1:◆GoPzFNH1CI 2015/04/23(木) 02:12:03.93 ID:5RXWDyN00
この作品は、艦隊これくしょんの2次創作SSです。
空母艦娘どうしの呼び方(鳳翔へのお母さん呼び)に、独自設定を使用しています。
瑞鶴「鳳翔お母さんの女子力が低い?」 飛龍「うん」
鳳翔「夢はあなたと共に」
前2作のその後を短編形式で書いていく予定です。
タイトルのふざけっぷりでわかるとおり、シリアスはかなり薄めで行きます。
第2話以降、「こんな話が読んでみたい」と下記の設定にある程度沿ったお題を書き込んで頂きますと、
お話として面白いものが出来そうだったら頑張って書きます(安価は今のところ予定なし)。
第1話は提督と鳳翔のデート、行き先を指定して頂ければと思ってます。
書き込みがなければ水族館を予定。
3: 2015/04/23(木) 02:27:28.34 ID:5RXWDyN00
~鎮守府の愉快な仲間たち~
(改二実装済み艦娘は基本改造済みです)
・提督
正規空母6隻を指揮する。鳳翔と鎮守府の皆が好き。
指輪は鳳翔と6人娘に渡しているが、鳳翔以外とは家族愛以上に発展していない。
奥手だったが勇気を振り絞って鳳翔と結ばれ、鎮守府に砂糖を振りまく。
例の悪夢の事件の後、鳳翔への溺愛っぷりに拍車がかかった。
個人的には「図書館戦争」の堂上教官と小牧教官を足して2で割ったイメージ。
2人とも純情なのでハーレムに到達する敷居は少々高い。
・鳳翔
鎮守府のお艦にして提督の正妻。提督と、空母6人娘と、鎮守府の皆が好き。
料理はじめ各種の家事、航空戦から夜戦(意味深)までなんでもござれの超人。練度はカンスト済。
ケッコンから時間が経ち、お互い奥手だった提督とも毎日一緒に寝るなど、遠慮なくベッタリする。
悪夢の内容は覚えておらず、急にひっついてくるようになった鎮守府の皆に戸惑う。
ただし現代的なセンスには疎い。最近少しずつファッションを勉強している。
4: 2015/04/23(木) 02:28:31.92 ID:5RXWDyN00
・赤城
6人娘の長女的立場として日々奔走する。鎮守府の皆と、鳳翔のご飯が好き。
戦場で高揚し易かった性格も、鳳翔の教育(物理)で冷静さを保つようになる。
今では正規空母最高練度として、名実ともに機動部隊のトップを務める。
提督の背中を押して鳳翔を助ける。提督を諦めたわけではなく、隙あらばアプローチをかけてくる。
・加賀
一航戦の誇りを胸に後輩たちを引っ張る、面倒見のいいお姉さん。
プライドが高かった性格も今ではほぼ丸くなり、ほんの少しだけ泣き虫な本性が出るようになる。
翔鶴や瑞鶴とは普通に仲良し。一緒の部屋で寝たりすることも。
今のところ提督には、尊敬以上の感情はあんまりない。ここから恋愛に発展するには……?
・蒼龍
6人娘で赤城の次に着任、提督との付き合いも長い。
鳳翔は正妻として敵わないと認めつつも、提督のことは未だに好き。
2号の座を目指して、今日も家事の腕を磨いて健気に頑張る。
個人的性格が掴みづらい子ナンバー1。何かしらキャラ付けをしてあげたい。
・飛龍
鎮守府の皆の仲を取り持つしっかり者。提督や鳳翔からの信頼も厚い。
基本的な家事スキルは身に付いており、また現代っ子のセンスも持っているため女子力は高め。
家族の和を何よりも大切にする。提督と鳳翔が幸せにしているところを見るのが好き。
提督は恋愛対象にするには若すぎるため、家族から恋人に発展するハードルは一番高いと思われる。
・翔鶴
先輩の後を追いかけて日々努力する、6人娘の薄幸美少女担当。憧れは加賀先輩。
練度は充分なものの前世からの枷が抜けきっておらず、日常でも時折ドジっ子っぷりを発揮する。
自分の不運をもカバーする機動部隊の運用で、提督を心から信頼し、いつしか好きになる。
提督を諦めきれないが、鳳翔の圧倒的正妻感の前にぐぬぬの日々。嗚呼。
・瑞鶴
6人娘で一番最後に着任したが、艦載機運用のポテンシャルは逸品で、すぐに皆に追いついた天才型。
時折毒舌が飛び出したりするが、鳳翔や家族を大切にする気持ちは人一倍強い。
着任当初は加賀といがみ合ったりしたが、今では背中を預けあうまでに仲良くなる。紆余曲折はいずれ。
加賀と同じく、提督へは尊敬の感情が一番強い。恋愛のきっかけは出てくるのか。
5: 2015/04/23(木) 02:31:07.90 ID:5RXWDyN00
話の都合上、軽空母は登場していません。
今までの出番が少なすぎるため、艦娘が増えたり減ったり、性格が変更される可能性もあります。
長門:連合艦隊旗艦。今のところながもんさんになる予定はない。可愛い物好きを隠さないタイプ。
陸奥:出番が全然なかったため扱いに困る。これからのエピソードでキャラ付けしていければ。
扶桑:鎮守府最古参の戦艦。優しくて面倒見もいいので、駆逐艦からも慕われる。
山城:改二になってから運は改善したものの口癖は抜けない。そのせいで不幸を呼び寄せている。
摩耶:重巡最古参。鳳翔からこっそりと数々の手ほどきを受け、女子力はかなり高い。
川内:ふざけて印を組んだりしてみたら本当に分身出来るようになってしまった。家事はかなり得意。
神通:軽巡最古参。川内と共に、鎮守府初期の前線と家事を支えたしっかり者。特技は肢曲。
那珂:実は練度は6人娘に次いで高い。分身の数を増やすと戦闘のような複雑な動きが出来なくなっていき、
最高の48人ではダンスしか出来なくなる。
五月雨:初期艦。海域攻略が進むうちに那珂と組んでの遠征が多くなる。戦闘よりも向いていると、提督と本人も思っている。
吹雪:自己紹介で頑張り、補給するたび頑張り、改装で頑張り、新年のあいさつでも頑張り、とにかく頑張りまくる。
鳳翔からは対空の手ほどきを何度も受けて、実力は相当高い。
叢雲:吹雪の次に鎮守府に来た古参の1人。最近改二になったが、川内型改二の特殊能力を目の当たりにし自信喪失気味。
・その他、前スレ登場の艦娘たち。殆どキャラ付けがなされていないため、ほぼテンプレ通りの性格。これからの活躍に期待。
妙高 那智 高雄 愛宕 鳥海 最上
朝潮 満潮 雪風 時雨
綾波 敷波 村雨 春雨
大淀 明石 間宮 伊良湖
6: 2015/04/23(木) 02:34:25.36 ID:5RXWDyN00
第1話 デートをしよう!
