ?」
勇者「まけてくれるんですか?」
主人「うちの麦焼酎は、水にこだわってるって言ってただろ?」
勇者「あっ、言ってましたね?」
主人「その水は、この街の近くの洞窟の中にある、地底湖の天然水なんだ」
勇者「へぇ~、そんな所から仕入れてるんですか……」
主人「ただよぉ……最近、魔物の動きが活発で、その水仕入れるのに、苦労してんだよ」
勇者「は、はぁ……」
主人「兄ちゃん、東の街の魔物討伐した猛者なんだろ? だったら、仕入れてきてくんねぇかな?」
勇者「……そうしたら、まけてくれるんですか?」
主人「あぁ、俺も男だよ。約束する」
勇者「!」
勇者「まけてくれるんですか?」
主人「うちの麦焼酎は、水にこだわってるって言ってただろ?」
勇者「あっ、言ってましたね?」
主人「その水は、この街の近くの洞窟の中にある、地底湖の天然水なんだ」
勇者「へぇ~、そんな所から仕入れてるんですか……」
主人「ただよぉ……最近、魔物の動きが活発で、その水仕入れるのに、苦労してんだよ」
勇者「は、はぁ……」
主人「兄ちゃん、東の街の魔物討伐した猛者なんだろ? だったら、仕入れてきてくんねぇかな?」
勇者「……そうしたら、まけてくれるんですか?」
主人「あぁ、俺も男だよ。約束する」
勇者「!」
412: 2014/05/18(日) 00:17:15.42 ID:F/Be6Cv0O
勇者「えっ……約束……ですか……?」アセアセ
主人「……なんだよ、いい話じゃねぇかよ? 不満なのか?」
勇者「い、いやっ……! そういう事じゃ、ないんですが……」
主人「?」
勇者「こ、これ……大事な約束なのかな……? それとも、お金払って済ませた方がいいのかな……?」
主人「?」
勇者「あぁっ! でも、もし『大切な約束』だったら、俺氏んじゃうし……どうしよどうしよ……」アセアセ
主人「なぁ~に、ブツブツ言ってんだよ? どうすんの? やってくれるの?」
勇者「あっ……! そ、それはですねぇ……!」アセアセ
主人「……なんだよ、いい話じゃねぇかよ? 不満なのか?」
勇者「い、いやっ……! そういう事じゃ、ないんですが……」
主人「?」
勇者「こ、これ……大事な約束なのかな……? それとも、お金払って済ませた方がいいのかな……?」
主人「?」
勇者「あぁっ! でも、もし『大切な約束』だったら、俺氏んじゃうし……どうしよどうしよ……」アセアセ
主人「なぁ~に、ブツブツ言ってんだよ? どうすんの? やってくれるの?」
勇者「あっ……! そ、それはですねぇ……!」アセアセ
413: 2014/05/18(日) 00:23:51.21 ID:F/Be6Cv0O
洞窟前ーー
勇者「も~う……深夜0時に洞窟探索なんてさぁ……」
勇者「暗いしさぁ……怖いしさぁ……眠いしさぁ……」
勇者「……」
勇者「……それに、女僧侶ちゃんとの約束もあるしさぁ?」シクシク
勇者「……」
勇者「もういいよっ! さっさと終らせようっと! じゃあ、行く……ん……?」
警備兵「……」
勇者「も~う……深夜0時に洞窟探索なんてさぁ……」
勇者「暗いしさぁ……怖いしさぁ……眠いしさぁ……」
勇者「……」
勇者「……それに、女僧侶ちゃんとの約束もあるしさぁ?」シクシク
勇者「……」
勇者「もういいよっ! さっさと終らせようっと! じゃあ、行く……ん……?」
警備兵「……」
414: 2014/05/18(日) 00:32:03.80 ID:F/Be6Cv0O
勇者「あの~? ちょっと、どいてもらえませんか……?」
警備兵「ん……? 洞窟探索の方ですか?」
勇者「うん、この洞窟の地底湖の水が欲しいんだ。だから、通してよ?」
警備兵「申し訳ありませんっ……! この洞窟は魔物の巣になっていて、危険ですので、現在封鎖しています!」
勇者「……危険だからさぁ? 冒険者の俺が取りに行くんじゃん」
警備兵「では、どうしてもというのなら……街長から、通行許可証を頂いてきて貰えますか……?」
勇者「えっ、何? 入るのに、そんなのがいるの?」
警備兵「はっ……! しかし、通行証さえあれば、探索を許可します。それは私の誇りにかけて約束させて頂きますっ!」
勇者「!」
警備兵「ん……? 洞窟探索の方ですか?」
勇者「うん、この洞窟の地底湖の水が欲しいんだ。だから、通してよ?」
警備兵「申し訳ありませんっ……! この洞窟は魔物の巣になっていて、危険ですので、現在封鎖しています!」
勇者「……危険だからさぁ? 冒険者の俺が取りに行くんじゃん」
警備兵「では、どうしてもというのなら……街長から、通行許可証を頂いてきて貰えますか……?」
勇者「えっ、何? 入るのに、そんなのがいるの?」
警備兵「はっ……! しかし、通行証さえあれば、探索を許可します。それは私の誇りにかけて約束させて頂きますっ!」
勇者「!」
415: 2014/05/18(日) 00:37:03.04 ID:F/Be6Cv0O
勇者「あんたの誇りなんかいらねぇんだよっ! も~う……どうして、そんな約束、勝手にしちゃうかなぁ?」
警備兵「?」
勇者「あ~っ……これがもし『大事な約束』だったら、俺氏んじゃうし……どうしよどうしよ……」アセアセ
警備兵「どうか……なされたんですか……?」
勇者「あぁっ! もうっ! 街長さんに通行証さえ、貰ってくれば通してくれるんだね!?」
警備兵「はっ! 約束しますっ!」
勇者「うるせっ! 約束なんかもうこりごりだよっ! じゃあ、街長さんの所へ行ってくるよっ!」
警備兵「はっ!」
警備兵「?」
勇者「あ~っ……これがもし『大事な約束』だったら、俺氏んじゃうし……どうしよどうしよ……」アセアセ
警備兵「どうか……なされたんですか……?」
勇者「あぁっ! もうっ! 街長さんに通行証さえ、貰ってくれば通してくれるんだね!?」
警備兵「はっ! 約束しますっ!」
勇者「うるせっ! 約束なんかもうこりごりだよっ! じゃあ、街長さんの所へ行ってくるよっ!」
警備兵「はっ!」
419: 2014/05/19(月) 00:09:33.51 ID:bfgHj2j4O
街長家ーー
勇者「す、すいませんっ! 街長さん、いますかっ!? 街長さんっ!」ガンガンッ
街長「……」ムスッ
勇者「あの、 街長さんですか!? 実はお願いがありましてね……」
街長「……あんた、今何時だと思ってるの?」ムスッ
勇者「えっ……? え~っと……今は、1時前ですね……?」
街長「そうだね。1時前だね? ワシ、寝てたんだけど……」
勇者「い、いやぁ……申し訳ありません……」アセアセ
街長「……と、いう事で用件は明日にしてくれ。ワシ、寝る」
勇者「い、いやっ……! ちょっと待って下さいよっ……!」アセアセ
勇者「す、すいませんっ! 街長さん、いますかっ!? 街長さんっ!」ガンガンッ
街長「……」ムスッ
勇者「あの、 街長さんですか!? 実はお願いがありましてね……」
街長「……あんた、今何時だと思ってるの?」ムスッ
勇者「えっ……? え~っと……今は、1時前ですね……?」
街長「そうだね。1時前だね? ワシ、寝てたんだけど……」
勇者「い、いやぁ……申し訳ありません……」アセアセ
街長「……と、いう事で用件は明日にしてくれ。ワシ、寝る」
勇者「い、いやっ……! ちょっと待って下さいよっ……!」アセアセ
420: 2014/05/19(月) 00:17:11.85 ID:bfgHj2j4O
街長「も~う……何だよお前……ワシ、眠いんだからよぉ……」
勇者「あ、あのっ……! 地底湖ある洞窟の通行証貰えますか……?」
街長「あぁ? ダメダメ……あそこ、魔物の巣なってて、今は危険だから……」
勇者「いえっ、大丈夫ですっ! 実は僕、東の街の魔物の討伐部隊だったんですよ! 腕っぷしには自信あちますからっ……!」
街長「……本当? あんた、そんな風には見えないんだけど?」
勇者「い、いえっ……! 大丈夫ですっ! 僕、絶対に無事に帰ってきますから、通行証下さいっ!」
街長「う~ん……じゃあ、また明日来てくれる……?」
勇者「えっ!? いやっ! 明日って……なんで、今くれないんですか……?」アセアセ
街長「やかましいっ! こっちは眠ぃんだよっ!」
勇者「あ、あのっ……! 地底湖ある洞窟の通行証貰えますか……?」
街長「あぁ? ダメダメ……あそこ、魔物の巣なってて、今は危険だから……」
勇者「いえっ、大丈夫ですっ! 実は僕、東の街の魔物の討伐部隊だったんですよ! 腕っぷしには自信あちますからっ……!」
街長「……本当? あんた、そんな風には見えないんだけど?」
勇者「い、いえっ……! 大丈夫ですっ! 僕、絶対に無事に帰ってきますから、通行証下さいっ!」
街長「う~ん……じゃあ、また明日来てくれる……?」
勇者「えっ!? いやっ! 明日って……なんで、今くれないんですか……?」アセアセ
街長「やかましいっ! こっちは眠ぃんだよっ!」
421: 2014/05/19(月) 00:21:35.52 ID:bfgHj2j4O
街長「明日来てくれたら、手続きしてあげるから……ちゃんと約束するから……」
勇者「!」
街長「ねっ? 今は寝かしてくれよ?」
勇者「……は、はい」
街長「だいたい、あんたさ? こんな時間に訪ねてくるって、ちょっと常識がないんじゃないの?」
勇者「も、申し訳ありません……」アセアセ
街長「わかったんなら、とっとと帰ってくれっ! ……全く、バカの相手は疲れるのぉ」
勇者「……」
勇者「!」
街長「ねっ? 今は寝かしてくれよ?」
勇者「……は、はい」
街長「だいたい、あんたさ? こんな時間に訪ねてくるって、ちょっと常識がないんじゃないの?」
勇者「も、申し訳ありません……」アセアセ
街長「わかったんなら、とっとと帰ってくれっ! ……全く、バカの相手は疲れるのぉ」
勇者「……」
422: 2014/05/19(月) 00:30:47.07 ID:bfgHj2j4O
宿屋ーーー
天童「おぉ、遅かったじゃねぇか? どうしたんだ?」
勇者「……」
天童「女僧侶ちゃんと、女商人さんはとっくに寝ちまったぞ? なにしてたんだ、おめぇ?」
勇者「うるせぇっ! 全部お前のせいだぞっ! たらふく飲みやがってっ!」
天童「な、なにそんなに怒ってるんだよ……あれ、八割ぐらいは女僧侶ちゃんが飲んだんだぜ……? それに、お前も結構喜んで食ってたじゃねぇかよ?」アセアセ
勇者「うるせぇっ!」
天童「ま、まぁよ……なぁ~んでお前がそんなに怒ってるのかわかんねぇけどよぉ……? 命題忘れんなよ……?」
勇者「……そのせいで明日はもう、大忙しだよちくしょう」
天童「おぉ、遅かったじゃねぇか? どうしたんだ?」
勇者「……」
天童「女僧侶ちゃんと、女商人さんはとっくに寝ちまったぞ? なにしてたんだ、おめぇ?」
勇者「うるせぇっ! 全部お前のせいだぞっ! たらふく飲みやがってっ!」
天童「な、なにそんなに怒ってるんだよ……あれ、八割ぐらいは女僧侶ちゃんが飲んだんだぜ……? それに、お前も結構喜んで食ってたじゃねぇかよ?」アセアセ
勇者「うるせぇっ!」
天童「ま、まぁよ……なぁ~んでお前がそんなに怒ってるのかわかんねぇけどよぉ……? 命題忘れんなよ……?」
勇者「……そのせいで明日はもう、大忙しだよちくしょう」
423: 2014/05/19(月) 00:36:41.25 ID:bfgHj2j4O
翌朝7時ーー
天童「……ふわぁぁ、よく寝たなぁ。 お~い、勇者起きろ~」
天童「今日の昼はよぉ……命題の……ん……?」
天童「……」キョロキョロ
天童「あ、あれぇ? 勇者のヤツ、何処行ったんだ……?」
天童「あいつが、こんな時間に起きるなんてねぇよなぁ……どうしたんだろ……?」
天童「……」
天童「……便所かな?」
天童「……ふわぁぁ、よく寝たなぁ。 お~い、勇者起きろ~」
天童「今日の昼はよぉ……命題の……ん……?」
天童「……」キョロキョロ
天童「あ、あれぇ? 勇者のヤツ、何処行ったんだ……?」
天童「あいつが、こんな時間に起きるなんてねぇよなぁ……どうしたんだろ……?」
天童「……」
天童「……便所かな?」
424: 2014/05/19(月) 00:41:22.18 ID:bfgHj2j4O
勇者「街長さんいますかっ! 街長さんっ!」ガンガンッ
街長「……」ムスッ
勇者「あっ、街長さん!おはようございますっ!」
街長「……君ねぇ? 確かにワシは明日は来いといったけどさぁ?」
勇者「はいっ! だから、こうやって来ました!」
街長「……ちと、早すぎやないかい?」
勇者「えっ?」
街長「まだ、7時だよ君……? ワシ、朝飯も食っとらんよ……」
勇者「い、いやぁ……こっちは緊急なものでして……」アセアセ
街長「……」ムスッ
勇者「あっ、街長さん!おはようございますっ!」
街長「……君ねぇ? 確かにワシは明日は来いといったけどさぁ?」
勇者「はいっ! だから、こうやって来ました!」
街長「……ちと、早すぎやないかい?」
勇者「えっ?」
街長「まだ、7時だよ君……? ワシ、朝飯も食っとらんよ……」
勇者「い、いやぁ……こっちは緊急なものでして……」アセアセ
