101: 2015/05/03(日) 19:54:45.92 ID:b21AWWBP0

102: 2015/05/03(日) 19:57:41.46 ID:b21AWWBP0


第2話 ~E海域攻略、お疲れ様!~


提督「パーティだって?」

陸奥「ええ。第十一号作戦は無事成功、甲種勲章も頂いたでしょ?」

提督「そうだな。皆頑張ってくれたよ、本当」

陸奥「だから一区切りってことで、慰労パーティしましょうよ!」

提督「うん、良いと思うよ。しばらく出撃は無いから、明日の夜あたりにしようか」

陸奥「料理とかお酒の買い出しは、間宮さんや鳳翔さんと協力してやっておくわ。提督はゲームの景品でも用意しておいてね」

提督「私が選んでいいのか?」

陸奥「貴方が選ぶからいいんじゃない。みんな喜ぶと思うわよ」

提督「そうかな? でもそう言われると困るな。どんなのにすればいいんだろ」

陸奥「まあ、誰かに相談してもいいし。それこそ鳳翔さんとかいいんじゃない?」

提督「ん、それもそうだ。それじゃ、後で領収書渡してね」

陸奥「了解よー」

103: 2015/05/03(日) 19:58:51.29 ID:b21AWWBP0

鳳翔「第十一号作戦、お疲れ様でした!」

提督「皆のおかげだよ。君も、ステビア海まで支援に出てもらって」

鳳翔「私の出撃も久しぶりでしたが、お役に立てて良かったです」

提督「それで、陸奥に言われたんだけど――」

鳳翔「――慰労パーティですか。いいですねぇ」

提督「うん、明日の夜は間宮や伊良湖と協力して、普段より豪華なのをお願いしたいんだ」

鳳翔「はい、お任せ下さい!」

104: 2015/05/03(日) 19:59:34.29 ID:b21AWWBP0

提督「外注してもいいんだけど……下手なお店より君たちの料理の方が全然美味しいからね」

鳳翔「あら、お上手ですね」

提督「いや本音だよ……それで、パーティでやるゲームの景品を用意しなきゃならないんだけど」

鳳翔「まあ、あなたが用意するのですか。きっとみんな喜びますね」

提督「そうかな? あんまり自分のセンスに期待されても困るんだけど」

鳳翔「でも、ちょっと大変ですね。駆逐の子と、戦艦や重巡の皆さんでは嗜好が全然違いますからねぇ」

提督「そうなんだよ。何を用意すれば良いか、相談しに来たんだ」

105: 2015/05/03(日) 20:00:29.91 ID:b21AWWBP0

鳳翔「そうですね。お菓子とかお酒、間宮さんのチケットでいいんじゃないでしょうか」

提督「そんなのでいいのかな……大規模作戦の後だから、全員にあげても良いくらいなんだけど」

鳳翔「あなたが手渡しするのに価値があると思いますよ。全員にあげるなら、ゲームに勝った子には量を多くするとかで如何ですか」

提督「あ、それいいね。それじゃ宴会で飲む分と別に、景品用の酒とお菓子を買ってこよう」

鳳翔「私もお供いたしましょうか?」

提督「いや、一人で大丈夫だよ。勿論君の分も用意したいから当日まで秘密にしたい」

鳳翔「まあ……本当に楽しみですね!」

106: 2015/05/03(日) 20:01:30.97 ID:b21AWWBP0

陸奥「――というわけでパーティの準備するわよ!!」

摩耶「えらく端折ったな。つまり、E海域攻略のお祝いってわけか」

那智「今回も全員無事だったからな。めでたいことだ」

妙高「そうね。しっかり休んで次に備えましょう」

愛宕「2人とも相変わらず真面目ね~。気を抜くときは抜かないと疲れちゃうわよ?」

鳥海「姉さんはもうちょっと……いえ、何でもないです」

最上「料理はボクたちが協力して作るの?」

陸奥「ええ。今回は駆逐ちゃんたち、すっごく頑張ってくれたじゃない?」

扶桑「そうですね、特に連合艦隊では何度も修復材を使って……」

山城「連続で出撃してた子もいたわね……流石に提督が休みは入れてたけど」

107: 2015/05/03(日) 20:02:21.23 ID:b21AWWBP0

陸奥「だから私たち年長組がねぎらう意味も込めて、料理とかお酒を用意しましょう」

長門「間宮たちと協力してか。うん、良いんじゃないか」

高雄「今回はあの子たちにゆっくりしてもらいたいですしね」

摩耶「……そういや正規空母組はどうした?」

最上「さっき呼びに行ったら、6人ともまだ寝てたよ。そりゃもう泥のように」

妙高「例の鳳翔さんの件がようやく解決したら、そのまますぐE海域攻略に入りましたからね……」

那智「疲れが一気に出たのだろうな。今回は休ませておいてやろう」

116: 2015/05/09(土) 02:18:24.97 ID:QaT8IrKR0





伊良湖「ええと、お食事はバイキング形式がいいでしょうか」

間宮「そうね。皆で談笑しながら好きなものを取るのが良いと思うわ」

鳳翔「お料理は私と年長組の皆さんで作りますので、お二人には甘味をお任せしてよろしいでしょうか」

間宮「ええ、構いませんが。それなりの量を作るとなると、材料費の方も……」

鳳翔「それは気にしないで大丈夫ですよ。あの人が全部受け持つと言っていましたから」

伊良湖「だ、大丈夫なんですか? 最近お砂糖の値段もかなり上がってきてますけど」

鳳翔「ふふ、鎮守府の皆さんを楽しませるぐらいの甲斐性は見せて頂かないと困ります」

間宮「あらあら。うふふ」

伊良湖(鳳翔さんが妻の顔に……)