鳳翔「あ……逢引きに……誘われました////」
飛龍「やったね、お母さん! 提督も積極的になってきたじゃん」
瑞鶴「お母さんが洋服着たら、熱出したなんて勘違いしてた頃の朴念仁とはえらい違いね」
鳳翔「そ、それで、ですね。もう一度、私の洋服を、見繕って欲しいんです……」
飛龍「おお、お母さんが積極的に洋服着たいだなんて」
瑞鶴「恋はひとを変えるもんなのねぇ」
飛龍「任せといて! 思わず提督が見とれちゃうコーデをばっちり考えるよ」
瑞鶴「最近は暖かくなってきたもんね。前に提督さんの誘惑に使った、例のタートルネックじゃちょっと暑いか」
鳳翔「あ、あんなの人前で着れるわけないでしょ!?////」
飛龍「でも提督が着て欲しいって言ったら?」
鳳翔「ふぇ!?」
瑞鶴「シンコンの時に、お母さんを膝に乗せて食べさせあいっこする提督さんだもんねぇ。どんな性癖持ってるかわかったもんじゃないわ」
鳳翔「そ……それはそうなんですけど……流石に人前じゃあ……」
飛龍「でも提督の頼みだったら?」
鳳翔「そ、それは……」
瑞鶴「着るんでしょ? ね、ね」
鳳翔「……き、着ます!! あの人が傍に居てくれるなら、どんな格好でも大丈夫です!!」
飛龍「う、うおっと、大変だ。お母さん湯気出そう」
瑞鶴「ごめんごめん、冗談だから。提督さんはお母さんに恥ずかしい思いなんてさせないから……きっと」
7: 2015/04/23(木) 02:36:44.04 ID:5RXWDyN00
飛龍「さてと、どんなコーデにしようかな。お母さんみたいな黒髪に良く似合うのは……」
瑞鶴「明るい色のがいいわよね。普段見ない分、余計に魅力的に映るかも」
飛龍「春物は大体暖色系ばっかりだから、その辺は大丈夫だね。桜色とかお母さんっぽいわ」
瑞鶴「じゃあカーディガンはその色で行きましょう。それから、フレアとか良いと思うんだけど」
飛龍「いいね! お母さん足細いし長いから、いい感じに短いスカートを探そう」
瑞鶴「それから……えーと、今年のトレンドはオールホワイトだって」
飛龍「カーディガンは暑ければ脱げばいいし……どうせ行くならデニムも買っちゃいましょう。グッ○もプラ○も今年は発表しまくってたわ」
瑞鶴「トップスはTシャツでもいいんだけどまだ寒い日もあるから、長袖のブラウスの方がいいかしらね」
飛龍「意外とワンピースも似合うんじゃないかな? 最近はレース付きで良いのが出てて……」
キャッキャッ コレカワイー!! ワタシモカッチャオウカナー
鳳翔「……」
鳳翔(娘の会話が呪文にしか聞こえません……)
鳳翔(でも、お洒落していったら、あの人喜んでくれるかしら?)
