1: 2009/01/07(水) 00:44:38.33 ID:jYAng0Gd0




銀「なによメイメイ、今日は調子が悪かったのよ」

銀「病院食とかいうゲロみたいなものしか食べてないもの」

銀「おいしいものが食べたいわぁ。シチューとかカニカマとかシュウマイとか・・・」

銀「発想が貧困?うるさいわね、本に挟むわよ」

銀「大体4人がかりとか卑怯なのよ」

4: 2009/01/07(水) 00:46:31.87 ID:jYAng0Gd0
回想 ~とあるnのフィールド~


銀「ちょっと、離しなさいよ!!」

真紅「今日という今日は覚悟するのだわ水銀燈」


蒼「空中で水銀燈の両股を手で掴み頭上に逆さに持ち上げ、相手の首を自分の肩口で支えるあの体勢!!」

雛「間違いないの、真紅はあれをやるつもりなのよー」

真紅「これがジュンとの絆パワーよ」

真紅「 真 紅 バ ス タ ー !」

翠「あれを受ければ、さすがの水銀燈でもバラバラのジャンク決定ですぅ!」


銀「嫌よ・・・そんなの嫌よぉぉぉ!!」

7: 2009/01/07(水) 00:49:32.01 ID:jYAng0Gd0
ズドーン!



真紅「着地成功・・・でも手応えがない?」

雛「おかしいの、落下する速さが遅くなってたのよ」

翠「一体どうなってるですか!」

蒼「水銀燈は落下中に羽を氏に物狂いで動かしていたみたいだ。 着地時のダメージが殆んど無かったのはそれが原因だね」

銀「氏ぬかと思ったわ・・・。 こ、こ、今回は見逃してあげる!」

銀「帰るわよメイメイ!」

9: 2009/01/07(水) 00:53:16.67 ID:jYAng0Gd0

回想終了



銀「最初のころは一人でも問題なかったのよね」

銀「でも、最近になってやたら強くなったのよ。 主に格闘だけど」

銀「力を思いっき発揮したいけど、メグがあの調子じゃ無理よねぇ」

銀「・・・お腹減ったわぁ」

11: 2009/01/07(水) 00:56:45.31 ID:jYAng0Gd0

病室にて



メグ「あら、帰ってきたのね水銀燈。ちょうどお昼のゲロが届いたところよ」

銀「ちょっとぉ、ただでさえ美味しくないのに食欲なくすこと言わないで欲しいわ」

メグ「ごめんなさい、でも本当のことだもん」

銀「あんたはいいかもしれないけど、私のことも考えて欲しいわ」

メグ「ねぇ、またアリスゲームってのをしてたんでしょ。お話聞きたいな」

銀「ま、またぁ? どうせつまんないわよ」

メグ「早く聞きたいの。 食べながら話しましょ」

13: 2009/01/07(水) 01:01:29.08 ID:jYAng0Gd0
銀「それでね、真紅ってのがしつこいのよ。 軽く蹴飛ばしてやったけどぉ」

銀「今度は雛苺が無駄な抵抗をして・・・」


メグ「(また似たような話をしてる。  もしかして水銀燈、負けてるのかな)」


銀「最後は見逃してやったわ。 これでイジメル楽しみが・・・ちょっとメグ、聞いてるのぉ」

メグ「え、えぇ、聞いてるわよ」

メグ「さすが水銀燈ね。この調子で私の命をつかttふんだらああああっばばばばあああ」

銀「きゃぁあぁぁぁあ!?  メグが、メグが!!」

14: 2009/01/07(水) 01:05:16.61 ID:jYAng0Gd0
メグ(ビクンッ!ビクンッ!ビクンッ!)