117: 2015/05/09(土) 02:19:46.99 ID:QaT8IrKR0

提督「ただいまー」

鳳翔「おかえりなさい……まあ、すごい大荷物ですね」

提督「全員分のプレゼントだからな。間宮、冷蔵庫貸してくれ」

間宮「はい、こちらです。手伝いますね」

提督「あ、いや、良いんだ。というより、出来ればパーティまであまり見ないでくれるとありがたいんだけど」

伊良湖「? どういうことですか?」

鳳翔「提督は一人ひとりにゲームの景品を用意してくれてるんです。渡す時まで秘密ですって、私にもね」

伊良湖「まあ! 私楽しみです!」

提督「お、おい。ハードル上げてくれるなって……」

118: 2015/05/09(土) 02:22:04.91 ID:QaT8IrKR0

提督「料理の方は大丈夫かな?」

鳳翔「戦艦や重巡の皆さんが手伝って下さいますので。人手は十分ですよ」

提督「……何人か不安になる面子がいるんだが」

間宮「こら、提督! 女の子にそんなこと言っちゃだめですよ」

提督「あ、ごめん」

鳳翔「そういえば今まで、私がお料理を教えたことがあるのは摩耶さんと那智さん、妙高さんだけですね……他の方の腕前はどうなのかしら」

伊良湖「お菓子の方は力仕事が多いので頼もしそうですが」

提督「苦労かけてすまないけど、皆で協力してやってくれ。私も明日の夜は仕事を空けられるようにするから、頼んだよ」

鳳翔「はい、お疲れ様です」

119: 2015/05/09(土) 02:23:38.92 ID:QaT8IrKR0





長門「手伝いが私で大丈夫なのか? 菓子など作ったことがないのだが」

扶桑「私もお恥ずかしながら……お料理でも、お菓子は敷居が高いですよね」

伊良湖「お菓子で難しいのは、材料を正確に量ることと、混ぜ合わせ方なんです。
混ぜるのにはすごく力が要りますので、大量に作る時は力の強い方が必要なんですよ」

鳥海「ダマにならないようにするとか、聞いたことはあるんですけど。お役に立てれば良いのですが」

最上「計量は間宮さんたちに任せた方がいいと思うな……早く混ぜるくらいならボクにも出来そう」

間宮「そんなに気を張る必要ありませんよ。大切なのは作った人の気持ちですからね」

扶桑「……普段は、小さい子たちがいつも、甘いものを好きなだけ食べられる様な時節ではありませんからね」

長門「そうだな。祝い事の時くらい、沢山食べさせてやりたいな」

間宮「うふふ、その気持ちを込めてあげて下さい。それじゃ、まずはホールケーキを作りましょう」

120: 2015/05/09(土) 02:26:03.62 ID:QaT8IrKR0





摩耶「――さてと、アタシらは洋食担当だ。まずはカレーとハンバーグ、カツとオムライスを作るぞ」

那智「なぜそのメニューなんだ?」

摩耶「一番の目的は駆逐たちのねぎらいだからな。とりあえずちびっ子に人気なの作っとけば外れねーだろ」

那智「……」

摩耶「どうした那智?」

那智「いやな、お前が年下の艦娘に好かれている理由が、なんとなく察せられてな。そういう気遣いを彼女らも感じ取っているのだろう」