鳳翔「////」
8: 2015/04/23(木) 02:41:31.46 ID:5RXWDyN00
飛龍「……まあ、とりあえず、考えたものは買えるだけ買ってみようか……」
瑞鶴「……そ、そうですね……これじゃ埒があかないですし……結局お母さんなら大体着こなせますし……」
飛龍「あ、そうだ忘れてた。パンプスも選ばないと」
瑞鶴「そういえばお母さん、あの時のニーハイブーツしか持ってませんもんね。……ん?」
飛龍「どしたの?」
瑞鶴「お母さんって、今まで草履しか履いたことなかったのよね」
飛龍「……ああ、そっか!! ちょっとお母さん!!」
鳳翔「どうしたの?」
瑞鶴「これ、履いてみてくれない? 私のオープントゥなんだけど」
鳳翔「あ、ハイヒールね? ちょっと履いてみたかったんです」ウキウキ
飛龍「初めての人がデートに履くのはちょっと危ないかも……長く歩けないしなぁ」
鳳翔「かかとが高いとはいえ、所詮靴なんですから……きゃあああ!?」ドタッ
瑞鶴「……思ったよりバランス感覚悪いわね」ボソッ
飛龍「こりゃ無理だね。ローかショートブーツを探しましょう」
鳳翔「うう……情けないです……」
瑞鶴「少しずつ慣れて行けば大丈夫だって」
21: 2015/04/23(木) 23:30:11.53 ID:5RXWDyN00
◇執務室前・廊下
蒼龍「――あいってなんなーんだ、せいぎってなんなんだー♪」
蒼龍「ちからでかつだーけじゃー、なにかーが……あれ?」
長門「――そういえば明日は、提督の久々の休日だったな」
蒼龍「!!」キキミミ
提督「ああ」
長門「何か予定はあるのか?」
提督「あー、実はね。鳳翔の都合も合うから、2人で出かけてこようと思うんだ」
長門「ほう、そうなのか。つまりデートだな?」
提督「あまり他の子には言わないでくれよ?」
長門「わかっているよ、ゆっくりしてきてくれ。2人とも働き過ぎだからな」
提督「うん。ありがとうね」
蒼龍(デート……)
22: 2015/04/23(木) 23:32:25.93 ID:5RXWDyN00
◇空母寮談話室
翔鶴「え、ええっ!? 明日提督とお母さんがデートするんですか!?」
赤城「……」
蒼龍「そうなのよ! 執務室の前で聞いちゃったの」
飛龍(あっちゃー、蒼龍にばれちゃったかぁ……)
瑞鶴(お母さんも内緒にして欲しいって言ってたのにね)
加賀(貴女たちがコーデしたのはこのためだったのね?)
瑞鶴(うん。出来れば2人で楽しんでほしかったんだけど……)
翔鶴「こうしちゃいられません、私たちもこっそりついて行きましょう!!」
瑞鶴「なんでそうなるのよ翔鶴姉」
翔鶴「え、えーと、提督のご趣味とか、好きな場所とかを調査するためよ」
瑞鶴「2人を邪魔しようとか考えてないでしょうね?」
翔鶴「な、何言ってるの瑞鶴!! 提督が1人になった瞬間に偶然を装って近づいて、
なし崩し的にデートから家族旅行にしちゃおうとか、全然考えてないわ!!」
瑞鶴「お、おう」
23: 2015/04/23(木) 23:40:02.83 ID:5RXWDyN00
瑞鶴「どうしよっか、飛龍さん」
飛龍「うーん、しょうがない。私たちもついて行こう。私も蒼龍が暴走しないか監視しなきゃならないし」
加賀「明日は提督がいないから、出撃も演習もお休みだしね」
赤城「……」
瑞鶴「赤城さんはさっきから黙ったままで、どうしたのかしら?」
加賀「きっと、提督とお母さんのデートを応援すべきか阻止するべきか、自分の良心の呵責に揺れ動いているんだわ」
飛龍「一番のお姉さんらしい悩みね」
24: 2015/04/23(木) 23:47:05.68 ID:5RXWDyN00
瑞鶴「ということは、明日は結局6人でストーキングするわけね」
蒼龍「ストーキングじゃないよ!! 提督とお母さんを見守る会って言おうよ」
飛龍「見守る原動力が邪なのが約3名いるけどね」
加賀「目的地はどこなのかしら?」
瑞鶴「隣町の遊園地だって。電車で行くって言ってたわ」
飛龍「それじゃ結構早く出ないとね。今日は寝て、明日に備えましょう」
蒼龍「飛龍飛龍!! カメラとか着替えとか持って行った方がいいかな!? お弁当も作ろうか!?」
翔鶴「ず、瑞鶴、一応おめかししていった方がいいわよね!? 提督と会うかも知れないし、
もしかしたら2人で観覧車乗るかもしれないし、きゃっ!! そんないきなり大胆な……」
飛龍「2人ともうっさい!! さっさと寝ろ!!」
瑞鶴「何があっても、観覧車に2人で乗せることは私が絶対させないわよ」
赤城「……遊園地ですか。殿方と行ける日がこれから来るのでしょうか」
