1:◆LdwoZV0cqc 2018/01/06(土) 20:18:52.49 ID:Utk7Pu6Z0
アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。
脇山珠美と乙倉悠貴が主役です。依田芳乃と浜口あやめも出ます。他にも色々出てきます。



2: 2018/01/06(土) 20:21:07.31 ID:Utk7Pu6Z0
悠貴「う~ん……」

珠美「悠貴ちゃん、どうしましたか?」

悠貴「珠美さん、こんにちはっ!それが、事務所の机にこんなものが置かれていて……」

珠美「これは……ランプですかね?アラジンに出てくるような」

悠貴「私もそう思いましたっ!こうやってこすると、魔人が出てきそうですねっ」サスサス

魔人「やあ」

珠美・悠貴「!!!??」

魔人「我を目覚めさせたのはお前たちか」

珠美「あっ、はい」

魔人「我は魔人だ。お前たちの願いを3つ叶えよう」

悠貴「ほ、本当に魔人さんが出てきちゃった……」

3: 2018/01/06(土) 20:23:33.46 ID:Utk7Pu6Z0
珠美「ええっと、魔人殿。本当に願いを3つも叶えてくださるのですか?」

魔人「うむ。どんな願いでも叶えよう」

珠美「ならば……珠美の身長を大きくしてください!」

悠貴「あっ、珠美さんずるいっ!だったら、私は背を小さくしてほしいですっ!」

魔人「ふむ、願いを叶えよう。ムンッ!」ボワワワン

珠美「ひゃわっ!?」

悠貴「悠貴ちゃん、大丈夫で……あれ……?」

珠美「えっ、何で私が目の前に……」

悠貴「こ、これって、もしかして……」

珠美「私たち……」

珠美・悠貴「入れ替わってる~~~!!?」キミノゼンゼンゼンセカラボクハー

4: 2018/01/06(土) 20:25:35.38 ID:Utk7Pu6Z0
珠美「魔人さんっ!どういうことですかっ!!」

魔人「お前たちの身長を大きくしたい、小さくしたいという願いを叶えたのだ」

悠貴「確かに叶ってはいますが……その、こうじゃなくて!」

魔人「しかし、突然身長が変わってしまえば周りにも迷惑がかかるだろう?」

悠貴「た、確かにそうかもしれませんが……」

魔人「それに、入れ替えれば2つの願いを1回で叶えられるし」

珠美「人の願いを叶える場面で楽をしないでくださいっ!」

悠貴「しかし、どうしましょうか……珠美はこれからあやめ殿とお仕事があるんです」

珠美「私も今日は芳乃さんとレッスンが……こうなったら、3つ目の願いで戻してもらうしかっ!」

魔人「……その願いは、叶えることができない」

5: 2018/01/06(土) 20:30:48.52 ID:Utk7Pu6Z0
珠美「えっ……もしかして、もう元には戻れないんですかっ!?」

魔人「いや、本当はできるけども、ちょっとね」

悠貴「ならばどうして叶えられないんですか!」

魔人「その……我、ランプから出てこれたの久々で、願い叶えるの結構楽しみにしてて……」

珠美「ま、魔人さん?」

魔人「だから、願いを叶えたのに喜んでもらえないのは辛くて……」

悠貴「えっと……元気出してください!きっといい事ありますよ!」

魔人「入れ替える形にしたのはすまなかった……しかし、それでも一応願いは叶っているだろう?」

魔人「折角だから、一日くらいそのまま過ごして楽しんでほしい……!頼む……!」

珠美「何だか、かわいそうになっちゃいますね……珠美さん、どうします?」

悠貴「願いを叶えてもらった御恩もありますし……仕方ありません、今日は入れ替わったままで過ごしましょう!」

魔人「おお、ありがとう!では、一日過ごして、その後またここで3つ目の願いを聞かせてくれ」

珠美「分かりましたっ!……私、ちょっとワクワクしてきちゃいましたっ!」

悠貴「不安もありますが、確かに楽しみです!それでは、悠貴ちゃん……いえ、珠美さん!今日は頼みます!」

珠美「はいっ!えっと……頑張ってください、悠貴ちゃんっ!」

6: 2018/01/06(土) 20:32:49.39 ID:Utk7Pu6Z0
~某スタジオ~

カメラマン「珠美ちゃん、もう少し動きを大きくしてもらえるかな~」

珠美「こんな感じですかっ?」

カメラマン「オーケー!よし、一旦休憩しようか~」

珠美「ありがとうございましたっ!」

珠美(今日の仕事は撮影のみだから、入れ替わってても何とかなりそうですねっ)