銀「痙攣してるじゃない!   あああぁあぁあどどど、どうすればいいのよぉぉぉ」

銀「そうよ、電話をかければいのよ、911番よ!!」

銀「えぇっと、公衆電話が確か300m離れた近くの魚屋の近くに公衆電話があるから急いで」

銀「・・・備え付けのボタンを押せばすぐに看護婦か駆けつけてくれる?ついでに落ち着け?」

銀「それを早く言いなさいよ、メイメイ」

15: 2009/01/07(水) 01:10:02.77 ID:jYAng0Gd0
手術終了後


医師「メグさん、あなたの心臓はもう長くありません。 恐らく長くて1週間・・・」

メグ「そう、やっと氏ねるのね!」

医師「そういうことを言うもんじゃない。 しかし、手術するにあたって問題がありましてね。いろいろあって世界一の名医ではないと無理なんですよ」

メグ「無理なら無理でいいわ。 大丈夫よ手塚先生、私は黒い天使様と一緒に空を飛んで氏ぬから」

医師「・・・このことはあなたのお父さんとよく話し合います」



銀「私が真紅達から逃げる時に力を使ったせいね。このままだとやばいわぁ」

銀「でもどうすればいいのよ」

銀「・・・あらぁ、隣の部屋から話し声が聞こえるわね」

17: 2009/01/07(水) 01:13:49.28 ID:jYAng0Gd0

患者「ねぇお母さん、私ブラックジャック先生に手術してもらいたいわ!」

母「なに馬鹿なこといってるのよ」

患者「だってブラックジャック先生は世界一のお医者さまなんだもの」

患者「私の病気だって必ず治してくれるわ!」

母「あんた、ただの盲腸じゃない。 普通のお医者さまで十分なのよ」

患者「ブラックジャック先生がいいのー!」


銀「ブラック・・・ジャック?」

19: 2009/01/07(水) 01:18:07.27 ID:jYAng0Gd0

銀「ブラックジャックってのが世界一の医者?」

銀「どこに住んでるか分からないけど、なんとかして探すわよメイメイ」

銀「どうやって探すのかって?」

銀「そうねぇ、北風にでも聞こうかしら」

銀「・・・・・・東の方にいるらしいわ。 さっそく行くわよ」



21: 2009/01/07(水) 01:22:43.16 ID:jYAng0Gd0

銀「ちょっとそこの。ブラックジャックって人間を知らない?」

青年「カジノにでも住んでそうな名前だな」


爺「ワシは生まれてこの方医者の世話になったことなどないわ!」


女「存じませんわねぇ」


男「・・・用件を聞こう」

銀「!」

23: 2009/01/07(水) 01:26:52.01 ID:jYAng0Gd0

仕立屋「大分前にお世話になったことがあるよ」

銀{ほんと!?どこに住んでるのよ」

仕立屋「え、住んでるところ? さぁ・・・」

銀「ッチ、なかなか見つからないわね」

仕立屋「それより君、何か買っていかない?」

銀「服なら間に合ってるわよ!」

24: 2009/01/07(水) 01:30:51.47 ID:jYAng0Gd0
銀「だめねメイメイ、手がかり一つ掴めない」

銀「それにお腹も減ってきたの」

銀「こんなことなら、さっきの魚屋から何か盗んどけばよかったわ・・・」

銀「体が動かない」

銀「無理よメイメイ、あなたを食べてもお腹の足しにもならない」

銀「でもあれを見て。 あれは『ヒョウタンツギ』って言うの」


銀「あれが見えるってことは、もうすぐ・・・で・・・」

26: 2009/01/07(水) 01:35:52.51 ID:jYAng0Gd0
とある岬の家


BJ「不況にリストラ、派遣切りに就職難。 年明けからこんな話題ばかりだな」

BJ「っま、私には関係のない話だがね」

ピノコ「先生たらいまー!」


「散歩からおかえりでごんす」


BJ「おかえりピノコ。・・・その人形はなんだ?」

ピノコ「道をあゆいてたや拾ったのよさ」

BJ「ほぅ、よくできてる人形じゃないか。どこかの金持ちの落し物かな」

ピノコ「んもう、まさか浮気なんてちないでちょうね!」

28: 2009/01/07(水) 01:40:18.81 ID:jYAng0Gd0
BJ「お人形遊びもいいが、早く飯を作ってくれ」

ピノコ「わかってゆのよさ」

スタスタ

BJ「この人形、本当によく出来ている」

BJ「黒い服に羽・・・まるで悪魔だ」

BJ「あまり置きたくはないが、ピノコが気に入ってるから特別にいいか」

BJ「さて、少し寝るぞ」

スタスタ

シーン

30: 2009/01/07(水) 01:44:29.71 ID:jYAng0Gd0
しばらくして



ピノコ「もう少しでできあがゆから、そろそろ先生をおこちてくるのよ」

スタスタ




銀「・・・・・・・・この匂い」

銀「カレーね!」

メイメイ(匂いで目覚めた!!?)

