3: 2012/04/15(日) 17:44:42.38 ID:6kto92LIO
ミジュマルの中の人
4: 2012/04/15(日) 17:55:15.15 ID:8M0LR/1jO
みゆき「あかねちゃん、あかねちゃああん!!」
あかね「? なんや、みゆき。大声出して……」
みゆき「ポケモンを貰いに行こうよ~」
あかね「ポケモン?」
みゆき「うん! やよいちゃんとなおちゃんとれいかちゃんはもう貰ったみたいだよー」
あかね「そういやもうそんな年やなあ」
みゆき「遅すぎるくらい」
あかね「よっしゃ! ほんならウチらも早速貰いに行こかー!」
みゆき「わーい!」
5: 2012/04/15(日) 18:00:46.59 ID:8M0LR/1jO
《オダマキ研究所》
みゆき「ごめんくださーい!」
あかね「すんませーん!」
………………。
みゆき「いないのかなあ、オダマキ博士……」
あかね「お、鍵かけてない」
あかねがドアノブを回す。
みゆき「あかねちゃん!?」
あかね「平気平気。もしかしたら何かあったかもしれへんやろ?」
みゆき「えぇー」
6: 2012/04/15(日) 18:04:46.63 ID:8M0LR/1jO
???「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
みゆき・あかね「!?」
みゆき「な、なに?」
???「助けてくれえー!!」
研究所の中は散らかっていた。中年男性と一匹のポケモンが鬼ごっこを繰り広げていたのだ。
みゆき「楽しそお~う!!」キラキラ
あかね「って、どこがや! 襲われてんねん!!」
みゆき「えぇ!?」
9: 2012/04/15(日) 18:11:34.06 ID:8M0LR/1jO
男性「君達は!?」
あかね「待っててな、おっちゃん! ウチらが助けたる!」
みゆき「ウチら……? 私も入ってるのぉ!?」
あかね「当たり前や!」
みゆき「た、助けたいのは川々だけど相手はポケモンだよ?」
あかね「うっ……」
ポチエナ「がううっ!!」
男性「ひええ!?」
男性が部屋の隅に追い詰められた。
あかね(アカン!)
12: 2012/04/15(日) 18:15:16.50 ID:8M0LR/1jO
あかねは走り、男性を助けに行く。
あかね「とりゃあー!!」
それに気付いたポチエナはあかねに飛び掛かった。
ポチエナ「がううっ!!」
あかね「……っ!!」
男性「いかん!」
みゆき「あかねちゃん!!」
13: 2012/04/15(日) 18:19:45.18 ID:8M0LR/1jO
ポチエナ「がううっ!!」
あかね(駄目や、避けれん……!)
ドガアッ、鈍い音が部屋に響いた。
みゆき「あかねちゃああああん!!」
みゆきは床に転がっているあかねに駆け寄る。
みゆき「あかねちゃんっ!!」
あかね「ううん……?」
みゆき「……ってあれ?」
特にあかねに外傷はない。
あかね「はれ? ウチ、無事……?」
みゆき「よ、よかったぁ……」
14: 2012/04/15(日) 18:24:23.19 ID:8M0LR/1jO
あかね「でも何でウチは無傷なんや……、って」
???「ちゃー!」
あかねの傍にポケモンがいた。
あかね「このポケモンは……?」
男性「! アチャモだ!」
あかね「へっ?」
男性「部屋にあったモンスターボールから飛び出したみたいだ!」
あかね「アチャモ……」
アチャモ「ちゃあ!」
ポチエナ「……っ」
見るとポチエナの腹に傷がある。アチャモが攻撃したのだろう。
あかね「もしかしてウチを守ってくれたんか?」
アチャモ「ちゃ!」コクリ
16: 2012/04/15(日) 18:29:47.98 ID:8M0LR/1jO
あかね「そうか。おおきにな、アチャモ」
アチャモ「ちゃも」
男性「君! そのアチャモでポチエナと戦うんだ!」
あかね「!」
男性「なんだかよく分からないが、アチャモが自分の意思で飛び出したのはそういうことなんだろう!」
あかね「そ、そうなんか? アチャモ」
アチャモ「ちゃも!」コクリ
あかね「……よし! それなら、行くでアチャモ!」
アチャモ「ちゃもおお!」
ポチエナ「!」
17: 2012/04/15(日) 18:35:50.50 ID:8M0LR/1jO
みゆき「いっけー! あかねちゃん!」
あかね「ひのこやぁー!!」
アチャモ「ちゃあもおおー!!」
ポチエナ「きゃうう!?」
アチャモが吐き出した火の玉によりポチエナの尻尾が燃えだした。
