2: 2024/06/02(日) 17:29:19 ID:3EjhmuRg00
侑「おお~これが歩夢の車!?」

歩夢「お母さんのお下がりなんだけどね。ホンダn-vanって言うんだって」

侑「車のことはよく分かんないや。どこまで行くの?」

歩夢「とりあえず沼津まで行こうか」

侑「沼津?」

歩夢「静岡だよ」

侑「静岡!?そんな遠くまで大丈夫なの?」

歩夢「ふふ、私の腕を信用してよ」

侑「まぁ歩夢がそう言うなら」

2

歩夢「さぁ出発ーー!!」

侑「いえーい!」

ブゥオン!!

侑「うぎゃ!!」ガクン

歩夢「うわ!ごめん、急発進しちゃったね」

侑「安全運転で頼むよ~」

歩夢「大丈夫!安心して!」

3: 2024/06/02(日) 17:29:45 ID:3EjhmuRg00
1分後

歩夢「うわー車ゲームみたい」

侑「今日は結構道空いてるね。そうだ、皆にドライブしてる事自慢しちゃおう」ポチポチ

歩夢「(ふふ、かすみちゃん嫉妬するんだろうなぁ)」

侑「ん?なんかバイクが割り込んできたね」

歩夢「ッ!!!」ピキィ

侑「歩夢?」

歩夢「テメェ!!何割り込んでんだ!!おい!!!こらジジィ、止まれそこ!!おい!!!!」プーーーププププーーーーーー

侑「歩夢!?」

歩夢「おいおいおいおいおいおい!!!!トーマーレーーー!!!!」プゥプゥプゥ

侑「ひぃ!落ち着いて歩夢!!あの人も悪気があったわけじゃないって!!」

歩夢「はっ!!……ご、ごめん侑ちゃん。ちょっと熱くなっちゃったよ」

侑「うん…(歩夢は運転で荒くなるタイプだったのか)」

4: 2024/06/02(日) 17:30:02 ID:3EjhmuRg00
侑「沼津までどのくらいかかるんだろう」

歩夢「2時間くらいだよ」

侑「そんなものなんだ!」

歩夢「海が綺麗らしいよ。漁港が近いからね、お魚も美味しいの」

侑「楽しみ!沼津の経験を歌詞にしよう~」

歩夢「お魚いっぱい~刺身もいっぱい~♩」

侑「あははは」

歩夢「おっと、右折か」

侑「対向車が多いね…」

5: 2024/06/02(日) 17:30:24 ID:3EjhmuRg00
歩夢「………」イライラ

侑「歩夢?」

歩夢「行くよー」ブゥン!!!!

侑「うわぁ!!」ガクン

『うわ、なんだこいつ!!』プープー

侑「ぎゃあああああ!歩夢、バイクとぶつかるって!!」

歩夢「私を信じて!!」

キキィーーーー

『うわーーー!!、危ねぇぞバカ!!』

侑「た、助かった…けどバイクの人めっちゃキレてる」

歩夢「うるせーぞこのタコ!!!!」ウィーーン

『なっ!?』

侑「今のは100%こっちが悪いよ!!!窓開けてまで煽らないで!!」

歩夢「ちっ……ブツブツ」

侑「(私は生きて沼津まで行けるのだろうか)」

6: 2024/06/02(日) 17:30:42 ID:3EjhmuRg00
なんだかんだ高速道路に乗れた2人。
同じ道が続くので安心かと思いきや……。

侑「なんか2人で一緒に車に乗るなんて感慨深いね。子供の頃は考えもしなかった」

歩夢「………」

侑「歩夢?」

歩夢「グゥ……グゥ…………」zzz

侑「歩夢ァアアアアアアアアア!!!!!!!」

侑が嫌に静かな歩夢を見るとなんと彼女はアクセルを踏んだまま爆睡していた。
懸命に歩夢の体を振りなんとか彼女を起こす。

歩夢「ご、ごめん。同じような道が続くと眠くなっちゃいんだよね」

侑「このスピードでどこかに突っ込んだら2人とも即氏だよ!頑張って起きてて!」

歩夢「ふぁ~あ…うん」

7: 2024/06/02(日) 17:31:19 ID:3EjhmuRg00
その後サービスエリアがあったため一旦歩夢を休ませる事にした。
しかしここでも歩夢は暴れた。

歩夢「あーもう!!駐車難し過ぎるよ!!!」イライラ

侑「ある程度のズレは仕方ないけど白線の中にすら入らないんだよね…もう15分も経ってる」

歩夢「おら!!」ブォン!!