425: 2014/05/19(月) 00:47:56.59 ID:bfgHj2j4O
街長「……とりあえず、朝飯食うから、待ってなさい」
勇者「い、いやっ……! 朝飯なんて後でいいじゃないですか! 先に通行証下さいよっ!」
街長「君、な~んでそんな必氏なのよ? ちょっと、君常識なさすぎだよ?」
勇者「い、いやぁ……こっちは命が……」グゥー
街長「……ん?」
勇者「……あっ」グゥー
街長「……ねぇ、君朝飯も食わずに、どうしてそんなに必氏なの?」
勇者「……い、いやぁ」
街長「とりあえずさ……? ご馳走してあげるから上がりなよ? 通行証の話はその後でいいでしょ?」
勇者「す、すいません……」
勇者「い、いやっ……! 朝飯なんて後でいいじゃないですか! 先に通行証下さいよっ!」
街長「君、な~んでそんな必氏なのよ? ちょっと、君常識なさすぎだよ?」
勇者「い、いやぁ……こっちは命が……」グゥー
街長「……ん?」
勇者「……あっ」グゥー
街長「……ねぇ、君朝飯も食わずに、どうしてそんなに必氏なの?」
勇者「……い、いやぁ」
街長「とりあえずさ……? ご馳走してあげるから上がりなよ? 通行証の話はその後でいいでしょ?」
勇者「す、すいません……」
426: 2014/05/19(月) 00:53:52.58 ID:bfgHj2j4O
ーーーーー
勇者「な、なんか……突然お邪魔した上にこんな事までして頂いて、申し訳ありません……」
街長「なぁ~に、冒険者ってのはそれくらい生きのいい方がいいもんじゃよ。ワシの若いころを思い出すよ」
勇者「あ、ありがとうございます……」
街長「それで……確か、通行証の話じゃったよな?」
勇者「あっ、そうですっ! 通行証頂けますか!?」
街長「う~ん……」
勇者「あ、あれ……? どうしたんですか……?」
街長「いやぁ……君みたいな生きのいいヤツ、ワシは好きなんだけどねぇ……やっぱり、まだ若いし……どうしよう……?」
勇者「えっ、えっ……?」
勇者「な、なんか……突然お邪魔した上にこんな事までして頂いて、申し訳ありません……」
街長「なぁ~に、冒険者ってのはそれくらい生きのいい方がいいもんじゃよ。ワシの若いころを思い出すよ」
勇者「あ、ありがとうございます……」
街長「それで……確か、通行証の話じゃったよな?」
勇者「あっ、そうですっ! 通行証頂けますか!?」
街長「う~ん……」
勇者「あ、あれ……? どうしたんですか……?」
街長「いやぁ……君みたいな生きのいいヤツ、ワシは好きなんだけどねぇ……やっぱり、まだ若いし……どうしよう……?」
勇者「えっ、えっ……?」
427: 2014/05/19(月) 01:00:23.33 ID:bfgHj2j4O
街長「いやぁ……最近、この街はモンスターの巣になっている洞窟が近くにある街って、悪い噂が立っててね……まぁ、事実なんだけど……」
勇者「は、はぁ……」
街長「その洞窟で、氏人が出たとなったらさぁ……? やっぱり、この街のイメージダウンは避けられないじゃん……?」
勇者「い、いやっ! 大丈夫ですっ! 僕、東の街を襲った魔物の討伐部隊でしたから!」
街長「えっ……? それ、本当……?」
勇者「はいっ! 腕っ節には自信はありますっ!」
街長「え~、そんなきゃしゃな身体で……? ちょっと、信じられないなぁ……?」
勇者「い、いやっ……! 本当ですっ! 信じて下さいっ!」アセアセ
街長「う~ん……」
勇者「は、はぁ……」
街長「その洞窟で、氏人が出たとなったらさぁ……? やっぱり、この街のイメージダウンは避けられないじゃん……?」
勇者「い、いやっ! 大丈夫ですっ! 僕、東の街を襲った魔物の討伐部隊でしたから!」
街長「えっ……? それ、本当……?」
勇者「はいっ! 腕っ節には自信はありますっ!」
街長「え~、そんなきゃしゃな身体で……? ちょっと、信じられないなぁ……?」
勇者「い、いやっ……! 本当ですっ! 信じて下さいっ!」アセアセ
街長「う~ん……」
428: 2014/05/19(月) 01:08:54.74 ID:bfgHj2j4O
街長「よしっ! じゃあ、こうしようっ!」
勇者「……ん?」
街長「この街から、さらに北に行った所に広~い平原があるんじゃ」
勇者「は、はぁ……?」
街長「そこのど真ん中に、青い木の実がなった大きな木が生えておる」
勇者「ま、まさか……ソレ、取って来いって話じゃないでしょうね……?」アセアセ
街長「おっ、物分りがいいじゃないか? しかし、最近その平原には魔物が溢れておるから、簡単にはいかんぞ?」
勇者「うわぁ……魔物もいるのかよ……」
街長「もし、その青い木の実を無事にとって来る事ができたのなら、君の力を認めて……」
勇者「……認めて?」
街長「この通行証を渡すと、や……」
勇者「わぁ~っ! わぁ~っ!」
勇者「……ん?」
街長「この街から、さらに北に行った所に広~い平原があるんじゃ」
勇者「は、はぁ……?」
街長「そこのど真ん中に、青い木の実がなった大きな木が生えておる」
勇者「ま、まさか……ソレ、取って来いって話じゃないでしょうね……?」アセアセ
街長「おっ、物分りがいいじゃないか? しかし、最近その平原には魔物が溢れておるから、簡単にはいかんぞ?」
勇者「うわぁ……魔物もいるのかよ……」
街長「もし、その青い木の実を無事にとって来る事ができたのなら、君の力を認めて……」
勇者「……認めて?」
街長「この通行証を渡すと、や……」
勇者「わぁ~っ! わぁ~っ!」
429: 2014/05/19(月) 01:14:19.10 ID:bfgHj2j4O
街長「な、なんじゃ……急に大声を出しよって……心臓に悪いわいっ……!」ビクビク
勇者(もう、約束こりごりだよ……なんか、状況がどんどん悪化していってるような気がするなぁ……どうしよう……)
街長「ど、どうする……? このテスト受けるのか……? 受けないのか……?」
勇者(あ~、でも通行証がないと、洞窟には入れないし……もう、どうしよう……?)
街長「……なんじゃ? 急にしおらしくなりおったな?」
勇者「……街長さん」
街長「……ん?」
勇者(もう、約束こりごりだよ……なんか、状況がどんどん悪化していってるような気がするなぁ……どうしよう……)
街長「ど、どうする……? このテスト受けるのか……? 受けないのか……?」
勇者(あ~、でも通行証がないと、洞窟には入れないし……もう、どうしよう……?)
街長「……なんじゃ? 急にしおらしくなりおったな?」
勇者「……街長さん」
街長「……ん?」
430: 2014/05/19(月) 01:19:44.02 ID:bfgHj2j4O
勇者「その青い木の実とってきたら、通行証を渡してくれるんですね……?」
街長「えっ……? ちょっと、顔近いよ……怖いよ……渡すからさ……?」アセアセ
勇者「とってきた後に、新しい条件つけるのは無しですよ? その青い実をとってきたら、通行証渡してもらいますよ?」
街長「うんっ、渡すっ! 渡すからっ! ちょっと、君怖いって……!」アセアセ
勇者「約束ですよ!? 絶対に守ってもらいますからねぇ!?」
街長「う、うん……約束するっ……! ワシ、約束するっ……!」
勇者「約束守れなかったら、即・氏亡ですからねぇ!?」
街長「うわっ! 何、その脅し文句! 君、おっかないよ……」アセアセ
街長「えっ……? ちょっと、顔近いよ……怖いよ……渡すからさ……?」アセアセ
勇者「とってきた後に、新しい条件つけるのは無しですよ? その青い実をとってきたら、通行証渡してもらいますよ?」
街長「うんっ、渡すっ! 渡すからっ! ちょっと、君怖いって……!」アセアセ
勇者「約束ですよ!? 絶対に守ってもらいますからねぇ!?」
街長「う、うん……約束するっ……! ワシ、約束するっ……!」
勇者「約束守れなかったら、即・氏亡ですからねぇ!?」
街長「うわっ! 何、その脅し文句! 君、おっかないよ……」アセアセ
431: 2014/05/19(月) 01:25:51.63 ID:bfgHj2j4O
ーーーーー
勇者「あ~、もう……また約束しちゃったよ……もう、頭がこんがらがってきた……」
勇者「え~っと……一度、やる事を整理して落ち着こう……」
勇者「まず、青い木の実をとってきたら……街長さんに通行証が貰えて……」
勇者「通行証を渡せば……洞窟に入れるようになって……」
勇者「洞窟から水を取って、酒場に持って行って……」
勇者「……」
勇者「……女僧侶ちゃんとデートすると」モジモジ
勇者「あ~……とりあえずは木の実を取りに行く所からか……くそっ、時間ないし、出発するかっ!」
勇者「あ~、もう……また約束しちゃったよ……もう、頭がこんがらがってきた……」
勇者「え~っと……一度、やる事を整理して落ち着こう……」
勇者「まず、青い木の実をとってきたら……街長さんに通行証が貰えて……」
勇者「通行証を渡せば……洞窟に入れるようになって……」
勇者「洞窟から水を取って、酒場に持って行って……」
勇者「……」
勇者「……女僧侶ちゃんとデートすると」モジモジ
勇者「あ~……とりあえずは木の実を取りに行く所からか……くそっ、時間ないし、出発するかっ!」
433: 2014/05/19(月) 01:32:58.61 ID:bfgHj2j4O
その頃ーー
女商人「あっ、天童さん……」
天童「あらっ! 女商人さん、どうしましたか?」
女商人「女僧侶さん、二日酔いが酷いようで……今日はちょっと……」
天童「あらぁ……昨日調子乗って飲ませすぎたかなぁ……? 女商人さん、すんましぇ~んっ!」
女商人「いえ、元々は私の我儘ですから。女僧侶さんは、今日はゆっくり、体調を整えてもらいましょう」
天童「本当、申し訳ありませんねぇ……俺の力不足のせいで……」
女商人「いえ、いくら天童さんでも、在庫のない商品は買えませんよ。昨日は勉強になりましたし、ありがとうございますっ!」
天童「い、いやぁ~」デレデレ
女商人「あっ、天童さん……」
天童「あらっ! 女商人さん、どうしましたか?」
女商人「女僧侶さん、二日酔いが酷いようで……今日はちょっと……」
天童「あらぁ……昨日調子乗って飲ませすぎたかなぁ……? 女商人さん、すんましぇ~んっ!」
女商人「いえ、元々は私の我儘ですから。女僧侶さんは、今日はゆっくり、体調を整えてもらいましょう」
天童「本当、申し訳ありませんねぇ……俺の力不足のせいで……」
女商人「いえ、いくら天童さんでも、在庫のない商品は買えませんよ。昨日は勉強になりましたし、ありがとうございますっ!」
天童「い、いやぁ~」デレデレ
434: 2014/05/19(月) 01:37:40.51 ID:bfgHj2j4O
天童「まぁ、でもよぉ? 俺と勇者だけでも付き合うんで、今日は頑張りましょうよ!」
女商人「え、えっ……!? 本当に協力して頂けるんですか……?」
天童「だって、昨日『約束』したでしょ? 『赤い木の実を取りに行くのを協力する』って」
女商人「あ、ありがとうございます……」
天童「珍しく、勇者のヤツもやる気になってますから! 俺達に任せて下さいっ!」
女商人「ありがとうございますっ……! あの~、ところで勇者さんは……?」キョロキョロ
天童「あっ、アイツ朝から、姿が見えないんですよ……おっかしいなぁ……」
女商人「え、えっ……!? 本当に協力して頂けるんですか……?」
天童「だって、昨日『約束』したでしょ? 『赤い木の実を取りに行くのを協力する』って」
女商人「あ、ありがとうございます……」
天童「珍しく、勇者のヤツもやる気になってますから! 俺達に任せて下さいっ!」
女商人「ありがとうございますっ……! あの~、ところで勇者さんは……?」キョロキョロ
天童「あっ、アイツ朝から、姿が見えないんですよ……おっかしいなぁ……」
439: 2014/05/19(月) 21:12:37.91 ID:bfgHj2j4O
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……平原、平原……」
勇者「平原って何処だよ、も~う……一時間近く走ってるぞ……?」
勇者「北はこっちだから……方角はちゃんと合ってるハズだし……」アセアセ
勇者「え~っと、今、何時だ……? うわっ……! もう9時じゃんっ!」
勇者「も~う……後、6時間しかないじゃん……」シクシク
勇者「これ、時間間に合うのかなぁ……?」
魔物「グルルルル……」
勇者「……ん?」
勇者「はぁ……はぁ……平原、平原……」
勇者「平原って何処だよ、も~う……一時間近く走ってるぞ……?」
勇者「北はこっちだから……方角はちゃんと合ってるハズだし……」アセアセ
勇者「え~っと、今、何時だ……? うわっ……! もう9時じゃんっ!」
勇者「も~う……後、6時間しかないじゃん……」シクシク
勇者「これ、時間間に合うのかなぁ……?」
魔物「グルルルル……」
勇者「……ん?」
440: 2014/05/19(月) 21:18:48.24 ID:bfgHj2j4O