ポチエナ「きゃんきゃんっ」
部屋の窓を割って、ポチエナは研究所から逃げるように去っていった。
あかね「ほっ……。逃げてくれたわ」
みゆき「怖かったね……」
18: 2012/04/15(日) 18:41:43.66 ID:8M0LR/1jO
男性「いやー助かったよ。ポチエナを追い払ってくれてありがとう」
あかね「構いませんってー。当然のことをしたまでですぅー!」エヘン
アチャモ「ちゃもー!」エヘン
みゆき「それよりどうしてあんなことに……?」
男性「ううむ。道を歩いていたらあのポチエナのテリトリーに入ってしまってね。研究所に逃げ帰ったんだがしつこくついてこられてしまったのさ」
あかね「ていうかおっちゃん誰や?」
男性「おお、すまない。名乗るのが遅れてしまった」
オダマキ「私はオダマキ。ここでポケモンの研究をしている科学者だ」
20: 2012/04/15(日) 18:44:03.91 ID:8M0LR/1jO
みゆき「私はみゆきです!」
あかね「ウチはあかね!」
オダマキ「みゆきちゃんにあかねちゃんだな。ところで、君達は何の用でここに?」
みゆき「あっ」
あかね「そうやった!」
オダマキ「?」
22: 2012/04/15(日) 18:48:45.06 ID:8M0LR/1jO
――――――
オダマキ「そうか、君達もポケモンを貰いに来たのか」
みゆき「はい!」
あかね「オダマキ博士ならポケモンをくれるって聞いたんでー」
オダマキ「……ふうむ。しかし困ったなあ」
みゆき・あかね「?」
オダマキ「実は初心者トレーナーにあげるポケモンはそのアチャモしか残っていないんだ」
みゆき・あかね「ええええええええええええええええええ!?」
アチャモ「ちゃも?」
23: 2012/04/15(日) 18:52:42.08 ID:8M0LR/1jO
あかね「……ってことは」
オダマキ「ううむ。どちらか一人にしかあげられないな」
みゆき「そんな……」
みゆき・あかね「…………」
あかね「みゆき! みゆきがアチャモ貰いや!」
みゆき「ううん! 私はいいよ! あかねちゃんが貰って!!」
あかね「……」
みゆき「……」
アチャモ「ちゃもぅ」
24: 2012/04/15(日) 18:57:12.45 ID:8M0LR/1jO
みゆき「……オダマキ博士、どうにかならないんですか?」
オダマキ「ううむ……」
あかね「お願いや! ウチら二人でポケモンを貰いたいねん!」
オダマキ「うむむぅ……」
みゆき・あかね「このとおりですっ!」
みゆきとあかねはオダマキの前で手を合わせる。
オダマキ「……うむむむ。まあ他のポケモンでいいならいいが」
みゆき・あかね「本当ですか!?」キラキラ
26: 2012/04/15(日) 19:03:40.58 ID:8M0LR/1jO
オダマキ「うむう……。よし、そのポケモンをあげよう!」
みゆき・あかね「やったー!!」
オダマキ「それでアチャモを貰うのはどちらにする?」
あかね「それは……」
みゆき「あかねちゃんだよね!」
あかね「へっ? なんで?」
みゆき「だってアチャモはあかねちゃんに合ってるよ?」
オダマキ「うむ。先のバトルで懐いたようだしな」
アチャモ「ちゃー」
アチャモがあかねの足にくっつく。
あかね「そ、そんならウチが貰っとこうかな?」
アチャモ「ちゃも!」
27: 2012/04/15(日) 19:08:28.10 ID:8M0LR/1jO
オダマキ「ではみゆきちゃんにはこのポケモンを」
オダマキがみゆきにモンスターボールを手渡す。
みゆき「どんなポケモンだろ~?」ワクワク
オダマキ「スイッチを押してみたまえ。ボールの中からポケモンが姿を現すぞ!」
みゆき「よっし!」
『キラキラ輝く 未来の光!』
みゆき「いっけえ! モンスターボール!!」
ボム!! ボールが開かれ、中からポケモンが飛び出した。
???「んみゅー!」
34: 2012/04/15(日) 19:16:46.82 ID:8M0LR/1jO
みゆき「この子は?」
オダマキ「いもむしポケモン・ケムッソ! 研究中だったが、君にあげよう」
ケムッソ「んみゅんみゅう」
ケムッソはみゆきの足に上り、今度は肩へと上っていく。
みゆき「あはは、くすぐったいくすぐったいよお~」
あかね「なんや、可愛いポケモンやん。初心者トレーナー用のポケモンじゃないのは何でなんですか?」
オダマキ「いやあ……扱いは簡単なんだが」