摩耶「ばっ、何だよそれ! 別に気遣いとか考えてねぇって!」

那智「照れなくてもいいだろう。最近入った子にも、早く打ち解けられるように色々気を回してたらしいじゃないか? 甘味処に連れて行ったりとか」

摩耶「な……誰がそんなこと!!」

那智「司令官から聞いたぞ」

摩耶「あの野郎っ!! 黙っとけって言ったろうが!!」

121: 2015/05/09(土) 02:27:53.17 ID:QaT8IrKR0

那智「ふふ、まあ落ち着け。私はハンバーグを捏ねてるから、他の方を頼むよ」

摩耶「わかったよ、ったく。――さてと」

高雄「……」ダラダラ

愛宕「あ、あの、摩耶ちゃん……」

摩耶「あー、うん。大丈夫だ、わかってるから。高雄姉と愛宕姉が、今まで包丁持ったことないってことはさ」

高雄「あんまり大きな声で言わないで……」シクシク

摩耶「事実だろうが。良い機会だから、せめて人並みに材料切ったり皮向いたりくらいは出来るようになっておこうぜ」

愛宕「……摩耶ちゃんに教わるってなんか屈辱~」

摩耶「嫌なら別にいいんだ。誰かとケッコンして、亭主に出す料理は全部レトルトで済ますつもりなら……」

愛宕「それはイヤ!! 私頑張るわ、ぱんぱかぱん!!」

摩耶「意味不明だけどまあいいや。まず包丁の握り方から……」

122: 2015/05/09(土) 02:30:08.35 ID:QaT8IrKR0

高雄「む……くっ」プルプル

摩耶「……おい高雄姉、もうちょっと肩の力抜け。ジャガイモの皮はそんなに厚くねーぞ」

愛宕「にゃー、にゃー……にゃあー」プルプル

摩耶「……愛宕姉、落ち着け。アタシはネコ手で材料を押さえろって言ったのであって、ネコになれとは言ってない」

那智「ハンバーグのタネは出来たぞ。あとは煮込むなり焼くなり……何があったんだ、こっちは」

高雄「話しかけないでっ!! 気が散るわ」

那智「……皮むき機を使って、どれだけ力を入れればここまで厚く削れるんだ?」

愛宕「摩耶ちゃん、これ欠陥品じゃない? 包丁がまな板に突き刺さるんだけど」

摩耶「だから力は加減しろって言ったろ!! 自分の馬力を忘れんなよ!!」

123: 2015/05/09(土) 02:32:39.93 ID:QaT8IrKR0





鳳翔「私たちは和食担当ですね。妙高さん、揚げ物をお願いしていいかしら」

妙高「はい! 昔、鳳翔さんに教わりましたから大丈夫です」

山城「鳳翔さん、ご飯炊けたわよー」

鳳翔「ありがとうございます。それじゃ、酢飯にしてもらえますか? 全員分のちらしは、少し大変ですけど」

山城「了解よ」

陸奥「私はどうしようかしら?」

鳳翔「ちらしの具を作りましょう。魚を捌いたり、卵を焼いたりね」

陸奥「あの、薄焼き卵をほそーく切るやつね。どっちもちょっと難しそうね……」

鳳翔「それじゃ、一緒に卵焼き作りましょうか。錦糸卵を失敗せず作れるようになれば、色々応用できますから」

陸奥「よろしくお願いします、先生」

124: 2015/05/09(土) 02:33:45.43 ID:QaT8IrKR0