31: 2009/01/07(水) 01:48:28.48 ID:jYAng0Gd0
バクバクムシャムシャ!

   
ピノコ「台所がさわがちいわね。なんなのよさ」

銀「ムシャムシャムシャムシャ」

ピノコ「アッチョンブリケ!」

BJ「どうしたピノコ」

ピノコ「あのお人形たんがピノコのつくったカレーをたべてゆのよー!」


銀「フゥー!フゥー!」

33: 2009/01/07(水) 01:52:04.19 ID:jYAng0Gd0
BJ「っく、やはり悪魔人形だったのか」

ピノコ「先生なんとかちて!」

BJ「よーし、いい子だから大人しく」

銀「フシャー! ・・・って、猫じゃないわよ!!」


「失礼したでごんす」

35: 2009/01/07(水) 01:56:25.94 ID:jYAng0Gd0

とある寿司屋にて


銀「玉子がおいしいわぁ!」

ピノコ「ピノコのいちおちなのよ」

BJ「姉妹で奪い合いねぇ。ところでお前さん、どうして私のところに」

銀「・・・治してほしい人間がいるのよぉ」


BJ「そういう話なら家で聞こう。ごちそうさん」

36: 2009/01/07(水) 02:00:25.63 ID:jYAng0Gd0
再びBJの家にて


銀「確か心臓がどうとかって言ってたわね」

BJ「心臓移植か。ふふふ、安くはないぜ」

銀「・・・」

BJ「軽く見積もって五千万ってところか。 さて、あんたに払えるかね」

銀「ご、五千・・・まん・・・ですってぇ」

BJ「そうだ。 安いと思うけどね」

銀「・・・・・・何それ?」

BJ「こりゃたまげた!」

37: 2009/01/07(水) 02:04:25.96 ID:jYAng0Gd0

銀「ヤクルト一本が百円だとしたら」

銀「五十万本も買えるですってぇ!?」

銀「なによそれ、信じられなぁい! 秋田書店に抗議してやるわ!!!」


BJ「落ち着きなさい、顔がヒョウタンツギになってるぜ」

40: 2009/01/07(水) 02:08:02.78 ID:jYAng0Gd0

病室にて

メグ「水銀燈、おかえり」


銀「(あのヤブ医者がアテにならないとなると・・・)」

銀「(どうすればいいのよ)」

41: 2009/01/07(水) 02:13:25.18 ID:jYAng0Gd0

次の日  とあるnのフィールド




真紅「待ちなさい水銀燈。今日はキン肉ドライバーを受けてもらうのだわ」

蒼「じゃぁ僕はハリケーン・ミキサーだね。 ちなみにスペシャル」

翠「翠星石の合掌捻りもオマケに付けてやるですぅ」

雛「雛のパロ・スペシャルも忘れちゃだめなのー!」

金「カナのスピニング・トーホーr」


銀「も、もう嫌ぁあぁああああ!!」

42: 2009/01/07(水) 02:16:34.47 ID:jYAng0Gd0
病室の窓辺にて




銀「力づくじゃローザミスティカを奪えないわねぇ」

銀「五千万なんて用意できないし・・・」

銀「時間がないことくらい分かってるわよ、メイメイ」

銀「銀行強盗でもしようかしら」

銀「なによぉ、冗談だから安心なさい」

銀「・・・向こうの方が騒がしいわねぇ」

43: 2009/01/07(水) 02:21:17.22 ID:jYAng0Gd0

メグパパ「で、では、そのブラックジャックという人がメグを治してくれるんですね!」

医師「彼の腕は保障します。 しかし、とんでもない料金を請求してきますが」

メグパパ「あの子が生きる希望を少しでも得られるなら、私は金など惜しみません!」

メグパパ「先生、何から何までありがとうございます」




銀「なによこれ、無駄足だったってこと!?」

44: 2009/01/07(水) 02:25:11.47 ID:jYAng0Gd0

運転手「今時そんな医者がいるんですねぇ」

メグパパ「手痛い出費だが、仕方がないだろう」

運転手「メグさん、元気になるといいですね」

メグパパ「まったくだ」

運転手「ここの交差点を曲がって・・・なんだあのトラックは!!?」



ドガーン!