あやめ「珠美殿、お疲れ様です!」

珠美「お疲れ様です、あやめさ……じゃなくて、あやめ殿っ!」

あやめ「……?」

カメラマン「二人とも、お疲れ~。」

珠美・あやめ「お疲れ様です!」

7: 2018/01/06(土) 20:35:27.99 ID:Utk7Pu6Z0
カメラマン「いや~、君たち二人は撮ってて楽しいね!あやめちゃんは画面に入りきらない動きしてくれるし!」

あやめ「ありがとうございます!……って、これは喜んでいいのでしょうか?」

カメラマン「褒めてるつもりだよ~。そんで、珠美ちゃんはちっちゃいのに元気で撮ってて楽しいからね!」

珠美「えっ……ちっちゃい、ですか……?」

あやめ「もう、そのようなことを言うと、珠美殿が怒っちゃいますよ!」

カメラマン「ごめんごめん。でも、今日の珠美ちゃんは本当にいつにも増してちっちゃかわいい気がするよ!」

あやめ「あっ、また!」

珠美「……」

カメラマン「ハッハッハ、次は二人一緒での撮影だから、準備よろしくね~」

8: 2018/01/06(土) 20:38:03.90 ID:Utk7Pu6Z0
あやめ「全く、あの方は腕は確かなのですが、いつも適当な事を……珠美殿?」

珠美「……えへへっ」

あやめ「た、珠美殿……?どうしたのですか?」

珠美「その、今までちっちゃくてかわいいなんて言われたことが無いので、照れちゃって……」

あやめ「へ……?あの、失礼を承知で言いますが、珠美殿はそのように言われてしまうことがよくあるかと……」

珠美「あっ、そうでしたっ!……そうですね、よく言われちゃいますよね……えへへっ」

あやめ「うーん、何だか今日の珠美殿はいつもと調子が違うような……」

カメラマン「そろそろ再開するよ~」

珠美「あっ、撮影が再開するみたいですっ!行きましょう、あやめ殿っ!」

あやめ「は、はあ……」

9: 2018/01/06(土) 20:40:33.23 ID:Utk7Pu6Z0
~レッスン室~

ベテトレ「乙倉、キレはいいが細かい所が粗いぞ!手足の指先まで意識する!」

悠貴「はい!」

ベテトレ「依田は動きが切り替わる所が流れてしまっている。もっとメリハリをつけるように!」

芳乃「はいー」

悠貴「……」ジー

悠貴(悠貴ちゃんって、トレーナーさんと同じくらい身長あるんですね……)

ベテトレ「ん、どうした乙倉?」

悠貴「あっ、いえ!大丈夫です!」

ベテトレ「そうか、それならいいが。それでは一旦休憩!」

悠貴・芳乃「ありがとうございました(ー)!」

10: 2018/01/06(土) 20:42:12.34 ID:Utk7Pu6Z0
悠貴「ふー……」

悠貴(今日は基礎レッスンで大体やったことがある内容なので、何とか乗り切れそうですね)

芳乃「悠貴ー、水でしてー」

悠貴「あっ、ありがとうございます、芳乃ど……芳乃さん!」

芳乃「……?しかしー、今日はトレーナーさんはいつも以上にご指導に熱が入っている気がしますなー」

悠貴「そうです、ね……」ジー

悠貴(悠貴ちゃんから見ると、芳乃殿が小さく見える……)