鳳翔「……そうです、そこから、竹串で周りを一周して取り出します。……冷めたら、薄焼きをくるくる巻いて、千切りにします」

陸奥「こ、これでいいかしら」

鳳翔「はい、これで完成です! 陸奥さん筋が良いですね」

陸奥「教え方が良かったのよ。貴女の手料理を毎日食べれる私たちは幸せね」

鳳翔「まあ、照れちゃいますね」

陸奥「提督に出すものには、何か特別な料理を作ったりしてるの?」

鳳翔「いえ、あの人は私の負担が増えないようにって、食堂で皆さんと同じものを食べていますよ」

125: 2015/05/09(土) 02:35:06.10 ID:QaT8IrKR0

陸奥「あらあら、奥さんとしては複雑ね。もっと手の込んだものを食べて欲しいとか思わない?」

鳳翔「時々、あの人がお仕事で忙しい時は、執務室に持っていきます……
その時に、ちょっと一品足してみたりとか……きゃっ、私ったら何を……」

陸奥「可愛いわねー……提督がデレデレの理由もわかるわ」

鳳翔「も、もうっ!! 錦糸卵、あと100枚焼いて下さい!!」

陸奥「」

陸奥「そ、そうだったわ……1枚焼いて終わりじゃなかったわね……」

132: 2015/05/24(日) 15:14:40.84 ID:ORHlqHJo0





提督「えー……皆揃ったかな?」

提督「今年度最初の大規模作戦が終了し、こうしてまた全員で集まれたことを、とても嬉しく思う」

提督「これも皆の働きのおかげだ。ありがとう」

提督「挨拶は手短にして、先に乾杯を……赤城」

赤城「……」

提督「赤城」

赤城「は、はいっ! なんでしょうか!」

提督「料理を早く食べたかったら、前に出て音頭取ってくれ」

赤城「み、皆さん!! 第十一号作戦、お疲れ様でした!! 今日一日楽しく過ごして、明日からまた頑張りましょう!! 乾杯!!!!」

「「「か、かんぱーい」」」


鳳翔「切実ね、赤城ちゃん」

提督「でも、とりあえず挨拶はしっかりしてるな」

133: 2015/05/24(日) 15:15:39.82 ID:ORHlqHJo0

赤城「」モグモグ

加賀「」モグモグ

提督「今回は皆お疲れ様。注ぐよ」

飛龍「あ、ありがとうございます提督」

蒼龍「なんか準備全部任せちゃったみたいで……」

鳳翔「後で戦艦と、重巡の皆さんにお礼を言っておいてね」

翔鶴「何故か、昨日の記憶がないんですが」

瑞鶴「私たち全員、ずーっと寝てたみたいだからねー」

提督「あまり纏まった休みは取らせてやれないけど……せめて今日くらいはゆっくりしてくれ」

鳳翔(私たちは遊園地の後ゆっくりしてきちゃいましたけどね)

134: 2015/05/24(日) 15:16:56.08 ID:ORHlqHJo0

川内「え、う、ウソ!? このカレー高雄さんと愛宕さんが作ったの!?」

高雄「何よその言い方……」

摩耶(川内は高雄姉たちが料理出来ないの知ってるからな)

愛宕「どう? 初めてにしては良く出来てるでしょ~」エヘンプイ

摩耶(皮剥いて材料切っただけだけどな。突っ込むのは野暮か)