勇者「う、うわっ……魔物だっ……!」アセアセ
魔物「ガルルルル……」
勇者「くそっ、アストロンっ! ……って、ちょっと待てちょっと待てよ……?」
魔物「……ガルっ?」
勇者「……そ、そうだ。 この前、この魔法使ったら、戦闘に30分近くかかったんだ」アセアセ
魔物「ガルル……」
勇者「こんなの使ってる場合じゃないよ……俺には時間がないんだから……」アセアセ
魔物「……キシャアっ!」
勇者「う、うわっ……! きたっ……! くそっ、怖いけどやってやるよぉっ!」
魔物「ガルルルル……」
勇者「くそっ、アストロンっ! ……って、ちょっと待てちょっと待てよ……?」
魔物「……ガルっ?」
勇者「……そ、そうだ。 この前、この魔法使ったら、戦闘に30分近くかかったんだ」アセアセ
魔物「ガルル……」
勇者「こんなの使ってる場合じゃないよ……俺には時間がないんだから……」アセアセ
魔物「……キシャアっ!」
勇者「う、うわっ……! きたっ……! くそっ、怖いけどやってやるよぉっ!」
441: 2014/05/19(月) 21:26:22.27 ID:bfgHj2j4O
ーーーーー
女商人「あの~? 天童さん……?」
天童「は、はいっ! どうしたとですか!?」
女商人「勇者さん……どうしたんですかねぇ……? もう、9時半ですよ……?」
天童「あのバカ、なにしてやがるんだろ……? いくらアイツでも、忘れるわけないのに、おっかしいなぁ……」
女商人「正午には出発したいんですけどねぇ……」
天童「あっ、ハイっ! それぐらいには戻って来ると思いますよ!」
女商人「……何か急に予定でも入ったんでしょうか?」
女商人「あの~? 天童さん……?」
天童「は、はいっ! どうしたとですか!?」
女商人「勇者さん……どうしたんですかねぇ……? もう、9時半ですよ……?」
天童「あのバカ、なにしてやがるんだろ……? いくらアイツでも、忘れるわけないのに、おっかしいなぁ……」
女商人「正午には出発したいんですけどねぇ……」
天童「あっ、ハイっ! それぐらいには戻って来ると思いますよ!」
女商人「……何か急に予定でも入ったんでしょうか?」
442: 2014/05/19(月) 21:35:35.45 ID:bfgHj2j4O
天童「いやぁ~、いくらなんでも、それはないと思いますよ? 昨日、あれだけ忠告したんだし、命題ですし……」
女商人「……命題?」
天童「あっ、いやっ……! なんでもありましぇ~ん」アセアセ
女商人「……やっぱり、見ず知らずの私の為に、危険な事はしたくありませんよね」
天童「い、いやっ……! そ、そんな事ないですよ……! 女商人さんの為なら、こっちは命だってかけますばいっ!」
女商人「ふふ、天童さん? お気持ちだけで十分ですよ。これは私の問題ですし、勇者さんが正午までに戻って来なかったら、私一人で行きます」
天童「い、いやっ……! ちょ、ちょっと俺、アイツ探して来ますよ……! 多分、酒場にでもいると思いますからっ……!」
女商人「……命題?」
天童「あっ、いやっ……! なんでもありましぇ~ん」アセアセ
女商人「……やっぱり、見ず知らずの私の為に、危険な事はしたくありませんよね」
天童「い、いやっ……! そ、そんな事ないですよ……! 女商人さんの為なら、こっちは命だってかけますばいっ!」
女商人「ふふ、天童さん? お気持ちだけで十分ですよ。これは私の問題ですし、勇者さんが正午までに戻って来なかったら、私一人で行きます」
天童「い、いやっ……! ちょ、ちょっと俺、アイツ探して来ますよ……! 多分、酒場にでもいると思いますからっ……!」
443: 2014/05/19(月) 21:45:34.96 ID:bfgHj2j4O
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……」
魔物「ブギュ……」
魔物「キュ~ン……」
魔物「クゥ~ン……」
勇者「な、なんだよこいつら……仲間ばっかり呼びやがって……」
勇者「ち、ちくしょう……結局、30分以上かかっちまったじゃねぇか……」
勇者「くそぉ……こんな事してる場合じゃないのに……早く、青い木の実を取りに行かなきゃ……」
勇者「……ん? 木の実?」
勇者「あれっ……? 木の実って……なんかあったような……なんだったっけ……」
勇者「……う~ん」
勇者「……って、こんなもたもたしてる時間はないんだよっ! 早く青い木の実取りに行かなきゃっ! 時間がないんだからっ!」
勇者「はぁ……はぁ……」
魔物「ブギュ……」
魔物「キュ~ン……」
魔物「クゥ~ン……」
勇者「な、なんだよこいつら……仲間ばっかり呼びやがって……」
勇者「ち、ちくしょう……結局、30分以上かかっちまったじゃねぇか……」
勇者「くそぉ……こんな事してる場合じゃないのに……早く、青い木の実を取りに行かなきゃ……」
勇者「……ん? 木の実?」
勇者「あれっ……? 木の実って……なんかあったような……なんだったっけ……」
勇者「……う~ん」
勇者「……って、こんなもたもたしてる時間はないんだよっ! 早く青い木の実取りに行かなきゃっ! 時間がないんだからっ!」
444: 2014/05/19(月) 21:52:53.49 ID:bfgHj2j4O
酒場ーーー
天童「あの~? すんましぇ~ん?」
主人「おう、 昨日兄ちゃんの連れか! 水は持ってきてくれたのか!?」
天童「へ……? 水…… ? なんの事ですかね……?」
主人「なんだよ、まだなのかよ! まさか、約束すっぽかす気じゃねぇだろうなぁ……」
天童「!」
主人「あの兄ちゃん、人が良さそうだったから信用したのに……ちくしょう……俺、裏切られたのかなぁ……?」
天童「あ、あのっ……!」
主人「……ん? どうしたの? あっ、あんたが昨日の分のツケ払ってくれるの?」
天童「あの~? すんましぇ~ん?」
主人「おう、 昨日兄ちゃんの連れか! 水は持ってきてくれたのか!?」
天童「へ……? 水…… ? なんの事ですかね……?」
主人「なんだよ、まだなのかよ! まさか、約束すっぽかす気じゃねぇだろうなぁ……」
天童「!」
主人「あの兄ちゃん、人が良さそうだったから信用したのに……ちくしょう……俺、裏切られたのかなぁ……?」
天童「あ、あのっ……!」
主人「……ん? どうしたの? あっ、あんたが昨日の分のツケ払ってくれるの?」
445: 2014/05/19(月) 21:59:23.03 ID:bfgHj2j4O
天童「あ、あいつ……昨日、大将と何か約束したんですかねぇ……?」アセアセ
主人「あれ? あんた、仲間なのに聞いてないの?」
天童「す、すんましぇ~ん……詳しくお聞かせ願えますか……?」
主人「いや、だからよぉ? あの、兄ちゃんが、昨日の飯代払えねぇって言うからよぉ……」
天童「……あっ」
主人「地底湖の水、取ってきたら代金まけてやるって、約束したんだよぉ?」
天童「あ、あのバカっ……! 昨日、安易な約束事は身を滅ぼすって警告しただろがっ……! まぁ、俺にも責任はあるけどよぉ……!」
主人「?」
主人「あれ? あんた、仲間なのに聞いてないの?」
天童「す、すんましぇ~ん……詳しくお聞かせ願えますか……?」
主人「いや、だからよぉ? あの、兄ちゃんが、昨日の飯代払えねぇって言うからよぉ……」
天童「……あっ」
主人「地底湖の水、取ってきたら代金まけてやるって、約束したんだよぉ?」
天童「あ、あのバカっ……! 昨日、安易な約束事は身を滅ぼすって警告しただろがっ……! まぁ、俺にも責任はあるけどよぉ……!」
主人「?」
446: 2014/05/19(月) 22:08:24.71 ID:bfgHj2j4O
平原ーーー
勇者「はぁ……はぁ……」
勇者「あった……! あれが青い木の実のある大木だっ!」
勇者「よしっ……後は木の実を取って……」
勇者「……」
勇者「通行証もらって……洞窟で水取って……女僧侶ちゃんとデートして……」
勇者「……」
勇者「……やる事、多すぎて嫌になってきた」
勇者「……」
勇者「くそっ! 考えたら、負けだっ! ちくしょうめっ!」
勇者「はぁ……はぁ……」
勇者「あった……! あれが青い木の実のある大木だっ!」
勇者「よしっ……後は木の実を取って……」
勇者「……」
勇者「通行証もらって……洞窟で水取って……女僧侶ちゃんとデートして……」
勇者「……」
勇者「……やる事、多すぎて嫌になってきた」
勇者「……」
勇者「くそっ! 考えたら、負けだっ! ちくしょうめっ!」
447: 2014/05/19(月) 22:13:33.98 ID:bfgHj2j4O
勇者「……ん?」
魔物「ガルルルル……」
魔物「グルルルル……」
魔物「キシャアっ!」
勇者「そうだよ……この辺、魔物がいるって言ってたなぁ……」
勇者「魔物も倒さなくちゃいけないんだ……も~う……これ以上、やる事増やさないでくれよ……」シクシク
勇者「ええい! ダメだダメだっ! 考えちゃダメだっ! ちくしょうっ! 魔物共、かかってきやがれっ!」シャキン
魔物「キシャアァァっ!」
魔物「ガルルルル……」
魔物「グルルルル……」
魔物「キシャアっ!」
勇者「そうだよ……この辺、魔物がいるって言ってたなぁ……」
勇者「魔物も倒さなくちゃいけないんだ……も~う……これ以上、やる事増やさないでくれよ……」シクシク
勇者「ええい! ダメだダメだっ! 考えちゃダメだっ! ちくしょうっ! 魔物共、かかってきやがれっ!」シャキン
魔物「キシャアァァっ!」
448: 2014/05/19(月) 22:24:39.30 ID:bfgHj2j4O
ーーーーー
天童「えっ!? それでアイツ、あんたとも『約束』したんですか?」
街長「あぁ、青い木の実をとってきたら、通行証を渡すと約束したぞ?」
天童「カァ~、バカ~ん! バカ~んっ! 酒場の件は、俺にも責任あるかもしれねぇけど、ここまでくると、もう俺関係ねぇよ~」
街長「?」
天童「それで……街長さん、アイツは今、何処に……?」アセアセ
街長「あぁ、ここからずっと北の平原に行っとるわ」
天童「な~んで、そんな所行ってんだよぉ……俺、もう嫌だよ……あぁっ! でも、あいつのサポートが俺の仕事だし……」イライラ
街長「?」
天童「それに、俺にも多少は責任あるし……ちくしょうっ!」
街長「お、おおっ……君も急に大声出して……君達って、ヒステリックなコンビだねぇ……?」アセアセ
天童「あ~んなバカと一緒にしないでもらいたいばいっ! ちくしょうっ! それじゃあ、俺も北の平原行ってきますわ!」
街長「お、おぅ……気をつけるんじゃぞ……?」
天童「えっ!? それでアイツ、あんたとも『約束』したんですか?」
街長「あぁ、青い木の実をとってきたら、通行証を渡すと約束したぞ?」
天童「カァ~、バカ~ん! バカ~んっ! 酒場の件は、俺にも責任あるかもしれねぇけど、ここまでくると、もう俺関係ねぇよ~」
街長「?」
天童「それで……街長さん、アイツは今、何処に……?」アセアセ
街長「あぁ、ここからずっと北の平原に行っとるわ」
天童「な~んで、そんな所行ってんだよぉ……俺、もう嫌だよ……あぁっ! でも、あいつのサポートが俺の仕事だし……」イライラ
街長「?」
天童「それに、俺にも多少は責任あるし……ちくしょうっ!」
街長「お、おおっ……君も急に大声出して……君達って、ヒステリックなコンビだねぇ……?」アセアセ
天童「あ~んなバカと一緒にしないでもらいたいばいっ! ちくしょうっ! それじゃあ、俺も北の平原行ってきますわ!」
街長「お、おぅ……気をつけるんじゃぞ……?」
449: 2014/05/19(月) 22:41:42.52 ID:bfgHj2j4O
AM11:00
ーータイムリミットまで後、4時間
454: 2014/05/20(火) 23:25:37.70 ID:ly30aC+mO
ーーーーー
女商人「……」
女商人「どうしたんでしょう……天童さんまで戻ってこなくなっちゃいました」
女商人「もう、十一時なのに……なにか急用でも出来たのかしら……」
女商人「……」
女商人「……後、一時間だけ待って、戻ってこなかったら、一人で行きましょう」
女商人「やっぱり、勇者さん達に甘えてたら、申し訳ないないですし、これからの商売の為にも自分一人でやる力をつけませんとね!」
女商人「……」
女商人「どうしたんでしょう……天童さんまで戻ってこなくなっちゃいました」
女商人「もう、十一時なのに……なにか急用でも出来たのかしら……」
女商人「……」
女商人「……後、一時間だけ待って、戻ってこなかったら、一人で行きましょう」
女商人「やっぱり、勇者さん達に甘えてたら、申し訳ないないですし、これからの商売の為にも自分一人でやる力をつけませんとね!」
455: 2014/05/20(火) 23:31:33.60 ID:ly30aC+mO
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……」
魔物「プギュ……」