ガァン!!

侑「あっ!!!」

歩夢「………」

侑「よその車に当たった!!……うわ、凹んでるよあれ」

歩夢「………」

侑「し、しかもこれレクサスだ」

歩夢「私は何もしてないよ?」

侑「そ、そだね」

侑はレクサスの値段を調べた後そっと歩夢に同調した。

8: 2024/06/02(日) 17:36:54 ID:3EjhmuRg00
サービスエリアで牛丼を食べてまた出発する事になった2人。

侑「美味しかった~。サービスエリアで食べるご飯って何故か美味しく感じるよね」

歩夢「あ、侑ちゃん。ほっぺにソースついてるよ」

歩夢「ベロベロベロ」

侑「ちょ!舐めなくていいから」

歩夢「ふふ…」

(濃厚なゆうぽむ)

乱暴な歩夢の運転でなんとか進み、神奈川県綾瀬市に差し掛かった。
残り半分の距離のところで侑が口を開いた。

侑「今更だけど歩夢いつ免許取ったの?」

歩夢「んー?」

侑「高2なのに凄いよね。歌とダンスだけでも忙しいだろうに余った僅かな時間で教習所行っていたんだ。幼馴染として誇りに思うよ」

歩夢「えへへ///」

侑「あ、さっきのLINEの返事返ってきた」


かすみ『普通自動車免許って取れるの18歳からじゃなかったですか?』


侑「……………え?」

12: 2024/06/03(月) 12:37:30 ID:w6JUxp3g00
侑「………」スマホポチポチ


webサイト「教習所入所は17歳でもいいけど仮免からは18歳以上いるで」


侑「うわぁあああああああ!!!!!!」

歩夢「ゆ、侑ちゃん!?どうしt」

侑「歩夢免許取ってなかったの!?」

歩夢「………」

侑「ねぇ!!」

歩夢「大丈夫だよ」

侑「何が!?」

歩夢「ゲームセンター行った時にたまにイニシャルDするから、大丈夫」

侑「だいじょばない!ゲームだし、そもそも路上でカーレースなんて犯罪だから!!」

歩夢「もーう、今更だよ。ここまで来れたんだから大丈夫だよ」

侑「ひえーーーーー!!!」

16: 2024/06/03(月) 21:15:54 ID:SwYSeFZA00
怯える侑をなだめつつ車を走らせる歩夢。
気づけばもう沼津まで数キロだった。

ここで事件が起こる。

ブゥンブゥンブゥン

侑「な、なんか前の車がやけに遅く走ってるね」

歩夢「…………」

歩夢は右へ避けようとすると前の車も右へ移動した。

侑「着いてくるよ!」

歩夢「煽り運転だね……」

侑「煽り運転!?」

歩夢「ふぅ~~~ふざけた野郎だね」ピキキ

歩夢の顔面にいくつもの青筋が立つ!

ブンブンブンブンww

侑「ひぃ……小刻みにブレーキを踏んで進路を妨害してくるよ」

歩夢「上等だよぉ!!!!」

ブゥン!!

歩夢は猛スピードで煽り運転を繰り返す車の後ろから追突した。


ドガシャアアアアン!!!


侑「ぎゃああああああ!!!!」ガクン

前の車は慌てたのか距離を離すべくアクセルを踏む。
しかし歩夢は車の横へ並走し、ハンドルを急回転させタックルした。


ゴシャアアン!!!

轟音と共に隣の車の窓ガラスが割れる。
侑が煽り運転の運転手を見ると中年の男性が怯えた目でこちらを見ていた。

歩夢「舐めてんじゃない!!!!」

歩夢が運転しながら相手の車のドアを開けようとするが、鍵がかかっており開けられない。

歩夢「ちっ!!!」

17: 2024/06/05(水) 11:02:10 ID:y6//S.ZU00
侑「も、もういいじゃん歩夢!!」

歩夢「ダメだよ!!!車から引きずり出さないと!!」

ブゥンブゥンブゥン!!!!