那珂「すごく美味しいよ!! どんなスパイス使ったの?」

愛宕「え? す、スパ……ひ、秘密よ!! 重巡の料理レシピは軍機よ、軍機!!」

摩耶「仲間うちで軍機作ってどうすんだよ」

135: 2015/05/24(日) 15:19:00.75 ID:ORHlqHJo0

神通「でも本当に美味しいですね、味付けは摩耶さんが?」

摩耶「おう、カレー粉が手に入らなかったからな。南方海域へ出撃した時、
海運会社のおっさんに香辛料を融通してもらうよう頼んどいたのさ」

那智「自分でスパイス調合したのか? やるじゃないか」

摩耶「……アタシが考えたんじゃない。厨房の奥に、調合のやり方が隠してあったんだ。
その通りに作ったら自分でもびっくりの旨さになった」

妙高「秘蔵レシピってわけですか、一体誰のでしょう?」

摩耶「『竜飛』って書いてあったんだが……先代の料理長かなんかかな」

136: 2015/05/24(日) 15:21:24.91 ID:ORHlqHJo0

山城「ど、どうかしら、間宮さん」

間宮「ええ、程よく酢がきいてて良い感じですよ、このちらし」

伊良湖「これなら食堂でも出せそうです。山城さんにも食堂を手伝ってもらいたいくらい」

山城「そうね、時間が空いてるときは手伝うわ」

扶桑「良かったわね、山城」

最上「ボクたちも、お菓子が上手く出来て良かったね」

鳥海「そうですね。殆ど伊良湖さんにやってもらっちゃいましたけど」

間宮「鎮守府の皆さんは、皆お料理得意で助かりますね」

鳥海「姉さんたちも今回は随分頑張ってましたし」

最上「姉妹かー。元気かな、三隈たち」

137: 2015/05/24(日) 15:23:12.63 ID:ORHlqHJo0

雪風「長門さん長門さん!! 雪風はケーキが食べたいです!!」

長門「デザートは料理を食べてからにするんだ、一杯作ったから急がなくても大丈夫だぞ」

村雨「でも赤城さんと加賀さんがすごい勢いで食べちゃってるよ」

長門「……先にケーキ確保しておいた方がよさそうだな。欲しい者は私に言ってくれ」

綾波「あ、は、はい! 私もお願いします!」

春雨「……」モジモジ

陸奥「春雨? 遠慮しないでいいのよ、ね?」

春雨「で、でも、私今回の作戦中は遠征要員でしたし」

陸奥「そんなの誰も気にしてないわよ。私たちが戦えるのは、貴女たちが資源を持ってきてくれるからなのよ?」

春雨「でも、あの、出撃してた人たちより先に食べちゃうのはちょっと」

陸奥「……んもー可愛いわねー!! お姉さんの分全部あげちゃう!!」ムギュー

春雨「ギュ!! く、くるし……」

138: 2015/05/24(日) 15:25:01.21 ID:ORHlqHJo0

吹雪「これからは高射砲の時代だよ!! 司令官も新しい高射装置、改修してるし!!」

時雨「ゴクッゴクッ……ふう……吹雪、駆逐艦の本来の役目を忘れたのかい。 
敵に肉薄して必殺のロングランス、それが水雷戦隊の戦いだろう?」

吹雪「グビグビ……それを否定してるわけじゃないよ。でも敵の航空機への対処は必要だよ、
最近は丸っこい新型もよく見るし!!」

時雨「その言い方はまるで、空母の先輩たちを信頼してないように聞こえるよ。
対空戦は任せて、僕たちは夜間雷撃の技術を磨くべきだと思うけどね」

吹雪「そんなことないもん!!」

139: 2015/05/24(日) 15:26:05.10 ID:ORHlqHJo0

敷波(ちょっと誰、あの2人にお酒飲ませたの!!)