魔物「キュ~ン……」
魔物「クゥ~ン……」
勇者「見たか、この野郎っ……! 俺だって、もう一人前なんだこの野郎っ……!」
勇者「ふ、ふぅ……まず、これで『約束』一つクリアだ……この、青い木の実を街長さんの所に持って行って……」
勇者「……しかし、これマズそうな木の実だなぁ? もっと赤とかだったら美味しそうなのに……」
勇者「……」
勇者「……ん?」
勇者「はぁ……はぁ……」
魔物「プギュ……」
魔物「キュ~ン……」
魔物「クゥ~ン……」
勇者「見たか、この野郎っ……! 俺だって、もう一人前なんだこの野郎っ……!」
勇者「ふ、ふぅ……まず、これで『約束』一つクリアだ……この、青い木の実を街長さんの所に持って行って……」
勇者「……しかし、これマズそうな木の実だなぁ? もっと赤とかだったら美味しそうなのに……」
勇者「……」
勇者「……ん?」
456: 2014/05/20(火) 23:40:28.66 ID:ly30aC+mO
勇者「……あれっ?」
勇者「赤い木の実って……俺、何か大事な事を忘れてる気がするぞ……? え~っと、なんだろ……?」アセアセ
勇者「女僧侶ちゃんと約束して……違う、その前っ……! 天童と宴会の約束して……違う違うっ! もっと前っ!」
勇者「え~っと……え~っと……」アセアセ
勇者「あっ! そうだ女商人さんだ! 女商人さん! 女商人さんだよ、も~う……」
天童「やぁ~っと、思い出したか、このウスラ馬鹿っ!」ゼェゼェ
勇者「天童!?」
天童「な~んで……こんな事に……あっ、ダメ……ちょっと、お水飲んで休ませて……? もう、ここまで走って来て、僕ヘロヘロなの……」ゼェゼェ
勇者「……」
勇者「赤い木の実って……俺、何か大事な事を忘れてる気がするぞ……? え~っと、なんだろ……?」アセアセ
勇者「女僧侶ちゃんと約束して……違う、その前っ……! 天童と宴会の約束して……違う違うっ! もっと前っ!」
勇者「え~っと……え~っと……」アセアセ
勇者「あっ! そうだ女商人さんだ! 女商人さん! 女商人さんだよ、も~う……」
天童「やぁ~っと、思い出したか、このウスラ馬鹿っ!」ゼェゼェ
勇者「天童!?」
天童「な~んで……こんな事に……あっ、ダメ……ちょっと、お水飲んで休ませて……? もう、ここまで走って来て、僕ヘロヘロなの……」ゼェゼェ
勇者「……」
457: 2014/05/20(火) 23:48:23.46 ID:ly30aC+mO
ーーーーー
勇者「……天童、大丈夫?」
天童「いやぁ……ちょっと休んだら、なんとか回復したばい……って、そうじゃねぇよっ!」
勇者「!」ビクッ
天童「何でこんな事になってるんだよ! 俺、昨日警告してやったのによォ~!?」
勇者「い、いや……それは……なんか俺にもよくわかんない……かな……?」アセアセ
天童「今回の命題は楽勝だったんだよ! 自分で自分の首、締めやがって!」
勇者「……だって」
天童「酒場の主人との約束……警備隊さんとの約束……街長さんとの約束……」
勇者「……うぅ」
天童「お前、今、いったいいくつ約束してんだよ!?」
勇者「うぅ……天童……ど、どうしよう……?」アセアセ
勇者「……天童、大丈夫?」
天童「いやぁ……ちょっと休んだら、なんとか回復したばい……って、そうじゃねぇよっ!」
勇者「!」ビクッ
天童「何でこんな事になってるんだよ! 俺、昨日警告してやったのによォ~!?」
勇者「い、いや……それは……なんか俺にもよくわかんない……かな……?」アセアセ
天童「今回の命題は楽勝だったんだよ! 自分で自分の首、締めやがって!」
勇者「……だって」
天童「酒場の主人との約束……警備隊さんとの約束……街長さんとの約束……」
勇者「……うぅ」
天童「お前、今、いったいいくつ約束してんだよ!?」
勇者「うぅ……天童……ど、どうしよう……?」アセアセ
458: 2014/05/20(火) 23:52:07.05 ID:ly30aC+mO
天童「どうしようじゃねぇよ! バカっ! 3時まで後、4時間しかねぇんだぞ! どれが一番大切な約束なんだよ!?」
勇者「……それは」
天童「……」
勇者「……一番大切な約束は」
天童「……」
勇者「女商人さん……女商人さん、一番一生懸命だったもん……」
天童「そう思うんだったら、それを信じて行けっ!」
勇者「……それは」
天童「……」
勇者「……一番大切な約束は」
天童「……」
勇者「女商人さん……女商人さん、一番一生懸命だったもん……」
天童「そう思うんだったら、それを信じて行けっ!」
459: 2014/05/20(火) 23:56:27.60 ID:ly30aC+mO
勇者「……でも」
天童「……あぁ?」
勇者「それじゃあ、他の約束はどうすんだよ? 酒場の主人とか……」
天童「バカ~! も~うっ! バっバっバカ~んっ! もうっ!」
勇者「……」
天童「自分がお金まけてもらう為に水取ってくるのはなぁ! 『約束』って言わねぇんだよっ!」
勇者「……」
天童「『取引』って言うんだよっ!」
天童「……あぁ?」
勇者「それじゃあ、他の約束はどうすんだよ? 酒場の主人とか……」
天童「バカ~! も~うっ! バっバっバカ~んっ! もうっ!」
勇者「……」
天童「自分がお金まけてもらう為に水取ってくるのはなぁ! 『約束』って言わねぇんだよっ!」
勇者「……」
天童「『取引』って言うんだよっ!」
460: 2014/05/21(水) 00:03:17.18 ID:G/keBD5GO
天童「ほいほい皆と約束しやがって……そういういい加減な安請け合いはなぁ? 結局、皆を裏切る事になっちまうんだよっ!」
勇者「!」
天童「……お前なぁ? そもそも、最初に約束したのは女商人さんだろ?」
勇者「う、うん……」
天童「女商人さんがよぉ……? 誰かの為に、必氏になって行動をしてるのを見て、心打たれたんじゃねぇのかよ!」
勇者「……」
天童「それを裏切るだなんてなぁ……氏んだ方がマシだっ!」
勇者「!」
天童「えぇっ!? これは俺があの人に抱いてる個人的な感情抜きで言ってんだぞ! わかってんのかオイっ!」
勇者「!」
天童「……お前なぁ? そもそも、最初に約束したのは女商人さんだろ?」
勇者「う、うん……」
天童「女商人さんがよぉ……? 誰かの為に、必氏になって行動をしてるのを見て、心打たれたんじゃねぇのかよ!」
勇者「……」
天童「それを裏切るだなんてなぁ……氏んだ方がマシだっ!」
勇者「!」
天童「えぇっ!? これは俺があの人に抱いてる個人的な感情抜きで言ってんだぞ! わかってんのかオイっ!」
462: 2014/05/21(水) 00:12:11.55 ID:G/keBD5GO
勇者「……」
天童「お前もよぉ? 誰かの役に立ちたいから、この旅始めたんじゃねぇのかよ……?」
勇者「えっ……?」
天童「この旅を始めた時の、その気持ち……ピュアな想い……お前、それ何処にいってまったんだよ!?」
勇者「……」
天童「お前はよぉ? 欲に塗れた最低の人間になっちまったんだよっ! わかるかぁ!?」
勇者「!」
天童「カァ~、決まったねぇ……格好いいねぇ、俺っ! 今の言葉メモしておこ~っと」メモメモ
勇者「!」グッ
天童「ん……? 急に立ち上がってどうした?」
勇者(女商人さん……女商人さん、ごめんっ……! 今、行くからっ……!)ダッ
天童「ったく、やっと気づいたか……あ~、また街まで戻らないといけねぇのか……カァ~! 辛かぁ~! 辛かぁ~!」
天童「お前もよぉ? 誰かの役に立ちたいから、この旅始めたんじゃねぇのかよ……?」
勇者「えっ……?」
天童「この旅を始めた時の、その気持ち……ピュアな想い……お前、それ何処にいってまったんだよ!?」
勇者「……」
天童「お前はよぉ? 欲に塗れた最低の人間になっちまったんだよっ! わかるかぁ!?」
勇者「!」
天童「カァ~、決まったねぇ……格好いいねぇ、俺っ! 今の言葉メモしておこ~っと」メモメモ
勇者「!」グッ
天童「ん……? 急に立ち上がってどうした?」
勇者(女商人さん……女商人さん、ごめんっ……! 今、行くからっ……!)ダッ
天童「ったく、やっと気づいたか……あ~、また街まで戻らないといけねぇのか……カァ~! 辛かぁ~! 辛かぁ~!」
464: 2014/05/21(水) 00:18:49.67 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……なんとか、街に戻って来れたね……今、何時……?」
天童「12時……10分、って所だな……まぁ、後3時間近くあるし、よかったじゃねぇか!」
勇者「それじゃあ、女商人さんと合流して、赤い木の実を取りに行こうか? 女商人さんは何処にいるの?」
天童「あ~、宿屋にいるんじゃねぇか? 正午には出発するつもりって言ってたから、それまでは宿屋にいるだろ?」
勇者「……ん?」
天童「どうした? 早く宿屋に行って合流しようぜぇ?」
勇者「……天童? お前、今なんて言った?」
勇者「はぁ……はぁ……なんとか、街に戻って来れたね……今、何時……?」
天童「12時……10分、って所だな……まぁ、後3時間近くあるし、よかったじゃねぇか!」
勇者「それじゃあ、女商人さんと合流して、赤い木の実を取りに行こうか? 女商人さんは何処にいるの?」
天童「あ~、宿屋にいるんじゃねぇか? 正午には出発するつもりって言ってたから、それまでは宿屋にいるだろ?」
勇者「……ん?」
天童「どうした? 早く宿屋に行って合流しようぜぇ?」
勇者「……天童? お前、今なんて言った?」
465: 2014/05/21(水) 00:23:47.86 ID:G/keBD5GO
天童「だから……宿屋に行って合流しようぜ、って……どうした? でっけぇ耳糞でも詰まってんのか、おめぇ?」
勇者「ち、違う違うっ! その前だよ、その前っ! お前、その前になんて言った!?」
天童「だから……女商人さんは正午に出発するつもりだから……あっ……!」
勇者「……」
天童「……」
勇者「間に合ってねぇじゃん、俺達っ!」アセアセ
天童「わ、わからんっ……! ひょっとしたら、まだ宿屋にいるかもしんねぇ……勇者! 探してみるぞ!」アセアセ
勇者「ち、違う違うっ! その前だよ、その前っ! お前、その前になんて言った!?」
天童「だから……女商人さんは正午に出発するつもりだから……あっ……!」
勇者「……」
天童「……」
勇者「間に合ってねぇじゃん、俺達っ!」アセアセ
天童「わ、わからんっ……! ひょっとしたら、まだ宿屋にいるかもしんねぇ……勇者! 探してみるぞ!」アセアセ
466: 2014/05/21(水) 00:29:06.07 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
女商人「ここが……高台への入り口ですね……」
女商人「やっぱり、天童さんの言う通り、大きな魔物がいるんでしょうか……」
女商人「……」
女商人「でも……そんな場所じゃないと、いい商材なんて取れませんよね……!」
女商人「不安もあるけど……困っている人達の為です……頑張りましょうっ……!」
女商人「……」
女商人(貴方……どうか天国から、私の事を守っていて下さい……)
女商人「ここが……高台への入り口ですね……」
女商人「やっぱり、天童さんの言う通り、大きな魔物がいるんでしょうか……」
女商人「……」
女商人「でも……そんな場所じゃないと、いい商材なんて取れませんよね……!」
女商人「不安もあるけど……困っている人達の為です……頑張りましょうっ……!」
女商人「……」
女商人(貴方……どうか天国から、私の事を守っていて下さい……)
471: 2014/05/21(水) 22:54:08.42 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……」
天童「おいっ! 勇者、どうだった!? 女商人さんは宿屋にいたか?」
勇者「ダ、ダメ……いなかった……天童、そっちは……?」
天童「酒場にも、道具屋にも、何処にもいなかったよっ!」
勇者「えっ……じゃあ……」
天童「くそっ……もう、一人で行っちまったらしいな……ギリギリ間に合わなかったみたいだ……」
勇者「!」
勇者「はぁ……はぁ……」
天童「おいっ! 勇者、どうだった!? 女商人さんは宿屋にいたか?」
勇者「ダ、ダメ……いなかった……天童、そっちは……?」
天童「酒場にも、道具屋にも、何処にもいなかったよっ!」
勇者「えっ……じゃあ……」
天童「くそっ……もう、一人で行っちまったらしいな……ギリギリ間に合わなかったみたいだ……」
勇者「!」
472: 2014/05/21(水) 22:59:11.13 ID:G/keBD5GO
勇者「な、なぁ? 天童……?」
天童「……あぁ?」
勇者「俺、氏んじゃうの……? 今回の命題、失敗って事だよねぇ……?」アセアセ
天童「諦めんじゃねぇ! まだ、12時半だから、後2時間半あるじゃねぇか! とにかく最後の最後まで、諦めんなっ!」