加賀「……確かに、初の遊園地がデートの監視とは何とも言えませんね」
25: 2015/04/23(木) 23:56:15.46 ID:5RXWDyN00
◇次の日・鎮守府
鳳翔「それでは、今日1日よろしくお願い致しますね?」
長門「うむ、任せておけ。2人でゆっくりしてくるといい」
陸奥「今日は提督の決裁が必要なこともないし、仕事は忘れて楽しんできてね」
鳳翔「ありがとうございます……それじゃ、行ってきます」
陸奥「行ってらっしゃーい」
長門「……あんな楽しそうな鳳翔は久々に見たな」
陸奥「そうねぇ、そもそも鎮守府から出ることが少ないしね」
長門「ところで提督はもう出発したのか?」
陸奥「ええ。先に駅の前で待ってるんだって」
長門「何故鎮守府から一緒に行かないのだ?」
陸奥「やぁねぇ長門ぉ、そんなの、デートのお約束をするために決まってるじゃないの」
長門「……?」
26: 2015/04/24(金) 00:03:06.34 ID:9jm2JpFs0
飛龍「ほら赤城さん、急いで下さい! 遅れたら最初のイベントが見れないよ!」
赤城「ま、待って下さい。お、お弁当の風呂敷が見つからなくて」
加賀「結局お弁当持って行くんですか。遊園地にはいくらでもレストランがありますよ」
瑞鶴「そんな大荷物背負って尾行なんて無理ですよ……あ、加賀さんの私服かわいい」
加賀「ありがとう。貴女も似合ってるわよ」
飛龍「おーい蒼龍、翔鶴!! いい加減に出ないと間に合わないよ!!」
蒼龍「ま、待って、マスカラが上手く付けらんなくて」
翔鶴「瑞鶴、ネックレスはこれとこれ、どっちが提督の好みだと思う!?」
瑞鶴「普段やらないこと無理してやらない方がいいよ。あと提督さんの好みはお母さんに似合うアクセだから」
加賀「っていうか、飛龍が一番楽しそうにしてるじゃない」
27: 2015/04/24(金) 00:07:39.89 ID:9jm2JpFs0
◇駅
提督「……」
鳳翔「……あなた! 遅れました、待ちましたか?」
提督「いや、今来たところだよ――お、おお」
鳳翔「? どうかされました?」
提督「今日は一段と、その……綺麗だね」
鳳翔「ほ、本当ですか? こんなお洋服着るの初めてで、似合うかわからなかったんですけど……」
提督「本当さ。君はスタイルが良いからなんでも似合うけど、良い感じに露出が少なくてすごく上品に見える。私の好みだよ」
鳳翔「ありがとうございます……あの、これ、飛龍ちゃんと瑞鶴ちゃんに選んでもらったんです」
提督「そうだったのか。後でお礼言っとかなきゃな……それじゃあ、行こうか」
鳳翔「はい!」
28: 2015/04/24(金) 00:17:05.03 ID:9jm2JpFs0
飛龍「よしっ、定番ネタ回収、頂きました!!
――ちなみに今回のコーデ! 桜のロングカーディガンに白のブラウス、ネイビーのフレアスカートで上品な印象に仕上げたよ」
瑞鶴「ショートブーツじゃちょっと暑いしシルエットが引き締まらないから、白いぺたんこシューズで無難に纏めたわ。
ローヒールは歩きまわるデートに向かないからまた今度ね」
加賀「それと、大事なのがバッグね。肩紐がチェーンのキルティングは柔らかい印象を与えるから、
スカートの上品さと相まって良く合うわよ。ステッチははっきりしている物の方がワンポイントになってお勧めね」
赤城「……あの、誰に向かって喋ってるんですか?」
飛龍「気にしない気にしない。私たちも電車乗るよ、2車両分開けてね」
蒼龍「うう……やっぱりお母さん可愛い……」
翔鶴「私、今日の服で大丈夫かしら……やっぱりこの間買ったTシャツの方が良かったかな……」
瑞鶴「なんでデートする前提なのよ」
29: 2015/04/24(金) 00:25:21.73 ID:9jm2JpFs0
◇遊園地最寄駅
瑞鶴「――歩き始めたわね。どう思う、加賀さん?」
加賀「あくまで自然に、自分が車道側を歩くあたりポイント高いわね。
それから背の低いお母さんに合わせて、歩きやすい早さで歩いてるのがさらに好印象よ」
瑞鶴「なるほど、さりげない優しさがにじみ出てるわけね。流石提督さん」
加賀「それだけじゃないわ。2人の繋いでる手を見て」
瑞鶴「……!! あ、あれは、恋人繋ぎ!!」
加賀「その通り。多分お母さんはあの繋ぎ方の意味をわかってないわ。
だから提督は自分の欲望を満足させつつ、お母さんの自然な表情を間近で楽しむことが出来るのよ」
瑞鶴「て、提督さん……恐ろしい子っ!!」
飛龍「楽しそうね2人とも……ちゃんとお邪魔虫3人を見張っててよ?」
30: 2015/04/24(金) 00:32:54.02 ID:9jm2JpFs0
◇遊園地に到着!