朝潮(し、知らないよぉ、さっきまで仲良く喋ってたんだよ)

吹雪「叢雲は私の言うこと、わかってくれるよね!? 同じ特Ⅰ型改二として!!」

叢雲「ち、ちょっと落ち着きなさいよ」

時雨「満潮はわかってくれるだろう? 西村艦隊の仲間としてね」

満潮「どっちも大事でいいじゃない。こんなくだらないことで喧嘩するんじゃないわよ」

敷波「ちぇ、2人は良いよな。5連装酸素魚雷とか、高射装置付き高角砲とか装備出来てさー」

朝潮「私たちも改二欲しいねー」

140: 2015/05/24(日) 15:27:45.24 ID:ORHlqHJo0

提督「えー、皆楽しんでもらえているかな」

提督「この辺でビンゴゲーム始めるぞ。パーティの最初に配ったカードを用意してくれ」

提督「景品は全員分用意してあるが、もちろん早くビンゴになれば豪華なものを渡す」

提督「だから皆頑張ってくれ」

摩耶「何をどう頑張るんだよ」

提督「……それもそうか。祈っててくれ」

山城「こんな運に頼るゲーム用意するなんて……ふ」

提督「――ゴホン。それじゃ始めるぞ」

提督「まずは3つ。61、6、19だ」

148: 2015/05/25(月) 19:39:26.88 ID:10iJP0jW0

摩耶「お、幸先いいな。3つともあるぜ」

鳥海「……私1個も無いのに」

提督「誰かにリーチ出るまでは、テンポ早めでどんどん行くぞ。次は5、51、43」

飛龍「未だに0個……運の値は関係ないのかな……」

伊良湖「わ、私もです……」

提督「25、18、53」

伊良湖「あ、やっと1個」

飛龍「う、うそ!? ここまで全滅なんてアリエナイ!!」

149: 2015/05/25(月) 19:41:01.21 ID:10iJP0jW0

川内「はいはい!! 私リーチ!!」

蒼龍「私も……あ、しかもダブルだ」

飛龍「蒼龍、私のと交換して!! 今度友永隊貸してあげるから!!」

蒼龍「だめだよ。そんなことで妖精さん賭けないでよ」

摩耶「……最初の3個以外、全然来ないんだが」

鳥海「結構そういうことあるのよね、ビンゴって」

150: 2015/05/25(月) 19:43:09.25 ID:10iJP0jW0

提督「リーチが2人か。それじゃ2個ずつにするぞ……44、68」

飛龍「よし来た2個来た!!!! これで勝つる!!!!」

瑞鶴「まだ2個だけですよ、落ち着いて下さい」

提督「リーチいるかー? ――よし次、36、42」

蒼龍「……」

蒼龍「……んん?」

蒼龍「……あれ」

蒼龍「――やったぁあああビンゴだぁああああ!!」

151: 2015/05/25(月) 19:44:57.20 ID:10iJP0jW0

提督「ビンゴ第1号は蒼龍か。おめでとう」

蒼龍「ありがとうございます提督!!」

飛龍「今からでも遅くない、取り替えて!! 今なら友永隊に加えて江草隊もつけちゃう!!」

蒼龍「いつの間に江草隊持っていったのよ!! 返して!!」

提督「ビンゴ3人揃うまで、ちょっと待っててくれな。次行くぞー」


陸奥「」 ←まだ1個

間宮「」 ←まだ1個

伊良湖「」 ←まだ1個

朝潮「うーん……」 ←2個

雪風「2個です!! これって当たりですか!?」 ←2個

敷波「え、雪風がまだ2個なんだ。どうした幸運」 ←2個

村雨「わかんないよー? これから一気に追い上げ来るかも」 ←2個

152: 2015/05/25(月) 19:46:20.86 ID:10iJP0jW0

提督「28、24」

大淀「唐突に私がリーチです!!」

明石「ほ、本当に唐突ね……私も結構当たってるんだけどなー」

提督「結構当たり増えてきたかな?」

提督「次は……7、70だ」

鳳翔「! あ、あの、私、リーt」

川内「はいはいはーい!!!! 私ビンゴだよ!!!!」

鳳翔「……」