勇者「う、うんっ……! じゃあ、俺達も約束してた高台に行ってみよう! 今からでも合流できるかもしれないよね……」
天童「よっしゃっ! その意気だっ! おめぇ、ちっとは成長したじゃねぇか!」
天童「……あぁ?」
勇者「俺、氏んじゃうの……? 今回の命題、失敗って事だよねぇ……?」アセアセ
天童「諦めんじゃねぇ! まだ、12時半だから、後2時間半あるじゃねぇか! とにかく最後の最後まで、諦めんなっ!」
勇者「う、うんっ……! じゃあ、俺達も約束してた高台に行ってみよう! 今からでも合流できるかもしれないよね……」
天童「よっしゃっ! その意気だっ! おめぇ、ちっとは成長したじゃねぇか!」
473: 2014/05/21(水) 23:04:58.63 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
女商人「……」
女商人「意外と……魔物は出ないものですねぇ……?」キョロキョロ
女商人「もっと苦労するかと思ってたのに……私、一人でも大丈夫そうですね……」
女商人「……しかし、この獣道は歩きにくいですねぇ? 頂上への道が全くわかりませんわ」
女商人「……ん?」
女商人「あら、別れ道ですか? 困りましたねぇ……?」
女商人「……」
女商人「意外と……魔物は出ないものですねぇ……?」キョロキョロ
女商人「もっと苦労するかと思ってたのに……私、一人でも大丈夫そうですね……」
女商人「……しかし、この獣道は歩きにくいですねぇ? 頂上への道が全くわかりませんわ」
女商人「……ん?」
女商人「あら、別れ道ですか? 困りましたねぇ……?」
474: 2014/05/21(水) 23:09:23.94 ID:G/keBD5GO
女商人「う~ん……」
女商人「……」
女商人「左……ですかね……?」
女商人「……」
女商人「そうですね。 なんとなくですが、左が頂上へと続いてる道な気がします」
女商人「あまり、時間をかけると、勇者さん達も心配しそうですし、急いで実を取って、帰りましょう!」
女商人「……」
女商人「左……ですかね……?」
女商人「……」
女商人「そうですね。 なんとなくですが、左が頂上へと続いてる道な気がします」
女商人「あまり、時間をかけると、勇者さん達も心配しそうですし、急いで実を取って、帰りましょう!」
475: 2014/05/21(水) 23:16:38.92 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……やっと高台への入り口についたね……」
天童「うわっ! 何、この獣道っ! 今日、俺走ってばかりなのに、またこんな所行くの?」
勇者「しょうがねぇじゃん……女商人さん、もう行っちゃたんだからさぁ……?」
天童「うるせっ! わかってるよ! 元はと言えば、おめぇの責任じゃねぇかっ!」
勇者「……だって」
天童「『だって』じゃねぇよっ! 今はとっとと追いつかねぇといけねぇんだから、無駄口叩くなっ!」
勇者「う、うん……」
勇者「はぁ……はぁ……やっと高台への入り口についたね……」
天童「うわっ! 何、この獣道っ! 今日、俺走ってばかりなのに、またこんな所行くの?」
勇者「しょうがねぇじゃん……女商人さん、もう行っちゃたんだからさぁ……?」
天童「うるせっ! わかってるよ! 元はと言えば、おめぇの責任じゃねぇかっ!」
勇者「……だって」
天童「『だって』じゃねぇよっ! 今はとっとと追いつかねぇといけねぇんだから、無駄口叩くなっ!」
勇者「う、うん……」
476: 2014/05/21(水) 23:20:37.00 ID:G/keBD5GO
PM1:00
ーータイムリミットまで後、2時間
477: 2014/05/21(水) 23:25:16.93 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
女商人「あら? 今度は三叉路ですか……? 困りましたねぇ……?」
女商人「右か……左か……真ん中か……」
女商人「う~ん……」
女商人「……真ん中ですかねぇ?」
女商人「……」
女商人「そうですね! 真ん中の道に行ってみましょう!」
女商人「……しかし、コレ頂上に近づいてるんですかねぇ? 一向に頂上が見えないんですが」
女商人「あら? 今度は三叉路ですか……? 困りましたねぇ……?」
女商人「右か……左か……真ん中か……」
女商人「う~ん……」
女商人「……真ん中ですかねぇ?」
女商人「……」
女商人「そうですね! 真ん中の道に行ってみましょう!」
女商人「……しかし、コレ頂上に近づいてるんですかねぇ? 一向に頂上が見えないんですが」
478: 2014/05/21(水) 23:30:31.17 ID:G/keBD5GO
ーーーーー
勇者「あ、あれっ……!?」
天童「勇者、どうしたぁ!?」
勇者「天童……コレ、道が二つに別れてるよ……?」アセアセ
天童「右か左か……どっちかが正解で、どっちかがハズレだ……女商人さんは必ずここを通ったハズなんだからよぉ……?」
勇者「ど、どうしよう……天童、どっちの道が正解なんだろ……?」アセアセ
天童「そんなもん、勘で決めるしかねぇじゃねぇかっ! 勇者ァ! おめぇの冴えてる所をビシっと見せてやれっ!」
勇者「う、うん……じゃあ……」
勇者「あ、あれっ……!?」
天童「勇者、どうしたぁ!?」
勇者「天童……コレ、道が二つに別れてるよ……?」アセアセ
天童「右か左か……どっちかが正解で、どっちかがハズレだ……女商人さんは必ずここを通ったハズなんだからよぉ……?」
勇者「ど、どうしよう……天童、どっちの道が正解なんだろ……?」アセアセ
天童「そんなもん、勘で決めるしかねぇじゃねぇかっ! 勇者ァ! おめぇの冴えてる所をビシっと見せてやれっ!」
勇者「う、うん……じゃあ……」
481: 2014/05/22(木) 20:57:50.03 ID:Ihd2G54sO
勇者「……じゃあ」
天童「おぅ! どっちだ!? 女商人さんはどっちに行ったと思う!?」
勇者「右っ!」
天童「おぅ! 右の道だな!? こっちの道に行ったと思うんだな!?」
勇者「う、うん……俺の勘は多分、こっち……こっちの道で合ってると思う……」
天童「よしっ! それじゃあ、早いトコ追いかけるぞ!」
天童「おぅ! どっちだ!? 女商人さんはどっちに行ったと思う!?」
勇者「右っ!」
天童「おぅ! 右の道だな!? こっちの道に行ったと思うんだな!?」
勇者「う、うん……俺の勘は多分、こっち……こっちの道で合ってると思う……」
天童「よしっ! それじゃあ、早いトコ追いかけるぞ!」
482: 2014/05/22(木) 21:02:24.65 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
女商人「……今度は四叉路ですか。ここ、迷路みたいですねぇ?」
女商人「帰る道も不安になってきましたし……でも、進むしかありませんね……」
女商人「う~ん……」
女商人「左から二番目……ですかねぇ……?」
女商人「……」
女商人「私、遭難とかしてませんよね……?」アセアセ
女商人「……今度は四叉路ですか。ここ、迷路みたいですねぇ?」
女商人「帰る道も不安になってきましたし……でも、進むしかありませんね……」
女商人「う~ん……」
女商人「左から二番目……ですかねぇ……?」
女商人「……」
女商人「私、遭難とかしてませんよね……?」アセアセ
483: 2014/05/22(木) 21:07:36.07 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
勇者「はぁ……はぁ……あれ……?」
天童「おいっ! いきなり立ち止まって、どうしたんだよ!? もう、残り1時間半しかねぇんだぞ!?」
勇者「なぁ、天童……? ここって……」
天童「……ん?」
勇者「……さっきの別れ道の所なんじゃね?」
天童「ん……? そういえば……なんとなぁ~く、見覚えがあるような……」
勇者「コレ、俺達戻ってきたんじゃねぇの!?」アセアセ
勇者「はぁ……はぁ……あれ……?」
天童「おいっ! いきなり立ち止まって、どうしたんだよ!? もう、残り1時間半しかねぇんだぞ!?」
勇者「なぁ、天童……? ここって……」
天童「……ん?」
勇者「……さっきの別れ道の所なんじゃね?」
天童「ん……? そういえば……なんとなぁ~く、見覚えがあるような……」
勇者「コレ、俺達戻ってきたんじゃねぇの!?」アセアセ
484: 2014/05/22(木) 21:12:52.21 ID:Ihd2G54sO
天童「バカ~んっ! もう、バカ~んっ! 一分一秒を争うって時に、おめぇは何、してんだよ!」
勇者「うぅ……」
天童「おめぇはよぉ!? 勘も鈍いんだな、このポンコツがっ!」
勇者「ごめん……」
天童「だから、俺は左の道の方が気になるって、散々言っただろうが!」
勇者「……えっ? お前、そんな事言ってたっけ?」
天童「細けぇ事は気にすんなっ! とにかく、左の道が正解だっ! 俺の勘を信じて行くぞっ!」
勇者「う、うん……」
勇者「うぅ……」
天童「おめぇはよぉ!? 勘も鈍いんだな、このポンコツがっ!」
勇者「ごめん……」
天童「だから、俺は左の道の方が気になるって、散々言っただろうが!」
勇者「……えっ? お前、そんな事言ってたっけ?」
天童「細けぇ事は気にすんなっ! とにかく、左の道が正解だっ! 俺の勘を信じて行くぞっ!」
勇者「う、うん……」
485: 2014/05/22(木) 21:18:54.28 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
女商人「なかなか、頂上につきませんねぇ……」
女商人「天童さんが言ってた、誰も手をつけない理由がわかりました……」
女商人「これ、手をつけないじゃなくて……手がつけれないんですわ……」
女商人「多分、この迷路見たいな獣道のせいで、皆、頂上までのルートがわからないのでしょう……」
女商人「困りました……私もたどり着けるんでしょうか……?」
女商人「……」
女商人「……んっ?」
女商人「なかなか、頂上につきませんねぇ……」
女商人「天童さんが言ってた、誰も手をつけない理由がわかりました……」
女商人「これ、手をつけないじゃなくて……手がつけれないんですわ……」
女商人「多分、この迷路見たいな獣道のせいで、皆、頂上までのルートがわからないのでしょう……」
女商人「困りました……私もたどり着けるんでしょうか……?」
女商人「……」
女商人「……んっ?」
486: 2014/05/22(木) 21:23:02.72 ID:Ihd2G54sO
骸骨「……」
女商人「……ひっ!」ビクッ
骸骨「……」
女商人「こ、これは……遭難者の氏体……でしょうか……?」ビクビク
骸骨「……」
女商人「早く、頂上までのルートを探さないと……私も同じようになってしまいます……急がないと……」
骸骨「……」
女商人「……どうか、安らかにお眠りになって下さい」
骸骨「……」ギギッ
女商人「……ひっ!」ビクッ
骸骨「……」
女商人「こ、これは……遭難者の氏体……でしょうか……?」ビクビク
骸骨「……」
女商人「早く、頂上までのルートを探さないと……私も同じようになってしまいます……急がないと……」
骸骨「……」
女商人「……どうか、安らかにお眠りになって下さい」
骸骨「……」ギギッ
487: 2014/05/22(木) 21:30:29.22 ID:Ihd2G54sO
女商人「……えっ?」
骸骨「……クイ……モノ」ムクッ
女商人「きゃあっ!」
骸骨「オンナノ……クイモノ……」
女商人「こ、こないで下さい……やめて下さい……」ビクビク
骸骨「オレ……ハラヘッタ……クイモノ……ホシイ……」
女商人「くっ……戦えますよ!? 私、商人ですが、戦う事だってできるんですよ!? それ以上近づいたら、斬りますよ……!」ビクビク
骸骨「……」
女商人「……」
骸骨「オマエヲ……」
女商人「……えっ?」
骸骨「クワセロオオオオォォォォ!」ガッ
女商人「き、きゃあっ……!」
骸骨「……クイ……モノ」ムクッ
女商人「きゃあっ!」
骸骨「オンナノ……クイモノ……」
女商人「こ、こないで下さい……やめて下さい……」ビクビク
骸骨「オレ……ハラヘッタ……クイモノ……ホシイ……」
女商人「くっ……戦えますよ!? 私、商人ですが、戦う事だってできるんですよ!? それ以上近づいたら、斬りますよ……!」ビクビク
骸骨「……」
女商人「……」
骸骨「オマエヲ……」
女商人「……えっ?」
骸骨「クワセロオオオオォォォォ!」ガッ
女商人「き、きゃあっ……!」
488: 2014/05/22(木) 21:41:04.64 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
勇者「あれっ……? 今度は三叉路だよ……?」アセアセ
天童「カァ~! またかよ……」