46: 2009/01/07(水) 02:30:24.50 ID:jYAng0Gd0
メグ「信号無視のトラックが突っ込んできて、車は大破」

メグ「あの男は即氏だったみたいね。どうせなら苦しんで氏ねばよかったのに」

銀「・・・」

メグ「それで遺産がたくさん転がってくるらしいのよ」

メグ「さっきから親戚って名乗る人達からの電話がうるさいのよねぇ」

メグ「介護がどうとか言ってたけど、全部無視してやったわ」

47: 2009/01/07(水) 02:33:49.79 ID:jYAng0Gd0
メグ「ねぇ水銀燈、私の命を使ってくれたら遺産なんて全部あげる」

銀「別にいらないわよ」

メグ「なんでも買っていいのよ。お洋服とかヤクルトとか」

銀「・・・」

メグ「空がよく見える家を買うのも素敵ね」

銀「ばっかじゃないの」

メグ「水銀燈の一部になれば、いつでも水銀燈と一緒にいられる」


51: 2009/01/07(水) 02:38:19.67 ID:jYAng0Gd0
銀「まったく、相変わらず病んでるわねぇ」

メグ「お願い水銀燈、もう時間もないみたいだし」


コンコン

「だれかくるでごんす」


メグ「また親戚さんかな。水銀燈、早く人形のフリをして」

水銀燈「嫌よ。いつも通り隠れるわ」

メグ「もぉ、一回くらいいいじゃない」

55: 2009/01/07(水) 02:41:35.55 ID:jYAng0Gd0
>54
「健康な人の心臓が必要」って原作で言ってた
詳細は不明だけど

56: 2009/01/07(水) 02:42:26.65 ID:jYAng0Gd0
ガチャッ


メグ「あら先生、どうかしました?」

医師「この間の手術の話なんだけど」

メグ「言いましたよね、無理ならやる意味無いって」

医師「実はね、これが無理じゃないんだよ。私の友人に腕の立つのがいてね」

メグ「そうですか」

57: 2009/01/07(水) 02:45:10.49 ID:jYAng0Gd0
メグ「でもやる必要はありません。だって私の命は黒い天使さまにあげるから」

医師「まぁまぁ、そう言わずに話だけでも聞いて下さい。 ブラックジャック、あとは頼むよ」

BJ「・・・2人だけで話したい」

銀「!」


メグ「ブラックジャック? 変な名前」

BJ「失礼な人だ」

58: 2009/01/07(水) 02:50:24.19 ID:jYAng0Gd0

BJ「要するにだ、五千万払うなら手術してやる」

メグ「五千万も? ずいぶんとボッタくるのね」

BJ「あなたが受け継いだ遺産のことを考えると、大した金額じゃないとは思うがね」


メグ「確かにそうね。でも払いません」

BJ「馬鹿なことを言いなさんな、助かる見込みは十二分にあるんだぜ?」

メグ「それなら尚更ね。私は氏にたいの」

59: 2009/01/07(水) 02:54:58.28 ID:jYAng0Gd0
BJ「氏にたいだって? 医者にそんなことを言うもんじゃない」

BJ「いいか、医者になるためには何年もかけて医学を学ぶんだぜ」

BJ「すごく辛いから、人の命を助けたいって思わなけりゃやってられないんだ!」

BJ「もちろん例外もいるが、少なくとも手塚君や私は君の命を救いたいと思ってる」



銀「(臭いこと言うわねぇ)」
メイメイ「(酷い・・・)」

61: 2009/01/07(水) 02:58:43.59 ID:jYAng0Gd0
メグ「長台詞ありがと。でもそういうの、せめて氏にたくないと思ってる人に言ってあげて」