153: 2015/05/25(月) 19:47:40.27 ID:10iJP0jW0

提督「よしよし、2番は川内だな。おめでとう」

川内「景品期待してるからねー!!」

提督「さて、そろそろ終盤だな。1個ずつ行くぞ――57」

加賀「リーチです」

提督「リーチも増えてきたな……次だ、12……20」

瑞鶴「リーチよ!!」

明石「私もです!!」

提督「31」

明石「ダブルリーチ!!」

妙高「私もリーチです」


154: 2015/05/25(月) 19:48:50.54 ID:10iJP0jW0

提督「48」

愛宕「リーチよ~」

提督「58……66……37」

叢雲「やっとリーチね」

提督「52」

高雄「よし、リーチです」

提督「49」

赤城「リーチです!」

提督「74」

「「「……」」」


167: 2015/05/27(水) 01:27:21.35 ID:adMSY7sN0

提督「リーチ増えたなあ。次で決まるかな?」

鳳翔(……)

鳳翔(割と早い段階でリーチを引きましたが……)

鳳翔(もうっ、こういうときの勝負運は悪いですね、私!)

鳳翔(景品の内容は相談されましたけど、何か良いものを用意してくれてるはず)

鳳翔(他の子たちには申し訳ないですけど、私だって気になるんです!!)

鳳翔(32……32……32です……!!)

168: 2015/05/27(水) 01:30:28.78 ID:adMSY7sN0

提督「次は――32だ」

鳳翔「!!」

鳳翔「やったぁああ!! やりましたよ、ビンゴです、あなた!!!!」ピョンピョン

提督「お……おう、良かったね、鳳翔」

瑞鶴「お、お母さん?」

翔鶴「お母さんが飛び跳ねて喜ぶなんて……珍しいですね」

飛龍「うわぁああああ多聞丸ぅうううう!!!!」

翔鶴「飛龍先輩……そんなに勝ちたかったんですか?」

瑞鶴「窮地から逆転するのが好きだからね、飛龍さん。それだけの勝負運も持ってるし」

蒼龍(その割にはカード交換しようとか言ってきたじゃん……後で江草隊迎えに行かなきゃ)

169: 2015/05/27(水) 01:33:21.85 ID:adMSY7sN0

提督「さてと、ビンゴした3人への景品は……」

提督「まず1つ目、商店街から提供して頂いた金券。甘味処でも呑屋でも支払い出来るそうだ」

提督「1人分には多いから、誰かを誘って行くといいんじゃないかな」

提督「2つ目、間宮から提供のチケット。ビンゴの早い順に10、5、2枚」

提督「最後3つ目は、休暇申請の優先権だ」

提督「E海域攻略の後だから、もちろん全員に休暇を取れるよう調整するが……」

提督「ビンゴの3人には、休暇を取る日の希望を優先して聞くことにする」

提督「本当はもっと良い装備とか、用意しようかと思ったんだけどね。ビンゴの順番によっては意味が無くなっちゃうから」

170: 2015/05/27(水) 01:35:42.82 ID:adMSY7sN0

蒼龍「いいんですか、10枚も?」

提督「正規空母組は連合艦隊で出ずっぱりにしてしまったからね。自分で使ってもいいし、飛龍たちを誘ってもいいし」

飛龍「蒼龍!! 私信じてるからね!!」

蒼龍「信じてるじゃない!! 江草隊返せ!!」

提督「あー、とりあえず、間宮のチケットは全員に1枚ずつ渡すから安心してくれ」

翔鶴「本当ですか提督!!」

瑞鶴「随分太っ腹じゃん!! ねえ赤城さん」

赤城「」モグモグ

加賀「」モグモグ

瑞鶴「ってまだ食べてたんかい!!」

赤城「残したらもったいないですからね」モグモグ

加賀「ビンゴにはちゃんと参加してたわ。忘れずにリーチもかけてたしね」モグモグ

翔鶴「そんな、麻雀じゃないんですから」



鳳翔(チケットが2枚……つまり2人分)

鳳翔(2人……)

鳳翔(////)