勇者「右か……左か……真ん中か……どの道が正解なんだろ……」アセアセ
天童「勇者ァ! 今度こそはしっかり、一発で当てろよっ! もう、残り1時間しかねぇんだから!」
勇者「う、うん……」
天童「右か……左か……真ん中か……正解の道はどれだと思うんだ!?」
勇者「え、え~っと……」アセアセ
勇者「あれっ……? 今度は三叉路だよ……?」アセアセ
天童「カァ~! またかよ……」
勇者「右か……左か……真ん中か……どの道が正解なんだろ……」アセアセ
天童「勇者ァ! 今度こそはしっかり、一発で当てろよっ! もう、残り1時間しかねぇんだから!」
勇者「う、うん……」
天童「右か……左か……真ん中か……正解の道はどれだと思うんだ!?」
勇者「え、え~っと……」アセアセ
489: 2014/05/22(木) 21:48:11.42 ID:Ihd2G54sO
勇者「……真ん中?」
天童「よしっ! 真ん中の道でいいんだなっ! もう、後戻りはできねぇぞ!?」
勇者「ちょ、ちょっと待ってくれよ……! そんな言い方しなくてもいいじゃん……」アセアセ
天童「時間がねぇんだよ、時間がっ! お前、この選択間違えたら、氏んじまうんだぞ!?」
勇者「……そう言われると、なんか間違ってるような気してきたなぁ?」
天童「カァ~! モジモジしてんじゃねよっ! 真ん中の道でいいんだな!?」
勇者「……あっ、待って! やっぱり、右の道にするっ! そっちが正解な気がしてきた!」
天童「よしっ! じゃあ、右の道だっ! 急ぐぞっ!」
天童「よしっ! 真ん中の道でいいんだなっ! もう、後戻りはできねぇぞ!?」
勇者「ちょ、ちょっと待ってくれよ……! そんな言い方しなくてもいいじゃん……」アセアセ
天童「時間がねぇんだよ、時間がっ! お前、この選択間違えたら、氏んじまうんだぞ!?」
勇者「……そう言われると、なんか間違ってるような気してきたなぁ?」
天童「カァ~! モジモジしてんじゃねよっ! 真ん中の道でいいんだな!?」
勇者「……あっ、待って! やっぱり、右の道にするっ! そっちが正解な気がしてきた!」
天童「よしっ! じゃあ、右の道だっ! 急ぐぞっ!」
491: 2014/05/22(木) 21:57:45.01 ID:Ihd2G54sO
女商人「たぁっ! やあっ!」
骸骨「……イタイ……ドウシテ、オレヲイジメル?」
女商人「はぁ……はぁ……」
骸骨「オレ……ハラヘッテ……ウゴケナイ……オマエクッテ……マチニカエル……」
女商人「くっ、動きは鈍いのですが……とにかくタフです……このままじゃ、こちらが先にバテてしまいますわ……」
骸骨「オレ……ミッツノサガシモノヲ……シテイル……」
女商人「……えっ」
骸骨「ヒトツハ……アカイキノミト……」
女商人「この方……やはり、私と同じように木の実を探しにきて、遭難されたんですね……」
骸骨「ヒトツハ……ショクリョウデアル……オマエダ……」
女商人「……ぐっ」
骸骨「ソシテ……サイゴノヒトツハ……」
女商人「……」
骸骨「……イタイ……ドウシテ、オレヲイジメル?」
女商人「はぁ……はぁ……」
骸骨「オレ……ハラヘッテ……ウゴケナイ……オマエクッテ……マチニカエル……」
女商人「くっ、動きは鈍いのですが……とにかくタフです……このままじゃ、こちらが先にバテてしまいますわ……」
骸骨「オレ……ミッツノサガシモノヲ……シテイル……」
女商人「……えっ」
骸骨「ヒトツハ……アカイキノミト……」
女商人「この方……やはり、私と同じように木の実を探しにきて、遭難されたんですね……」
骸骨「ヒトツハ……ショクリョウデアル……オマエダ……」
女商人「……ぐっ」
骸骨「ソシテ……サイゴノヒトツハ……」
女商人「……」
492: 2014/05/22(木) 22:06:05.75 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
勇者「あれ……? ここって、またあの三叉路じゃない……? また、戻ってきちゃったのかな……?」アセアセ
天童「勇者君……君、ホントにダメな男なんだね……絶対、ギャンブルとかしない方がいいよ……負けるタイプだよ……」
勇者「う、うん……そうする……」
天童「おめぇはよぉ! こ~んなに切羽詰まった状況なのに、勘の一つも働かせれねぇのか!」
勇者「ご、ごめん……」
天童「五感を越えた第六感ってヤツを働かせてみろよ! シックス・センスってヤツをよぉ! ついでに、体内のコスモを燃やして、セブンス・センシズってヤツも目覚めさしちまえっ!」
勇者「う、うん……」
天童「さぁ! 右の道は消えたから、今度は真ん中と左の二択だっ! どっちが正解だっ!?」
勇者「じゃあ……え~っと……」
勇者「あれ……? ここって、またあの三叉路じゃない……? また、戻ってきちゃったのかな……?」アセアセ
天童「勇者君……君、ホントにダメな男なんだね……絶対、ギャンブルとかしない方がいいよ……負けるタイプだよ……」
勇者「う、うん……そうする……」
天童「おめぇはよぉ! こ~んなに切羽詰まった状況なのに、勘の一つも働かせれねぇのか!」
勇者「ご、ごめん……」
天童「五感を越えた第六感ってヤツを働かせてみろよ! シックス・センスってヤツをよぉ! ついでに、体内のコスモを燃やして、セブンス・センシズってヤツも目覚めさしちまえっ!」
勇者「う、うん……」
天童「さぁ! 右の道は消えたから、今度は真ん中と左の二択だっ! どっちが正解だっ!?」
勇者「じゃあ……え~っと……」
493: 2014/05/22(木) 22:10:03.69 ID:Ihd2G54sO
勇者「……真ん中?」
天童「真ん中だと、思うんだな?」
勇者「うんっ、 真ん中っ! 真ん中の道だと思う! 間違いないっ!」
天童「……本当に真ん中だと思うんだな?」
勇者「うん、今度は真ん中っ! 絶対に大丈夫だと思うっ!」
天童「……よし! じゃあ、左の道が正解だな」
勇者「……えっ?」
天童「よしっ! 勇者! 今度は左の道に行ってみるぞ!」
天童「真ん中だと、思うんだな?」
勇者「うんっ、 真ん中っ! 真ん中の道だと思う! 間違いないっ!」
天童「……本当に真ん中だと思うんだな?」
勇者「うん、今度は真ん中っ! 絶対に大丈夫だと思うっ!」
天童「……よし! じゃあ、左の道が正解だな」
勇者「……えっ?」
天童「よしっ! 勇者! 今度は左の道に行ってみるぞ!」
494: 2014/05/22(木) 22:15:46.93 ID:Ihd2G54sO
勇者「いやいや、俺は真ん中って答えたじゃん? なんで左の道に行くのよ?」
天童「あのねぇ……? 今日のお前はとことん冴えてないの。だから、今のお前は何をやっても不正解なの」
勇者「そんな言い方しなくてもいいじゃんかよぉ……」
天童「だから~、勇者君が真ん中って答えたら、その逆の左が正解なの。これ、ギャンブルの『逆張り』ってテクニックね?」
勇者「でもよぉ~? もし、これで左の道行って不正解だったらどうすんだよ? 俺、氏ぬんだろ?」
天童「じゃあ、どうすんだよ? このまま真ん中の道に行くのか!? 今日のお前の勘は冴えてないから、それこそ氏んじまうぞ!?」
勇者「う~ん……」
天童「あのねぇ……? 今日のお前はとことん冴えてないの。だから、今のお前は何をやっても不正解なの」
勇者「そんな言い方しなくてもいいじゃんかよぉ……」
天童「だから~、勇者君が真ん中って答えたら、その逆の左が正解なの。これ、ギャンブルの『逆張り』ってテクニックね?」
勇者「でもよぉ~? もし、これで左の道行って不正解だったらどうすんだよ? 俺、氏ぬんだろ?」
天童「じゃあ、どうすんだよ? このまま真ん中の道に行くのか!? 今日のお前の勘は冴えてないから、それこそ氏んじまうぞ!?」
勇者「う~ん……」
495: 2014/05/22(木) 22:23:12.13 ID:Ihd2G54sO
勇者「う~んと……う~んっと……レミパン……? ドレミファ……ああっ! 違う違うっ!」
天童「……なぁ~に、ブツブツ言ってんだ、お前?」
勇者「ミラージュ……? ミラーマン教授……? ああっ、違う違うっ! そうじゃないっ!」
天童「おめぇは、何をもたもたしてんだ!? お前なぁ? 命題のタイムリミットまで……」
勇者「『レミーラ』?」ピカーッ
天童「……なぁ~に、ブツブツ言ってんだ、お前?」
勇者「ミラージュ……? ミラーマン教授……? ああっ、違う違うっ! そうじゃないっ!」
天童「おめぇは、何をもたもたしてんだ!? お前なぁ? 命題のタイムリミットまで……」
勇者「『レミーラ』?」ピカーッ
496: 2014/05/22(木) 22:28:24.62 ID:Ihd2G54sO
天童「……あぁ? 今、何したおめぇ?」
勇者「……天童」
天童「……あぁ?」
勇者「左の道はダメだよ。その先……崖になってる……」
天童「はぁ? なんで、お前そんな事がわかるんだよ?」
勇者「俺にもよくわかんないだけださ……女商人さんは真ん中の道を進んだ先の、四又路の少し先にいるよ!」
天童「はぁ? 四又路? なんで、おめぇそんな事わかるんだよ?」
勇者「俺にはわかるんだよ! いいから、真ん中の道を急ぐよっ!」
勇者「……天童」
天童「……あぁ?」
勇者「左の道はダメだよ。その先……崖になってる……」
天童「はぁ? なんで、お前そんな事がわかるんだよ?」
勇者「俺にもよくわかんないだけださ……女商人さんは真ん中の道を進んだ先の、四又路の少し先にいるよ!」
天童「はぁ? 四又路? なんで、おめぇそんな事わかるんだよ?」
勇者「俺にはわかるんだよ! いいから、真ん中の道を急ぐよっ!」
497: 2014/05/22(木) 22:32:51.46 ID:Ihd2G54sO
PM2:40
ーータイムリミットまで後20分
499: 2014/05/22(木) 22:42:04.34 ID:Ihd2G54sO
天童「おぉ、勇者! おめぇの言った通り、四又路についたじゃねぇか!?」
勇者「う、うんっ……!」
天童「なんか、急に勘が冴え始めたみてぇだなっ! 次はどの道だっ!?」
勇者「一番右は、モンスターの巣になっていて……その隣は、崖になってる……女商人さんがいるのは、その隣っ!」
天童「……左から二番目だな? よしっ! 行くぞっ!」
勇者「ち、違うっ! 天童っ! 行くのは一番左の道だよっ!」アセアセ
天童「はぁ? 女商人さんは左から二番目にいるんだろが?」
勇者「大丈夫……! 少し、遠回りになるけど……道は繋がってるから……! それに、左の道がには冒険者の遺品があるんだ……!」
天童「おめぇなぁ……? 今、遺品なんて漁ってる場合じゃ……」
勇者「天童っ!」
天童「!」
勇者「これは、必要な物なんだよっ! お前が、女商人さんを心配するのはわかるけどさぁ……?」
天童「……」
勇者「頼むよっ! 俺を信じて一番左の道に行ってくれよっ!」
天童「……」
勇者「う、うんっ……!」
天童「なんか、急に勘が冴え始めたみてぇだなっ! 次はどの道だっ!?」
勇者「一番右は、モンスターの巣になっていて……その隣は、崖になってる……女商人さんがいるのは、その隣っ!」
天童「……左から二番目だな? よしっ! 行くぞっ!」
勇者「ち、違うっ! 天童っ! 行くのは一番左の道だよっ!」アセアセ
天童「はぁ? 女商人さんは左から二番目にいるんだろが?」
勇者「大丈夫……! 少し、遠回りになるけど……道は繋がってるから……! それに、左の道がには冒険者の遺品があるんだ……!」
天童「おめぇなぁ……? 今、遺品なんて漁ってる場合じゃ……」
勇者「天童っ!」
天童「!」
勇者「これは、必要な物なんだよっ! お前が、女商人さんを心配するのはわかるけどさぁ……?」
天童「……」
勇者「頼むよっ! 俺を信じて一番左の道に行ってくれよっ!」
天童「……」
500: 2014/05/22(木) 22:49:02.84 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
女商人「はぁ……はぁ……」
骸骨「ソロソロ……ウゴキガニブクナッテキタヨウダナ……」
女商人「はぁ……はぁ……」
骸骨「ソロソロ3ジ……オヤツノジカンニピッタリダ……」
女商人「……くっ」
骸骨「ヤットミツケタ、サガシモノ……オレ、ズットハラヘッテイタ……」
女商人(あなた……ごめんなさいっ……!)
骸骨「イタダキマースっ……!」
「おめぇの探し物はそれじゃねぇだろ」
女商人「!」
骸骨「ダレダっ!」
天童「おめぇの探し物は『コレ』だろ? ほれ、受け取りな!」ポイッ
骸骨「アアアアアアアっ!」
女商人「はぁ……はぁ……」
骸骨「ソロソロ……ウゴキガニブクナッテキタヨウダナ……」
女商人「はぁ……はぁ……」
骸骨「ソロソロ3ジ……オヤツノジカンニピッタリダ……」
女商人「……くっ」
骸骨「ヤットミツケタ、サガシモノ……オレ、ズットハラヘッテイタ……」
女商人(あなた……ごめんなさいっ……!)