提督「――さて、何から乗ろうか?」
鳳翔「あ、あの、ですね、私こういうところに来たことがなくて……だからどんなものがあるか、よくわからないんです」
提督「あ、そうだったね。といっても、私も幼いころに家族と来たっきりだから、慣れてるわけじゃないんだけど」
鳳翔「乗る順番が決まっていたりするのですか?」
提督「いや、そんなことはないよ。好きなアトラクションから乗っていけばいいんだ……何か気になるものはない? 見た感じで良いよ」
鳳翔「そ、それじゃあ、あれに乗ってみたいです!!」
提督「ん、どれ……!?」
→遊園地デートのラスト鉄板
提督「あれはダメです」(真顔)
鳳翔「え、どうしてですか? 一番大きくて楽しそうですけど」
提督「とにかく今はダメなの。最後にちゃんと乗るから、ね?」
鳳翔「そ、そうですか? それじゃあっちの方の……」
瑞鶴「うわ、お母さん定番が効かないのね」
飛龍「ちょっとやりにくそうだけど、ここが提督の腕の見せ所だね」
31: 2015/04/24(金) 00:43:34.33 ID:9jm2JpFs0
鳳翔「あ、あれ可愛いですね!」
提督「コーヒーカップか。じゃあ乗ろう」
鳳翔「はい!」
蒼龍「むむ、コーヒーカップに向かったよ!」
翔鶴「私たちも行きましょう、蒼龍さん!」
瑞鶴「ちょっとちょっと! 何ナチュラルに並ぼうとしてるのよ」
加賀「私たちはあくまで忍びの身なのよ? 見つかったらダメなのよ」
飛龍「また良からぬことを企んでるんじゃないでしょうね?」
翔鶴「な、何言ってるんですか飛龍先輩!! お母さんが初めてのコーヒーカップで、回し方の加減がわからずにどんどん回して、
目を回した提督とお母さんを偶然を装って引き離して、提督を膝枕で介抱してあげようなんて、全然考えてませんよ!!」
飛龍「お、おう」
32: 2015/04/24(金) 00:53:37.88 ID:9jm2JpFs0
瑞鶴「……じゃあわかったわよ、翔鶴姉。私と一緒に乗ろう」
翔鶴「ず、瑞鶴! 手伝ってくれるのね!?」
飛龍「……どうするつもり? 瑞鶴」(小声)
瑞鶴「大丈夫大丈夫。任せといて」(小声)
加賀「蒼龍は私と一緒に乗りましょうか」
蒼龍「あ、ありがとう加賀さん! よしっ、頑張るぞ」
赤城「……」モグモグ
飛龍「……あれ赤城さん、もうお弁当開けちゃったの?」
赤城「? いえ、これは10時のおやつですけど」
飛龍「わ、わかったわ。重箱10段って赤城さんのお昼にしては少ないと思ってたのよね」
33: 2015/04/24(金) 01:01:09.42 ID:9jm2JpFs0
鳳翔「あなた、このハンドルは何ですか?」
提督「これを回すとカップが早く回るんだよ。遊具だと思って甘く見てると、結構――」
――ジリリリリリリ――
鳳翔「あ、始まりましたよあなた! 回してみて良いですか?」
提督「う、うん。無理しないで、気分が悪くなったらすぐ言うんだよ」
鳳翔「もうっ、私そんなに体弱くありませんよ!! でも……心配してくれて、ありがとうございますね?」
提督(くそっ、可愛い!! カメラ構えたいが乗り物中は危ない、ウオォッ!!)
34: 2015/04/24(金) 01:04:07.22 ID:9jm2JpFs0
翔鶴「お、お母さん、あんなに提督にくっついて羨まし、い、いや、心配ですね!!」
瑞鶴「もう全然ごまかせてないじゃん……せっかく私と乗ってるんだから、楽しんでほしいのに……」
翔鶴「ず、瑞鶴……ごめんなさい、私、我が儘だったわね……」
瑞鶴「ううん、いいのよ。それより私がハンドル回して良い?」
翔鶴「ええ、もちろんよ瑞鶴!」
瑞鶴「よっし、じゃあ任せといて。それっ!!」
翔鶴「……」
瑞鶴「もっともっとー!!」
翔鶴「……ず、瑞鶴? ちょっと待って、そんなに左右に振り回したら――」
瑞鶴「まだまだ行けるよー!!」
翔鶴「……う、うぅっ……目が……」
35: 2015/04/24(金) 01:05:37.06 ID:9jm2JpFs0
飛龍「なるほどね、そういうことか……加賀さんと蒼龍は?」
蒼龍「――や、やめてぇ加賀さーん!! 右回転は……右回転ずっとはダメなんだよぉ!!」
加賀「良い機会だから貴女もトラウマを直しなさい。これから悪夢を見ないとも限らないし」
蒼龍「今は関係ないしぃいいいいいい……」
飛龍「……2人ともあんなに弱くて良く乗ろうとしたわね。その度胸は褒めてやるべきか」
赤城「初めての遊園地は中々刺激的ですね。皆で来れて良かったです」
飛龍「赤城さんまだお弁当食べただけじゃん……これから酔って吐かないでよ?」
赤城「問題ありません。これからのお昼と、3時のおやつの分を考えて食べてますから」
飛龍「うーん、遊園地に食べ放題ってあるのかなぁ……」
43: 2015/04/25(土) 12:52:18.82 ID:C43MGMvA0
鳳翔「楽しかったですね、あなた!!」
提督「そうかそうか、喜んでくれたならよかったよ」
鳳翔「……? 何故カメラを構えていらっしゃるんですか?」
提督「君が可愛いからだよ」
鳳翔「え、ふぇ!?////」
提督「アトラクションの最中は危ないから、こういう時に沢山撮っておかないとね」
鳳翔「は、恥ずかしいですよ……」
提督「私服なんて普段着ないんだから、今日は鳳翔アルバムが潤うね」
鳳翔「なんですか鳳翔アルバムって!?」
44: 2015/04/25(土) 12:53:30.40 ID:C43MGMvA0
飛龍「よしよし、良い雰囲気のまま次に向かったね」
瑞鶴「この調子で行きましょう」
蒼龍「」
翔鶴「」
加賀「次のアトラクションまでは復活しないでしょう……赤城さんは?」
赤城「――ソフトクリーム全種類、2つずつ下さい――あ、全部コーンで――カード使えます? じゃあこれで――」
加賀「私もちょっと行ってきます」ダッ
瑞鶴「加賀さんも甘党だったんだ」
飛龍「赤城さんは提督より食欲なのかしら?」
瑞鶴「そこら中から甘い匂いが漂ってきてますからね」
46: 2015/04/25(土) 13:14:00.54 ID:C43MGMvA0
鳳翔「何かあそこだけ、他と雰囲気が違いますね」
提督「どれ? ああ、お化け屋敷か」
鳳翔「どんな所なんですか?」
提督「うーん、言っちゃうと面白くないからな。とりあえず、色んなお化けが脅かしてくる所だね」
鳳翔「あはは、お化けなんていませんよー。作りものとわかってて怖いわけないじゃないですか」
提督「それがそうでもないんだなぁ。入ってみようか?」
鳳翔「はい! 私が全部正体を見破ってあげちゃいます」フンスッ
提督(胸張って強がってる鳳翔も可愛い)シャシンシャシン……
47: 2015/04/25(土) 13:18:51.98 ID:C43MGMvA0
提督「あ、はい、2人です――中で写真は――やっぱりダメ? そうですよねぇ――」
鳳翔(並んでる方々も、私たちみたいなカップルばかりですね……)
鳳翔(私とあの人もちゃんとカップルに見えてるかしら?)