ケムッソ「んみゅー!」
みゆき「ふえっ!?」
みゆきの視界が真っ白に染まる。ケムッソに糸を吐かれたのだ。
みゆき「な、なにこれ……?」
ケムッソ「んみゅんみゅ!」ケラケラ
オダマキ「……懐いた相手に糸を吐いてしまう」
あかね「あれら……」
40: 2012/04/15(日) 19:56:26.27 ID:8M0LR/1jO
みゆき「うう、はぷ……」フキフキ
あかね「大丈夫か?」
みゆき「でもこれで二人ともポケモンゲットでウルトラハッピー!」
あかね「せやな」
オダマキ「そうだ、君達。君達はポケモンを手に入れたわけだがこれからどうするつもりなんだい?」
あかね「どうするって……みゆき?」
みゆき「およ?」
あかね「みゆきがポケモン貰うって言い出したんやろーが!!」
みゆき「ええ~!!」
41: 2012/04/15(日) 20:02:21.22 ID:8M0LR/1jO
みゆき「私はみんなが貰ったんだし、私もポケモンが欲しいなーって!」
あかね「……」
みゆき「だ、だからね? 特に何も決めてない……」
あかね「……はぁ」
みゆき「……」
あかね「まあなんや、ウチもみゆきに流されただけやし。みゆきのことを責められへんな」
オダマキ「……ということはこれから何をするか決まっていないんだね?」
みゆき「はい」
オダマキ「では旅をしてみたらどうだろう?」
あかね「旅ぃ?」
42: 2012/04/15(日) 20:09:51.49 ID:8M0LR/1jO
オダマキ「ポケモンを連れてホウエン地方を冒険するのさ!」
みゆき「冒険……!」
オダマキ「この町を出ればたくさんのポケモンがいる! 君達が見たことのないようなポケモン達がね! 旅はいいぞ、ポケモン以外にもホウエンは自然が豊かだし色んな施設があるからね!」
みゆき「おお……!」
オダマキ「さあ君達も、ポケモンとともに冒険へレッツゴー!」
みゆき「レッツゴー!!」
45: 2012/04/15(日) 20:20:58.25 ID:8M0LR/1jO
みゆき「旅かぁ。可愛いポケモンをたくさん触りたいなあ~」
みゆき「ね、いいでしょ? あかねちゃん!」
あかね「うーん。まあ確かにポケモンを手にしたら冒険するんが当然やしな」
あかね「ポケモンジムゆう所にも挑戦してみたいし……よっしゃ! いっちょ、やったろかぁ!!」
みゆき「やった~!!」
オダマキ「うむ、それなら私も出来るかぎり手助けをするよ。まずこれをあげよう」
オダマキがみゆき達に手渡したのは四角い機械だ。
あかね「なんやこれ?」
オダマキ「ポケモン図鑑。ポケモンの情報を読み取ってくれるハイテクな機械さ」
46: 2012/04/15(日) 20:25:45.83 ID:8M0LR/1jO
あかね「いいんですか? そないなもん……」
オダマキ「私が持っていても記録できるポケモンの種類は限られてくるし、宝の持ち腐れだ。それなら旅をする君達に渡した方がいいだろう?」
あかね「なんやよう分からんけども」
みゆき「有り難く貰っておきます!」
オダマキ「それと空のモンスターボールを持っていきなさい。これを使えば野生のポケモンを捕まえられる」
みゆき「ありがとうございます!」
オダマキ「では冒険の方頑張ってくれ」
みゆき・あかね「はい!」
オダマキ「ベストウィッシュ! よい旅を!」
50: 2012/04/15(日) 20:33:48.49 ID:8M0LR/1jO
《トウカシティ》
あかね「トウカシティやー!」
みゆき「ずいぶんと張り切ってるね」
あかね「当然や! コトキタウンで聞いた話によるとこん町にはポケモンジムがあるんやからな!」
みゆき「ポケモンジムって?」
あかね「トレーナーが己の実力を試すために挑戦できる施設や! ジムにはジムリーダーっちゅうのがおって、そいつに勝ったらジムバッジを貰えるんやー!」
みゆき「へえ~!」
あかね「テレビでポケモンバトルを見て、いつかウチも熱いバトルを出来たらええな~って思っとったんや!」
52: 2012/04/15(日) 20:41:28.38 ID:8M0LR/1jO
《トウカジム前》
あかね「ここやな!」
みゆき「すごーい。立派な建物だね!」
ポケモンジムの入口には看板が立っている。
あかね「ふむふむ……」
看板『トウカジムリーダー・センリ。強さを追い求める男。ノーマルタイプの使い手』
あかね(ノーマルタイプかぁ! ウチの尊敬するトレーナーも同じタイプのエキスパートや!)