骸骨「イタダキマースっ……!」
「おめぇの探し物はそれじゃねぇだろ」
女商人「!」
骸骨「ダレダっ!」
天童「おめぇの探し物は『コレ』だろ? ほれ、受け取りな!」ポイッ
骸骨「アアアアアアアっ!」
501: 2014/05/22(木) 22:58:53.25 ID:Ihd2G54sO
天童「3時ジャストっ……! ぎりぎり合流って所だな! あっ、女商人さん……遅れてすんましぇ~ん……」
女商人「天童さんっ……! 天童さん、今あの骸骨に何を投げたんですか……?」
天童「あぁ、あれ……? あれはね……?」
骸骨「アアアアアアアっ!」シュワシュワ
天童「ありゃ、『聖水』だよ?」
女商人「……聖水?」
骸骨「アアアアアアアっ……! アタタカイヒカリ……オレノサガシモノ……コレデオレモ……ジョウブツデキルっ……!」
天童「おめぇ、ずっとソレ、探してたんだってなぁ? まぁ、長い間野晒しでおかしくなっちまったのは気の毒だけどよぉ?」
骸骨「アアアアアアアっ……! アアアアアアアっ……!」
天童「おめぇが、病気の子供の為に赤い木の実を探しにやってきたって事は、ちゃ~んと神様に言っておいてやるから……大人しく成仏しろや!」
骸骨「アアアアアアアっ……! アリガトウ……アリガトウっ……!」シュワシュワ
女商人「天童さんっ……! 天童さん、今あの骸骨に何を投げたんですか……?」
天童「あぁ、あれ……? あれはね……?」
骸骨「アアアアアアアっ!」シュワシュワ
天童「ありゃ、『聖水』だよ?」
女商人「……聖水?」
骸骨「アアアアアアアっ……! アタタカイヒカリ……オレノサガシモノ……コレデオレモ……ジョウブツデキルっ……!」
天童「おめぇ、ずっとソレ、探してたんだってなぁ? まぁ、長い間野晒しでおかしくなっちまったのは気の毒だけどよぉ?」
骸骨「アアアアアアアっ……! アアアアアアアっ……!」
天童「おめぇが、病気の子供の為に赤い木の実を探しにやってきたって事は、ちゃ~んと神様に言っておいてやるから……大人しく成仏しろや!」
骸骨「アアアアアアアっ……! アリガトウ……アリガトウっ……!」シュワシュワ
502: 2014/05/22(木) 23:06:03.08 ID:Ihd2G54sO
骸骨「……」コロン
女商人「この方も……私と同じように……」
勇者「はい、彼の遺品にそう書いてありました……」
女商人「勇者さん……! 勇者さんも助けに来てくれたんですか……!」
天童「木の実探してるうちに倒れて……食料探してるうちに、てめぇの遺品も見失って……まぁ、それでもコイツは最後の最後まで必氏に生きたんだろうな……」
女商人「……そうですね。私も一歩間違えれば同じように」
勇者「あのっ……! 女商人さんっ……!」
女商人「……ん? どうしたんですか、勇者さん?」
女商人「この方も……私と同じように……」
勇者「はい、彼の遺品にそう書いてありました……」
女商人「勇者さん……! 勇者さんも助けに来てくれたんですか……!」
天童「木の実探してるうちに倒れて……食料探してるうちに、てめぇの遺品も見失って……まぁ、それでもコイツは最後の最後まで必氏に生きたんだろうな……」
女商人「……そうですね。私も一歩間違えれば同じように」
勇者「あのっ……! 女商人さんっ……!」
女商人「……ん? どうしたんですか、勇者さん?」
503: 2014/05/22(木) 23:13:12.90 ID:Ihd2G54sO
勇者「あのっ……約束破ってすいませんでしたっ……!」
女商人「……えっ?」
勇者「赤い木の実を取りに行くのを協力するって約束してたのに……こんなに遅れて……ごめんなさいっ……!」
女商人「……」
勇者「……」
女商人「ふふ、何言ってるんですか?」
勇者「……えっ?」
女商人「私を助けに来てくれて……こうやって協力して頂いてるじゃないですか? 感謝するのはこっちの方ですよ?」ニコッ
勇者「……」
女商人「あっ、でも……ここから頂上までまだ道があるんですねぇ……ちゃんと行けるかなぁ……?」
女商人「……えっ?」
勇者「赤い木の実を取りに行くのを協力するって約束してたのに……こんなに遅れて……ごめんなさいっ……!」
女商人「……」
勇者「……」
女商人「ふふ、何言ってるんですか?」
勇者「……えっ?」
女商人「私を助けに来てくれて……こうやって協力して頂いてるじゃないですか? 感謝するのはこっちの方ですよ?」ニコッ
勇者「……」
女商人「あっ、でも……ここから頂上までまだ道があるんですねぇ……ちゃんと行けるかなぁ……?」
504: 2014/05/22(木) 23:20:03.92 ID:Ihd2G54sO
天童「いえいえっ! 女商人さんっ! 頂上まで、勇者君がしっかり、ナビゲートするので、安心して下さいっ!」
女商人「勇者さん、道わかるんですか?」
勇者「えっ……? まぁ……この先の五又路は右から二番目で……その先の六又路は左から三番目で……」
天童「うわっ、何ソレ!?」
女商人「まるで、迷路ですねぇ……私一人じゃ絶対遭難してました……」
勇者「帰りは僕の魔法使えば、高台の入り口に戻れると思いますし……」
天童「あっ、そういや、勇者君、この前変な魔法覚えたね? なんだっけ? 履歴書だったっけ?」
女商人「はぁ~、本当に勇者さんがいてよかったです~。ありがとうございますっ!」
女商人「勇者さん、道わかるんですか?」
勇者「えっ……? まぁ……この先の五又路は右から二番目で……その先の六又路は左から三番目で……」
天童「うわっ、何ソレ!?」
女商人「まるで、迷路ですねぇ……私一人じゃ絶対遭難してました……」
勇者「帰りは僕の魔法使えば、高台の入り口に戻れると思いますし……」
天童「あっ、そういや、勇者君、この前変な魔法覚えたね? なんだっけ? 履歴書だったっけ?」
女商人「はぁ~、本当に勇者さんがいてよかったです~。ありがとうございますっ!」
505: 2014/05/22(木) 23:29:37.46 ID:Ihd2G54sO
頂上ーーー
天童「やっと頂上だぞっ!」
女商人「うわ~、いい景色……って、眺めてる場合じゃありませんね? さっそく、木の実集めなきゃっ!」イソイソ
勇者「……なぁ、天童?」
天童「あぁ、どうした? おめぇも木の実集めるの手伝えよ?」
勇者「……やっぱり、俺にはあんたがいないとダメみたい」
天童「……あぁ?」
勇者「女商人さんとの、一番大切な約束忘れてさ……皆との約束裏切る事になってさ……」
天童「……」
勇者「……やっぱり、俺にはあんたがいないとダメみたい」
天童「……」
勇者「……」
天童「やっと気づいたか……って言いてぇ所だけどよ……まぁ、今回はお互い様だな……」
勇者「……えっ?」
天童「やっと頂上だぞっ!」
女商人「うわ~、いい景色……って、眺めてる場合じゃありませんね? さっそく、木の実集めなきゃっ!」イソイソ
勇者「……なぁ、天童?」
天童「あぁ、どうした? おめぇも木の実集めるの手伝えよ?」
勇者「……やっぱり、俺にはあんたがいないとダメみたい」
天童「……あぁ?」
勇者「女商人さんとの、一番大切な約束忘れてさ……皆との約束裏切る事になってさ……」
天童「……」
勇者「……やっぱり、俺にはあんたがいないとダメみたい」
天童「……」
勇者「……」
天童「やっと気づいたか……って言いてぇ所だけどよ……まぁ、今回はお互い様だな……」
勇者「……えっ?」
506: 2014/05/22(木) 23:35:01.21 ID:Ihd2G54sO
天童「俺の方こそ、女商人さんにうつつを抜かして……好き放題飲んでよ……悪かったな……」
勇者「……うん」
天童「本当はずっとお前のそばにいねぇといけなかったのによ……まっ、結果的に『判断力』……クリアしたから、よしとするか……」メモメモ
勇者「……うん」
天童「破っちまった約束はよぉ? 俺も一緒に頭下げるから、後で皆に謝りに行こうぜ?」
勇者「そうだね……裏切ったままじゃいけないよね……」
女商人「あっ! 勇者さ~ん! 天童さ~ん! ちょっと来て下さ~いっ!」
天童「……ぬ?」
勇者「……ん?」
勇者「……うん」
天童「本当はずっとお前のそばにいねぇといけなかったのによ……まっ、結果的に『判断力』……クリアしたから、よしとするか……」メモメモ
勇者「……うん」
天童「破っちまった約束はよぉ? 俺も一緒に頭下げるから、後で皆に謝りに行こうぜ?」
勇者「そうだね……裏切ったままじゃいけないよね……」
女商人「あっ! 勇者さ~ん! 天童さ~ん! ちょっと来て下さ~いっ!」
天童「……ぬ?」
勇者「……ん?」
507: 2014/05/22(木) 23:41:19.66 ID:Ihd2G54sO
女商人「ほらっ! ここ高台なのに、こんな綺麗な川が流れてますよ!?」
天童「あんらぁ~、綺麗な水ねぇ? なぁ、勇者? この水でいいんじゃねぇか?」
勇者「え~? でも、取ってこいって言われたのは地底湖の水だよ?」
女商人「この水、凄く美味しいですよ?」
天童「えっ? どれどれ一口……って、ありゃ、こりゃ上手いっ! 勇者、お前も飲んでみろよ!」
勇者「……あっ、本当だ。凄く美味しいや」
女商人「水が必要でしたら、私が持ってる容器使いますか? この水、凄く美味しいですよ?」
天童「……だってよ? どうするよ、勇者?」
勇者「う~ん……とりあえず、これ持って行ってみるか……?」
天童「あんらぁ~、綺麗な水ねぇ? なぁ、勇者? この水でいいんじゃねぇか?」
勇者「え~? でも、取ってこいって言われたのは地底湖の水だよ?」
女商人「この水、凄く美味しいですよ?」
天童「えっ? どれどれ一口……って、ありゃ、こりゃ上手いっ! 勇者、お前も飲んでみろよ!」
勇者「……あっ、本当だ。凄く美味しいや」
女商人「水が必要でしたら、私が持ってる容器使いますか? この水、凄く美味しいですよ?」
天童「……だってよ? どうするよ、勇者?」
勇者「う~ん……とりあえず、これ持って行ってみるか……?」
508: 2014/05/22(木) 23:46:59.11 ID:Ihd2G54sO
ーーーーー
天童「よしっ! 木の実も根こそぎ取ったっ!」
女商人「なんだか……泥棒みたいな言い方ですねぇ……?」
天童「なぁ~に、商人なんてのは、そんなもんばいっ! 水も大量に取ったっ!」
勇者「お、重い……」プルプル
天童「後は、帰るだけだっ! それじゃあ、勇者君、お願いしますっ!」
女商人「あっ、そういえば、勇者さん脱出魔法使えるんでしたね?」
天童「さぁ、女商人さん……僕の身体にしっかり掴まって……危ないですから……」キリッ
勇者「……おめぇはよぉ? じゃあ、行くよ! リレミトっ!」ビューン
天童「よしっ! 木の実も根こそぎ取ったっ!」
女商人「なんだか……泥棒みたいな言い方ですねぇ……?」
天童「なぁ~に、商人なんてのは、そんなもんばいっ! 水も大量に取ったっ!」
勇者「お、重い……」プルプル
天童「後は、帰るだけだっ! それじゃあ、勇者君、お願いしますっ!」
女商人「あっ、そういえば、勇者さん脱出魔法使えるんでしたね?」
天童「さぁ、女商人さん……僕の身体にしっかり掴まって……危ないですから……」キリッ
勇者「……おめぇはよぉ? じゃあ、行くよ! リレミトっ!」ビューン
509: 2014/05/22(木) 23:56:14.53 ID:Ihd2G54sO
酒場前ーーー
天童「なぁ、勇者? あの魔法、直接街に戻ってくる事とかできねぇの?」
勇者「う~ん……そういう魔法じゃないみたい……前のは偶然だったのかなぁ……」
天童「女商人さん、帰り道辛そうだったぜぇ? カァ~! 辛か~! 辛か~! 足が棒~! もう、たまらん、たまらんっ! って」
勇者「……それ、ずっと言ってたのはお前じゃん」
天童「でもよぉ? 街についたら、宿屋に直行だぜ? やっぱり、疲れてたんだよ? あの魔法、絶対改良する余地はあるぜ?」
勇者「う~ん……考えておくよ……」
天童「……っと、おっ? 酒場に着いたな? それじゃあ、水持っていくか!」
勇者「う、うん……」
天童「なぁ、勇者? あの魔法、直接街に戻ってくる事とかできねぇの?」
勇者「う~ん……そういう魔法じゃないみたい……前のは偶然だったのかなぁ……」
天童「女商人さん、帰り道辛そうだったぜぇ? カァ~! 辛か~! 辛か~! 足が棒~! もう、たまらん、たまらんっ! って」
勇者「……それ、ずっと言ってたのはお前じゃん」
天童「でもよぉ? 街についたら、宿屋に直行だぜ? やっぱり、疲れてたんだよ? あの魔法、絶対改良する余地はあるぜ?」
勇者「う~ん……考えておくよ……」
天童「……っと、おっ? 酒場に着いたな? それじゃあ、水持っていくか!」
勇者「う、うん……」
510: 2014/05/23(金) 00:04:34.03 ID:2tdrg9SeO
天童「こんばんはぁ~! とりあえず、生……」ガラッ
勇者「バ、バカっ! もう酒はダメだよっ! 生、いりません! いりませんよ!?」アセアセ
主人「お、おいっ! やっと戻ってきたのか! 無事だったのか! 生き埋めになっちまったのかと思っちまったぞ!?」
天童「……へ?」
勇者「……生き埋め?」
主人「だからよぉ~、あの洞窟に魔物討伐するって魔法使いの親子が来てよぉ? 派手に洞窟ぶっ壊して崩れちまったじゃねぇか!」
天童「……えっ? あの洞窟、崩れたんですか!?」
勇者「俺、あそこ行ってたら、生き埋めになってたじゃんっ!」
主人「……あれ? 何、そのリアクション? もしかして、水取りに行ってないの?」
勇者「バ、バカっ! もう酒はダメだよっ! 生、いりません! いりませんよ!?」アセアセ
主人「お、おいっ! やっと戻ってきたのか! 無事だったのか! 生き埋めになっちまったのかと思っちまったぞ!?」