鳳翔(////)
――キャアアアアアアアアアア!!!!――
――ウワァアアアアアアアアア!!!!――
鳳翔「!?」ビクッ
提督「おお、随分やってるな。結構有名な怖い所らしいよ」
鳳翔「そ、そんなに怖いんですか!?」
提督「やめておくか?」
鳳翔「い、いえ大丈夫です……でも……」
提督「?」
鳳翔「ち、近くに居て下さいね……?」
提督「任せておけ何があっても守ってみせる」
48: 2015/04/25(土) 13:25:44.96 ID:C43MGMvA0
提督「……おお、流石に暗いな」
鳳翔「あ、あなた、あなた! 手離さないでくださいね!!」
提督「おう、大丈夫だy」
→動く骸骨・ろくろっ首・のっぺらぼう
提督「うお「きゃあああああああああああああああ!!!!」
提督「ほ、鳳翔!?」
鳳翔「いいいい行きましょう早く進みましょう!!」
提督(お化けの方がびっくりしてるぞ)
49: 2015/04/25(土) 13:32:56.78 ID:C43MGMvA0
→ゾンビ・動く騎士・デュラハン・キョンシー・飛頭蛮
鳳翔「いやあああああああ!!!! なんですかあれあんなの知りませんっ!!」
提督「外国のお化けだよ、しかし随分ごちゃ混ぜのお化け屋敷だな」
鳳翔「なんであなたはそんなに平然としてるんですかっ!?」
提督「いや、だってなぁ……」
提督(鳳翔の表情見てる方が可愛くて面白いんだもん)
鳳翔「あっ、出口見えましたよ!! 早く行きま」
→唐突な顔にこんにゃく
鳳翔「」キュウ……
提督「おっと。よしよし、頑張ったね」
提督(いや楽しかったな。色々な表情が見れてよかったよ)
50: 2015/04/25(土) 13:39:44.99 ID:C43MGMvA0
相撲が面白すぎて手が止まるんですが……
ちょっと書き溜めて参りますね。
52: 2015/04/25(土) 16:29:13.17 ID:C43MGMvA0
鳳翔「……ハッ、ここは?」
提督「レストランの中だよ。丁度いい時間だったから、混む前に入れてよかった」
鳳翔「うう、まさかあなたの前で気絶するなんて……情けないです……」
提督「そんなことないって、可愛かったしさ」
鳳翔「もっと頼りがいのある女になりたいんです」
提督「十分頼りにしてるよ。ほら、バイキングだから料理取っといで」
鳳翔「あ、はい。それじゃ行ってきますね」
53: 2015/04/25(土) 16:31:20.57 ID:C43MGMvA0
蒼龍「うう、なんかすごく、嫌な夢を見てたような」
加賀「そのまま思い出さなくて良いわよ」
飛龍「ふー、6人分席取れて良かったね」
翔鶴「私、バイキングで得するほど食べられそうにないです……」
瑞鶴「だ、だからごめんってば」
赤城「大丈夫です。私が6人分元取りますので」
飛龍「バイキングで元取るのは難しいんだけどねー」
加賀「私もいますので問題ありません」
瑞鶴「レストランにとっては問題ありありだよ……ん?」
鳳翔「~~♪」
54: 2015/04/25(土) 16:32:09.68 ID:C43MGMvA0
瑞鶴「うおおおおおいちょっとちょっと!! 提督とお母さんと同じお店じゃん!!」(小声)
飛龍「う、うそ!? あの2人の好みから、もっと落ち着いたとこで食べると読んでここにしたのに!!」(小声)
蒼龍「そ、そんな……これじゃ何度もお料理を取りに行ったら」
翔鶴「お母さんや提督にばれてしまうかも……」
赤城「」
加賀「だ、大丈夫です。私服なので多分ばれませんよ」
55: 2015/04/25(土) 16:34:38.78 ID:C43MGMvA0
鳳翔「おいしいですね、あなた!」
提督「う、うん。そうだな」
提督(鳳翔の料理に慣れてしまうと物足りないな……喜んでるから良かったけど)
鳳翔「この後はどうしましょうか?」
提督「そうだな、後いくつか乗って、最後に観覧車かな」
鳳翔「あの大きなやつですね、楽しみです」
提督「本当は明日も休みにして、ゆっくりしたかったんだけどね」
鳳翔「大規模作戦の前ですからね、1日ゆっくりできただけでも良しとしましょう」