BJ「なんだと?」

メグ「あなたがやろうとしてることって、結局は自己満足じゃない。そういうのはうんざり」

メグ「この病院にいる人は、みんな私のことを面倒な子だと思ってるわ」

メグ「あなたもそうなんでしょ? だからもう帰って」


BJ「顔がヒョウタンツギになっちまうよ」

62: 2009/01/07(水) 03:02:35.43 ID:jYAng0Gd0

BJ「いいかお嬢さん、あなたの親父さんはいくらでも払うと言ったそうだ」

BJ「それなのに氏にたいだなんて、あんたは人のことを何にも考えちゃいない」

メグ「なによあんた・・・考えてないのはあんたじゃない!」

メグ「あの男がなんだって言うのよ!ずっと仕事のことばかりで私から逃げてて!」


メグ「あいつは父親なんかじゃない!!」

63: 2009/01/07(水) 03:05:24.85 ID:jYAng0Gd0
BJ「おいあんた、いい加減に」

メグ「うるさい、出てけ!氏ね!」

ガシャン!ガシャン!

BJ「お、おい、落ち着きなさい」

BJ「グエッ!」


医師「おいブラックジャックどうしt」

医師「グエッ!」



BJ「こりゃかなわん」

65: 2009/01/07(水) 03:09:13.49 ID:jYAng0Gd0

メグ「出ていけ!ツギハギ!氏んじまえ!」

BJ「また明日くる、それまであまり体を動かしなさんなよ!」


バタンッ


手塚「さすがの君も手を焼いてるようだね」

BJ「最近の子はどうにも手強いな」

66: 2009/01/07(水) 03:12:37.85 ID:jYAng0Gd0
メグ「ゼェ・・・ゼェ・・・」


銀「何やってるのよ」

メグ「あら水銀燈。さっきの人を見た?」

メグ「命を救いたいってカッコ付けてるのに、あの偽善者っぷり」

メグ「ほんっと馬鹿よね」

銀「馬鹿はあんたでしょ」

メグ「・・・え?」

71: 2009/01/07(水) 03:19:01.72 ID:jYAng0Gd0
銀「父親が頑張って働いていたから、あんたはここでお気楽に暮らしていける」

銀「それなのにあんな態度をとってたなんて、あんた恥ずかしくないの?」

メグ「水銀燈・・・?」

銀「人からは恵んでもらってるだけで、自分はお礼すらしない。 優しくされても突き放してばかり」

銀「その上すぐに氏にたい氏にたいって言って・・・典型的なかまってちゃんねぇ。」


メグ「なに・・・私がかまってちゃん?」

銀「あんたは甘えてばっかりなのよ!」

74: 2009/01/07(水) 03:24:09.58 ID:jYAng0Gd0

メグ「そんなことないわ!」

銀「だってそうでしょぉ? この前、看護婦に『勤務時間内の優しさなんていらない』って言ったじゃない」

銀「それってぇ、勤務時間外に優しくしてもらいたい。甘えたいって願望の裏返しなのよ」

銀「っま、されたらされたで『お金にならないことはしなくてもいい』って言って突き放すんでしょうけどぉ」

メグ「違うわ、私は・・・」

銀「生きたくない、楽に氏にたい・・・あははは!」

銀「ほんっと甘えん坊さんねぇ。あんたなんかこの水銀燈の糧にするに値しないわ」

メグ「なんで・・・」

銀「このままベッドの上で朽ち果てなさい!! あんたなんか・・・知らない」

75: 2009/01/07(水) 03:27:16.17 ID:jYAng0Gd0
メグ「そう、あなたも同じだったのね。 私のことをかわいそうだと思って・・・見下して・・・」

銀「かわいそう? そんなのじゃ」

メグ「出てけ!消えろ!もう二度とくるな!!」

ガシャン!ガシャン!