みゆき「あかねちゃん、あかねちゃん」
あかね(楽しみやなあ。もしかしたらあのポケモンを使ってくるかもしれへん。一度でいいから見たかったんや、あのポケモン……)
みゆき「あかねちゃん?」
56: 2012/04/15(日) 20:50:06.79 ID:8M0LR/1jO
あかね「うおっしゃ~!! やってやるで~!!」
みゆき「ちょ、ちょっとあかねちゃーん!」
あかね「なんやねん、さっきから。人がせっかくいい気分で……」
みゆき「その、言いにくいんだけど」
あかね「なんや?」
みゆきはジムの入口のドアにある貼り紙を指差している。あかねはそれに目をやる。
貼り紙『※注意!※ トウカジムに挑戦するにはジムバッジを四つ必要です!』
あかね「な……な……」
みゆき「あはは……」
あかね「なんやてええええええええええええええええええええええええええええええ!?」
58: 2012/04/15(日) 20:55:31.95 ID:8M0LR/1jO
一方その頃……。
《トウカのもり》
???「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
ツチニン「つっちつちー」
ケムッソ「けむけむー」
???「虫は無理いいいいいいいいいいいいいいいい!!」
ビードル「ぴー」
トランセル「いやんせるいやんせる」
???「ひゃあああっ!!」
62: 2012/04/15(日) 21:10:20.89 ID:8M0LR/1jO
???「はあっ、はあっ……」
???「まったく……虫ポケモンがこんなに出るなんて……僕の好きなポケモンはどこにいるんだろう?」
???「キノココ、トウカの森にいると聞いたんだけどなあ。当てが外れてしまったかなあ」
???「困ったなあ。走り回っていたら道にも迷ってしまったし、どうしたものかなあ。これではキノココどころじゃないよ。困ったもんだい大問題だよお」
おじさん「おじさん、弱っちゃったなあ……」
???「おいっ」
おじさん「……ぎくうっ!」
???「やっと見つけたぜぇ、ったく苦労かけさせんなよ」
おじさん「ひええ……」
64: 2012/04/15(日) 21:19:06.27 ID:8M0LR/1jO
《トウカのもり入口》
あかね「はあ……」
みゆき「まあまあ、あかねちゃん。元気出して。そんな顔してたらハッピーが逃げちゃうよ?」
あかね「はあ……」
みゆき「それでさ、私さっきトウカで聞いてきたんだ! このトウカの森を抜けた所にあるカナズミシティにはジムがあるって話を!」
あかね「みゆき……っ!」
みゆき「あかねちゃん!」
みゆきが両手を広げる。あかねはその胸に飛び込んだ。
あかね「みゆき! みゆきいいいい!!」
みゆき「あかねちゃんっ! あかねちゃああああん!!」
あかね「みゆきいいいいいい!!」
みゆき「あかねちゃああああああん!!」
キャッキャキャッキャ
じゅくがえり「なんだあいつら……」
あかね「はあ……」
みゆき「まあまあ、あかねちゃん。元気出して。そんな顔してたらハッピーが逃げちゃうよ?」
あかね「はあ……」
みゆき「それでさ、私さっきトウカで聞いてきたんだ! このトウカの森を抜けた所にあるカナズミシティにはジムがあるって話を!」
あかね「みゆき……っ!」
みゆき「あかねちゃん!」
みゆきが両手を広げる。あかねはその胸に飛び込んだ。
あかね「みゆき! みゆきいいいい!!」
みゆき「あかねちゃんっ! あかねちゃああああん!!」
あかね「みゆきいいいいいい!!」
みゆき「あかねちゃああああああん!!」
キャッキャキャッキャ
じゅくがえり「なんだあいつら……」
65: 2012/04/15(日) 21:24:15.94 ID:8M0LR/1jO
あかね「へー、こんな森があったんやなー」
みゆき「私達ミシロタウンを出たことないから、よく知らなかったー!」
あかね「ま、ウチはコガネシティゆうトコから引っ越してきたんやけどな!」
みゆき「コガネ弁だっけ?」
あかね「そうやー。あっちではこの喋り方が普通やねん!」
みゆき(私、コガネには行きたくないなあ)
あかね「せや、みゆき。いいコト思い付いたで」
みゆき「なに?」
71: 2012/04/15(日) 21:56:29.01 ID:8M0LR/1jO
ガサッ! あかねの近くの草むらが動いた。
あかね「早速来よったな!」