芳乃「ふむー?わたくしの顔に何かついてましてー?」

悠貴「……」ナデナデ

芳乃「ひゃっ!?悠貴、何故わたくしの頭を撫でてー……?」

悠貴「あっ、つい……えへへ」ナデナデ

芳乃「き、急に、どうしたのですかー……?」

ベテトレ「乙倉!依田!もう始めるぞ!」

悠貴「あっ、もう休憩時間終わってたみたいです!行きますよ!」

芳乃「は、はてー……?」

11: 2018/01/06(土) 20:43:40.52 ID:Utk7Pu6Z0
~翌日~

魔人「一日ぶり、だな。入れ替わって過ごすのはどうだったか?」

珠美「難しい事もあったけど、いつもと違って新鮮で、楽しかったですっ!」

悠貴「同じく、中々届かない憧れが現実になったのは、とても嬉しい事でした!」

魔人「ふむ、ならば良かった。……では、3つ目の願いを聞こう」

悠貴「はい。一日過ごしてみて、それを踏まえて決めました」

珠美「私たちの、3つ目の願いは――」

12: 2018/01/06(土) 20:44:53.21 ID:Utk7Pu6Z0
珠美・悠貴「体を、元に戻してくださいっ!!!」

魔人「……うむ、願いを叶えよう。ムンッ!」ボワワワン

珠美・悠貴「……」

悠貴「えっと……珠美さん、ですよねっ!」

珠美「はい!あなたは、悠貴ちゃんですね!」

悠貴「はいっ、乙倉悠貴ですっ!!」

珠美・悠貴「戻った~~~~!!!!」キャッキャッ

悠貴「魔人さんっ!私、乙倉悠貴ですかっ!!」

魔人「うむ」

珠美「あの、珠美は!珠美は、脇山珠美ですか!!」

魔人「うむ」

珠美・悠貴「やったあああああ~~~!!!!!」キャッキャッ

13: 2018/01/06(土) 20:47:01.38 ID:Utk7Pu6Z0
魔人「はしゃいでいる所すまないが、最後に一つだけ聞いていいだろうか」

珠美「あっ、はい!何でしょう?」

魔人「何故、元に戻ると言う願いを選んだのだろうか。入れ替わった体で過ごすのは楽しかったのだろう?」

悠貴「本当は、ちょっとだけ、戻りたくないなって思ったりもしましたっ」

珠美「珠美も、このままで過ごしてみたいという気持ちはありましたね」

魔人「では、何故だ?」

珠美「……やっぱり、違うんです。小さくても、脇山珠美が、強く、格好良くならないとダメだと……そう、思ったんです!」

悠貴「私も、同じ気持ちでしたっ。かわいいって思われたいのは、他の誰でもない私っ!乙倉悠貴なんですっ!」

魔人「成程、それを聞いて我が疑問も晴れた。……さて、我の役目は終わった。では、さらば―」

珠美「あっ、ちょっと待ってください!」

14: 2018/01/06(土) 20:50:02.63 ID:Utk7Pu6Z0
魔人「何だ?」

珠美「魔人殿……願いを叶えていただき、ありがとうございました!」

悠貴「結局戻っちゃいましたけど、楽しかったですっ!魔人さん、ありがとうございますっ!」

魔人「……こちらこそ、感謝する。珠美、悠貴……今度こそ、さらばだ」シュウウウウゥ

悠貴「魔人さん、消えちゃいましたね……」

珠美「そう、ですね。……では、戻りますか。」

悠貴「珠美さんっ!」

珠美「わっ、何ですか?」

悠貴「私、負けませんよっ!!!」

珠美「……珠美も、負けません!!!」

15: 2018/01/06(土) 20:51:38.40 ID:Utk7Pu6Z0
~さらに後日~

珠美「芳乃殿、ご相談とは?な、なるほど、この前の悠貴ちゃんの様子がおかしかった、と……」

悠貴「あやめさん、今日は話があるって……えっ!?一緒に仕事した時の珠美さんの様子が変だった……?」

珠美「その、気にする必要はないと思いますよ。」

悠貴「えっと、心配しなくても大丈夫ですっ!」



『もう、元に戻ってますからっ!!!』

16: 2018/01/06(土) 20:53:39.08 ID:Utk7Pu6Z0
終わり。

テレビで君の名は。があったそうなので入れ替わりの話を形にしてみました。君の名は。は結局見れませんでした。


引用: 珠美と悠貴と3つの願い