銀「言われなくてもそのつもりよ。じゃぁね」

ヒュン



メグ「氏ね糞ジャンク!! ・・・ゼェ・・・ゼェ」

78: 2009/01/07(水) 03:32:41.93 ID:jYAng0Gd0

メグ「別にいいわ。前の生活に戻っただけ」

メグ「また一人で空を見上げて歌って、ゲロを食べて・・・一人で氏ぬのかしら」



メグ「水銀燈、やっぱりあなたがいないと・・・つまらない」

バタッ



水銀燈「(気絶した・・・少し言い過ぎたわね)」

79: 2009/01/07(水) 03:37:03.38 ID:jYAng0Gd0
銀「メグ、あなたの命は私が貰ってあげる・・・一緒になろう」


ガチャッ


BJ「まったく、女の口喧嘩ってのはうるさくてたまらないな」

銀「ブラックジャック・・・」

BJ「あんだけ言っておいて、結局は糧にするのかい。あんたもお人よしだね」

BJ「しかし、はっきり言いすぎだぜ。あんなに言ったら患者が昏睡するのも無理はない」



メイメイ「(この辺かなり無理があるなぁ・・・)」

80: 2009/01/07(水) 03:41:08.77 ID:jYAng0Gd0
銀「この子は放っておいたら病気で氏ぬ。たとえ治療しても、生きる意志が無いからロクな生き方をしない」