カーチェイスの始まりだ。
逃げる煽り運転。
追うぽむ。

歩夢「おおおおおおおお!!!!!!」

侑「観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時。照見五蘊 皆空。度一切苦厄。舎利子。色不異空。空不異色。色即是空。空即是色。受想行識。亦復如是」

歩夢は雄叫びを上げながらアクセルをベタ踏みし、侑は白目でお経を唱えていた。
位置的にはもう沼津。
ここで煽り犯が驚きの行動に出た。

ブゥン!

歩夢「!?」

歩夢からは逃げられないと思ったのかその場でスピンして公道に出た。

歩夢は追うが公道へ逃げた煽り犯の車を見失ってしまった。

歩夢「あ、あの野郎ォォォ!!!」プープープププ

侑「もういいって!クラクション連打しないで!」

歩夢「ブツブツ…」

侑「(怒りのあまり聞こえていない!も、もうこれしか…)」

ちゅっ

歩夢「!?」

侑は歩夢のほっぺにキスした。

侑「ど、どうかな?」

歩夢「侑ちゃん…ごめん、すこし熱くなっていたよ///」

侑「よかった!落ち着いたんだね」

歩夢「えへへへ…///」

侑「恥ずかしかったんだからね!」

(濃厚なゆうぽむ)

20: 2024/06/05(水) 21:09:24 ID:f7Otg9BE00
ついに沼津駅まで辿り着いた2人。
15分かけて駐車場に車を停めて静岡の大地に降り立つ。

侑「生きてだどりついた…」

歩夢「空気が美味しいね~」

侑「車ベコベコだね……。ガラスも割れてるし」

歩夢「細かい事は気にしない!さぁ海鮮丼食べに行こう~」

侑「そうだね。気分を切り替えていこう!」

2人は沼津駅南口を出てすぐ右にあるイーラというデパートに入ると、上層階にある地元の魚を使った飲食店に入る。

つい最近口頭での注文からタブレットでの注文に切り替わった店だ。

時代の流れを感じつつ、鯵やしらすをふんだんに乗せた海鮮丼に舌鼓を打つ。

侑「うひょー!」

歩夢「鯵に臭みがなくて凄いね!」

22: 2024/06/06(木) 16:26:43 ID:8tOLrMfE00
料理を食べ終わると一階の邪心庵という和菓子屋に入店し、皆のお土産にどら焼きを購入した。
ちなみにここのどら焼きは絶品である。
質感や甘さの調和が完璧に近いのでぜひ食べて欲しい。