みゆき「へっ?」
『太陽サンサン! 熱血パワー!』
あかね「行くんや、アチャモ!」
アチャモ「ちゃもー!」
アチャモは草むらに向かって嘴を突いた。
???「きゃう!」
みゆき「な、なに!?」
あかね「野生のケムッソやな」
ケムッソ「きゅう~……」
みゆき「効果ばつぐんの技を受けてすっかり戦闘不能……。あかねちゃん! どうしてこんなひどいこと……!!」
あかね「まあ待ち」
みゆき「へっ?」
73: 2012/04/15(日) 22:05:55.73 ID:8M0LR/1jO
あかね「みゆき、ポケモンが強くなるにはバトルするしかないんや。バトルで経験を積む、これが強くなる一番の方法なんや」
みゆき「だからって、ポケモンが可哀相だよ……」
あかね「そうか?」
モゾモゾと戦闘不能になったはずのケムッソが動き出した。
みゆき「あっ……」
あかね「さすがは野生やな。戦闘不能になっても巣に帰る体力は十分にある」
あかね「みゆき、確かにポケモンを傷つけるのは可哀相かもしれへん。でもさっきアチャモが返り討ちにあってたらこっちが戦闘不能になってた」
あかね「ポケモンバトルは正々堂々の真剣勝負! 情けもヘチマも介さん、誇りと誇りのぶつけ合いなんや!!」
みゆき「あかねちゃん……」
75: 2012/04/15(日) 22:12:11.44 ID:8M0LR/1jO
あかね「みゆきもトレーナーなんや。トレーナーとしての誇り、持つんや」
みゆき「うん……。分かった! 私、トレーナーとしてバトルは本気の勝負をするよ!」
あかね「それでええ」
みゆき「……ところでいいコトって?」
あかね「せやった。さっきも言ったけどバトルで強くなるには経験を積むのが一番や。で、さっきウチがやってみせたように野生のポケモンと戦うんや!」
みゆき「なるほど! ジム挑戦に向けてバトルの練習もしておきたいしね!」
あかね「せや」
76: 2012/04/15(日) 22:16:55.28 ID:8M0LR/1jO
あかね「じゃ早速野生ポケモンを探して……」
「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!」」
あかね「! な、なんや!?」
みゆき「誰かの……悲鳴!?」
あかね「大変や! オダマキ博士みたいに誰かが野生のポケモンに襲われとるんかもしれん!!」
みゆき「悲鳴が聞こえる方へ進もう!」
あかね「ああ!」
78: 2012/04/15(日) 22:22:05.39 ID:8M0LR/1jO
――――
キャタピー「ぴー♪」
???「きゃあああああ!!」
みゆき「いた!」
あかね「大丈夫か!? ウチらが来たからには……、って」
???「虫、むしいいいいいいいいいい!!」
キャタピー「ぴーぴー」
みゆき「なおちゃん!?」 あかね「なお!?」
なお「へ……?」
みゆき・あかね「……」
なお「みゆきちゃん、あかね……」
あかね「なにしてんねん……」
79: 2012/04/15(日) 22:25:51.74 ID:8M0LR/1jO
なお「こ、これは、その……」
キャタピー「ぴーぴー」
なお「ひいっ!?」
みゆき「なおちゃんは虫が苦手なんだっけ?」
あかね「せやったな」
キャタピー「ぴーぴー♪」
なお「なんとかしてえっ!」
あかね「ウチにはさっぱりやなあ。虫ポケモンが苦手なんて」
みゆき「こんなに可愛いのにね。ほら、ケムッソ出てきて」
ケムッソ「んみゅうー」
なお「ふえっ!?」
82: 2012/04/15(日) 22:30:31.26 ID:8M0LR/1jO
なお「な、なんで虫ポケモンなんて持ってるのぉ!?」
みゆき「ほらっ、なおちゃん怖くないよ」
ケムッソ「んみゅう♪」ピトッ
なお「いやあああー!!」
あかね「あっ、駄目や! ケムッソは……」
ケムッソ「んみゅっ」
なお「あふっ!?」
ケムッソのいとをはくだ。
みゆき「あ……」
あかね「遅かった……」
83: 2012/04/15(日) 22:33:57.65 ID:8M0LR/1jO
――――
なお「ううっ、うぅ……」グスグス
みゆき「ご、ごめんねなおちゃん」
あかね「こりゃ立ち直るには半年はかかるわ……」
みゆき「どうしよう」
あかね「ちゅーか、なんでなおがこないなところにおんねん」
みゆき「さあ……」
なお「うう、うえっ……」