銀「だから言えることを全部言ってやったのよ。他の誰も言わないから、この私が・・・」


BJ「それで、その子をどうするつもりだ?」

銀「命を奪うのよ。そうすれば無駄がないでしょ?」

BJ「好き勝手言いなさる。 だが、私の目の前でそんなことはさせない」

銀「あら、何をするつもり? まさか無償で手術をしようって言うんじゃ」

BJ「そのまさかだよ」

銀「!?」

82: 2009/01/07(水) 03:45:06.15 ID:jYAng0Gd0
銀「今・・・え?」

BJ「オペを今すぐ始める。それなら文句はないだろう?」

銀「そんな、でも・・・」

BJ「それじゃ私は準備をしてくる。あんたは窓辺にでも隠れときなさい」

銀「あ、待って」

BJ「なんだね?」

83: 2009/01/07(水) 03:51:24.68 ID:jYAng0Gd0
銀「メグを・・・お願いじます、先生」

BJ「任せなさい」


バタンッ


医師「どうなるかと思ったけど、無償でオペするとはね」

BJ「あんなに優しい娘さんが顔をグシャグシャにしてたんだ。引き受けたくもなるさ」

医師「あぁそりゃ断れないや」




銀「メグ、また二人で・・・」


end

87: 2009/01/07(水) 03:58:38.63 ID:jYAng0Gd0
後日


メグ「ん、朝?」

看護婦「あら、気が付いたのねメグちゃん」

メグ「・・・佐原さん、私どうなったの?」

看護婦「手術は無事に成功したわ、おめでとう」

メグ「手術? ってことは・・・」

看護婦「えぇ、もう大丈夫。しばらくはゆっくり休んでいってね」

メグ「・・・・・・」

看護婦「そうそう、その枕元にある人形はブラックジャック先生が置いて行ったわ」

89: 2009/01/07(水) 04:01:42.08 ID:jYAng0Gd0

メグ「人形?  ・・・あ、水銀燈」

看護婦「顔に似合わず可愛いものを持ってるのねぇ。口リコンじゃないかしら」

看護婦「それじゃ、またお昼に来るわ。そのお人形は大切にするのよ」


バタッ


メグ「水銀燈、もしかしてずっとそばに?」


メグ「・・・・・・今のうちに触れるところ触ろ」

メイメイ「(えー)」

90: 2009/01/07(水) 04:05:27.70 ID:jYAng0Gd0

メグ「・・・ふぅ。 水銀燈起きて、朝よ」

銀「うーん・・・ムニャ」

メグ「ねぇ水銀燈、起きて」

銀「メグぅ、ごめん・・・ね・・・ムニャムニャ」



メグ「ジュルリ」

91: 2009/01/07(水) 04:09:26.93 ID:jYAng0Gd0

メグ「・・・ふぅ。水銀燈起きて、そろそろ本気出すわよ」

銀「ハッ、何か寒気が・・・って、メグいつの間に!!?」

メグ「私もさっき起きたところ」

銀「あのねメグ、あの時はそ、そそその」

メグ「許さん」

銀「嫌ぁっぁああああ!!」

92: 2009/01/07(水) 04:11:57.22 ID:jYAng0Gd0
メグ「冗談よ。 ごめんね水銀燈、いままで迷惑かけて」

銀「べ、別にいいわよ」

メグ「うふふ。看護婦さんにも迷惑かけてたし、これからは優しくしなくちゃ」

銀「何よ、その変わりよう」

メグ「水銀燈のおかげよ。あなたのおかげで、一人ぼっちの怖さがよく分かったんだから」

銀「そう、それはよかったわぁ」

94: 2009/01/07(水) 04:15:39.59 ID:jYAng0Gd0

メグ「ねぇ、水銀燈」

銀「なによぉ」

メグ「あなたがいなかったら、私は氏んでた」

銀「そう」

メグ「あなたがいたから、私は生きてる」

銀「・・・そう」

メグ「あなたがいるから、私は幸せ」

銀「・・・あ、ありがと」

96: 2009/01/07(水) 04:16:56.18 ID:jYAng0Gd0
さらに後日

ブラックジャックの家にて


銀「お邪魔するわ」

BJ「お前さんか。何か用かい?」

銀「えぇ、この前のことでね」

97: 2009/01/07(水) 04:21:37.24 ID:jYAng0Gd0
銀「あの日からいろいろ変わったのよ。看護婦さんにお礼を言ったり、素直に謝ったり」

銀「そしたらね、みんな大泣したり鼻血流したりで大騒ぎ」

BJ「そりゃまた」

ピノコ「いくやなんでも変わりすぎなのよさ」



銀「それとね、パパのお墓は純金製にする!って言って聞かないのよ」

ピノコ「ちゅごい、素敵!」

BJ「私なら落ち着いて寝られんよ・・・」

98: 2009/01/07(水) 04:24:13.67 ID:jYAng0Gd0
BJ「ところでさっきから気になってたんだが、お前さんの後ろにある袋はなんだい?」

銀「あ、あぁ、これぇ?」

ピノコ「気になゆのー!」

銀「分かったわよ! ・・・まずはこれね」

BJ「ん、五千万円の小切手?」

銀「えぇ、メグが持っていけって言うから」

99: 2009/01/07(水) 04:27:26.69 ID:jYAng0Gd0
BJ「・・・料金はいらないと言ったはずだがね」

銀「あらそぉ? じゃぁこれは返してもらうわよ」

ピノコ「なんかむかちくのよさ」

銀「それで、これなんだけどぉ・・・」


ゴソゴソ


ピノコ「ワー!!」

102: 2009/01/07(水) 04:31:28.58 ID:jYAng0Gd0

銀「き、気に入るか分からないけど一応持ってきたわ。いらないなら」

ピノコ「すごくおっきなクンクン人形なのよー! これくれゆの?」

銀「・・・ふん、好きにしていいわよ」

ピノコ「ワーイありがと!」



BJ「アレって抽選で一名限定の品だろ?いいのかい」

銀「言ったでしょ、好きにしなさいって」

BJ「ピノコも気に入ってるようだし、ありがたく受け取らせてもらうよ」

103: 2009/01/07(水) 04:35:03.28 ID:jYAng0Gd0

「そろそろおかえりでごんす」


BJ「送っていかなくても大丈夫か?」

水銀燈「別にいいわよ。 それじゃ、また会いましょ」

ピノコ「お姉ちゃんまたくゆのよー!」


104: 2009/01/07(水) 04:38:26.33 ID:jYAng0Gd0


BJ「ふぅ、いろいろと忙しかったよ」

ピノコ「でもふちぎなのよ。 手術ちただけで性格までかわゆなんて」

BJ「自分の命の重さってのは、大切な人から教えて貰わなければ理解できない。 だから人間は一人で生きていけないんだ」


BJ「あのメグって子は幸せ者だよ」



end

106: 2009/01/07(水) 04:41:46.06 ID:jYAng0Gd0
とりあえず、全体的にセリフが臭かったから反省している

これで終わりだけど、質問とか疑問点とかあったら受け付ける

107: 2009/01/07(水) 04:49:28.46 ID:jYAng0Gd0
誰もいないと判断
これより就寝

読んでくれてありがと

108: 2009/01/07(水) 04:54:29.01 ID:5yd9fW3K0
乙!

引用: 水銀燈「ブラックジャック…見つからないわあ…」