またイーラの地下はスーパーがあるため夜食を買う時は重宝される。

のっぽパンは実はこのスーパーにはなく、現地人に聞いたところ駅前のコンビニでしか観たことないそうだ。

それはともかく2人は次に深海水族館に行くことにした。
歩くと少し時間がかかるため駐車場に戻ったところ、歩夢の車の周りに警察が屯していた。

侑「……」

歩夢「……」

24: 2024/06/08(土) 07:58:26 ID:9YwNwyH200
警察「あー君達、ちょっといいかな?」

侑「や、やばいよ…!」

歩夢「……なんですか?」

警察「この車の持ち主だよね?さっき通報通報があったんだ。ヤバいホンダv-vanが高速道路で暴れてるって」

歩夢「人違いでは?」

警察「ならこの損傷した車はどう説明する?」

歩夢「この辺りに生息しているDQNにやられたんです。沼津はヤンキーが多いですから」

警察「監視カメラではここに停める前から凹んでいたらしいが…」

歩夢「うるせぇぇぇぇぇ!!!!!」

警察「なっ!やめっ!!」

歩夢は警察に一瞬で距離を詰め金蹴りを放った。

26: 2024/06/10(月) 15:35:49 ID:vQ.Av/Oc00
警察「ぎゃああああ!」プシゥウ

歩夢「行くよ!!侑ちゃん」

侑「ああああ!!もうおしまいだ!!」

歩夢は侑を担いで愛車に乗り込んだ。
急いでアクセルを踏み車を走らせる。

歩夢「とにかく南に向かうよ!!」

ボロボロの歩夢の愛車はエンジンをふかしながら沼津を南へかけていく。
法定速度などガン無視で120キロで走り出した。

少ししてから後ろから警察が追いかけてくる。

侑「どうすんのこれから!?」

歩夢「愛の逃避行だよ~」

侑「行き先は地獄だよーーー!!」

歩夢「あ!やばい……ガソリンが尽きてきた」

侑「自首しよう!罪が軽くなるよ!!」

歩夢「私を信じて!!!!」

29: 2024/06/13(木) 18:36:27 ID:CKLGhNmY00
その頃沼津駅の近くにある千本浜海岸ではアクアが練習をしていた。

ダイヤ「この練習について来れないものは油風呂の刑ですわ!!!」

果南「まーた無茶言ってるよあのおばさん」

千歌「油なんて危ないよ~」

ダイヤ「だれがおばさんですか!!μ’sはこの程度の特訓、笑いながら完遂しますわよ!!」

花丸「ベンチプレス180キロに10キロマラソン×3」

ルビィ「20分間の海中で息止め…」

善子「それに加えて80キロのおもりを体に巻いたままスクワット200回?頭おかしいんじゃないの」

鞠莉「hey daddy。ダイヤにいい医者を紹介して」

ダイヤ「文句言ってないで始めますわよ!!」

千歌「はぁ~…絶対無理だよ」

30: 2024/06/13(木) 18:36:57 ID:CKLGhNmY00

1時間後

ダイヤ「ゲロゲロゲロ」

善子「うわ…吐いてるし」

ルビィ「ハァ……ハァ……だから、無茶だって」

果南「えぇー皆もうギブ?」

曜「1人無茶じゃない子がいた」

梨子「はーい、油風呂用意したわよ」

花丸「いらないズラ!!!」

ダイヤ「言い出しっぺですものね…私がやりますわ」

ルビィ「おねえちゃあ!!」

ダイヤ「姉の背中をとくとご覧なさい」

~2分後~

ダイヤ「あ、あああああああ!!!!」

ダイヤ「熱いですわぁあああ!!!!!」

千歌「ひ、ひえええええ!!!」

ルビィ「おねいちゃあああ!!!!」

31: 2024/06/13(木) 18:37:25 ID:CKLGhNmY00
歩夢「シャバっ!!!!」グルグルグル

歩夢はハンドルを回転させドリフト走行を行い警察の追跡から逃れようとする。

侑「オエえええええええ!!!」ビチャビチャ

侑は車の暴れように三半規管がやられ、ゲロをぶちまける。
歩夢はそのゲロを手で掬い舐め始める。

歩夢「ベロベロ……元気100倍!!!」

侑「おえええええええ!!!!!」

歩夢の狂気を見て再びゲロる侑。

歩夢「よし!!そこの砂浜に逃げ込こもう!!!」

侑「た、助けて…………」

歩夢は千本浜に車を乗り上げて南へ向かう。
車のエンジンからは無茶な運転のせいで火が出ていた。

ブゥンブゥン!!!

32: 2024/06/13(木) 18:38:04 ID:CKLGhNmY00
果南「うわ!!!なんか車が突っ込んできたよ」

千歌「た、待避ィィィィィィィ!!!!!!」

ルビィ「おねえちゃあ!!!逃げようよ!!」

ダイヤ「…………」

鞠莉「そこのオバハンは気絶して使い物にならない!!!逃げるわよ!!」

ルビィ「そ、そんな……」

花丸「行くよルビィちゃん!!」

善子「あ、足が攣った…………!!」

ルビィ「善子ちゃん!!」

花丸「そこの堕天使はほっとけずら!!!」

ブゥンブゥン

歩夢「どいて小娘ども!!!」

善子「うわあぁああああああ!!!!」

侑「ぎゃああああああ!!!!!」

1秒後

歩夢の愛車は油風呂にぶつかり爆破した。


どごぉぉぉぉぉぉぉん!!!!


歩夢「ぎゃあああああ!!!!!」

その後歩夢は逮捕された一晩留置所で過ごした。
出所してから侑にプロポーズするも拒絶されたようだ。
以上が歩夢無免許爆走事件の顛末である。


おわり

33: 2024/06/13(木) 18:38:29 ID:CKLGhNmY00
ここまで読んでくれて感謝…⭐︎

34: 2024/06/13(木) 18:46:09 ID:Ytc4SjjE00
最後めっちゃ端折ったな
でもエタらず書ききってくれて感謝

引用: 【SS】歩夢「ドライブ行こうよ!」侑「いいね」