171: 2015/05/27(水) 01:37:11.39 ID:adMSY7sN0

提督「ああ、そうだ。全員への景品はもう1つあるんだ」

提督「まず蒼龍にはこれね」

蒼龍「お酒ですか? ……あ、私の名前!!」




提督「物流も滞ってるなかで、全員分探すのは結構苦労したよ……色々伝手を使って何とかした。
君たちの名前とか、生まれた場所などで私が勝手に用意してしまったが」

川内(私の鹿児島限定って書いてる……どうやって用意したんだろ、提督の伝手ってどうなってんの)



鳳翔(こういう細やかな気遣いが出来る人なんですよね……だから皆から好かれているんでしょうけど)

鳳翔(とっても嬉しいんですけど、ちょっと複雑です……)



175: 2015/05/28(木) 00:30:05.76 ID:nsEukIYF0

提督「――よし、これで景品は全員分行き渡ったね?」

提督「良い時間になったし、そろそろ御開きにしようか」

提督「明日は通常の業務だから、部屋呑みはほどほどになー」

間宮「それじゃ、後片付けしましょう」

飛龍「あ、大丈夫だよ、私たちでやっておくから」

蒼龍「そうだね。準備は全部してもらっちゃったし」

間宮「そうですか? それじゃお願いしますね」

瑞鶴「うん、任せといて……あれ? ここに残ってた料理は?」

翔鶴「お皿もありませんね……あ、あと、赤城先輩と加賀先輩もいません」

瑞鶴「……あー!! 片付けから逃げて、何処かで隠れて二次会やるつもりなのよ!!」

飛龍「な、なんですってぇ!! 貸し1つじゃ済まないよ!!」

提督(鳳翔もいないな。さっきまでいたのに、何処行ったんだ?)

176: 2015/05/28(木) 00:31:35.23 ID:nsEukIYF0

赤城「――はいお待たせしました、妖精の皆さん」

加賀「余りものですみませんが……お母さんたちが腕を揮って下さったので、味は保証できますよ」

工廠妖精s「――!!」

赤城「い、いえいえ、良いんですよ、お礼なんて。私たちだけで楽しんじゃってて、遅くなってごめんなさい」

艦載機妖精s「――!!」

加賀「妖精さんたちも祝勝会でしたか。……あら? でも、お酒が少ないようだけれど」

整備妖精s「――!!」

赤城「え、明日の仕事に差し障るからですか? まあ……なんだかこっちが申し訳ないですね」

加賀「でも、一杯ぐらい私たちと乾杯しませんか? ちょうど提督から頂いたものが……あら」

赤城「お料理を持っていくのに気を取られて、お酒置いてきちゃいましたね……」

177: 2015/05/28(木) 00:32:28.98 ID:nsEukIYF0

鳳翔「――あ……貴女たち……」

加賀「!?」

赤城「ひぃ!? お、お母さん!!」

鳳翔「お酒を忘れるなんて妙だと思ったら……まさか……」

加賀「あ、あの、これはですね」

赤城「決して片付けをサボろうとかそういう思惑ではなく……」

鳳翔「……」



鳳翔「うぅ……グスッ……」

赤賀「!?」

178: 2015/05/28(木) 00:37:50.38 ID:nsEukIYF0

鳳翔「まさか……まさか貴方たちが、料理を独り占めせずに分け合うことが出来たなんて……」

赤城「お、おかあさん!!」グスッ

鳳翔「瑞鶴ちゃんの言うとおり、何処かに隠れて酒宴でも開いているのかと私も思ってましたが……成長しましたねぇ、グスッ……」

鳳翔「お説教に来るつもりが、いいものを見せてもらいました!! 私も入れて下さい!!」

加賀「お母さん……」

加賀「……」

加賀(私たちはそこまで信用されていないのですか!?)ガーン

鳳翔「さあ乾杯しましょう!」

赤城「はい!! かんぱーい!!」

加賀「か……乾杯……」シクシク



第2話 終


179: 2015/05/29(金) 19:38:04.81 ID:UJjizpcC0
第二話乙
加賀さん不憫wwww

次回:鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」【第2.1話】


引用: 鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」 【お題募集】