提督「そうだね……あれ?」
鳳翔「どうかなさいました?」
提督「いや、なんか今、赤城たちの声が聞こえたような……」
鳳翔「……」
56: 2015/04/25(土) 16:36:23.23 ID:C43MGMvA0
赤城「飛龍、こっちですよ、早く早く」
飛龍「赤城さん、しーっ!! ほら、お肉とお魚持ってきましたから」
瑞鶴「目立たないように1人ずつ取りに行って、何とか1人前くらいは食べられたけど」
加賀「時間制だから、そろそろ出なければならないわね」
蒼龍「私は結構甘いもの食べられたから満足かな―」
翔鶴「まだちょっと食べられないです……あとで何か買おうかしら」
瑞鶴「提督さんたちは食べ終わって出て行ったわね」
飛龍「私たちはもうこの辺で退散しない? 何個か乗りに行ってもいいからさ」
蒼龍「こ、これじゃあ仲良しグループで遊園地に遊びに来ただけじゃん!!」
翔鶴「私は提督と観覧車に乗りたいんです!!」
瑞鶴「させないって言ってるでしょ。いい加減諦めなさい」
加賀「赤城さん、食べ終わりましたか? そろそろ行きますよ」
赤城「あ、あの、重箱に残りを詰めてもいいでしょうか?」
飛龍「ダメに決まってるでしょ。それ以前にみっともないよ」
加賀「帰りも重箱背負って帰るつもりですか……」
57: 2015/04/25(土) 16:38:15.70 ID:C43MGMvA0
鳳翔「……あなた、ちょっとあっちの広場に行きませんか」
提督「そうだね、食べたばっかりだからちょっと休むか」
鳳翔「はい。それからですね、ちょっと……」
加賀「ここは確か、イベント広場だったわね」
赤城「あ、チュロスの屋台が出てます。ちょっと買って……あら?」
翔鶴「どうしました?」
赤城「今、何かエンジンの音が……!! 皆伏せて!!」
蒼龍「きゃあああ!! な、何!?」
瑞鶴「いきなり飛行機が……!? まさか敵襲!?」
飛龍「真っ黒にペイントしてあったけど、深海棲艦の艦載機じゃなかったような……」
58: 2015/04/25(土) 16:42:22.42 ID:C43MGMvA0
赤城「とにかく私が迎撃します。散開して下さい!!」
瑞鶴「ど、どうして艦載機を持ってきてるの!? それに弓なんてどこから!?」
赤城「お母さんに作ってもらった、折り畳み式の飛行甲板セットです!! 全機発艦!!」
瑞鶴(とりあえずツッコミは置いておこう)
蒼龍「あっちは3機でこっちは6機だよ!!」
翔鶴「しかも、赤城先輩の戦闘機は烈風改です!!」
加賀「負けるはずがありませんね」
飛龍(フラグ)
瑞鶴(フラグ)
59: 2015/04/25(土) 16:44:18.96 ID:C43MGMvA0
赤城「……!?」
蒼龍「う、うそ!? こっちが落とされてく!!」
翔鶴「そんな、最高練度の正規空母に最高の戦闘機ですよ!?」
瑞鶴「……あのエンジンの音、零戦21型に似てるけど」
飛龍「それにしてはクリアな音だし、格闘性能が良すぎるよ」
加賀「旧式の戦闘機をあそこまで扱えるひとなんて……」
赤城「ぜ、全滅!? 6機の烈風改が、30秒で全滅ですか!?」
「だから、敵を侮るのは悪い癖だと言っているでしょう」
赤城「お……」
「「「お母さん!!」」」
60: 2015/04/25(土) 16:46:09.09 ID:C43MGMvA0
提督「突然どうしたのかと思ったよ」
飛龍「ご、ごめんなさい提督、お母さん」
加賀「お二人を邪魔する気はなかったのですが……」
鳳翔「まったく、デートの後をつけるなんて、帰ったらお説教ですね」
蒼龍「う……反省します……」
翔鶴「いつから気付いていらしたのですか?」
鳳翔「鎮守府を出るときから、はるか上空に航続距離の長い九七艦攻をあの人の護衛に張り付かせていました」
瑞鶴「最初っからバレバレじゃん!!」
鳳翔「私たちに実害がなければ、お互いに楽しめればいいと思っていたんです。しかしレストランでの会話は聞き捨てなりません」
赤城「レストランで?」
鳳翔「観覧車は私が一緒に乗るんです。初の遊園地で、ここは譲れません!!」
加賀(あら?)