ケムッソ「んみゅんみゅ」ポンポン
84: 2012/04/15(日) 22:38:03.52 ID:8M0LR/1jO
あかね「はよ先に進みたいねんけど……、ん?」
キノココ「ここ、ここ!」
大慌てで走ってくるキノココ。
あかね「なんや?」
???「おお、いたよお。こんなところにキノココ!」
あかね「だ、誰や自分!?」
おじさん「おじさんはおじさんさあ!」
あかね「は?」
86: 2012/04/15(日) 22:41:06.50 ID:8M0LR/1jO
おじさん「君のおかげでキノココを見つけることが出来たよお! 感謝感激雨あられ! お礼にスーパーボールあげちゃおう!」
あかね「あ、おおきに。いやウチなんもしてへんけども」
みゆき「どしたの、あかねちゃん。……って誰? このおじさん」
あかね「わからん」
88: 2012/04/15(日) 22:44:25.76 ID:8M0LR/1jO
おじさん「おじさんはおじさんさあ! そうだ、君にも何かの記念にスーパーボールあげちゃおう!」
みゆき「あ、ありがとうございます」
あかね「なんの記念やねん」
おじさん「さてと、キノココも見れたし、おじさんは帰らせてもらおうかな……」
???「ちょっと待てよ」
おじさん「……ぎくうっ!」
みゆき「へっ?」
あかね「次から次へとなんや!」
89: 2012/04/15(日) 22:49:07.26 ID:8M0LR/1jO
???「さっきからチョコマカチョコマカと逃げやがって、面倒な野郎だ。もう鬼ごっこは終わりだァ!!」
おじさん「ひええ……!」
あかね「おじさん! 誰やねん、あの怖そうな……ひ、人?」
???「あ? 俺が怖そうだって? そりゃそうだろ。何てったって俺は……」
みゆき「オオカミさんだ!!」
???「あぁ?」
みゆき「すごい! オオカミさんが立って喋ってる!?」
91: 2012/04/15(日) 22:53:31.92 ID:8M0LR/1jO
???「オオカミさんだぁ? なんだその可愛い感じは……」
ウルフルン「俺様にはウルフルンっていう、ちょ~カッコイイ名前があるんだよぉおお!!」
あかね「な、全然意味がわかれへん」
おじさん「あのオオカミさんが僕の体を狙っているんだよお!」
あかね「なんやて!?」
みゆき「! あなた、悪いオオカミさんなのね……!」
ウルフルン「体は狙ってねえ!」
93: 2012/04/15(日) 22:59:33.85 ID:8M0LR/1jO
ウルフルン「なんなんだ、テメエらは!」
あかね「自分こそ、何が目的やオオカミさん!」
ウルフルン「オオカミさんって呼ぶな!」
みゆき「このおじさんにひどいことをするなら、私達が許さない!」
おじさん「お願いだあ、君達! オオカミさんを追い払ってくれえ!」
あかね「任せときい! アチャモ!」
アチャモ「ちゃも!」
ウルフルン「ほう……俺とポケモンバトルをする気か? いいだろう、受けて立ってやる!」
97: 2012/04/15(日) 23:03:13.84 ID:8M0LR/1jO
ウルフルン「いでよ! グラエナァ!!」
グラエナ「がうううっ!!」
みゆき「グラエナ?」
みゆきはポケモン図鑑を開く。
みゆき「あかねちゃん! グラエナはポチエナの進化形だって!」
あかね「ポチエナか。ほんなら任せときい! 研究所でやったみたいにやればええんやろ?」
ウルフルン「ウルッフフフフ……そう簡単に行くかな?」
100: 2012/04/15(日) 23:07:49.62 ID:8M0LR/1jO
あかね「こっちから行くでー! アチャモ、つつくんやー!!」
アチャモ「ちゃー!」
アチャモはグラエナへと驀進する。
グラエナ「がうっ」
アチャモはすでにグラエナの目の前まで迫っている。しかしグラエナは余裕の表情だ。
あかね「……?」
ウルフルン「そうむやみやたらと突っ込んでくるもんじゃねえぜ。格の違いを見せてやりなァ、グラエナ!!」
グラエナ「わおーん!!」
グラエナが遠吠えをする。そして次の瞬間、アチャモの視界からグラエナが消えた。
101: 2012/04/15(日) 23:12:05.51 ID:8M0LR/1jO
アチャモ「ちゃもっ?」
あかね「どこにいったんや!?」
ガサッ、アチャモの近くの草むらが揺れた。
グラエナ「がううっ!!」
草むらからグラエナが飛び出した!