天童「……へ?」
勇者「……生き埋め?」
主人「だからよぉ~、あの洞窟に魔物討伐するって魔法使いの親子が来てよぉ? 派手に洞窟ぶっ壊して崩れちまったじゃねぇか!」
天童「……えっ? あの洞窟、崩れたんですか!?」
勇者「俺、あそこ行ってたら、生き埋めになってたじゃんっ!」
主人「……あれ? 何、そのリアクション? もしかして、水取りに行ってないの?」
511: 2014/05/23(金) 00:10:41.09 ID:2tdrg9SeO
勇者「す、すいません……」アセアセ
主人「最悪だ……君を信じた俺がバカだった……まさか、こんな形で裏切られるとは思わなかったよ……」
勇者「ご、ごめんなさい……でも、代わりの水、持ってきたんで……」
主人「あのねぇ……? ウチの水は、そんじょそこらの水と違って、こだわりの……ん……?」
勇者「す、すいません……」
主人「……」マジマジ
勇者「……ん?」
主人「こ、これは……! もしかして、あの幻の『迷いの高台』の水ではないでしょうか……!?」
勇者「あ~、確かに迷路みたいになってたもんねぇ? あそこ、そんな風に呼ばれてるんだ?」
主人「最悪だ……君を信じた俺がバカだった……まさか、こんな形で裏切られるとは思わなかったよ……」
勇者「ご、ごめんなさい……でも、代わりの水、持ってきたんで……」
主人「あのねぇ……? ウチの水は、そんじょそこらの水と違って、こだわりの……ん……?」
勇者「す、すいません……」
主人「……」マジマジ
勇者「……ん?」
主人「こ、これは……! もしかして、あの幻の『迷いの高台』の水ではないでしょうか……!?」
勇者「あ~、確かに迷路みたいになってたもんねぇ? あそこ、そんな風に呼ばれてるんだ?」
513: 2014/05/23(金) 00:21:10.09 ID:2tdrg9SeO
主人「こ、こんな素晴らしいお水を持って来て頂けるとは……ありがたやっ……! 嗚呼、ありがたやっ!」
勇者「えっ? これ、そんなにいい水なの?」
主人「いいだなんて、とんでもないっ! 最高級の水でございますっ! このような水はただでは受け取れませんっ! どうか、どうかご馳走させて下さいっ!」
天童「えっ、ご馳走? お酒とか飲んでもいいの?」
主人「はっ! 本日は、食って飲んで騒いで踊って! お好きにして下さいっ! 全て、私の奢りとさせていただきますっ!」
勇者「いやいや、悪いですよ……天童、お前も調子に乗るなって……」
主人「いえっ……! いいのですイイノデスっ! このままでは私の気が済みませんっ! どうか、どうかご馳走させて下さいっ!」
天童「宿屋の連れも呼んできていいですかねぇ? やっぱり、お酒は皆で飲んだ方が楽しいと思うですよねぇ~?」ニヤニヤ
主人「ははっ! 是非、お呼びになって下さいっ! この私、精いっぱい腕を振るわせて頂きますっ……!」
勇者「お、おい……天童、調子に乗るなよ……」アセアセ
勇者「えっ? これ、そんなにいい水なの?」
主人「いいだなんて、とんでもないっ! 最高級の水でございますっ! このような水はただでは受け取れませんっ! どうか、どうかご馳走させて下さいっ!」
天童「えっ、ご馳走? お酒とか飲んでもいいの?」
主人「はっ! 本日は、食って飲んで騒いで踊って! お好きにして下さいっ! 全て、私の奢りとさせていただきますっ!」
勇者「いやいや、悪いですよ……天童、お前も調子に乗るなって……」
主人「いえっ……! いいのですイイノデスっ! このままでは私の気が済みませんっ! どうか、どうかご馳走させて下さいっ!」
天童「宿屋の連れも呼んできていいですかねぇ? やっぱり、お酒は皆で飲んだ方が楽しいと思うですよねぇ~?」ニヤニヤ
主人「ははっ! 是非、お呼びになって下さいっ! この私、精いっぱい腕を振るわせて頂きますっ……!」
勇者「お、おい……天童、調子に乗るなよ……」アセアセ
514: 2014/05/23(金) 00:29:04.06 ID:2tdrg9SeO
そしてーーー
女商人「Oh~♪ お願いさ~♪ Take me to heaven~♪」
天童「♪」
女僧侶「あらあら、女商人さんが歌って……天童さんがそれに合わせて踊って……」
勇者「……あいつは、はしゃぎすぎなんだよ」
女僧侶「お酒って、あんなに人を変えちゃうものなんですねぇ……? 美味しいんですかね……?」
勇者「あっ! いやぁ……女僧侶ちゃんは、飲まない方がいいと思うよ……?」
女僧侶「?」
勇者「あっ……それよりさぁ、女僧侶ちゃん……?」
女僧侶「どうしたんです、勇者さん?」
勇者「あの……今日は約束守れなくて……ごめんね……?」アセアセ
女僧侶「……約束?」
勇者「う、うん……?」
女商人「Oh~♪ お願いさ~♪ Take me to heaven~♪」
天童「♪」
女僧侶「あらあら、女商人さんが歌って……天童さんがそれに合わせて踊って……」
勇者「……あいつは、はしゃぎすぎなんだよ」
女僧侶「お酒って、あんなに人を変えちゃうものなんですねぇ……? 美味しいんですかね……?」
勇者「あっ! いやぁ……女僧侶ちゃんは、飲まない方がいいと思うよ……?」
女僧侶「?」
勇者「あっ……それよりさぁ、女僧侶ちゃん……?」
女僧侶「どうしたんです、勇者さん?」
勇者「あの……今日は約束守れなくて……ごめんね……?」アセアセ
女僧侶「……約束?」
勇者「う、うん……?」
515: 2014/05/23(金) 00:34:45.72 ID:2tdrg9SeO
女僧侶「私、勇者さんと何か約束したんですか……?」
勇者「……えっ?」
女僧侶「昨日、酒場に来た所ぐらいまでは覚えてるんですが……私、それからの記憶が全くないんですよ……」
勇者「あっ……そうなの……?」
女僧侶「今日は、頭がガンガンして、一日動けませんでしたし……やっぱり、旅疲れなんですかねぇ……?」
勇者「あっ……そうなんだ……」
女僧侶「私、何か勇者さんと約束したんですか……?」
勇者「あっ……! いやっ……! 覚えてないんだったらいいんだ……」アセアセ
女僧侶「え~? そんな事、言われたら気になるじゃないですか~。教えて下さいよ~?」
勇者「い、いやぁ……そ、それはねぇ……」アセアセ
勇者「……えっ?」
女僧侶「昨日、酒場に来た所ぐらいまでは覚えてるんですが……私、それからの記憶が全くないんですよ……」
勇者「あっ……そうなの……?」
女僧侶「今日は、頭がガンガンして、一日動けませんでしたし……やっぱり、旅疲れなんですかねぇ……?」
勇者「あっ……そうなんだ……」
女僧侶「私、何か勇者さんと約束したんですか……?」
勇者「あっ……! いやっ……! 覚えてないんだったらいいんだ……」アセアセ
女僧侶「え~? そんな事、言われたら気になるじゃないですか~。教えて下さいよ~?」
勇者「い、いやぁ……そ、それはねぇ……」アセアセ
516: 2014/05/23(金) 00:39:44.71 ID:2tdrg9SeO
天童「お~い、勇者~! 何やってんだ、お前もこっち来て踊れ~ぃ!」
勇者「あっ、 天童が呼んでるや! 俺、ちょっとあいつの所行って、付き合ってくるよ……」アセアセ
女僧侶「え~? 気になるじゃないですか~?」
勇者「ま、まぁ……また今度にでも話すよ……?」
女僧侶「……約束ですよ?」
勇者「……えっ?」
女僧侶「だから~、約束して下さいね?」
勇者「も~う、わかった……約束ね……?」
天童「な~に、やってんだぁ、勇者っ! おめぇもとっとと踊りやがれっ!」
女商人「女僧侶さんも、一緒に踊りましょうよ~!」
勇者「あっ、 天童が呼んでるや! 俺、ちょっとあいつの所行って、付き合ってくるよ……」アセアセ
女僧侶「え~? 気になるじゃないですか~?」
勇者「ま、まぁ……また今度にでも話すよ……?」
女僧侶「……約束ですよ?」
勇者「……えっ?」
女僧侶「だから~、約束して下さいね?」
勇者「も~う、わかった……約束ね……?」
天童「な~に、やってんだぁ、勇者っ! おめぇもとっとと踊りやがれっ!」
女商人「女僧侶さんも、一緒に踊りましょうよ~!」
517: 2014/05/23(金) 00:49:06.96 ID:2tdrg9SeO
翌日ーーー
女商人「皆さんには、本当にお世話になりました。ありがとうございますっ!」ペコッ
天童「な~に、困った時はお互い様ばいっ!」
勇者「これから、その木の実を物資のない街に持って行くんですか?」
女商人「はいっ! 今の私に出来るのはこういう事だけですから!」
天童「頑張って下さいっ……!」
勇者「俺達、応援してますから!」
女商人「本当に皆さんには、お世話になりました! お礼の気持ち言っちゃなんですが……コレ、受け取って下さい……」
天童「……えっ、コレって」
勇者「コレ、旦那さんの形見の鞄じゃないですかっ!?」
女商人「はい、やっぱり、鞄は飾るものではなく、使うものだと思うんです……だから、勇者さん、使って下さい」
女商人「皆さんには、本当にお世話になりました。ありがとうございますっ!」ペコッ
天童「な~に、困った時はお互い様ばいっ!」
勇者「これから、その木の実を物資のない街に持って行くんですか?」
女商人「はいっ! 今の私に出来るのはこういう事だけですから!」
天童「頑張って下さいっ……!」
勇者「俺達、応援してますから!」
女商人「本当に皆さんには、お世話になりました! お礼の気持ち言っちゃなんですが……コレ、受け取って下さい……」
天童「……えっ、コレって」
勇者「コレ、旦那さんの形見の鞄じゃないですかっ!?」
女商人「はい、やっぱり、鞄は飾るものではなく、使うものだと思うんです……だから、勇者さん、使って下さい」
518: 2014/05/23(金) 00:57:17.88 ID:2tdrg9SeO
勇者「い、いやぁ……でも、こんな大切なもの……」アセアセ
女商人「鞄はまた、作ればいいですから。それに……」
天童「……それに?」
女商人「私、主人の事を気にしてたような気がすんです……やっぱり、主人の事は絶対に忘れる事はありませんけど……」
勇者「……」
女商人「それで足踏みして、前に進めないのは主人も嬉しくないと思うんです」
天童「新しい一歩……って、ワケね……」ニコッ
女商人「本当に、皆さんにはお世話になりました! 皆さんのこれからの旅の無事を祈ってます!」
勇者「女商人さん、ありがとう」
女商人「何か困った事があったら、すぐ呼んで下さいっ! 今度はいい商品持って駆けつけますから! 勇者達は私の大切な仲間です!」
女商人「鞄はまた、作ればいいですから。それに……」
天童「……それに?」
女商人「私、主人の事を気にしてたような気がすんです……やっぱり、主人の事は絶対に忘れる事はありませんけど……」
勇者「……」
女商人「それで足踏みして、前に進めないのは主人も嬉しくないと思うんです」
天童「新しい一歩……って、ワケね……」ニコッ
女商人「本当に、皆さんにはお世話になりました! 皆さんのこれからの旅の無事を祈ってます!」
勇者「女商人さん、ありがとう」
女商人「何か困った事があったら、すぐ呼んで下さいっ! 今度はいい商品持って駆けつけますから! 勇者達は私の大切な仲間です!」
519: 2014/05/23(金) 01:06:55.94 ID:2tdrg9SeO
ーーーーー
天童「……まっ、これが永遠の別れってワケじゃねぇからな」テクテク
勇者「……そうだね」テクテク
天童「でもよぉ……でもよぉ……勇者君……」
勇者「……ん?」
天童「恋って辛ぇよなぁ~!」
勇者「うわっ! 何、その顔っ! 涙でぐちゃぐちゃじゃん!」
天童「苦しいよなぁ~! 切ねぇよなぁ~! もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対……なぁ~んて言っちゃう気持ち、わかるよなぁ~」シクシク
勇者「そ、そうかな……?」
天童「……ぬ?」
勇者「俺は……恋って……もっと、楽しいものだと思うな……」
天童「……おめぇ、なぁ~んか、気に食わねぇな」
勇者「えっ……?」
天童「コノヤロ……人が落ちこんでる所よぉ? こうなりゃ、残り6個の命題、とことんスパルタやってやるからな! 覚悟しとけよ!」
勇者「お、俺に当たるんじゃねぇよ……でも、後6個もあるのか……も~う……」
天童「……まっ、これが永遠の別れってワケじゃねぇからな」テクテク
勇者「……そうだね」テクテク
天童「でもよぉ……でもよぉ……勇者君……」
勇者「……ん?」
天童「恋って辛ぇよなぁ~!」
勇者「うわっ! 何、その顔っ! 涙でぐちゃぐちゃじゃん!」
天童「苦しいよなぁ~! 切ねぇよなぁ~! もう恋なんてしないなんて、言わないよ絶対……なぁ~んて言っちゃう気持ち、わかるよなぁ~」シクシク
勇者「そ、そうかな……?」
天童「……ぬ?」
勇者「俺は……恋って……もっと、楽しいものだと思うな……」
天童「……おめぇ、なぁ~んか、気に食わねぇな」
勇者「えっ……?」
天童「コノヤロ……人が落ちこんでる所よぉ? こうなりゃ、残り6個の命題、とことんスパルタやってやるからな! 覚悟しとけよ!」
勇者「お、俺に当たるんじゃねぇよ……でも、後6個もあるのか……も~う……」
520: 2014/05/23(金) 01:09:24.36 ID:2tdrg9SeO
第四話はここまで
>>512
トルネコの大冒険的なイメージで補足してくれたら有難い
>>512
トルネコの大冒険的なイメージで補足してくれたら有難い
521: 2014/05/23(金) 02:03:16.56 ID:MeVJOR3po
引用: 勇者「天国に一番近い勇者」
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