瑞鶴「お母さん可愛い!!」
61: 2015/04/25(土) 16:47:06.42 ID:C43MGMvA0
飛龍「ほらほら、いい加減帰りますよ!」
赤城「ちょ、ちょっと待って下さい。さっきのチュロスを……」
瑞鶴「ほら翔鶴姉、諦めて帰ろう」
翔鶴「て、提督!! 今度は私と一緒に観覧車乗って下さい!!」
加賀「蒼龍も帰るわよ」
蒼龍「うー、き、今日の所は負けです!!」
加賀「勝ったことないでしょう……それでは、失礼します」
鳳翔「ふー……まったくもう」
提督「ちょっと邪魔が入ってしまったな」
鳳翔「本当ですよ。2人でせっかく楽しんでいたのに」
提督「でも、丁度日も暮れてきたし良い時間だ。観覧車に向かおう」
鳳翔「夕暮れに乗るのがいいんですか?」
提督「その辺は色々意見があると思うよ、夜景をメインにするとか。でも私は、夕焼けがきれいな時間が好きだな」
68: 2015/04/29(水) 12:10:33.23 ID:nGgkZAiN0
◇観覧車
鳳翔「……結構ゆっくり回るものなんですね?」
提督「うん。その時間を楽しむものだから」
鳳翔「だから最後に乗るんですね」
提督「大体はね。これに乗って帰る人も多いんじゃないか」
鳳翔「確かに、他のと違って落ち着きますね」
提督「そうだね。君のそばにいるともっと落ち着くな」
鳳翔「そうですか? うれしいです」
69: 2015/04/29(水) 12:19:42.50 ID:nGgkZAiN0
鳳翔「うわ、見て下さい! 海が見えますよ、鎮守府も見えるかしら」
提督(夕日に照らされた鳳翔の横顔……綺麗だ……額縁に入れて飾っておきたい……)
提督(カメラ……は、無粋だな。自分の目と胸に焼きつけておくか)
鳳翔「もうっ、あなた、聞いてます?」
提督「お、おうっ? なんだっけ」
鳳翔「ほら、普段から見慣れてる海も、高い所からだと印象が違いますよ」
提督「本当だな。君たちが守ってきた海だ、やっぱり美しいな」
鳳翔「私たちと、あなたがですよ」
提督「……ああ」
70: 2015/04/29(水) 12:20:21.92 ID:nGgkZAiN0
提督「鳳翔、こっちにおいで」
鳳翔「はい」
提督「君には伝えたいことが沢山あるんだ。でも、言葉にすると安っぽくなる気がする」
提督「あの約束もそうだけど、君への気持ちは態度で示していきたい」
提督「私は奥手だそうだからね」
鳳翔「……ふふ、そうですね」
提督「だけど、これだけは言わせて欲しい」
提督「――君に会えてよかったよ。いつまでも私のそばに居てくれ」
鳳翔「――はい! こちらこそ、よろしくお願い致します――」
71: 2015/04/29(水) 12:21:28.42 ID:nGgkZAiN0
――ガタァン――
鳳翔「!?」
提督「と、止まった!? なんてベタな……」
鳳翔「あなた、これって止まるものなんですか?」
提督「いや普通は止まらないけど、約束と言うか定番と言うか」
鳳翔「きゃ……揺れますね」
提督「天辺は過ぎたけど、結構上の方で止まったから風強いな」
鳳翔「……あの、あなた……抱きしめてもらってていいですか」
提督「もちろん。……でも、あまり怖そうじゃないね?」
鳳翔「ひとりだったら怖かったんですけど。あなたと一緒なので全然大丈夫です、うふふ」
72: 2015/04/29(水) 12:25:44.18 ID:nGgkZAiN0
提督「……ふー……鳳翔」
鳳翔「はい?」
提督「今の君は最高に可愛いな。いやいつも可愛いけどさ」
鳳翔「な、なんですかいきなり!?」
提督「こんな所に2人でいると、キスしたくなるな」
鳳翔「いや、あのう、そんな直接言われるとですね……」
提督「ダメかな?」
鳳翔「も、もう、私は妻なんですよ! デートに連れてきて許可なんか取ってないで、行動で示して下さい!!」
73: 2015/04/29(水) 12:27:17.15 ID:nGgkZAiN0
提督「ご、ごめん。今のは無しで頼む」
鳳翔「本当ですよ、まったくもう――はい!」
提督「ありがとう――」
鳳翔「――ん――ふぅ。――あ、観覧車動きましたね」
提督「結構早く動いたな。よかったような残念なような」
鳳翔「……あのですね、仕事柄、なかなか2人っきりになれないじゃないですか?」
提督「そうだね」
鳳翔「だからこんな時くらい、お互い遠慮せずに話しましょうよ」
提督「気を使わせてすまない……」
鳳翔「謝らないでくださいよ。私、今日とっても楽しかったですから」
提督「それなら良かったけど……デートも終わりか。また明日から仕事頑張らなきゃな」
鳳翔「……」
提督「鳳翔?」
74: 2015/04/29(水) 12:28:09.42 ID:nGgkZAiN0
鳳翔「……ねぇ、あなた。わがまま言って良いですか?」
提督「珍しいな。なんでも言ってごらん」
鳳翔「あ、あの! 私今日は帰りたくな……じゃ、なくって、その!!」
提督「何だって?」
鳳翔「鎮守府に帰るのは、明日の朝にしませんか!?」
提督「お、おうっ!? 今日は大胆だな鳳翔、酔ってるのか!?」
鳳翔「2人で過ごせる時間も、もうしばらく取れないと思うんです。これからE海域の攻略ですし、きっと寝る時間もずれるでしょうし!」
75: 2015/04/29(水) 12:30:11.66 ID:nGgkZAiN0
提督「いや、大変に魅力的な提案なんだけど……明日の執務開始には間に合うように帰らないと、仕事が……」
鳳翔「ある程度は、長門さんと赤城ちゃんに任せれば大丈夫ですから! この時期は演習だけですし、月末で忙しいってわけじゃないですし。ね?」
提督「いや、それでも編成は自分が決めないと……」
鳳翔「……ダメ……でしょうか……?」
提督「書類は赤城に編成は長門に任せよう私が指揮を執れない時の練習にもなるしないっそ明日は提督権限で2人とも有給にしてゆっくり帰ろう」
鳳翔「はい、あなた!」
第1話 終
90: 2015/04/29(水) 14:27:14.52 ID:nGgkZAiN0
ようやく第1話終了です、本当に長くなって申し訳ありません……
鎮守府のドタバタやナンパネタはこんな感じで書きましたが、如何でしたでしょうか。
ここから第2話のお題を頂きたいと思います。
いくつか組み合わせてなんとか面白いものを考えたいと思ってますので、ご希望を書き込んで頂きたいと思います。
イベントも頑張りましょう。葛城が実装、実にめでたいですね!
次回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【第1.1話】
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