あかね「な……!?」
ウルフルン「ふいうちだァ!!」
不意の攻撃に何も出来ずにアチャモは戦闘不能になった。
アチャモ「あちゃ……」
あかね「アチャモぉおおおお!!」
103: 2012/04/15(日) 23:15:50.39 ID:8M0LR/1jO
アチャモ「ちゃあ……」
あかね「アカン! 完全に戦闘不能や……!!」
ウルフルン「ハンッ、口ほどにもねえ奴だぜ」
グラエナ「がうっ」
ウルフルン「マグマ団幹部のこの俺様にテメエみたいな奴が敵うはずもねえがなあ!」
あかね「……ッ」
みゆき「あかねちゃん!」
ケムッソ「んみゅう~!」
105: 2012/04/15(日) 23:20:01.73 ID:8M0LR/1jO
みゆき「あかねちゃん、大丈夫!?」
あかね「ごめん、負けてもうた……」
みゆき「あかねちゃん……」
あかね「みゆき、後は頼む! あいつを倒してくれ!!」
みゆき「……うん!」
おじさん「うわああっ!!」
みゆき「っ!」
ウルフルン「さぁてと、邪魔者は消えた。今度こそ鬼ごっこはおしまいだ」
おじさん「あわわわ……」
106: 2012/04/15(日) 23:23:30.50 ID:8M0LR/1jO
みゆき「待って! まだ私が……」
ウルフルン「あぁん? やめとけやめとけ。そんなケムッソじゃ俺には勝てねえ、分かってんだろ?」
みゆき「……そんなことっ」
ケムッソ「んみゅうっ!」ダッ
ウルフルン「チッ、すなかけだグラエナ!」
グラエナ「がううっ!」バシャアッ
ケムッソ「んみゅうー!?」
みゆき「ケムッソ!!」
107: 2012/04/15(日) 23:28:34.95 ID:8M0LR/1jO
ウルフルン「ウルッフフフフ……下らねえ」
みゆき「何が……」
ウルフルン「所詮は虫けら! そんなポケモンが俺のグラエナを倒せるわけないだろうが!!」
ケムッソ「んみゅぅ……」
ウルフルン「どんなに努力しようと、どんなに踏ん張ろうと、この差は覆らねえ! 虫けらは虫けららしく地面にはいつくばってなァ!!」
109: 2012/04/15(日) 23:39:15.81 ID:8M0LR/1jO
おじさん「あわわわ……」
ウルフルン「! ウルッフフフフ、いいことを思い付いた」
ウルフルンは近くの草むらにかくれていたキノココを掴んで引きずり出した。
キノココ「ここー!?」
おじさん「キノココお~!」
みゆき「何をする気!?」
ウルフルン「なーに、単なるみせしめだ」
ウルフルン「俺に逆らったらどうなるかを、こいつに分からせてやるためのなァァァァ!!」
キノココ「ここ、ここ……!」
おじさん「ひいいいっ!!」
112: 2012/04/15(日) 23:44:22.50 ID:8M0LR/1jO
ウルフルン「好きなポケモンが無惨なやられ方をするのをその目に焼き付けろォ!!」
ウルフルンがキノココを地面にたたきつけた。
おじさん「キノココー!!」
ウルフルン「ウルッフフフフ……これが弱肉強食の世界……」
キノココ「ここ……?」キョトン
ウルフルン「なに!? 無事だと!」
みゆき「間に合ったみたい。ケムッソのいとをはくが」
ケムッソ「んみゅ~!」
キノココが地面にたたきつけられる直前にケムッソが糸を吐き、糸がクッション代わりになったのだ。
113: 2012/04/15(日) 23:49:04.81 ID:8M0LR/1jO
ウルフルン「テメエ……!!」
みゆき「あなた間違ってるよ!」
ウルフルン「なに……っ!」
みゆき「あなた、トレーナーでしょ? あかねちゃんが言ってた……トレーナーは誇りをかけてバトルをするんだって」
あかね「みゆき……」
ウルフルン「誇り、だと……?」
みゆき「ポケモンバトルは真剣勝負! 関係ないポケモンに危害を加えるなんて、そんなのトレーナーのやることじゃない!」
115: 2012/04/15(日) 23:53:48.12 ID:8M0LR/1jO
みゆき「あなたに誇りはないの!?」
ウルフルン「ウルッフフフフ……誇りだと? んなもん、とうにレンガの家ごと吹き飛ばしたぜ!」
あかね(アカン! こいつに何を言うても無駄や!)
ウルフルン「ポケモンバトルは真剣勝負だぁ? 笑わせるぜ」
みゆき「あかねちゃんのバトルへの真剣な気持ちを笑わないで!」
ウルフルン「ウルッフフフフ……分かったぜ。してやるよ真剣勝負……だが、」
ウルフルン「そっちの方面でももちろん負けねえがなぁ!!」
グラエナ「がううっ!」
116: 2012/04/15(日) 23:58:13.25 ID:8M0LR/1jO
グラエナがケムッソに突進を仕掛ける。
みゆき「ケムッソ、逃げて!」
ケムッソ「んみゅうー!」タタッ
ウルフルン「! チッ、チョコマカと……。グラエナ、回り込めえっ!」
グラエナ「がううっ!」
グラエナは跳躍して、ケムッソの目の前に飛び込んだ。
ケムッソ「んみゅう!?」
みゆき「怯まないで、たいあたり!」
ウルフルン「馬鹿が! ふいうちだ!!」
119: 2012/04/16(月) 00:01:54.35 ID:QeAl2oYqO
グラエナ「がううっ!」
ケムッソ「!」
グラエナはケムッソより早く攻撃を繰り出す。
あかね「あの攻撃を食らったらまずいで!」
ウルフルン「呆気なかったなぁ、虫けらァ!!」
みゆき「……この瞬間を待ってた!」
ケムッソ「んみゅう!」
ブシュウウッ!! グラエナの体が白い糸で拘束される。
グラエナ「がう!?」
ウルフルン「なにいっ!!」
122: 2012/04/16(月) 00:06:55.05 ID:QeAl2oYqO
みゆき「トドメのどくばり!」
ケムッソ「んみゅー!」
グラエナ「がううっ!?」
無数の毒針を腹に打ち込まれ、グラエナは力尽きた。
ウルフルン「馬鹿な……!」
あかね「やったで、みゆき!」
ウルフルン(ふいうちは相手が攻撃をしてきた時にのみ成功する技……そこをついて糸を吐いてきたのか?)
ウルフルン(いや、違え……。こいつは見るからに初心者だ、今のはまぐれか……)
ウルフルン「チッ、今回のところは勘弁してやるぜ! 覚えてろ!!」
123: 2012/04/16(月) 00:10:59.28 ID:QeAl2oYqO
あかね「逃げよった……」
みゆき「ふわぁ~、よかった勝てたぁ~……」ガク
あかね「いやホンマすごかったで、みゆき!」
おじさん「うんうん! 君達、すごいよ! ありがとう、オオカミさんを追い払ってくれて! お礼にスーパーボールあげちゃおう!!」
みゆき「ありがとうございます……」
あかね(何個持ってんねん)
125: 2012/04/16(月) 00:14:11.37 ID:QeAl2oYqO
おじさん「じゃ、僕はこれで! 君達カナズミに行くならぜひ僕が働いてる会社に来なよ! じゃあね!!」タタッ
あかね「こっちも嵐のように去って行きおった……」
みゆき「会社……?」
あかね「って、すっかり忘れてた! なおの奴はどこに……」
なお「うえうっ、えぅ……」グスグス
あかね「まだやってたんかーい!!」
127: 2012/04/16(月) 00:16:37.72 ID:QeAl2oYqO
もうダメだ、限界だ ハッピーと寝てきます
続きは土日にまた立てるかもしれません 念のため酉も
ではお休みなさい
続きは土日にまた立てるかもしれません 念のため酉も
ではお休みなさい
128: 2012/04/16(月) 00:17:57.92 ID:I9S4XTUx0
乙
続き読めるなら安心して寝れる
続き読めるなら安心して寝れる
引用: みゆき「ポケモン?」
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